JP2019107017A - フエントキシンiv変異体及びその使用方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2013年3月14日出願の米国特許仮出願第61/781,276号、及び2012年9月18日出願の米国特許仮出願第61/702,538号に基づく利益を主張する2013年3月15日出願の米国特許出願第13/833,555号、及び2012年5月18日出願の米国特許仮出願第61/648,871号に基づく利益を主張するものであり、これらの出願の全容を本出願に参照によって援用するものである。
本発明は、フエントキシンIV変異体、フエントキシンIV変異体をコードするポリヌクレオチド、上記を生成及び使用する方法、並びにNav1.7のペプチド阻害剤により疼痛を緩和する方法に関する。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21X22X23X24CKX25X26IX27X28(配列番号265)を有する単離されたフエントキシンIV変異体であって、配列中、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、及びX26は任意のアミノ酸であり、X27及びX28は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7(配列番号263)に対するIC50値が約300×10-9M以下である、単離されたフエントキシンIV変異体である。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21X22X23X24CKX25X26IX27X28(配列番号265)を有する単離されたフエントキシンIV変異体であって、配列中、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、及びX26は、任意のアミノ酸であり、X27及びX28は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体がNav1.7を選択的に阻害する、単離されたフエントキシンIV変異体である。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21TX22WCKYX23X24X25X26(配列番号276)を有する単離されたフエントキシンIV変異体であって、配列中、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23及びX24は任意のアミノ酸であり、X25及びX26は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7(配列番号263)に対するIC50値が約300×10-9M以下である、フエントキシンIV変異体である。
本明細書で使用するところの「μコノトキシンKIIIA」又は「コノトキシンKIIIA」なる用語は、Zhang et al.,J Biol Chem 282(42):30699〜706,2007に述べられる配列CCNCSSKWCRDHSRCC−NH2(配列番号357)を有する、キノシタイモ(コナス・キノシタイ)(Conus kinoshitai)毒素を指す。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21X22X23X24CKX25X26IX27X28(配列番号265)を有する単離されたフエントキシンIV変異体であって、配列中、
a)X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、及びX26は、任意のアミノ酸であり、
b)X27及びX28は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして
c)前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7(配列番号263)に対するIC50値が約300×10-9M以下である、単離されたフエントキシンIV変異体である。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21X22X23X24CKX25X26IX27X28(配列番号265)を有し、配列中、
a)X4が、Y、V又はIであり、
b)X8が、P又はVであり、
c)X11が、D、P又はWであり、
d)X19が、S又はIであり、
e)X21が、Y、W、A、H又はKであり、
f)X22が、T又はVであり、
g)X24が、W又はKであり、
h)X25が、W、T、I又はYであり、
i)X1、X2、X3、X5、X6、X7、X9、X10、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X20、X23及びX26が任意のアミノ酸であり、
j)X27及びX28が任意のアミノ酸であるか、又は欠失しており、そして
k)前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7(配列番号263)に対するIC50値は約300×10-9M以下である。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21X22X23X24CKX25X26IX27X28(配列番号265)を有し、配列中、
a)X1が、K、R、H、D、Y、F、N、Q、S、T、G、L、I、P又はEであり、
b)X2が、R、F、W、N、S又はLであり、
c)X3が、R、H、D、Y、N、Q、L、I、P又はEであり、
d)X4が、Y、V又はIであり、
e)X5が、R、W、Q、S又はKであり、
f)X6が、R、E、Y、F、V又はAであり、
g)X7が、K、R、E、Y、F、S、V又はNであり、
h)X8が、P又はVであり、
i)X9が、R、F、Q、V又はSであり、
j)X10が、H、D、Y、W、Q、S、T、G、A、V、L、I、P又はNであり、
k)X11が、D、P又はWであり、
l)X12が、K、R、D、E、Y、W、N、T、A、L又はQであり、
m)X13が、R、Y、Q、S、T、G、L、I、P又はKであり、
n)X14が、K、R、Y、F、N、Q、G、A、V、L、I、P又はSであり、
o)X15が、R、H、D、Y、W、N、Q、T、V、I、P又はSであり、
p)X16が、R、H、D、F、W、N、Q、S、T、G、A、L又はKであり、
q)X17が、K、R、Y、F、W、P又はLであり、
r)X18が、K、R、T、A、L又はVであり、
s)X19が、S又はIであり、
t)X20が、K、W、G、A、I、D又はRであり、
u)X21が、Y、W、A又はKであり、
v)X22が、T又はVであり、
w)X23が、K、H、W、N、G、A、L又はRであり、
x)X24が、W又はKであり、
y)X25が、W、T、I又はYであり、
z)X26が、K、R、Y、F、S、T、G、A、V、L、I又はQであり、
aa)X27が、K、R、H、F、W、V、L、I、Gであるか又は欠失しており、
bb)X28が、R、H、Y、F、W、N、G、V、P、Kであるか又は欠失しており、そして、
前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7(配列番号263)に対するIC50値が約300×10-9M以下である。
50値でNav1.7を阻害することができる。この範囲のIC50値を示す例示の変異体は、図4に示される配列番号3〜322のポリペプチドである。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21X22X23X24CKX25X26IX27X28(配列番号265)を有する単離されたフエントキシンIV変異体であって、配列中、
a)X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、及びX26は、任意のアミノ酸であり、
b)X27及びX28は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして、
c)前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体はNav1.7を選択的に阻害する。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21TX22WCKYX23X24X25X26(配列番号276)を有する単離されたフエントキシンIV変異体であって、配列中、
X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23及びX24は任意のアミノ酸であり、
X25及びX26は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして
前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7(配列番号263)に対するIC50値が約300×10-9M以下である。
配列番号276において、
X4が、Y、V又はIであり、
X8が、P又はVであり、
X11が、D、P又はWであり、
X19が、S又はIであり、
X21が、Y、W、A、H又はKであり、
X24が、Iである。
配列番号276のフエントキシンIV変異体は、以下の置換を更に有しうる。すなわち:
X1が、K、R、H、D、Y、F、N、Q、S、T、G、L、I、P又はEであり、
X2が、R、F、W、N、S又はLであり、
X3が、R、H、D、Y、N、Q、L、I、P又はEであり、
X5が、R、W、Q、S又はKであり、
X6が、R、E、Y、F、V又はAであり、
X7が、K、R、E、Y、F、S、V又はNであり、
X9が、R、F、Q、V又はSであり、
X10が、H、D、Y、W、Q、S、T、G、A、V、L、I、P又はNであり、
X12が、K、R、D、E、Y、W、N、T、A、L又はQであり、
X13が、R、Y、Q、S、T、G、L、I、P又はKであり、
X14が、K、R、Y、F、N、Q、G、A、V、L、I、P又はSであり、
X15が、R、H、D、Y、W、N、Q、T、V、I、P又はSであり、
X16が、R、H、D、F、W、N、Q、S、T、G、A、L又はKであり、
X17が、K、R、Y、F、W、P又はLであり、
X18が、K、R、T、A、L又はVであり、
X20が、K、W、G、A、I、D又はRであり、
X22が、K、H、W、N、G、A、L又はRであり、
X23が、K、R、Y、F、S、T、G、A、V、L、I又はQであり、
X25が、K、R、H、F、W、V、L、I、Gであるか又は欠失しており、そして、
X26が、R、H、Y、F、W、N、G、V、P、Kであるか又は欠失している。
本発明のフエントキシンIV変異体は、疼痛又は感覚ニューロン若しくは交感神経ニューロン機能不全の他の疾患の症状を治療、軽減又は緩和することが望ましいあらゆる治療において使用することができる。
本明細書のフエントキシンIV変異体又はNav1.7の他のペプチド阻害剤は、薬学的に許容される溶媒又は担体中で製剤化することができる。適当な溶媒又は担体は、場合により、非経口投与用の組成物において一般的な他の物質を補った注射用蒸留水、生理食塩水又は人工脳脊髄液であってよい。中性緩衝生理食塩水、又は血清アルブミンと混合された生理食塩水は更なる代表的な溶媒である。これらの溶液は無菌であり、粒子状物質を通常含まず、従来の周知の滅菌法(例えば濾過)によって滅菌することができる。組成物は、pH調整及び緩衝剤、安定剤、増粘剤、潤滑剤、及び着色剤などの生理学的条件に近づけるために必要とされる薬学的に許容される添加剤を含有することができる。適当な溶媒及びそれらの配合及びパッケージングについては、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(21st ed.,Troy,D.ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,MD(2005)Chapters 40 and 41)に述べられている。
フエントキシンIVの設計及び生成
チャイニーズバードスパイダー(オルニソクトヌス・フエナ)(Ornithoctonus huwena)の毒に由来する野生型フエントキシンIV(ECLEIFKACNPSNDQCCKSSKLVCSRKTRWCKYQI:配列番号1)内のすべての非システイン残基にAla、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、及びTyrを置換した一位置アミノ酸スキャニングライブラリーを生成した。フエントキシンIV変異体を、以下のN末端からC末端までのフォーマットで、HRV3Cプロテアーゼ切断性ヒト血清アルブミン(HSA)融合タンパク質としてコードした。すなわち、His6−HSA−(GGGGS)4−HRV3C切断部位−フエントキシンIV変異体。すべての変異体ペプチドは、HSAからの切断後、切断部位からの残りのN末端GP、及び内因性のアミド化認識配列であるC末端GKを有していた。一位置変異体を、ベラトリジン誘導膜電位を阻害する各変異体の能力を測定する蛍光スクリーニングアッセイで試験し、Qpatchによる電気生理学手法でヒット化合物を確認した。組み換えにより発現させたフエントキシンIV変異体のC末端GK残基も置換した。
設計したフエントキシンIV変異体ポリペプチドをコードしたcDNAを、米国特許第6,521,427号に述べられる遺伝子アセンブリ技術を使用して生成した。簡単に述べると、設計したペプチド変異体を、ヒト高頻度コドンを用いてDNA配列に逆翻訳した。各変異体遺伝子のDNA配列を、DNAクローニング部位を含むベクターDNAと共に、一部が縮重コドンを含む複数のオリゴヌクレオチドとして合成し、これらを完全長のDNAフラグメントに組み立てた。組み立てられたDNAフラグメントをPCRにより増幅した後、PCR産物をプールとしてクローニングした。プールしたPCR産物を適当な制限酵素で消化し、それぞれの毒素変異体遺伝子がベクターに含まれるシグナルペプチド及び融合パートナーと融合するようにして、設計した発現ベクターにクローニングした。標準的な分子生物学の手法を用いて、それぞれの設計した変異体について陽性クローンを特定した。これらの陽性クローンからのプラスミドを精製し、それぞれのフエントキシンIV変異体を発現させる前に配列を確認した。
293 Freestyle(商標)培地(インビトロジェン社(Invitrogen))中で維持したHEK293F細胞に、フエントキシンIV変異体をコードしたプラスミドを、標準的なプロトコールにしたがってFreestyle(商標)トランスフェクション試薬を使用して一過的にトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞を、37℃及び8% CO2に設定した加湿したインキュベーター内に125RPMで振盪しながら4日間置いた5,000Gで10分間遠心することにより細胞から上清を分離し、0.2μmフィルターで濾過し、Amicon超遠心分離機10K(カタログ番号UFC901096)を使用して3,750Gで約10分遠心して10倍及び50倍に濃縮した。
