JP2019100904A - 測定ステーションおよび測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、検出ヘッドまたはワークをロボットアームで移動させる測定ステーションが用いられている。
例えば、多関節型のロボットアーム等に検出ヘッドを装着し、検出ヘッドを移動させてワークに接触または近接させている(特許文献1参照)。
特許文献1の測定ステーションでは、ロボットアームに位置基準部材を設け、ワークを支持するテーブルに接触検知手段を設け、測定前にこれらを接触または近接させることで座標の校正を行い、検出ヘッドによる検出位置の高精度化を図っている。
また、ロボットアームによるワークの搬送位置精度を向上するために、ロボットアームで搬送中のワークの姿勢を画像で検出し、搬送位置の補正を行うこともなされている(特許文献3参照)。
しかし、このような動作を行う場合、ワークを掴んだり離したりする動作時間が必要となり、タクトタイムの短縮ができず、処理効率が向上できないという問題があった。
これに対し、特許文献3のように、ワークを掴んだり離したりする動作を省略し、ロボットアームでワークを掴んだ状態のまま測定することが考えられる。
しかし、測定装置に対し、ロボットアームで支持されたワークの相対位置が安定せず、高精度な測定を行うことが難しいという問題があった。
これに対し、ロボットアームの剛性を高める等により位置精度の向上を図ることが試みられているが、剛性を高めても振動の伝播を避けることが難しく、その改善が求められていた。
本発明の他の目的は、ロボットアームで検出ヘッドまたはワークを支持しつつ、ロボットアームから検出ヘッドまたはワークに伝播する振動の影響を抑制できる測定ステーションおよび測定方法を提供することにある。
本発明では、固定部により検出ヘッドとワークとが相互に固定されることで、検出ヘッドに対し、ロボットアームで支持されたワークの相対位置が安定し、高精度な測定を行うことができる。また、ロボットアームからワークまたは検出ヘッドに伝播する振動があってもその影響を抑制でき、検出ヘッドによるワークの測定精度を向上することができる。
支持機構としては、ロボットアームで移動されるワークまたは検出ヘッドの一方に対し、これを測定する検出ヘッドまたは測定されるワークの他方を支持できればよい。支持機構としては、単なる支持構造体のほか、既存の三次元測定機などを利用してもよい。
いずれの構成においても、相互に固定する対象であるワークと検出ヘッドとがなるべく短い経路で連結される構成とすることが望ましい。
すなわち、固定部を支持機構に設置する場合、固定部は、ワーク(または検出ヘッド)に直接当接するか、ロボットアームのワーク(または検出ヘッド)になるべく近い部分に当接することが好ましい。あるいは、固定部をロボットアームに設置する場合、固定部は、ワーク(または検出ヘッド)に直接当接するか、支持機構のワーク(または検出ヘッド)になるべく近い部分に当接することが好ましい。
検出ヘッドの機能上自明であるが、検出ヘッドと固定部とを当接させる際には、ケースやロボットアームへの接続部分に当接するものとし、スタイラスなど測定部分への当接は除く。
本発明では、フィンガがワークを把持しつつ固定部に当接するため、相互の固定による高精度化ができるとともに、ワークに最寄りの部分で振動を効率よく抑制できる。さらに、ワークを固定部に直接当接することを避けられるので、ワークの表面を保護することができる。
測定機としては、例えば既存の三次元測定機や、形状測定機あるいは輪郭測定機などが利用できる。これらの測定機は、ワークを載置するテーブルに対して検出ヘッドを任意位置へ移動可能であり、テーブルの表面の任意位置に固定部を設置することで、その位置をワークの固定位置つまり測定位置とすることができる。
搬送用のコンベアとしては、ワークを所定間隔で載置可能なベルト式コンベア、ワークを個々に把持するハンドラ式コンベアなど、既存のものを適宜利用できる。
