JP2019105793A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気ローラーから現像ローラーへのトナーの搬送に用いられる搬送バイアスを適切に調整する。【解決手段】画像形成装置1が、周回走行しながらトナー像を担持する被転写体と、露光装置によって形成される静電潜像および被転写体に転写されるトナー像を表面に担持する像担持体と、トナー層を表面に担持し、トナー層に含まれるトナーが像担持体に対して飛翔することで静電潜像をトナー像に現像する現像ローラー53と、トナーを含む現像剤を担持し、現像剤に含まれるトナーを搬送バイアスによって現像ローラー53に搬送することでトナー層を形成する磁気ローラー52と、被転写体上のトナー像のトナー濃度を検出する濃度検出部17と、トナー濃度に基づいて搬送バイアスを調整する制御部16と、を備える。被転写体上に形成されるパッチトナー像の内部の濃度差に基づいて搬送バイアスが調整される。【選択図】図3
Description
本発明は、トナーを用いて像担持体上の静電潜像をトナー像に現像する画像形成装置に関する。
複写機やプリンター等の電子写真方式の画像形成装置においては、トナーを利用して媒体(用紙)に画像を形成するものがある。画像形成装置は、感光体ドラムと現像装置とを備える。画像形成装置は、感光体ドラムに形成された静電潜像を、現像装置から供給されたトナーによって現像して、感光体ドラムの表面にトナー画像を形成する。
現像方式として、タッチダウン現像方式が例示される。タッチダウン現像方式の現像装置は、磁気ローラー(マグローラー)と現像ローラー(スリーブローラー)とを備える。以上の現像装置では、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤が磁気ローラーに供給された後、磁気ローラーから現像ローラーにトナーが供給され、現像ローラー上のトナー層から感光体ドラムにトナーが飛翔することにより現像が行われる。
タッチダウン現像方式においては、現像ローラー上のトナー層の層高を適切に維持することが、画像濃度の安定化と画像品質の向上のために重要である。画像形成装置では、画像濃度を調整するためにキャリブレーションが実行される。キャリブレーションのパラメーターとして、磁気ローラーと現像ローラーとの間の電位差である搬送バイアスが例示される。搬送バイアスを適切に調整することにより、現像ローラー上に形成されるトナー層の層高(トナー層高)が維持される。トナー層高が充分でない場合には、現像バイアスが高く設定され、実効電位も大きくなる。結果として、画像形成において、ハーフ濃度が高くなって急峻な現像ガンマが引かれることにより、階調が潰れ画像品質が劣化する。
特許文献1のキャリブレーション技術においては、静電潜像担持体上にベタパターンとハーフトーンパターンとを含むトナー層高検知用パターンが顕在化され、濃度センサーによって検出されたトナー層高検知用パターンのトナー濃度に基づいて搬送バイアスが調整される。以上のトナー濃度は、現像ローラー上のトナー層高を反映するものである。
特許文献1の技術では、印字率10%〜40%のハーフトーンパターンにおけるトナー濃度に基づいて搬送バイアスが調整されると好適であることが記載されている。しかしながら、トナー層高が不足していても、印字率10%〜40%のハーフトーンパターンであれば充分に描画が可能である場合がある。したがって、特許文献1の技術に基づいて搬送バイアスを調整しても、必ずしもトナー層高を適切に維持できない可能性がある。
以上の事情を考慮して、本発明は、磁気ローラーから現像ローラーへのトナーの搬送に用いられる搬送バイアスを適切に調整することを目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、周回走行しながらトナー像を担持する被転写体と、露光装置によって形成される静電潜像および被転写体に転写される前記トナー像を表面に担持する像担持体と、トナー層を表面に担持し、前記トナー層に含まれるトナーが前記像担持体に対して飛翔することで前記静電潜像を前記トナー像に現像する現像ローラーと、前記トナーを含む現像剤を担持し、前記現像剤に含まれる前記トナーを搬送バイアスによって前記現像ローラーに搬送することで前記トナー層を形成する磁気ローラーと、前記被転写体上の前記トナー像のトナー濃度を検出する濃度検出部と、前記搬送バイアスを調整する制御部と、を備える。前記被転写体上には、前記搬送バイアスの調整に用いられるパッチトナー像が形成される。前記パッチトナー像における前記被転写体の周回方向の上流側端部である第1領域のトナー濃度と、前記パッチトナー像の前記第1領域以外の領域である第2領域のトナー濃度との差分である濃度差に基づいて前記搬送バイアスが調整される。
