JP2019105226A - 予混合圧縮着火式エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】予混合圧縮着火式エンジンにおいて後期重心型の熱発生パターンの燃焼を実現させることにより、燃焼騒音の低減及び異常燃焼の抑制を図る。【解決手段】予混合圧縮着火式エンジンは、気筒2及びピストン5で区画され、前記燃料と空気との混合気を自着火により燃焼させることが可能な燃焼室6と、燃焼室6内に燃料を噴射するインジェクタ14と、燃焼室6内に水を噴射する水噴射装置17と、水噴射装置17の動作を制御する水噴射制御部102とを備える。水噴射制御部102は、インジェクタ14による燃料噴射の後、前記混合気の低温酸化反応の開始以前から高温酸化反応の開始前の間のタイミングにおいて、燃焼室6のうち、当該燃焼室6の径方向Bの外周部REを除いた中央側の第1領域R1に水を噴射させる。【選択図】図7

Description

本発明は、ガソリンを含む燃料を空気と混合しつつ自着火させる予混合圧縮着火燃焼を行うエンジンに関する。
予混合圧縮着火燃焼を行うエンジンにおいては、当該エンジンが高負荷、高回転になるほど、急峻に燃焼圧が上昇し燃焼期間が過度に短期間となる過早燃焼(急激な熱発生)が生じる傾向がある。この過早燃焼が生じると、燃焼騒音が大きくなる、異常燃焼が生じるといった不具合が生じる。この不具合を防止するには、燃焼初期は比較的緩慢に、燃焼後期は比較的急速に燃焼させることによって燃焼期間を適度に延ばし、後期重心型の熱発生パターンとすることが望ましい。
燃焼初期において比較的緩慢な燃焼を実現する手法として、圧縮行程で燃焼室内に水を噴射し、混合気を冷却することが考えられる。例えば特許文献1には、膨張仕事を増大させて熱効率を高める目的ではあるが、燃焼室内に水を噴射することが開示されている。
特開2008−175078号公報
しかしながら、単に燃焼室内に水を噴射するという手法を採用するだけでは、予混合圧縮着火燃焼を行うエンジンにおいて、上述の過早燃焼を適切に抑制することはできない。すなわち、燃焼室内において水噴射を行う領域、並びに水噴射のタイミングを適正化しないと、上述の後期重心型の熱発生パターンを得ることはできない。
本発明の目的は、予混合圧縮着火式エンジンにおいて、後期重心型の熱発生パターンの燃焼を実現させることにより、燃焼騒音の低減及び異常燃焼の抑制を図ることにある。
本発明の一局面に係る予混合圧縮着火式エンジンは、少なくともガソリンを含む燃料を用いる予混合圧縮着火式エンジンであって、気筒及びピストンで区画され、前記燃料と空気との混合気を自着火により燃焼させることが可能な燃焼室と、前記燃焼室内に前記燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記燃焼室内に水を噴射する水噴射装置と、前記水噴射装置の動作を制御する水噴射制御部と、を備え、前記水噴射制御部は、前記燃料噴射弁による燃料噴射の後、前記混合気の低温酸化反応の開始以前から高温酸化反応の開始前の間のタイミングにおいて、前記燃焼室のうち、当該燃焼室の径方向の外周部を除いた中央側の第1領域に水を噴射させることを特徴とする。
予混合圧縮着火式エンジンの燃焼形式である自着火燃焼では、混合気が加温されると、まず、冷却損失を上回るわずかな発熱を伴う低温酸化反応が生じる。次に、この反応熱によって混合気がさらに温められることで、高い熱エネルギーを発する高温酸化反応が生じ、自着火に至る。つまり、自着火の前提として低温酸化反応が必要とされる。上記の予混合圧縮着火式エンジンによれば、水の噴射によって前記第1領域が冷却され、当該第1領域における混合気の低温酸化反応の開始を遅延させる、或いは低温酸化反応自体が抑制されるようになる。燃焼室の径方向の外周部は、気筒の内周壁(ライナー)にて冷却されることで本来的には温度が低い領域であるが、当該外周部には水が噴射されないため、相対的に高温になる。
このため、燃焼室の径方向の外周部だけで混合気の低温酸化反応が進行し、燃焼室において当該外周部で最初に自着火が生じるようになる。このとき、前記第1領域では燃焼が起きていないので、燃焼初期は緩慢な燃焼となる。その後、前記自着火の燃焼熱によって自着火が燃焼室の径方向内側へ連鎖的に進行してゆく。燃焼室の径方向中央領域は高温化し易いことから、やがて前記中央領域の各所において急激に自着火燃焼が発生する。つまり、燃焼後期は急速な燃焼となる。これにより後期重心型の熱発生パターンの燃焼を実現させることができる。
上記の予混合圧縮着火式エンジンにおいて、前記水噴射制御部は、エンジン負荷が所定値以上の高負荷となる運転領域において、前記第1領域へ水噴射を実行させることが望ましい。
予混合圧縮着火式エンジンでは、高負荷運転時に上述の過早燃焼が生じ易い。上記の予混合圧縮着火式エンジンによれば、高負荷運転領域において前記第1領域へ水噴射が実行されるので、高負荷運転時の過早燃焼を防止することができる。
上記の予混合圧縮着火式エンジンにおいて、前記ピストンが圧縮上死点にあるときの前記燃焼室内の温度を推定する温度推定手段をさらに備え、前記水噴射制御部は、前記温度推定手段が所定の第1温度以上の高温を推定している場合に、前記第1領域へ水噴射を実行させることが望ましい。
ピストンが圧縮上死点にあるときの燃焼室内の温度(以下、「圧縮端温度」という)が所定温度以上の高温である場合、本来的に温度が高い燃焼室の径方向の中央側領域(第1領域)において急峻な自着火燃焼が生じ易い。従って、圧縮端温度が所定の第1温度以上の高温になることが推定されている場合に、前記第1領域へ水噴射を実行させて冷却することにより、急峻な燃焼を抑制することができる。
この場合、前記水噴射制御部は、前記温度推定手段が前記第1温度に対して低温の第2温度を推定している場合に、前記燃焼室のうち、当該燃焼室の径方向の中央部を除いた外周側の第2領域に水を噴射させることが望ましい。
圧縮端温度が所定温度以下の低温である場合、上述の第1領域における急峻な自着火燃焼が生じ難くなる。このような場合、本来的に低温である燃焼室の径方向外周部を無理に自着火の開始エリアとするのではなく、本来的に高温である径方向中央部を自着火の開始エリアとすることが望ましい。上記の予混合圧縮着火式エンジンによれば、燃焼室の径方向の中央部を除いた第2領域に水噴射を実行させて冷却するので、前記径方向中央部において最初に自着火が生じる。一方、前記第2領域は冷却されているので当該領域では急峻な自着火燃焼は生じず、前記径方向中央部での前記自着火の燃焼熱によって自着火が燃焼室の径方向外側へ連鎖的に進行してゆく。このため、燃焼初期は緩慢な燃焼となる。やがて燃焼室内は高温化し、径方向外周側の各所において急激に自着火燃焼が発生する。つまり、燃焼後期は急速な燃焼となる。これにより後期重心型の熱発生パターンの燃焼を実現させることができる。