本発明では、固定部により検出ヘッドとワークとが相互に固定されることで、ロボットアームで支持されたワークの相対位置が安定し、高精度な測定を行うことができる。そして、ロボットアームからワークに伝播する振動があってもその影響を抑制でき、検出ヘッドによるワークの測定精度を向上することができる。
〔第1実施形態〕
図1において、測定ステーション1は、測定対象物であるワーク2に検出ヘッド3を接触させ、接触部位の座標位置を高精度に測定するものである。
検出ヘッド3は、タッチプローブ(接触式プローブ)であり、接触子31がワーク2の表面に接触することで、接触位置の三次元位置を検出可能である。検出ヘッド3としては、レーザ光をワーク2の表面に照射して投光位置までの距離を検出するレーザープローブなど、非接触式プローブを用いてもよい。
検出ヘッド3は、支持機構としての三次元測定機4に装着されている。
従って、スピンドル45に装着された検出ヘッド3は、前述したコラム42を含む門型構造のXYZ3軸移動により、テーブル41に対して三次元移動され、テーブル41上に配置されたワーク2の表面の任意位置に接触することができる。
ロボットアーム5は、多関節式の産業用ロボットであり、先端にワーク2をクランプ可能な一対のフィンガ51を有する。
ロボットアーム5の近傍にはストッカ59が設置され、その上には測定に供されるワーク2が載置されている。
ロボットアーム5は、ストッカ59上のワーク2をフィンガ51でクランプし、クランプしたワーク2を三次元測定機4のテーブル41上へと搬送し、テーブル41上の所定位置に保持することができる。
テーブル41には、固定部としての当接ブロック6が固定されている。
一対のフィンガ51は、本体52の両側に支持され、本体52内に設置されたエアシリンダあるいは電動モータ等の駆動手段で駆動され、互いに近接離隔することでワーク2をクランプ可能である。
なお、基部61をテーブル41に固定する際には、テーブル41に準備されたボルト孔などを用いてもよく、粘着テープあるいは接着剤などを用いてもよい。
測定準備として、三次元測定機4には、測定に使用する検出ヘッド3を装着するとともに、固定部である当接ブロック6を固定しておく。また、ストッカ59には、測定対象物であるワーク2を載置しておく。
測定の際には、ロボットアーム5をストッカ59に向け(図1の一点鎖線の状態)、フィンガ51でワーク2をクランプする。次に、ロボットアーム5を反転させて三次元測定機4に向け、ワーク2をテーブル41上に導入する。
続いて、ワーク2と当接ブロック6とを所定の力で当接させた状態で、三次元測定機4を作動させ、検出ヘッド3を移動させて接触子31をワーク2に接触させ、その座標位置を検出する。
以上で1つのワーク2に対する一連の測定が行われる。
次に、ロボットアーム5で別のワーク2をクランプし、同様な動作により検出ヘッド3による測定を行う。以下、同様な動作を繰り返し、全てのワーク2に対する一連の測定ができたら、測定動作を完了する。
本実施形態では、ロボットアーム5によりワーク2を三次元測定機4に導入し、ロボットアーム5でワーク2をクランプした状態のまま、三次元測定機4による測定を行う。このため、ロボットアーム5で三次元測定機4に搬入したワーク2をテーブル41の所定位置に載置し、ロボットアーム5を退避させたのち検出ヘッド3での測定を行い、再びロボットアーム5を導入し、ワーク2をクランプして搬出するといった煩雑な手順を解消することができ、処理効率を向上することができる。
本実施形態では、ロボットアーム5によりワーク2をクランプしたまま検出ヘッド3での測定を行う。この際、固定部である当接ブロック6により、検出ヘッド3とワーク2とが相互に固定されることで、検出ヘッド3とワーク2との相対位置の変動を防止でき、高精度な測定を行うことができる。
さらに、ロボットアーム5からワーク2に伝播する振動があってもその影響を抑制でき、検出ヘッド3によるワーク2の測定精度を向上することができる。
当接ブロック6は、基部61および壁部62からなる簡素な構造であり、製造が容易である。そして、基部61によりテーブル41上に安定した状態で固定できるとともに、起立した壁部62によりワーク2との当接が容易に行える。