好適には、前記制御部は、前記濃度差が閾値を上回る場合に、前記濃度差を低減させるように前記搬送バイアスを増大させる。
好適には、前記第1領域は前記パッチトナー像の前記上流側端部から1mm以内の範囲であり、前記第2領域は前記パッチトナー像の中心点を含む。
好適には、前記濃度検出部は、前記被転写体に対して測定光を照射し前記被転写体からの反射光を受光することにより前記トナー濃度を測定する。
本発明によれば、トナー搬送に用いられる搬送バイアスが、パッチトナー像内の濃度差(第1領域のトナー濃度と第2領域のトナー濃度との差)に基づいて適切に調整される。
1.画像形成装置の全体構成
本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の全体的な構成について、図1を参照しながら説明する。画像形成装置1は、例えば、プリント機能、コピー機能、およびファックス機能等を複合的に備える複合機である。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の全体的な構成について、図1を参照しながら説明する。画像形成装置1は、例えば、プリント機能、コピー機能、およびファックス機能等を複合的に備える複合機である。
以下、説明の便宜上、図1の紙面手前側を画像形成装置1の前側とする。また、以下の各図に示す「L」は左側を示し、「R」は右側を示し、「U」は上側を示し、「D」は下側を示す。
図1は、画像形成装置1の内部構造を模式的に示す断面図である。画像形成装置1は、略箱型形状の装置本体2を備える。装置本体2の下部には、普通紙等の用紙Sを収容する給紙カセット3が着脱可能に設けられ、装置本体2の上部には、排紙トレイ4が設けられる。なお、媒体の一例としての用紙Sは紙製に限定されず、樹脂製であってもよい。装置本体2の上部には、ユーザーに種々の情報を提示するディスプレイ5が設けられる。
画像形成装置1は、給紙カセット3内の用紙Sを搬送経路10に供給する給紙部11と、図1において反時計回りに周回走行しながらトナー像を担持する中間転写ベルト12(被転写体)と、中間転写ベルト12にトナー像を一次転写する画像形成部13と、一次転写されたトナー像を用紙Sに二次転写する二次転写部14と、二次転写されたトナー像を用紙Sに定着する定着装置15と、各部を制御する制御装置16(制御部)と、トナー像のトナー濃度を検出する光学センサー17(濃度検出部)と、を装置本体2内に備える。
画像形成部13は、4つのトナーコンテナ20に収納される4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の現像剤を用いて画像形成を行うように構成されている。以上の現像剤は、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤である。画像形成部13は、4つのドラムユニット21と、各感光体ドラム24の表面にレーザー光を照射する露光装置22と、を含む。
4つのドラムユニット21は、中間転写ベルト12の下側に前後方向に並んで設けられる。各ドラムユニット21は、回転可能に支持される像担持体としての感光体ドラム24と、感光体ドラム24の周囲に転写プロセス順に配置される帯電装置25と、現像装置26と、一次転写ローラー27と、クリーニング装置28と、を含む。
2.画像形成動作の概略
次いで、画像形成装置1の動作について説明する。画像形成装置1に電源が投入されると、制御装置16は、各種パラメーターの初期化等を実行する。画像形成装置1は、ネットワーク等を介して接続されたコンピューター等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、制御装置16の制御の下、以下のように画像形成動作を実行する。
次いで、画像形成装置1の動作について説明する。画像形成装置1に電源が投入されると、制御装置16は、各種パラメーターの初期化等を実行する。画像形成装置1は、ネットワーク等を介して接続されたコンピューター等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、制御装置16の制御の下、以下のように画像形成動作を実行する。
まず、露光装置22が、帯電装置25によって所定の電位に帯電された感光体ドラム24の表面に、画像データに対応する露光(図1の破線矢印)を行うことにより、静電潜像が形成される。各現像装置26は、対応するトナーコンテナ20から供給されたトナーによって静電潜像をトナー像に現像する。中間転写ベルト12は、一次転写バイアスが印加された各一次転写ローラー27によって一次転写された各色のトナー像を順次に担持する。以上から理解されるように、感光体ドラム24は、静電潜像およびトナー像を表面に担持する。
