JPH11503611A - 生体高分子の固相配列決定法 - Google Patents

生体高分子の固相配列決定法

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JPH11503611A JP8531243A JP53124396A JPH11503611A JP H11503611 A JPH11503611 A JP H11503611A JP 8531243 A JP8531243 A JP 8531243A JP 53124396 A JP53124396 A JP 53124396A JP H11503611 A JPH11503611 A JP H11503611A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ターゲット核酸配列及び二本鎖核酸配列を検出し、配列決定する方法、これらの方法に有用な、核酸プローブ、質量修飾された核酸プローブ、プローブアレイ並びにこれらのプローブを含有するキット及び系に関する。有用な方法は、核酸、又はターゲットの配列に相補的若しくは相同性である核酸を核酸プローブアレイにハイブリダイズすることを含む。これらのプローブは一本鎖部分と、任意の二本鎖部分と、前記一本鎖部分内の可変配列とを含む。セットのハイブリダイズした核酸の分子量は質量分析法によって測定することができ、ターゲットの配列はフラグメントの分子量から推測することができる。配列を決定される核酸は、例えば患者バイオプシーのような生物学的サンプル及び環境的サンプル中にDNA又はRNAを包含する。自動化分子量分析及びターゲット配列の同定を促進するために、プローブは例えばハイブリダイゼーションチップのような固体サポートに固定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 生体高分子の固相配列決定法発明における権利 本発明は、米国エネルギー省が授与する助成金番号DE−FG−02−93E R61609のもとに米国政府の援助でなされたものであり、米国政府が本発明 において一定の権利をもつ。発明の背景 1.発明の分野 本発明は、ハイブリッド形成技術による配列決定法および分子量分析法を用い て核酸を検出および配列決定する方法に関する。本発明はまた、配列決定および 検出に有用なプローブおよびアレイ、ならびに配列情報を測定するためのキット および装置に関する。 2.背景の説明 核酸が遺伝コードの担体として認識されて以来、見出される多数の形態のコー ドの配列を決定することにつき多大な関心が向けられてきた。2つの画期的な研 究により、少なくともDNAに関しては、核酸の配列決定法が大部分の実験室で 実施される一般的な、かなり迅速なものとなった。第1の研究は、末端標識DN A分子を単一塩基反復部位で化学的に開裂する方法につき述べたものである(A .M.Maxam and W.Gilbert,Pro.Natl.Acad .Sci.USA 74:560−64,1977)。次いで、部分開裂により 生成したフラグメントの分子量から、核酸配列中のそれぞれの塩基の位置を決定 する。個々の反応は、グアニンの位置、アデニンの位置、シトシンおよびチミン の位置、シトシン単独の位置で優先的に開裂するように設定された。これら4反 応の生成物を、たとえばポリアクリルアミドゲル電気泳動を利用して分子量によ り分離すると、分離したゲル上のフラグメントのパターンからDNA配列を読み 取ることができる。 第2の研究は、プラス−マイナス法の変法を用いてDNAの配列を決定する方 法につき述べたものである(F.Sanger et al.,Pro.Nat l.Acad.Sci.USA 74:5463−67,1977)。この方法 は、ジデオキシヌクレオシド三リン酸(ddNTP)が連鎖停止する能力、およ びDNAポリメラーゼがddNTPをDNAポリメラーゼの天然基質であるデオ キシヌクレオシド三リン酸(dNTP)とほとんど等しい忠実度で取り込む能力 を利用する。すなわちプライマー(通常はオリゴヌクレオチド)と鋳型DNAを 一緒に、有用濃度の4種類すべてのdNTPおよび少量の1種類のddNTPの 存在下でインキュベートする。DNAポリメラーゼはときにジデオキシヌクレオ チドを取り込むことがあり、これにより連鎖延長が停止する。ジデオキシヌクレ オチドは3′−ヒドロキシルを含まないので、ポリメラーゼ酵素の開始点が失わ れる。重合により種々のサイズのフラグメントの混合物が生成し、これらはすべ て同じ3′末端をもつ。この混合物をたとえばポリアクリルアミドゲル電気泳動 により分画すると、核酸中におけるそれぞれの塩基の存在と位置を示すパターン が得られる。当業者は、4種類すべてのddNTPそれぞれとの反応により、分 離したゲルから全核酸配列を読み取ることができる。 これらの方法は、それらがもつ利点にもかかわらず、メガ塩基の配列情報を得 たい場合には煩雑かつ非実用的である。さらに、これらの方法は、実際上はDN Aの配列決定に限定される。変法が開発されたが、他のいずれかの形態のDNA から直接に配列情報を得ることは、どの方法を用いてもまだ不可能である。 核酸から配列情報を得るための比較的新しい方法が最近開発された。これによ れば連続した一群の塩基の配列が同時に決定される。配列の塩基特有の情報を個 々に決定する伝統的な方法と比較して、ハイブリッド形成による配列決定法(S BH)と呼ばれるこの方法は速度が何倍も増大する。少なくとも一部はこの速度 増大のため、SBHは経費節減および精度向上を含めた多数の利点をもつ。ハイ ブリッド形成による配列決定の2つの一般的方法が示され、それらの実用性がパ イロット試験で証明された。第1形式では、長さnの完全な4nヌクレオチドの 組を固体支持体上に秩序あるアレイとして固定化し、未知のDNA配列をこのア レイとハイブリッド形成させる(K.R.Khrapko et al.,J. DNA Sequencing and Mapping 1:375−88, 1991)。得られたハイブリッド形成パターンは、その配列におけるすべての “n倍”の語数を提供する。これは単純な縦列反復以外の短い配列を決定するの には十分である。 第2形式では、固定化した試料のアレイを一度に1つの短いオリゴヌクレオチ ドとハイブリッド形式させる(Z.Strezoska et al.,Pro .Natl.Acad.Sci.USA 88:10,089−93,1991 )。長さnの各オリゴヌクレオチドにつき4n回反復すると、固定化した試料す べての配列の多くが決定されるであろう。両方法とも、その方法本来の能力は、 多数の配列領域が平行して決定されることである。実際にはアレイサイズは約1 04〜105である。 この方法の他の利点は、特に核酸プローブのサイズが大きくなるのにともなっ て、得られる情報がきわめて豊富になることである。数学的シミュレーションか ら、この方法は実験誤差がきわめて少なく、信頼性のある配列データを得るのに 必要なプローブ数が従来よりはるかに少ないことが証明された(P.A.Pev zner et al.,J.Biomol.Struc.& Dyn.9:3 99−410,1991;W.Bains,Genomics 11:295− 301,1991)。 全般に楽観的な外見にもかかわらず、ハイブリッド形式による配列決定法を実 際に実施するにはまだ多数の潜在的に重大な欠点がある。これらのうち第1のお もなものは、すべてのオリゴヌクレオチドプローブの化学合成を実際に行うとな れば、4nはたちまちかなり大きな数になることである。この合成を自動化し、 生成物を小規模のアレイ(配列決定用チップ)に縮小する種々の方式が提案され た。 また適正にハイブリッド形式した完全に適正塩基対合した二本鎖と末端不適正 塩基対合との間の識別度も低い。一部はこれらの欠点は、Khrapko et al.,FEBS Lett.256:118−22,1989)が報告した 連続積み重ねハイブリッド形式法(continuous stacking hybridization)により、少なくともある程度は対処された。連続 積み重ねハイブリッド形式法は、一本鎖オリゴヌクレオチドが二本鎖オリゴヌク レオチドに隣接してハイブリッド形式すると、これら2つの二本鎖はそれらの間 の積み重ね接触のためあたかもそれらが並んで位置するかのように相互に安定す るという知見に基づくものである。ヌクレオチドの置換、ギャップまたは末端不 適正塩基対合により積み重ねが乱れるのにともなって、この相互作用の安定性は 有意に低下する。内部不適正塩基対合は、それらの熱力学的安定性が完全対合よ りはるかに低いので、おそらく無視できるであろう。見込みはあるが、関連する 問題が起こる。それは、弱いが適正な二本鎖の形成と、下にある支持体マトリッ クスへの非特異的なプローブ吸着などの単純なバックグラウンドとを区別できな いことである。 また適正なハイブリッド塩基対合、不適正塩基対合およびバックグラウンドを 識別するためには、別個の陽性および陰性配列対照実験を行わなければならない ため、検出にも難点がある。数百塩基対より長い配列を読み取る際には、配列反 復のため多義性が生じることがきわめて多い。たとえばプローブより1塩基短い 配列が標的内で3回反復すると、その配列の位置を特定できない。これらの配列 多義性を生じる位置は分岐点と呼ばれる。 配列の解析に影響を与える二次構造が標的核酸に生じることが多い。相補鎖に 生じるものより二次構造の方が安定である場合、これにより読み取り不可能な配 列ブロックが起こる可能性がある。 最後の欠点は、ある種のプローブは異常な挙動を示し、最終的に採用するいか なる標準的な組合わせの条件下であっても何らかの理由でハイブリッド形成しに くいという可能性である。これの簡単な例は、G/C含量の高いプローブに適合 する条件を見出すのが困難なことである。より複雑な例は、三重らせんを形成す る傾向の高い配列であろう。これらの可能性を厳密に探求する唯一の方法は、長 さ“n”のオリゴヌクレオチドを可能な限りすべて用いて、選択したその形式お よび条件下で広範なハイブリッド形成試験を行うことである。多数の組合わせの 条件が関係する場合には、これは明らかに実施不可能である。 ハイブリッド形成による配列決定につき述べたと思われる初期の刊行物のうち 、E.M.サザーンによるもの(国際特許出願公開第WO 89/10977号 )には、未知の、すなわち標的とする核酸を標識し、固体支持体上にある選択さ れ た長さの一組のヌクレオチドにハイブリッド形成させ、そして結合フラグメント の配列に関する知識と観察されたハイブリッド形成パターンとから少なくとも一 部は標的のヌクレオチド配列を決定する方法が記載されている。見込みはあるが 、実際にはこの方法は多数の欠点をもつ。プローブが完全に一本鎖であり、結合 安定性は二本鎖のサイズに依存する。しかしプローブのヌクレオチドが付加され るごとにアレイのサイズは4倍大きくなって二分裂(dichotomy)を生 じ、このためその利用可能性がいちじるしく制限される。さらに、標的の分岐点 多義性または二次構造に対処できず、ハイブリッド形成条件をそれぞれの結合事 象に適合させるか、または何らかの方法で説明しなければならないであろう。こ れらの問題を克服または回避することが試みられた。 R.ドルマナックら(米国特許第5,202,231号)は、ランダムまたは 変動配列をもつオリゴヌクレオチドプローブを用いるハイブリッド形成により配 列決定する方法を目的とする。これらのプローブは有用ではあるが、South ern(1989)の方法と同じいくつかの欠点をもち、Southern法と 同様に積み重ね相互作用の長所を認識できなかった。 K.R.Khrapkoら(FEBS Lett.256:118−22,1 989;およびJ.DNA Sequencing and Mapping 1:357−88,1991)は、連続積み重ねハイブリッド形成と呼ばれる技 術を用いてこれらの問題のいくつかに対処することを試みている。概念上は連続 積み重ね法により標的核酸の全配列を決定できる。基本的にはこの場合も一本鎖 であるプローブのアレイに標的をハイブリッド形成させ、アレイから離脱させ、 離脱の解離力学を分析して、標的配列を測定する。同様に見込みはあるが、適性 塩基対合と不適性塩基対合(および単純なバックグラウンド)との識別性は低く 、さらにそれぞれの二本鎖についてのハイブリッド形成条件が不定であるので、 標的の複雑さが増すのにともなって識別性はしだいに低下する。 現在の配列決定形式についての他のおもな問題は、配列情報を効果的に検知で きないことである。従来法では、たとえば毛管またはスラブゲルを用いる電気泳 動により個々の配列を分離する。この工程は速度が遅く、経費がかかり、多数の 高度に熟練した技術者を必要とし、より重要なことは誤差を生じやすいことであ る。これらの難点を克服する試みのひとつは、質量分析技術を利用することであ った。 有機分子の質量分析法は、多様な有機化合物を揮発させうる機器の開発により 、また揮発によって生成した分子イオンが帯電したフラグメントに分解し、その 構造を完全な分子と関連づけうることが見出されたことにより、可能となった。 この方法自体は比較的簡単であるが、実際の実施はかなり複雑である。簡単に述 べると、試料分子すなわち被分析体を揮発させ、生じる蒸気をイオンチャンバー へ導通し、ここで、適合するエネルギー水準にまで加速された電子をこれに衝突 させる。電子の衝突により被分析体試料の分子がイオン化し、次いで生成したイ オンが質量分析計へ向かう。質量分析計は電界および磁界との組合わせにより、 衝突するイオンをそれらの質量/電荷(m/e)比に従って分離する。これらの 比から衝突するイオンの分子量を測定し、被分析体の構造および分子量を判定す ることができる。このプロセス全体に要するのは約20マイクロ秒未満である。 質量分析法をタンパク質や核酸などの生体分子に適用する試みは失望すべきも のであった。質量分析は伝統的に分子量数千ダルトンの分子に限定されていた。 分子量がこれより高くなるのにともなって試料が揮発しにくくなり、大型の極性 分子を揮発させるのは一般に失敗する。エネルギー要求がきわめて大きいため、 分子が破壊されるか、または悪い場合にはフラグメントになる。フラグメント状 分子の質量スペクトルは読み取りが困難であるか、または不可能な場合が多い。 分子構造を再構築するのに特に有用なフラグメント結合順序が、フラグメント化 過程で失われている。シグナル対ノイズ比および解像度がいずれもいちじるしく 不利な影響を受ける。さらに、特に生体分子の配列決定に関しては、配列同一性 を判定するために生体高分子間の1塩基の相異を検知するにはきわめて高い感度 が必要である。 十分に速やかに熱をかけると分解が起こることなく試料生体分子が揮発するで あろうという考えに基づいて、多数の新しい方法が開発された。この急熱法はプ ラズマ脱離法と呼ばれ、多数の変法がある。たとえばあるプラズマ脱離法はカリ ホルミウム−252などの放射性同位体を試料被分析体の表面に乗せ、これがプ ラズマ滴を形成することによる。このプラズマから試料分子の数個のイオンが完 全な状態で出現するであろう。他の電界脱離イオン化法は、支持体からイオンを 実際に抽出するために強い静電界を用いる。二次イオン化質量分析法または高速 イオン衝撃法では、被分析体の表面に電子を衝突させ、これが完全なイオンの放 出を促進する。高速原子衝撃法は、加速されたイオンを表面に衝突させ、これが 表面にぶつかる前に電荷の交換により中和されることによる。おそらく電荷の中 和により分子破壊の確率は低下するが、イオン形試料の形成は低下しないであろ う。レーザー脱離法では、試料分子を揮発させてイオン化するエネルギーを表面 に付与するベヒクルを、光子が構成する。これらの方法はそれぞれ種々の型の試 料分子につきある程度成功した。最近、特別に核酸の分析を目的とした多様な技 術および組合わせ技術が開発された。 ブレナンらは質量分析法によりDNA配列の末端ヌクレオチドを同定するため に、核種マーカーを用いた(米国特許第5,003,059号)。質量分析法に より検出できる安定な核種を、標的DNA配列のcDNAコピーを重合する試薬 として用いる4種類のジデオキシヌクレオチドそれぞれに挿入した。重合したコ ピーをサイズにより電気泳動分離し、特異な標識の存在により末端ヌクレオチド を同定した。 フェンらは、多数のピークを含む質量スペクトルを形成する方法を記載してい る(米国特許第5,130,538号)。ピーク成分は、被分析体を含有する溶 液をいちじるしく帯電した液滴を含む浴ガス中へ分散させることにより形成され た多数の帯電イオンからなっていた。静電界により溶液の表面が帯電し、液体が 帯電液滴のエレクトロスプレー(electrospray、ES)と呼ばれる スプレー状に分散する。この噴霧により、液滴を揮発の上限にまで高める高い電 荷/質量比が得られる。検出はまだ約100,000ダルトン未満に限られてい た。 ヤコブソンらは、安定な同位体を配列中へ取り込むことによりDNA配列を分 析する質量分析法を利用している(米国特許第5,002,868号)。取り込 みには、DNA鎖の末端に同位体を酵素的に導入し、電気泳動により鎖を分離し てフラグメントのサイズを測定し、分離された鎖を質量分析法により分析する工 程が必要である。精度は向上したと述べられているが、標識鎖を単離するために は電気泳動が必要である。 ブレナンも、核酸配列の末端ヌクレオチドを標識するために安定なマーカーを 利用したが、分析前に試料の成分を完全に分解する工程を付け加えた(米国特許 第5,003,059および5,174,962号)。ジデオキシヌクレオチドまた は核酸プライマーのいずれかに酵素的に取り込ませた核酸マーカーを電気泳動に より分離した。バンドを採取して燃焼させ、質量分析計に導通した。燃焼により DNAが炭素、水素、窒素およびリンの酸化物に変換され、標識は二酸化硫黄に 変換された。標識した燃焼生成物を同定し、元の分子の質量を再構築した。この 方法はかなり精確ではあるが、生体高分子の大規模配列決定には役立たない。 生物学の分野での高分子量分子の質量分析における最近の進歩は、マトリック ス補助(matrix−assisted)レーザー脱離イオン化(MALDI )を用いる飛行時間型質量分析法(TOF−MS)の開発である。この方法では 、試料の脱離に用いる周波数でエネルギーを吸収することにより脱離過程を補助 する分子を含有するマトリックス中へ、試料を装入する。その理論は、マトリッ クス分子の揮発が試料を有意に破壊することなく揮発を促進するというものであ る。飛行時間型分析法は、種々のイオン種の移動時間または飛行時間を分子質量 の正確な指標として利用する。これらの技術によりいくつかの注目すべき成功が 得られた。 ベビスらは、Maxam−GilbertまたはSangerの配列決定法に より調製した混合物中のDNAフラグメントの分子重量を測定する方法を提唱し た(米国特許第5,288,644号)。生成する異なるDNAフラグメントは それぞれ共通の供給源をもち、未知の配列に沿った特定の塩基で終結するであろ う。分離した混合物を飛行時間型質量分析のレーザー脱離時間により分析すると 、フラグメント分子量が測定されるであろう。それぞれの反応で得られたスペク トルをコンピューターアルゴリズムにより比較して、4種類の塩基それぞれの位 置、そして最終的にはフラグメントの配列が決定される。 ウィリアムズらはパルスレーザー削摩法(pulsed laser abr ation)、多重光子イオン化法および飛行時間型質量分析法の組合わせを利 用した。試料分子を含有する溶液の凍結フィルムを削摩することにより、効果的 なレーザー脱離が達成された。削摩するとフィルムから膨張する蒸気煙が発生し 、これが質量分析法による分析のための完全な分子を同伴する。 質量分析法のさらに最近の進歩により、分子量の検出および測定の上限がいっ そう拡大した。飛行管内に反射器を備えた質量スペクトルシステムは、解像度を 効果的に倍増させた。反射器は、計測器のイオン化/加速領域が点源ではなくイ オンを任意の点で加速しうる限定された大きさの領域であるという事実のため起 こる質量誤差をも補償する。従来の計測器では検出器への到着時間が異なるため 問題であった、粒子検出器と粒子発生地点との空間的な差が克服される。加速領 域でより長い時間を費やす粒子は減速領域でもより長い時間を費やすであろう。 したがって反射器から発生する粒子は大部分が同期であり、解像度が大幅に改善 される。 これらの利点にもかかわらず、連続配列を表す同調スペクトルを発生させるの はまだ不可能である。さらに、処理がきわめて低速であるため、これらの方法は 配列情報の大規模分析には実用的でない。発明の要約 本発明は現行ストラテジー及びデザインに伴う問題及び欠点を克服し、標的核 酸の配列を決定するための方法、キット及び装置を提供する。 本発明の1態様は標的核酸の配列決定方法に関する。各プローブが2本鎖部分 と1本鎖部分と該1本鎖部分の内側に配置された可変配列を含む核酸プローブの アレーに、標的の配列に相補的又は相同な配列を含む1組の核酸フラグメントを ハイブリダイズし、核酸の標的アレーを形成する。標的アレーの複数の核酸の分 子量を測定し、標的の配列を構築する。標的、標的配列、1組の核酸フラグメン ト及びプローブの核酸はプリン、ピリミジン又は修飾塩基を含むDNA、RNA 又はPNAであり得る。分子量の自動測定と標的配列の同定を容易にするために 、プローブをハイブリダイゼーションチップ等の固体支持体に固定してもよい。 本発明の別の態様は標的核酸の配列決定方法に関する。標的の配列に相補的又 は相同な配列を含む1組の核酸フラグメントを核酸プローブのアレーにハイブリ ダイズし、複数の核酸複合体を含む標的アレーを形成する。フラグメントをハイ ブリダイズしたプローブの1つの鎖を、該フラグメントを鋳型として使用して延 長する。標的アレーの複数の核酸の分子量を測定し、標的の配列を構築する。鎖 停止ヌクレオチドと鎖延長ヌクレオチドを用いて鎖を酵素的に延長する。得られ た核酸の入れ子が標的の配列を表す。 本発明の別の態様は標的核酸の検出方法に関する。標的の配列に相補的な1組 の核酸を核酸プローブの固定アレーにハイブリダイズする。ハイブリダイズした 核酸の分子量を質量分析により測定すると、標的の配列を同定することができる 。標的核酸は患者試料等の生物試料から得られ、標的の検出は遺伝欠損、新生物 及び感染等の患者の障害を示す。 本発明の別の態様は標的核酸の配列決定方法に関する。標的の配列を開裂して 核酸フラグメントとし、フラグメントを核酸プローブのアレーにハイブリダイズ する。フラグメントは標的を酵素的又は物理的に開裂することにより生成され、 フラグメントの配列は標的配列の少なくとも一部に相同又は相補的である。アレ ーを固体支持体に結合し、ハイブリダイズしたフラグメントの分子量を質量分析 により測定する。測定した分子量からハイブリダイズしたフラグメントのヌクレ オチド配列を決定すると、標的のヌクレオチド配列を同定することができる。 本発明の別の態様は標的核酸の配列決定方法に関する。各々不変配列と測定可 能な可変配列を含む1本鎖核酸プローブのアレーに、標的の配列に相同な1組の 核酸をハイブリダイズする。ハイブリダイズした核酸の分子量を測定し、前記標 的の配列を同定する。アレーは約4R(Rは可変配列のヌクレオチド長である) 以下の異なるプローブを含み、固体支持体に結合してもよい。 本発明の別の態様は鎖置換2本鎖シークエンシングにより標的核酸を配列決定 する方法に関する。1本鎖部分と2本鎖部分を含み、各々標的の配列に対応する 配列を含む1組の核酸フラグメントを提供する。1本鎖部分と2本鎖部分を含む 1組の核酸プローブに、各々の1本鎖領域を介してこれらの核酸フラグメントを ハイブリダイズし、1組のフラグメント/プローブ複合体を形成する。ハイブリ ダイゼーションの前にフラグメント又はプローブのいずれかをホスホリラーゼで 処理し、核酸の5’末端からリン酸基を除去してもよい。複合体の隣接する3’ 末端に5’末端を連結し、共通の1本鎖を形成する。相補的な未連結鎖は、鎖置 換重合を開始して未連結鎖を延長する核酸ポリメラーゼにより認識されるニック を含む。重合は質量改変ヌクレオチド等の標識ヌクレオチドの存在下で連結鎖を 鋳型として使用して進行する。延長した鎖の分子量から質量分析により標的の配 列を決定することができる。このプロセスを利用して標的核酸を配列決定するこ とができ、混合バックグラウンド中の単一配列を同定することもできる。プロー ブとのハイブリダイゼーション後に、配列決定する核酸種が選択される。プロー ブの1本鎖領域に相補的なフラグメントしか複合体を形成しないので、このよう なフラグメントの複合体のみが配列決定される。 本発明の別の態様は核酸プローブのアレーに関する。これらのアレーにおいて 、各プローブは第1鎖と第2鎖を含み、第1鎖を第2鎖にハイブリダイズし、2 本鎖部分と1本鎖部分と該1本鎖部分の内側に配置された可変配列を形成する。 質量分析に備えて核酸の蒸発を助長する材料等の固体支持体にアレーを結合して もよい。約4R(Rは可変配列のヌクレオチド長である)以下の異なるプローブ を含むハイブリダイゼーションチップにアレーを固定することができる。アレー は、検出方法やキットで使用し、障害の指標となり得る核酸配列を検出したり、 質量分析によるシークエンシング等のシークエンシングシステムで使用できる。 本発明の別の態様は、アレーの各プローブが不変配列と測定可能な可変配列を 含む1本鎖核酸プローブのアレーに関する。質量分析に備えて核酸の蒸発を助長 するマトリックスを含む固体支持体にアレーを結合してもよい。慣用製法により 作製したアレーを上記方法により特性決定し、大量複製して核酸検出及びシーク エンシングシステムで使用してもよい。 本発明の別の態様は、標的核酸の配列を検出するためのキットに関する。キッ トは固体支持体に固定した核酸プローブのアレーを含み、各プローブは2本鎖部 分と、1本鎖部分と、該1本鎖部分の内側に配置された可変配列を含む。固体支 持体は例えば質量分析に備えて核酸の蒸発を助長する水性組成物等のマトリック スで被覆してもよい。 本発明の別の態様は、核酸の迅速配列決定用質量分析システムに関する。シス テムは質量分析計と、適当なソフトウェアを搭載したコンピューターと、質量分 析による後期分析に備えて核酸配列を捕獲及び分類するために使用可能なプロー ブアレーを含む。 本発明の他の態様及び利点は一部を下記説明に明示し、また一部はこの説明か ら自明であり、本発明を実施することにより理解されよう。図面の説明 図1(A)は質量改変核酸プライマー、(B)はプライマー質量改変部分の概 念図である。 図2(A)は質量改変ヌクレオチド三リン酸延長剤及び停止剤、(B)はヌク レオチド三リン酸質量改変部分の概念図である。 図3は質量改変部分の一覧である。 図4は質量改変部分の一覧である。 図5は2方向シークエンシングを示すMwo1の切断部位を示す。 図6はTspR1による標的DNA消化後のシークエンシングストラテジーの 概念図である。 図7は適正及び不適正相補的DNAのTmの計算値を示す。 図8はマスターアレーの複製を示す。 図9はDNAと表面の共有結合の反応スキームである。 