支持構造として三次元測定機4を用いたため、本来の機能として検出ヘッド3を装着することができ、検出ヘッド3を支持しかつ任意の位置へ移動させることができる。
ここで、ワーク2の表面が球面や曲面あるいは凹凸を有する形状である場合、平坦な壁部62に対して一点で接触し、安定した当接状態が得られず、ワーク2の振動の抑制が十分にできない可能性がある。
このようなワーク2に対しては、別の形状の当接ブロックを用いることができる。
図5、図6および図7には本発明の第2実施形態が示されている。
本実施形態は、前述した第1実施形態(図1、図2および図3参照)と基本構成が同様である。このため、共通の部分については説明を省略し、以下相違する部分について説明する。
ロボットアーム5は、先端のフィンガ51でストッカ59に準備されたワーク2をクランプし、三次元測定機4のテーブル41上へとワーク2を導入し、当接ブロック6とワーク2とを当接状態で保持することができる。
この状態で、三次元測定機4を起動し、検出ヘッド3を移動させてワーク2に接触させることで、ワーク2の任意の表面の座標位置を検出することができる。
図6および図7に示すように、本実施形態では、フィンガ51が第1実施形態よりも長く形成され、クランプしたワーク2よりも突出した状態とされている。また、本体52の下面側には当接ロッド53が設置されている。当接ロッド53の先端と、一対のフィンガ51の先端とは、互いに同じ仮想平面に配置されている。
従って、測定動作において、ロボットアーム5でワーク2を当接ブロック6に近接させた際には、一対のフィンガ51の先端および当接ロッド53の先端の3点で壁部62の表面に当接し、これらのフィンガ51および当接ロッド53を介してワーク2が当接ブロック6に固定される。
従って、本実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様な効果が得られる。そして、フィンガ51がワーク2を把持しつつ当接ブロック6に当接するため、ワーク2に最寄りの部分で相対位置を固定できるとともに、振動を効率よく抑制できる。さらに、ワーク2と当接ブロック6との直接接触を避けることができ、ワーク2の表面を保護することができる。
図8、図9および図10には本発明の第3実施形態が示されている。
本実施形態は、前述した第1実施形態(図1、図2および図3参照)と基本構成が同様である。このため、共通の部分については説明を省略し、以下相違する部分について説明する。
ロボットアーム5は、先端のフィンガ51でストッカ59に準備されたワーク2をクランプし、三次元測定機4のテーブル41上へとワーク2を導入することができる。
この状態で、三次元測定機4を起動し、検出ヘッド3を移動させてワーク2に接触させることで、ワーク2の任意の表面の座標位置を検出することができる。
図9および図10に示すように、本実施形態では、固定部としての当接ブロック6Cが、本体52の下面に形成されている。
従って、ロボットアーム5でワーク2をクランプした状態で、ワーク2をテーブル41上に移動させ、さらに降下させてテーブル41に当接ブロック6Cを当接させることで、当接ブロック6C、本体52およびフィンガ51を介してワーク2とテーブル41とが相互に固定される。
従って、本実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様な効果が得られる。
図11には本発明の第4実施形態が示されている。
前述した第1実施形態から第3実施形態では、それぞれ支持機構としての三次元測定機4に検出ヘッド3を装着するとともに、ロボットアーム5でワーク2をクランプしていた。そして、固定部としてテーブル41に当接ブロック6,6A,6Bを固定し、またはロボットアーム5に当接ブロック6Cを形成し、これによりテーブル41とワーク2とを相互に固定した状態で三次元測定機4および検出ヘッド3による測定を行っていた。
