JP2019101288A - 画像形成装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】形成された画像において所望の光沢度を確実に得ることができる画像形成装置を提供すること。【解決手段】画像形成装置では、定着ユニット60による定着処理の後、補助ヒーター610によって用紙Pが加熱される。一例では、補助ヒーター610は、非接触で用紙Pを加熱する。画像形成装置は、光沢度の設定を読み込む。補助ヒーター610による加熱における温度および時間は、用紙PにおいてトナーTNによって構成される画像の光沢度が上記設定に適合するように制御される。【選択図】図2

Description

本開示は、記録媒体上に形成された画像の定着後、当該記録媒体をさらに加熱する画像形成装置に関する。
画像の内容等によって、仕上がった印刷物に対して求められる画像の光沢度が異なる場合がある。従来、記録媒体上に形成された画像の光沢度について、種々検討されていた。
たとえば、画像の定着温度を低下させることによって、光沢度が下げられていた。しかしながら、定着温度が低下すると、光沢度を低減させられる一方で、トナーが記録媒体に定着する強度(定着強度)も低下する。
特開2009−8709号公報(特許文献1)には、画像の定着の後、記録媒体上のトナーを加熱することによって、光沢度を低減し、かつ、トナーの定着強度を向上する、画像形成装置が提案されている。
特開2009−8709号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、所望の光沢度を得るための具体的な制御条件が示されていない。
本開示は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、形成された画像において所望の光沢度を確実に得ることができる画像形成装置を提供することである。
本開示のある局面に従うと、記録媒体上に形成された画像を定着するように構成された定着ユニットと、定着ユニットによって定着処理を施された記録媒体を加熱するように構成された加熱ユニットと、記録媒体上の画像の光沢度を設定するように構成されたコントローラーとを備える画像形成装置が提供される。コントローラーは、設定された光沢度に応じて、加熱ユニットによる加熱量を制御するように構成されている。
コントローラーは、光沢度と、加熱ユニットによる加熱の温度および時間との関係を表わす式(1)に従って、光沢度に対応する加熱ユニットの加熱量を設定するように構成されていてもよい。
Y=a×LogS+b …(1)
Yは、光沢度である。aおよびbは、所与の定数である。Sは、次の式(2)に従って表される。
S=(T1+T2-2×Tm)×(t2-t1)×1/2+(T2-Tm)×(t3-t2)×1/2 …(2)
T1は、加熱ユニットに導入される記録媒体の温度である。T2は、加熱ユニットから排出される記録媒体の温度である。Tmは、画像を構成するトナーの貯蔵弾性率が106Paとなる温度である。t1は、定着ユニットにおける画像の定着の終了から、記録媒体が加熱ユニットに導入されるまでの時間である。t2は、定着ユニットにおける画像の定着の終了から、記録媒体が加熱ユニットから排出されるまでの時間である。t3は、定着ユニットにおける画像の定着の終了から、トナーの温度がTmまで低下するまでの時間である。
コントローラーは、光沢度に関する設定として高光沢モードおよび低光沢モードの指定を受け付け可能であってもよい。低光沢モードの指定を受付けた場合には、Sの値を10≦S≦50に制御するように構成されていてもよい。
加熱ユニットは、記録媒体の第1の面を対向するように設けられていてもよい。画像形成装置は、記録媒体の第2の面を冷却するように構成された冷却ユニットをさらに備えていてもよい。
本開示の他の局面に従うと、画像形成装置は、記録媒体上に形成された画像を定着するように構成された定着ユニットと、定着ユニットによって定着処理を施された記録媒体を加熱するように構成された加熱ユニットとを備え、当該画像形成装置の制御方法が提供さえっる。方法は、記録媒体上の画像の光沢度の設定を読み出すステップと、設定された光沢度に応じて、加熱ユニットによる加熱の温度および時間を制御するステップとを備える。
本開示によれば、画像形成装置のコントローラーは、設定された光沢度に応じて加熱ユニットによる加熱の温度と時間とを制御する。これにより、画像形成装置は、記録媒体上に形成された画像において所望の光沢度を確実に得ることができる。
画像形成装置の一例であるMFP(Multi-Functional Peripheral)の構成を模式的に示す図である。 図1のMFPの定着ユニット及びその近傍の構成を模式的に示す図である。 MFPのハードウェア構成を模式的に示す図である。 用紙上に形成された画像におけるトナーの状態を説明するための図である。 光沢度と、MFPにおける画像形成条件との関係の一例を示す図である。 関数Sの意味を説明するための図である。 値Sについての6つの変数について、具体例の7つの組を表わす図である。 補助ヒーター610についての5種類の実施例を模式的に示す図である。 図5の式(B)に従った、光沢度と値Sとの対応関係を表わす図である。 用紙上の画像の光沢度を制御するための処理のフローチャートである。
以下に、図面を参照しつつ、画像形成装置の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
[1]画像形成装置の概略構成
図1は、画像形成装置の一例であるMFP500の構成を模式的に示す図である。図1では、画像形成装置の一例として、タンデム型のカラー画像形成ユニットを搭載した画像形成装置が例示される。
図1を参照して、MFP500は、制御部100と画像形成部200とを含む。画像形成部200は、典型的には、スキャナーユニット800がプリント対象の原稿の内容を光学的に読取って得られる画像情報に基づいて、給紙部1に装填されている用紙Pに対して、カラーもしくはモノクロの画像を形成する。スキャナーユニット800には、ADF(Auto Document Feeder:原稿自動搬送装置)900が連結されており、このADF900からプリント対象の原稿が順次搬送されるようになっている。
より具体的には、画像形成部200は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の別に、プロセスユニット30C,30M,30Y,30K(以下、「プロセスユニット30」とも総称する。)を含む。各色のプロセスユニット30は、転写ベルト8の移動方向に沿って配列されており、対応する色のトナー像を転写ベルト8上に順次形成する。
プロセスユニット30C,30M,30Y,30Kは、それぞれ、1次転写ローラー10C,10M,10Y,10K(以下、「1次転写ローラー10」とも総称する。)と、感光体11C,11M,11Y,11K(以下、「感光体11」とも総称する。)と、現像ローラー12C,12M,12Y,12K(以下、「現像ローラー12」とも総称する。)と、プリントヘッド13C,13M,13Y,13K(以下、「プリントヘッド13」とも総称する。)と、帯電チャージャー14C,14M,14Y,14K(以下、「帯電チャージャー14」とも総称する。)と、トナーユニット15C,15M,15Y,15K(以下、「トナーユニット15」とも総称する。)とを含む。
各プロセスユニット30は、操作パネル300などに対するユーザーの操作に応じたプリント要求を受取ると、プリントすべき画像を構成する各色のトナー像を感光体11上に形成するとともに、他のプロセスユニット30とタイミングを合わせて、当該形成した各色のトナー像を転写ベルト8上に転写する。このとき、1次転写ローラー10が対応する感光体11上のトナー像を転写ベルト8へ移動させる。
各プロセスユニットでは、帯電チャージャー14が回転する感光体11の表面を帯電させるとともに、プリントヘッド13がプリントすべき画像情報に従って、感光体11の表面を露光する。これにより、感光体11の表面には、形成すべきトナー像を表わす静電潜像が形成される。その後、現像ローラー12が、感光体11の表面に対して、トナーユニット15のトナーを供給する。これにより、感光体11上に、トナー像として、静電潜像が現像される。その後、1次転写ローラー10が、駆動モータ9によって回転する転写ベルト8上に、各感光体11の表面に現像されたトナー像を順次転写する。これにより、各色のトナー像が重ね合わされて、用紙Pに転写すべきトナー像が形成される。
画像形成部200は、プリントされるトナー像の濃度を安定化させるために、転写ベルト8上のトナー濃度を検出するための濃度センサー31を含む。
当該濃度センサー31を用いた画像安定化制御として、転写ベルト8上に現像器の現像出力を変えて、トナー濃度を変え印字したトナー濃度検出用パッチを数パッチ形成する。画像形成部200は、濃度センサー31を用いてトナー濃度を検出し、その結果に応じて、現像器の現像出力にフィードバックを行うことにより、印字時に常に安定したトナー濃度を得ることが可能である。装置本体のメインスイッチがオンした場合、トナーカートリッジが交換された場合、所定枚数を印字した場合等に画像安定化制御を実行することが可能である。
画像形成部200は、給紙カセット1をさらに含む。給紙カセット1では、給紙ローラー1Aが、給紙カセット1に装填されている用紙Pを取り出す。この取り出された用紙Pは、搬送ローラー74などによって搬送経路3に沿って搬送される。搬送ローラー74は、用紙Pをタイミングセンサーに到達した位置で待機させる。その後、搬送ローラー74は、転写ベルト8上に形成されたトナー像が2次転写ローラー5に到達するタイミングに合わせて、用紙Pを2次転写ローラー5へ搬送する。
2次転写ローラー5および対向ローラー6により、転写ベルト8上のトナー像が用紙Pへ転写される。典型的には、2次転写ローラー5にトナー像の有する電荷に応じた所定の電位(たとえば、約+2000V)を印加しておくことで、転写ベルト8上のトナー像が2次転写ローラー5側へ電気的に引き寄せる力が生じ、これにより、トナー像の用紙Pへの転写が行われる。
