JP2016078106A - 鋳型造型用組成物 - Google Patents

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大典 山口
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Abstract

【課題】冬場を想定した条件下(例えば5℃)及び常温(例えば25℃)で硬化剤組成物としてカルボン酸を用いた場合でも、鋳型の硬化速度及び鋳型強度を向上させることができる鋳型用組成物、及び鋳型の製造方法を提供すること。
【解決手段】耐火性粒子、鋳型造型用粘結剤組成物、及び硬化剤組成物を混合してなる鋳型造型用組成物であって、前記鋳型造型用粘結剤組成物がフルフラール、及び変性ナイロンを含有し、前記硬化剤組成物が2,6−ジヒドロキシ安息香酸を含有し、前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量が20質量%以上である、鋳型造型用組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、鋳型造型用組成物に関する。
一般に、酸硬化性自硬性鋳型は、珪砂等の耐火性粒子に、酸硬化性樹脂を含有する鋳型造型用粘結剤組成物と、スルホン酸、硫酸、リン酸等を含有する硬化剤組成物とを添加し、これらを混練した後、得られた混練砂を木型等の原型に充填し、酸硬化性樹脂を硬化させて製造される。酸硬化性樹脂には、フラン樹脂やフェノール樹脂等が用いられており、フラン樹脂には、フルフリルアルコール、フルフリルアルコール・尿素ホルムアルデヒド樹脂、フルフリルアルコール・ホルムアルデヒド樹脂、フルフリルアルコール・フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、その他公知の変性フラン樹脂等が用いられている。このような鋳型の製造方法は自由度の高い造型作業が可能であり、また鋳型の熱的性質に優れることから高品質の鋳物が製造できるため、機械部品や建設機械部品、あるいは自動車用部品等の鋳物を鋳造する際に広く使用されている。
鋳型の造型、あるいは鋳型を用いて所望の鋳物を鋳造する上で重要な項目として、鋳造時の作業環境の改善が挙げられる。酸硬化性自硬性鋳型には硬化剤として有機スルホン酸、硫酸等の硫黄原子を含有する酸が使用されるため、特に鋳造時における二酸化硫黄等のSOxやその他成分の熱分解ガスが作業環境を悪化させる恐れがある。そのため、SOxの発生を抑制することが望まれている(例えば、特許文献1及び2)。
SOxの発生を抑制する手法としては、硬化剤組成物にカルボン酸を用いて硬化剤組成物中のスルホン酸の含有量を低減させる手法が公知である(例えば、特許文献3)。
鋳型の造型、あるいは鋳型を用いて所望の鋳物を鋳造する上で他の重要な項目として、鋳型の硬化速度、及び鋳型の最終強度(鋳型強度)が挙げられる。鋳型の硬化速度を向上させることにより、鋳型の抜型時間の短縮が可能となることから、鋳造工程の時間短縮が可能となり、鋳物工場での鋳物生産性が向上する。また、鋳型強度を向上させることができれば、鋳物砂に対する鋳型造型用粘結剤組成物(以下、単に粘結材組成物とも言う)、及び硬化剤組成物の使用量を減らしても、鋳型強度を確保できる。粘結剤組成物及び硬化剤組成物の使用量を低減できると、溶融金属の注湯時にかかる組成物が燃焼することにより発生する二酸化硫黄等のSOxやその他成分の熱分解ガスの抑制が可能となり、作業環境の改善を図ることができる。また、鋳型の硬化速度を速めることは、硬化剤組成物中の硫酸、キシレンスルホン酸をより少ない量で、同一の硬化速度を得ることができるため、硫酸、キシレンスルホン酸による熱分解ガスである二酸化硫黄ガスを抑制できる(例えば、特許文献4)。
特許文献5には、鋳型強度を向上させるため、フルフリルアルコールを含む鋳型造型用粘結剤組成物を2,6−ジヒドロキシ安息香酸を含む鋳型造型用硬化剤組成物で硬化させることによって鋳型強度を向上させることができることが開示されている。
特開平7−185732号公報 特開2011−140034号公報 特開平11−90580号公報 特開2012−148340号公報 特開2013−240827号公報
しかし、従来の技術では、冬場を想定した条件下(例えば5℃)において、硬化剤組成物としてカルボン酸を用いた場合、鋳型の硬化速度が遅く、鋳型強度が低いという課題があった。また、常温(例えば25℃)で硬化剤組成物としてカルボン酸を用いた場合でも、鋳型の硬化速度及び鋳型強度に改善の余地があった。
本発明は、耐火性粒子、鋳型造型用粘結剤組成物、及び硬化剤組成物を混合してなる鋳型造型用組成物であって、前記鋳型造型用粘結剤組成物がフルフラール、及び変性ナイロンを含有し、前記硬化剤組成物が2,6−ジヒドロキシ安息香酸を含有し、前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量が20質量%以上である、鋳型造型用組成物である。
本発明は、耐火性粒子と、鋳型造型用粘結剤組成物と、前記鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる硬化剤組成物とを混合して鋳型造型用組成物を得る混合工程を含む鋳型の製造方法であって、前記鋳型造型用粘結剤組成物がフルフラール、及び変性ナイロンを含有し、前記硬化剤組成物が2,6−ジヒドロキシ安息香酸を含有し、前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量が20質量%以上である鋳型の製造方法である。
本発明の鋳型造型用組成物によれば、冬場を想定した条件下(例えば5℃)で硬化剤組成物としてカルボン酸を用いた場合でも、鋳型の硬化速度及び鋳型強度を向上させることができる。本発明の鋳型造型用組成物によれば、常温(例えば25℃)で硬化剤組成物としてカルボン酸を用いた場合は、鋳型の硬化速度及び鋳型強度をより向上させることができる。
本発明の鋳型の製造方法によれば、冬場を想定した条件下(例えば5℃)で硬化剤組成物としてカルボン酸を用いた場合でも、鋳型の硬化速度及び鋳型強度を向上させることができる。本発明の鋳型の製造方法によれば、常温(例えば25℃)で硬化剤組成物としてカルボン酸を用いた場合は、鋳型の硬化速度及び鋳型強度をより向上させることができる。
<鋳型造型用組成物>