上記の予混合圧縮着火式エンジンにおいて、前記燃焼室から排気を排出するための排気通路をさらに備え、前記水噴射装置には、前記排気通路を通過する排気中の凝縮水が供給されることが望ましい。
この予混合圧縮着火式エンジンによれば、水噴射装置に供給する水を排気通路から調達することができる。従って、ユーザーが補給する形式の水タンク等を備えた水供給系統の設置を不要とすることができる。
本発明によれば、予混合圧縮着火式エンジンにおいて、後期重心型の熱発生パターンの燃焼を実現させることにより、燃焼騒音の低減及び異常燃焼の抑制を図ることができる。
図1は、本発明に係る予混合圧縮着火エンジンが適用されるエンジンシステムの構成の概略図である。 図2は、エンジン本体の気筒軸方向に沿った概略断面図である。 図3は、ピストン冠面の平面図である。 図4は、水噴射装置の概略的な断面図である。 図5は、前記予混合圧縮着火エンジンの制御構成を示すブロック図である。 図6は、エンジン負荷及び回転数と水噴射モードとの関係を説明するためのグラフである。 図7(A)は、燃焼室の第1領域に水噴射が実行されていることを示す燃焼室の平面図、図7(B)はその気筒軸方向の断面図である。 図8(A)は、燃焼室の第2領域に水噴射が実行されていることを示す燃焼室の平面図、図8(B)はその気筒軸方向の断面図である。 図9は、燃焼室の温度上昇と、燃料噴射及び水噴射のタイミングとの関係を示すタイムチャートである。 図10(A)は、第1領域に水噴射が実行された場合の火炎伝播的燃焼の態様を、図10(B)は、第2領域に水噴射が実行された場合の火炎伝播的燃焼の態様を各々示す平面図である。 図11(A)は、水噴射の実行例を示すタイムチャート、図11(B)は、前記水噴射により噴射された水の燃焼室内における状態を示す断面図である。及び(B)は、本実施形態における水噴射と火炎伝播の態様を示す図である。 図12は、本実施形態における水噴射制御例を示すフローチャートである。 図13は、比較例及び本実施形態の燃焼室における熱発生率を示すグラフである。 図14は、水噴射制御の変形例を示す模式図である。
[エンジンの全体構成]
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る予混合圧縮着火式エンジンを詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る予混合圧縮着火エンジンが適用されるエンジンシステムの概略構成図である。本実施形態のエンジンシステムは、4ストロークのエンジン本体1と、エンジン本体1に燃焼用の空気を導入するための吸気通路20と、エンジン本体1で生成された排気を排出するための排気通路30と、排気通路30を通過する排気の一部をEGRガスとして吸気通路20に還流するEGR装置40と、排気通路30を通過する排気から水を回収してエンジン本体1に水を供給する水供給装置WAとを備える。
図2は、エンジン本体1の気筒軸方向Aに沿った概略断面図である。エンジン本体1は、4つの気筒2が図1の紙面と直交する方向に直列に配置された直列4気筒エンジンである。図2では、4つの気筒2のうちの1つのみを示している。前記エンジンシステムは車両に搭載され、エンジン本体1は車両の駆動源として利用される。本実施形態では、エンジン本体1は、ガソリンを含む燃料の供給を受けて駆動される予混合圧縮着火式エンジンである。なお、燃料は、バイオエタノール等を含むガソリンであってもよい。
エンジン本体1は、シリンダブロック3、シリンダヘッド4及びピストン5を備える。シリンダブロック3は、上述の4つの気筒を形成するシリンダライナを有する。シリンダヘッド4は、シリンダブロック3の上面に取り付けられ、気筒2の上部開口を塞いでいる。ピストン5は、各気筒2に往復摺動可能に収容されており、コネクティングロッド8を介してクランク軸7と連結されている。ピストン5の往復運動に応じて、クランク軸7はその中心軸回りに回転する。
ピストン5の上方には燃焼室6が形成されている。燃焼室6は、前記燃料と空気との混合気を自着火により燃焼させることが可能な燃焼室である。シリンダヘッド4には、燃焼室6と連通する吸気ポート9及び排気ポート10が形成されている。シリンダヘッド4の底面は燃焼室天井面6Uであり、この燃焼室天井面6Uは、上向きに僅かに凸の傾斜面を有するペントルーフ型の形状を有している。燃焼室天井面6Uには、吸気ポート9の下流端である吸気側開口と、排気ポート10の上流端である排気側開口とが形成されている。シリンダヘッド4には、前記吸気側開口を開閉する吸気バルブ11と、前記排気側開口を開閉する排気バルブ12とが組み付けられている。
吸気バルブ11及び排気バルブ12は、いわゆるポペットバルブである。吸気バルブ11は、吸気ポート9の開口を開閉する傘状の弁体と、この弁体から垂直に延びるステムとを含む。同様に、排気バルブ12は、排気ポート10の開口を開閉する傘状の弁体と、この弁体から垂直に延びるステムとを含む。吸気バルブ11及び排気バルブ12の前記弁体の各々は、燃焼室6に臨むバルブ面を有する。
燃焼室6の底面は、ピストン5の冠面50によって区画されている。図3は、冠面50の平面図である。冠面50には、キャビティ5Cが凹設されている。キャビティ5Cは、上面視で略円形の形状を有し、燃焼室6の径方向Bにおいて冠面50の中央領域に、下方に凹没するように形成されている。キャビティ5Cの径方向Bの外側であって、吸気ポート9が配置されている側(吸気側)及び排気ポート10が配置されている側(排気側)には、スキッシュ生成面51が各々備えられている。これらスキッシュ生成面51は、ペントルーフ型の燃焼室天井面6Uと平行な平面からなり、両者間の間隙は径方向Bにおいて略一定である。なお、冠面50の表面は、図略の断熱層によってコーティングされている。
