JP2019099941A - 溶融紡糸装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】紡出された直後のフィラメントの近傍における気流の乱れを抑制し、且つ、複数の排気リング間におけるガスの吸引量のばらつきを低減すること。【解決手段】溶融紡糸装置は、複数の紡糸口金からフィラメントを紡出する紡糸部と、複数の冷却筒を有する冷却部と、紡糸部と冷却部との間に配置された排気装置4とを備える。排気装置4は、吸引ポンプ34と、紡出された複数のフィラメントをそれぞれ囲うように設けられた複数の排気リング32と、吸引ポンプ34に接続され、且つ、複数の排気リング32を囲うように設けられ、複数の排気リング32の内側から排出されたガスが流れる内部空間が形成された囲い部材31とを有する。各排気リング32には、複数の排気穴が形成され、各排気リング32の各排気穴の面積が30mm2以下であり、各排気リング32において、複数の排気穴の面積の総和の、排気リング32の内面積に対する割合が、2.5%以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、溶融紡糸装置に関する。
特許文献1には、糸を紡出する溶融紡糸装置が開示されている。溶融紡糸装置は、溶融されたポリマーをフィラメントとして紡出する複数の口金をそれぞれ有する紡糸パックと、複数の口金の下方に配置され、紡出されたフィラメントをそれぞれ冷却風により冷却する複数の冷却筒とを備える。
ここで、口金から紡出された直後のフィラメントからは、ポリマーの原料であるモノマーのガスが発生する。モノマーのガスが冷えて固化すると、モノマーが口金につらら状に付着したり、冷却筒に設けられたフィルターを目詰まりさせたりする等して、冷却筒からフィラメントに供給される冷却風が乱され、糸品質が悪化するおそれがある。さらに、一般的に、溶融紡糸装置の下方には、糸に油剤を付与する油剤ガイドが配置されており、固化したモノマーが油剤ガイドに付着すると、糸品質が悪化する等の悪影響も生じる。そこで、上記溶融紡糸装置は、複数の口金と複数の冷却筒との間にそれぞれ配置され、且つ、複数の口金から紡出された直後のフィラメントをそれぞれ囲うように設けられた複数のリング状のパイプ(以下、排気リングとする)をさらに備える。各パイプの周壁には、排気リングの内側のガスを吸い出すための複数の穴が等間隔に形成されている。これらの複数の穴を通して、口金の直下にあるガスが吸い出される。
DE102013012869A1
排気リングの内側からモノマーのガスを吸い出す際に、口金から紡出された直後のフィラメント近傍において気流が乱れると、糸揺れが生じやすく、糸品質が低下しやすくなる。また、一部の排気リングでガスが急激に吸引される等、複数の排気リング間でガスの吸引量がばらつくと、フィラメントの揺れ方等が複数の排気リング間で異なりやすくなり、糸品質がばらつきやすくなる。特に、近年、従来以上に細い(例えば、0.5DPF以下の)フィラメントからなる糸の製造が求められており、上述した問題がいっそう顕著になっている。
本発明の目的は、紡出された直後のフィラメントの近傍における気流の乱れを抑制し、且つ、複数の排気リング間におけるガスの吸引量のばらつきを低減することである。
第1の発明の溶融紡糸装置は、複数の紡糸口金を有し、前記複数の紡糸口金からそれぞれフィラメントを紡出する紡糸部と、前記複数の紡糸口金の下方にそれぞれ配置された複数の冷却筒を有し、前記複数の紡糸口金からそれぞれ紡出された前記フィラメントを冷却する冷却部と、前記フィラメントの走行方向において前記紡糸部と前記冷却部との間に配置され、紡出された前記フィラメントから発生するガスを吸引して排出する排気部と、を備え、前記排気部は、前記ガスを吸引する吸引装置と、前記複数の紡糸口金と前記複数の冷却筒との間にそれぞれ配置され、且つ、前記複数の紡糸口金から紡出された前記複数のフィラメントをそれぞれ囲うように設けられた複数の排気リングと、前記吸引装置に接続され、且つ、前記複数の排気リングを囲うように設けられ、前記複数の排気リングの内側から排出された前記ガスが流れる内部空間が形成された囲い部材と、を有し、各排気リングの周壁には、前記ガスが吸引排出される複数の排気穴が形成され、各排気リングの各排気穴の面積が、30mm2以下であり、各排気リングにおいて、前記複数の排気穴の面積の総和の、前記排気リングの内面積に対する割合が、2.5%以下であることを特徴とするものである。
本発明では、紡糸口金と冷却筒との間(すなわち、紡出された直後のフィラメントの近傍)に配置された排気リングの排気穴を通して、ガスが吸引排出される。本願発明者による鋭意検討の結果、以下のように、排気穴の面積が、気流の乱れの抑制や排気リング間のガスの吸引量のばらつきの低減に大きく関係することが知見された。
まず、本願発明者は、各排気穴の面積を30mm2以下として各排気穴の流路抵抗を大きくすることで、例えばガスの吸引方向において吸引装置に比較的近い位置に配置された排気穴等、ガスが流れやすい位置にある排気穴を通ってガスが集中的に吸引されることを抑制できることを見出した。つまり、各排気穴の流路抵抗を大きくすることで、各排気穴を通してガスを均等に吸引しやすくし、排気リングの内側において、気流が一部の排気穴に集中することを抑制でき、排気リングの内側における気流の乱れを抑制できることを見出した。さらに、本願発明者は、各排気穴の面積に加え、複数の排気穴の面積の総和の、排気リングの内面積に対する割合(以下、開口比率とする)に着目した。すなわち、本願発明者は、開口比率を2.5%以下とすることで、ガスの単位時間当たりの吸引量が排気リングの内部空間の容積に対して大きくなり過ぎることを抑え、排気リングの内側における気流の乱れを抑制できることを見出した。
また、本願発明者は、各排気穴の面積を小さくすることで、複数の排気リング間のガスの吸引量のばらつきも低減できることを見出した。すなわち、気流が一部の排気穴に集中することを抑制することで、気流が一部の排気穴に集中している場合と比べて、囲い部材の内部空間全体における流速ばらつきも低減することができ、複数の排気リング間のガスの吸引量のばらつきを抑制できることを見出した。さらに、開口比率を小さくし、排気リングの内側からガスが急激に排出されることを抑制することで、ガスが急激に排出される場合と比べて、囲い部材の内部空間において気流が乱れやすくなることを抑制し、排気リング間のガスの吸引量のばらつきを低減できることを見出した。
以上のように、各排気穴の面積及び開口比率を所定の値以下とすることで、紡出された直後のフィラメントの近傍における気流の乱れを抑制し、且つ、複数の排気リング間におけるガスの吸引量のばらつきを低減することができる。
