JP2019101443A - 画像後処理方法、画像後処理装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、トナー像の定着性に影響を与えることなく、トナー像の光沢度の調整をすることができる画像後処理方法、画像後処理装置及び画像形成装置を提供することである。【解決手段】本発明の画像後処理方法は、定着トナー像の光沢度を調整するための画像後処理方法であって、記録媒体上に定着された、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて形成されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる光沢度制御工程を有するものである。【選択図】図4

Description

本発明は、画像後処理方法、画像後処理装置及び画像形成装置に関する。より詳細には、本発明は、トナー像の定着性に影響を与えることなく、トナー像の光沢度を調整することができる画像後処理方法、画像後処理装置及び画像形成装置に関する。
近年、画像が形成される記録媒体の種類は多様化しており、例えば上質紙とコート紙とでは表面形状が異なるため、光沢(光沢度)が異なる。また、記録媒体上にトナー像を形成した場合、画像が形成されている部分(画像部)の光沢と、画像が形成されていない記録媒体の地肌部分(非画像部)の光沢との差が大きいと、ユーザーが違和感を覚えることがある。
そこで、トナー像の光沢度を制御するため、画像に光沢を付与する場合と、画像に光沢を付与しない場合との選択を、画像の定着温度を変更することにより切り替えるようにした定着装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、定着温度で光沢度を制御しようとする場合、トナー像の光沢を低下させる際に、トナー像に与える熱量が不十分となり、記録媒体へのトナー像の定着強度が不足するという問題があった。
特開2007−72022号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、トナー像の定着性に影響を与えることなく、トナー像の光沢度を調整することができる画像後処理方法、画像後処理装置及び画像形成装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、記録媒体上に定着された、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて形成されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる光沢度制御工程を有する画像後処理方法によって、トナー像を所望の光沢度にすることができることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
1.定着トナー像の光沢度を調整するための画像後処理方法であって、
記録媒体上に定着された、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて形成されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる光沢度制御工程を有することを特徴とする画像後処理方法。
2.前記光沢度制御工程では、ユーザーにより指定された光沢度情報に基づいて、前記光沢度制御光の光量を調整することを特徴とする第1項に記載の画像後処理方法。
3.前記光沢度制御光の光量の調整は、照射する前記光沢度制御光の光量に対するトナ
ー像の光沢度の変化についての関係情報に基づいて行うことを特徴とする第2項に記載の画像後処理方法。
4.前記光沢度制御工程では、ユーザーにより指定された前記トナー像の位置情報に基づいて、前記光沢度制御光の照射位置を設定することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の画像後処理方法。
5.前記光沢度制御工程では、前記記録媒体上の複数部分に定着された前記トナー像に対して、前記光沢度制御光を照射することを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の画像後処理方法。
6.前記光沢度制御光が、280nm以上850nm以下の波長域内に最大発光波長を有する光であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の画像後処理方法。
7.前記光沢度制御光が、280nm以上500nm以下の波長域内に最大発光波長を有する光であることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の画像後処理方法。
8.前記化合物として、着色剤を用いることを特徴とする第1項から第7項までのいずれか一項に記載の画像後処理方法。
9.前記化合物として、紫外線吸収剤を用いることを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の画像後処理方法。
10.前記光沢度制御工程の前に、前記記録媒体上に定着されたトナー像の光沢度を検出する工程を有することを特徴とする第1項から第9項までのいずれか一項に記載の画像後処理方法。
11.記録媒体上に定着された、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて形成されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる光沢度制御部を備えることを特徴とする画像後処理装置。
12.光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて現像部において形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する転写部及び定着する定着部と、
前記記録媒体上に定着されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる光沢度制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
13.光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて現像部において形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する転写部及び定着する定着部、を備える画像形成装置に、
第11項に記載の画像後処理装置が連結されていることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、トナー像の定着性に影響を与えることなく、トナー像の光沢度を調整することができる画像後処理方法、画像後処理装置及び画像形成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構は以下のとおりである。
ある化合物に、当該化合物の吸収する波長域内の光を照射した場合、当該化合物は基底状態から励起状態に遷移し、無輻射失活により再び基底状態に戻る際に、吸収した光エネルギーと同等の熱エネルギーを放出する。このような化合物(例えば、着色剤、紫外線吸収剤等)を含有したトナーに、その化合物が吸収する波長域内の光を照射すると、放出する熱エネルギーにより化合物周囲の樹脂を軟化・溶解するという効果が得られる。
本発明者らは、定着されたトナー像に光照射することで、トナーを再軟化・再溶融し、トナー像の表面状態を変化させることで光沢度を制御することができることを見いだした。
具体的には、例えば、トナーが軟化するものの再溶融はしない程度の光量の光を照射すると、定着されたトナーが弾性回復し、画像表面の凹凸が増加するため、光照射前に対して光沢度を低下させることができる。
一方で、それよりも高い光量の光を照射すると、トナーが再溶融し、画像全体が滑らかになり、光照射前に対して光沢度を上昇させることができる。
このように、トナー像に照射する光によって、光沢度を低下又は上昇させ、トナー像の光沢度を制御することができる。
また、本発明の画像後処理方法では、特許文献1のように画像の定着温度を変更することで光沢度を制御しているわけではなく、単に所定の光沢度制御光を照射することで、トナー像の光沢度を制御することができる。
よって、本発明の画像後処理方法では、トナー像の定着性に影響を与えることなく、トナー像の光沢度の制御をすることができる。
光沢度制御光の照射前のトナー像表面を示す観察図 低光量の光沢度制御光の照射後のトナー像表面を示す観察図 高光量の光沢度制御光の照射後のトナー像表面を示す観察図 定着部、光沢度検出部及び光沢度制御部を示す模式図 光沢度制御光の光量(J/cm)に対するトナー像の光沢度(%)の変化について示すグラフ 本発明の画像形成装置の一例としての概略構成を示す模式図 記録媒体上に定着させたトナー像A及びトナー像Bを示す説明図
本発明の画像後処理方法は、定着トナー像の光沢度を調整するための画像後処理方法であって、記録媒体上に定着された、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて形成されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる光沢度制御工程を有することを特徴とする。この特徴は、下記実施態様に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記光沢度制御工程では、ユーザーにより指定された光沢度情報に基づいて、前記光沢度制御光の光量を調整することが好ましい。これにより、ユーザーに指定された光沢度になる光量で、光沢度制御光をトナー像に照射することができる。
本発明の実施態様としては、前記光沢度制御光の光量の調整は、照射する前記光沢度制御光の光量に対するトナー像の光沢度の変化についての関係情報に基づいて行うことが好ましい。これにより、ユーザーに指定された光沢度となる光量を、より高精度に調整する
ことができる。
本発明の実施態様としては、前記光沢度制御工程では、ユーザーにより指定された前記トナー像の位置情報に基づいて、前記光沢度制御光の照射位置を設定することが好ましい。これにより、トナー像のうち、特定の位置の部分のみの光沢度を低下又は上昇させることができる。
