JP2019107668A - 鋳型造型用硬化促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存安定性に優れ、SOx等の有害ガスの発生を抑制しながら十分な鋳型の初期強度が得られる鋳型造型用硬化促進剤を提供すること。【解決手段】フェノールとアルデヒド化合物を反応させた後に多価フェノールを添加し、反応させて得られるフェノール・多価フェノール縮合物を含有する鋳型造型用硬化促進剤であって、前記アルデヒド化合物の物質量と、前記フェノールの物質量及び前記多価フェノールの物質量の合計の比(前記アルデヒド化合物の物質量/前記フェノールの物質量及び前記多価フェノールの物質量の合計)が0.50〜0.99である、鋳型造型用硬化促進剤。【選択図】 なし

Description

本発明は、鋳型造型用硬化促進剤に関する。
一般に、酸硬化性鋳型は、珪砂等の耐火性粒子に、酸硬化性樹脂を含有する鋳型造型用粘結剤組成物と、スルホン酸、硫酸、リン酸等を含有する硬化剤組成物とを添加し、これらを混練した後、得られた混練砂を木型等の原型に充填し、酸硬化性樹脂を硬化させて製造される。酸硬化性樹脂には、フラン樹脂やフェノール樹脂等が用いられており、フラン樹脂には、フルフリルアルコール、フルフリルアルコール・尿素ホルムアルデヒド樹脂、フルフリルアルコール・ホルムアルデヒド樹脂、フルフリルアルコール・フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、その他公知の変性フラン樹脂等が用いられている。このような鋳型の製造方法は自由度の高い造型作業が可能であり、また鋳型の熱的性質に優れることから高品質の鋳物が製造できるため、機械部品や建設機械部品、あるいは自動車用部品等の鋳物を鋳造する際に広く使用されている。
鋳型の造型、あるいは鋳型を用いて所望の鋳物を鋳造する上で重要な項目として、鋳造時の作業環境の改善が挙げられる。酸硬化性鋳型には硬化剤として有機スルホン酸、硫酸等の硫黄原子を含有する酸が使用されるため、特に鋳造時における二酸化硫黄等のSOxやその他成分の熱分解ガスが作業環境を悪化させる恐れがある。そのため、SOxの発生を抑制することが望まれている(例えば、特許文献1)。当該特許文献1では、フルフラール等のフランアルデヒド化合物、及びフルフリルアルコール・尿素ホルムアルデヒド樹脂に代表される尿素変性フラン樹脂を含有する粘結剤組成物を、硫黄原子を含まない硬化剤組成物で硬化させることで有害ガス等の発生を抑制している。下記特許文献2にはフェノールとアルデヒドを縮合させた高分子化合物を粘結剤に用いることの開示あるが、当該粘結剤は保存安定性に劣る。
特開2013−240827号公報 特開昭62−28042号公報
しかしながら、SOx等の有害ガスの発生の抑制を目的とする従来の技術では十分な硬化速度が得られずに鋳型の初期強度が低下することがあった。鋳型の初期強度が低いと原型から鋳型を取り出すまで時間がかかるため、鋳型の生産性が低下することがある。
また、通常、鋳型の製造に用いられる各成分はタンクに保存され、配管によりミキサーへ供給されて、耐火性粒子等と混合される。そのため、各成分の保存安定性が悪いと配管の詰まり等により、樹脂の供給安定性が不十分となり、鋳型強度が低下したり、タンクへの蓄積により有効なタンクの容量が低下する等、取り扱い上問題となる。
本発明は、保存安定性に優れ、SOx等の有害ガスの発生を抑制しながら十分な鋳型の初期強度が得られる鋳型造型用硬化促進剤を提供する。
本発明の鋳型造型用硬化促進剤は、フェノールとアルデヒド化合物を反応させた後に多価フェノールを添加し、反応させて得られるフェノール・多価フェノール縮合物を含有する鋳型造型用硬化促進剤であって、前記アルデヒド化合物の物質量と、前記フェノールの物質量及び前記多価フェノールの物質量の合計の比(前記アルデヒド化合物の物質量/前記フェノールの物質量及び前記多価フェノールの物質量の合計)が0.50〜0.99である。
本発明によれば、保存安定性に優れ、SOx等の有害ガスの発生を抑制しながら十分な鋳型の初期強度が得られる鋳型造型用硬化促進剤を提供することができる。
<鋳型造型用硬化促進剤>
本実施形態の鋳型造型用硬化促進剤(以下、単に「硬化促進剤」ともいう)は、フェノールとアルデヒド化合物を反応させた後に多価フェノールを添加し、反応させて得られるフェノール・多価フェノール縮合物を含有する鋳型造型用硬化促進剤であって、前記アルデヒド化合物の物質量と、前記フェノールの物質量及び前記多価フェノールの物質量の合計の比(前記アルデヒド化合物の物質量/前記フェノールの物質量及び前記多価フェノールの物質量の合計)が0.50〜0.99である。本実施形態の鋳型造型用硬化促進剤によれば、保存安定性に優れ、SOx等の有害ガスの発生を抑制しながら十分な鋳型の初期強度が得られる鋳型造型用粘結剤組成物を提供することができる。本実施形態の鋳型造型用硬化促進剤がこのような効果を奏する理由は定かではないが、以下の様に考えられる。
