JP2019105783A - 波長変換装置、光源装置、及びプロジェクター - Google Patents

波長変換装置、光源装置、及びプロジェクター Download PDF

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Abstract

【課題】発光効率を向上させた波長変換装置を提供する。また、当該波長変換装置を備えた光源装置を提供する。また、当該光源装置を備えたプロジェクターを提供する。【解決手段】波長変換装置は、複数の気孔21を有するとともに、第1の波長帯の光により励起されることによって第1の波長帯とは異なる第2の波長帯の光を生成する波長変換装置4であって、ガーネット相11αを主相とし、ペロブスカイト相11βを18〜43体積%含有する。【選択図】図4

Description

本発明は、波長変換装置、光源装置、及びプロジェクターに関するものである。
近年、照明装置の照明光として、蛍光体を用い、蛍光体が発光する蛍光を利用するものがある。例えば、特許文献1には、蛍光体層の内部に、ガーネット相と、ペロブスカイト相、モノクリニック相、及びシリケート相から選ばれる1種類以上の相とを含有する多晶結の結晶セラミックスである波長変換部材が開示されている。特許文献1に開示する波長変換部材(セラミックス蛍光体)を用いた照明装置では、上記複数の相を設けることで、蛍光体層が発光した蛍光を相界面にて散乱させることにより、光損失の抑制、色むらを改善している。
特開2011−256371号公報
ところで、特許文献1を含め、従来のセラミックス蛍光体には、照明装置の照明光として、均一な発光分布を得るために、励起光と蛍光の発光分布を均一にすることを目的として、蛍光を射出する主相の他に、一定量の気孔、または散乱相が存在している。しかしながら、セラミックス蛍光体には、前記主相と、気孔、散乱相との界面に欠陥が存在し、発光効率及び取り出し効率が低下する可能性があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためを目的としたものであり、発光効率や取り出し効率を向上させる波長変換装置を提供することを目的の1つとする。また、当該波長変換装置を備えた光源装置を提供することを目的の1つとする。また、当該光源装置を備えたプロジェクターを提供することを目的の1つとする。
[適用例1]本適用例に係る波長変換装置は、第1の波長帯の光により励起されることによって前記第1の波長帯とは異なる第2の波長帯の光を生成する波長変換装置であって、複数の気孔を有するとともに、ガーネット相を主相とし、ペロブスカイト相を18〜43体積%含有する蛍光体層を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、波長変換装置は、複数の気孔を有するとともに、ガーネット相を主相とし、ペロブスカイト相を18〜43体積%含有する蛍光体層を備えている。これにより、ペロブスカイト構造によるピンニング効果によって、ガーネット相との界面欠陥での蛍光の変換効率の低下の抑制をすると同時に、界面で蛍光が適度に散乱することにより、取り出し効率の低下を抑制できるため、波長変換装置の発光効率を向上させることができる。
[適用例2]上記適用例に係る波長変換装置において、前記ガーネット相は、多結晶セラミックスであり、Ce,Pr,Eu,Crから選ばれる少なくとも1種類以上の元素と、Y,Tb,Gd,Luから選ばれる1種類以上の元素と、Al,Gaから選ばれる1種類以上の元素と、酸素元素と、を含有することが好ましい。
本適用例によれば、波長変換装置は、ガーネット相の含有する元素によって、選択した波長帯の光を生成することができる。また、波長変換装置の発光効率を向上させることができる。
[適用例3]上記適用例に係る波長変換装置において、前記ペロブスカイト相は、多結晶セラミックスであり、Ce,Pr,Eu,Crから選ばれる少なくとも1種類以上の元素と、Y,Tb,Gd,Luから選ばれる1種類以上の元素と、Al,Gaから選ばれる1種類以上の元素と、酸素元素と、を含有することが好ましい。
本適用例によれば、波長変換装置は、ペロブスカイト相の含有する元素によって、選択した波長帯の光を生成することができる。また、波長変換装置の発光効率を向上させることができる。
