しかしながら、上記特許文献1に記載の技術内容では、2本のセパレータ軸を接続できるものの、接続強度を出すためにセパレータ軸を通すための貫通孔がセパレータ軸の本体部の直径と同程度の大きさである。従って、セパレータ軸端部の雄ねじ部は本体部分より円周が大きいので端部に雄ねじが形成されているセパレータ軸はそのままの状態で貫通孔に通すことができないため、施工時にはセパレータ軸端部の雄ねじ部分を切り落とす必要があり手間が掛かる。また、コンクリートの打設の際に十分な引っ張り強度を出すためにセパレータ軸を固定するためのねじ部を2つ設ける必要があり、コンクリート打設の際にも、ねじ部の露出部分が邪魔になり、厚みの無いコンクリート打設の現場及び型枠パネルの上場での接続にはヒビが入らず剥離させない程度のコンクリートの厚み確保へ支障をきたすことがある。さらに、前述の一つの孔にセパレータ軸を2本通して接続するタイプのセパレータ軸結合金具は、2本の左右のセパレータ軸を接続できるものの、セパレータ軸を接続する際の作業性が問題となる場合もある。例えば、2本の左右のセパレータ軸を双方の型枠パネルの中央で互い違いに一つの孔に通しつつ、2本のセパレータ軸の長さを同時に調整するのは長いセパレータ軸を2本同時に取り扱うことになる。その後に、締付部材を2本のセパレータ軸の間に交差する形で楔をボルトで縦方向に締め込むことによりセパレータ軸を締付接続させる構造であるため、締め込み後本体部分に縦方向にボルトの露出部分があり、コンクリート打設の際に、ボルトの露出部分が邪魔になり、厚みのないコンクリート打設現場及び型枠パネルの上場での接続にはヒビが入らず剥離させない程度のコンクリートの厚み確保へ支障をきたすことがある。また、2本のセパレータ軸を挿し通す本体の一つの貫通孔の大きさは狭く、セパレータ軸本体部分より円周が大きい端部の雄ねじ部分をそのままの状態で一つの貫通孔に通すことが困難であり、施工時にはセパレータ軸端部の雄ねじ部分を切り落とす必要がある等の手間が掛かり、また狭い場所での作業は非常に作業性が悪く時間がかかってしまうものである。さらに、一般的なセパレータ軸結合金具では、2本のセパレータ軸を仮止めすることが出来ず、締め付け固定する際にセパレータ軸が締め付け作業中に動いてしまい、所望の長さを保持するのが困難となってしまう場合がある。また、従来の製品は2本を同時に固定し本締めして止める構造であり、本締め後は緩めることが出来ず再利用が困難な構造のため、セパレータ軸を仮止めすることが出来ず、左右2本のセパレータ軸を同時に正確な長さに調整するのが難しいため、作業時間もかかり、長さ調整を間違えた場合は左右2本のセパレータ軸及び接続金具の使った部材全てが再利用できなくなるため、コストが高くついてしまうことがある。
そこで本発明の主たる課題は、コンクリートを型取るための型枠パネルの組み立て作業の際に、セパレータ軸の端部に雄ねじを有したままの状態でセパレータ軸調整金具の貫通孔に容易に挿し通して、仮止めが幾度も出来て容易に調整し所望の長さを求めることが出来きて再利用も可能となる。また、コンクリート打設の際にも締め込みねじ部の露出部分が邪魔にならずコンクリートの厚み確保へ支障をきたすことがないコンパクト設計を実現した。従来製品と比べ、同等若しくはそれ以上の接続強度を有し、施工時間の短縮と材料費削減にも貢献できる今までにない新しい接続方法であるセパレータ軸接続固定金具を提供することである。
本発明は、以下の(1)〜(7)に関する。(1)セパレータ軸調整金具であって、当該セパレータ軸調整金具には貫通孔を形成し、当該貫通孔には螺旋状の突起物を形成し、貫通孔の内径は施工の際に使用する調整セパレータ軸端部の雄ねじを挿し込んで前後に自由に移動できる程度の大きさであり、当該セパレータ軸調整金具には、上面の中央部から縦下方向に前記貫通孔まで貫通するように雌ねじ孔を形成し、当該雌ねじ孔には、貫通孔に挿し込まれた調整セパレータ軸の動きを止めるための締込ねじを螺合して接続させ、当該締込ねじは、雌ねじに螺合させる端部の先端が突出し、かつ、当該締込ねじの端部の底部がすり鉢状に窪んだ形状であり、前記貫通孔の螺旋状の突起物および前記雌ねじ孔は、前記調整セパレータ軸の一方端に引力が掛かった際に、当該貫通孔の螺旋状の突起物の軌道に沿って当該調整セパレータ軸に回転力が生じ、その回転により調整セパレータ軸を押さえ付けている締込ねじが自らを締め付け方向に回転する形状である、ことを特徴とするセパレータ軸調整金具。