JP2019107989A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸受の内輪の変形を抑制しつつ、内輪を簡単に固定できるステアリング装置を提供すること。【解決手段】ラックシャフトと、ボールねじナット31と、ハウジング16と、ハウジング16の内周面とボールねじナット31の外周面との間に設けられることによりボールねじナット31を回転自在に支持する軸受50であって、外輪51と、内輪52と、外輪51と内輪52との間に軸方向に並んで配置される第1のボール群55及び第2のボール群56とを有する軸受50と、を備える。ボールねじナット31の外周面には、溝部31aが設けられている。溝部31aには、径方向の内側に向かって支持部60cの部位60dがかしめられている。保持部材60は、溝部31aにかしめられた状態で、内輪52の第1の内輪部53の端面53bと、溝部31aの段差面31cとにそれぞれ当接し、第1の内輪部53の端面53bに付勢力F1を付与する。【選択図】図3
Description
本発明は、ステアリング装置に関するものである。
従来、車両用のステアリング装置として、例えば、特許文献1のEPS装置では、ボールねじナットを回転可能に支持する軸受として複列アンギュラ玉軸受を採用している。軸受は、外輪と、内輪と、外輪と内輪との間に介在される複数のボールとを有している。軸受の内輪は、軸方向中央位置で2分割されている。軸受の内輪は、ボールねじナットの外周に設けられた鍔部材に隣接させるかたちでボールねじナットの外周面に嵌合されている。軸受の内輪は、ボールねじナットの外周に螺着されるロックナットにより鍔部材に向けて押し付けられることで固定されている。
ところで軸受の内輪をロックナットにより固定する理由は、軸受における複数のボールと、内輪及び外輪との間の内部隙間のばらつきをなくすために外輪、内輪、及び複数のボールにそれぞれ軸方向の力を作用させた状態とすること、及び軸受の内輪の回転体に対する軸方向への相対移動を抑制することである。
しかし、軸受の内輪のボールねじナットに対する軸方向への相対移動を抑制するためにロックナットを締付け過ぎることで軸受の内輪及びボールねじ部に過大な荷重が作用してしまい、内輪及びボールねじ部が変形してしまうおそれがある。また、内輪及びボールねじ部の変形を抑制しつつ、軸受の内部隙間のばらつきを抑制し、且つ内輪のボールねじナットに対する軸方向への相対移動を抑制するためにはロックナットの締付けトルクを細かく調整する必要があり手間がかかる。また、調整された締付けトルクでロックナットを内輪に向けて締付けたとしても、外部からの振動等でロックナットが内輪と反対側に向けて緩む場合も考えられる。
本発明の目的は、軸受の内輪の変形を抑制しつつ、内輪を簡単に固定できるステアリング装置を提供することである。
[1]上記目的を達成し得るステアリング装置は、軸方向に往復動することにより転舵輪を転舵させる転舵軸と、前記転舵軸の外周に設けられ、前記転舵軸の前記軸方向に往復動させる軸力を前記転舵軸に伝達するために前記転舵軸の軸線を回転中心として回転する円筒状の回転体と、前記回転体を収容するハウジングと、前記ハウジングの内周面と前記回転体の外周面との間に設けられることにより前記回転体を回転自在に支持する軸受であって、外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に前記軸方向に並んで配置される複数の第1の転動体及び複数の第2の転動体とを有する軸受と、を備える。前記回転体の外周面には、前記軸受に隣接する溝部が設けられ、前記内輪の端面及び当該端面と対向する前記溝部の段差面にそれぞれ当接して前記内輪の端面に前記軸方向の付勢力を付与する状態で、前記溝部に対して保持部材が前記軸方向に直交する径方向の内側に向かって嵌め込まれている。
この構成によれば、軸受の内輪が軸方向において回転体に対して相対移動しようとしても保持部材が溝部の段差面に引っかかるため内輪の回転体に対する相対移動が抑制される。また、保持部材は、溝部に嵌め込まれた状態で内輪の端面に付勢力を付与するため、軸受の内部隙間のばらつきも抑制できる。ロックナットを回転体の外周面に螺着することにより軸受の内輪の回転体に対する相対移動を抑制する構成と比較すると、保持部材を溝部に嵌め込むだけで軸受の内輪が固定されるとともに、保持部材は径方向の内側に向かって溝部に嵌め込まれているため、溝部からの保持部材の離脱が抑制されている。また、ロックナットを締付け過ぎることにより内輪に過大な荷重が作用する、といったことも生じない。したがって、軸受の内輪の変形を抑制しつつ、内輪を簡単に固定することができる。
[2]上記[1]の構成を有するステアリング装置において、前記保持部材は、前記軸方向の一端部が前記内輪の端面に当接し、前記軸方向の他端部が前記径方向の内側に向かって変形するように前記溝部にかしめられていることにより前記段差面に対して密着している構成を採用することができる。
[3]上記[2]の構成を有するステアリング装置において、前記段差面は、前記溝部の底面から前記回転体の外周面に向かうにつれて前記溝部の開口部が大きくなるように設けられる傾斜面であることが好ましい。
この構成によれば、溝部の段差面に密着させるように保持部材の他端部のかしめを行う際に、保持部材の他端部が溝部の段差面により溝部の内部に案内されやすくなるため、保持部材の他端部を溝部に対してかしめやすくなる。