[適用例4]本適用例に係る光源装置は、上述したいずれかの波長変換装置と、前記波長変換装置に向けて前記第1の波長帯の光を射出する光源と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、光源装置は、上述した波長変換装置を備えることで、高輝度の光源を実現できる。また、発光効率が向上することで、蛍光体が蛍光を発光する際に発生する熱が抑制できるため、波長変換装置を冷却するための、例えば放熱部材を小型化することができる。
また、従来の構成と同輝度の光を射出する場合、波長変換装置を励起する光源の数を減らすことができるため、励起する光源の発光面積(エテンデュ)が小さくなり、例えばレンズが励起光を取り込める効率を向上させることができる。従って、光源装置自体の高輝度化を図ることができる。
[適用例5]本適用例に係るプロジェクターは、上述した光源装置と、前記光源装置からの光を画像情報に応じて変調することにより画像光を形成する光変調装置と、前記画像光を投写する投写光学系と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、プロジェクターは、上述した光源装置を備えることで、高輝度の画像光を形成することができる。また、光源装置を小型化することができるため、プロジェクターの小型化を実現することができる。また、従来の構成と同じ明るさの画像光を射出する場合、光源装置が高い発光効率を有することで、波長変換装置を励起する光源の数を減らすことができるため、低消費電力化を実現することができる。従って、プロジェクターの高輝度化、小型化、低消費電力化を図ることができる。
第1実施形態に係るプロジェクターの構成を示す模式図。 第1実施形態に係る照明装置の概略を示す図。 波長変換装置の要部構成を示す断面図。 蛍光体層におけるペロブスカイト相の体積比と発光効率を示す図。 第2実施形態に係る照明装置の概略を示す図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係るプロジェクター1の構成を示す模式図である。図2は、第1実施形態に係る照明装置100の概略を示す図である。図3は、波長変換装置4の要部構成を示す断面図である。本実施形態に係るプロジェクター1の一例について説明する。
<プロジェクターの光学系>
本実施形態のプロジェクター1は、スクリーンSCR上にカラー画像を表示する投写型画像表示装置である。プロジェクター1は、光変調装置として、赤色光、緑色光、青色光の各色光に対応した3つの液晶光変調装置400R,400G,400Bを備えている。プロジェクター1は、照明装置100の光源として、半導体レーザーダイオードを備えている。
なお、本実施形態では、光変調装置として透過型液晶ライトバルブを用いているが、光変調装置として、反射型液晶ライトバルブを用いることもできる。また、光変調装置として、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。さらに、照明装置の光源として、半導体レーザーダイオードに限らずLED(Light Emitting Diode)を用いることもできる。
プロジェクター1は、図1に示すように、照明装置100、色分離導光光学系200、液晶光変調装置400R,400G,400B、クロスダイクロイックプリズム500、及び投写光学系600を備える。本実施形態において、照明装置100は、白色の照明光WLを色分離導光光学系200に向けて射出する。
色分離導光光学系200は、ダイクロイックミラー210,220、反射ミラー230,240,250、及びリレーレンズ260,270を備える。色分離導光光学系200は、照明装置100からの照明光WLを赤色光LR、緑色光LG、及び青色光LBに分離し、赤色光LR、緑色光LG、及び青色光LBをそれぞれが対応する液晶光変調装置400R,400G,400Bに導光する。色分離導光光学系200と、液晶光変調装置400R,400G,400Bとの間には、フィールドレンズ300R,300G,300Bが配置されている。
ダイクロイックミラー210は、赤色光成分を通過させ、緑色光成分及び青色光成分を反射するダイクロイックミラーである。ダイクロイックミラー220は、緑色光成分を反射して、青色光成分を通過させるダイクロイックミラーである。反射ミラー230は、赤色光成分を反射する反射ミラーである。反射ミラー240,250は青色光成分を反射する反射ミラーである。
ダイクロイックミラー210を通過した赤色光LRは、反射ミラー230で反射され、フィールドレンズ300Rを通過して赤色光用の液晶光変調装置400Rの画像形成領域に入射する。ダイクロイックミラー210で反射された緑色光LGは、ダイクロイックミラー220でさらに反射され、フィールドレンズ300Gを通過して緑色光用の液晶光変調装置400Gの画像形成領域に入射する。ダイクロイックミラー220を透過した青色光LBは、リレーレンズ260、反射ミラー240、リレーレンズ270、反射ミラー250、フィールドレンズ300Bを経て青色光用の液晶光変調装置400Bの画像形成領域に入射する。
