JP2019107016A - 少数バリアントの検出および定量のための方法マルチプレックス法 - Google Patents

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Abstract

【課題】少数バリアントの検出および定量のための方法マルチプレックス法を提供すること。【解決手段】本明細書において、低存在量バリアントおよび高存在量バリアントを有する複数の標的核酸種のバリアントの存在または非存在および量を検出するためのマルチプレックス方法が提供される。上記バリアントは単一ヌクレオチド多型(SNP)バリアントであり得、上記低存在量バリアントは低存在量対立遺伝子であり得、上記高存在量バリアントは高存在量対立遺伝子であり得る。上記低存在量バリアントは変異体対立遺伝子であり得、上記高存在量バリアントは上記対立遺伝子の野生型の対立遺伝子であり得る。【選択図】なし

Description

関連する特許出願
本特許出願は、米国仮出願第62/152,698号(2015年4月24日に出願され、MULTIPLEX METHODS FOR DETECTION AND QUANTIFICATION OF MINOR VARIANTSと題され、発明者としてAnders Nygrenが指名され、代理人ドケット番号AGB−6071−PVにより指定される)の利益を主張する。本特許出願は、国際特許出願第PCT/US2012/038710号(2012年5月18日に出願され、PRODUCTS AND PROCESSES FOR MULTIPLEX NUCLEIC ACID IDENTIFICATIONと題され、発明者としてChristiane Honisch, Dirk Johannes Van Den Boom, Michael MoskoおよびAnders Nygrenが指名される)の継続出願である、米国特許出願第13/551,486号(2012年7月17日に出願され、PRODUCTS AND PROCESSES FOR MULTIPLEX NUCLEIC ACID IDENTIFICATIONと題され、発明者としてChristiane Honisch, Dirk J. Van Den Boom, Michael MoskoおよびAnders Nygrenが指名され、代理人ドケット番号AGB−6020−CT2tにより指定される)に関連する。すべての文章、表および図面を含む先述の特許出願の内容全体が、参照によって本明細書中に組み込まれる。
分野
本技術は、一部、多数の標的核酸を1つの手順で検出することができる核酸同定手順に関する。本技術はまた、一部、核酸修飾の同定にも関する。
背景
特定の核酸の検出は、診断医学および分子生物学研究にとって重要なツールである。核酸アッセイは現在、例えば、細菌およびウイルスなどの感染性生物を同定することにおいて、正常な遺伝子の発現を探索してがん遺伝子などの変異体遺伝子を同定することにおいて、組織移植前に適合性で組織の型を決定することにおいて、法医学のために組織または血液試料を合致させることにおいて、ならびに異なる種の遺伝子間の相同性を分析するために役割を有する。
要旨
ある特定の態様において、複数の核酸種のバリアントの存在または非存在を検出するマルチプレックス方法であって、(a)それぞれの標的核酸種が、低存在量バリアントと高存在量バリアントとを含む、複数の標的核酸種またはその一部に由来する複数のアンプリコンを調製するステップを含むマルチプレックス方法が提供される。単一の反応においてアンプリコンを複数のオリゴヌクレオチド種にハイブリダイズさせ、それぞれのオリゴヌクレオチド種は、標的核酸種のアンプリコンに特異的に対応し、(i)オリゴヌクレオチド種は、標的核酸種の低存在量バリアントと高存在量バリアントの間で異なる単一塩基位置に対して5’の位置で、低存在量バリアントおよび高存在量バリアントに由来するアンプリコンにハイブリダイズし、(ii)単一塩基位置のヌクレオチドは、複数の標的核酸種の高存在量バリアントのそれぞれで同じであるかまたは異なり、(iii)単一塩基位置のヌクレオチドは、複数の標的核酸種の低存在量バリアントのそれぞれで同じであり、および(iv)複数の標的核酸種の高存在量バリアントの単一塩基位置のヌクレオチドのいずれも、複数の標的核酸種の低存在量バリアントの単一塩基位置のヌクレオチドと同じではなく、それによってハイブリダイズオリゴヌクレオチドを生成する。ハイブリダイズオリゴヌクレオチドに、低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドと、高存在量バリアントの1つまたは複数に対して特異的な1、2、または3つの停止ヌクレオチドとを含む伸長組成物を、伸長条件下で接触させ、(i)停止ヌクレオチドは捕捉剤を含み、(ii)高存在量バリアントに対して特異的な1、2、または3つの停止ヌクレオチドはそれぞれ、低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドの濃度と比較して0.1%〜30%の濃度であり、(iii)伸長条件は、多数の熱サイクルを含み、それによって複数の標的核酸種の低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドと、複数の標的核酸種の高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドとを生成する。伸長オリゴヌクレオチドに、捕捉剤が固相と相互作用する条件で固相を接触させ、それによって伸長オリゴヌクレオチドを固相上に捕捉し、固相は捕捉剤の結合パートナーを含み、上昇した温度条件で固相に競合剤を接触させることによって伸長オリゴヌクレオチドを放出し、競合剤は、固相と相互作用する捕捉剤の遊離形態を含む。放出された伸長オリゴヌクレオチドを検出し、それによって複数の核酸種のバリアントの存在または非存在を検出する。
同様に、ある特定の態様において、低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドが検出されないとき、偽陰性結果に対する陽性対照として、高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む1つまたは複数の伸長オリゴヌクレオチドを含む方法が提供される。
同様に、ある特定の態様において、低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドの濃度と、高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドの濃度との比率に基づく標準化を含む、それぞれの標的核酸種に関して、高存在量バリアントの量と比較して低存在量バリアントの量を決定する方法が提供される。
特定の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
複数の核酸種のバリアントの存在または非存在を検出するマルチプレックス方法であって、
(a)それぞれの標的核酸種が、低存在量バリアントと高存在量バリアントとを含む、複数の標的核酸種またはその一部に由来する複数のアンプリコンを調製するステップと、
(b)単一の反応において前記アンプリコンを複数のオリゴヌクレオチド種にハイブリダイズさせるステップであって、それぞれのオリゴヌクレオチド種が、標的核酸種のアンプリコンに特異的に対応し、(i)オリゴヌクレオチド種は、標的核酸種の前記低存在量バリアントと前記高存在量バリアントの間で異なる単一塩基位置に対して5’の位置で、前記標的核酸種の前記低存在量バリアントおよび前記高存在量バリアントに由来するアンプリコンにハイブリダイズし、(ii)前記単一塩基位置の前記ヌクレオチドは、前記複数の標的核酸種の前記高存在量バリアントのそれぞれに関して同じであるかまたは異なり、(iii)前記単一塩基位置の前記ヌクレオチドは、前記複数の標的核酸種の前記低存在量バリアントのそれぞれに関して同じであり、ならびに(iv)前記複数の標的核酸種の前記高存在量バリアントの前記単一塩基位置の前記ヌクレオチドのいずれも、前記複数の標的核酸種の前記低存在量バリアントの前記単一塩基位置のヌクレオチドと同じではなく、それによってハイブリダイズオリゴヌクレオチドを生成するステップと、
(c)前記ハイブリダイズオリゴヌクレオチドに、前記低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドと、前記高存在量バリアントの1つまたは複数に対して特異的な1、2、または3つの停止ヌクレオチドとを含む伸長組成物を、伸長条件で接触させるステップであって、(i)前記停止ヌクレオチドが捕捉剤を含み、(ii)1つまたは複数の高存在量バリアントに対して特異的な前記1、2、または3つの停止ヌクレオチドの濃度がそれぞれ、前記低存在量バリアントに対して特異的な前記停止ヌクレオチドの濃度と比較して0.1%から30%の濃度であり、(iii)前記伸長条件が、多数の熱サイクルを含み、それによって前記複数の標的核酸種の前記低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドと、前記複数の標的核酸種の前記高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドとを生成するステップと、
(d)前記伸長オリゴヌクレオチドに、前記捕捉剤が固相と相互作用する条件で固相を接触させ、それによって前記固相上で前記伸長オリゴヌクレオチドを捕捉するステップであって、前記固相が、(c)における前記捕捉剤の結合パートナーを含むステップと、
(e)上昇した温度条件で前記固相に競合剤を接触させることによって(d)における前記伸長オリゴヌクレオチドを放出するステップであって、前記競合剤が、(d)における前記固相と相互作用する前記捕捉剤の遊離形態を含むステップと、
(f)(e)において放出された前記伸長オリゴヌクレオチドを検出し、それによって前記複数の核酸種の前記バリアントの存在または非存在を検出するステップと、
を含むマルチプレックス方法。
(項目2)
前記バリアントが単一ヌクレオチド多型(SNP)バリアントであり、前記低存在量バリアントが低存在量対立遺伝子であり、前記高存在量バリアントが高存在量対立遺伝子である、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記低存在量バリアントが変異体対立遺伝子であり、前記高存在量バリアントが前記対立遺伝子の野生型の対立遺伝子である、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記低存在量バリアントが、1つまたは複数の挿入または欠失を有し、前記高存在量バリアントが、1つまたは複数の挿入または欠失を有しない、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記低存在量バリアントが、前記高存在量バリアントのコピー数の2%またはそれ未満であるコピー数で存在する、項目1から4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1つまたは複数の停止ヌクレオチドが、1つの停止ヌクレオチドからなる、項目1から5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1つまたは複数の停止ヌクレオチドが、2つの異なる停止ヌクレオチドからなる、項目1から5のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1つまたは複数の停止ヌクレオチドが、3つの異なる停止ヌクレオチドからなる、項目1から5のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記停止ヌクレオチドが、独立してddATP、ddGTP、ddCTP、ddTTP、およびddUTPから選択される、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記停止ヌクレオチドが1つまたは複数の非環式停止剤を含む、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1、2、または3つの停止ヌクレオチドのそれぞれの濃度が、前記低存在量バリアントの前記特異的停止ヌクレオチドの濃度と比較して0.5%から10%の濃度である、項目1から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1、2、または3つの停止ヌクレオチドのそれぞれの濃度が、前記低存在量バリアントの前記特異的停止ヌクレオチドの濃度と比較して1%から2%の濃度である、項目1から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
それぞれの核酸種に関して、前記低存在量バリアントおよび前記高存在量バリアントの総コピー数が、少なくとも約1000コピーであり、前記低存在量バリアントが前記総コピー数の0.1%に相当する、項目1から12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
(a)において産生された前記アンプリコンを、前記アンプリコンに組み込まれていない任意のヌクレオチドから末端のホスフェートを除去する作用剤に接触させる、項目1から13のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
前記末端のホスフェートが溶液にホスファターゼを接触させることによって除去される、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記ホスファターゼがアルカリホスファターゼである、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記アルカリホスファターゼが、エビのアルカリホスファターゼである、実施形態A13に記載の方法。
(項目18)
前記複数の標的核酸種が、10個またはそれ超の標的核酸種である、項目1から17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記複数の標的核酸種が、20個またはそれ超の標的核酸種である、項目1から17のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
(a)における前記伸長条件が、30から45回のサイクリングを含む、項目1から19のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
(c)における前記伸長条件が、20から300回のサイクリングを含む、項目1から20のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
(c)における前記伸長条件が、少なくとも50回のサイクリングを含む、項目1から20のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
前記捕捉剤が、アビジン、アビジンの類似体、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンの類似体、ビオチン、またはビオチンの類似体を含む、項目1から22のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
前記結合パートナーが、アビジン、アビジンの類似体、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンの類似体、ビオチン、またはビオチンの類似体からなる群から選択される、項目1から23のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記捕捉剤がビオチンを含み、前記固相がストレプトアビジンを含み、および前記競合剤が遊離のビオチンを含む、項目1から24のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
前記上昇温度条件が約80℃から約100℃である、項目1から25のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
前記上昇温度条件が約1分間から約10分間の処置を含む、項目1から26のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
前記上昇温度条件が約90℃で約5分間の処置を含む、項目1から27のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
前記競合剤が、約10μg/mlから約100μg/mlの濃度である、項目1から28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
前記競合剤が、濃度約25μg/mlの遊離のビオチンまたは遊離のビオチン類似体である、項目29に記載の方法。
(項目31)
低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドの検出の非存在下において、高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドの検出が、偽陰性結果に対する陽性対照を提供する、項目1から30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
それぞれの伸長オリゴヌクレオチドが検出可能な標識を含む、項目1から31のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記停止ヌクレオチドが前記検出可能な標識を含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記検出可能な標識が蛍光標識である、項目32に記載の方法。
(項目35)
停止ヌクレオチドが前記蛍光標識を含む、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記検出可能な標識が質量標識である、項目32に記載の方法。
(項目37)
前記質量標識が、アンプリコンにハイブリダイズするオリゴヌクレオチド種の領域の5’に位置する質量識別可能なタグであるか、または前記停止ヌクレオチドが前記質量識別可能なタグを含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記伸長オリゴヌクレオチドの捕捉後に前記固相を洗浄するステップを含む、項目36または37に記載の方法。
(項目39)
前記洗浄するステップが、質量分析による分析において妨害性の付加物を産生する塩を除去する、項目38に記載の方法。
(項目40)
伸長オリゴヌクレオチドがイオン交換樹脂に接触されない、項目36から39のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
検出が、質量分析によって行われる、項目1から33および36から40のいずれか一項に記載の方法。
(項目42)
低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドの濃度と、高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドの濃度の比率に基づく標準化を含む、それぞれの標的核酸種の高存在量バリアントの量と比較した、低存在量バリアントの量を決定するステップをさらに含む、項目1から41のいずれか一項に記載の方法。
(項目43)
複数の核酸種のバリアントの存在または非存在および量を検出するマルチプレックス方法であって、
(a)それぞれの標的核酸種が、低存在量バリアントと高存在量バリアントとを含む、複数の標的核酸種またはその一部に由来する複数のアンプリコンを調製するステップと、
(b)単一の反応において前記アンプリコンを複数のオリゴヌクレオチド種にハイブリダイズさせるステップであって、それぞれのオリゴヌクレオチド種が、標的核酸種のアンプリコンに特異的に対応し、(i)オリゴヌクレオチド種は、標的核酸種の前記低存在量バリアントと前記高存在量バリアントの間で異なる単一塩基位置に対して5’の位置で、標的核酸種の前記低存在量バリアントおよび前記高存在量バリアントに由来するアンプリコンにハイブリダイズし、(ii)前記単一塩基位置の前記ヌクレオチドは、前記複数の標的核酸種の前記高存在量バリアントのそれぞれに関して同じであるかまたは異なり、(iii)前記単一塩基位置の前記ヌクレオチドは、前記複数の標的核酸種の前記低存在量バリアントのそれぞれに関して同じであり、および(iv)前記複数の標的核酸種の前記高存在量バリアントの前記単一塩基位置の前記ヌクレオチドのいずれも、前記複数の標的核酸種の前記低存在量バリアントの前記単一塩基位置の前記ヌクレオチドと同じではなく、それによってハイブリダイズオリゴヌクレオチドを生成するステップと、
