JP2019100679A - 拡管性及び熱特性に優れる伝熱管と熱交換器 - Google Patents

拡管性及び熱特性に優れる伝熱管と熱交換器 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は十分な熱伝達性を有し、更に拡管などの加工性に優れる伝熱管及びそれを備えた熱交換器の提供を目的とする。【解決手段】本発明の伝熱管は、押出素管の捻り加工材である伝熱管であって、管本体の内周面に周方向に沿って並び長さ方向に沿って螺旋状に形成された複数のフィンを有し、前記内周面に沿って形成された複数のフィンの内、一部のフィンが、その先端幅を底幅より大きくした逆テーパーフィンであって、他のフィンが、その先端幅を底幅より小さくした順テーパーフィンであることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本願発明は、拡管性及び熱特性に優れる伝熱管と熱交換器に関する。
従来、フィンアンドチューブタイプ熱交換器の伝熱管には、銅合金からなるものが用いられてきたが、銅資源の枯渇や銅地金価格の高騰、リサイクル性の面から、軽量かつ安価でリサイクル性に優れるアルミニウム製の伝熱管が使用され始めている。
銅合金またはアルミニウム合金を使用した伝熱管では、その熱特性を高めるために内面に螺旋溝を有した伝熱管が提案されている。内面の溝を螺旋化することで管内周の面積を増大させることができるとともに、毛細管現象でぬれ性が向上することで、冷媒を巻き上げ、熱伝達に寄与する円周長の増大を図ることができる。
また、一般に空調機や冷凍機のフィンアンドチューブタイプ熱交換器では、等ピッチで並べられた放熱板の孔にヘアピン曲げした伝熱管を挿通し、拡管プラグで伝熱管を拡管することで、放熱板と伝熱管を接合している。そして、隣接するヘアピン管の管端に予め曲げ加工を施したU型のベンド管を嵌合し、ろう付けすることにより熱交換器が組み立てられる。
特開2008−267779号公報
しかしながら、銅合金からなる伝熱管で採用していた内面の溝形状を、そのままアルミニウム合金からなる伝熱管に用いると、アルミニウム合金は銅に比べてその強度が劣ることから、冷媒による耐圧を維持するために伝熱管の底肉厚を厚くする必要がある。そのため、アルミニウム合金からなる内面溝付の伝熱管を製造する場合、従来の製造方法では微細な溝加工が困難であって、得られる内面溝形状の自由度が低いといった問題があった。
また、伝熱管の加工中に発生する表面傷の問題があり、例えば、伝熱管のヘアピン曲げ加工時に曲げ部分を起点に割れが発生しやすいなどの問題があった。
そこで、本発明の目的は、十分な熱伝達性を有し、更に拡管などの加工性に優れる伝熱管及びそれを備えた熱交換器の提供を目的とする。また、本発明の目的は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる伝熱管であっても十分な熱伝達性を有し、拡管などの加工性に優れる伝熱管及びそれを備えた熱交換器の提供を目的とする。
本願発明の伝熱管は、押出素管の捻り加工材である伝熱管であって、管本体の内周面に周方向に沿って並び長さ方向に沿って螺旋状に形成された複数のフィンを有し、前記内周面に沿って形成された複数のフィンの内、一部のフィンが、その先端幅を底幅より大きくした逆テーパーフィンであって、他のフィンが、その先端幅を底幅より小さくした順テーパーフィンであることを特徴とする。
本発明の伝熱管において、前記逆テーパーフィンと前記順テーパーフィンが前記内周面の周方向に沿って交互に配置された構成を採用できる。
本発明の伝熱管において、前記内周面の周方向に沿って複数のフィンが配列され、配列されたフィンのうち、前記逆テーパーフィンと前記順テーパーフィンのどちらか一方が他のフィンに対し複数個おきに配置された構成を採用できる。
本発明の伝熱管において、前記管本体の長さ方向に沿う前記逆テーパーフィンのリード角と前記管本体の長さ方向に沿う前記順テーパーフィンのリード角が5゜〜45℃の範囲とされた構成を採用できる。
本発明の伝熱管において、前記逆テーパーフィンを構成する2つの側壁のなすフィン頂角が0゜より大きく、30゜以下である構成を採用できる。。
本発明の伝熱管において、アルミニウム又はアルミニウム合金から伝熱管が構成されることが好ましい。
本発明の熱交換器は、先のいずれかに記載された伝熱管を備えたことを特徴とする。
本願発明によれば、内部に螺旋状の逆テーパーフィンと順テーパーフィンを有し、流路長がリード角に応じて長くなるため、熱交換性能に優れる伝熱管を提供できる。また、逆テーパーフィンを複数有し、順テーパーフィンのみの伝熱管に比べて冷媒と接触するフィンの表面積を拡大しているため、熱交換性能に優れた伝熱管を提供できる。
また、本願発明によれば、逆テーパーフィンを複数備えているので、熱交換器に組み込む場合の拡管時にフィン潰れを発生する確率が低くなり、円周方向で均等に拡管できるので、熱交換器を構成した場合の接合性に優れ、円周方向で均等なフィン間冷媒の流れを確保でき、冷媒排出性の低下を生じない伝熱管を提供できる。
実施形態の熱交換器の一例を示す正面図である。 実施形態の熱交換器の一例を示す部分斜視図である。 第1実施形態の伝熱管の横断面図である。 図3に示す伝熱管の部分拡大図である。 第1実施形態の伝熱管の縦断面図である。 第1実施形態の伝熱管の側面図であり、ダイスマークを模式的に示す図である。 伝熱管の製造方法に用いる素管(直線溝付管)の縦断面図である。 伝熱管の製造方法に用いる素管(直線溝付管)の斜視図である。 伝熱管の製造方法において捻り引き抜き工程を行う製造装置の第1の例を示す側面図である。 図9に示す製造装置において矢印X方向から見た浮き枠部分の平面図である。 第2実施形態の伝熱管の部分拡大断面図である。 伝熱管の製造方法において捻り引き抜き工程を行う製造装置の第2の例を示す側面図である。 同第2実施形態の製造装置を示す平面図である。 同第2実施形態の製造装置において巻き出し側キャプスタンに対し素管を巻き付けて巻き出した状態を示す平面図である。 (a)はダイスマークの一例を示す画像であり、(b)は係るダイスマークの深さの測定結果を示すグラフである。 (a)はダイスマークの他の例を示す画像であり、(b)は係るダイスマークの深さの測定結果を示すグラフである。 実施例において用いた拡管治具を示す側面図である。 実施例において用いた保持治具と当該保持治具を用いた拡管試験の手順を示し、(a)は支持台とこれに固定された第1保持部材を示す斜視図、(b)は第1保持部材と第2保持部材を重ね合わせて固定した状態を示す斜視図、(c)は第1保持部材と第2保持部材の間に形成された孔に伝熱管を挿入した状態を示す斜視図、(d)は伝熱管に拡管具を挿入した状態を示す斜視図である。 実施例において用いた凝縮試験を行う伝熱特性評価装置である。 実施例において用いた蒸発試験を行う伝熱特性評価装置である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、便宜上特徴となる部分を拡大して強調表示している場合があり、各図に示す構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、特徴とならない部分を省略して図示している場合がある。
図1および図2は、本発明に係る第1実施形態の伝熱管を備えた熱交換器の一例を示す概略図である。
この例の熱交換器60は、冷媒を通過させるチューブとして伝熱管61を蛇行させて設け、この伝熱管61の周囲に複数のアルミニウム製の放熱板62を平行に配設した構造である。伝熱管61は、平行に配設した個々の放熱板62を貫通するように設けた複数の挿通孔を通過して蛇行するように設けられている。
熱交換器60において伝熱管61は、放熱板62を直線状に貫通する複数のU字状の主管61Aと、隣接する主管61Aの隣り合う端部開口同士をU字形のエルボ管61Bで接続してなる。U字状の主管61Aおよびエルボ管61Bは、後段に説明する伝熱管10をU字状に屈曲し形成されている。また、放熱板62を蛇行状態で貫通している伝熱管61の一方の端部側に冷媒の入口部67aが形成され、伝熱管61の他方の端部側に冷媒の出口部67bが形成されることで熱交換器60が構成されている。
この構成の熱交換器60は、主管61Aより若干径の小さな後述の伝熱管10を放熱板62の挿通孔に通し、伝熱管10を拡管して主管61Aを構成し、主管61Aと放熱板62とを機械的に結合し組み立てられている。
[伝熱管]
次に、上述の熱交換器60に適用されている拡管前の伝熱管10について具体的に説明する。
図3は、第1実施形態の伝熱管10の横断面図であり、図4は図3に示す伝熱管10の一部分を拡大した図である。図5は伝熱管10の縦断面図、図6は伝熱管10の側面図であり、伝熱管10の外周面10aに形成されているダイスマークDMを模式的に示す図である。
本実施形態の伝熱管10は、押出素管の捻り加工材である。伝熱管10は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるものを用いることができる。伝熱管10にアルミニウム合金を用いる場合は、そのアルミニウム合金に特に制限はなく、JISで規定される1050、1100、1200等の純アルミニウム系、あるいは、これらにMnを添加した3003に代表される3000系のアルミニウム合金等を適用できる。また、これら以外にJISに規定されている5000系〜7000系のアルミニウム合金のいずれかを用いて伝熱管10を構成しても良い。
また、伝熱管10はJIS規定のアルミニウム合金以外のアルミニウム合金から形成されていても良く、銅系合金あるいはステンレス鋼などの鉄系合金から形成されていてもよい。この実施形態ではアルミニウム又はアルミニウム合金からなる伝熱管10を例として説明するが、本発明で目的とする伝熱管は引抜きダイスにより引抜きが可能な材料であれば適用可能であるので、銅系合金あるいは鉄系合金など、他の合金からなる管を用いて本発明に適用しても良いのは勿論である。
図3に示す伝熱管10は、横断面の外形状が円形の管本体10Aからなる。管本体10Aの外周面10aの直径は、例えば、3mm以上15mm以下である。管本体10Aの内周面10bには、長さ方向に沿って螺旋状に形成された複数のフィン3が設けられている。また、管本体10Aの内周方向に隣接するフィン3の間には、螺旋溝4が形成されている。
管本体10Aの内周面10bに螺旋状のフィン3を形成することにより、伝熱管10とその内部を流れる冷媒との熱交換効率を高めることができる。螺旋状のフィン3を備えた伝熱管10は、押出加工により長さ方向に直線状に延びるフィンを形成した図7に示す後述の素管10Bに引き抜きながら捻りを付与することで形成できる。
本実施形態において、フィン3は、管本体10Aの内周方向に例えば20個〜60個程度設けられている。フィン3の高さ(すなわち半径方向の寸法)は、0.1mm以上0.3mm以下程度である。また、伝熱管10の平均底肉厚β(すなわち、螺旋溝4の底部に対応する管本体10Aの厚さの平均値)は、0.2mm以上0.8mm以下程度である。