分泌されたフエントキシンIV変異体タンパク質を1mlのHisTrapHPカラム(ジー・イー・ヘルスケア社(GE Healthcare))を使用してIMACにより精製した。このクロマトグラフィー法は、AKTA Xpressを使用して行い、イミダゾールの段階的勾配を利用してタンパク質を溶出した。ピーク画分をプールし、HRV3Cプロテアーゼ(EMD社、カタログ番号71493、1単位/100μgタンパク質)により一晩消化した。切断されたペプチドを、C18(2)カラム(フェノメネクス社(Phenomenex)、カタログ番号00G−4252−N0)を使用してRP−HPLCにより精製した。このクロマトグラフィー法は、DionexHPLCシステムで行い、結合したペプチドをアセトニトリルの直線勾配を利用して溶出した。ピーク画分を回収し、プールして凍結乾燥した。
膜脱分極アッセイ
Nav1.7のアゴニストであるベラトリジン(3−ベラトイルベラセビン;バイオモル社(Biomol)、カタログ番号NA125)により誘導される膜脱分極を阻害する作製されたフエントキシンIV変異体の能力を、FLIPR(登録商標)Tetra上で、DISBAC2(3)(インビトロジェン社(Invitrogen)、K1018)を電子受容体として、PTS18(三ナトリウム8−オクタデシルオキシピレン−1,3,6−トリスルホネート)(シグマ社(Sigma))を供与体として使用し、供与体を390〜420nmで励起し、515〜575nmでFRETを測定することにより、FRETアッセイ(蛍光共鳴エネルギー移動)を用いて測定した。
ネガティブコントロール(アゴニストであるベラトリジン単独に対する反応)及びポジティブコントロール(10μMのテトラカインの存在下でのベラトリジンに対する反応)にシグナルを標準化することにより、各ウェルの蛍光カウントを阻害率(%)に変換した。
ヒトNav1.7を安定的に発現しているHEK293細胞を、10%ウシ胎児血清、400μg/mLジェネティシン、及び100μMのNEAA(試薬はすべてインビトロジェン社(Invitrogen)より入手)を補ったDMEM/F−12培地(1:1)中で培養した。細胞は37℃で5% CO2内に維持し、約70〜90%コンフルエンスに達した時点でアッセイを行った。QPatch(ソフィオン社(Sophion))で試験するのに先立って、細胞を最初に0.05%トリプシン(37℃で5分間)を使用して解離させ、CHO−S−SFM培地(ライフ・テクノロジーズ社(Life Technologies))に再懸濁し、穏やかに粉砕して細胞塊をバラバラにした。細胞密度を同じ培地により1〜2×106/mlに調整し、細胞をQPatch HTの細胞「ホテル」に移し、数時間にわたって実験に使用した。
1置換変異体及びFLIPR(登録商標)Tetraによる脱分極アッセイを用いて得られたNav1.7に対する各変異体のIC50値のライブラリーマトリックスを図1に示す。1置換変異体及びFLIPR(登録商標)Tetraによる脱分極アッセイを用いて得られたNav1.2に対する各変異体のIC50値のライブラリーマトリックスを図2に示す。一置換変異体のNav1.7について得られたIC50に対するNav1.2について得られたIC50の比として測定される選択性を、図3に示す。図4及び5は、Nav1.7(図4)又は選択性(図5)に対する有効性により評価した変異体の配列を示す。
方法
この実験では、体重が300gよりも大きい雄性Sprague−Dawley(CD)系ラット(チャールズ・リバー社(Charles River)、サンディエゴ)を使用した。実験に使用されていない動物を、試験日に先立って2日間訓練した(反応のばらつきを小さくするため)。訓練は、各動物に対して実際の試験を、各ラットにつき約1時間の長さにわたって複数回行うことにより行った。最初に、常に足の同じ部位を試験することができるように、マジックペンで、動物の左足の背面の中心の爪先にすぐ隣接する位置にマークを付けた。次いでラットを後足が覆われないように緩くタオルで包み、左後足を、最大閾値を500gに設定したランダール・セリット装置(Ugo−Basileランダール・セリット装置、無痛覚計)内に、マジックペンのマークが、足と接触する試験装置のコーンの先端の真下となるようにして置き、動物が反応するまで、フットコントロールによる電子的傾斜によって一定速度で圧力を増大させた。訓練用の「反応」は、試験日と同じ基準にしたがい、以下の内のいずれか1つからなるものとした。すなわち、1)装置から後足を引き抜く、2)明らかに足を引き抜こうとする、又は3)鳴き声をあげる。ラットは、100g又はそれ以上の閾値に対して反応するまで連続して3回まで試験した。訓練の時間/日にわたり、各ラットについて、1〜3回の連続した試験を、5〜20分間隔で行った。
アミド化フエントキシンIV(ペプタイズ・インターナショナル社(Peptides International)、ケンタッキー州ルイヴィル)を、凍結乾燥された形で入手し、HEPES緩衝生理食塩水で戻し、アリコートに等分してー20℃で凍結した。左後足背面に投与する直前にアリコートを解凍し、HEPES緩衝生理食塩水を希釈剤として使用して適当な濃度にまで希釈した。取り扱い及び足への注射に関連したストレス自体によって、足への圧力の閾値が高くなることから(ストレス誘発鎮痛作用)、ラットは注射を行うためにイソフランで軽く麻酔した(5%で誘導、2〜3%で維持)。動物の足の背面に、針の先端が足の背面中心の、爪先に隣接する位置でマジックペンのマークの真下となるように、中心線の左側にくるぶしに向かって針を挿入して、皮下注射を行った(100μLのペプチド溶液又は溶媒)。
グラム(g)の閾値を記録し、Prism 5.01(グラフパッド・ソフトウェア社(Graphpad Software Inc.)、カリフォルニア州ラホーヤ)に入力してグラフ化し、曲線下面積(AUC)値及び統計分析を生成した。時間に対するグラム(g)値を比較するため、2元配置分散分析(ANOVA)をp<0.05の有意水準で用いた。平均のAUC値を生成するため、ペプチド群の各ラットのAUCを個々に得て、溶媒群の平均のAUCをそこから引いた。各ペプチド処理動物の、溶媒値を減じたAUCを平均化し、それぞれp<0.05の有意水準で行ったスチューデントT検定又は1元配置分散分析(ANOVA)のいずれかにより比較した。
足の背面に局所投与したフエントキシンIVは、ランダール・セリット試験における足の圧力閾値を容量依存的に増大させた。3及び30nmolのフエントキシンIVは、溶媒処理群の動物で認められた閾値よりも有意に閾値を増大させたが、0.3nmolでは有意な増大は認められなかった(図7)。AUCは、3つのペプチド処理群すべての間で有意に異なった(各動物のAUCから平均の溶媒AUCを減じた)(図8)。フエントキシンIVの各用量の投与後に幾らかの局所的浮腫が更に認められた。溶媒を注射したラットでは同様の浮腫は認められなかった。
NMRによる構造決定
すべてのNMR実験は、Bruker Avance 600、700、又は950MHz分光計を使用して行った。ペプチドを、10% D2Oを含む水性緩衝液に溶解した。緩衝液は、20mMリン酸塩、0.1mMのdEDTA、及び0.002% NaN3を用いてpHを6.7に維持した。特に断らない限り、スペクトルはすべて298Kで得た。個々の残基のスピン系は、TOCSY(Bax and Davis,Mag.Reson.1985,65,355〜360)を用い、スピンロック(MLEV)を混合時間75msで用いて割り当てた。混合時間150msで得られたNOESY(Jeener et al.,J.Chem.Phys.1979,71,4546〜4553;Kumar et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.1980,95,1〜6)実験より、連続的な残基の割り当てを行った。更に、15N−HSQC(Bodenhausen et al.,Chem.Phys.Lett.1980,69,185〜189)実験により割り当てを促し、システイン酸化状態を通常の方法(Cavanagh et al.,Protein NMR Spectroscopy:Principles and Practice 1995 Academic Press)を用いて13C−HSQCスペクトルにより調べた。シフトしたサインベル2乗重み付け及びゼロフィリングを適用した後、データ処理においてNMRPipe(Delaglio et al.,J.Biomol.NMR 6,277〜293,1995)を用いてフーリエ変換を行った。
天然HwTx−IVのNMR構造(Protein Data Bank http://_www_rcsb_org/pdb/home/home_do;pdb 1MB6からの構造)を、分子動力学シミュレーションを使用してHwTxーIVの安定性の特性評価を行うための開始点として用いた。天然のHwTx−IVのシミュレーション以外に、3つのジスルフィド結合のそれぞれの重要度を識別し、1個のアラニンの点突然変異によるペプチドの安定性の変化を測定するため、シミュレーションを行った。3つのジスルフィド結合の重要度を特性評価するため、C2〜C17、C9〜C24、C16〜C31、C2〜C17/C9〜C24、C2〜C17/C16〜C31、C9〜C24/C16〜C31及びC2〜C17/C9〜C24/C16〜C31のシステインを個々のシステイン残基に変換し、別々の分子動力学シミュレーション(全部で7つのシミュレーション)を行った。1個のアラニンの点突然変異の影響を調べるため、インシリコで分子動力学アラニンスキャン(すべての非システイン位置の)を行った(全部で28のシミュレーション)。
Nav1.7のドメイン2(DII)のセグメントS1〜S4の相同性モデルを、Discovery Studio 3.1(アクセルリス社(Accelrys))のModellerコンポーネントを使用し、NavAb構造(アルコバクター・ブツレリ(Arcobacter
butzleri)由来の電位依存性Na(+)チャネル;構造は、Protein Data
Bank http://_www_rcsb_org/pdb/home/home_do;pdb 3RVYにある。)をテンプレートとして構築した。次いでこのモデルを、更にリファインして静止状態のNav1.7の構造を生成した。S4をマニュアルで静止状態のコンフィギュレーションに動かし、S1−S2及びS3−S4ループを再形成して、モデル全体のエネルギーを最小化した。天然のHwTx−IVを、Nav1.7に対するHwTx−IV阻害のアラニンスキャンの結果、及びHwTx−IVの結合を生じる、文献に開示されるNav1.7突然変異(Xiao et al.,J Biol Chem.286:27301〜10,2011.Epub 2011 Jun 9.)に基づき、マニュアルでNav1.7相同性モデルにドッキングさせた。
分子動力学シミュレーション
毒素の構造的変化のみに基づく活性(F6A、P11A、D14A、L22A、S25A、W30A、K32A、Y33A)又はチャネル選択性(K18A、R26A及びK27A)の顕著な喪失につながるHwTx−IV突然変異の活性の変化の分子的機序の理解を助けるため、一連の分子動力学シミュレーションを行った。上記で生成したHwTx−IVのNMR構造(pdbコード1MB6)を、異なるアラニン突然変異ペプチドを構築するためのテンプレートとして用い、それぞれの毒素変異体に50nsの分子動力学シミュレーションを行った。
HwTx−IVの構造的特徴の更なる知見を得るため、また、分子動力学シミュレーションの主な予測の一部を直接テストするため、本発明者らは、組み換えWT(野生型)HwTx−IVのNMR構造を決定し、これをW30A及びK32Aの構造と比較した。
QPatch及び結合アッセイで測定された活性の完全な喪失にも関わらず(分子動力学シミュレーションとは概ね一致したが)、W30A及びK32Aは、WT組み換えフエントキシンIVと同様の全体的構造を示した。陽子間NOESY及び主鎖化学シフト値は、W30A、K32A、及び野生型ペプチドは、極めてよく似た折り畳み及び構造を有しているものの、ねじれたβシートの溶媒接触面の近くに局所的な差異が認められた。これらの差異には、K32A及び野生型ペプチドのW30の半径5オングストローム内に強い環電流異方性が認められることが含まれる。F6及びT28に最も大きく影響するこうした異方性は、βターンのコンフォメーション/動力学及び側鎖の向きに影響しうる近接した空間相互作用があることを示している。解構造は、側鎖のジオメトリーに基づく別の局所的な差異として、K32のプロトン化されたアミンと、W30A及び野生型ペプチドに利用可能なY33の電子との間の潜在的なカチオン−π相互作用を示唆している。これらの局所的な差異に関与する5つの残基F6、T28、W30、K32、Y33の側鎖は、すべて互いに近接して位置しており、上記の分子内相互作用につながると同時に、Nav1.7と分子間相互作用するための潜在的な「ファーマコフォア」を形成する。
HwTx−IVとNav1.7チャネルとの間で生じる特異的相互作用を調べるため、Nav1.7ドメインII(DII)の電圧センサードメイン(VSD;セグメントS1〜S4)の相同性モデルを、NavABをテンプレートとして構築した。取得可能なSARデータ及び文献に開示されるチャネル突然変異のデータ(Xiao et al.,Biol Chem.286:27301〜10,2011.Epub 2011 Jun 9.)を用いて、このモデルを更にリファインすることにより、HwTx−IVペプチドをマニュアルでドッキングさせるための静止状態の構造を生成した。
更なるフエントキシンIV変異体の設計及び生成
得られたフエントキシンIV変異体NV1G387(E1N、R26K、Q34S、G36I;NV1D2168、配列番号92)及びNV1G327(E1N、E4R、Y33W、Q34S;NV1D2163、配列番号3)に基づいて2つのグラフティングライブラリーを生成した。
GPNCLEIFKACNPSNDQCCKSSFLVCSKKTRWCKYSIIK(配列番号277)
(E1N,R26K,Q34S,G36IをK21Fでグラフトした)
GPNCLEIFKACNPSNDQCCKSNKLVCSKKTRWCKYSIIK(配列番号278)
(E1N,R26K,Q34S,G36IをS20Nでグラフトした)
GPNCLRIFKACNPSNDQCCKSSKLVCSDKTRWCKWSIGK(配列番号279)
(E1N,E4R,Y33W,Q34SをR26Dでグラフトした)
GPNCLRIFKACNPSNDQCCKSSKLVCSRHTRWCKWSIGK(配列番号280)
(E1N,E4R,Y33W,Q34SをK27Hでグラフトした)
3種類のNav1.7遮断ペプチドの鎮痛作用を急性侵害受容性疼痛のラット及びマウスモデルで評価した。評価したペプチドは、フエントキシンIV(HwTx−IV)(Peng et al.,J Biol Chem 277:47564〜71,2002)、プロトキシンII(Middleton et al.,Biochemistry 41:14734〜47,2002)及びコノトキシンKIIIA(Zhang et al.,J Biol Chem.2007 282(42):30699〜706)である。HwTx−IV及びKIIIAは複数の電位依存性ナトリウムチャネルのアイソフォームを遮断し、全身投与した場合に重い副作用を誘発することが予想されることからこれらのペプチドは局所投与した。これら3種類のペプチドのNav1.7遮断の強さの順序は、ProTX−II>HwTX−IV>KIIIAである。