(c)前記ハイブリダイズオリゴヌクレオチドに、前記低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドと、前記高存在量バリアントの1つまたは複数に対して特異的な1、2、または3つの停止ヌクレオチドとを含む伸長組成物を、伸長条件で接触させるステップであって、(i)前記停止ヌクレオチドが捕捉剤を含み、(ii)1つまたは複数の高存在量バリアントに対して特異的な前記1、2、または3つの停止ヌクレオチドの濃度がそれぞれ、前記低存在量バリアントに対して特異的な前記停止ヌクレオチドの濃度と比較して0.1%から30%の濃度であり、(iii)前記伸長条件が、多数の熱サイクルを含み、それによって前記複数の標的核酸種の前記低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドと、前記複数の標的核酸種の前記高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドとを生成するステップと、
(d)前記伸長オリゴヌクレオチドに、前記捕捉剤が固相と相互作用する条件で固相を接触させ、それによって前記固相上で前記伸長オリゴヌクレオチドを捕捉するステップであって、前記固相が、(c)における前記捕捉剤の結合パートナーを含むステップと、
(e)上昇した温度条件で前記固相に競合剤を接触させることによって、(d)における前記伸長オリゴヌクレオチドを放出するステップであって、前記競合剤が、(d)における前記固相と相互作用する前記捕捉剤の遊離型を含むステップと、
(f)(e)において放出された前記伸長オリゴヌクレオチドを検出し、それによって前記複数の核酸種の前記バリアントの存在または非存在を検出するステップと、
(g)(f)において存在すると検出された前記複数の核酸種のバリアントに関して、それぞれの標的核酸種の前記高存在量バリアントの量と比較して、前記低存在量バリアントの量を決定するステップと、
を含むマルチプレックス方法。
(項目44)
前記バリアントが単一ヌクレオチド多型(SNP)バリアントであり、前記低存在量バリアントが低存在量対立遺伝子であり、前記高存在量バリアントが高存在量対立遺伝子である、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記低存在量バリアントが変異体対立遺伝子であり、前記高存在量バリアントが対立遺伝子の野生型である、項目43に記載の方法。
(項目46)
前記低存在量バリアントが、1つまたは複数の挿入または欠失を有し、前記高存在量バリアントが、1つまたは複数の挿入または欠失を有しない、項目43に記載の方法。
(項目47)
前記低存在量バリアントが、前記高存在量バリアントのコピー数の2%またはそれ未満であるコピー数で存在する、項目43から47のいずれか一項に記載の方法。
(項目48)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1つまたは複数の停止ヌクレオチドが、1つの停止ヌクレオチドからなる、項目43から47のいずれか一項に記載の方法。
(項目49)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1つまたは複数の停止ヌクレオチドが、2つの異なる停止ヌクレオチドからなる、項目43から47のいずれか一項に記載の方法。
(項目50)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1つまたは複数の停止ヌクレオチドが、3つの異なる停止ヌクレオチドからなる、項目43から47のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
前記停止ヌクレオチドが、独立してddATP、ddGTP、ddCTP、ddTTP、およびddUTPから選択される、項目43から50のいずれか一項に記載の方法。
(項目52)
前記停止ヌクレオチドが1つまたは複数の非環式停止剤を含む、項目43から50のいずれか一項に記載の方法。
(項目53)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1、2、または3つの停止ヌクレオチドのそれぞれの濃度が、前記低存在量バリアントの前記特異的停止ヌクレオチドの濃度と比較して0.5%から10%の濃度である、項目43から52のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1、2、または3つの停止ヌクレオチドのそれぞれの濃度が、前記低存在量バリアントの前記特異的停止ヌクレオチドの濃度と比較して1%から2%の濃度である、項目43から52のいずれか一項に記載の方法。
(項目55)
それぞれの核酸種に関して、前記低存在量バリアントおよび前記高存在量バリアントの総コピー数が、少なくとも約1000コピーであり、前記低存在量バリアントが前記総コピー数の0.1%に相当する、項目43から54のいずれか一項に記載の方法。
(項目56)
(a)において産生されたアンプリコンを、アンプリコンに組み込まれていない任意のヌクレオチドから末端のホスフェートを除去する作用剤に接触させる、項目43から55のいずれか一項に記載の方法。
(項目57)
前記末端のホスフェートが溶液にホスファターゼを接触させることによって除去される、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記ホスファターゼがアルカリホスファターゼである、項目57に記載の方法。
(項目59)
前記アルカリホスファターゼが、エビのアルカリホスファターゼである、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記複数の標的核酸種が、10個またはそれ超の標的核酸種である、項目43から59のいずれか一項に記載の方法。
(項目61)
前記複数の標的核酸種が、20個またはそれ超の標的核酸種である、項目43から59のいずれか一項に記載の方法。
(項目62)
(a)における前記伸長条件が、30から45回のサイクリングを含む、項目43から61のいずれか一項に記載の方法。
(項目63)
(c)における前記伸長条件が、20から300回のサイクリングを含む、項目43から62のいずれか一項に記載の方法。
(項目64)
(c)における前記伸長条件が、少なくとも50回のサイクリングを含む、項目43から62のいずれか一項に記載の方法。
(項目65)
前記捕捉剤が、アビジン、アビジンの類似体、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンの類似体、ビオチン、またはビオチンの類似体を含む、項目43から64のいずれか一項に記載の方法。
(項目66)
前記結合パートナーが、アビジン、アビジンの類似体、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンの類似体、ビオチン、またはビオチンの類似体からなる群から選択される、項目43から65のいずれか一項に記載の方法。
(項目67)
前記捕捉剤がビオチンを含み、前記固相がストレプトアビジンを含み、および前記競合剤が遊離のビオチンを含む、項目43から66のいずれか一項に記載の方法。
(項目68)
前記上昇温度条件が約80℃から約100℃である、項目43から67のいずれか一項に記載の方法。
(項目69)
前記上昇温度条件が約1分間から約10分間の処置を含む、項目43から68のいずれか一項に記載の方法。
(項目70)
前記上昇温度条件が約90℃で約5分間の処置を含む、項目43から69のいずれか一項に記載の方法。
(項目71)
前記競合剤が、約10μg/mlから約100μg/mlの濃度である、項目43から70のいずれか一項に記載の方法。
(項目72)
前記競合剤が、濃度約25μg/mlの遊離のビオチンまたは遊離のビオチン類似体である、項目71に記載の方法。
(項目73)
低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドの検出の非存在下において、高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドの検出が、偽陰性結果に対する陽性対照を提供する、項目43から72のいずれか一項に記載の方法。
(項目74)
それぞれの伸長オリゴヌクレオチドが検出可能な標識を含む、項目43から73のいずれか一項に記載の方法。
(項目75)
停止ヌクレオチドが前記検出可能な標識を含む、項目74に記載の方法。
(項目76)
前記検出可能な標識が蛍光標識である、項目74に記載の方法。
(項目77)
停止ヌクレオチドが前記蛍光標識を含む、項目76に記載の方法。
(項目78)
前記検出可能な標識が質量標識である、項目74に記載の方法。
(項目79)
前記質量標識が、アンプリコンにハイブリダイズするオリゴヌクレオチド種の領域の5’に位置する質量識別可能なタグであるか、または前記停止ヌクレオチドが質量識別可能なタグを含む、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記伸長オリゴヌクレオチドの捕捉後に前記固相を洗浄するステップを含む、項目78または79に記載の方法。
(項目81)
前記洗浄するステップが、質量分析による分析において妨害性の付加物を産生する塩を除去する、項目80に記載の方法。
(項目82)
伸長オリゴヌクレオチドがイオン交換樹脂に接触されない、項目78から81のいずれか一項に記載の方法。
(項目83)
検出が、質量分析によって行われる、項目43から75および78から82のいずれか一項に記載の方法。
(項目84)
それぞれの標的核酸種の高存在量バリアントの量と比較して低存在量バリアントの量を決定するステップが、前記低存在量バリアントに対して特異的な前記停止ヌクレオチドの濃度と、前記高存在量バリアントに対して特異的な前記停止ヌクレオチドの濃度の比率に基づく標準化を含む、項目43から83のいずれか一項に記載の方法。
ある特定の実施形態を、以下の説明、実施例、特許請求の範囲、および図面においてさらに説明する。
図面は、本技術についてのある特定の実施形態を例示するものであり、限定するものではない。明確にするため、かつ例示しやすくするため、図面は縮尺通りに作成されてはおらず、一部の例では、特定の実施形態についての理解を促すため、各種態様が誇張または拡大されて示される場合がある。
図1は、複数の核酸種のバリアントの存在または非存在を検出するためのマルチプレックス方法についての実施形態の概略図を示す。マルチプレックスPCRの後に単一塩基伸長反応を行う。伸長反応は、一方はより高存在量のバリアント(大量バリアント)を標的とし、他方はより低存在量のバリアント(少量バリアント)を標的とする、最低2種類の鎖停止ヌクレオチドからなる。複数の標的核酸種の大量バリアントおよび少量バリアントが伸長される(図示しない)マルチプレックス反応において、可能性のある全ての塩基の組合せを標的とする鎖停止ヌクレオチドを最大4種類使用することができる(低存在量バリアントに対する単一の停止ヌクレオチド、および高存在量バリアントに対する、1、2または3種の別個の停止ヌクレオチド)。大量バリアントを標的とする鎖停止剤の濃度は、少量バリアントを標的とする鎖停止剤の濃度より低い濃度(少量バリアントに対する鎖停止剤濃度のおよそ0.5%〜10%)で与えられる。伸長反応では、固相捕捉のための部分で標識された特異的な鎖停止剤を利用する。捕捉および洗浄後、溶出産物が質量について調べられ、MALDI−TOF質量分析を使用して標的核酸種の大量バリアントおよび少量バリアントが同定され特徴付けられる。大量バリアント(野生型)シグナルに対する少量バリアント(変異体)シグナルの割合または比率を表す値を正規化することにより、定量化が可能になる。
詳細な説明
本明細書において記載される複数の標的核酸の存在または非存在を決定する方法は、当該技術分野における当業者(本明細書において以降、「当業者」と呼ぶ)にとって多数の用途を有する。そのような方法は、例えば、(a)特定の標的配列(例えば遺伝子バリエーションを含む標的配列)が試料中に存在するか否かを迅速に決定するため、(b)混合物分析を実施するため、例えば混合物および/もしくはその組成を同定する、または混合物(例えば、混合集団、疑似種)中の標的配列の頻度を決定するため、(c)試料中の配列バリエーション(例えば、変異、単一ヌクレオチド多型)を検出するため、(d)一倍体の遺伝子型決定を実施するため、(e)微生物(例えば、病原体)の型決定を実施するため、(f)試料中の微生物標的配列の存在または非存在を検出するため、(g)疾患マーカーを同定するため、(h)マイクロサテライトを検出するため、(i)短いタンデム反復配列を同定するため、(j)生物または複数の生物を同定するため、(k)対立遺伝子バリエーションを検出するため、(l)対立遺伝子頻度を決定するため、(m)メチル化パターンを決定するため、(n)エピジェネティック決定を実施するため、(o)生体分子の領域を再シークエンシングするため、(p)ヒト臨床研究および医学において分析を実施するため(例えば、がんマーカーの検出、配列バリエーションの検出、特定の薬物投与にとって好都合または不都合な配列シグネチャーの検出)、(q)HLA型決定を実施するため、(r)法医学分析を実施するため、(s)ワクチンの品質管理分析を実施するため、(t)処置をモニターするため、(u)ベクターが何かの分析を実施するため、(v)ワクチンまたは産生株の品質管理を実施するため、および(w)株が何かを試験するため、(x)植物、に利用することができる。そのような方法はまた、例えば商業、教育、医学、農業、環境、疾患モニタリング、防衛、および法医学分野を含むがこれらに限定されるわけではない多様な分野で利用されうる。
本明細書において記載される方法は、高濃度の標的核酸種の低存在量バリアント(少量バリアント)の伸長に特異的な鎖停止剤と共に、低濃度の標的核酸種の高存在量バリアント(大量バリアント)の伸長に特異的な鎖停止剤を提供する。このため、本明細書において記載される方法は、偽陰性結果に対する陽性対照を提供し、低存在量バリアントの定量を可能にし、低存在量バリアント(少量バリアント)の存在または非存在の検出に関して高い感度を有する。同じ鎖停止剤が標的核酸種のそれぞれの低存在量バリアント(少量バリアント)を特異的に伸長させることができる、複数の標的核酸種をグループ分けすることによって、マルチプレックス化が可能となる。
一部の実施形態では、それぞれが、低存在量バリアントおよび高存在量バリアントを有する、複数の核酸種のバリアントの存在または非存在を検出するマルチプレックス方法であって、増幅反応と、低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドと高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドとが得られる伸長反応と、伸長オリゴヌクレオチドの捕捉および放出と、伸長オリゴヌクレオチドの検出とを含むマルチプレックス方法が提供される(図1を参照されたい)。一部の実施形態では、偽陰性結果に対する陽性対照が提供される。一部の実施形態では、低存在量バリアントの定量方法が提供される。
標的核酸
本明細書において使用される用語「核酸」は、天然の核酸(例えば、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA))、合成核酸、非天然核酸(例えば、ペプチド核酸(PNA))、非修飾核酸、修飾核酸(例えば、メチル化DNAまたはRNA、標識DNAまたはRNA、1つまたは複数の修飾ヌクレオチドを有するDNAまたはRNA)を含むがこれらに限定されるわけではない、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを指す。核酸を「ポリヌクレオチド」と呼ぶことは、共有結合によって連結された2つまたはそれ超のヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を指す。核酸は、本明細書において記載されるプロセスと共に使用するために適した任意のタイプの核酸でありうる。ある特定の実施形態では、核酸は、DNA(例えば、相補的DNA(cDNA)、ゲノムDNA(gDNA)、プラスミドおよびベクターDNAなど)、RNA(例えば、ウイルスRNA、メッセンジャーRNA(mRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、リボソームRNA(rRNA)、tRNAなど)、および/またはDNAもしくはRNA類似体(例えば、塩基類似体、糖類似体、および/または非ネイティブ骨格などを含有する)でありうる。核酸は、本明細書におけるプロセスを行うために有用な任意の形態(例えば、線形、環状、スーパーコイル、一本鎖、二本鎖など)でありうる。核酸は、ある特定の実施形態では、プラスミド、ファージ、自律複製配列(ARS)、セントロメア、人工染色体、染色体、細胞、細胞核、もしくは細胞の細胞質であってもよく、またはそれらに由来してもよい。一部の実施形態では、核酸は、単一の染色体(例えば、核酸試料は、二倍体生物から得た試料の1つの染色体に由来しうる)に由来する。胎児核酸の場合、核酸は、父親の対立遺伝子、母親の対立遺伝子、または母親と父親の対立遺伝子に由来しうる。
本明細書において標的核酸、アンプリコン、プライマー、配列タグ、ポリヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドに関連して使用される用語「種」は、ヌクレオチド配列を整列させたときに、別の核酸のヌクレオチド配列とは1つまたは複数のヌクレオチドが異なるヌクレオチド配列を有する1つの核酸を指す。このため、第1の核酸種は、整列させたときに2つの種の配列が1つまたは複数のヌクレオチド(例えば、約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、または100ヌクレオチド超の差)が異なるとき、第2の核酸種と異なる。ある特定の実施形態では、標的核酸種、アンプリコン種、または伸長オリゴヌクレオチド種などの核酸種の数は、約2〜約10000核酸種、約2〜約1000核酸種、約2〜約500核酸種、または時に約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000または10000核酸種を含むがこれらに限定されるわけではない。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド種は、核酸鋳型(例えば、アンプリコン)にハイブリダイズし、それによって二本鎖核酸を形成し、鋳型にハイブリダイズしたオリゴヌクレオチド種を、本明細書においてハイブリダイズオリゴヌクレオチド種と呼ぶ。一部の実施形態では、ハイブリダイズオリゴヌクレオチド種は、鋳型にハイブリダイズしない1つまたは複数のヌクレオチドを含みうる。例えば、ハイブリダイズオリゴヌクレオチド種は、1つまたは複数のミスマッチヌクレオチド(例えば、非相補的ヌクレオチド)、ならびに時にハイブリダイズしないヌクレオチドの5’および/または3’領域を含みうる。一部の実施形態では、ハイブリダイズオリゴヌクレオチド種は、タグ(例えば、質量識別可能なタグ、配列タグ、光放射タグ、または放射活性タグ)を含む。一部の実施形態では、ハイブリダイズオリゴヌクレオチド種は、捕捉剤(例えば、ビオチン、または結合対の任意のメンバー)を含む。一部の実施形態では、ハイブリダイズオリゴヌクレオチド種は、停止ヌクレオチドを含む。
本明細書において使用される用語「ヌクレオチド」は、天然および非天然ヌクレオチドを指す。ヌクレオチドは、天然に存在するヌクレオシド一、二、および三リン酸;デオキシアデノシン一、二、および三リン酸;デオキシグアノシン一、二、および三リン酸;デオキシチミジン一、二、および三リン酸;デオキシシチジン一、二、および三リン酸;デオキシウリジン一、二、および三リン酸;ならびにデオキシイノシン一、二、および三リン酸(本明細書においてそれぞれ、dA、dG、dT、dC、dU、およびdI、またはA、G、T、C、U、およびIと呼ぶ)を含むがこれらに限定されるわけではない。ヌクレオチドはまた、修飾ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体を含むがこれらに限定されるわけではない。修飾ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体には、デアザプリンヌクレオチド、例えば7−デアザ−デオキシグアノシン(7−デアザ−dG)、および7−デアザ−デオキシアデノシン(7−デアザ−dA)一、二、および三リン酸、デューテロ−デオキシチミジン(デューテロ−dT)一、二、および三リン酸、メチル化ヌクレオチド、例えば5−メチルデオキシシチジン三リン酸、13C/15N標識ヌクレオチド、ならびにデオキシイノシン一、二、および三リン酸が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。修飾ヌクレオチド、同位体濃縮ヌクレオチド、枯渇ヌクレオチド、タグ付けおよび標識ヌクレオチド、ならびにヌクレオチド類似体は、官能性および結合位置の多様な組合せを使用して得ることができる。