(2)前記貫通孔の形状が、円形、楕円形、三角形、四角形、その他多角形のいずれかであることを特徴とする(1)に記載のセパレータ軸調整金具。(3)前記貫通孔内部の形状が、貫通孔内部のいずれかの場所に突起物の突先部間隔が狭くて、突起物の角度がきつく鋭利な突起物であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のセパレータ軸調整金具。(4)前記締込ねじが、六角穴付き止めねじであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のセパレータ軸調整金具。(5)前記締込ねじが、十字穴付き止めねじ、すり割り付き止めねじ、四角頭の形状の止めねじ、頭部を有する多角形のボルト類、六角穴付きボルト、十字穴付きボルト、すり割り付きボルト、その他ネジ類のいずれかであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のセパレータ軸調整金具。(6)前記締込ねじの雌ねじ貫通孔に螺合させる前記締込ねじの端部の突出部の外側面にギザ状面を設けることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のセパレータ軸調整金具。(7)前記締込ねじの雌ねじ貫通孔に螺合させる前記締込ねじの端部先端の突出部底部のすり鉢状中央部に略円錐状の尖端部を設けることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のセパレータ軸調整金具。
本願第1の発明によれば、締込ねじでセパレータ軸を固定する際に、締込ねじ先端が突出構造でかつ底部がすり鉢状となっていることにより、セパレータ軸に食い込ませてしっかりと固定することが可能となる。また、セパレータ軸調整金具の貫通孔に螺旋状の突起物を設けることにより、さらに強い固定力を実現することが可能となる。これら締込ねじの先端形状と貫通孔の形状による相乗効果で、調整セパレータ軸を貫通孔に挿通する際に雄ねじ部を切断せずにそのままの状態で一本の調整セパレータ軸だけを、一本の締込ねじでも接続固定する事ができ、さらに仮止めが幾度も出来て容易に調整し所望の長さを求めることが出来きて再利用も可能となる。以上のように、今までに無い新しい使用の仕方と接続方法で、双方のセパレータ軸の連結が容易でトラブル解決と材料費削減や作業効率の向上が可能となる、今までに無い新しいセパレータ軸接続固定金具を提供することが可能となる。
本願第2の発明によれば、セパレータ軸端部の雄ネジの後ろにねじ止めとして窪んで細くなり曲がりへの強度に弱い首部分がすぐに折れて破断してしまうのを防ぐことが可能となる。強度の無い首部分が当該セパレータ軸接続金具に形成された貫通孔端部の内径壁面に囲われて保護されて、当該セパレータ軸本体部まで少し当該貫通孔に入り込んでいる事により、コンクリートを打設する際には通常だとセパレータ軸の両端部に左右異なる方向へ引っ張りの力が掛かり、セパレータ軸の接続部分に回転力が生じて強度の無い首部分が曲がりだし折れて直ぐに破断してしまうが、本発明によればアンカーセパレータ軸の本体部分が曲りだし破断せずに、本来のアンカーセパレータ軸の強度が保つことが可能となる。
本願第3の発明によれば、第1の発明の効果に加えて、調整セパレータ軸を通すためのセパレータ軸調整金具とアンカーセパレータ軸を互いの側面同士を直接接続して一体型構造とすることにより、セパレータ軸の両端に左右異なる方向へ強い引く力が掛かった場合に、一本のセパレータ軸ならば軸心が同じため平行に引っ張られるが、左右別々の2本のセパレータ軸を接続固定した場合は、双方の軸心が違いずれている為に、左右2本のセパレータ軸が平行になろうとして、双方の接続部分のセパレータ軸に回