鋳型の造型において多価フェノールはフラン樹脂の硬化促進剤として用いられる。本実施形態の硬化促進剤に含有されるフェノール・多価フェノール縮合物は、フェノールとアルデヒド化合物を反応させた後に多価フェノールを添加し、反応させて得るため、末端に多価フェノールを有する。そのため、反応性が高く、フラン樹脂の硬化促進剤として作用する。また、フェノール・多価フェノール縮合物は高分子量の高分子化合物のため、レゾルシン単体と比較して鋳型造型時に分子量が増大する速度が早く、初期強度が高い。また、通常のフェノール縮合物は末端にメチロール基が多く残るため保存時に反応が進行して増粘してしまうが、フェノール・多価フェノール縮合物は末端が多価フェノールのため保存安定性に優れている。これらのことから、本実施形態の硬化促進剤によれば、含有させた場合の粘結剤の保存安定性に優れ、SOx等の有害ガスの発生を抑制しながら十分な鋳型の初期強度が得られる鋳型造型用粘結剤組成物を提供することができると考えられる。
〔フェノール・多価フェノール縮合物〕
前記アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、グリオキザール等が例示できるが、これらの中でも、鋳型の初期強度向上の観点から、パラホルムアルデヒド、ホルムアルデヒドが好ましい。
前記多価フェノールとしては、レゾルシン、ピロガロール、フロログルシノール、カテコール、ヒドロキノン、メチレンビスフェノール、縮合型タンニン、加水分解型タンニン等が挙げられる。これらの中でも、鋳型の初期強度向上の観点から、レゾルシン、ピロガロール、フロログルシノール、カテコールからなる群より選ばれる1種以上が好ましく、レゾルシン及びピロガロールからなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、レゾルシンが更に好ましい。
前記フェノール・多価フェノール縮合物の重量平均分子量(Mw)は、鋳型の強度を向上させる観点から、330以上が好ましく、440以上がより好ましい。前記フェノール・多価フェノール縮合物の重量平均分子量は、同様の観点から、10000以下が好ましく、9000以下がより好ましい。よって、同様の観点から、330〜10000が好ましく、440〜9000がより好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量は実施例に記載の方法により測定する。
[フェノール・多価フェノール縮合物の製造方法]
前記フェノール・多価フェノール縮合物は、公知の方法によって製造することができるが、一例としては、フェノールと前記アルデヒド化合物をアルカリ触媒下で反応させてフェノール縮合物を得た後、当該フェノール縮合物と前記多価フェノールとを反応させることによって前記フェノール・多価フェノール縮合物を得る方法が挙げられる。
前記アルカリ触媒としては水酸化カリウム等が用いられる。鋳型の初期強度向上の観点からフェノール1モルに対して、アルカリ触媒を0.001〜0.1モル使用することが好ましく、0.003〜0.08モル使用することがより好ましく、0.01モル〜0.07モル使用することが更に好ましい。
前記アルデヒド化合物の物質量と、前記フェノールの物質量及び前記多価フェノールの物質量の合計の比(前記アルデヒド化合物の物質量/前記フェノールの物質量及び前記多価フェノールの物質量の合計)は、鋳型の初期強度向上の観点、及び保存安定性向上の観点から、0.50以上であり、0.55以上が好ましく、0.60以上がより好ましく、同様の観点から、0.99以下であり、0.95以下が好ましく、0.90以下がより好ましい。また、前記アルデヒド化合物の物質量と、前記フェノールの物質量及び前記多価フェノールの物質量の合計の比は、同様の観点から、0.50〜0.99であり、0.55〜0.95が好ましく、0.60〜0.90がより好ましい。
前記アルデヒド化合物の物質量と前記フェノールの物質量の比(前記アルデヒド化合物の物質量/前記フェノールの物質量)は、鋳型の初期強度向上の観点、及び保存安定性向上の観点から、1.0以上が好ましく、同様の観点から、3.0以下であり、2.0以下が好ましく、1.5以下がより好ましい。また、前記アルデヒド化合物の物質量と前記フェノールの物質量の比は、同様の観点から、1.0〜3.0であり、1.0〜2.0が好ましく、1.0〜1.5がより好ましい。
Figure 2019107668


〔式中、nは平均として正の数を表し、1〜90、好ましくは2〜80である。〕