本実施形態に係る鋳型造型用組成物は、耐火性粒子、鋳型造型用粘結剤組成物、及び硬化剤組成物を混合してなる鋳型造型用組成物であって、前記鋳型造型用粘結剤組成物がフルフラール、及び変性ナイロンを含有し、前記硬化剤組成物が2,6−ジヒドロキシ安息香酸を含有し、前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量が20質量%以上である。本実施形態の鋳型造型用組成物によれば、冬場を想定した条件下(例えば5℃)で硬化剤組成物としてカルボン酸を用いた場合でも、鋳型の硬化速度及び鋳型強度を向上させることができる。本実施形態の鋳型造型用組成物によれば、常温(例えば25℃)で硬化剤組成物としてカルボン酸を用いた場合は、鋳型の硬化速度及び鋳型強度をより向上させることができる。このような効果を奏する理由は定かではないが、以下の様に考えられる。
フルフラールのアルデヒド基と変性ナイロンのアミド基が反応することにより、フルフラールが単独で硬化剤組成物中の2,6−ジヒドロキシ安息香酸と反応した場合よりも架橋点間距離が調整され架橋密度の粗密差が小さくなることにより、鋳型の最終強度が向上すると考えられる。更に尿素を粘結剤組成物中に含有する場合には、当該尿素が、フルフラールと、硬化剤組成物中の2,6−ジヒドロキシ安息香酸と三次元架橋反応を起こすことにより、飛躍的に鋳型の硬化速度が向上するものと考えられる。
〔耐火性粒子〕
前記耐火性粒子としては、珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、ムライト砂、合成ムライト砂等の従来公知のものを使用でき、また、使用済みの耐火性粒子を回収したものや再生処理したものなども使用できる。これらの中でも珪砂を含むことが好ましい。
〔鋳型造型用粘結剤組成物〕
前記鋳型造型用粘結剤組成物(以下、粘結剤組成物ともいう)は、フルフラール、及び変性ナイロンを含有する。
[フルフラール]
前記鋳型造型用粘結剤組成物は、硬化速度を向上させる観点、及び鋳型強度を向上させる観点から、フルフラールを含有し、前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量は20質量%以上である。
前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量は、低温施工(15℃未満)の場合には鋳型の硬化速度向上の観点から、40.0質量%以上が好ましく、50.0質量%以上がより好ましく、60.0質量%以上が更に好ましい。前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量は、同様の観点から、90.0質量%以下が好ましく、80.0質量%以下がより好ましく、70.0質量%以下が更に好ましい。また、前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量は、同様の観点から、40.0〜90.0質量%が好ましく、50.0〜80.0質量%がより好ましく、60.0〜70.0質量%が更に好ましい。
また、前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量は、低温施工(15℃未満)の場合には鋳型強度向上の観点から、30.0質量%以上が好ましく、50.0質量%以上がより好ましく、60.0質量%以上が更に好ましい。前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量は、同様の観点から、90.0質量%以下が好ましく、80.0質量%以下がより好ましく、70.0質量%以下が更に好ましい。また、前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量は、同様の観点から、30.0〜90.0質量%が好ましく、50.0〜80.0質量%がより好ましく、60.0〜70.0質量%が更に好ましい。
[変性ナイロン]
前記鋳型造型用粘結剤組成物は、鋳型の硬化速度を向上させる観点、及び鋳型強度を向上させる観点から、変性ナイロンを含有する。前記鋳型造型用粘結剤組成物に含まれる変性ナイロンとは、ナイロンを化学的に変性し、水溶性・アルコール可溶性の性能を持たせたものである。中でもフルフリルアルコールに対し、変性ナイロンを30質量%加え、50℃で3時間撹拌したのちに、目視により白濁や未溶解分がないものが好ましい。当該変性ナイロンの具体例として、6−ナイロンのアミド基に対し、メタノールとホルムアルデヒドを反応させメトキシメチル化したEF−30T(重量平均分子量40000、ナガセケムテックス社製)や、オキシエチレン基を有するポリオールを反応させたP−95(重量平均分子量50000、東レ社製)、T−70(重量平均分子量50000、東レ社製)などが挙げられる。
前記変性ナイロンの重量平均分子量は、硬化速度を向上させる観点、及び鋳型強度を向上させる観点から、1000〜100000が好ましく、10000〜80000がより好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、溶媒にクロロホルム、カラムにGM HHR−H×2(東ソー製)、流量1.0mL/min、カラム温度40℃、検出器に示差屈折率検出器(RI)、リファレンスとして既知の分子量を有するスチレンを用いて換算して求めることができる。
前記鋳型造型用粘結剤組成物中の変性ナイロンの含有量は、鋳型の硬化速度向上の観点から、0.2質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましい。前記鋳型造型用粘結剤組成物中の変性ナイロンの含有量は、同様の観点から、10.0質量%以下が好ましく、7.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましい。また、前記鋳型造型用粘結剤組成物中の変性ナイロンの含有量は、同様の観点から、0.2〜10.0質量%が好ましく、0.5〜7.0質量%がより好ましく、1.0〜5.0質量%が更に好ましい。
前記鋳型造型用粘結剤組成物中の変性ナイロンの含有量は、低温施工(15℃未満)の場合の鋳型の硬化速度向上の観点から、0.2質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましい。前記鋳型造型用粘結剤組成物中の変性ナイロンの含有量は、同様の観点から、8.0質量%以下が好ましく、7.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましい。また、前記鋳型造型用粘結剤組成物中の変性ナイロンの含有量は、同様の観点から、0.2〜8.0質量%が好ましく、0.5〜7.0質量%がより好ましく、1.0〜5.0質量%が更に好ましい。