本明細書において核酸に関連して使用される用語「組成物」は、1つまたは複数の核酸を含む有形の項目を指す。時に組成物は、ある起源から抽出された試料であるが、同様にその起源の全ての試料の組成物であり、時に、1つまたは複数の核酸の起源である。組成物は、核酸を含みうる。一部の実施形態では、組成物はゲノムDNAを含みうる。一部の実施形態では、組成物は、母親のDNA、胎児DNA、または母親と胎児DNAの混合物を含みうる。一部の実施形態では、組成物は、ゲノムDNAの断片を含みうる。一部の実施形態では、組成物は、ウイルス、細菌、酵母、真菌、哺乳動物またはその混合物に由来する核酸を含みうる。
核酸試料は1つまたは複数の起源に由来しうる。試料は、例えば、生物、鉱物、または地理学上の場所(例えば、土壌、岩、鉱床、化石)、または法医学上の場所(例えば、犯罪現場、密売品、または疑われる密売品)から収集してもよい。このように、起源は、地理的、農業、戦場、または土壌起源などの環境でありうる。起源はまた、任意のタイプの生物、例えば任意の植物、真菌、原生生物、モネラ界生物、ウイルス、またはヒト、非ヒト、哺乳動物、は虫類、畜牛、ネコ、イヌ、ヤギ、ブタ(swine)、ブタ(pig)、サル、類人猿、ゴリラ、雄牛、ウシ、クマ、ウマ、ヒツジ、家禽、マウス、ラット、魚、イルカ、クジラ、およびサメを含むがこれらに限定されるわけではない動物、または検出可能な核酸を有しうる任意の動物もしくは生物に由来しうる。起源はまた、生物の異なる部分、例えば内部部分、外部部分、生存または非生存細胞、組織、液体なども指しうる。したがって、試料は、「生物試料」であってもよく、これは生きている起源またはこれまで生きていた起源、例えばヒトまたは他の哺乳動物などの動物、植物、細菌、真菌、原生生物、またはウイルスから得た任意の材料を指す。起源は、固体材料、例えば組織、細胞、細胞沈降物、細胞抽出物、もしくは生検、または体液、例えば尿、血液、唾液、羊水、感染症もしくは炎症領域からの滲出物、または口腔細胞を含有するマウスウォッシュ、毛髪、脳脊髄液、および滑液、ならびに臓器を含むがこれらに限定されるわけではない任意の形態でありうる。試料はまた、試料のそれぞれが同じまたは異なる起源に由来する、別の試料と比較して異なる時点で単離されてもよい。核酸は、核酸ライブラリー、例えばcDNAまたはRNAライブラリーに由来しうる。核酸は、試料からの核酸分子の核酸精製、または単離、および/または増幅の結果でありうる。本明細書において記載される配列分析プロセスのために提供される核酸は、1つの試料からまたは2つもしくはそれ超の試料(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、50、75、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000個またはそれ超の試料)からの核酸を含有しうる。
核酸は多様な方法で処置されうる。例えば、核酸は、大きさを低減させてもよく(例えば、剪断、ヌクレアーゼまたは制限酵素による消化、脱リン酸化、脱メチル化)、大きさを増加させてもよく(例えば、リン酸化、メチル化特異的試薬との反応、検出可能な標識との結合)、核酸切断の阻害剤による処置などを行ってもよい。
核酸は、ある特定の実施形態では、プロセシングを受けることなく、本明細書において記載される方法を行うために提供されうる。一部の実施形態では、核酸は、プロセシング後、本明細書において記載される方法を行うために提供される。例えば、核酸は、試料から抽出、単離、精製、または増幅されてもよい。本明細書において使用される用語「単離された」とは、その当初の環境(例えば、それが天然に存在する場合には天然の環境、または外因性に発現される場合には宿主細胞)から除去されている核酸を指し、このため、その当初の環境から「ヒトの手によって」変更されている。単離核酸は一般的に、起源試料に存在する成分の量より少ない非核酸成分(例えば、タンパク質、脂質)を有する。単離核酸を含む組成物は、実質的に単離されうる(例えば、非核酸成分を約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%超含まない)。本明細書において使用される用語「精製された」は、核酸が由来する試料起源におけるより少ない核酸種を含有することを条件とする核酸を指す。核酸を含む組成物は、実質的に精製されうる(例えば、他の核酸種を約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%超含まない)。
核酸は、ある特定の実施形態では、本明細書において記載されるプロセスのために核酸を提供する前に、核酸断片を生成する方法によってプロセシングされうる。一部の実施形態では、断片化または切断に供される核酸は、名目上の、平均、または算術平均の長さ約5〜約10,000塩基対、約100〜約1,00塩基対、約100〜約500塩基対、または約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000もしくは10000塩基対を有しうる。断片は、当技術分野で公知の任意の適した方法によって生成することができ、核酸断片の平均、算術平均または名目上の長さは、適切な断片生成手順を選択することによって制御することができる。ある特定の実施形態では、相対的に長さの短い核酸を利用して、小さい配列バリエーションを含有するおよび/または相対的に多量の公知のヌクレオチド配列情報を含有する配列を分析することができる。一部の実施形態では、相対的に長さの長い核酸を利用して、より大きい配列バリエーションを含有する、および/または相対的に少量の未知のヌクレオチド配列情報を含有する配列を分析することができる。
本明細書において使用される用語「標的核酸」、または「標的核酸種」は、試料中の目的の任意の核酸種を指す。標的核酸は、(i)2つまたはそれ超の起こりうる対立遺伝子の中の特定の対立遺伝子、および(ii)特定の変異、ヌクレオチド置換、配列バリエーション、反復配列、マーカー、または識別配列を有するまたは有しない核酸を含むがこれらに限定されるわけではない。本明細書において使用される用語「異なる標的核酸」は、1つまたは複数の特徴が異なる核酸種を指す。本明細書において使用される用語「遺伝子バリエーション」は、1つまたは複数の特徴が異なる核酸種を指す。本明細書において使用される用語「バリアント」は、1つまたは複数の特徴が異なる核酸種を指す。特徴には、1つまたは複数のメチル基またはメチル化状態、1つまたは複数のホスフェート、1つまたは複数のアセチル基、および1つまたは複数のヌクレオチドの1つまたは複数の欠失、付加、または置換が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。1つまたは複数のヌクレオチドの1つまたは複数の欠失、付加、または置換の例には、特定の変異の存在または非存在、ヌクレオチド置換(例えば、単一ヌクレオチド多型(SNP))の存在または非存在、反復配列(例えば、ジ、トリ、テトラ、ペンタヌクレオチド反復)の存在または非存在、マーカー(例えば、マイクロサテライト)の存在または非存在、および識別配列(例えば、1種の生物を別の生物と識別する配列(例えば、1種のウイルス株を別のウイルス株と識別する配列))の存在または非存在が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。異なる標的核酸は、任意の公知の方法によって、例えば本明細書において記載される、質量、結合、識別可能なタグなどによって識別されうる。
一部の実施形態では、1つのバリアントは、他のバリアントより存在量が高いことがある。一部の実施形態では、量が最も多いバリアントを野生型バリアントと呼ぶ。一部の実施形態では、標的核酸種は、第2のバリアントがより高い存在量で表される(より多くの鋳型が存在する)第1と第2のバリアント、すなわち、高存在量バリアントと低存在量バリアント、または大量バリアントと少量バリアントを含む。より高い存在量で表されるバリアントは一般的に別のバリアントと比較するとき、より高濃度で存在するか、またはより多数の分子(例えば、コピー)で表される。より高濃度は、2倍またはそれ超でありうる。一部の実施形態では、より高濃度は10倍またはそれ超である。一部の実施形態では、より高濃度は100倍、1000倍、または10000倍またはそれ超である。一部の実施形態では、第2のバリアントは、野生型配列に相当し、第1のバリアントの100倍またはそれ超の濃度で存在する。一部の実施形態では、第1のバリアントが標的核酸種の少ない方に相当する場合、第1のバリアント(低存在量バリアント)は、第2のバリアント(例えば、野生型の高存在量バリアント)よりかなり低い濃度で表される。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法は、標的核酸種の30%、20%、15%、10%、8%、5%、4%、3%、2%、1%、0.8%、0.75%、0.5%、0.1%、0.05%、0.01%未満、またはそれ未満に相当する低存在量バリアントの存在または非存在を検出するために使用することができる。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法は、標的核酸種の約5%〜0.75%の間に相当する低存在量バリアントの存在または非存在を検出するために使用することができる。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法は、アッセイされる総核酸の30%、20%、15%、10%、8%、5%、4%、3%、2%、1%、0.8%、0.75%、0.5%、0.1%、0.05%、0.01%未満、またはそれ未満に相当する低存在量バリアントの存在または非存在を検出するために使用することができる。一部の実施形態では、低存在量バリアントは、高存在量バリアントのコピー数と比較して約1%または約2%〜10%未満のコピー数で存在する。一部の実施形態では、低存在量バリアントは、高存在量バリアントのコピーの2%またはそれ未満のコピー数で存在する。一部の実施形態では、それぞれの標的核酸種に関して、低存在量バリアントと高存在量バリアントの総コピー数は、少なくとも約1000コピー(分子)であり、低存在量バリアントは総コピー数の0.1%に相当する。
本明細書において使用される用語「複数の標的核酸」または「複数の標的核酸種」は、1つ超の標的核酸種を指す。複数の標的核酸は、ある特定の実施形態では、約2〜約10000核酸種、約2〜約1000核酸種、約2〜約500核酸種、または時に約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000または10000核酸種でありうる。ある特定の実施形態では、約50またはそれ超の標的核酸種の存在または非存在が、本明細書において記載される方法によって検出される。一部の実施形態では、約100もしくはそれ超、150もしくはそれ超、200もしくはそれ超、250もしくはそれ超、300もしくはそれ超、325もしくはそれ超、350もしくはそれ超、375もしくはそれ超、400もしくはそれ超、425もしくはそれ超、450もしくはそれ超、475もしくはそれ超、または500もしくはそれ超の標的核酸が検出される。一部の実施形態では、約2〜500標的核酸種(例えば、約5、10、25、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450の標的核酸種)の存在、非存在、または量が、本明細書において記載される方法によって検出される。標的核酸種は、ある特定の実施形態では、ゲノムDNA(例えば、ヒト、微生物、ウイルス、真菌、または植物ゲノムDNA、任意の真核生物または原核生物核酸(RNAおよびDNA))である。
核酸の検出または同定によって、標的の検出が得られ、これは特定の変異、配列バリエーション(変異または多型)、または遺伝子バリエーション(例えば、配列バリエーション、配列の差または多型)の存在または非存在を示すことができる。複数の標的核酸において、同じまたは異なる標的核酸の検出が得られうる。複数の標的核酸はまた、定量的におよび同定に関して定性的に同定されうる。同様に、以下のマルチプレックス化も参照されたい。
増幅および伸長
核酸(例えば、標的核酸)を、ある特定の実施形態では増幅することができる。本明細書において使用される用語「増幅する」およびその文法的変化形は、鋳型核酸のコピーを生成するプロセスを指す。例えば、核酸鋳型を、鋳型または鋳型の一部のヌクレオチド配列と同じまたは実質的に同じヌクレオチド配列を有する2つまたはそれ超の核酸アンプリコン(コピー)を線形または指数的に生成するプロセスに供してもよい。核酸増幅はしばしば特異的(例えば、アンプリコンは同じまたは実質的に同じ配列を有する)であるが、ある特定の実施形態では、非特異的でありうる(例えば、アンプリコンは異なる配列を有する)。核酸増幅は時に、試料中に存在する標的配列の量が少ないときに有益である。標的配列を増幅して、合成されたアンプリコンを検出することによって、標的核酸の検出のためにアッセイの最初に必要な標的配列がより少なくて済むことから、アッセイの感度を改善することができる。標的核酸は時に、ある特定の実施形態では、伸長オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする前に増幅されない。
増幅条件は公知であり、増幅される特定の核酸に対して選択することができる。増幅条件は、その一部がヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド三リン酸)、修飾ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド(例えば、ポリメラーゼに基づく増幅のためのプライマーオリゴヌクレオチドおよびリガーゼに基づく増幅のためのオリゴヌクレオチド構築ブロック)、1つまたは複数の塩(例えば、マグネシウムを含有する塩)、1つまたは複数の緩衝剤、1つまたは複数の重合剤(例えば、リガーゼ酵素、ポリメラーゼ酵素)、1つまたは複数のニッキング酵素(例えば、二本鎖核酸の1つの鎖を切断する酵素)、および1つまたは複数のヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、RNアーゼ)を含みうるがこれらに限定されるわけではない、ある特定の試薬を含む。増幅にとって適した任意のポリメラーゼ、例えばエキソヌクレアーゼ活性を有するまたは有しないポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ、およびRNAポリメラーゼ、これらの酵素のバリアント形態を利用してもよい。1つのオリゴヌクレオチドの5’を別のオリゴヌクレオチドの3’に結合させるために適した任意のリガーゼを利用することができる。増幅条件はまた、ある特定の反応条件、例えば等温または温度サイクル条件を含みうる。増幅プロセスにおける温度のサイクリング方法は、例えばサーモサイクル装置を使用することなどにより公知である。用語「サイクリング」は、温度サイクリングを使用する、1つのプライマーまたは多数のプライマーを利用する増幅(例えば、増幅反応または伸長反応)を指す。増幅条件はまた、一部の実施形態では、単一の核酸分子種を増幅することができる多数の反応区画を形成するために利用することができる乳化剤(例えば、油)を含みうる。増幅は時に、指数的な産物生成プロセスであり、時に線形の産物生成プロセスである。
一部の実施形態では、増幅反応は、標的核酸種の量を増幅するために繰り返される多数の温度サイクルを含む。一部の実施形態では、増幅反応は2回またはそれ超繰り返される。一部の実施形態では、増幅反応は10回またはそれ超繰り返される。一部の実施形態では、増幅反応は、約10、15、20、50、100、200、300回、またはそれ超繰り返される。一部の実施形態では、増幅反応は20〜50回繰り返される。一部の実施形態では、増幅反応は30〜45回繰り返される。
一本鎖核酸標的の鎖を増幅することができ、二本鎖核酸標的の1つまたは2つの鎖を増幅することができる。増幅産物(アンプリコン)は、一部の実施形態では、長さが約10ヌクレオチド〜約10,000ヌクレオチド、長さが約10〜約1000ヌクレオチド、長さが約10〜約500ヌクレオチド、長さが10〜約100ヌクレオチドであり、時に、長さが約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900もしくは1000ヌクレオチドである。
増幅するために特定の核酸に対して任意の適した増幅技術および増幅条件を選択することができる。公知の増幅プロセスには、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、伸長およびライゲーション、ライゲーション増幅(またはリガーゼ連鎖反応(LCR))、ならびにQ−ベータレプリカーゼまたは鋳型依存的ポリメラーゼの使用に基づく増幅方法(米国特許出願公開第US20050287592号を参照されたい)が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。同様に、鎖置換増幅(SDA)、好熱性SDA、核酸配列に基づく増幅(3SRまたはNASBA)、および転写関連増幅(TAA)も有用である。増幅プロセスを行うための試薬、装置、およびハードウェアは、市販されており、増幅条件は公知であり、手元の標的核酸に対して選択することができる。
ポリメラーゼに基づく増幅は、ある特定の実施形態では、ユニバーサルプライマーを使用することによって行うことができる。そのようなプロセスにおいて、1つまたは複数のユニバーサルプライマーにハイブリダイズするハイブリダイゼーション領域を、鋳型核酸に組み込む。そのようなハイブリダイゼーション領域は、(i)標的核酸にハイブリダイズして伸長されるプライマー、および/または(ii)例えば標的核酸もしくは(i)の産物に結合(例えば、リガーゼ酵素を使用してライゲート)するオリゴヌクレオチドに組み込むことができる。ユニバーサルプライマーを伴う増幅プロセスは、例えば1つまたは2つのみの増幅プライマーを使用して複数の標的核酸を増幅するという利点を提供することができる。
ある特定の核酸を、ある特定の実施形態では伸長させることができる。本明細書において使用される用語「伸長」およびその文法的変化形は、核酸の1つの鎖を伸ばすことを指す。例えば、標的核酸または標的核酸から生成したアンプリコンにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを、ある特定の実施形態では伸長させることができる。伸長反応は、伸長条件で行われ、そのような多様な条件が公知であり、特定の応用のために選択される。伸長条件は、1つまたは複数のオリゴヌクレオチド、伸長オリゴヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド三リン酸(dNTP))、停止ヌクレオチド(例えば、1つまたは複数のジデオキシヌクレオチド三リン酸(ddNTP))、1つまたは複数の塩(例えば、マグネシウムを含有する塩)、1つまたは複数の緩衝剤(例えば、ベータ−NAD、Triton X−100を含む)、および1つまたは複数の重合剤(例えば、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ)を含むがこれらに限定されるわけではない、ある特定の試薬を含む。伸長は、ある特定の実施形態では、等温条件または非等温条件(例えば、サーモサイクル条件)で行われうる。1つまたは複数の核酸種を、伸長反応において伸長させることができ、それぞれの核酸種の1つまたは複数の分子を伸長させることができる。核酸は、1つまたは複数のヌクレオチドだけ伸長させることができ、一部の実施形態では、伸長産物は、長さが約10ヌクレオチド〜約10,000ヌクレオチド、長さが約10〜約1000ヌクレオチド、長さが約10〜約500ヌクレオチド、長さが10〜約100ヌクレオチドであり、時に、長さが約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900もしくは1000ヌクレオチドである。停止ヌクレオチド(例えば、ddNTP)の取り込み、ハイブリダイゼーションの場所、または他の要因は、オリゴヌクレオチドが伸長する長さを決定しうる。ある特定の実施形態では、増幅および伸長プロセスは、同じ検出手順で行われる。