一方、給紙カセット3から供給された用紙Sは、搬送経路10に沿って搬送され二次転写部14を通過する。二次転写部14は、印加された二次転写バイアスによってフルカラーのトナー像を用紙Sに転写する。定着装置15は、用紙Sにトナー像を定着させる。定着処理後の用紙Sは排紙トレイ4に排出される。クリーニング装置28は、転写後に、感光体ドラム24の表面に残ったトナーを除去する。
3.現像装置
次いで、図2を参照して、現像装置26について説明する。図2は現像装置26の内部構造を示す断面図である。4つの現像装置26は同様の構成を有するため、以下の説明では、1つの現像装置26について例示する。
次いで、図2を参照して、現像装置26について説明する。図2は現像装置26の内部構造を示す断面図である。4つの現像装置26は同様の構成を有するため、以下の説明では、1つの現像装置26について例示する。
図2に示すように、現像装置26は、トナーコンテナ20から供給されるトナーとキャリアとを含む現像剤を収容する筐体30と、筐体30内で回転して筐体30内の現像剤を撹拌する攪拌部材31と、攪拌部材31から感光体ドラム24に向けて筐体30内の現像剤を搬送し、現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム24に付着させる現像器本体32と、を備える。
筐体30は、例えば、樹脂材料によって構成されている。筐体30の上部右側面には開口部30aが形成される。筐体30の内側下部には仕切壁30bが形成される。筐体30の左側にはトナーコンテナ20から現像剤を供給するための補給口44が形成される。
攪拌部材31は、第1搬送路40に沿って配置される第1攪拌部材50と、第2搬送路41に沿って配置される第2攪拌部材51と、から構成される。第1攪拌部材50および第2攪拌部材51は、軸回りに回転可能(図2において反時計回り)であるように筐体30に支持されている。
現像器本体32は、第2攪拌部材51の上方に対向して配置される磁気ローラー52と、磁気ローラー52の右斜め上方に対向して配置される現像ローラー53と、を備える。
磁気ローラー52は、筐体30に回転不能に支持されるローラー軸部52aと、ローラー軸部52aに固定される扇形状断面の磁極部材52bと、磁極部材52bを覆うように設けられる回転スリーブ52cと、を有する。
回転スリーブ52cは、非磁性材料によって円筒状に形成される。回転スリーブ52cは、駆動装置33(図3)に駆動されて軸回りに回転可能(図2において反時計回り)であるように筐体30に支持されている。磁気ローラー52は、第1バイアス電源54と電気的に接続されている(図3)。第1バイアス電源54は、直流電圧V1および交流電圧を重畳した第1バイアスを磁気ローラー52に印加する。
現像ローラー53は、筐体30に回転不能に支持される固定軸部53aと、磁気ローラー52の磁極部材52bに対向して設けられる現像磁極部材53bと、現像磁極部材53bを覆うように設けられる現像スリーブ53cと、を有する。
現像磁極部材53bは、磁極部材52bの磁極に対し、異極性の磁石で形成される。現像スリーブ53cは、非磁性材料によって円筒状に形成されている。現像スリーブ53cは、現像磁極部材53bとの間に隙間を有し、駆動装置33に駆動されて軸回りに回転可能(図2において反時計回り)であるように固定軸部53aに支持されている。
現像ローラー53は、磁気ローラー52との間にギャップを有して配置される。現像ローラー53は、筐体30の開口部30aから露出し、感光体ドラム24に対向して配置される。現像ローラー53は、第2バイアス電源55に電気的に接続されている(図3)。第2バイアス電源55は、直流電圧V2および交流電圧を重畳した第2バイアスを現像ローラー53に印加する。
筐体30には、規制ブレード56が、図2において右側に向けて下方に傾斜する姿勢で設けられている。規制ブレード56は、対向部よりも磁気ローラー52の回転方向上流側に配置されている。規制ブレード56は、磁気ローラー52の外周面との間にギャップを有して配置されている。
4.制御装置
次いで、図3を参照して、画像形成装置1が備える制御装置16について説明する。図3は、制御装置16とその関連要素を示すブロック図である。
次いで、図3を参照して、画像形成装置1が備える制御装置16について説明する。図3は、制御装置16とその関連要素を示すブロック図である。
図3に示すように、制御装置16は、CPU(Central Processing Unit)60と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリー等の記憶装置で構成されたメモリー61と、要素間の信号伝送に用いられるバス62と、外部装置との接点となるインターフェース63と、を含む。