さらに、用紙Pへ転写されたトナー像は、定着ベルト605等を含む定着装置(後述する図2の定着ユニット60)において処理されることにより、用紙Pに定着する。トナー像が定着した用紙Pは、排紙トレイに出力される。これにより、一連のプリントプロセスは完了する。
MFP500において、定着ベルト605は定着用部材の一例であり、加圧ローラー609は加圧用部材の一例である。
搬送経路3に沿って、平滑度センサー66が設けられている。平滑度センサー66は、搬送経路3上の用紙Pの表面の平滑度を検出し、制御部100へ出力する。MFP500は、平滑度センサー66として、空気漏洩式を含むいかなる方式のセンサーを備えることができる。
[2]定着ユニットおよびその近傍の構成
図2は、図1のMFP500の定着ユニット60およびその近傍の構成を模式的に示す図である。図2に示されるように、定着ユニット60は、加熱部60Aと加圧部60Bとを含む。加熱部60Aは、加熱ローラー601と定着ローラー602とを含む。加熱ローラー601と定着ローラー602には、定着ベルト605が張架されている。図2では、説明を容易にするために、加熱ローラー601と定着ローラー602との配列が、図1に対して時計回りに90度回転された状態で示されている。
加熱ローラー601の内部には、ヒーター63が収容されている。ヒーター63は、定着ベルト605の表面を加熱する。加熱の目標温度は、たとえば、80〜250℃である。定着ベルト605の表面には、図1では図示されていない温度センサーが設けられている(図3の「温度センサー64」)。MFP500では、当該温度センサーによって定着ベルト605の温度がでモニターされ、この温度は図示されていない温度制御回路にフィードバックされる。これにより、定着ベルト605は、所定の温度に制御される。
定着ローラー602では、金属の円筒状基体が、ゴム603によって被覆されている。ゴムは、耐熱性を有する。ゴムの材料は、たとえば、シリコーンゴム、または、フッ素ゴムである。ゴム硬度は、5度〜50度程度である。ゴムの厚みは、たとえば、1mm〜50mm程度である。ゴム表面の離型性を上げるため、定着ローラー602の円筒状基体を被覆する素材は、フッ素系の樹脂等であっても良い。
定着ベルト605は、たとえば、金属または樹脂等の基体にゴム層を被覆し、さらに、ゴム層の表面に離型層が設けられることによって生成される。基体が樹脂によって構成される場合、当該樹脂は、ポリイミド等の耐熱性の高い樹脂であることが好ましい。ゴム層は、耐熱性の高いシリコーンゴムまたはフッ素ゴムによって構成されることが好ましい。ゴム層の厚さは、たとえば、0.1mm〜5mm程度である。ゴム硬度は、たとえば、5度〜50度程度である。離型層は、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)またはPTFA(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系樹脂によって構成される。
定着ベルト605のMD−1硬度(typeC)は、85°以上95°以下が好ましい。MD−1硬度が85°未満では、凹凸部境界面への接触面積が大きくなり、画像乱れが発生する可能性が高くなる。さらに、85°未満では、定着ベルト605の耐久性も悪化し得る。MD−1硬度が95°を超えると、凸部への接触面積が減り、定着強度が悪化するおそれがある。
加圧部60Bは、主に、加圧ローラー609によって構成される。加圧ローラー609では、金属の円筒状基体609Aが、ゴム609Bによって被覆されている。ゴム609Bは、たとえば、シリコーン系、フッ素系等の耐熱性の高いゴムである。ゴム609Bの厚さは、たとえば、0.1mm〜20mm程度である。ゴム609Bの硬度は、たとえば、5度〜50度程度である。ゴム609Bの表面には、離型層が設けられることが好ましい。
加圧部60Bを速く加熱するために、加圧ローラー609の内部に熱源(ヒーター)が設置されても良い。
定着ユニット60は、後述の図3に示されるように、定着ローラー用モーター61と加圧ローラー用モーター62とを含む。定着ローラー用モーター61は、定着ローラー602を回転駆動する。定着ローラー用モーター61として、たとえばサーボモーターが実装される。矢印DR1は、定着ローラー602が回転する向きを示す。
加圧ローラー用モーター62は、加圧ローラー609を回転駆動する。加圧ローラー用モーター62として、たとえばパルスモーターが実装される。矢印DR2は、加圧ローラー609が回転する向きを示す。
定着ベルト605は、加圧ローラー609と当接する。定着ベルト605と加圧ローラー609とが当接する部分は、用紙Pの搬送経路3の一部を構成する。当該部分では、用紙P上に形成されたトナー像が定着される。本明細書では、定着ベルト605と加圧ローラー609とが当接する部分を、「ニップ部」ともいう。MFP500では、ニップ部において用紙に加えられる荷重は、たとえば、1500N〜5000N程度である。
図2において、両矢印D1は、ニップ部へ搬送された用紙Pの主面に交わる方向を示す。MFP500は、定着ローラー602と加圧ローラー609の両矢印D1方向における相対的な位置を変更する機構を有する。当該機構は、後述する図3において、ローラー位置調整用モーター65として示される。MFP500では、たとえば、ローラー位置調整用モーター65が定着ローラー602と加圧ローラー609の両矢印D1方向における距離を変更することによって、搬送経路3におけるニップ部の長さが変更される。
MFP500は、さらに、補助ヒーター610を含む。補助ヒーター610は、定着ユニット600で画像を定着された用紙Pを加熱する。一例では、補助ヒーター610は、非接触で用紙Pを加熱する。補助ヒーター610は、たとえば、1本以上のガラス管ヒーターによって構成される。補助ヒーター610は、たとえば、定着ユニット60のニップ部から20mm離間した位置から、用紙Pの再加熱を開始できるように、配置される。
MFP500は、さらに、第1温度センサー621、第2温度センサー622、および、第3温度センサー623を含む。第1温度センサー621は、補助ヒーター610に対向する位置に導入される直前(位置P1)にある用紙Pの表面温度を検出する。第2温度センサー622は、補助ヒーター610と対向する部分から排出された直後の位置(位置P2)にある用紙Pの表面温度を検出する。第3温度センサー623は、補助ヒーター610より下流側に設けられた用紙停止位置SPにおける用紙Pの表面温度を検出する。
MFP500において、用紙停止位置SPは、用紙Pが通常の搬送速度で搬送されることにより、用紙P上に形成された画像のトナーがTmまで冷却される迄に到達できる位置であれば、適宜設定され得る。Tmは、用紙P上の画像を構するトナーの貯蔵弾性率が10Paとなる温度である。
一例では、用紙停止位置SPは、補助ヒーター610の出口から100mmだけ下流側の位置にある。第3温度センサー623は、補助ヒーター610の出口から100mmだけ下流側の位置にある用紙Pの温度を検出するように設置される。MFP500の用紙搬送機構(たとえば、後述する画像形成部200に含まれる機構)は、用紙停止位置SPにおいて、用紙Pの温度を検出するために、一時的に用紙Pを停止させるように構成されていてもよい。
MFP500は、第2温度センサー622による検出温度および検出タイミング、ならびに、第3温度センサー623による検出温度および検出タイミングを用いて、用紙Pの温度がTmになる(または、Tmになった)時刻(後述する、時刻TD)を推定してもよい。これにより、用紙停止位置SPは、用紙Pの温度がTmになる位置に関係なく設定され得る。MFP500は、用紙がTmになる(または、Tmになった)時刻の推定に、さらに第1温度センサー621による検出温度および検出タイミングを用いてもよい。MFP500は、用紙がTmになる(または、Tmになった)時刻の推定に、第2温度センサー621による検出温度および検出タイミングの代わりに、第1温度センサー621による検出温度および検出タイミングを用いてもよい。
MFP500は、さらに、冷却ファン630を含む。冷却ファン630は、搬送経路3を介して補助ヒーター610に対向する。すなわち、MFP500において、冷却ファン630は、補助ヒーター610によって一方側の面を加熱される用紙Pの他方側の面を冷却する。
[3]MFPのハードウェア構成
図3は、MFP500のハードウェア構成を模式的に示す図である。
図3に示されるように、制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103を含む。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAMl03に展開し、展開したプログラムと協働してMFP500の各ブロックの動作を制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)および/またはハードディスクドライブで構成される。
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で、各種のデータを送受信する。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データに基づいて用紙Pに画像を形成する。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
スキャナーユニット800は、ADF900(図1参照)およびスキャナーを含む。ADF900は、原稿トレイに載置された原稿を搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。スキャナーは、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