本発明の実施態様としては、前記光沢度制御工程では、前記記録媒体上の複数部分に定着された前記トナー像に対して、前記光沢度制御光を照射することが好ましい。これにより、記録媒体上の離れた位置に定着されている複数のトナー像について、それぞれ光沢度を低下又は上昇させることができる。
本発明の実施態様としては、前記光沢度制御光が、280nm以上850nm以下の波長域内に最大発光波長を有する光であることが好ましい。トナー像の光沢度を低下又は上昇させるためには、効率的にトナーを再溶融する必要がある。そこで、トナー中に含有させた励起エネルギーの大きい280nm以上850nm以下の波長域内にある光を吸収する化合物(例えば、着色剤、紫外線吸収剤等)に対して、当該化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有する光を照射することで、トナー像の光沢度の制御をしやすくなる。
本発明の実施態様としては、前記光沢度制御光が、280nm以上500nm以下の波長域内に最大発光波長を有する光であることが好ましい。最大発光波長が当該波長域内にある場合には、光沢度制御光により光沢度を変更するための十分なエネルギーが得られるため、トナーに用いる着色剤の種類によって光源を変える必要がなく、画像後処理を行う装置の省スペース化することができる。
本発明の実施態様としては、本発明の効果を有効に得る観点から、前記化合物として、着色剤を用いることが好ましい。
本発明の実施態様としては、本発明の効果を有効に得る観点から、前記化合物として、紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
本発明の実施態様としては、前記光沢度制御工程の前に、前記記録媒体上に定着されたトナー像の光沢度を検出する工程を有することが好ましい。これにより、より正確に光沢度の調整をすることができるようになる。
本発明の画像後処理装置は、記録媒体上に定着された、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて形成されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる光沢度制御部を備えることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて現像部において形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する転写部及び定着する定着部と、前記記録媒体上に定着されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる光沢度制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明の他の画像形成装置は、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて現像部において形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する転写部及び定着する定着部、を備え
る画像形成装置に、上記像後処理装置が連結されていることを特徴とする。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
[画像後処理方法]
本発明の画像後処理方法は、定着トナー像の光沢度を調整するための画像後処理方法であって、記録媒体上に定着された、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて形成されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる光沢度制御工程を有するものである。
本発明に係るトナー像を記録媒体上に定着する工程は、例えば、公知の電子写真画像形成方法である帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程を経て、記録媒体上に転写されたトナー像に対して行う。
以下、これらの工程及びこれらの工程の後に行われるクリーニング工程について説明した後、本発明に係る光沢度制御工程について説明する。
<帯電工程>
本工程では、電子写真感光体を帯電させる。帯電させる方法は、特に限定されず、例えば、接触又は非接触のローラー帯電方式を利用することができる。
<露光工程>
本工程では、電子写真感光体(静電潜像担持体)上に静電潜像を形成する。
電子写真感光体としては、特に限定されるものではないが、例えば、公知の有機感光体よりなるドラム状のものが挙げられる。
静電潜像の形成は、後述するように、電子写真感光体の表面を帯電手段により一様に帯電させ、露光手段により電子写真感光体の表面を像様に露光することにより行われる。
露光手段としては、特に限定されず、例えば、感光体の軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの又はレーザー光学系などが用いられる。
<現像工程>
現像工程は、静電潜像をトナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する工程である。
トナー像の形成は、トナーを含む乾式現像剤を用いて、例えば、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ及び当該現像スリーブと感光体との間に直流及び/又は交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置を用いて行うことができる。より具体的には、トナーとキャリアとが混合撹拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラーの表面に保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラーは、電子写真感光体近傍に配置されているため、マグネットローラーの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって電子写真感光体の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて電子写真感光体の表面にトナー像が形成される。
<転写工程>
本工程では、トナー像を記録媒体上に転写する。
トナー像の記録媒体上への転写は、トナー像を記録媒体に剥離帯電することにより行われる。
転写手段としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ
ーなどを用いることができる。
また、転写工程は、例えば、中間転写体(中間転写体)を用い、中間転写体上にトナー像を1次転写した後、このトナー像を記録媒体上に2次転写する態様の他、電子写真感光体上に形成されたトナー像を直接記録媒体上に転写する態様などによって行うこともできる。
記録媒体としては、特に限定されず、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙又はコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができる。
<定着工程>
本工程では、記録媒体上に転写されたトナー像を、記録媒体に定着する。具体的には、例えば、定着ローラーと、当該定着ローラーに定着ニップ部が形成されるよう圧接された状態で設けられた加圧ローラーとにより構成されてなるローラー定着方式のものが挙げられる。
この際、定着ローラーを加熱手段として用いてもよい。光照射により溶融したトナー像が加熱により更に軟化され、記録媒体への定着性をより向上させることができる。定着ローラーの温度としては、30〜100℃の範囲内であることが好ましく、40〜100℃の範囲内であることが好ましい。
<クリーニング工程>
また、上記の工程の後に、電子写真感光体上の残留トナーを除去するクリーニング工程が行われる。
本工程では、現像ローラー、感光体、中間転写体などの現像剤担持体上に、画像形成に使用されなかった又は転写されずに残った液体現像剤を現像剤担持体上から除去する。
クリーニングの方法は、特に限定されないが、先端が感光体に当接して設けられた、感光体表面を擦過するブレードが用いられる方法であることが好ましく、例えば、クリーニングブレードと、このクリーニングブレードより上流側に設けられたブラシローラーとにより構成されるものを用いることができる。
<光沢度制御工程>
また、本発明に係る上記定着工程では、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて形成されたトナー像を記録媒体上に定着する。そして、光沢度制御工程は、記録媒体上に定着されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる。
具体的には、光沢度制御工程において、例えば、トナーが軟化するものの再溶融はしない程度の光量の光沢度制御光を照射すると、定着されたトナーが弾性回復し、画像表面の凹凸が増加するため、光照射前に対して光沢が低下する。一方で、それよりも高い光量の光沢度制御光を照射すると、トナーが再溶融し、画像全体が滑らかになり、光照射前に対して光沢度が上昇する。
図1〜3に、レーザー顕微鏡によって、記録媒体上に形成されたトナー像を観察した際の画像を示す。
図1は、光沢度制御光を照射する前の、記録媒体上に定着されたトナー像表面の状態を示している。
図2は、図1に示すトナー像に対し、トナーが軟化するものの再溶融はしない程度の低光量の光沢度制御光を照射した際のトナー像表面の状態を示している。図2に示すように、定着されたトナーが弾性回復し、画像表面の凹凸が増加するため、光照射前に対して光沢度が低下する。
また、図3は、図1に示すトナー像に対し、高光量の光沢度制御光を照射した際のトナー像表面の状態を示している。図3に示すように、高い光量の光照射により、トナーが再溶融し、画像全体が滑らかになり、光照射前に対して光沢度が上昇する。
光沢度制御工程は、例えば、図4に示すような光照射部101と、制御部102とを備えた光沢度制御部100によって行われる。