図4に拡大して示すように、フィン3は、内周側に位置する先端部3aと、外周側に位置する底部3bと、先端部3aと底部3bの間に位置する一対の側壁部3cとからなる。底部3bは、管本体10Aの内周面3bに位置し、内周面3bと連続されている。側壁部3cは、径方向に沿って直線的に延在されている。
図4に示す構造の伝熱管10において、管本体10Aの内周面の円周方向に設けられている複数のフィン3のうち、一部はその先端部3aの幅すなわち先端幅d2をその底部3bの幅すなわち底幅d1より大きくした逆テーパーフィン3Aである。また、残りの他のフィン3は、その先端部3aの幅すなわち先端幅d2をその底部3bの幅すなわち底幅d1より小さくした順テーパーフィン3Bである。図4に示す構造では管本体10Aの内周面の円周方向に2つの逆テーパーフィン3Aと1つの順テーパーフィン3Bが交互に順序に設けられている。
したがって、逆テーパーフィン3A同士の間に位置する螺旋溝4Aは、径方向内側を向く開口4bが底側と比較して狭くなっている。逆テーパーフィン3Aの先端幅d2を底幅d1より大きくすることで、伝熱管10の内周面における表面積を大きくすることができ、伝熱管10の熱特性を向上できる。
また、逆テーパーフィン3Aと順テーパーフィン3Bとの間に位置する螺旋溝4Bは図4の例では径方向内側を向く開口4bが底側と同じ幅とされている。
上述のフィン3の形状によれば、乱流効果の促進、冷媒の膜厚の抑制等により、高い蒸発熱伝達率および高い凝縮熱伝達率を得ることを期待できる。
本実施形態において、フィン3A、3Bの底部3bの弧長が0.13mm以上であることが好ましい。フィン3A、3Bの底部3bの弧長を0.13mm未満とすると、フィン3A、フィン3Bの安定性が低下する結果として、伝熱管10の内部に拡管プラグ(拡管治具)を挿入して伝熱管10を拡管する工程において、フィン3A、3Bに倒れが生じやすくなる。フィン3A、3Bの底部3bの弧長を0.13mm以上とすることで、フィン3の倒れを十分に抑制できる。
本実施形態の逆テーパーフィン3Aにおいて、一対の側壁部3cは、先端側から底側に向かうに従い互いに接近する。したがって、本実施形態において、これら一対の側壁部3c同士の角度、すなわち逆テーパーフィン3Aのフィン頂角γは、順テーパーフィン3Bのフィン頂角と比較すると反対側に傾斜する負の角度となる。
逆テーパーフィン3Aのフィン頂角γは、0°よりも大きく、30°以下とすることが好ましい。
逆テーパーフィン3Aのフィン頂角γを0°より大きくすることで、伝熱管10の表面積増大による熱交換効率の向上効果を得ることができる。
また、逆テーパーフィン3Aのフィン頂角γが30°を超えると、伝熱管10の内部に拡管プラグを挿入して伝熱管10を拡管する工程において、逆テーパーフィン3Aに倒れが生じやすくなる。フィン頂角γを30°以下とすることで、逆テーパーフィン3Aの倒れを十分に抑制できる。さらに、フィン頂角γが、30°よりも大きくなると、溝4の径方向内側の開口4bが狭くなりすぎて、溝4内に冷媒が入りづらくなってしまい、熱伝達性が悪化する虞がある。加えて、冷媒の圧力損失が大きくなってしまうという問題がある。逆テーパーフィン3Aのフィン頂角γを30°以下とすることで溝4の開口4bを十分に大きくして、冷媒への熱伝達性を高めるとともに、冷媒の流れをスムーズにすることができる。
本実施形態の伝熱管10は、上述したように逆テーパーフィン3Aの先端幅d2が底幅d1より大きくされていることに伴い、内周の表面積が大きくなっている。また、逆テーパーフィン3Aを設けた上に順テーパーフィン3Bを設けることによって、伝熱管の内周の表面積を大きくしている。伝熱管10の内周における周方向に沿う表面長さを濡れ縁長さ(E)と呼ぶ。濡れ縁長さ(E)と伝熱管10の長手方向の長さとの積が、伝熱管10の内周の表面積となる。
従来は銅系、アルミニウム合金系の伝熱管ともに溝転造法と呼ばれる製造方法で、螺旋状の溝が形成されていた。溝転造法は、管内面の溝付プラグに管外周から転造ボールで管を押付け、溝付プラグの谷部に塑性流動で溝を形成する製造方法である。そのため、全ての溝部はフィンの頂点側(管中心側)の間口が底部側より大きくなっていた。
一方、本実施形態の伝熱管10では、後段において説明するように、押出し素管に捻りを付与して螺旋状の逆テーパーフィン3Aと順テーパーフィン3Bおよびそれらの間の螺旋溝4A、4Bを形成するため、溝転造法では不可能であった逆テーパーフィン3Aおよび開口間口の小さな螺旋溝4Aの形状を形成できるようになった。その結果、熱伝達性に大きな影響を及ぼす濡れ縁長さの割合を従来の伝熱管よりも大きくすることが可能となり、熱交換性能に優れるとともに、拡管性にも優れた伝熱管10を提供できる。
本実施形態において、濡れ縁長さ(E)と外周長(D)の比[E/D]が、1.3以上、3.0以下であることが好ましい。濡れ縁長さ(E)と外周長(D)の比[E/D]を1.3以上とすることで、伝熱管10の内部を通過する冷媒との熱交換効率を高めることができる。一方で、濡れ縁長さ(E)と外周長(D)の比[E/D]を3.0以下とすることで、伝熱管10の内周形状の複雑化による冷媒の圧力損失が過大となることを抑制できる。
また、本実施形態において、濡れ縁長さのうちフィン3A、3Bの間に位置する溝4の底部4aの占める長さ(F)と濡れ縁長さ(E)の比[F/E]が、0.15以上、0.65以下であることが好ましい。
底部4aの占める長さ(F)と濡れ縁長さ(E)の比[F/E]が、0.15未満では熱特性への効果が小さい。一方で、底部4aの占める長さ(F)と濡れ縁長さ(E)の比[F/E]が、0.65を超えるとフィン3A、3Bの底部3bが短すぎるために、フィン3A、3Bの安定性が低下し、拡管工程におけるフィン3A、3Bの倒れが顕著となりやすい。すなわち、底部4aの占める長さ(F)と濡れ縁長さ(E)の比[F/E]を0.15以上、0.65以下とすることにより、熱特性を向上させると共に拡管工程におけるフィン3A、3Bの倒れを十分に抑制できる。
本実施形態において、螺旋状に形成されたフィン3A、3Bのリード角θ1(捻り角)は、5°以上45°以下である。リード角θ1を、5°以上とすることで、フィン3A、3Bを螺旋状にすることによる熱特性向上効果を十分に奏することができる。また、フィン3A、3Bのリード角θ1を45°以下とすることで、製造工程におけるフィン3A、3Bの倒れを十分に抑制できる。さらに、フィン3のリード角θ1を45°を超える値とすると、冷媒の圧力損失が過大となる虞がある。リード角θ1を45°以下とすることで、冷媒の流れをスムーズとすることができる。
リード角θ1は、例えば、図5に示すように伝熱管10の一部を排除して伝熱管10を側面視した場合、フィン3Aあるいはフィン3Bが描く螺旋を観察し、その直線部分を抽出して伝熱管10の中心軸線との交差角として把握されるが、正確には以下に説明するように把握することができる。
まず、捻りを付与する前の図7に示す素管10Bを定盤に搭載し、ハイトゲージを用いて、素管10Bの外周面に長さ方向に延びる直線状の罫書き線を形成する。
次いで、後述の捻り引抜き加工を付与し素管10Bから伝熱管10を製造する。伝熱管10の罫書き線は、螺旋状となる。
次いで、螺旋状となった罫書き線のピッチpと、伝熱管10の円周長さaから以下の式を用いてリード角θ1を求めることができる。
θ1=tan−1(a/p)
図6に示すように、伝熱管10において管本体10Aの外周面10aには、螺旋状のダイスマークDMが形成されている。ダイスマークDMは、押出加工により成形された部材の周面に押出方向に沿って形成される線状の凹部である。ダイスマークDMは、押出金型やベアリング面の傷等の影響により形成される。本実施形態の伝熱管10は、後述する如く押出加工により製造した図7に示す素管10Bに引き抜きながら捻りを加えることで製造されている。このため、押出加工により線状に形成されたダイスマークDMは、捻りの付与とともに螺旋状となる。
なお、図6に示すダイスマークDMは、分かり易さのために1本のダイスマークDMのみを連続的に形成しているように図示している。実際のダイスマークは、後述する図15(a)および図16(a)に写真として示すように、長さ方向に沿って間欠的に複数形成されている。また、伝熱管10の外周面の周方向に沿って複数のダイスマークDMが螺旋状かつ並行に延在されている。
なお、本願明細書においてダイスマークという用語は、押出工程により形成された凹部のみならず、係る凹部を有する素管に捻りを付与した後の伝熱管の凹部についても用いる。捻りが付与された後の管材の凹部は、厳密にはダイスマークに起因する凹部である。しかしながら、本明細書において分かり易さのため、これらを含む概念をダイスマークと呼ぶ。
捻りが付与された後のダイスマークDMの最大深さは、例えば35μm以下である。上述したように、伝熱管10は、熱交換器60(図1、図2参照)として使用される際に、ヘアピン状に屈曲される曲げ加工が施される。このような曲げ加工において、ダイスマークDMは、伝熱管10の破損の起点となり易い。本実施形態によれば、ダイスマークDMの最大深さを35μm以下とすることによって、伝熱管10の強度を高め、曲げ加工などの追加加工に対して破損し難い伝熱管10を提供できる。
ダイスマーク深さ計測方法について説明する。
ダイスマーク深さ計測は、例えば、株式会社キーエンス製走査型レーザー顕微鏡(VK−X100/X200)を用いて表面形状の測定を行うことができる。また、計測解析では、解析アプリケーション(VK−H1XA)を用いてダイスマーク深さを計測できる。
まず、走査型レーザー顕微鏡(VK−X100/X200)のステージに試料を置き、観察倍率50倍のもと、フォーカスを合わせた後に、観察高さ上下限範囲100μmとして、0.5μmピッチで表面形状の測定を行う。
次に、解析アプリケーション(VK−H1XA)を用いて得られた画像上のダイスマーク深さを計測する。計測前の前処理として、管表面の円弧を平坦にする傾き補正を行うことが好ましい。
前処理を行った表面形状から、管円周方向に平行になるように直線を3点引き、得られた粗さ曲線から、最大谷深さ(Rv)、最大高さ(Rz)を求め、ダイスマーク深さの計測では、最大断面高さ(Rt)として計測を行う。
解析アプリケーションでは「表面粗さの定義」(JISB0601:2001)に基づいて、JISB0601−2001およびJIS 0601−1994で定義されている粗さパラメータで表面粗さ解析を実施する。
図15(b)に、図15(a)のダイスマークDMの深さ測定結果を示す。同様に、図16(b)に、図16(a)のダイスマークDMの深さ測定結果を示す。なお、図15および図16に例示するダイスマークDMを有する伝熱管は、本実施形態の伝熱管10の一例である。
図5に示すように、フィン3(3A、3B)と螺旋溝4(4A、4B)はリード角θ1の螺旋状に形成されている。一方で、図6に示すように、ダイスマークDMは、リード角θ2の螺旋状に形成されている。αを内周長とし、βを底肉厚としたとき、フィン3のリード角θ1とダイスマークDMのリード角θ2は、以下の関係を満たす。
tanθ2={(α+2πβ)tanθ1}/α
上記式によれば、ダイスマークDMのリード角θ2は、上記の式から、フィン3のリード角θ1より僅かに大きくなる。これは、フィン3のリード角θ1およびダイスマークDMのリード角θ2の基準となる面が管本体10Aの外周面と内周面であり、管本体10Aの肉厚差に起因して異なっていることに由来する。