一部の実施形態では、伸長反応は反応における伸長産物の量を増幅するために繰り返される多数の温度サイクルを含む。一部の実施形態では、伸長反応は2回またはそれ超繰り返される。一部の実施形態では、伸長反応は10回またはそれ超繰り返される。一部の実施形態では、伸長反応は、約10、15、20、50、100、200、300、400、500、または600回またはそれ超繰り返される。一部の実施形態では、伸長反応は20〜50回繰り返される。一部の実施形態では、伸長反応は20〜100回繰り返される。一部の実施形態では、伸長反応は20〜300回繰り返される。一部の実施形態では、伸長反応は、少なくとも50回繰り返される。
一部の実施形態では、標的核酸(例えば、標的核酸種、オリゴヌクレオチド種、ハイブリダイズオリゴヌクレオチド種、またはアンプリコン)は、標的核酸が1ヌクレオチドだけ伸長される伸長組成物の存在下で伸長される。伸長組成物は、1つまたは複数の緩衝剤、塩、酵素(例えば、ポリメラーゼ、Klenow等)、水、鋳型(例えば、DNA、RNA、アンプリコン等)、プライマー(例えば、オリゴヌクレオチド)、ヌクレオチド三リン酸、グリセロール、高分子排除分子、および当技術分野で使用される他の任意の添加剤を含みうる。伸長組成物は、停止ヌクレオチド(例えば、ジデオキシヌクレオチド(例えばddNTP))、非停止もしくは伸長ヌクレオチド(例えば、dNTP)、または停止ヌクレオチドと非停止ヌクレオチドの混合物を含みうる。本質的に特定の停止ヌクレオチドまたは複数の停止ヌクレオチドからなる伸長組成物は、伸長組成物の任意の他の成分(例えば、緩衝剤、塩、鋳型、プライマー等)を含有しうるが、明記されている以外の他のいかなる停止ヌクレオチドまたはヌクレオチド三リン酸(例えば、dNTP)も含有しない。例えば、本質的にddTTPおよびddCTPからなる伸長組成物は、ddATP、ddGTP、または他のいかなるdNTPも含有しない。一部の実施形態では、伸長組成物におけるヌクレオチドは、停止ヌクレオチドのみであり、標的核酸は、1ヌクレオチドだけ伸長する(すなわち、時に、伸長組成物に伸長ヌクレオチドは存在しない)。一部の実施形態では、伸長組成物は、本質的に停止ヌクレオチド(例えば、ddNTP)からなる。一部の実施形態では、停止ヌクレオチドは、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、またはそれ超)の捕捉剤を含む。一部の実施形態では、停止ヌクレオチドは、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、またはそれ超)の異なる捕捉剤を含む。一部の実施形態では、停止ヌクレオチドは、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、またはそれ超)の捕捉剤分子を含む(例えば、共有結合されている)。一部の実施形態では、停止ヌクレオチドは、1つの捕捉剤分子を含む。一部の実施形態では、第1の停止ヌクレオチドは捕捉剤を含み、第2の停止ヌクレオチドは異なる捕捉剤を含む。一部の実施形態では、伸長組成物は1つまたは複数の停止ヌクレオチドを含み、それぞれの停止ヌクレオチドは、異なる捕捉剤を含む。一部の実施形態では、伸長組成物は、1つまたは複数の停止ヌクレオチドを含み、それぞれの停止ヌクレオチドは捕捉剤を含み、捕捉剤は同じである。一部の実施形態では、伸長組成物は停止ヌクレオチドを含み、伸長ヌクレオチドおよびヌクレオチド(例えば、停止ヌクレオチドおよび/または伸長ヌクレオチド)の1つまたは複数は、捕捉剤を含む。一部の実施形態では、停止ヌクレオチドは捕捉剤を含み、捕捉剤はビオチンまたはビオチン類似体である。一部の実施形態では、伸長組成物は、本質的に1つまたは複数の捕捉剤に結合した停止ヌクレオチドからなる。一部の実施形態では、捕捉剤はビオチンまたはビオチン類似体である。
任意の適した伸長反応を選択して利用することができる。伸長反応は、例えば、標的核酸におけるSNP部位に隣接する領域にハイブリダイズする伸長オリゴヌクレオチドにデオキシヌクレオチドおよび/またはジデオキシヌクレオチドを取り込むことによって、SNP対立遺伝子を識別するために利用することができる。プライマーはしばしば、ポリメラーゼによって伸長される。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、SNP部位と相補的な1つのデオキシヌクレオチドまたはジデオキシヌクレオチドだけ伸長する。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、dNTPの取り込みによって伸長してddNTPによって停止するか、またはある特定の実施形態ではdNTPの伸長を行わずにddNTPの取り込みによって停止する。伸長反応の際に使用される1つまたは複数のdNTPおよび/またはddNTPは、一部の実施形態では、固相支持体に固定することができる部分、例えばビオチンによって標識される。伸長は、一部の実施形態では、非修飾伸長オリゴヌクレオチドと非修飾ジデオキシヌクレオチド、非修飾伸長オリゴヌクレオチドとビオチニル化ジデオキシオリゴヌクレオチド、デオキシイノシンを含有する伸長オリゴヌクレオチドと非修飾ジデオキシヌクレオチド、デオキシイノシンを含有する伸長オリゴヌクレオチドとビオチニル化ジデオキシヌクレオチド、ビオチニル化ジデオキシヌクレオチドによる伸長、またはビオチニル化デオキシヌクレオチドによる伸長および/または非修飾ジデオキシヌクレオチドを使用して行われうる。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド種は、ハイブリダイゼーション条件下で遺伝子バリエーションまたはバリアント(例えば、オリゴヌクレオチド種の3’末端は、遺伝子バリエーション部位の5’に存在してもよく、遺伝子バリエーション部位の5’末端から0〜10ヌクレオチド離れてもよい)に隣接する鋳型(例えば、標的核酸種)にハイブリダイズすることができる。いくつかのバリアントが標的核酸における遺伝子バリエーション部位に存在しうる。遺伝子バリアントは時に、単一ヌクレオチド多型(SNP)または単一ヌクレオチドバリアントである。いくつかの単一ヌクレオチドバリアントは、ハイブリダイズオリゴヌクレオチドの3’に位置する鋳型標的上の単一塩基位置に存在しうる。いくつかの単一ヌクレオチドバリアントは、ハイブリダイズオリゴヌクレオチド種の3’である鋳型標的上の位置に存在する単一塩基が異なりうる。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド種は、バリアント位置で1ヌクレオチドだけ伸長する。オリゴヌクレオチドは、一部の実施形態では、存在するバリアントの数に応じて、5個の停止ヌクレオチド(例えば、ddATP、ddUTP、ddTTP、ddGTP、ddCTP)のいずれか1つだけ伸長させることができる。標的核酸種およびそのバリアント、または対応するアンプリコンは鋳型として作用することができ、一部には、伸長反応においてどの停止ヌクレオチドがオリゴヌクレオチドに付加されるかを決定することができる。
一部の実施形態では、アッセイに存在する標的種の高存在量バリアント(例えば、野生型)の量と比較した標的種の低存在量バリアントの量は、低存在量バリアントおよび高存在量バリアントに相当する伸長オリゴヌクレオチドの検出に基づいて決定される。高存在量停止ヌクレオチドの取り込みは抑制されるが、なおも線形であることから、高存在量バリアントと低存在量バリアントの間の真の比率を定量するためには、標準化係数が必要である。一部の実施形態では、標的核酸種の低存在量バリアントの量(例えば、コピー数、濃度、百分率)は、係数を使用して、低存在量バリアントのシグナルの、高存在量バリアントのシグナルに対する比率を標準化することによって定量される。係数は、低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドの濃度と比較した、高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドの濃度の割合の値に反比例し、すなわち、高存在量バリアント特異的停止ヌクレオチドの割合の値が低ければ、係数は高くなる。
一部の実施形態では、伸長組成物に存在する(または一部の実施形態では、存在しない)停止ヌクレオチドは、どの停止ヌクレオチドがオリゴヌクレオチドに付加されるかを決定する。一部の実施形態では、伸長組成物は、1つまたは複数の停止ヌクレオチド(例えば、ddNTP)を含む。一部の実施形態では、伸長組成物は、1つまたは複数の停止ヌクレオチドと、1つまたは複数の非停止ヌクレオチド(例えば、dNTP)とを含む。一部の実施形態では、伸長組成物は、特異的バリアント(例えば、第1のバリアント、少量バリアント、または低存在量バリアント)に対応する停止ヌクレオチドを含み、したがって、その特異的バリアントの伸長のみを可能にする。一部の実施形態では、第2のバリアント(例えば、野生型、大量バリアント、または高存在量バリアント)の伸長を可能にする停止ヌクレオチドを伸長組成物に含め、それによって第2のバリアントの伸長を可能にする。一部の実施形態では、方法は、ハイブリダイズオリゴヌクレオチド種に、1つまたは複数の停止ヌクレオチドを含む伸長組成物を伸長条件で接触させるステップを含み、ここで、(i)1つまたは複数の停止ヌクレオチドの少なくとも1つが捕捉剤を含み、および(ii)第1のバリアント(例えば、低存在量バリアント、より低存在量のSNPバリアント、少量バリアント)にハイブリダイズするハイブリダイズオリゴヌクレオチド種が停止ヌクレオチドによって伸長し、第2のバリアント(例えば、野生型、高存在量バリアント、大量バリアント)にハイブリダイズするハイブリダイズオリゴヌクレオチド種が停止ヌクレオチドによって伸長し、それによって伸長オリゴヌクレオチド種を生成する。
本明細書において使用される用語「シグナル対ノイズ比」は、検出プロセス(例えば、質量分析)を使用するときにノイズと比較したシグナルの強度の比率を定量することによるシグナルの質の定量的測定を指す。一部の実施形態では、1つのスペクトル上の強いピークは、別のスペクトル上の同じ検体(例えば、伸長オリゴヌクレオチド種)によって生成される低い強度のピークより大きいシグナル対ノイズ比を有する。一部の実施形態では、ノイズは、高存在量バリアント(例えば、野生型対立遺伝子、第2のバリアント、野生型バリアント)に由来する伸長オリゴヌクレオチド種によって生成される。一部の実施形態では、低存在量バリアント(例えば、第1のバリアント、少量バリアント、変異体バリアント、変異体対立遺伝子、SNP)に由来する伸長オリゴヌクレオチド種から生成されるシグナルは、例えば質量分析を使用するときに、より高存在量の伸長オリゴヌクレオチド種(例えば、第2のバリアント、高存在量バリアント、大量バリアント、野生型バリアント、野生型対立遺伝子)によって生成されるノイズによってあいまいになる。本明細書において語句「シグナル対ノイズ比」において使用される用語「シグナル」は、伸長オリゴヌクレオチド種のシグナルピークの強度を指す。一部の実施形態では、語句「シグナル対ノイズ比」において使用される用語「シグナル」は一般に、より低存在量のバリアント(例えば、第1のバリアント、低存在量バリアント、変異体バリアント、変異体対立遺伝子、SNP)に由来する伸長オリゴヌクレオチド種のシグナルピークの強度を指す。一部の実施形態では、高存在量バリアント(例えば、第2のバリアント、野生型、またはより高存在量のバリアント)の伸長を可能にする停止ヌクレオチドは、低存在量バリアントの伸長を可能にする停止ヌクレオチドよりかなり低い濃度(すなわち、調整されたまたは偏った濃度)で伸長組成物に含められ、それによって低存在量バリアント(例えば、第1のバリアント、変異体バリアント、変異体対立遺伝子、SNP)のシグナル対ノイズ比を低減させない。一部の実施形態では、方法は、ハイブリダイズオリゴヌクレオチド種に、1つまたは複数の停止ヌクレオチドを含む伸長組成物を伸長条件下で接触させるステップを含み、ここで、(i)1つまたは複数の停止ヌクレオチドの少なくとも1つが捕捉剤を含み、および(ii)低存在量バリアント(例えば、少量バリアント、より低存在量のSNPバリアント)にハイブリダイズするハイブリダイズオリゴヌクレオチド種が停止ヌクレオチドによって伸長し、高存在量バリアント(例えば、野生型、または大量バリアント)にハイブリダイズするハイブリダイズオリゴヌクレオチド種が、低存在量バリアントに対する停止ヌクレオチドの濃度より低い濃度で提供される停止ヌクレオチドによって伸長し、それによって、伸長の非存在下で低存在量バリアントのみが高存在量バリアントである条件と比較してシグナル対ノイズ比を減少させない。
一部の実施形態では、(f)における検出は、競合剤と競合することなく放出後に検出する場合のシグナル対ノイズ比より大きいシグナル対ノイズ比で行われる。一部の実施形態では、(f)における検出は、競合剤との競合を含まない放出ステップと比較して、放出ステップ(e)が競合剤との競合を含むときのシグナル対ノイズ比の増加を含む。
一部の実施形態では、偏ったまたは調整された停止剤濃度および競合剤を利用することは、低存在量または少量バリアントの検出の増強を可能にする。一部の実施形態では、低存在量または少量バリアントは、高存在量バリアントのコピー数の2%またはそれ未満であるコピー数で検出することができる。低存在量バリアントの検出限界は約0.1%の量である。量が3%未満である低存在量バリアントを定量することができる。量が5%超である低存在量バリアントの定量は、低存在量バリアントから得られた高いシグナルが、高存在量バリアントからのシグナルを減損することから妨害される。
本明細書において使用される用語「感度」は、検出プロセス(例えば、質量分析)を使用するとき、所定のシグナル対ノイズ比で検出することができる検体の量を指す。一部の実施形態では、感度は、バックグラウンドまたはノイズレベルを減少させることによって改善することができる。一部の実施形態では、ノイズは、より高存在量のバリアント(例えば、野生型対立遺伝子、第2のバリアント、野生型バリアント)に由来する伸長オリゴヌクレオチド種によって生成される。一部の実施形態では、より高存在量の伸長オリゴヌクレオチド種(例えば、第2のバリアント、野生型バリアント、野生型対立遺伝子)に由来する伸長オリゴヌクレオチド種から生成されるシグナルが、検出されるが強度が低減されるとき、感度は増加する。一部の実施形態では、より高存在量のバリアント(例えば、野生型、高存在量バリアント、大量バリアント)の伸長を可能にする停止ヌクレオチドは、低存在量バリアント(例えば、少量バリアント、変異体バリアント、変異体対立遺伝子、SNP)の検出のための感度を減少させない低減された濃度で伸長組成物に含められる。ある特定の実施形態では、高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドは、低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドの濃度と比較して10%またはそれ未満の濃度で存在する。ある特定の実施形態では、高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドは、低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドの濃度の約0.5%〜約20%未満の間、約0.5%〜約15%未満、約1%〜約15%、約1%〜約10%、または約2%〜約10%である。ある特定の実施形態では、高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドは、低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドの濃度と比較して0.1%〜30%の濃度である。ある特定の実施形態では、高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドは、低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドの濃度と比較して0.5%〜10%の濃度である。ある特定の実施形態では、高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドは、低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドの濃度と比較して1%〜2%の濃度である。
任意の適したタイプのヌクレオチドを、増幅産物または伸長産物に組み込むことができる。ヌクレオチドは、一部の実施形態では、天然に存在するヌクレオチド、停止ヌクレオチド、または天然に存在しないヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド類似体または誘導体)であってもよい。ある特定のヌクレオチドは、一部の実施形態では、検出可能な標識および/または結合対のメンバー(例えば、結合対の他のメンバーを固相に連結してもよい)を含みうる。
増幅プロセスによって産生されるアンプリコンを含有する溶液または伸長プロセスによって産生される伸長産物を含有する溶液を、さらなるプロセシングに供することができる。例えば、溶液に、アンプリコンまたは伸長産物に組み入れられていない遊離のヌクレオチドからのホスフェート部分を除去する薬剤を接触させることができる。そのような薬剤の例は、ホスファターゼ(例えばアルカリホスファターゼ)である。一部の実施形態では、アルカリホスファターゼは、エビのアルカリホスファターゼである。アンプリコンおよび伸長産物はまた、固相に会合させてもよく、洗浄してもよく、末端のホスフェートを除去する薬剤に接触させてもよく(例えば、ホスファターゼに対する曝露)、末端のヌクレオチドを除去する薬剤(例えば、エキソヌクレアーゼ)に接触させてもよく、切断する薬剤(例えば、エンドヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼ)等に接触させてもよい。
本明細書において使用される用語「オリゴヌクレオチド」は、共有結合によって連結された2つまたはそれ超のヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を指す。オリゴヌクレオチドは、任意の簡便な長さのオリゴヌクレオチドであり、一部の実施形態では、長さが約5〜約200ヌクレオチド、長さが約5〜約150ヌクレオチド、長さが約5〜約100ヌクレオチド、長さが約5〜約75ヌクレオチド、または長さが約5〜約50ヌクレオチドであり、時に、長さが約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、80、85、90、95、100、125、150、175もしくは200ヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、天然に存在するおよび/または天然に存在しないヌクレオチドまたはその組合せ、ならびにその任意の化学または酵素的修飾(例えば、メチル化DNA、修飾ヌクレオチドのDNA)を含みうる。時に、オリゴヌクレオチドの長さは、アンプリコンまたは標的核酸の長さより短いが、増幅のために使用されるプライマーまたはポリヌクレオチドより必ずしも短い必要はない。しばしばオリゴヌクレオチドは、アンプリコン、標的核酸、またはその総補体と相補的なまたは実質的に相補的なヌクレオチド小配列またはハイブリダイゼーション配列を含む(例えば、整列させたときにアンプリコンまたは標的核酸相補体と約95%、96%、97%、98%、99%または99%超同一である)。オリゴヌクレオチドは、アンプリコン、標的核酸、またはその相補体と相補的でないまたは実質的に相補的でないヌクレオチド小配列を含有しうる(例えば、アンプリコンと相補的なまたは実質的に相補的なプライマー中のヌクレオチド小配列の3’または5’末端で)。ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、検出可能な分子(例えば、タグ、フルオロフォア、放射性同位元素、比色剤、粒子、酵素等)および/またはある特定の実施形態では結合対のメンバー(例えば、ビオチン/アビジン、ビオチン/ストレプトアビジン)を含有しうる。