光照射部101は、トナー像121が定着された記録媒体120が、搬送ベルト110によって光沢度制御部100まで移動したときに、当該トナー像121に対して光沢度制御光101Lを照射する。
制御部102は、光照射部101が照射する光の光量等の照射条件や、光の照射位置等の位置条件を光照射部101に指示し、光照射部101に光沢度制御光101Lを照射させる。
光沢度制御光は、280nm以上850nm以下の波長域内に最大発光波長を有する光であることが好ましい。トナー像の光沢度を低下又は上昇させるためには、効率的にトナーを再溶融する必要がある。そこで、トナー中に含有させた励起エネルギーの大きい280nm以上850nm以下の波長域内にある光を吸収する化合物(例えば、着色剤、紫外線吸収剤等)に対して、当該化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有する光を照射することで、トナー像の光沢度の制御をしやすくなる。
また、効率的にトナーを再溶融することで、トナーの光沢度を調整しやすくする観点からは、トナー中に含有させた光を吸収する化合物の最大吸収波長と、光沢度制御光の発光波長とを一致させることが好ましい。
また、光沢度制御光は、少なくともトナー像の光沢度を低下させることができる光であればよい。すなわち、光沢度を低下させることのみできる光でもよく、光沢度の低下及び上昇の両方を行うことができる光でもよい。ここで、光沢度を制御できる範囲を広げる観点から、光沢度を低下及び上昇の両方を行うことができる光であることが好ましい。
図5に、記録媒体に定着されたあるトナー像に対して、ある光沢度制御光を照射した際の、光沢度制御光の光量(J/cm)に対するトナー像の光沢度(%)の変化について関係を表したグラフを示す。なお、図5に示したグラフは、実測値ではなく、典型例を模式的に示したものであり、横軸及び縦軸の数値は説明の便宜上記載している。
光沢度制御工程では、ユーザーにより指定された光沢度情報に基づいて、前記光沢度制御光の光量を調整することが好ましい。これにより、ユーザーに指定された光沢度になる光量で、光沢度制御光をトナー像に照射することができる。
本発明でいう「ユーザーにより指定された光沢度情報」とは、ユーザーがトナー像の光沢度をどのように調整をしたいのかを指定した情報のことをいい、例えば、光沢度の具体的な数値でもよく、現時点の光沢度よりもどれくらいの光沢度を低下又は上昇させるかを選択したものでもよく、単に現時点の光沢度から低下させるのか又は上昇させるのかを選択したものでもよい。
ここで、光沢度情報は、例えば、後処理装置で光沢を制御する際や、画像形成装置で印刷する際に、ユーザーが入力画面等によって入力することによって設定できる。そして、制御部102が、当該光沢度情報に基づいて、光沢度制御光の光量を決定し、トナー像に対して当該波長と光量で光照射部101に光沢度制御光を照射させることで、トナー像の光沢度を変化させることができる。
光沢度制御光の光量の調整は、照射する光沢度制御光の光量(J/cm)に対するトナー像の光沢度(%)の変化についての関係情報に基づいて行うことが好ましい。これにより、ユーザーに指定された光沢度となる光量を、より高精度に調整することができる。
光沢度制御光の光量(J/cm)に対するトナー像の光沢度(%)の変化についての関係情報は、例えば、図5に示したような、記録媒体に定着されたあるトナー像に対して、所定の光沢度制御光を照射した際の、光沢度制御光の光量(J/cm)に対するトナー像の光沢度(%)の変化について示したグラフである。
図5に示したグラフは、例えば、記録媒体に定着されたトナー像(ベタ画像)に対し、所定の最大発光波長(例えば、365nm)及び任意の光量で光沢度制御光を照射し、照射した光量に対する光沢度をプロットすることで作成することができる。光沢度は、例えば、光沢度測定器(コニカミノルタ社製、MULTI GROSS 268 Plus)を用いて、光沢度制御光の照射後のトナー像の画像中心点及び画像中心から長軸方向に上下それぞれ50mmごとに2点ずつ、計5点について入射角60°の光沢度(%)を測定し、計5点の平均値を光沢度(%)として算出することができる。
また、より正確に光沢度の調整をするためには、光沢度制御工程の前に、記録媒体上に定着されたトナー像の光沢度を検出する工程を有することが好ましい。ここで、定着されたトナー像に関して、あらかじめ図5に示したような、所定の光沢度制御光を照射した際の、光量(J/cm)に対するトナー像の光沢度(%)の変化を求めておくことによって、ユーザーが光沢度(%)の数値を指定したときには、それに対応する光量を照射すると、ユーザーに指定された光沢度となるように光沢度制御光を照射することができる。
また、指定された光沢度に変化させる際に、その光沢度にするための照射光量が2つ以上ある場合がある。例えば、図5に示した例で、光沢度を20(%)に低下させるためには、約4.0J/cmの光を照射してもよいし、約6.5J/cmの光を照射してもよい。この場合は、例えば、光の照射効率の観点からは、より弱い光量の光(約4.0J/cmの光)を照射することが好ましい。
また、光沢度制御工程では、ユーザーにより指定されたトナー像の位置情報に基づいて、光沢度制御光の照射位置を設定することができる。
本発明の画像後処理方法では、光沢度制御光を照射した箇所のみ光沢度を低下又は上昇させることができるので、ユーザーにより指定された位置の箇所のみを光沢度制御光を照射することで、トナー像のうち、特定の位置の部分のみの光沢度を低下又は上昇させることができる。
本発明でいう「ユーザーにより指定されたトナー像の位置情報」とは、記録媒体上に定着されたトナー像のうち、ユーザーが光沢度を低下又は上昇させることを指定したトナー像の位置のことをいう。ここで、光沢度を低下又は上昇させたいトナー像の位置情報は、位置を選択できればどのような方法で選択できるようにしてもよいが、例えば、ユーザーが入力画面等によって予め指定してもよく、定着後のトナー像をディスプレイに表示させて、ユーザーがディスプレイに表示されたトナー像を確認しながら位置を指定できるようにしてもよい。そして、制御部102が、当該位置情報に基づいて、光照射部101に光沢度制御光を照射させることで、トナー像のうち、ユーザーが指定した特定の位置の部分のみの光沢度を低下又は上昇させることができる。
また、指定された位置に光照射を行うことで、指定された位置の定着トナー像の光沢度を調整できるので、本発明の画像後処理方法を行うことができる画像後処理装置や、画像形成装置は、マーキング装置としても使用することができる。
(光源)
光照射部に用いることができる光源の例としては、発光ダイオード(LED)、レーザー光源等が挙げられ、当該光源は1つ又は2つ以上設置してもよい。
光沢度制御光の最大発光波長は、280nm以上850nm以下の波長域内にあることが好ましい。最大発光波長が280nmより短いと、化合物の結合の開裂により色再現性
が悪くなりやすく、850nmより長いと、十分なエネルギーが得にくくなり、光沢度を変化させるための十分なエネルギーを与えにくくなる。
また、光沢度制御光の最大発光波長は、280nm以上500nm以下の波長域内にあることが好ましい。最大発光波長が当該波長域内にある場合には、光沢度制御光により光沢度を変更するための十分なエネルギーが得られるため、トナーに用いる着色剤の種類によって光源を変える必要がなく、画像後処理を行う装置の省スペース化することができる。
(光量)
光沢度制御光の照射光量は、トナーに含有される光を吸収する化合物の含有量により本発明の効果が得られる範囲で制御すればよく、0.01〜100J/cmの範囲内で制御することが好ましく、0.01〜50J/cmの範囲内で制御することがより好ましい。
[画像形成装置]
本発明の画像形成装置は、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて現像部において形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する転写部及び定着する定着部と、前記記録媒体上に定着されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる光沢度制御部と、を備えるものである。
以下、図面を用いて、本発明に適用可能な画像形成装置の一例について説明する。
図6に示す画像形成装置1は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるものであり、4組の画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状の中間転写体ユニット7と、給紙搬送部21と、定着部24とを備えて構成されている。装置本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
なお、図6では、4組の画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)10Y、10M、10C、10Bkを備えた画像形成装置を示しているが、画像形成ユニット10Bkのみであってもよいし、4組の画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)10Y、10M、10C、10Bkのうち、少なくとも二組の画像形成ユニットを備えたものであってもよい。
画像形成ユニット10Yは、イエロー色の画像を形成するものである。画像形成ユニット10Yは、ドラム状の電子写真感光体1Yの周囲に帯電部2Yと露光部3Yと現像部4Yとクリーニング部6Yとが配置されて構成され、1次転写ローラー5Yを更に有する。
画像形成ユニット10Mは、マゼンタ色の画像を形成するものである。画像形成ユニット10Mは、ドラム状の電子写真感光体1Mの周囲に帯電部2Mと露光部3Mと現像部4Mとクリーニング部6Mとが配置されて構成され、1次転写ローラー5Mを更に有する。
画像形成ユニット10Cは、シアン色の画像を形成するものである。画像形成ユニット10Cは、ドラム状の電子写真感光体1Cの周囲に帯電部2Cと露光部3Cと現像部4Cとクリーニング部6Cとが配置されて構成され、1次転写ローラー5Cを更に有する。