前記鋳型造型用粘結剤組成物中の変性ナイロンの含有量は、鋳型強度向上の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましい。前記鋳型造型用粘結剤組成物中の変性ナイロンの含有量は、同様の観点から、8.0質量%以下が好ましく、7.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましい。また、前記鋳型造型用粘結剤組成物中の変性ナイロンの含有量は、同様の観点から、0.1〜8.0質量%が好ましく、0.5〜7.0質量%がより好ましく、1.0〜5.0質量%が更に好ましい。
[酸硬化性樹脂]
前記鋳型造型用粘結剤組成物には、粘結剤成分として従来公知の酸硬化性樹脂が含まれていても良い。当該酸硬化性樹脂としては、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールの縮合物、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物(尿素変性フラン樹脂)、フェノール類とアルデヒド類の縮合物、メラミンとアルデヒド類の縮合物、及び尿素とアルデヒド類の縮合物よりなる群から選ばれる1種からなるものや、これらの群から選ばれる2種以上の混合物からなるものが例示できる。また、これらの群から選ばれる2種以上の共縮合物からなるものも使用できる。このうち、鋳型の硬化速度向上と鋳型強度向上の観点から、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールの縮合物、フェノール類とアルデヒド類の縮合物及びフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物から選ばれる1種以上、並びにこれらの共縮合物を使用するのが好ましい。フルフリルアルコールは、非石油資源である植物から製造できるため、地球環境の観点からは、フルフリルアルコールを使用するのが好ましい。
前記鋳型造型用粘結剤組成物中の前記酸硬化性樹脂の含有量は、鋳型強度を向上させる観点から、15.0質量%以上が好ましく、16.0質量%以上がより好ましい。前記鋳型造型用粘結剤組成物中の前記酸硬化性樹脂の含有量は、同様の観点から、36.0質量%以下が好ましく、21.0質量%以下がより好ましい。前記鋳型造型用粘結剤組成物中の前記酸硬化性樹脂の含有量は、同様の観点から、15.0〜36.0質量%が好ましく、16.0〜21.0質量%がより好ましい。
[尿素]
前記鋳型造型用粘結剤組成物は、鋳型の硬化速度を向上させる観点から、尿素を含有することが好ましい。
前記鋳型造型用粘結剤組成物中の尿素は、ホルムアルデヒドやフルフリルアルコール等と縮合反応していない尿素であり、未反応分として残存したものでも、別途添加されたものでも何れでも良い。前記鋳型造型用粘結剤組成物中の尿素の含有量は、鋳型の硬化速度向上の観点から、1.0質量%以上が好ましく、2.0質量%以上がより好ましく、4.0質量%以上が更に好ましい。前記鋳型造型用粘結剤組成物中の尿素の含有量は、同様の観点から、10.0質量%以下が好ましく、6.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましい。また、前記鋳型造型用粘結剤組成物中の尿素の含有量は、同様の観点から、1.0〜10.0質量%が好ましく、2.0〜6.0質量%がより好ましく、4.0〜5.0質量%が更に好ましい。
前記鋳型造型用粘結剤組成物中の尿素の含有量は、低温施工(15℃未満)の場合の鋳型強度向上の観点から、1.0質量%以上が好ましく、2.0質量%以上がより好ましく、4.0質量%以上が更に好ましい。前記鋳型造型用粘結剤組成物中の尿素の含有量は、同様の観点から、7.0質量%以下が好ましく、6.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましい。また、前記鋳型造型用粘結剤組成物中の尿素の含有量は、同様の観点から、1.0〜7.0質量%が好ましく、2.0〜6.0質量%がより好ましく、4.0〜5.0質量%が更に好ましい。
[鋳型造型用粘結剤組成物中のその他の成分]
(硬化促進剤)
前記鋳型造型用粘結剤組成物には、最終的な鋳型強度を向上させる観点から、硬化促進剤が含まれていても良い。硬化促進剤としては、最終的な鋳型強度を向上させる観点から、下記一般式(1)で表される化合物(以下、硬化促進剤(1)という)、フェノール誘導体、芳香族ジアルデヒド、及びタンニン類からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
Figure 2016078106

〔式中、X及びXは、それぞれ水素原子、CH又はCの何れかを表す。〕
前記硬化促進剤(1)としては、2,5−ビスヒドロキシメチルフラン、2,5−ビスメトキシメチルフラン、2,5−ビスエトキシメチルフラン、2−ヒドロキシメチル−5−メトキシメチルフラン、2−ヒドロキシメチル−5−エトキシメチルフラン、2−メトキシメチル−5−エトキシメチルフランが挙げられる。なかでも、最終的な鋳型強度を向上させる観点から、2,5−ビスヒドロキシメチルフランを使用するのが好ましい。
前記フェノール誘導体としては、例えばレゾルシン、クレゾール、ヒドロキノン、フロログルシノール、メチレンビスフェノール等が挙げられる。なかでも、鋳型の深部硬化性の観点及び最終的な鋳型強度を向上させる観点から、レゾルシンが好ましい。
前記芳香族ジアルデヒドとしては、テレフタルアルデヒド、フタルアルデヒド及びイソフタルアルデヒド等、並びにそれらの誘導体等が挙げられる。それらの誘導体とは、基本骨格としての2つのホルミル基を有する芳香族化合物の芳香環にアルキル基等の置換基を有する化合物等を意味する。最終的な鋳型強度を向上させる観点から、テレフタルアルデヒド及びテレフタルアルデヒドの誘導体が好ましく、テレフタルアルデヒドがより好ましい。
前記タンニン類としては、縮合タンニンや加水分解型タンニンが挙げられる。これら縮合タンニンや加水分解型タンニンの例としては、ピロガロール骨格やレゾルシン骨格を持つタンニンが挙げられる。また、これらタンニン類を含有する樹皮抽出物や植物由来の葉、実、種、植物に寄生した虫こぶ等の天然物からの抽出物を添加しても構わない。
前記鋳型造型用粘結剤組成物中の硬化促進剤の含有量は、鋳型の最終強度を向上させる観点から、0.2質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、1.9質量%以上が更に好ましい。前記鋳型造型用粘結剤組成物中の硬化促進剤の含有量は、硬化促進剤の溶解性の観点及び鋳型の最終強度を向上させる観点から、35.0質量%以下が好ましく、30.0質量%以下がより好ましく、20.0質量%以下が更に好ましい。
