JP5912955B2 - 回転体の振動低減装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転体に取り付けられて、トルク変動に伴う回転変動又は捩り振動等により回転体に生じる振動を低減する振動低減装置に関する。
車両等の動力伝達装置では、内燃機関により得られた動力を回転運動に変換して伝達する際に、トルク変動に伴う回転変動が発生して回転運動を行う回転体に捩り振動が生じるようになる。こうした回転体に生じる捩り振動を低減するために、振動低減装置が回転体に設けられている。例えば、特許文献1では、フライホイール本体に転動室を形成するとともに、転動室内に、フライホイール本体が固定される回転駆動系のトルク変動に伴う回転変動の周期に同期して転動しつつ遠心振り子運動をするダンパマスを収容し、ダンパマスの周面に周方向に連続した凸部を形成し、転動室の転動面に凸部に噛み合いかつ転動方向に連続する凹部を形成したフライホイールが記載されている。また、特許文献2では、回転体の周縁部に形成された転動室の内部に転動面に沿って移動可能な転動体4が収容されており、回転体に加速度が生じて転動体が転動面に沿って回転体の回転方向とは反対方向に相対移動する場合に転動体を転動面に沿って回転させる転動機構を設けた捩り振動低減装置が記載されている。また、特許文献3では、回転部材の外周部に収容されて回転部材の内部でダンパマスの揺動にともなって転がりながら移動する転動体を備え、転動体の回転中心とダンパマスの重心とがずれた位置に取り付けられた振子式ダイナミックダンパが記載されている。
特開平6−193684号公報 特開2011−099490号公報 特開2011−220502号公報
特許文献1では、フライホイールに形成された転動室内においてダンパマスが転動することでトルク変動に伴う振動を吸収するようにしているが、フライホイールの回転変動が大きくなってくると、ダンパマスが転動室内で転動せずに滑りながら移動するようになる。こうしたダンパマスが滑る現象は、ダンパマスの振れ角が大きくなる場合やフライホイールの回転速度が低下した場合等でも発生しやすくなる。ダンパマスが滑って自転しなくなると、遠心振り子運動の周波数が転動する場合の周波数から変化するようになり、ダンパマスの自転による運動エネルギーの消失効果の低減や次数ずれの影響により十分な振動低減作用を発揮することができなくなる可能性がある。
図10は、転動体の動作中に生じる滑りに関する説明図である。この例では、ローラ状の転動体100が回転変動するディスク200に形成された転動面201を転動する場合を示している。図10(a)に示すように、ディスク200の回転速度が増速した場合(変動方向R1で表示)、転動体100は、転動面201との接触位置Cにおける摩擦力F1により中心軸Oを中心に反時計回りの回転方向rに自転しながら転動面201に沿って左方向に移動するようになる。そして、図10(b)に示すように、ディスク200の回転速度が減速した場合(変動方向R2で表示)、転動体100の転動面201上での転動運動における振れ角が最大の時点では、転動体100の自転が一旦停止して転動体100の重心(中心軸Oに一致)に加わる推進力Mにより転動面201に対して右方向に移動するようになるが、転動体100の自転方向の反転に対し、接触位置Cにおける摩擦力F2が転動体100を自転させるほどの大きさではないため、転動体100は右方向に滑りやすくなる。
特許文献2では、転動体が転動室内で滑らないように、所定の軌跡(ハイポサイクロイド)に沿って形成されたガイド溝に転動体の突起部を遊嵌させているが、転動体を転動面に常時接触させながら転動動作を行うようにするためには、複雑な形状のガイド溝を高精度で加工する必要があり、さらに転動体及び転動面を高精度の円筒状に形成しなければならず、高精度の加工を行うためのコスト負担が増大する可能性がある。
特許文献3では、ダンパマスを転動面等に接触させることがなくダンパマスの滑りの問題は生じないが、回転部材の振れ角度が大きい場合の次数ずれに対して、ダンパマスの重心をサイクロイド曲線に沿って移動させるため、回転部材及び転動体の位相がずれないようにするために歯車機構を用いるようにしており、機構が複雑化してコスト負担が増大する可能性がある。
