JP2019100403A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 騒音の発生を低減する動力伝達装置を提供する。【解決手段】 動力伝達装置(36)は、曲線状に延びる第1貫通孔(108)及び第2貫通孔(110)を有する板状部材(100)と、第1質量部材(210)、第2質量部材(220)、第1質量部材と第2質量部材とを結合する第1結合部材(230)、及び、第1質量部材と第2質量部材とを結合する第2結合部材(240)を含み、第1質量部材が、曲線状に延び板状部材に形成された転動軸(112,114)を収容して第1質量部材を案内する転動孔(212,214)を有する質量体(200)と、を含み、第1貫通孔及び第2貫通孔は、弾性部材(234,244)を押圧すべく弾性部材に近づく方向に配置された押圧部(108a1,108a2,108b1,108b2,110a1,110a2,110b1,110b2)を含む。【選択図】 図2

Description

本出願において開示された技術は、発動機と変速機との間に配置され発動機から変速機に駆動力を伝達する動力伝達装置に関する。
動力伝達装置としては、特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1に開示された動力伝達装置は、発動機から駆動力が伝達されることにより回動する円盤状のフランジと、このフランジに転動可能に取り付けられた複数の振り子質量体と、を含む。各質量体は、円弧状の切抜き部を有し、フランジに固定されたストッパーとしてのスペーサピンをこの切抜き部に係合させることにより、フランジに転動可能に取り付けられる。
このような動力伝達装置にあっては、発動機から伝達される駆動力により順方向に回動しているフランジは発動機の燃焼の度にその燃焼に起因する回転変動を受けるが、フランジに取り付けられた複数の振り子質量体が転動することによってそのような回転変動を吸収することができる。
特許第5783542号公報
しかしながら、特許文献1に開示された動力伝達装置においては、振り子質量体が転動して切抜き部の端部がストッパーに衝突する度に衝突音が発生するという問題がある。このような衝突音の音量を抑えるために、切抜き部の端部に減衰手段としての弾性材料が設けられている。ところが、このような減衰手段を用いるだけでは、切抜き部とストッパーとの衝突に起因する騒音を十分に抑えることができない可能性がある。
具体的には、発動機ひいてはフランジが単位時間当たりにアイドリング回転数以上の回転数で回転している場合には、振り子質量体は発動機の燃焼に起因する変動を受けて転動するため、切抜き部の端部がストッパーに衝突することがあることにより、衝突音が発生する。また、発動機ひいてはフランジが単位時間当たりにアイドリング回転数未満の回転数で回転している場合には、回転変動が生ずる度に、振り子質量体は自由に転動することができる。このとき、振り子質量体の切抜き部の一方の端部がストッパーに衝突して衝突音を発生させた後、その反動により振り子質量体が逆方向に回転することにより、今度は、切抜き部の他方の端部がストッパーに衝突して衝突音を発生させる。以後、同様の現象が繰り返される可能性がある。この結果、減衰手段を用いて切抜き部とストッパーとの衝突に起因する衝突音の大きさを減少させることができたとしても、一定程度の音量を発生させる切抜き部とストッパーとの衝突が頻繁に生ずる限り、そのような衝突に起因する騒音を抑えることができない可能性がある。
そこで、本発明の様々な実施形態により、騒音の発生を低減する動力伝達装置を提供する。
本発明の一態様に係る動力伝達装置は、発動機と変速機との間に配置され該発動機から該変速機に駆動力を伝達する動力伝達装置であって、前記発動機から駆動力が伝達されることにより中心軸の周りに回動し、各質量体に対応付けて周方向に沿って相互に間隔をおいて設けられ外周縁に向かって膨らむ曲線状に延びる第1貫通孔及び第2貫通孔を有する板状部材と、該板状部材の一方の面に対向して配置された第1質量部材、該板状部材の他方の面に対向して配置された第2質量部材、弾性材料により形成された弾性部材を前記第1質量部材と前記第2質量部材との間に配置して該第1質量部材と該第2質量部材とを前記第1貫通孔にて結合する第1結合部材、及び、弾性材料により形成された弾性部材を前記第1質量部材と前記第2質量部材との間に配置して前記第1結合部材から前記周方向に沿って間隔をおいて配置され該第1質量部材と該第2質量部材とを前記第2貫通孔にて結合する第2結合部材を含み、前記第1質量部材が、前記板状部材の前記中心軸に向かって膨らむ曲線状に延び前記板状部材に形成された転動軸を収容して前記第1質量部材を案内する転動孔を有するように構成された、質量体と、を具備し、各質量体に対応付けて前記板状部材に形成された前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔のうちの少なくとも1つの貫通孔は、該貫通孔の一端及び他端のうちの少なくとも一方の端部において前記弾性部材を押圧して収縮させるべく該弾性部材に近づく方向に配置された押圧部を含むものである。
本発明の様々な実施形態によれば、騒音の発生を低減する動力伝達装置を提供することができる。
本発明の様々な実施形態が適用される動力伝達システムの概要を示すブロック図である。 図1に示した動力伝達装置(出力側)36の構成の一例を模式的に示す斜視図である。 図1に示した動力伝達装置(出力側)36の構成の一例を模式的に示す平面図である。 図2及び図3に示した動力伝達装置(出力側)に取り付けられた質量体200の構成の一例を模式的に示す斜視図である。 図2及び図3に示した動力伝達装置(出力側)36の板状部材100に形成される第1貫通孔108及び第2貫通孔110の構成の一例を模式的に示す動力伝達装置(出力側)36の平面図である。 図2及び図3に示した動力伝達装置(出力側)36の板状部材100に形成される第1貫通孔108及び第2貫通孔110において押圧部が形成される位置を説明する図面である。 図2及び図3に示した動力伝達装置(出力側)36の板状部材100に形成される第1貫通孔108及び第2貫通孔110における押圧部の傾斜角度を説明する図面である。 図1に示した動力伝達装置(入力側)32の構成の一例を模式的に示す平面図である。 図1に示した動力伝達装置(中間)34の構成の一例を模式的に示す平面図である。 図1に示した動力伝達装置(入力側)32、動力伝達装置(中間)34及び動力伝達装置(出力側)36が結合された動力伝達システム3の構成の一例を模式的に示す断面図である。 図2及び図3に示した動力伝達装置(出力側)36の板状部材100の構成の別の例を模式的に示す平面図である。 図1に示した動力伝達装置(出力側)36の構成の別の例を模式的に示す平面図である。 図12に示した動力伝達装置(出力側)36のB−B線からみた構成を模式的に示す断面図である。 図12に示した動力伝達装置(出力側)36に含まれる板状部材100の構成を示す平面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の様々な実施形態を説明する。なお、図面において共通した構成要素には同一の参照符号が付されている。また、或る図面に表現された構成要素が、説明の便宜上、別の図面においては省略されていることがある点に留意されたい。さらにまた、添付した図面が必ずしも正確な縮尺で記載されている訳ではないということに注意されたい。
1.動力伝達システムの概要
図1は、本発明の様々な実施形態が適用される動力伝達システムの概要を示すブロック図である。動力伝達システム3は、エンジン(発動機)1から伝達される駆動力を変速機(トランスミッション)2に伝達するものである。動力伝達システム3は、一例として、入力側に配置される動力伝達装置(入力側)32と、出力側に配置される動力伝達装置(出力側)36と、動力伝達装置(入力側)32と動力伝達装置(出力側)36との間に配置される動力伝達装置(中間)34と、を含むものとすることができる。
さらに、動力伝達システム3は、隣接する2つの動力伝達装置の間に配置されるばねS1、S2を含む。動力伝達装置(入力側)32と動力伝達装置(中間)34とがばねS1により結合されることにより、動力伝達装置(入力側)32から動力伝達装置(中間)34に駆動力が伝達される。同様に、動力伝達装置(中間)34と動力伝達装置(出力側)36とがばねS2により結合されることにより、動力伝達装置(中間)34から動力伝達装置(出力側)36に駆動力が伝達される。