図10は標的核酸捕獲及び連結を示す。 図11はミスマッチに比較したマッチの連結効率を示す。 図12(A)は5’末端に結合したプローブと標的DNAの連結、(B)は3 ’末端に結合したしたプローブと標的DNAの連結を示す。 図13はプライマーハイブリダイゼーション分析のゲルリーダーシークエンシ ング結果を示す。 図14はオリゴヌクレオチドラダーの質量分析を示す。 図15はアルキル化による質量改変の概念図である。 図16は0、1又は2個の質量改変部分をもつ17量体標的の質量スペクトル を示す。 図17は固定化鋳型を用いたニック鎖置換シークエンシングの概念図である。 図18は1本鎖DNA結合タンパク質の存在下及び不在下のシークエンシング 反応の分析を示す。 図19は固定化プローブを用いたニック鎖置換シークエンシングの概念図であ る。 図20はDF27−1をプローブとして用いて実施したシークエンシングの結 果を示す。 図21はDF27−2をプローブとして用いて実施したシークエンシングの結 果を示す。 図22はDF27−4をプローブとして用いて実施したシークエンシングの結 果を示す。 図23はDF27−5−CY5をプローブとして用いて実施したシークエンシ ングの結果を示す。 図24はDF27−6−CY5をプローブとして用いて実施したシークエンシ ングの結果を示す。発明の説明 本明細書に具体的及び広義に説明するように、本発明は核酸の配列決定方法、 質量分析による配列決定に有用なプローブアレー、並びにこれらのアレーを含む キット及びシステムに関する。 大規模及び小規模の核酸配列決定は例えば疾病及び障害の同定、分析又は診断 や、生体間の関係の決定等の医学及び生物学の多くの面に不可欠である。慣用シ ークエンシング技術は、アガロース又はポリアクリルアミドゲル等の半固体で電 気泳動を使用して配列を塩基毎に同定し、配列の一致を決定している。これらの 方法に質量分析を適用する試みも行われているが、少なくともある程度はまだ単 一塩基フォーマットで情報を集めているので、2つのプロセスは好適ではない。 ハイブリダイゼーションによるシークエンシング法はシークエンシングプロセス を強化し、より迅速なシークエンシング技術に楽観的な見通しを与えているが、 この方法は慣用シークエンシング技術のように質量分析に適用できない。 これに対してハイブリダイゼーションによるポジショナルシークエンシング( PSBH)はプローブの大小アレーを用いて異なる配列を安定に結合及び識別で きるので質量分析に好適である。配列情報は最小限の手間でバッチで迅速に決 定される。このような方法は未知核酸の配列決定にも、疾病又は汚染の指標とな り得る既知配列の検出にも使用することができる。更に、これらの方法を利用し 、既知配列と相関したパターンのプローブアレーを作製することもできる。プロ ーブにハイブリダイズしたフラグメントの配列を決定すると、プローブの配列も 判明する。これらの方法は現在慣用技術では不可能であり、更に、有効な大規模 シークエンシング作業にはシークエンシング速度及び精度の有意増加が必要であ ると予想されるが、相関バッチ型分析を用いるならばこのような増加も得られる 。 PSBHは、ハイブリダイゼーションから配列情報が直接得られない核酸分析 にも好適である。PSBHを質量分析等の技術と組み合わせることにより、配列 情報を知ることができる。種々のハイブリダイゼーションイベントの配列が予め 分かっていなくても、別個の配列をもつ核酸の分類方法としてプローブ又はプロ ーブアレーに標的核酸配列をハイブリダイズすることができる。各プローブは多 重コピーの形態であるので、別個の配列パッケージを単離するためには、ハイブ リダイゼーションが生じていさえすればよい。更に、その後の分析に備えて別個 の配列パッケージを増幅、修飾又は他の方法で操作することができる。増幅は特 定配列の数を増加するので、配列特異性を維持しながら核酸量を増加することが 必要な任意の分析に役立つ。修飾は、例えば後期即ち下流の分析に役立つように 核酸分子を化学的に改変する。 従って、本発明の別の重要な特徴は着目配列を簡単且つ迅速に質量改変できる ことである。質量改変は、一般にはダルトンとして分子量で表した分子の質量の 改変である。質量改変は、寸法又は配列が1塩基異なる少なくとも2種の核酸間 の識別性を増すので、例えば分子量測定を用いるシークエンシングを容易にする ために利用できる。 本発明の1態様は、質量改変核酸及び質量分析技術を用いて標的核酸を配列決 定する方法に関する。配列決定可能な標的核酸としては、デオキシリボ核酸(D NA)又はリボ核酸(RNA)の配列が挙げられる。このような配列は生物、組 換え又は他の合成源から得られ、あるいは患者の組織等の天然源から精製しても よいし、環境源からも得られる。配列決定可能な別の分子種としては、ポリアミ ド核酸(PNA)(P.E.Nielsenら,Sci.254:1497−1 500,1991)や、化学的主鎖に結合しており、相補的化学構造と塩基対合 もしくはハイブリダイズすることが可能な任意の塩基配列が挙げられる。 DNA、RNA及びPNAの塩基としては、化学的主鎖に線状結合したプリン 、ピリミジン並びにプリンとピリミジンの誘導体及び修飾物が挙げられる。一般 的な化学的主鎖構造はデオキシリボースリン酸、リボースリン酸及びポリアミド である。DNA及びRNA両者のプリンはアデニン(A)及びグアニン(G)で ある。存在することが知られている他の塩基としては、キサンチン、ヒポキサン チン、2−及び1−ジアミノプリン並びに他の更に修飾された塩基が挙げられる 。ピリミジンはDNAとRNAの両者に共通のシトシン(C)、主にRNAに存 在するウラシル(U)、及びほぼDNAのみに存在するチミジン(T)である。 非定型ピリミジンとしては、メチルシトシン、ヒドロキシメチルシトシン、メチ ルウラシル、ヒドロキシメチルウラシル、ジヒドロキシペンチルウラシル及び他 の修飾塩基が挙げられる。これらの塩基は相補的に相互作用して例えばグアニン とシトシン、アデニンとチミジン等の塩基対を形成する。本発明は、所定のtR NA分子で同定され且つ三重螺旋に存在すると言われているフーグスティーン型 塩基対等の非伝統的塩基対が存在する状況も包含する。 シークエンシングは、標的の配列に相同又は相補的な核酸配列を提供すること により行われる。配列は例えばホスホルアミダイト化学反応を使用して化学的に 合成してもよいし、標的を適当な緩衝液中で鎖延長ヌクレオチド及び核酸ポリメ ラーゼと共にインキュベートすることにより酵素的に作製してもよい。開始及び 停止部位はジデオキシヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドを用いるか、又 はコード化シグナルを核酸に直接配置することにより制御できる。作製された配 列は標的配列の任意の部分を含んでいてもよいし、配列全体を含んでいてもよい 。あるいは、ヌクレオチド三リン酸のホウ素誘導体の存在下でDNAを延長する ことによりシークエンシングを実施してもよい。得られた2本鎖試料をエキソヌ クレアーゼIII等の3’エキソヌクレアーゼで処理する。このエキソヌクレア ーゼはホウ素化残基にぶつかると停止し、こうしてシークエンシングラダーを形 成する。 必要に応じて核酸を更に精製し、有害物質(例えば毒素)、危険物質(例えば 感染性物質)又はハイブリダイゼーション反応もしくは該反応の感度に有害な物 質(例えば金属、塩、タンパク質、脂質)を除去することもできる。精製は、塩 、クロロホルムもしくはフェノールによる化学的抽出、沈降遠心、クロマトグラ フィー又は他の当業者に公知の技術により実施することができる。 十分な量の標的核酸を入手でき且つ核酸が十分に純粋であるか又はハイブリダ イゼーションを妨げる物質を除去するように精製できるならば、複数の標的核酸 をアレーに直接ハイブリダイズしてもよい。標的配列の相補的又は相同コピーを 作製せずに配列情報を得ることができる。 必要に応じて又は所望により配列を増幅し、例えばポリメラーゼ連鎖反応(P CR)技術又は任意の増幅法を用いて標的配列のコピー数を増加してもよい。増 幅は、高モル倍の2種以上のオリゴヌクレオチドプライマーと4種のdNTP( dGTP、dCTP、dATP、dTTP)の各々の存在下で加熱して鋳型DN Aを変性させることにより行われる。オリゴヌクレオチドプライマーが標的配列 にアニールする温度まで反応混合物を冷却した後、アニールしたプライマーをD NAポリメラーゼで延長する。PCR増幅の原理である変性、アニーリング及び DNA合成のサイクルを多数回繰り返すと、容易に同定可能な多量の生成物が生 じる。 この指数的反応の主産物は、オリゴヌクレオチドプライマーの5’末端により 規定される末端と、プライマー間の距離により規定される長さをもつ2本鎖DN Aのセグメントである。通常反応条件下では、ポリメラーゼの量は25〜30サ イクル即ち約1,000,000倍増幅後に限界となる。更に、試料を1000 倍に希釈し、これを鋳型として使用して別のPCRで更に増幅サイクルを繰り返 すことにより増幅が達せられる。この方法によると、60回の逐次サイクル中に 109〜1010の増幅レベルに達することができる。こうして、例えば放射性プ ローブとのハイブリダイゼーションによる汚染性DNAの存在下で標的配列の単 一コピーを検出することができる。逐次PCRを使用すると、PCRの実効検出 限界を1試料当たりDNA10コピー程度にすることができる。 PCRは標的配列の確実な増幅方法であるが、リガーゼ連鎖反応、自動継続配 列複製、QBレプリカーゼ増幅、ポリメラーゼ連鎖反応とリガーゼ連鎖反応の組 み合わせ、不連続リガーゼ連鎖反応、リガーゼ連鎖検出及び鎖置換増幅等の他の 多数の技術も使用できる。リガーゼ連鎖反応の原理は、標的DNA又はRNAの 1つの鎖のみにハイブリダイズする2個の隣接する合成オリゴヌクレオチドプラ イマーの連結にある程度基づく。標的が存在する場合には、2個のオリゴヌクレ オチドはリガーゼにより共有結合することができる。第1のプライマー対にほぼ 完全に相補的な第2のプライマー対も提供する。鋳型と4個のプライマーを熱安 定リガーゼと共にサーマルサイクラーに入れる。温度の増減に伴い、オリゴヌク レオチドは鋳型上で相互にすぐ隣接して再生され、連結される。ある反応の連結 産物は次の連結サイクルの鋳型として用いられる。標的の存在は2個の隣接する オリゴヌクレオチドの和に等しい長さをもつDNAフラグメントとして発現され る。 標的配列を必要に応じて物理的、化学的又は酵素的手段により複数のフラグメ ントに断片化し、均質又は比較的均質な長さの1組のフラグメントを作製する。 DNアーゼもしくはRNアーゼ(ヤエナリヌクレアーゼ、球菌ヌクレアーゼ、D NアーゼI、RNアーゼA、RNアーゼT1)、IもしくはII型エンドヌクレ アーゼ、又は他の部位特異的もしくは非特異的エンドヌクレアーゼ等のヌクレア ーゼを使用して配列を酵素切断するのが好ましい。核酸フラグメントの寸法は約 5〜約1,000ヌクレオチド長、好ましくは約10〜約200ヌクレオチド長 、より好ましくは約12〜約100ヌクレオチド長である。核酸標的の短い領域 の小規模分析を実施するには、約5、10、12、15、18、20、24、2 6、30及び35の範囲の寸法が有用である。もっと大きい標的配列を迅速に分 析するには、25、50、75、125、150、175、200及び250ヌ クレオチド以上の範囲のフラグメント寸法が有用である。 例えば核酸ポリメラーゼと鎖延長ヌクレオチド(NTP、dNTP)及び少量 の鎖停止(ddNTP)ヌクレオチドの集合を使用して標的配列を酵素合成して もよい。この型の重合反応は、種々の寸法範囲にわたる組、例えば入れ子組を作 製するように連鎖停止ヌクレオチドの濃度を変えることにより制御できる。入れ 子組においてフラグメントは、大きいフラグメントが小さいフラグメントの配列 を含むように、共通の末端と組のメンバー間で異なる末端をもつ。 標的配列に相同又は相補的であり得る作製されたフラグメントの組を核酸プロ ーブのアレーにハイブリダイズし、核酸プローブ/フラグメント複合体の標的ア レーを形成する。アレーは規則的又は構造的に配置された複数の核酸を構成し、 固体支持体又は液体懸濁液に固定してもよい。フラグメントをアレーにハイブリ ダイズすると、核酸フラグメントの非常に大きな集団を同定可能なグループに分 類することができる。分類にはプローブの配列が予め分かっている必要はなく、 例えば質量分析技術による分析を著しく容易にできる。 DNA、RNA、PNA、又はDNA、RNA及びPNAの組み合わせの相補 的塩基間のハイブリダイゼーションは、温度、塩濃度、静電強度及び緩衝液組成 の変動等の広範な条件下で生じる。これらの条件の例とその適用方法については 、Nucleic Acid Hybridization: A Pract ical Approach(B.D.HamesとS.J.Higgins編 ,IRL Press,1985)に記載されている。ハイブリダイズしようと する配列の種類とその長さに依存して約0℃〜約70℃で約1分間〜約1時間ハ イブリダイゼーションが行われるのが好ましい。但し、反応条件によってはハイ ブリダイゼーションは数秒間又は数時間でもよいと認められる。例えば、2種の 20量体の混合物の典型的なハイブリダイゼーション条件は、混合物を68℃に し、室温(22℃)まで5分間降温させるか又は2μlで2℃といった非常に低 温にする。Tris−EDTA(TE)、Tris−HCl及びHEPES等の 緩衝液、塩溶液(例えばNaCl、KCl、CaCl2)、又は他の水溶液、試 薬及び薬剤を使用して核酸間のハイブリダイゼーションを助長してもよい。これ らの試薬の例としては、例えばRecAタンパク質、T4遺伝子32タンパク質 、大腸菌1本鎖結合タンパク質及び大小核酸溝結合タンパク質等の1本鎖結合タ ンパク質が挙げられる。他の試薬及び薬剤の例としては、2価イオン、多価イオ ン及び挿入剤(例えばエチジウムブロマイド、アクチノマイシンD、ソラレン及 びアンゲリン)が挙げられる。 場合により、ハイブリダイズした標的配列をプローブの1本鎖に連結し、連結 標的−プローブ複合体又は連結標的アレーを作製してもよい。標的核酸をプロー ブに連結するとハイブリダイゼーションの忠実度が増し、誤ってハイブリダイズ した標的を正しくハイブリダイズした標的から容易に洗い流すことができる。よ り重要な点として、連結段階を加えると、単一組のハイブリダイゼーション条件 下でハイブリダイゼーションを実施できる。A/T又はG/C含量の高い核酸は 等しい効率で連結するので、塩基組成によるハイブリダイゼーション条件の変動 は問題にならない。従って、マッチとミスマッチ間の識別性は非常に高く、高濃 度の第4級又は第3級アミン(例えば3Mテトラメチルアンモニウムクロリド) 中でG/C濃度の効果が多少しか中和されなかった他の方法を使用して達せられ るよりも著しく高い。更に、約22℃〜約37℃の温度、約0.05M〜約0. 5Mの塩濃度及び約1時間未満〜約14時間(一晩)のハイブリダイゼーション 時間等のハイブリダイゼーション条件も連結に利用できる。連結反応は真核由来 又は原核由来のリガーゼ(例えばT4DNA又はRNAリガーゼ)を使用して実 施することができる。上記及び他の核酸変性酵素の使用方法はCurrent Protocols in Molecular Biology(F.M.A usubelら編,John Wiley & Sons,1989)に記載さ れている。 プローブ列の各プローブは、一本鎖部分、任意の二本鎖部分および一本鎖部分 内の可変配列を含む。これらのプローブはDNA、RNA、PNA、またはこれ らの任意の組み合わせでもよく、天然源または組み換え体源に由来するものでよ く、または有機的に合成してもよい。好ましくは、各プローブは、約4から約3 0ヌクレオチド長、好ましくは約5から約15ヌクレオチド、そしてさらに好ま しくは約7から約12ヌクレオチドであり、列の多様なプローブ内で同一でもよ い1またはそれ以上の二本鎖部分と、約4から20ヌクレオチド長、好ましくは 約5から約12ヌクレオチド、そしてさらに好ましくは約6から約10ヌクレオ チドである1またはそれ以上の一本鎖部分と、約4から20ヌクレオチド長、好 ましくは約4、5、6、7または8ヌクレオチド長である一本鎖部分内の可変配 列とを有する。全体のプローブの大きさは8ヌクレオチド長の小ささから100 ヌクレオチド以上に渡るまでの範囲であればよい。好ましくは、大きさは約12 から約35ヌクレオチド、そしてより好ましくは約12から約25ヌクレオチド 長である。 プローブ配列は、部分的または全体的に既知でも、決定可能でも、または完全 に未知でもよい。既知の配列は、例えば、各領域に特定の配列を有する個々のプ ローブを化学的に合成することによって作製することができる。決定可能な可変 領域を有するプローブは、ランダム配列と別個に決定された配列情報により化学 的に合成することができる。例えば、プローブまたはハイブリダイズした核酸の 領域が以後の分析における参照の地点として定常配列を有することから利益を受 ける場合には、一本鎖または二本鎖領域のいずれかまたは両方はそのような定常 配列を含んでもよい。 この種のプローブの利点はその構造にある。標的核酸のハイブリダイゼーショ ンは、プローブの隣接二重鎖の存在により確立した塩基積み重ね相互作用を含む 、好ましい熱力学的状態のために促進される。プローブは、完全にまたは部分的 に可変配列から成る末端一本鎖領域、定常および可変領域の両方を含む内部一本 鎖領域、またはこれらの構造の組み合わせにより構築することができる。好まし くは、プローブは、一方の末端の一本鎖領域と反対の末端の二本鎖領域とを有す る。 フレグメント化された標的配列は、好ましくは、ハイブリダイズしたフレグメ ントのヌクレオチド配列が標的核酸の完全配列を含むのに十分なほど広い末端配 列の分布を有するであろう。その結果、典型的なプローブ列は、完全またはほぼ 完全な区別とともに標的配列または標的由来配列の全部にハイブリダイズするの に十分な可変領域中の配列多様性を有するプローブの集まりを含むであろう。得 られる標的列はハイブリダイズしたプローブの鎖上の完全な標的配列を含むであ ろう。例示のみではあるが、可変部分がアデニン、グアニン、チミン、およびシ トシンの4ヌクレオチド配列(R=4)から成る場合、可能な組み合わせの総数 (4R)は、44または256の異なる核酸プローブとなるであろう。可変配列中 のヌクレオチドの数が5である場合、セット内の異なるプローブの数は45また は1024となるであろう。さらに、可変ヌクレオチド配列が間隔をあけたセグ メントを含むか、または任意のヌクレオチドと塩基対合するか、少なくとも隣接 塩基対合と干渉しない可変配列に沿って位置しているプローブを利用することも 可能である。 標的列の核酸鎖は酵素的に延長または伸長することができる。ハイブリダイズ したフレグメントまたはプローブ鎖の一方または他方のいずれかを延長すること ができる。延長反応は鋳型として標的列の多様な領域を利用することができる。 例えば、フレグメント配列が3’一本鎖末端を有するプローブのハイブリダイズ 可能な部分より長い場合には、プローブはフレグメントのハイブリダイゼーショ ン後に3’突出部と5’突出部とを有するであろう。プローブの一方の鎖の今の 内部3’末端は、例えば好適な核酸ポリメラーゼと鎖伸長ヌクレオチドとを使用 する延長反応を開始するためのプライマーとして使用することができる。プロー ブの延長鎖は、完全なハイブリダイズしたフレグメントの配列情報を含むであろ う。ジデオキシヌクレオチドを含む反応混合物は異なる長さ一セットの延長鎖、 好ましくは鎖のネストされた(nested)セットを作製するであろう。フレグメン トは列へのハイブリダイゼーションによって最初に分類されているので、列の各 プローブは標的配列の各セグメントを示す核酸のセットを含むであろう。塩基配 列情報は各々の延長されたプローブから決定することができる。大量の列を伴う 場合にはコンピューターの助けを必要とするかもしれない列からの配列情報の編 集により、標的の配列を決定することが可能になるであろう。プローブの構造( 例えば、5’突出部、3’突出部、内部一本鎖領域)に応じて、プローブの鎖ま たは標的配列を含むハイブリダイズした核酸の鎖もまた、例えば、単一プライマ ーPCR反応によって酵素的に増幅することができる。この方法の変法には、鎖 置換増幅、Qβレプリカーゼ増幅、自己支持配列複製増幅および任意の多様なポ リメラーゼ連鎖反応増幅技術の側面が包含されるであろう。 プローブの延長された核酸鎖は、多様な技術および方法を使用してマス修飾す ることができる。ポリメラーゼ、およびマス修飾鎖伸長および鎖終始ヌクレオチ ドなどのヌクレオチド試薬を利用して延長を酵素的に合成することが最も直接的 な方向であるかもしれない。マス修飾ヌクレオチドは成長する核酸鎖中に取り込 む。マス修飾は、核酸ハイブリダイゼーション中に塩基対形成に必要とされる水 素結合と干渉しない巨大分子の大部分の部位に導入することができる。典型的な 修飾には、複素環塩基の修飾、糖部分(リボースまたはデオキシリボース)の修 飾、およびリン酸基の修飾が含まれる。より具体的には、化学成分でもよい修飾 官能性は、プリンのC2、N3、N7またはN8位、あるいはデアザプリンのN 7またはN9位に存在するかこれらに共有結合している。修飾はまた、ピリミジ ンのC5またはC6位に存在してもよい(例えば、図1A、1B、2Aおよび2 B)。有用な修飾基の例には、重水素、F、Cl、Br、I、ビオチン、フルオ レセイン、ヨードジカルボシアニン染料、SiR、Si(CH33、Si(CH32(C25)、Si(CH32(C252、Si(CH3)(C252、S i(CH)(C25)CH、(CH)3NR、CH2CONR、(CH2nOH、 CH2F、CHF2およびCF3が含まれる(式中、nは整数であり、Rは、−H 、重水素、および炭素原子1〜6のアルキル、アルコキシおよびアリール、ポリ オキシメチレン、モノアルキル化ポリオキシメチレン、ポリエチレンイミン、ポ リアミド、ポリエステル、アルキル化シリル、ヘテロ−オリゴ/ポリアミノ酸お よびポリエチレングリコールから成る群から選択される)(図3および図4)。 マス修飾官能性はまた、−N3または−XR(式中、Xは、−OH、−NH2、 −NHR、−SH、−NCS、−OCO(CH2nCOOH、−NHCO(CH2nCOOH、−OSO2OH、−OCO(CH2nIまたは−OP(O−アル キル)−N−(アルキル)2であり、nは1から20であり、そしてRは−H、 重水素、および炭素原子1から6のアルキル、アルコキシまたはアリール、例え ばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ヘキシル、ベンジル 、ベンズヒドラル、トリチル、置換トリチル、アリール、置換アリール、ポリオ キシメチレン、モノアルキル化ポリオキシメチレン、ポリエチレンイミン、ポリ アミド、ポリエステル、アルキル化シリル、ヘテロオリゴ/ポリアミノ酸または ポリエチレングリコールである)などの前駆体官能基から生成することもできる 。ハイブリダイゼーションを干渉しないこれらおよび他のマス修飾官能基を単独 または組み合わせて核酸に付着することができる。好ましくは、異なるマス修飾 の組み合わせを利用して異なる配列を有する核酸の間の区別を最大にする。 マス修飾は、核酸とヘテロオリゴ/ポリアミノ酸との間のカップリングと一緒 に生じするような分子量の大きな変化でもよいし、あるいは化学成分を天然の成 分のものより小さい分子量を有する核酸に置換することによって生じるようなよ り少量の変化でもよい。非本質的な化学基は、例えば、ヨードアセトアミドなど のアルキル化剤を使用することによって除去または修飾することができる。ヨー ドアセトアミドによる核酸のアルキル化は、糖の3’位の反応性酸素が除去され るというさらなる利点を有している。これは、ナトリウムなどのアルキルカチオ ンが相互作用するために塩基当たり1つ少ない部位を提供する。ほとんど全ての 核酸中に存在するナトリウムはイオン化によりサテライト付加物のピークを形成 する可能性を増大させる。付加物ピークは、分子量測定の正確性を著しく減少さ せるであろう真の分子よりわずかに大きい質量で生じる。これらの問題は、質量 スペクトル分析のマトッリクスの選択により、部分的に対応することができるが 、これは20未満のヌクレオチドの核酸の場合に役立つにすぎない。イオン交換 の間にナトリウムカチオン(+Na)の代わりになり得るアンモニウム(+NH3 )は、付加物の形成を増大させない。その結果、他の有用なマス修飾は、アル カリカチオンを完全核酸から除去することである。これは、酢酸アンモニウム、 炭酸アンモニウム、クエン酸水素ニアンモニウム、酒石酸アンモニウムなどのア ンモニウムの水性溶液およびこれらの溶液の組み合わせによるイオン交換により 達成することができる。3Mの水性水酸化アンモニウムに溶解したDNAは分子 の全ての酸官能性を中和する。プロトンが存在しないので、質量スペクトル分析 などの操作の間にフレグメント化の有意な減少がある。 別のマス修飾は、非イオン性極性ホスフェート骨格を有する核酸(例えば、P NA)を利用することである。このようなヌクレオチドは、オリゴヌクレオシド ホスホモノチオエートジエステルによって、または核酸ポリメラーゼおよびアル ファー(α)チオヌクレオシドトリホスフェートを使用する酵素的合成とその後 のヨードアセトアミドによるアルキル化によって生成することができる。このよ うな化合物の合成は直線方向であり、実施可能であり、生成物は、例えば分析的 HPLCによって分離および単離される。 列のマス修飾は、修飾はハイブリダイズした核酸のハイブリダイゼーションを 干渉しないので、標的ハイブリダイゼーションの前でも後でも行うことができる 。列のこのコンディショニングは実施するのが簡単で、バルク中で容易に適合で きる。プローブ列は従って特別の操作をすることなく合成することができる。列 を固体支持体に固定した後になって始めて、実際にはこの時がマス修飾を実施す る のに最も都合のよい時なのであるが、プローブはコンディショニングされるであ ろう。 プローブ鎖はまた、例えば、延長された鎖をアルキル化剤、チオール化剤で処 理したり、または核酸をカチオン交換に付することによって、接触することによ って合成後にマス修飾することができる。修飾することができる核酸には、標的 配列、プローブ配列および鎖、プローブの延長された鎖および他の利用可能なフ ラグメントが含まれる。プローブはハイブリダイゼーションの前にいずれかの鎖 上でマス修飾することができる。マス修飾またはコンディショニングされた核酸 のそのような列は、ハイブリダイゼーションの正確性に干渉することなく、標的 配列を含むフラグメントに結合させることができる。例えばサンガーの配列決定 技術を使用し、そして鋳型として標的配列を使用する、プローブのいずれかの鎖 のその後の延長はマス修飾された延長された鎖を作製するであろう。これらの鎖 の分子量は優れた正確さで決定することができる。 プローブは、ウエル中またはマイクロトレーの表面上などのように溶液中で存 在していてもよいし、または固体支持体に結合していてもよい。