JP2019107590A - 触媒、アルデヒド類および/またはアルコール類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の触媒は、カルボン酸類から水素化によりアルデヒド類および/またはアルコール類を製造するための触媒(アルデヒド類および/またはアルコール類製造用触媒)であって、燐酸又は燐酸塩由来のリン化合物、および酸化鉄を含む。酸化鉄は、Fe2O3以外にもFeOやFe3O4などの他の酸化状態のものも含まれる。なお、アルデヒド類および/またはアルコール類とは、アルデヒド類およびアルコール類のいずれか一方又は両方という意味である。以下、アルデヒド類および/またはアルコール類を単に「アルデヒド類等」と称する場合もある。
(1)鉄成分、必要に応じてパラジウム、および溶媒を加えて撹拌し、分散液又は溶液を調製する。
(2)調製した分散液又は溶液を加熱し、蒸発乾固させる。
(3)蒸発乾固後、乾燥させる。
(4)乾燥後、焼成する。
(5)焼成後、燐酸又は燐酸塩の分散液又は溶液を添加する。
(6)この分散液又は溶液を加熱し、蒸発乾固させる。
(7)蒸発乾固後、乾燥させる。
(8)乾燥後、焼成する。
上記(1)〜(8)の方法により、酸化物として、粉体の触媒が得られる。鉄成分は、焼成後に酸化物である酸化鉄となる。つまり、鉄成分は、焼成により酸化鉄となる前駆成分である。また、添加した燐酸又は燐酸塩は、焼成後に燐酸又は燐酸塩由来のリン化合物となる。なお、(2)の蒸発乾固と(3)の乾燥は、分けずに一度に行ってもよい。(6)の蒸発乾固と(7)の乾燥も同様である。
本発明のアルデヒド類および/またはアルコール類の製造方法は、本発明の触媒の存在下、気相中でカルボン酸類を原料として、水素化によりアルデヒド類および/またはアルコール類を製造する方法である。以下、本発明のアルデヒド類および/またはアルコール類の製造方法を、単に本発明の製造方法と称する場合がある。本発明の製造方法では、アルデヒド類のみを製造してもよく、アルコール類のみを製造してもよく、アルデヒド類とともにアルコール類を製造してもよい。特に、本発明の製造方法では、少なくともアルデヒド類を製造することが好ましい。また、本発明の製造方法では、水素化は、水素(H2)ガスを用いることが好ましい。
図1に示す例では、水素ガスは水素設備Pからライン1により供給され、コンプレッサーI−1で加圧され、バッファータンクJ−1を経て、ライン2の循環ガスと合流して、ライン3により蒸発器A(カルボン酸類蒸発器)に仕込まれる。蒸発器Aには、カルボン酸類タンクK−1からポンプN−1を用いてライン4よりカルボン酸類が供給され、気化したカルボン酸類が水素ガスと共に熱交換器(加熱器)L−1、L−2で加熱され、ライン5より本発明の触媒を充填した反応器Bに仕込まれる。蒸発器Aには循環ポンプN−2が備えられている。反応器Bでカルボン酸類は水素化され、主生成物のアルデヒド類やアルコール類のほか、非凝縮性のメタン、エタン、エチレン、二酸化炭素、凝縮性のアセトン等のケトン類、水などが生成する。また、他にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2以上の炭化水素が生成する。
また、酢酸プロピル(沸点102℃)、酢酸イソブチル(沸点117℃)、酢酸sec-ブチル(沸点112℃)、プロピオン酸イソプロピル(沸点110℃)、酪酸メチル(沸点102℃)、イソ酪酸エチル(沸点110℃)など、常圧における沸点が100℃から118℃のエステルは、水との共沸混合物の水の比率が高く、かつ、酢酸より沸点が低いため、カルボン酸類と水の分離をより容易にする。また、これらのエステルは、エタノールとも共沸しないか、または、エタノールとの共沸混合物のエタノールの比率が低く、共沸溶剤の分離・回収が比較的容易である。したがって、常圧における沸点が100℃から118℃のエステルも共沸溶剤として好ましい。
硝酸鉄(III)九水和物(和光純薬工業(株)製)14.9mmolを15分間磨砕した後に600℃で6時間焼成して酸化物を得た。この酸化物を打錠して固めた後に破砕し、7−10メッシュで分級して触媒(A)を得た。
上記で得た触媒(A)1.0gを0.276mol/Lの燐酸水溶液1.85mLに加えて懸濁させ、110℃で24時間乾燥、400℃で2時間焼成して酸化物を得た。この酸化物を打錠して固めた後に破砕し、7−10メッシュで分級して触媒(B)を得た。
この触媒(B)は、燐酸由来のリン化合物を5.0重量部含んでいた。
上記で得た触媒(A)1.0gを0.0118mol/Lの塩化パラジウム水溶液3.98mLに加えて懸濁させ、110℃で24時間乾燥、400℃で2時間焼成して酸化物を得た。この酸化物を打錠して固めた後に破砕し、7−10メッシュで分級して触媒(C)を得た。
この触媒(C)は、パラジウムを0.5重量部含んでいた。
触媒(A)の代わりに触媒(B)1.0gを用いたこと以外は比較例2と同様にして触媒(D)を得た。