さらに、動力伝達システム3は、エンジン1から伝達される駆動力においてエンジン1の燃焼等に起因して生じた変動を吸収するために、動力伝達装置(入力側)32、動力伝達装置(中間)34及び動力伝達装置(出力側)36のうちの少なくとも1つの動力伝達装置に設けられる質量体38を含む。図1(a)、図1(b)及び図1(c)には、それぞれ、動力伝達装置(中間)34、動力伝達装置(入力側)32及び動力伝達装置(出力側)36にそのような質量体38が取り付けられる構成が例示されている。
なお、別の実施形態では、動力伝達装置(中間)34が設けられないものとすることができ、さらに別の実施形態では、動力伝達装置(中間)34が複数設けられ得る。この場合にも、隣接する2つの動力伝達装置(中間)の間にはばねが配置される。
次に、質量体38が一例として動力伝達装置(出力側)36に取り付けられる構成(図1(c)に示す構成)に着目して、以下、動力伝達装置(出力側)36、動力伝達装置(入力側)32及び動力伝達装置(中間)34のそれぞれの構成について順次説明する。
2.動力伝達装置(出力側)36の構成例
図2は、図1に示した動力伝達装置(出力側)36の構成の一例を模式的に示す斜視図である。図3は、図1に示した動力伝達装置(出力側)36の構成の一例を模式的に示す平面図である。図2及び図3に示すように、動力伝達装置36は、大まかにいえば、板状部材100と、板状部材100に取り付けられた質量体200と、を含む。
2−1.板状部材100の構成例の概要
本実施形態では、板状部材100に一例として3つの質量体200が取り付けられる場合について説明するが、板状部材100に取り付けられる質量体200の総数に限定はない。
板状部材100の構成を明確に示すために、図2には、板状部材100に質量体200として2つの質量体200A、200Bのみが取り付けられている(質量体200Cが取り外されている)構成が示され、図3には、板状部材100に質量体200として1つの質量体200Aのみが取り付けられている(質量体200B、200Cが取り外されている)構成が示されている。しかし、実際には、板状部材100には質量体200として3つの質量体200A、200B、200Cが取り付けられる。
板状部材100は、全体として円盤状の形状を有するものとすることができる。板状部材100は、例えば、鉄、鉄鋼等の金属により形成され得るものであり、最も好ましくは鉄(S45C)により形成され得る。
板状部材100は、例えば軸受(ベアリング)Bを介して中心軸Oの周りに回動可能とされている。板状部材100には、スプリング(図示しない)を保持するために、図2及び図3に例示されるように、中心軸Oの近辺において、略円弧状に延びるスリット(例えば2つのスリット)SLが形成され得る。また、板状部材100は、その外周に沿って多数の溝Gを有することにより、ギヤとして機能し得る。
板状部材100は一方の面102とこの面に対向する他方の面104とを有する。板状部材100の一方の面102に含まれる半径R1を内径とし半径R2(>半径R1)を外径とする環状の領域106は、概念的には、質量体200が取り付けられる領域といえる。本実施形態では、板状部材100には、3つの質量体200(200A、200B、200C)が取り付けられるため、環状の領域106は、概念的には、3つの領域106A、106B、106Cに分けられ得る。すなわち、領域106Aは、質量体200Aに対応付けられた領域であり、領域106Bは、質量体200Bに対応付けられた領域であり、領域106Cは、質量体200Cに対応付けられた領域であるといえる。
図示はされていないが、板状部材100の他方の面104においても、一方の面102と同様に、半径R1を内径とし半径R2(>半径R1)を外径とする環状の領域106が存在し、この環状の領域106は、3つの領域106A、106B、106Cに分けられ得る。
領域106A〜106Cの各々の領域は、その一端付近において第1貫通孔108を有し、その他端付近において第2貫通孔110を有する。第1貫通孔108と第2貫通孔110とは、板状部材100の周方向に沿って相互に間隔をおいて設けられているといえる。以下、領域106A〜106Cの各々の領域は、相互に同一の構成を有するものであるので、各領域が有する構成要素に対しては、説明の簡略化のために、共通の参照符号が付されていることに留意されたい。
第1貫通孔108及び第2貫通孔110は、各々、板状部材100の一方の面102と他方の面104とを連通させる貫通孔であり、板状部材100の外周縁に向かって膨らむ曲線状(好ましくは円弧状又は略円弧状)に延びている。これら第1貫通孔108及び第2貫通孔110の詳細については後述する。
さらに、領域106A〜106Cの各々の領域は、第1貫通孔108と第2貫通孔110との間に、この一方の面102から突出する例えば2つ(1つであってもよいし3つ以上であってもよい)の第1転動軸112及び第2転動軸114を有する。各転動軸は、軸受等を介して板状部材100の一方の面102に固定され、回動可能に形成され得る。一実施形態では、例えば2つの第1転動軸112及び第2転動軸114は、板状部材100の一方の面102及び他方の面104の両面に形成され得るものであり、別の実施形態では、例えば2つの第1転動軸112及び第2転動軸114は、板状部材100のいずれか一方の面に形成され得る。第1転動軸112及び第2転動軸114は、例えば、円柱状に形成され得る。
2−2.質量体200の構成例
図4は、図2及び図3に示した動力伝達装置(出力側)に取り付けられた質量体200の構成の一例を模式的に示す斜視図である。
以下、板状部材100に取り付けられる3つの質量体200の各々は、相互に同一の構成を有するものであるので、3つの質量体200が有する構成要素に対しては、相互に共通の参照符号が付されていることに留意されたい。
図2及び図4に示すように、質量体200は、大まかにいえば、板状の第1質量部材210と、第1質量部材210に対向する第2質量部材220と、第1質量部材210と第2質量部材220との間に配置され第1質量部材210と第2質量部材220とを結合する第1結合部材230と、第1質量部材210と第2質量部材220との間に配置され、第1結合部材230から板状部材100の周方向に沿って間隔をおいて配置され、第1質量部材210と第2質量部材220とを結合する第2結合部材240と、を含む。
第1質量部材210は、板状部材100の一方の面102に対向して配置される。第1質量部材210は、板状部材100の周方向に沿って延びる形状を有し、好ましくは、略円弧状に延びる形状を有する。さらに好ましくは、第1質量部材210は、板状部材100の一方の面102における3つの領域106A、106B、106Cの各領域に収まるように、かつ、当該質量体200が転動したときに隣接する他の質量体200と衝突しないように、各領域よりも小さい面積を有する。第1質量部材210は、例えば、鉄、鉄鋼等の金属により形成され得るものであり、最も好ましくは比較的に質量密度の大きい金属により形成され得る。
第1質量部材210は、その一端と他端との間において、例えば2つの転動孔(すなわち、第1転動孔212及び第2転動孔214を有する。第1転動孔212及び第2転動孔214は、板状部材100の周方向に沿って間隔をおいて配置される。第1転動孔212及び第2転動孔214は、板状部材100の中心軸Oに向かって膨らむ曲線状(最も好ましくは円弧状又は略円弧状)に延びている。第1転動孔212は、少なくとも、第1転動面212aとこれに対向する第1内周面212bとにより囲まれる。第2転動孔214は、少なくとも、第2転動面214aとこれに対向する第2内周面214bとにより囲まれる。第1転動孔212及び第2転動孔214には、それぞれ、図2及び図3に例示した板状部材100の一方の面102に形成された第1転動軸112及び第2転動軸114が収容される。
第2質量部材220は、板状部材100の他方の面104に対向して配置される。第2質量部材220は、板状部材100の周方向に沿って延びる形状を有し、好ましくは、略円弧状に延びる形状を有する。さらに好ましくは、第2質量部材220は、板状部材100の他方の面104における3つの領域106A、106B、106Cの各領域に収まるように、かつ、当該質量体200が転動したときに隣接する他の質量体200と衝突しないように、各領域よりも小さい面積を有する。第2質量部材220は、例えば、鉄、鉄鋼等の金属により形成され得るものであり、最も好ましくは比較的に質量密度の大きい金属により形成され得る。