[4]上記[2]の構成または上記[3]の構成を有するステアリング装置において、前記溝部は、前記軸線を中心とした周方向において、前記回転体の外周面の全周に亘って設けられ、前記保持部材は、前記溝部の全周に亘って嵌め込まれる円環状をなしていることが好ましい。
この構成によれば、溝部の全周に亘って保持部材の他端部のかしめを行うことにより、より均一に内輪を軸方向に沿って固定することができる。
[5]上記[1]の構成を有するステアリング装置は、前記溝部は、前記軸線を中心とした周方向において、前記回転体の外周面の全周に亘って設けられ、前記段差面は、前記径方向に沿って前記溝部の底面から前記回転体の外周面に向かうにつれて前記溝部の開口部が大きくなるように設けられている第1のテーパ面であり、前記保持部材は、C字形状の止め輪であり、前記保持部材は、前記第1のテーパ面に対応する第2のテーパ面を有し、前記内輪の端部は、前記軸方向において前記溝部に対して所定量だけ重なっている構成として具体化できる。
[5]上記[1]の構成を有するステアリング装置は、前記溝部は、前記軸線を中心とした周方向において、前記回転体の外周面の全周に亘って設けられ、前記段差面は、前記径方向に沿って前記溝部の底面から前記回転体の外周面に向かうにつれて前記溝部の開口部が大きくなるように設けられている第1のテーパ面であり、前記保持部材は、C字形状の止め輪であり、前記保持部材は、前記第1のテーパ面に対応する第2のテーパ面を有し、前記内輪の端部は、前記軸方向において前記溝部に対して所定量だけ重なっている構成として具体化できる。
本発明のステアリング装置によれば、軸受の内輪の変形を抑制しつつ、内輪を簡単に固定できる。
<第1の実施形態>
以下、ステアリング装置の一実施形態である電動パワーステアリング装置1(以下、「EPS装置1」という)について説明する。
以下、ステアリング装置の一実施形態である電動パワーステアリング装置1(以下、「EPS装置1」という)について説明する。
図1に示すように、EPS装置1は、運転者のステアリングホイール10の操作に基づいて転舵輪15を転舵させる操舵機構2と、運転者のステアリングホイール10の操作を補助するアシスト機構3と、操舵機構2の一部分及びアシスト機構3の一部分を収容するハウジング16とを有している。
操舵機構2は、ステアリングホイール10、ステアリングホイール10と一体回転するステアリングシャフト11、及びステアリングシャフト11に連動し、軸方向に往復動する転舵軸としてのラックシャフト12を備えている。ラックシャフト12の外周面には、ねじ溝12a(図1中の左側)及びラック歯12b(図1中の右側)が設けられている。
以下の説明において、「軸方向」とはラックシャフト12の軸方向を意味し、「径方向」とは、「軸方向」に直交する方向を意味し、「周方向」とはラックシャフト12の軸線m回りの方向を示している。
ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール10と連結されたコラムシャフト11a、コラムシャフト11aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト11b、及びインターミディエイトシャフト11bの下端部に連結されたピニオンシャフト11cを有している。ピニオンシャフト11cの下端部には、ピニオン歯11dが設けられている。
ピニオンシャフト11cのピニオン歯11dと、このピニオン歯11dと噛み合うラックシャフト12のラック歯12bとによりラックアンドピニオン機構13が形成されている。したがって、ステアリングシャフト11の回転運動は、ラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト12の軸方向(図1中の左右方向)の往復動に変換される。ラックシャフト12の往復動がラックシャフト12の両端部にそれぞれ連結されたタイロッド14を介して左右の転舵輪15にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪15の転舵角が変更される。なお、タイロッド14は、ラックシャフト12の軸線mに対して角度がついた状態で取り付けられている。
アシスト機構3は、ラックシャフト12の周囲に設けられている。アシスト機構3は、アシスト力の発生源であるモータ20と、ラックシャフト12に取り付けられるとともにラックシャフト12を往復動可能に支持する円筒状のボールねじナット31(図2参照)を有するボールねじ機構30と、モータ20の回転軸21の回転力をボールねじ機構30に伝達するベルト式の減速機構40とを有している。アシスト機構3は、モータ20の回転軸21の回転力を減速機構40及びボールねじ機構30を介して、ラックシャフト12を軸方向に往復動させる軸力に変換する。このラックシャフト12に付与される軸線mに沿った軸力がアシスト力となり、運転者のステアリングホイール10の操作が補助される。