そこで、本発明は、簡単な構成で転動体の滑りを防止して安定した振動低減作用を発揮することができる回転体の振動低減装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る回転体の振動低減装置は、回転体に設けられて回転変動に伴う振動を低減する回転体の振動低減装置であって、前記回転体に形成された転動面に転動可能に設けられるとともに両側の一方の面側に第一当接部が設けられ他方の面側に第二当接部が設けられた質量体と、前記回転体と一体的に回転するとともに前記質量体の一方の側において前記第一当接部に対向配置された第一ガイド部と、前記回転体と一体的に回転するとともに前記質量体の他方の側において前記第二当接部に対向配置された第二ガイド部とを備え、前記第一当接部は、前記第一ガイド部に接触する当接面が前記第二当接部の前記第二ガイド部に接触する当接面と異なる方向に形成されており、前記回転体の回転変動の際に前記質量体を自転させる方向に前記第一ガイド部が前記第一当接部を押圧するように設定されているとともに前記質量体が自転方向を反転させる際に前記質量体を反転させる方向に前記第二ガイド部が前記第二当接部を押圧するように設定されており、前記第一当接部は、前記質量体の回転中心を通る直線に沿うように形成された突起部からなり、前記第二当接部は、前記直線と直交する方向に沿うように形成された突起部からなる。さらに、前記第一ガイド部は、第一当接部に接触するガイド面が前記回転体の回転方向に対して傾斜する方向に形成されており、前記第二ガイド部は、前記第二当接部に接触するガイド面が前記回転体の回転方向に対して傾斜するとともに前記第一ガイド部の前記ガイド面と異なる方向に形成されている。さらに、前記第一ガイド部の前記ガイド面は、前記回転体の回転中心を通る直線に対して左右対称となるとともに当該直線との交点位置が当該回転中心から最も遠くなるように形成されており、前記第二ガイド部の前記ガイド面は、前記回転体の回転中心を通る直線に対して左右対称となるとともに当該直線との交点位置が当該回転中心から最も近くなるように形成されている。
本発明に係る別の回転体の振動低減装置は、回転体に設けられて回転変動に伴う振動を低減する回転体の振動低減装置であって、前記回転体に形成された転動面に転動可能に設けられるとともに両側の一方の面側に第一当接部が設けられ他方の面側に第二当接部が設けられた質量体と、前記回転体と一体的に回転するとともに前記質量体の一方の側において前記第一当接部に対向配置された第一ガイド部と、前記回転体と一体的に回転するとともに前記質量体の他方の側において前記第二当接部に対向配置された第二ガイド部とを備え、前記第一当接部は、前記第一ガイド部に接触する当接面が前記第二当接部の前記第二ガイド部に接触する当接面と異なる方向に形成されており、前記回転体の回転変動の際に前記質量体を自転させる方向に前記第一ガイド部が前記第一当接部を押圧するように設定されているとともに前記質量体が自転方向を反転させる際に前記質量体を反転させる方向に前記第二ガイド部が前記第二当接部を押圧するように設定されており、前記第一ガイド部は、第一当接部に接触するガイド面が前記回転体の回転方向に対して傾斜する方向に形成されており、前記第二ガイド部は、前記第二当接部に接触するガイド面が前記回転体の回転方向に対して傾斜するとともに前記第一ガイド部の前記ガイド面と異なる方向に形成されており、前記第一ガイド部の前記ガイド面は、前記回転体の回転中心を通る直線に対して左右対称となるとともに当該直線との交点位置が当該回転中心から最も遠くなるように形成されており、前記第二ガイド部の前記ガイド面は、前記回転体の回転中心を通る直線に対して左右対称となるとともに当該直線との交点位置が当該回転中心から最も近くなるように形成されている。
本発明は、上記のような構成を有することで、回転体の回転変動の際に質量体を自転させる方向に第一ガイド部が質量体の第一当接部を押圧し、質量体が自転方向を反転させる際に質量体を反転させる方向に第二ガイド部が質量体の第二当接部を押圧して、質量体の反転の際の滑りを防止するようにしているので、簡単な構成で安定した振動低減作用を発揮することができる。