第2質量部材220は、その一端と他端との間において、例えば2つの転動孔(すなわち、第3転動孔222及び第4転動孔224)を有する。第3転動孔222及び第4転動孔224は、板状部材100の周方向に沿って間隔をおいて配置される。第3転動孔222及び第4転動孔224は、板状部材100の中心軸Oに向かって膨らむ曲線状(最も好ましくは円弧状又は略円弧状)に延びている。第3転動孔222及び第4転動孔224には、それぞれ、板状部材100の他方の面104に形成された(図示しない)第1転動軸112及び第2転動軸114が収容される。
図2に示すように、第1結合部材230は、鉄、鉄鋼等の金属により形成され得る略柱状の本体232と、ゴム、樹脂等の弾性材料により形成され本体232の外周を囲む環状の外側部材(弾性部材)234と、を含み得る。第2結合部材240は第2結合部材230と同様の構成を有する。すなわち、第2結合部材240は、鉄、鉄鋼等の金属により形成され得る略柱状の本体242と、ゴム、樹脂等の弾性材料により形成され本体242の外周を囲む環状の外側部材(弾性部材)244と、を含み得る。
第1質量部材210の第1転動孔212及び第2転動孔214にそれぞれ板状部材100の一方の面102における第1転動軸112及び第2転動軸114が係合(収容)させられ、かつ、第2質量部材220の第3転動孔222及び第4転動孔224にそれぞれ板状部材100の他方の面104における第1転動軸112及び第2転動軸114(図示せず)が係合(収容)させられる。さらに、第1結合部材230及び第2結合部材240が、それぞれ、板状部材100の第2貫通孔110及び第1貫通孔108に係合(収容)させられる。このような状態において、第1結合部材230及び第2結合部材240(の例えば本体232、242)の一端及び他端が、ボルト、ナット、ネジ、カシメ等の締結部品を用いて、それぞれ第1質量部材210及び第2質量部材220に固定される。これにより、質量体200が板状部材100に転動可能に取り付けられる。
2−3.板状部材100の第1貫通孔108及び第2貫通孔110の詳細
図5は、図2及び図3に示した動力伝達装置(出力側)36の板状部材100に形成される第1貫通孔108及び第2貫通孔110の構成の一例を模式的に示す動力伝達装置(出力側)36の平面図である。なお、図5には、説明の簡略化のために、動力伝達装置(出力側)36における一部の構成のみしか示されていないということに留意されたい。
エンジン1が単位時間当たりにアイドリング回転数以上の回転数で回転しており、このエンジン1から駆動力を伝達された動力伝達装置36の板状部材100が、例えば図5に示す反時計回りの方向に回転しているとする(なお、以下の動作は、エンジンの回転数がエンジン始動時における0rpmからアイドリング回転数の間においても同様に当てはまるものである)。この状態においては、質量体200は、遠心力を受けて実質的にノミナル位置Pに位置する(第2結合部材240及び第1結合部材230はともに図5において太い2点鎖線で示した位置に位置する)。この状態において、エンジン1の回転においてエンジン1の燃焼等に起因する変動が生じることにより、板状部材100に対して時計回りの方向に向かう変動が生じた場合には、慣性を受けた質量体200は、板状部材100に対して反時計回りの方向に移動する。質量体200が受ける慣性が大きい場合には、質量体200は、第1転動孔212及び第2転動孔214がそれぞれ第1転動軸112及び第2転動軸114に案内されることにより、位置Pから位置P11、P12、P13を経て、位置P14にまで至る。具体的には、(質量体200が板状部材100に対して移動する際には)第1転動面212a及び第2転動面214a(図2参照)がそれぞれ転動軸112及び転動軸114に沿うように移動する。質量体200が位置P14に位置したときには、第2結合部材240は位置P114に位置し、第1結合部材230は位置P214に位置する。
ここで、質量体200が位置Pから位置P14まで移動する際には、第1質量部材210の第1転動孔212及び第2転動孔214が、それぞれ、板状部材100の一方の面102における第1転動軸112及び第2転動軸114に係合し、第2質量部材220の第3転動孔222及び第4転動孔224が、それぞれ、板状部材100の他方の面104における(図示しない)第1転動軸112及び第2転動軸114に係合する。第1質量部材210の第1転動孔212及び第2転動孔214、並びに、第2質量部材220の第3転動孔222及び第4転動孔224は、上述したように、板状部材100の中心軸Oに向かって膨らむ(第1貫通孔108及び第2貫通孔110とは反対方向に膨らむ)曲線状に形成されている。これにより、質量体200が位置Pから位置P14まで移動する際の軌跡が定められる。
逆に、質量体200が遠心力を受けて実質的にノミナル位置Pに位置している状態において、エンジン1の回転においてエンジン1の燃焼等に起因する変動が生じることにより、今度は、板状部材100に対して反時計回りの方向に向かう変動が生じた場合には、慣性を受けた質量体200は、板状部材100に対して時計回りの方向に移動する。質量体200が受ける慣性が大きい場合には、質量体200は、第1転動孔212及び第2転動孔214がそれぞれ第1転動軸112及び第2転動軸114に案内されることにより、位置Pから位置P21、P22、P23を経て、位置P24にまで至る。質量体200が位置P24に位置したときには、第1結合部材230は位置P224に位置し、第2結合部材240は位置P124に位置する。
ここで、質量体200が位置Pから位置P24まで移動する際には、(質量体200が位置Pから位置P14まで移動することに関連して)上述したものと同様の理由により、質量体200の軌跡が定められる。
以上のような基本的な動作を踏まえて、第1貫通孔108及び第2貫通孔110の構成の一例を説明する。
まず第1貫通孔108に着目すると、第1貫通孔108は、この第1貫通孔108を囲む側壁のうち、相互に距離をおいて対向する2つの側壁である、内側第1内壁108a及び外側第1内壁108bを含む。内側第1内壁108a及び外側第1内壁108bは、板状部材100の一方の面102の延設方向に対して交差する方向(好ましくは直交する方向又は略直交する方向)に延びる。内側第1内壁108aは、板状部材100の中心軸Oに近い位置に配置された側壁であり、外側第1内壁108bは、板状部材100の外周縁に近い位置に配置された側壁である。
本実施形態では、内側第1内壁108aの一端及び他端においてそれぞれ第1押圧部108a及び第2押圧部108aが形成され、外側第1内壁108bの一端及び他端においてそれぞれ第3押圧部108b及び第4押圧部108bが形成されている。
第1押圧部108a及び第3押圧部108bは、第2結合部材240の(弾性材料により形成された)外側部材244を押圧して収縮させるべく外側部材244に近づく方向に配置されている。すなわち、内側第1内壁108aの一端に形成された第1押圧部108aは、外側第1内壁108bに近づく方向に延びており、外側第1内壁108bの一端に形成された第3押圧部108bは、内側第1内壁108aに近づく方向に延びている。これにより、第1貫通孔108の一端の幅は、第1押圧部108a及び第3押圧部108bが形成されていることによって、第1貫通孔108の中間部の幅に比べて狭くなっている。この結果、第2結合部材240が上述したように慣性を受けて位置P114に位置するときに、第1押圧部108aと第3押圧部108bとが、相互に協働して第2結合部材240の外側部材244を挟み込んで収縮させ一時的に保持することにより、質量体200を一時的に静止させることができる(この状態においては、後述するように、第5押圧部110aと第7押圧部110bとが、相互に協働して第1結合部材230の外側部材234を挟み込んで一時的に保持することにより、質量体200を一時的に静止させることができる)。
この後、エンジン1の回転において生じた変動が質量体200によって吸収され、板状部材100が単位時間辺りに所定の回転数以上の回転数で回転すると、質量体200は、遠心力を受けて実質的にノミナル位置Pに向かう力を受ける。これにより、第2結合部材240が、第1押圧部108aと第3押圧部108bとの挟み込みから解放され(第1結合部材230が、第5押圧部110aと第7押圧部110bとの挟み込みから解放され)、質量体200はノミナル位置Pに復帰する。