本実施形態のエンジン本体1は、ダブルオーバーヘッドカムシャフト式(DOHC)エンジンであり、図3中に点線で示すように、燃焼室天井面6Uに吸気ポート9及び排気ポート10が各々2個ずつ開口され、吸気バルブ11及び排気バルブ12も2つずつ設けられている。詳しくは、ペントルーフ型の燃焼室天井面6Uの稜線(冠面50の稜線部52に対向する部分)を境にして、図3の右方側に2つの吸気ポート9A、9Bが前記稜線方向に間隔をおいて配置され、左方側に2つの排気ポート10A、10Bが前記稜線方向に間隔をおいて配置されている。
冠面50においてキャビティ5Cは径方向Bの中央領域に配置され、キャビティ5Cの外周を区画する外周縁5Eは上面視で略円形である。吸気ポート9A、9B及び排気ポート10A、10Bの内側の一部と、キャビティ5Cの外周縁5E付近の一部とは、気筒軸方向Aにおいて重なっている。スキッシュ生成面51は、2つの吸気ポート9A、9Bの間において、また、2つの排気ポート10A、10Bの間において、外周縁5Eから冠面50の径方向Bの外側に向けて延出する平面である。
本実施形態において、燃焼室6を区画する燃焼室壁面は、気筒2の内壁面、ピストン5の冠面50、冠面50と対向する燃焼室天井面6U、及び、吸気バルブ11及び排気バルブ12の各バルブ面からなる。また、本実施形態のエンジン本体1の幾何学的圧縮比、つまり、ピストン5が下死点にあるときの燃焼室6の容積とピストン5が上死点にあるときの燃焼室6の容積との比は、13以上35以下(例えば20程度)の高圧縮比に設定されている。
シリンダヘッド4(燃焼室天井面6U)には、燃焼室6内に燃料を噴射するインジェクタ14(燃料噴射弁)が、各気筒2につき1つずつ取り付けられている。インジェクタ14には図略の燃料供給管が接続され、インジェクタ14は、前記燃料供給管を通して供給された燃料を燃焼室6に噴射する。インジェクタ14の下端には、燃料の噴射口を有するヘッド部14Aが備えられている。本実施形態ではインジェクタ14は、気筒軸方向Aに沿い、ヘッド部14Aが径方向Bの中心位置において燃焼室6内に突出するように、シリンダヘッド4に組み付けられている。ヘッド部14Aは、燃焼室6の径方向Bの中心領域、つまりピストン5のキャビティ5Cに向けて燃料を噴射する。
インジェクタ14としては、外開式のインジェクタを用いることができる。外開式のインジェクタに限らず、VCO(Valve Covered Orifice)ノズルタイプのインジェクタ、先端部に複数の噴孔が設けられかつ所定の噴霧角で燃料を噴射するマルチホールタイプのインジェクタ、或いはホロ−コーン状に燃料を噴射するスワールインジェクタを用いてもよい。
シリンダヘッド4には、吸気バルブ11、排気バルブ12を各々駆動する吸気側動弁機構15、排気側動弁機構16が配設されている(図1)。これら動弁機構15、16によりクランク軸7の回転に連動して、各吸気バルブ11及び排気バルブ12が駆動される。これら吸気バルブ11及び排気バルブ12の駆動により、吸気バルブ11の弁体が吸気ポート9の開口を開閉し、排気バルブ12の弁体が排気ポート10の開口を開閉する。
さらに、シリンダヘッド4には、燃焼室6内に水を噴射する水噴射装置17が設けられている。水噴射装置17は、インジェクタ14に隣接し、燃焼室天井面6Uの径方向Bの中心から冠面50の稜線部52の方向に僅かにシフトした位置において、シリンダヘッド4に取り付けられている(図3参照。図1及び図2の断面では、インジェクタ14の裏面側に水噴射装置17が重なっている)。水噴射装置17は、水の噴射孔が形成された水噴射ヘッド17Aを備え、この水噴射ヘッド17Aが燃焼室天井面6Uに露出するように配置されている。水噴射装置17としては、インジェクタ14と同様な外開式のインジェクタを用いることができる。
図4は、外開式のインジェクタからなる水噴射装置17の概略断面図である。水噴射装置17(水噴射ヘッド17A)は、先端にノズル孔171が形成された燃料管172と、ノズル孔171を開閉するべく燃料管172の内側に配設された外開き弁173とを備える。外開き弁173は、印加された電圧に応じて変形するピエゾ素子174に接続されている。外開き弁173は、ピエゾ素子174に電圧が印加されていない状態においてはノズル孔171の内周壁に当接して当該ノズル孔171を閉弁し、ピエゾ素子174が電圧の印加に伴って変形することで、ノズル孔171から先端側に突き出して当該ノズル孔171を開弁する。
外開き弁173がノズル孔171と当接する部分は、先端側ほど径が大きくなるテーパ状を有している。これにより、ノズル孔171からは、当該ノズル孔171の中心軸を軸心として、水がコーン状乃至はホローコーン状に噴射される。外開き弁173のリフト量(リフト量は、外開き弁173の閉弁位置からの突出量でありノズル孔171の開口量である)は、ピエゾ素子174への電圧の印加期間および電圧の大きさに応じて変化する。そして、外開き弁173のリフト量に応じて、ノズル孔171から噴射される水の粒径が変化し、さらに、径方向Bへの噴霧の広がりが変化する。
具体的には、外開き弁173のリフト量が大きくされると、噴霧の粒径が大きくなってペネトレーションが強くなる。これに伴い、コアンダ効果によってノズル孔171から噴射されるホローコーン状の噴霧の内側に形成される負圧が高くなり、この負圧に噴霧が引き寄せられることで当該噴霧の広がりは小さく抑えられる。一方、外開き弁173のリフト量が小さくされると、噴霧の粒径が小さくなってペネトレーションが弱められ、ホローコーン状の噴霧の内側に形成される負圧が低くなり、噴霧の広がりが大きくなる。
図1に戻って、吸気通路20には、吸気流の上流側から順に、吸気を清浄化するエアクリーナ21と、吸気通路20を開閉するためのスロットルバルブ22とが設けられている。本実施形態では、エンジンの運転中、スロットルバルブ22は基本的に全開もしくはこれに近い開度に維持される。エンジンの停止時等の限られた運転条件のときにのみ、スロットルバルブ22が閉弁されて吸気通路20を遮断する。
燃焼室6から排気を排出するための排気通路30には、排気を浄化する浄化装置31が設けられている。浄化装置31は、例えば、三元触媒を内蔵している。