液晶光変調装置400R,400G,400Bは、入射された色光を画像情報に応じて変調して各色光に対応するカラー画像を形成するものである。なお、図示を省略したが、各フィールドレンズ300R,300G,300Bと各液晶光変調装置400R,400G,400Bとの間には、それぞれ入射側偏光板が配置され、各液晶光変調装置400R,400G,400Bとクロスダイクロイックプリズム500との間には、それぞれ射出側偏光板が配置される。
クロスダイクロイックプリズム500は、各液晶光変調装置400R,400G,400Bから射出された各画像光を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投写光学系600によって拡大投写され、スクリーンSCR上で画像を形成する。
<照明装置>
本実施形態の照明装置100は、前述したように照明光WLを色分離導光光学系200に向けて射出する。照明装置100は、図2に示すように、光源装置100A、インテグレーター光学系17、偏光変換素子18、及び重畳レンズ19を備える。光源装置100Aは、光源部31、アフォーカル光学系32、ホモジナイザー光学系33、偏光分離装置14、位相差板15、ピックアップ光学系16、及び波長変換装置4を備える。また、光源部31は、アレイ光源31A及びコリメータ光学系31Bを備える。
光源部31のアレイ光源31Aは、複数の半導体レーザー111により構成される。固体光源素子または発光素子としての半導体レーザー111は、特許請求の範囲の「光源」に相当する。
具体的に、アレイ光源31Aは、当該アレイ光源31Aから射出される光束の照明光軸Ax1と直交する一平面内に複数の半導体レーザー111がアレイ状に配列されることにより形成される。なお、詳しくは後述するが、波長変換装置4にて反射された光束の照明光軸をAx2としたとき、照明光軸Ax1と照明光軸Ax2とは互いに直交している。照明光軸Ax1上においては、アレイ光源31Aと、コリメータ光学系31Bと、アフォーカル光学系32と、ホモジナイザー光学系33と、偏光分離装置14とが、この順に並んで配置されている。
一方、照明光軸Ax2上においては、波長変換装置4と、ピックアップ光学系16と、位相差板15と、偏光分離装置14と、インテグレーター光学系17と、偏光変換素子18と、重畳レンズ19とが、後述する蛍光YLの進行方向にこの順に並んで配置されている。
アレイ光源31Aを構成する半導体レーザー111は、例えば、440〜480nmの波長域にピーク波長を有する励起光(青色光BL)を射出する。また、半導体レーザー111から射出される青色光BLは、コヒーレントな直線偏光であり、偏光分離装置14に向けて照明光軸Ax1と平行に射出される。本実施形態において、青色光BLは特許請求の範囲に記載の「第1の波長帯の光」に相当する。
また、アレイ光源31Aは、各半導体レーザー111が射出する青色光BLの偏光方向を、偏光分離装置14の偏光分離層143にて反射される偏光成分(例えば、S偏光成分)の偏光方向と一致させるようにしている。アレイ光源31Aから射出された青色光BLは、コリメータ光学系31Bに入射する。
コリメータ光学系31Bは、アレイ光源31Aから射出された青色光BLを平行光に変換するものである。コリメータ光学系31Bは、例えば各半導体レーザー111に対応してアレイ状に配置された複数のコリメータレンズ27を備える。このコリメータ光学系31Bを通過することにより平行光に変換された青色光BLは、アフォーカル光学系32に入射する。
アフォーカル光学系32は、コリメータ光学系31Bから入射された青色光BLの光束径を調整する。このアフォーカル光学系32は、レンズ121とレンズ122を備える。このアフォーカル光学系32を通過することによりサイズが調整された青色光BLは、ホモジナイザー光学系33に入射する。
ホモジナイザー光学系33は、後述するピックアップ光学系16と協働して、被照明領域における青色光BLによる照度分布を均一化する。このホモジナイザー光学系33は、一対のマルチレンズアレイ131,132を備える。このホモジナイザー光学系33から射出された青色光BLは、偏光分離装置14に入射する。