マス修飾は、プ ローブを支持体に固定する間、固定に先立って、または質量スペクトル分析によ って分析される際に除去と同時に生じうる支持体からの切断の際に行うことがで きる。この点において、どの鎖がレーザー除去の際に支持体から放出されるかが 重要であり得る。好ましくは、そのような場合、プローブは支持体に異なって付 着する。一つの鎖は永久的に、他方の鎖は一時的に付着されるか、または少なく とも選択的に放出可能である。 使用することができる固体支持体の例には、プラスチック、セラミック、金属 、樹脂、ゲルおよび膜が含まれる。有用なタイプの固体支持体には、プレート、 ビーズ、マイクロビーズ、ヒゲ、クシ、ハイブリダイゼーションチップ、膜、単 一結晶、セラミックおよび自己集合単層が含まれる。好ましい態様は、2次元ま たは3次元のマトリックス、例えば複数のプローブ結合部位を有するゲルまたは ハイブリダイゼーションチップを含む(Pevzner et al.,J.Biomol.Struc.& Dyn.9:399-410,1991; Maskos and Southern,Nuc.Acids Res.20:1679-84,1 992)。ハイブリダイゼーションチップを使用して、標的核酸と続いてハイブリ ダイズ する非常に大きなプローブ列を構築することができる。チップのハイブリダイゼ ーションパターンの分析は、標的ヌクレオチド配列の同定において役立つことが できる。パターンは手作業でまたはコンピュータで分析することができるが、ハ イブリダイゼーションによる位置的配列決定はコンピュータ分析または自動化が 都合がよいことは明らかである。本明細書中に記載した方法に応用可能なアルゴ リズムおよびソフトウエアが、配列再構築のために開発されている(R.Drmanac et al.,J.Biomol.Struc.& Dyn.5:1085-1102,1991; P.A.Pevzner,J.Biom ol.Struc.& Dyn.7:63-73,1989)。 核酸プローブは、カップリング剤による結合によるなどのような共有結合によ って、あるいは、静電相互作用、水素結合または抗体抗原カップリングなどの共 有または非共有結合によって、またはそれらの組み合わせによって固体支持体に 付着させることができる。典型的なカップリング剤には、ビオチン/アビジン、 ビオチン/ストレプチアビジン、Staphylococcus aureus タンパク質A/IgG 抗体Fcフラグメント、およびストレプトアビジン/タンパク質Aキメラ(T.Sa noおよびC.R.Cantor,Bio/Technology 9:1378-81,1991)、またはこれらの試薬 の誘導体または組み合わせが含まれる。核酸は、光切断可能結合、静電結合、ジ スルフィド結合、ペプチド結合、ジエステル結合またはこれらの種類の結合の組 み合わせによって固体支持体に付着させることができる。列はまた、4,4’− ジメトキシトリチルまたはその誘導体などの選択的に放出可能な結合によって固 体支持体に付着することもできる。有用であると考えられる誘導体には、3また は4〔ビス−(4−メトキシフェニル)〕−メチル−安息香酸、N−スクシンイ ミジル−3または4〔ビス−(4−メトキシフェニル)〕−メチル−安息香酸、 N−スクシンイミジル−3または4〔ビス−(4−メトキシフェニル)〕−ヒド ロキシメチル−安息香酸、N−スクシンイミジル−3または4〔ビス−(4−メ トキシフェニル)〕−クロロメチル−安息香酸、およびこれらの酸の塩が含まれ る。 結合は可逆的でも永久的もよく、強い会合が重要であろう。さらに、プローブ は、列のプローブと固体支持体との間のスペーサー成分を介して固体支持体に付 着させてもよい。有用なスペーサーには、他のまたはさらに別のカップリングパ ートナーに結合するための、または固体支持体への付着物を切断可能にするため の、上記したようなカップリング剤が含まれる。 切断可能な付着物は、オリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴポリアミ ド、オリゴアクリルアミド、オリゴエチレングリセロール、約6から20の炭素 原子のアルキル鎖、およびそれらの組み合わせなどの切断可能な化学成分をプロ ーブと固体支持体の間に付着させることによって作製することができる。これら の成分は、化学試薬、電磁照射または酵素の添加によって切断することができる 。酵素によって切断可能な付着物の例には、プロテアーゼによって切断すること ができるペプチド結合およびヌクレアーゼによって切断することができるホスホ ジエステル結合が含まれる。β−メルカプトエタノール、ジチオトレイトール( DTT)および他の還元剤などの化学試薬はジスルフィド結合を切断する。有用 である他の試薬には、酸化剤、水和剤および他の選択的に活性な化合物が含まれ る。紫外線、赤外線および可視光などの電磁照射は光切断可能な結合を切断する 。付着物はまた、例えば、熱または酵素処理を使用して、可逆的でもよく、ある いは可逆的な化学的または磁気的な付着物でもよい。放出および再付着は、例え ば磁場または電場を使用して行うことができる。 ハイブリダイズしたプローブはハイブリダイズした配列についての直接または 間接の情報を提供することができる。直接の情報は、プローブ配列が既知または 決定することができる列の結合パターンから得ることができる。間接の情報は、 標的列の複数の核酸のさらなる分析を必要とする。例えば、特異的な核酸配列は 、その大きさおよび組成に応じてユニークなまたは比較的ユニークな分子量を有 しているであろう。その分子量は、例えば、クロマトグラフィー(例えば、HP LC)、核磁気共鳴(NMR)、高解像ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動( 例えば、HPCE)、分光分析または質量スペクトル分析によって決定すること ができる。好ましくは、分子量はマス/電荷の比を質量スペクトル分析技術によ って測定することによって測定される。 核酸のようなバイオポリマーの質量スペクトル分析は、多様な技術を使用して 行うことができる(例えば、米国特許4,442,354号;4,931,63 9号;5,002,868号;5,130,538号;5,135,870号; 5,174,962号)。DNAおよびRNAなどの高分子量分子の揮発に伴う 困難性は、技術、操作および電気的設計の進歩により少なくとも一部は解消され ている。さらに、分析のためには少量の試料のみが必要とされ、典型的な試料は 10程度のフラグメントの混合物である。約0.1フェムト(femto)モルから 約1.0ナノモル、好ましくは約1.0フェムトモルから約1000フェムトモ ル、さらに好ましくは約10フェムトモルから約100フェムトモルの範囲内の 量が分析のためには一般的に十分である。これらの量は好適な表面の個々の位置 の上に容易に置くことができ、支持体に容易に付着することができる。 本発明のもう一つの重要な特徴は、配列情報を決定するために大きな長さの核 酸を揮発させることが不要であるということである。本発明の方法を使用するこ とによって、標的列の上の別個の複合体中に別々に単離された核酸標的のセグメ ントを配列決定することができ、一緒にされたこれらの配列セグメントは、完全 な鎖を一度に揮発させなければならないことを不要にする。核酸フラグメントを 揮発させるのに使用することができる技術には、高速原子衝撃、プラズマ脱着、 マトリックス補助レーザー脱着/イオン化、電気スプレー、光化学放出、電気放 出、小滴放出、共鳴イオン化およびこれらの技術の組み合わせが含まれる。 電気ハイドロダイナミックイオン化、熱スプレー、エアロスプレーおよび電気 スプレーにおいて、核酸は溶媒に溶解し、熱、空気または電気の助けによりイオ ン化チャンバー中に直接注入される。イオン化の方法が光ビーム、粒子ビームま たは電気放出を含む場合は、試料を表面に付着してイオン化チャンバーに導入す ることができる。そのような状況下で、複数の試料を単一または複数の表面に付 着させて、同時にイオン化チャンバ内に導入して、依然個々に分析することがで きる。所望の核酸を含む表面の適切なセクターをイオン化ビームの最も近い経路 に移動することができる。ビームをパルスし、表面結合分子をイオン化した後、 表面の異なるセクターをビームの経路に移動し、第2の試料を同一または異なる 分子と一緒に機械の再ローディングなしに分析する。多数の試料もまた、表面の 電気的に単離した領域に導入することができる。チップの異なるセクターを電源 に連結し、個々にイオン化する。試料を付着する表面は、使用するイオン化法の 最大の効率のために造形することができる。フィールドイオン化およびフィール ド脱着のためには、ピンまたは鋭端が効率的な固体支持体であり、粒子衝撃およ びレーザーイオン化のためには、平らな表面である。 質量スペクトル分析のためのイオン化の目的は、電荷を有する全分子を製造す ることである。好ましくは、マトリックス補助レーザー脱着/イオン化(MAL DI)または電気スプレー(ES)質量スペクトル分析を使用して分子量を測定 し、標的列からの配列情報を決定する。核酸などの巨大分子に好適な多様な方法 を使用できるということは当業者に認識されるであろう。典型的には、核酸を溶 媒に溶解し、電気ハイドロダイナミックイオン化、熱スプレー、エアロスプレー または電気スプレーを使用してイオン化チャンバーに注入される。核酸はまた表 面に付着させて、粒子または光のビームでイオン化してもよい。使用するのに成 功した粒子には、プラズマ(プラズマ脱着)、イオン(高速イオン衝撃)または 原子(高速原子衝撃)が含まれる。イオンもまたレーザーエネルギー(レーザー 脱着)および電気エネルギー(フィールド脱着)の急速な適用によって製造され た。 質量スペクトル分析において、試料はレーザービームのパルスによってまたは 電場誘導スプレーによって簡単にイオン化される。イオンは電場で加速され、ス ペクトル分析器の分析器部分に高速で運ばれる。加速されたイオンの速度は電荷 (z)に比例し、イオンの質量(m)に反比例する。分子の質量はイオンの飛行 特性から推定することができる。小さなイオンのためには、典型的な検出器は、 イオン流を環状経路に押し込める機能を有する磁場を有している。均一な磁場中 の等電荷粒子の経路の半径は質量に比例する。即ち、軽い粒子と同じ電荷を有す る重い粒子は磁場においてより大きな飛行半径を有するであろう。比較的高い質 量対電荷(m/z)比は異常な大きさまたは強さの磁石を必要とするので、磁場 中の核酸のような大きなイオンの飛行特性を測定することは実施不能であると一 般的には考えられている。この限界を解消するために、例えば、電気スプレー法 は分子上に多数のイオンを一様に置くことができる。核酸上の多数の電荷は質量 対電荷比を減少させ、通常の四極分析器により100,000ダルトンまでの種 を検出することが可能になる。 マトリックス補助レーザー脱着/イオン化によって生成した核酸イオンは、単 位電荷のみを有し、それらの質量が大きいために、飛行分析器の時間による分析 を一般的に必要とする。飛行分析器の時間は基本的には一端に検出器を有する長 いチューブである。TOF分析器の作動において、試料は簡単にイオン化され、 チューブ下方に加速される。検出後、検出器チューブ下方への移動に要した時間 を計算する。イオンの質量は飛行の時間から計算することができる。TOF分析 器は磁場を必要とせず、最大で100,000ダルトンまでの質量を有する単位 電荷イオンを検出することができる。改善された解像のために、飛行質量スペク トル分析の時間には、リフレクトロン、マイナスにイオンを加速する飛行チュー ブの端の領域を含めてもよい。加速フィールドと反対の極性のフィールドを含む リフレクトロン領域に入る移動粒子は遅らせられて速度ゼロになり、次いで同じ 速度であるが反対方向に逆に加速される。リフレクトロンを有する分析器を使用 する場合、戻ってきたイオンと飛行チューブの有効長さと解像力とを検出するた めのイオン源は効率的に二重にされるので、検出器は飛行チューブの同じ側に置 かれる。質量対電荷比の飛行データの時間からの計算には、リフレクトロンで費 やされた時間も考慮に入れる。 同一の電荷対質量比を有するイオンは典型的には、質量スペクトル分析器のイ オン化領域が点源ではないために、一定範囲のエネルギーを有するイオン加速器 を残す。飛行チューブからさらに離れて生成したイオンは加速器フィールドでさ らに長い時間を費やし、より高速で飛行チューブに入る。即ち、単一種の分子の イオンは異なる時間で検出器に到達する。飛行分析の時間において、飛行チュー ブ中での時間が長くなれば理論上感度の向上をもたらすが、イオンの速度が異な るために、ノイズ(バックグラウンド)も増加するであろう。リフレクトロンは 、飛行チューブの有効長さを効率的に二倍にすることに加えて、エラーを減少さ せて、単一種のイオンの検出器衝突時間の広がりを減少することによって感度を 増加させることができる。より高い速度を有するイオンはより高速でリフレクト ロンに入り、より低速のイオンよりより長くリフレクトロン領域に滞在する。リ フレクトロン電極電圧が適切に配列された場合、内部速度分布からのピーク幅寄 与は、検出器の平面で大幅に訂正することができる。リフレクトロンにより提供 される訂正は、全ての安定なイオンに対する質量解像の増加を導き、これらは飛 行、スペクトルにおいて分離しない。 直線フィールドリフレクトロンは適切に機能してノイズを減少して感度を増加 させる一方、より複雑なフィールド強度を有するリフレクトロンは優れた訂正能 力を提供し、多数の複雑なリフレクトロンを使用することができる。二段階リフ レクトロンは弱い電場を有する第1の領域と、強い電場を有する第2の領域とを 有する。2次式および曲線フィールドリフレクトロンは、距離の関数として増加 する電場を有している。これらの機能は、それらの名称が示唆する通り、2次式 または複雑な指数的な機能であってもよい。二重段階、2次式、および曲線フィ ールドリフレクトロンはまた、より精巧である一方、直線リフレクトロンよりも より正確である。 質量スペクトル分析におけるイオンの検出は典型的には電子検出器を使用して 行われる。検出されるために、質量スペクトル分析器によって生成した高質量イ オンは、転換電極において電子または低質量イオンのいずれかに転換される。次 いで、これらの電子または低質量イオンを使用して電子倍率器において電子増加 カスケードを開始し、さらに高速直線増幅器で増幅させる。単一試料の多重分析 からのシグナルを組み合わせてシグナル対ノイズ比とピーク形状を改善し、質量 決定の正確性をも増加させる。 本発明はまた、イオンサイクロトロン共鳴およびフーリエ分析の使用によって 多重プライマリーイオンを直接的に検出することに関する。これは、表面上に固 定化した完全な配列決定序列の分析のために有用である。この方法では、複数の 試料を一度にイオン化してイオンを高磁場を有するセル中に捕捉する。RFフィ ールドはイオンの集団をサイクロトロン軌道に励起させる。軌道の周波数は質量 の関数であるために、イオン質量のスペクトルを表す出力シグナルが得られる。 この出力は、成分周波数に対する組み合わせたシグナルを減少し、従ってイオン 試料中に存在するイオン質量の測定を提供するフーリエ分析を使用するコンピュ ーターによって分析される。イオンサイクロトロン共鳴およびフーリエ分析は、 試料中の全核酸の質量を測定することができる。この方法の応用は特に配列決定 序列において有用である。 一回または平行(多数回)のいずれかで行った質量スペクトル分析からのデー タは、核酸試料の分子質量を決定することができる。分子質量を試料の既知の配 列と組み合わせて分析すると、試料の長さを決定することができる。異なる塩基 は異なる分子量を有するので、高解像質量スペクトル分析器の出力を既知の配列 と試料の反応経歴と組み合わせることにより、分析した核酸の配列と長さが決定 されるであろう。配列決定手段の質量スペクトル分析において、一般的にプライ マーの塩基配列は既知である。一定の長さの既知の配列から、一塩基長い配列の 付加された塩基は2個の分子の質量の比較から推定することができる。この方法 を配列決定序列の完全な配列が決定されるまで継続する。 本発明の別の態様は、標的核酸を検出するための方法に関する。前記の通り、 標的の配列と相補的または相同な核酸のセットを核酸プローブの列にハイブリダ イズさせる。ハイブリダイズした核酸の分子量を、例えば質量スペクトル分析に よって測定し、核酸標的を試料中の配列の存在によって検出する。目的は広大な 配列情報を得ることではないので、プローブ列はかなり小さくてもよく、臨界配 列、検出すべき配列はできるだけ多くの変異形で反復される。変異形は、興味の ある配列と95%以上の相同性、80%以上の相同性、70%以上の相同性、ま たは約60%以上の相同性を有することができる。変異形もまた、ハイブリダイ ゼーションの程度を増加または減少させるために標的配列中に必要とされないか またはその中に存在する付加的な配列を有していてもよい。標的配列に対する列 の感度は増加する一方、偽陽性の数を減少そして望ましくは排除する。 検出すべき標的核酸は、生物学的試料、公文書試料、環境的試料または標的配 列を含むことが予測される別の源から得ることができる。例えば、試料は患者の バイオプシーから得ることができ、標的配列の存在は、例えば、新生物または感 染などの疾患または異常の指標である。試料はまた、存在を検出し、そして多分 試料中に存在するかもしれない生物および微生物を同定するための水、土壌また は廃棄物部位の塊などのような環境的源から得ることができる。試料中の特定の 微生物の存在は、危険な病原体の指標であるか、または正常な植物相が存在する ことの指標であるかもしれない。 本発明の別の態様は、上記方法および操作で有用な核酸プローブの列に関する 。これらのプローブは、第1鎖と第2鎖とを含み、第1鎖は第2鎖にハイブリダ イズし、二本鎖部分、一本鎖部分および一本鎖部分内の可変配列を形成する。列 は、 質量スペクトル分析用の核酸の揮発化を容易にする材料のような固体支持体に付 着することができる。典型的には、列は、約4Rの異なるプローブより少ないか それと同等のような多数のプローブを含み、ここでRは可変配列のヌクレオチド の長さである。ラージスケール配列決定のために列を利用する場合、より大きな 列を使用することができる一方、特定の配列の検出のために使用される列は、可 能な配列組み合わせの多くが必要ではないので、かなり小さくてもよい。 列はまた、完全に一本鎖である核酸プローブと、一本鎖であるが二本鎖領域を 作るヘアピンループを有する核酸とを含む。そのような構造は、二本鎖の核酸を 含み、二次構造で利用可能な熱力学的エネルギーの追加の利点を有する部分的一 本鎖プローブとたとえ同一ではないとしても類似の様式で機能することができる 。 列は、溶液中に存在してもよく、またはストレプトアビジン−ビオチン相互作 用または他の好適なカップリング試薬により固体支持体に結合することもできる 。列はまた、例えば電磁照射、化学試薬などによって切断することができる化学 成分を使用することによって固体支持体に可逆的に固定することもできる。固体 支持体は、質量スペクトル分析のための揮発方法において助けとなるマトリック ス化学物質などのような物質を含んでもよい。そのような化学物質には、ニコチ ン酸、3’−ヒドロキシピコリン酸(3'-hydroxypicolnic acid)、2,5−ジ ヒドロキシ安息香酸、シナピン酸、コハク酸、グリセロール、尿素およびTri s−HCl(pH約7.3)が含まれる。 本発明の他の態様は、鎖置換重合を使用する二本鎖核酸の配列決定に関する。 この方法を使用すれば、配列情報を得るために二本鎖を変性することが不要であ る。鎖置換重合は、新規な鎖を作製する一方で、同時に存在する鎖を置換する。 標識を成長している鎖中に取り込む技術は周知であり、新たに重合した鎖は、例 えば質量スペクトル分析によって容易に検出される。 標的核酸または該標的の配列に相当する配列を含む核酸を、例えば制限酵素に より、部分一本鎖および部分二本鎖の断片1セットを生じるひとつまたは複数の 工程において消化する。他のセットの核酸、プローブも部分一本鎖および部分二 本鎖である。これらのプローブは各断片の末端の一本鎖部分内に可変または定常 領域を含むのが好ましい(5’または3’オーバーハング(突出))。プローブ または断片をホスファターゼで処理して核酸の5’末端からリン酸基を除去する 。ホスファターゼ処理は、末端5’リン酸を3’ヒドロキシルに共有結合させる ことを必要とするライゲースによる核酸ライゲーションを妨害する。断片の一本 鎖領域はプローブの一本鎖領域にハイブリダイズして、ハイブリダイズした標的 /プローブ複合体の列を形成する。複合体の隣接または境を接する核酸鎖はライ ゲートされて、断片鎖をプローブ鎖に共有結合させる。リン酸処理は、ホスファ ターゼ処理された核酸間の自己ライゲーション並びにホスファターゼ処理核酸の 5’末端と未処理核酸の3’末端の間のライゲーションの両者を妨害する。これ らの複合体は、未ライゲーション鎖内のニックを認識して結合する核酸ポリメラ ーゼで処理されて、重合を開始する。ポリメラーゼは、相補鎖を置換しながら、 鋳型としてライゲーション鎖を用いて新しい鎖を合成する。反応は標識を付加す るか、またはマス修飾されたヌクレオチド(例えば、プリンのC2,N3,N7 またはC8市またはN7またはN9のデアザプリンにおけるマス修飾)または新 たな合成を検出するための他の検出可能なマーカーを付加してよい。プローブま たは断片の何れかは、支持体例えばプラスチックまたはガラス表面、工程間での 核酸の繰り返しの抽出または他の精製に関する要求を減じる膜または構造(磁気 ビーズ)に固定してよい。 好ましくは、標的配列を含む二本鎖核酸は該標的配列のポリメラーゼチェイン 反応または酵素消化(例えば、制限酵素)により得られる。標的配列はDNA, RNA,RNA/DNAハイブリッド、cDNA、PNAまたはそれらの修飾物 または混合物であってよく、そして好ましくは約10から約1,000ヌクレオ チドの長さであり、より好ましくは約20から約500ヌクレオチドの長さであ り、さらにより好ましくは約35から約250ヌクレオチドの長さである。核酸 断片またはプローブの5’末端はホスファターゼ、例えばアルカリホスファター ゼまたはウシ腸ホスファターゼにより脱リン酸されていてよく、それにより核酸 ライゲーション作用を促進する。プローブへの断片のハイブリダイゼーションの 際、2つの内部5’−3’ジャンクションの内の一方のみが5’リン酸を含み、 ライゲーションすることができる。第二のジャンクションは複合体鎖内のニック として現れる。核酸ポリメラーゼ、例えばクレノーはニックを認識して相補のラ イゲートされた鎖が置換される間に新たな鎖を合成する。鎖の伸長は、例えばヌ クレオチド3リン酸および鎖停止ヌクレオチドの存在下で進行することができる 。核酸合成は、ジデオキシヌクレオチドが伸長鎖に取り込まれた場合に停止する 。その結果得られた断片は標的の配列のネステッドセットを形成する。前駆体ヌ クレオチドは、例えばマス修飾により標識してよい。マス修飾された断片は、標 的配列を決定するためにマススペクトロメトリーにより容易に分析されうる。複 合体はさらに、複合体の安定性を増加させてポリメラーゼ反応を促進する一本鎖 結合蛋白質(SSB;大腸菌)を含んでよい。他の方法で見分けにくいバンドが 、より容易に検出される。SSBを用いることにより、100ヌクレオチド以上 、好ましくは150ヌクレオチド以上、そしてさらに好ましくは200ヌクレオ チド以上の断片の配列を決定することができる。 この方法は、一般的にはマニュアルまたは自動化核酸配列決定に有用であり、 多数の異なる配列種を含む混合バックグラウンド中での単一又は群の配列種を同 定および配列決定するのに特に有用である。この方法において、選択はプローブ への断片のハイブリダイゼーションおよびライゲーションに際して実施される。 プローブは、同定されて所望であれば配列決定される断片の配列に相補性のある 一本鎖領域内の共通または可変配列を含むようにデザインされてよい。断片/プ ローブのハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは当業者にはよく知られ た方法により調整されて、所望の選択条件に適合させることができる。例えば、 プローブの一本鎖領域は、興味のある核酸断片の一本鎖領域上にのみ見いだされ る特定の配列を含むようにデザインすることができる。別法として、複数の可変 領域を含む複数のプローブを用いることにより、あらゆる一つのプローブの一本 鎖領域の長さよりも長いそれらの断片配列を選択してよい。ハイブリダイゼーシ ョンおよび選択は異なる断片の複合体混合物から特定の断片を選択して、特定の 断片のみが次に配列決定される。 プローブは典型的には約15から約200ヌクレオチドの長さであるが、特定 の適用に依存してより長くも短くもできる。プローブの一本鎖領域は約3、4、 5、6、7、8、9、10、12、15、20、22、25または30ヌクレオ チドの長さであってよい。一本鎖領域内に可変領域を含むプローブに関しては、 この可変領域の長さは全一本鎖部分の長さと同じかそれよりも短くてよい。可変 領域はプローブ間で異なっているか、またはプローブセット中で共通であってよ い。プローブの二本鎖領域は典型的には一本鎖領域より長く、4、5、6、7、 8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30 、35、40または50ヌクレオチドの長さまたはそれ以上であってよい。プロ ーブは、修飾されて支持体または他の表面への付着を促進するか、または修飾さ れて同定または他の目的のために個々に検出可能にしてよい。核酸のセット、断 片またはプローブの何れかは、好ましくは102、103、104、105、106 、107、108、109または1010の異なるメンバーより多くを含む。 本発明の他の態様は、標的核酸の配列を決定するためのキットに関する。マス スペクトロメトリーのために核酸の揮発を促進するマトリックス化学でコートさ れた支持体に、核酸プローブの列を固定する。不調を示唆する特定の核酸配列を 検出することにより、キットを用いて疾患および不調を検出することができる。 プローブは、正確にマッチした標的配列おのハイブリダイゼーションに際しての み検出可能になる検出可能な標識で標識されてよい。検出可能な標識は、ラジオ アイソトープ、金属、発光または生物発光化学物質、蛍光化学物質、酵素および それらの混合物を含む。 本発明の他の態様は、マススペクトロメーター、核酸の分析のための適切なソ フトウエアを備えたコンピューター、および標的核酸配列を取得するために使用 することができるプローブの列を含む、核酸配列決定システムに関する。システ ムは所望によりマニュアルまたは自動化であってよい。 以下の実施例は本発明の態様を例示するために提供され、そして本発明の範囲 を限定するものと見なされるべきではない。実施例 実施例1 標的核酸の生成 標的核酸はコスミッドDNAの制限エンドヌクレアーゼ分割により生成される 。