伝熱管10の外周面10aにおける螺旋状のダイスマークDMのリード角θ2は、螺旋状のフィン3のリード角θ1より、例えば1.0°以上大きい。
また、本実施形態によれば、伝熱管10の内周面10bに長さ方向に沿って螺旋状に形成された複数の逆テーパーフィン3Aと順テーパーフィン3Bが設けられている。内周面10bに螺旋状の逆テーパーフィン3Aと順テーパーフィン3Bを形成することにより、伝熱管10とその内部を流れる冷媒液との熱交換効率を高めることができる。
螺旋状の逆テーパーフィン3Aと順テーパーフィン3Bを備えた伝熱管10は、後述するように押出加工により長さ方向に直線状に延びるフィンを形成した素管10Bに引き抜きながら捻りを付与することで形成できる。これにより、ダイスマークDMを伸長させてダイスマークDMを十分に浅くすることで強度に優れ、ヘアピン曲げ加工時などに破損し難い伝熱管10を提供することができる。
[製造方法]
以下、本願発明に係る伝熱管10の製造方法の実施形態について図面を参照しながら説明する。伝熱管10の製造方法は、押出成形工程と捻り引抜き工程をこの順で含む。
<押出成形工程>
まず、押出成形工程について説明する。
図7は、押出成形工程により成形された素管(直線溝付管)10Bの縦断面図であり、図8は、素管10Bの斜視図である。
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるビレットを押出成形することにより、図8に示すように、内面に長さ方向に沿う複数の直線溝が周方向に間隔をおいて形成された素管10Bを製造(直線溝付管押出工程)する。
押出成型工程により成形された素管10Bには、外周面に長さ方向に沿って直線的に延びるダイスマークDMが形成され、素管10Bの内周面の円周方向には長さ方向に沿って直線的に延びる2つの逆テーパーフィン10Cと1つの順テーパーフィン10Dが交互に順次形成されている。また、2つの逆テーパーフィン10Cの間には開口間口の狭い直線溝10Eが形成され、逆テーパーフィン10Cと順テーパーフィン10Dの間には底部幅と同じ幅の開口間口を有する直線溝10Fが形成されている。
<捻り引抜き工程、空引き工程>
次に、捻り引抜き工程および空引き工程について説明する。
捻り引抜き工程は、引抜きを行いながら上述の素管10Bに捻りを付与することで、螺旋状のダイスマークDM、逆テーパーフィン3A、順テーパーフィン3Bおよび螺旋溝4A、4Bを得る工程である。
また、空引き工程は、捻りを付与することなく管材に対して引抜きを行い管材の外形を整える工程である。
なお、本明細書において、捻りを付与する前の管材(すなわち上述の素管10B)を「直線溝付管」と記載することがある。また、捻りを付与した後の管材(すなわち上述の伝熱管10)を「内面螺旋溝付管」と記載することがある。また、直線溝付管から内面螺旋溝付管に至る過程において、内面螺旋溝付管と比較して半分程度の捻りが付与された中間形成品を「中間捻り管」と記載する。更に、本明細書の「管材」とは、直線溝付管、中間捻り管および内面螺旋溝付管の上位概念であり、製造工程の段階を問わず、加工対象となる管を意味する。
本明細書において、「前段」および「後段」とは、管材の加工順序に沿った前後関係(すなわち、上流および下流)を意味し、装置内の各部位の配置を意味するものではない。
管材は内面螺旋溝付管の製造装置において、前段(上流)側から後段(下流)側に搬送される。前段に配置される部位は、必ずしも前方に配置されるとは限らず、後段に配置される部位は、必ずしも後方に配置されるとは限らない。
<捻り引抜き工程および空引き工程を行う製造装置>
図9は、素管10Bに2回の捻り引抜き加工を付与して伝熱管10を製造する製造装置Aを示す側面図である。まず、製造装置Aについて説明した後に、製造装置Aを用いた捻り引抜き工程および空引き工程について説明する。
製造装置Aは、公転機構30と、浮き枠34と、巻き出しボビン(第1のボビン)11と、第1のガイドキャプスタン18と、第1の引抜きダイス1と、第1の公転キャプスタン21と、公転フライヤ23と、第2の公転キャプスタン22と、第2の引抜きダイス2と、第2のガイドキャプスタン61と、巻き取りボビン(第2のボビン)71と、を備える。以下、各部の詳細について説明する。
(公転機構)
公転機構30は、前方シャフト35Aおよび後方シャフト35Bを含む回転シャフト35と、駆動部39と、前方スタンド37Aと、後方スタンド37Bと、を有している。
公転機構30は、回転シャフト35並びに、回転シャフト35に固定された第1の公転キャプスタン21、第2の公転キャプスタン22および公転フライヤ23を回転させる。
また、公転機構30は、回転シャフト35と同軸上に位置し回転シャフト35に支持される浮き枠34の静止状態を維持する。これにより、浮き枠34に支持された巻き出しボビン11、第1のガイドキャプスタン18および第1の引抜きダイス1の静止状態を維持する。
前方シャフト35Aおよび後方シャフト35Bは、ともに内部が中空の円筒形状を有する。前方シャフト35Aと後方シャフト35Bは、ともに公転回転中心軸C(第1引抜ダイスのパスライン)を中心軸とする同軸上に配置されている。前方シャフト35Aは、前方スタンド37Aにベアリング式の軸受36を介し回転自在に支持され、前方スタンド37Aから後方(後方スタンド37B側)に向かって延在されている。同様に、後方シャフト35Bは、後方スタンド37Bに軸受を介し回転自在に支持され、後方スタンド37Bから前方(前方スタンド37A側)に向かって延在されている。前方シャフト35Aと後方シャフト35Bとの間には、浮き枠34が架け渡されている。
駆動部39は、駆動モータ39cと直動シャフト39fとベルト39a、39d、プーリ39b、39eとを有している。駆動部39は、前方シャフト35Aおよび後方シャフト35Bを回転させる。
駆動モータ39cは、直動シャフト39fを回転させる。直動シャフト39fは、前方スタンド37Aおよび後方スタンド37Bの下部において前後方向に延在されている。
前方シャフト35Aの前方の端部35Abは、前方スタンド37Aを貫通した先端にプーリ39bが取り付けられている。プーリ39bは、ベルト39aを介し直動シャフト39fと連動する。同様に、後方シャフト35Bの後方の端部35Bbは、後方スタンド37Bを貫通した先端にプーリ39eが取り付けられ、ベルト39dを介し直動シャフト39fと連動する。これにより、前方シャフト35Aおよび後方シャフト35Bは、公転回転中心軸Cを中心に同期回転する。
回転シャフト35(前方シャフト35Aおよび後方シャフト35B)には、第1の公転キャプスタン21、第2の公転キャプスタン22および公転フライヤ23が固定されている。回転シャフト35が回転することで、回転シャフト35に固定されたこれらの部材は、公転回転中心軸Cを中心に公転回転する。
(浮き枠)
浮き枠34は、回転シャフト35の前方シャフト35Aおよび後方シャフト35Bの互いに向かい合う端部35Aa、35Baに軸受34aを介し支持されている。また、浮き枠34は、巻き出しボビン11、第1のガイドキャプスタン18および第1の引抜きダイス1を支持する。
図10は、図9における矢印X方向から見た浮き枠34の平面図である。図9、図10に示すように、浮き枠34は、上下に開口する箱形状を有する。浮き枠34は、前後に対向する前方壁34bおよび後方壁34cと、左右に対向するとともに前後方向に延びる一対の支持壁34dと、を有する。
前方壁34bおよび後方壁34cには貫通孔が設けられ、それぞれ前方シャフト35Aおよび後方シャフト35Bの端部35Aa、35Baが挿通されている。端部35Aa、35Baと前方壁34bおよび後方壁34cの貫通孔との間には、軸受34aが介在されている。これにより、浮き枠34には、回転シャフト35(前方シャフト35Aおよび後方シャフト35B)の回転が伝達され難い。浮き枠34は、回転シャフト35が回転状態にあっても地面Gに対する静止状態を保つことができる。なお、公転回転中心軸Cに対し浮き枠34の重心を偏らせる錘を設けて浮き枠34の静止状態を安定させてもよい。
図10に示すように、一対の支持壁34dは、巻き出しボビン11、第1のガイドキャプスタン18および第1の引抜きダイス1を左右方向(図9紙面中の上下方向)両側に配置されている。一対の支持壁34dは、巻き出しボビン11を保持するボビン支持シャフト12および第1のガイドキャプスタン18の回転軸J18を回転可能に支持する。また、支持壁34dは、図示略のダイス支持体を介し第1の引抜きダイス1を支持する。
(巻き出しボビン)
巻き出しボビン11には、素管10B(図7参照)が巻き付けられている。巻き出しボビン11は、素管10を巻き出して後段に供給する。
巻き出しボビン11は、ボビン支持シャフト12に着脱可能に取り付けられている。
図10に示すように、ボビン支持シャフト12は、回転シャフト35と直交する方向に延びている。また、ボビン支持シャフト12は、浮き枠34に自転回転可能に支持されている。なお、ここで自転回転とは、ボビン支持シャフト12自身の中心軸を中心として回転することを意味する。ボビン支持シャフト12は、巻き出しボビン11を保持し、巻き出しボビン11の供給方向に自転回転することで、巻き出しボビン11からの素管10Bの繰り出しを補助する。
巻き出しボビン11は、巻き付けられた素管10Bを全て供給した際に取り外され、他の巻き出しボビンに交換される。取り外された空の巻き出しボビン11は、素管10Bを形成する押出装置に取り付けられ、再び素管10Bが巻き付けられる。巻き出しボビン11は、浮き枠34に支持され公転回転しない。したがって、巻き出しボビン11に素管10Bが乱巻されていても支障なく供給を行うことができ、巻き直しを行うことなく使用できる。また、巻き出しボビン11の重量により製造装置Aにおいて素管10Bに捻りを付与するための公転回転の回転数は制限されない。したがって、巻き出しボビン11に長尺の素管10Bが巻き付けることができる。これにより、長尺の素管10Bに対して、捻りを付与することができ、製造効率を高めることができる。
ボビン支持シャフト12には、ブレーキ部15が設けられている。ブレーキ部15は、浮き枠34に対するボビン支持シャフト12の自転回転に制動力を与える。すなわち、ブレーキ部15は、巻き出しボビン11の巻き出し方向の回転を規制する。ブレーキ部15による制動力により、巻き出し方向に搬送される素管10Bには、後方張力が付加される。ブレーキ部15としては、例えば、制動力としてのトルク調節が可能なパウダーブレーキ又はバンドブレーキを採用できる。
(第1のガイドキャプスタン)
第1のガイドキャプスタン18は、円盤形状を有している。第1のガイドキャプスタン18には、巻き出しボビン11から繰り出された素管10Bが1周巻き掛けられる。第1のガイドキャプスタン18の外周の接線方向は、公転回転中心軸Cと一致する。第1のガイドキャプスタン18は、素管10Bを第1の方向D1に沿って公転回転中心軸C上に誘導する。
第1のガイドキャプスタン18は、自転回転自在に浮き枠34に支持されている。また第1のガイドキャプスタン18の外周には、自転回転自在のガイドローラ18bが並んで配置されている。本実施形態の第1のガイドキャプスタン18は、複数のガイドローラ18bが個々に回転するが、複数のガイドローラ18bが回転すれば、素管10Bをスムーズに搬送できる。なお、図10において、ガイドローラ18bの図示は省略されている。