同様に、第2押圧部108a及び第4押圧部108bは、第2結合部材240の(弾性材料により形成された)外側部材244を押圧して収縮させるべく外側部材244に近づく方向に配置されている。すなわち、内側第1内壁108aの他端に形成された第2押圧部108aは、外側第1内壁108bに近づく方向に延びており、外側第1内壁108bの他端に形成された第4押圧部108bは、内側第1内壁108aに近づく方向に延びている。これにより、第1貫通孔108の他端の幅は、第2押圧部108a及び第4押圧部108bが形成されていることによって、第1貫通孔108の中間部の幅に比べて狭くなっている。この結果、第2結合部材240が上述したように慣性を受けて位置P124に位置するときに、第2押圧部108aと第4押圧部108bとが、相互に協働して第2結合部材240を挟み込んで一時的に保持することにより、質量体200を一時的に静止させることができる(この状態においては、後述するように、第6押圧部110aと第8押圧部110bとが、相互に協働して第1結合部材230を挟み込んで一時的に保持することにより、質量体200を一時的に静止させることができる)。
この後、エンジン1の回転において生じた変動が質量体200によって吸収され、板状部材100が単位時間辺りに所定の回転数以上の回転数で回転すると、質量体200は、遠心力を受けて実質的にノミナル位置Pに向かう力を受ける。これにより、第2結合部材240が、第2押圧部108aと第4押圧部108bとの挟み込みから解放され(第1結合部材230が、第6押圧部110aと第8押圧部110bとの挟み込みから解放され)、質量体200はノミナル位置Pに復帰する。
次に第2貫通孔110に着目すると、第2貫通孔110は、上述した第1貫通孔108と同様の構成を有する。すなわち、第2貫通孔110は、この第2貫通孔110を囲む側壁のうち、相互に距離をおいて対向する2つの側壁である、内側第2内壁110a及び外側第2内壁110bを含む。内側第2内壁110a及び外側第2内壁110bは、板状部材100の一方の面102の延設方向に対して交差する方向(好ましくは直交する方向又は略直交する方向)に延びる。内側第2内壁110aは、板状部材100の中心軸Oに近い位置に配置された側壁であり、外側第2内壁110bは、板状部材100の外周縁に近い位置に配置された側壁である。
本実施形態では、内側第2内壁110aの一端及び他端においてそれぞれ第5押圧部110a及び第6押圧部110aが形成され、外側第2内壁110bの一端及び他端においてそれぞれ第7押圧部110b及び第8押圧部110bが形成されている。
第5押圧部110a及び第7押圧部110bは、第1結合部材230の(弾性材料により形成された)外側部材234を押圧して収縮させるべく外側部材234に近づく方向に配置されている。すなわち、内側第2内壁110aの一端に形成された第5押圧部110aは、外側第2内壁110bに近づく方向に延びており、外側第2内壁110bの一端に形成された第7押圧部110bは、内側第2内壁110aに近づく方向に延びている。これにより、第2貫通孔110の一端の幅は、第5押圧部110a及び第7押圧部110bが形成されていることによって、第2貫通孔110の中間部の幅に比べて狭くなっている。この結果、第1結合部材230が上述したように慣性を受けて位置P214に位置するときに、第5押圧部110aと第7押圧部110bとが、相互に協働して第1結合部材230を挟み込んで一時的に保持することにより、質量体200を一時的に静止させることができる。
この後、エンジン1の回転において生じた変動が質量体200によって吸収され、板状部材100が単位時間辺りに所定の回転数以上の回転数で回転すると、質量体200は、遠心力を受けて実質的にノミナル位置Pに向かう力を受ける。これにより、第1結合部材230が、第5押圧部110aと第7押圧部110bとの挟み込みから解放され、質量体200はノミナル位置Pに復帰する。
同様に、第6押圧部110a及び第8押圧部110bは、第1結合部材230の(弾性材料により形成された)外側部材234を押圧して収縮させるべく外側部材234に近づく方向に配置されている。すなわち、内側第2内壁110aの他端に形成された第6押圧部110aは、外側第2内壁110bに近づく方向に延びており、外側第2内壁110bの他端に形成された第8押圧部110bは、内側第2内壁110aに近づく方向に延びている。これにより、第2貫通孔110の他端の幅は、第6押圧部110a及び第8押圧部110bが形成されていることによって、第2貫通孔110の中間部の幅に比べて狭くなっている。この結果、第1結合部材230が上述したように慣性を受けて位置P224に位置するときに、第6押圧部110aと第8押圧部110bとが、相互に協働して第1結合部材230を挟み込んで一時的に保持することにより、質量体200を一時的に静止させることができる。
この後、エンジン1の回転において生じた変動が質量体200によって吸収され、板状部材100が単位時間辺りに所定の回転数以上の回転数で回転すると、質量体200は、遠心力を受けて実質的にノミナル位置Pに向かう力を受ける。これにより、第1結合部材230が、第6押圧部110aと第8押圧部110bとの挟み込みから解放され、質量体200はノミナル位置Pに復帰する。
次に、第1貫通孔108及び第2貫通孔110において押圧部が形成される位置について、図6を参照して説明する。図6は、図2及び図3に示した動力伝達装置(出力側)36の板状部材100に形成される第1貫通孔108及び第2貫通孔110において押圧部が形成される位置を説明する図面である。なお、図6には、説明の簡略化のために、動力伝達装置(出力側)36における一部の構成のみしか示されていないということに留意されたい。また、図6には、説明の簡略化のために、押圧部が形成されていない様子が示されていることにも注意されたい。
第1貫通孔108に着目するが、以下の説明は第2貫通孔110にも同様に妥当するものである。
板状部材100が単位時間当たりに所定値以上の回転速度で回転したときには、上述したように、質量体200は遠心力を受けてノミナル位置Pに位置する。質量体200がノミナル位置Pに位置しているときに第2結合部材240が位置する位置(基準位置)と板状部材100の中心軸Oとを結ぶ線Lとする。さらに、この線Lに対して、第2結合部材240が押圧部に向かって移動した位置と振れ軌跡の中心とを結ぶ線がなす角度を「振れ角度」とする。また、第2結合部材240が押圧部に向かって最大限移動可能な位置(図6に示す位置P114又は位置P124)に対応する振れ角度を「最大振れ角度」とする。
このような前提において、押圧部(第1押圧部108a、第2押圧部108a、第3押圧部108b、第4押圧部108b)は、第2結合部材240が最大振れ角度の70%以上の振れ角度に対応する位置にあるときに、第2結合部材240の外側部材244を押圧する(徐々に押圧し始める)位置において形成されるという基準を採用することができる。
一般に、第1貫通孔108において第2結合部材240が押圧部により押圧され始める位置に対応する振れ角度を大きくすればするほど、質量体200が板状部材100の回転変動を吸収すべく発生させるトルクを大きくするという点で好ましいものであるが、その一方で、第2結合部材240が第1貫通孔108の端部に衝突する際に生ずる衝突音も大きくなる。上記基準は、このような要因を考慮して定められたものである。
第2結合部材240が押圧部により押圧され始める位置に対応する振れ角度を、最大振れ角度の70%〜100%のうちいずれの角度に設定するかについても、質量体200のトルクと発生する衝突音の大きさとを考慮して適宜設定することが可能なものである。
第2貫通孔110において第1結合部材230が押圧部(第5押圧部110a、第6押圧部110a、第7押圧部110b、第8押圧部110b)により押圧され始める位置についても、上記と同様の基準に従って設定することが可能である。
次に、第1貫通孔108及び第2貫通孔110において形成される押圧部の傾斜角度について、図7を参照して説明する。図7は、図2及び図3に示した動力伝達装置(出力側)36の板状部材100に形成される第1貫通孔108及び第2貫通孔110における押圧部の傾斜角度を説明する図面である。なお、図7には、説明の簡略化のために、動力伝達装置(出力側)36における一部の構成のみしか示されていないということに留意されたい。