それらの認識配列の外側を分割するタイプIIおよび他の制限ヌクレアーゼの 特性を利用した。そのような酵素を用いた10から50kbのDNAサンプルの 制限消化は、そのほとんどが唯一の末端を有するDNA混合物を生じた。有用な 酵 素の認識および分割部位を表1に示す。 6塩基対認識の一つの制限酵素ApaB15を用いてもよい。DNA配列決定 は、マススペクトロメトリーにより分析可能なDNA配列決定ラダーの長さに適 合可能な平均断片の長さを生成する酵素により、最良に機能する。現在、これら の長さは約100塩基またはそれ以下である。 BsiYIおよびMwoI制限エンドヌクレアーゼはPSBHの生成において DNAを消化するために共に用いられる。融解前または後の何れかに、標的DN Aを分割して完成させてPSBHプローブと複合する。唯一の末端または縮退し た末端を有する画分または断片は標的配列の複雑さに依存する。例えば、10キ ロベースのクローンは平均16の断片または全部で32の末端を生じるはずであ るが、なぜなら各々の二本鎖DNA標的が2つのライゲート可能な3’末端を生 じるからである。1024の可能な末端から、ポアソン統計(表2)は3%の縮 退があるはずであることを予測する。対照的に、40キロベースのコスミッド挿 入物は64の断片または128の末端を生じ、これらの12%が縮退しているは ずであり、そして50キロベースのコスミッド挿入物は80の断片または160 の末端を生じるはずである。これらの幾つかは必ず縮退しているはずである。少 なくとも100キロベースまでは、標的が大きければ大きいほど、より多くの配 列が各多重DNAサンプル調製物から利用可能となる。100キロベースの標的 を用いれば、標的の27%は縮退しているはずである。 BsiYIおよびMwoIを用いた場合、唯一の5塩基末端を生じる任意の制 限部位が2度取得され、その結果得られた配列データは両方向にその部位から読 まれる(図5)。その部位におけるオーバーラッピング配列の3塩基の知識を基 に、これは64の異なるカテゴリーに全配列を分類する。10キロベースの標的 を用いると、60%が断片を含み、そして即ち配列アッセンブリーが自動化され る。 2つの列の取得法は、MwoIおよびBsiYIを用いて使用できる。この第 一の方法においては、慣用の5塩基取得物を用いる。取得物に隣接した2つの標 的塩基は公知であり、それらが制限酵素認識配列に由来するから、別の取得スト ラテジーが取得配列内のこれら2塩基の相補を形成するはずである。7塩基取得 物は熱力学上はより安定であるが、ミスマッチに対しては識別が劣る。 TspRIは、PSBH介在のサンガー配列決定における使用に極めて魅力の ある特性を有する他の市販制限酵素である。TspRIを用いる方法を図6に示 す。TspRIは5塩基の認識部位を有し、そして各鎖上のこの部位の外側の2 塩基を切断して9塩基の3’一本鎖オーバーハング(突出)を生じる。これらは 相補の9塩基オーバーハングを伴う部分二本鎖を用いて取得できる。4塩基のみ が酵素認識により特定されないから、TspRIの消化はたった256種の分割 部位をもたらす。ヒトDNA内にて、もたらされる平均断片の長さは1370塩 基である。この酵素は長い配列ラダーを生じるのに理想的であり、キロベースま での読みが普通の場所での長くて薄いゲル配列決定への入力に使用される。典型 的なヒトコスミッドは約30のTspRI断片または60の末端を生じる。長さ の分配が期待されるなら、これらの多くは完全に一方の末端から配列決定できな い。256の可能なオーーハングを用いる場合、ポアソン統計(表2)は、80 %の隣接断片が付加的な労力なしにアッセンブルできることを示す。即ち、連続 するDNA配列の極めて長いブロックが生成される。 3つの付加的制限酵素も有用である。これらは、MnlI、CjeIおよびC jePI(表1)である。一番目は一つのA+Tを有する4塩基部位を有し、M woIまたはBsiYIよりも平均で小さなヒトDNA断片を生じるべきである 。後者の2つは異常な中断された5塩基認識部位を有し、TspRIを補うかも し れない。 標的DNAは付加(tagged)PCRにより調製してもよい。公知の標的 配列開始部位よりも長いPCRプライマー5塩基を用いて予め選択された5塩基 3’末端配列を標的DNAに加えることができる。この方法により作成したサン プルは、該5塩基付加物に基づくPSBHアプローチを用いて取得および配列決 定できる。ビオチンを用いることにより、固定化配列決定鋳型として用いる前に 相補鎖の精製を可能にした。ビオチンは付加物上に置いてもよい。ストレプトア ビジンでコートされた磁気マイクロビーズによる二本鎖PCR産物の取得後、所 望の鎖(配列決定鋳型として機能する必要がある)を二本鎖から変性させて完全 プローブ列に接触するように使用することができる。多重サンプル調製物に関し ては、一連の異なる5塩基付加プライマーを、理想的には単一の多重PCR反応 において用いるはずである。このアプローチも唯一のPCR増幅に関して十分に 公知の標的配列を必要とし、デノボの配列決定よりもショットガン配列決定また は比較配列決定により有用である。 実施例2 ハイブリダイゼーションによる位置的配列決定の基礎的側面 スタッキングハイブリダイゼーションの潜在的利点の試験を、計算及びパイロ ット実験の両方により行った。完全及びミス対合二重鎖について計算した幾つか のTmを図7に示す。これらは、平均的塩基組成に基づいている。これら計算で 、予備形成二重鎖の次の第2オリゴマーの結合が約2塩基対に等しい特別な安定 性を提供すること及び誤対合がスタッキングハイブリダイゼーションではそれが 通常のハイブリダイゼーションで示すよりも大きな重要性を有するらしいことが 明らかになった。他のタイプの誤対合はあまり安定性を奪わないが、これらは連 結工程を要することにより排除されることができる。標準的SBHでは、末端ミ ス対合が最も安定性を奪わない事象であり、曖昧さ又はバックグランドの最大の 供給源をもたらす。オクタヌクレオチド複合体については、平均末端ミス対合が Tmを6℃低下させる。スタッキングハイブリダイゼーションについては、先に 存在している二重鎖から離れた側の末端ミス対合が最も安定性を奪わない事象で ある。5量体については、これは10℃のTmの降下をもたらす。これら考察は 、完全二重鎖の方に与するスタッキングハイブリダイゼーションの識別力は、通 常 のSBHよりも大きいことを示すものである。 実施例3 モデルアレイの調製 1回の合成では、不変18塩基幹部の後に続く可変5塩基伸長部を有する全部 で1024の可能な一本鎖プローブを作ることができる。この18塩基伸長部は 、2つの制限酵素切断部位を含有するように設計される。HgaIは、5塩基、 つまり可変塩基N5からなる5’オーバーハング(overhang)を生成する。No tIは、4塩基、つまりそのオリゴヌクレオチドの不変端部における5’オーバ ーハングを生成する。相補的18量体とハイブリダイズした合成23量体混合物 は、酵素的に伸長されて全部で1024の23量体二重鎖を形成することができ る二重鎖を形成する。これらは、例えば、平滑末端連結により、NotI部位を 欠いているプラスミド内にクローン化される。クローン化23塩基挿入物を含有 するコロニーを選択すると、各クローンは1つのユニークな配列を含有する。D NAミニプレプ(minipreps)を幹部の不変端部において切断し、ビオチニル化 ピリミジンを充填し、そしてその幹部の可変端部で切断して5塩基5’オーバー ハングを生成させることができる。得られる核酸を Qiagen カラム(核酸精製カ ラム)により分画して高分子量物質を捨てる。次いで、この核酸プローブをスト レプトアビジン被覆表面に付着させる。この操作は、多くの同一アレイのプロー ブを作れるように、Beckman Biomec 又は同等の化学ロボットで容易に自動化す ることができる。 最初のアレイは約1000プローブを含有する。このアレイ内のいずれの場所 における特定の配列も既知ではないであろう。しかしながら、このアレイは、異 なるハイブリダイゼーション条件下での異なる標的分子についてのシグナル/ノ イズ比及び配列識別性の統計的評価に用いることができる。既知の核酸配列との ハイブリダイゼーションは、そのアレイの特定の要素の同定を可能にする。十分 な組のハイブリダイゼーションは、あらゆるその後の配列決定作業用にそのアレ イを仕立てるであろう。アレイは、それらが望まれる特性を有するまで部分的に 特性決定される。例えば、そのオリゴヌクレオチド二重鎖の長さ、ある表面への その付着の様式、及び用いられるハイブリダイゼーション条件は、全て、クロー ン化されたDNAプローブの最初の組を用いて変動させることができる。最も良 好に働くアレイの部類が決まったら、完全かつ十分に特性決定されたアレイを通 常の化学合成により構築することができる。 実施例4 特異的プローブアレイの調製 位置的SBHでは、GC含量変動に起因する種の間の安定性の変動を補償する ための1つの潜在的なやり方は、AT豊富オーバーハングに隣接するGC豊富ス タッキング二重鎖及びGC豊富オーバーハングに隣接するAT豊富スタッキング 二重鎖を提供することである。ビオチニル化化合物を個別的にストレプトアビジ ン被覆表面上にスポッティングするための典型的なx−yロボットを用いて、中 程度に密なアレイを作ることができる。そのようなロボットを用いて、100〜 400cm2の計画通りの表面内に2×104サンプルのアレイを作ることが可能 である。市販のストレプトアビジン被覆ビーズを、ポリスチレンのようなプラス チックを最初にトリエチルアミンのような有機溶媒での短時間処理に曝すことに よって、そのプラスチックに永久に接着することができる。得られるプラスチッ ク表面は、結果として生じる非常に大きな表面積の故に、極めて大きなビオチン 結合能力を有する。 一定の実験においては、オリゴヌクレオチドを表面に付着させる必要性を全く 回避することができるので、パイロット実験で既に行った通りにストレプトアビ ジン被覆マグネチックマイクロビーズに付着させたオリゴヌクレオチドを用いた 。これらビーズは、マイクロタイタープレート内で扱うことができる。新たに利 用可能な圧縮されたプレートを含むそのようなプレートに適するマグネチックセ パレーターを用いることができる。例えば、18×24ウェルプレート(Geneti x, Ltd.:USA Scientific Plastics)は、全アレイを3プレートに含有すること が可能であろう。このフォーマットは、現存する化学ロボットにより十分に扱え る。全アレイが1枚のプレート上に収まるように、より圧縮された36×48ウ ェルフォーマットを用いることが好ましい。全実験にとってのこのアプローチの 利点は、表面効果からのあらゆる潜在的な複雑さが回避でき、そして既に存在す る液体の取扱い、熱管理、及び現像方法を、全ての実験について用いることがで きることである。 最後に、アレイを印刷する迅速かつ高度に効率的な方法を開発した。レプリカ 又は適切な相補的アレイの調製を行うマスターアレイを作るのである。マスター アレイは、望まれるパターンで一組のカスタムDNA配列をサンプリングしてか らこれら配列をレプリカに転写することによって手操作で(又は非常に精確なロ ボットにより)作られる。このマスターアレイは、多ヘッドピペットにより印刷 され、そしてオフセット印刷により圧縮された一組の全部で1024〜4096 の化合物である。潜在的により上品なアプローチを図8に示す。あるマスターア レイが作られ、配列特異的方法でレプリカの成分を転写するために用いられる。 転写されるべき配列は、ユニークな15塩基DNA配列に隣接する望まれる5又 は6塩基5’可変オーバーハングを含有するように設計される。 このマスターアレイは、一組のストレプトアビジンビーズ埋込みプラスチック 被覆金属ピンからなる。可変5又は6塩基セグメント+不変15塩基セグメント からなる不動化ビオチニル化DNA鎖が各チップに存在する。この表面のあらゆ る非占有部位を過剰のフリーのビオチンで満たす。レプリカチップを作るために 、このマスターアレイをビオチンで5’−標識した15塩基不変配列の補体と共 にインキュベートする。次に、DNAポリメラーゼを用いて、5又は6塩基可変 配列の補体を合成する。次いで、その濡れたピンアレイをそのレプリカのストレ プトアビジン被覆表面に触れさせて、そのマスターアレイ上の複合体のTmを上 回る温度で保持する。効率的なサンプル転写には不十分なピンアレイからの液体 残余しかないなら、そのレプリカアレイをまず凹形キャビティ内に保持されてい るか又は多ヘッドピペッターにより送られる数滴の溶媒で被覆してもよい。転写 した後、そのレプリカチップを15塩基不変配列の補体と共にインキュベートし てそのアレイの二本鎖部分を再形成する。このスキームの基本的利点は、マスタ ーアレイ及び転写化合物が一回だけ作られ、そしてレプリカアレイの製造が殆ど 果てし無く行える点である。 実施例5 固体支持体への核酸プローブの付着 核酸をシリコンウェハー又はビーズに付着させてもよい。シリコン固体支持体 を誘導化してヨードアセチル官能基をその表面に与えた。誘導化固体支持体をジ スルフィド含有オリゴデオキシヌクレオチドに結合させた。また、この固体支持 体をストレプトアビジン又はアビジンで被覆してビオチニル化DNAに結合させ た。 オリゴヌクレオチドの誘導化チップへの共有結合:シリコンウェハーは、約5 0mgの重量を有するチップである。均一な反応条件を維持するために、各チッ プの正確な重量を測定すること及び各実験について類似の重量のチップを選択す ることが必要であった。この操作のための反応スキームを図9に示す。 ヨードアセチル官能基を含有するようにチップを誘導化するために、トルエン 中の25(容量)%の3−アミノプロピルトリエトキシシランの無水溶液をアル ゴン下で調製して試験管に分取した(700μl)。1本の50mgチップは、 約700μlのシラン溶液を必要とする。各チップを火炎処理してその製造中の あらゆる表面汚染物を除去してシラン溶液中に落とした。チップを含有する試験 管をアルゴン雰囲気下に置いて約3時間震盪した。この時間の後、シラン溶液を 除去してチップをトルエンで3回及びジメチルスルホキシド(DMSO)で3回 洗浄した。N−スクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート( SIAB)(Pierce Chemical Co.,Rockford,IL)の10mM溶液を無水DM SO中で調製してチップを含有する試験管に加えた。試験管をアルゴン雰囲気下 で20分間震盪した。SIAB溶液を除去し、DMSOで3回洗浄した後、チッ プをオリゴヌクレオチドに付着させる準備が整った。 幾つかのオリゴヌクレオチドを標識して付着の効率を追跡できるようにした。 5’ジスルフィド含有オリゴデオキシヌクレオチド及び未修飾オリゴデオキシヌ クレオチドの両方を、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素及び 標準的技術を用いて放射標識した。典型的な反応においては、0.5mMのジス ルフィド含有オリゴデオキシヌクレオチドミックスを、上記のように放射標識さ れた痕跡量の同じ種に加えた。この混合液をジチオスレイトール(DTT)(6 .2μmol,100mM)及びエチレンジアミン四酢酸(EDTA)pH8.0 (3μmol,50mM)と共にインキュベートした。EDTAは、放射標識反 応から残存してその開裂反応を複雑にするあらゆるコバルトをキレート化するの に役立った。この反応を37℃で5時間行った。本質的に競合的である開裂反応 では、Chromaspin-10 カラムを用いてフリーチオール含有オリゴデオキシヌクレ オチドを単離した。 同様に、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)(Pierce C hemical Co.,Rockford,IL)を用いてジスルフィドを開裂した。pH4.5の緩 衝液中で約100mMの濃度のTCEPを用いた。反応後の生成物を単離する必 要はない。というのは、TCEPはヨードアセチル官能基と競合的に反応しない からである。 ヨードアセチル官能基を含有するように誘導化された各チップに、pH8のオ リゴデオキシヌクレオチドの10μM溶液を加えた。この反応は室温で一晩行っ た。このやり方で、2つの異なるオリゴデオキシヌクレオチドを、ヨードアセチ ルシリコンウェハーに結合するそれらの能力について試験した。第1のものは既 に記載したフリーチオール含有オリゴデオキシヌクレオチドであった。このフリ ーチオール含有オリゴデオキシヌクレオチド反応と平行して、5’未修飾オリゴ デオキシヌクレオチドを用いる負の対照反応を行った。この種は同じく3’放射 標識されていたが、未修飾5’末端のために、非共有結合の非特異的な相互作用 を確認することができる。その反応後、放射標識オリゴデオキシヌクレオチドを 除去し、チップを水で3回洗浄して定量した。 付着の効率を出すために、ウェハーのチップをホスホロイメージャースクリー ン(phosphorimager screen)(Molecular Dynamics)に曝した。この暴露は、 通常は一晩で行うが、場合によっては、取り込まれた放射線の量に依存してより 長い時間行われる。用いた各異なるオリゴデオキシヌクレオチドについて、ポリ スチレン上に分子量が既知のオリゴデオキシヌクレオチドの参照スポットを作っ た。これら参照スポットも、ホスホロイメージャースクリーンに曝した。そのス クリーンを走査して、参照の比活性とカウントを比較することによって各チップ に結合したオリゴデオキシヌクレオチドの量(モル数)を出した。各チップの重 量を用いて、チップの面積を計算することが可能である: (チップのg数)(1130mm2/g)=xmm2 この値を組み込むことによって、各チップに結合したオリゴデオキシヌクレオ チドの量をfmol/mm2で出すことができる。32Pの放射性信号がシリコン ウェハーを通して十分に強く読まれるので、この値を2で割ることが必要である 。即ち、この装置は、本質的にはチップの両側からの放射線を記録しているので あ る。 最初の定量の後、各チップを50%ホルムアミドを有する5×SSC緩衝液( 75mMクエン酸ナトリウム,750mM塩化ナトリウム,pH7)中で65℃ で5時間洗浄した。各チップを温水で3回洗浄し、5×SSC洗浄を繰り返し、 そしてチップを再定量した。ジスルフィド結合オリゴヌクレオチドが、100m M DTTでの37℃での5時間のインキュベーションにより、チップから除去 された。 実施例6 ストレプトアビジン被覆固体支持体への核酸の付着 固相DNA配列決定のための不動化一本鎖DNA標的をPCR増幅により調製 した。PCRは、VentR(exo-)DNAポリメラーゼ(New England Biol abs; Beverly,MA)及びdNTP溶液(Promega; Madison,WI)を用いて、Perk in Elmer Cetus DNA Thermal Cycler で行った。EcoRI消化プラスミドNB 34(1kb標的無名ヒトDNA挿入物を有するPCRTMIIプラスミド)を増幅 用のDNA鋳型として用いた。PCRは、18ヌクレオチド上流プライマー及び 下流5’末端ビオチニル化18ヌクレオチドプライマーで行った。PCR増幅は 、100μlの反応容量当たり10mM KCl、20mM トリス−HCl(2 5℃でpH8.8)、10mM(NH4)2SO4、2mM MgSO4、0.1%トリ トンX−100、250μM dNTP、2.5μMビオチニル化プライマー、5 μM非ビオチニル化プライマー、100ng未満のプラスミドDNA、及び6ユ ニットのVentR(exo-)DNAポリメラーゼを含有する100μl又は4 00μl容量中で行った。94℃で1分間の熱変性工程、それに続く60℃で1 分間の鋳型DNAへのプライマーのアニーリング、及び72℃で1分間のVen tR(exo-)DNAポリメラーゼでのDNA鎖伸長を含む、30回の温度サイ クルを行った。この垂れ下がった(tagged)プライマーでの増幅については、プ ライマーアニーリングのために45℃を選択した。このPCR産物を Ultrafree -MC 30,000 NMWL フィルターユニット(Millipore; Bedford,MA)に通すか又は 電気泳動と低融点アガロースゲルからの抽出により精製した。約10pmolの 精製PCRフラグメントを、ストレプトアビジンで被覆された1mgの予備洗浄 マグネチックビーズ(Dynabeads M280,Dynal,Norway)と100 μlの1M NaCl中で混合して、37℃又は45℃で30分間TEインキュ ベートした。 それらマグネチックビーズを二本鎖配列決定に直接用いた。一本鎖配列決定に ついては、不動化ビオチニル化二本鎖DNAフラグメントを新たに調製した0. 1M NaOHで室温で5分間処理することにより一本鎖形に変換した。不動化 一本鎖DNAを有するこのマグネチックビーズを0.1M NaOH及びTEで使 用前に洗浄した。 実施例7 ハイブリダイゼーション特異性 5塩基対対合、5塩基対ミス対合、6塩基対対合、及び6塩基対ミス対合を包 含する5及び6塩基対オーバーハングを有するプローブを用いてハイブリダイゼ ーションを行った。これら配列を表3に示す。 ビオチニル化された2本鎖プローブを、相補的1本鎖を同時に68℃で5分間ア ニールし、その後ゆっくりと室温まで冷却することによりTEバッファー中で調 製した。一つづつ分散され、ポリスチレンでコートされ、ストレプトアビジンで コートされた5倍量の磁気ビーズ(Dynal社製)を2本鎖プローブに添加し 、その後室温で30分間撹拌しながらインキュベートした。ライゲーションの後 、サンプルを冷温(4℃)のTEバッファーで2回洗浄し、その後高温(90℃ )のTEバッファーで1回洗浄することとした(図10)。高温上清中の32P の総量32Pに対する比率を測定した(図11)。高NaCl濃度下においては 、ミスマッチの標的配列はアニールされないかあるいは冷温洗浄中で除去される かのどちらかであった。同一の条件下においては、一致した標的配列はアニール されそしてプローブにライゲーションされた。最後の高温の洗浄において、非ビ オチニル化プローブのオリゴヌクレオチドを除去する。もし標的配列がプローブ にライゲーションされていれば、このオリゴヌクレオチドは標識された標的配列 を含む。 実施例8:塩基組成の変化に対する補正 塩基組成のTM値への依存性そして塩基配列に対する依存性は、ハロゲン化テト ラメチルアンモニウムあるいはベタインのような塩を使用することにより解決し うる。別の方法では、A−T塩基対の安定性を向上させるために塩基の類似物で ある2,6−ジアミノプリンや5−ブロモUをそれぞれAおよびTの代わりに使 用することができ、G−C塩基対の安定性を低下させるために7−デアザGの様 な誘導体を使用することができる。表2に示された最初の実験において示される ように、酵素を使用することにより、塩基配列による多くの複雑性を除去するこ とができる。これにより、このアプローチはそれぞれの核酸に対してそれぞれ異 なった条件を必要とし、そして高度にGC含量に適合した非酵素的方法に対して 、非常に重要な有利性を付加される。 安定性における相違を補正するためのその他のアプローチは、スタックする(s tacking)部位に隣接する塩基を変化させることである。全長のハイブリ ダイゼーションの識別力に対するこの部位の4塩基すべての相対的な効果を試験 するために実験を行い、そしてまた、相対的なライゲーション識別力を調べるた めに、dU(デオキシウリジン)や7−デアザGの様なその他の塩基類似物は二 次構造の効果を抑制するために有用でもありうる。 実施例9:オリゴヌクレオチドのアレーへのDNAライゲーション 固定化されたオリゴヌクレオチドを訂正するためにハイブリダイゼーションされ た標的となる核酸に共有的に接着するためにE.coliとT4DNAを使用す ることができる。これは高度に正確でそして効率的な行程である。リガーゼは正 確な3’末端塩基配列を絶対的に必要とするため、リガーゼは標的となる核酸の 3’末端配列のみを読むであろう。ライゲーションの後、結果として得られた相 補対は、23塩基対の長さであり、ハイブリダイゼーションされていない、ライ ゲーションされていない核酸はかなり厳しい洗浄の条件を使用することにより除 去することができる。3’末端の突出部に隣接する5’末端のリン酸基を欠くア レーなどはこのプローブにより標的とされる核酸にライゲーションされないこと から、適切に選択された陽性対照および陰性対照により、この方法の特異性が示 される。 ライゲーションの行程には多くの利点がある。物理的な特異性は酵素的な特異性 により追加される。標的とされる核酸の3’末端に注目することにより、標的と されるDNAの安定な二次構造から引き起こされる問題を最小限にすることがで きる。DNAリガーゼは固定化されたオリゴヌクレオチドプローブを訂正するた めに、ハイブリダイゼーションされた標的とされるDNAに共有的に接着するた めにも使用される。ライゲーションの方法の可能性についてはいくつかのテスト が図12に示されている。ビオチニル化プローブを、ストレプトアビジンにコー トされた磁気微少ビーズに対してその5’末端(図12A)あるいはその3’末 端(図12B)で接着し、そして5ないし6塩基対の1本鎖の突出部を作成する ためにより短く相補的で定常な配列とアニールした。32P末端標識された標的 はプローブに対してハイブリダイゼーションすることができた。結合していない 標的は、磁気分離器によりビーズを補足することにより除去された。様々な塩濃 度において、DNAリガーゼが添加されライゲーションを進行させた。サンプル は室温で洗浄し、ライゲーションされていない材料を除去するため磁気分離器に より再び固定化された組成物を処理した。最後に、サンプルは相補対のTM値よ りも高い温度でインキュベートされ、そして溶出された1本鎖はサンプルの残り が磁気分離器で除去された後も維持された。この時点での溶出物は、ライゲーシ ョンされた材料からなっていた。ライゲーションの画分については、高温および 低温の洗浄中の両方に回収された32Pの量に対する高温の洗浄中に回収された 32Pの量として評価した。結果に示されたことは、塩条件の実験から、5ない し6塩基対の突出部が完全に一致している時には効率が上がるがG−Tのミスマ ッチを伴う場合には効率が上がらないことがわかったということであった。同一 の実験についてのより広範囲なデータについては、表4−6に示す。 表4には、ミスマッチの位置による効果を示し、表5では完全一致の配列と若干 不安定になったミスマッチとの相対的な識別性に対する塩基組成の効果を測定し た結果を示す。これらのデータから示されることは、完全一致の配列と1本鎖の ミスマッチ配列との効果的な識別性は試験された5塩基対の突出部すべてについ て引き起こされ、みられたライゲーションの量に対する塩基組成の効果あるいは 一致/ミスマッチの識別性の有効性は、もしあったとしても非常に少ないという ことである。