Ugo−Basileランダール・セリット装置(無痛覚計)を、最大閾値を500gに設定して使用した。
動物試験開始時点において体重240〜295g(平均/標準誤差:280.2±3.3)の雄性Sprague−Dawley(CD)系ラット。
接触性アロディニア試験
特別に作製した金網の観察ケージを通して、後足の足底に対してフィラメントがわずかに曲がるだけの充分な力で垂直に加えて5〜7秒間保持した8段階の刺激(フォンフライ(von Frey)式フィラメント:0.4、0.6、1.0、2.0、4.0、6.0、8.0、及び15.0g;ストールティング社(Stoelting)、イリノイ州ウッドデール)から罹患した肢を引っ込めた閾値の中央値を測定することによって機械的(接触性)アロペディアを評価した。刺激の間又は刺激の除去の直後に足が引っ込められた場合を陽性反応とした。50%足引っ込め閾値(PWT)を、刺激強度を連続的に増大及び減少させ、(Chaplan et al.,1994)に述べられるディクソンアップダウン法(Dixon,1980)を適合した方法を用いて引っ込め値のデータを分析することによって求めた。ラットは、試験に先立って10分間、金網に慣らした。完全フロイントアジュバント(CFA)の注射の前及び注射後の異なる数日に触覚閾値を評価した。
CFA投与の前後に熱足刺激装置(Hargreave装置、カリフォルニア州立大学サンディエゴ校麻酔科、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用して放射熱に対する足閾値反応を評価した。ナイーブなラットを使用し、足を引っ込めるまでのラットの反応が約8〜12秒の潜時の範囲(平均約10秒)となるように放射熱の利得及び強度を設定した。カットオフ値は、装置により20秒に設定した。各時点で、同じ足について3つの別々の測定値を、各動物で約5分間隔で得て、互いに平均化した。
完全フロイントアジュバント(CFA;シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)、ミズーリ州セントルイス)のエマルションを、CFAと0.9%生理食塩水が1:1の比となるように調製した。動物をイソフルランで麻酔し(導入5%、維持2〜5%)、100μLのエマルションを左後足に皮下注射した。CFA注射後12日目に、同側の足に、100μLのHEPES緩衝生理食塩水に加えた30nmolプロトキシンII(ペプタイズ・インターナショナル社(Peptides International)、ケンタッキー州ルイヴィル)又は溶媒(100μLのHEPES緩衝生理食塩水)のいずれかを注射した。
接触性アロディニアの閾値(図17A)及び熱性アロディニアの潜時(図17B)は、50%足底内CFAによりラットに誘発させた単関節炎の動物モデルでは有意に低下した。足底内投与したプロトキシンIIでは、注射後30及び60分後に、溶媒注射動物と比較して触覚閾値が有意に増加した。
動物.試験開始時点において体重24〜31g(平均/標準誤差:27.5±0.3)の雄性C57/bl6マウスを使用した。
接触性アロディニア試験
特別に作製した金網の観察ケージを通して、後足の足底中心に対してフィラメントがわずかに曲がるだけの充分な力で垂直に加えて約3秒間保持した7段階の刺激(フォンフライ(von Frey)式フィラメント:0.07、0.16、0.4、0.6、1.0、2.0及び4.0g;ストールティング社(Stoelting)、イリノイ州ウッドデール)から、罹患した足を引っ込めた閾値の中央値を測定することによって機械的(接触性)アロペディアを評価した。刺激の間又は刺激の除去の直後に足が引っ込められた場合を陽性反応とした。50%足引っ込め閾値(PWT)を、刺激強度を連続的に増大及び減少させ、(Chaplan et al.,1994)に述べられるディクソンアップダウン法(Dixon,1980)を適合した方法を用いて引っ込め値のデータを分析することによって求めた。マウスは、試験に先立って1日につき約1時間、2日間にわたり、更に、各試験日には試験に先立って30分間、金網の試験条件に慣らした。完全フロイントアジュバント(CFA)の注射の前及び注射後の異なる数日に触覚閾値を評価した。
50%完全フロイントアジュバント(CFA;シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)、ミズーリ州セントルイス)に対して、CFAと0.9%生理食塩水が1:1の比となるようにエマルションを調製した(溶媒処理群には0.9%生理食塩水のみを投与した)。100% CFAについては動物が販売業者から届いた時点で希釈しないCFAを注射し、コントロール動物には0.9%生理食塩水を注射した。動物をイソフルランで麻酔し(導入5%、維持2〜5%)、50μLハミルトン注射器及び25ゲージの針を使用して20μLを左後足に皮下注射した。
実験はすべて、処理に対して盲検で行った。CFA注射後3日目に、ガバペンチン(150mg/kg,n=6)又は溶媒(滅菌水;n=6)のいずれかを、このモデルにおいて周知の抗アロディニア作用を有するポジティブコントロールとして経口投与(4mL/kg)し、触覚閾値の変化について評価した。6日間のウォッシュアウト期間の後(CFA後9日目)、同じ動物を、3nmolプロトキシンII(ペプタイズ・インターナショナル社(Peptides International)、ケンタッキー州ルイヴィル)又は溶媒(HEPES緩衝生理食塩水)を左のCFA処理した足の足底内に投与して試験した。
データは、平均±標準誤差として表した。グラム(g)閾値(触覚)及び熱による足引っ込めまでの潜時を紙に記録し、Prism 5.01(グラフパッド・ソフトウェア社(Graphpad Software Inc.)、カリフォルニア州ラホーヤ)に入力してグラフ化し、統計分析を行った。時間に対する閾値を比較するため、2元配置分散分析(ANOVA)及びボンフェローニポストホック(Bonferroni post hoc)検定をp6/mlに調整し、細胞をQPatchHTの細胞「ホテル」に移し、数時間にわたって実験に使用した。
KCl、1mM MgCl2、2mM CaCl2、5mMグルコース、及び10mM HEPES(pH=7.4、浸透圧モル濃度=315mOsm)を含むものとした。細胞内液は、135mM CsF、10mM CsCl、5mM EGTA、5mM NaCl及び10mM HEPES(pH=7.3、浸透圧モル濃度=290mOsm)を含むものとした。
ポンプ埋め込み後の異なる時点における各用量群の血漿濃度を表3に示す。血漿濃度は、2つのより低い用量ではすべての時点で検出限界(約5nM)を下回った。血漿濃度は、より高い用量では50〜83nMであり、これらの用量群内ではすべての時点で同様であった(2日間以内に安定状態に達したことを示唆する)。すべての用量はよく忍容され、すべの用量又は時点で異常な挙動は認められなかった。
動物.この実験では、チャールズ・リバー社(Charles River)より注文した雄性C57Bl/6系マウスを使用した。
接触性アロディニア試験
特別に作製した金網の観察ケージを通して、後足の足底に対してフィラメントがわずかに曲がるだけの充分な力で垂直に加えて約3秒間保持した7段階の刺激(フォンフライ(von Frey)式フィラメント:0.07、0.16、0.4、0.6、1、2及び4g;ストールティング社(Stoelting)、イリノイ州ウッドデール)から、罹患した足を引っ込めた閾値の中央値を測定することによって機械的(接触性)アロペディアを評価した。刺激の間又は刺激の除去の直後に足が引っ込められた場合を陽性反応とした。足引っ込め閾値(PWT)を、刺激強度を連続的に増大及び減少させ、(Chaplan et al.,1994)に述べられるディクソンアップダウン法(Dixon,1980)を適合した方法を用いて引っ込め値のデータを分析することによって求め、グラム(g)で記録した。マウスは、試験に先立って30分間、金網に慣らした。100%完全フロイントアジュバント(CFA)の注射の前及び注射後の異なる数日に触覚閾値を評価した。行動試験を完全に盲検で行った。試験を行う者とは別の研究者によって、予備閾値を統合してベースライン試験に先立って閾値を均一化した。
改変したハーグリーブズボックスを使用して熱性アロディニアを測定した(Hargreaves et al.,1988,Pain,32:77〜88;Dirig et al.,1997,J Neurosci.Methods,76:183〜191)。この箱は、一定温度(28℃)に維持されたせり上がったガラス底を有するプレキシグラスチャンバーからなるものである。熱侵害受容性刺激は、ガラス表面の下の映写用電球から与えられ、刺激は、カットオフ時間20秒で後足の片方ずつに別々に与えた。実験全体を通して一定のアンペア数を使用することで、5分間隔で計測した3つの計測値について平均した場合に約8〜12秒の試験前足引っ込め潜時が得られた。動物を10分間、硝子表面上で慣らしてから足引っ込めまでの潜時(PWL)を秒単位で記録した。
動物をイソフルランで麻酔し(導入5%、維持2〜5%)、20μLの100%完全フロイントアジュバント(CFA;シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)、ミズーリ州セントルイス)を、1mL注射器に取り付けた25ゲージの針を使用して左後足に皮下注射した。
プロトキシンII(ペプタイズ・インターナショナル社(Peptides International))をDPBS中(カルシウム及びマグネシウムを含まないもの)で9.5mg/mLのストック濃度で配合した。
アルゼット(Alzet)マイクロ浸透圧ミニポンプ(デュレクト社(Durect Corporation)モデル1003D)を使用した。これらのポンプにより、試験化合物及び溶媒を、マウス体内への移植後、3日間にわたって1.0μl/時で投与した。ポンプ及びその流量調節要素(フローモデレーター)を最初に秤量し、次いで27ゲージの先の丸い針が取り付けられた1mLのシリンジによって充填した。ポンプが直立した状態で、ポンプを充填し、流量調節要素を挿入して再び秤量した。重量(空の重さ及び充填時の重さ)を記録して、アルゼットポンプの使用説明書で指定されている平均充填体積の90%を充填体積が超えるようにした(使用説明書によれば92μL)。次いでポンプを、0.9%生理食塩水で充填した15mL円錐チューブに入れ、埋め込みに先立って37℃に5〜6時間置いた。
マウスに20μlの0.3mg/mlブプレネックスを投与した後、イソフルランにより麻酔(誘導5%、維持2%)を施した。マウスの背中を剃毛し、イソプロピルアルコール及びポビドンヨードで拭き、肩甲骨の間に小さい切開を行った。ヘモスタットを使用し、皮下結合組織を広げて剥離することによって小さなポケットを形成した。各ポンプの内容物は医師にも実験操作者にも分からないようにした。この後、7mmのステープルを使用して皮膚の切開を閉じ、動物を飼育ケージ内で回復させた。
データは、平均±標準誤差として表した。グラム(g)閾値(接触性)及び平均の潜時(熱的)を紙に記録し、Prism 5.01(グラフパッド・ソフトウェア社(Graphpad Software Inc.)、カリフォルニア州ラホーヤ)に入力してグラフ化し、統計分析を行った。時間に対する閾値を比較するため、2元配置分散分析(ANOVA)及びボンフェローニポストホック(Bonferroni post hoc)検定をp<0.05の有意水準で用いた。
動物を、フォンフライ(Von Frey)スタンド及びハーグレーブズ(Hargreaves)ボックスで、試験の前の週の火曜日、水曜日、及び木曜日に訓練した。動物をスタンド/ボックス上に腰をつけさせて装置の上に居ることに慣れさせた。金曜日に動物の試験前閾値を接触性(フォンフライスタンド)及び熱性(ハーグレーブズ)の両方で試験した。試験前閾値を試験した時点で動物を軽く麻酔し、20μLの100%CFAを左後足に注射した。動物を回復させ、飼育ケージに戻した。翌週の月曜日にマウスを接触性及び熱性の両方でベースライン測定値について試験して、CFAが動物の閾値を低下させるだけの充分な炎症を引き起こしたことを確認した。この後、マウスを麻酔し、ミニポンプを埋め込んで動物を回復させた。火曜日、水曜日、及び木曜日に「1日目」、「2日目」、及び「3日目」の接触性及び熱性閾値を測定した。3日目の終わりに動物を屠殺し、最終的な血液試料を得た。
ProTx−IIは、浸透圧ミニポンプによる228μg/日の持続的投与後、炎症性疼痛のマウスモデルにおいて統計的に有意な有効性を示した。接触性閾値(図19A)及び熱閾値(図19B)は、ProTx−II処理動物において有意に増加した。これらの観察結果は、2つの独立した完全な盲検試験において再現可能であった。ProTx−IIは、この有効な用量で明らかな運動障害は生じなかった。文献に開示されている報告(Schmalhofer et al.,Mol Pharm 74:1476〜1484,2008;Hacker et al.,Proc Natl Acad Sci USA 109:E2018−27)と対照的に、これらのデータは、Nav1.7選択的ペプチドに対する持続的な曝露による全身投与は、炎症性疼痛において明らかな効果を与えることを示すものである。
本出願は、2013年3月14日出願の米国特許仮出願第61/781,276号、及び2012年9月18日出願の米国特許仮出願第61/702,538号に基づく利益を主張する2013年3月15日出願の米国特許出願第13/833,555号、及び2012年5月18日出願の米国特許仮出願第61/648,871号に基づく利益を主張するものであり、これらの出願の全容を本出願に参照によって援用するものである。
本発明は、フエントキシンIV変異体、フエントキシンIV変異体をコードするポリヌクレオチド、上記を生成及び使用する方法、並びにNav1.7のペプチド阻害剤により疼痛を緩和する方法に関する。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21X22X23X24CKX25X26IX27X28(配列番号265)を有する単離されたフエントキシンIV変異体であって、配列中、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、及びX26は任意のアミノ酸であり、X27及びX28は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7(配列番号263)に対するIC50値が約300×10-9M以下である、単離されたフエントキシンIV変異体である。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21X22X23X24CKX25X26IX27X28(配列番号265)を有する単離されたフエントキシンIV変異体であって、配列中、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、及びX26は、任意のアミノ酸であり、X27及びX28は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体がNav1.7を選択的に阻害する、単離されたフエントキシンIV変異体である。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21TX22WCKYX23X24X25X26(配列番号276)を有する単離されたフエントキシンIV変異体であって、配列中、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23及びX24は任意のアミノ酸であり、X25及びX26は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7(配列番号263)に対するIC50値が約300×10-9M以下である、フエントキシンIV変異体である。