画像形成ユニット10Bkは、黒色画像を形成するものである。画像形成ユニット10Bkは、ドラム状の電子写真感光体1Bkの周囲に帯電部2Bkと露光部3Bkと現像部4Bkとクリーニング部6Bkとが配置されて構成され、1次転写ローラー5Bkを更に有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、電子写真感光体1Y、1M、1C、1Bkに形成されるトナー像の色が異なることを除いては同様に構成されている。そのため、以下では、画像形成ユニット10Yを例に挙げて説明する。
本実施形態では、画像形成ユニット10Yにおいて、少なくとも、電子写真感光体1Yと帯電部2Yと現像部4Yとクリーニング部6Yとが一体化されている。
帯電部2Yは、電子写真感光体1Yに対して一様な電位を与えて電子写真感光体1Yの表面(例えば、電子写真感光体の保護層の表面)を帯電(例えば、負に帯電)させる。帯電部2Yは、非接触帯電方式によって電子写真感光体1Yの表面を帯電させてもよいが、後述するように接触帯電方式によって電子写真感光体1Yの表面を帯電させることが好ましい。
露光部3Yは、帯電部2Yにより一様な電位が与えられた電子写真感光体1Yの表面(例えば、電子写真感光体の保護層の表面)に対して、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、これにより、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する。露光部3Yとしては、電子写真感光体1Yの軸方向に発光素子がアレイ状に配列されて構成されたLEDと結像素子(商品名:セルフォック(登録商標)レンズ)とを備えたもの、又は、レーザー光学系などを用いることができる。
現像部4Yは、露光部3Yにより形成された静電潜像を静電潜像現像剤により現像してトナー像を形成する。用いる静電潜像現像剤は特に限定されないが、乾式現像剤であることが好ましい。
本実施形態の画像形成装置では、電子写真感光体1Yと帯電部2Yと露光部3Yと現像部4Yとクリーニング部6Yなどがプロセスカートリッジとして一体化されて構成され、このプロセスカートリッジが装置本体Aに対して着脱可能に装着されてもよい。また、帯電部2Y、露光部3Y、現像部4Y、転写又は分離器、及び、クリーニング部6Yのうちの少なくとも一つが電子写真感光体1Yとともに一体に支持されてプロセスカートリッジが構成され、そのプロセスカートリッジが装置本体Aに対して着脱可能な単一画像形成ユニットに構成され、その単一画像形成ユニットが装置本体Aのレールなどの案内手段を用いて装置本体Aに対して着脱可能に装着されてもよい。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkと無端ベルト状の中間転写体ユニット7とを有する筐体8は、支持レール82L、82Rにより、装置本体Aから引き出し可能に構成されている。筐体8では、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。無端ベルト状の中間転写体ユニット7は、図6において電子写真感光体1Y、1M、1C、1Bkの左側方に配置されており、ローラー71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状の中間転写体70と、1次転写ローラー5Y、5M、5C、5Bkと、クリーニング部6bとを有する。
定着部24は、記録媒体P上に形成されたトナー像を加圧する加圧部を備えている。
加圧部は、定着ローラー92と加圧ローラー93とから構成され、トナー像が保持された記録媒体Pが供給されると、定着ローラー92と加圧ローラー93とでトナー像を記録媒体P上に圧着する。
また、定着ローラー92は、記録媒体Pが定着ローラー92と加圧ローラー93との間を通過する際に、記録媒体P上のトナー像を加熱することができる。光照射によって軟化したトナー像は、この加熱により更に軟化され、その結果、トナー像の記録媒体Pへの定着性がより向上する。加熱する場合の定着ローラー92の温度は、30〜100℃の範囲内が好ましく、40〜100℃の範囲内がより好ましい。
光沢度制御部100は、図4に示したように、光照射部101と、制御部102とを備える。
光照射部101は、トナー像121が定着された記録媒体が、搬送ベルト110によって光沢度制御部100まで移動したときに、当該トナー像121に対して光沢度制御光101Lを照射し、当該トナー像121の光沢度を低下又は上昇させる。
制御部102は、光照射部101が照射する光の光量等の照射条件や、光の照射位置等の位置条件を光照射部に指示し、光照射部101に光沢度制御光101Lを照射させる。
また、定着部24と光沢度制御部100との間に、光沢度を検出する光沢度検出部200を備えることが好ましい。これにより、光沢度制御光照射前のトナー像の光沢度を測定できるため、ユーザーが当該測定した光沢度の数値を確認した上で、光沢度制御部100において、検出した光沢度よりも低くするのか、又は高くするのかを選択することができる。
また、光沢度制御部100の後に、光沢度検出部200を備えることも好ましい。これにより、光沢度制御部100で実施した光沢度制御光の照射により、所望の光沢度に調整できたかを確認をすることができる。また、当該光沢度検出部200での測定の後に、再度光沢度制御部100によって光沢度制御光を照射することができる構成としてもよい。
以下では、図6に示す画像形成装置を用いた画像形成方法について示す。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkにより形成された各色の画像は、1次転写ローラー5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状の中間転写体70上に逐次転写される。これにより、合成されたカラー画像が形成される。
給紙カセット20に収容された記録媒体Pは、給紙搬送部21により給紙され、複数の中間ローラー22A、22B、22C、22Dとレジストローラー23とを経て、2次転写ローラー5bに搬送される。2次転写ローラー5bでは、合成されたカラー画像が記録媒体Pに2次転写され、よって、カラー画像が記録媒体Pに一括に転写される。合成されたカラー画像が記録媒体Pに2次転写されると、無端ベルト状の中間転写体70はその記録媒体Pを曲率分離する。
記録媒体Pは、定着部24において、定着ローラー92及び加圧ローラー93でトナー像が記録媒体P上に定着される。
トナー像が定着された記録媒体Pは、光沢度制御部100において、光沢度制御光が照射され、当該トナー像の光沢度が低下又は上昇される。
画像後処理された記録媒体Pは、排紙ローラー25に挟持されて機外の排紙トレイ26に載置される。一方、中間転写体70に付着した静電潜像現像剤(残留トナー)はクリーニング部6bにより除去される。
なお、画像形成中、1次転写ローラー5Bkは、常時、電子写真感光体1Bkの表面に当接している。一方、1次転写ローラー5Y、5M、5Cは、カラー画像形成時にのみ、対応する電子写真感光体1Y、1M、1Cの表面に当接する。また、2次転写ローラー5bは、2次転写ローラー5bを記録媒体Pが通過して2次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状の中間転写体70の表面に当接する。
[画像後処理装置及び当該画像後処理装置が連結されている画像形成装置]
本発明の画像後処理装置は、記録媒体上に定着された、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて形成されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長
を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる光沢度制御部を備えるものである。
すなわち、本発明の画像後処理装置は、上記の画像形成装置で説明した、光沢度制御部100(図4参照)を備える画像後処理装置である。この画像後処理装置は、例えば、電子写真画像形成装置に取り外し可能な装置とすることが好ましい。したがって、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて現像部において形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する転写部及び定着する定着部、を備える画像形成装置に、上述した本発明の画像後処理装置が連結されている画像形成装置についても本発明の範囲内である。
[トナー(静電荷像現像用トナー)]
本発明の画像後処理方法では、光を吸収する化合物を含有するトナー(静電荷像現像用トナー)を用いる。
また、本発明に係るトナーは、トナー母体粒子又はトナー粒子の集合体であることが好ましい。
ここで、トナー粒子とは、トナー母体粒子に外添剤を添加したものであり、トナー母体粒子をそのままトナー粒子として用いることもできる。
<光を吸収する化合物>
トナーに含有する、光を吸収する化合物は、280nm以上850nm以下の波長域内の光を吸収する化合物であることが好ましい。
本発明でいう「280nm以上850nm以下の波長域内の光を吸収する化合物」とは、溶媒(DMF、THF、クロロホルム等)に対して0.01質量%の濃度で溶解させ、分光光度計で吸光度を測定した場合に、280nm以上850nm以下の波長域内における任意の波長の吸光度が0.01以上である化合物のことをいう。
本発明で用いるトナー中に含有する280nm以上850nm以下の波長域内の光を吸収する化合物としては、ブラック、イエロー、マゼンタ又はシアン等の着色剤や、紫外線吸収剤を用いることが好ましい。また、本発明で使用されるトナーには、280nm以上850nm以下の波長域内の光を吸収する化合物を1種類含有していてもよく、2種類以上を含有してもよい。
<着色剤>
本発明に係るトナー粒子は、上述した光を吸収する化合物として、着色剤を含有することが好ましい。着色剤としては、一般に知られている染料及び顔料を用いることができる。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラックなどが挙げられる。
カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられる。また、磁性体としてはフェライト、マグネタイトなどが挙げられる。