(水)
前記鋳型造型用粘結剤組成物中には、更に水が含まれてもよい。例えば、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物などの各種縮合物を合成する場合、水溶液状の原料を使用したり縮合水が生成したりするため、縮合物は、通常、水との混合物の形態で得られる。このような縮合物を前記鋳型造型用粘結剤組成物に使用するにあたり、水は必要に応じて、トッピング等で除去しても構わないが、硬化反応速度を維持できる限り、製造の際にあえて除去する必要はない。また、前記鋳型造型用粘結剤組成物を取扱いやすい粘度に調整する目的などで、水を更に添加してもよい。前記鋳型造型用粘結剤組成物を取扱いやすい粘度に調整する目的で水を更に添加する場合、前記鋳型造型用粘結剤組成物中の水の含有量は0.5質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、2.0質量%以上が更に好ましい。ただし、鋳型の硬化速度向上の観点から、前記鋳型造型用粘結剤組成物中の水の含有量は7.5質量%以下が好ましく、6.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましい。また、前記鋳型造型用粘結剤組成物中の水の含有量は、前記粘結剤組成物を取扱いやすい粘度に調整する観点、及び鋳型の硬化速度向上の観点から、0.5〜7.5質量%が好ましく、1.5〜6.0質量%がより好ましく、2.0〜5.0質量%が更に好ましい。
前記鋳型造型用粘結剤組成物中には、更にシランカップリング剤等の添加剤が含まれていてもよい。例えば、前記鋳型造型用粘結剤組成物中にシランカップリング剤が含まれていると、得られる鋳型の最終強度をより向上させることができるため好ましい。シランカップリング剤としては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシランや、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシランなどが用いられる。好ましくは、アミノシラン、エポキシシラン、ウレイドシランである。より好ましくはアミノシラン、エポキシシランであり、更に好ましくはエポキシシランである。エポキシシランの中でも、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシランが好ましい。前記鋳型造型用粘結剤組成物中のシランカップリング剤の含有量は、鋳型の最終強度を向上させる観点から、0.05質量%以上が好ましく、0.10質量%以上がより好ましい。前記鋳型造型用粘結剤組成物中のシランカップリング剤の含有量は、同様の観点から、0.35質量%以下が好ましく、0.30質量%以下がより好ましい。前記鋳型造型用粘結剤組成物中のシランカップリング剤の含有量は、同様の観点から、0.05〜0.35質量%が好ましく、0.10〜0.30質量%がより好ましい。
〔硬化剤組成物〕
前記硬化剤組成物は、前記粘結剤組成物を硬化させる硬化剤組成物であり、2,6−ジヒドロキシ安息香酸を含有する。
[2,6−ジヒドロキシ安息香酸]
前記硬化剤組成物中の2,6−ジヒドロキシ安息香酸の含有量は、鋳型の硬化速度向上の観点から、35.0質量%以上が好ましく、40.0質量%以上がより好ましく、45.0質量%以上が更に好ましい。前記硬化剤組成物中の2,6−ジヒドロキシ安息香酸の含有量は、溶解性の観点から、85.0質量%以下が好ましく、75.0質量%以下がより好ましく、65.0質量%以下が更に好ましい。また、前記硬化剤組成物中の2,6−ジヒドロキシ安息香酸の含有量は、鋳型の硬化速度向上の観点、及び溶解性の観点から、35.0〜85.0質量%が好ましく、40.0〜75.0質量%がより好ましく、45.0〜65.0質量%が更に好ましい。
[硬化剤組成物中のその他の成分]
前記硬化剤組成物には、2,6−ジヒドロキシ安息香酸以外の硬化剤成分として、公知の酸性物質が本実施形態の効果を阻害しない程度に含有されても良い。前記酸性物質としては、例えば、リン酸等のリン酸系化合物、あるいは硝酸等の無機酸などの1種又は2種以上の混合物が例示できる。前記硬化剤組成物中の前記酸性物質の含有量は、鋳型の硬化速度向上の観点から、6.0質量%以上が好ましく、17.0質量%以上がより好ましく、24.0質量%以上が更に好ましい。前記硬化剤組成物中の前記酸性物質の含有量は、同様の観点から、73.0質量%以下が好ましく、49.0質量%以下がより好ましく、45.0質量%以下が更に好ましい。また、前記硬化剤組成物中の前記酸性物質の含有量は、同様の観点から、6.0〜73.0質量%が好ましく、17.0〜49.0質量%がより好ましく、24.0〜45.0質量%が更に好ましい。
更に、前記硬化剤組成物には、アルコール類、エーテルアルコール類及びエステル類よりなる群から選ばれる1種以上の溶剤や、2,6−ジヒドロキシ安息香酸以外のカルボン酸類を含有させることができる。これらの中でも、鋳型強度の向上の観点から、アルコール類、エーテルアルコール類が好ましく、アルコール類がより好ましい。前記硬化剤組成物中の前記溶剤の含有量は、鋳型強度向上の観点、及び硬化剤組成物を溶解させる観点から、17.0質量%以上が好ましく、24.0質量%以上がより好ましく、34.0質量%以上が更に好ましい。前記硬化剤組成物中の前記溶剤の含有量は、同様の観点から、68.0質量%以下が好ましく、62.0質量%以下がより好ましく、56.0質量%以下が更に好ましい。また、前記硬化剤組成物中の前記溶剤の含有量は、同様の観点から、17.0〜68.0質量%が好ましく、24.0〜62.0質量%がより好ましく、34.0〜56.0質量%が更に好ましい。前記硬化剤組成物中の前記カルボン酸類の含有量は、鋳型強度向上の観点から、4.0質量%以上が好ましく、8.50質量%以上がより好ましい。前記硬化剤組成物中の前記カルボン酸類の含有量は、同様の観点から、34.0質量%以下が好ましく、28.0質量%以下がより好ましい。また、前記硬化剤組成物中の前記カルボン酸類の含有量は、同様の観点から、4.0〜34.0質量%が好ましく、9.0〜28.0質量%がより好ましい。