本明細書において使用される用語「溶液」は、例えば1つまたは複数の核酸を含有する液体などの液体を指す。溶液中の核酸および他の成分をその中に分散させてもよく、溶液はしばしば水(例えば、水溶液)を含む。溶液は、任意の簡便な数のオリゴヌクレオチド種を含有してもよく、しばしば検出されるアンプリコン種または標的核酸種が存在するのと少なくとも同数のオリゴヌクレオチド種が存在する。
本明細書において使用される用語「ハイブリダイゼーション配列」は、アンプリコン、標的核酸、またはその相補体に特異的にハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチド中のヌクレオチド配列を指す。ハイブリダイゼーション配列は容易に設計および選択され、本明細書において記載される溶液中のアンプリコン、標的配列、またはその相補体にハイブリダイズするために適した長さの配列でありうる。一部の実施形態では、それぞれのオリゴヌクレオチド中のハイブリダイゼーション配列は、長さが約5〜約200ヌクレオチド(例えば、長さが約5〜10、約10〜15、約15〜20、約20〜25、約25〜30、約30〜35、約35〜40、約40〜45または約45〜50、約50〜70、約80〜90、約90〜110、約100〜120、約110〜130、約120〜140、約130〜150、約140〜160、約150〜170、約160〜180、約170〜190、約180〜200ヌクレオチド)である。
本明細書において使用される用語「ハイブリダイゼーション条件」は、相補的なヌクレオチド配列を有する2つの核酸が互いに相互作用することができる条件を指す。ハイブリダイゼーション条件は、高ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、または低ストリンジェンシーでありえて、これらの多様な程度のストリンジェンシーの条件が公知である。目的の応用に応じて、増幅および/または伸長を可能にするハイブリダイゼーション条件がしばしば選択される。
本明細書において使用される用語「1つのアンプリコンまたは標的核酸に特異的にハイブリダイズする」は、1つのアンプリコン種または標的核酸種に実質的にハイブリダイズするが、溶液中の他のアンプリコン種または標的核酸種には実質的にハイブリダイズしないことを指す。特異的ハイブリダイゼーションはミスマッチを除外することから、例えばオリゴヌクレオチドは、ある特定の対立遺伝子に特異的に、その対立遺伝子のみにハイブリダイズするように設計されうる。対立遺伝子に均質的にマッチするまたは相補的であるオリゴヌクレオチドは、その対立遺伝子に特異的にハイブリダイズするが、1つまたは複数の塩基ミスマッチが存在する場合、ハイブリダイゼーションは起こらないであろう。
本明細書において使用される用語「ハイブリダイゼーション位置」は、別の核酸がハイブリダイズするアンプリコンまたは標的核酸上の特異的位置を指す。ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの末端は、別のアンプリコン種または標的核酸種とは異なる配列を有するアンプリコン種または標的核酸種上の部位に隣接するかまたは実質的に隣接する。オリゴヌクレオチドの末端は、ある部位とオリゴヌクレオチド末端の間にヌクレオチドが存在しないとき、その部位に「隣接する」。オリゴヌクレオチドの末端は、ある特定の実施形態では、ある部位とオリゴヌクレオチド末端の間に1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチドが存在するとき、その部位に「実質的に隣接する」。
捕捉剤および固相
1つまたは複数の捕捉剤を、本明細書において記載される方法に利用してもよい。例えば結合対のメンバーを含むがこれらに限定されるわけではない、本明細書において記載されるプロセスに利用可能ないくつかの異なるタイプの捕捉剤が存在する。結合対の例には、(a)非共有結合対(例えば、抗体/抗原、抗体/抗体、抗体/抗体断片、抗体/抗体受容体、抗体/プロテインAまたはプロテインG、ハプテン/抗ハプテン、ビオチン/アビジン、ビオチン/ストレプトアビジン、葉酸/葉酸結合タンパク質、受容体/リガンドまたはその結合部分、およびビタミンB12/内因性因子);および(b)共有結合対(例えば、スルフヒドリル/マレイミド、スルフヒドリル/ハロアセチル誘導体、アミン/イソチオシアネート(isotriocyanate)、アミン/スクシンイミジルエステル、およびアミン/ハロゲン化スルホニル)などが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。一部の実施形態では、結合対の1つのメンバーは、伸長オリゴヌクレオチドまたは増幅産物に会合し、別のメンバーは固相に会合する。本明細書において使用される用語「会合する」は、例えば2つの単位が互いに結合または連結する少なくとも2つの単位の間の相互作用を指す。
ある特定の実施形態では、捕捉剤は、結合対のメンバーを含む。一部の実施形態では、捕捉剤は、ビオチンまたはビオチン類似体を含み、ある特定の実施形態では、固相は、アビジンまたはストレプトアビジンを含む。一部の実施形態では、捕捉剤は、アビジンまたはストレプトアビジンを含み、ある特定の実施形態では、固相はビオチンを含む。ある特定の実施形態では、(c)(例えば、アンプリコンにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを1つまたは複数のヌクレオチドだけ伸長させることによって、捕捉剤を含む伸長オリゴヌクレオチドを生成するステップであって、1つまたは複数のヌクレオチドの1つが停止ヌクレオチドであり、オリゴヌクレオチドに付加されるヌクレオチドの1つまたは複数が捕捉剤を含むステップ。
一部の実施形態では、伸長オリゴヌクレオチドにおける末端ヌクレオチドは捕捉剤を含む。ある特定の実施形態では、伸長オリゴヌクレオチドにおける1つまたは複数の非末端ヌクレオチドは捕捉剤を含む。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション配列は、長さが約5〜約200ヌクレオチドである。一部の実施形態では、それぞれのオリゴヌクレオチドにおけるハイブリダイゼーション配列は、長さが約5〜約50ヌクレオチドである。ある特定の実施形態では、伸長オリゴヌクレオチドにおける末端ヌクレオチドは捕捉剤を含み、時に伸長オリゴヌクレオチドにおける1つまたは複数の非末端ヌクレオチドが捕捉剤を含む。一部の実施形態では、捕捉剤は、ビオチン、または代替的にアビジンもしくはストレプトアビジンを含み、それぞれの場合、固相はそれぞれ、アビジンもしくはストレプトアビジン、またはビオチンを含む。
ビオチン類似体は、ビオチンのアビジンまたはストレプトアビジンに対する結合特性に影響を及ぼす任意の修飾ビオチン(例えば、Lai-Qiangら(Lai-Qiang YingおよびBruce P. Branchaud, Chemical Communications、2011年、47号、8593〜8595頁)に開示される全てのビオチン類似体を含む、9−メチルビオチン、ビオチンメチルエステル(MEBio)、デスチオビオチン(DEBio)、2’−イミノビオチン(IMBio)、e−N−ビオチニル−L−リシン、ジアミノビオチン(DABio))でありうる。一部の実施形態では、捕捉剤は、アビジン、ストレプトアビジン、またはアビジンもしくはストレプトアビジンの修飾形態(例えば、ニトロアビジン、ニトロストレプトアビジン、ニュートラアビジン、カプトアビジン、およびその誘導体)である。
本明細書において使用される用語「競合剤」は、固相との相互作用(例えば、結合)をめぐって捕捉剤と競合する任意の分子を指す。競合剤の非制限的な例には、遊離の捕捉剤(例えば、結合対の1つまたは他のメンバー、遊離のビオチン、遊離のアビジン/ストレプトアビジン)、捕捉剤の競合断片(例えば、ビオチンまたはアビジン/ストレプトアビジンの競合断片)、捕捉剤の競合多量体(例えば、ビオチン多量体)、別の競合分子またはその断片もしくは多量体、固相との結合をめぐって特異的に競合する分子、上昇した塩条件、上昇した温度条件、またはその組合せが挙げられる。一部の実施形態では、捕捉剤の多量体は、約2〜約50の間の単量体を含む。一部の実施形態では、捕捉剤の多量体は、約2〜約10の間の単量体を含む。一部の実施形態では、捕捉剤の多量体は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20単量体を含む。一部の実施形態では、捕捉剤の多量体を含む捕捉剤は、互いに共有結合する単量体を含む。一部の実施形態では、捕捉剤の多量体を含む捕捉剤は、互いに共有結合しない単量体を含む。本明細書において使用される用語「遊離の捕捉剤」は、固相または伸長オリゴヌクレオチドに会合していない捕捉剤を指す。一部の実施形態では、遊離の捕捉剤は、ビオチンまたはその競合部分もしくは断片でありうる。ある特定の実施形態では、遊離の捕捉剤は、アビジン、ストレプトアビジン、またはその競合部分もしくは断片でありうる。用語「競合部分または断片」は、完全な大きさより小さいが、それでもなお結合対の他のメンバー(例えば、なおもアビジンまたはストレプトアビジンに結合することができるビオチンの断片または部分、なおもビオチンに結合することができるアビジンまたはストレプトアビジンの断片または部分)との相互作用でインタクト捕捉剤の機能性を保持している(例えば、固相支持体との捕捉剤の相互作用活性が、同じ、少ない、または多い)捕捉剤を指す。一部の実施形態では、遊離の捕捉剤の断片(例えば、ビオチンの断片)は、インタクト捕捉剤の機能性をなおも保持する任意の大きさである。一部の実施形態では、遊離の捕捉剤(例えば、ビオチンの断片)は、インタクト捕捉剤の機能性の一部をなおも保持する任意の大きさである。一部の実施形態では、遊離の捕捉剤(例えば、ビオチンの断片)は、インタクト捕捉剤の機能性の約30%〜約100%の間を保持する大きさである。一部の実施形態では、遊離の捕捉剤(例えば、ビオチンの断片)は、インタクト捕捉剤の機能性の約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を保持する大きさである。
一部の実施形態では、遊離の捕捉剤(例えば、遊離のビオチン)は、約0.1〜約5000μg/mlの濃度で添加される。一部の実施形態では、遊離の捕捉剤(例えば、遊離のビオチン)は、約0.1、0.25、0.5、1、2.5、5、10、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、200、400、800、1000、2000、4000、5000μg/mlまたはそれ超の濃度で添加される。一部の実施形態では、遊離の捕捉剤(例えば、遊離のビオチン)は、約10〜約100μg/mlの濃度で添加される。一部の実施形態では、遊離の捕捉剤(例えば、遊離のビオチン)は、約10、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30μg/mlの濃度で添加される。一部の実施形態では、遊離の捕捉剤(例えば、遊離のビオチン)は、約25μg/mlの濃度で伸長オリゴヌクレオチド種を含む組成物に添加される。
一部の実施形態では、伸長オリゴヌクレオチドの放出は、競合剤との競合によって、上昇した温度条件下で行われる。ある特定の実施形態では、上昇した温度条件は、約80℃〜約100℃の間の温度(例えば、約80セルシウス度(℃)、約81℃、約82℃、約83℃、約84℃、約85℃、約86℃、約87℃、約88℃、約89℃、約90℃、約91℃、約92℃、約93℃、約94℃、約95℃、約96℃、約97℃、約98℃、約99℃または100℃).で約1分〜約10分間(例えば、約1分、約2分、約3分、約4分、約5分、約6分、約7分、約8分、約9分、または約10分)の処置を含む。一部の実施形態では、上昇した温度条件は、約90℃での約5分間の処置を含む。
本明細書において使用される用語「固相支持体」または「固相」は、核酸が会合することができる不溶性の材料を指す。本明細書において記載されるプロセスと共に使用するための固相支持体の例には、アレイ、ビーズ(例えば、常磁性ビーズ、磁性ビーズ、マイクロビーズ、ナノビーズ)、および粒子(例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子)が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。約1ナノメートル〜約500マイクロメートルの名目上の、平均、または算術平均直径を有する粒子またはビーズ、例えば約10ナノメートル〜約100マイクロメートル、約100ナノメートル〜約100マイクロメートル、約1マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、もしくは900ナノメートル;または約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500マイクロメートルの名目上、算術平均、または平均直径を有する粒子またはビーズを利用することができる。本明細書において使用される用語「常磁性」は、一般的に外部から適用される磁場の存在時に限って起こる磁性を指す。このため、常磁性ビーズは、外部適用磁気源に誘引されうるが、典型的に外部適用磁場の非存在下では自身の磁場を発揮しない。鉄のコアを含む磁性ビーズは、一般的に自身の磁場を発揮する。
ある特定の実施形態では、固相は平坦な表面、シリコンチップ、ビーズ、球、または前述の組合せから選択される。固相は時に常磁性である。一部の実施形態では、固相は常磁性ビーズであり、ある特定の実施形態では、固相は捕捉剤を含む。
固相支持体は、実質的にいかなる不溶性のまたは固相の材料も含むことができ、しばしば、水に不溶性である固相支持体組成物が選択される。例えば、固相支持体は、シリカゲル、ガラス(例えば、多孔質ガラス(CPG))、ナイロン、Sephadex(登録商標、Sepharose(登録商標)、セルロース、金属表面(例えば、スチール、金、銀、アルミニウム、シリコン、および銅)、磁性材料、プラスチック材料(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF))などを含みうるまたは本質的にからなりうる。ビーズまたは粒子は、膨張性(例えば、Wang樹脂などのポリマービーズ)または非膨張性(例えば、CPG)でありうる。市販のビーズの例には、Wang樹脂、Merrifield樹脂、ならびにDynabeads(登録商標)およびSoluLinkが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。固相(例えば、ビーズ)は、結合対のメンバー(例えば、アビジン、ストレプトアビジン、またはその誘導体)を含みうる。一部の実施形態では、固相は実質的に親水性である。一部の実施形態では、固相(例えば、ビーズ)は実質的に疎水性である。一部の実施形態では、固相は、結合対のメンバー(例えば、アビジン、ストレプトアビジン、またはその誘導体)を含み、実質的に疎水性であるか、または実質的に親水性である。一部の実施形態では、固相は、結合対のメンバー(例えば、アビジン、ストレプトアビジン、またはその誘導体)を含み、固相支持体1mgあたり遊離の捕捉剤(例えば、遊離のビオチン)約1350pmol超の結合能を有する。一部の実施形態では、結合対のメンバーを含む固相の結合能は、固相支持体1mgあたり遊離の捕捉剤の800、900、1000、1100、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1600、1800、2000pmol超である。
固相支持体は、固相支持体のコレクションで提供されてもよい。固相支持体のコレクションは2つまたはそれ超の異なる固相支持体種を含む。本明細書において使用される用語「固相支持体種」は、1つの特定の固相核酸種または異なる固相核酸種の特定の組合せに会合する固相支持体を指す。ある特定の実施形態では、固相支持体コレクションは、2〜10,000固相支持体種、10〜1,000固相支持体種、または約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000または10000の独自の固相支持体種を含む。固相支持体のコレクション中の固相支持体(例えば、ビーズ)は、同種(例えば、全てがWang樹脂ビーズである)または異種(例えば、一部がWang樹脂ビーズであり、一部が磁性ビーズである)でありうる。固相支持体のコレクション中のそれぞれの固相指示体種は、時に、特異的同定タグによって標識される。特定の固相支持体種に対する同定タグは、ある特定の実施形態では、時に、独自の配列を有する核酸(例えば、「固相核酸」)である。同定タグは、検出可能で、他の固相支持体種上の同定タグとは識別可能である任意の分子でありうる。
伸長オリゴヌクレオチドが固相(すなわち、捕捉後)に会合した後、結合していない非伸長オリゴヌクレオチドおよび/または望ましくない反応成分は、しばしば洗浄または分解される。一部の実施形態では、固相を、伸長オリゴヌクレオチド種が捕捉された後に洗浄する。一部の実施形態では、伸長オリゴヌクレオチド種が捕捉された後で、伸長オリゴヌクレオチド種を放出する前に、固相を洗浄する。一部の実施形態では、固相の洗浄は塩を除去する。一部の実施形態では、固相の洗浄は、質量分析において妨害性の付加物を産生する塩を除去する。一部の実施形態では、固相の洗浄は、質量分析を妨害する塩を除去する。一部の実施形態では、伸長オリゴヌクレオチド種を、固相の洗浄後に陰イオン交換樹脂に接触させる。一部の実施形態では、伸長オリゴヌクレオチド種は、固相の洗浄後に陰イオン交換樹脂に接触しない。一部の実施形態では、伸長オリゴヌクレオチド種は、固相上に捕捉されて、1回または複数回洗浄され、固相から放出され、陰イオン交換樹脂に接触しない。伸長オリゴヌクレオチドは、検出前に1つまたは複数の技法によって処置されうる。例えば、伸長オリゴヌクレオチドを、検出前に条件を整えてもよい(例えば、イオン交換により捕捉核酸に会合する陽イオンおよび/または陰イオンのタイプを均一化する)。伸長オリゴヌクレオチドは、ある特定の実施形態では、検出前に固相から放出されうる。
一部の実施形態では、伸長オリゴヌクレオチド(例えば、伸長オリゴヌクレオチド種)は、結合対の1つのメンバー(例えば、ビオチンまたはアビジン/ストレプトアビジン)を含む捕捉剤に会合する。ある特定の実施形態では、捕捉剤を含む伸長オリゴヌクレオチドは、結合対のメンバーに、結合対の他のメンバー(例えば、アビジン/ストレプトアビジン、またはビオチン)を含む固相を接触させることによって捕捉される。ある特定の実施形態では、伸長オリゴヌクレオチドはビオチニル化され、伸長オリゴヌクレオチド産物を有するビオチン部分は、ビオチン部分に、アビジンまたはストレプトアビジンをコーティングした固相を接触させることによって捕捉される。一部の実施形態では、伸長オリゴヌクレオチドは、質量識別可能なタグまたは他の標識を含み、ある特定の実施形態では、質量識別可能なタグまたは他の標識を検出するステップは、伸長オリゴヌクレオチドの存在または非存在を検出するステップを含む。一部の実施形態では、固相に結合した伸長オリゴヌクレオチドは、競合剤との競合によって固相から放出され、伸長オリゴヌクレオチドが検出される。一部の実施形態では、固相に結合した伸長オリゴヌクレオチドは、競合剤との競合によって固相から放出され、伸長オリゴヌクレオチドにおけるまたは伸長オリゴヌクレオチドに会合した識別可能な標識が検出される。一部の実施形態では、固相に結合した伸長オリゴヌクレオチドは、競合剤との競合によって固相から放出され、識別可能な標識が伸長オリゴヌクレオチドから放出され、放出された識別可能な標識が検出される。
識別可能な標識、検出および放出
本明細書において使用される用語「識別可能な標識」および「識別可能なタグ」は、互いに識別することができ、タグが結合する核酸を同定するために使用することができる標識またはタグのタイプを指す。多様なタイプの標識およびタグが、本明細書において提供されるマルチプレックス方法で選択および使用されうる。例えば、オリゴヌクレオチド、アミノ酸、小有機分子、光放射分子、吸光分子、光散乱分子、発光分子、同位元素、酵素等が、識別可能な標識またはタグとして使用されうる。ある特定の実施形態では、多様な長さ、多様な質量対電荷比、多様な電気泳動移動度(例えば、キャピラリー電気泳動移動度)、および/または多様な質量のオリゴヌクレオチド、アミノ酸、および/または低分子有機分子もまた、識別可能な標識またはタグとして使用されうる。したがって、蛍光体、放射性同位元素、比色剤、光放射剤、化学発光剤、光散乱剤等が、標識として使用されうる。標識の選択は、必要な感度、核酸とのコンジュゲーションの容易さ、安定性の要件、および利用可能な機器に依存しうる。本明細書において識別可能な標識およびタグに対して使用される用語「識別可能な特徴」は、別の標識またはタグ(例えば、質量および本明細書において記載される他のもの)と識別することができる1つの標識またはタグの任意の特徴を指す。一部の実施形態では、標識は、鎖停止ヌクレオチドに結合する。一部の実施形態では、識別可能な標識およびタグの標識組成物は、質量分析において最適な飛行挙動が得られるように、および高いマルチプレックスレベルで標識およびタグを識別することができるように、選択および/または設計することができる。一部の実施形態では、蛍光標識などの標識は、アレイ、ビーズ、またはキャピラリー電気泳動などの、空間的な分離を達成する方法と共に利用される。