本発明に係る実施形態に関する概略構成図である。 質量体に関する正面図及び背面図である。 振動低減装置の動作に関する説明図である。 振動低減装置の動作に関する説明図である。 振動低減装置の動作に関する説明図である。 振動低減装置の動作に関する説明図である。 振動低減装置の動作に関する説明図である。 振動低減装置の動作に関する説明図である。 質量体の転動動作の反転に関する説明図である。 転動体の転動動作中に生じる滑りに関する説明図である。
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る実施形態に関する概略構成図である。図1(a)は、本実施形態に関する正面図であり、図1(b)は、本実施形態に関する背面図であり、図1(c)は、本実施形態に関する側面図である。なお、図1(a)に示す回転体1の回転方向を示す矢印Rは、背面図である図1(b)では見かけ上反対方向を示すようになるが、同じ方向を示している。
振動低減装置は、回転方向Rに回転する回転体1の周縁部に取り付けられている。回転体1の周縁部には、回転方向Rに沿って転動面10が形成されており、転動面10の両側には、第一ガイド部及び第二ガイド部として平板状の第一ガイド部材2及び第二ガイド部材3が回転体1とともに回転するように設けられている。そして、第一ガイド部材2及び第二ガイド部材3の間には、転動動作を行うローラ状の質量体4が転動面10に接触して移動可能に設けられている。質量体4の一方の側に対向配置された第一ガイド部材2には、内周面にガイド面が形成された開口部20が設けられており、質量体4の第一ガイド部材2と対向する面には、第一当接部として開口部20内に突出する突起部40が形成されている。また、質量体4の他方の側に対向配置された第二ガイド部材3には、内周面にガイド面が形成された開口部30が設けられており、質量体4の第二ガイド部材3と対向する面には、第二当接部として開口部30内に突出する突起部41が形成されている。
第一ガイド部材2の開口部20は、略三角形状に形成されており、開口部20の内周面にガイド面が形成されている。この例では、ガイド面として、3つのガイド面21、22及び23が形成されている。ガイド面21及び22は、内側に向かって膨らむように湾曲形成されており、突起部40の平面状の当接面と1箇所で接触するようになっている。そして、ガイド面21及び22は、回転体1の回転方向Rに対して傾斜するように形成されており、回転体1の回転中心を通る直線Tに対して左右対称となるように設定されている。
また、ガイド面21及び22の間には、U字溝状のガイド面23がガイド面21及び22と連続するように形成されている。ガイド面23は、回転体1の回転中心から最も遠くなるように配置されており、ガイド面23からガイド部材2の内側に向かって直線Tに対して左右対称に開くようにガイド面21及び22が配置されている。ガイド面23は、突起部40の端部の幅よりも広幅に形成されており、図1(a)に示すように、突起部40の端部がガイド面23に挿入された場合には、突起部40の端部がガイド面23の幅方向に移動しないように規制して転動動作を行う質量体4の滑りを防止する。
なお、この例では、第一ガイド部材2に形成されたガイド面を左右対称としているが、質量体4の転動動作に対応してガイド面を設定すればよく、左右対称でないガイド面でもかまわない。転動動作に関与しないガイド面がある場合には、そうしたガイド面をなくすことで開口部の面積をその分小さくすることが可能となり、ガイド部材のサイズを小さくして装置のコンパクト化を図ることができる。
第二ガイド部材3の開口部30は、略三角形状に形成されており、開口部30の内周面にガイド面が形成されている。この例では、ガイド面として、3つのガイド面31、32及び33が形成されている。ガイド面31は、内側に向かって膨らむように湾曲形成されており、突起部41の平面状の当接面と1箇所で接触するようになっている。ガイド面31は、その中心が直線Tとの交点位置で回転体1の回転中心から最も近くなるように形成されており、中心から両側が回転体1の回転方向Rに対して傾斜するように形成されるとともに直線Tに対して左右対称となるように形成されている。そのため、ガイド面31は、第一ガイド部材2のガイド面21及び22とは回転方向Rに対して異なる方向に傾斜するように形成されている。