スキャナーユニット800のスキャナーは、ADF900からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサーの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。スキャナーユニット800は、スキャナーによる読取結果に基づいて画像データを生成する。この画像データには、画像処理部310において所定の画像処理が施される。
操作パネル300は、例えばタッチパネル付のユニットによって実現され、表示部301および操作部302として機能する。表示部301は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)によって実現され、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部302は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーと、タッチパネル内のタッチセンサーとによって実現される。操作部302は、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
画像処理部310は、画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部310は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行い、入力画像データに対する各種の処理(階調補正、色補正、シェーディング補正、等の各種補正処理、および、圧縮処理、を含む)を実行する。制御部100は、これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部200を制御する。
定着ユニット60において、定着ローラー用モーター61、加圧ローラー用モーター62、ヒーター63は、制御部100によって制御される。温度センサー64は、定着ベルト605の表面に設けられている。温度センサー64は、それぞれの検出出力を、制御部100へと出力する。
制御部100は、補助ヒーター610および冷却ファン630を制御する。制御部100は、第1温度センサー621、第2温度センサー622、および、第3温度センサー623のそれぞれから、検出温度を取得する。
[4]トナーの調製
MFP500における画像形成で利用されるトナーの調製方法について説明する。
[4−1]トナーの母体粒子
MFP500において利用されるトナーは、トナー母体粒子として、少なくとも結着樹脂とワックスとを含む。以下に、これらのそれぞれについて説明する。
[4−1−1]結着樹脂
トナー粒子を構成する結着樹脂の種類は、特に限定されない。つまり、トナー粒子を構成する結着樹脂は、結着樹脂として公知である種々の物質によって実現され得る。結着樹脂は、例えば、スチレン樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン樹脂、アミド樹脂、または、エポキシ樹脂である。
結着樹脂は、トナー粒径、形状制御性、および、帯電性の観点から、スチレン−アクリル系樹脂を含有していることが好ましい。スチレン−アクリル系樹脂を得るための重合性単量体は、例えば、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、および/または、クロルスチレンなどのスチレン系単量体である。当該単量体は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、などの(メタ)アクリレートエステル系単量体であってもよい。当該単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸などのカルボン酸系単量体であってもよい。これらの単量体のうち、1種類のみが採用されてもよいし、2種類以上が組み合わされてもよい。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、30〜50℃であることが好ましく、より好ましくは35〜48℃である。結着樹脂のガラス転移点が上記範囲にあることにより、低温定着性および耐熱保管性が両立して得られる。結着樹脂のガラス転移点は、たとえば、「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用いて測定される。
測定手順は、たとえば、試料(結着樹脂)3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、ホルダーにセットするものである。リファレンスとして、空のアルミニウム製パンが使用される。測定条件は、たとえば、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、および、降温速度10℃/分である。Heat−cool−Heatの温度制御が実行され、当該温度制御における2nd.Heatで取得されたデータが解析に利用され、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線とが仮定されたときに得られる交点が、ガラス転移点の一例である。
[4−1−2]ワックス
MFP500では、トナーに含有されるワックスとして公知のワックスが採用され得る。ワックスは、たとえば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの、分枝鎖状炭化水素ワックスを含む。ワックスは、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどであってもおい。これらの物質の中でも、光沢ムラを抑制する観点から、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックスが特に好ましい。
トナーに含有されるワックスの融点は、70〜100℃であることが好ましく、より好ましくは70〜85℃である。ワックスの融点は、吸熱ピークのピークトップの温度を示し、示差走査カロリメーター「DSC−7」(パーキンエルマー製)および熱分析装置コントローラー「TAC7/DX」(パーキンエルマー製)を用いて示差走査熱量分析によってDSC測定される。
測定の一例では、具体的には、試料(ワックス)4.5mgをアルミニウム製パン(KITNO.0219−0041)に封入し、これを「DSC−7」のサンプルホルダーにセットし、測定温度0〜200℃で、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分の測定条件で、加熱−冷却−加熱の温度制御を行う。当該温度制御における2度目の加熱で取得されたデータが、解析の対象とされる。リファレンスの測定では、たとえば、空のアルミニウム製パンが使用される。
ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜20質量部である。ワックスの含有割合が上記範囲内であることにより、定着分離性が得られる。
[4−2]着色剤
トナー粒子に着色剤が含有される場合において、着色剤としては、一般に知られている染料および顔料を用いることができる。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、たとえば、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック、マグネタイト、フェライトなどの磁性体、染料、非磁性酸化鉄を含む無機顔料などの、公知の種々のものが使用され得る。
カラーのトナーを得るための着色剤としては、染料、有機顔料などの公知のものを任意に使用することができ、具体的には、有機顔料としては例えばC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、同238、同269、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントブルー15;3、同60、同76などを挙げることができ、染料としては例えばC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同68、同11、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同69、同70、同93、同95などを挙げることができる。
上記された、各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種類が単独で使用されてもよいし、2種類以上が組み合わせて使用されてもよい。
着色剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
[4−3]荷電制御剤
トナー粒子に荷電制御剤が含有される場合、公知の正帯電制御剤または負帯電制御剤が使用され得る。
正帯電制御剤の具体例としては、たとえば、「ニグロシンベースEX」(オリエント化学工業社製)などのニグロシン系染料、「第4級アンモニウム塩P−51」(オリエント化学工業社製)、「コピーチャージPXVP435」(ヘキストジャパン社製)等の第4級アンモニウム塩、アルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン酸キレート顔料、および「PLZ1001」(四国化成工業社製)等のイミダゾール化合物が挙げられる。
負帯電制御剤の具体例としては、たとえば、「ボントロンS−22」(オリエント化学工業社製)、「ボントロンS−34」(オリエント化学工業社製)、「ボントロンE−81」(オリエント化学工業社製)、「ボントロンE−84」(オリエント化学工業社製)、「スピロンブラックTRH」(保土谷化学工業社製)等の金属錯体、チオインジゴ系顔料、「コピーチャージNXVP434」(ヘキストジャパン社製)等の第4級アンモニウム塩、「ボントロンE−89」(オリエント化学工業社製)等のカリックスアレーン化合物、「LR147」(日本カーリット社製)等のホウ素化合物、フッ化マグネシウム、フッ化カーボン等のフッ素化合物などが挙げられる。負帯電制御剤として用いられる金属錯体の具体例としては、上記に示したもの以外にもオキシカルボン酸金属錯体、ジカルボン酸金属錯体、アミノ酸金属錯体、ジケトン金属錯体、ジアミン金属錯体、アゾ基含有ベンゼン−ベンゼン誘導体骨格金属体、アゾ基含有ベンゼン−ナフタレン誘導体骨格金属錯体などが挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部である。