水供給装置WAは、コンデンサ32、水供給配管33、水タンク34及び水ポンプ35を含む。コンデンサ32は、浄化装置31よりも下流側において排気通路30に取り付けられ、排気通路30を通過する排気中の水(水蒸気)を凝縮して水を回収する。水供給配管33は、コンデンサ32と水噴射装置17とを接続する配管である。コンデンサ32で回収された凝縮水は、水供給配管33を介して水噴射装置17に供給される。水タンク34及び水ポンプ35は、水供給配管33に配置されている。水タンク34は、コンデンサ32で生成された凝縮水を貯留する。水ポンプ35は、水タンク34内の水を水噴射装置17に向けて圧送する。すなわち、水噴射装置17には、排気通路30を通過する排気中の凝縮水が供給される。つまり、水噴射装置17に供給する水を排気通路30から調達することができる。従って、本実施形態によれば、ユーザーが補給する形式の水タンク等を備えた水供給系統の設置を不要とすることができる。
EGR装置40は、吸気通路20のうちスロットルバルブ22よりも下流側の部分と、排気通路30のうち浄化装置31よりも上流側の部分とを連通するEGR通路41を有する。さらにEGR装置40は、EGR通路41を開閉するEGRバルブ42と、EGR通路41を通過するEGRガスを冷却するためのEGRクーラ43とを備える。EGR通路41を通して還流されるEGRガスは、EGRクーラ43にて冷却された後に吸気通路20に向かう。
[制御構成]
図5は、前記エンジンシステムの制御構成を示すブロック図である。本実施形態のエンジンシステムは、PCM(パワートレイン・コントロール・モジュール)100によって統括的に制御される。PCM100は、CPU、ROM、RAM等から構成されるマイクロプロセッサである。
前記エンジンシステムが搭載される車両には各種センサが設けられており、PCM100はこれらセンサと電気的に接続されている。例えば、シリンダブロック3には、エンジン回転数を検出するクランク角センサSN1が設けられている。また、吸気通路20を通って各気筒2に吸入される空気量を検出するエアフローセンサSN2が設けられている。さらに、車両には、運転者により操作される図外のアクセルペダルの開度(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサSN3が設けられている。
PCM100は、これらセンサSN1〜SN3及び他のセンサからの入力信号に基づいて種々の演算を実行して、上述のインジェクタ14、水噴射装置17、スロットルバルブ22、EGRバルブ42及び水ポンプ35を含むエンジンの各部を制御する。
PCM100は、機能的に燃料噴射制御部101、水噴射制御部102及び温度推定部103(温度推定手段)を備えている。燃料噴射制御部101は、インジェクタ14による燃料噴射動作を制御する。例えば燃料噴射制御部101は、クランク角センサSN1により検出されるエンジン回転速度と、アクセル開度センサSN3の検出値(アクセル開度)から特定されるエンジン負荷(要求トルク)と、エアフローセンサSN2により検出される吸気流量とに基づいて、インジェクタ14のヘッド部14Aからの燃料の噴射量及び噴射タイミングを決定し、その決定に従ってインジェクタ14を制御する。
水噴射制御部102は、水噴射装置17による水噴射動作を制御する。例えば水噴射制御部102は、上記のエンジン負荷及び回転速度、次述の圧縮端温度の推定値等に基づいて、水噴射装置17の水噴射ヘッド17Aからの水の噴射量(外開き弁173のリフト量)及び噴射タイミングを決定し、その決定に従って水噴射装置17を制御する。水噴射制御部102は、エンジン負荷、或いは燃焼室6内の圧縮端温度などに応じて、水噴射装置17による水噴射モードを切り換える、若しくは水噴射を停止させる制御を行う。この制御については、後記で詳述する。
温度推定部103は、ピストン5が圧縮上死点(TDC)にあるときの燃焼室6内の温度(圧縮端温度)を推定する処理を行う。温度推定部103は、車両の運転時において各種センサから与えられる計測値や各機器の制御値などに基づいて、具体的には、エンジン負荷、外気温、エンジン本体1の冷却水温度、インジェクタ14からの燃料噴射量、吸気バルブ11の閉タイミング、EGR量などに基づいて、圧縮端温度を推定する。
[運転制御及び水噴射モード]
続いて、PCM100による運転制御の具体例を示す。本実施形態のエンジンでは、燃料としてガソリンを用いた場合に一般的に採用される火花点火燃焼(混合気を火花点火により強制着火させる燃焼)ではなく、燃料と空気との混合気をピストン5による圧縮に伴い自着火させる予混合圧縮着火燃焼が実行される。
燃料噴射制御部101は、吸気行程又は圧縮行程中にインジェクタ14から燃料を燃焼室6内に噴射させる。噴射された燃料は、燃焼室6に導入された空気(吸気)と混合された後に、例えば圧縮上死点の近傍で自着火する。このような予混合圧縮着火燃焼を達成するため、本実施形態のエンジン本体1の幾何学的圧縮比は、上述の通り13以上35以下の高圧縮比に設定することが望ましい。なお、本実施形態のエンジンでは基本的に点火プラグは不要であるが、後述の第2、第3運転領域E2、E3において混合気の着火アシストを行うために、点火プラグ用いるようにしても良い。
図6は、エンジン負荷及び回転数と水噴射モードとの関係を説明するためのグラフである。ここでは、エンジン負荷が中〜低負荷領域を第1運転領域E1、高負荷領域であって全開領域よりはエンジン負荷が小さい領域を第2運転領域E2、全開ラインに近い全開領域を第3運転領域E3として表示している。本実施形態では、エンジン負荷が所定値以上の高負荷となる第2、第3運転領域E2、E3においては、水噴射制御部102が水噴射装置17に水噴射を実行させ、中低負荷となる第3運転領域E3においては前記水噴射を実行させない例を示す。水噴射制御部102は、インジェクタ14による燃料噴射の後、燃焼室6内における混合気の低温酸化反応の開始以前から高温酸化反応の開始前の間のタイミングにおいて、前記水噴射を実行させる。
さらに、水噴射制御部102は、第2運転領域E2と第3運転領域E3とで、水噴射モードを変更する。具体的には、過早燃焼が最も生じ易い第3運転領域E3(エンジン負荷が所定値以上の高負荷となる運転領域)では、水噴射制御部102は、燃焼室6の径方向中央側の第1領域R1(図7(A))に水を噴射させる。一方、第2運転領域E2では、水噴射制御部102は、燃焼室6の径方向外周側の第2領域R2(図8(A))に水を噴射させる。
現状の運転状態が第1〜第3運転領域E1〜E3のいずれに属するかの判定は、温度推定部103が導出する燃焼室6の圧縮端温度の推定値に依存することができる。一般に圧縮端温度は、外気温や冷却水温度などの環境要因に影響を受けるものの、高負荷となるほど上昇する傾向がある。そこで、予め圧縮端温度とエンジン負荷との関係をテーブル化してPCM100に記憶させておくことで、第1〜第3運転領域E1〜E3の判定を行わせることが可能となる。