検出ヘッド3Dは、揺動アーム32Dの先端の接触子31Dをワーク2の表面に接触させ、その状態で内部の駆動機構により揺動アーム32Dをその長手方向に移動させることで、ワーク2の表面の輪郭形状ないしは表面粗さを測定することができる。
当接ロッド6Dは、載物面71のワーク2近傍位置に当接することで、載物面71に載置されたワーク2と、ロボットアーム5に支持された検出ヘッド3Dとを相互に固定することができる。
これにより、本実施形態では、本実施形態では、ワーク2をコンベア7で搬送するため、ロボットアーム5でワーク2をクランプしたり離したりする動作が必要なく、そのための動作時間が必要なく、作業効率を向上することができる。
さらに、ワーク2と検出ヘッド3Dとが相互に固定された状態でワーク2の表面を測定することができ、検出ヘッド3Dとワーク2との相対位置が固定されて高精度な測定を行うことができるとともに、ロボットアーム5から検出ヘッド3Dに伝播する振動の影響を抑制できる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
前述した第1〜第3の各実施形態では、ロボットアーム5として既存の多関節ロボット(垂直多関節ロボット)を用いた。しかし、他の形式のロボットアームを用いてもよく、例えばスカラロボット(水平多関節ロボット)、直交ロボットやパラレルロボットなど、ワーク2または検出ヘッド3を装着して任意位置へ移動可能なものであれば、適宜利用することができる。
前述した各実施形態では、検出ヘッド3,3Dとしてタッチプローブ(接触式プローブ)を用い、接触子31,31Dがワーク2の表面に接触することで、接触位置の三次元位置を検出するものとした。しかし、本発明の検出ヘッドとしては、レーザ光をワークの表面に照射して投光位置までの距離を検出するレーザープローブなど、非接触式プローブを用いてもよい。
いずれの構成においても、相互に固定する対象であるワーク2と検出ヘッド3とがなるべく短い経路で連結される構成とすることが望ましい。
Claims (5)
- ワークまたは検出ヘッドのいずれか一方を支持するロボットアームと、
前記ワークまたは前記検出ヘッドのいずれか他方を支持する支持機構と、
前記検出ヘッドと前記ワークとを相互に固定する固定部と、を有することを特徴とする測定ステーション。 - 請求項1に記載された測定ステーションにおいて、
前記固定部は、前記検出ヘッドを支持する前記支持機構に設置され、
前記ロボットアームは、前記ワークを把持するフィンガを有し、
前記フィンガが前記ワークを把持した状態で、前記フィンガが前記固定部に当接可能であることを特徴とする測定ステーション。 - 請求項1または請求項2に記載された測定ステーションにおいて、
前記支持機構は、測定対象物を載置するテーブルと、前記検出ヘッドを装着されかつ前記検出ヘッドを前記テーブルに対して移動可能な移動機構と、を有する測定機であり、
前記ロボットアームは、前記ワークを支持しかつ前記ワークを前記テーブルの表面まで移動可能であり、
前記固定部は、前記テーブルの表面に設置されて前記ワークまたは前記ロボットアームに当接可能であることを特徴とする測定ステーション。 - 請求項1または請求項2に記載された測定ステーションにおいて、
前記支持機構は、前記ワークを載置して搬送するコンベアであり、前記ロボットアームは、前記検出ヘッドが装着されかつ前記検出ヘッドを前記コンベアまで移動可能であり、前記固定部は、前記ロボットアームに設置されて前記コンベアの表面または前記ワークに当接可能であることを特徴とする測定ステーション。 - ワークまたは検出ヘッドのいずれか一方を支持するロボットアームと、
前記ワークまたは前記検出ヘッドのいずれか他方を支持する支持機構と、を用い、
前記支持機構または前記検出ヘッドと前記ワークまたは前記ロボットアームとを当接させ、
前記検出ヘッドと前記ワークとが相互に固定された状態で、前記検出ヘッドにより前記ワークを測定することを特徴とする測定方法。
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