ラックシャフト12、ボールねじ機構30、減速機構40、及びピニオンシャフト11cの一部分は、ハウジング16に収容されている。ハウジング16は、軸方向に分割された第1のハウジング16a及び第2のハウジング16bを連結することにより構成されている。第1のハウジング16aは、アシスト機構3を収容する第1の収容部S1と、第1の収容部S1と連通し、ラックアンドピニオン機構13と反対側(図1の左側)に延びる第1の円筒部S3とを有している。第2のハウジング16bは、アシスト機構3を収容する第2の収容部S2と、第2の収容部S2と連通し、ラックアンドピニオン機構13側(図1の右側)に延びる第2の円筒部S4とを有している。
ラックシャフト12は、第1のハウジング16aと第2のハウジング16bとを互いに連結させた状態で、第1の収容部S1,第1の円筒部S3,第2の収容部S2、及び第2の円筒部S4の内部に収容されている。
第2のハウジング16bの第2の収容部S2における外壁(図中の右側壁)には、貫通孔22が設けられている。モータ20の回転軸21は、貫通孔22を通じて第2のハウジング16bの内部に収容されている。モータ20は、第2のハウジング16bに対してボルト23により固定されている。回転軸21は、ラックシャフト12に対して平行である。
次に、アシスト機構3について詳細に説明する。
図2に示すように、減速機構40は、モータ20の回転軸21に取り付けられている円筒状の駆動プーリ41、ボールねじナット31の外周に取り付けられている円筒状の従動プーリ42、及び駆動プーリ41と従動プーリ42との間に巻きかけられているベルト43を有している。従動プーリ42の回転中心は、ラックシャフト12の軸線mと一致している。
図2に示すように、減速機構40は、モータ20の回転軸21に取り付けられている円筒状の駆動プーリ41、ボールねじナット31の外周に取り付けられている円筒状の従動プーリ42、及び駆動プーリ41と従動プーリ42との間に巻きかけられているベルト43を有している。従動プーリ42の回転中心は、ラックシャフト12の軸線mと一致している。
ボールねじ機構30は、ラックシャフト12の外周に複数のボール32を介して螺合する回転体としてのボールねじナット31を備えている。ボールねじナット31の軸線は、ラックシャフト12の軸線mと一致している。
ボールねじナット31の内周面には、ラックシャフト12のねじ溝12aに対応する螺旋状のねじ溝33が設けられている。ボールねじナット31のねじ溝33とラックシャフト12のねじ溝12aとにより囲まれる螺旋状の空間は、ボール32が転動する転動通路Rとして機能する。また、ボールねじナット31には、転動通路Rの2箇所に開口して、当該2箇所の開口を短絡する図示しない循環路が設けられている。そのため、複数のボール32は、ボールねじナット31の内部の循環路を介して転動通路R内を無限循環することができる。
ボールねじナット31は、駆動プーリ41、ベルト43、及び従動プーリ42の順に伝達されるモータ20の回転力により軸線mを回転中心として回転する。ボールねじナット31は、その軸線mを回転中心として回転することにより、ラックシャフト12の外周とボールねじナット31の内周との間に設けられる複数のボール32を介してラックシャフト12を軸線mに沿って往復動させる軸力をラックシャフト12に伝達する。
第1のハウジング16aの内周面とボールねじナット31の外周面との間には、軸受50が設けられている。軸受50には、複列アンギュラ玉軸受が採用されている。軸受50は、ボールねじナット31を回転自在に支持している。
軸受50は、円筒状の外輪51と、円筒状の内輪52と、外輪51と内輪52との間に軸方向に並んで配置された複数の第1の転動体としての第1のボール群55、及び複数の第2の転動体としての第2のボール群56とを有している。軸受50は、その内部隙間が予め設定された所定の隙間となるように外輪51、内輪52、第1のボール群55、及び第2のボール群56に荷重が付与された状態で第1のハウジング16aの内周面とボールねじナット31の外周面との間に設けられている。
外輪51は、第1のハウジング16aの内周面側に設けられている。外輪51の内周面には、径方向に突出する円環状の突出部51cが設けられている。外輪51に突出部51cを設けることにより、外輪51の突出部51cを基準とする軸方向の両側には、周方向に沿って延びる円環状の第1の外輪転動路51a及び周方向に沿って延びる円環状の第2の外輪転動路51bが形成されている。第1の外輪転動路51a及び第2の外輪転動路51bは、外輪51の内周面に軸方向に並設されるかたちで形成されている。第1の外輪転動路51aは、軸方向において突出部51cを基準としてラックアンドピニオン機構13(図1参照)と反対側に設けられている。第1の外輪転動路51aには、第1のボール群55が径方向において当接している。第2の外輪転動路51bは、軸方向において突出部51cを基準としてラックアンドピニオン機構13(図1参照)側に設けられている。第2の外輪転動路51bには、第2のボール群56が径方向において当接している。
内輪52は、ボールねじナット31の外周面にボールねじナット31と一体回転可能に設けられている。内輪52は、円筒状の第1の内輪部53と、円筒状の第2の内輪部54とを有している。
第1の内輪部53の内周面には、外輪51の第1の外輪転動路51aに対向する位置に円環状の第1の内輪転動路53aが形成されている。第1の内輪転動路53aには、径方向において第1のボール群55が当接している。すなわち、外輪51の第1の外輪転動路51aと第1の内輪部53の第1の内輪転動路53aとにより第1のボール群55が周方向に沿って転動するための第1の転動路R1が形成されている。