偏光分離装置14は、いわゆるプリズム型の偏光ビームスプリッター(PBS)であり、P偏光及びS偏光のうち、一方の偏光光を通過させ、他方の偏光光を反射させる。この偏光分離装置14は、プリズム141,142及び偏光分離層143を備える。これらプリズム141,142は、略三角柱形状に形成され、それぞれ照明光軸Ax1に対して45°の角度をなす傾斜面を有し、かつ、照明光軸Ax2に対して45°の角度をなしている。
偏光分離層143は、上記傾斜面に設けられ、当該偏光分離層143に入射した第1の波長帯の青色光BLを、S偏光成分とP偏光成分とに分離する偏光分離機能を有する。この偏光分離層143は、青色光BLのS偏光成分を反射させ、青色光BLのP偏光成分を透過させる。
また、偏光分離層143は、当該偏光分離層143に入射した光のうち、第1の波長帯(青色光BLの波長帯)とは異なる第2の波長帯(緑色光LG及び赤色光LR)の光を、その偏光状態にかかわらず透過させる色分離機能を有する。なお、偏光分離装置14は、プリズム型のものに限らず、プレート型の偏光分離装置を用いてもよい。
本実施形態において、偏光分離層143に入射した青色光BLは、その偏光方向がS偏光成分と一致していることから、S偏光の励起光(以下、青色光BLsと称す)として、波長変換装置4に向けて反射される。
位相差板15は、偏光分離層143と波長変換装置4との間の光路中に配置された1/4波長板である。この位相差板15に入射するS偏光である青色光BLsは、円偏光の青色光BLcに変換された後、ピックアップ光学系16に入射する。なお、位相差板15は、1/2波長板でもよい。
ピックアップ光学系16は、青色光BLcを波長変換装置4に向けて集光させる。このピックアップ光学系16は、レンズ161、レンズ162を備える。具体的に、ピックアップ光学系16は、入射された複数の光束(青色光BLc)を後述する波長変換装置4に向けて集光させるとともに、当該波長変換装置4上で互いに重畳させる。
ピックアップ光学系16からの青色光BLcは、波長変換装置4に入射する。波長変換装置4は、青色光BLcの一部により励起されることによって赤色光及び緑色光を含む蛍光YLを生成する。蛍光YLは、例えば、500〜700nmの波長域にピーク波長を有する。なお、波長変換装置4の構成については、後述する。青色光BLcの一部は後述のように波長変換装置4で反射される。本実施形態において、蛍光YLは特許請求の範囲に記載の「第2の波長帯の光」に相当する。なお、蛍光YLの一部も波長変換装置4で反射される。
そして、波長変換装置4から射出された蛍光YLおよび波長変換装置4で反射された青色光BLcは、ピックアップ光学系16、位相差板15を通過し、偏光分離装置14に入射する。ここで、青色光BLcは位相差板15を再び通過して、P偏光の青色光BLpとなる。青色光BLpは、偏光分離層143を透過する。また、蛍光YLは、偏光分離層143を透過する。蛍光YLと青色光BLp(P偏光の青色光)とが合成され、白色の照明光WLが生成される。照明光WLは、インテグレーター光学系17に入射する。
インテグレーター光学系17は、後述する重畳レンズ19と協働して、被照明領域における照度分布を均一化する。インテグレーター光学系17は、一対のレンズアレイ171,172を備える。これら一対のレンズアレイ171,172は、複数のレンズがアレイ状に配列されたものからなる。このインテグレーター光学系17から射出された照明光WLは、偏光変換素子18に入射する。
偏光変換素子18は、偏光分離膜と位相差板とから構成され、照明光WLを直線偏光に変換する。偏光変換素子18から射出された照明光WLは、重畳レンズ19に入射する。重畳レンズ19は、照明光WLを被照明領域において重畳させることにより、被照明領域の照度分布を均一化する。
<波長変換装置>
本実施形態の波長変換装置4は、図2、図3に示すように、基材10及び蛍光体層11を備え、回転しないように構成されている。また、蛍光体層11はガーネット相11α、ペロブスカイト相11β、複数の気孔21を有する。基材10は、ピックアップ光学系16側となる第1面10aと、第1面10aとは反対側となる第2面10bとを有している。波長変換装置4は、第1面10aと蛍光体層11との間に設けられた反射層12と、第2面10bに設けられた放熱部材26とをさらに備える。
本実施形態において、基材10の材料としては、熱伝導性が高く放熱性に優れた材料を用いることが好ましく、例えば、アルミニウム、銅等の金属、窒化アルミ、アルミナ、サファイア、ダイヤモンド等のセラミックスが挙げられる。