第1貫通孔108に着目するが、以下の説明は第2貫通孔110にも同様に妥当するものである。
第1押圧部108a(又は第2押圧部108a)の第1貫通孔108を囲む側壁が内側第1内壁108aの接線108aに対してなす角度が、0度より大きく45度以下となるように、第1押圧部108a(又は第2押圧部108a)が形成され得る。換言すれば、第1押圧部108a(又は第2押圧部108a)は、第1貫通孔108を囲む側壁のうちこの第1押圧部108a(又は第2押圧部108a)に隣接する側壁の接線に対して0度より大きく45度以下の角度を成す方向に延びるものとすることができる。
同様に、第3押圧部108b(又は第4押圧部108b)の第1貫通孔108を囲む側壁が外側第1内壁108bの接線108bに対してなす角度が、0度より大きく45度以下となるように、第3押圧部108b(又は第4押圧部108b)が形成され得る。換言すれば、第3押圧部108b(又は第4押圧部108b)は、第1貫通孔108を囲む側壁のうちこの第3押圧部108b(又は第4押圧部108b)に隣接する側壁の接線に対して0度より大きく45度以下の角度を成す方向に延びるものとすることができる。
第2貫通孔110において形成される押圧部(第5押圧部110a、第6押圧部110a、第7押圧部110b、第8押圧部110b)の傾斜角度についても、上述した第1貫通孔108において形成される押圧部の傾斜角度と同様に設定することが可能である。
上記構成を有する動力伝達装置(出力側)36においては、エンジン1の回転において変動が生ずることに伴って、第1結合部材230(第2結合部材240)が慣性を受けて第2貫通孔110(第1貫通孔108)の端部に衝突した場合には、第1結合部材230の外側部材234(第2結合部材240の外側部材244)は、第2貫通孔110(第1貫通孔108)の端部に形成された第5押圧部110aと第7押圧部110bとによって又は第6押圧部110aと第8押圧部110bとによって(第1押圧部108aと第3押圧部108bとによって又は第2押圧部108aと第4押圧部108bとによって)挟み込まれて一時的に保持される。これにより、第1結合部材230(第2結合部材240)が頻繁に第2貫通孔110(第1貫通孔108)の端部に衝突し続ける事態を抑えることができ、ひいては、騒音が発生する事態を抑えることができる。このように第1結合部材230の外側部材234(第2結合部材240の外側部材244)が対応する押圧部により挟み込まれて一時的に保持されても、質量体200は、板状部材100が単位時間当たりに所定の回転数以上の回転数で回転することによって、遠心力を受けた時点でノミナル位置に復帰することができる。
3.動力伝達装置(入力側)32及び動力伝達装置(中間)34の概要
図8は、図1に示した動力伝達装置(入力側)32の構成の一例を模式的に示す平面図である。図9は、図1に示した動力伝達装置(中間)34の構成の一例を模式的に示す平面図である。図10は、図1に示した動力伝達装置(入力側)32、動力伝達装置(中間)34及び動力伝達装置(出力側)36が結合された動力伝達システム3の構成の一例を模式的に示す断面図である。
エンジン1から伝達された駆動力は、まず動力伝達装置(入力側)32に伝達される。動力伝達装置(入力側)32に伝達された駆動力は、図示しないばねS1を介して動力伝達装置(中間)34に伝達される。動力伝達装置(中間)34に伝達された駆動力は、図示しないばねS2を介して動力伝達装置(出力側)36に伝達される。動力伝達装置(出力側)36に伝達された駆動力は、図示しないクラッチを介して変速機2に伝達される。いずれかの動力伝達装置(ここでは動力伝達装置(出力側)36)に質量体200が取り付けられる点を除き、各動力伝達装置の結合の方法等については、従来より知られているものであるので、その詳細な説明を省略する。
4.変形例
図11は、図2及び図3に示した動力伝達装置(出力側)36の板状部材100の構成の別の例を模式的に示す平面図である。なお、図11には、説明の簡略化のために、板状部材100における一部の構成のみしか示されていないということに留意されたい。
図11においては板状部材100が3つの領域に分割して示されている。下方の領域には、図5等を参照して上述した第1貫通孔108及び第2貫通孔110が形成される例が示されている。左上の領域には、第1貫通孔108及び第2貫通孔110に代えて、板状部材100の内周に切り欠きが形成される第1変形例が示されている。右上の領域には、第1貫通孔108及び第2貫通孔110に代えて、板状部材100の外周に切り欠きが形成される第2変形例が示されている。
まず第1変形例に着目する。図11に示すように、板状部材100は、内径を半径R1とし外径を半径R2とする環状の領域120を含むものであるとする。この環状の領域は、例えば図2に例示したように板状部材100の中心部分と結合するものであってもよい。
環状の領域120は、板状部材100の内周において板状部材100の周方向に沿って相互に間隔をおいて形成された例えば2つの切り欠き、すなわち、第1内周切り欠き122及び第2内周切り欠き124を有する。
環状の領域120は、第1内周切り欠き122を囲む側壁の中に、板状部材100の周方向に沿って延びる第3内壁122aを有する。この第3内壁122aは、図5を参照して説明した第1貫通孔108を囲む外側第1内壁108bと同一の形状を有するものである。但し、環状の領域120は、図5を参照して説明した第1貫通孔108を囲む内側第1内壁108aに相当する側壁を欠くものである。このような第1内周切り欠き122は、実質的には、図2等を参照して説明した実施形態における第1貫通孔108を含むものであるといえる。
第3内壁122aは、その一端において第9押圧部122aを有し、その他端において第10押圧部122aを有する。図11には明確には示されていないが、第9押圧部122a及び第10押圧部122aは、それぞれ、図5を参照して説明した第3押圧部108b及び第4押圧部104bと同様の構成を有する。すなわち、第9押圧部122a及び第10押圧部122aは、第2結合部材240の外側部材244を押圧して収縮させるべく外側部材244に近づく方向に配置されている。
第2結合部材240が第3内壁122aの一端に位置したときには、第9押圧部122aが、第2結合部材240の外側部材244を中心軸Oに向かって押圧して収縮させる。これに伴って、板状部材100の第1転動軸112(図5等を参照)が第1質量部材210の第1転動孔212を板状部材100の外周縁に向かって押圧する。これにより、第9押圧部122aと第1転動軸112とが第2結合部材240(質量体200)を支持して静止させる。この後、質量体200が所定値以上の遠心力を受けた場合には、第2結合部材240が第9押圧部122aからの押圧から解放されることにより、質量体200はノミナル位置に復帰する。第2結合部材240が第3内壁122aの他端に位置したときにも同様の動作が行われる。
また、環状の領域120は、第2内周切り欠き124を囲む側壁の中に、板状部材100の周方向に沿って延びる第4内壁124aを有する。この第4内壁124aは、図5を参照して説明した第2貫通孔110を囲む外側第2内壁110bと同一の形状を有するものである。但し、環状の領域120は、図5を参照して説明した第2貫通孔110を囲む内側第1内壁110aに相当する側壁を欠くものである。このような第2内周切り欠き124は、実質的には、図2等を参照して説明した実施形態における第2貫通孔110を含むものであるといえる。
第4内壁124aは、その一端において第11押圧部124aを有し、その他端において第12押圧部124aを有する。図11には明確には示されていないが、第11押圧部124a及び第12押圧部124aは、それぞれ、図5を参照して説明した第7押圧部110b及び第8押圧部110bと同様の構成を有する。すなわち、第11押圧部124a及び第12押圧部124aは、第1結合部材230の外側部材234を押圧して収縮させるべく外側部材234に近づく方向に配置されている。