第2の発明の溶融紡糸装置は、前記第1の発明において、各排気穴の面積が、13mm2以下であることを特徴とするものである。
本発明では、排気リングの内側の気流が一部の排気穴に集中することをさらに抑制することで、紡出された直後のフィラメントの近傍における気流の乱れを大きく抑制し、且つ、複数の排気リング間におけるガスの吸引量のばらつきを大きく低減することができる。
第3の発明の溶融紡糸装置は、前記第1又は第2の発明において、前記複数の排気穴の面積の総和の、前記排気リングの内面積に対する割合が、1.25%以下であることを特徴とするものである。
本発明では、上記割合を1.25%以下とし、排気リングの内側にあるガスが急激に吸引されることをさらに抑制することで、紡出された直後のフィラメントの近傍における気流の乱れを大きく抑制し、且つ、複数の排気リング間におけるガスの吸引量のばらつきを大きく低減することができる。
第4の発明の溶融紡糸装置は、前記第1〜第3のいずれかの発明において、各排気穴の面積が、7mm2以上であることを特徴とするものである。
各排気穴が小さ過ぎると、排気穴を通過しようとするガスが排気穴の内部或いは近傍で固化した場合に、排気穴が詰まりやすくなるおそれがある。したがって、排気穴が詰まることを抑制するために、各排気穴の面積を7mm2以上とすることが好ましい。
第5の発明の溶融紡糸装置は、前記第1〜第4のいずれかの発明において、各排気リングの前記複数の排気穴は、各排気リングの周方向において等間隔で配列されていることを特徴とするものである。
本発明では、各排気リングの複数の排気穴が周方向に等間隔で配列されているため、各排気リングの周方向においてガスが均等に排出されやすい。これにより、各排気リングの周辺におけるガスの流速を均一に近づけることができるので、各排気リングの周辺において流速が大きくばらついている場合と比べて、囲い部材の内部空間全体の流速ばらつきも抑えることができる。したがって、ガスの吸引量が排気リング間でばらつくことを抑制できる。
第6の発明の溶融紡糸装置は、前記第1〜第5のいずれかの発明において、各排気穴は、円形状を有することを特徴とするものである。
本発明では、各排気穴を滑らかな円形状とすることで、ガスが排気される際に乱流を発生しにくくすることができる。
また、紡出される糸の太さや種類によっては、複数の排気穴の総面積を変更することでガスの単位時間あたりの吸引量を変更したい場合が生じうる。本発明では、排気穴が円形状を有するため、排気穴を一般的なピン等で塞ぐことができる。或いは、排気穴に雌ねじを形成することで、排気穴を一般的なねじ等で塞ぐこともできる。つまり、排気穴を塞ぐピン或いはねじ等の数を増減させることで、複数の排気穴の総面積を変更できる。したがって、複数の排気穴の総面積を変更する際に、排気リングを交換する必要がなく、しかも排気穴の総面積を容易に変更できるため、コストや手間を省くことができる。
第7の発明の溶融紡糸装置は、前記第1〜第6のいずれかの発明において、前記紡糸部は、0.5DPF以下の太さのフィラメントを紡出可能であることを特徴とするものである。
0.5DPF以下の細くて軽いフィラメントは、気流の乱れによって揺れやすく、従来の太さのフィラメントと比べて、糸品質が低下しやすくなるおそれがある。本発明では、紡出された直後のフィラメントの近傍における気流の乱れを抑制できるため、細いフィラメントが紡出される構成において、糸品質のばらつきを特に効果的に抑制することができる。
第8の発明の溶融紡糸装置は、前記第1〜第7のいずれかの発明において、前記囲い部材は、前記ガスが吸引される吸引方向における下流側に向かうほど流路幅が狭くなる流路縮小部分と、前記流路縮小部分よりも前記吸引方向における前記吸引装置側に配置され、流路幅が一定な直線部分と、前記流路縮小部分と前記直線部分の間に配置され、流路が湾曲形状を有する湾曲部分と、を有することを特徴とするものである。
囲い部材において、例えば、流路縮小部分と直線部分とによって角が形成されていると、吸引装置側へ向かう気流が角の部分で剥離しやすくなり、渦が発生して圧力損失が起こるおそれがある。本発明では、流路縮小部分から直線部分に向かう気流が、湾曲部分に沿って滑らかに流れやすくなる。したがって、気流の剥離を起こりにくくして渦の発生を抑制することができる。
第9の発明の溶融紡糸装置は、前記第1〜第8のいずれかの発明において、前記囲い部材は、前記ガスが吸引される吸引方向において、上流側の第1部材と、下流側の第2部材とに分割されており、前記第2部材は、前記第1部材に着脱可能であることを特徴とするものである。
吸引されているガスが囲い部材の内部空間において固化すると、内部空間が狭くなり、吸引力が弱まるおそれがある。本発明では、囲い部材が第1部材と第2部材とに分割されており、第2部材が第1部材に着脱可能であるため、囲い部材の内部のメンテナンスを容易に行うことができる。したがって、吸引力が弱まることを抑制できる。
本実施形態に係る溶融紡糸装置の断面図である。 図1のII-II断面図である。 排気装置の平面図である。 図3のIV-IV断面図である。 接続部材の一部の断面図である。 実施例及び比較例の条件と、流体解析によって得られたガスの吸引量のばらつきのデータを示す図である。 排気リングの排気穴の配置例を示す図である。 実施例及び比較例を、排気リングの内面積に対する排出穴の面積の総和の割合順に並べ替えたデータを示す図である。 排気リング内における吸引量のばらつきの開口面積比依存性を示すグラフである。 排気リング間における吸引量のばらつきの開口面積比依存性を示すグラフである。 排気穴の配置依存性に関する解析結果を示す図である。 糸品質の実験結果のデータを示す図である。
次に、本発明の実施の形態について、図1〜図12を参照しながら説明する。
(溶融紡糸装置の概略構成)
まず、溶融紡糸装置1の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る溶融紡糸装置の断面図である。図2は、図1のII−II断面図である。なお、図1及び図2に示す上下方向、前後方向、及び、左右方向を、本実施形態の溶融紡糸装置1の上下方向、前後方向、及び、左右方向とそれぞれ定義して、以下の説明を進める。溶融紡糸装置1は、紡糸ビーム2(本発明の紡糸部)と、糸冷却装置3(本発明の冷却部)と、排気装置4(本発明の排気部)と、油剤ガイド5とを備える。
紡糸ビーム2は、溶融ポリマーからなる複数の糸Yを紡出するためのものである。本実施形態において紡出される溶融ポリマーは、例えば、ナイロン6(PA6)である。紡糸ビーム2は、複数のパックハウジング11を備える。複数のパックハウジング11には、複数の紡糸パック12がそれぞれ装着される。本実施形態では、12個のパックハウジング11に12個の紡糸パック12がそれぞれ装着される。複数のパックハウジング11(複数の紡糸パック12)は、左右方向に沿って千鳥状に2列に配列されている。各紡糸パック12には、図示しない配管等から溶融ポリマーが供給される。