転力が生じてセパレータ軸が曲がりだし、左右2本のセパレータ軸の全体の長さが伸びることになる。この回転率は双方のセパレータ軸を接続するために平行に並べた場合に、互いの間隔が広ければ広いほど回転が大きく生じるので、回転率を抑えるには互いのセパレータ軸の間隔を極力狭くする必要があるため、セパレータ軸調整金具とアンカーセパレータ軸を直接接続し一体構造とし、セパレータ軸調整金具に接続固定された調整セパレータ軸とアンカーセパレータ軸の曲がりと伸び率を最大限に抑え防ぐことが可能となる。また、アンカーセパレータ軸とセパレータ軸調整金具を直接接続して一体型とすることにより製品の縦の高さを低くすることができ、また、一本の調整セパレータ軸だけで接続固定できることを実現したことにより接続固定部が単軸となり、従来の製品では出来なったセパレータ軸接続固定金具を、横向きに回転させて倒すことが容易に可能となる。これにより、セパレータ軸接続固定金具の上中央に接続している締込ねじも一緒に横向きに倒すことができ、高さ方向への影響がほとんど無いためセパレータ軸接続作業の邪魔にならず、コンクリート打設の際にもヒビが入らず剥離させない程度のコンクリートの厚み確保(一般的は鉄筋上に10〜20cmが良いが、最低でも5cmの厚みを確保 )へ支障をきたすことなく施工することが可能となる。
本願第4の発明によれば、六角穴付き止めねじ(ホーローセット)を採用することにより、従来製品と比較してねじの頭部にねじ頭部形状が無いので、セパレータ軸調整金具と同一面近くまで埋め込む事が可能で頭部が露出しないので他の部材への引っかかりの可能性が低くさらなる作業性の向上に繋がる。また、ねじの長さが短くて施工時のセパレータ軸接続固定金具の高さを低く抑えることが可能となり、コンクリート打設の際にも厚み確保へ支障をきたすことなく施工することが可能となる。さらに、ねじ部先端の突出構造の中央が窪んでいて相手部材を押し付けて円で接触し食い込む形となるので、円形軸の固定や調整等の作業に優れ、調整セパレータ軸の仮止めが幾度も出来て容易に調整し所望の長さを簡単に求めることが可能となり一般的なボルト類及びねじ類等と比較して硬度や強度区分が高いため再利用も可能となり、より高トルクで強固にねじ先端で押し付けて絞め込むことが可能となった事で、ねじ先端突出部が深く食い込んで一本の調整セパレータ軸だけを接続固定することが可能となる。
本願第5の発明によれば、先端の突出部の側面にギザ状面を設けることにより、より強固にセパレータ軸を固定することが可能となる。
本願第6の発明によれば、セパレータ軸調整金具の雌ねじ孔に螺合させる締込ねじの端部先端の突出部底部のすり鉢状中央部に略円錐状の尖端部を設けることにより、より強固にセパレータ軸を固定することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明のセパレータ軸接続固定金具の第1の実施形態の概略図を示すものである。本実施形態では、セパレータ軸調整金具1とセパレータ軸接続金具2の側面同士を固定させてセパレータ軸接続固定金具100とする。締込ねじ3は、セパレータ軸調整金具1に形成した雌ねじ孔4に先端を螺合して接続される。当該雌ねじ孔はセパレータ軸調整金具1の上面の略中央に形成する。また、セパレータ軸調整金具1の貫通孔5の内部には螺旋状の突起物を形成する。当該貫通孔5の形状は特に限定されるものではないが略円筒状のものが好ましく、内部形状は特に限定する物ではないが、挿し通された調整セパレータ軸7が常に当該貫通孔5の底面中央に自然と位置させるため、当該貫通孔5の底面がすり鉢状で丸みをおびた形にすることが好ましい。当該螺旋状の突起物の形状は貫通孔5内部の一方端から他方端までいずれかの場所に形成されていれば良いが、締込ねじの下部周辺に形成することがより好ましく、調整セパレータ軸7をより強固に固定するためには貫通孔5すべてに形成することがより好ましい。螺旋状の突起物は、螺旋を形成する突起物の間隔や突起物の先端形状等を特に限定するものではないが、ねじ山の間隔が狭くて、突起物の角度がきつく鋭利なものがより好ましい。施工時にセパレータ軸を接続固定する際には、前記貫通孔5には両端に雄ねじが形成されたままの調整セパレータ軸7を挿し通して締込ねじ3を軽く締め込んで仮止めしておき、長さを調整した後に六角レンチや六角レンチインパクト等でしっかりと締め込んで調整セパレータ軸7を固定させるものである。
セパレータ軸接続金具2の貫通孔6の内部にはセパレータ軸の雄ねじを螺合可能な雌ねじが形成されており、既存のセパレータ軸8A端部の雄ねじを貫通孔6に挿し込み、雌ねじと螺合してセパレータ軸接続固定金具100と固定する。調整セパレータ軸7と既存のセパレータ軸8Aのセパレータ軸接続固定金具100に固定されていない方の端部にも雄ねじが形成されており、施工現場の状況に応じて他の構造物に取り付けることができる。例えば、コンクリート型枠の施行であれば、この雄ねじをピーコン軸に形成された雌ねじに螺合させ、さらにピーコン軸の端部に設けられた雄ねじをコンクリート型枠パネルの孔に挿し込んで、型枠パネルの裏側から締付金具をピーコン軸の雄ねじに捻じ込んで螺合してピーコン軸をコンクリート型枠パネルに固定するような工程をとる。