鋳型強度の向上を図る観点から、前記アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ベンジルアルコールが好ましく、メタノールがより好ましい。前記エーテルアルコール類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルが好ましい。前記エステル類としては、酢酸ブチル、安息香酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが好ましい。前記カルボン酸類としては、鋳型強度向上及び臭気低減の観点から、pKaの低い酸 が好ましく、シュウ酸、マレイン酸、ピルビン酸、マロン酸、2−フランカルボン酸、フタル酸、フマル酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸がより好ましい。
本実施形態の鋳型造型用組成物において、耐火性粒子と鋳型造型用粘結剤組成物と硬化剤組成物との比率は適宜設定できるが、硬化速度を向上させ、鋳型強度を向上させる観点から、耐火性粒子100質量部に対して、粘結剤組成物が1.0〜1.5質量部で、硬化剤組成物が0.7〜1.0質量部の範囲が好ましい。更に、粘結剤組成物と硬化剤組成物の質量比は、硬化速度を向上させ、鋳型強度を向上させる観点から、粘結剤組成物100質量部に対して、硬化剤組成物40〜70質量部が好ましい。
前記鋳型造型用組成物は、鋳型の製造に好適に使用される。
<鋳型の製造方法>
本実施形態の鋳型の製造方法は、前記耐火性粒子と、前記鋳型造型用粘結剤組成物と、前記鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる前記硬化剤組成物とを混合して前記鋳型造型用組成物を得る混合工程を含む鋳型の製造方法であって、前記鋳型造型用粘結剤組成物がフルフラール、及び変性ナイロン、好ましくは更に尿素を含有し、前記硬化剤組成物が2,6−ジヒドロキシ安息香酸を含有し、前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量が20質量%以上である。本実施形態の鋳型の製造方法によれば、冬場を想定した条件下(例えば5℃)で硬化剤組成物としてカルボン酸を用いた場合でも、鋳型の硬化速度及び鋳型強度を向上させることができる。このような効果を奏する理由は、前記鋳型造型用組成物と同様の理由が考えられる。
当該混合工程は、前記耐火性粒子と、前記鋳型造型用粘結剤組成物と、前記鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる前記硬化剤組成物とを混合して前記鋳型造型用組成物を得る工程である。当該混合工程において、前記各原料を混合する方法としては、一般の手法を用いることができ、例えば、バッチミキサーにより各原料を添加して混合する方法や、連続ミキサーに各原料を供給して混合する方法が挙げられる。
本実施形態の鋳型の製造方法において、当該混合工程以外は、従来の鋳型の製造プロセスをそのまま利用して鋳型を製造することができる。好ましい鋳型の製造方法として、前記耐火性粒子と、前記鋳型造型用粘結剤組成物と、前記鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる前記硬化剤組成物とを混合して前記鋳型造型用組成物を得る混合工程、及び前記鋳型造型用組成物を型枠に詰め、当該鋳型用組成物を硬化する硬化工程を有する自硬性鋳型の製造方法が挙げられる。
<自硬性鋳型造型用キット>
本実施形態の自硬性鋳型造型用キットは、前記鋳型の製造方法に用いる鋳型造型用キットであって、前記鋳型造型用粘結剤組成物と前記硬化剤組成物とからなる。前記自硬性鋳型造型用キットによれば、冬場を想定した条件下(例えば5℃)で硬化剤組成物としてカルボン酸を用いた場合でも、鋳型の硬化速度及び鋳型強度を向上させることができる。このような効果を奏する理由は、前記鋳型造型用組成物と同様の理由が考えられる。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の組成物、製造方法、或いは用途を開示する。
<1>耐火性粒子、鋳型造型用粘結剤組成物、及び硬化剤組成物を混合してなる鋳型造型用組成物であって、前記鋳型造型用粘結剤組成物がフルフラール、及び変性ナイロンを含有し、前記硬化剤組成物が2,6−ジヒドロキシ安息香酸を含有し、前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量が20質量%以上である、鋳型造型用組成物。
<2>前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量が、40.0質量%以上が好ましく、50.0質量%以上がより好ましく、60.0質量%以上が更に好ましく、90.0質量%以下が好ましく、80.0質量%以下がより好ましく、70.0質量%以下が更に好ましく、40.0〜90.0質量%が好ましく、50.0〜80.0質量%がより好ましく、60.0〜70.0質量%が更に好ましい、前記<1>に記載の鋳型造型用組成物。
<3>前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量が、30.0質量%以上が好ましく、50.0質量%以上がより好ましく、60.0質量%以上が更に好ましく、90.0質量%以下が好ましく、80.0質量%以下がより好ましく、70.0質量%以下が更に好ましく、30.0〜90.0質量%が好ましく、50.0〜80.0質量%がより好ましく、60.0〜70.0質量%が更に好ましい、前記<1>又は<2>に記載の鋳型造型用組成物。
<4>前記変性ナイロンの重量平均分子量が、1000〜100000が好ましく、10000〜80000がより好ましい、前記<1>〜<3>のいずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<5>前記鋳型造型用粘結剤組成物中の変性ナイロンの含有量が、0.2質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましく、10.0質量%以下が好ましく、7.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましく、0.2〜10.0質量%が好ましく、0.5〜7.0質量%がより好ましく、1.0〜5.0質量%が更に好ましい、前記<1>〜<4>のいずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<6>前記鋳型造型用粘結剤組成物中の変性ナイロンの含有量が、0.2質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましく、8.0質量%以下が好ましく、7.