図10に示すように、第1のガイドキャプスタン18と巻き出しボビン11との間には、管路誘導部18aが設けられている。管路誘導部18aは、例えば素管10Bを囲むように配置された複数のガイドローラである。管路誘導部18aは、巻き出しボビン11から供給される素管10Bを第1のガイドキャプスタン18に誘導する。
なお、第1のガイドキャプスタン18に代えて、巻き出しボビン11と第1の引抜きダイス1との間にトラバース機能を有する誘導管を設けてもよい。誘導管を設ける場合には、巻き出しボビン11と第1の引抜きダイス1との距離を短くすることができ、工場内のスペースを有効活用できる。
(第1の引抜きダイス)
第1の引抜きダイス1は、素管10B(管材5)を縮径する。第1の引抜きダイス1は、浮き枠34に固定されている。第1の引抜きダイス1は、第1の方向D1を引抜き方向とする。第1の引抜きダイス1の中心は、回転シャフト35の公転回転中心軸Cと一致する。また、第1の方向D1は、公転回転中心軸Cと平行である。
第1の引抜きダイス1には、浮き枠34に固定された潤滑油供給装置9Aにより潤滑油が供給される。これにより第1の引抜きダイス1における引抜力を軽減できる。
第1の引抜きダイス1を通過した管材5は、浮き枠34の前方壁34bに設けられた貫通孔を介して、前方シャフト35Aの内部に導入される。
(第1の公転キャプスタン)
第1の公転キャプスタン21は、円盤形状を有している。第1の公転キャプスタン21は、中空の前方シャフト35Aの内外を径方向に貫通する横孔35Acに配置されている。第1の公転キャプスタン21は、円盤の中心を回転軸J21として、回転シャフト35(前方シャフト35A)の外周部に固定された支持体21aに支持されている。
第1の公転キャプスタン21は、外周の接線の1つが公転回転中心軸Cと一致する。
第1の公転キャプスタン21には、公転回転中心軸C上の第1の方向D1に搬送される管材5が一周以上、巻き掛けられる。第1の公転キャプスタン21は、管材5を巻き掛けて前方シャフト35Aの内部から外部に引き出して公転フライヤ23に誘導する。
第1の公転キャプスタン21は、公転回転中心軸Cの周りを前方シャフト35Aとともに公転回転する。公転回転中心軸Cは、第1の公転キャプスタン21の自転回転の回転軸J21と直交する方向に延びている。管材は、第1の公転キャプスタン21と第1の引抜きダイス1との間で捻りが付与される。この1回目の引き抜き捻り加工により、管材は、素管10Bから中間捻り管10Cに加工される。
第1の公転キャプスタン21とともに、前方シャフト35Aには駆動モータ20が設けられている。駆動モータ20は、第1の公転キャプスタン21を管材5の巻き掛け方向(搬送方向)に駆動回転する。これにより、第1の公転キャプスタン21は、管材5に第1の引抜きダイス1を通過するための前方張力を付与する。
第1の公転キャプスタン21および駆動モータ20は、前方シャフト35Aの公転回転中心軸Cに重心が位置するように公転回転中心軸Cに対して互いに対称の位置に配置されることが好ましい。これにより、前方シャフト35Aの回転のバランスを安定させることができる。なお、第1の公転キャプスタン21と駆動モータ20の重量差が大きい場合は、錘を設けて重心を安定させてもよい。
(公転フライヤ)
公転フライヤ23は、第1の引抜きダイス1と第2の引抜きダイス2との間で、管材5の管路を反転させる。公転フライヤ23は、第1の引抜きダイス1の引抜き方向である第1の方向D1に搬送される管材5を反転させ、搬送方向を第2の引抜きダイス2の引抜き方向である第2の方向D2に向ける。より具体的には、公転フライヤ23は、第1の公転キャプスタン21から第2の公転キャプスタン22に管材5を誘導する。
公転フライヤ23は、複数のガイドローラ23aとガイドローラ23aを支持するガイドローラ支持体(図示略)とを有する。ここでは、煩雑さを解消するためガイドローラ支持体の図示を省略するが、ガイドローラ支持体は、回転シャフト35に支持されている。ただし、フライヤの構造についてガイドローラは必須ではなく、単に管が通過するための板状の構造で、それに通過させるためのリングを取り付けた形状のものでも良い。このリングは板形状の部材に設けられても良い。このリングの一部はこの板形状の部材の一部で構成されてもよい。板形状の部材はガイドローラ支持体と同様に回転シャフト35に支持されてもよい。
ガイドローラ23aは、公転回転中心軸Cに対し外側に湾曲する弓形状を形成して並列されている。ガイドローラ23a自身が転動して管材5をスムーズに搬送する。公転フライヤ23は、公転回転中心軸Cを中心として、浮き枠34並びに浮き枠34内に支持された第1の引抜きダイス1および巻き出しボビン11の周りを回転する。
公転フライヤ23の一端は、公転回転中心軸Cに対し第1の公転キャプスタン21の外側に位置している。また、公転フライヤ23の他端は、中空の後方シャフト35Bの内外を径方向に貫通する横孔35Bcを通過して後方シャフト35Bの内部側に延在されている。公転フライヤ23は、第1の公転キャプスタン21に巻き掛けられて外側に繰り出された管材5を後方シャフト35B側に誘導する。また、公転フライヤ23は、管材5を後方シャフト35Bの内部において、第2の方向D2に沿って公転回転中心軸C上に繰り出す。
なお、本実施形態の公転フライヤ23は、ガイドローラ23aにより管材5を搬送する構成であると説明した。しかしながら公転フライヤ23を、弓状に形成した帯板から形成し、管材5を帯板の一面を滑動させて搬送してもよい。図9において、管材5がガイドローラ23aの外側を通過する場合を例示した。
しかしながら、公転フライヤ23の回転速度が速い場合には、管材5が遠心力により公転フライヤから脱線するおそれがある。このような場合は、管材5の外側に更にガイドローラ23aを設けることが好ましい。
公転フライヤ23と同等の重量を有し前方シャフト35Aから後方シャフト35Bに延びて公転フライヤ23と同期回転するダミーフライヤを複数設けてもよい。これにより、回転シャフト35の回転を安定させることができる。
(第2の公転キャプスタン)
第2の公転キャプスタン22は、第1の公転キャプスタン21と同様に、円盤形状を有する。第2の公転キャプスタン22は、後方シャフト35Bの端部35Bbの先端に設けられた支持体22aに自転回転が自在な状態で支持されている。また、第2の公転キャプスタン22の外周には、自転回転自在のガイドローラ22cが並んで配置されている。本実施形態の第2の公転キャプスタン22は、複数のガイドローラ22cが個々に回転するが、この回転により管材5をスムーズに搬送できる。
第2の公転キャプスタン22は、外周の接線の1つが回転中心軸Cと一致する。
第2の公転キャプスタン22には、回転中心軸C上の第2の方向D2に搬送される管材5が一周以上、巻き掛けられる。第2の公転キャプスタン22は、巻き掛けられた管材を回転中心軸C上の第2の方向D2に繰り出す。
第2の公転キャプスタン22は、回転中心軸Cの周りを後方シャフト35Bとともに回転する。回転中心軸Cは、第2の公転キャプスタン22の回転軸J22と直交する方向に延在されている。第2の公転キャプスタン22から繰り出された管材5は、第2の引抜きダイス2において縮径される。第2の引抜きダイス2は、地面Gに対し静止しているため、第2の公転キャプスタン22と第2の引抜きダイス2との間で、管材5に捻りを付与できる。この2回目の引き抜き捻り加工により、管材5は、中間捻り管10Cから伝熱管10に加工される。
第2の公転キャプスタン22を支持する支持体22aは、回転中心軸Cに対し第2の公転キャプスタン22と対称の位置に錘22bを支持する。錘22bは、後方シャフト35Bの回転のバランスを安定させる。
(第2の引抜きダイス)
第2の引抜きダイス2は、第2の公転キャプスタン22の後段に配置される。第2の引抜きダイス2は、反対の第2の方向D2を引抜き方向とする。第2の方向D2は、回転中心軸Cと平行な方向である。第2の方向D2は、第1の引抜きダイス1の引抜き方向である第1の方向D1と反対である。管材5は、第2の方向D2に沿って第2の引抜きダイス2を通過する。第2の引抜きダイス2は、地面Gに対して静止している。第2の引抜きダイス2の中心は、回転シャフト35の回転中心軸Cと一致する。
第2の引抜きダイス2は、例えば図示略のダイス支持体を介して架台62に支持されている。また、第2の引抜きダイス2には、架台62に取り付けられた潤滑油供給装置9Bにより潤滑油が供給される。これにより第2の引抜きダイス2における引抜力を軽減できる。
(第2のガイドキャプスタン)
第2のガイドキャプスタン61は、円盤形状を有している。第2のガイドキャプスタン61の外周の接線方向は、公転回転中心軸Cと一致する。第2のガイドキャプスタン61には、公転回転中心軸C上の第2の方向D2に搬送される管材5が一周以上、巻き掛けられる。
第2のガイドキャプスタン61は、回転軸J61を中心に架台62に回転可能に支持されている。また、第2のガイドキャプスタン61の回転軸J61は、駆動モータ63と駆動ベルト等を介し接続されている。第2のガイドキャプスタン61は、駆動モータ63により、伝熱管10の巻き掛け方向(搬送方向)に駆動回転する。なお、駆動モータ63は、トルク制御可能なトルクモータを用いることが好ましい。
第2のガイドキャプスタン61が駆動することによって管材5には、前方張力が付与される。これにより管材5は、第2の引抜きダイス2における加工に必要な引抜き応力が付与され前方に搬送される。
(巻き取りボビン)
巻き取りボビン71は、伝熱管10の管路の終端に設けられ、伝熱管10を回収する。巻き取りボビン71の前段には、プーリー72が設けられている。巻き取りボビン71あるいはプーリー72は、トラバース機能を有し伝熱管10を巻き取りボビン71に整列巻きあるいはランダムな重ね巻きの状態で巻き取ることができる。
巻き取りボビン71は、ボビン支持シャフト73に着脱可能に取り付けられている。ボビン支持シャフト73は、架台75に支持され、駆動モータ74に駆動ベルト等を介し接続されている。巻き取りボビン71は、駆動モータ74により駆動回転され、管材5を弛ませることなく巻き取る。巻き取りボビン71は、伝熱管10が十分に巻き付けられた場合に取り外され、他の巻き取りボビン71に付け替えられる。
<捻り引抜き工程>
上述した製造装置Aを用いて、伝熱管10を製造する方法について説明する。
まず、予備工程として、素管10Bを巻き出しボビン11にコイル状に巻き付ける。更に、巻き出しボビン11を製造装置Aの浮き枠34にセットする。また、巻き出しボビン11から素管10B(管材5)を繰り出して、予め素管10Bの管路にセットする。具体的には、管材5を、第1のガイドキャプスタン18、第1の引抜きダイス1、第1の公転キャプスタン21、公転フライヤ23、第2の公転キャプスタン22、第2の引抜きダイス2、第2のガイドキャプスタン61、巻き取りボビン71の順に、通過させて、セットする。
伝熱管10の製造工程において、管材の搬送経路に沿って説明する。
まず、巻き出しボビン11から素管10B(管材5)を順次繰り出していく。