図2は本実施形態の締込ねじ3の断面図を示す。本実施形態の締込ねじ3としては、全ねじ状の六角穴付き止めねじ(ホーローセット)を採用した。当該締込ねじ3の先端構造は、雌ねじ孔4に螺合させる方の端部が突出した構造(突出部)、かつ、この突出部の底部がすり鉢状に窪んだ形状を有する。突出部の構造としては、全ねじ部から先端部の先に向かうにつれて、徐々に全ねじ部の直径より小さな径となる構造である。締込ねじ3の先端をこの様な構造にすることにより、貫通孔5に挿し込まれた調整セパレータ軸上部の面にしっかりと食い込んだ状態とすることができ、平らな先端構造等と比較してより強い固定力を実現することが可能となる。また、この突出部と反対の他方端部上面には六角形の穴が形成されており、調整セパレータ軸を固定する際に六角レンチや六角レンチインパクトなどで締め付けることが可能となる。この様な構造とすることにより、締め付け作業が簡易になり、作業性も向上し、さらにプラスやマイナスのドライバー等で締め付けるタイプのねじよりも、より強固に締め付けることが可能となる。
締込ねじ3の先端構造としては、本実施形態で用いた形状に限定されるものではなく、セパレータ軸調整金具1の雌ねじ孔4に螺合させる締込ねじ3の端部の突出部の側面にギザ状面を設けた形状や、先端の突出部底部のすり鉢状中央部に略円錐状の尖端部を設けた形状のもの、またはこれらの形状を併用した先端構造が使用できる。これらの形状の締込ねじ3を用いることにより、施工時に調整セパレータ軸で双方の型枠パネルの距離を調整する際に、軽く締め込んで仮止めを幾度とすることが可能となり、所望の長さを容易に得ることができる。また、 調整セパレータ軸7をセパレータ軸調整金具1の貫通孔5の内部で底面に上部からしっかり押し付けて止めることができる点でより優れた固定力を実現することが可能である。
本実施形態で用いる締込ねじ3の硬さは特に限定されるものではなく一般的に使用されているねじ類の硬度のものが使用できる。なお、より強固にセパレータ軸を接続固定させるためには、材質が鋼製の場合は表面処理及び熱処理をされた強度区分が45HRC以上で、ステンレス製の場合は12H又21H等、その他にもより強度区分が高いものを使うことが好ましい。これにより、六角レンチや六角レンチインパクト等で締め込む際により高トルクで締め付けることが可能になり、結果として調整セパレータ軸を強固に固定することが可能となる。
図3はセパレータ軸接続固定金具100を側面からみた断面図を示す。セパレータ軸調整金具1の貫通孔5は前述の通り螺旋状の突起物を形成する。貫通孔5の径の大きさは、調整セパレータ軸の端部に雄ねじを有したままの状態で容易に挿し通すことができ、自由に前後にスライドさせて動かすことができる程度の大きさである。これにより、施工時に調整セパレータ軸で双方の型枠パネルの距離を調整する際にわざわざ雄ねじ部分を切り取らずにそのままの状態で容易に差し込み利用できるため、作業の手間や時間を短縮することが可能となる。また、セパレータ軸調整金具1の上面には、貫通孔5まで到達するように雌ねじ孔4を形成する。この雌ねじ孔4は締込ねじ3を螺合させるものであり、これにより、貫通孔5に挿通した調整セパレータ軸7を、締込ねじ3と貫通孔5に設けた螺旋状の突起物でしっかりと固定させることができる構造となる。より具体的には、締込ねじ3を締め付ける際に、押し付けられ固定される調整セパレータ軸7の下部が貫通孔5の螺旋状の突起物に食い込んだ状態となり、突起痕が出来きて、調整セパレータ軸7の滑りへの抵抗力を生ませることが可能となる。また、コンクリート打設の際に調整セパレータ軸7の一方端に強い引力が掛かると、貫通孔の螺旋状の突起物の軌道に沿って調整セパレータ軸7に回転力が生じ、その回転により同時に調整セパレータ軸7を押さえ付けている締込ねじ3が自らを締め付け方向に回転することになり、調整セパレータ軸7は自ら締め込みねじ3に向かい、より締込ねじ3の先端部が食い込んだ状態となり、調整セパレータ軸7の上下面でさらに強い固定力を実現することが可能となる。