本明細書で使用するところの「μコノトキシンKIIIA」又は「コノトキシンKIIIA」なる用語は、Zhang et al.,J Biol Chem 282(42):30699〜706,2007に述べられる配列CCNCSSKWCRDHSRCC−NH2(配列番号357)を有する、キノシタイモ(コナス・キノシタイ)(Conus kinoshitai)毒素を指す。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21X22X23X24CKX25X26IX27X28(配列番号265)を有する単離されたフエントキシンIV変異体であって、配列中、
a)X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、及びX26は、任意のアミノ酸であり、
b)X27及びX28は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして
c)前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7(配列番号263)に対するIC50値が約300×10-9M以下である、単離されたフエントキシンIV変異体である。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21X22X23X24CKX25X26IX27X28(配列番号356)を有し、配列中、
a)X4が、Y、V又はIであり、
b)X8が、P又はVであり、
c)X11が、D、P又はWであり、
d)X19が、S又はIであり、
e)X21が、Y、W、A、H又はKであり、
f)X22が、T又はVであり、
g)X24が、W又はKであり、
h)X25が、W、T、I又はYであり、
i)X1、X2、X3、X5、X6、X7、X9、X10、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X20、X23及びX26が任意のアミノ酸であり、
j)X27及びX28が任意のアミノ酸であるか、又は欠失しており、そして
k)前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7(配列番号263)に対するIC50値は約300×10-9M以下である。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21X22X23X24CKX25X26IX27X28(配列番号357)を有し、配列中、
a)X1が、K、R、H、D、Y、F、N、Q、S、T、G、L、I、P又はEであり、
b)X2が、R、F、W、N、S又はLであり、
c)X3が、R、H、D、Y、N、Q、L、I、P又はEであり、
d)X4が、Y、V又はIであり、
e)X5が、R、W、Q、S又はKであり、
f)X6が、R、E、Y、F、V又はAであり、
g)X7が、K、R、E、Y、F、S、V又はNであり、
h)X8が、P又はVであり、
i)X9が、R、F、Q、V又はSであり、
j)X10が、H、D、Y、W、Q、S、T、G、A、V、L、I、P又はNであり、
k)X11が、D、P又はWであり、
l)X12が、K、R、D、E、Y、W、N、T、A、L又はQであり、
m)X13が、R、Y、Q、S、T、G、L、I、P又はKであり、
n)X14が、K、R、Y、F、N、Q、G、A、V、L、I、P又はSであり、
o)X15が、R、H、D、Y、W、N、Q、T、V、I、P又はSであり、
p)X16が、R、H、D、F、W、N、Q、S、T、G、A、L又はKであり、
q)X17が、K、R、Y、F、W、P又はLであり、
r)X18が、K、R、T、A、L又はVであり、
s)X19が、S又はIであり、
t)X20が、K、W、G、A、I、D又はRであり、
u)X21が、Y、W、A又はKであり、
v)X22が、T又はVであり、
w)X23が、K、H、W、N、G、A、L又はRであり、
x)X24が、W又はKであり、
y)X25が、W、T、I又はYであり、
z)X26が、K、R、Y、F、S、T、G、A、V、L、I又はQであり、
aa)X27が、K、R、H、F、W、V、L、I、Gであるか又は欠失しており、
bb)X28が、R、H、Y、F、W、N、G、V、P、Kであるか又は欠失しており、そして、
前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7(配列番号263)に対するIC50値が約300×10-9M以下である。
50値でNav1.7を阻害することができる。この範囲のIC50値を示す例示の変異体は、図4に示される配列番号3〜322のポリペプチドである。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21X22X23X24CKX25X26IX27X28(配列番号265)を有する単離されたフエントキシンIV変異体であって、配列中、
a)X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、及びX26は、任意のアミノ酸であり、
b)X27及びX28は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして、
c)前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体はNav1.7を選択的に阻害する。
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX19X20X21TX22WCKYX23X24X25X26(配列番号276)を有する単離されたフエントキシンIV変異体であって、配列中、
X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23及びX24は任意のアミノ酸であり、
X25及びX26は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして
前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7(配列番号263)に対するIC50値が約300×10-9M以下である。
配列番号276において、
X4が、Y、V又はIであり、
X8が、P又はVであり、
X11が、D、P又はWであり、
X19が、S又はIであり、
X21が、Y、W、A、H又はKであり、
X24が、Iであり、これにより配列:
X 1 CX 2 X 3 X 4 FX 5 X 6 CX 7 X 8 X 9 X 10 X 11 X 12 CCX 13 X 14 X 15 X 16 X 17 X 18 CX 19 X 20 X 21 TX 22 WCKYX 23 IX 24 X 25 (配列番号358)を有するフエントキシンIV変異体が生じ、配列中、
X 1 、X 2 、X 3 、X 5 、X 6 、X 7 、X 9 、X 10 、X 12 、X 13 、X 14 、X 15 、X 16 、X 17 、X 18 、X 20 、X 22 、及びX 23 は任意のアミノ酸であり、
X 24 及びX 25 は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、
X 4 が、Y、V又はIであり、
X 8 が、P又はVであり、
X 11 が、D、P又はWであり、
X 19 が、S又はIであり、
X 21 が、Y、W、A、H又はKである。
配列番号358のフエントキシンIV変異体は、以下の置換を更に有しうる(配列番号362)。すなわち:
X1が、K、R、H、D、Y、F、N、Q、S、T、G、L、I、P又はEであり、
X2が、R、F、W、N、S又はLであり、
X3が、R、H、D、Y、N、Q、L、I、P又はEであり、
X5が、R、W、Q、S又はKであり、
X6が、R、E、Y、F、V又はAであり、
X7が、K、R、E、Y、F、S、V又はNであり、
X9が、R、F、Q、V又はSであり、
X10が、H、D、Y、W、Q、S、T、G、A、V、L、I、P又はNであり、
X12が、K、R、D、E、Y、W、N、T、A、L又はQであり、
X13が、R、Y、Q、S、T、G、L、I、P又はKであり、
X14が、K、R、Y、F、N、Q、G、A、V、L、I、P又はSであり、
X15が、R、H、D、Y、W、N、Q、T、V、I、P又はSであり、
X16が、R、H、D、F、W、N、Q、S、T、G、A、L又はKであり、
X17が、K、R、Y、F、W、P又はLであり、
X18が、K、R、T、A、L又はVであり、
X20が、K、W、G、A、I、D又はRであり、
X22が、K、H、W、N、G、A、L又はRであり、
X23が、K、R、Y、F、S、T、G、A、V、L、I又はQであり、
X25が、K、R、H、F、W、V、L、I、Gであるか又は欠失しており、そして、
X26が、R、H、Y、F、W、N、G、V、P、Kであるか又は欠失していおり、これにより配列:
X 1 CX 2 X 3 X 4 FX 5 X 6 CX 7 X 8 X 9 X 10 X 11 X 12 CCX 13 X 14 X 15 X 16 X 17 X 18 CX 19 X 20 X 21 TX 22 WCKYX 23 IX 24 X 25 (配列番号359)を有するフエントキシンIV変異体が生じ、配列中、
X 1 が、K、R、H、D、Y、F、N、Q、S、T、G、L、I、P又はEであり、
X 2 が、R、F、W、N、S又はLであり、
X 3 が、R、H、D、Y、N、Q、L、I、P又はEであり、
X 4 が、Y、V又はIであり、
X 5 が、R、W、Q、S又はKであり、
X 6 が、R、E、Y、F、V又はAであり、
X 7 が、K、R、E、Y、F、S、V又はNであり、
X 8 が、P又はVであり、
X 9 が、R、F、Q、V又はSであり、
X 10 が、H、D、Y、W、Q、S、T、G、A、V、L、I、P又はNであり、
X 11 が、D、P又はWであり、
X 12 が、K、R、D、E、Y、W、N、T、A、L又はQであり、
X 13 が、R、Y、Q、S、T、G、L、I、P又はKであり、
X 14 が、K、R、Y、F、N、Q、G、A、V、L、I、P又はSであり、
X 15 が、R、H、D、Y、W、N、Q、T、V、I、P又はSであり、
X 16 が、R、H、D、F、W、N、Q、S、T、G、A、L又はKであり、
X 17 が、K、R、Y、F、W、P又はLであり、
X 18 が、K、R、T、A、L又はVであり、
X 19 が、S又はIであり、
X 20 が、K、W、G、A、I、D又はRであり、
X 21 が、Y、W、A、H又はKであり、
X 22 が、K、H、W、N、G、A、L又はRであり、
X 23 が、K、R、Y、F、S、T、G、A、V、L、I又はQであり、
X 24 が、K、R、H、F、W、V、L、I、Gであるか又は欠失しており、そして、
X 25 が、R、H、Y、F、W、N、G、V、P、Kであるか又は欠失している。
本発明のフエントキシンIV変異体は、疼痛又は感覚ニューロン若しくは交感神経ニューロン機能不全の他の疾患の症状を治療、軽減又は緩和することが望ましいあらゆる治療において使用することができる。
本明細書のフエントキシンIV変異体又はNav1.7の他のペプチド阻害剤は、薬学的に許容される溶媒又は担体中で製剤化することができる。適当な溶媒又は担体は、場合により、非経口投与用の組成物において一般的な他の物質を補った注射用蒸留水、生理食塩水又は人工脳脊髄液であってよい。中性緩衝生理食塩水、又は血清アルブミンと混合された生理食塩水は更なる代表的な溶媒である。これらの溶液は無菌であり、粒子状物質を通常含まず、従来の周知の滅菌法(例えば濾過)によって滅菌することができる。組成物は、pH調整及び緩衝剤、安定剤、増粘剤、潤滑剤、及び着色剤などの生理学的条件に近づけるために必要とされる薬学的に許容される添加剤を含有することができる。適当な溶媒及びそれらの配合及びパッケージングについては、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(21st ed.,Troy,D.ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,MD(2005)Chapters 40 and 41)に述べられている。
フエントキシンIVの設計及び生成
チャイニーズバードスパイダー(オルニソクトヌス・フエナ)(Ornithoctonus huwena)の毒に由来する野生型フエントキシンIV(ECLEIFKACNPSNDQCCKSSKLVCSRKTRWCKYQI:配列番号1)内のすべての非システイン残基にAla、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys、Leu、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、及びTyrを置換した一位置アミノ酸スキャニングライブラリーを生成した。フエントキシンIV変異体を、以下のN末端からC末端までのフォーマットで、HRV3Cプロテアーゼ切断性ヒト血清アルブミン(HSA)(配列番号360)融合タンパク質としてコードした。すなわち、His6−HSA−(GGGGS)4−HRV3C切断部位−フエントキシンIV変異体(His 6 :配列番号361;(GGGGS) 4 :配列番号269;HRV3C:配列番号270)。すべての変異体ペプチドは、HSAからの切断後、切断部位からの残りのN末端GP、及び内因性のアミド化認識配列であるC末端GKを有していた。一位置変異体を、ベラトリジン誘導膜電位を阻害する各変異体の能力を測定する蛍光スクリーニングアッセイで試験し、Qpatchによる電気生理学手法でヒット化合物を確認した。組み換えにより発現させたフエントキシンIV変異体のC末端GK残基も置換した。
設計したフエントキシンIV変異体ポリペプチドをコードしたcDNAを、米国特許第6,521,427号に述べられる遺伝子アセンブリ技術を使用して生成した。簡単に述べると、設計したペプチド変異体を、ヒト高頻度コドンを用いてDNA配列に逆翻訳した。各変異体遺伝子のDNA配列を、DNAクローニング部位を含むベクターDNAと共に、一部が縮重コドンを含む複数のオリゴヌクレオチドとして合成し、これらを完全長のDNAフラグメントに組み立てた。組み立てられたDNAフラグメントをPCRにより増幅した後、PCR産物をプールとしてクローニングした。プールしたPCR産物を適当な制限酵素で消化し、それぞれの毒素変異体遺伝子がベクターに含まれるシグナルペプチド及び融合パートナーと融合するようにして、設計した発現ベクターにクローニングした。標準的な分子生物学の手法を用いて、それぞれの設計した変異体について陽性クローンを特定した。これらの陽性クローンからのプラスミドを精製し、それぞれのフエントキシンIV変異体を発現させる前に配列を確認した。