第2の内輪部54は、軸方向において第1の内輪部53と並設されている。第2の内輪部54は、軸方向で第1の内輪部53と当接している。第2の内輪部54の内周面には、外輪51の第2の外輪転動路51bに対向する位置に円環状の第2の内輪転動路54aが形成されている。第2の内輪転動路54aには、径方向において第2のボール群56が当接している。すなわち、外輪51の第2の外輪転動路51bと第2の内輪部54の第2の内輪転動路54aとにより第2のボール群56が周方向に沿って転動するための第2の転動路R2が形成されている。
第2の内輪部54は、ボールねじナット31に一体的に設けられている。より具体的には、第2の内輪部54は、ボールねじナット31の外周面に、ボールねじナット31の一部分として構成されている。第2の内輪部54に従動プーリ42が軸方向において当接している状態で、ボールねじナット31の外周面における従動プーリ42を基準とする第2の内輪部54と反対側の端部には、ロックナット45が螺合されている。ロックナット45は、軸方向において第2の内輪部54との間で従動プーリ42を固定することにより、ボールねじナット31と従動プーリ42とを互いに一体回転可能とするために設けられる。
ボールねじナット31の外周面には、溝部31aが設けられている。溝部31aは、ボールねじナット31の周方向全周に亘って延びている。溝部31aは、第1の内輪部53に隣接するように設けられている。溝部31aは、第1の内輪部53を基準として第2の内輪部54と反対側に位置している。
ボールねじナット31の溝部31aには、円環状の保持部材60が径方向の内側に向かって嵌め込まれている。保持部材60は、溝部31aに嵌め込まれた状態で第1の内輪部53の軸方向の端面53bに当接している。
第2のハウジング16bにおける外輪51側の開口部には、係止部25,26が設けられている。係止部25は、外輪51の軸方向における一方端51d(図2の右側)に対向している。係止部25は、第2のハウジング16bにおける開口部の端面から第1のハウジング16a側に突出している。係止部26は、外輪51の軸方向における一方端51dに対向している。係止部26は、第2のハウジング16bの内部から第1のハウジング16a側に突出している。なお、係止部26は、駆動プーリ41及び従動プーリ42に巻きかけられているベルト43の間に挿通されるかたちで第1のハウジング16a側に突出している。また、第1のハウジング16aにおいて外輪51の軸方向における他方端51e(図2の左側)に対向する部分には、円環状の係止部27が設けられている。
軸方向において第1のハウジング16aの係止部27と外輪51の他方端51eとの間、及び第2のハウジング16bの係止部25,26と外輪51の一方端51dとの間には、ラックシャフト12に作用する荷重に対して外輪51を弾性支持する弾性部材70がそれぞれ設けられている。なお、ラックシャフト12に作用する荷重とは、ラックシャフト12の軸線mに沿って作用する力であり、例えば、運転者がステアリングホイール10にステアリングトルクを付与したとき、または転舵輪15が路面の凹凸等を乗り越える際に転舵輪15からラックシャフト12に伝わる荷重のことである。
次に、保持部材60のボールねじナット31の溝部31aへの嵌め込みについて詳しく説明する。
図3に示すように、溝部31aにおいて第1の内輪部53の端面53bと対向する部分には、段差面31cが形成されている。段差面31cは、径方向に対して傾斜角度αだけ傾斜したテーパ面である。具体的に、段差面31cは、径方向に沿って溝部31aの底面31bからボールねじナット31の外周面に向かうにつれて溝部31aの開口部Ap1が大きくなるように設けられるテーパ面である。なお、テーパ面は、傾斜面の一例である。
図3に示すように、溝部31aにおいて第1の内輪部53の端面53bと対向する部分には、段差面31cが形成されている。段差面31cは、径方向に対して傾斜角度αだけ傾斜したテーパ面である。具体的に、段差面31cは、径方向に沿って溝部31aの底面31bからボールねじナット31の外周面に向かうにつれて溝部31aの開口部Ap1が大きくなるように設けられるテーパ面である。なお、テーパ面は、傾斜面の一例である。
保持部材60は、円環板状の当接部60aと、当接部60aの内周縁から軸方向に対して円錐台筒状に延びる支持部60cとを有している。当接部60aの厚み方向の一端面60bは、第1の内輪部53の端面53bに当接している。支持部60cにおける小径側の部位60dは、ボールねじナット31の溝部31aに対して径方向の内側(図3の矢印A方向)に向かって嵌め込まれている。具体的には、支持部60cの部位60dは、径方向の内側に向かって変形するように溝部31aにかしめられている。なお、当接部60aは、一端部の一例であり、支持部60cは他端部の一例である。
支持部60cの部位60dは、ボールねじナット31の溝部31aにかしめられることにより、溝部31aの底面31bと、溝部31aの段差面31cに密着している。その結果、保持部材60がボールねじナット31の溝部31aに嵌め込まれた状態で、保持部材60は、ボールねじナット31の溝部31aの段差面31cと、第1の内輪部53の端面53bとにそれぞれ当接している。