イエローのトナーを得るための着色剤としては、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162などの染料、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185などの顔料が挙げられる。
マゼンタのトナーを得るための着色剤としては、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122などの染料、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222などの顔料が挙げられる。
シアンのトナーを得るための着色剤としては、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95などの染料、C.I.ピグメントブルー1、同7、同15、同15:3、同60、同62、同66、同76などの顔料が挙げられる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有率は、トナー粒子の総質量(100質量%)に対し、1〜30質量%の範囲内であることが好ましく、2〜20質量%の範囲内であることがより好ましい。含有率が1質量%以上であれば、十分な着色力を得ることができ、30質量%以下であれば、着色剤がトナーから遊離してキャリアに付着することがなく、帯電性が安定するため、高画質な画像が得られる。
<紫外線吸収剤>
本発明に係るトナー粒子は、上述した光を吸収する化合物として、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
本発明でいう紫外線吸収剤とは、180〜400nmの波長領域に吸収波長を持ち、少なくとも0℃以上の環境下では励起状態から異性化や結合開裂等の構造変化を伴わずに、無輻射失活により失活する添加剤のことを指し、当該条件を満たせば有機化合物と無機化合物のいずれでもよく、また、一般的な有機系紫外線吸収剤以外にも光安定剤や酸化防止剤等の添加剤も本発明における紫外線吸収剤を指す。
また、有機系紫外線吸収剤の骨格を有する官能基が高分子鎖に取り込まれた紫外線吸収ポリマーも使用可能である。
紫外線吸収剤は180〜400nmに最大吸収波長を持つことが好ましく、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤では有機系紫外線吸収剤の方が好ましい。
本発明で使用可能な有機系紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ジフェニルアクリレート系紫外線吸収剤、安息香酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、ジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、β,β−ジフェニルアクリラート系紫外線吸収剤、ベンジリデンショウノウ系紫外線吸収剤、フェニルベンゾイミダゾール系紫外線吸収剤、アントラニル系紫外線吸収剤、イミダゾリン系紫外線吸収剤、ベンザルマロナート系紫外線吸収剤、4,4−ジアリールブタジエン系紫外線吸収剤等の公知のものが挙げられる。その中でも、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物よりなる紫外線吸収剤)としては、例えば、オクタベンゾン、2,4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系化合物よりなる紫外線吸収剤)としては、例えば、2−(2H−ベンゾトリアゾ―ル−2−イル)−p−クレゾ―ル、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール
−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、メチル−3−〔3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート/ポリエチレングリコール(分子量約300)の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル〜1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルプチル)フェノールなどが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤(トリアジン系化合物よりなる紫外線吸収剤)としては、例えば、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニル、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕フェノール、2−〔4−〔(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ〕−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−〔(2−ヒドロキシ−3−(2′−エチル)ヘキシル)オキシ〕−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−〔1−オクチルオキシカルボニルオトキシ〕フェニル)−4,6−ビス(4−フェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤(シアノアクリレート系化合物よりなる紫外線吸収剤)としては、例えば、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2′−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
ジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤(ジベンゾイルメタン系化合物よりなる紫外線吸収剤)としては、4−tert−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタン(例えば、「パルソール1789」、DSM社製)などが挙げられる。
無機系紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム等が挙げられる。無機系紫外線吸収剤の粒径は、1nm〜1μmの範囲内であることが好ましい。
紫外線吸収剤の含有率は、トナー粒子の全質量(100質量%)に対して、0.1〜50質量%の範囲内である。含有率が0.1質量%より小さいと、十分な発熱量(エネルギー)を得ることができず、50質量%より大きいと、定着画像が脆くなってしまう。
紫外線吸収剤の含有率は、0.5〜35質量%の範囲内であることが好ましい。含有率が0.5質量%以上であれば、得られる熱エネルギーがより大きくなるため定着性がより向上し、35質量%以下であれば、樹脂比率が大きくなるため定着画像が強靭になり定着性がより向上する。
また、本発明のトナー粒子は、結着樹脂、離型剤及び荷電制御剤等を含有し、外添剤を添加したものであることが好ましい。以下、これらについて説明する。
<結着樹脂>
結着樹脂は、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含有するものであることが好ましい。
本発明に係るトナー粒子は、結着樹脂を含有することで、トナーが適切な粘度となり、紙に塗布した際のにじみが抑制されるため、細線再現性やドット再現性が向上する。
結着樹脂としては、一般にトナー粒子を構成する結着樹脂として用いられている樹脂を制限なく用いることができる。具体的には、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これら結着樹脂は、単独でも、又は2種以上組み合わせても用いることができる。
これらの中でも、溶融すると低粘度になり、かつ高いシャープメルト性を有するという観点から、結着樹脂は、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、スチレン・アクリル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、定着性や耐熱保管性などの観点から、35〜70℃の範囲内が好ましく、35〜60℃の範囲内がより好ましい。ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC)により測定することができる。
また、本発明に係るトナーには、結着樹脂に用いる結晶性樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を含有することが、低温定着性を向上させる観点から、好ましい。また、トナーの低温定着性をさらに向上させる観点からは、結晶性ポリエステル樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂セグメントと、非晶性樹脂セグメントとが結合してなるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂や、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、特開2017−37245号公報に記載の公知の化合物を用いることができる。
なお、結着樹脂を含むトナー粒子は、単層構造であってもよいし、コア・シェル構造であってもよい。コア・シェル構造のコア粒子及びシェル層に用いられる結着樹脂の種類は、特に制限されない。
<離型剤>
本発明に係るトナー粒子は、離型剤を含有してもよい。使用される離型剤は、特に限定されるものではなく、公知の種々のワックスを用いることができる。
ワックスとしては、低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、酸化型の低分子量ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、パラフィン、合成エステルワックスなどが挙げられる。
特に、低融点及び低粘度であることから、合成エステルワックスを用いることが好ましく、ベヘン酸ベヘニル、グリセリントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネートなどを用いることが特に好ましい。