CPU60は、制御プログラムおよび制御用データに基づいて演算処理を実行する。メモリー61は、CPU60による演算処理(現像制御)に用いる制御プログラム、制御データ、および各バイアスの定格値等を記憶する。また、メモリー61は、CPU60の演算結果等を一時的に記憶する。バス62は、CPU60、メモリー61およびインターフェース63を接続している。インターフェース63には、駆動装置33、光学センサー17、第1バイアス電源54、および第2バイアス電源55等が電気的に接続されている。
5.現像処理
次いで、画像形成装置1の現像処理について説明する。本実施形態においては、タッチダウン現像方式による現像処理が実行される。制御装置16は、トナーコンテナ20を制御して、補給口44を介して筐体30内に現像剤を供給する(補給する)。制御装置16は、駆動装置33を駆動して、第1攪拌部材50、第2攪拌部材51、磁気ローラー52、および現像ローラー53を回転させる。第1攪拌部材50および第2攪拌部材51によって現像剤が攪拌されることにより、トナーが所定のレベルに帯電されてキャリアに保持される。
次いで、画像形成装置1の現像処理について説明する。本実施形態においては、タッチダウン現像方式による現像処理が実行される。制御装置16は、トナーコンテナ20を制御して、補給口44を介して筐体30内に現像剤を供給する(補給する)。制御装置16は、駆動装置33を駆動して、第1攪拌部材50、第2攪拌部材51、磁気ローラー52、および現像ローラー53を回転させる。第1攪拌部材50および第2攪拌部材51によって現像剤が攪拌されることにより、トナーが所定のレベルに帯電されてキャリアに保持される。
制御装置16は、第1バイアス電源54を駆動して第1バイアスを磁気ローラー52に印加し、第2バイアス電源55を駆動して第2バイアスを現像ローラー53に印加する。
磁気ローラー52は、帯電した現像剤を組み上げて担持する。現像剤は、磁気ローラー52上に磁気ブラシを形成する。規制ブレード56は、磁気ブラシの層高を規制する。磁気ローラー52は、磁気ブラシを現像ローラー53との対向部に搬送する。
磁気ローラー52が担持する現像剤に含まれるトナーは、磁気ローラー52に印加された直流電圧V1と現像ローラー53に印加された直流電圧V2との電位差|V2−V1|(搬送バイアスVd)および磁界の作用によって、現像ローラー53に移動する。すなわち、磁気ローラー52に担持された現像剤に含まれるトナーは搬送バイアスによって現像ローラー53に搬送される。これにより、現像ローラー53の表面にトナー層が形成される。搬送バイアスが大きいほどトナー層の層高は高くなる。
現像ローラー53は、トナー層を感光体ドラム24との対向領域に搬送する。現像ローラー53と感光体ドラム24との間の電位差によって、現像ローラー53のトナー層に含まれるトナーが感光体ドラム24に対して飛翔する。これにより、感光体ドラム24上の静電製造がトナー像に現像される。
現像ローラー53は、現像されずに残ったトナーを再び対向部に搬送する。磁気ローラー52上の磁気ブラシは、対向部に搬送されたトナーを回収する。磁気ブラシは、磁極部材52bの同極部分において磁気ローラー52から引き剥がされ、第2搬送路41内に落下する。
6.トナー層高とパッチトナー濃度との関係
図4および図5を参照しながら、現像ローラー53上のトナー層の層高とパッチトナー像のトナー濃度(パッチトナー濃度)の関係について説明する。図4および図5は、現像ローラー53から感光体ドラム24へトナー粒子Pが飛翔する様子を示す説明図である。
図4および図5を参照しながら、現像ローラー53上のトナー層の層高とパッチトナー像のトナー濃度(パッチトナー濃度)の関係について説明する。図4および図5は、現像ローラー53から感光体ドラム24へトナー粒子Pが飛翔する様子を示す説明図である。
図面上側の現像ローラー53からその下側にある感光体ドラム24に向けてトナー粒子Pが飛翔する。図4および図5では、パッチトナー像を形成するための静電潜像が感光体ドラム24上に形成されている。パッチトナー像は、現像ローラー53のトナー層高の制御に用いられるトナー像であり、例えば、トナー像の搬送方向と平行な2辺を有する矩形状に形成される。なお、図中における感光体ドラム24の高さは電位を示しており、凹んでいる部分(すなわち、電位が低い部分)に対して正帯電したトナー粒子Pが飛翔する。