293 Freestyle(商標)培地(インビトロジェン社(Invitrogen))中で維持したHEK293F細胞に、フエントキシンIV変異体をコードしたプラスミドを、標準的なプロトコールにしたがってFreestyle(商標)トランスフェクション試薬を使用して一過的にトランスフェクトした。トランスフェクトした細胞を、37℃及び8% CO2に設定した加湿したインキュベーター内に125RPMで振盪しながら4日間置いた5,000Gで10分間遠心することにより細胞から上清を分離し、0.2μmフィルターで濾過し、Amicon超遠心分離機10K(カタログ番号UFC901096)を使用して3,750Gで約10分遠心して10倍及び50倍に濃縮した。
分泌されたフエントキシンIV変異体タンパク質を1mlのHisTrapHPカラム(ジー・イー・ヘルスケア社(GE Healthcare))を使用してIMACにより精製した。このクロマトグラフィー法は、AKTA Xpressを使用して行い、イミダゾールの段階的勾配を利用してタンパク質を溶出した。ピーク画分をプールし、HRV3Cプロテアーゼ(EMD社、カタログ番号71493、1単位/100μgタンパク質)により一晩消化した。切断されたペプチドを、C18(2)カラム(フェノメネクス社(Phenomenex)、カタログ番号00G−4252−N0)を使用してRP−HPLCにより精製した。このクロマトグラフィー法は、DionexHPLCシステムで行い、結合したペプチドをアセトニトリルの直線勾配を利用して溶出した。ピーク画分を回収し、プールして凍結乾燥した。
膜脱分極アッセイ
Nav1.7のアゴニストであるベラトリジン(3−ベラトイルベラセビン;バイオモル社(Biomol)、カタログ番号NA125)により誘導される膜脱分極を阻害する作製されたフエントキシンIV変異体の能力を、FLIPR(登録商標)Tetra上で、DISBAC2(3)(インビトロジェン社(Invitrogen)、K1018)を電子受容体として、PTS18(三ナトリウム8−オクタデシルオキシピレン−1,3,6−トリスルホネート)(シグマ社(Sigma))を供与体として使用し、供与体を390〜420nmで励起し、515〜575nmでFRETを測定することにより、FRETアッセイ(蛍光共鳴エネルギー移動)を用いて測定した。
ネガティブコントロール(アゴニストであるベラトリジン単独に対する反応)及びポジティブコントロール(10μMのテトラカインの存在下でのベラトリジンに対する反応)にシグナルを標準化することにより、各ウェルの蛍光カウントを阻害率(%)に変換した。
ヒトNav1.7を安定的に発現しているHEK293細胞を、10%ウシ胎児血清、400μg/mLジェネティシン、及び100μMのNEAA(試薬はすべてインビトロジェン社(Invitrogen)より入手)を補ったDMEM/F−12培地(1:1)中で培養した。細胞は37℃で5% CO2内に維持し、約70〜90%コンフルエンスに達した時点でアッセイを行った。QPatch(ソフィオン社(Sophion))で試験するのに先立って、細胞を最初に0.05%トリプシン(37℃で5分間)を使用して解離させ、CHO−S−SFM培地(ライフ・テクノロジーズ社(Life Technologies))に再懸濁し、穏やかに粉砕して細胞塊をバラバラにした。細胞密度を同じ培地により1〜2×106/mlに調整し、細胞をQPatch HTの細胞「ホテル」に移し、数時間にわたって実験に使用した。
1置換変異体及びFLIPR(登録商標)Tetraによる脱分極アッセイを用いて得られたNav1.7に対する各変異体のIC50値のライブラリーマトリックスを図1に示す。1置換変異体及びFLIPR(登録商標)Tetraによる脱分極アッセイを用いて得られたNav1.2に対する各変異体のIC50値のライブラリーマトリックスを図2に示す。一置換変異体のNav1.7について得られたIC50に対するNav1.2について得られたIC50の比として測定される選択性を、図3に示す。図4及び5は、Nav1.7(図4)又は選択性(図5)に対する有効性により評価した変異体の配列を示す。
方法
この実験では、体重が300gよりも大きい雄性Sprague−Dawley(CD)系ラット(チャールズ・リバー社(Charles River)、サンディエゴ)を使用した。実験に使用されていない動物を、試験日に先立って2日間訓練した(反応のばらつきを小さくするため)。訓練は、各動物に対して実際の試験を、各ラットにつき約1時間の長さにわたって複数回行うことにより行った。最初に、常に足の同じ部位を試験することができるように、マジックペンで、動物の左足の背面の中心の爪先にすぐ隣接する位置にマークを付けた。次いでラットを後足が覆われないように緩くタオルで包み、左後足を、最大閾値を500gに設定したランダール・セリット装置(Ugo−Basileランダール・セリット装置、無痛覚計)内に、マジックペンのマークが、足と接触する試験装置のコーンの先端の真下となるようにして置き、動物が反応するまで、フットコントロールによる電子的傾斜によって一定速度で圧力を増大させた。訓練用の「反応」は、試験日と同じ基準にしたがい、以下の内のいずれか1つからなるものとした。すなわち、1)装置から後足を引き抜く、2)明らかに足を引き抜こうとする、又は3)鳴き声をあげる。ラットは、100g又はそれ以上の閾値に対して反応するまで連続して3回まで試験した。訓練の時間/日にわたり、各ラットについて、1〜3回の連続した試験を、5〜20分間隔で行った。
アミド化フエントキシンIV(ペプタイズ・インターナショナル社(Peptides International)、ケンタッキー州ルイヴィル)を、凍結乾燥された形で入手し、HEPES緩衝生理食塩水で戻し、アリコートに等分してー20℃で凍結した。左後足背面に投与する直前にアリコートを解凍し、HEPES緩衝生理食塩水を希釈剤として使用して適当な濃度にまで希釈した。取り扱い及び足への注射に関連したストレス自体によって、足への圧力の閾値が高くなることから(ストレス誘発鎮痛作用)、ラットは注射を行うためにイソフランで軽く麻酔した(5%で誘導、2〜3%で維持)。動物の足の背面に、針の先端が足の背面中心の、爪先に隣接する位置でマジックペンのマークの真下となるように、中心線の左側にくるぶしに向かって針を挿入して、皮下注射を行った(100μLのペプチド溶液又は溶媒)。
グラム(g)の閾値を記録し、Prism 5.01(グラフパッド・ソフトウェア社(Graphpad Software Inc.)、カリフォルニア州ラホーヤ)に入力してグラフ化し、曲線下面積(AUC)値及び統計分析を生成した。時間に対するグラム(g)値を比較するため、2元配置分散分析(ANOVA)をp<0.05の有意水準で用いた。平均のAUC値を生成するため、ペプチド群の各ラットのAUCを個々に得て、溶媒群の平均のAUCをそこから引いた。各ペプチド処理動物の、溶媒値を減じたAUCを平均化し、それぞれp<0.05の有意水準で行ったスチューデントT検定又は1元配置分散分析(ANOVA)のいずれかにより比較した。
足の背面に局所投与したフエントキシンIVは、ランダール・セリット試験における足の圧力閾値を容量依存的に増大させた。3及び30nmolのフエントキシンIVは、溶媒処理群の動物で認められた閾値よりも有意に閾値を増大させたが、0.3nmolでは有意な増大は認められなかった(図7)。AUCは、3つのペプチド処理群すべての間で有意に異なった(各動物のAUCから平均の溶媒AUCを減じた)(図8)。フエントキシンIVの各用量の投与後に幾らかの局所的浮腫が更に認められた。溶媒を注射したラットでは同様の浮腫は認められなかった。
NMRによる構造決定
すべてのNMR実験は、Bruker Avance 600、700、又は950MHz分光計を使用して行った。ペプチドを、10% D2Oを含む水性緩衝液に溶解した。緩衝液は、20mMリン酸塩、0.1mMのdEDTA、及び0.002% NaN3を用いてpHを6.7に維持した。特に断らない限り、スペクトルはすべて298Kで得た。個々の残基のスピン系は、TOCSY(Bax and Davis,Mag.Reson.1985,65,355〜360)を用い、スピンロック(MLEV)を混合時間75msで用いて割り当てた。混合時間150msで得られたNOESY(Jeener et al.,J.Chem.Phys.1979,71,4546〜4553;Kumar et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.1980,95,1〜6)実験より、連続的な残基の割り当てを行った。更に、15N−HSQC(Bodenhausen et al.,Chem.Phys.Lett.1980,69,185〜189)実験により割り当てを促し、システイン酸化状態を通常の方法(Cavanagh et al.,Protein NMR Spectroscopy:Principles and Practice 1995 Academic Press)を用いて13C−HSQCスペクトルにより調べた。シフトしたサインベル2乗重み付け及びゼロフィリングを適用した後、データ処理においてNMRPipe(Delaglio et al.,J.Biomol.NMR 6,277〜293,1995)を用いてフーリエ変換を行った。
天然HwTx−IVのNMR構造(Protein Data Bank http://_www_rcsb_org/pdb/home/home_do;pdb 1MB6からの構造)を、分子動力学シミュレーションを使用してHwTxーIVの安定性の特性評価を行うための開始点として用いた。天然のHwTx−IVのシミュレーション以外に、3つのジスルフィド結合のそれぞれの重要度を識別し、1個のアラニンの点突然変異によるペプチドの安定性の変化を測定するため、シミュレーションを行った。3つのジスルフィド結合の重要度を特性評価するため、C2〜C17、C9〜C24、C16〜C31、C2〜C17/C9〜C24、C2〜C17/C16〜C31、C9〜C24/C16〜C31及びC2〜C17/C9〜C24/C16〜C31のシステインを個々のシステイン残基に変換し、別々の分子動力学シミュレーション(全部で7つのシミュレーション)を行った。1個のアラニンの点突然変異の影響を調べるため、インシリコで分子動力学アラニンスキャン(すべての非システイン位置の)を行った(全部で28のシミュレーション)。
Nav1.7のドメイン2(DII)のセグメントS1〜S4の相同性モデルを、Discovery Studio 3.1(アクセルリス社(Accelrys))のModellerコンポーネントを使用し、NavAb構造(アルコバクター・ブツレリ(Arcobacter
butzleri)由来の電位依存性Na(+)チャネル;構造は、Protein Data
Bank http://_www_rcsb_org/pdb/home/home_do;pdb 3RVYにある。)をテンプレートとして構築した。次いでこのモデルを、更にリファインして静止状態のNav1.7の構造を生成した。S4をマニュアルで静止状態のコンフィギュレーションに動かし、S1−S2及びS3−S4ループを再形成して、モデル全体のエネルギーを最小化した。天然のHwTx−IVを、Nav1.7に対するHwTx−IV阻害のアラニンスキャンの結果、及びHwTx−IVの結合を生じる、文献に開示されるNav1.7突然変異(Xiao et al.,J Biol Chem.286:27301〜10,2011.Epub 2011 Jun 9.)に基づき、マニュアルでNav1.7相同性モデルにドッキングさせた。
分子動力学シミュレーション
毒素の構造的変化のみに基づく活性(F6A、P11A、D14A、L22A、S25A、W30A、K32A、Y33A)又はチャネル選択性(K18A、R26A及びK27A)の顕著な喪失につながるHwTx−IV突然変異の活性の変化の分子的機序の理解を助けるため、一連の分子動力学シミュレーションを行った。上記で生成したHwTx−IVのNMR構造(pdbコード1MB6)を、異なるアラニン突然変異ペプチドを構築するためのテンプレートとして用い、それぞれの毒素変異体に50nsの分子動力学シミュレーションを行った。
HwTx−IVの構造的特徴の更なる知見を得るため、また、分子動力学シミュレーションの主な予測の一部を直接テストするため、本発明者らは、組み換えWT(野生型)HwTx−IVのNMR構造を決定し、これをW30A及びK32Aの構造と比較した。
QPatch及び結合アッセイで測定された活性の完全な喪失にも関わらず(分子動力学シミュレーションとは概ね一致したが)、W30A及びK32Aは、WT組み換えフエントキシンIVと同様の全体的構造を示した。陽子間NOESY及び主鎖化学シフト値は、W30A、K32A、及び野生型ペプチドは、極めてよく似た折り畳み及び構造を有しているものの、ねじれたβシートの溶媒接触面の近くに局所的な差異が認められた。これらの差異には、K32A及び野生型ペプチドのW30の半径5オングストローム内に強い環電流異方性が認められることが含まれる。F6及びT28に最も大きく影響するこうした異方性は、βターンのコンフォメーション/動力学及び側鎖の向きに影響しうる近接した空間相互作用があることを示している。解構造は、側鎖のジオメトリーに基づく別の局所的な差異として、K32のプロトン化されたアミンと、W30A及び野生型ペプチドに利用可能なY33の電子との間の潜在的なカチオン−π相互作用を示唆している。これらの局所的な差異に関与する5つの残基F6、T28、W30、K32、Y33の側鎖は、すべて互いに近接して位置しており、上記の分子内相互作用につながると同時に、Nav1.7と分子間相互作用するための潜在的な「ファーマコフォア」を形成する。
HwTx−IVとNav1.7チャネルとの間で生じる特異的相互作用を調べるため、Nav1.7ドメインII(DII)の電圧センサードメイン(VSD;セグメントS1〜S4)の相同性モデルを、NavABをテンプレートとして構築した。取得可能なSARデータ及び文献に開示されるチャネル突然変異のデータ(Xiao et al.,Biol Chem.286:27301〜10,2011.Epub 2011 Jun 9.)を用いて、このモデルを更にリファインすることにより、HwTx−IVペプチドをマニュアルでドッキングさせるための静止状態の構造を生成した。
更なるフエントキシンIV変異体の設計及び生成
得られたフエントキシンIV変異体NV1G387(E1N、R26K、Q34S、G36I;NV1D2168、配列番号92)及びNV1G327(E1N、E4R、Y33W、Q34S;NV1D2163、配列番号3)に基づいて2つのグラフティングライブラリーを生成した。
GPNCLEIFKACNPSNDQCCKSSFLVCSKKTRWCKYSIIK(配列番号277)
(E1N,R26K,Q34S,G36IをK21Fでグラフトした)