各紡糸パック12の下端部には、複数のノズル14が形成された紡糸口金13が配置されている。紡糸パック12は、紡糸口金13の複数のノズル14から溶融ポリマーをフィラメントfとしてそれぞれ紡出する。つまり、1つの紡糸口金13から、複数のフィラメントfで構成された1本のマルチフィラメント糸(糸Y)が紡出される。本実施形態において、各ノズル14の開口面積は、例えば0.017mm2(φ0.15)〜0.07mm2(φ0.30)であり、紡糸ビーム2は、0.5DPF以下の細いフィラメントfを紡出可能である。ここで、紡出された直後のフィラメントfからは、溶融ポリマーの原料であるモノマー(本実施形態では、ε−カプロラクタム)のガスが発生する。モノマーのガスは、排気装置4によって吸引排出される。詳細については後述する。
糸冷却装置3は、複数の紡糸パック12から紡出されたフィラメントfを冷却するためのものである。糸冷却装置3は、紡糸ビーム2の下方に配置されている。図1及び図2に示すように、糸冷却装置3は、箱体20と、箱体20内に収容された複数の冷却筒21(本発明の糸冷却部)と、複数の仕切筒22等を有する。
図1に示すように、箱体20の内部空間は、整流板23によって上下に仕切られている。整流板23は、パンチングメタルなどの整流機能を有する材料で形成された部材であり、水平に配置されている。箱体20の上部空間(整流板23よりも上側の空間)の、紡糸パック12の直下の位置には、冷却筒21が配置されている。図2に示すように、複数の冷却筒21は、複数の紡糸パック12の配列に対応して、左右方向に沿って千鳥状に配列されている。冷却筒21の壁は、整流板23と同様、パンチングメタル等の整流機能を有する材料で形成されている。箱体20の下部空間(整流板23よりも下側の空間)の、複数の冷却筒21の直下の位置には、複数の仕切筒22が配置されている。仕切筒22の壁は、冷却筒21とは異なり、空気を透過させない材料で形成されている。フィラメントfは、紡糸パック12の直下の冷却筒21の内部空間と仕切筒22の内部空間を順に通過する。
箱体20の下部の後側部分には、ダクト25が接続されている(図1参照)。ダクト25は、圧空源(図示省略)に接続されている。圧空源によって、フィラメントfを冷却するための空気がダクト25内に送られる。空気は、ダクト25内を通って箱体20の下部空間内に供給される。
箱体20の下部空間に流入した冷却用の空気は、水平に配置された整流板23を通過して上向きに整流され、箱体20の上部空間へ流れる。箱体20の上部空間に流入した空気は、冷却筒21の壁を通過する際に整流されて、冷却筒21内へ流れ込む。これにより、冷却筒21内において、冷却筒21の外側全周からフィラメントfに空気が吹き付けられ、フィラメントfが冷却される。なお、仕切筒22の壁は空気を透過させないため、箱体20の下部空間から仕切筒22内へ直接空気が流れ込むことはない。
排気装置4は、紡糸口金13の複数のノズル14から紡出された直後の溶融ポリマーから発生するモノマーのガスを吸引排出する。詳細については後述する。
油剤ガイド5は、糸Yに油剤を付与するためのものである。油剤ガイド5は、冷却筒21及び仕切筒22の下方の位置に配置される。油剤ガイド5には、冷却筒21で冷却された糸Yが接触する。その際に、油剤ガイド5は糸Yに対して油剤を吐出して、糸Yに油剤を付与する。油剤ガイド5によって油剤が付与された糸Yは、油剤ガイド5の下方に配置された引取ローラ(不図示)によって引き取られる。さらに、糸Yは巻取装置(不図示)へ送られ、巻取装置においてボビン(不図示)に巻き取られる。
(排気装置の構成)
次に、排気装置4の構成について、図3〜図5を用いて説明する。図3は、排気装置4全体の平面図である。図4は、図3のIV−IV断面図である。図5は、後述する囲い部材31の一部の断面図である。
排気装置4は、紡出された直後の溶融ポリマーから発生するモノマーガスを含む気体(以下、単にガスとする)を吸引して排出するためのものである。図3に示すように、排気装置4は、囲い部材31と、複数(本実施形態では12個)の排気リング32と、ダクト33と、吸引ポンプ34(本発明の吸引装置)とを有する。概要としては、排気装置4は、吸引ポンプ34が動作することで、囲い部材31に装着されて囲われた複数の排気リング32の内側からガスを吸引し、囲い部材31の内部空間44(図4参照)及びダクト33内を通してガスを吸引排出する(図3の矢印参照)。以下、詳細について説明する。
囲い部材31は、複数の排気リング32が装着されることで複数の排気リング32を囲い、複数の排気リング32の内側から排出されたガスを吸引ポンプ34側へ流すためのものである。囲い部材31は、全体として概ね平らな形状を有している。囲い部材31においては、略水平に配置されて上下に並べられた平板41、42(図4参照)と、平板41と平板42の外周部同士を接続する側壁43(図4、図5参照)とによって、内部空間44(図4参照)が形成されている。囲い部材31は、ダクト33を介して吸引ポンプ34に接続されている。また、囲い部材31は、後方(ガスが吸引される吸引方向における上流側)に配置された1つの第1部材31aと、第1部材31aよりも前方(吸引方向における下流側)に配置された2つの第2部材31bとに分割されている(図3〜図5参照。詳細は後述する)。
囲い部材31は、複数の排気リング32を囲っている囲い部50と、囲い部50よりも吸引ポンプ34側に配置された2つの流路部60とを有する(図3及び図5において、囲い部50と2つの流路部60とが、二点鎖線101で区切られている)。囲い部50は、上方から見て矩形状であり(図3参照)、上下方向において紡糸ビーム2と糸冷却装置3の間に配置されている(図4参照)。囲い部50には、複数の排気リング32がそれぞれ嵌合される複数の嵌合穴51が形成されている。複数の嵌合穴51は、複数の紡糸口金13にそれぞれ対応して、左右方向に沿って千鳥状に2列に配列されている。2つの流路部60は、囲い部50の前端に接続された部分である。2つの流路部60は左右方向に並べて配置されており、それぞれが、上方から見て概ね三角形状を有する。2つの流路部60の前端部は、ダクト33にそれぞれ取り付けられている。