検出可能な標識には、ヌクレオチド(標識または非標識)、コンポマー、糖、ペプチド、タンパク質、抗体、化学化合物、導電性ポリマー、ビオチンなどの結合部分、質量タグ、酸化鉄粒子またはビーズ、比色剤、光放射剤、化学発光剤、光散乱剤、蛍光タグ、放射活性タグ、電荷タグ(電荷または磁荷)、揮発性タグおよび疎水性タグ、生体分子(例えば、結合対のメンバー、抗体/抗原、抗体/抗体、抗体/抗体断片、抗体/抗体受容体、抗体/プロテインAまたはプロテインG、ハプテン/抗ハプテン、ビオチン/アビジン、ビオチン/ストレプトアビジン、葉酸/葉酸結合タンパク質、ビタミンB12/内因性因子、化学反応基/相補性化学反応基(例えば、スルフヒドリル/マレイミド、スルフヒドリル/ハロアセチル誘導体、アミン/イソチオシアネート、アミン/スクシンイミジルエステル、およびアミン/ハロゲン化スルホニル)などが挙げられるがこれらに限定されるわけではなく、その一部を以下に詳しく説明する。一部の実施形態では、プローブは、標的にハイブリダイズするシグナル生成部分を含み、ナノポアの中の標的核酸の通過を変更させて、ナノポアの中をそれが通過するときに(例えば、既知の大きさの孔を通過する速度または時間を変更する)標的核酸から放出されると、シグナルを生成することができる。
本明細書において使用される標識の「検出」という用語は、標識種の同定を指す。任意の適した検出機器を使用して、試料中の標識種を識別することができる。質量識別可能な標識を検出するために適した検出機器には、ある特定の質量分析計、およびゲル電気泳動機器が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。質量分析フォーマットの例には、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型(MALDI−TOF)質量分析(MS)、MALDI直交型TOF MS(OTOF MS;二次元)、レーザー脱離質量分析(LDMS)、エレクトロスプレー(ES)MS、イオンサイクロトロン共鳴(ICR)MS、およびフーリエ変換MSが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。本明細書において記載される方法は、検体を揮発させてイオン化する質量分析フォーマット(「イオン化MS」、例えばMALDI−TOF MS、LDMS、ESMS、線形TOF、OTOF)に容易に応用可能である。直交型イオン抽出MALDI−TOFおよびアキシャルMALDI−TOFは、比較的高い分解能をもたらすことができ、それによって比較的高レベルのマルチプレックス化をもたらすことができる。光放射、吸光、および/または光散乱標識を検出するために適した検出装置は、ある特定の光検出器および光検出器(例えば、蛍光、化学発光、吸収、および/または光散乱標識)を含むがこれらに限定されるわけではない。
低存在量(少量)および高存在量(大量)バリアントに対応する標識伸長産物は、多様な方法によって分析することができ、これらの方法には、質量分析、MALDI−TOF質量分析、蛍光検出、DNAシークエンシングゲル、自動DNAシークエンシング機器でのキャピラリー電気泳動、マイクロチャネル電気泳動、ならびにシークエンシング、質量分析の他の方法、飛行時間型質量分析、四重極型質量分析、磁場型質量分析、電場型質量分析、赤外線分光法、紫外線分光法、定電位電流測定、電流/電気化学シグナルの測定、またはDNA断片が「プローブ」および「標的」の両方として有用である、サザンブロット、スロットブロット、ドットブロット、およびDNAマイクロアレイを含むDNAハイブリダイゼーション技術、ELISA、蛍光分光法、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)、SNP−IT、GeneChips、HuSNP、ビーズアレイ、TaqManアッセイ、Invaderアッセイ、MassExtend(登録商標)またはMassCleave(登録商標)法が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
本明細書において提供される方法によって得られる高存在量バリアント(大量バリアント)および低存在量バリアント(少量バリアント)に対応する伸長産物は、多様な方法によって検出することができる。例えば、伸長プライマー(UEP)および/または鎖停止試薬は、質量標識、放射活性分子、蛍光分子、抗体、抗体断片、ハプテン、炭水化物、ビオチン、ビオチン誘導体、リン光部分、発光部分、電気化学発光部分、酸化または還元時に電気化学シグナルを生成する部分、例えば、鉄、ルテニウムまたはオスミウムの錯体(例えば、Peirceら、J. Clin. Micribiol.、50巻(11号):3458〜3465頁(2012年)に記載されるように、Genmark Diagnostics,Inc.によって使用されるeSensor技術を参照されたい)、色素部分、および検出可能な電子スピン共鳴、電気容量、誘電定数、もしくは電気伝導率を有する部分、またはその標識の任意の組合せを含むがこれらに限定されるわけではない、シグナルの検出および/またはシグナルの定量を可能にする任意のタイプの化学基または部分によって標識されうる。
本明細書において使用される方法では、特定の標識核酸種、アンプリコン種、および/または伸長オリゴヌクレオチド種はしばしば、特定の標識またはタグ種の検出によって、特定の組成物中の特定の標的核酸種、アンプリコン種、および/または伸長オリゴヌクレオチド種の存在が直接同定されるように、識別可能で検出可能な標識種と対を形成する。したがって、その特定の識別可能な特徴が特定の標的核酸に対応することから、標識種の1つの識別可能な特徴を、例えば組成物中の1つの標的核酸種を同定するために使用することができる。標識およびタグは、任意の公知の方法によって任意の位置で(例えば、オリゴヌクレオチドの5’で)核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)に結合させてもよい。このように、本明細書において使用されるそれぞれの特定の標的核酸種に「特異的に対応する」というそれぞれの特定の標識種に対する言及は、1つの標的種と対を形成した1つの標識種を指す。標識種の存在が検出されるとき、ある特定の実施形態では、その標識種に会合する標的核酸種の存在が、それによって検出される。
本明細書において識別可能なタグまたは標識(集合的に、「標識」)を参照して使用される用語「種」は、別の標識と検出可能に識別可能である1つの標識を指す。ある特定の実施形態では、標識種の数は、約2〜約10000標識種、約2〜約500,000標識種、約2〜約100,000、約2〜約50000、約2〜約10000、および約2〜約500標識種、または時に約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000,100000、200000、300000、400000もしくは500000標識種を含むがこれらに限定されるわけではない。
本明細書において使用される用語「質量識別可能な標識」は、特徴として質量によって識別される標識を指す。識別可能なタグは、一部の実施形態では、ヌクレオチドからなり、時にタグは、長さが約5ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドである。ある特定の実施形態では、識別タグは、ヌクレオチドコンポマーであり、これは時に長さが約5ヌクレオチド〜約35ヌクレオチドである。一部の実施形態では、識別可能なタグはペプチドであり、これは時に長さが約5アミノ酸〜約100アミノ酸である。識別可能なタグは、ある特定の実施形態では、有機分子単位のコンカテマーである。一部の実施形態では、タグはトリチル分子コンカテマーである。
例えばコンポマー、アミノ酸、および/またはコンカテマーなどの多様な質量識別可能な標識を選択および使用することができる。異なる長さおよび/または組成の一連のヌクレオチド(例えば、核酸、コンポマー)、一連のアミノ酸(例えば、ペプチド、ポリペプチド、コンポマー)、および/またはコンカテマーを質量によって識別することができ、標識として使用することができる。質量識別可能な標識において、任意の数の単位を利用することができ、そのような単位の上限および下限は、そのような標識を検出および識別するために使用されるシステムの質量ウインドウおよび分解能に一部依存する。このため、質量識別可能な標識の長さおよび組成は、標識を検出および識別するために使用される検出器の質量ウインドウおよび分解能に基づいて選択することができる。
本明細書において使用される用語「コンポマー」は、モノマー単位の特定の配列ではないモノマー単位の組の組成を指す。核酸に関して、用語「コンポマー」は、モノマー単位が塩基である核酸の塩基組成物を指す。塩基のそれぞれのタイプの数は、B(すなわち、A、Aは「空」のコンポマー、または塩基を含有しないコンポマーを表す)によって表示されうる。天然のコンポマーは、全ての成分単量体単位(例えば、核酸の場合は塩基、およびポリペプチドの場合はアミノ酸)がゼロより大きいかまたはゼロに等しいコンポマーである。ある特定の実施形態では、A、C、G、またはTの少なくとも1つは、1またはそれ超に等しい(例えば、A、A、A、A)。本明細書において提供される方法において、配列バリエーションを決定するために配列を比較する目的で、データを処理するために利用されるアルゴリズムによって、負の数の単量体単位を含有する「非天然」コンポマーを生成することができる。ポリペプチドの場合、コンポマーは、ポリペプチド断片のアミノ酸組成物を指し、それぞれのタイプのアミノ酸類似性の数も同様に表示される。コンポマー種は、多数の配列に対応しうる。例えば、コンポマーAは、配列AGGAG、GGGAA、AAGGG、GGAGAおよびその他に対応する。一般的に、配列に対応する独自のコンポマーが存在するが、1つ超の配列が同じコンポマーに対応しうる。ある特定の実施形態では、1つのコンポマー種は、1つの標的核酸種、アンプリコン種、および/またはオリゴヌクレオチド種と対を形成する(例えば、対応する)。異なるコンポマー種は、本明細書における実施形態では異なる塩基組成、および識別可能な質量を有する(例えば、AおよびAは異なるおよび質量識別可能なコンポマー種である)。一部の実施形態では、コンポマー種の組は、塩基組成が異なるが同じ長さを有する。ある特定の実施形態では、コンポマー種の組は、塩基組成および長さが異なる。
質量識別可能な標識として使用されるヌクレオチドコンポマーは、全てのコンポマー種を検出可能に識別することができる任意の長さのコンポマーでありえて、例えば、長さが約1〜15、5〜20、1〜30、5〜35、10〜30、15〜30、20〜35、25〜35、30〜40、35〜45、40〜50もしくは25〜50、または時には約55、60、65、70、75、80、85、90、85もしくは100ヌクレオチドでありうる。質量識別可能な標識として使用されるペプチドまたはポリペプチドコンポマーは、全てのコンポマー種を検出可能に識別することができる任意の長さのコンポマーでありえて、例えば長さが約1〜20、10〜30、20〜40、30〜50、40〜60、50〜70、60〜80、70〜90、または80〜100アミノ酸でありうる。上記のように、コンポマー中の単位数に対する制限は、しばしばコンポマー種を識別するために使用される検出方法の質量ウインドウおよび分解能によって制限される。
用語「コンカテマー」および「コンカテマー」は、本明細書において同義的に使用され(集合的に「コンカテマー」)、互いに連結した(例えば、しばしば連続して連結した、ある特定の実施形態では時に分岐した)2つまたはそれ超の単位を含有する分子を指す。コンカテマーは、一部の実施形態では、時に核酸および/または人工ポリマーである。コンカテマーは、一部の実施形態では同じタイプの単位(例えば、ホモコンカテマー)を含み、時にコンカテマーは異なるタイプの単位(例えば、ヘテロコンカテマー)を含有しうる。コンカテマーは、ヌクレオチド単位、アミノ酸単位、小有機分子単位(例えば、トリチル)、特定のヌクレオチド配列単位、特定のアミノ酸配列単位等を含む、任意のタイプの単位を含有しうる。3つの特定の配列単位ABCのホモコンカテマーは、一実施形態では、ABCABCABCである。コンカテマーは、それぞれのコンカテマー種が他の種と検出可能に識別することができる限り、任意の数の単位を含有しうる。例えば、トリチルコンカテマー種は、一部の実施形態では、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900または1000トリチル単位を含有しうる。
識別可能な標識は、ある特定の実施形態では、核酸産物(例えば、伸長オリゴヌクレオチド)から放出されうる。識別可能な標識と核酸との間の連結は、転写および切断されうる任意のタイプの連結であり得、切断されて、放出された標識または複数の標識の検出を可能にする(例えば、Ehrichらによる「Target-Specific Compomers and Methods of Use」と題する米国特許出願公開第US20050287533A1号)。そのような連結および連結を切断する方法(「切断条件」)は公知である。ある特定の実施形態では、標識はそれが結合する分子の他の部分から分離することができる。一部の実施形態では、標識(例えば、コンポマー)は、より大きい一連のヌクレオチド(例えば、伸長オリゴヌクレオチド)から切断される。連結の非制限的な例には、ヌクレアーゼ(例えば、リボヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ)によって切断することができる連結、化学物質によって切断することができる連結、物理的処置によって切断することができる連結、および光によって切断することができる光切断可能なリンカー(例えば、o−ニトロベンジル、6−ニトロベラトリルオキシカルボニル、2−ニトロベンジル基)が挙げられる。光切断可能なリンカーは、切断および検出を組み合わせて単一ステップで実施することから、光を放射する(例えば、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)質量分析は、レーザーによる光の放射を含む)検出システムを使用するとき、利点を提供する。
ある特定の実施形態では、標識は、より大きい単位の一部でありえて、検出前にその単位から分離することができる。例えば、ある特定の実施形態では、標識は、より大きいヌクレオチド配列における連続ヌクレオチドの組であり、標識はより大きいヌクレオチド配列から切断される。そのような実施形態では、標識はしばしば、それが存在するヌクレオチド配列または核酸の1つの末端に位置する。一部の実施形態では、標識またはその前駆体は、標識をコードする前駆体配列に作動可能に連結されたプロモーター配列を含む転写カセットに存在する。後者の実施形態では、プロモーターは時に、標識を含むまたは標識からなるRNAを生成するRNAポリメラーゼ動員プロモーターである。標識を含むRNAは検出前に切断されて(例えば、RNアーゼによって)標識を放出することができる。
ある特定の実施形態では、識別可能な標識またはタグは、伸長オリゴヌクレオチドから切断されず、一部の実施形態では、識別可能な標識またはタグは捕捉剤を含む。ある特定の実施形態では、識別可能な特徴を検出するステップは、伸長オリゴヌクレオチドの存在または非存在を検出するステップを含み、一部の実施形態では、伸長オリゴヌクレオチドは、捕捉剤を含む。一部の実施形態では、伸長オリゴヌクレオチドは、競合剤との競合によって固相から放出され、ある特定の実施形態では、競合剤との競合は、固相に競合剤を接触させるステップを含む。一部の実施形態では、固相から伸長オリゴヌクレオチドを放出するステップは、上昇した温度条件で実施される。ある特定の実施形態では、上昇した温度条件は、約80℃〜約100℃の間である。一部の実施形態では、捕捉剤から伸長オリゴヌクレオチドを放出するステップは、上昇した温度条件で約1分〜約10分間起こる。ある特定の実施形態では、固相から伸長オリゴヌクレオチドを放出するステップは、約90℃で約5分間の競合剤(例えば、遊離の捕捉剤、遊離の捕捉剤の競合断片、遊離の捕捉剤の多量体、固相に対する結合をめぐって特異的に競合する任意の分子等およびその組合せ)による処置を含む。一部の実施形態では、競合剤はビオチンであり、固相はアビジン/ストレプトアビジンを含み、ある特定の実施形態では、競合剤はアビジン/ストレプトアビジンであり、固相はビオチンを含む。
ある特定の実施形態では、マルチプレックスアッセイは、伸長される一部のオリゴヌクレオチドと、伸長後に伸長されない一部のオリゴヌクレオチドとを含む。そのような実施形態では、伸長されないオリゴヌクレオチドはしばしば、固相に結合しない。
一部の実施形態では、競合剤の、ヌクレオチドまたは核酸に結合した捕捉剤(例えば、捕捉剤(例えば、ビオチン)を組み込んだ伸長オリゴヌクレオチド)に対する比率は、1:1でありうる。一部の実施形態では、競合剤は、オリゴヌクレオチドに会合する捕捉剤より過剰量で使用されてもよく、一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドに会合した捕捉剤は、競合剤より過剰量でありうる。そのような実施形態では、過剰量は時に、約5倍過剰〜約50,000倍過剰(例えば、約10倍過剰、約100倍過剰、約1,000倍過剰、または約10,000倍過剰)である。
マルチプレックス化
本明細書において提供される方法は、複数の標的核酸における標的核酸種ならびにその高存在量および低存在量バリアントのハイスループット検出および定量を可能にする。マルチプレックス化は、1つ超の標的核酸種の同時検出を指す。質量分析と共にマルチプレックス反応を実施するための一般的な方法は、公知である(例えば、米国特許第6,043,031号、第5,547,835号、および国際PCT出願国際公開第97/37041号を参照されたい)。マルチプレックス化は、複数の標的核酸種およびそのバリアント(例えば、異なる配列バリエーションを有するもの)を、それぞれの個々の標的核酸種に対する個別の、質量分析による分析を実施しなければならない場合と比較して、1つという少ない質量分析スペクトルにおいて同定することができるという利点を提供する。本明細書において提供される方法は、一部の実施形態では、高速および高い精度で配列バリエーションを分析するためのハイスループット高度自動化プロセスに役立つ。一部の実施形態では、本明細書における方法は、単一の反応で、高レベルでマルチプレックス化されうる。マルチプレックス化は、多型座での遺伝子型が不明であるときに応用可能であり、一部の実施形態では、座の遺伝子型は公知である。一部の実施形態では、マルチプレックス化は、質量分析以外の記載の検出方法を利用する。