次に、巻き出しボビン11から繰り出された素管10Bを、第1のガイドキャプスタン18に巻き掛ける。第1のガイドキャプスタン18は、素管10Bを回転中心軸C上に位置する第1の引抜きダイス1のダイス孔に誘導する(第1の誘導工程)。
次に、素管10Bを第1の引抜きダイス1に通過させる。更に、第1の引抜きダイス1の後段で管材5を第1の公転キャプスタン21に巻き掛けて前記回転軸の周りを回転させる。これにより、管材5を縮径するとともに捻りを付与する(第1の捻り引抜き工程)。
第1の捻り引抜き工程において、管材5には第1の公転キャプスタン21を駆動する駆動モータ20により、前方張力が付与される。また、同時に管材5には巻き出しボビン11のブレーキ部15により後方張力が付与される。このため、管材5に適度な張力を付与することが可能となり、管材5に座屈・破断を生じさせることなく安定したリード角を付与できる。
管材5は、第1の引抜きダイス1に通された後に、回転する第1の公転キャプスタン21に巻き掛けられる。管材5は、第1の引抜きダイス1により引抜きされるとともに、第1の公転キャプスタン21により捻りが付与される。これにより、管材5(素管10B)の内部の直線状の逆テーパーフィンと順テーパーフィンと螺旋溝に捻りが付与される。
第1の捻り引抜き工程により素管10Bは、中間捻り管10Cとなる。中間捻り管10Cは、伝熱管10の製造工程における中間段階の管材であり、伝熱管10の逆テーパーフィン3A、順テーパーフィン3B、螺旋溝4A、4Bより浅いリード角の逆テーパーフィン、順テーパーフィン、螺旋溝が形成された状態である。
第1の捻り引抜き工程において、管材5(素管10B)には、捻りが付与されると同時に引抜きダイスによる引抜きが行われる。すなわち、管材5は、捻りと引抜きとの同時加工による複合応力が付与される。複合応力下においては、捻り加工のみを行う場合と比較して管材5のせん断応力が小さくなり、管材5の座屈応力に達する前に、管材5に大きな捻りを付与できる。これにより、管材5の座屈の発生を抑制しつつ大きな捻りを付与できる。
第1の引抜きダイス1の前段には、第1のガイドキャプスタン18が設けられており管材5の回転が規制されている。すなわち、管材5は、第1の引抜きダイス1の前段で、捻り方向の変形が拘束されている。管材5には、第1の引抜きダイス1と第1の公転キャプスタン21との間で捻りが付与される。すなわち、第1の捻り引抜き工程において、管材5に捻りが付与される領域(加工域)は、第1の引抜きダイス1と第1の公転キャプスタン21との間に制限される。
加工域の長さと、限界リード角(座屈を生じないで捻ることができる最大リード角)の関係には、相関関係があり、加工域を短くすることで、大きなリード角を付与しても座屈が生じにくい。第1のガイドキャプスタン18を設けることで、第1の引抜きダイス1の前段で捻りが付与されることがなく、加工域を短く設定できる。また、第1の引抜きダイス1と第1の公転キャプスタン21との距離を近づけることで加工域を短く設定し、座屈を生じさせずに管材5に大きな捻りを付与できる。
第1の引抜きダイス1による管材5の縮径率は、2%以上とすることが好ましい。限界リード角(限界捻り角)と縮径率の間には相関が認められ、引抜き時の縮径率を大きくするにつれて限界リード角が大きくなる傾向が認められる。すなわち、縮径率が小さ過ぎる場合は引抜きによる効果が乏しく、大きなリード角を得ることが難しいので、2%以上とするのが好ましい。なお、同様の理由から縮径率を5%以上とすることがより好ましい。
一方で、縮径率が大きくなり過ぎると加工限界で破断を生じ易くなるので、40%以下とするのが好ましい。
次に、公転フライヤ23に管材5(中間捻り管10C)を巻き掛けて、管材5の搬送方向を回転中心軸C上の第2の方向D2に向ける。更に、第2の公転キャプスタン22に管材5を巻き掛けて、管材5を第2の引抜きダイス2に導入する(第2の誘導工程)。これにより、管材5の搬送方向は、第1の方向D1から第2の方向D2に反転し、第2の引抜きダイス2の中心に合わせられる。公転フライヤ23は、浮き枠34の周りを公転回転中心軸Cを中心として回転する。なお、第1の公転キャプスタン21、公転フライヤ23および第2の公転キャプスタン22は、回転中心軸Cを中心として同期回転する。したがって、第1の公転キャプスタン21から第2の公転キャプスタン22の間で、管材5は相対的に回転せず捻りが付与されない。
次に、第2の公転キャプスタン22とともに回転する管材5を第2の引抜きダイス2に通過させる。これにより、管材5を縮径するとともに捻りを付与し、管材5のリード角を更に大きくする(第2の捻り引抜き工程)。この第2の捻り引抜き工程により中間捻り管10Cは、伝熱管10となる。
第2の捻り引抜き工程において、管材5には第2のガイドキャプスタン61を駆動する駆動モータ63により、前方張力が付与される。駆動モータ63としては、トルク制御可能なトルクモータを用いた場合、第2のガイドキャプスタン61は、管材5に付与する前方張力を調整できる。第2のガイドキャプスタン61により前方張力を調整することで、第2の捻り引抜き工程において管材5に適度な張力を付与することが可能となる。これにより、管材5に座屈・破断を生じさせることなく安定したリード角を付与できる。
管材5は、公転回転する第2の公転キャプスタン22に巻き掛けられた後に第2の引抜きダイス2を通過する。管材5は、第2の引抜きダイス2により縮径されるとともに、第2の公転キャプスタン22により管材5に捻りが付与される。これにより、管材5の流路管に更に大きな捻りが付与され、管材5のリード角が大きくなる。第2の捻り引抜き工程により中間捻り管10Cは、伝熱管10となる。ここで目的のリード角を有する逆テーパーフィン3A、順テーパーフィン3B、螺旋溝4A、4B、ダイスマークDMを備えた伝熱管10を得ることができる。
第2の引抜きダイス2の前段では、第2の公転キャプスタン22に管材5が巻き掛けられている。第2の引抜きダイス2の後段では、第2のガイドキャプスタン61が設けられ管材5の回転が規制されている。すなわち、管材5は第2の引抜きダイス2の前後で、捻り方向の変形が拘束されており、第2の公転キャプスタン22と第2のガイドキャプスタン61との間で、管材5に捻りが付与される。すなわち、第2の捻り引抜き工程において、管材5に捻りが付与される領域(加工域)は、第2の公転キャプスタン22と第2の引抜きダイス2との間に制限される。上述したように、加工域を短くすることで、大きなリード角を付与しても座屈が生じにくい。第2のガイドキャプスタン61を設けることで、第2の引抜きダイス2の後段で捻りが付与されることがなく、加工域を短く設定できる。
なお、本実施形態において、第2の公転キャプスタン22は、後方スタンド37Bの後方(第2の引抜きダイス2側)に設けられているが、第2の公転キャプスタン22は、前方スタンド37Aと後方スタンド37Bとの間に位置していてもよい。しかしながら、第2の公転キャプスタン22を、後方スタンド37Bに対し後方に配置して第2の引抜きダイス2に近づけることで、第2の捻り引抜き工程における加工域を短くすることができる。これにより、座屈の発生をより効果的に抑制できる。
第2の捻り引抜き工程において、第1の捻り引抜き工程と同様に、捻りと引抜きとが行われて、管材5には複合応力が付与される。これにより、管材5の座屈応力に達する前に、管材に座屈の発生を抑制しつつ大きな捻りを付与できる。
第2の引抜きダイス2による管材5の縮径率は、第1の捻り引抜き工程と同様に、2%以上(より好ましくは5%以上)40%以下とすることが好ましい。
なお、第1の引抜きダイス1において、大きな縮径(例えば縮径率30%以上の縮径)を行うと管材5が加工硬化するために、第2の引抜きダイス2での大きな縮径を行うことが困難になる。したがって、第1の引抜きダイス1の縮径率と第2の引抜きダイス2の縮径率との合計は、4%以上50%以下とすることが好ましい。
第1および第2の捻り引抜き工程では、合計で5°以上の捻りが付与される。捻り引抜き工程において、引抜きとともに5°以上の捻りを付与することでダイスマークDMが十分に伸張される。これにより、ダイスマークDMの深さを35μm以下とすることが可能となり、割れやしわの発生なくヘアピン曲げできる伝熱管10を製造できる。
本実施形態の捻り引抜き工程によれば押出成形工程において外管9のダイスマークDMが螺旋状となる。これにより、内圧の上昇に対して亀裂が生じにくいダイスマークDMを形成することができる。
<空引き工程>
次に、管材5を仕上げ引抜きダイス70に通過させる(仕上げ引抜き工程)。伝熱管10は、仕上げ引抜きダイス70を通過することで、表面が整形されるとともに底肉厚の偏肉が低減される。また、伝熱管10に若干のつぶれ等の変形が生じていた場合でも、この仕上げ引抜き工程を経ることにより、その変形も修正して、所定の真円度の伝熱管10とすることができる。なお、仕上げ引抜きダイス70の引抜き荷重に対して管材5を搬送させる力は、巻き取りボビン71に設けられた駆動モータ74により付与される。
また、捻り引抜き工程(第1の捻り引抜き工程および第2の捻り引抜き工程)の後段において空引き工程を行うことで、表面性状および形状が安定した伝熱管10を製造できる。
なお、図9では記載を略しているが、架台62と架台75の間には仕上げ引抜きダイス70を支持するための図示略の架台が立設されている。この架台には仕上げ引抜きダイス70に潤滑油を供給するための図示略の供給ノズルと油タンクが設けられている。
<回収工程>
次に、管材5は、巻き取りボビン71に巻き付けられ回収される。巻き取りボビン71は、駆動モータ74により、管材5の搬送速度と同期して回転することで、管材5を弛みなく巻き取ることができる。
以上の工程を経ることにより、製造装置Aを用いて、逆テーパーフィン3Aと順テーパーフィン3Bと螺旋溝4A、4BとダイスマークDMを備えた伝熱管10を製造することができる。
<熱処理工程>
次に、熱処理工程について説明する。
熱処理工程は、捻り引抜き工程の後に400℃以上の高温で4h以上行われる。熱処理工程は、伝熱管10に焼きなまし処理を施す熱処理工程である。熱処理工程を行うことによって、アルミ材料の歪みを除去し、内部応力を除去できる。
本実施形態の製造方法によれば、素管10Bに直接的に捻りを付与することで、逆テーパーフィン3Aと順テーパーフィン3Bと螺旋溝4A、4BとダイスマークDMを同時に螺旋状にすることが可能となる。これにより、フィン3A、4A、螺旋溝4A、4Bを螺旋状にすることと、ダイスマークDMを螺旋状に形成することによる熱交換効率の向上、耐圧性の向上の効果を同時に達成する伝熱管10を製造できる。
本実施形態の捻り引抜き工程は、上述の工程を経て形成された伝熱管10に対して、再び第1の捻り引抜き工程および第2の捻り引抜き工程を行い、更に大きなリード角を付与してもよい。この場合には、上述の工程を経た伝熱管10に対して熱処理(焼きなまし)を行う。更に巻き出しボビン11に巻き付けて、この巻き出しボビン11を適当な縮径率を有する第1の引抜きダイスおよび第2の引抜きダイスを有する製造装置Aに取り付ける。更に、製造装置Aにより上述の工程と同様の工程(第1の捻り引抜き工程および第2の捻り引抜き工程)を経ることで、更に大きなリード角を付与した伝熱管を製造できる。