前記硬化促進剤は、前記フェノール・多価フェノール縮合物以外の成分を含有していてもよい。また、原料の未反応物などと一緒に用いることもできる。前記硬化促進剤は鋳型造型時に下記鋳型造型用粘結剤とは別途添加して用いることや、予め粘結剤中に加えて用いることができる。
<鋳型造型用粘結剤組成物>
本実施形態の鋳型造型用粘結剤組成物(以下、単に「粘結剤組成物」ともいう)は、鋳型の初期強度を向上させる観点から、前記硬化促進剤、及びフラン樹脂等の酸硬化型樹脂を含有することができる。
前記粘結剤組成物中の前記フェノール・多価フェノール縮合物の含有量は、鋳型の初期強度を向上させる観点から、1質量%以上が好ましく、6質量%以上がより好ましく、同様の観点から、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。また、前記粘結剤組成物中の前記フェノール・多価フェノール縮合物の含有量は、同様の観点から、1〜30質量%が好ましく、6〜25質量%がより好ましい。
〔フラン樹脂〕
前記粘結剤組成物には、粘結剤成分として従来公知のフラン樹脂が含まれていてもよい。当該フラン樹脂としては、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールの縮合物、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物(尿素変性フラン樹脂)、尿素とエチレン尿素とアルデヒド類の縮合物(尿素・エチレン尿素共縮合樹脂)、メラミンとアルデヒド類の縮合物、及び尿素とアルデヒド類の縮合物よりなる群から選ばれる1種からなるものや、これらの群から選ばれる2種以上の混合物からなるものが例示できる。また、これらの群から選ばれる2種以上の共縮合物からなるものも使用できる。このうち、鋳型の硬化速度向上と鋳型強度向上の観点から、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールの縮合物、及びフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物から選ばれる1種以上、並びにこれらの共縮合物を使用するのが好ましい。フルフリルアルコールは、非石油資源である植物から製造できるため、地球環境の観点からは、フルフリルアルコールを使用するのが好ましい。
前記粘結剤組成物中の前記フラン樹脂の含有量は、鋳型の初期強度向上の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、25質量%以上が更に好ましく、同様の観点から、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下が更に好ましい。また、前記粘結剤組成物中の前記フラン樹脂の含有量は、同様の観点から、5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、25〜85質量%が更に好ましい。
〔その他の成分〕
前記粘結剤組成物は、本実施形態の効果を阻害しない程度に、前記フェノール・多価フェノール縮合物以外の硬化促進剤、水、シランカップリング剤、界面活性剤、アルコール類等の添加剤が含まれていても良い。
〔フェノール・多価フェノール縮合物以外の硬化促進剤〕
前記粘結剤組成物中には、鋳型の硬化速度を向上させる観点、及び鋳型の最終強度を向上させる観点から、前記フェノール・多価フェノール縮合物以外の硬化促進剤が含まれていてもよい。前記フェノール・多価フェノール縮合物以外の硬化促進剤としては、鋳型強度向上の観点から、下記一般式(2)で表される化合物(以下、硬化促進剤(1)という)、及び芳香族ジアルデヒドからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
Figure 2019107668

〔式中、X及びXは、それぞれ水素原子、CH又はCの何れかを表す。〕
前記硬化促進剤(1)としては、2,5−ビスヒドロキシメチルフラン、2,5−ビスメトキシメチルフラン、2,5−ビスエトキシメチルフラン、2−ヒドロキシメチル−5−メトキシメチルフラン、2−ヒドロキシメチル−5−エトキシメチルフラン、2−メトキシメチル−5−エトキシメチルフランが挙げられる。なかでも、鋳型強度向上の観点から、2,5−ビスヒドロキシメチルフランを使用するのが好ましい。
前記芳香族ジアルデヒドとしては、テレフタルアルデヒド、フタルアルデヒド及びイソフタルアルデヒド等、並びにそれらの誘導体等が挙げられる。それらの誘導体とは、基本骨格としての2つのホルミル基を有する芳香族化合物の芳香環にアルキル基等の置換基を有する化合物等を意味する。鋳型強度向上の観点から、テレフタルアルデヒド及びテレフタルアルデヒドの誘導体が好ましく、テレフタルアルデヒドがより好ましい。