セパレータ軸接続金具2の貫通孔6には雌ねじを形成する。セパレータ軸接続金具2の貫通孔6の内径は、左右端部が差し込まれる既存のセパレータ軸8A端部の雄ねじがそのまま入る程度の大きさの無ねじの孔であり、差し込まれる既存のセパレータ軸8Aの端部の雄ねじと本体部の間にあるねじ止めの役割と、叩き折る目的の本体部より凹んで細くなり曲がりへの強度に弱く折れて破断しやすいセパレータ軸の首部13が入り込むとともに、本来の強度がある本体の軸部分を少し入れ込むことができる。この様に、貫通孔6の内径壁面に囲われて保護される程度の深さの孔を貫通孔6の左右端部に形成する事によって、コンクリートを打設する際にセパレータ軸の両端部に左右異なる方向へ引っ張りの力が掛かり、セパレータ軸の接続部分に回転力が生じて本体部分が曲がりだした際にも、差し込まれた既存のセパレータ軸は、破断することなくセパレータ軸本来の強度を発揮し実現することができる。また、中央部には雌ねじを形成しているため、差し込まれる既存のセパレータ軸8Aの端部の雄ねじと螺合することができ、簡単にセパレータ軸接続固定金具100を接続固定させる事が可能となる。これにより、長さを問わずすべての長さに対応が可能で、簡単にセパレータ軸接続固定金具100を接続固定させる事が可能となることで、何らかの要因で寸法が合わなくなったトラブルを容易に解決することが出来る。さらに貫通孔6の左右に無ねじの孔を形成することで、施工時に左右どちらからでも既存のセパレータ軸を差し込み螺合することが出来ることで、取り付け方にとらわれず作業性の向上に繋がる。
図4はセパレータ軸接続固定金具100を正面からみた断面図を示す。本
実施形態のセパレータ軸調整金具1とセパレータ軸接続金具2は円形の貫通孔を有する六角形の筒状のものを用いる。これらは、この様な形状の金具を製造して使用しても良いし、市販の六角高ナットを使用しても良い。本実施形態のセパレータ軸調整金具1とセパレータ軸接続金具2は六角形の一つの側面同士を溶接にて接続する。本実施形態では、溶接を用いたが接続方法はこの方法に限られるものではない。本実施形態のように、金具の外形を六角形とすることにより、内形が円形の貫通孔の全面に対して、強度的にバランスが良い外壁肉厚の確保ができて、均等な対角がある構造なので、掛かる力を均等に分散吸収ができて強度的に非常に強くなる。また、安価な部材で一般的なボルト類及びねじ類等と比較して硬度や強度区分が高い、締込ねじをより高トルクで強固に絞め込むことが可能となる。さらに6面全てに対辺が略均等にあるため、2つの金具の平面同士を接続することが可能となり、接着面が多い為ねじれ等の力にも強く、強力に接続固定することができる。また金具の内形を円形の貫通孔とすることにより、本実施形態のセパレータ軸調整金具1においては、施工の際に貫通孔5に調整セパレータ軸7が容易に挿し通され常にこの貫通孔の底面中央に自然と位置させるのを可能とした。さらに本実施形態のセパレータ軸接続金具2の貫通孔6においては、内部には既存のセパレータ軸8A端部の雄ねじをそのままの状態で挿し込める程度の大きさで当該既存のセパレータ軸の首部13が入り込むとともに、本体の軸部分が少し入り込む深さの無ねじの孔を左右端部に形成し、中央部には当該既存のセパレータ軸8Aの雄ねじを螺合可能な雌ねじが形成されておるが、このようは形体の構造物を製作するにあたっては、外形が六角形の六角高ナットに細工を加え造る方が、他の部材よりはるかに製造コストが安くなることができる。新製品の開発においては、従来の製品に比べ、機能的には同等もしくはそれ以上に良い物で、安価な物を要求され、そうでないと新製品は売れないという過酷な状況の中、本願発明のセパレータ軸接続固定金具も、安価な部材に、独創的な思考と、セパレータ軸調整金具1とセパレータ軸接続金具2と締込ねじ3のこれらの総合的なコンビネーションを加え、改良に改良を重ねて研究し、機能的に優れた製品を開発するものである。本発明は創意工夫を重ね、これらの課題解決に成功し、十分な引張強度を実現できるセパレータ軸接続金具を開発するに至ったものであり、安価な部材で従来製品と比べ同等若しくはそれ以上の強度を有する商品の製品化が可能となることで、今までに無い新しい使用の仕方と接続方法で施工時間の短縮と材料費削減にも貢献できる。