このように、通常のSBHにおいてみられる安定性に対して効果的 である塩基組成について取り扱うことに関する重大な問題は、ポジショナル(p ositional)SBHに対する問題ではないようである。さらに最悪のミ スマッチ部位はライゲーション反応において形成されるフォスフォジエステルか らの遠位端であったことから、この部位で生き残ったどんなミスマッチも、ポリ メラーゼ伸張反応により排除されうる。3’−エンドヌクレアーゼ活性あるいは 末端転移酵素活性を持たない配列バージョン2にようなポリメラーゼは、この点 から有用であろう。この試験みられる推定されるライゲーション産物は実際に合 成された現実の産物であることが、ゲル電気泳動により確認された。 正しい配列のための識別は内部ミスマッチと同様に、(もっとも識別するのが困 難な事例である)外部ミスマッチについてもそれほど大変なことではない(表6 )。ライゲーション部位の右側のミスマッチにより、おそらくもっとも識別しや すい部位が提供されるであろう。どの事例においても、示された結果は非常に有 望なものである。すでに5ないし6塩基対のみの重複部分による識別力が、8塩 基対の重複部分を有する従来のSBHにおいてみられた識別力より好適なレベル である。 実施例10:標的とされるDNAの補足とシークエンス 標的となるDNAの混合物は、8種類のオリゴヌクレオチドを等モル比ずつ混合 することにより調製された。それぞれのシークエンス反応のために、1種類の部 分的に相補対を形成したプローブと8種類の標的を使用した 。プローブおよび標的の配列は、表7および8に示す。 2pmolのそれぞれの相補鎖プローブ形成オリゴヌクレオチドと1.5pmo lの8種類の標的のそれぞれとを、2μlのシークエンスキット中にあるシーク エンス緩衝液ストック(200mM Tris−HCl、pH7.5、100m M MgCl2、そして250mM NaCl)を含む容量10μl中で混合し た。アニールする混合物は、65℃に熱せられ、そしてゆっくりと室温まで冷却 した。反応混合物を氷上に静置している間に、1μlの0.1Mジチオトレイト ール溶液、1μlのMn緩衝液(0.15Mイソクエン酸ナトリウム、および0 .1M MnCl2)、および2μl希釈シークエンス酵素(1.5単位)を混 合し、そして反応混合物2μlを4種のターミネーション混合物に室温で添加し た(それぞれは、3μlの適切なターミネーション混合物を含んでいる:すなわ ち16μM dATP、16μM dCTP、16μM dGTP、16μM dTTP、そして3.2μMの4種のddNTPのうちの一つ(50mM Na Cl中)を含んでいる)。反応混合物は、さらに室温で5分間インキュベートし 、そして4μlのPharmacia停止混合物(デキストランブルーを6mg /ml含んだ、脱イオン化したフォルムアミド)を添加することにより停止させ た。サンプルは、90−95℃で3分間変性させ、機械にロードするまで氷上に 静置した。シークエンスするサンプルは、ALF DNAシークエンサー(Ph armacia Biotech;Piscataway,NJ)で、7Mの尿 素および0.6xTBEを含む10%ポリアクリルアミドゲルを使用して解析し た。ゲルリーダーにより得られたシークエンスの結果は、図13に示し、表9に 要約する。一致した標的は、正しくハイブリダイゼーションされそして配列を決 定できるが、ミスマッチの標的はハイブリダイゼーションできずそして配列も読 めない。 実施例11 固体支持体に結合した核酸の伸長 伸長は、シークエナーゼ(バージョン2.0)キットまたはオートリード(A utoRead)配列決定キット(Pharmacia Biotech;Pi scataway,NJ)のいずれかを用いることにより、T7 DNAポリメ ラーゼを用いて実施した。固定化一本鎖DNA標的の伸長は、シークエナーゼ( バージョン2.0)またはT7 DNAポリメラーゼ用の配列決定キットからの 試薬を用いて実施した。5塩基の3’オーバーハングを含むデュープレックスD NAプローブをプライマーとして用いた。デュープレックスは、18塩基の5’ 不変領域および5塩基の3’可変領域(これは、標的DNAのPCR増幅のため の対応する非ビオチニル化プライマーの5’末端と同一の配列を有する)を含む 5’−フルオレセイン標識23mer、および23merの不変領域に相補的な 18merを有する。デュープレックスは、それぞれ20pmolの2つのオリ ゴヌクレオチドを、シークエナーゼキットからの2μlのシークエナーゼ緩衝液 貯蔵液(200mM Tris−HCl,pH7.5,100mM MgCl2 および250mM NaCl)を含む10μl容量中で、またはオートリード 配列決定キットからの2μlのアニーリング緩衝液(1M Tris−HCl, pH7.6,100mM MgCl2)を含む13μl容量中でアニーリングす ることにより形成させた。アニーリング混合物を65℃に加熱し、20−30分 間かけてゆっくりと37℃まで冷却させた。デュープレックスプライマーは、ア ニーリング混合物をDNA含有磁気ビーズに加え、得られた混合物を37℃で5 分間、室温で10分間、そして最後に0℃で少なくとも5分間さらにインキュベ ートすることにより、固定化一本鎖DNA標的とアニーリングさせた。シークエ ナーゼ反応については、1μlの0.1M ジチオスレイトール溶液、1μlの 比較的短い標的用のMn緩衝液(0.15M イソクエン酸ナトリウムおよび0 .1M MnCl2)および2μlの希釈シークエナーゼ(1.5ユニット)を 加え、反応混合物を4つに分けて氷冷停止混合物(それぞれ3μlの適当な停止 混合物からなる:50mM NaCl中、80μM dATP,80μM dC TP,80μM dGTP,80μM dTTPおよび8μMの4つのddNT Pの1つ)に加えた。T7 DNAポリメラーゼ反応については、1μlの伸長 緩衝液(40mM McCl2,pH7.5,304mM クエン酸および32 4mM DTT)および1μlのT7 DNAポリメラーゼ(8ユニット)を混 合し、反応容量を4つに分けて氷冷停止混合物(それぞれ、1μl DMSOお よび3μlの適当な停止混合物からなる:50mM NaClおよび40mM Tris−HCl,pH7.4中、1mM dATP,1mM dCTP,1m M dGTP,1mM dTTPおよび5μMの4つのddNTPの1つ)に加 えた。両方の酵素用の反応混合物を、0℃で5分間、室温で5分間および37℃ で5分間さらにインキュベートした。伸長の完了後、上清を除去し、磁気ビーズ を10μlのPharmaciaストップミックスに再懸濁した。試料を90− 95℃で5分間変性させ(この厳しい条件下で、DNAテンプレートおよびジデ オキシフラグメントの両方ともビーズから離脱する)、負荷するまで氷上に保存 した。デュープレックスプローブの代わりに配列決定プライマーとして標的DN Aの3’末端に相補的な18merを用い、18merの標的へのアニーリング をデュープレックスプローブのアニーリングと同様の方法で行うことにより、対 照実験を平行して実施した。 実施例12 標的配列の鎖伸長 固定化標的DNAの配列決定は、シークエナーゼ(バージョン2.0)を用い て実施することができる。全部で5つの伸長反応、すなわち、4つのジデオキシ ヌクレオチドのそれぞれを用いるもの、および4つすべてを同時に行うものを実 施する。40mM Tris−HCl,pH7.5,20mM MgCl2,5 0mM NaCl,10mMジチオスレイトール溶液,15mM イソクエン酸 ナトリウムおよび10mM MnCl2および100u/mlのシークエナーゼ (1.5ユニット)を含む配列決定溶液を、ハイブリダイズした標的DNAに加 える。dATP,dCTP,dGTPおよびdTTPを20μMとなるように加 えて、伸長反応を開始させる。別々の反応においては、4つのddNTPの1つ を加えて8μMの濃度とする。合わせた反応においては、4つのddNTPすべ てをそれぞれ8μMとなるように加える。反応混合物を0℃で5分間、室温で5 分間および37℃で5分間インキュベートした。伸長の完了後、上清を除去し、 伸長されたDNAを2mM EDTAで洗浄して伸長反応を停止させた。反応生 成物は質量分析法により分析する。 実施例13 標的核酸のキャピラリー電気泳動分析 標的配列の分子量は、キャピラリー電気泳動によっても決定することができる 。単一レーザーキャピラリー電気泳動装置を用いて、高性能キャピラリー電気泳 動配列決定における試料調製物の性能を監視することができる。この装置は、多 重チャネル(波長)検出に容易に変換することができるように設計されている。 試料アレイの個々の要素を、キャピラリーへの試料入口として働くよう直接工 学処理することができる。典型的なキャピラリーは、外径250ミクロン、内径 75ミクロンである。試料を加熱するかまたは変性させて、DNAラダーを液滴 中に脱離させる。この目的のためにはシリコンアレイの表面が理想的である。キ ャピラリーを液滴と接触させて試料を負荷することができる。 多数の試料を同時にまたは順番に負荷することを容易にするためには2つの基 本的方法がある。外径250ミクロンのキャピラリーを用いて、標的アレイとキ ャピラリーアレイの寸法を一致させることが実行可能である。次に、これら2つ を手動で、もしくはジグを用いるロボットアームにより接触させて、正確な配置 を 確実にする。電極は、シリコン表面のそれぞれのセクタ内に直接工学処理して、 試料負荷が表面とキャピラリーアレイとの間の接触のみを必要とするようにする ことができる。 第2の方法は、安価な収集システムに基づいて、高性能キャピラリー電気泳動 から溶出した分画を捕捉するものである。垂直のシース流なしで試料収集を可能 とする設計を用いることにより希釈を回避する。試料収集部として設計された同 一の装置は、逆に試料負荷部として働くこともできる。この場合には、試料アレ イのそれぞれの列には電極が備えられており、これを直接用いてキャピラリーの 列上に試料を自動的に直接負荷する。いずれかの方法を用いて、配列情報が決定 され、標的配列が構築される。 実施例14 核酸の質量分析法 質量分析法により分析すべき核酸は、貯蔵溶液として10pmol/μlの濃 度を得る量を用いて、超純水(MilliQ,Millipore)中に再溶解 した。この濃度のまたは超純水中の希釈物のアリコート(1μl)を、プローブ 先端として働く平坦金属表面上で1μlのマトリックス溶液と混合し、冷空気を 用いて送風により乾燥させた。いくつかの実験においては、酸形の陽イオン交換 ビーズをマトリックスと試料溶液の混合物に加えて、分析の間に形成されるイオ ンを安定化させた。 種々の市販装置、例えばVision2000(Finnigan−MAT) 、VG TofSpec(Fisons Instruments)、Lase r Tec Research(Vestec)により、MALDI−TOFス ペクトルを得た。条件は、加速電圧25kVの直線負イオンモードであった。質 量のキャリブレーションは外的に行い、一般に、適当な質量範囲の規定ペプチド 、例えば、インスリン、グラミシジンS、トリプシノーゲン、ウシ血清アルブミ ンおよびチトクロームCを用いて実施した。すべてのスペクトルは、窒素レーザ ーを波長337nmで5ナノ秒パルスで用いることにより生成させた。レーザー エネルギーは、106から107W/cm2の間で変動した。信号対雑音比を改良 するために、一般に、10から30レーザーショットの強度を集積した。1塩基 異なる核酸の間の判別を示す典型的な質量分析法の出力を図14に示す。 実施例15 質量分析からの配列決定 ジデオキシ鎖停止ヌクレオチドの存在下における標的核酸の伸長により、4つ の群の鎖停止フラグメントが生成した。1つのヌクレオチド付加あたりの質量の 相異はそれぞれ、dpCについては289.19、dpAについては313.2 1、dpGについては329.21、dpTについては304.20である。既 知の質量のそれぞれのヌクレオチドを有するフラグメントの間で測定された質量 の相異を比較することにより、核酸配列を決定することができる。核酸はまた、 それぞれ1つのジデオキシ鎖停止ヌクレオチドを有する4つの別々の反応におい てポリメラーゼ鎖伸長を実施することにより配列決定することができる。質量の 相異を調べるために、7から50塩基の長さの13個のオリゴヌクレオチドをM ALDI−TOF質量分析法により分析した。サンガー配列決定反応のddTフ ラグメントの計算分子量とそれらの実験的に確認された分子量との相関を表10 に示す。4つすべての鎖停止反応からの質量分析データを合わせると、2つの隣 接するピークの間の分子量の相異を用いて配列を決定することができる。 実施例16 減少したパス配列 サンガーラダーを製造するためのPSBHアレーの使用を最大限にするために は、標的の配列が最初の配列縮重の量が最低になるように、完全にカバーされる 必要がある。これにより、アレーの個々の要素のパフォーマンスが最大化され、 アレーを用いる各回毎に得られる有用な配列データの量が最大化される。未知の DNAを用いて、1024エレメント(MwoIまたはBsiYI開裂)または 256エレメント(TspRI開裂)の完全アレーを用いる。50kbの標的DN Aを、MwoIまたはBsiYIで約64フラグメントへ、またはTspRIで 約30フラグメントにそれぞれ切断する。各フラグメントは二つの末端を有し、 それらは独立に捕捉される。捕捉後の各アレーの範囲および無視できる縮重は、 最初のケースでは128/1024部位であり、二番目のケースでは60/25 6部位である。質量スペクトルシーケンスのためにエレメントバイエレメントに サンプルを盲法でデリバーするための、そのようなアレーの直接使用は、大部分 のアレーエレメントがサンプルを有しないであろうから、有効でない。 一つの方法においては、ホスファターゼ処理した二本鎖標的を高濃度で用いて 、サンプルを検出する各アレー要素を飽和させる。捕捉を不可逆にするため標的 は連結する。次いで、異なるサンプル混合物をアレーに暴露し、そして次いでそ の場で連結する。この工程をアレーの大部分のエレメントがユニークなサンプル を含むようになるまで、4〜5回繰り返す。全ての標的はホスファターゼ処理さ れているので、直列の標的−標的複合体は、次の連結工程で除去される。 別法として、伸長反応後にアレーを共焦点顕微鏡によりモニターすることもで きる。これは、どのエレメントが伸長した核酸を含むかを明らかにし、そしてこ の情報は自動化ロボットシステムに伝達され、最終的に質量スペクトロメトリー 分析器にサンプルを負荷するために用いられる。 実施例17 質量(マス)修飾された核酸プライマーの合成 5’の糖の質量修飾:オリゴヌクレオチドを標準的自動化DNA合成により、 β−シアノエチルホスホアミダイトおよび固相DNA合成の末端に導入した5’ −アミノ基を用いて、合成した。0.25マイクロモルのCPG−結合ヌクレオ シドから出発して、オリゴヌクレオチド合成の全量を濃アンモニア水で脱保護し 、OligoPAKTMカートリッジ(Millipore;Bedford,M A)で精製し、そして凍結乾燥する。この5’末端アミノ基を有する生成物を、 無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)100μlに溶解し、そして10 μモルのN−Fmoc−グリシンペンタフルオロフェニルエステルとともに、2 5℃で60分間濃縮する。エタノール沈殿および遠心の後、N,N−ジメチルホ ルムアミド中の20%ピペリジン溶液100μlで10分間処理してFmoc基 を外す。過剰のピペリジン、DMFおよびFmoc基からの開裂産物をエタノー ル沈殿により除去し、沈殿を10mM TEAAバッファーpH7.2から凍結乾燥 する。この物質をサンガーのDNA配列決定反応のプライマーとして用いるか、 またはさらなるグリシン残基(または他の適当な保護されたアミノ酸活性エステ ル)を付加して、サンガーのDNAまたはRNA配列決定に適する一連の質量修 飾プライマーオリゴヌクレオチドを製造する。 複素環塩基部位でのグリシンによる質量修飾:出発材料は、調製されそして3 ’5’−脱O−アシル化された5−(3−アミノプロピニル−1)−3’5’− ジ−p−トリルデオキシウリジンであった(Haralambidisら,Nu c.Acids Res.15:4857−76,1987)。0.281g( 1.0mmol)の5−(3−アミノプロピニル−1)−2’−デオキシウリジンを 、5mlの無水N,N−ジメチルホルムアミド中の0.927g(2.0mmol)の N−Fmoc−グリシンペンタフルオロフェニルエステルと、0.129g(1 mmol;174μl)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下で、室温で 60分間反応させた。溶媒を回転蒸発器で除去し、生成物をシリカゲルクロマト グラフィー(Kieselgel 60, Merck;カラム:2.5×50 cm,クロロホルム/メタノール混合物で溶出)によって精製した。収率は0.4 4g(0.78mmol;0.78%)であった。もう一つのグリシン残基を付 加するために、DMF中のピペリジンの20%溶液で20分間処理して、Fmo c基を除去し、真空中で(in vacuo)蒸発させ、残留固体物質を20mlの酢酸 エチルで3回抽出した。残存酢酸エチルを除去した後、N−Fmoc−グリシン ペンタフルオロフェニルエステルを上記のようにしてカップリングさせ、5−( 3(N−Fmoc−グリシル)−アミドプロピニル−1)−2’−デオキシウリ ジンを5’−O−ジメトキシトリチル化 ヌクレオシド−3’−O−β−シアノ エチル−N,N−ジイソプロピルホスホアミダイトに変換し、そして自動化オリ ゴヌクレオチド合成に取りこませた。この、DNA化学合成用のグリシン修飾チ ミジンアナログのビルディングブロックは、核酸プライマー配列中のチミジン/ ウリジンヌクレオチドの一つまたはそれ以上の代わりに用いることが可能である 。Fmoc基は固相合成の最後に、室温でDMF中のピペリジンの20%溶液で 20分間処理して除去される。DMFはアセトニトリルでの洗浄工程で除去され 、オリゴヌクレオチドは脱保護して精製する。 β−アラニンでの複素環塩基の質量修飾:0.281g(1.0−mmol) の5−(3−アミノプロピニル−1)−2’−デオキシウリジンをN−Fmoc −β−アラニン ペンタフルオロフェニルエステル(0.955g;2.0mm ol)と5mlのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中、0.129g( 174μl;1.0mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下 で60分間室温で反応させた。溶媒を除去し、産物をシルカゲルクロマトグラフ ィーで精製した。収率は0.425g(0.74mmol;74%)であった。 Fmoc基の除去の後に全く同じ方法で、別のβ部分を付加することもできる。 5−(3−(N−Fmoc−β−アラニル)−アミドプロピニル−1)−2’− デオキシウリジンからの5’−O−ジメトキシトリチル化ヌクレオシド−3’− O−β−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホアミダイトの調製、並び に自動化オリゴヌクレオチド合成への取り込みは標準的な条件によって行われた 。このビルデイングブロック(building block)は、核酸プライマー配列中のい ずれのチミジン/ウリジン残基も置換することができる。 エチレンモノメチルエーテルでの複素環塩基の質量修飾:この実施例ではヌク レオシド成分として、5−(3−アミノプロピニル−1)−2’−デオキシウリ ジンを用いた。50mlの無水ピリジン中に溶解させた7.61g(100.0 mmol)の新鮮な滅菌済みエチレングリコールモノメチルエーテルを10. 01g(100.0mmol)の再結晶無水コハク酸と1.22g(10.0m mol)の4−N,N−ジメチルアミノピリジンの存在下で一晩室温で反応させ た。水(5.0ml)の添加によって反応を停止し、反応混合物をin vac uoで乾燥させ、乾燥トルエン(各々20ml)で2回共乾燥させ、そして、残 渣を100mlジクロロメタン中に溶解させた。溶液を10%水性クエン酸(2 X20ml)で続けて2回、そして水(20ml)で1回抽出し、そして有機相 を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。有機相をin vacuoで乾燥させた 。残渣を50mlジクロロメタン中に溶解し、500mlペンタン中に沈殿させ 、そして、沈殿物をin vacuoで乾燥させた。収率は13.12g(74 .0mmol;74%)であった。8.86g(50.0mmol)のコハク酸 エチレングリコールモノメチルエーテルを、5%乾燥ピリジン(5ml)および 6.96g(50.0mmol)の4−ニトロフェノールを含む100mlジオ キサンに溶解し、10.32g(50.0mmol)のジシクロヘキシルカルボ ジイミドを添加し、反応を室温で4時間行った。ジシクロヘキシル尿素を濾過に よって除去し、濾過物をin vacuoで乾燥させ、そして残渣を50mlの無水DM F中に溶解した。この溶液12.5ml(約12.5mmolの4−ニトロフェ ニルエステル)を用いて2.81g(10.0mmol)の5−(3−アミノプ ロピニル−1)−2’−デオキシウリジンを溶解した。反応は1.01g(10 .0mmol;1.4ml)トリエチルアミンの存在下、室温で一晩行った。反 応混合物をin vacuoで乾燥させ、トルエンで共乾燥させ、100mlジ クロロメタン中に溶解させ、そしてジクロロメタン/メタノール混合物を用いた シリカゲル(Si60,Merck;カラム4X50cm)上でクロマトグラフ ィーを行った。目的の化合物を含む画分を収集し、乾燥し、25mlのジクロロ メタン中に溶解し、そして250mlペンタン中に沈殿させた。5−(3−N− (O−コハク酸エチレングリコールモノメチルエーテル)−アミドプロピニル− 1)−2’−デオキシウリジン(収率65%)の乾燥沈殿物を5’−O−ジメト キシトリチル化し、ヌクレオシド−3’−O−β−シアノエチル−N,N−ジイ ソプロピルホスフォアミダイトに変換し、そして標準的に手段を用いて自動化オ リゴヌクレオチド合成中にビルデイングブロックとして取り込ませた。質量修飾 され たヌクレオチドは、核酸プライマー配列中の1つまたはそれ以上のチミジン/ウ リジン残基をも置換することができる。プライマーオリゴヌクレオチドの脱保護 および精製もまた、標準的な手段に従う。 ジエチレングリコールモノメチルエーテルでの複素環塩基の質量修飾:ヌクレ オシド出発物質は、前述の実施例等と同様に、5−(3−アミノプロピニル−1 )−2’−デオキシウリジンであった。50mlの無水ピリジン中に溶解させた 12.02g(100.0mmol)の新鮮な滅菌済みジエチレングリコールモ ノメチルエーテルを10.01g(100.0mmol)再結晶無水コハク酸と 1.22g(10.0mmol)の4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DM AP)の存在下で一晩室温で反応させた。収率は、18.35g(82.3mm ol;82.3%)であった。11.06g(50.0mmol)のコハク酸ジ エチルグリコールモノメチルエーテルを4−ニトロフェニルエステルに変換し、 そして、続いて12.5mmolを2.81g(10.0mmol)の5−(3 −アミノプロピニル−1)−2’−デオキシウリジンと反応させた。シリカゲル カラムクロマトグラフィーおよびペンタンへの沈殿の後の収率は、3.34g( 6.9mmol;69%)であった。ジメトキシトリチル化およびヌクレオシド −β−シアノエチルホスフォアミダイトへの変換の後、質量修飾されたビルデイ ングブロックを自動化化学DNA合成に取り込む。核酸プライマー配列の内部に おいて、1つまたはそれ以上のチミジン/ウリジン残基をこの質量修飾ヌクレオ チドによって変換することができる。 グリシンを用いる複素環式塩基のマス修飾: 出発物質は、N6−ベンゾイル−8−ブロモ−5’−O−(4,4’−ジメト キシトリチル)−2’−デオキシアデノシン(Singh et al.,Nuc.Acids Res.18: 3339-45,1990)であった。632.5mg(1.0mmol)のこの8−ブロモ −デオキシアデノシン誘導体を5mlの無水エタノールに懸濁させ、241.4 mg(2.1mmol;366μl)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンの 存在下で251.2mg(2.0mmol)のグリシンメチルエステル(塩酸塩 )と反応させ、薄層クロマトグラフィー(TLC)によってチェックして出発物 質であるヌクレオシド物質が消失するまで(4−6時間)還流させた。その溶媒 を 蒸発させ、残渣を0.1%ピリジンを含むクロロホルム/メタノール混合溶媒を 用いてシリカゲルクロマトグラフィー(カラム 2.5×50cm)によって精 製した。生成物を含むフラクションを集めて、その溶媒を除去し、集めたフラク ションを5mlのジクロロメタンに溶解して100mlのペンタン中に注いで沈 殿させた。収量は487mg(0.76mmol;76%)であった。対応する ヌクレオシド−β−シアノエチルホスホアミダイト(nucleoside-β-cyanoethyl phospho amidite)への転換(transformation)および自動化されたDNA化学 合成の完結は標準条件下で実施される。濃アンモニア水による最終的な脱保護の 間に、グリシン部分からメチル基を除去した。マス修飾された増成用ブロック( building block)は核酸プライマー配列において1個またはそれ以上のデオキシ アデノシン/アデノシン残基を置換することができる。 グリシルグリシンを用いる複素環式塩基のマス修飾: 632.5mg(1.0mmol)のN6−ベンゾイル-8−ブロモ−5’−O −(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシアデノシンを5mlの無 水エタノールに懸濁させ、241.4mg(2.1mmol;366μl)のN ,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下で324.3mg(2.0mmol )のグリシルグリシンメチルエステルと反応させた。混合物を還流させ、反応の 完結をTLCによってチェックした。シリカゲルクロマトグラフィーおよびペン タン中に注いでの沈殿の後に得られた収量は464mg(0.65mmol;6 5%)であった。ヌクレオシド−β−シアノエチルホスホアミダイトおよび合成 オリゴヌクレオチドへの転換は標準的方法にに従って行われる。 