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましく、0.2〜8.0質量%が好ましく、0.5〜7.0質量%がより好ましく、1.0〜5.0質量%が更に好ましい、前記<1>〜<5>のいずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<7>前記鋳型造型用粘結剤組成物中の変性ナイロンの含有量が、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましく、8.0質量%以下が好ましく、7.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましく、0.1〜8.0質量%が好ましく、0.5〜7.0質量%がより好ましく、1.0〜5.0質量%が更に好ましい、前記<1>〜<6>のいずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<8>前記鋳型造型用粘結剤組成物が、更に酸硬化性樹脂を含有することが好ましい、前記<1>〜<7>のいずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<9>前記鋳型造型用粘結剤組成物中の前記酸硬化性樹脂の含有量が、15.0質量%以上が好ましく、16.0質量%以上がより好ましく、36.0質量%以下が好ましく、21.0質量%以下がより好ましく、15.0〜36.0質量%が好ましく、16.0〜21.0質量%がより好ましい、前記<8>に記載の鋳型造型用組成物。
<10>前記鋳型造型用粘結剤組成物が、更に尿素を含有する、<1>〜<9>のいずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<11>前記鋳型造型用粘結剤組成物中の尿素の含有量が、1.0質量%以上が好ましく、2.0質量%以上がより好ましく、4.0質量%以上が更に好ましく、10.0質量%以下が好ましく、6.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましく、1.0〜10.0質量%が好ましく、2.0〜6.0質量%がより好ましく、4.0〜5.0質量%が更に好ましい、前記<10>に記載の鋳型造型用組成物。
<12>前記鋳型造型用粘結剤組成物中の尿素の含有量が、1.0質量%以上が好ましく、2.0質量%以上がより好ましく、4.0質量%以上が更に好ましく、7.0質量%以下が好ましく、6.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましく、1.0〜7.0質量%が好ましく、2.0〜6.0質量%がより好ましく、4.0〜5.0質量%が更に好ましい、前記<10>又は<11>に記載の鋳型造型用組成物。
<13>更に、硬化促進剤を含有する前記<1>〜<12>のいずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<14>前記鋳型造型用粘結剤組成物中の硬化促進剤の含有量が、0.2質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、1.9質量%以上が更に好ましく、35.0質量%以下が好ましく、30.0質量%以下がより好ましく、20.0質量%以下が更に好ましい、前記<13>に記載の鋳型造型用組成物。
<15>前記鋳型造型用粘結剤組成物中の水の含有量が、0.5質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、2.0質量%以上が更に好ましく、7.5質量%以下が好ましく、6.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以下が更に好ましく、0.5〜7.5質量%が好ましく、1.5〜6.0質量%がより好ましく、2.0〜5.0質量%が更に好ましい前記<1>〜<14>のいずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<16>更に、シランカップリング剤を含有する、前記<1>〜<15>のいずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<17>鋳型造型用粘結剤組成物中のシランカップリング剤の含有量が、0.05質量%以上が好ましく、0.10質量%以上がより好ましく、0.35質量%以下が好ましく、0.30質量%以下がより好ましく、0.05〜0.35質量%が好ましく、0.10〜0.30質量%がより好ましい、前記<16>に記載の鋳型造型用組成物。
<18>前記シランカップリング剤がN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランが好ましい、前記<16>又は<17>に記載の鋳型造型用組成物。
<19>前記硬化剤組成物中の2,6−ジヒドロキシ安息香酸の含有量が、35.0質量%以上が好ましく、40.0質量%以上がより好ましく、45.0質量%以上が更に好ましく、85.0質量%以下が好ましく、75.0質量%以下がより好ましく、65.0質量%以下が更に好ましく、35.0〜85.0質量%が好ましく、40.0〜75.0質量%がより好ましく、45.0〜65.0質量%が更に好ましい、前記<1>〜<18>のいずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<20>前記硬化剤組成物が、溶剤を含むことが好ましい、前記<1>〜<19>のいずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<21>前記硬化剤組成物中の溶剤の含有量が、17.0質量%以上が好ましく、24.0質量%以上がより好ましく、34.0質量%以上が更に好ましく、68.0質量%以下が好ましく、62.0質量%以下がより好ましく、56.0質量%以下が更に好ましく、17.0〜68.0質量%が好ましく、24.0〜62.0質量%がより好ましく、34.0〜56.0質量%が更に好ましい、前記<20>に記載の鋳型造型用組成物。
<22>前記硬化剤組成物が、2,6−ジヒドロキシ安息香酸以外のカルボン酸類を含有することが好ましい、前記<1>〜<21>のいずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<23>前記硬化剤組成物中の前記2,6−ジヒドロキシ安息香酸以外のカルボン酸類の含有量が、4.0質量%以上が好ましく、8.50質量%以上がより好ましく、34.0質量%以下が好ましく、28.0質量%以下がより好ましく、4.0〜34.0質量%が好ましく、9.0〜28.0質量%がより好ましい、前記<22>に記載の鋳型造型用組成物。