そして、温度推定部103が第3運転領域E3に属する圧縮端温度(所定の第1温度以上の高温)を推定している場合には、水噴射制御部102は、上記第1領域R1へ水噴射を行うよう水噴射装置17を制御する(以下、「第1水噴射モード」という)。また、温度推定部が第3運転領域E3よりも低温の第2運転領域E2に属する圧縮端温度(第1温度に対して低温の第2温度)を推定している場合には、水噴射制御部102は、上記第2領域R2へ水噴射を行うよう水噴射装置17を制御する(以下、「第2水噴射モード」という)。さらに、温度推定部が第1運転領域E1に属する圧縮端温度を推定している場合には、水噴射制御部102は水噴射装置17に水噴射を実施させない(不実施モード)。なお、圧縮端温度には依存せず、単純にエンジン負荷だけに依存して、上記第1、第2水噴射モードの選択を行わせるようにしても良い。
図7(A)は、第1水噴射モードによる水噴射が実行されていることを示す燃焼室6の平面図、図7(B)はその気筒軸方向Aの断面図である。第1水噴射モードでは、第1領域R1へ水噴射Wが実行される。第1領域R1は、燃焼室6のうち、当該燃焼室6の径方向Bの外周部REを除いた中央側の領域である。外周部REは、冠面50のキャビティ5Cの外周縁5Eよりもさらに径方向Bの外側に位置する環状領域であり、気筒2のライナーに隣接する領域である。第1領域R1は、環状の外周部REの内側に位置する平面視で円形の領域である。
当該水噴射Wが実行されることで、水の気化潜熱及び比熱の増加によって第1領域R1は冷却される。他方、外周部REは冷却されないことになる。水噴射制御部102は、第1水噴射モードを実行させる際、図7(B)に示すように、水噴射ヘッド17Aから外周部REを除いた領域にコーン状の水噴射が行われるよう、水噴射装置17の外開き弁173のリフト量を制御する。
図8(A)は、第2水噴射モードによる水噴射が実行されていることを示す燃焼室6の平面図、図8(B)はその気筒軸方向Aの断面図である。第2水噴射モードでは、第2領域R2へ水噴射Wが実行される。第2領域R2は、燃焼室6のうち、当該燃焼室6の径方向Bの中央部RCを除いた外周側の領域である。中央部RCは、キャビティ5Cの外周縁5Eよりもさらに径方向Bの内側に外周縁を有する円形の領域であり、燃焼室6の径方向Bの中心付近の領域である。第2領域R2は、中央部RCの外側に位置する平面視で環状の領域である。
当該水噴射Wが実行されることで、水の気化潜熱及び比熱の増加によって第2領域R2は冷却される。他方、中央部RCは冷却されないことになる。水噴射制御部102は、第2水噴射モードを実行させる際、図8(B)に示すように、水噴射ヘッド17Aから中央部RCを除いた領域にホローコーン状の水噴射が行われるよう、水噴射装置17の外開き弁173のリフト量を制御する。
図9は、燃焼室6の温度変化と、燃焼室6への燃料噴射及び水噴射のタイミングとの関係を示すタイムチャートである。図9の上段のグラフは、予混合圧縮着火式エンジンの燃焼形式である自着火燃焼における燃焼室6の温度上昇量とクランク角CAとの関係を示している。自着火燃焼では、燃焼室6内において混合気が加温されると、まず、冷却損失を上回るわずかな発熱を伴う低温酸化反応が生じる。すなわち、低温酸化反応は、前記わずかな発熱を伴う混合気の酸化反応である。次に、この反応熱によって混合気がさらに温められることで、高い熱エネルギーを発する高温酸化反応が生じ、自着火に至る。
図9の上段のグラフにおいて、クランク角CA1から僅かに燃焼室6内の温度が上昇し、その後、TDCよりもやや進角のクランク角CA2において急激に温度が上昇している。クランク角CA1は混合気の低温酸化反応の始まるタイミングであり、クランク角CA1〜CA2の期間が低温酸化反応の生じている期間である。クランク角CA2以降は、高温酸化反応が生じる期間である。
インジェクタ14による燃焼室6内への燃料噴射Fのタイミングは、当然ながらクランク角CA1よりも早いタイミングとなる。燃料噴射制御部101は、圧縮行程におけるクランク角CA1よりも適宜進角したタイミング、若しくは吸気行程においてインジェクタ14から燃料噴射Fを実行させる。
水噴射装置17による燃焼室6内への水噴射Wは、低温酸化反応の開始以前から高温酸化反応の開始前の間の適宜なタイミングに実行される。すなわち、クランク角CA1と同時若しくはクランク角CA1よりも進角のクランク角から、クランク角CA2に至る前のクランク角の間に水噴射Wが実行される。これは、水噴射Wが、混合気の低温酸化反応の開始を遅延させる、或いは低温酸化反応自体を抑制することを目的としていることによる。図9では、クランク角CA1〜CA2の期間に水噴射Wが実行されている例を示している。低温酸化反応は、燃焼室6内において最も温度が高い領域で最初に発生し、その領域において高温酸化反応(自着火)が生じる。しかし、水噴射Wを企図する領域に行うことで、当該領域の低温酸化反応を規制する一方で残領域については低温酸化反応を規制せず、ひいては自着火を最初に生じさせる領域をコントロールすることができる。このコントロールの具体的態様が、上述の第1、第2水噴射モードである。
[各水噴射モードにおける燃焼の態様]
第1水噴射モードでは、図7(A)、(B)に示した通り、第1領域R1に水噴射Wが実行され、外周部REには水噴射Wが行われない。このため、第1領域R1は冷却され、低温酸化反応が規制される。燃焼室6の外周部REに相当する領域は、気筒2の内周壁(ライナー)にて冷却されることで本来的には温度が低い領域である。しかし、外周部REだけには水が噴射されないことから、他の領域(第1領域R1)に対して外周部REは相対的に高温になり、低温酸化反応が進行する。従って、この外周部REに存在する混合気に、最初に着火が生じる。つまり、外周部REの領域が、予混合圧縮着火燃焼における着火源となる。
図10(A)は、第1水噴射モードで水噴射が実行された場合の燃焼の態様を示す模式図である。上述の通り、第1水噴射モードでは燃焼室6の径方向Bの最も外側の領域である外周部REの領域が、最初に自着火の生じる周辺自着火ゾーン6Aとなる。そして、周辺自着火ゾーン6Aに隣接する径方向Bの内側の領域が、火炎伝播的燃焼ゾーン6Bとなる。火炎伝播的燃焼ゾーン6Bは、第1領域R1の径方向Bの外側に相当する領域である。当該領域は水噴射Wで冷却されていることから一気に自着火が発生することはなく、自着火が連鎖的に発生する。