図3及び図5に示すように、各流路部60は、後方から順に、流路縮小部分61(二点鎖線101と二点鎖線102に挟まれた部分)と、湾曲部分62(二点鎖線102と二点鎖線103に挟まれた部分)と、直線部分63(二点鎖線103よりも前側の部分)とを有する。流路縮小部分61は、流路部60の後端から前方に向かうように配置され、前方(すなわち、吸引方向における下流側)に向かうほど流路幅がテーパ状に狭くなっている部分である。湾曲部分62は、吸引方向において、流路縮小部分61と直線部分63の間に配置されている。湾曲部分62の内壁面64(図5の太線参照)は、吸引ポンプ34側へ向かうほど流路幅が狭くなるように湾曲している。直線部分63は、流路縮小部分61及び湾曲部分62よりも吸引方向における下流側に配置された、流路幅が一定の部分である。直線部分63の前端部は、ダクト33に接続されている。ガスは、流路縮小部分61から直線部分63に向かって流れる際、湾曲部分62の内壁面64に沿って滑らかに流れやすい。このため、気流の剥離による渦の発生等が抑制される。
また、前述したように、囲い部材31は、吸引方向において、排気リング32側の第1部材31aと、吸引ポンプ34側の2つの第2部材31bとに分割されている。詳細には、図3〜図5に示すように、囲い部材31は、囲い部50の全体及び2つの流路部60の後側部分を形成する第1部材31aと、2つの流路部60の前側部分をそれぞれ形成する2つの第2部材31bとに分割されている。第1部材31aにおいては、平板41a、42a(図4参照)及び側壁43a(図4、図5参照)によって内部空間44aが形成されている。第2部材31bにおいては、平板41b、42b(図4参照)及び側壁43b(図5参照)によって内部空間44bが形成されている。図3及び図5に示すように、流路部60の流路縮小部分61は、第1部材31aに形成された第1流路縮小部分61aと、第2部材31bに形成された第2流路縮小部分61bとに分割される。流路部60の湾曲部分62及び直線部分63は、第2部材31bに形成されている。
第1部材31aと第2部材31bは、通常使用時、例えばボルト104とナット105によって固定されている(図4参照)。メンテナンス時には、ボルト104とナット105を外すことで、第2部材31bを第1部材31aから切り離すことができる。つまり、第2部材31bを第1部材31aに着脱させることが可能である。これにより、メンテナンス時に、囲い部材31の内部、特に流路部60の内部の清掃が容易となっている。
複数の排気リング32は、紡出された直後のフィラメントfから発生したガスを径方向外側へ排出するためのものである。図4に示すように、複数の排気リング32は、上下方向において紡糸パック12と冷却筒21の間に配置された部材である。各排気リング32は、紡出された直後のフィラメントfを囲うように設けられている。複数の排気リング32は、囲い部材31の複数の嵌合穴51にそれぞれ嵌合されており、囲い部材31に囲われるように取り付けられている。各排気リング32の周壁71には、各排気リング32の周方向に沿って、複数の排気穴72が並べて形成されている。複数の排気穴72によって、排気リング32の内側の空間と囲い部材31の内部空間44が互いに連通している。吸引ポンプ34が動作すると、紡出された直後のフィラメントfから発生したガスは、複数の排気穴72を通って、排気リング32の内側から囲い部材31の内部空間44へ吸引排出される。
排気穴72は、例えば円形状である(図4参照)。このように、排気穴72を滑らかな形状とすることで、ガスが排出される際に乱流を発生しにくくすることができる。また、排気穴72を円形状とすることで、一般的なピン(不図示)等が排気穴72に差し込み可能となっている。これにより、複数の排気穴72に差し込むピンの数に応じて、複数の排気穴72の開口面積の総和(開口総面積)を変更することが可能である。なお、開口総面積を変更可能とするために、排気穴72として周壁71に雌ねじ(不図示)が形成されており、ねじ(不図示)等が螺合可能になっていても良い。
ダクト33は、囲い部材31と吸引ポンプ34を接続するためのものである。ダクト33は、2つの上流部81と、1つの下流部82とを有する。2つの上流部81(左側の上流部83、及び、右側の上流部84)には、囲い部材31の2つの第2部材31bがそれぞれ取り付けられている。2つの上流部81は、下流部82の上流側端部に接続されて合流している。下流部82の下流側端部は、吸引ポンプ34に接続されている。これにより、囲い部材31の第2部材31bが第1部材31aから切り離されている状態で、第2部材31bを第1部材31aに対して動かすことができる。
吸引ポンプ34は、モノマーのガスを排気リング32の内側から吸引排出するためのものである。吸引ポンプ34には、一例として水流ポンプが用いられる。これにより、微小な吸引圧(例えば−5Pa)を発生させることが可能であり、且つ、モノマーのガスを水に溶解させて排出することが可能である。なお、吸引ポンプ34は水流ポンプに限定されるものではなく、例えばブロアー等を用いても良い。
以上の構成を有する排気装置4において、吸引ポンプ34が動作すると、吸引ポンプ34の吸引力により、モノマーのガスが、排気リング32の複数の排気穴72、囲い部材31の内部空間44、ダクト33の内部の順に通って吸引排出される(図3の矢印参照)。
ここで、細いフィラメントfが紡出されているとき、排気リング32の内側からモノマーのガスを吸い出す際に、紡糸口金13から紡出された直後のフィラメントfの近傍において気流が乱れると、糸揺れが生じ、糸品質が低下しやすくなる。例えば、排気リング32の内側からガスが急激に排出されると、フィラメントfの近傍において気流が乱れやすい。また、一部の排気リング32でガスが急激に吸引される等、複数の排気リング32間でガスの吸引量がばらつくと、糸の揺れ方等が複数の排気リング32間で異なりやすくなり、糸品質がばらつきやすくなる。このため、細いフィラメントfが紡出される場合、ガスを単に吸引すれば良いのではなく、気流の乱れや排気リング32間におけるガスの吸引量のばらつきを抑制しつつガスを吸引する技術が特に求められる。
そこで、本願発明者は、排気リング32に形成された複数の排気穴72のサイズ等に着目した。すなわち、以下に説明する流体解析により、(1)各排気穴72のサイズ、(2)各排気リング32の内面積に対する複数の排気穴72の面積の総和の割合(以下、開口比率と称する)、(3)排気穴72の配列、を適切に規定することで、気流の乱れ及び排気リング32間におけるガスの吸引量のばらつきを抑制できることを見出すに至った。
(解析条件)
本願発明者が行った流体解析について説明する。まず、全解析モデルの共通の条件は、以下のとおりである。すなわち、排気リング32の配列を、図3に示すものと同様の千鳥配列(12個)とした。また、吸引ポンプの吸引圧を−5Paとした。