ガイド面31の両端には、U字溝状のガイド面32及び33がガイド面31と連続するように左右対称に形成されている。ガイド面32及び33は、突起部41の両端部の幅よりも広幅に形成されており、後述するように、質量体4の転動動作の際に、突起部41のいずれか一方の端部がガイド面32又は33に挿入された場合には、突起部41の端部がガイド面32又は33の幅方向に移動しないように規制して質量体4の滑りを防止する。
なお、この例では、第二ガイド部材3に形成されたガイド面を左右対称としているが、質量体4の転動動作に対応してガイド面を設定すればよく、左右対称でないガイド面でもかまわない。転動動作に関与しないガイド面がある場合には、そうしたガイド面をなくすことで開口部の面積をその分小さくすることが可能となり、ガイド部材のサイズを小さくして装置のコンパクト化を図ることができる。
質量体4は、図1(c)に示すように、所定の厚さを有するローラ状に形成されており、軸方向の両端面がそれぞれ第一ガイド部材2及び第二ガイド部材3に対向配置され、軸方向に平行な外周面が転動面10に接触して移動するようになっている。図2は、質量体4に関する正面図(図2(a))及び背面図(図2(b))である。第一ガイド部材2に対向する正面側の端面は、円形状に形成されており、突起部40が形成されている。突起部40は、中心軸Oを通る直線に沿って所定幅の凸条に形成されており、凸条の長手方向の両側面がそれぞれガイド面21及び22に接触する当接面となっている。突起部40の両端部は、角のない丸みのある形状に形成されており、ガイド面23に挿入された場合にガイド面23の内面に当接するようになっている。
第二ガイド部材3に対向する背面側の端面は、円形状に形成されており、突起部41が形成されている。突起部41は、中心軸Oを通り突起部40と直交する直線に沿って所定幅の凸条に形成されており、凸条の長手方向の一方の側面がガイド面31に接触する当接面となっている。そのため、ガイド面31に接触する突起部41の当接面は、ガイド面21及び22に接触する突起部40の当接面とは異なる直交する方向に形成されている。突起部41の両端部は、角のない丸みのある形状に形成されており、ガイド面32又は33に挿入された場合に溝の内面に当接するようになっている。
図3から図8は、振動低減装置の動作に関する説明図である。図3(a)は振動低減装置に関する正面図であり、図3(b)は振動低減装置に関する背面図である。図3(a)に示す回転体1の回転変動方向を示す矢印R1は、図3(b)では見かけ上反対方向を示すようになるが、同じ方向を示している。図4から図8においても図3と同様に正面図及び背面図を示している。また、各図において、理解を容易にするために、正面図では、第一ガイド部材2の開口部20、質量体4の突起部40及び転動面10を実線で描いており、背面図では、第二ガイド部材3の開口部30、質量体4の突起部41及び転動面10を実線で描いている。なお、回転変動方向R1は、図1に示す回転方向Rと同じ方向となっており、例えば、回転速度が増速する回転変動が生じることを示している。そして、回転変動方向が反対方向の場合には、回転速度が減速する回転変動が生じることを示している。
この例では、図3に示すように、回転体1の回転中心を通る直線T上の点Pを中心に半径dで描いた円弧に一致するように転動面10が形成されており、直線Tに対して転動面10が左右対称となるように設定されている。この場合、直線Tは、回転変動が生じていない場合に質量体4が設定される基準位置における接触位置Cを通るように設定されている。また、第一ガイド部材2のガイド面21及び22は、回転体1の回転方向に対して傾斜して形成されるとともに直線Tに対して左右対称となるように配置され、ガイド面23は、その中心線が直線Tと一致するように設定されている。
一方、第二ガイド部材3のガイド面31は、その中心から両側が回転体1の回転方向に対して傾斜するように形成されている。また、ガイド面31の中心で直線Tと直交するとともに直線Tに対して左右対称となるように配置され、ガイド面31の両端のガイド面32及び33は、直線Tに対して左右対称となるように配置されている。
なお、この例では、第一ガイド部材2及び第二ガイド部材3のガイド面が直線Tに対して左右対称に配置されているが、これらのガイド面は質量体4の転動動作に応じて設定すればよく、直線Tに対して必ずしも左右対称である必要はない。