グリコールモノメチルエーテルを用いる複素環式塩基のマス修飾: 出発物質は、合成された5’−O−(4,4−ジメトキシトリチル)−2’− アミノ−2’−デオキシチミジン(Verheyden et al.,J.Org.Chem.36:250-54,19 71; Sasaki et al.,J.Org.Chem.41:3138-43,1976; Imazawa et al.,J.Org.Chem. 44:2039-41,1979; Hobbs et al.,J.Or.Chem.42:714-19,1976; Ikehara et al.,C hem.Pharm.Bull.Japan 26:240-44,1978)。5’−O−(4,4−ジメトキシト リチル)−2’−アミノ−2’−デオキシチミジン(559.62mg;1.0 mmol)を1.0mmol(140μl)のトリエチルアミンの存在下で10 mlの乾燥DMF中に溶解した2.0mmolのスクシニル化エチレングリコー ルモノメチルエーテルの4−ニトロフェニルエステルと室温で18時間反応させ た。反応混合物を真空中で蒸発し、トルエンとともに蒸発し、ジクロロメタンに 再溶解し、シリカゲルクロマトグラフィー(Si60,メルク社;カラム:2. 5×50cm;溶離剤;0.1%トリエチルアミン含有クロロホルム/メタノー ル混合物)によって精製した。生成物を含むフラクションを一緒にして蒸発させ 、ペンタン中へ加えて沈殿させた。収量は524mg(0.73mmol;73 %)であった。ヌクレオシド−β−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホス ホアミダイトへの転換および自動化されたDNA化学合成プロトコル(protocol )への収録は標準的方法によって実施される。マス修飾されたデオキシチミジン 誘導体は核酸プライマーにおいて1個またはそれ以上のチミジン残基の代用とな ることができる。 類似の方法で、スクシニル化ジエチレングリコールモノメチルエーテルおよび トリエチレングリコールモノメチルエーテルの4−ニトロフェニルエステルを用 いることによって、対応するマス修飾オリゴヌクレオチド類が製造される。配列 内にただ1つ取り込まれたマス修飾ヌクレオチドの場合、エチレングリコール誘 導体、ジエチレングリコール誘導体およびトリエチレングリコール誘導体の間に おける質量の相違はそれぞれ44.05ドルトン、88.1ドルトンおよび13 2.15ドルトンである。 アルキル化による複素環式塩基のマス修飾: ホスホロチオエート(phosphorothioate)含有オリゴヌクレオチド類を製造し た(Gait et al.,Nuc.Acids Res.19:1183,1991)。1つのヌクレオチド間結合、 数個のヌクレオチド間結合およびすべてのヌクレオチド間結合はこのようにして 修飾することができる。(-)M13核酸プライマー配列(17−マー(17− mer)))5’−dGTAAAACGACGGCCAGT(配列番号29)を DNAシンセサイザー上で0.25マイクロモルスケールで合成し、最終合成サ イクル(GのTへのカップリング)の後で1個のホスホロチオエート基を導入し た。硫化(sulfurization)、脱保護および精製は標準的なプロトコルに従った 。収量は31.4ナノモル(12.6%の総括収量)で、31.4ナノモルのホ ス ホロチオエート基に相当した。アルキル化は、残渣を31.4μlのTE緩衝液 (0.01Mトリス(Tris)pH8.0,0.001M EDTA)に溶解し、2− ヨードエタノール(320ナノモル;ホスホロチオエートジエステルに関して1 0倍過剰)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した20mM溶液 の16μlを加えることによって実施した。アルキル化したオリゴヌクレオチド を標準的な逆相HPLC(RP−18ウルトラフィア(Ultraphere),ベックマ ン(Beckman);カラム:4.5×250mm;100mMトリエチルアンモヌ ムアセテート,pH7.0および5ないし40%アセトニトリルノグラディエン ト(gradient))によって精製した。 この方法の1変法によれば、1個またはそれ以上のホスホロチオエートホスホ ジエステル結合を含む核酸プライマーがサンガー配列反応(Sanger sequencing reaction)において用いられる。4つの配列反応のプライマー・エクステンショ ン生成物を精製し、固体支持体から分離し、凍結乾燥してTE緩衝液4μlに各 々溶解し、DMFに溶解した2−ヨードエタノールの20mM溶液の2μlを加 えてアルキル化する。次いでESおよび/またはMALDI質量分析法によって 分析する。 類似の方法で、2−ヨードエタノールの代わりに、例えば、3−ヨードエタノ ール、4−ヨードブタノールを用いて、非修飾ホスホロチオエートホスホジエス テル含有オリゴヌクレオチドと比較してそれぞれ14.03、28.06および 42.03ドルトンの質量差を有するマス修飾核酸プライマーが得られる。 実施例18 ヌクレオチドトリホスフェートのマス修飾 2’及び3’アミノ機能におけるヌクレオチドトリホスフェートのマス修飾: 出発物質は文献記載の方法(Verheyden et al,J.Org.Chem.36:250,1971) により製造した2’−アジド−2’−デオキシウリジンであり、これをピリジン 中の塩化4,4−ジメトキシトリチルで5’−OHを4,4−ジメトキシトリチ ル化し、標準反応条件を用いる一容器(one-pot)反応において無水酢酸で3’ −OHをアセチル化した。出発物質として2’−アジド−2’−デオキシウリジ ン191mg(0.71mmol)を用いて,シルカゲルクロマトグラフィーで 精製した後5’−O−(4,4−ジメトキシトリチル)−3’−O−アセチル− 2’−アジド−2’−デオキシウリジンを 396mg(0.65mmol;9 0.8%)得た。アジド基の還元を行った(Barta et al.,Tetrahedron 46:587 -94,1990)。シルカゲルクロマトグラフィーで精製した後の5’−O−(4, 4−ジメトキシトリチル)−3’−O−アセチル−2’−アミノ−2’−デオキ シウリジンの収率は288mg((0.49mmol;76%)であった。この 保護された2’−アミノ−2’−デオキシウリジン誘導体(588mg,1.0 mmol)を、1.0mmol(174μl)N,N−ジイソプロピルエチルア ミンの存在下に、乾燥DMF10ml中の2等量(927mg;2.0mmol )のN−Fmoc−グリシンペンタフルオロフェニルエステルと室温で一晩反応 させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。 収率は711mg(0.71mmol;82%)であった。80%酢酸水溶液で 室温中、1時間処理することにより脱トリチル化を行った。残渣を蒸発乾燥し、 トルエンと2回共蒸発し、乾燥アセトニトリル1mlに懸濁し、POCl3で5 ’−リン酸化し、そして文献記載の方法によりDMF中のテトラ(トリ−n−ブ チルアンモニウム)ピロリン酸の0.5M溶液(1.5mmol)3mlを用い て一容器反応で5’−トリホスフェートに直接変換した。室温中、濃アンモニア 水で1時間処理することによりFmoc及び3’−O−アセチル基を除去し、反 応混合物を蒸発し、凍結乾燥した。炭酸水素トリエチルアンモニウムの直線グラ ジエント(0.1M−1.0M)を用いるDEAEセファデックスのアニオン交 換クロマトグラフィーによる標準法で精製をさらに行った。ポリエチレンイミン セルロースプレート上の薄層クロマトグラフィーでチェックしてトリホスフェー ト含有画分を回収し、蒸発して凍結乾燥した。ウラシル部分のUV吸収による収 率は68%又は0.48mmolであった。 DMF中の20%ピペリジン溶液で室温中、1時間処理して5’−O−(4, 4−ジメトキシトリチル)−3’−O−アセチル−2’−N(N−9−フルオレ ニルメチルオキシカルボニルーグリシル)−2’−アミノ−2’−デオキシウリ ジンからFmoc基を除去することにより、グリシル−グリシン修飾した2’− アミノ−2’−デオキシウリジン−5’−トリホスフェートを得て、溶媒を蒸発 し、トルエンと2回共蒸発し、N−Fmoc−グリシンペンタフルオロフェニル エステルと縮合を行った。2’−N−グリシル−2’−アミノ−2’−デオキシ ウリジン誘導体1.0mmolで出発し、上述の方法を行い、対応する2’−( N−グリシル−グリシル)−2’−アミノ−2’−デオキシウリジン−5’−ト リホスフェート0.72mmol(72%)を得た。 5’−O−(4,4−ジメトキシトリチル)−3’−O−アセチル−2’−ア ミノ−2’−デオキシウリジンから出発し、N−Fmoc−β−アラニンペンタ フルオロフェニルエステルとカップリングさせ、対応する2’−(N−β−アラ ニル)−2’−アミノ−2’−デオキシウリジン−5’−トリホスフェートを合 成した。これらの修飾ヌクレオチドトリホスフェートをプライマー伸長生成物に おけるサンガーDNA配列決定法に導入した。グリシン、β−アラニン及びグリ シル−グリシンのマス修飾ヌクレオチドのマス相違は導入したヌクレオチド当た り、それぞれ58.06,72.09及び115.1ダルトンであった 5’− O−(4,4−ジメトキシトリチル)−3’−アミノ−2’,3’−ジデオキシ チミジンから出発すると、対応する3’−(N−グリシル)−3’−アミノ、3 ’−(N−グリシル−グリシル)−3’−アミノ、及び3’−(N−β−アラニ ル)−3’−アミノ−2’,3’−ジデオキシチミジン−5’−トリホスフェー トが得られる。これらのマス修飾ヌクレオチドトリホスフェートはサンガーDN A配列反応で末端ヌクレオチドユニットとして作用し、複数配列モードで用いる とき、末端断片当たりそれぞれ58.06,72.09及び115.1ダルトン のマス相違を与えた。マス区別された断片をES及び/又はMALDIマススペ クトルで分析する。 ヘテロ環状塩基のC-5におけるヌクレオチド三リン酸塩のマス(mass)修飾: 0.281g(1.0 mmol)の5-(3-アミノプロピニル-1)-2'-デオキシウリジンを、0. 129gのN,N-ジイソプロピルエチルアミン(174μl,1.0 mmol)の存在下で乾燥D MF 5ml中にて、0.927g(2.0 mmol)のN-Fmoc-グリシンペンタフルオロフェニル エステルまたは0.955g(2.0 mmol)のN-Fmoc-β-アラニンペンタフルオロフェニ ルエステルと室温で一晩反応させた。in vacuoでの蒸留により溶媒を除去し、濃 縮産物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(Still ら、J.Org.Chem.43: 2923-25,1978)。収量は、グリシン誘導体に関しては4 76 mg(0.85mmol; 85.0%)、β-アラニン誘導体に関しては436 mg(0.76 mmol; 76% )であった。グリシル-グリシン誘導体の合成に関しては、20%ピペリジン(DMF溶 液)を用いて室温で1時間処理することによってFmoc-グリシン-デオキシウリジ ン誘導体1.0 mmolのFmoc基を取り除いた。in vacuo蒸留により溶媒を除去し、残 渣をトルエンと共に二回蒸留し、0.927g(2.0 mmol)のN-Fmoc-グリシンペンタ フルオロフェニルエステルと共に濃縮し、そして上記のように精製した。収量は 、445 mg(0.72 mmol; 72%)であった。グリシル-、グリシル-グリシル-およびβ- アラニル-2'-デオキシウリジン誘導体(Fmoc基によりN-保護されている)を、ピ リジン中にて4,4-ジメトキシトリチルクロライドでトリチル化し、一容器反応で ピリジン中にて無水酢酸でアセチル化することによって3'-O-アセチル誘導体に 変換し、次いで標準操作に従って80%水性酢酸で1時間処理することで脱トリチル 化した。溶媒を除去し、残渣を100mlのクロロホルムに溶解させ、そして10%重炭 酸ソーダ50mlで二回、水50mlで一回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を 蒸発させ、残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し た。収量は、それぞれ、グリシル-3-O'-アセチル-2'-デオキシウリジン誘導体に 関しては361 mg(0.60 mmol; 71%)、β-アラニル-3-O'-アセチル-2'-デオキシウ リジン誘導体に関しては351 mg(0.57mmol; 75%)、そしてグリシル-グリシル-3-O '-アセチル-2'-デオキシウリジン誘導体に関しては323 mg(0.49 mmol; 68%)であ った。POCL3による5'-OHにおけるリン酸化、DMF中でのテトラ(トリ-n-ブチルア ンモニウム)ピロフォスフェートとのin situ反応による5'-三リン酸塩への変換 、3'-de-O-アセチル化、Fmoc基の切断、およびDEAE-Sephadexにおける陰イオン 交換クロマトグラフィーによる最終的な精製が行われ、ウラシル部分のUV吸光度 による収量は、5-(3-(N-グリシル)-アミドプロピニル-1)-2'-デオキシウリジン- 5'-トリホスフェート0.41 mmol(84%)、5-(3-(N-β-アラニル)-アミドプロピニル -1)-2'-デオキシウリジン-5'-トリホスフェート0.43 mmol(75%)、および5-(3-(N -グリシル-グリシル)-アミドプロピニル-1)-2'-デオキシウリジン-5'-トリホス フェート0.38 mmol(78%)であった。これらのマス修飾されたヌクレオシド三リン 酸塩を、サンガーのDNAシークエンス用プライマー伸長反応時に取り込ませた。 5-(3-アミノプロピニル)-2',3'-ジデオキシウリジンを開始物質として使用し 、一連の類似の反応に従ったところ、相当するグリシル-、グリシル-グリシル- およびβ-アラニル-2',3'-ジデオキシウリジン-5'-トリホスフェートが、それぞ れ69%、63%および71%の収率で得られた。これらのマス修飾されたヌクレオシド 三リン酸塩は、サンガーのDNAシークエンス反応時に鎖停止ヌクレオチドとして 働く。上記マス修飾されたシークエンスラダーは、ESもしくはMALDI質量分析に より解析される。 ヌクレオチド三リン酸塩のマス修飾: 文献(Kosterら、Tetrahedron 37:362,1981)に従って調製した727 mg(1.0m mol)のN6-(4-tert-ブチルフェノキシアセチル)-8-グリシル-5'-(4,4-ジメトキ シトリチル)-2'-デオキシアデノシンもしくは800 mg(1.0 mmol)のN6-(4-tert- ブチルフェノキシアセチル)-8-グリシル-グリシル-5'-(4,4-ジメトキシトリチル )-2'-デオキシアデノシンを、ピリジン中で無水酢酸により3'-OHにおいてアセチ ル化し、一容器反応にて80%酢酸で5'-位を脱トリチル化し、POCl3でのリン酸化 およびテトラ(トリ-n-ブチルアンモニウム)ピロホスフェートでのin situ反応を 通じて5'-三リン酸塩へと変換した。グリシン残基におけるN6tert-ブチルフェノ キシアセチル、3'-O-アセチルおよびO-メチル基の脱保護を、濃アンモニア水を 用いて室温、90分で達成した。アンモニアを凍結乾燥により除去し、残渣をジク ロロメタンで洗浄し、in vacuo蒸留により溶媒を除去し、そして残った固体物質 を、DEAE-Sephadex上での陰イオン交換クロマトグラフィーにより、重炭酸トリ エチルアンモニウムの0.1から1.0 Mへの線形勾配を用いて精製した。種々の画分 を含むヌクレオシド三リン酸塩(ポリエチレンイミンセルロース板上でのTLCに より調べる)を混合し、凍結乾燥した。8-グリシル-2'-デオキシアデノシン-5'- トリホスフェートの収率(アデニン部分のUV吸光度により決定)は、57%(0.57 m mol)であった。8-グリシル-グリシル-2'-デオキシアデノシン-5'-トリホスフェ ートに関する収率は、51%(0.51 mmol)であった。これらのマス修飾されたヌクレ オシド三リン酸塩を、サンガーのDNAシークエンス決定反応におけるプライマー 伸長時に取り込ませた。 対応するN6-(4-tert-ブチルフェノキシアセチル)-8-グリシル-もしくは-グリ シル-グリシル-5'-O-(4,4-ジメトキシトリチル)-2',3'-ジデオキシアデノシン誘 導体を開始物質として使用し(2',3'-基の導入は、Seelaら、Helvetica Chimica Acta 74:1048-58,1991を参照)、一連の類似の反応を用いたところ、鎖停止さ せるマス修飾ヌクレオシド三リン酸塩、8-グリシル-および8-グリシル-グリシル -2',3'-ジデオキシアデノシン-5'-トリホスフェートは、それぞれ53%および47% の収率で得られた。上記マス修飾されたシークエンス断片ラダーは、ESもしくは MALDI質量分析により解析される。 実施例19 サンガーシークエンス反応後のアルキル化によるヌクレオチドのマ ス修飾 2',3'-ジデオキシチミジン-5'-(α-S)-トリホスフェートを、公表された操作 に従って調製した(α-S-トリホスフェート部分に関して:Ecksteinら、Biochem istry 15:1685,1976、およびAccounts Chem.Res.12:204,1978、そして2',3' -ジデオキシ部分に関して:Seelaら、Helvetica Chimica Acta 74:1048-58,199 1)。2'-デオキシチミジン-5'-(α-S)-トリホスフェートを使ったサンガーDNAシ ークエンス反応を標準プロトコールに従って行う。2',3'-ジデオキシチミジン-5 '-(α-S)-トリホスフェートを用いた場合、これは、標準的なサンガーDNAシーク エンス反応における非修飾2',3'-ジデオキシチミジン-5'-トリホスフェートの代 わりに使われる。鋳型(2ピコモル)および核酸M13シークエンス用プライマー(4 ピコモル)を100μlの10mM Tris-HCl,pH 7.5,10mM MgCl2,50mM NaCl,7mMジチ オスレイトール(DTT)中で65℃で5分加熱することによりアニールさせ、1時間 かけて37℃にゆっくり持っていく。シークエンス反応混合液は、T特異的鎖停止 に関して例示すると、150μlの最終液量中、各200μM(終濃度)のdATP,dCTP,dT TP、300μMのc7-deaza-dGTP、5μMの2',3'-ジデオキシチミジン-5'-(α-S)-トリ ホスフェートおよび40ユニットのSequenaseを含む。重合を37℃で10分間行い、 反応混合液を70℃に加熱してSequenaseを不活化し、エタノール沈殿し、そして チオール化されたSequelonメンブレンディスク(直径8mm)に結合させる。アル キル化は、2-ヨードエタノールもしくは3-ヨードプロパノールを10mM含むNMM(N -メチルモルフォリン/水/2-プロパノール、2/49/49、v/v/v)溶液10μlで ディスクを処理し(三回)、NMM10μlで洗浄し(三回)、DTT処理により上記ア ルキル化されたT-停止プライマー伸長産物を支持体から切り放すことにより行う 。マス修飾された断片群の解析は、ESもしくはMALDI質量分析により行われる。 実施例20 オリゴヌクレオチドのマス修飾 本方法は、マス修飾に加えて核酸のリン酸骨格を非イオン極性型に修飾する。 オリゴヌクレオチドは化学修飾、あるいはDNAポリメラーゼおよびα−チオヌ クレオチド三リン酸塩を用いた酵素的な合成によって得ることができる。 本反応は、DMT−TpTを出発物質として行われたが、オリゴヌクレオチド をα−チオ基とともに用いることもまた適当である。チオール化のために、45 mg(0.05mM)の化合物1(図15)を、0.5mlのアセトニトリル中 に溶解し、1,1−ジオゾ−1−H−ベンゾ[1,2]ジチオ−3−オン(Be aucage試薬)を伴った1.5mlチューブ中でチオール化した。反応は1 0分間進行させ、溶媒系 ジクロロメタン/96%エタノール/ピリジン(87 %/13%/1%;v/v/v)による薄層クロマトグラフィーによって生成物 を濃縮した。チオール化化合物2(図15)を、濃縮水性アンモニア/アセトニ トリル(1/1;v/v)の混合物による室温下での処理によって脱保護する。 本反応は、薄層クロマトグラフィーによってモニターされ、ベーターシアノエチ ル基の量的な除去が1時間で行われた。本反応混合物のin vacuoで乾燥 された。 DMT−TpT(化合物4)のS−(2−アミノ−オキシエチル)チオリン酸 塩 トリエステルを合成するために、反応混合物(化合物3)の乾燥後に得られ た泡状物を、0.3mlのアセトニトリル/ピリジン(5/1;v/v)中に溶 解し、1.5モル過剰量のヨードアセトアミドを加えた。反応は10分間で完了 し、沈殿した塩を遠心によって除去した。上清を凍結乾燥し、0.3mlのアセ トニトリルに溶解し、ジクロロメタン/96%エタノール(85%/15%;v /v)の溶液を用いた予備的な薄層クロマトグラフィーによって精製した。2種 のジアステレオアイソマーのうちの1種を含む、2つの画分が得られた。2種の 型はHPLCによって分離された。 実施例21 マス修飾されたオリゴヌクレオチドのMALDI−MS分析 17マーを1つまたは2つのデオキシウリジン部分のC−5位においてマス修 飾した。5−[13−(2−メトキシエトキシル)−トリデシン−1−イル]− 5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシウリジン−3’ −β−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスフォアミダイトを用いて修飾 17マーを合成した。 修飾された17マーは以下の通りであった。 試料を調製し、500fmolの各修飾17マーをMALDI−MSを用いて 分析した。用いられた条件は、5kVの促進(acceleration)およ び20kVの後促進を伴うリフレクトロン(reflectron)陽イオンモ ードである。生成されたMALDI−TOFスペクトルが重ねられ、そして図1 6に示されている。このように、マス修飾はマススペクトロメトリーによって検 出可能な区別を提供し、この区別を用いて塩基配列情報を同定することができる 。 実施例22 二本鎖標的核酸の捕捉および配列決定 別の実験において、鎖置換重合化によって核酸を捕捉し配列決定した。この反 応は図17において図解されている。二本鎖DNA標的はPCRによって調製し 、実施例6に記載されているように磁気ビーズに結合した。EcoRIで消化し たプラスミドNB34を増幅のためのDNA鋳型として用いた。NB34は1k b標的ヒトDNA挿入物を有するPCRTM IIプラスミド(Invitrog en)を含む。16−ヌクレオチド上流プライマー(プライマーI,5’−AA CAGCTATFACCATG−3’;配列番号:32)、並びに下流5’末端 ビオチニル化18−ヌクレオチドプライマー(プライマーII,5’−ビオチン −−CTGAATTAGTCAGGTTGG−3’;配列番号:33)。一つの BstX I部位を含む500塩基対PCR産物を、総量300μl反応緩衝液 中に再懸濁させた磁気ビーズへの結合により固定化した。反応緩衝液は、200 単位のBstX I制限エンドヌクレアーゼ(Boehringer Mannh eim;Indianapolis,IN)、50mM Tris−HCl p H7.5、10mM MgCl2、100mM NaClおよび1mMジチオス レイトールを含む。混合物を45℃で3時間、あるいはアガロースゲル電気泳動 によってモニターして消化が完了するまでインキュベートした。消化後、磁気ビ ーズを300μlのTEで2回洗浄し、消化し、そして非固定化されている断片 、過剰のヌクレオチドおよび制限エンドヌクレアーゼを除去した。 5単位のウシ腸アルカリホスファターゼ(Promega;Madison, WI)を含む100μl緩衝液(500mM Tris−HCl,pH9.0, 1mM MgCl2,0.1mM ZnCl2,1mMスペルミジン)中にビーズ を再懸濁することによって、この固定化DNAを脱リン酸化した。反応は37℃ において15分間、そして56℃において15分間のインキュベーションであっ た。追加の5単位のウシ腸アルカリホスファターゼを加え、37℃において15 分間、そして56℃において15分間の第二のインキュベーションを行った。ビ ーズをTEで2回洗浄し、1M NaClを含む新鮮なTE300μlに再懸濁 した。 10μlのビーズを10μlのホルムアミドと共に95℃で5分間でインキュ ベートすることにより(またはTE中で煮沸することにより)、ビーズのローデ ィングを調べた。1%アガロースゲル電気泳動し臭化エチジウムによる染色によ って、混合物を分析した。10μlのビーズアリコートは一般に約80ngの固 定化二本鎖DNAを含む。 4塩基3’オーバーハングを含む部分二本鎖DNAプローブを配列プライマー として用い、磁気ビーズ上に固定化されたBstX I消化DNA断片と結合さ せた。部分二本鎖は、5’塩基対領域を含む5’−フルオロセイン標識23マー (DF25−5F)、および4−塩基3’一本鎖領域(前述したように調製され た対応するBstX I消化標的DNAの5’−突出末端の配列に相補的である )、ならびに23マーの塩基対領域に相補的な19マー(G−CM1)を有する 。19マーはT4 DNAポリメラーゼによって5’リン酸化し、TE中で対応 する23マーと同じモル比でアニーリングした。アルカリホスファターゼ処理に よって調製され、約10pmolの固定化DNA鋳型を有するビーズを、200 単位のT4DNAリガーゼ(New England Biolabs:Beve rly,MA)、50mM Tris−HCl,pH7.8,10mM MgC l2,10mM ジチオスレイトール,1mM ATP,25μg/mlのウシ 血清アルブミンを含む100μl容量中で25pmolの部分的二本鎖プローブ に結合させた。結合反応は室温で2時間、または4℃で一晩行った。ビーズをT Eで洗浄し、300μlの同じ緩衝液中に再懸濁した。 配列決定反応:結合産物を含む30μlのビーズを各配列決定反応に用いた。 1.5μlの10×クレノー緩衝液(100mM Tris−HCl,pH7. 5,50mM MgCl2,および75mMジチオスレイトール)(1μlの一 本鎖DNA結合タンパク質(SSB,5μg/μl;USB;Clevelan d,Ohio)と共に、または無しで)を含む13μl容量中に、ビーズを再懸 濁した。混合物を氷上で5分間インキュベートし、5単位のクレノー断片(Ne w England Biolabs)を添加した。反応容量を、各々1μlの DMSOおよび3μlの適当な終結混合物を含む4種類の終結混合物に分割した 。終結混合物はクレノー緩衝液中で調製され、以下の表11に示すようなヌクレ オ チド濃度を含む。 終結混合物を周囲の温度で20分間インキュベートした。2μlのチェイス溶 液(クレノー緩衝液中の4種類のdNTP、各々0.5mM)を各反応チューブ に加え、再び周囲の温度でさらに15分間、混合物をインキュベートした。