<24>前記耐火性粒子と前記鋳型造型用粘結剤組成物と前記硬化剤組成物との比率が、前記耐火性粒子100質量部に対して、前記粘結剤組成物が1.0質量部以上が好ましく、1.5質量部以下が好ましく、前記硬化剤組成物が、前記耐火性粒子100質量部に対して、0.7質量部以上が好ましく、1.0質量部以下が好ましい、前記<1>〜<23>のいずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<25>前記粘結剤組成物と前記硬化剤組成物の質量比が、前記粘結剤組成物100質量部に対して、前記硬化剤組成物が40質量部以上が好ましく、70質量部以下が好ましい、前記<1>〜<24>のいずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<26>耐火性粒子と、前記鋳型造型用粘結剤組成物と、前記鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる硬化剤組成物とを混合して鋳型造型用組成物を得る混合工程を含む鋳型の製造方法であって、前記鋳型造型用粘結剤組成物がフルフラール、及び変性ナイロンを含有し、前記硬化剤組成物が2,6−ジヒドロキシ安息香酸を含有し、前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量が20質量%以上である、鋳型の製造方法。
<27>前記鋳型造型用粘結剤組成物が、前記<1>〜<25>いずれかに記載の鋳型造型用組成物を得るために用いられる鋳型造型用粘結剤組成物が好ましい、前記<26>に記載の鋳型の製造方法。
<28>前記硬化剤組成物が、前記<1>〜<25>いずれかに記載の鋳型造型用組成物を得るために用いられる硬化剤組成物が好ましい、前記<26>又は<27>に記載の鋳型の製造方法。
<29>前記耐火性粒子と前記鋳型造型用粘結剤組成物と前記硬化剤組成物との比率が、前記耐火性粒子100質量部に対して、前記粘結剤組成物が1.0質量部以上が好ましく、1.5質量部以下が好ましく、前記硬化剤組成物が、前記耐火性粒子100質量部に対して、0.7質量部以上が好ましく、1.0質量部以下が好ましい、前記<26>〜<28>のいずれかに記載の鋳型の製造方法。
<30>前記粘結剤組成物と前記硬化剤組成物の質量比が、前記粘結剤組成物100質量部に対して、前記硬化剤組成物が40質量部以上が好ましく、70質量部以下が好ましい、前記<26>〜<29>のいずれかに記載の鋳型の製造方法。
<31>前記混合工程及び前記硬化工程が、低温環境下で行われる、前記<26>〜<30>のいずれかに記載の鋳型の製造方法。
<32>前記<26>〜<31>のいずれかに記載の鋳型の製造方法に用いる鋳型造型用キットであって、前記鋳型造型用キットは、鋳型造型用粘結剤組成物と前記鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる硬化剤組成物からなり、前記鋳型造型用粘結剤組成物が、フルフラール、及び変性ナイロンを含有し、前記硬化剤組成物が、前記硬化剤組成物が2,6−ジヒドロキシ安息香酸を含有し、前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量が20質量%以上である、鋳型造型用キット。
<33>前記鋳型造型用粘結剤組成物が、前記<1>〜<25>いずれかに記載の鋳型造型用組成物を得るために用いられる鋳型造型用粘結剤組成物が好ましい、前記<32>に記載の鋳型造型用キット。
<34>前記硬化剤組成物が、前記<1>〜<25>いずれかに記載の鋳型造型用組成物を得るために用いられる硬化剤組成物が好ましい、前記<32>又は<33>に記載の鋳型造型用キット。
<35>前記<1>〜<25>いずれかに記載の組成物の、鋳型造型用組成物としての使用。
<36>前記<1>〜<25>いずれかに記載の組成物の、低温条件下での使用。
以下、本発明を具体的に示す実施例等について説明する。
<実施例1〜18及び比較例1〜4、並びに実施例1’〜10’>
〔粘結剤組成物の製造〕
表1及び表2に示す酸硬化性樹脂(FFA)、フルフラール、尿素、変性ナイロン、水、シランカップリング剤、硬化剤組成物(2,6−ジヒドロキシ安息香酸)をそれぞれ所定の質量比率で混合し、実施例1〜18及び比較例1〜4、並びに実施例1’〜10’の粘結剤組成物を製造した。表1及び表2中の「FFA」はフルフリルアルコール、「シランカップリング剤」はN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、「2,6−DHB」は2,6−ジヒドロキシ安息香酸を意味する。
〔鋳型造型用組成物の製造〕
5℃、55%RHの条件下で、珪砂(フリーマントル新砂)100質量部に対し、硬化剤組成物(2,6−ジヒドロキシ安息香酸/メタノール=55質量%/45質量%)0.70質量部を添加し、次いで実施例1〜18及び比較例1〜4、並びに実施例1’〜10’の粘結剤組成物1.00質量部を添加し、これらを混合して鋳型造型用組成物(混練砂)を得た。
<評価方法>
[変性ナイロン]
各実施例及び比較例で用いた変性ナイロンは、全てフルフリルアルコールに対し、30質量%加え、50℃に保持して3時間撹拌したのちに、目視により観察したところ白濁及び沈殿は認められなかった。
〔粘結剤組成物中の水分〕
JIS K 0068に示される化学製品の水分試験法にて測定を行った。
〔粘結剤組成物中のフルフリルアルコール含有量の測定〕
ガスクロマトグラフィーを使用して、フルフリルアルコールで検量線を作成し、粘結剤組成物中のフルフリルアルコール含有量を測定した。
[測定条件]
内部標準溶液:1,6−ヘキサンジオール
カラム:PEG−20M Chromosorb WAW DMCS 60/80mesh(ジーエルサイエンス社製)
カラム温度:80〜200℃(8℃/min)
インジェクション温度:210℃
検出器温度:250℃
キャリアーガス:50mL/min(He)
〔粘結剤組成物中の尿素〕
LC/MS分析によりした。サンプルの調製は、アセトン/水=50/50の混合溶液で100倍希釈し、更に移動相で100倍希釈した。
[LC/MS分析条件]
カラム:Unison UK−Amino HT
移動相:0.1% TFA アセトニトリル/水=95/5
流量:0.2mL/min
カラム温度:40℃
MS:SIM m/z:61.0 [M+H]+