図3では、質量体4は、転動面10に対する接触位置Cと中心軸Oとを通る直線が直線Tと一致する基準位置に設定されており、転動面10に対する接触位置Cと中心軸Oとを通る直線が点Pで直線Tと交わる角度を質量体4の振れ角度(図4に示す角度θ)とすると、振れ角度は0°となる。この基準位置では、突起部40の長手方向が直線Tと一致し、突起部40の一方の端部がガイド面23に挿入されて内面に当接している。そのため、突起部40がガイド面23と接触する当接位置Dは、直線T上に位置するようになる。
一方、図3に示す質量体4の基準位置では、突起部41の長手方向が直線Tと直交しており、突起部41がガイド面31と接触する当接位置Eは、直線T上に位置するようになる。
図4から図8では、回転体1が回転変動方向R1に回転変動する場合における振動低減装置の動作を示しているが、理解を容易にするために、回転体1に対して描かれた各図の直線Tを図3に示す位置に一致させて描いている。そのため、各図では、回転体1の回転変動に伴い、質量体4が移動して回転体1との相対的な位置関係を変化させていく状態が示されている。
図4では、質量体4が回転体1に対して反時計回りに自転しながら移動して振れ角度θが10°になった状態を示している。回転体1の回転変動により第一ガイド部材2が回転方向に移動するため、ガイド面21が突起部40の当接面を押圧して質量体4を自転させるように作用する。そのため、突起部40はガイド面23から離れてガイド面21に沿って当接位置Dを移動させながら回転移動するようになり、それに伴って質量体4が自転しながら転動面10を回転変動方向R1とは反対方向に移動して転動動作を行うようになる。
なお、回転体1の回転変動のない状態では、質量体4は図3に示す基準位置に設定されるようになっている。そして、回転体1に回転変動が生じた時に質量体4が転動面10に対して滑る可能性があるが、質量体4の突起部40の端部がガイド面23に挿入された状態からガイド面21に当接しながら回転移動することで、質量体4の滑りを確実に防止することができる。そのため、回転変動開始当初から質量体4を自転させながら移動させる転動動作を実現することができる。
一方、回転体1の回転により第二ガイド部材3も回転方向に移動するようになり、質量体4の転動動作に伴い、突起部41が回転しながら移動してガイド面31に沿って当接位置Eが回転変動方向R1とは反対方向に移動していくようになる。
図5では、質量体4が回転体1に対して反時計回りに自転しながら移動して振れ角度θが20°になった状態を示している。突起部40は、ガイド面21に当接して押圧されることで自転運動を補助する回転モーメントを効率的に発生させるとともに質量体4の滑りを規制する。そして、突起部40は、その当接位置Dがガイド面21に沿って移動しながら回転移動するようになる。それに伴って、質量体4が自転しながら移動して質量体4の接触位置Cが転動面10に沿って回転変動方向R1とは反対方向に移動する。また、質量体4の転動動作に伴って突起部41が回転移動してガイド面31に沿って当接位置Eがさらに回転変動方向R1とは反対方向に移動していく。
図6及び図7は、質量体4が回転体1に対して反時計回りに自転しながら移動して振れ角度θが、それぞれ30°及び40°になった状態を示している。突起部40は、ガイド面21に押圧されながら当接位置Dがガイド面21に沿って中央に向かって移動するように回転移動し、それに伴って質量体4が自転しながら移動して質量体4の接触位置Cが転動面10に沿って回転変動方向R1とは反対方向に移動する。突起部40のガイド面21に対する当接位置Dは、第一ガイド部材2の内方に移動するとともに、当接位置Dにおける突起部40の当接面の方向と第一ガイド部材2の回転方向との間の角度が次第に小さくなるため、ガイド面21が突起部40を押圧する力は次第に小さくなっていく。また、質量体4の転動動作に伴って突起部41が回転移動してガイド面31に沿って当接位置Eがさらに回転変動方向R1とは反対方向に移動し、突起部41の端部がガイド面32に近づいていく。