GPNCLEIFKACNPSNDQCCKSNKLVCSKKTRWCKYSIIK(配列番号278)
(E1N,R26K,Q34S,G36IをS20Nでグラフトした)
GPNCLRIFKACNPSNDQCCKSSKLVCSDKTRWCKWSIGK(配列番号279)
(E1N,E4R,Y33W,Q34SをR26Dでグラフトした)
GPNCLRIFKACNPSNDQCCKSSKLVCSRHTRWCKWSIGK(配列番号280)
(E1N,E4R,Y33W,Q34SをK27Hでグラフトした)
3種類のNav1.7遮断ペプチドの鎮痛作用を急性侵害受容性疼痛のラット及びマウスモデルで評価した。評価したペプチドは、フエントキシンIV(HwTx−IV)(Peng et al.,J Biol Chem 277:47564〜71,2002)、プロトキシンII(Middleton et al.,Biochemistry 41:14734〜47,2002)及びコノトキシンKIIIA(Zhang et al.,J Biol Chem.2007 282(42):30699〜706)である。HwTx−IV及びKIIIAは複数の電位依存性ナトリウムチャネルのアイソフォームを遮断し、全身投与した場合に重い副作用を誘発することが予想されることからこれらのペプチドは局所投与した。これら3種類のペプチドのNav1.7遮断の強さの順序は、ProTX−II>HwTX−IV>KIIIAである。
Ugo−Basileランダール・セリット装置(無痛覚計)を、最大閾値を500gに設定して使用した。
動物試験開始時点において体重240〜295g(平均/標準誤差:280.2±3.3)の雄性Sprague−Dawley(CD)系ラット。
接触性アロディニア試験
特別に作製した金網の観察ケージを通して、後足の足底に対してフィラメントがわずかに曲がるだけの充分な力で垂直に加えて5〜7秒間保持した8段階の刺激(フォンフライ(von Frey)式フィラメント:0.4、0.6、1.0、2.0、4.0、6.0、8.0、及び15.0g;ストールティング社(Stoelting)、イリノイ州ウッドデール)から罹患した肢を引っ込めた閾値の中央値を測定することによって機械的(接触性)アロペディアを評価した。刺激の間又は刺激の除去の直後に足が引っ込められた場合を陽性反応とした。50%足引っ込め閾値(PWT)を、刺激強度を連続的に増大及び減少させ、(Chaplan et al.,1994)に述べられるディクソンアップダウン法(Dixon,1980)を適合した方法を用いて引っ込め値のデータを分析することによって求めた。ラットは、試験に先立って10分間、金網に慣らした。完全フロイントアジュバント(CFA)の注射の前及び注射後の異なる数日に触覚閾値を評価した。
CFA投与の前後に熱足刺激装置(Hargreave装置、カリフォルニア州立大学サンディエゴ校麻酔科、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用して放射熱に対する足閾値反応を評価した。ナイーブなラットを使用し、足を引っ込めるまでのラットの反応が約8〜12秒の潜時の範囲(平均約10秒)となるように放射熱の利得及び強度を設定した。カットオフ値は、装置により20秒に設定した。各時点で、同じ足について3つの別々の測定値を、各動物で約5分間隔で得て、互いに平均化した。
完全フロイントアジュバント(CFA;シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)、ミズーリ州セントルイス)のエマルションを、CFAと0.9%生理食塩水が1:1の比となるように調製した。動物をイソフルランで麻酔し(導入5%、維持2〜5%)、100μLのエマルションを左後足に皮下注射した。CFA注射後12日目に、同側の足に、100μLのHEPES緩衝生理食塩水に加えた30nmolプロトキシンII(ペプタイズ・インターナショナル社(Peptides International)、ケンタッキー州ルイヴィル)又は溶媒(100μLのHEPES緩衝生理食塩水)のいずれかを注射した。
接触性アロディニアの閾値(図17A)及び熱性アロディニアの潜時(図17B)は、50%足底内CFAによりラットに誘発させた単関節炎の動物モデルでは有意に低下した。足底内投与したプロトキシンIIでは、注射後30及び60分後に、溶媒注射動物と比較して触覚閾値が有意に増加した。
動物.試験開始時点において体重24〜31g(平均/標準誤差:27.5±0.3)の雄性C57/bl6マウスを使用した。
接触性アロディニア試験
特別に作製した金網の観察ケージを通して、後足の足底中心に対してフィラメントがわずかに曲がるだけの充分な力で垂直に加えて約3秒間保持した7段階の刺激(フォンフライ(von Frey)式フィラメント:0.07、0.16、0.4、0.6、1.0、2.0及び4.0g;ストールティング社(Stoelting)、イリノイ州ウッドデール)から、罹患した足を引っ込めた閾値の中央値を測定することによって機械的(接触性)アロペディアを評価した。刺激の間又は刺激の除去の直後に足が引っ込められた場合を陽性反応とした。50%足引っ込め閾値(PWT)を、刺激強度を連続的に増大及び減少させ、(Chaplan et al.,1994)に述べられるディクソンアップダウン法(Dixon,1980)を適合した方法を用いて引っ込め値のデータを分析することによって求めた。マウスは、試験に先立って1日につき約1時間、2日間にわたり、更に、各試験日には試験に先立って30分間、金網の試験条件に慣らした。完全フロイントアジュバント(CFA)の注射の前及び注射後の異なる数日に触覚閾値を評価した。
50%完全フロイントアジュバント(CFA;シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)、ミズーリ州セントルイス)に対して、CFAと0.9%生理食塩水が1:1の比となるようにエマルションを調製した(溶媒処理群には0.9%生理食塩水のみを投与した)。100% CFAについては動物が販売業者から届いた時点で希釈しないCFAを注射し、コントロール動物には0.9%生理食塩水を注射した。動物をイソフルランで麻酔し(導入5%、維持2〜5%)、50μLハミルトン注射器及び25ゲージの針を使用して20μLを左後足に皮下注射した。
実験はすべて、処理に対して盲検で行った。CFA注射後3日目に、ガバペンチン(150mg/kg,n=6)又は溶媒(滅菌水;n=6)のいずれかを、このモデルにおいて周知の抗アロディニア作用を有するポジティブコントロールとして経口投与(4mL/kg)し、触覚閾値の変化について評価した。6日間のウォッシュアウト期間の後(CFA後9日目)、同じ動物を、3nmolプロトキシンII(ペプタイズ・インターナショナル社(Peptides International)、ケンタッキー州ルイヴィル)又は溶媒(HEPES緩衝生理食塩水)を左のCFA処理した足の足底内に投与して試験した。
データは、平均±標準誤差として表した。グラム(g)閾値(触覚)及び熱による足引っ込めまでの潜時を紙に記録し、Prism 5.01(グラフパッド・ソフトウェア社(Graphpad Software Inc.)、カリフォルニア州ラホーヤ)に入力してグラフ化し、統計分析を行った。時間に対する閾値を比較するため、2元配置分散分析(ANOVA)及びボンフェローニポストホック(Bonferroni post hoc)検定をp6/mlに調整し、細胞をQPatchHTの細胞「ホテル」に移し、数時間にわたって実験に使用した。
KCl、1mM MgCl2、2mM CaCl2、5mMグルコース、及び10mM HEPES(pH=7.4、浸透圧モル濃度=315mOsm)を含むものとした。細胞内液は、135mM CsF、10mM CsCl、5mM EGTA、5mM NaCl及び10mM HEPES(pH=7.3、浸透圧モル濃度=290mOsm)を含むものとした。
ポンプ埋め込み後の異なる時点における各用量群の血漿濃度を表3に示す。血漿濃度は、2つのより低い用量ではすべての時点で検出限界(約5nM)を下回った。血漿濃度は、より高い用量では50〜83nMであり、これらの用量群内ではすべての時点で同様であった(2日間以内に安定状態に達したことを示唆する)。すべての用量はよく忍容され、すべの用量又は時点で異常な挙動は認められなかった。
動物.この実験では、チャールズ・リバー社(Charles River)より注文した雄性C57Bl/6系マウスを使用した。
接触性アロディニア試験
特別に作製した金網の観察ケージを通して、後足の足底に対してフィラメントがわずかに曲がるだけの充分な力で垂直に加えて約3秒間保持した7段階の刺激(フォンフライ(von Frey)式フィラメント:0.07、0.16、0.4、0.6、1、2及び4g;ストールティング社(Stoelting)、イリノイ州ウッドデール)から、罹患した足を引っ込めた閾値の中央値を測定することによって機械的(接触性)アロペディアを評価した。刺激の間又は刺激の除去の直後に足が引っ込められた場合を陽性反応とした。足引っ込め閾値(PWT)を、刺激強度を連続的に増大及び減少させ、(Chaplan et al.,1994)に述べられるディクソンアップダウン法(Dixon,1980)を適合した方法を用いて引っ込め値のデータを分析することによって求め、グラム(g)で記録した。マウスは、試験に先立って30分間、金網に慣らした。100%完全フロイントアジュバント(CFA)の注射の前及び注射後の異なる数日に触覚閾値を評価した。行動試験を完全に盲検で行った。試験を行う者とは別の研究者によって、予備閾値を統合してベースライン試験に先立って閾値を均一化した。
改変したハーグリーブズボックスを使用して熱性アロディニアを測定した(Hargreaves et al.,1988,Pain,32:77〜88;Dirig et al.,1997,J Neurosci.Methods,76:183〜191)。この箱は、一定温度(28℃)に維持されたせり上がったガラス底を有するプレキシグラスチャンバーからなるものである。熱侵害受容性刺激は、ガラス表面の下の映写用電球から与えられ、刺激は、カットオフ時間20秒で後足の片方ずつに別々に与えた。実験全体を通して一定のアンペア数を使用することで、5分間隔で計測した3つの計測値について平均した場合に約8〜12秒の試験前足引っ込め潜時が得られた。動物を10分間、硝子表面上で慣らしてから足引っ込めまでの潜時(PWL)を秒単位で記録した。
動物をイソフルランで麻酔し(導入5%、維持2〜5%)、20μLの100%完全フロイントアジュバント(CFA;シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)、ミズーリ州セントルイス)を、1mL注射器に取り付けた25ゲージの針を使用して左後足に皮下注射した。
プロトキシンII(ペプタイズ・インターナショナル社(Peptides International))をDPBS中(カルシウム及びマグネシウムを含まないもの)で9.5mg/mLのストック濃度で配合した。
アルゼット(Alzet)マイクロ浸透圧ミニポンプ(デュレクト社(Durect Corporation)モデル1003D)を使用した。これらのポンプにより、試験化合物及び溶媒を、マウス体内への移植後、3日間にわたって1.0μl/時で投与した。ポンプ及びその流量調節要素(フローモデレーター)を最初に秤量し、次いで27ゲージの先の丸い針が取り付けられた1mLのシリンジによって充填した。ポンプが直立した状態で、ポンプを充填し、流量調節要素を挿入して再び秤量した。重量(空の重さ及び充填時の重さ)を記録して、アルゼットポンプの使用説明書で指定されている平均充填体積の90%を充填体積が超えるようにした(使用説明書によれば92μL)。次いでポンプを、0.9%生理食塩水で充填した15mL円錐チューブに入れ、埋め込みに先立って37℃に5〜6時間置いた。
マウスに20μlの0.3mg/mlブプレネックスを投与した後、イソフルランにより麻酔(誘導5%、維持2%)を施した。マウスの背中を剃毛し、イソプロピルアルコール及びポビドンヨードで拭き、肩甲骨の間に小さい切開を行った。ヘモスタットを使用し、皮下結合組織を広げて剥離することによって小さなポケットを形成した。各ポンプの内容物は医師にも実験操作者にも分からないようにした。この後、7mmのステープルを使用して皮膚の切開を閉じ、動物を飼育ケージ内で回復させた。
データは、平均±標準誤差として表した。グラム(g)閾値(接触性)及び平均の潜時(熱的)を紙に記録し、Prism 5.01(グラフパッド・ソフトウェア社(Graphpad Software Inc.)、カリフォルニア州ラホーヤ)に入力してグラフ化し、統計分析を行った。時間に対する閾値を比較するため、2元配置分散分析(ANOVA)及びボンフェローニポストホック(Bonferroni post hoc)検定をp<0.05の有意水準で用いた。
動物を、フォンフライ(Von Frey)スタンド及びハーグレーブズ(Hargreaves)ボックスで、試験の前の週の火曜日、水曜日、及び木曜日に訓練した。動物をスタンド/ボックス上に腰をつけさせて装置の上に居ることに慣れさせた。金曜日に動物の試験前閾値を接触性(フォンフライスタンド)及び熱性(ハーグレーブズ)の両方で試験した。試験前閾値を試験した時点で動物を軽く麻酔し、20μLの100%CFAを左後足に注射した。動物を回復させ、飼育ケージに戻した。翌週の月曜日にマウスを接触性及び熱性の両方でベースライン測定値について試験して、CFAが動物の閾値を低下させるだけの充分な炎症を引き起こしたことを確認した。この後、マウスを麻酔し、ミニポンプを埋め込んで動物を回復させた。火曜日、水曜日、及び木曜日に「1日目」、「2日目」、及び「3日目」の接触性及び熱性閾値を測定した。3日目の終わりに動物を屠殺し、最終的な血液試料を得た。
ProTx−IIは、浸透圧ミニポンプによる228μg/日の持続的投与後、炎症性疼痛のマウスモデルにおいて統計的に有意な有効性を示した。接触性閾値(図19A)及び熱閾値(図19B)は、ProTx−II処理動物において有意に増加した。これらの観察結果は、2つの独立した完全な盲検試験において再現可能であった。ProTx−IIは、この有効な用量で明らかな運動障害は生じなかった。文献に開示されている報告(Schmalhofer et al.,Mol Pharm 74:1476〜1484,2008;Hacker et al.,Proc Natl Acad Sci USA 109:E2018−27)と対照的に、これらのデータは、Nav1.7選択的ペプチドに対する持続的な曝露による全身投与は、炎症性疼痛において明らかな効果を与えることを示すものである。
[1] 配列:
X 1 CX 2 X 3 X 4 FX 5 X 6 CX 7 X 8 X 9 X 10 X 11 X 12 CCX 13 X 14 X 15 X 16 X 17 X 18 CX 19 X 20 X 21 X 22 X 23 X 24 CKX 25 X 26 IX 27 X 28 (配列番号265)を有する単離されたフエントキシンIV変異体であって、配列中、
a)X 1 、X 2 、X 3 、X 4 、X 5 、X 6 、X 7 、X 8 、X 9 、X 10 、X 11 、X 12 、X 13 、X 14 、X 15 、X 16 、X 17 、X 18 、X 19 、X 20 、X 21 、X 22 、X 23 、X 24 、X 25 、及びX 26 は、任意のアミノ酸であり、