この触媒(D)は、パラジウムを0.5重量部、燐酸由来のリン化合物を5.0重量部含んでいた。
燐酸水溶液の量を0.037mLとしたこと以外は実施例1と同様にして触媒(E)を得た。
この触媒(E)は、燐酸由来のリン化合物を0.1重量部含んでいた。
燐酸水溶液の量を0.185mLとしたこと以外は実施例1と同様にして触媒(F)を得た。
この触媒(F)は、燐酸由来のリン化合物を0.5重量部含んでいた。
燐酸水溶液の量を0.37mLとしたこと以外は実施例1と同様にして触媒(G)を得た。
この触媒(G)は、燐酸由来のリン化合物を1.0重量部含んでいた。
燐酸水溶液の量を0.92mLとしたこと以外は実施例1と同様にして触媒(H)を得た。
この触媒(H)は、燐酸由来のリン化合物を2.5重量部含んでいた。
燐酸水溶液の量を3.70mLとしたこと以外は実施例1と同様にして触媒(I)を得た。
この触媒(I)は、燐酸由来のリン化合物を10.0重量部含んでいた。
燐酸水溶液の量を7.40mLとしたこと以外は実施例1と同様にして触媒(J)を得た。
この触媒(J)は、燐酸(H3PO4)を20.0重量部含んでいた。
燐酸水溶液の代わりに0.276mol/Lの燐酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)水溶液1.85mLとしたこと以外は実施例1と同様にして触媒(K)を得た。
この触媒(K)は、燐酸二水素アンモニウム由来のリン化合物を5.0重量部含んでいた。
燐酸水溶液の代わりに0.276mol/Lの燐酸水素アンモニウムナトリウム(NaNH4HPO4)水溶液1.85mLとしたこと以外は実施例1と同様にして触媒(L)を得た。
この触媒(L)は、燐酸水素アンモニウムナトリウム由来のリン化合物を5.0重量部含んでいた。
上記で得た触媒(A)〜(L)について、下記の触媒の反応性評価を行った。触媒50.0mgを固定床式気相連続流通反応装置(反応器)に接続した12mmφのSUS製反応管に充填し、10mL/minの水素ガス流通下で電気炉により触媒層温度が400℃になるように12時間加熱して前処理を行った。
上記の前処理を行った後、1.7vol.%の酢酸と10mL/minの水素ガスとを反応器に流通させて反応させた。反応器出口ガスはクーラーにて冷却して気液分離し、凝縮液を捕集した。凝縮しないガス中のアセトアルデヒド等の低沸点成分は300ccの水中にバブリングすることで捕集し、さらに捕集されないガス成分は気体状態で捕集した。反応中は、触媒層温度が350℃、反応圧力が0.4MPaになるように電気炉、背圧弁を調整した。反応開始から定期的に10、40、70、100、130、160、190および220分経過後において、凝縮液、ガスを捕集し、定量および組成分析を行った。定量および組成分析は、ガスクロマトグラフとカールフィッシャー水分計を使用した。そのうちの比較例1(触媒(A))の評価結果を表1、実施例1(触媒(B))の評価結果を表2、比較例2(触媒(C))の評価結果を表3、実施例2(触媒(D))の評価結果を表4に示す。なお、表1〜4における−は、その化合物が観測されなかったことを示している。
B 反応器
C 吸収塔
D 放散塔
I−1〜I−2 コンプレッサー
J−1〜J−3 バッファータンク
K−1 カルボン酸類タンク
K−2 反応液タンク
L−1〜L−2 加熱器
M−1〜M−4 冷却器(クーラー)
N−1〜N−3 ポンプ(送液ポンプ)
P 水素設備(水素ボンベ)
Q−1〜Q−2 ベント
1〜15 ライン
Claims (8)
- カルボン酸類を原料として、水素化によりアルデヒド類および/又はアルコール類を製造するための触媒であって、燐酸又は燐酸塩由来のリン化合物、および酸化鉄を含む触媒。
- 更にパラジウム含む請求項1に記載の触媒。
- 酸化鉄(Fe2O3換算)100重量部に対して、燐酸又は燐酸塩由来のリン化合物(H3PO4換算)を0.05〜20重量部含む請求項1又は2に記載の触媒。
- 酸化鉄(Fe2O3換算)100重量部に対して、燐酸又は燐酸塩由来のリン化合物(H3PO4換算)を0.05〜20重量部、パラジウム(Pd換算)を0.1〜50重量部含む請求項2に記載の触媒。
- ペレット形状である請求項1〜4の何れか1項に記載の触媒。
- 燐酸又は燐酸塩、および鉄成分を含む触媒成分の分散液又は溶液を、乾固後に焼成した請求項1〜5の何れか1項に記載の触媒。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載の触媒の存在下、気相中でカルボン酸類を原料として、水素化によりアルデヒド類および/またはアルコール類を製造する、アルデヒド類および/またはアルコール類の製造方法。
- 前記カルボン酸類が酢酸であり、前記アルデヒド類がアセトアルデヒドであり、アルコール類がエタノールである請求項7に記載のアルデヒド類および/またはアルコールの製造方法。
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