離型剤の含有率は、トナー粒子の総質量(100質量%)に対し、1〜30質量%の範囲内であることが好ましく、3〜15質量%の範囲内であることがより好ましい。
<荷電制御剤>
本発明に係るトナー粒子は、荷電制御剤を含有してもよい。使用される荷電制御剤は、摩擦帯電により正又は負の帯電を与えることのできる物質であり、かつ無色のものであれば特に限定されず、公知の種々の正帯電性の荷電制御剤及び負帯電性の荷電制御剤を用いることができる。
荷電制御剤の含有率は、トナー粒子の総質量(100質量%)に対し、0.01〜30
質量%の範囲内であることが好ましく、0.1〜10質量%の範囲内であることがより好ましい。
<外添剤>
トナーの流動性、帯電性、クリーニング性等を改良するために、トナー母体粒子表面に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤等の外添剤を添加してもよい。
外添剤としては、例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子などの無機酸化物粒子、ステアリン酸アルミニウム粒子、ステアリン酸亜鉛粒子などの無機ステアリン酸化合物粒子、チタン酸ストロンチウム粒子、チタン酸亜鉛粒子などの無機チタン酸化合物粒子などの無機粒子が挙げられる。
これらは、単独でも、又は2種以上を組み合わせても用いることができる。
これら無機粒子は、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性や環境安定性の向上のために、表面修飾が行われていてもよい。
これら外添剤の添加量は、トナー粒子の総質量(100質量%)に対し、0.05〜5質量%の範囲内であることが好ましく、0.1〜3質量%の範囲内であることがより好ましい。
<トナー粒子の平均粒径>
トナー粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径(D50)で4〜10μmの範囲内であることが好ましく、4〜7μmの範囲内であることがより好ましい。体積基準のメジアン径(D50)が上記範囲内にあることにより、転写効率が高くなり、ハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
トナー粒子の体積基準のメジアン径(D50)は、「コールターカウンター3」(ベックマン・コールター株式会社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステム(ベックマン・コールター株式会社製)を接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。
具体的には、測定試料(トナー)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば、界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー粒子分散液を調製し、このトナー粒子分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター株式会社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。
ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャー径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径(D50)とされる。
<トナーの製造方法>
本発明に係るトナーの製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用できるが、乳化重合凝集法や乳化凝集法を好適に採用できる。以下、トナー粒子中に、紫外線吸収剤の粒子及び着色剤を含有するトナーの製造方法の一例を説明する。
乳化重合凝集法は、乳化重合法によって製造された結着樹脂の粒子(以下、結着樹脂粒子ともいう。)の分散液を、紫外線吸収剤の粒子(以下、紫外線吸収剤粒子ともいう。)の分散液、着色剤の粒子(以下、着色剤粒子ともいう。)の分散液及びワックスなどの離型剤の分散液と混合し、トナー粒子が所望の粒径となるまで凝集させ、更に結着樹脂粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。
また、乳化凝集法は、溶媒に溶解した結着樹脂溶液を貧溶媒に滴下して樹脂粒子分散液
とし、この樹脂粒子分散液と紫外線吸収剤粒子分散液、着色剤粒子分散液及びワックスなどの離型剤分散液とを混合し、所望のトナー粒子の径となるまで凝集させ、更に結着樹脂粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。
本発明のトナーにおいては、どちらの製造方法も適用可能である。
以下に、本発明に係るトナーの製造方法として、乳化重合凝集法を用いる場合の一例を示す。
(1)水系媒体中に着色剤粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(2)紫外線吸収剤粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(3)水系媒体中に、必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(4)乳化重合により、結着樹脂微粒子の分散液を調製する工程
(5)着色剤粒子の分散液と、紫外線吸収剤粒子の分散液と、結着樹脂粒子の分散液とを混合して、着色剤粒子と紫外線吸収剤粒子と結着樹脂粒子とを凝集、会合、融着させてトナー母体粒子を形成する工程
(6)トナー母体粒子の分散系(水系媒体)からトナー母体粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する工程
(7)トナー母体粒子を乾燥する工程
(8)トナー母体粒子に外添剤を添加する工程
乳化重合凝集法によってトナーを製造する場合においては、乳化重合法によって得られる結着樹脂粒子は、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであってもよく、このような構成の結着樹脂粒子は、例えば2層構造を有するものは、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)によって樹脂粒子の分散液を調製し、この分散液に重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する手法によって得ることができる。
また、乳化重合凝集法によってはコア・シェル構造を有するトナー粒子を得ることもでき、具体的にコア・シェル構造を有するトナー粒子は、まず、コア粒子用の結着樹脂粒子と紫外線吸収剤粒子と着色剤粒子とを凝集、会合、融着させてコア粒子を作製し、次いで、コア粒子の分散液中にシェル層用の結着樹脂粒子を添加してコア粒子表面にシェル層用の結着樹脂粒子を凝集、融着させてコア粒子表面を被覆するシェル層を形成することにより得ることができる。
<現像剤>
本発明に係るトナーは、例えば、磁性体を含有させて1成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して2成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合などが考えられ、いずれも好適に使用することができる。
磁性体としては、例えば、マグネタイト、γ−ヘマタイト、各種フェライトなどを使用することができる。
2成分現像剤を構成するキャリアとしては、鉄、鋼、ニッケル、コバルト、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができる。
キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂等の被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体粉末を分散してなるいわゆる樹脂分散型キャリアを用いることが好ましい。被覆用の樹脂としては、特に限定はないが、例えば、オレフィン樹脂、スチレン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂など
が挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
キャリアの体積基準のメジアン径は、20〜100μmの範囲内であることが好ましく、25〜80μmの範囲内であることがより好ましい。キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパテック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
トナーのキャリアに対する混合量は、トナーとキャリアとの合計質量を100質量%として、2〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[トナー製造方法]
<結晶性ポリエステル1の合成>
両反応性モノマーを含む、下記の付加重合系樹脂(スチレン−アクリル樹脂:StAc)ユニットの原料モノマー及びラジカル重合開始剤を滴下ロートに入れた。
スチレン 34質量部
n−ブチルアクリレート 12質量部
アクリル酸 2質量部
重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド) 7質量部
また、下記の重縮合系樹脂(結晶性ポリエステル樹脂:CPEs)ユニットの原料モノマーを、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
セバシン酸 281質量部
1,12−ドデカンジオール 283質量部
次いで、上記四つ口フラスコ内に、撹拌下で上記滴下ロートに入れた付加重合系樹脂(StAc)の原料モノマーを90分かけて滴下し、60分間熟成を行った後、減圧下(8kPa)にて未反応の付加重合モノマーを除去した。なお、このとき除去されたモノマー量は、上記の樹脂の原料モノマー比に対してごく微量であった。