本実施形態において、蛍光体層11は、基材10の第1面10a上に後述する固定部材13を介して保持される。蛍光体層11は、入射された光の一部を蛍光YLに変換して射出するとともに、他の一部を蛍光YLに変換せずに射出する。また、反射層12は、蛍光体層11から入射した光をピックアップ光学系16に向けて反射させる。
放熱部材26は、例えば、ヒートシンクから構成され、複数のフィン26aを有した構造からなる。放熱部材26は、基材10における蛍光体層11と反対側の第2面10bに設けられている。なお、放熱部材26は、例えば金属ろうによる接合(金属接合)によって基材10に固定される。
図2、図3に示すように、蛍光体層11は、青色光BLcが入射されるとともに、蛍光YLが射出される光射出面11Aと、当該光射出面11Aに対向する面、すなわち、反射層12が設けられる底面11Bとを備える。
本実施形態において、蛍光体層11は、ガーネット相11αを主相とし、ペロブスカイト相11β(18〜43体積%)、複数の気孔21で構成される。ガーネット相11αは、多結晶セラミックスであり、セラミックス粉末を焼成することで生成される。ガーネット相11αを構成する蛍光体粒子として、例えば、Ceイオンを含んだYAG(Yttrium Aluminum Garnet)蛍光体が用いられる。
前述したガーネット相11αは、他にも、Ce,Pr,Eu,Crから選ばれる少なくとも1種類以上の元素と、Y,Tb,Gd,Luから選ばれる1種類以上の元素と、Al,Gaから選ばれる1種類以上の元素と、酸素元素と、を含有したものが用いられても良い。なお、蛍光体粒子材料は、1種であってもよいし、2種以上の材料で形成した粒子が混合されたものが用いられてもよい。
蛍光体層11として、他にアルミナ等の無機バインダー中に蛍光体粒子を分散させた蛍光体層、無機材料であるガラスバインダーと蛍光体粒子とを焼成することで形成された蛍光体層などが好適に用いられる。
また、蛍光体層11は、内部にペロブスカイト相11βを有する。ペロブスカイト相11βは、多結晶セラミックスであり、セラミックス粉末を焼成することで生成される。蛍光体層11を構成するペロブスカイト粒子として、例えば、Ceイオンを含んだYAP(Yttrium Aluminum Perovskite)が用いられる。
前述したペロブスカイト相11βは、他にも、Ce,Pr,Eu,Crから選ばれる少なくとも1種類以上の元素と、Y,Tb,Gd,Luから選ばれる1種類以上の元素と、Al,Gaから選ばれる1種類以上の元素と、酸素元素と、を含有したものが用いられても良い。なお、ペロブスカイト粒子材料は、1種であってもよいし、2種以上の材料で形成した粒子が混合されたものが用いられてもよい。
また、蛍光体層11は、内部に設けられた複数の気孔21を有している。これにより、蛍光体層11は、複数の気孔21により光散乱特性を有したものとなっている。複数の気孔21は、例えば、平均粒径が10μm程度の気孔からなり、気孔率は4〜6体積%程度からなる。
本実施形態の蛍光体層11により、ペロブスカイト相11βのピンニング効果での蛍光の発光効率の低下抑制や、蛍光の適度な界面散乱により、取り出し効率の低下抑制を行うことができる。
<実験結果>
図4は、上述した蛍光体層におけるペロブスカイト相の体積比と発光効率を示す図である。
発明者は、上述した蛍光体層に占めるペロブスカイト相の体積比と発光効率との関係を調べ、発光効率を向上することができる最適範囲を求める実験を行ない、図4に示す結果を得た。図4において、X軸は蛍光体層に占めるペロブスカイト相の体積比(YAP体積比)であり、Y軸は発光効率である。曲線50が体積比に対する発光効率を表している。なお、ペロブスカイト相を含まない場合の発光効率を1としている。
発光効率の測定は、最初に、蛍光体を励起するための青色光の出力を検出器で測定する。次に、蛍光体の底面に反射層を設け、底面の対向側から励起するための青色光を入射させ、青色光が蛍光に変換し、再び蛍光体の底面の対向側から射出される位置に検出器を配置し、蛍光の出力を測定した。なお、発光効率は前述した励起するための青色光の出力に占める蛍光の出力の比を持って定義する。
図4に示すように、発光効率を向上させるには、本実施形態のペロブスカイト相11βは、体積比で0.1〜43体積%であることが好ましいという結果を得ることができた。ただし、ペロブスカイト相11βが少ない場合、ペロブスカイト相11βによるピンニング効果による界面欠陥抑制、及び、蛍光の適度な界面散乱がされず、蛍光体層11の発光効率が低下する可能性があるため、特にペロブスカイト相11βは体積比で18〜43体積%であることが望ましい。また、ペロブスカイト相11βが体積比で43体積%より多い場合、蛍光体層11に占めるガーネット相11αの体積%の減少により、励起光としての青色光BLが吸収しきれずに、発光効率が低下する可能性がある。なお、ペロブスカイト相11βはランダムに配置されていても良い。