[4−4]外添剤
トナーは、流動性、帯電性、クリーニング性などの改良の観点から、外添剤を添加され得る。
外添剤は、例えば、無機微粒子である。無機微粒子は、たとえば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、もしくは、酸化チタン微粒子等の無機酸化物微粒子、ステアリン酸アルミニウム微粒子、もしくは、ステアリン酸亜鉛微粒子等の無機ステアリン酸化合物微粒子、または、チタン酸ストロンチウム、もしくは、チタン酸亜鉛等の無機チタン酸化合物微粒子である。
上記された無機微粒子は、耐熱保管性および環境安定性の観点から、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、または、シリコーンオイルなどによって表面処理が行われていることが好ましい。
外添剤を構成する無機微粒子は、平均一次粒子径が30nm以下のものであることが好ましい。無機微粒子によって構成される外添剤が上記の粒径を有するものであることにより、トナーが画像形成時において外添剤の遊離が生じにくいものとなる。外添剤の添加量は、トナー中0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%とされる。
[4−5]現像剤
MFP500において用いられるトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用され得るが、キャリアと混合されることによって二成分現像剤として使用されてもよい。
トナーが二成分現像剤として使用される場合、キャリアの一例は、従来公知の材料からなる磁性粒子である。磁性粒子は、たとえば、鉄等の強磁性金属、強磁性金属とアルミニウムおよび鉛等の合金、フェライトおよびマグネタイト等の強磁性金属の化合物であり、特にフェライト粒子が好ましい。
キャリアは、たとえば、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリア、または、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散したバインダー型キャリアである。
コートキャリアを構成する被覆樹脂は、特に限定されない。被覆樹脂は、たとえば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、および/または、フッ素樹脂である。
樹脂分散型キャリアを構成する樹脂は、特に限定されない。樹脂分散型キャリアを構成する樹脂は、たとえば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、および/または、フェノール樹脂である。
MFP500において、トナーが二成分現像剤として使用される場合、当該二成分現像剤は、たとえば、トナーおよびキャリアに、さらに、必要に応じて、荷電制御剤、密着性向上剤、プライマー処理剤、抵抗制御剤などが添加されることによって調製され得る。
[4−6]トナー粒子の平均粒径
MFP500において利用されるトナー粒子の平均粒径は、たとえば、体積基準のメジアン径で3〜9μmであることが好ましく、より好ましくは3〜8μmである。粒径は、例えば、トナー粒子が後述する乳化凝集法に従って製造される場合、使用される凝集剤の濃度、有機溶媒の添加量、融着時間、および/または重合体の組成によって制御され得る。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなり、これにより、用紙P上に形成される画像において、ハーフトーンの画質が向上し、さらに、細線およびドットの画質が向上する。
トナー粒子の体積基準のメジアン径は、たとえば、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「SoftwareV3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置が用いられることにより、測定および算出され得る。
具体的には、試料(トナー粒子)0.02gが、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加される。その後、界面活性剤溶液を添加された試料に対して、1分間の超音波分散が行なわれ、これにより、トナー粒子分散液が調製される。このトナー粒子分散液が、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまで、たとえばピペットによって注入される。当該濃度範囲に調整されることにより、再現性のある測定値が得られる。その後、測定装置において、測定粒子カウント数が25000個、アパーチャ径が50μmに設定される。測定範囲である1〜30μmの範囲が256分割され、頻度値が算出され、体積積算分率の大きい方から50%の粒径が、トナー粒子の体積基準のメジアン径として特定される。
[4−7]トナー粒子の平均円形度
MFP500において利用されるトナー粒子は、転写効率の向上の観点から、平均円形度が0.930〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.995である。トナー粒子の平均円形度は、たとえば、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定される。
具体的には、たとえば、試料(トナー粒子)が、界面活性剤を含む水溶液に投入された後、1分間の超音波分散処理が実行される。これにより、トナー粒子が水溶液中で分散する。その後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)により、測定条件:HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3,000〜10,000個の適正濃度で、撮影が行われる。これにより、個々のトナー粒子について、次の式(T)に従って、円形度が算出される。
円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)…式(T)
平均円形度は、たとえば、各トナー粒子の円形度が加算されることによって得られた値が、全トナー粒子数で除されることによって、算出される。
[4−8]トナー貯蔵弾性率
MFP500において利用されるトナーの粘弾性特性は、たとえば、粘弾性測定装置(レオメーター)「RDA−II型」(レオメトリックス社製)を用いて測定される。測定条件の一例を以下に示す。
測定治具:直径10mmのパラレルプレートを使用する。
測定試料:トナーを加熱・溶融後に直径約10mm,高さ1.5〜2.0mmの円柱状試料に成型して使用する。
測定周波数:6.28ラジアン/秒
測定歪の設定:初期値を0.1%に設定し、自動測定モードにて測定を行う。
試料の伸長補正:自動測定モードにて調整する。
[4−9]トナー軟化点
MFP500において利用されるトナーの軟化点(Tsp)は、90〜110℃であることが好ましい。軟化点(Tsp)が上記範囲であることにより、定着時にトナーに加わる熱の影響をより低減させることができる。これにより、着色剤に負担をかけずに画像形成が行えるので、より広く安定した色再現性を発現させることが期待される。
トナーの軟化点(Tsp)は、たとえば、以下の方法(m1)〜(m3)を単独で、または、組み合わせることにより制御することができる。
(m1)結着樹脂を形成すべき重合性単量体の種類や組成比を調整する。
(m2)連鎖移動剤の種類や添加量により結着樹脂の分子量を調整する。
(m3)ワックス等の種類や添加量を調整する。
トナーの軟化点(Tsp)は、たとえば、「フローテスターCFT−500」(島津製作所社製)を用いて測定される。測定では、トナーは、高さ10mmの円柱形状に成形される。測定機は、トナーを、昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーより1.96×10Paの圧力を加え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。これにより、測定機は、当該フローテスターのプランジャー降下量−温度間の曲線(軟化流動曲線)を描く。一例では、最初に流出する温度が、溶融開始温度として特定される。降下量5mmに対する温度が、軟化点温度として特定される。
[4−10]トナーの製造方法
トナーの製造方法として、たとえば、混練・粉砕法、乳化分散法、懸濁重合法、分散重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、ミニエマルジョン重合凝集法、カプセル化法、または、その他の公知の方法が採用され得る。好ましくは、トナーの製造方法として、画像の高画質化を達成するために小粒径化されたトナーを得る必要があることを考慮して、製造コストおよび製造安定性の観点から、乳化重合凝集法が採用される。乳化重合凝集法は、乳化重合法によって製造された結着樹脂よりなる微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」ともいう)の分散液を、着色剤よりなる微粒子(以下、「着色剤微粒子」ともいう。)の分散液と混合し、pH調整による微粒子表面の反発力と電解質体よりなる凝集剤の添加による凝集力とのバランスを取りながら緩慢に凝集させ、平均粒径および粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に、加熱撹拌することで微粒子間の融着を行って形状制御を行うことによって、トナーを製造する方法である。