第1結合部材230が第4内壁124aの一端に位置したときには、第11押圧部124aが、第1結合部材230の外側部材234を中心軸Oに向かって押圧して収縮させる。これに伴って、板状部材100の第2転動軸114(図5等を参照)が第1質量部材210の第2転動孔214を板状部材100の外周縁に向かって押圧する。これにより、第11押圧部124aと第2転動軸114とが第1結合部材230(質量体200)を支持して静止させる。この後、質量体200が所定値以上の遠心力を受けた場合には、第1結合部材230が第11押圧部124aからの押圧から解放されることにより、質量体200はノミナル位置に復帰する。第1結合部材230が第4内壁124aの他端に位置したときいも同様の動作が行われる。
次に第2変形例に着目する。図11に示すように、板状部材100は、板状部材100の外周において板状部材100の周方向に沿って相互に間隔をおいて形成された例えば2つの切り欠き、すなわち、第1外周切り欠き130及び第2外周切り欠き132を有する。
板状部材100は、第1外周切り欠き130を囲む側壁の中に、板状部材100の周方向に沿って延びる第5内壁130aを有する。この第5内壁130aは、図5を参照して説明した第1貫通孔108を囲む内側第1内壁108aと同一の形状を有するものである。但し、板状部材100は、図5を参照して説明した第1貫通孔108を囲む外側第1内壁108bを欠くものである。このような第1外周切り欠き130は、実質的には、図2等を参照して説明した実施形態における第1貫通孔108を含むものであるといえる。
第5内壁130aは、その一端において第13押圧部130aを有し、その他端において第14押圧部130aを有する。図11には明確には示されていないが、第13押圧部130a及び第14押圧部130aは、それぞれ、図5を参照して説明した第1押圧部108a及び第2押圧部108aと同様の構成を有する。すなわち、第13押圧部130a及び第14押圧部130aは、第2結合部材240の外側部材244を押圧して収縮させるべく外側部材244に近づく方向に配置されている。
第2結合部材240が第5内壁130aの一端に位置したときには、第13押圧部130aが、第2結合部材240の外側部材244を板状部材100の外周縁に向かって押圧して収縮させる。これに伴って、板状部材100の第1転動軸112(図5等を参照)が第1質量部材210の第1転動孔212を中心軸Oに向かって押圧する。これにより、第13押圧部130aと第1転動軸112とが第2結合部材240(質量体200)を支持して静止させる。この後、質量体200が所定値以上の遠心力を受けた場合には、第2結合部材240が第13押圧部130aからの押圧から解放されることにより、質量体200はノミナル位置に復帰する。第2結合部材240が第5内壁130aの他端に位置したときにも同様の動作が行われる。
板状部材100は、第2外周切り欠き132を囲む側壁の中に、板状部材100の周方向に沿って延びる第6内壁132aを有する。この第6内壁132aは、図5を参照して説明した第2貫通孔110を囲む内側第2内壁110aと同一の形状を有するものである。但し、板状部材100は、図5を参照して説明した第2貫通孔110を囲む外側第1内壁110bを欠くものである。このような第2外周切り欠き132は、実質的には、図2等を参照して説明した実施形態における第2貫通孔110を含むものであるといえる。
第6内壁132aは、その一端において第15押圧部132aを有し、その他端において第16押圧部132aを有する。図11には明確には示されていないが、第15押圧部132a及び第16押圧部132aは、それぞれ、図5を参照して説明した第5押圧部110a及び第6押圧部110aと同様の構成を有する。すなわち、第15押圧部132a及び第16押圧部132aは、第1結合部材230の外側部材234を押圧して収縮させるべく外側部材234に近づく方向に配置されている。
第1結合部材230が第6内壁132aの一端に位置したときには、第15押圧部132aが、第1結合部材230の外側部材234を板状部材100の外周縁に向かって押圧して収縮させる。これに伴って、板状部材100の第2転動軸114(図5等を参照)が第1質量部材210の第2転動孔214を中心軸Oに向かって押圧する。これにより、第15押圧部132aと第2転動軸114とが第1結合部材230(質量体200)を支持して静止させる。この後、質量体200が所定値以上の遠心力を受けた場合には、第1結合部材240が第15押圧部132aからの押圧から解放されることにより、質量体200はノミナル位置に復帰する。第1結合部材230が第6内壁132aの他端に位置したときにも同様の動作が行われる。
図5等に示した第1貫通孔108及び第2貫通孔110を「基本例」とすると、板状部材100は、すべての質量体200について、共通に基本例のみを用いてもよいし、共通に第1変形例のみを用いてもよいし、共通に第2変形例のみを用いてもよい。或いはまた、すべての質量体200について、基本例及び第1変形例の中から選択されたものを用いてもよいし、基本例及び第2変形例の中から選択されたものを用いてもよいし、第1基本例及び第2変形例の中から選択されたものを用いてもよいし、基本例、第1変形例及び第2変形例の中から選択されたものを用いてもよい。
上述した様々な実施形態においては、板状部材100の一方の面102及び他方の面104の両面において、板状部材100が第1転動軸112及び第2転動軸114の2つの転動軸を有する場合について説明したが、別の実施形態では、板状部材100は、いずれか一方の面のみにおいて第1転動軸112及び第2転動軸114を有するものとしてもよい。
また、上述した様々な実施形態においては、板状部材100が一方の面102及び他方の面104のうちの少なくとも1つの面において、例えば2つの転動軸、すなわち、第1転動軸112及び第2転動軸114を有する場合について説明したが、別の実施形態では、板状部材100は、一方の面102及び他方の面104のうちの少なくとも1つの面において、1つの転動軸のみを有するものとしてもよい。この場合には、1つの転動軸は、第1貫通孔108と第2貫通孔110との間において、第1貫通孔108及び第2貫通孔110から等しい距離だけ離れた位置に配置されるものとしてもよい。
さらに、図5等を参照して説明した実施形態においては、1つの質量体200に対応付けて第1貫通孔108及び第2貫通孔110が形成され、第1貫通孔108及び第2貫通孔110のそれぞれについて4つの押圧部が形成される場合について説明した。別の実施形態では、1つの質量体200に対応付けて、板状部材100には、これらの押圧部のうちの少なくとも1つの押圧部のみが形成されるようにしても、そのような押圧部が、その質量体200の第1結合部材230及び第2結合部材240のうち対応する結合部材を一時的に保持することができる。このような構成は、1つの質量体200に対応付けて、板状部材100に第1変形例(図11の左上に示した例)が採用された場合、又は、1つの質量体200に対応付けて、板状部材100に第2変形例(図11の右上に示した例)が採用された場合であっても、同様に、板状部材100には、第1変形例又は第2変形例に示された複数の押圧部のうちの少なくとも1つの押圧部のみが形成されるようにしてもよい。
さらにまた、上述した様々な実施形態においては、1又は複数の質量体200が、動力伝達装置(出力側)36に取り付けられる場合について説明したが、別の実施形態では、1又は複数の質量体200が、動力伝達装置(入力側)32、動力伝達装置(中間)34及び動力伝達装置(出力側)36のうちの任意の動力伝達装置に取り付けられるようにしてもよい。1又は複数の質量体200が、動力伝達装置(入力側)32又は動力伝達装置(中間)34に設けられる場合には、動力伝達装置(出力側)36に関連して上述した様々な実施形態が、動力伝達装置(入力側)32又は動力伝達装置(中間)34にも同様に適用され得る。
上述した様々な実施形態においては、2つの転動軸、すなわち、第1転動軸112及び第2転動軸114を用いる場合には、これら2つの転動軸が、第1貫通孔(すなわち、内側第1内壁108a、外側第1内壁108b、第3内壁122a又は第5内壁130a)と第2貫通孔(内側第2内壁110a、外側第2内壁110b、第4内壁124a又は第6内壁132a)との間に配置される場合について説明した。別の実施形態では、これとは逆に、第1貫通孔(すなわち、内側第1内壁108a、外側第1内壁108b、第3内壁122a又は第5内壁130a)及び第2貫通孔(内側第2内壁110a、外側第2内壁110b、第4内壁124a又は第6内壁132a)が、第1転動軸112と第2転動軸114との間に配置されるようにしてもよい。