図10(A)では、火炎伝播的燃焼ゾーン6Bにおいて発生する連鎖的な自着火Hを模式的に示すと共に、その連鎖の進行方向を矢印aにて示している。周辺自着火ゾーン6Aの各所で自着火が生じると、これらの着火点において発生する熱によって、その周囲の混合気に自着火Hが生じる。そして、これら自着火Hの発生熱によってさらに周囲の混合気に自着火Hが生じるというように、連鎖的に自着火Hが進展する火炎伝播的な燃焼が生じる。火炎伝播的燃焼ゾーン6Bでは、このような自着火Hの連鎖が、矢印aで示すように径方向Bの内側に向かうように発生する。
ある程度火炎伝播的な燃焼が矢印a方向に進行すると、当該燃焼による高温化によって、残存する混合気が一気に自着火する圧縮着火燃焼が生じる。図10(A)では、このように一気に自着火する領域を、火炎伝播的燃焼ゾーン6Bの内側に圧縮着火ゾーン6Cとして図示している。圧縮着火ゾーン6Cは、燃焼室6の径方向中央領域である。
以上の通り第1水噴射モードが実行された場合、燃焼室6の外周部REだけで混合気の低温酸化反応が進行し、燃焼室6において当該外周部REで最初に自着火が生じるようになる(周辺自着火ゾーン6A)。このとき、第1領域R1では水噴射Wによって低温酸化反応が規制される結果として燃焼は起きないので、燃焼初期は緩慢な燃焼となる。その後、周辺自着火ゾーン6Aでの自着火の燃焼熱によって、第1領域R1の外周領域(火炎伝播的燃焼ゾーン6B)において自着火Hが燃焼室6の内側方向へ連鎖的に進行してゆく。燃焼室6の径方向Bの中央領域(第1領域R1の内側領域;圧縮着火ゾーン6C)は高温化し易く且つ火炎伝播的燃焼の熱を受けることから、やがて前記中央領域の各所において急激に自着火燃焼が発生する。つまり、燃焼後期は急速な燃焼となる。これにより、圧縮端温度が最も高温化する第3運転領域E3(図6)において、後期重心型の熱発生パターンの燃焼を実現させることができる。
次に、第2水噴射モードでは、図8(A)、(B)に示した通り、第2領域R2に水噴射Wが実行され、中央部RCには水噴射Wが行われない。このため、第2領域R2は冷却され、低温酸化反応が規制される。燃焼室6の中央部RCに相当する領域は、ライナーからは遠いことから本来的に温度が高い領域である。このような中央部RCだけに水が噴射されないことから、他の領域(第2領域R2)に対して当該中央部RCは相対的に高温になり、低温酸化反応が進行する。従って、この中央部RCに存在する混合気に、最初に着火が生じる。つまり、中央部RCの領域が、予混合圧縮着火燃焼における着火源となる。
第2水噴射モードが実行される第2運転領域E2は、圧縮端温度が第3運転領域E3よりも低温化する。圧縮端温度が所定温度以下の低温である場合、第3運転領域E3において問題となる第1領域R1における急峻な自着火燃焼が生じ難くなる。このような場合、本来的に低温である外周部REを無理に自着火の開始エリアとするのではなく、本来的に高温である中央部RCを自着火の開始エリアとすることが望ましい。第2水噴射モードは、このような考えに沿ったものである。
図10(B)は、第2水噴射モードで水噴射が実行された場合の燃焼の態様を示す模式図である。上述の通り第2水噴射モードでは、燃焼室6の径方向Bの最も内側の領域である中央部RCの領域が、最初に自着火の生じる中央自着火ゾーン6Dとなる。そして、中央自着火ゾーン6Dに隣接する径方向Bの外側の領域が、火炎伝播的燃焼ゾーン6Eとなる。火炎伝播的燃焼ゾーン6Eは、環状の第2領域R2の径方向Bの内側に相当する領域である。当該領域は水噴射Wで冷却されていることから一気に自着火が発生することはなく、自着火が連鎖的に発生する。
図10(B)では、火炎伝播的燃焼ゾーン6Eにおいて発生する連鎖的な自着火Hを模式的に示すと共に、その連鎖の進行方向を矢印bにて示している。中央自着火ゾーン6Dの各所で自着火が生じると、これらの着火点において発生する熱によって、その周囲の混合気に自着火Hが生じ、これがさらに周囲の混合気に自着火Hを生じさせるという火炎伝播的な燃焼が生じる。火炎伝播的燃焼ゾーン6Eでは、このような自着火Hの連鎖が、矢印bで示すように径方向Bの外側に向かうように発生する。
ある程度火炎伝播的な燃焼が矢印b方向に進行すると、当該燃焼による高温化によって、残存する混合気が一気に自着火する圧縮着火燃焼が生じる。図10(B)では、このように一気に自着火する領域を、火炎伝播的燃焼ゾーン6Eの外側に圧縮着火ゾーン6Fとして図示している。圧縮着火ゾーン6Fは、燃焼室6の径方向Bの外周領域である。
以上の通り第2水噴射モードが実行された場合、燃焼室6の中央部RCだけで混合気の低温酸化反応が進行し、燃焼室6において当該中央部RCで最初に自着火が生じるようになる(中央自着火ゾーン6D)。一方、第2領域R2は水噴射Wによって低温酸化反応が規制される結果として急峻な自着火燃焼は生じず、中央自着火ゾーン6Dでの前記自着火の燃焼熱によって自着火が燃焼室6の径方向Bの外側へ連鎖的に進行してゆく(火炎伝播的燃焼ゾーン6E)。このため、燃焼初期は緩慢な燃焼となる。やがて燃焼室6内は高温化し、径方向Bの外周側領域(圧縮着火ゾーン6F)の各所において急激に自着火燃焼が発生する。つまり、燃焼後期は急速な燃焼となる。これにより、圧縮端温度が第3運転領域E3ほどではないものの、比較的高温化する第2運転領域E2において、後期重心型の熱発生パターンの燃焼を実現させることができる。
既述の通り、第1運転領域E1では水噴射Wは実行されない。これは、圧縮端温度がさほど高温化せず、過早燃焼の問題が顕在化しないためである。この第1運転領域E1では、例えば燃焼室6へ還流するEGRガス(不活性ガス)量のコントロールによって、燃焼初期を緩慢な燃焼とすることができる。すなわち、PCM100は、第1運転領域E1においてはEGRバルブ42の開度をコントロールしてEGRガスを適量だけ燃焼室6へ還流し、燃焼初期において急峻な燃焼が生じないようにする。
EGRガスの還流による燃焼の緩慢化には限界がある。EGRガスを燃焼室6へ還流する分だけ新気が不足することになるので、吸気を過給する過給機が必要となる。過給機を動作させると、機械抵抗が増加する一方で、燃焼室6の筒内圧が上昇することになる。筒内圧の上昇は、燃焼室6内の燃焼を促進する効果を伴ってしまう。従って、筒内圧の上昇に伴い、燃焼室6へ還流するEGRガス量も増加させねばならなくなる。このことが、さらなる吸気の過給を求めるというように、際限が無くなってしまう。それゆえ、中低負荷領域では対応可能であるとしても、高負荷領域(第2、第3運転領域E2、E3)において、EGRガス還流によって燃焼の緩慢化を図ることは困難である。しかし、本実施形態に係る水噴射Wを実行することによって、上述の問題を解消することができる。