この場合、保持部材60は、当接部60aを介して第1の内輪部53に軸方向の付勢力F1を付与する。この付勢力F1は、軸受50の内部隙間を所定の隙間とする程度の大きさを有している。すなわち、保持部材60は、軸受50の内部隙間が所定の隙間となるように第1の内輪部53、第1のボール群55、外輪51、第2のボール群56、及び第2の内輪部54に付勢力F1を付与した状態を維持するようにボールねじナット31の溝部31aに嵌め込まれている。
上記付勢力F1について説明する。
第1の内輪部53に付与される付勢力F1は、支持部60cの部位60dをボールねじナット31の溝部31aにかしめたときの変形量によって決定される。具体的には、支持部60cの部位60dを溝部31aにかしめたとき、支持部60cの部位60dは、溝部31aの底面31bに沿って段差面31cに向けて変形する。保持部材60の当接部60aが第1の内輪部53に当接した状態で、支持部60cの部位60dが段差面31cに向けて変形する変形量が大きい場合、保持部材60は、段差面31cから受ける反力の軸方向成分が大きくなる。保持部材60が段差面31cから受ける反力の軸方向成分が第1の内輪部53に付勢力F1として付与される。
第1の内輪部53に付与される付勢力F1は、支持部60cの部位60dをボールねじナット31の溝部31aにかしめたときの変形量によって決定される。具体的には、支持部60cの部位60dを溝部31aにかしめたとき、支持部60cの部位60dは、溝部31aの底面31bに沿って段差面31cに向けて変形する。保持部材60の当接部60aが第1の内輪部53に当接した状態で、支持部60cの部位60dが段差面31cに向けて変形する変形量が大きい場合、保持部材60は、段差面31cから受ける反力の軸方向成分が大きくなる。保持部材60が段差面31cから受ける反力の軸方向成分が第1の内輪部53に付勢力F1として付与される。
ここで、保持部材60の溝部31aからの抜け出しやすさ、及び保持部材60が第1の内輪部53に付与する付勢力F1の大きさは、溝部31aの段差面31cの傾斜角度α及び溝部31aの深さD1によって変化する。そのため、傾斜角度α及び深さD1は、保持部材60が溝部31aから抜け出さない、且つ保持部材60が第1の内輪部53に付与する付勢力F1を十分に確保できる程度にバランスを考慮して設定されている。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)軸受50の第1の内輪部53が軸方向においてボールねじナット31に対して相対移動しようとしても保持部材60が溝部31aの段差面31cに引っかかるため第1の内輪部53のボールねじナット31に対する相対移動が抑制される。また、保持部材60は、溝部31aに嵌め込まれた状態で第1の内輪部53の端面53bに付勢力F1を付与するため、軸受50の内部隙間のばらつきも抑制できる。ロックナットをボールねじナット31の外周面に螺着することにより軸受50の第1の内輪部53のボールねじナット31に対する相対移動を抑制する構成と比較すると、保持部材60を溝部31aに嵌め込むだけで軸受50の第1の内輪部53が固定されるとともに、保持部材60は径方向の内側に向かって溝部31aに嵌め込まれているため、溝部31aからの保持部材60の離脱が抑制されている。また、ロックナットを締付け過ぎることにより第1の内輪部53に過大な荷重が作用する、といったことも生じない。したがって、軸受50の内輪52の変形を抑制しつつ、内輪52を簡単に固定することができる。
(1)軸受50の第1の内輪部53が軸方向においてボールねじナット31に対して相対移動しようとしても保持部材60が溝部31aの段差面31cに引っかかるため第1の内輪部53のボールねじナット31に対する相対移動が抑制される。また、保持部材60は、溝部31aに嵌め込まれた状態で第1の内輪部53の端面53bに付勢力F1を付与するため、軸受50の内部隙間のばらつきも抑制できる。ロックナットをボールねじナット31の外周面に螺着することにより軸受50の第1の内輪部53のボールねじナット31に対する相対移動を抑制する構成と比較すると、保持部材60を溝部31aに嵌め込むだけで軸受50の第1の内輪部53が固定されるとともに、保持部材60は径方向の内側に向かって溝部31aに嵌め込まれているため、溝部31aからの保持部材60の離脱が抑制されている。また、ロックナットを締付け過ぎることにより第1の内輪部53に過大な荷重が作用する、といったことも生じない。したがって、軸受50の内輪52の変形を抑制しつつ、内輪52を簡単に固定することができる。
また、ロックナットをボールねじナット31の外周面に螺着する構成である場合、軸受50の内輪52だけでなく、ボールねじナット31のねじ溝33も変形してしまうことが考えられる。その点、ロックナットを締付け過ぎることにより第1の内輪部53に過大な荷重が作用する、といったことが生じないため、ボールねじナット31のねじ溝33の変形も抑止することができる。
(2)段差面31cは、径方向に沿って溝部31aの底面31bからボールねじナット31の外周面に向かうにつれて溝部31aの開口部Ap1が大きくなるように設けられるテーパ面である。そのため、溝部31aの段差面31cに密着させるように支持部60cの部位60dのかしめを行う際に、支持部60cの部位60dが溝部31aの段差面31cにより溝部31aの内部に案内されやすくなるため、支持部60cの部位60dを溝部31aに対してかしめやすくなる。