トナーを製造する方法として乳化重合凝集法が採用された場合、結着樹脂微粒子が形成される。この結着樹脂微粒子は、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の層を有していてもよい。この場合、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)により調製した第1結着樹脂微粒子の分散液に、重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する、方法が採用され得る。
トナーは、コア−シェル構造を有していてもよい。コア−シェル構造を有するトナーの製造方法は、まず、コア用の結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを会合、凝集、融着させることにより、コア粒子を作製する。その後、コア粒子の分散液中にシェル層を形成するために、コア粒子にシェル用結着樹脂微粒子を添加する。これにより、コア粒子表面に、シェル用結着樹脂微粒子が凝集、融着することによって、コア粒子表面を被覆するシェル層が形成される。
トナーがコア−シェル構造を有するときの、トナーの製造方法の具体例を説明する。トナーの製造方法は、以下の(工程1)〜(工程8)を含む。
(工程1)着色剤が微粒子状に分散された着色剤微粒子の分散液を調製する、着色剤微粒子分散液調製工程
(工程2−1)主ワックスおよび内添剤などを含有したコア用の結着樹脂よりなるコア用結着樹脂微粒子を得て、当該微粒子の分散液を調製するコア用結着樹脂微粒子重合工程
(工程2−2)シェル用の結着樹脂よりなるシェル用結着樹脂微粒子を得た後、当該微粒子の分散液を調製する、シェル用結着樹脂微粒子重合工程
(工程3)コア用結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを水系媒体中で凝集、融着させることにより、コア粒子となるべき会合粒子を形成する、凝集・融着工程
(工程4)会合粒子を熱エネルギーにより熟成させることによって形状を制御し、これにより、コア粒子を得る、第1の熟成工程
(工程5)コア粒子の分散液中に、シェル層を形成すべきシェル用結着樹脂微粒子を添加することによりコア粒子の表面に当該シェル用結着樹脂微粒子を凝集、融着させ、これにより、コア−シェル構造の粒子を形成する、シェル層形成工程
(工程6)コア−シェル構造の粒子を熱エネルギーにより熟成させることにより当該粒子の形状を制御し、これにより、コア−シェル構造のトナー粒子を得る、第2の熟成工程
(工程7)冷却されたトナー粒子の分散系(水系媒体)からトナー粒子を固液分離し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去するろ過、洗浄工程
(工程8)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程
トナーの製造方法は、必要に応じて、(工程8)の乾燥工程の後に、次の(工程9)を含む。
(工程9)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する、外添剤処理工程
以下、各工程の内容を説明する。
(工程1)着色剤微粒子分散液調製工程
この工程では、水系媒体中に着色剤を添加して分散機によって分散処理することにより、着色剤が微粒子状に分散された着色剤微粒子の分散液を調製する処理が行われる。具体的には、着色剤の分散処理は、界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態の水系媒体中で行われる。分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリン、もしくは、圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダ、または、ゲッツマンミルもしくはダイヤモンドファインミルなどの媒体型分散機である。
この着色剤微粒子分散液における着色剤微粒子の分散径は、体積基準のメディアン径で40〜200nmであることが好ましい。
この着色剤微粒子の体積基準のメディアン径は、たとえば、「MICROTRACUPA−150(HONEYWELL社製)」を用いて測定される。測定条件は、たとえば、以下の通りである。
サンプル屈折率1.59
サンプル比重1.05(球状粒子換算)
溶媒屈折率1.33
溶媒粘度0.797(30℃)、1.002(20℃)
0点調整測定セルには、たとえば、イオン交換水が投入される。
(工程2−1)コア用結着樹脂微粒子重合工程
この工程は、重合処理を行って主ワックスおよび内添剤などを含有したコア用の結着樹脂よりなるコア用結着樹脂微粒子の分散液を調製する処理を含む。
この工程における重合処理の好適な一例では、臨界ミセル濃度(CMC)以下の界面活性剤を含有した水系媒体中に、必要に応じて主ワックスおよび内添剤などが含有された重合性単量体溶液が添加され、機械的エネルギーを加えて液滴が形成され、その後、水溶性の重合開始剤が添加されることにより、当該液滴中において重合反応を進行させる。
上記液滴中には、油溶性重合開始剤が添加されてもよい。この様な工程では、機械的エネルギーを付与して強制的な乳化(液滴の形成)を行う処理が必須となる。
上記された機械的エネルギーは、たとえば、ホモミキサー、超音波、マントンゴーリンなどの、強い撹拌または超音波振動エネルギーの付与する装置によって付与される。
〔界面活性剤〕
上記着色剤微粒子分散液として使用される水系媒体において、または、コア用結着樹脂微粒子の重合の媒体として使用される水系媒体において、用いられる界面活性剤について説明する。
界面活性剤は、特に限定されるものではないが、たとえば、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などのイオン性界面活性剤である。界面活性剤は、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドとのエステル、および/または、ソルビタンエステルなどのノニオン性界面活性剤であってもよい。
以下、コア用結着樹脂微粒子重合工程で使用される重合開始剤および連鎖移動剤について説明する。
〔重合開始剤〕
水溶性の重合開始剤は、たとえば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素である。
油溶性重合開始剤は、たとえば、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの、過酸化物系重合開始剤または過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤である。
〔連鎖移動剤〕
本実施の形態では、得られるコア用の結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤は、特に限定されるものではなく、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル等のメルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、および、α−メチルスチレンダイマーである。
(工程2−2)シェル用結着樹脂微粒子重合工程
この工程は、たとえば、上記(2−1)のコア用結着樹脂微粒子重合工程と同様の、重合処理、および、シェル用の結着樹脂よりなるシェル用結着樹脂微粒子の分散液を調製する処理を含む。
(工程3)凝集・融着工程
この工程は、コア用結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを水系媒体中で凝集、融着させてコア粒子となるべき会合粒子を形成する処理を含む。この工程における凝集、融着の方法は、たとえば、(工程1)で得られた着色剤微粒子、および、(工程2−1)で得られたコア用結着樹脂微粒子を用いた、塩析/融着法が好ましい。
この工程(工程3)では、コア用結着樹脂微粒子および着色剤微粒子とともに、ワックス微粒子および/または荷電制御剤などの内添剤微粒子の凝集/融着が行なわれてもよい。
「塩析/融着」とは、凝集と融着を並行して進め、所望の粒子径まで成長したところで、凝集停止剤を添加して粒子成長を停止させ、さらに、必要に応じて粒子形状を制御するための加熱を継続して行うことをいう。
塩析/融着法は、コア用結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とが存在している水系媒体中に、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩および3価の塩などからなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、コア用結着樹脂微粒子のガラス転移点以上であって、かつ、コア用結着樹脂微粒子と着色剤微粒子の融解ピーク温度以上の温度に加熱することで塩析を進行させると同時に凝集・融着を行うものである。塩析剤であるアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の金属は、アルカリ金属(リチウム、カリウム、ナトリウム等)であってもよいし、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなど)であってもよい。当該金属は、好ましくは、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムである。
(工程3)の凝集・融着工程を塩析/融着によって行う場合、塩析剤を添加した後の放置時間は、できるだけ短くされることが好ましい。この理由は明確ではないが、理由としては、たとえば、塩析した後の放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動したりする問題が発生し得ることが想定される。塩析剤を添加する温度としては、少なくともコア用結着樹脂微粒子のガラス転移点以下であることが必要である。この理由は、塩析剤を添加する温度がコア用結着樹脂微粒子のガラス転移点以上であると、コア用結着樹脂微粒子の塩析/融着は速やかに進行する一方で、粒径の制御を行うことができず、大粒径の粒子が発生したりする問題が発生するからである。この添加温度の範囲としては結着樹脂のガラス転移点以下であればよいが、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。