b)X 27 及びX 28 は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして、
c)前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7(配列番号263)に対するIC 50 値が約300×10 -9 M以下である、単離されたフエントキシンIV変異体。
[2] a)X 4 が、Y、V又はIであり、
b)X 8 が、P又はVであり、
c)X 11 が、D、P又はWであり、
d)X 19 が、S又はIであり、
e)X 21 が、Y、W、A、K又はHであり、
f)X 22 が、T又はVであり、
g)X 24 が、W又はKであり、そして、
h)X 25 が、W、T、I又はYである、上記[1]に記載の単離されたフエントキシンIV変異体。
[3] 配列番号277、278、192、279、280、又は3の前記アミノ酸配列を有する、上記[2]に記載の単離されたフエントキシンIV変異体。
[4] a)X 1 が、K、R、H、D、Y、F、N、Q、S、T、G、L、I、P又はEであり、
b)X 2 が、R、F、W、N、S又はLであり、
c)X 3 が、R、H、D、Y、N、Q、L、I、P又はEであり、
d)X 5 が、R、W、Q、S又はKであり、
e)X 6 が、R、E、Y、F、V又はAであり、
f)X 7 が、K、R、E、Y、F、S、V又はNであり、
g)X 9 が、R、F、Q、V又はSであり、
h)X 10 が、H、D、Y、W、Q、S、T、G、A、V、L、I、P又はNであり、
i)X 12 が、K、R、D、E、Y、W、N、T、A、L又はQであり、
j)X 13 が、R、Y、Q、S、T、G、L、I、P又はKであり、
k)X 14 が、K、R、Y、F、N、Q、G、A、V、L、I、P又はSであり、
l)X 15 が、R、H、D、Y、W、N、Q、T、V、I、P又はSであり、
m)X 16 が、R、H、D、F、W、N、Q、S、T、G、A、L又はKであり、
n)X 17 が、K、R、Y、F、W、P又はLであり、
o)X 18 が、K、R、T、A、L又はVであり、
p)X 20 が、K、W、G、A、I、R又はDであり、
q)X 23 が、K、H、W、N、G、A、L又はRであり、
r)X 26 が、K、R、Y、F、S、T、G、A、V、L、I又はQであり、
s)X 27 が、K、R、H、F、W、V、L、I、Gであるか又は欠失しており、そして、
t)X 28 が、R、H、Y、F、W、N、G、V、P、Kであるか又は欠失している、上記[2]に記載の単離されたフエントキシンIV変異体。
[5] 前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7に対するIC 50 が約160×10 -9 M未満である、上記[4]に記載の単離されたフエントキシンIV変異体。
[6] 前記フエントキシンIV変異体が配列番号3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、277、278、279又は280の前記ポリペプチド配列を有する、上記[5]に記載の単離されたフエントキシンIV変異体。
[7] 配列:
X 1 CX 2 X 3 X 4 FX 5 X 6 CX 7 X 8 X 9 X 10 X 11 X 12 CCX 13 X 14 X 15 X 16 X 17 X 18 CX 19 X 20 X 21 X 22 X 23 X 24 CKX 25 X 26 IX 27 X 28 (配列番号265)を有する単離されたフエントキシンIV変異体であって、配列中、
a)X 1 、X 2 、X 3 、X 4 、X 5 、X 6 、X 7 、X 8 、X 9 、X 10 、X 11 、X 12 、X 13 、X 14 、X 15 、X 16 、X 17 、X 18 、X 19 、X 20 、X 21 、X 22 、X 23 、X 24 、X 25 、及びX 26 は、任意のアミノ酸であり、
b)X 27 及びX 28 は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして
c)前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体がNav1.7を選択的に阻害する、単離されたフエントキシンIV変異体。
[8] 前記フエントキシンIV変異体が、配列番号5、7、12、13、16、21、25、45、46、48、55、57、58、60、61、72、74,76、78、82、83、96、109、111、113、122、127、131、134、137、141、142、149、164、165、172、175、177、178、180、182、188、189、192、198、202、204、213、215、219、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239又は240の前記ポリペプチド配列を有する、上記[7]に記載の単離されたフエントキシンIV変異体。
[9] 配列番号3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354又は355に示される前記ポリペプチド配列を有する、単離されたフエントキシンIV変異体。
[10] 配列番号3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354又は355の前記フエントキシンIV変異体をコードした単離されたポリヌクレオチド。
[11] 上記[10]に記載の前記単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
[12] 上記[11]に記載のベクターを含む宿主細胞。
[13] 上記[12]に記載の前記宿主細胞を培養することと、前記宿主細胞による前記フエントキシンIV変異体を回収することと、を含む、単離されたフエントキシンIV変異体を生成する方法。
[14] 上記[9]に記載の前記単離されたフエントキシンIV変異体及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
[15] 被験対象の疼痛を治療する方法であって、疼痛を治療するために上記[9]に記載の前記フエントキシンIV変異体の有効量を前記被験対象に末梢投与することを含む、方法。
[16] 治療法に使用するための、上記[9]に記載のフエントキシンIV変異体。
[17] Nav1.7介在性疼痛を緩和する方法であって、治療を要する被験対象に、前記Nav1.7介在性疼痛を緩和するのに充分な時間にわたって、Nav1.7のペプチド阻害剤の治療上の有効量を末梢投与することによる、方法。
[18] 前記Nav1.7介在性疼痛が、慢性痛、急性痛、神経因性疼痛、侵害受容性疼痛、内臓痛、背部痛、術後痛、熱性疼痛、幻肢痛、又は、炎症状態、原発性皮膚紅痛症(PE)、発作性激痛症(PEPD)、変形性関節症、関節リウマチ、腰椎椎間板切除、膵炎、線維筋痛症、有痛性糖尿病性ニューロパチー(PDN)、帯状疱疹後ニューロパチー(PHN)、三叉神経痛(TN)、脊髄損傷、若しくは多発性硬化症に伴う疼痛を含む、上記[17]に記載の方法。
[19] 前記被験対象がヒトである、上記[18]に記載の方法。
[20] 前記Nav1.7のペプチド阻害剤が、関節、脊髄、手術創、傷害又は外傷の部位、末梢神経線維、泌尿生殖器、又は炎症組織に局所投与される、上記[19]に記載の方法。
[21] 前記Nav1.7のペプチド阻害剤が、ミニポンプを使用して投与される、上記[19]に記載の方法。
[22] 前記Nav1.7のペプチド阻害剤が、プロトキシンII(配列番号356)、フエントキシンIV(配列番号1)、プロトキシンII変異体、又はフエントキシンIV変異体である、上記[19]に記載の方法。
[23] 前記フエントキシンIV変異体が、配列番号3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354又は355に示される前記ポリペプチド配列を有する、上記[22]に記載の方法。
Claims (23)
- 配列:
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX1
9X20X21X22X23X24CKX25X26IX27X28(配列番号265)を有する単離された
フエントキシンIV変異体であって、配列中、
a)X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14
、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、及びX26は、
任意のアミノ酸であり、
b)X27及びX28は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして、
c)前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチ
ドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7(配列番号
263)に対するIC50値が約300×10-9M以下である、単離されたフエントキシン
IV変異体。 - a)X4が、Y、V又はIであり、
b)X8が、P又はVであり、
c)X11が、D、P又はWであり、
d)X19が、S又はIであり、
e)X21が、Y、W、A、K又はHであり、
f)X22が、T又はVであり、
g)X24が、W又はKであり、そして、
h)X25が、W、T、I又はYである、請求項1に記載の単離されたフエントキシンI
V変異体。 - 配列番号277、278、192、279、280、又は3の前記アミノ酸配列を有す
る、請求項2に記載の単離されたフエントキシンIV変異体。 - a)X1が、K、R、H、D、Y、F、N、Q、S、T、G、L、I、P又はEであり
、
b)X2が、R、F、W、N、S又はLであり、
c)X3が、R、H、D、Y、N、Q、L、I、P又はEであり、
d)X5が、R、W、Q、S又はKであり、
e)X6が、R、E、Y、F、V又はAであり、
f)X7が、K、R、E、Y、F、S、V又はNであり、
g)X9が、R、F、Q、V又はSであり、
h)X10が、H、D、Y、W、Q、S、T、G、A、V、L、I、P又はNであり、
i)X12が、K、R、D、E、Y、W、N、T、A、L又はQであり、
j)X13が、R、Y、Q、S、T、G、L、I、P又はKであり、
k)X14が、K、R、Y、F、N、Q、G、A、V、L、I、P又はSであり、
l)X15が、R、H、D、Y、W、N、Q、T、V、I、P又はSであり、
m)X16が、R、H、D、F、W、N、Q、S、T、G、A、L又はKであり、
n)X17が、K、R、Y、F、W、P又はLであり、
o)X18が、K、R、T、A、L又はVであり、
p)X20が、K、W、G、A、I、R又はDであり、
q)X23が、K、H、W、N、G、A、L又はRであり、
r)X26が、K、R、Y、F、S、T、G、A、V、L、I又はQであり、
s)X27が、K、R、H、F、W、V、L、I、Gであるか又は欠失しており、そして
、
t)X28が、R、H、Y、F、W、N、G、V、P、Kであるか又は欠失している、請
求項2に記載の単離されたフエントキシンIV変異体。 - 前記フエントキシンIV変異体のヒトNav1.7に対するIC50が約160×10-9
M未満である、請求項4に記載の単離されたフエントキシンIV変異体。 - 前記フエントキシンIV変異体が配列番号3、4、5、6、7、8、9、10、11、
12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、2
5、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38
、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、
52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、6
5、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78
、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、
92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、
104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、
114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、
124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、
134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、
144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、
154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、
164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、
174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、
184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、
194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、
204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、
214、215、216、217、218、219、220、221、222、241、
242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、
252、253、277、278、279又は280の前記ポリペプチド配列を有する、
請求項5に記載の単離されたフエントキシンIV変異体。 - 配列:
X1CX2X3X4FX5X6CX7X8X9X10X11X12CCX13X14X15X16X17X18CX1
9X20X21X22X23X24CKX25X26IX27X28(配列番号265)を有する単離された
フエントキシンIV変異体であって、配列中、
a)X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14
、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、及びX26は、
任意のアミノ酸であり、
b)X27及びX28は任意のアミノ酸であるか又は欠失しており、そして
c)前記フエントキシンIV変異体が、配列番号1に示される配列を有するポリペプチ