本実施形態において、現像ローラー53の周速は、感光体ドラム24の周速よりも速くなるように(すなわち、増速して)設定される。例えば、相対値で、感光体ドラム24の周速1.0に対し、現像ローラー53の周速が1.6に設定されると好適である。以上のように設定されることで、より多くのトナー粒子Pが感光体ドラム24の上を通過することとなる。結果として、感光体ドラム24に供給されるトナーの量がより多くなる。
図4は現像ローラー53上のトナー層高が充分なケースを示し、図5はトナー層高が不足しているケースを示す。トナー層高が充分であるケースにおいては、感光体ドラム24上に存在する電位差を埋めるのに充分な量のトナーが現像ローラー53から供給されるので、図4に示すように、像全体に亘りトナー濃度が均一なパッチトナー像が形成される。
対照的に、トナー層高が不足しているケースにおいては、パッチトナー像の前端部(搬送方向の下流側)には電位差を埋めるのに充分な量のトナー粒子Pが供給されない。そのため、図5に示すように、現像ローラー53上のトナー層高が充分な場合と比較して、パッチトナー像の前端部のトナー濃度が薄くなる。パッチトナー像の中央部も前端部と同様である。他方、パッチトナー像の後端部(搬送方向の上流側)では、電界の回り込みによって、前端部よりも多くのトナー粒子Pが後端部に飛翔してくる。そのため、図5に示すように、パッチトナー像の後端部のトナー濃度は、前端部のトナー濃度よりも高くなり、トナー層高が充分であるケースのパッチトナー像のトナー濃度と同程度となる。以後、トナー濃度の高いパッチトナー像の後端部のことを「後端溜まり」と称する場合がある。後端溜まりは、パッチトナー像の後端辺から1mm以内の領域に形成されることが多い。
以上から理解されるように、現像ローラー53上のトナー層高が不足している場合、パッチトナー像内にはトナー濃度の不均一が生じる。この逆を考えると、パッチトナー像内にトナー濃度の不均一が生じている場合(後端溜まりが生じている場合)、現像ローラー53上のトナー層高が不足していると判定できる。
7.搬送バイアスの調整
上記した知見に基づいて、本実施形態の制御装置16は、パッチトナー像内にトナー濃度の不均一が生じている場合に、搬送バイアスVdを調整して現像ローラー53上のトナー層の層高を制御する。
上記した知見に基づいて、本実施形態の制御装置16は、パッチトナー像内にトナー濃度の不均一が生じている場合に、搬送バイアスVdを調整して現像ローラー53上のトナー層の層高を制御する。
以下、図6のフローチャートを参照しながら、本実施形態の搬送バイアスVdの調整について説明する。なお、以下の搬送バイアス調整プロセスは、任意のタイミングで実行され得る。例えば、画像形成装置1の電源投入時や、所定期間使用後、温度または湿度が所定値よりも大きく変動した時、ユーザーからの指示があった時等に、搬送バイアス調整プロセスが実行されると好適である。
搬送バイアス調整プロセスが開始すると、制御装置16は、画像形成装置1の各部を制御して中間転写ベルト12上にパッチトナー像PTを形成させる(ステップS100)。図7に、パッチトナー像PTの一例を示す。本実施形態のパッチトナー像PTは、中間転写ベルト12の周回方向(トナー像の搬送方向)と平行である向かい合う2辺と、それら2辺にそれぞれ直交する2辺とに囲まれる矩形状の領域にトナーを付着させることにより形成される。
ステップS100をより具体的に説明すると、制御装置16の制御に基づいて、パッチトナー像PTに対応する矩形状の静電潜像が感光体ドラム24上に形成され、静電潜像が現像ローラー53によって現像されてパッチトナー像PTとなり、中間転写ベルト12上に転写される。
ステップS100の後、制御装置16は、光学センサー17を用いて、中間転写ベルト12上に形成されたパッチトナー像PTのトナー濃度を検出する(ステップS102)。光学センサー17は、中間転写ベルト12に対して測定光を照射し反射光を受光することにより輝度(単位:cd/m2)を測定し、輝度に対応する信号を制御装置16に出力する反射型光学センサーである。制御装置16は、トナー像からの反射光の輝度と、トナー像のない中間転写ベルトの表面からの反射光の輝度とを比較することにより、そのトナー像のトナー濃度を検出する。
ステップS102をより具体的に説明すると、制御装置16は、光学センサー17からの出力に基づいて、パッチトナー像PTにおける中間転写ベルト12の周回方向の上流側端部(後端部)から1mm以内の範囲にある第1領域R1のトナー濃度D1と、パッチトナー像PTの中心点を含む第2領域R2のトナー濃度D2とを検出する。前述の通り、第1領域R1は後端溜まりが発生しやすい領域である。また、パッチトナー像PTの中心点とは、例えば、パッチトナー像PTの2本の対角線の交点である。