〔低温条件下における硬化速度と最終強度の測定(実施例1〜18及び比較例1〜4)〕
気温5℃、湿度55%の条件下で、混練直後の鋳型造型用組成物(混練砂)を直径50mm、高さ50mmの円柱形状のテストピース枠に充填し、1時間経過した時に抜型を行い、JIS Z 2604−1976に記載された方法で、テストピースの圧縮強度(MPa)を測定し、「1時間後の圧縮強度」とした。また、別途同様に作成したテストピース枠に充填したものを、1時間経過した時に抜型を行い、充填から3時間後に、JIS Z 2604−1976に記載された方法で、テストピースの圧縮強度(MPa)を測定し、「3時間後の圧縮強度」とした。「1時間後の圧縮強度」及び「3時間後の圧縮強度」が高いものほど、低温条件下での硬化速度が速いことを示す。また、別途同様に作成したテストピース枠に充填したものを、3時間経過した時に抜型を行い、充填から24時間後に、JIS Z 2604−1976に記載された方法で、テストピースの圧縮強度(MPa)を測定し、「24時間後の圧縮強度(最終強度)」とした。最終強度はテストピース3つの測定結果を平均し、数値が高いほど低温条件下での最終強度が高いことを示す。結果を表1に示す。
Figure 2016078106
表1の結果から、実施例1〜15では、比較例1,2に比べ硬化速度と鋳型強度が向上し、実施例16〜18では鋳型強度が向上する事がわかる。なお、実施例7と8については、6時間すれば脱型できる強度に到達する。また、実施例1〜18はスルホン酸や硫酸などの硫黄を含む酸を使用していないため、鋳造時の二酸化硫黄ガスの発生量をゼロにすることができる。一方、比較例3,4では2,6−ジヒドロキシ安息香酸以外の硬化剤を使用するため、24時間後においても鋳型強度が発現せず、硬化速度及び鋳型強度のいずれも悪化することがわかる。
〔常温条件下における硬化速度と最終強度の測定(実施例1’〜10’)〕
気温25℃、湿度55%の条件下で、混練直後の鋳型造型用組成物(混練砂)を直径50mm、高さ50mmの円柱形状のテストピース枠に充填し、1時間経過した時に抜型を行い、JIS Z 2604−1976に記載された方法で、テストピースの圧縮強度(MPa)を測定し、「1時間後の圧縮強度」とした。また、また、別途同様に作成したテストピース枠に充填したものを、1時間経過した時に抜型を行い、充填から3時間後に、JIS Z 2604−1976に記載された方法で、テストピースの圧縮強度(MPa)を測定し、「3時間後の圧縮強度」とした。「1時間後の圧縮強度」及び「3時間後の圧縮強度」が高いものほど、常温条件下での硬化速度が速いことを示す。また、別途同様に作成したテストピース枠に充填したものを、3時間経過した時に抜型を行い、充填から24時間後に、JIS Z 2604−1976に記載された方法で、テストピースの圧縮強度(MPa)を測定し、「24時間後の圧縮強度(最終強度)」とした。最終強度はテストピース3つの測定結果を平均し、数値が高いほど常温条件下での最終強度が高いことを示す。結果を表2に示す。なお、気温25℃では脱型の効果を検討するに際し「1時間後の圧縮強度」を気温5℃では硬化速度が遅くなるので「3時間後の圧縮強度」で主に評価できる。
Figure 2016078106
表2の結果から、実施例1’〜6’では、1時間強度が発現していることから硬化速度が速いことがわかり、鋳型強度も高いことがわかる。また、実施例7’〜8’においても、鋳型強度が高い事がわかる。

Claims (11)

  1. 耐火性粒子、鋳型造型用粘結剤組成物、及び硬化剤組成物を混合してなる鋳型造型用組成物であって、
    前記鋳型造型用粘結剤組成物がフルフラール、及び変性ナイロンを含有し、前記硬化剤組成物が2,6−ジヒドロキシ安息香酸を含有し、
    前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量が20質量%以上である、鋳型造型用組成物。
  2. 前記鋳型造型用粘結剤組成物中の変性ナイロンの含有量が0.1〜10.0質量%である請求項1に記載の鋳型造型用組成物。
  3. 前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量が90.0質量%以下である請求項1又は2に記載の鋳型造型用組成物。
  4. 前記鋳型造型用粘結剤組成物が、更に尿素を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の鋳型造型用組成物。
  5. 前記鋳型造型用粘結剤組成物中の尿素の含有量が10.0質量%以下である請求項4に記載の鋳型造型用組成物。
  6. 前記鋳型造型用粘結剤組成物が、更に酸硬化性樹脂を含有する、請求項1〜5の何れか1項に記載の鋳型造型用組成物。
  7. 前記酸硬化性樹脂がフルフリルアルコールを含有する請求項6に記載の鋳型造型用組成物。
  8. 前記鋳型造型用粘結剤組成物中の酸硬化性樹脂の含有量が15.0質量%以上である請求項6又は7に記載の鋳型造型用組成物。
  9. 前記硬化剤組成物の含有量が、前記鋳型造型用粘結剤組成物100質量部に対して40.0〜70.0質量部である請求項1〜8の何れか1項に記載の鋳型造型用組成物。
  10. 耐火性粒子と、鋳型造型用粘結剤組成物と、前記鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる硬化剤組成物とを混合して鋳型造型用組成物を得る混合工程を含む鋳型の製造方法であって、
    前記鋳型造型用粘結剤組成物がフルフラール、及び変性ナイロンを含有し、
    前記硬化剤組成物が2,6−ジヒドロキシ安息香酸を含有し、
    前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量が20質量%以上である、鋳型の製造方法。
  11. 請求項10に記載の鋳型の製造方法に用いる鋳型造型用キットであって、
    前記鋳型造型用キットは、鋳型造型用粘結剤組成物と前記鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる硬化剤組成物とからなり、
    前記鋳型造型用粘結剤組成物が、フルフラール、及び変性ナイロンを含有し、
    前記硬化剤組成物が、前記硬化剤組成物が2,6−ジヒドロキシ安息香酸を含有し、
    前記鋳型造型用粘結剤組成物中のフルフラールの含有量が20質量%以上である、鋳型造型用キット。
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