ある特定の実施形態では、マルチプレックス化される標的(少量および/または大量)核酸種の数は、約2〜1,000種、時に約1−3、3−5、5−7、7−9、9−11、11−13、13−15、15−17、17−19、19−21、21−23、23−25、25−27、27−29、29−31、31−33、33−35、35−37、37−39、39−41、41−43、43−45、45−47、47−49、49−51、51−53、53−55、55−57、57−59、59−61、61−63、63−65、65−67、67−69、69−71、71−73、73−75、75−77、77−79、79−81、81−83、83−85、85−87、87−89、89−91、91−93、93−95、95−97、97−101、101−103、103−105、105−107、107−109、109−111、111−113、113−115、115−117、117−119、121−123、123−125、125−127、127−129、129−131、131−133、133−135、135−137、137−139、139−141、141−143、143−145、145−147、147−149、149−151、151−153、153−155、155−157、157−159、159−161、161−163、163−165、165−167、167−169、169−171、171−173、173−175、175−177、177−179、179−181、181−183、183−185、185−187、187−189、189−191、191−193、193−195、195−197、197−199、199−201、201−203、203−205、205−207、207−209、209−211、211−213、213−215、215−217、217−219、219−221、221−223、223−225、225−227、227−229、229−231、231−233、233−235、235−237、237−239、239−241、241−243、243−245、245−247、247−249、249−251、251−253、253−255、255−257、257−259、259−261、261−263、263−265、265−267、267−269、269−271、271−273、273−275、275−277、277−279、279−281、281−283、283−285、285−287、287−289、289−291、291−293、293−295、295−297、297−299、299−301、301−303、303−305、305−307、307−309、309−311、311−313、313−315、315−317、317−319、319−321、321−323、323−325、325−327、327−329、329−331、331−333、333−335、335−337、337−339、339−341、341−343、343−345、345−347、347−349、349−351、351−353、353−355、355−357、357−359、359−361、361−363、363−365、365−367、367−369、369−371、371−373、373−375、375−377、377−379、379−381、381−383、383−385、385−387、387−389、389−391、391−393、393−395、395−397、397−401、401−403、403−405、405−407、407−409、409−411、411−413、413−415、415−417、417−419、419−421、421−423、423−425、425−427、427−429、429−431、431−433、433−435、435−437、437−439、439−441、441−443、443−445、445−447、447−449、449−451、451−453、453−455、455−457、457−459、459−461、461−463、463−465、465−467、467−469、469−471、471−473、473−475、475−477、477−479、479−481、481−483、483−485、485−487、487−489、489−491、491−493、493−495、495−497、497−501種またはそれ超を含むがこれらに限定されるわけではない。
マルチプレックスアッセイによって分離される質量分析スペクトルを得る設計方法は、プライマーおよびオリゴヌクレオチド設計方法、ならびに反応設計方法を含む。マルチプレックスアッセイにおけるプライマーおよびオリゴヌクレオチドの設計に対して、偽プライミングおよびプライマー二量体の回避などのプライマー設計に対する同じ一般的ガイドラインをユニプレックス反応に適用するが、マルチプレックス反応ではより多くのプライマーのみが関係する。加えて、ピークの休止および他の任意の副産物ピークを含む、1つのアッセイに対する質量分析スペクトルにおける検体のピークは、そのアッセイがマルチプレックス化される任意のアッセイの産物から十分に分離される。同様に、検体ピークは、最適には、ユーザー指定の質量ウインドウ内、例えば5,000〜8,500Daの範囲内に入る。伸長オリゴヌクレオチドは、一部の実施形態では、所定のSNP鎖の標的配列に関して設計することができる。そのような実施形態では、長さはしばしば、例えばユーザー指定(例えば、17〜24塩基または17〜26塩基)でありえて、しばしば標的配列において不確かである塩基を含有しない限界の間である。時に、ハイブリダイゼーション強度は、配列依存的融解(またはハイブリダイゼーション/解離)温度、Tを計算することによって測定される。そのヘアピン能、偽プライミング能、プライマー−二量体能、低複雑度領域、およびGGGGなどの問題の多い小配列のために、特定のプライマーの選択は、プライマーの他の選択と比較して、認められないかまたはペナルティーが科される。伸長オリゴヌクレオチド(例えば、これらの基準に従う)を設計するための方法およびソフトウェアは公知であり、例えばSpectroDESIGNER(Sequenom)を含む。マルチプレックスアッセイは、同じプレックスに含まれる標的核酸種が、共通の低存在量バリアント(すなわち、同じ変異体遺伝子型)を有するように設計される。
一部の実施形態では、本明細書において提供されるマルチプレックスアッセイは、単一塩基伸長となるように設計され、同じプレックスに含まれる標的核酸種は、共通の低存在量バリアントを有する。アッセイは、部分的に以下の基準を使用して設計される:
a.オリゴヌクレオチド種は、標的核酸種の低存在量バリアントと高存在量バリアントの間で異なる単一塩基位置に対して5’の位置で、標的核酸種の低存在量バリアントおよび高存在量バリアントに由来するアンプリコンにハイブリダイズする。
b.単一塩基位置のヌクレオチドは、プレックス中の複数の標的核酸種の高存在量バリアントのそれぞれに関して同じであるかまたは異なる。
c.単一塩基位置のヌクレオチドは、プレックス中の複数の標的核酸種の低存在量バリアントのそれぞれに関して同じである(すなわち、プレックス中の全てのアッセイは、共通で同じ低存在量塩基または変異体塩基を有する)。
d.複数の標的核酸種の高存在量バリアントの単一塩基位置のヌクレオチドは、プレックスにおける複数の標的核酸種の低存在量バリアントの単一塩基位置のヌクレオチドと同じではない。
マルチプレックスアッセイは、単一プレックスに含まれる標的核酸種の低存在量バリアントを伸長させるために特異的な単一の停止ヌクレオチドを使用することに基づく。マルチプレックスアッセイは、アッセイにおいて標的核酸種の高存在量バリアントを伸長させるために特異的な1、2、または3つの異なる停止ヌクレオチドを含みうる。例えば、低存在量バリアントがddTTPだけ伸長するとき、伸長ミックスは、ddATP、ddGTP、およびddCTPの1、2、または3つを含みうる。
それぞれのプレックスが、異なる低存在量バリアントを標的とする、4つのマルチプレックスアッセイ(プレックス)を設計する。同じ低存在量バリアントを有する標的核酸種を、単一のプレックスにおいて組み合わせる。
マルチプレックスC
低存在量バリアント−C
可能性がある高存在量バリアント−G、A、T
マルチプレックスA
低存在量バリアントA
可能性がある高存在量バリアント−G、C、T
マルチプレックスT
低存在量バリアントT
可能性がある高存在量バリアント−G、A、C
マルチプレックスG
低存在量バリアントG
可能性がある高存在量バリアント−C、A、T
起こりうる全ての高存在量バリアント/低存在量バリアントの組合せの必要条件を容易にするために、それぞれの低存在量バリアントを、フォワードおよびリバース方向に調べる。設計は、いかなる可能性のあるエキソヌクレアーゼ由来の追加のシグナルも回避するために、伸長オリゴヌクレオチドとPCRプライマーとのオーバーラップを回避する。
本明細書において使用される用語「コールレート」または「コーリングレート」は、得ることが企図されるコール数と比較した、得られたコール数(例えば、決定された遺伝子型)を指す。言い換えれば、12重反応において、本明細書において提供される方法を実施することによって10の遺伝子型が最終的に決定されれば、10コールが得られており、コールレートは10/12である。異なる事象によって、特定の企図されるアッセイの失敗が起こりえて、コールレートは100%より低くなる。時に、停止のためのdNTPとddNTPのミックスの場合、1つの非停止ヌクレオチド(すなわち、dNTP)の取り込み後のポリメラーゼの休止によって不適切な伸長産物が起こり、例えば早期に停止された伸長プライマーが起こる。多型部位でのこの誤って停止したおよび正確に停止したプライマー質量伸長反応の間の質量の差は、時に、一貫して分離するには小さすぎて、不適切な停止ミックスを使用する場合にはミスコールが起こりうる。正確な停止と誤停止(すなわち、休止によって引き起こされるもの)ならびに正確な停止と塩付加物ならびに正確な停止と非特異的取り込みの間の質量の差は、ミスコールの数を低減させるためにしばしば最大限にされる。
マルチプレックスアッセイの精度は、1つまたは複数のアッセイにおいて、得られたコール数(例えば、正しくまたは正確に評価される)、ならびに/または偽陽性および/もしくは偽陰性結果の数を評価することによって決定されうる。精度はまた、マルチプレックスアッセイにおいて評価した標的のそれぞれの対応するユニプレックスアッセイの精度を比較することによって評価してもよい。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の方法を使用して、コールレートを決定してもよい。例えば、手動の方法を、コールを行うための自動またはコンピューター法と共に利用してもよく、一部の実施形態では、それぞれの方法のレートを合計して、総コールレートを計算してもよい。ある特定の実施形態では、2つまたはそれ超の標的核酸、例えば50個またはそれ超の標的核酸をマルチプレックス化するとき、精度またはコールレートは、約99%またはそれ超、例えば98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、87〜88%、85〜86%、83〜84%、81〜82%、80%、78〜79%、または76〜77%でありうる。一部の実施形態では、約2〜200個の標的種を含むマルチプレックスアッセイにおけるそれぞれの標的種のコールレートは、80%またはそれ超(例えば、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ超)より大きいかまたはそれに等しい。
ある特定の実施形態では、エラーレートは、コールレートまたは精度のレートに基づいて決定されうる。例えば、エラーレートは、誤ってなされたコール数でありうる。一部の実施形態では、例えば、エラーレートは、コールレートまたは精度レートの100%未満でありうる。エラーレートはまた、「失敗率」とも呼ばれうる。偽陽性および/または偽陰性の同定は、コールレートおよびエラーレートの両方を再調整することができる。ある特定の実施形態では、より多くのアッセイの実施はまた、偽陽性および/または偽陰性を同定するために役立ち、それによってコールレートおよび/またはエラーレートを調整することができる。ある特定の実施形態では、2つまたはそれ超の標的核酸(例えば50個またはそれ超の標的核酸)をマルチプレックス化するとき、エラーレートは、例えば約1%またはそれ未満、2%、3%、4,%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、または25%でありうる。
以下に示す実施例は、本技術について例示するものであり、これを限定するものではない。
(実施例1)
偏った停止剤によるバリアント検出
以下の方法では、単一の反応内で複数の有益なバリアントについて調べるため、これまでに本明細書に記載された、低存在量バリアントおよび高存在量バリアントを対象とする、偏った(skewed)濃度の停止剤を使用する。
アッセイデザイン
各アッセイは、3つのプライマー、2つのPCRプライマーおよび1つの単一塩基伸長プライマーからなる。循環無細胞DNAにおける増幅を確実に成功させるため、全てのアンプリコンは長さが150bp未満であり、組み込まれていないPCRプライマーを分析質量ウインドウから除くため、質量タグをプライマーの5’末端に付加する。伸長プローブデザインもいくつかの必要条件を有する。まず、伸長産物の質量は、アッセイ間の競合がないように、質量によって十分に間隔がなければならない。次に、マルチプレックス化は変異体対立遺伝子(低存在量バリアント)に基づき、したがって1つの反応では、単一塩基伸長中に同一のヌクレオチドが組み込まれる少量対立遺伝子バリアント(低存在量バリアント)のみが、ともにマルチプレックス化される。少量対立遺伝子と異なる限り、大量対立遺伝子(高存在量バリアント)に関しては懸念しない。大量対立遺伝子(高存在量バリアント)の伸長産物は、失敗したアッセイでの野生型の結果を識別するための対照をもたらす。任意選択の対照アッセイは、例えば、ビーズ捕捉、洗浄、および溶出ステップが成功したかを検証するための捕捉対照を含んでいてよい。
PCR増幅
1mMのMgClを補充した1x PCR緩衝剤、125μMのdNTP、0.125Uのウラシル−DNAグリコシラーゼ(New England Biolabs(登録商標)、Ipswich、MA、USA)、4UのTaqポリメラーゼ、および100nMの各PCRプライマーからなるマスターミックス10μLを補充したDNA鋳型10μLを有する総体積20μL中でPCRを実施する。まず反応液を30℃で10分間、その後94℃で2分間インキュベートする。94℃で30秒間、56℃で30秒間、および72℃で1分間のPCRを45サイクル実施した。72℃で5分間の最終インキュベーションでPCRを完了する。増幅産物5μLを、0.5Uのエビアルカリホスファターゼ(SAP)の0.24x SAP緩衝剤溶液2μlの添加により総体積7μLで、37℃で40分間コンディショニングし、その後、85℃で10分間SAP酵素を変性させる。
単一塩基伸長
0.2x伸長緩衝剤、5.56μMの少量対立遺伝子バリアントヌクレオチドおよび0.03〜1.25μMの範囲の様々な濃度の大量対立遺伝子バリアントヌクレオチド、各種濃度の伸長プライマー、および0.14U iPLEX(登録商標)Pro酵素からなるマスターミックス2μLを添加することにより、単一塩基伸長を実施する。総体積9μLで単一塩基伸長反応を実施する。反応パラメータは、94℃で30秒間の最初のインキュベーション、その後の、52℃で5秒間、次いで80℃で5秒間のネステッドサイクル5回を伴う、94℃で5秒間の40サイクルを含む。72℃で3分間のインキュベーションで単一塩基伸長を完了する。
捕捉およびデータ取得
捕捉の前に、ストレプトアビジンコーティングされた磁気ビーズを、結合緩衝剤および洗浄緩衝剤でコンディショニングする。ビーズに対して2ラウンドのコンディショニングを実施し、次いでビーズを濃度1μg/μLの結合緩衝剤および洗浄緩衝剤で再懸濁させる。総体積41μLのコンディショニングされたビーズを反応液各9μLに添加し、絶えず回転させながら室温で30分間捕捉を実施する。捕捉された産物を有するビーズを磁石を使用してペレット化し、結合溶液および洗浄溶液を除去する。HPLCグレードの水100μLでビーズを1回洗浄し、溶出溶液(溶液中に遊離ビオチン)13μLで再懸濁させ、95℃で5分間インキュベートする。アニオン交換樹脂スラリー5μL(3mg)で溶出産物をコンディショニングする。RS1000ナノディスペンサーを使用して、Spectrochip(登録商標)II固体支持体に分析物を分配する。MassARRAY(登録商標)4装置を使用したMALDI−TOF質量分析によりデータを得る。
実施形態の実施例
ここから、本技術についてのある特定の実施形態の非限定的な例を列挙する。
(A1)
複数の核酸種のバリアントの存在または非存在を検出するマルチプレックス方法であって、
(a)それぞれの標的核酸種が、低存在量バリアントと高存在量バリアントとを含む、複数の標的核酸種またはその一部に由来する複数のアンプリコンを調製するステップと、
(b)単一の反応において前記アンプリコンを複数のオリゴヌクレオチド種にハイブリダイズさせるステップであって、それぞれのオリゴヌクレオチド種が、標的核酸種のアンプリコンに特異的に対応し、(i)オリゴヌクレオチド種は、標的核酸種の前記低存在量バリアントと前記高存在量バリアントの間で異なる単一塩基位置に対して5’の位置で、前記標的核酸種の前記低存在量バリアントおよび前記高存在量バリアントに由来するアンプリコンにハイブリダイズし、(ii)前記単一塩基位置の前記ヌクレオチドは、前記複数の標的核酸種の前記高存在量バリアントのそれぞれに関して同じであるかまたは異なり、(iii)前記単一塩基位置の前記ヌクレオチドは、前記複数の標的核酸種の前記低存在量バリアントのそれぞれに関して同じであり、ならびに(iv)前記複数の標的核酸種の前記高存在量バリアントの前記単一塩基位置の前記ヌクレオチドのいずれも、前記複数の標的核酸種の前記低存在量バリアントの前記単一塩基位置のヌクレオチドと同じではなく、それによってハイブリダイズオリゴヌクレオチドを生成するステップと、
(c)前記ハイブリダイズオリゴヌクレオチドに、前記低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドと、前記高存在量バリアントの1つまたは複数に対して特異的な1、2、または3つの停止ヌクレオチドとを含む伸長組成物を、伸長条件で接触させるステップであって、(i)前記停止ヌクレオチドが捕捉剤を含み、(ii)1つまたは複数の高存在量バリアントに対して特異的な前記1、2、または3つの停止ヌクレオチドの濃度がそれぞれ、前記低存在量バリアントに対して特異的な前記停止ヌクレオチドの濃度と比較して0.1%から30%の濃度であり、(iii)前記伸長条件が、多数の熱サイクルを含み、それによって前記複数の標的核酸種の前記低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドと、前記複数の標的核酸種の前記高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドとを生成するステップと、
(d)前記伸長オリゴヌクレオチドに、前記捕捉剤が固相と相互作用する条件で固相を接触させ、それによって前記固相上で前記伸長オリゴヌクレオチドを捕捉するステップであって、前記固相が、(c)における前記捕捉剤の結合パートナーを含むステップと、
(e)上昇した温度条件で前記固相に競合剤を接触させることによって(d)における前記伸長オリゴヌクレオチドを放出するステップであって、前記競合剤が、(d)における前記固相と相互作用する前記捕捉剤の遊離形態を含むステップと、
(f)(e)において放出された前記伸長オリゴヌクレオチドを検出し、それによって前記複数の核酸種の前記バリアントの存在または非存在を検出するステップと、
を含むマルチプレックス方法。
(A2)
前記バリアントが単一ヌクレオチド多型(SNP)バリアントであり、前記低存在量バリアントが低存在量対立遺伝子であり、前記高存在量バリアントが高存在量対立遺伝子である、実施形態A1に記載の方法。
(A3)
前記低存在量バリアントが変異体対立遺伝子であり、前記高存在量バリアントが前記対立遺伝子の野生型の対立遺伝子である、実施形態A1に記載の方法。
(A3.1)
前記低存在量バリアントが、1つまたは複数の挿入または欠失を有し、前記高存在量バリアントが、1つまたは複数の挿入または欠失を有しない、実施形態A1に記載の方法。
(A4)
前記低存在量バリアントが、前記高存在量バリアントのコピー数の2%またはそれ未満であるコピー数で存在する、実施形態A1からA3.1のいずれか一項に記載の方法。
(A4.1)
低存在量バリアントが、高存在量バリアントのコピー数の1%またはそれ未満であるコピー数で存在する、実施形態A1からA4のいずれか1つの方法。
(A4.2)
低存在量バリアントが、高存在量バリアントのコピー数と比較して0.1%であるコピー数で存在する、実施形態A1からA4.1のいずれか1つの方法。
(A5)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1つまたは複数の停止ヌクレオチドが、1つの停止ヌクレオチドからなる、実施形態A1からA4.2のいずれか一項に記載の方法。
(A6)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1つまたは複数の停止ヌクレオチドが、2つの異なる停止ヌクレオチドからなる、実施形態A1からA4.2のいずれか一項に記載の方法。
(A7)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1つまたは複数の停止ヌクレオチドが、3つの異なる停止ヌクレオチドからなる、実施形態A1からA4.2のいずれか一項に記載の方法。
(A8)