その後、エステル化触媒としてTi(OBu)を0.8質量部投入し、235℃まで昇温、常圧下(101.3kPa)にて5時間、更に減圧下(8kPa)にて1時間反応を行った。
次に、200℃まで冷却した後、減圧下(20kPa)にて1時間反応させることによりハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂である結晶性ポリエステル1を得た。結晶性ポリエステル1は、その全量に対してCPEs以外の樹脂(StAc)ユニットを8質量%含み、また、StAcにCPEsがグラフト化した形態の樹脂であった。また、結晶性ポリエステル1の数平均分子量(Mn)は9000、融点(Tc)は75℃であった。
<結晶性樹脂微粒子分散液(C1)の調製>
上記結晶性ポリエステル1を30質量部溶融させて溶融状態のまま、乳化分散機「キャビトロンCD1010」(株式会社ユーロテック製)に対して毎分100質量部の移送速度で移送した。また、この溶融状態結晶性ポリエステル1の移送と同時に、当該乳化分散機「キャビトロンCD1010」(株式会社ユーロテック製)に対して、水性溶媒タンクにおいて試薬アンモニア水70質量部をイオン交換水で希釈した、濃度0.37質量%の希アンモニア水を、熱交換機で100℃に加熱しながら毎分0.1リットルの移送速度で移送した。そして、この乳化分散機「キャビトロンCD1010」(株式会社ユーロテッ
ク製)を、回転子の回転速度60Hz、圧力5kg/cmの条件で運転することにより、固形分量が30質量部である結晶性ポリエステル1の結晶性樹脂微粒子分散液(C1)を調製した。このとき、当該結晶性樹脂微粒子分散液(C1)に含まれる粒子の体積基準のメジアン径は200nmであった。
<非晶性樹脂微粒子分散液(X1)の調製>
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部及びイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、再度液温80℃とし、下記組成からなる単量体混合液を1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂微粒子の分散液(x1)を調製した。
スチレン 480質量部
n−ブチルアクリレート 250質量部
メタクリル酸 68質量部
(2)第2段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱後、樹脂微粒子の分散液(x1)260質量部と、下記組成からなる単量体及び離型剤を90℃にて溶解させた溶液とを添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック社製)により、1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
スチレン(St) 284質量部
n−ブチルアクリレート(BA) 92質量部
メタクリル酸(MAA) 13質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 1.5質量部
離型剤:ベヘン酸ベヘニル(融点73℃) 190質量部
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を84℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行い、樹脂微粒子の分散液(x2)を調製した。
(3)第3段重合
樹脂微粒子の分散液(x2)にイオン交換水400質量部を添加し、混合した後、過硫酸カリウム11質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下で、下記組成からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し、ビニル樹脂(スチレン−アクリル樹脂1)からなる非晶性樹脂微粒子分散液(X1)を調製した。
スチレン(St) 350質量部
n−ブチルアクリレート(BA) 215質量部
アクリル酸(AA) 30質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 8質量部
得られた非晶性樹脂微粒子分散液(X1)について物性を測定したところ、非晶性樹脂微粒子の体積基準のメジアン径が220nm、ガラス転移温度(Tg)が55℃、重量平均分子量(Mw)が32000であった。
<着色剤微粒子分散液〔Bk〕の調製>
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)420
質量部を徐々に添加した。次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、ブラックの着色剤微粒子が分散されてなる着色剤微粒子分散液〔Bk〕を調製した。着色剤微粒子分散液〔Bk〕における着色剤微粒子の体積基準のメジアン径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、120nmであった。
<トナーT1の作製>
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、非晶性樹脂微粒子分散液(X1)195質量部(固形分換算)、イオン交換水2000質量部を投入した後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。
上記pH調整後の非晶性樹脂微粒子分散液(X1)に、着色剤微粒子分散液〔Bk〕40質量部(固形分換算)を投入した。次いで、凝集剤として塩化マグネシウム30質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。この混合液の昇温を開始し、0.8℃/minの昇温速度で60℃まで昇温し、結晶性ポリエステル1の結晶性樹脂微粒子分散液(C1)20質量部を10分間かけて添加後、更に、0.8℃/minの昇温速度で80℃まで昇温した。80℃の温度を維持して凝集を進行させ、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定して体積基準のメジアン径が6.0μmになった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。更に、80℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、トナーの平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個)平均円形度が0.945になった時点で2.5℃/minの冷却速度で30℃に冷却した。
なお、結晶性樹脂微粒子分散液(C1)添加時の混合液中の凝集体の体積基準のメジアン径は0.80μmであった。当該体積基準のメジアン径は、UPA−150(マイクロトラック社製)にて体積平均粒径を測定することにより得た。
次いで、固液分離し、脱水したトナーケーキをイオン交換水に再分散し固液分離する操作を3回繰り返して洗浄した後、40℃で24時間乾燥させることにより、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)0.6質量部及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)1.0質量部を添加し、「ヘンシェルミキサー」(日本コークス工業社製)により回転翼周速35mm/sec、32℃で20分間混合した。次いで、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去し、トナーT1を製造した。
<トナーT2の作製>
トナーT1の作製において、ブラックの着色剤微粒子分散液〔Bk〕の代わりに、下記マゼンタ着色剤微粒子分散剤(M−1)を用いたことは同様にして、トナーT2を製造した。
(マゼンタ着色剤微粒子分散剤の調製)
n−ドデシル硫酸ナトリウム95質量部をイオン交換水1600質量部に添加した。この溶液を撹拌しながら250質量部のC.I.ピグメントレッド122を当該溶液に徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クリアミックス」(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理を行うことにより、マゼンタ着色剤微粒子分散剤(M−1)を調製した。
マゼンタ着色剤微粒子分散剤(M−1)における着色剤粒子の体積基準のメジアン径は、115nmであった。
<トナーT3の作製>
トナーT1の作製において、以下のように紫外線吸収剤(UV−1)を更に添加したトナーT3を作製した。
(紫外線吸収剤粒子分散液(UV−1)の調製)
ジクロロメタン80質量部と、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(Uvinul3049、BASF社製)20質量部とを50℃で加熱しながら混合撹拌し、紫外線吸収剤を含む液を得た。この液100質量部に、50℃に温めた蒸留水99.5質量部と、20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液0.5質量部との混合液を添加した。その後、シャフトジェネレーター18Fを備えるホモジナイザー(ハイドルフ社製)により16000rpmで20分間撹拌して乳化させ、紫外線吸収剤乳化液1を得た。
得られた紫外線吸収剤乳化液1をセパラブルフラスコへ投入し、窒素を気相中へ送気しながら40℃で90分間加熱撹拌して有機溶媒を除去して、紫外線吸収剤粒子分散液(UV−1)を得た。紫外線吸収剤粒子分散液中の紫外線吸収剤粒子の粒径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子株式会社製)を用いて測定したところ、質量平均粒径で145nmであった。
(トナーT3の作製)
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、非晶性樹脂微粒子分散液(X1)155質量部(固形分換算)、イオン交換水2000質量部を投入した後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。