図8では、質量体4が回転体1に対して反時計回りに自転しながら移動して振れ角度θが50°になった状態を示している。この例では、振れ角度が50°になった段階で回転体1の回転変動方向が反転するようになっているため、図8に示す状態で質量体4も転動動作を反転するようになる。質量体4の転動動作が反転する位置では、図8(a)に示すように、突起部40のガイド面21に対する当接位置Dが中心軸Oに近接して質量体4の自転を促すモーメントが小さくなるが、図8(b)に示すように、突起部41の端部がガイド面32の内面に当接した状態となっており、第二ガイド部材3の回転変動方向の反転に伴い突起部41がガイド面31に押圧されて質量体4の自転方向を反転させるように作用する。そのため、質量体4は転動動作の反転の際に滑ることなくスムーズに転動動作を行うようになる。そして、回転体1の回転変動方向の反転に伴い突起部41がガイド面31に当接して押圧されながら、図8に示す状態から図3に示す状態に戻る方向に回転移動するようになり、質量体4は自転しながら転動面10を反転前の回転変動方向R1と同じ方向に移動して転動動作を行うようになる。
図9は、質量体4の転動動作の反転に関する説明図である。図9(a)は、回転体1が回転変動方向R1に回転変動している場合の正面図である。図9(b)は、回転体1が回転変動方向R1から反対方向の回転変動方向R2に反転した場合の正面図であり、図9(c)は、回転体1が回転変動方向R2に反転した場合の背面図である。
図9(a)では、回転体1の回転変動方向R1の回転変動に伴い質量体4は、反時計回りの方向rに自転しながら転動面10を回転変動方向R1とは反対方向に移動している。その際に、質量体4が転動面10に接触する接触位置Cでは摩擦力F1が生じて質量体4の転動動作が行われる。摩擦力F1は、質量体4が転動面10に対して押圧する力及び両者の間の摩擦係数に基づいて決まる。そのため、質量体4が転動面10に対して押圧する力が小さくなるか摩擦係数が小さい場合に、摩擦力F1が小さくなって質量体4が滑りやすくなる。質量体4が転動面10に対して滑るように移動しようとすると、質量体4の突起部40にガイド面21が当接し、その当接位置Dでは質量体4が自転する方向に押圧する反力N1が生じるようになって、質量体4は滑りが規制されて自転するようになる。
図9(b)及び図9(c)では、回転体1の回転変動方向がR2に反転することで、質量体4の重心(中心軸O)に推進力Mが加わり、質量体4は時計回りに自転し、回転変動方向R2の反対方向に移動するが、当接位置Dでは突起部40の当接面がガイド面21を押圧して自転させる力が働かないため、接触位置Cでの摩擦力F2が不足した場合質量体4は滑りやすくなる。質量体4が転動面10に対して滑るように移動しようとすると、突起部41がガイド面31に当接し、その当接位置Eでは質量体4の自転が反転する方向に押圧する反力N2が生じる。そして、質量体4は時計回りの方向に自転しながら転動面10を回転変動方向R2とは反対方向に移動する転動動作を開始するようになる。こうして質量体4が滑ることなく反転してスムーズに転動動作を行うことができる。
以上の説明では、回転体1の回転変動方向R1への回転変動に伴い図3に示す基準位置から質量体4が回転変動方向R1とは反対方向に転動動作を行う場合について説明したが、回転体1の回転変動方向R2への回転変動に伴い図3に示す基準位置から質量体4が回転変動方向R2とは反対方向に転動動作を行う場合にもガイド面22が突起部40を押圧して質量体4が自転しながら回転変動方向R2とは反対方向に移動するようになる。そして、回転体1の回転変動方向が回転変動方向R2から回転変動方向R1に反転する際には、突起部41の端部がガイド面33に挿入されてガイド面31により押圧され、質量体4が自転しながら回転変動方向R1とは反対方向に移動するようになって、質量体4の転動動作の反転の際に滑りが生じないように規制される。
こうして、質量体4は、回転体1の回転変動による転動動作を行う場合に滑りが発生しやすい反転の際にのみ滑らないように規制し、それ以外は質量体4の突起部のいずれか一方の側面にガイド面を接触させる規制の少ない状態で移動するため、安定した転動動作を行うことができるようになり、ガイド面に突起部を接触させる簡単な構成により確実に振動低減作用を発揮することが可能となる。
なお、上述した例では、転動面10を円弧状に形成しているが、転動面10の形状を変えることで質量体4の重心の軌跡を変更することが可能である。例えば、転動面10をサイクロイド曲線に沿うように形成することで、質量体4の振り幅が大きい場合に生じる次数ずれを低減することができる。