塩析剤をコア用結着樹脂微粒子のガラス転移点以下で加え、その後にできるだけ速やかに昇温し、コア用結着樹脂微粒子のガラス転移点以上であって、かつ、コア用結着樹脂微粒子と着色剤微粒子の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱する。この昇温までの時間としては1時間未満が好ましい。さらに、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては、0.25℃/分以上が好ましい。上限としては特に明確ではないが、瞬時に温度を上げると塩析が急激に進行するため、粒径が制御されにくいという問題があり、5℃/分以下が好ましい。以上の塩析/融着法により、コア用結着樹脂微粒子および任意の微粒子が塩析/融着されてなる会合粒子(コア粒子)の分散液が得られる。
「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒は、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランである。これらのうち、生成される樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
(工程4)第1の熟成工程
この工程では、会合粒子を熱エネルギーにより熟成させる処理が行われる。(工程3)凝集・融着工程の加熱温度、ならびに、(工程4)の第1の熟成工程の加熱温度および時間が制御されることにより、粒径が一定で分布が狭く形成されたコア粒子表面が、平滑かつ均一的な形状を有する。具体的には、(工程3)の凝集・融着工程では、加熱温度を低めにしてコア用結着樹脂微粒子同士の融着の進行を抑制させて均一化を促進させ、第1の熟成工程で加熱温度を低めに、かつ、時間を長くすることにより、コア粒子の表面が均一な形状になるように、制御される。
(工程5)シェル層形成工程
この工程では、コア粒子の分散液中にシェル用結着樹脂微粒子の分散液を添加してコア粒子の表面にシェル用結着樹脂微粒子を凝集、融着させ、コア粒子の表面にシェル用結着樹脂微粒子を被覆させてコア−シェル構造の粒子を形成するシェル化処理が行われる。
この工程は、低温定着性と耐熱保存性の両方の性能を付与するための好ましい製造条件である。カラー画像を形成する場合、二次色について高い色再現性を得るために、このシェル層形成を行うことが好ましい。
具体的には、コア粒子の分散液を(工程3)凝集・融着工程および(工程4)第1の熟成工程における加熱温度を維持した状態でシェル用結着樹脂微粒子の分散液を添加し、加熱撹拌を継続しながら数時間かけてゆっくりとシェル用結着樹脂微粒子をコア粒子表面に被覆させてコア−シェル構造の粒子を形成させる。加熱撹拌時間は、1〜7時間が好ましく、3〜5時間が特に好ましい。
(工程6)第2の熟成工程
この工程では、(工程5)のシェル層形成工程によりコア−シェル構造の粒子が所定の粒径になった段階で塩化ナトリウムなどの停止剤を添加して粒子成長を停止させ、その後もコア粒子に付着させたシェル用結着樹脂微粒子を融着させるために数時間加熱撹拌を継続する。コア粒子の表面を被覆するシェル用結着樹脂微粒子による層の厚さを100〜300nmとする。このようにして、コア粒子の表面にシェル用結着樹脂微粒子を固着させてシェル層を形成し、丸みを帯び、しかも形状の揃ったコア−シェル構造のトナー粒子が形成される。
(工程7)ろ過、洗浄工程
この工程では、先ず、トナー粒子の分散液を冷却する処理が行われる。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却することが好ましい。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法、または、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
その後、所定温度まで冷却されたトナー粒子の分散液からトナー粒子を固液分離し、その後、固液分離されたトナーケーキ(ウエット状態にあるトナー粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤または塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理が行われる。ここで、ろ過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧ろ過法、フィルタープレス等を使用して行うろ過法など特に限定されるものではない。
(工程8)乾燥工程
この工程では、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥する処理が行われる。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥処理されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは2質量%以下とされる。
乾燥処理されたトナー粒子同士が弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(工程9)外添処理工程
この工程では、(工程8)の乾燥工程で乾燥処理されたトナー粒子に対して外添剤を添加する処理が行われる。外添剤は、例えば、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどの機械式の混合装置を用いることによって添加される。
[4−11]トナーの製造の具体例
<樹脂分散液の製造例(1)>
テレフタル酸85質量部、トリメリット酸6質量部、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物250質量部、を、撹拌機、温度計、冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応容器に入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、チタンテトラブトキサイド0.1質量部を添加し、窒素ガス気流下で約180℃で8時間撹拌反応を行った。さらに、チタンテトラブトキサイド0.2質量部を添加し温度を約220℃に上げ6時間撹拌反応を行った後、10mmHgまで減圧した反応容器内で反応を行なうことにより、ポリエステル樹脂〔A1〕を得た。ポリエステル樹脂〔A1〕のガラス転移点(Tg)は59℃、重量平均分子量(Mw)は9,000であった。
非晶性ポリエステル樹脂〔A1〕200質量部を酢酸エチル200質量部に溶解し、この溶液を撹拌しながら、イオン交換水800質量部にポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを濃度が1質量%になるよう溶解させた水溶液をゆっくりと滴下した。この溶液を減圧下、酢酸エチルを除去した後、アンモニアでpHを8.5に調整した。その後、固形分濃度を20質量%に調整した。これにより、水系媒体中にポリエステル樹脂〔A1〕の微粒子が分散された非晶性ポリエステル樹脂〔A1〕の微粒子の分散液を調製した。
<樹脂分散液の製造例(2)>
ドデカン二酸315質量部、1,6−ヘキサンジオール220質量部を、撹拌機、温度計、冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応容器に入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、チタンテトラブトキサイド0.1質量部を添加し、窒素ガス気流下で約180℃で8時間撹拌反応を行った。さらに、チタンテトラブトキサイド0.2質量部を添加し温度を約220℃に上げ6時間撹拌反応を行った後、10mmHgまで減圧された反応容器内で反応を行うことにより、ポリエステル樹脂〔B1〕を得た。ポリエステル樹脂〔B1〕の融点(Tm)は72℃、重量平均分子量(Mw)は14,000であった。
<ワックス分散液の調整例>
フィッシャートロプシュワックス「FNP−0090」(日本精鑞社製、融点89℃)200質量部を95℃に加温し溶融させた。これを、さらに、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムが3質量%の濃度となるようイオン交換水800質量部に溶解させた界面活性剤水溶液に投入した後、超音波ホモジナイザーを用いて分散処理を行った。固形分濃度は20質量%に調整した。これにより、水系媒体中にワックスの微粒子が分散されたワックス分散液を調製した。
<トナー(1)の製造例>
後述するトナー(1)は、以下のように製造された。
すなわち、ポリエステル樹脂〔A1〕分散液300質量部、ポリエステル樹脂〔B1〕分散液100質量部、ワックス分散液77.3質量部、着色剤分散液41.3質量部、イオン交換水225質量部およびポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム2.5質量部を、撹拌機、冷却管、温度計を備えた反応容器に投入し、撹拌しながら0.1Nの塩酸を加えてpHを2.5に調整した。
次いで、ポリ塩化アルミニウム水溶液(AlCl換算で10%水溶液)0.3質量部を10分間かけて滴下した後、撹拌しつつ内温を60℃まで昇温した。さらに、徐々に75℃まで昇温を行い、内温を75℃に維持し、コールターカウンターで測定を行い、平均粒径が6μm台に到達した所で3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸4ナトリウム水溶液(40%水溶液)2質量部を加えて、粒径成長を停止し内温を85℃まで昇温し「FPIA−2000」を用い形状係数が0.96になった時点で、10℃/minの速度で室温まで冷却した。この反応液を、濾過、洗浄を繰り返した後、乾燥することにより、トナー粒子〔1〕を得た。