上記pH調整後の非晶性樹脂微粒子分散液(X1)に、着色剤微粒子分散液〔Bk〕40質量部(固形分換算)、紫外線吸収剤粒子分散液(UV−1)40質量部(固形分換算)を投入した。これ以降の操作は、トナーT1の作製方法と同様に行い、トナーT3を得た。
<現像剤の作製>
上記トナーT1〜T3について、シクロヘキシルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合樹脂(モノマー質量比=1:1)を被覆した体積平均粒子径30μmのフェライトキャリアを用い、トナー濃度が6質量%となるようにして混合し、現像剤1〜3を製造した。混合は、V型混合機を用いて30分間行った。
<評価機の準備>
評価機(電子写真画像形成装置)として、コニカミノルタ社製「bizhub PRESS C1080」を準備した。また、これとは別に、図4に示した光沢度制御部100を備えた画像後処理装置を準備した。
光沢度制御部100は、図4に示すように、光照射部101と、制御部102を備えるものを用いた。また光照射部101に用いた光源は最大発光波長が365nm(365nm±20nm)であるLEDを用いた。
[画像後処理条件1]
画像形成装置であるコニカミノルタ社製「bizhub PRESS C1080」において、現像剤1を用いて、トナー像を記録媒体に定着させた。具体的には、図7に示すように、記録媒体120であるA3コート紙(坪量:128g/m)に、長手方向上端から105mm、短手方向の中線が重なる点を中心とした長手方向150mm×短手方向277mmのベタトナー像A(トナー像121A)及び長手方向上端から315mm、短手方向の中線が重なる点を中心とした長手方向75mm×短手方向150mmのベタトナー像B(トナー像121B)からなる評価画像を出力した。当該評価画像は、上記画像後処理装置により後処理を行った。具体的には、搬送手段により光沢度制御部まで移動させ、光照射部であるLEDから、トナー像A及びトナー像Bに対して2.0J/cmの光
量の光沢度制御光を照射した。
[画像後処理条件2〜14]
画像後処理条件2〜14は、画像後処理条件1において、トナー像の形成に用いたトナーを表Iに記載のトナーに変更し、光照射部に用いた光源の最大発光波長を表Iに記載の波長に変更し、光量を表Iに記載の光量(J/cm)に変更した以外は同様にして行った。
なお、画像後処理条件10では、トナー像Aには2.0J/cmの光量の光沢度制御光を照射し、トナー像Bには光沢度制御光を照射しなかった。また、画像後処理条件11では、トナー像Aに4.5J/cmの光量の光沢度制御光を照射し、トナー像Bに2.0J/cmの光量の光沢度制御光を照射した。また、画像後処理条件12では、トナー像A及びトナー像Bに光沢度制御光を照射しなかった。
<光沢度の測定>
上記各画像後処理条件後のトナー像A及びトナー像Bについて、それぞれ、画像中心点及び画像中心から記録媒体短軸方向に対してそれぞれ50mmごとに1点ずつ、計3点について入射角60°の光沢度(%)を測定し、その平均値を光沢度(%)とした。光沢度(%)の測定は、光沢度測定器(コニカミノルタ社製、MULTI GROSS 268
Plus)を用いて行った。また、同様に、光照射前のトナー像A及びトナー像Bの初期光沢度も測定した。
また、光照射前のトナー像の光沢度と、光照射後のトナー像の光沢度との差の絶対値を算出し、3%以上の光沢度差が生じた場合を合格、3%未満である場合不合格とした。評価結果は表IIに示す。
表IIの結果より、記録媒体上に定着された、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて形成されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる光沢度制御工程を有する画像後処理方法によって、光沢度を調整できることがわかる。
また、本発明の画像後処理方法では、従来の画像後処理方法のように定着温度を変更することで光沢度を制御しているわけではなく、単に所定の光沢度制御光を照射することで、トナー像の光沢度を制御することができる。よって、本発明の画像後処理方法では、トナー像の定着性に影響を与えることなく、トナー像の光沢度の制御をすることができる。
また、記録媒体に定着されたトナー像に対し、所定の最大発光波長、任意の光量で光沢度制御光を照射し、光沢度制御光の照射後の光沢度(%)を測定し、照射した光量に対する光沢度(%)をプロットすることで図5に示すようなグラフを作成することができる。このようなグラフを用いれば、ユーザーがある光沢度を指定した場合には、その光沢度となる光量を算出できるので、指定の光沢度となる光沢度制御光をトナー像に照射することができる。
また、この画像後処理方法では、光沢度制御光を照射した部分のみの光沢度を変化させることができるので、トナー像のうち、特定の位置の部分のみを指定した場合には、当該部分の光沢度のみを低下又は上昇させることができる。
1 画像形成装置
7 中間転写体ユニット
8 筐体
20 給紙カセット
21 給紙搬送部
22A、22B、22C、22D 中間ローラー
23 レジストローラー
24 定着部
25 排紙ローラー
26 排紙トレイ
70 中間転写体
71、72、73、74 ローラー
92 定着ローラー
93 加圧ローラー
A 装置本体
5b 2次転写ローラー
6b クリーニング部
82L、82R 支持レール
P 記録媒体
SC 原稿画像読み取り装置
1Y、1M、1C、1Bk 電子写真感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電部
3Y、3M、3C、3Bk 露光部
4Y、4M、4C、4Bk 現像部
5Y、5M、5C、5Bk 1次転写ローラー
6Y、6M、6C、6Bk クリーニング部
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
100 光沢度制御部
101 光照射部
101L 光沢度制御光
102 制御部
110 搬送ベルト
120 記録媒体
121 トナー像
200 光沢度検出部

Claims (13)

  1. 定着トナー像の光沢度を調整するための画像後処理方法であって、
    記録媒体上に定着された、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて形成されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる光沢度制御工程を有することを特徴とする画像後処理方法。
  2. 前記光沢度制御工程では、ユーザーにより指定された光沢度情報に基づいて、前記光沢度制御光の光量を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像後処理方法。
  3. 前記光沢度制御光の光量の調整は、照射する前記光沢度制御光の光量に対するトナー像の光沢度の変化についての関係情報に基づいて行うことを特徴とする請求項2に記載の画像後処理方法。
  4. 前記光沢度制御工程では、ユーザーにより指定された前記トナー像の位置情報に基づいて、前記光沢度制御光の照射位置を設定することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の画像後処理方法。
  5. 前記光沢度制御工程では、前記記録媒体上の複数部分に定着された前記トナー像に対して、前記光沢度制御光を照射することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の画像後処理方法。
  6. 前記光沢度制御光が、280nm以上850nm以下の波長域内に最大発光波長を有する光であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の画像後処理方法。
  7. 前記光沢度制御光が、280nm以上500nm以下の波長域内に最大発光波長を有する光であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の画像後処理方法。
  8. 前記化合物として、着色剤を用いることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の画像後処理方法。
  9. 前記化合物として、紫外線吸収剤を用いることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の画像後処理方法。
  10. 前記光沢度制御工程の前に、前記記録媒体上に定着されたトナー像の光沢度を検出する工程を有することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の画像後処理方法。
  11. 記録媒体上に定着された、光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて形成されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる光沢度制御部を備えることを特徴とする画像後処理装置。
  12. 光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて現像部において形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する転写部及び定着する定着部と、
    前記記録媒体上に定着されたトナー像に、前記化合物が光吸収する波長域内に最大発光波長を有し、当該トナー像の光沢度を少なくとも低下させることができる光沢度制御光を
    照射し、当該トナー像の光沢度を低下又は上昇させる光沢度制御部と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  13. 光を吸収する化合物を含有するトナーを用いて現像部において形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する転写部及び定着する定着部、を備える画像形成装置に、
    請求項11に記載の画像後処理装置が連結されていることを特徴とする画像形成装置。
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