磁気 ビーズを磁気粒子濃縮器(または遠心)によって沈殿させ、上清を捨てた。10 μlの脱イオン化ホルムアミド、5mg/mlデキストラン ブルーおよび0. 1%SDSを含む溶液中にビーズを再懸濁し、95℃で5分間加熱し、そして氷 上に10分未満置いた。DNA配列決定用ゲル上、並びに6%ポリアクリルアミ ドゲル、7M尿素および0.6×TBEを用いたALF DNAシーケンサー( Pharmacia;Piscataway,NJ)上で試料を分析した。驚く べきことに、一本鎖DNA結合タンパク質の存在下で行われた配列決定反応は、 解析度に考慮に値する改善が観察された。一本鎖DNAタンパク質無しで行われ た反応からは50塩基のみが分離されたのに対し(図18、下段パネル)、一本 鎖DNAタンパク質の存在下で行われた反応からは200塩基が分離された対し (図18、上段パネル)。 実施例23 鎖置換による二本鎖配列決定の特異性 二本鎖核酸配列決定のニック翻訳鎖置換法の特異性および適用性を決定するた めに別の実験を行った。実験デザインの図解を図19に示してある。簡単に述べ ると、二本鎖ΦX174ファージDNAをTspR I制限エンドヌクレアーゼ によって消化することにより、二本鎖標的DNAを調製した。TspR Iは、 NNCAGTGNNの制限部位を有し、ΦX174ファージを各々特有の3’突 出末端を有する12断片に切断する。可能性のある末端を表12に示してある。 ΦX174 DNA(5pmol)をウシ腸アルカリホスファターゼを用いて 脱リン酸化した。簡単に述べると、ΦX174 DNAを、5単位のウシ腸アル カリホスファターゼ(Promega;Madison,WI)を含む100μ l緩衝液(500mM Tris−HCl,pH9.0,1mM MgCl2,0 .1mM ZnCl2および1mMスペルミジン)に再懸濁した。反応は37℃に おいて15分間、そして56℃において15分間のインキュベーションであった 。追加の5単位のウシ腸アルカリホスファターゼを加え、37℃において15分 間、そして56℃において15分間の第二のインキュベーションを行った。試料 中のDNAをフェノールで1回、フェノール/クロロホルムで1回、およびクロ ロホルムで1回で抽出し、その後0.3M酢酸ナトリウム/2.5倍容量エタノ ール中で核酸を沈殿させた。沈殿したΦX174 DNAをTEで2回洗浄し、 1M NaClを含む300μlのTEに再懸濁した。 ビオチン(B)、フルオロセイン(F)およびインフラダイ(CY5)標識を 含む二本鎖プローブを合成し、表13に示したように磁気ビーズに固定した。 約25pmolの固定化プライマーを伴うビーズを、400単位のT4DNA リガーゼ(New England Biolabs; Beverly,MA),50mM Tris-HCl,pH7.8,10 mM MgCl2,10mM ジチオスレイトール,1mM ATPおよび25μg/mlウシ血清アルブミ ンを含む50μl中の3pmolの消化されたTspR IΦX174 DNA に結合させた。結合反応は37℃で30分間、50℃から55℃で1時間(熱ラ イゲース)、室温で2時間、または4℃で1晩行った。結合後、ビーズをTEで 2回洗浄し、同じ緩衝液300μlに再懸濁した。 配列決定反応:各配列決定反応において、結合生成物を含む30μlのビーズ を用いた。1.5μlの10×クレノー緩衝液(100mM Tris−HCl ,pH7.5,50mM MgCl2,および75mMジチオスレイトール)( 1μlの一本鎖DNA結合タンパク質(SSB,5μg/μl;USB;Cle veland,Ohio)と共に、または無しで)を含む13μl容量中に、ビ ーズを再懸濁した。混合物を氷上で5分間インキュベートし、5単位のクレノー 断片(New England Biolabs)を添加した。反応容量を、各 々1μlのDMSOおよび3μlの適当な終結混合物を含む4種類の終結混合物 に分割した。終結混合物はクレノー緩衝液中で調製され、表11に示すようなヌ クレオチド濃度を含む。 終結混合物を周囲の温度で20分間インキュベートした。クレノー緩衝液中の 4種類のdNTP、各々0.5mMを含む、2μlのチェイス溶液を各反応チュ ーブに加え、再び周囲の温度でさらに15分間、混合物をインキュベートした。 磁気ビーズを磁気粒子濃縮器または遠心によって沈殿させ、上清を捨てた。TE 、あるいは10μlの脱イオン化ホルムアミド、5mg/mlデキストラン ブ ルーおよび0.1%SDSを含む溶液中にビーズを再懸濁し、95℃で5分間加 熱した。混合物を氷上に10分未満置き、そしてDNA配列決定用ゲル上、並び に6%ポリアクリルアミドゲル、7M尿素および0.6×TBEを用いたALF DNAシーケンサー(Pharmacia;Piscataway,NJ)上 で分析した。 各反応において1種類のプライマーを用い、プライマーDF27−1、DF2 7−2、DF27−4、DF27−5−CY5およびDF27−6−CY5を用 いて得られた結果を各々図20、21、22、23および24に示す。各プライ マーは、非相補性末端を有する11の断片から有意な阻害を伴わずに、200塩 基対までの配列情報を生じさせることができた。 本発明の他の態様および使用は、明細書および明細書に開示された発明の実施 を考慮することにより当業者に明らかであろう。本明細書に示されている全ての 米国特許および他の参考文献は、参照として特に援用される。明細書および実施 例は単に例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明の真の範囲および思想は 以下の請求の範囲によって示される。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年2月25日 【補正内容】 34条補正 請求の範囲 1.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相当する配列をそれぞれ含有する核酸フラグメ ントのセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖 部分内の可変配列とを含有する核酸プローブアレイにハイブリダイズして、核酸 のターゲットアレイを形成する工程と; (c)前記ターゲットアレイの複数個の核酸の分子量を測定する工程と; (d)前記ターゲット核酸の配列を決定する工程と を含む方法。 2.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相当する配列をそれぞれ含有する核酸フラグメ ントのセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖 部分内の可変配列とを含有する核酸プローブアレイにハイブリダイズする工程と ; (c)ハイブリダイズしたフラグメントを鋳型として用いてプローブの鎖を伸 長し、質量修飾することによって、質量修飾され伸長した核酸を形成する工程と ; (d)複数個の質量修飾され伸長した核酸の分子量を質量分析法法によって測 定する工程と; (e)前記ターゲット核酸の配列を決定する工程と を含む方法。 3.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)各フラグメントがターゲット配列に相当する配列を含有する、部分的一 本鎖核酸フラグメントのセットを用意する工程と; (b)これらのフラグメントの一本鎖部分を、部分的二本鎖核酸プローブのセ ッ トの一本鎖部分にハイブリダイズして、複合体のセットを形成し、各複合体に対 して、 (i)フラグメントの一本鎖をプローブの隣接一本鎖に連結し; (ii)連結した鎖を鋳型として用いる鎖置換重合によって複合体の非連結鎖を 伸長する工程と; (c)ターゲット核酸の配列を決定する工程と を含む方法。 4.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相当する配列をそれぞれ含有する核酸フラグメ ントのセットを用意する工程と; (b)フラグメントの前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分 と、前記一本鎖部分内の可変配列とを含有する核酸プローブアレイにハイブリダ イズする工程と; (c)ハイブリダイズしたフラグメントを鋳型として用いて、質量修飾したプ ローブの鎖を伸長する工程と; (d)複数個の伸長し、質量修飾した核酸の分子量を測定する工程と; (e)前記ターゲット核酸の配列を決定する工程と を含む方法。 5.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)各フラグメントがターゲット配列に相当する配列を含有する、部分的一 本鎖核酸フラグメントのセットを用意する工程と; (b)これらのフラグメントの一本鎖部分を、部分的二本鎖核酸プローブのセ ットの一本鎖部分にハイブリダイズして、複合体のセットを形成し、各複合体に 対して、 (i)フラグメントの一本鎖をプローブの隣接一本鎖に連結し; (ii)連結した鎖を鋳型として用いる鎖置換重合によって複合体の非連結鎖を 伸長して、伸長した鎖を質量修飾する工程と; (c)伸長した鎖の分子量を質量分析法によって測定する工程と; (d)伸長した鎖の分子量からターゲットの配列を決定する工程と を含む方法。 6.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相補的な核酸のセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが定常配列と可変配列とを含み、前記可変配 列が決定可能である、一本鎖核酸プローブのアレイにハイブリダイズする工程と ; (c)ハイブリダイズした核酸の分子量を測定する工程と; (d)前記ターゲットの配列を同定する工程と を含む方法。 7.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相同な核酸のセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが定常配列と可変配列とを含む、一本鎖核酸 プローブのアレイにハイブリダイズする工程と; (c)ハイブリダイズした核酸の分子量を測定する工程と; (d)前記ターゲットの配列を同定する工程と を含む方法。 8.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)各フラグメントがターゲットの配列に相当する配列を含有する、部分的 一本鎖核酸フラグメンットのセットを用意する工程と; (b)これらのフラグメントの一本鎖部分を、部分的二本鎖核酸プローブのセ ットの一本鎖部分にハイブリダイズして、各プローブが一本鎖領域内に可変配列 を含有する複合体のセットを形成し、各複合体に対して、 (i)フラグメントの一本鎖をプローブの隣接一本鎖に連結し; (ii)連結した鎖を鋳型として用いる鎖置換重合によって複合体の非連結鎖を 伸長する工程と; (c)伸長した鎖の分子量を質量分析法によって測定する工程と; (d)伸長した鎖の分子量からターゲットの配列を決定する工程と を含む方法。 9.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相当する配列をそれぞれ含有する核酸フラグメ ントのセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖 部分内の可変配列とを含む、核酸プローブのアレイにハイブリダイズする工程と ; (c)ハイブリダイズしたフラグメントを鋳型として用いて、プローブの鎖を 酵素的に伸長させて、伸長した核酸を形成する工程と; (d)前記伸長した核酸からアルカリカチオンを除去する工程と; (e)複数個のプロトン化し伸長した核酸の分子量を質量分析法によって測定 する工程と; (f)前記ターゲットの配列を決定する工程と を含む方法。 10.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相当する配列をそれぞれ含有する核酸フラグメ ントのセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖 部分内の可変配列とを含む、核酸プローブのアレイにハイブリダイズして、核酸 のターゲットアレイを形成する工程と; (c)ハイブリダイズしたフラグメントを鋳型として用いて、プローブの鎖を 伸長させる工程と; (d)前記ターゲットアレイの複数個の核酸の分子量を測定する工程と; (e)前記ターゲットの配列を決定する工程と を含む方法。 11.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)ターゲットの配列を核酸フラグメントにフラグメント化する工程と; (b)前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖 部分内の可変配列とを含む、核酸プローブのアレイにハイブリダイズし、前記ア レイを固体サポートに取り付ける工程と; (c)ハイブリダイズしたフラグメントの分子量を質量分析法によって測定す る工程と; (d)ハイブリダイズしたフラグメントのヌクレオチド配列を決定する工程と ; (e)前記ターゲットの配列を同定する工程と を含む方法。 12.ターゲット核酸が生物学的又は組換えソースから得られる、請求項1 〜11のいずれか1項に記載の方法。 13.ターゲット核酸とプローブとがそれぞれ約10〜約1.000ヌクレ オチド長さである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 14.配列が前記ターゲット配列の少なくとも一部に相同である、請求項1 〜11のいずれか1項に記載の方法。 15.配列が前記ターゲット配列の少なくとも一部に相補的である、請求項 1〜11のいずれか1項に記載の方法。 16.セット、フラグメント又はプローブがハイブリダイゼーションの前の ホスファターゼによる処理によって脱リン酸化される、請求項1〜11のいずれ か1項に記載の方法。 17.セット又はフラグメントが前記ターゲットの酵素的若しくは物理的切 断によって、又は鎖停止性若しくは鎖伸長性ヌクレオチドによる前記ターゲット の酵素的複製によって形成される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法 。 18.フラグメントがネストセットを含む、請求項1〜5又は8〜11のい ずれか1項に記載の方法。 19.ターゲット、フラグメント及びプローブがDNA、RNA、PNA又 はこれらの修飾体若しくは組合せを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載 の方法。 20.フラグメントがターゲット配列の相補的コピーの合成と、前記ターゲ ッ ト配列のヌクレアーセ消化によるフラグメント化によって形成される、請求項1 〜11のいずれか1項に記載の方法。 21.フラグメントが前記ターゲットの相補的コピーの鎖停止性若しくは鎖 伸長性ヌクレオチドによる酵素的重合によって形成される、請求項1〜11のい ずれか1項に記載の方法。 22.前記フラグメントが約104種類より多い異なる要素を含み、各要素 が約10〜約1,000ヌクレオチド長さである、請求項1〜11のいずれか1 項に記載の方法。 23.セット又はターゲットフラグメントが前記ターゲットの相補的コピー の鎖停止性若しくは鎖伸長性ヌクレオチドによる酵素的重合によって形成される 、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 24.酵素的重合が鎖置換増幅、リガーゼ連鎖反応、Qβレプリカーゼ増幅 、3SR増幅及びポリメラーゼ連鎖反応増幅から成る群から選択される核酸増幅 プロセスである、請求項23記載の方法。 25.定常配列が約3〜約18ヌクレオチド長さである、請求項6又は7記 載の方法。 26.各プローブの一本鎖部分が約4〜約9ヌクレオチド長さの可変配列を 含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 27.フラグメント、核酸セット又はプローブが固体サポートに取り付けら れる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 28.各プローブが約10〜約50ヌクレオチド長さである、請求項1〜1 1のいずれか1項に記載の方法。 29.プローブの二本鎖領域がセットの各プローブに関して同じ配列を含有 する、請求項1〜5又は請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。 30.ハイブリダイズしたフラグメントを前記プローブに連結する工程をさ らに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 31.ハイブリダイズしたフラグメントを鋳型として用いてプローブの鎖を 伸長させ、伸長した鎖がハイブリダイズしたフラグメントと置換する工程をさら に含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 32.伸長した鎖が約0.1フェムトモル〜約1.0ナノモルの核酸を含む 、請求項31記載の方法。 33.伸長した鎖が約10〜約100ヌクレオチド長さである、請求項31 記載の方法。 34.4R種類以下の異なるプローブが存在し、Rは可変配列のヌクレオチ ドによる長さである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 35.固体サポートがプレート、ビーズ、ミクロビーズ、ホイスカー、コー ム、ハイブリダイゼーションチップ、膜、単結晶、セラミック及び自己集合性単 層から成る群から選択される、請求項27記載の方法。 36.プローブがビオチン又はビオチン誘導体とコンジュゲートし、固体サ ポートがアビジン、ストレプトアビジン又はこれらの誘導体とコンジュゲートす る、請求項27記載の方法。 37.プローブが固体サポートに、共有結合、静電気結合、水素結合、光切 断性結合、静電気結合、ジスフィド結合、ペプチド結合、ジエステル結合、選択 的開放性結合又はこれらの組合せによって結合する、請求項27記載の方法。 38.取り付けが、熱、酵素、化学的作用剤又は電磁線によって切断可能で ある剥離可能である、剥離性取り付けである、請求項37記載の方法。 39.化学的作用剤が還元剤、酸化剤、加水分解剤及びこれらの組合せから 成る群から選択される、請求項38記載の方法。 40.電磁線が可視光線、紫外線及び赤外線から成る群から選択される、請 求項38記載の方法。 41.選択的開放性結合が4,4’−ジメトキシトリチル又はその誘導体で ある、請求項37記載の方法。 42.誘導体が3若しくは4−[ビスー(4−メトキシフェニル)]−メチ ル安息香酸、N−スクシニミジル−3若しくは4−[ビスー(4−メトキシフェ ニル)]−メチル安息香酸、N−スクシニミジル−3若しくは4−[ビスー(4 −メトキシフェニル)]−ヒドロキシメチル安息香酸、N−スクシニミジル−3 若しくは4−[ビスー(4−メトキシフェニル)]−クロロメチル安息香酸、及 びこれらの塩から成る群から選択される、請求項41記載の方法。 43.プローブと固体サポートとの間にスペーサーをさらに含む、請求項2 7記載の方法。 44.スペーサーがオリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴポリアミ ド、オリゴエチレングリセロール、オリゴアクリルアミド、約6〜約20個の炭 素原子のアルキル鎖及びこれらの組合せから成る群から選択される、請求項43 記載の方法。 45.プローブが鋳型としてハイブリダイズした鎖を用いて伸長される、請 求項1、6、7又は11に記載の方法。 46.伸長が伸長した鎖に質量修飾ヌクレオチドを組み込む重合を包含する 、請求項2〜5、8〜10又は45のいずれか1項に記載の方法。 47.鎖が鎖停止性及び鎖伸長性ヌクレオチドを用いて酵素的に伸長される 、請求項2〜5、8〜10又は45のいずれか1項に記載の方法。 48.複数個の伸長した鎖が約0.1フェムトモル〜約1.0ナノモルの核 酸を含む、請求項2〜5、8〜10又は45のいずれか1項に記載の方法。 49.配列がポリアクリルアミド電気泳動、毛管電気泳動、又は質量分析法 によって決定される、請求項1〜5又は8〜11のいずれか1項に記載の方法。 50.質量修飾され伸長した核酸が約0.1フェムトモル〜約1.0ナノモ ルの核酸を含む、請求項46記載の方法。 51.質量修飾され伸長した核酸が約10〜約100ヌクレオチド長さであ る、請求項46記載の方法。 52.質量修飾され伸長した核酸が複数個の質量修飾官能基を含有する、請 求項46記載の方法。 53.前記プローブの鎖が、ポリメラーゼと質量修飾されたヌクレオチドと を用いて前記鎖を酵素的に伸長することによって質量修飾される、請求項1〜1 1のいずれか1項に記載の方法。 54.質量修飾されたヌクレオチドが鎖停止性及び鎖伸長性ヌクレオチドで ある、請求項53記載の方法。 55.質量修飾されたヌクレオチドが複数個の質量修飾官能基を含有する、 請求項53記載の方法。 56.質量修飾されたプローブが複数個の質量修飾官能基を含有する、請求 項53記載の方法。 57.少なくとも1個の質量修飾官能基が複素環塩基、糖部分又はホスフェ ート基にカップリングする、請求項52、55又は56に記載の方法。 58.質量修飾官能基が塩基対形成のための水素結合を妨害しない化学的部 分である、請求項52、55又は56に記載の方法。 59.質量修飾官能基が位置C2、N3、N7若しくはC8におけるプリン 又は位置N7若しくはC9におけるデアザプリンにカップリングする、請求項5 2、55又は56に記載の方法。 60.質量修飾官能基が位置C5又はC6におけるピリミジンにカップリン グする、請求項52、55又は56に記載の方法。 61.質量修飾官能基がジュウテリウム、F、Cl、Br、I、SiR、S i(CH33、Si(CH32(C25)、Si(CH32(C25)、Si( CH3)(C252、Si(C253、(CH2nCH3、(CH2nNR、C H2CONR、(CH2nOH、CH2F、CHF2及びCF3[これらの基におい て、nは整数であり、RはH、ジュウテリウム、炭素数1〜6のアルキル、アル コキシ及びアリール、ポリオキシメチレン、モノアルキル化ポリオキシメチレン 、ポリエチレンイミン、ポリアミド、ポリエステル、アルキル化シリル、ヘテロ オリゴ/ポリアミノ酸並びにポリエチレングリコールから成る群から選択される ]から成る群から選択される、請求項52、55又は56に記載の方法。 62.質量修飾官能基が−N3又は−XR[この基において、Xは−OH、 −NH2、−NHR、−SH、−NCS、−OCO(CH2nCOOH、−OS O2OH、−OCO(CH2nI及び−OP(O−アルキル)−N−(アルキル )2から成る群から選択され、nは1〜20の整数であり、RはH、ジュウテリ ウム、炭素数1〜6のアルキル、アルコキシ及びアリール、ポリオキシメチレン 、 モノアルキル化ポリオキシメチレン、ポリエチレンイミン、ポリアミド、ポリエ ステル、アルキル化シリル、ヘテロオリゴ/ポリアミノ酸並びにポリエチレング リコールから成る群から選択される]である先駆体官能基から生じる、請求項5 2、55又は56に記載の方法。 63.ハイブリダイズした核酸フラグメントが伸長される、請求項1、6、 7又は11記載の方法。 64.伸長した核酸がチオールによって質量修飾される、請求項2、3、4 、5、8〜10又は63のいずれか1項に記載の方法。 65.チオール化が前記伸長した鎖をBeaucage試薬で処理すること によっておこなわれる、請求項64記載の方法。 66.伸長した核酸がアルキル化によって質量修飾される、請求項2、3、 4、5、8〜10又は63のいずれか1項に記載の方法。 67.アルキル化が前記伸長した鎖をヨードアセトアミドで処理することに よっておこなわれる、請求項66記載の方法。 68.前記質量修飾され伸長した核酸からアルカリカチオンを除去する工程 をさらに含む、請求項66記載の方法。 69.アルカリカチオンがイオン交換によって除去される、請求項68記載 の方法。 70.イオン交換が前記伸長した核酸を酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウ ム、クエン酸水素ジアンモニウム、酒石酸アンモニウム及びこれらの組合せから 成る群から選択される溶液と接触させることを含む、請求項69記載の方法。 71.質量分析法がレーザー加熱、液滴レリース、電気的レリース、光化学 的レリース及びエレクトロスプレイから成る群から選択されるレリース工程を包 含する、請求項2、5、8、9、11又は49記載の方法。 72.質量分析法がフーリエ変換、イオンサイクロトロン共鳴、反射付き飛 行時間型分析、反射なし飛行時間型分析及び四重極分析から成る群から選択され る分析工程を包含する、請求項2、5、8、9、11又は49記載の方法。 73.質量分析法が高速原子衝撃、プラズマ脱着、マトリックス補助レーザ ー脱着/イオン化、エレクトロスプレイ、光化学レリース、電気的レリース、液 滴レリース、共鳴イオン化、又はこれらの組合せによっておこなわれる、請求項 2、5、8、9、11又は49記載の方法。 74.質量分析法が反射付き飛行時間型分析、反射なし飛行時間型分析、エ レクトロスプレイ、フーリエ転換、イオントラップ、共鳴イオン化、イオンサイ クロトロン共鳴又はこれらの組合せを包含する、請求項2、5、8、9、11又 は49記載の方法。 75.2つ以上の分子量が同時に測定される、請求項1、2、4、6、7、 9、10又は11に記載の方法。 76.分子量がマトリックス補助レーザー脱着イオン化質量分析法又は飛行 時間型分析によって測定される、請求項1、2、4、6、7、9、10又は11 に記載の方法。 77.分子量がエレクトロスプレイイオン化質量分析法又は四重極分析法に よって測定される、請求項1、2、4、6、7、9、10又は11に記載の方法 。 78.ターゲット核酸の検出方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相補的な核酸のセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖 部分内の決定可能である可変配列とを含有する核酸プローブの固定アレイにハイ ブリダイズする工程と; (c)ハイブリダイズした核酸の分子量を質量分析法によって測定する工程と ; (d)ターゲット核酸の配列を同定する工程と を含む方法。 79.ターゲット核酸の検出方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相補的な核酸のセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖 部分内の可変配列とを含有する核酸プローブの固定アレイにハイブリダイズして 、核酸のターゲットアレイを形成する工程と; (c)前記ターゲットアレイの複数個の核酸を質量修飾する工程と; (d)質量修飾された核酸の分子量を質量分析法法によって測定する工程と; (e)ターゲット核酸の配列を同定する工程と を含む方法。 80.ターゲットが生物学的サンプルに由来する、請求項78又は79に記 載の方法。 81.サンプルが患者から得られる、請求項80記載の方法。 82.ターゲットの検出が患者における障害を指摘する、請求項78又は7 9に記載の方法。 83.障害が遺伝的欠陥、腫瘍又は感染症である、請求項78又は79に記 載の方法。 84.各プローブが第1鎖と第2鎖とを含む核酸プローブアレイであって、 前記第1鎖が前記第2鎖とハイブリダイズして、二本鎖部分、一本鎖部分及び前 記一本鎖部分内の可変配列を形成しており、かつ質量分析法のために核酸の気化 を容易にする物質を含む固体サポートに取り付けられたアレイ。 85.各プローブが定常配列と決定可能である可変配列とを含み、かつ質量 分析法のために核酸の気化を容易にするマトリックスを含む固体サポートに取り 付けられたアレイ。 86.核酸プローブが質量修飾された核酸プローブである、請求項84又は 85に記載のアレイ。 87.約4R種類以下の異なるプローブを含み、Rが可変配列のヌクレオチ ドでの長さである、請求項84又は85に記載のアレイ。 88.固体サポートに固定された核酸プローブのアレイを含むターゲット核 酸の配列を検出するためのキットであって、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖 部分と、前記一本鎖部分内の可変配列とを含み、固体サポートが質量分析法のた めに核酸の気化を容易にするマトリックス化学物質を含むキット。 89.固体サポートに固定された質量修飾された核酸プローブのアレイを含 む、ターゲット核酸の配列を検出するためのキットであって、各プローブが二本 鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖部分内の可変配列とを含み、固体サポート が質量分析法のために核酸の気化を容易にするマトリックス化学物質を含むキッ ト。 90.質量分析計と、コンピュータと、質量修飾された核酸プローブのアレ イとを含む、配列情報を測定する装置であって、各プローブが一本鎖部分と、任 意の二本鎖部分と、前記一本鎖部分内の可変配列とを含み、前記アレイが固体サ ポートに取り付けられる装置。 91.質量分析計と、コンピュータと、核酸プローブのアレーイとを含む、 配列情報を測定する装置であって、各プローブが一本鎖部分と、任意の二本鎖部 分と、前記一本鎖部分内の可変配列とを含み、前記アレイが固体サポートに取り 付けられる装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 08/614,151 (32)優先日 1996年3月12日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 スミス,カサンドラ・エル アメリカ合衆国マサチューセッツ州02215, ボストン,ベイ・ステイト・ロード 11, ナンバー 6 (72)発明者 フ,ドン−ジン アメリカ合衆国マサチューセッツ州02154, ウォールトン,ローズモント・アベニュー 44