次に、解析条件の詳細及び解析結果について、図6〜図11を用いて説明する。図6は、全ての実施例(実施例1〜8)及び比較例(比較例1〜4)の解析条件の詳細と解析結果を示すテーブルである。図6においては、実施例及び比較例を各排気穴72の面積順に並べている(太枠参照)。図7は、排気リングの排気穴の配置例を示す図である。図7(a)〜(c)は、排気リング32の上下方向と直交する断面図であり、図7(d)〜(f)は、排気リング32の側面図である。図8は、実施例1〜8及び比較例1〜3を開口比率順(太枠参照)に並べ替えたテーブルである。図9は、後述する吸引量のばらつき(排気リング32内)の、開口比率依存性を示すグラフである。図10は、吸引量のばらつき(排気リング32間)の、開口比率依存性を示すグラフである。図11は、吸引量のばらつきの、複数の排気穴72の配置依存性(太枠参照)を示すテーブルである。
図6、図8、図11には、具体的な条件として、紙面左方から順に、以下の7つの条件を記載している。すなわち、(1)排気穴72の形状、(2)各排気穴72のサイズ、(3)排気穴72の数、(4)複数の排気穴72の配置、(5)複数の排気穴72の面積の総和(穴の総面積)、(6)排気リング32の内面積、(7)開口比率、を記載している。
図6に示すように、排気穴72の形状(上記(1))の条件振りは、円形と、スリット形状の2条件とした。また、複数の排気穴72の配置(上記(4))の条件振りは、排気リング32の周方向において等間隔に配列したものと、左右方向における両側面に集中的に配置したものの2条件とした。なお、図7(a)、(d)は、実施例2の排気リング32(円形の排気穴72aが等間隔に配置された排気リング32a)を例示している。図7(b)、(e)は、実施例4の排気リング32(円形の排気穴72bが側面集中配置された排気リング32b)を例示している。図7(c)、(f)は、比較例4の排気リング32(スリット状の排気穴72cが等間隔に配置された排気リング32c)を例示している。
図6、図8、図11には、解析結果として、単位時間あたりのガスの吸引量、1つの排気リング32内におけるガスの吸引量のばらつき(CV%)、複数の排気リング32間におけるガスの吸引量のばらつき(CV%)、及び、判定(OK或いはNG)を記載している。単位時間あたりのガスの吸引量は、1つの排気リング32あたりの吸引量の平均値で表している。つまり、12個の排気リング32の内側から吸引されるガスの単位時間あたりの吸引量の総和を、排気リング32の数で割った平均値で表している。
1つの排気リング32内でのガスの吸引量のばらつき(以下、リング内ばらつきと称する)としては、以下のような値を記載している。まず、各排気リング32について、複数の排気穴72における単位時間あたりのガスの吸引量のデータの標準偏差を算出した。さらに、標準偏差を当該吸引量のデータの平均値で割った値をそれぞれ算出した(つまり、12個の排気リング32それぞれにおけるCV%を算出した)。さらに、当該12個のCV%の平均値を算出した。このように算出したCV%の平均値を、リング内ばらつきとして記載している。
12個の排気リング32間におけるガスの吸引量のばらつき(以下、リング間ばらつきと称する)としては、以下のような値を記載している。まず、各排気リング32について、単位時間あたりのガスの吸引量を算出した(つまり、12個の排気リング32それぞれにおける吸引量のデータを算出した)。さらに、12個の吸引量のデータの標準偏差を、12個の吸引量のデータの平均値で割った値(すなわち、CV%)を算出した。このように算出したCV%を、リング間ばらつきとして記載している。
リング内ばらつきは、以下に述べるように、排気リング32の内側における気流の乱れやすさ(つまり、糸の揺れやすさ)の指標となる。例えば、ある排気リング32のある排気穴72において、他の排気穴72と比べて吸引量が多い(すなわち、ガスが一部の排気穴72から偏って排出されており、排気リング32内で気流が乱れやすい)場合、リング内ばらつきの値が大きくなる。逆に、リング内ばらつきが小さい場合には、この値が大きい場合と比べて、ガスが複数の排気穴72から万遍なく排出されやすく、排気リング32の内側(すなわち、紡出された直後のフィラメントfの近傍)における気流の乱れが抑制されていることが示唆される。
リング間ばらつきは、例えば、一部の排気リング32で他の排気リング32よりもガスの吸引量が多い又は少ない(すなわち、糸の揺れ方等が複数の排気リング32間で異なりやすく、糸品質がばらつきやすい)場合に大きくなる。逆に、リング間ばらつきが小さい場合には、この値が大きい場合と比べて、複数の排気リング32間でガスが万遍なく吸引されていることが示唆される。
判定の基準としては、リング内ばらつき及びリング間ばらつきが共に2%以下のものをOKとし、いずれかが2%を超えるものをNGとした。以下、解析結果について説明する。
(排気穴のサイズ依存性)
図6に示すように、排気リング32の各排気穴72のサイズを7.1mm2〜57mm2の範囲で変更し、リング内ばらつきの比較及びリング間ばらつきの比較を行った(実施例1〜8、及び、比較例1〜4)。その結果、各排気穴72のサイズが7.1mm2(φ3)及び12.6mm2(φ4)の場合(実施例1〜6)、リング内ばらつき及びリング間ばらつきがいずれも2%以下(判定OK)となった。各排気穴72のサイズが28.3mm2(φ6)の場合、判定OKのもの(実施例7、8)と判定NGのもの(比較例1〜3)とに分かれた。各排気穴72のサイズが57mm2の場合(比較例4)、判定NGであり、特に、リング間ばらつきが3.1%と大きくなった。各排気穴72のサイズが大きくなると、リング内ばらつき及びリング間ばらつきが大きくなる傾向が見られた。
上記結果について、本願発明者は以下のように考察した。まず、各排気穴72の面積を小さくして流路抵抗を大きくすることで、例えばダクト33との接続部に近い位置に配置された排気穴72等、ガスが流れやすい位置にある排気穴72を通ってガスが集中的に吸引されることを抑制できると考えた。つまり、各排気穴72の流路抵抗を大きくすることで、各排気穴72を通してガスを均等が吸引されやすく、気流が一部の排気穴72に集中することを抑制できるため、リング内ばらつきが小さくなる。これにより、紡出された直後のフィラメントfの近傍における気流の乱れを抑制できると考えた。
また、本願発明者は、各排気穴72の面積を小さくすることで、複数の排気リング32間におけるガスの吸引量のばらつきも抑制できると考えた。すなわち、気流が一部の排気穴72に集中することを抑制することで、気流が一部の排気穴72に集中している場合と比べて、囲い部材31の内部空間44全体における流速ばらつきも低減することができ、リング間ばらつきも抑制できると考えた。