本実施形態の製造装置Aによる捻り引抜き工程によれば、捻りと同時に引抜きを行っているため、出発材と最終製品の外径および断面積が異なる。また、管材5に捻りと縮径の複合応力を付与する為に、捻り加工に必要なせん断応力を低減させることが可能となり、管材5の座屈応力に達する前に、管材5に大きな捻りを付与できる。
したがって、リード角θ1の大きなフィン3A、3B、螺旋溝4A、4Bを有する伝熱管10を、座屈を生じさせることなく製造することができる。伝熱管10は、そのリード角θ1を大きくすることで熱交換効率を高めることができる。また、伝熱管10は、肉厚を薄くすることで、軽量化するとともに材料費を低減して安価とすることができる。すなわち、本実施形態によれば、軽量、安価かつ熱交換効率の高い伝熱管10を製造できる。
本実施形態の捻り引抜き工程によれば、第1の引抜きダイス1と第2の引抜きダイス2との間で第1の公転キャプスタン21により、管材5に捻りを付与している。更に、第1の引抜きダイス1と第2の引抜きダイス2との引抜き方向が反転している。これにより、第1の捻り引抜き工程と、第2の捻り引抜き工程における、捻り方向を一致させて、管材5に捻りを付与できる。また、管材5の管路の始端である巻き出しボビン11と管路の終端である巻き取りボビン71を公転回転させる必要がない。ラインの速度は、回転速度に依存するため、重量物である巻き出しボビン11又は巻き取りボビン71を回転させない本実施形態の捻り引抜き工程では、回転速度を容易に高めることができる。すなわち、本実施形態によれば容易にライン速度を高速化できる。
更に、本実施形態において、巻き出しボビン11を公転回転させることがないため、巻き出しボビン11に長尺の素管10B(管材5)を巻き付けることができる。このため、本実施形態の捻り引抜き工程によれば、巻き出しボビン11を付け替えることがなく、一気通貫で長尺の管材5に捻りを付与することができる。すなわち、本実施形態によれば伝熱管10の大量生産が容易となる。
本実施形態の捻り引抜き工程は、少なくとも1回以上の捻り引抜き工程を経て管材5に捻りを付与するものである。このため、各段階の捻り引抜き工程で付与するリード角を積み上げて大きなリード角を付与することができる。
本実施形態の捻り引抜き工程によれば、第1の捻り引抜き工程および前記第2の捻り引抜き工程において、管材5に前方張力と後方張力が付与される。前方張力は、第2のガイドキャプスタン61により管材5に付与され、後方張力は、巻き出しボビン11を制動するブレーキ部15によって管材5に付与される。これにより、加工対象の管材5に適切な張力を安定して付与することができる。管材5の管路に弛みが無く、直管状の流路素管7Aが芯ずれせずに引抜きダイスに入るため、管材5に座屈・破断を生じさせることなく安定したリード角を付与できる。
本実施形態において、第1の引抜きダイス1および第2の引抜きダイス2ダイス孔の中心は、回転中心軸C上に位置している。これにより、ダイス孔を通過する管材5をダイス孔に対して直線的に配置できるため、管材5を均一に縮径して、捻り付与時の座屈を抑制できる。なお、第1の引抜きダイス1および第2の引抜きダイス2において、管材5が正常に縮径できる範囲であれば、回転中心軸Cに対するダイス孔の位置ズレは許容される。
なお、本実施形態において、巻き出しボビン11が浮き枠34に支持され、巻き取りボビン71が地面Gに設置されているものとして説明した。しかしながら、巻き出しボビン11と巻き取りボビン71のうち何れが浮き枠34に支持されていてもよい。すなわち、図9において、巻き出しボビン11と巻き取りボビン71とを入れ替えて配置してもよい。この場合には、管材5の搬送経路が反転する。また、第1の引抜きダイス1および第2の引抜きダイス2を入れ替えて配置するとともに、搬送方向に沿ってそれぞれの引抜きダイス1、2の引抜き方向を反転させて配置する。更に、引抜きダイス1、2の前後に位置するキャプスタンにおいて、引抜きダイスの後段に位置するキャプスタンを管材の巻き掛け方向(搬送方向)に駆動させ、引抜きダイスにおける引抜力に抗する前方張力を与える。
以上の説明の捻り引抜き工程により、図7に示す素管10Bから図3〜図5に示す構成の伝熱管10を製造することができる。
<製造方法のまとめ>
押出で製造する伝熱管10には、長手方向に伸びる凹状のダイスマークが発生しており、その深さは40μm以下であるが局部的に50μm近い深さのマークもあり、本発明者の経験的にその深さは50μm以下である。伝熱管10に対して、捻り引抜き工程と空引き工程とを行なうことで、管は縮径・伸長されるとともに、外周面の凹状のダイスマークDMが浅くなる。
更に、複合加工で捻りを付与するため、その螺旋角とともに伸長の程度が増加し、より効果的に凹状のダイスマークDMを浅くでき、適切な条件で加工することで、管外周の凹部の深さは35μm以下に制御可能となる。すなわち、本実施形態の捻り引抜き工程によれば、複数回の捻りおよび引抜きを繰り返す。これにより、押出成形工程で形成されたダイスマークDMを複数回に亘って伸長させて浅くすることができ、結果として強度が高い伝熱管10を製造できる。
図11は本発明に係る伝熱管の第2実施形態の部分拡大断面構造を示すもので、この第2実施形態の伝熱管50は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる管本体50Aからなるが、管本体50Aの内周側に円周方向に沿って逆テーパーフィン3Aと順テーパーフィン3Bが1つずつ交互に設けられている。
図11に示す伝熱管50は、横断面の外形状が円形の管本体50Aからなる。管本体50Aの外周面50aの直径は、第1実施形態の伝熱管10と同様に、例えば、3mm以上15mm以下である。管本体50Aの内周面50bには、長さ方向に沿って螺旋状に形成された逆テーパーフィン3Aと順テーパーフィン3Bが交互に設けられている。また、管本体50Aの内周方向に隣接する逆テーパーフィン3Aと順テーパーフィン3Bの間には、螺旋溝4Cが形成されている。
第2実施形態の伝熱管50において、逆テーパーフィン3Aと順テーパーフィン3Bが交互に形成されているため、それらの間に形成されている螺旋溝4Cは溝の底部幅と溝の開口部幅がほぼ等しい形状とされている。
第2実施形態の伝熱管50においても、第1実施形態の伝熱管10と同等の作用効果が得られる。
例えば、逆テーパーフィン3Aを設けていることで拡管性に優れ、逆テーパーフィン3Aと順テーパーフィン3Bを設けていることで優れた熱交換効率が得られる。
第1実施形態の伝熱管10の説明と第2実施形態の伝熱管50の説明から明らかなように、伝熱管においてその内周円方向に形成される逆テーパーフィン3Aと順テーパーフィン3Bの設置順序は、順テーパーフィン3Bを1つあるいは複数設置し、逆テーパーフィン3Aを複数設置する交互配置であっても良いし、逆テーパーフィン3Aを1つあるいは複数配置し、順テーパーフィン3Bを複数配置する交互配置であっても良い。
あるいは、逆テーパーフィン3Aと順テーパーフィン3Bを任意の数毎に交互配置する構造を採用しても良い。
フィン3の全数に対し、逆テーパーフィン3Aと順テーパーフィン3Bを配置する割合は目的の伝熱管に要求される拡管性や熱特性に合わせて適宜変更することができる。
「第2の製造装置」
図12、図13は伝熱管10、50を製造するために用いる第2の製造装置Bを示すもので、図12は製造装置Bの全体構造の側面を示し、図13は製造装置Bの全体構造の平面を示す。
この製造装置Bは、図7、図8に示す素管10Bを図12に示すようにコイル状に巻き取った状態に保持する巻き出し側キャプスタン80と、この巻き出し側キャプスタン80から巻き出される素管10Bを巻き出し側キャプスタン80とともに回転する回転手段81を備えている。また、製造装置Bは、巻き出し側キャプスタン80から送り出された素管10Bを通す引抜きダイス82と、引抜きダイス82を通って捻り加工と引抜き加工がなされた伝熱管10を巻き付けながら送り出す引抜き側キャプスタン83を備えている。
巻き出し側キャプスタン80は、図12に示すように離間して前後に立設された鋼材からなる支柱部材85、86の上端部に取り付けられた軸受け部87に軸回りに回転自在に水平に支持された中空軸部88に支持されている。なお、この中空軸部88の長さ方向の延長線に沿って巻き出し側キャプスタン80とダイス82と引き抜き側キャプスタン83が順次配置され、素管10Bが中空軸部88、巻き出し側キャプスタン80、引抜きダイス82、引き抜き側キャプスタン83の順に移動されて加工される。このため、以下の説明において素管10Bの移動方向に沿って上流側を前段側、下流側を後段側と適宜呼称しつつ説明する。
中空軸部88は支柱部材85の上端部と支柱部材86の上端部にそれぞれ設けられている軸受け部材85a、86aに支持されて水平に設けられ、その一端88aを支柱部材85の上端部から上流側外部に突出させ、その他端88bを支柱部材86の上端部から下流側外部に突出させて水平に、かつ、軸回りに回転自在に支持されている。中空軸部88の他端側に中空軸部88に対し斜め方向に隣接して延在する一対の第1支持フレーム90が設けられ、その先端部90aによって巻き出し側キャプスタン80の円盤部80aの中心軸が回転自在に支持されている。
中空軸部88の他端側には中空軸部88に対し斜め方向に延在するように第2支持フレーム91が設けられ、第2支持フレーム91の先端側に延設された延長フレーム92に錘体93が取り付けられている。第1支持フレーム90と第2支持フレーム91は中空軸部88の他端88bに対しV字型に配置されるように接続され、中空軸部88の軸回りの回転によって第1支持フレーム90と第2支持フレーム92はV字型に支持されたまま回転される。
巻き出し側キャプスタン80の円盤部80aはその中心部から若干ずれた位置を第1フレーム90、90の先端部90aによって支持されている。また、中空軸部88の中心軸の延長線を巻き出し側キャプスタン80の外周縁の接線と近似するように巻き出し側キャプスタン80が第1フレーム90によって支持されている。このため、中空軸部88の回転に伴い巻き出し側キャプスタン80が旋回すると、中空軸部88の中心軸の延長線の周囲を周回するように巻き出し側キャプスタン80が回転する。また、同様に中空軸部88の回転に伴い錘体93も中空軸部88の中心軸の延長線の周囲を周回するように回転する。
巻き出し側キャプスタン80において、円盤部80aの外周縁に沿って素管10Bを巻き付けることができるように構成されている。
例えば、図12に示すように巻き出し側キャプスタン80が最も下方位置になるように中空軸部88を回転させた場合、巻き出し側キャプスタン80の最上部の若干上方を中空軸部88の中心軸の延長線が通過する。あるいは、巻き出し側キャプスタン80が最も上方位置になるように中空軸部88を回転させた場合、巻き出し側キャプスタン80の最下部の若干下方を中心軸部88の中心軸部の延長線が通過する。
中空軸部88の一端88a側の開口部には素管10Bを挿入可能な大きさの入口部88cが形成され、中空軸部88の他端88b側の開口部には先の素管10Bを引き出し可能な出口部88dが形成されている。