ドではないという条件で、前記フエントキシンIV変異体がNav1.7を選択的に阻害
する、単離されたフエントキシンIV変異体。 - 前記フエントキシンIV変異体が、配列番号5、7、12、13、16、21、25、
45、46、48、55、57、58、60、61、72、74,76、78、82、8
3、96、109、111、113、122、127、131、134、137、141
、142、149、164、165、172、175、177、178、180、182
、188、189、192、198、202、204、213、215、219、223
、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233
、234、235、236、237、238、239又は240の前記ポリペプチド配列
を有する、請求項7に記載の単離されたフエントキシンIV変異体。 - 配列番号3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、
17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、3
0、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43
、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、
57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、7
0、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83
、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、
97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107
、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117
、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127
、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137
、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147
、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157
、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167
、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177
、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187
、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197
、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207
、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217
、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227
、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237
、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247
、248、249、250、251、252、253、277、278、279、280
、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290
、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300
、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310
、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320
、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330
、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340
、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350
、351、352、353、354又は355に示される前記ポリペプチド配列を有する
、単離されたフエントキシンIV変異体。 - 配列番号3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、
17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、3
0、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43
、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、
57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、7
0、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83
、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、
97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107
、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117
、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127
、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137
、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147
、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157
、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167
、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177
、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187
、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197
、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207
、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217
、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227
、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237
、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247
、248、249、250、251、252、253、277、278、279、280
、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290
、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300
、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310
、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320
、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330
、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340
、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350
、351、352、353、354又は355の前記フエントキシンIV変異体をコード
した単離されたポリヌクレオチド。 - 請求項10に記載の前記単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
- 請求項11に記載のベクターを含む宿主細胞。
- 請求項12に記載の前記宿主細胞を培養することと、前記宿主細胞による前記フエント
キシンIV変異体を回収することと、を含む、単離されたフエントキシンIV変異体を生
成する方法。 - 請求項9に記載の前記単離されたフエントキシンIV変異体及び薬学的に許容される賦
形剤を含む、医薬組成物。 - 被験対象の疼痛を治療する方法であって、疼痛を治療するために請求項9に記載の前記
フエントキシンIV変異体の有効量を前記被験対象に末梢投与することを含む、方法。 - 治療法に使用するための、請求項9に記載のフエントキシンIV変異体。
- Nav1.7介在性疼痛を緩和する方法であって、治療を要する被験対象に、前記Na
v1.7介在性疼痛を緩和するのに充分な時間にわたって、Nav1.7のペプチド阻害
剤の治療上の有効量を末梢投与することによる、方法。 - 前記Nav1.7介在性疼痛が、慢性痛、急性痛、神経因性疼痛、侵害受容性疼痛、内
臓痛、背部痛、術後痛、熱性疼痛、幻肢痛、又は、炎症状態、原発性皮膚紅痛症(PE)
、発作性激痛症(PEPD)、変形性関節症、関節リウマチ、腰椎椎間板切除、膵炎、線
維筋痛症、有痛性糖尿病性ニューロパチー(PDN)、帯状疱疹後ニューロパチー(PH
N)、三叉神経痛(TN)、脊髄損傷、若しくは多発性硬化症に伴う疼痛を含む、請求項
17に記載の方法。 - 前記被験対象がヒトである、請求項18に記載の方法。
- 前記Nav1.7のペプチド阻害剤が、関節、脊髄、手術創、傷害又は外傷の部位、末
梢神経線維、泌尿生殖器、又は炎症組織に局所投与される、請求項19に記載の方法。 - 前記Nav1.7のペプチド阻害剤が、ミニポンプを使用して投与される、請求項19
に記載の方法。 - 前記Nav1.7のペプチド阻害剤が、プロトキシンII(配列番号356)、フエン
トキシンIV(配列番号1)、プロトキシンII変異体、又はフエントキシンIV変異体
である、請求項19に記載の方法。 - 前記フエントキシンIV変異体が、配列番号3、4、5、6、7、8、9、10、11
、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、
25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、3
8、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51
、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、
65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、7
8、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91
、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103
、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113
、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123
、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133
、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143
、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153
、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163
、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173
、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183
、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193
、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203
、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213
、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223
、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233
、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243
、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253
、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286
、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296
、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306
、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316
、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326
、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336
、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346
、347、348、349、350、351、352、353、354又は355に示さ
れる前記ポリペプチド配列を有する、請求項22に記載の方法。
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