以上より、リング内ばらつき及びリング間ばらつきを小さくためには、各排気穴72の面積を少なくとも概ね30mm2以下として、各排気穴72の抵抗を大きくすることが必要となる。より好ましくは、各排気穴72の面積を概ね13mm2以下として、各排気穴72の抵抗をさらに大きくすることで、リング内ばらつき及びリング間ばらつきをさらに小さくすることができる。
ここで、排気穴72の面積は小さければ小さいほど良いわけではなく、モノマーのガスが排気穴72の内部或いは近傍で固化すると、排気穴72が詰まるおそれがある。したがって、排気穴72が詰まることを抑制するためには、各排気穴72の面積を7mm2以上とすることが好ましい。
(開口比率依存性)
次に、上述した各排気穴72のサイズ依存性の解析結果から、本願発明者は以下の点に着目した。すなわち、各排気穴72のサイズが同じでも、排気穴72の数の多少(つまり、各排気リング32における開口総面積の大小)に依存してリング内ばらつき及びリング間ばらつきが変動する。より詳細には、リング内ばらつき及びリング間ばらつきは、排気リング32の内面積の大きさに対する開口総面積の割合、すなわち開口比率にも影響されると、本願発明者は考えた。
そこで、本願発明者は、図8に示すように、各排気リング32の開口総面積の条件及び排気リング32の内面積の条件を変更することで、開口比率を0.70%〜3.88%の範囲で変更し(図8の太枠参照)、リング内ばらつき及びリング間ばらつきを比較した。排気リング32の開口総面積は、71mm2〜396mm2の範囲で変更した。排気リング32の内面積は、10207mm2(内径φ114mm)と12076mm2(内径φ124mm)の2条件とした。また、図8においては、排気穴72の形状が円形の実施例(実施例1〜8)及び比較例(比較例1〜3)のみ示している。
リング内ばらつきの、各排気穴72のサイズ依存性、及び、開口比率依存性についてまとめたグラフを図9に示す。各排気穴72の面積が28.3mm2以下、且つ、開口比率が約3%以下の場合に、リング内ばらつきが2%以下となった。開口比率が約1.25%以下になると、リング内ばらつきが1.5%以下となり、さらにばらつきが低減した。また、リング間ばらつきの、各排気穴72のサイズ依存性、及び、開口比率依存性についてまとめたグラフを図10に示す。各排気穴72の面積が28.3mm2以下、且つ、開口比率が約2.5%以下の場合に、リング間ばらつきが2%以下となった。開口比率が約1.25%以下になると、リング間ばらつきが1%以下となり、さらにばらつきが低減した。なお、排気穴72の面積を57mm2とした場合(比較例4)、開口比率が1.80%と小さいにもかかわらず、リング間ばらつきが3.1%と大きい。つまり、開口比率だけを小さくすれば良いわけではなく、上述したように、各排気穴72の面積も小さくする必要がある。
以上より、開口比率が約2.5%以下の場合(実施例1〜8)に、リング内ばらつき及びリング間ばらつきが共に2%以下と小さくなり、開口比率が2.5%を超える場合(比較例1〜3)に、リング間ばらつきが2%を大きく上回った。さらに、開口比率が約1.25%以下の場合(実施例1〜4)、リング内ばらつきが1.5%を下回り、リング間ばらつきが1%を下回るという良好な結果が得られた。
上記結果について、本願発明者は以下のように考察した。すなわち、開口比率が大きいと、ガスの単位時間当たりの吸引量が排気リング32の内部空間の容積に対して大きくなり、紡出された直後のフィラメントfの近傍における気流が乱れやすくなると考えた。また、開口比率が大きいと、排気リング32の内側からガスが急激に排出されやすく、囲い部材31の内部空間44において気流が乱れやすくなるため、リング間ばらつきが大きくなると考えた。一方、開口比率を小さく抑えることで、吸引量が排気リング32の内部空間の容積に対して大きくなり過ぎることを抑え、排気リング32の内側における気流の乱れを抑制できると考えた。また、開口比率を小さく抑えることで、排気リング32の内側からガスが急激に排出されることも抑制でき、リング間ばらつきも低減できると考えた。
なお、排気リング32の内面積以外の条件が同じ実施例(実施例2、3)及び比較例(比較例2、3)においては、排気リング32の内面積が大きい(すなわち、開口比率が小さい)方で、リング内ばらつき及びリング間ばらつきが大きい結果となった。これは、排気リング32の内面積が大きい条件においては、内面積が小さい条件と比べて、互いに隣接している排気リング32同士の間隔が狭く、排出されたガス同士が衝突して流れが乱れやすいことに起因すると考えられる。
以上より、リング内ばらつき及びリング間ばらつきを低減するためには、各排気穴72の面積を概ね30mm2以下とし、且つ、開口比率を2.5%以下とすることが必要となる。より好ましくは、開口比率を1.25%以下として、ガスをさらにゆっくり吸引することで、リング内ばらつき及びリング間ばらつきを大きく低減できる。
(排気穴の配置依存性)
また、図11に示すように、複数の排気穴72の配置依存性についても流体解析を行った。すなわち、各排気リング32における排気穴72の配置以外の条件が同じ実施例において、複数の排気穴72が等間隔に配置されている(図7(d)参照)場合と、両側面に集中的に配置されている(図7(e)参照)場合とで、リング内ばらつき及びリング間ばらつきを比較した。具体的には、実施例2と実施例4、実施例7と実施例8をそれぞれ比較した。その結果、排気穴72の配置が等間隔の場合に、リング内ばらつきが若干大きくなり、リング間ばらつきが若干小さく抑えられた。
上記結果について、本願発明者は以下のように考察した。すなわち、各排気リング32の複数の排気穴72が等間隔で配列されているため、各排気リング32の周方向においてガスが均等に排出されやすい。これにより、各排気リング32の周辺におけるガスの流速を均一に近づけることができるので、各排気リング32の周辺において流速が大きくばらついている場合と比べて、囲い部材31の内部空間44全体の流速ばらつきも抑えることができる。これにより、ガスの吸引量が排気リング32間でばらつくことを抑制できると考えた。したがって、リング間ばらつきを低減するためには、複数の排気穴72を排気リング32の周方向において等間隔で配列することが好ましい。
なお、複数の排気穴72が両側面に集中的に配置されている条件では、各排気穴72同士が近接して配置されている分、各排気穴72からのガスの吸引量が同程度になりやすいため、リング内ばらつきが小さくなりやすいと考えられる。一方で、複数の排気穴72が等間隔に配置されている場合と比べると、各排気リング32の周方向においてガスが均等に排出されにくいため、リング間ばらつきは若干大きくなると考えられる。
(糸品質の評価結果)