[好ましい水噴射の態様]
本実施形態において、水噴射Wは、先に図9に基づき説明した通り、インジェクタ14による燃料噴射の後、燃焼室6内における混合気の低温酸化反応の開始以前(クランク角CA1の時点又はそれより前の時点)から高温酸化反応の開始前(クランク角CA2よりも前)の間の任意のタイミングにおいて実行されれば良い。また、水噴射Wは、一回の噴射で所定量の全量を噴射しても良いし、複数回に分割して噴射しても良い。
図11(A)は、分割方式の水噴射の実行例を示すタイムチャート、図11(B)は、前記水噴射により噴射された水の燃焼室6内における状態を示す断面図である。ここで挙げる例は、第1水噴射モードにおいて好適な例であって、水噴射が3回の分割水噴射W1、W2、W3にて実行される例を示している。水噴射W1が最も進角側で実行され、水噴射量も最も多い。水噴射W2、W3は水噴射W1よりも順次遅角側で実行され、水噴射量も順次少なく設定されている(W1>W2>W3)。
すなわち、水噴射W1において外開き弁173が最もリフトアップされ、水の噴霧角及び噴霧量が多く設定される。これにより、図11(B)に示すように、水噴射W1による噴霧は、ピストン5のキャビティ5C及びその外周の上空をカバーする状態となる。水噴射W1の噴霧がカバーする領域は、図7(A)、(B)に示す第1領域R1に相当する領域である。
続く水噴射W2では、外開き弁173のリフトアップ量が水噴射W1よりも小さく設定される。このため、図中に点線で示すように、ピストン5が水噴射W1よりもやや上方に移動した時点で実行される水噴射W2による噴霧は、水噴射W1よりも小さい規模となり、水噴射W1の噴霧の中央部分に重畳される状態となる。水噴射W1の噴霧がカバーする領域は、例えば、キャビティ5Cのサイズよりもやや小さい領域である。ラストの水噴射W3では、外開き弁173のリフトアップ量が水噴射W2よりもさらに小さく設定される。このため、水噴射W3による噴霧は、水噴射W2よりもさらに小さい規模となり、水噴射W1、W2の噴霧の中央部分にさらに重畳される状態となる。
以上3つの水噴射W1〜W3の噴霧が重畳されることで、燃焼室6の径方向Bの中央部に向かう程リッチとなる噴霧水層を、燃焼室6内に形成することができる。つまり、最も高温化し易い燃焼室6の径方向中央領域を、より高度に冷却することができる。従って、最も低温酸化反応が進行し易い燃焼室6の径方向中央領域において、低温酸化反応を効果的に規制することができる。
[動作フロー]
続いて、PCM100による水噴射の制御例を、図12に示すフローチャートに基づいて説明する。ここでは、温度推定部103が求める圧縮端温度の推定値に基づいて、水噴射制御部102が水噴射モードを設定する例を示す。PCM100は、処理を開始すると、所定のサンプリングタイミングにおいて、車両が備える各種センサの信号を読み込む(ステップS1)。温度推定部103は、ステップS1で得られた各種パラメータ(エンジン負荷、外気温、冷却水温度、燃料噴射量など)に基づいて、圧縮端温度を推定する演算を行う(ステップS2)。
次いで、水噴射制御部102が、温度推定部103が導出した圧縮端温度が所定の第1温度以上であるか否かを判定する(ステップS3)。前記第1温度は、例えば、図6に示す第3運転領域E3に属する運転が行われている場合の圧縮端温度である。前記第1温度以上である場合(ステップS3でYES)、水噴射制御部102は、図7(A)、(B)に示す第1領域R1へ水噴射を行う第1水噴射モードを選択する。そして、例えば図9に示すクランク角CA1〜CA2の間の適宜なタイミングにおいて、水噴射制御部102は水噴射装置17に、第1水噴射モードでの水噴射Wを実行させる(ステップS4)。
一方、圧縮端温度が前記第1温度未満である場合(ステップS3でNO)、水噴射制御部102は、圧縮端温度が前記第1温度よりも低温の第2温度以上であるか否かを判定する(ステップS5)。前記第2温度は、例えば図6に示す第2運転領域E2に属する運転が行われている場合の圧縮端温度である。前記第2温度以上である場合(ステップS5でYES)、水噴射制御部102は、図8(A)、(B)に示す第2領域R2へ水噴射を行う第2水噴射モードを選択する。そして、例えば図9に示すクランク角CA1〜CA2の間の適宜なタイミングにおいて、水噴射制御部102は水噴射装置17に、第2水噴射モードでの水噴射Wを実行させる(ステップS6)。
ステップS5において、圧縮端温度が前記第2温度未満である場合(ステップS5でNO)、水噴射制御部102は、水噴射を実行しない不実施モードを選択する(ステップS7)。このときの圧縮端温度は、例えば第1運転領域E1に属する運転が行われている場合の圧縮端温度に相当する。この場合、燃焼室6へのEGRガスの還流だけで、燃焼の緩慢化が図られることになる。
図13は、比較例及び本実施形態の燃焼室6における熱発生率を示すグラフである。図13において、符号Lで示すラインは、燃焼騒音が顕著になる、及び異常燃焼の発生が顕著となる限界ラインLである。つまり、熱発生率dQ/dθが限界ラインLを超過すると、燃焼騒音、異常燃焼が許容レベルを越えることになる。
まず、図13中の熱発生率曲線dQ1は、予混合圧縮着火式エンジンの高負荷高回転時において、水噴射Wを実行しない場合に生じる過早燃焼を示している。この場合、燃焼室6の全域で、一気に自着火が発生する。このような過早燃焼では、急峻に熱発生率(燃焼圧)が上昇し燃焼期間が過度に短期間となる。熱発生率曲線dQ1におけるdQ/dθのピーク値は、限界ラインLを大きく越えている。
これに対し、熱発生率曲線dQ2は、本実施形態の第1水噴射モードによる水噴射Wが実行された場合の燃焼態様に対応するものである。クランク角CA11において外周部REで混合気に自着火が生じ(図10(A)の周辺自着火ゾーン6A)、その後、自着火が連鎖的に生じる火炎伝播的燃焼が燃焼室6の径方向内側に向けて進展する(火炎伝播的燃焼ゾーン6B)。このような燃焼経緯を経るため、燃焼初期では急激な熱発生率dQ/dθの上昇が生じず、限界ラインLを超過しない。