そのような配置の一例が、図12〜図14に例示されている。図12は、図1に示した動力伝達装置(出力側)36の構成の別の例を模式的に示す平面図である。図13は、図12に示した動力伝達装置(出力側)36のB−B線からみた構成を模式的に示す断面図である。図14は、図12に示した動力伝達装置(出力側)36に含まれる板状部材100の構成を示す平面図である。なお、図12には、説明の簡略化のため、3つの質量体200のうちの2つの質量体200のみが示され、さらに、これら2つの質量体200についてもそれらの一部のみが示されている、ということに留意されたい。
図12〜図14に示すように、板状部材100には、各質量体200に対応付けて、1つの第3貫通孔140が形成されている。第3貫通孔140には、質量体200の第1結合部材230及び第2結合部材240がともに収容されている。これにより、第3貫通孔140は、図2等に示した実施形態における第1貫通孔108及び第2貫通孔110を含むものであるといえる。
さらに、板状部材100には、各質量体200に対応付けて、第1転動軸112及び第2転動軸114が形成されている。これら第1転動軸112及び第2転動軸114は、それぞれ、質量体200に形成された第1転動孔212及び第2転動孔214に収容される。
図12及び図14に示すように、第3貫通孔140(すなわち、図2等に示した実施形態における第1貫通孔108及び第2貫通孔110を含む3貫通孔140)は、第1転動軸112と第2転動軸114との間に配置されている。
以上のように説明した様々な実施形態は、相互に組み合わせて用いることが可能なものである。
5.本発明の様々な実施形態
本発明の第1の態様に係る動力伝達装置は、発動機と変速機との間に配置され該発動機から該変速機に駆動力を伝達する動力伝達装置であって、前記発動機から駆動力が伝達されることにより中心軸の周りに回動し、各質量体に対応付けて周方向に沿って相互に間隔をおいて設けられ外周縁に向かって膨らむ曲線状に延びる第1貫通孔及び第2貫通孔を有する板状部材と、該板状部材の一方の面に対向して配置された第1質量部材、該板状部材の他方の面に対向して配置された第2質量部材、弾性材料により形成された弾性部材を前記第1質量部材と前記第2質量部材との間に配置して該第1質量部材と該第2質量部材とを前記第1貫通孔にて結合する第1結合部材、及び、弾性材料により形成された弾性部材を前記第1質量部材と前記第2質量部材との間に配置して前記第1結合部材から前記周方向に沿って間隔をおいて配置され該第1質量部材と該第2質量部材とを前記第2貫通孔にて結合する第2結合部材を含み、前記第1質量部材が、前記板状部材の前記中心軸に向かって膨らむ曲線状に延び前記板状部材に形成された転動軸を収容して前記第1質量部材を案内する転動孔を有するように構成された、質量体と、を具備し、各質量体に対応付けて前記板状部材に形成された前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔のうちの少なくとも1つの貫通孔は、該貫通孔の一端及び他端のうちの少なくとも一方の端部において前記弾性部材を押圧して収縮させるべく該弾性部材に近づく方向に配置された押圧部を含むものである。
この態様によれば、第1結合部材が第1貫通孔の端部に位置したときに、押圧部が、第1結合部材の外面に形成された弾性部材を押圧して収縮させることにより、第1結合部材を一時的に保持して、第1結合部材が第1貫通孔の端部に頻繁に衝突する事態の発生を抑えるか、及び/又は、第2結合部材が第2貫通孔の端部に位置したときに、押圧部が、第2結合部材の外面に形成された弾性部材を押圧して収縮させることにより、第2結合部材を一時的に保持して、第2結合部材が第2貫通孔の端部に頻繁に衝突する事態の発生を抑えることができる。これにより、騒音の発生を低減する動力伝達装置を提供することができる。
本発明の第2の態様に係る動力伝達装置は、上記第1の態様において、前記第1貫通孔が、該第1貫通孔を囲む側壁のうち相互に対向する2つの側壁である、前記板状部材の前記中心軸に近い内側第1内壁、及び、前記板状部材の前記外周縁に近い外側第1内壁を含み、前記第2貫通孔が、該第2貫通孔を囲む側壁のうち相互に対向する2つの側壁である、前記板状部材の前記中心軸に近い内側第2内壁、及び、前記板状部材の前記外周縁に近い外側第2内壁、を含み、各質量体に対応付けて前記板状部材に形成された前記内側第1内壁、前記外側第1内壁、前記内側第2内壁及び外側第2内壁のうちの少なくとも1つの内壁は、該内壁の一端及び他端のうちの少なくとも一方の端部において前記弾性部材を押圧して収縮させるべく該弾性部材に近づく方向に配置された押圧部を含み、前記少なくとも1つの貫通孔の前記押圧部と該押圧部に対向する内壁との間において収縮させた前記弾性部材を挟み込むことにより、前記質量体を静止させるものである。
この態様によれば、第1結合部材が第1貫通孔の端部に位置したときに、押圧部が、第1結合部材の外面に形成された弾性部材を押圧して収縮させることにより、第1結合部材を一時的に保持して、第1結合部材が第1貫通孔の端部に頻繁に衝突する事態の発生を抑えるか、及び/又は、第2結合部材が第2貫通孔の端部に位置したときに、押圧部が、第2結合部材の外面に形成された弾性部材を押圧して収縮させることにより、第2結合部材を一時的に保持して、第2結合部材が第2貫通孔の端部に頻繁に衝突する事態の発生を抑えることができる。これにより、騒音の発生を低減する動力伝達装置を提供することができる。
本発明の第3の態様に係る動力伝達装置は、上記第1の態様において、前記板状部材が、該板状部材の周方向に沿って相互に間隔をおいて該板状部材の外周に形成された第1外周切り欠き及び第2外周切り欠きを有し、前記第1貫通孔が、前記第1外周切り欠きに含まれ、前記第2貫通孔が、前記第2外周切り欠きに含まれ、前記少なくとも1つの貫通孔の前記押圧部と前記転動軸との間において前記質量体を支持して静止させるものである。
この態様によれば、第1貫通孔が板状部材の外周に形成された第1の切り欠きに含まれ、第2貫通孔が板状部材の外周に形成された第2の切り欠きに含まれる場合であっても、第1結合部材が第1貫通孔の端部に位置したときに、押圧部が、第1結合部材の外面に形成された弾性部材を押圧して収縮させることにより、第1結合部材を一時的に保持して、第1結合部材が第1貫通孔の端部に頻繁に衝突する事態の発生を抑えるか、及び/又は、第2結合部材が第2貫通孔の端部に位置したときに、押圧部が、第2結合部材の外面に形成された弾性部材を押圧して収縮させることにより、第2結合部材を一時的に保持して、第2結合部材が第2貫通孔の端部に頻繁に衝突する事態の発生を抑えることができる。これにより、騒音の発生を低減する動力伝達装置を提供することができる。
本発明の第4の態様に係る動力伝達装置は、上記第1の態様において、前記板状部材が、該板状部材の周方向に沿って相互に間隔をおいて該板状部材の内周に形成された第1内周切り欠き及び第2内周切り欠きを有し、前記第1貫通孔が、前記第1内周切り欠きに含まれ、前記第2貫通孔が、前記第2内周切り欠きに含まれ、前記少なくとも1つの貫通孔の前記押圧部と前記転動軸との間において前記質量体を支持して静止させるものである。
この態様によれば、第1貫通孔が板状部材の内周に形成された第1の切り欠きに含まれ、第2貫通孔が板状部材の内周に形成された第2の切り欠きに含まれる場合であっても、第1結合部材が第1貫通孔の端部に位置したときに、押圧部が、第1結合部材の外面に形成された弾性部材を押圧して収縮させることにより、第1結合部材を一時的に保持して、第1結合部材が第1貫通孔の端部に頻繁に衝突する事態の発生を抑えるか、及び/又は、第2結合部材が第2貫通孔の端部に位置したときに、押圧部が、第2結合部材の外面に形成された弾性部材を押圧して収縮させることにより、第2結合部材を一時的に保持して、第2結合部材が第2貫通孔の端部に頻繁に衝突する事態の発生を抑えることができる。これにより、騒音の発生を低減する動力伝達装置を提供することができる。
本発明の第5の態様に係る動力伝達装置は、上記第1の態様から上記第4の態様のいずれかにおいて、前記押圧部が、前記少なくとも1つの貫通孔を囲む側壁のうち該押圧部に隣接する側壁の接線に対して45度以内の角度をなす方向に延びるものである。