得られたトナー粒子〔1〕に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)1質量%および疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)1質量%を添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合し、その後、45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去することにより、トナー(1)を得た。
トナー(1)の体積基準のメジアン径は6.10μmであり、平均円形度は0.965であり、温度60℃における貯蔵弾性率G’(60)は、5×10Paであった。
[5]定着処理後の加熱と画像の光沢度
図4は、用紙P上に形成された画像におけるトナーの状態を説明するための図である。図4には、状態(1)〜(3)が示される。状態(1)は、定着ユニット60における定着処理前を表わす。状態(2)は、定着ユニット60における定着処理中を表わす。状態(3)は、定着ユニット60における定着処理後を表わす。
状態(3)では、定着ユニット60における定着処理後のトナーの熱履歴に従って、状態(3A)〜(3C)が示される。状態(3A)は、定着処理後、室温環境に配置されることにより急冷された状態を表わす。状態(3A)では、トナーの表面に凹凸が生じる。
状態(3B)は、定着処理後、適度に加熱された状態を表わす。状態(3B)では、トナー粒子の弾性回復により、トナーの表面に適度な凹凸が発生し、用紙P上の画像の光沢度が適度に低下する。
状態(3C)は、定着処理後、過剰に加熱された状態を表わす。状態(3C)では、トナーが再溶融することにより、トナーの表面が平滑化する。これにより、用紙P上の画像の光沢度が上昇する。
本明細書において、「弾性回復」とは、定着ユニット60において、トナーが、所定の圧力を印加された後、当該圧力から開放された後に、当該圧力を印加された元の状態(粉状態)に戻ろうとする現象のことを言う。なお、状態(3A)として示されたように、トナーが急冷されると、トナーが硬化するため、弾性回復を望めなくなる。そのため、弾性回復は、ある程度以上の温度(ガラス転移点以上)で起こる。
[6] 光沢度と形成条件との関係
(光沢度の変化)
図5は、光沢度と、MFP500における画像形成条件との関係の一例を示す図である。図5のグラフにおいて、縦軸(y)は、用紙P上に形成された画像の光沢度である。本明細書上の光沢度は、たとえば、GMX-203(株式会社村上色彩技術研究所製の光沢計)によって計測された値である。横軸(x)は、関数Sの対数(LogS)を表わす。光沢度は、LogSの値に従って変化する。
関数Sは、以下の式(A)で表される。
S=(T1+T2-2×Tm)×(t2-t1)×1/2+(T2-Tm)×(t3-t2)×1/2 …(A)
式(A)において、T1は、第1温度センサー621によって計測される温度である。T2は、第2温度センサー622によって計測される温度である。Tmは、用紙P上の画像を構するトナーの貯蔵弾性率が10Paとなる温度である。MFP500は、トナーとして、たとえば、上記<トナー(1)の製造例>において説明された「トナー(1)」を利用する。
t1は、用紙Pが、定着ユニット60を排出されてから位置P1に移動するのに要する時間を表わす。t2は、用紙Pが、定着ユニット60を排出されてから位置P2に移動するのに要する時間を表わす。t3は、用紙Pが定着ユニット60を排出されてから用紙Pの温度がTmになるまでの時間を表わす。時間t3は、上述のように、用紙停止位置SPにおける用紙Pの検出温度等を用いた時刻TDの推定に基づいて導出されてもよい。
以下の式(B)として示されるように、MFP500では、光沢度(y)は、LogS(x)の関数として示される。式(B)は、図5において近似線L1として示される。
y=−11.049x+39.55 …(B)
(関数Sの説明)
図6は、関数Sの意味を説明するための図である。図6において、線Lは、定着ユニット60における定着処理前後の、用紙P上のトナーの温度変化の典型例を表わす。
図6において、時刻TAは、用紙Pが定着ユニット60を排出された時点を表わす。時刻TBは、用紙Pが位置P1(図2)に移動する時点を表わす。時刻TCは、用紙Pが位置P2(図2)に移動する時点を表わす。時刻TDは、用紙Pが温度Tmになる時刻を表わす。時刻TDは、上述のように、第3温度センサー623による検出温度および検出タイミング等を用いて推定される、用紙Pの温度がTmになる(または、Tmになった)時刻である。式(A)内の時間t1,t2,t3のそれぞれは、図6中の、時刻TAから時刻TBまでの時間,時刻TBから時刻TCまでの時間,時刻TCから時刻TDまでの時間のそれぞれを表わす。
線Lによって示されるように、用紙P上のトナーの温度は、定着ユニット60において加熱定着されることにより時刻TAまで上昇する。その後、用紙P上のトナーの温度は、用紙Pが補助ヒーター610に対向する位置に到達するまで(時刻TBまで)、急激に低下する。用紙Pが補助ヒーター610と対向する領域に到達してから当該領域から出るまで(時刻TBから時刻TCまで)、用紙P上のトナーの温度の低下の度合いが緩やかになる。その後、用紙Pが補助ヒーター610と対向する領域を出た後は、用紙P上のトナーの温度はTmに向けて急激に低下する。
用紙P上のトナーが定着ユニット60における定着処理の後に受ける熱量は、図6の時刻TA以降に受けた熱量である。また、トナーの熱履歴に影響を与えるのは、トナーの温度Tm以上の温度である。本実施の形態では、時刻TA以降に、トナーを温度Tm以上に加熱するために加えられる熱量として、図6中でハッチングを付された領域の面積に対する近似を用いる。当該近似に、式(A)によって算出される値Sが利用される。以下に、式(A)を再掲する。
S=(T1+T2-2×Tm)×(t2-t1)×1/2+(T2-Tm)×(t3-t2)×1/2 …(A)
式(A)の右辺の、最初の3項「(T1+T2-2×Tm)×(t2-t1)×1/2」は、時刻TBから時刻TCまでのハッチングを付された部分を台形として擬制する。当該台形の面積は、時刻TBにおける垂線(長さ:T1−Tm)を下底とし、時刻TCにおける垂線(長さ:T2−Tm)を上底とし、時刻TBから時刻TCまでの時間の長さ(TC−TB)を高さとすることによって求められる。
式(A)の右辺の最後の2項目「(T2-Tm)×(t3-t2)×1/2」は、時刻TC以降の領域を三角形として擬制する。当該三角形の面積は、時刻TCから時刻TDまでの時間の長さ(長さ:TD−TC)を底辺とし、温度T2と温度Tmとの差(T2−Tm)を高さとする直角三角形の面積として求められる。
(近似線L1を得るための実施例)
図7は、値Sについての6つの変数について、具体例の7つの組を表わす図である。7つの組のそれぞれは、例(1)〜(7)として示される。図7には、例(1)〜(7)のそれぞれについて、6種類の変数(t1,t2,t3,T1,T2,T3)の値と、当該6種類の変数に従った値Sと、各例に従った画像形成後の画像の光沢度とが示されている。図7には、さらに、補助ヒーター610における「ヒーターの点灯態様」が示される。補助ヒーター610は、1本以上のガラス管ヒーターを含む。「ヒーターの点灯態様」は、1本以上のガラス管ヒーターのうち、点灯させるヒーターの本数、および、表面温度についての条件を含む。
図8は、補助ヒーター610についての5種類の状態を模式的に示す図である。図8において、状態(A)は例(1),(4)に対応し、状態(B)は例(2),(5)に対応し、状態(C)は例(3),(6)に対応し、状態(D)は例(7)に対応し、状態(E)は例(8)に対応する。例(1)〜(7)のそれぞれは、図7中の例(1)〜(7)のそれぞれに対応する。なお、例(1)〜(3)では、補助ヒーター610は、点灯時の表面温度が100℃を呈するハロゲンヒーターを備える。例(1)ではヒーターの数は1本、例(2)ではヒーターの数は2本、例(3)ではヒーターの数は3本である。複数のヒーターは、用紙Pの搬送方向に並べられている。
例(4)〜(6)では、補助ヒーター610は、点灯時の表面温度が80℃を呈するハロゲンヒーターを備える。例(4)ではヒーターの数は1本、例(5)ではヒーターの数は2本、例(6)ではヒーターの数は3本である。例(7)では、補助ヒーター610は省略されている。
なお、図7および図8には、補助ヒーター610が5本のハロゲンヒーター(点灯時の表面温度が100℃)を備える例(8)が示されている。例(8)では、例(1)〜(7)と比較して、補助ヒーター610による加熱が強いため、光沢度が比較的高くなった(光沢度=45)。
(実施条件)
図7に示された光沢度は、以下の条件に従って取得された。
定着ベルト605は、ポリイミド基体上に、220μmのシリコーンゴム層が形成されることによって構成される。定着ベルト605において、表面はPFAでコーティングされている。ゴム層のゴム硬度は20°である。PFAのコーティングの層厚は30μmである。ゴム層の硬度はマイクロ硬さ(MD-1硬度)85°(type C)である。定着ベルトの周長は120mmである。定着ベルト605の表面の設定温度は180℃である。
定着ローラー602において、ゴム厚は20mmであり、ゴム硬度は10度であり、ローラーの径は60mmである。
加熱ローラー601において、ゴム厚は5mmであり、ゴム硬度は10度であり、ローラーの径は60mmである。ゴムは、シリコーンゴムであり、表面はPFA樹脂でコーティングされている。
加圧ローラー609の設定温度は80℃である。
定着ユニット60のニップ部において、荷重は2000Nであり、通紙速度は300mm/secであり、NIP長さは20mmである。用紙PにおけるトナーTNの付着量は、8g/m2である。トナーTNとしては、上記のトナー(1)を用いる。