(3)溝部31aの全周に亘って支持部60cの部位60dのかしめを行うことにより、より均一に内輪52を軸方向に沿って固定することができる。
<第2の実施形態>
以下、ステアリング装置の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明する。
<第2の実施形態>
以下、ステアリング装置の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明する。
図4に示すように、ボールねじナット31の外周面には、溝部31dが設けられている。溝部31dは、ボールねじナット31の周方向全周に亘って延びている。溝部31dは、第1の内輪部53に隣接するように設けられている。溝部31dは、第1の内輪部53を基準として第2の内輪部54と反対側に位置している。
ボールねじナット31の溝部31dには、保持部材としての円環状のリング部材62が溝部31dに嵌め込まれている。リング部材62は、ボールねじナット31の溝部31dに対して径方向の内側(図4の矢印B方向)に向かって変形するようにかしめられている。
リング部材62は、ボールねじナット31の溝部31dにかしめられることにより、溝部31dの底面31eと、溝部31dにおける第1の内輪部53の端面53bと対向する段差面31fと、第1の内輪部53の端面53bの一部分(図4中の下側部分)とに密着している。すなわち、リング部材62がボールねじナット31の溝部31dにかしめられた状態で、リング部材62は、ボールねじナット31の溝部31dの段差面31fと、第1の内輪部53の端面53bとにそれぞれ当接している。また、リング部材62が溝部31dにかしめられた状態で、リング部材62は、溝部31dにおける第1の内輪部53が軸方向において重なっている部分にも進入している。なお、段差面31fは、溝部31dの底面31eと直交するように設けられており、径方向に対して傾斜してはいない。
また、リング部材62は、第1の内輪部53に第1の実施形態と同様に軸方向の付勢力F1を付与する状態でボールねじナット31の溝部31dにかしめられている。
リング部材62は、図4中の破線で示すように溝部31dに嵌め込まれる前において軸方向に沿って切断したときの断面が矩形をなしている。リング部材62は、溝部31dにかしめられる前において、軸方向において所定の厚みT1を有している。
リング部材62は、図4中の破線で示すように溝部31dに嵌め込まれる前において軸方向に沿って切断したときの断面が矩形をなしている。リング部材62は、溝部31dにかしめられる前において、軸方向において所定の厚みT1を有している。
ボールねじナット31の溝部31dの軸方向における幅は、溝部31dの段差面31fから第1の内輪部53の端面53bまでの幅W1と、第1の内輪部53の端面53bから溝部31dにおける段差面31fと反対側の第2の段差面31gまでの幅W2とに分けられる。溝部31dの幅W1は、溝部31dの幅W2よりも十分に大きい。溝部31dの幅W1は、リング部材62のかしめ前の厚みT1よりも大きく設定されている。溝部31dの幅W2に対応する部分は、リング部材62を溝部31dにかしめたとき、リング部材62の軸方向への変形の逃げ溝として機能する。
ここで、リング部材62の溝部31dからの抜け出しやすさ、リング部材62が第1の内輪部53に付与する付勢力F1の大きさ、及びリング部材62の溝部31dへの挿入しやすさは、溝部31dの幅W1、リング部材62のかしめ前の厚みT1、及び溝部31dの深さD2によって変化する。そのため、幅W1、厚みT1、及び深さD2は、リング部材62が溝部31dから抜け出さない、リング部材62が第1の内輪部53に付与する付勢力F1を十分に確保できる、且つリング部材62の溝部31dへの挿入性を十分に確保できる程度にバランスを考慮して設定されている。
本実施形態によれば、第1の実施形態の(1)および(3)と同様の効果が得られる。
<第3の実施形態>
以下、ステアリング装置の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明する。
<第3の実施形態>
以下、ステアリング装置の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明する。
図5に示すように、ボールねじナット31の外周面には、溝部31hが設けられている。溝部31hは、ボールねじナット31の周方向全周に亘って延びている。溝部31hは、第1の内輪部53に隣接するように設けられている。溝部31hは、第1の内輪部53を基準として第2の内輪部54と反対側に位置している。溝部31hにおける第1の内輪部53の端面53bと対向する部分には、段差面31jが形成されている。段差面31jは、径方向に対して傾斜角度βだけ傾斜した段差面31jが設けられている。具体的に、段差面31jは、径方向に沿って溝部31hの底面31iからボールねじナット31の外周面に向かうにつれて溝部31hの開口部Ap2が大きくなるように設けられる第1のテーパ面である。第1の内輪部53の第2の内輪部54と反対側の端部は、軸方向において所定量だけ溝部31hに重なっている。