図5は本発明のセパレータ軸接続金具の第2の実施形態を示す概略図、図6は第2の実施形態の断面図、図7は第2の実施形態を正面から見た図である。第1の実施形態と異なる点としては、セパレータ軸接続固定金具100を、セパレータ軸調整金具1とアンカーセパレータ軸8Bから構成する点である。セパレータ軸調整金具1の構成は第1の実施形態と同様である。本第2の実施形態では、セパレータ軸調整金具1の底面にアンカーセパレータ軸8Bの側面を溶接することにより接続させてセパレータ軸接続固定金具100を形成する。なお、本実施形態では溶接で接続したがそれに限られるものではない。
本第2の実施形態のように、セパレータ軸調整金具1の底面にアンカーセパレータ軸8Bの側面を溶接することにより、施工の際に調整セパレータ軸7の1本のみで長さを調整して接続固定させることを実現できる。本第2の実施形態をとることにより、接続固定部を単軸とすることができ、セパレータ軸接続固定金具100自体を横向きに回転させて倒すことが容易となる。これにより、接続固定金具の上部に螺合されている締込ねじも横向きに回転し倒すことができ、コンクリート打設時の高さ方向上部への出っ張りをなくすことができ、高さへの影響をほぼ無くすことが可能となる。このため、施工の際に他の部材への引っかかりが少なく作業の邪魔にならず、コンクリート打設の際にもコンクリートの厚み確保へ支障をきたすことなく施工することが可能となる。
第2の実施形態で使用するアンカーセパレータ軸8Bは、取り付け対象物に取り付けた際にアンカー的な機能も持つため、第1の実施形態で使用する既存のセパレータ軸8Aと比較して短いものを使用することができる。特に使用できる長さは限定されるものではないが、施工現場の型枠間の距離などに応じて適切な長さの物を選択することができる。アンカー的な機能を発揮するための長さとしては、10〜100cm程度のものがより好ましい。この程度の長さであれば、セパレータ軸接続の作業性も良く、対象物に取り付けた際に取り付け部を損傷させない点でも優れる。
本発明に係る第1の実施形態と第2の実施形態においては、引張強度が、土木用及び建築用の各々の基準を十分に満足する強度を実現することが可能となる。また、従来品と比較しても同等かそれ以上にコストを抑えることができるため、コスト削減、かつ、十分な強度を有するセパレータ軸接続固定金具を提供することが可能となる。
コンクリート型枠の施行について本実施形態のセパレータ軸接続固定金具100の使用方法の例を説明する。まず、一例として、既存のセパレータ軸8Aの一方端を型枠側面にピーコン金具等で接続して固定させる。次に、本発明の第1の実施形態に係るセパレータ軸接続固定金具100のセパレータ軸接続金具2の貫通孔6に当該既存のセパレータ軸8Aの他方端の雄ねじを螺合して接続させる。その後、セパレータ調節金具1の貫通孔5に調整セパレータ軸7を一方端から雄ねじが付いたまま挿し通し締込ねじ3で仮止めしつつ、他方端をピーコン金具等でもう片方の型枠側面に接続して固定し双方の型枠間の距離を適切に調整し、その後、予め緩く螺合して仮止め接続していた貫通孔上部の締込ねじ3を、六角レンチや六角レンチインパクト等で強く締め込んで 調整セパレータ軸7とセパレータ軸接続固定金具100をしっかりと接続固定させる。同様にセパレータ軸接続固定金具100により必要な数だけ固定して型枠間の距離を一定に保つことができた段階で、最後にコンクリートを打設して施工完了とする。また、本第1の実施形態のセパレータ軸接続固定金具100を使用し前記接続方法にて他の工事で余った2本の適当なセパレータ軸を使い、互いを接続して使うことができる。一方の適当なセパレータ軸(既存のセパレータ軸8A)の一方端を型枠側面にピーコン金具等で接続して固定させ、他方端の雄ねじをセパレータ軸接続金具2の貫通孔6に螺合し接続固定し、他方の適当なセパレータ軸(調整セパレータ軸7)をセパレータ調節金具1の貫通孔5に一方端から雄ねじが付いたまま挿し通し締込ねじ3で仮止めしつつ、他方端をピーコン金具等でもう片方の型枠側面に接続して固定し双方の型枠間の距離を適切に調整し締込ねじ3をしっかり締め込んで、当該他方の適当なセパレータ軸(調整セパレータ軸7)とセパレータ軸接続固定金具100をしっかりと接続固定させることが可能となる。これにより、当該適当なセパレータ軸の長さに関係なく、必要とされる場所で当該適当なセパレータ軸の先端にアタッチメントのような考え方で、簡単に取り付け可能で、全ての長さに対応することが可能であり、2本のセパレータ軸を容易に接続が出来てさらに仮止めが幾度も出来て容易に調整し所望の長さを求めることができて再利用も可能で材料費削減に貢献できる今までに無い新しいセパレータ軸接続固定金具を提供することができる。