このため、中空軸部88の内部を通過させた素管10Bを巻き出し側キャプスタン80の外周の接線に沿うように導入して巻き出し側キャプスタン80の外周に巻き掛けることができるとともに、巻き出し側キャプスタン80の外周に例えば1周分巻き付けた素管10Bを巻き出し側キャプスタン80の外周から巻き出して引抜きダイス82側に導出することができる。
この巻き出し側キャプスタン80に対する素管10Bの巻き付け状態と巻き出し状態の一例を図14に簡略的に示しておく。図14においてC0は巻き出し側キャプスタン80に巻き付けられる前段側の素管10Bの軸心を示し、C1は巻き出し側キャプスタン80から巻き出された素管10Bの軸心を示している。
中空軸部88の他端側にはV字型に第1のフレーム90と第2のフレーム91が延出され、それらの先端側に巻き出し側キャプスタン80と錘体93が取り付けられているが、錘体93と巻き出し側キャプスタン80の重量および取付位置は、それらが回転した場合に、重量バランスの均衡がとれる位置とされている。即ち、中空軸部88の回転により錘体93と巻き出し側キャプスタン80が旋回した場合、両者の回転モーメントのバランスが均衡し、両者の回転に伴う振動が可能な限り小さくなるように巻き出し側キャプスタン80と錘体93のそれぞれの重量と取付位置が調整されている。
支柱部材85の上部と支柱部材86の上部の間に支持板95が架設され、支持板95に駆動モーター96が取り付けられ、駆動モーター96の出力軸96aに無端ベルトなどの動力伝達装置97が接続されている。この動力伝達装置97はその上方に位置する中空軸部88の一端側に接続されていて、駆動モーター96の出力軸96aの回転により中空軸部88を回転駆動することができる。
この駆動モーター96と動力伝達装置97と中空軸部88により巻き出し側キャプスタン80と錘体93を一体に回転させる構成であり、駆動モーター96と動力伝達装置97と中空軸部88により、巻き出し側キャプスタン80を回転駆動する回転手段81が構成されている。
中空軸部88の出口部88dに対し下流側に巻き出し側キャプスタン80が設けられているが、その更に下流側に引抜きダイス82が支柱部材98に支持されて設けられている。引抜きダイス82の設置位置は、図12に示すように中空軸部88の出口部88dと同等高さにダイス孔が配置され、中空軸部88の出口部88dと引抜きダイス82との中間位置に巻き出し側キャプスタン80の外周縁がパスラインに一致するよう配置されている。引抜きダイス82はこの例では支柱部材98の上端部に中空の支持架台99を介し取り付けられている。また、支持架台99の上方には引抜きダイス82のダイス孔に潤滑油を供給するためのタンク100とフレキシブル供給管101が設置されている。
引抜きダイス82は、素管10Bを挿通させるダイス孔を有しており、素管10Bの外径を減少させる空引きを行う。引抜きダイス82における縮径率はアルミニウム又はアルミニウム合金からなる素管10Bの場合、5〜45%程度に設定される。縮径率が小さ過ぎる場合は引抜きによる効果が乏しく、大きなリード角を得ることが難しいので、5%以上とするのが好ましい。一方、縮径率が大きくなり過ぎると加工限界で素管10Bに破断を生じ易くなるので、45%以下とするのが好ましい。
また、素管10Bがダイス孔を通過する際、巻き出し側キャプスタン80が回転されるので、素管10Bは引抜きダイス82のダイス孔によって縮径されると同時に捻りが付与される。このため、素管10Bは捻りが付加されて図3〜図6に示す伝熱管10に加工される。
引抜きダイス82の下流側に支柱部材98に支持されて引抜き側キャプスタン83が設けられ、引き抜き側キャプスタン83は支柱部材98に支持された水平軸105を介し鉛直向きに設置され、回転自在に支持されている。引き抜き側キャプスタン83の最上部は引抜きダイス82のダイス孔の位置と同等高さに設置され、その外周面に沿って引抜きダイス82で加工された伝熱管10が巻き付けられるようになっている。
支柱部材98において引き抜き側キャプスタン83を取り付けた側と反対側に回転駆動用の駆動モーター106の出力軸106aが水平軸105に直接連結するように設置され、駆動モーター106によって引き抜き側キャプスタン83を回転駆動できる。
「第2の製造装置による製造方法」
次に、以上説明のように構成された製造装置Bを用いて、伝熱管10を製造する方法の一例について説明する。
予め、図7に示す素管10Bを用意する(複合素管準備工程)。
図12〜図14に示す製造装置Bに対し素管10Bを供給するには、素管10Bの先端側を中空軸部88の入口部88cから中空軸部88に挿通し、中空軸部88の出口部88dから素管10Bを引き出し、巻き出し側キャプスタン80の外周に沿って図12に示すように1周分巻き付ける。この素管10Bを巻き出し側キャプスタン80から接線方向に水平に巻き出して引抜きダイス82のダイス孔に挿通し、引抜きダイス82のダイス孔を通過させた素管10Bを引き抜き側キャプスタン83に1周分以上巻き付け、引き抜き側キャプスタン83の下流側にまで素管10Bを引き出す。これらの操作は伝熱管10の製造開始前の準備段階の作業となる。
この準備作業の後、素管10Bの先端側と後端側に図13に示すようにそれぞれ筒型の拘束具108を被せ、拘束具108の周壁に複数形成されているねじ孔に蝶ネジ108aを螺合して素管10Bの先端側と後端側を拘束する。次に、図13に示すように素管10Bの先端側の拘束具108に張力調整用のコイルバネを備えたばねばかり型の張力調整具109を接続し、複合素管の後端側の拘束具108に張力調整用のコイルバネを備えたばねばかり型の張力調整具110を接続する。
この状態から素管10Bの加工を開始する。加工開始とともに順次、素管10Bを一定の速度で移動させて中空軸部88を通過させ、巻き出し側キャプスタン80に巻き付ける(巻き出し工程)。素管10Bを引抜きダイス82に通すための引抜き力は駆動モーター106により回転させる引き抜き側キャプスタン83の回転力により与えられる。
巻き出し側キャプスタン80から巻き出した素管10Bに引抜きダイス82を通過させて引き抜き側キャプスタン83に巻き付け、引き抜き側キャプスタン83から一定の速度で巻き出す。これらの動作を開始すると同時に中空軸部88を駆動モーター96により所定速度で回転させ、巻き出し側キャプスタン80と錘体93を回転駆動する(捻り引抜き工程)。
また、張力調整具109、110の張力を監視しながら、素管10Bが巻き出し側キャプスタン80に巻き付けられる場合の後方張力を一定になるように調整する。
更に、引き抜き側キャプスタン80から素管10Bが引き出される場合の前方張力を一定になるように調整する。
前方張力の安定的な付加のためには、張力調整具109の下流側に巻き取りローラーやウインチ装置などの引張り装置を配置し、一定の速度で張力調整具109を牽引できるように調整することが好ましい。また、後方張力の安定的な付加のためには、張力調整具110の上流側に巻き出しローラーなどの巻き出し装置を配置し、一定の速度で張力調整具110を繰り出しできるように調整することが好ましい。
あるいは、張力調整具109、110を略してこれらの位置に巻き出し用のローラーと巻取用のローラーを配置し、これらのローラーにブレーキ機構や速度調整機構を内蔵し、引抜きダイス82より下流側の素管10Bの先端側に所望の前方張力を付加し、引抜きダイス82より上流側の素管10Bの後端側に所望の後方張力を付加できるように構成することが大量生産を行う上では好ましい。
引抜きダイス82を中心として下流側の素管10Bに適切な後方張力を付加しつつ上流側の素管10Bに適切な後方張力を付加しながら巻き出し側キャプスタン80から引抜きダイス82のダイス孔に素管10Bを通過させると同時に、巻き出し側キャプスタン80を回転させることで引抜きダイスのダイス孔を通過する素管10Bに引抜きと捻りを同時に作用させる。
通常、3〜20mm程度、あるいは3〜12mm程度などの外径のアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる薄肉の素管に対し、捻りのみを作用させると容易に座屈するか破断する。この製造装置Bでは捻りの作用と同時に引抜きを作用させて捻りによる座屈・破断を抑制しながら引き抜くので、上述のサイズの細径のアルミニウム又はアルミニウム合金製の素管10Bであっても、座屈・破断させることなく捻りを付加できる。
図12に示すように巻き出し側キャプスタン80の頂上位置と引抜きダイス82のダイス孔において素管10Bの接触位置との間の長さLの領域が素管10Bの捻り加工領域とされる。製造装置Bにあってはこの捻り加工領域の長さLを極力短くしているので、大きなリード角を素管10Bに与えても、素管10Bに破断を生じることなく5゜〜80゜程度までの捻りを付与することができる。
素管10Bは巻き出し側キャプスタン80に1周分巻き付けられることにより、図14に示すように巻き始め側の軸心C0から巻き出し側キャプスタン80の外周に沿って若干ずれた軸心C1に沿って送り出される。
引抜きダイス82のダイス孔を素管10Bが通過する場合、素管10Bの中心とダイス孔の中心の位置合わせを行い、素管10Bに余計な応力が作用しないようにするためには、巻き出し側キャプスタン80から巻き出された側の軸心C1を回転中心として軸心C1の周回りに巻き出し側キャプスタン80が回転するように、中空軸部88の位置関係と第1支持フレーム90の位置関係と巻き出し側キャプスタン80の位置関係を合わせることが好ましい。
素管10Bの中心とダイス孔の中心の位置合わせを行っていることにより、ダイス孔を通過する素管10Bに大きな捻りを付与し、リード角の大きな加工を施しても素管10Bを座屈・破断させることなく捻り加工できる。
なお、巻き出し側キャプスタン80を回転させるための回転中心は中空軸部88の軸心と一致するが、この軸心は引抜きダイス82のダイス孔の中心と位置合わせされ、この軸心に沿って素管10Bの中心が移動する必要がある。このため、巻き出し側キャプスタン80に巻き掛けられる前の素管10Bは前記軸心から若干ずれた位置にあって回転する。このため、巻き出し側キャプスタン80に巻き付けられる前の素管10Bは中空軸部88の内部において偏心回転することとなるが、中空軸部88の内径はこの偏心回転を吸収するだけの値に設定されているので、素管10Bの回転に支障はない。
以上説明した捻り引抜き加工を行うことで引抜きダイス82を通過する素管10Bに大きな捻りを付与することができる結果、素管10Bを螺旋状に捻り、捻り流路を有する図3〜図6に示す伝熱管10を製造することができる。
なお、先に説明した製造装置Aを用いて捻り引抜き加工を施す場合と同様に2回に分けて捻り引抜き加工を施すには製造装置Bに素管10Bを2回通して捻り引抜き加工を施すと良い。その場合、1回目の捻り引抜き加工で用いる引抜きダイスのダイス孔のサイズと縮径率、2回目の捻り引抜き加工で用いる引抜きダイスのダイス孔のサイズと縮径率を適宜変更し、2回の捻り引抜き工程で最終的に得るべきリード角になるように調整することが好ましい。
ここまで、図7、図8に示す構造の素管10Bを用い、製造装置A、Bを適宜用いて図3〜図6に示す螺旋構造のフィン3A、3Bおよび螺旋溝4A、4Bを備えた伝熱管10を製造できることについて先に説明した。