補助ヒーター610に備えられたハロゲンヒーターの数は、図8に示された通りである。ハロゲンヒーターにおいて、用紙Pと対向する以外の部分は、断熱材で覆われている。補助ヒーター610の外殻の、搬送経路3に沿った方向の寸法は300mmである。
定着ユニット60のニップ部から位置P1(補助ヒーター610と対向する領域の入り口)までの間隔は200mmである。
第1温度センサー621は、定着ユニット60のニップ部を通過した後、0.2secの位置(位置P1)の温度を測定している。たとえば、搬送速度が400mm/sであれば、第1温度センサー621は、ニップ部から80mmの位置にある用紙Pの温度を検出する。
第2温度センサー622は、用紙Pが補助ヒーター610内の最後のヒーターに対向する部分を通過した位置(位置P2)の用紙Pの温度を検出する。第2温度センサー622が温度を検出するタイミングは、補助ヒーター610において点灯されるヒーターの本数に従う。たとえば、点灯されるヒーターの本数が1である場合には、第2温度センサー622は、定着ユニット60のニップ部を通過した後、0.6secの位置の温度を測定している。たとえば、搬送速度が400mm/sであれば、第2温度センサー622は、ニップ部から240mmの位置にある用紙Pの温度を検出する。
第3温度センサー623は、補助ヒーター610より下流側の位置(位置P3)の用紙Pの温度を検出する。第3温度センサー623が温度を検出するタイミングは、補助ヒーター610において点灯されるヒーターの本数に従う。たとえば、点灯されるヒーターの本数が1である場合には、第3温度センサー623は、定着ユニット60のニップ部を通過した後、1.3secの位置の温度を測定している。たとえば、搬送速度が400mm/sであれば、第3温度センサー623は、ニップ部から520mmの位置にある用紙Pの温度を検出する。
なお、例(7)では、第2温度センサー622と第3温度センサー623とは同じ位置の用紙Pの温度を検出する(すなわち、値t2と値t3とが等しい)。
(対応表)
図9は、図5の式(B)に従った、光沢度と値Sとの対応関係を表わす図である。図9に示された情報は、たとえば記憶部72に格納される。
[7]制御内容
図10は、CPU101によって実行される、用紙P上の画像の光沢度を制御するための処理のフローチャートである。一例では、図10の処理は、CPU101が所与のプログラムを実行することによって実現される。
ステップS10にて、CPU101は、用紙P上に形成する画像(トナー像)の光沢度についての設定を読み出す。光沢度の設定は、MFP500において予め登録されていてもよいし、操作部302を介してユーザーから入力されてもよいし、各ジョブデータの中に含まれていてもよい。一例では、CPU101は、MFP500に対して画像の形成の指示が入力されるたびに図10の処理を開始する。他の例では、CPU101は、MFP500が所与の枚数の用紙Pに画像を形成するたびに図10の処理を開始する。
ステップS20にて、CPU101は、ステップS10にて読み出した設定に従って、補助ヒーター610の動作態様を設定する。
一例では、CPU101は、図7に示されたタイミング(t1〜t3)で用紙Pを搬送し、且つ、図7に示された態様で補助ヒーター610を制御する。たとえば、設定された光沢度が「27」であったとする。図7において、例(1)に対して検出された光沢度は「27」である。このことから、CPU301は、光沢度の設定が「27」である場合には、例(1)のt1〜t3に従ったタイミングで用紙Pを搬送し、また、例(1)の「ヒーターの点灯態様」に従って補助ヒーター610を制御する。用紙Pの搬送を制御するために、CPU101は、用紙Pの搬送速度を変えてもよいし、補助ヒーター610の位置を変更(定着ユニット60に近づけるまたは遠ざける)してもよい。
MFP500において、CPU301は、補助ヒーター610の複数のガラス管ヒーターのそれぞれの点灯/消灯を制御できてもよく、さらに、複数のガラス管ヒーターのそれぞれの表面温度(100℃または80℃)を制御できてもよい。
t1〜t3に従ったタイミングで位置P1から位置SPへと用紙Pを搬送することにより、CPU101は、補助ヒーター610による用紙Pの加熱時間を制御することができる。「ヒーターの点灯態様」に従って補助ヒーター610を制御することにより、CPU101は、補助ヒーター610による用紙Pの加熱温度を制御することができる。
図7に示された光沢度が設定された場合、CPU301は、設定された光沢度を図7中の光沢度に近似して、制御態様を決定してもよい。または、CPU101は、式(B)に従って設定された光沢度に対応したSの値を導出し、導出されたSの値を実現する6個の変数(T1,T2,Tm,t1,t2,t3)に従って、定着処理後の用紙Pの加熱および搬送を制御してもよい。
以上説明したように、CPU20は、光沢度の設定に従って、補助ヒーター610による加熱を制御する。これにより、用紙P上の画像の光沢度が設定に従うように制御される。
MFP500では、具体的な光沢度の値が設定される代わりに、2種類のモード(光沢度が高いモードと、光沢度が低いモード)として設定されてもよい。この場合、ステップS10において、CPU101は、モードの指定を読み出す。低いモードの指定を受け付けると、一例では、CPU101は、Sの値が0≦S≦50の範囲になるように、定着処理後の用紙Pの搬送を制御し、用紙Pの加熱温度を制御する。Sの値が0≦S≦50の範囲であるために、CPU101は、図7の例(1)〜(7)の中のいずれか1つ(たとえば、予め指定されている)に従って、用紙Pの搬送(t1,t2,t3)を制御し、用紙Pの加熱温度(「ヒーターの点灯態様」)を制御してもよい。高いモードの指定を受け付けると、一例では、CPU101は、図7の例(8)に従って、用紙Pの搬送を制御(t1,t2,t3)、用紙Pの加熱温度を制御する(「ヒーターの点灯態様」)。
CPU101は、補助ヒーター610によって表面を加熱されている用紙Pの裏面を、冷却ファン640によって冷却してもよい。たとえば、MFP500が、用紙Pの表面に画像を形成した後、裏面に画像を形成する場合、CPU101は、裏面に形成された画像を補助ヒーター610によって加熱し、表面に形成された画像を冷却ファン640によって冷却してもよい。なお、CPU101は、補助ヒーター610による用紙Pの加熱とは関係なく、MFP500の筐体内の温度を調整するために冷却ファン640を制御してもよい。
今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
60 定着ユニット、60A 加熱部、60B 加圧部、61 定着ローラー用モーター、62 加圧ローラー用モーター、63 ヒーター、64 温度センサー、65 ローラー位置調整用モーター、101 CPU、500 画像形成装置、601 加熱ローラー、602 定着ローラー、605 定着ベルト、610 補助ヒーター。

Claims (5)

  1. 記録媒体上に形成された画像を定着するように構成された定着ユニットと、
    前記定着ユニットによって定着処理を施された記録媒体を加熱するように構成された加熱ユニットと、
    記録媒体上の画像の光沢度を設定するように構成されたコントローラーとを備え、
    前記コントローラーは、設定された前記光沢度に応じて、前記加熱ユニットによる加熱量を制御するように構成されている、画像形成装置。
  2. 前記コントローラーは、前記光沢度と、前記加熱ユニットによる加熱の温度および時間との関係を表わす式(1)に従って、前記光沢度に対応する前記加熱ユニットの加熱量を設定するように構成されており、
    Y=a×LogS+b …(1)
    Yは、光沢度であり、
    aおよびbは、所与の定数であり、
    Sは、次の式(2)に従って表され、
    S=(T1+T2-2×Tm)×(t2-t1)×1/2+(T2-Tm)×(t3-t2)×1/2 …(2)
    であり、
    T1は、前記加熱ユニットに導入される記録媒体の温度であり、
    T2は、前記加熱ユニットから排出される記録媒体の温度であり、
    Tmは、前記画像を構成するトナーの貯蔵弾性率が10Paとなる温度であり、
    t1は、前記定着ユニットにおける前記画像の定着の終了から、前記記録媒体が前記加熱ユニットに導入されるまでの時間であり、
    t2は、前記定着ユニットにおける前記画像の定着の終了から、前記記録媒体が前記加熱ユニットから排出されるまでの時間であり、
    t3は、前記定着ユニットにおける前記画像の定着の終了から、前記トナーの温度がTmまで低下するまでの時間である、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記コントローラーは、
    前記光沢度に関する設定として高光沢モードおよび低光沢モードの指定を受け付け可能であり、
    前記低光沢モードの指定を受付けた場合には、前記Sの値を10≦S≦50に制御するように構成されている、請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記加熱ユニットは、記録媒体の第1の面を対向するように設けられ、
    前記記録媒体の第2の面を冷却するように構成された冷却ユニットをさらに備える、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 記録媒体上に形成された画像を定着するように構成された定着ユニットと、前記定着ユニットによって定着処理を施された記録媒体を加熱するように構成された加熱ユニットとを備えた画像形成装置の制御方法であって、
    記録媒体上の画像の光沢度の設定を読み出すステップと、
    設定された前記光沢度に応じて、前記加熱ユニットによる加熱の温度および時間を制御するステップとを備える、画像形成装置の制御方法。
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