次に、本願発明者は、上記解析結果に基づき、実施例及び比較例の中からいくつかの条件を抜粋し、糸品質の実機評価を行った。その結果について、図12を用いて説明する。
図12に示すように、実施例2、5、6、及び、比較例2について、実際に糸を製造し、その糸物性について評価した。まず、共通の条件として、紡糸口金の径をφ85mm、排気リング32の内径をφ114mm(内面積10207mm2)とし、糸の太さを0.41DPFとした。また、排気穴72の形状を円形とし、且つ、開口比率を1.23%〜3.88%の範囲で変更して(紙面左側の太枠参照)、4種類の糸を製造した。糸品質の評価は、主にU%(紙面右側の太枠参照)の測定結果に基づいて行った。U%は、糸の太さのばらつきを示す糸物性であり、この値が小さいほど染め斑が発生しにくく、糸品質が良好となる。判定の基準としては、U%が0.6%以下のものをOKとし、0.6%を超えるものをNGとした。
その結果、実施例2、5、6においてU%が0.6%以下で判定OKとなり、比較例2においてU%が0.6%を超えて判定NGとなった。開口比率が小さく、リング内ばらつき及びリング間ばらつきの値が小さいほど、U%も小さくなり、糸品質がより良好となった。この結果から、開口比率を小さくしてリング内ばらつき及びリング間ばらつきを小さく抑えることで、より良品質の糸を製造できることが裏付けられ、解析結果と実機評価との整合が確認された。
以上のように、各排気穴72の面積を30mm2以下として各排気穴72の抵抗を大きくすることで、ガスが急激に排出されることを抑制できるとともに、ガスが流れやすい位置にある排気穴72を通ってガスが集中的に吸引されることを抑制できる。つまり、各排気穴72の抵抗を大きくすることで、各排気穴72を通してガスを均等に吸引しやすくし、排気リング32の内側において、気流が一部の排気穴72に集中することを抑制できる。さらに、開口比率を2.5%以下とすることで、ガスの単位時間当たりの吸引量が排気リングの内部空間の容積に対して大きくなり過ぎることを抑え、排気リング32の内側における気流の乱れを抑制できる。
さらに、各排気穴72の面積を小さくすることで、複数の排気リング32間におけるガスの吸引量のばらつきを低減することもできる。すなわち、気流が一部の排気穴72に集中することを抑制することで、気流が一部の排気穴72に集中している場合と比べて、囲い部材31の内部空間44全体における流速ばらつきを低減することができ、複数の排気リング32間におけるガスの吸引量のばらつきを低減できる。さらに、開口比率を小さくし、排気リング32の内側から急激にガスが排出されることを抑制することで、ガスが急激に排出される場合と比べて、囲い部材31の内部空間44において気流が乱れやすくなることを抑制し、排気リング32間におけるガスの吸引量のばらつきを低減できる。
以上のように、各排気穴72の面積及び開口比率を所定の値以下とすることで、紡出された直後のフィラメントfの近傍における気流の乱れを抑制し、且つ、複数の排気リング32間におけるガスの吸引量のばらつきを低減することができる。
より好ましくは、各排気穴72の面積を13mm2以下とし、排気リング32の内側の気流が一部の排気穴72に集中することをさらに抑制することで、紡出された直後のフィラメントfの近傍における気流の乱れを大きく抑制し、且つ、複数の排気リング32間におけるガスの吸引量のばらつきを大きく低減することができる。
さらに好ましくは、開口比率を1.25%以下とし、排気リング32の内側にあるガスが急激に吸引されることをさらに抑制することで、紡出された直後のフィラメントfの近傍における気流の乱れを大きく抑制し、且つ、複数の排気リング32間におけるガスの吸引量のばらつきを大きく低減することができる。
また、各排気穴72の面積を7mm2以上とすることで、排気穴72が詰まることを抑制することができる。
また、各排気リング32の複数の排気穴72を周方向に等間隔で配列することで、各排気リング32の周方向においてガスが均等に排出されやすくなる。これにより、各排気リング32の周辺におけるガスの流速を均一に近づけることができるので、各排気リング32の周辺において流速が大きくばらついている場合と比べて、囲い部材31の内部空間44全体の流速ばらつきも抑えることができる。したがって、ガスの吸引量が排気リング32間でばらつくことを抑制できる。
また、排気穴72を滑らかな円形状とすることで、ガスが排気される際に乱流を発生しにくくすることができる。さらに、排気穴72を一般的なピンやねじ等で塞ぐことができる。つまり、排気穴72を塞ぐピンやねじ等の数を増減させることで、開口総面積を変更できる。したがって、開口総面積を変更する際に、排気リング32を交換する必要がなく、しかも開口総面積を容易に変更できるため、コストや手間を省くことができる。
また、紡出された直後のフィラメントfの近傍における気流の乱れを抑制できるため、0.5DPF以下の細いフィラメントfが紡出される構成において、糸品質のばらつきを特に効果的に抑制することができる。
また、流路縮小部分61から直線部分63に向かう気流が、湾曲部分62に沿って滑らかに流れやすくなる。したがって、気流の剥離を起こりにくくして渦の発生を抑制することができる。
また、囲い部材31が第1部材31aと第2部材31bとに分割されており、第2部材31bが第1部材31aに着脱可能であるため、囲い部材31の内部のメンテナンスを容易に行うことができる。したがって、吸引力が弱まることを抑制できる。
特に、湾曲部分62や直線部分63の近傍においてモノマーのガスが固化すると、ガスの流路が詰まるおそれがある。囲い部材31が分割されており、第2部材31bが第1部材31aに着脱可能である構成は、流路が詰まることを抑制するために非常に有効である。
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
(1)前記実施形態においては、囲い部材31の流路縮小部分61と直線部分63との間に湾曲部分62が設けられているものとしたが、これには限られない。すなわち、流路縮小部分61と直線部分63によって角が形成されているような場合でも、ガスをゆっくり吸引することで渦の発生を抑制しても良い。
(2)前記までの実施形態においては、囲い部材31が第1部材31aと第2部材31bとに分割されているものとしたが、これには限られない。囲い部材31が分割されていない構成であっても、例えば、メンテナンス時に囲い部材31を加熱する等してモノマーを再び気化させ、吸引ポンプ34を動作させてガスを吸引することで、流路部60を清掃する等しても良い。或いは、囲い部材31に不図示のヒータや断熱材等を取り付け、内部空間44の温度を一定以上に保つことでモノマーガスの固化を抑制しても良い。