前記粘結剤組成物中の前記フェノール・多価フェノール縮合物以外の硬化促進剤の含有量は、鋳型強度向上の観点から、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上が更に好ましい。前記粘結剤組成物中の硬化促進剤の含有量は、硬化促進剤の溶解性の観点及び鋳型強度向上の観点から、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
[水]
前記粘結剤組成物には、さらに水が含まれてもよい。例えば、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物などの各種縮合物を合成する場合、水溶液状の原料を使用したり縮合水が生成したりするため、縮合物は、通常、水との混合物の形態で得られる。このような縮合物を前記粘結剤組成物に使用するにあたり、水は必要に応じて、トッピング等で除去しても構わないが、硬化反応速度を維持できる限り、製造の際にあえて除去する必要はない。また、前記粘結剤組成物及び鋳型造型用組成物を取扱いやすい粘度に調整する目的などで、水をさらに添加してもよい。
前記粘結剤組成物を取扱いやすい粘度に調整する目的で水をさらに添加する場合、前記粘結剤組成物中の水の含有量は0質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、0.7質量%以上が更に好ましい。ただし、鋳型の硬化速度向上の観点から、前記粘結剤組成物中の水の含有量は30質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3.5質量%以下が更に好ましい。また、前記粘結剤組成物中の水の含有量は、前記粘結剤組成物を取扱いやすい粘度に調整する観点、及び鋳型の硬化速度向上の観点から、0〜30質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、0.7〜3.5質量%が更に好ましい。
[シランカップリング剤]
前記粘結剤組成物には、更にシランカップリング剤等の添加剤が含まれていてもよい。例えば、前記粘結剤組成物にシランカップリング剤が含まれていると、得られる鋳型の最終強度をより向上させることができるため好ましい。シランカップリング剤としては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシランや、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシランなどが用いられる。好ましくは、アミノシラン、エポキシシラン、ウレイドシランである。より好ましくはアミノシラン、エポキシシランである。アミノシランの中でも、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。エポキシシランの中でも、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
前記粘結剤組成物中のシランカップリング剤の含有量は、鋳型強度向上の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。前記粘結剤組成物中のシランカップリング剤の含有量は、同様の観点から、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましい。よって、同様の観点から、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜4質量%がより好ましい。
<鋳型用組成物>
本実施形態の鋳型用組成物は、耐火性粒子と、前記鋳型造型用粘結剤組成物と、硬化剤組成物と、前記鋳型造型用硬化促進剤とを含有する。
前記耐火性粒子としては、珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、ムライト砂、合成ムライト砂等の従来公知のものを使用でき、また、使用済みの耐火性粒子を回収したものや再生処理したものなども使用できる。
前記硬化剤組成物は、前記粘結剤組成物を硬化させるものである。当該硬化剤組成物としては、2,6−ジヒドロキシ安息香酸等のカルボン酸、キシレンスルホン酸(特に、m−キシレンスルホン酸)やトルエンスルホン酸(特に、p−トルエンスルホン酸)、メタンスルホン酸等のスルホン酸系化合物、リン酸、酸性リン酸エステル等のリン酸系化合物、硫酸等を含む酸性水溶液など、従来公知のものを1種以上使用できる。ただし、スルホン酸や硫酸などの硫黄を含む酸を含有する硬化剤組成物を使用した場合、鋳造時にSOxガスが発生するため、硬化剤組成物中の硫黄を含む酸の含有量は、60質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、1質量%以下がより更に好ましく、実質的に0%がより更に好ましい。係る場合、鋳造時のSOxガスの発生量をゼロにすることができる。SOxガスを抑制しながら鋳型の最終強度を向上させる観点から、前記硬化剤組成物は2,6−ジヒドロキシ安息香酸が好ましい。