本実施形態の波長変換装置4は、例えば以下に示す製造方法により製造される。
まず、蛍光体層11を構成するセラミックス粉末及び有機物からなる混合物を所定のペロブスカイト相含有率となるように調整し、混合物を所定の温度にて焼成する。
続いて、焼成によって、有機物が蒸発し、複数の気孔21を含み、ガーネット相11αとペロブスカイト相11βからなる蛍光体層11が形成される。なお、気孔21の大きさ或いは気孔21の数量は、焼成温度や有機物の材質等で調整可能である。
続いて、蛍光体層11の両面を研削し、光射出面11Aと底面11Bとを有した蛍光体層11を形成する。
続いて、反射層12及び蛍光体層11の積層体と基材10とを固定部材13を介して固定する。最後に、基材10における蛍光体層11と反対側の面に放熱部材26を固定することで波長変換装置4が製造される。
以上説明したように、本実施形態の波長変換装置4によれば、蛍光体層11にペロブスカイト相11βが体積比で18〜43体積%含有されている。そのため、ピンニング効果により、蛍光体層11で励起光としての青色光BLから高い変換効率で蛍光YLが生成され、生成された蛍光YLがペロブスカイト相界面によって、良好に散乱され、光射出面11Aから射出される。よって、蛍光YLの取り出し効率を高くすることができる。
また、励起光としての青色光BLが蛍光YLに変換される際、励起光としての青色光は蛍光YLと熱に変換される。しかし、蛍光体層11の発光効率が向上することで、前述した蛍光YLの割合が増え、熱の割合が減るため、蛍光体層11を冷却するための放熱部材26を小型化することができ、波長変換装置4を小型化することができる。
また、蛍光体層11を励起するための光源部31のアレイ光源31Aの数量を減らすことができるため、アレイ光源31Aの発光面積(エテンデュ)が小さくなり、例えばコリメータ光学系31Bがアレイ光源31Aから射出された光を取り込む効率を向上させることができる。よって、例えば、コリメータ光学系31Bがアレイ光源31Aから射出された光の中で取り込めない光を低減できる光源装置100Aを提供することができる。
また、蛍光体層11を励起するための光源部31のアレイ光源31Aの数量を減らすことができるため、消費電力を低下させることができる。
従って、上記波長変換装置4と、波長変換装置4に向けて第1の波長帯の光(青色光BL)を射出する光源(半導体レーザー111)とを備えて構成される本実施形態の光源装置100Aによれば、入射される励起光としての青色光BLに対する蛍光YLの損失を低減した小型の光源装置を提供することができる。
また、本実施形態のプロジェクター1によれば、上記光源装置100Aと、光変調装置(液晶光変調装置400R,400G,400B)と、投写光学系600とを備えて構成され、高輝度で、小型、低消費電力のプロジェクターを提供することができる。
〔第2実施形態〕
図5は、第2実施形態に係る照明装置101の構成を示す図である。本発明の第2実施形態に係る照明装置101について説明する。本実施形態の照明装置101と第1実施形態の照明装置100との違いは、光源装置における波長変換装置として、回転ホイール型のものを用いる点である。以下の説明において、第1実施形態と同一の構成及び部材については、その詳細な説明を省略若しくは簡略化する。
<照明装置>
本実施形態の照明装置101は、図5に示すように、光源装置101A、インテグレーター光学系17、偏光変換素子18、及び重畳レンズ19を備える。光源装置101Aは、光源部31、アフォーカル光学系32、ホモジナイザー光学系33、偏光分離装置14、位相差板15、ピックアップ光学系16、及び波長変換装置40を備える。
<波長変換装置>
本実施形態の波長変換装置40は、図5に示すように、基材20と、蛍光体層11と、蛍光体層11と基材20との間に設けられた反射層12と、基材20を回転させる回転装置25と、放熱部材26とを備えている。
本実施形態において、基材20は例えば円板状の部材からなり、蛍光体層11は基材20の第1面20a上にリング状に設けられる。放熱部材26は、基材20における蛍光体層11と反対側の第2面20bにリング状に設けられている。回転装置25は、基材20を回転軸O周りに回転させる。回転装置25としては、例えばモーター等を用いることができる。