しかし、素管10Bを用いて捻り引抜き加工を施す場合、本願出願人が先に特許出願している特開2016−22505号公報の図1に記載の製造装置を用いて捻り引抜き加工を施しても良い。
この製造装置は、複合素管をコイル状に保持したドラムから巻き出して巻き出し側キャプスタンに巻き付けつつ、ドラム及び巻き出し側キャプスタンをドラムの巻軸と直交する軸心に沿って回転させることができる装置である。そして、巻き出し側キャプスタンから複合素管を軸心回りに回転させながら巻き出す素管送り出し工程と、巻き出された複合素管を引抜きダイスに通して縮径しながら引抜いた後に引抜き側キャプスタンに巻き付けることができる装置である。
この特開2016−22505号公報に記載されている製造装置を用いて先の実施形態に記載した素管10Bに捻り引抜き加工を施すことで、図3〜図6に示す構造の伝熱管10を製造しても良い。
JISA3003系アルミニウム合金からなる素管を押出し、内面に逆テーパーフィンと順テーパーフィンと直溝を有した押出素管を製造した。
次に、その素管に図9、図10に示す製造装置を用いて捻り引抜き加工(引抜+捻り)を施して伝熱管(内面螺旋溝付管)を製造した。この伝熱管は、外径Dが7.00mm、フィン底幅の弧長Wが0.13mm、0.15mm、フィンの条数が45、フィンの高さHが0.25mm、逆テーパーフィンのフィン頂角αが−5〜−25°の範囲でそれらの値を種々に変量し、底肉厚tは0.50mmとした。実施例の伝熱管の逆テーパーフィンの形状は、図4に示すように先端幅が底幅より大きい形状であり、伝熱管の内周方向に2つの逆テーパーフィンと1つの順テーパーフィンが、交互に配置された構造となっている。
「比較例の伝熱管」
比較例として、底幅が先端幅より大きい順テーパーフィンのみを有する伝熱管(内面螺旋溝付管)を用意した。比較例の伝熱管も、実施例の伝熱管と同様に、フィンは螺旋状に形成されている。また、比較例の伝熱管の各寸法は、上述の実施例の伝熱管の各寸法と同じとした。
また、伝熱管におけるリード角の影響を確認するために、一部の比較例においては、実施例と同じ形状の伝熱管のリード角を0°、10°と変量し、同じ試験を行った。
「測定」
得られた実施例および比較例の伝熱管について、管内面の溝およびフィンの形状、伝熱特性、ヘアピン曲げ加工性、拡管後のプラグの焼き付きの有無を調べた。前記溝形状は、伝熱管(長さ300mm)を縦に2分割して管内面のフィンの高さ、底肉厚、底幅の弧長、等を測定して調べた。
「伝熱特性」
伝熱特性は、図19、図20に示す従来公知の伝熱性能評価装置を用いて、管内熱伝達率(管内凝縮および管内蒸発)を測定して調べた。図19は、凝縮試験を行う伝熱特性評価装置であり、図20は、蒸発試験を行う伝熱特性評価装置である。
各試験装置において、冷媒質量速度は250kg/m・sとした。その他の試験条件は、管内の凝縮側について、冷媒の平均飽和温度を45℃、冷媒入口過熱度を20℃、冷媒出口過冷却度5℃、管入口圧力を2.63MPaに設定し、管内の蒸発側について、冷媒の平均飽和温度を5℃、冷媒入口乾き度0.2、冷媒出口過熱度を7℃、管出口圧力を0.86MPaに設定し、測定に使用した伝熱管長さ4m、冷媒R32を用いて評価を行なった。基準には外径7.00mmで、底肉厚0.25mm、フィン高さ0.17mm、フィン頂角25°、条数55条、リード角10°の従来の銅製内面溝付伝熱管について管内熱伝達率を上記と同じ方法で測定した。管内熱伝達率は各伝熱管3本について測定し、その平均値をその伝熱管の管内熱伝達率とした。
「拡管試験」
図17に、拡管試験で使用した拡管プラグ113Aおよびロッド113を備えた拡管具114を示す。また、図18に、拡管試験において用いた管保持具130を示す。
拡管具114はハンドルHの先端側にロッド113を有し、その先端に拡管プラグ113Aが形成されている。管保持具130は、上面側にスライド溝134aを有した円盤状の支持台134と、この支持台134のスライド溝134aに装着されるブロック状の第1保持部131と第2保持部132を有する。第1保持部131と第2保持部132はこれらの側面に形成されたねじ孔に螺合される固定ボルト132aによって互いを沿わせた状態で一体化できるように構成されている。また、第1保持部131と第2保持部132の側面中央側にはそれぞれ丸溝131A、132Aが形成されている。
まず、図18(a)、(b)に示すように、第1保持部131と第2保持部132を起立させて重ね合わせてスライド溝134aの上に固定する。これにより、第1保持部131と第2保持部132の境界部に丸溝131A、132Aを重ねることによって孔133が形成される。
次に図18(c)に示すように、孔133にサンプルの伝熱管Jを挿入する。なお、孔133の内径は、伝熱管Jの外径よりも十分に大きく形成されており、上方から容易に挿入することができ、挿入する伝熱管Jの長さは125mmである。
次に図18(d)に示すように、図17の拡管プラグ113Aを取り付けたロッド113を挿入することで、伝熱管Jを拡管する。最後に、固定ボルト132aを取り外し、第1保持部131と第2保持部132を開くことで、拡管された伝熱管Jを取り出すことができる。これを200本連続して実施し、その後の拡管プラグの焼き付きの有無を確認した。焼き付きが生じたものは×、拡管時焼き付きは生じないものの拡管抵抗が増大したものは△、焼き付きが生じなかったものは○とした。
なお、今回の拡管試験において用いる拡管プラグ113Aの最外径部の直径は、外径D7.00mmでは5.9mmであり、超硬合金からなる拡管プラグを用いた。また、拡管プラグ113Aの挿入速度は、285mm/minとした。
(ヘアピン曲げに対する強度測定)
各サンプルの伝熱管を、外径7.0mmのものは曲率半径(R=15)でヘアピン状に180°曲げる、曲げ加工を行った。各条件n=20で評価し、1つでも伝熱管の外周面に座屈が観察されたものを×とし、座屈はしないが曲げ部分に変形が大きいものを△、座屈と変形が観察されなかったものを〇とした。
表1、表2に実施例および比較例の各寸法および試験結果を示す。
なお、表1、表2において、「リード角」は、フィン3のリード角θ1を意味する。表1、表2において、頂角は、フィン頂角γを意味する。表1、表2において、「底肉厚弧長/濡れ縁長さ」とは、底部4aの占める長さ(F)と濡れ縁長さ(E)の比[F/E]を意味する。表1、表2において、「濡れ縁長さ/外周長」は、濡れ縁長さ(E)と外周長(D)の比[E/D]を意味する。
表1に示す結果から、実施例1〜6の伝熱管は、比較例1〜5の伝熱管と比較して、いずれも熱特性および拡管時の焼き付き性に優れていることがわかる。
表1、表2に示す結果から、実施例1〜6の伝熱管は、比較例1〜5の伝熱管と比較して、いずれも円周方向に均等な拡管が可能であった。
比較例1〜比較例5の試料は、逆テーパーフィンを設けていない試料であるが、拡管時焼き付きが発生し、比較例2の試料のようにフィン3のリード角が0゜の試料は拡管時に焼付が発生した上に、ヘアピン曲げ試験において座屈を生じた。
表2に示す実施例7、8は熱特性は若干低下するが焼き付きやヘアピン曲げ時に座屈を生じていない例である。
表2に示す実施例9の試料は、逆テーパーフィン数が5個の例であり、逆テーパーフィン数が少ないため、拡管時焼き付きを生じ、実施例12、13の試料は逆テーパーフィン数が40個、42個であり、多すぎるため、へピン曲げの際に変形を生じた。
なお、条数45なので、実施例9の逆テーパフィン割合において5/45=11%が拡管時の抵抗が増大した試料(△)である。実施例12の逆テーパーフィン割合において40/45=88.8%はヘアピン曲げ結果が△の試料である。実施例13の逆テーパーフィン割合42/45=93.3%がヘアピン曲げ結果が△の試料である。
これらの対比から、逆テーパーフィン数の割合は条数の12%〜87%の範囲が好ましく、その範囲から外れると拡管抵抗が増大し、ヘアピン曲げ時の抵抗が増大し、熱抵抗も若干低下することがわかる。
また、各実施例の試料は逆テーパーフィンの数、フィン頂角が適切であり、伝熱性および拡管時の焼き付き性にも優れていることがわかる。
以上、本願発明の様々な実施形態と実施例を説明したが、各実施形態、実施例における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本願発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本願発明は先の実施形態および実施例によって限定されることはない。
A、B…製造装置、3…フィン、3A…逆テーパーフィン、3a…先端部、3B…順テーパーフィン、3b…底部、3c…側壁部、4、4A、4B…螺旋溝、4a…底部、5…管材、10…伝熱管、10A…管本体、10a…外周面、10b…内周面、10C…中間捻り管、60…熱交換器、61…伝熱管、61A…主管、61B…エルボ管、62…放熱板、d1…底幅、d2…先端幅、θ1、θ2…捻り角、DM…ダイスマーク。
本発明の伝熱管において、前記管本体の長さ方向に沿う前記逆テーパーフィンのリード角と前記管本体の長さ方向に沿う前記順テーパーフィンのリード角が5゜〜45°の範囲とされた構成を採用できる。
本発明の伝熱管において、前記逆テーパーフィンを構成する2つの側壁のなすフィン頂角が0゜より大きく、30゜以下である構成を採用できる。

Claims (7)

  1. 押出素管の捻り加工材である伝熱管であって、
    管本体の内周面に周方向に沿って並び長さ方向に沿って螺旋状に形成された複数のフィンを有し、前記内周面に沿って形成された複数のフィンの内、一部のフィンが、その先端幅を底幅より大きくした逆テーパーフィンであって、他のフィンが、その先端幅を底幅より小さくした順テーパーフィンであることを特徴とする伝熱管。
  2. 前記逆テーパーフィンと前記順テーパーフィンが前記内周面の周方向に沿って交互に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の伝熱管。
  3. 前記内周面の周方向に沿って複数のフィンが配列され、配列されたフィンのうち、前記逆テーパーフィンと前記順テーパーフィンのどちらか一方が他のフィンに対し複数個おきに配置されたことを特徴とする請求項1に記載の伝熱管。
  4. 前記管本体の長さ方向に沿う前記逆テーパーフィンのリード角と前記管本体の長さ方向に沿う前記順テーパーフィンのリード角が5゜〜45℃の範囲とされたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の伝熱管。
  5. 前記逆テーパーフィンを構成する2つの側壁のなすフィン頂角が0゜より大きく、30゜以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の伝熱管。
  6. アルミニウム又はアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の伝熱管。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載された伝熱管を備えたことを特徴とする熱交換器。
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