前記硬化剤組成物は、アルコール類、エーテルアルコール類及びエステル類よりなる群から選ばれる1種以上の溶剤を含有させることができる。これらのなかでも、鋳型の最終強度の観点から、アルコール類、エーテルアルコール類が好ましく、エーテルアルコール類がより好ましい。前記溶剤を含有させると、硬化剤組成物中の水分量が低減されるため、鋳型の最終強度が更に向上する。前記溶剤の硬化剤組成物中の含有量は、鋳型の最終強度を向上させる観点から、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。また、硬化剤組成物の粘度を低減させる観点からは、メタノールやエタノールを含有させることが好ましい。
鋳型の最終強度を向上させる観点から、前記アルコール類としては、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ベンジルアルコールが好ましく、前記エーテルアルコール類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルが好ましく、前記エステル類としては、酢酸ブチル、安息香酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが好ましい。
前記鋳型造型用組成物において、耐火性粒子と粘結剤組成物と硬化剤組成物との比率は適宜設定できるが、鋳型の硬化速度を向上させる観点及び鋳型の最終強度を向上させる観点から、耐火性粒子100質量部に対して、粘結剤組成物が0.5質量部以上が好ましく、経済性の観点及び鋳物品質向上の観点から、耐火性粒子100質量部に対して、1.5質量部以下が好ましい。鋳型の硬化速度を向上させる観点及び鋳型の最終強度を向上させる観点から、耐火性粒子100質量部に対して、硬化剤組成物は0.07質量部以上が好ましく、経済性の観点及び鋳物品質向上の観点から、耐火性粒子100質量部に対して、1.0質量部以下が好ましい。
更に、粘結剤組成物と硬化剤組成物の質量比は、鋳型の硬化速度を向上させる観点及び鋳型の最終強度を向上させる観点から、粘結剤組成物100質量部に対して、硬化剤組成物10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましい。粘結剤組成物と硬化剤組成物の質量比は、経済性の観点及び鋳物品質向上の観点から、粘結剤組成物100質量部に対して、硬化剤組成物100質量部以下が好ましく、90質量部以下がより好ましい。
〔鋳型の製造方法〕
前記鋳型造型用組成物を硬化させることによって鋳型を製造することができる。本実施形態の鋳型の製造方法において、従来の鋳型の製造プロセスをそのまま利用して鋳型を製造することができる。好ましい鋳型の製造方法として、耐火性粒子と前記鋳型造型用粘結剤組成物と、当該鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる硬化剤組成物とを混合して鋳型造型用組成物を得る混合工程、及び前記鋳型造型用組成物を型枠に詰め、当該鋳型造型用組成物を硬化させる硬化工程を有する鋳型の製造方法が挙げられる。
<製造例>
〔縮合物1〕
三ツ口フラスコにフェノール243質量部と、48%水酸化カリウム水溶液とを混合し、pH8に調整した。その後92%パラホルムアルデヒド84質量部を分割添加し、80℃で4時間反応させ、ホルムアルデヒド・フェノール反応物を得た。次にレゾルシン122質量部を添加し、80℃で4時間反応させ、ホルムアルデヒド・フェノール・レゾルシン反応物を得た。当該反応物から未反応のフェノール、レゾルシンを除き、フェノール・多価フェノール縮合物(ホルムアルデヒド・フェノール・レゾルシン縮合物)1(重量平均分子量:940)を得た。
〔縮合物2〕
三ツ口フラスコにフェノール243質量部と、48%水酸化カリウム水溶液とを混合し、pH8に調整した。その後92%パラホルムアルデヒド84質量部を分割添加し、80℃で10時間反応させ、ホルムアルデヒド・フェノール反応物を得た。次にレゾルシン122質量部を添加し、100℃で4時間反応させ、ホルムアルデヒド・フェノール・レゾルシン反応物を得た。当該反応物から未反応のフェノール、レゾルシンを除き、フェノール・多価フェノール縮合物(ホルムアルデヒド・フェノール・レゾルシン縮合物)2(重量平均分子量:7,550)を得た。
〔縮合物3〕