ステップS102の後、制御装置16は、第1領域R1のトナー濃度D1と第2領域R2のトナー濃度D2との差分|D1−D2|である濃度差Cdが、閾値Thを上回るか否かを判定する(ステップS104)。
濃度差Cdが閾値Thを上回る場合(S104:YES)、すなわち、現像ローラー53上のトナー層高が不足している場合、制御装置16は、濃度差Cdを低減させるように(すなわち、トナー層高を高めるように)搬送バイアスVdを増大させる(ステップS106)。なお、制御装置16は、第1領域R1の輝度と第2領域R2の輝度との差分が10cd/m2以内となるように搬送バイアスVdを増大させると好適である。
前述の通り、搬送バイアスVdは、磁気ローラー52に印加される直流電圧V1と現像ローラー53に印加される直流電圧V2との電位差である。したがって、制御装置16は、直流電圧V1を変化させて搬送バイアスVdを増大させてもよいし、直流電圧V2を変化させて搬送バイアスVdを変化させてもよい。また、直流電圧V1,V2の双方を変化させて搬送バイアスVdを増大させてもよい。ステップS106の後、制御装置16は、処理をステップS100に戻して、以上のプロセスを繰り返す。
他方、濃度差Cdが閾値Th以下である場合(S104:NO)、すなわち、現像ローラー53上のトナー層高が充分である場合、制御装置16は、画像形成装置1を印刷可能状態に遷移させ(ステップS108)、搬送バイアス調整プロセスを終了する。
8.本実施形態の効果
以上のように、本実施形態の構成によれば、磁気ローラー52から現像ローラー53へのトナー搬送に用いられる搬送バイアスVdが、パッチトナー像PT内の濃度差Cd(第1領域R1のトナー濃度D1と第2領域R2のトナー濃度D2との差)に基づいて適切に調整される。結果として、精度の高いキャリブレーションが実現され、安定した画像品質が維持される。
以上のように、本実施形態の構成によれば、磁気ローラー52から現像ローラー53へのトナー搬送に用いられる搬送バイアスVdが、パッチトナー像PT内の濃度差Cd(第1領域R1のトナー濃度D1と第2領域R2のトナー濃度D2との差)に基づいて適切に調整される。結果として、精度の高いキャリブレーションが実現され、安定した画像品質が維持される。
また、第1領域R1と第2領域R2の濃度差Cdが閾値Thを上回る場合に、濃度差Cdを低減させるように搬送バイアスVdを増大させる構成によれば、現像ローラー53上のトナー層がより適切な厚み(層高)に調整される。
また、第1領域R1がパッチトナー像PTの上流側端部から1mm以内の範囲であり、第2領域R2がパッチトナー像PTの中心点を含む構成によれば、後端溜まりが発生しやすい第1領域R1と後端溜まりが発生しにくい第2領域R2との濃度差Cdに基づいて搬送バイアスが調整されるので、後端溜まりの発生がより効果的に抑制される。
また、光学センサー17が、中間転写ベルト12に対して測定光を照射し中間転写ベルト12からの反射光を受光することによりトナー濃度を測定する構成によれば、精度良くトナー濃度を測定することが可能である。
9.変形例
以上の実施形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以上の実施の形態および以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない限り適宜に併合され得る。
以上の実施形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以上の実施の形態および以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない限り適宜に併合され得る。
以上の実施形態では、トナー濃度を検出する濃度検出部として反射型の光学センサー17が用いられるが、トナー濃度を検出できる任意の部材が濃度検出部として採用可能である。なお、第1領域R1がパッチトナー像PTの上流側端部から1mm以内の範囲である構成においては、濃度検出部(光学センサー17)の解像度が1mm以下であると好適である。
以上の実施形態では、パッチトナー像PTの後端部分である第1領域R1と、パッチトナー像PTの中心点を含む第2領域R2とについてトナー濃度が検出される。第1領域R1および第2領域R2は以上の構成に限定されない。第1領域R1は、中間転写ベルト12の周回方向の上流側端部の少なくとも一部を含めばよく、第2領域R2は、パッチトナー像PTの第1領域R1以外の領域の少なくとも一部であればよい。
以上の実施形態では、ステップS104において、濃度差Cdが閾値Thを上回る場合にステップS106が実行され、濃度差Cdが閾値Th以下である場合にステップS108が実行される。他の異なる実施形態では、濃度差Cdが閾値Th以上である場合にステップS106が実行され、濃度差Cdが閾値Th未満である場合にステップS108が実行される。すなわち、制御装置16は、濃度差Cdが閾値Thと等しい場合に、ステップS106に処理を進めるように設定されてもよいし、ステップS108に処理を進めるように設定されてもよい。