(3)前記までの実施形態においては、紡糸ビーム2は0.5DPF以下のフィラメントfを紡出するものとしたが、これには限られない。太いフィラメントfが紡出される場合であっても、ガスの吸引量のばらつきを抑えて気流の乱れを抑制することは、糸品質を向上させるために有効である。
(4)排気リング32の排気穴72の形状は、必ずしも円形状でなくても良く、例えば楕円形状等であっても良い。
(5)前述までの実施形態において、紡糸ビーム2はポリマーとしてナイロン6を紡出するものとしたが、これには限られない。他の種類のナイロンやポリエステル等のポリマーが紡出される場合においても、本発明を適用することはもちろん可能である。
2 紡糸ビーム(紡糸部)
3 糸冷却装置(冷却部)
4 排気装置(排気部)
13 紡糸口金
21 冷却筒
31 囲い部材
31a 第1部材
31b 第2部材
32 排気リング
34 吸引ポンプ(吸引装置)
61 流路縮小部分
62 湾曲部分
63 直線部分
71 周壁
72 排気穴
f フィラメント
次に、解析条件の詳細及び解析結果について、図6〜図11を用いて説明する。図6は、全ての実施例(実施例1〜8)及び比較例(比較例1〜4)の解析条件の詳細と解析結果を示すテーブルである。図6においては、実施例及び比較例を各排気穴72の面積順に並べている(太枠参照)。図7は、排気リングの排気穴の配置例を示す図である。図7(a)〜(c)は、排気リング32の側面図である。図7(d)〜(f)は、排気リング32の上下方向と直交する断面図である。図8は、実施例1〜8及び比較例1〜3を開口比率順(太枠参照)に並べ替えたテーブルである。図9は、後述する吸引量のばらつき(排気リング32内)の、開口比率依存性を示すグラフである。図10は、吸引量のばらつき(排気リング32間)の、開口比率依存性を示すグラフである。図11は、吸引量のばらつきの、複数の排気穴72の配置依存性(太枠参照)を示すテーブルである。
そこで、本願発明者は、図8に示すように、各排気リング32の開口総面積の条件及び排気リング32の内面積の条件を変更することで、開口比率を0.70%〜3.88%の範囲で変更し(図8の太枠参照)、リング内ばらつき及びリング間ばらつきについて実施例1〜8及び比較例1〜3の間で比較を行った。排気リング32の開口総面積は、71mm2〜396mm2の範囲で変更した。排気リング32の内面積は、10207mm2(内径φ114mm)と12076mm2(内径φ124mm)の2条件とした。また、図8においては、排気穴72の形状が円形の実施例(実施例1〜8)及び比較例(比較例1〜3)のみ示している。
(排気穴の配置依存性)
また、図11に示すように、複数の排気穴72の配置依存性についても流体解析を行った。すなわち、各排気リング32における排気穴72の配置以外の条件が同じ実施例において、複数の排気穴72が等間隔に配置されている(図7(d)参照)場合と、両側面に集中的に配置されている(図7(e)参照)場合とで、リング内ばらつき及びリング間ばらつきについて比較を行った。具体的には、実施例2と実施例4、実施例7と実施例8をそれぞれ比較した。その結果、排気穴72の配置が等間隔の場合に、リング内ばらつきが若干大きくなり、リング間ばらつきが若干小さく抑えられた。

Claims (9)

  1. 複数の紡糸口金を有し、前記複数の紡糸口金からそれぞれフィラメントを紡出する紡糸部と、
    前記複数の紡糸口金の下方にそれぞれ配置された複数の冷却筒を有し、前記複数の紡糸口金からそれぞれ紡出された前記フィラメントを冷却する冷却部と、
    前記フィラメントの走行方向において前記紡糸部と前記冷却部との間に配置され、紡出された前記フィラメントから発生するガスを吸引して排出する排気部と、を備え、
    前記排気部は、
    前記ガスを吸引する吸引装置と、
    前記複数の紡糸口金と前記複数の冷却筒との間にそれぞれ配置され、且つ、前記複数の紡糸口金から紡出された前記複数のフィラメントをそれぞれ囲うように設けられた複数の排気リングと、
    前記吸引装置に接続され、且つ、前記複数の排気リングを囲うように設けられ、前記複数の排気リングの内側から排出された前記ガスが流れる内部空間が形成された囲い部材と、を有し、
    各排気リングの周壁には、前記ガスが吸引排出される複数の排気穴が形成され、
    各排気リングの各排気穴の面積が、30mm2以下であり、
    各排気リングにおいて、前記複数の排気穴の面積の総和の、前記排気リングの内面積に対する割合が、2.5%以下であることを特徴とする溶融紡糸装置。
  2. 各排気穴の面積が、13mm2以下であることを特徴とする請求項1に記載の溶融紡糸装置。
  3. 前記複数の排気穴の面積の総和の、前記排気リングの内面積に対する割合が、1.25%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶融紡糸装置。
  4. 各排気穴の面積が、7mm2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融紡糸装置。
  5. 各排気リングの前記複数の排気穴は、各排気リングの周方向において等間隔で配列されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶融紡糸装置。
  6. 各排気穴は、円形状を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の溶融紡糸装置。
  7. 前記紡糸部は、0.5DPF以下の太さのフィラメントを紡出可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の溶融紡糸装置。
  8. 前記囲い部材は、
    前記ガスが吸引される吸引方向における下流側に向かうほど流路幅が狭くなる流路縮小部分と、
    前記流路縮小部分よりも前記吸引方向における前記吸引装置側に配置され、流路幅が一定な直線部分と、
    前記流路縮小部分と前記直線部分の間に配置され、流路が湾曲形状を有する湾曲部分と、を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の溶融紡糸装置。
  9. 前記囲い部材は、
    前記ガスが吸引される吸引方向において、上流側の第1部材と、下流側の第2部材とに分割されており、
    前記第2部材は、前記第1部材に着脱可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の溶融紡糸装置。
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