また、コンクリートの打設を行う建築現場や土木現場等でコンクリート型枠組立施工する際、なんらかの要因により最初に組立てた寸法と双方の型枠パネルの間隔がくるってしまい当初用意していた既存のセパレータ軸の長さが合わないことが多分に発生する。このような場合、通常は新たに寸法の合ったセパレータ軸を準備する必要がある。または当初用意していた当該既存のセパレータ軸とは別に、所望の長さに必要な新たな調整セパレータ軸を準備して、2本のセパレータ軸を接続する必要があるが、接続する際に、双方の型枠パネルの真ん中で必ずしも繋ぐ必要はなく、長さが合わないと気が付いたどちらかの端で接続し繋ぐこと可能である。この様な場合、本発明の第1の実施形態に係るセパレータ軸接続固定金具100によれば、一方端が型枠パネルに接続されている長さが合わなくなった既存のセパレータ軸8Aの他方端の雄ネジ部分に、まずはセパレータ軸接続金具2の貫通孔6を挿し込み螺合させることで、当該既存のセパレータ軸8Aにセパレータ軸接続固定金具100が容易に接続され、当該既存のセパレータ軸が接続固定金具付のセパレータ軸となり、当該既存のセパレータ軸8Aが、アンカーセパレータ軸8Bの役割を担うことで、当該アンカーセパレータ軸8Bが一方の型枠側面に接続固定されたことと同じことになり、その後、所望の長さに必要な新たな調整セパレータ軸7を用いて、他方型枠側面に接続して固定する。調整セパレータ軸7の基本的な固定方法は前述の第1の実施形態と同様である。このように、既存のセパレータ軸の長さを問わず全ての長さに対応が出来るセパレータ軸接続金具を必要とされる場所で当該既存のセパレータ軸の先端にアタッチメントのような考え方で、当該既存のセパレータ軸に螺合して接続することが可能となり、双方のセパレータ軸の連結が容易でトラブル解決と材料費削減や作業効率の向上が可能となる。
さらなるセパレータ軸接続固定金具100の使用方法の使用例としては、先ずは、短い既存のセパレータ軸8Aの一方端を、本発明の第1の実施形態に係るセパレータ軸接続固定金具100のセパレータ軸接続金具2の貫通孔6に当該短い既存のセパレータ軸8Aの一方端の雄ねじを螺合して接続させることで、当該短い既存のセパレータ軸8Aにセパレータ軸接続固定金具100が容易に接続され、当該短い既存のセパレータ軸が接続固定金具付のセパレータ軸となり、当該短い既存のセパレータ軸8Aが、アンカーセパレータ軸8Bの役割を担うことで、アンカーセパレータ軸付きのセパレータ軸接続固定金具としての働きができることになり、本第2の実施形態のセパレータ軸接続固定金具100と同様となり、本実施形も同じである。以上のように、一本の既存のセパレータ軸8Aだけをセパレータ軸調整金具1と強固な接続強度をみたし接続することが可能となったことで、前記説明のような今までに無い新しい使用のしかたと接続方法で、双方のセパレータ軸の連結が容易でトラブル解決と材料費削減や作業効率の向上が可能となる。また、本発明の第1の実施形態のセパレータ軸接続固定金具は、前記説明のように寸法が合わなくて困った全ての場合、及び本発明の第2の実施形態のアンカーセパレータ軸8 Bとしての、二通りの利用法ができるため第1の実施形態のセパレータ軸接続固定金具があれば、全ての場面で対応ができるので、使用者のニーズにあった使用方法を提供することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るセパレータ軸接続固定金具100について説明する。調整セパレータ軸7の固定方法としては、第1の実施形態と同様の手法が考えられる。第2の実施形態に係るセパレータ軸接続固定金具100については、まずアンカーセパレータ軸8Bの雄ねじ部を、一方の型枠に固定することにより、一つのセパレータ軸とセパレータ軸接続固定金具100も同時に設置する状態となる。次に、調整セパレータ軸7を一方端から雄ねじが付いたままの状態で切断せずに貫通孔5に挿し通して貫通させ、締込ねじ3で仮止めしつつ、調整セパレータ軸7をスライドしながら、双方の型枠間の距離を適切に調整し、他方端の雄ネジ部をもう片方の型枠に固定する。次に、締込ねじ3を締め付けて調整セパレータ軸7をしっかり接続固定する。また、本第2の実施形態のセパレータ軸接続固定金具100を、コンクリート打設の際に、コンクリート厚を確保するために必要ならば当該打設する高さ方向から約90°横向きに傾けた状態で固定することが出来