この態様によれば、第1結合部材が第1貫通孔の端部に位置したときに、押圧部が、第1結合部材の外面に形成された弾性部材を確実に押圧して収縮させることにより、第1結合部材を一時的に保持して、第1結合部材が第1貫通孔の端部に頻繁に衝突する事態の発生を抑えるか、及び/又は、第2結合部材が第2貫通孔の端部に位置したときに、押圧部が、第2結合部材の外面に形成された弾性部材を確実に押圧して収縮させることにより、第2結合部材を一時的に保持して、第2結合部材が第2貫通孔の端部に頻繁に衝突する事態の発生を抑えることができる。これにより、騒音の発生を低減する動力伝達装置を提供することができる。
本発明の第6の態様に係る動力伝達装置は、上記第1の態様から上記第5の態様のいずれかにおいて、前記板状部材が単位時間当たりに所定値以上の回転速度で回転したときに遠心力を受けた前記第1結合部材及び前記第2結合部材のうちの少なくとも一方の結合部材が配置される基準位置と前記板状部材の前記中心軸とを結ぶ線に対して、前記少なくとも一方の結合部材が基準位置から前記押圧部に向かって移動した位置と振れ軌跡の中心とを結ぶ線がなす角度を振れ角度とし、前記少なくとも一方の結合部材が前記押圧部に向かって最大限移動可能な位置に対応する振れ角度を最大振れ角度とした場合に、前記押圧部が、前記少なくとも一方の結合部材が前記最大振れ角度の70%以上の振れ角度に対応する位置にあるときに前記弾性部材を押圧するように構成されるものである。
この態様によれば、質量体が発生させるトルクと発生する衝突音の大きさとを考慮して、押圧部が第1結合部材及び/又は第2結合部材に対する押圧を開始する場所を適宜設定することができる。
本発明の第7の態様に係る動力伝達装置は、上記第1の態様から上記第6の態様のいずれかにおいて、前記第1質量部材が、前記板状部材の前記中心軸に向かって膨らむ曲線状に延び前記板状部材に形成された第1転動軸を収容して前記第1質量部材を案内する第1転動孔、及び、前記板状部材の前記中心軸に向かって膨らむ曲線状に延び前記板状部材に形成された第2転動軸を収容して前記第1質量部材を案内する第2転動孔を有するように構成され、前記第1転動軸及び前記第2転動軸が前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間に配置されるか、又は、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔が前記第1転動軸と前記第2転動軸との間に配置されるものである。
この態様によれば、板状部材及びこれに設けられる質量体の構成に関する設計の自由度を高めることができる。
1 エンジン(発動機)
2 トランスミッション(変速機)
32 動力伝達装置(入力側)
34 動力伝達装置(中間)
36 動力伝達装置(出力側)
100 板状部材
O 板状部材の中心軸
102 板状部材の一方の面
104 板状部材の他方の面
108 第1貫通孔
110 第2貫通孔
112 第1転動軸
114 第2転動軸
108a 内側第1内壁
108b 外側第1内壁
110a 内側第2内壁
110b 外側第2内壁
122a 第3内壁
124a 第4内壁
130a 第5内壁
132a 第6内壁
108a 第1押圧部
108a 第2押圧部
108b 第3押圧部
108b 第4押圧部
110a 第5押圧部
110a 第6押圧部
110b 第7押圧部
110b 第8押圧部
122a 第9押圧部
122a 第10押圧部
124a 第11押圧部
124a 第12押圧部
130a 第13押圧部
130a 第14押圧部
132a 第15押圧部
132a 第16押圧部
122 第1内周切り欠き
124 第2内周切り欠き
130 第1外周切り欠き
132 第2外周切り欠き
200 質量体
210 第1質量部材
212 第1転動孔
214 第2転動孔
220 第2質量部材
230 第1結合部材
232 本体
234 外側部材(弾性部材)
240 第2結合部材
242 本体
244 外側部材(弾性部材)
108a、108b 接線

Claims (5)

  1. 発動機と変速機との間に配置され該発動機から該変速機に駆動力を伝達する動力伝達装置であって、
    前記発動機から駆動力が伝達されることにより中心軸の周りに回動し、各質量体に対応付けて周方向に沿って相互に間隔をおいて設けられ外周縁に向かって膨らむ曲線状に延びる第1貫通孔及び第2貫通孔を有する板状部材と、
    該板状部材の一方の面に対向して配置された第1質量部材、該板状部材の他方の面に対向して配置された第2質量部材、弾性材料により形成された弾性部材を前記第1質量部材と前記第2質量部材との間に配置して該第1質量部材と該第2質量部材とを前記第1貫通孔にて結合する第1結合部材、及び、弾性材料により形成された弾性部材を前記第1質量部材と前記第2質量部材との間に配置して前記第1結合部材から前記周方向に沿って間隔をおいて配置され該第1質量部材と該第2質量部材とを前記第2貫通孔にて結合する第2結合部材を含み、前記第1質量部材が、前記板状部材の前記中心軸に向かって膨らむ曲線状に延び前記板状部材に形成された転動軸を収容して前記第1質量部材を案内する転動孔を有するように構成された、質量体と、
    を具備し、
    各質量体に対応付けて前記板状部材に形成された前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔のうちの少なくとも1つの貫通孔は、該貫通孔の一端及び他端のうちの少なくとも一方の端部において前記弾性部材を押圧して収縮させるべく該弾性部材に近づく方向に配置された押圧部を含む、動力伝達装置。
  2. 前記第1貫通孔が、該第1貫通孔を囲む側壁のうち相互に対向する2つの側壁である、前記板状部材の前記中心軸に近い内側第1内壁、及び、前記板状部材の前記外周縁に近い外側第1内壁を含み、
    前記第2貫通孔が、該第2貫通孔を囲む側壁のうち相互に対向する2つの側壁である、前記板状部材の前記中心軸に近い内側第2内壁、及び、前記板状部材の前記外周縁に近い外側第2内壁、を含み、
    各質量体に対応付けて前記板状部材に形成された前記内側第1内壁、前記外側第1内壁、前記内側第2内壁及び外側第2内壁のうちの少なくとも1つの内壁は、該内壁の一端及び他端のうちの少なくとも一方の端部において前記弾性部材を押圧して収縮させるべく該弾性部材に近づく方向に配置された押圧部を含み、
    前記少なくとも1つの貫通孔の前記押圧部と該押圧部に対向する内壁との間において収縮させた前記弾性部材を挟み込むことにより、前記質量体を静止させる、請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記板状部材が、該板状部材の周方向に沿って相互に間隔をおいて該板状部材の外周に形成された第1外周切り欠き及び第2外周切り欠きを有し、
    前記第1貫通孔が、前記第1外周切り欠きに含まれ、
    前記第2貫通孔が、前記第2外周切り欠きに含まれ、
    前記少なくとも1つの貫通孔の前記押圧部と前記転動軸との間において前記質量体を支持して静止させる、請求項1に記載の動力伝達装置。
  4. 前記板状部材が、該板状部材の周方向に沿って相互に間隔をおいて該板状部材の内周に形成された第1内周切り欠き及び第2内周切り欠きを有し、
    前記第1貫通孔が、前記第1内周切り欠きに含まれ、
    前記第2貫通孔が、前記第2内周切り欠きに含まれ、
    前記少なくとも1つの貫通孔の前記押圧部と前記転動軸との間において前記質量体を支持して静止させる、請求項1に記載の動力伝達装置。
  5. 前記第1質量部材は、前記板状部材の前記中心軸に向かって膨らむ曲線状に延び前記板状部材に形成された第1転動軸を収容して前記第1質量部材を案内する第1転動孔、及び、前記板状部材の前記中心軸に向かって膨らむ曲線状に延び前記板状部材に形成された第2転動軸を収容して前記第1質量部材を案内する第2転動孔を有するように構成され、
    前記第1転動軸及び前記第2転動軸が前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間に配置されるか、又は、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔が前記第1転動軸と前記第2転動軸との間に配置される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の動力伝達装置。
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