ボールねじナット31の溝部31hには、保持部材としての止め輪63が嵌め込まれている。止め輪63の第1の内輪部53と反対側の端面には、溝部31hの段差面31jに対応する第2のテーパ面63aが形成されている。
図5及び図6に示すように、止め輪63は、円環状のリング部材の一部分を切り欠いたC字形状をなしている。止め輪63がボールねじナット31の溝部31hに嵌め込まれていない状態で、止め輪63の内周縁のなす仮想円の内径Idは、ボールねじナット31の外周面の外径Odよりも小さく設定されている。
止め輪63が溝部31hに嵌め込まれている状態で、止め輪63の第2のテーパ面63aは、溝部31hの段差面31jに沿って当接している。止め輪63の内周縁と溝部31hの底面31iとの間には、隙間が形成されている。止め輪63の第1の内輪部53側の端面は、第1の内輪部53の端面53bに当接している。
この場合、止め輪63は、第1の内輪部53に軸方向の付勢力F2を付与する。この付勢力F2は、軸受50の内部隙間を所定の隙間とする程度の大きさを有している。すなわち、止め輪63は、軸受50の内部隙間が所定の隙間となるように第1の内輪部53、第1のボール群55、外輪51、第2のボール群56、及び第2の内輪部54に付勢力F2を付与した状態を維持するようにボールねじナット31の溝部31hに嵌め込まれている。
上記付勢力F2について説明する。
止め輪63の内周縁のなす内径Idが、ボールねじナット31の外周面の外径Odよりも小さく設定されているため、止め輪63がボールねじナット31の溝部31hに嵌め込まれたとき、止め輪63は、溝部31hに対して径方向の内側(図5中の矢印C方向)に向かって変位するように嵌め込まれる。具体的に、止め輪63は、溝部31hの底面31iに向けて自ら縮径するように溝部31hに嵌め込まれる。止め輪63が第2のテーパ面63aが溝部31hの段差面31jに沿って当接しているため、止め輪63は、自ら縮径しようとする力によって軸方向に沿って第1の内輪部53側(図5中の矢印D方向)に向けて変位する。止め輪63は、第1の内輪部53の端面53bと溝部31hの段差面31jとに挟まれた時点で溝部31hへの嵌め込みが止まる。このとき、止め輪63の内周縁と、溝部31hの底面31iとの間には隙間が形成されているため、止め輪63が自ら縮径するように径方向の内側に向かって変位しようとする。すなわち、止め輪63は、軸方向に沿って第1の内輪部53に向けても変位しようとする。止め輪63が第1の内輪部53に向けて変位しようとする力により、止め輪63の端面は、第1の内輪部53の端面53bに押し付けられる。この止め輪63の第1の内輪部53側に変位しようとする力が第1の内輪部53における溝部31hに所定量だけ重なっている部分に付勢力F2として付与される。
止め輪63の内周縁のなす内径Idが、ボールねじナット31の外周面の外径Odよりも小さく設定されているため、止め輪63がボールねじナット31の溝部31hに嵌め込まれたとき、止め輪63は、溝部31hに対して径方向の内側(図5中の矢印C方向)に向かって変位するように嵌め込まれる。具体的に、止め輪63は、溝部31hの底面31iに向けて自ら縮径するように溝部31hに嵌め込まれる。止め輪63が第2のテーパ面63aが溝部31hの段差面31jに沿って当接しているため、止め輪63は、自ら縮径しようとする力によって軸方向に沿って第1の内輪部53側(図5中の矢印D方向)に向けて変位する。止め輪63は、第1の内輪部53の端面53bと溝部31hの段差面31jとに挟まれた時点で溝部31hへの嵌め込みが止まる。このとき、止め輪63の内周縁と、溝部31hの底面31iとの間には隙間が形成されているため、止め輪63が自ら縮径するように径方向の内側に向かって変位しようとする。すなわち、止め輪63は、軸方向に沿って第1の内輪部53に向けても変位しようとする。止め輪63が第1の内輪部53に向けて変位しようとする力により、止め輪63の端面は、第1の内輪部53の端面53bに押し付けられる。この止め輪63の第1の内輪部53側に変位しようとする力が第1の内輪部53における溝部31hに所定量だけ重なっている部分に付勢力F2として付与される。
ここで、止め輪63の溝部31hからの抜け出しやすさ、及び止め輪63が第1の内輪部53に付与する付勢力F2の大きさは、溝部31hの段差面31jの傾斜角度β及び溝部31hの深さD3によって変化する。そのため、傾斜角度β及び深さD3は、止め輪63が溝部31hから抜け出さない、且つ止め輪63が第1の内輪部53に付与する付勢力F1を十分に確保できる程度にバランスを考慮して設定されている。
本実施形態によれば、第1の実施形態の(1)と同様の効果を得ることができる。
なお、第1〜第3の実施形態は、以下のように変更して実施することができる。第1〜第3の実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
なお、第1〜第3の実施形態は、以下のように変更して実施することができる。第1〜第3の実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1の実施形態において、支持部60cの部位60dは、周方向の全周に亘って溝部31aにかしめられていたが、これに限らない。例えば、支持部60cの部位60dを周方向に沿って断続的にかしめてもよい。このとき、溝部31aも支持部60cの部位60dのかしめる部位に合わせて断続的に設けてもよい。