三ツ口フラスコにフェノール243質量部と、48%水酸化カリウム水溶液とを混合し、pH8に調整した。その後92%パラホルムアルデヒド160質量部を分割添加し、80℃で6時間反応させ、ホルムアルデヒド・フェノール反応物を得た。次にレゾルシン122質量部を添加し、80℃で3時間反応させ、ホルムアルデヒド・フェノール・レゾルシン反応物を得た。当該反応物から未反応のフェノール、レゾルシンを除き、フェノール・多価フェノール縮合物(ホルムアルデヒド・フェノール・レゾルシン縮合物)3(重量平均分子量:6,590)を得た。
<評価>
〔縮合物の重量平均分子量(Mw)〕 縮合物の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、下記条件で測定した。
(a)サンプル調製:試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、GPC用のサンプルを調製した。
(b)カラム:TSKguardcolumn HXL−L、TSKgel G3000HXL、TSKgel G2500HXLを接続した。
(c)標準物質:分子量が既知の単分散ポリスチレン(東ソー社製)
(d)溶出液:THF(流量:1.0mL/min)
(e)温度:25℃
(f)検出器:紫外分光光度計(波長:285nm)
<実施例・比較例>
〔保存安定性〕
前記製造例で得られた縮合物、フェノール、多価フェノール、フルフリルアルコール、及びシランカップリング剤を表2に記載の含有量で含む粘結剤組成物を110ccガラス製スクリュー管に100g詰めて、35℃の恒温槽にて三ヶ月保存後、下記の基準で判断した。評価結果を表1に示す。
○:使用可
×:一ヶ月後には増粘のため使用不可
〔鋳型強度〕
[鋳型の初期強度]
前記製造例で得られた縮合物、フェノール、多価フェノール、フルフリルアルコール、及びシランカップリング剤を表2に記載の含有量で含む粘結剤組成物、並びに表2に記載の硬化剤組成物を耐火性粒子である珪砂の新砂に加えて充分混練して得られた鋳型用組成物を直径50mm、高さ50mmの円柱形状のテストピース枠に充填し、1時間経過した時に抜型を行いJIS Z 2601に記載された方法で、圧縮強度(MPa)を測定し、「1時間後の圧縮強度」とした。当該「1時間後の圧縮強度」が高いほど鋳型の初期強度に優れる。結果を表2に示す。
[鋳型の最終強度]
前記製造例で得られた縮合物、フェノール、多価フェノール、フルフリルアルコール、及びシランカップリング剤を表2に記載の含有量で含む粘結剤組成物、並びに表2に記載の硬化剤組成物を耐火性粒子である珪砂の新砂に加えて充分混練して得られた鋳型用組成物を直径50mm、高さ50mmの円柱形状のテストピース枠に充填し、3時間経過した時に抜型を行い、充填から24時間後に、JIS Z 2601に記載された方法で、圧縮強度(MPa)を測定し、「24時間後の圧縮強度」とした。当該「24時間後の圧縮強度」が高いほど鋳型の最終強度に優れる。結果を表2に示す。
Figure 2019107668
Figure 2019107668

Claims (6)

  1. フェノールとアルデヒド化合物を反応させた後に多価フェノールを添加し、反応させて得られるフェノール・多価フェノール縮合物を含有する鋳型造型用硬化促進剤であって、
    前記アルデヒド化合物の物質量と、前記フェノールの物質量及び前記多価フェノールの物質量の合計の比(前記アルデヒド化合物の物質量/前記フェノールの物質量及び前記多価フェノールの物質量の合計)が0.50〜0.99である、鋳型造型用硬化促進剤。
  2. 前記多価フェノールがレゾルシン、及びピロガロールからなる群より選ばれる1種又は2種である、請求項1に記載の鋳型造型用硬化促進剤。
  3. 請求項1又は2に記載の鋳型造型用硬化促進剤、及びフラン樹脂を含有する、鋳型造型用粘結剤組成物。
  4. 耐火性粒子と、フラン樹脂を含有する鋳型造型用粘結剤組成物と、硬化剤組成物と、請求項1又は2に記載の鋳型造型用硬化促進剤とを含有する、鋳型用組成物。
  5. 耐火性粒子と、フラン樹脂を含有する鋳型造型用粘結剤組成物と、硬化剤組成物と、請求項1又は2に記載の鋳型造型用硬化促進剤とを混合して鋳型用組成物を得る混合工程、及び前記鋳型用組成物を型枠に詰め、当該鋳型用組成物を硬化する硬化工程を含む鋳型の製造方法。
  6. フェノールとアルデヒド化合物を反応させた後に多価フェノールを添加し、反応させて得られるフェノール・多価フェノール縮合物の製造方法であって、
    前記アルデヒド化合物の物質量と、前記フェノールの物質量及び前記多価フェノールの物質量の合計の比(前記アルデヒド化合物の物質量/前記フェノールの物質量及び前記多価フェノールの物質量の合計)が0.50〜0.99である、フェノール・多価フェノール縮合物の製造方法。
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