前記停止ヌクレオチドが、独立してddATP、ddGTP、ddCTP、ddTTP、およびddUTPから選択される、実施形態A1からA7のいずれか一項に記載の方法。
(A9)
前記停止ヌクレオチドが1つまたは複数の非環式停止剤を含む、実施形態A1からA7のいずれか一項に記載の方法。
(A9.1)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1、2、または3つの停止ヌクレオチドのそれぞれの濃度が、前記低存在量バリアントの前記特異的停止ヌクレオチドの濃度と比較して0.5%から10%の濃度である、実施形態A1からA9のいずれかに記載の方法。
(A9.2)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1、2、または3つの停止ヌクレオチドのそれぞれの濃度が、前記低存在量バリアントの前記特異的停止ヌクレオチドの濃度と比較して1%から2%の濃度である、実施形態A1からA9のいずれかに記載の方法。
(A10)
それぞれの核酸種に関して、前記低存在量バリアントおよび前記高存在量バリアントの総コピー数が、少なくとも約1000コピーであり、前記低存在量バリアントが前記総コピー数の0.1%に相当する、実施形態A1からA9.2のいずれか一項に記載の方法。
(A11)
(a)において産生された前記アンプリコンを、前記アンプリコンに組み込まれていない任意のヌクレオチドから末端のホスフェートを除去する作用剤に接触させる、実施形態A1からA10のいずれか一項に記載の方法。
(A12)
前記末端のホスフェートが溶液にホスファターゼを接触させることによって除去される、実施形態A1からA11のいずれか一項に記載の方法。
(A13)
前記ホスファターゼがアルカリホスファターゼである、実施形態A12に記載の方法。
(A14)
前記アルカリホスファターゼが、エビのアルカリホスファターゼである、実施形態A13に記載の方法。
(A15)
前記複数の標的核酸種が、10個またはそれ超の標的核酸種である、実施形態A1からA14のいずれか一項に記載の方法。
(A16)
前記複数の標的核酸種が、20個またはそれ超の標的核酸種である、実施形態A1からA14のいずれか一項に記載の方法。
(A17)
(a)における前記伸長条件が、30から45回のサイクリングを含む、実施形態A1からA6のいずれか一項に記載の方法。
(A18)
(c)における前記伸長条件が、20から300回のサイクリングを含む、実施形態A1からA17のいずれか一項に記載の方法。
(A19)
(c)における前記伸長条件が、少なくとも50回のサイクリングを含む、実施形態A1からA17のいずれか一項に記載の方法。
(A20)
前記捕捉剤が、アビジン、アビジンの類似体、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンの類似体、ビオチン、またはビオチンの類似体を含む、実施形態A1からA19のいずれか一項に記載の方法。
(A21)
前記結合パートナーが、アビジン、アビジンの類似体、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンの類似体、ビオチン、またはビオチンの類似体からなる群から選択される、実施形態A1からA20のいずれか一項に記載の方法。
(A22)
前記捕捉剤がビオチンを含み、前記固相がストレプトアビジンを含み、および前記競合剤が遊離のビオチンを含む、実施形態A1からA21のいずれか一項に記載の方法。
(A23)
前記上昇温度条件が約80℃から約100℃である、実施形態A1からA22のいずれか一項に記載の方法。
(A24)
前記上昇温度条件が約1分間から約10分間の処置を含む、実施形態A1からA23のいずれかに記載の方法。
(A25)
前記上昇温度条件が約90℃で約5分間の処置を含む、実施形態A1からA24のいずれかに記載の方法。
(A26)
前記競合剤が、約10μg/mlから約100μg/mlの濃度である、実施形態A1からA25のいずれか一項に記載の方法。
(A27)
前記競合剤が、濃度約25μg/mlの遊離のビオチンまたは遊離のビオチン類似体である、実施形態A26に記載の方法。
(A28)
低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドの検出の非存在下において、高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドの検出が、偽陰性結果に対する陽性対照を提供する、実施形態A1からA27のいずれか一項に記載の方法。
(A29)
それぞれの伸長オリゴヌクレオチドが検出可能な標識を含む、実施形態A1からA28のいずれか一項に記載の方法。
(A30)
前記停止ヌクレオチドが前記検出可能な標識を含む、実施形態A29に記載の方法。
(A31)
前記検出可能な標識が蛍光標識である、実施形態A29に記載の方法。
(A32)
停止ヌクレオチドが前記蛍光標識を含む、実施形態A31に記載の方法。
(A32.1)
蛍光標識が電気泳動またはリアルタイムPCRにより検出される、A31またはA32の実施形態。
(A33)
前記検出可能な標識が質量標識である、実施形態A29に記載の方法。
(A34)
前記質量標識が、アンプリコンにハイブリダイズするオリゴヌクレオチド種の領域の5’に位置する質量識別可能なタグであるか、または前記停止ヌクレオチドが前記質量識別可能なタグを含む、実施形態A33に記載の方法。
(A35)
前記伸長オリゴヌクレオチドの捕捉後に前記固相を洗浄するステップを含む、実施形態A33またはA34に記載の方法。
(A36)
前記洗浄するステップが、質量分析による分析において妨害性の付加物を産生する塩を除去する、実施形態A35に記載の方法。
(A37)
伸長オリゴヌクレオチドがイオン交換樹脂に接触されない、実施形態A33からA36のいずれか一項に記載の方法。
(A38)
検出が、質量分析によって行われる、実施形態A1からA30およびA33からA37のいずれか一項に記載の方法。
(A39)
低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドの濃度と、高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドの濃度の比率に基づく標準化を含む、それぞれの標的核酸種の高存在量バリアントの量と比較した、低存在量バリアントの量を決定するステップをさらに含む、実施形態A1からA38のいずれかに記載の方法。
(B1)
複数の核酸種のバリアントの存在または非存在および量を検出するマルチプレックス方法であって、
(a)それぞれの標的核酸種が、低存在量バリアントと高存在量バリアントとを含む、複数の標的核酸種またはその一部に由来する複数のアンプリコンを調製するステップと、
(b)単一の反応において前記アンプリコンを複数のオリゴヌクレオチド種にハイブリダイズさせるステップであって、それぞれのオリゴヌクレオチド種が、標的核酸種のアンプリコンに特異的に対応し、(i)オリゴヌクレオチド種は、標的核酸種の前記低存在量バリアントと前記高存在量バリアントの間で異なる単一塩基位置に対して5’の位置で、標的核酸種の前記低存在量バリアントおよび前記高存在量バリアントに由来するアンプリコンにハイブリダイズし、(ii)前記単一塩基位置の前記ヌクレオチドは、前記複数の標的核酸種の前記高存在量バリアントのそれぞれに関して同じであるかまたは異なり、(iii)前記単一塩基位置の前記ヌクレオチドは、前記複数の標的核酸種の前記低存在量バリアントのそれぞれに関して同じであり、および(iv)前記複数の標的核酸種の前記高存在量バリアントの前記単一塩基位置の前記ヌクレオチドのいずれも、前記複数の標的核酸種の前記低存在量バリアントの前記単一塩基位置の前記ヌクレオチドと同じではなく、それによってハイブリダイズオリゴヌクレオチドを生成するステップと、
(c)前記ハイブリダイズオリゴヌクレオチドに、前記低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドと、前記高存在量バリアントの1つまたは複数に対して特異的な1、2、または3つの停止ヌクレオチドとを含む伸長組成物を、伸長条件で接触させるステップであって、(i)前記停止ヌクレオチドが捕捉剤を含み、(ii)1つまたは複数の高存在量バリアントに対して特異的な前記1、2、または3つの停止ヌクレオチドの濃度がそれぞれ、前記低存在量バリアントに対して特異的な前記停止ヌクレオチドの濃度と比較して0.1%から30%の濃度であり、(iii)前記伸長条件が、多数の熱サイクルを含み、それによって前記複数の標的核酸種の前記低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドと、前記複数の標的核酸種の前記高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドとを生成するステップと、
(d)前記伸長オリゴヌクレオチドに、前記捕捉剤が固相と相互作用する条件で固相を接触させ、それによって前記固相上で前記伸長オリゴヌクレオチドを捕捉するステップであって、前記固相が、(c)における前記捕捉剤の結合パートナーを含むステップと、
(e)上昇した温度条件で前記固相に競合剤を接触させることによって、(d)における前記伸長オリゴヌクレオチドを放出するステップであって、前記競合剤が、(d)における前記固相と相互作用する前記捕捉剤の遊離型を含むステップと、
(f)(e)において放出された前記伸長オリゴヌクレオチドを検出し、それによって前記複数の核酸種の前記バリアントの存在または非存在を検出するステップと、
(g)(f)において存在すると検出された前記複数の核酸種のバリアントに関して、それぞれの標的核酸種の前記高存在量バリアントの量と比較して、前記低存在量バリアントの量を決定するステップと、
を含むマルチプレックス方法。
(B2)
前記バリアントが単一ヌクレオチド多型(SNP)バリアントであり、前記低存在量バリアントが低存在量対立遺伝子であり、前記高存在量バリアントが高存在量対立遺伝子である、実施形態B1に記載の方法。
(B3)
前記低存在量バリアントが変異体対立遺伝子であり、前記高存在量バリアントが対立遺伝子の野生型である、実施形態B1に記載の方法。
(B3.1)
前記低存在量バリアントが、1つまたは複数の挿入または欠失を有し、前記高存在量バリアントが、1つまたは複数の挿入または欠失を有しない、実施形態B1に記載の方法。
(B4)
前記低存在量バリアントが、前記高存在量バリアントのコピー数の2%またはそれ未満であるコピー数で存在する、実施形態B1からB3.1のいずれか一項に記載の方法。
(B4.1)
低存在量バリアントが、高存在量バリアントのコピー数の1%またはそれ未満であるコピー数で存在する、実施形態B1からB4のいずれか1つの方法。
(B4.2)
低存在量バリアントが、高存在量バリアントのコピー数と比較して0.1%であるコピー数で存在する、実施形態B1からB4.1のいずれか1つの方法。
(B5)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1つまたは複数の停止ヌクレオチドが、1つの停止ヌクレオチドからなる、実施形態B1からB4.2のいずれか一項に記載の方法。
(B6)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1つまたは複数の停止ヌクレオチドが、2つの異なる停止ヌクレオチドからなる、実施形態B1からB4.2のいずれか一項に記載の方法。
(B7)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1つまたは複数の停止ヌクレオチドが、3つの異なる停止ヌクレオチドからなる、実施形態B1からB4.2のいずれか一項に記載の方法。
(B8)
前記停止ヌクレオチドが、独立してddATP、ddGTP、ddCTP、ddTTP、およびddUTPから選択される、実施形態B1からB7のいずれか一項に記載の方法。
(B9)
前記停止ヌクレオチドが1つまたは複数の非環式停止剤を含む、実施形態B1からB7のいずれか一項に記載の方法。
(B9.1)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1、2、または3つの停止ヌクレオチドのそれぞれの濃度が、前記低存在量バリアントの前記特異的停止ヌクレオチドの濃度と比較して0.5%から10%の濃度である、実施形態B1からB9のいずれかに記載の方法。
(B9.2)
前記高存在量バリアントに対して特異的な前記1、2、または3つの停止ヌクレオチドのそれぞれの濃度が、前記低存在量バリアントの前記特異的停止ヌクレオチドの濃度と比較して1%から2%の濃度である、実施形態B1からB9のいずれかに記載の方法。
(B10)
それぞれの核酸種に関して、前記低存在量バリアントおよび前記高存在量バリアントの総コピー数が、少なくとも約1000コピーであり、前記低存在量バリアントが前記総コピー数の0.1%に相当する、実施形態B1からB9.2のいずれかに記載の方法。
(B11)
(a)において産生されたアンプリコンを、アンプリコンに組み込まれていない任意のヌクレオチドから末端のホスフェートを除去する作用剤に接触させる、実施形態B1からB10のいずれか一項に記載の方法。
(B12)
前記末端のホスフェートが溶液にホスファターゼを接触させることによって除去される、実施形態B1からB11のいずれか一項に記載の方法。
(B13)
前記ホスファターゼがアルカリホスファターゼである、実施形態B12に記載の方法。
(B14)
前記アルカリホスファターゼが、エビのアルカリホスファターゼである、実施形態B13に記載の方法。
(B15)
前記複数の標的核酸種が、10個またはそれ超の標的核酸種である、実施形態B1からB14のいずれか一項に記載の方法。
(B16)
前記複数の標的核酸種が、20個またはそれ超の標的核酸種である、実施形態B1からB14のいずれか一項に記載の方法。
(B17)
(a)における前記伸長条件が、30から45回のサイクリングを含む、実施形態B1からB6のいずれか一項に記載の方法。
(B18)
(c)における前記伸長条件が、20から300回のサイクリングを含む、実施形態B1からB17のいずれか一項に記載の方法。
(B19)
(c)における前記伸長条件が、少なくとも50回のサイクリングを含む、実施形態B1からB17のいずれか一項に記載の方法。
(B20)
前記捕捉剤が、アビジン、アビジンの類似体、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンの類似体、ビオチン、またはビオチンの類似体を含む、実施形態B1からB19のいずれか一項に記載の方法。
(B21)
前記結合パートナーが、アビジン、アビジンの類似体、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンの類似体、ビオチン、またはビオチンの類似体からなる群から選択される、実施形態B1からB20のいずれか一項に記載の方法。
(B22)
前記捕捉剤がビオチンを含み、前記固相がストレプトアビジンを含み、および前記競合剤が遊離のビオチンを含む、実施形態B1からB21のいずれか一項に記載の方法。
(B23)
前記上昇温度条件が約80℃から約100℃である、実施形態B1からB22のいずれか一項に記載の方法。
(B24)
前記上昇温度条件が約1分間から約10分間の処置を含む、実施形態B1からB23のいずれか一項に記載の方法。
(B25)
前記上昇温度条件が約90℃で約5分間の処置を含む、実施形態B1からB24のいずれか一項に記載の方法。
(B26)
前記競合剤が、約10μg/mlから約100μg/mlの濃度である、実施形態B1からB25のいずれか一項に記載の方法。
(B27)
前記競合剤が、濃度約25μg/mlの遊離のビオチンまたは遊離のビオチン類似体である、B26に記載の実施形態。
(B28)
低存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドの検出の非存在下において、高存在量バリアントに対して特異的な停止ヌクレオチドを含む伸長オリゴヌクレオチドの検出が、偽陰性結果に対する陽性対照を提供する、実施形態B1からB27のいずれか一項に記載の方法。
(B29)
それぞれの伸長オリゴヌクレオチドが検出可能な標識を含む、実施形態B1からB28のいずれか一項に記載の方法。
(B30)
停止ヌクレオチドが前記検出可能な標識を含む、B29に記載の実施形態。
(B31)
前記検出可能な標識が蛍光標識である、B29に記載の実施形態。
(B32)
停止ヌクレオチドが前記蛍光標識を含む、B31に記載の実施形態。
(B32.1)
蛍光標識が電気泳動またはリアルタイムPCRにより検出される、B31またはB32の実施形態。
(B33)
前記検出可能な標識が質量標識である、B29に記載の実施形態。
(B34)
前記質量標識が、アンプリコンにハイブリダイズするオリゴヌクレオチド種の領域の5’に位置する質量識別可能なタグであるか、または前記停止ヌクレオチドが質量識別可能なタグを含む、B33に記載の実施形態。
(B35)
前記伸長オリゴヌクレオチドの捕捉後に前記固相を洗浄するステップを含む、実施形態B33またはB34に記載の方法。
(B36)
前記洗浄するステップが、質量分析による分析において妨害性の付加物を産生する塩を除去する、B35に記載の実施形態。
(B37)
伸長オリゴヌクレオチドがイオン交換樹脂に接触されない、実施形態B33からB36のいずれかに記載の方法。
(B38)
検出が、質量分析によって行われる、実施形態B1からB30およびB33からB37のいずれか一項に記載の方法。
(B39)
それぞれの標的核酸種の高存在量バリアントの量と比較して低存在量バリアントの量を決定するステップが、前記低存在量バリアントに対して特異的な前記停止ヌクレオチドの濃度と、前記高存在量バリアントに対して特異的な前記停止ヌクレオチドの濃度の比率に基づく標準化を含む、実施形態B1からB38のいずれかに記載の方法。
本明細書において本明細書により言及される各特許、特許出願、刊行物および文書全体が、参照により組み込まれる。上記の特許、特許出願、刊行物および文書を引用することは、上記のいずれかが関連先行技術であると認めることにはならず、これらの刊行物または文書の内容または日付に関して認めることにもならない。
上記に対し、本技術の基本的な態様から逸脱することなく改変を加えることができる。本技術は、1つまたは複数の特定の実施形態に関して十分詳細に記載されているが、本出願で具体的に開示される実施形態に対して変更を加えることができ、しかしながらこれらの改変および改善が本技術の範囲および趣旨内にあることを、当業者は認識しているものである。
説明のために本明細書に記載される技術は、本明細書において具体的に開示されない任意の要素の非存在下で適切に実施することができる。したがって、例えば、本明細書の各例において、「〜を含む」、「〜から本質的になる」、および「〜からなる」という語のいずれかを、その他の2つの語のいずれかで置き換えることができる。使用される語および表現は、限定ではなく説明のための語として使用され、このような語および表現の使用により、示されかつ記載される特徴またはその一部についての任意の同等物が除外されることはなく、請求項に係る技術の範囲内で各種改変が可能である。要素1つまたは要素1つ超のいずれかについて記載されていることが文脈上明らかでない限り、「1つの(a)」または「1つの(an)」という語は、これらが修飾する要素1つまたは複数を指すことができる(例えば「a reagent」は1つまたは複数の試薬を意味することができる)。本明細書において使用される場合、「約」という語は、元となるパラメータの10%以内の値(すなわち、プラスまたはマイナス10%)を指し、一連の値の始めに「約」という語を使用すれば、値のそれぞれが修飾される(すなわち、「約1、2および3」は約1、約2および約3となる)。例えば、重量「約100グラム」には、重量90グラム〜110グラムが含まれうる。さらに、値の列挙(例えば、約50%、60%、70%、80%、85%または86%)が本明細書に記載される場合、列挙にはその中間値および少数値(例えば、54%、85.4%)が全て含まれる。したがって、本技術は代表的な実施形態および任意選択の特徴により具体的に開示されるが、当業者は本明細書において開示される概念の改変および変更を行使してもよく、このような改変および変更は本技術の範囲内にあるとみなされる、ということが理解されるべきである。
本技術のある特定の実施形態を、以下の請求項に示す。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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