・また、溝部31aを周方向に沿って複数箇所に設けるようにした場合、溝部31aの段差面31cは、径方向において傾斜角度αだけ傾斜した傾斜面となるが、これに限らない。例えば、傾斜角度αを「0」として、段差面31cを径方向に沿った段差面としてもよい。
・第1〜第3の実施形態において、軸受50の内輪52における第2の内輪部54がボールねじナット31の外周面に一体的に設けられていたが、例えば、第1の内輪部53がボールねじナット31の外周面と一体的に設けられ、第2の内輪部54をボールねじナット31と別体として設けてもよい。この場合、次のような形態に変更する。例えば、第1の実施形態を例にして説明する。
図7に示すように、溝部31aを内輪52の第2の内輪部54を基準として第1の内輪部53と反対側に設けるように変更する。このように変更しても第1の実施形態と同様の効果が得られる。なお、第2の実施形態及び第3の実施形態も同様の変更を実施する。
・また、軸受50の内輪52の第1の内輪部53及び第2の内輪部54を両者ともボールねじナット31と別体として設けてもよい。
・第1〜第3の実施形態において、回転体をボールねじナット31に具体化して説明していたが、例えば、回転体を従動プーリ42に具体化してもよい。
・第1〜第3の実施形態において、回転体をボールねじナット31に具体化して説明していたが、例えば、回転体を従動プーリ42に具体化してもよい。
具体的には、ボールねじナット31の外周面を軸線mに沿って面一とする。ボールねじナット31の面一となった外周面の軸方向における全長に亘って従動プーリ42を嵌め込む構成に変更する。内輪52の第1の内輪部53または内輪52の第2の内輪部54を回転体と一体化する場合は、どちらか一方を従動プーリ42の外周面に一体的に設ける。内輪52の第1の内輪部53及び内輪52の第2の内輪部54を回転体と一体化しない場合は、両者とも従動プーリ42と別体で設ける。
・第1〜第3の実施形態において、EPS装置1をモータ20の回転軸21と、ラックシャフト12とが平行なものに具体化したが、回転軸21とラックシャフト12とが同軸に存在するEPS装置に適用してもよい。
・第1〜第3の実施形態において、ステアリング装置をEPS装置1に具体化したが、例えば、ステアバイワイヤ式のステアリング装置に適用してもよい。
1…電動パワーステアリング装置、12…ラックシャフト、15…転舵輪、16…ハウジング、31…ボールねじナット、31a,31d,31h…溝部、31c,31f,31j…段差面、42…従動プーリ、50…軸受、51…外輪、52…内輪、53…第1の内輪部、53b…端面、54…第2の内輪部、55…第1のボール群、56…第2のボール群、60…保持部材、60a…当接部、60b…一端面、60c…支持部、60d…(支持部の)部位、63…止め輪、63a…第2のテーパ面、Ap1,Ap2…開口部、F1,F2…付勢力、m…軸線。
Claims (5)
- 軸方向に往復動することにより転舵輪を転舵させる転舵軸と、
前記転舵軸の外周に設けられ、前記転舵軸の前記軸方向に往復動させる軸力を前記転舵軸に伝達するために前記転舵軸の軸線を回転中心として回転する円筒状の回転体と、
前記回転体を収容するハウジングと、
前記ハウジングの内周面と前記回転体の外周面との間に設けられることにより前記回転体を回転自在に支持する軸受であって、外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に前記軸方向に並んで配置される複数の第1の転動体及び複数の第2の転動体とを有する軸受と、を備え、
前記回転体の外周面には、前記軸受に隣接する溝部が設けられ、
前記内輪の端面及び当該端面と対向する前記溝部の段差面にそれぞれ当接して前記内輪の端面に前記軸方向の付勢力を付与する状態で、前記溝部に対して保持部材が前記軸方向に直交する径方向の内側に向かって嵌め込まれている
ステアリング装置。 - 前記保持部材は、前記軸方向の一端部が前記内輪の端面に当接し、前記軸方向の他端部が前記径方向の内側に向かって変形するように前記溝部にかしめられていることにより前記段差面に対して密着している
請求項1に記載のステアリング装置。 - 前記段差面は、前記溝部の底面から前記回転体の外周面に向かうにつれて前記溝部の開口部が大きくなるように設けられる傾斜面である
請求項2に記載のステアリング装置。 - 前記溝部は、前記軸線を中心とした周方向において、前記回転体の外周面の全周に亘って設けられ、
前記保持部材は、前記溝部の全周に亘って嵌め込まれる円環状をなしている
請求項2または請求項3に記載のステアリング装置。 - 前記溝部は、前記軸線を中心とした周方向において、前記回転体の外周面の全周に亘って設けられ、
前記段差面は、前記径方向に沿って前記溝部の底面から前記回転体の外周面に向かうにつれて前記溝部の開口部が大きくなるように設けられている第1のテーパ面であり、
前記保持部材は、C字形状の止め輪であり、
前記保持部材は、前記第1のテーパ面に対応する第2のテーパ面を有し、
前記内輪の端部は、前記軸方向において前記溝部に対して所定量だけ重なっている
請求項1に記載のステアリング装置。
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