そして、火炎伝播的燃焼がある程度進展したクランク角CA12において、燃焼室6の径方向中央領域に残存する混合気が、周囲で発生している火炎伝播的燃焼にて高温化されることに伴い、一気に自着火燃焼する(圧縮着火ゾーン6C)。ここで、先の火炎伝播的燃焼で燃料の多くは消費されているので、圧縮着火ゾーン6Cで燃焼する燃料量は多くない。従って、圧縮着火ゾーン6Cでの燃焼においても、dQ/dθのピーク値は限界ラインLを超過することはない。しかも、一気に自着火するので、燃焼終点がそれほど遅角化しない。このように、熱発生率曲線dQ2では、後期重心型の燃焼特性になると共に、dQ/dθのピーク値が限界ラインLを超過しないし、燃焼期間も長期化しない。従って、本実施形態によれば、燃焼騒音及び異常燃焼を抑制し、さらには熱効率を良好とすることができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採ることができる。
(1)上記実施形態で説明した第1、第2水噴射モードにおいて、水噴射Wを一定の水量にて行っても良いが、各種の条件に応じて水噴射Wの水量を変更するようにしても良い。図14は、水噴射制御の変形例を示す模式図である。ここでは、エンジントルクに応じて、第1、第2水噴射モード及び水噴射Wの不実施モードが選択される例を示している。すなわち、エンジントルクが所定のTQ1以下である場合には不実施モードが、TQ1〜TQ2の間では第2水噴射モードでの水噴射W11が、TQ2〜TQ3の間では第1水噴射モードでの水噴射W12が、それぞれ選択される(TQ1<TQ2<TQ3)。
第2水噴射モードの水噴射W11における水噴射量は、エンジントルクがTQ1からTQ2へ増加するに連れて増加している。また、第1水噴射モードに切り替わるTQ2からTQ3へエンジントルクが増加するに連れて、第1水噴射モードの水噴射W12における水噴射量が増加している。一般に、エンジントルクが上昇すると、圧縮端温度も上昇する。従って、エンジントルクが上昇するに従って水噴射量を増加させることにより、適切に低温酸化反応を抑制することができる。
(2)上記実施形態では、ピストン5の冠面50にキャビティ5Cが備えられている燃焼室6を例示した。これに代えて、キャビティ5Cを備えないピストン5を用いるようにしても良い。
(3)上記実施形態では、排気通路30を通過する排気中の凝縮水を利用する水供給装置WAを例示した。水供給装置WAは、ユーザーが水を補給することが可能なタンクと、このタンクの水を水噴射装置17へ送り出すポンプとを備えた装置としても良い。
1 エンジン本体
2 気筒
5 ピストン
6 燃焼室
6A 第1領域
6B 第2領域
14 インジェクタ(燃料噴射弁)
17 水噴射装置
30 排気通路
101 燃料噴射制御部
102 水噴射制御部
103 温度推定部103(温度推定手段)
R1 第1領域
R2 第2領域
RC 中央部
RE 外周部

本発明の一局面に係る予混合圧縮着火式エンジンは、少なくともガソリンを含む燃料を用いる予混合圧縮着火式エンジンであって、気筒及びピストンで区画され、前記燃料と空気との混合気を自着火により燃焼させることが可能な燃焼室と、前記燃焼室内に前記燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記燃焼室内に水を噴射する水噴射装置と、前記水噴射装置の動作を制御する水噴射制御部と、を備え、前記燃焼室の壁面の一部は前記ピストンの冠面で形成され、前記燃焼室の径方向において前記冠面の中央領域にはキャビティが凹設されており、前記水噴射制御部は、エンジン負荷が所定値以上の高負荷となる運転領域であるときには、前記燃料噴射弁による燃料噴射の後、圧縮行程における前記混合気の低温酸化反応の開始時から高温酸化反応の開始前の間のタイミングにおいて、前記燃焼室のうち、当該燃焼室の径方向において前記キャビティの外周縁よりもさらに外側に位置する環状領域からなる外周部で最初に自着火が生じるように、当該外周部を除いた中央側の第1領域に水を噴射させ、エンジン負荷が前記所定値を下回る中低負荷となる運転領域であるときには、前記水の噴射を実行させないことを特徴とする。

Claims (5)

  1. 少なくともガソリンを含む燃料を用いる予混合圧縮着火式エンジンであって、
    気筒及びピストンで区画され、前記燃料と空気との混合気を自着火により燃焼させることが可能な燃焼室と、
    前記燃焼室内に前記燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記燃焼室内に水を噴射する水噴射装置と、
    前記水噴射装置の動作を制御する水噴射制御部と、を備え、
    前記水噴射制御部は、
    前記燃料噴射弁による燃料噴射の後、前記混合気の低温酸化反応の開始以前から高温酸化反応の開始前の間のタイミングにおいて、
    前記燃焼室のうち、当該燃焼室の径方向の外周部を除いた中央側の第1領域に水を噴射させることを特徴とする予混合圧縮着火式エンジン。
  2. 請求項1に記載の予混合圧縮着火式エンジンにおいて、
    前記水噴射制御部は、エンジン負荷が所定値以上の高負荷となる運転領域において、前記第1領域へ水噴射を実行させる、予混合圧縮着火式エンジン。
  3. 請求項1に記載の予混合圧縮着火式エンジンにおいて、
    前記ピストンが圧縮上死点にあるときの前記燃焼室内の温度を推定する温度推定手段をさらに備え、
    前記水噴射制御部は、前記温度推定手段が所定の第1温度以上の高温を推定している場合に、前記第1領域へ水噴射を実行させる、予混合圧縮着火式エンジン。
  4. 請求項3に記載の予混合圧縮着火式エンジンにおいて、
    前記水噴射制御部は、前記温度推定手段が前記第1温度に対して低温の第2温度を推定している場合に、前記燃焼室のうち、当該燃焼室の径方向の中央部を除いた外周側の第2領域に水を噴射させる、予混合圧縮着火式エンジン。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の予混合圧縮着火式エンジンにおいて、
    前記燃焼室から排気を排出するための排気通路をさらに備え、
    前記水噴射装置には、前記排気通路を通過する排気中の凝縮水が供給される、予混合圧縮着火式エンジン。
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