ステップS106の搬送バイアス調整において、ステップS100〜ステップS106のループの実行回数が多いほど、搬送バイアスの増大量を多くしてもよい。この場合、より迅速にトナー層高を増大させることが可能である。また逆に、ステップS100〜ステップS106のループの実行回数が多いほど、搬送バイアスの増大量を少なくしてもよい。この場合、より精密にトナー層高を増大させることが可能である。
なお、上記した本発明の実施形態の説明は、本発明に係る画像形成装置1における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。さらに、上記した本発明の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
1 画像形成装置
12 中間転写ベルト(被転写体)
16 制御装置(制御部)
17 光学センサー(濃度検出部)
24 感光体ドラム(像担持体)
52 磁気ローラー
53 現像ローラー
12 中間転写ベルト(被転写体)
16 制御装置(制御部)
17 光学センサー(濃度検出部)
24 感光体ドラム(像担持体)
52 磁気ローラー
53 現像ローラー
Claims (4)
- 周回走行しながらトナー像を担持する被転写体と、
露光装置によって形成される静電潜像および被転写体に転写される前記トナー像を表面に担持する像担持体と、
トナー層を表面に担持し、前記トナー層に含まれるトナーが前記像担持体に対して飛翔することで前記静電潜像を前記トナー像に現像する現像ローラーと、
前記トナーを含む現像剤を担持し、前記現像剤に含まれる前記トナーを搬送バイアスによって前記現像ローラーに搬送することで前記トナー層を形成する磁気ローラーと、
前記被転写体上の前記トナー像のトナー濃度を検出する濃度検出部と、
前記搬送バイアスを調整する制御部と、を備え、
前記被転写体上に前記搬送バイアスの調整に用いられるパッチトナー像が形成され、前記パッチトナー像における前記被転写体の周回方向の上流側端部である第1領域のトナー濃度と、前記パッチトナー像の前記第1領域以外の領域である第2領域のトナー濃度との差分である濃度差に基づいて前記搬送バイアスが調整される、ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記濃度差が閾値を上回る場合に、前記濃度差を低減させるように前記搬送バイアスを増大させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記第1領域は前記パッチトナー像の前記上流側端部から1mm以内の範囲であり、前記第2領域は前記パッチトナー像の中心点を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記濃度検出部は、前記被転写体に対して測定光を照射し前記被転写体からの反射光を受光することにより前記トナー濃度を測定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017239470A JP2019105793A (ja) | 2017-12-14 | 2017-12-14 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017239470A JP2019105793A (ja) | 2017-12-14 | 2017-12-14 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019105793A true JP2019105793A (ja) | 2019-06-27 |
Family
ID=67061932
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017239470A Pending JP2019105793A (ja) | 2017-12-14 | 2017-12-14 | 画像形成装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019105793A (ja) |
-
2017
- 2017-12-14 JP JP2017239470A patent/JP2019105793A/ja active Pending
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