また、質量体の両側に、上述した第一ガイド部材及び第二ガイド部材の開口部と同様に段差部を形成してそれぞれ第一及び第二当接部とし、段差部の内周面に開口部のガイド面と同様の当接面を形成し、第一ガイド部材及び第二ガイド部材にそれぞれ質量体の突起部の当接面と同様のガイド面を形成することで、上述した例と同様の振動低減作用を得ることができる。
1・・・回転体、2・・・第一ガイド部材、3・・・第二ガイド部材、4・・・質量体、10・・・転動面、20・・・開口部、21・・・ガイド面、22・・・ガイド面、23・・・ガイド面、30・・・開口部、31・・・ガイド面、32・・・ガイド面、33・・・ガイド面、40・・・突起部、41・・・突起部

Claims (4)

  1. 回転体に設けられて回転変動に伴う振動を低減する回転体の振動低減装置であって、前記回転体に形成された転動面に転動可能に設けられるとともに両側の一方の面側に第一当接部が設けられ他方の面側に第二当接部が設けられた質量体と、前記回転体と一体的に回転するとともに前記質量体の一方の側において前記第一当接部に対向配置された第一ガイド部と、前記回転体と一体的に回転するとともに前記質量体の他方の側において前記第二当接部に対向配置された第二ガイド部とを備え、前記第一当接部は、前記第一ガイド部に接触する当接面が前記第二当接部の前記第二ガイド部に接触する当接面と異なる方向に形成されており、前記回転体の回転変動の際に前記質量体を自転させる方向に前記第一ガイド部が前記第一当接部を押圧するように設定されているとともに前記質量体が自転方向を反転させる際に前記質量体を反転させる方向に前記第二ガイド部が前記第二当接部を押圧するように設定されており、前記第一当接部は、前記質量体の回転中心を通る直線に沿うように形成された突起部からなり、前記第二当接部は、前記直線と直交する方向に沿うように形成された突起部からなる回転体の振動低減装置。
  2. 前記第一ガイド部は、第一当接部に接触するガイド面が前記回転体の回転方向に対して傾斜する方向に形成されており、前記第二ガイド部は、前記第二当接部に接触するガイド面が前記回転体の回転方向に対して傾斜するとともに前記第一ガイド部の前記ガイド面と異なる方向に形成されている請求項1に記載の振動低減装置。
  3. 前記第一ガイド部の前記ガイド面は、前記回転体の回転中心を通る直線に対して左右対称となるとともに当該直線との交点位置が当該回転中心から最も遠くなるように形成されており、前記第二ガイド部の前記ガイド面は、前記回転体の回転中心を通る直線に対して左右対称となるとともに当該直線との交点位置が当該回転中心から最も近くなるように形成されている請求項2に記載の振動低減装置。
  4. 回転体に設けられて回転変動に伴う振動を低減する回転体の振動低減装置であって、前記回転体に形成された転動面に転動可能に設けられるとともに両側の一方の面側に第一当接部が設けられ他方の面側に第二当接部が設けられた質量体と、前記回転体と一体的に回転するとともに前記質量体の一方の側において前記第一当接部に対向配置された第一ガイド部と、前記回転体と一体的に回転するとともに前記質量体の他方の側において前記第二当接部に対向配置された第二ガイド部とを備え、前記第一当接部は、前記第一ガイド部に接触する当接面が前記第二当接部の前記第二ガイド部に接触する当接面と異なる方向に形成されており、前記回転体の回転変動の際に前記質量体を自転させる方向に前記第一ガイド部が前記第一当接部を押圧するように設定されているとともに前記質量体が自転方向を反転させる際に前記質量体を反転させる方向に前記第二ガイド部が前記第二当接部を押圧するように設定されており、前記第一ガイド部は、第一当接部に接触するガイド面が前記回転体の回転方向に対して傾斜する方向に形成されており、前記第二ガイド部は、前記第二当接部に接触するガイド面が前記回転体の回転方向に対して傾斜するとともに前記第一ガイド部の前記ガイド面と異なる方向に形成されており、前記第一ガイド部の前記ガイド面は、前記回転体の回転中心を通る直線に対して左右対称となるとともに当該直線との交点位置が当該回転中心から最も遠くなるように形成されており、前記第二ガイド部の前記ガイド面は、前記回転体の回転中心を通る直線に対して左右対称となるとともに当該直線との交点位置が当該回転中心から最も近くなるように形成されている回転体の振動低減装置。
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