本実施形態の波長変換装置40においても、蛍光体層11の内部に、ペロブスカイト相11βを体積比で18〜43%含有するため、励起光としての青色光BLから高い変換効率で蛍光YLが生成され、生成された蛍光YLの取り出し効率を高くすることができる。
また、基材20を回転させることで、蛍光体層11に対する励起光の入射位置を時間的に変化させることができる。これにより、蛍光体層11の所定領域に励起光が集中して入射する構成に比べて、励起光の入射によって蛍光体層11に生じる熱を効率よく放熱できる。従って、熱による蛍光体層11の損傷を低減することができる。
従って、本実施形態の光源装置101Aによれば、この波長変換装置40を備えることにより、入射される励起光としての青色光BLに対する蛍光YLの損失を低減した小型の光源装置を提供することができる。
また、本実施形態のプロジェクター1によれば、上記光源装置101Aを備えることにより、高輝度で、小型、低消費電力のプロジェクターを提供することができる。
なお、本発明は上記実施形態の内容に限定されることなく、発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。変形例を以下に述べる。
上記、第1、第2実施形態において、波長変換装置4,40を構成する蛍光体層11は、励起光として入射された青色光BLを蛍光YLに変換して、反射層12で反射させて励起光の入射面(本実施形態では光射出面11Aに対応)から射出する、いわゆる反射型の波長変換装置である。しかし、反射層12を用いずに、蛍光体層の一方の面から励起光を入射させ、他方の面から蛍光を射出させる、いわゆる透過型の波長変換装置としても適用することができる。
上記、第1、第2実施形態において、本発明による光源装置100A,101Aをプロジェクターに搭載した例を示したが、これには限られない。本発明による光源装置は、照明器具や自動車のヘッドライト等にも適用することができる。
1…プロジェクター、4,40…波長変換装置、11…蛍光体層、11α…ガーネット相、11β…ペロブスカイト相、100A,101A…光源装置、111…光源としての半導体レーザー、400R,400G,400B…光変調装置としての液晶光変調装置、600…投写光学系、BL…第1の波長帯の光としての青色光、YL…第2の波長帯の光としての蛍光。

Claims (5)

  1. 第1の波長帯の光により励起されることによって前記第1の波長帯とは異なる第2の波長帯の光を生成する波長変換装置であって、
    複数の気孔を有するとともに、ガーネット相を主相とし、ペロブスカイト相を18〜43体積%含有する蛍光体層を備えていることを特徴とする波長変換装置。
  2. 請求項1に記載の波長変換装置であって、
    前記ガーネット相は、多結晶セラミックスであり、
    Ce,Pr,Eu,Crから選ばれる少なくとも1種類以上の元素と、
    Y,Tb,Gd,Luから選ばれる1種類以上の元素と、
    Al,Gaから選ばれる1種類以上の元素と、
    酸素元素と、
    を含有することを特徴とする波長変換装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の波長変換装置であって、
    前記ペロブスカイト相は、多結晶セラミックスであり、
    Ce,Pr,Eu,Crから選ばれる少なくとも1種類以上の元素と、
    Y,Tb,Gd,Luから選ばれる1種類以上の元素と、
    Al,Gaから選ばれる1種類以上の元素と、
    酸素元素と、
    を含有することを特徴とする波長変換装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の波長変換装置と、
    前記波長変換装置に向けて前記第1の波長帯の光を射出する光源と、
    を備えることを特徴とする光源装置。
  5. 請求項4に記載の光源装置と、
    前記光源装置からの光を画像情報に応じて変調することにより画像光を形成する光変調装置と、
    前記画像光を投写する投写光学系と、
    を備えることを特徴とするプロジェクター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021151933A (ja) * 2020-03-24 2021-09-30 パナソニックIpマネジメント株式会社 セラミクス複合体

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