る。同様にセパレータ軸接続固定金具100により必要なセパレータ軸の数だけ固定して型枠間の距離を一定に保つことができた段階で、最後にコンクリートを打設して施工終了とする。本第2の実施形態の施行においては、予めセパレータ軸接続固定金具100を型枠等の取り付け対象物に必要な数だけ取り付けておき、その後にまとめて適正な距離の調整セパレータ軸7を用いて長さ調整と接続固定を行うこともできる点で、作業性や作業効率の向上が可能となる。
また、本第1の実施形態と同様に、双方の型枠間でセパレータ軸の寸法が合わないと気が付いたどちらかの端で、一方端が型枠パネルに接続固定されて長さが合わなくなった既存のセパレータ軸8Aの他方端の雄ねじが付いたままの状態を本第2の実施形態のセパレータ軸接続固定金具100の貫通孔5に差し込んで貫通させ当該セパレータ軸接続固定金具100をスライドしながら、長さが合わない距離を適切に調整しアンカーセパレータ軸8Bの雄ねじ部を、他方端の型枠に接続固定し、締込ねじ3を締め付けてしっかり接続固定することにより、簡単に長さが合わない端の距離を補うことが可能となる。この様に、本第2の実施形態のセパレータ軸接続固定金具100は、接続金具にアンカーセパレータ軸8Bとして、セパレータ軸が最初から付いている今までに無い新しい形体をしているため、わずかな距離で長さが合わなくても、本第2の実施形態のセパレータ軸接続固定金具100を使用すれば当初用意していた既存のセパレータ軸を貫通孔5に刺し通せばアンカーセパレータ軸8Bが付いているので、新たなセパレータ軸を用意する必要が無くなり、アジャスターとしての機能を発揮し、直ちに双方の型枠パネルの連結工程にうつれ、作業工程も少なく取り付けも容易となる。以上のように、一本の既存のセパレータ軸8Aだけをセパレータ軸調整金具1と強固な接続強度をみたし接続することが可能となったことで、前記説明のような今までに無い新しい使用の仕方と接続方法で、双方のセパレータ軸の連結が容易でトラブル解決と材料費削減や作業効率の向上が可能となる。
<その他の形態例>(1)本実施形態ではセパレータ軸調整金具1およびセパレータ軸接続金具2として六角形の筒状のものを使用したが、円形や楕円形、また三角形及び四角形その他多角形のものも使用することができる。(2)本実施形態では締込ねじ3として頭部に六角の穴が付いたもの止ねじを使用したが、先端に本実施形態のような突出部が設けられていれば十字穴付き止ねじ、すり割り付き止ねじ又六角穴付きボルトその他頭部を有する十字穴付き及すり割り付又多角形のボルト類やねじ類、四角頭の形状(図9に示す)のものも使用することができる 。(3)本実施形態ではセパレータ軸調整金具1の貫通孔5の全体に螺旋状の突起物を設けたが、雌ねじ孔4と重なる中央近辺だけに設けても良い(図10に示す)。(4)本実施形態ではセパレータ軸調整金具1の貫通孔5の形状を円形に形成し使用したが、楕円形、また三角形及び四角形その他多角形のものも使用することができる。(5)本実施形態ではセパレータ軸調整金具1の貫通孔5の内部形状に螺旋状の突起物を形成し使用したが、貫通孔5の内部のいずれかの場所に突起物の突先部間隔が狭くて、突起物の角度がきつく鋭利な突起物を設ければ他の形状でも使用することができる。(6)本実施形態ではセパレータ軸接続金具2の貫通孔6の内部に、左右の両端部に内径は差し込まれるセパレータ軸端部の雄ねじ部分がそのまま入る程度の大きさの無ねじの孔で、雄ねじとセパレータ軸本体部の間のセパレータ軸の首部が入る程度の深さの孔を形成し使用したが、貫通孔6の内部の一方端にのみ設けて、四角形や三角形その他多角形等の他の形状でも使用することもできる。さらに、本実施形態では貫通孔6の無ねじの孔は略円筒状としたが、無ねじ部分の形状を略三角柱や略四角柱などの形状としてもよい。(7)本実施形態ではセパレータ軸接続金具2の貫通孔6の内部の中央部にセパレータ軸端部の雄ねじを螺合して固定させるための雌ねじが形成し使用したが、貫通孔6の内部のいずれかの場所に当該雌ねじを設ければ他の形状でも使用することもできる。(8)本実施形態ではセパレータ軸接続金具2の貫通孔6の少なくとも一部に雌ねじを形成したが、雌ねじの代わりにカプラー状等の形状を設けてセパレータ軸を差し込んではめ込むタイプの構造等としてもよい。