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相当する配列をそれぞれ含有する核酸フラグメ ントのセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖 部分内の可変配列とを含有する核酸プローブアレイにハイブリダイズして、核酸 のターゲットアレイを形成する工程と; (c)前記ターゲットアレイの複数個の核酸の分子量を測定する工程と; (d)前記ターゲット核酸の配列を決定する工程と を含む方法。 2.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相当する配列をそれぞれ含有する核酸フラグメ ントのセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖 部分内の可変配列とを含有する核酸プローブアレイにハイブリダイズする工程と ; (c)ハイブリダイズしたフラグメントを鋳型として用いてプローブの鎖を伸 長し、質量修飾することによって、質量修飾され伸長した核酸を形成する工程と ; (d)複数個の質量修飾され伸長した核酸の分子量を質量分析法法によって測 定する工程と; (e)前記ターゲット核酸の配列を決定する工程と を含む方法。 3.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)各フラグメントがターゲット配列に相当する配列を含有する、部分的一 本鎖核酸フラグメントのセットを用意する工程と; (b)これらのフラグメントの一本鎖部分を、部分的二本鎖核酸プローブのセ ットの一本鎖部分にハイブリダイズして、複合体のセットを形成し、各複合体に 対 して、 (i)フラグメントの一本鎖をプローブの隣接一本鎖に連結し; (ii)連結した鎖を鋳型として用いる鎖置換重合によって複合体の非連結鎖を 伸長する工程と; (c)ターゲット核酸の配列を決定する工程と を含む方法。 4.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相当する配列をそれぞれ含有する核酸フラグメ ントのセットを用意する工程と; (b)フラグメントの前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分 と、前記一本鎖部分内の可変配列とを含有する核酸プローブアレイにハイブリダ イズする工程と; (c)ハイブリダイズしたフラグメントを鋳型として用いて、質量修飾したプ ローブの鎖を伸長する工程と; (d)複数個の伸長し、質量修飾した核酸の分子量を測定する工程と; (e)前記ターゲット核酸の配列を決定する工程と を含む方法。 5.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)各フラグメントがターゲット配列に相当する配列を含有する、部分的一 本鎖核酸フラグメントのセットを用意する工程と; (b)これらのフラグメントの一本鎖部分を、部分的二本鎖核酸プローブのセ ットの一本鎖部分にハイブリダイズして、複合体のセットを形成し、各複合体に 対して、 (i)フラグメントの一本鎖をプローブの隣接一本鎖に連結し; (ii)連結した鎖を鋳型として用いる鎖置換重合によって複合体の非連結鎖を 伸長して、伸長した鎖を質量修飾する工程と; (c)伸長した鎖の分子量を質量分析法によって測定する工程と; (d)伸長した鎖の分子量からターゲットの配列を決定する工程と を含む方法。 6.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相補的な核酸のセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが定常配列と可変配列とを含み、前記可変配 列が決定可能である、一本鎖核酸プローブのアレイにハイブリダイズする工程と ; (c)ハイブリダイズした核酸の分子量を測定する工程と; (d)前記ターゲットの配列を同定する工程と を含む方法。 7.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相同な核酸のセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが定常配列と可変配列とを含む、一本鎖核酸 プローブのアレイにハイブリダイズする工程と; (c)ハイブリダイズした核酸の分子量を測定する工程と; (d)前記ターゲットの配列を同定する工程と を含む方法。 8.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)各フラグメントがターゲットの配列に相当する配列を含有する、部分的 一本鎖核酸フラグメンットのセットを用意する工程と; (b)これらのフラグメントの一本鎖部分を、部分的二本鎖核酸プローブのセ ットの一本鎖部分にハイブリダイズして、各プローブが一本鎖領域内に可変配列 を含有する複合体のセットを形成し、各複合体に対して、 (i)フラグメントの一本鎖をプローブの隣接一本鎖に連結し; (ii)連結した鎖を鋳型として用いる鎖置換重合によって複合体の非連結鎖を 伸長する工程と; (c)伸長した鎖の分子量を質量分析法によって測定する工程と; (d)伸長した鎖の分子量からターゲットの配列を決定する工程と を含む方法。 9.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相当する配列をそれぞれ含有する核酸フラグメ ントのセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖 部分内の可変配列とを含む、核酸プローブのアレイにハイブリダイズする工程と ; (c)ハイブリダイズしたフラグメントを鋳型として用いて、プローブの鎖を 酵素的に伸長させて、伸長した核酸を形成する工程と; (d)前記伸長した核酸からアルカリカチオンを除去する工程と; (e)複数個のプロトン化し伸長した核酸の分子量を質量分析法によって測定 する工程と; (f)前記ターゲットの配列を決定する工程と を含む方法。 10.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相当する配列をそれぞれ含有する核酸フラグメ ントのセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖 部分内の可変配列とを含む、核酸プローブのアレイにハイブリダイズして、核酸 のターゲットアレイを形成する工程と; (c)ハイブリダイズしたフラグメントを鋳型として用いて、プローブの鎖を 伸長させる工程と; (d)前記ターゲットアレイの複数個の核酸の分子量を測定する工程と; (e)前記ターゲットの配列を決定する工程と を含む方法。 11.ターゲット核酸の配列決定方法であって、下記工程: (a)ターゲットの配列を核酸フラグメントにフラグメント化する工程と; (b)前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖 部分内の可変配列とを含む、核酸プローブのアレイにハイブリダイズし、前記ア レイを固体サポートに取り付ける工程と; (c)ハイブリダイズしたフラグメントの分子量を質量分析法によって測定す る工程と; (d)ハイブリダイズしたフラグメントのヌクレオチド配列を決定する工程と ; (e)前記ターゲットの配列を同定する工程と を含む方法。 12.ターゲット核酸が生物学的又は組換えソースから得られる、請求項1 〜11のいずれか1項に記載の方法。 13.ターゲット核酸とプローブとがそれぞれ約10〜約1,000ヌクレ オチド長さである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 14.配列が前記ターゲット配列の少なくとも一部に相同である、請求項1 〜11のいずれか1項に記載の方法。 15.配列が前記ターゲット配列の少なくとも一部に相補的である、請求項 1〜11のいずれか1項に記載の方法。 16.セット、フラグメント又はプローブがハイブリダイゼーションの前の ホスファターゼによる処理によって脱リン酸化される、請求項1〜11のいずれ か1項に記載の方法。 17.セット又はフラグメントが前記ターゲットの酵素的若しくは物理的切 断によって、又は鎖停止性若しくは鎖伸長性ヌクレオチドによる前記ターゲット の酵素的複製によって形成される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法 。 18.フラグメントがネストセットを含む、請求項1〜5又は8〜11のい ずれか1項に記載の方法。 19.ターゲット、フラグメント及びプローブがDNA、RNA、PNA又 はこれらの修飾体若しくは組合せを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載 の方法。 20.フラグメントがターゲット配列の相補的コピーの合成と、前記ターゲ ット配列のヌクレアーゼ消化によるフラグメント化によって形成される、請求項 1〜11のいずれか1項に記載の方法。 21.フラグメントが前記ターゲットの相補的コピーの鎖停止性若しくは鎖 伸長性ヌクレオチドによる酵素的重合によって形成される、請求項1〜11のい ずれか1項に記載の方法。 22.前記フラグメントが約104種類より多い異なる要素を含み、各要素 が約10〜約1,000ヌクレオチド長さである、請求項1〜11のいずれか1 項に記載の方法。 23.セット又はターゲットフラグメントが前記ターゲットの相補的コピー の鎖停止性若しくは鎖伸長性ヌクレオチドによる酵素的重合によって形成される 、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 24.酵素的重合が鎖置換増幅、リガーゼ連鎖反応、Qβレプリカーゼ増幅 、3SR増幅及びポリメラーゼ連鎖反応増幅から成る群から選択される核酸増幅 プロセスである、請求項23記載の方法。 25.定常配列が約3〜約18ヌクレオチド長さである、請求項6又は7記 載の方法。 26.各プローブの一本鎖部分が約4〜約9ヌクレオチド長さの可変配列を 含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 27.フラグメント、核酸セット又はプローブが固体サポートに取り付けら れる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 28.各プローブが約10〜約50ヌクレオチド長さである、請求項1〜1 1のいずれか1項に記載の方法。 29.プローブの二本鎖領域がセットの各プローブに関して同じ配列を含有 する、請求項1〜5又は請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。 30.ハイブリダイズしたフラグメントを前記プローブに連結する工程をさ らに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 31.ハイブリダイズしたフラグメントを鋳型として用いてプローブの鎖を 伸長させ、伸長した鎖がハイブリダイズしたフラグメントと置換する工程をさら に含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 32.伸長した鎖が約0.1フェムトモル〜約1.0ナノモルの核酸を含む 、請求項31記載の方法。 33.伸長した鎖が約10〜約100ヌクレオチド長さである、請求項31 記載の方法。 34.4R種類以下の異なるプローブが存在し、Rは可変配列のヌクレオチ ドによる長さである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 35.固体サポートがプレート、ビーズ、ミクロビーズ、ホイスカー、コー ム、ハイブリダイゼーションチップ、膜、単結晶、セラミック及び自己集合性単 層から成る群から選択される、請求項27記載の方法。 36.プローブがビオチン又はビオチン誘導体とコンジュゲートし、固体サ ポートがアビジン、ストレプトアビジン又はこれらの誘導体とコンジュゲートす る、請求項27記載の方法。 37.プローブが固体サポートに、共有結合、静電気結合、水素結合、光切 断性結合、静電気結合、ジスフィド結合、ペプチド結合、ジエステル結合、選択 的開放性結合又はこれらの組合せによって結合する、請求項27記載の方法。 38.取り付けが、熱、酵素、化学的作用剤又は電磁線によって切断可能で ある剥離可能である、剥離性取り付けである、請求項37記載の方法。 39.化学的作用剤が還元剤、酸化剤、加水分解剤及びこれらの組合せから 成る群から選択される、請求項38記載の方法。 40.電磁線が可視光線、紫外線及び赤外線から成る群から選択される、請 求項38記載の方法。 41.選択的開放性結合が4,4’−ジメトキシトリチル又はその誘導体で ある、請求項37記載の方法。 42.誘導体が3若しくは4−[ビス−(4−メトキシフェニル)]−メチ ル安息香酸、N−スクシニミジル−3若しくは4−[ビス−(4−メトキシフェ ニル)]−メチル安息香酸、N−スクシニミジル−3若しくは4−[ビス−(4 −メトキシフェニル)]−ヒドロキシメチル安息香酸、N−スクシニミジル−3 若しくは4−[ビス−(4−メトキシフェニル)]−クロロメチル安息香酸、及 びこれらの塩から成る群から選択される、請求項41記載の方法。 43.プローブと固体サポートとの間にスペーサーをさらに含む、請求項2 7記載の方法。 44.スペーサーがオリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴポリアミ ド、オリゴエチレングリセロール、オリゴアクリルアミド、約6〜約20個の炭 素原子のアルキル鎖及びこれらの組合せから成る群から選択される、請求項43 記載の方法。 45.プローブが鋳型としてハイブリダイズした鎖を用いて伸長される、請 求項1、6、7又は11に記載の方法。 46.伸長が伸長した鎖に質量修飾ヌクレオチドを組み込む重合を包含する 、請求項2〜5、8〜10又は45のいずれか1項に記載の方法。 47.鎖が鎖停止性及び鎖伸長性ヌクレオチドを用いて酵素的に伸長される 、請求項2〜5、8〜10又は45のいずれか1項に記載の方法。 48.複数個の伸長した鎖が約0.1フェムトモル〜約1.0ナノモルの核 酸を含む、請求項2〜5、8〜10又は45のいずれか1項に記載の方法。 49.配列がポリアクリルアミド電気泳動、毛管電気泳動、又は質量分析法 によって決定される、請求項1〜5又は8〜11のいずれか1項に記載の方法。 50.質量修飾され伸長した核酸が約0.1フェムトモル〜約1.0ナノモ ルの核酸を含む、請求項46記載の方法。 51.質量修飾され伸長した核酸が約10〜約100ヌクレオチド長さであ る、請求項46記載の方法。 52.質量修飾され伸長した核酸が複数個の質量修飾官能基を含有する、請 求項46記載の方法。 53.前記プローブの鎖が、ポリメラーゼと質量修飾されたヌクレオチドと を用いて前記鎖を酵素的に伸長することによって質量修飾される、請求項1〜1 1のいずれか1項に記載の方法。 54.質量修飾されたヌクレオチドが鎖停止性及び鎖伸長性ヌクレオチドで ある、請求項53記載の方法。 55.質量修飾されたヌクレオチドが複数個の質量修飾官能基を含有する、 請求項53記載の方法。 56.質量修飾されたプローブが複数個の質量修飾官能基を含有する、請求 項53記載の方法。 57.少なくとも1個の質量修飾官能基が複素環塩基、糖部分又はホスフェ ート基にカップリングする、請求項52、55又は56に記載の方法。 58.質量修飾官能基が塩基対形成のための水素結合を妨害しない化学的部 分である、請求項52、55又は56に記載の方法。 59.質量修飾官能基が位置C2、N3、N7若しくはC8におけるプリン 又は位置N7若しくはC9におけるデアザプリンにカップリングする、請求項5 2、55又は56に記載の方法。 60.質量修飾官能基が位置C5又はC6におけるピリミジンにカップリン グする、請求項52、55又は56に記載の方法。 61.質量修飾官能基がジュウテリウム、F、Cl、Br、I、SiR、S i(CH33、Si(CH32(C25)、Si(CH32(C25)、Si( CH3)(C252、Si(C253、(CH2nCH3、(CH2nNR、C H2CONR、(CH2nOH、CH2F、CHF2及びCF3[これらの基におい て、nは整数であり、RはH、ジュウテリウム、炭素数1〜6のアルキル、アル コキシ及びアリール、ポリオキシメチレン、モノアルキル化ポリオキシメチレン 、ポリエチレンイミン、ポリアミド、ポリエステル、アルキル化シリル、ヘテロ オリゴ/ポリアミノ酸並びにポリエチレングリコールから成る群から選択される ]から成る群から選択される、請求項52、55又は56に記載の方法。 62.質量修飾官能基が−N3又は−XR[この基において、Xは−OH、 −NH2、−NHR、−SH、−NCS、−OCO(CH2nCOOH、−OS O2OH、−OCO(CH2nI及び−OP(O−アルキル)−N−(アルキル )2から成る群から選択され、nは1〜20の整数であり、RはH、ジュウテリ ウム、炭素数1〜6のアルキル、アルコキシ及びアリール、ポリオキシメチレン 、モノアルキル化ポリオキシメチレン、ポリエチレンイミン、ポリアミド、ポリ エステル、アルキル化シリル、ヘテロオリゴ/ポリアミノ酸並びにポリエチレン グリコールから成る群から選択される]である先駆体官能基から生じる、請求項 52、55又は56に記載の方法。 63.ハイブリダイズした核酸フラグメントが伸長される、請求項1、6、 7又は11記載の方法。 64.伸長した核酸がチオールによって質量修飾される、請求項2、3、4 、5、8〜10又は63のいずれか1項に記載の方法。 65.チオール化が前記伸長した鎖をBeaucage試薬で処理すること によっておこなわれる、請求項64記載の方法。 66.伸長した核酸がアルキル化によって質量修飾される、請求項2、3、 4、5、8〜10又は63のいずれか1項に記載の方法。 67.アルキル化が前記伸長した鎖をヨードアセトアミドで処理することに よっておこなわれる、請求項66記載の方法。 68.前記質量修飾され伸長した核酸からアルカリカチオンを除去する工程 をさらに含む、請求項66記載の方法。 69.アルカリカチオンがイオン交換によって除去される、請求項68記載 の方法。 70.イオン交換が前記伸長した核酸を酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウ ム、クエン酸水素ジアンモニウム、酒石酸アンモニウム及びこれらの組合せから 成る群から選択される溶液と接触させることを含む、請求項69記載の方法。 71.質量分析法がレーザー加熱、液滴レリース、電気的レリース、光化学 的レリース及びエレクトロスプレイから成る群から選択されるレリース工程を包 含する、請求項2、5、8、9、11又は49記載の方法。 72.質量分析法がフーリエ変換、イオンサイクロトロン共鳴、反射付き飛 行時間型分析、反射なし飛行時間型分析及び四重極分析から成る群から選択され る分析工程を包含する、請求項2、5、8、9、11又は49記載の方法。 73.質量分析法が高速原子衝撃、プラズマ脱着、マトリックス補助レーザ ー脱着/イオン化、エレクトロスプレイ、光化学レリース、電気的レリース、液 滴レリース、共鳴イオン化、又はこれらの組合せによっておこなわれる、請求項 2、5、8、9、11又は49記載の方法。 74.質量分析法が反射付き飛行時間型分析、反射なし飛行時間型分析、エ レクトロスプレイ、フーリエ転換、イオントラップ、共鳴イオン化、イオンサイ クロトロン共鳴又はこれらの組合せを包含する、請求項2、5、8、9、11又 は49記載の方法。 75.2つ以上の分子量が同時に測定される、請求項1、2、4、6、7、 9、10又は11に記載の方法。 76.分子量がマトリックス補助レーザー脱着イオン化質量分析法又は飛行 時間型分析によって測定される、請求項1、2、4、6、7、9、10又は11 に記載の方法。 77.分子量がエレクトロスプレイイオン化質量分析法又は四重極分析法に よって測定される、請求項1、2、4、6、7、9、10又は11に記載の方法 。 78.ターゲット核酸の検出方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相補的な核酸のセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖 部分内の決定可能である可変配列とを含有する核酸プローブの固定アレイにハイ ブリダイズする工程と; (c)ハイブリダイズした核酸の分子量を質量分析法によって測定する工程と ; (d)ターゲット核酸の配列を同定する工程と を含む方法。 79.ターゲット核酸の検出方法であって、下記工程: (a)前記ターゲットの配列に相補的な核酸のセットを用意する工程と; (b)前記セットを、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖 部分内の可変配列とを含有する核酸プローブの固定アレイにハイブリダイズして 、核酸のターゲットアレイを形成する工程と; (c)前記ターゲットアレイの複数個の核酸を質量修飾する工程と; (d)質量修飾された核酸の分子量を質量分析法法によって測定する工程と; (e)ターゲット核酸の配列を同定する工程と を含む方法。 80.ターゲットが生物学的サンプルに由来する、請求項78又は79に記 載の方法。 81.サンプルが患者から得られる、請求項80記載の方法。 82.ターゲットの検出が患者における障害を指摘する、請求項78又は7 9に記載の方法。 83.障害が遺伝的欠陥、腫瘍又は感染症である、請求項78又は79に記 載の方法。 84.各プローブが第1鎖と第2鎖とを含む核酸プローブアレイであって、 前記第1鎖が前記第2鎖とハイブリダイズして、二本鎖部分、一本鎖部分及び前 記一本鎖部分内の可変配列を形成しており、かつ質量分析法のために核酸の気化 を容易にする物質を含む固体サポートに取り付けられたアレイ。 85.各プローブが定常配列と決定可能である可変配列とを含み、かつ質量 分析法のために核酸の気化を容易にするマトリックスを含む固体サポートに取り 付けられたアレイ。 86.核酸プローブが質量修飾された核酸プローブである、請求項84又は 85に記載のアレイ。 87.約4R種類以下の異なるプローブを含み、Rが可変配列のヌクレオチ ドでの長さである、請求項84又は85に記載のアレイ。 88.固体サポートに固定された核酸プローブのアレイを含むターゲット核 酸の配列を検出するためのキットであって、各プローブが二本鎖部分と、一本鎖 部分と、前記一本鎖部分内の可変配列とを含み、固体サポートが質量分析法のた めに核酸の気化を容易にするマトリックス化学物質を含むキット。 89.固体サポートに固定された質量修飾された核酸プローブのアレイを含 む、ターゲット核酸の配列を検出するためのキットであって、各プローブが二本 鎖部分と、一本鎖部分と、前記一本鎖部分内の可変配列とを含み、固体サポート が質量分析法のために核酸の気化を容易にするマトリックス化学物質を含むキッ ト。 90.質量分析計と、コンピュータと、質量修飾された核酸プローブのアレ イとを含む、配列情報を測定する系であって、各プローブが一本鎖部分と、任意 の二本鎖部分と、前記一本鎖部分内の可変配列とを含み、前記アレイが固体サポ ートに取り付けられる系。 91.質量分析計と、コンピュータと、核酸プローブのアレイとを含む、配 列情報を測定する系であって、各プローブが一本鎖部分と、任意の二本鎖部分と 、前記一本鎖部分内の可変配列とを含み、前記アレイが固体サポートに取り付け られる系。
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