JP2019099721A - 共重合体、ゴム組成物、樹脂組成物、タイヤ及び樹脂製品 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、下記特許文献1は、共役ジエン部分(共役ジエン化合物由来部分)のシス−1,4結合含量が70.5mol%より大きく、非共役オレフィンの含有量が10mol%以上である、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの共重合体が開示されており、また、この共重合体が、耐亀裂成長性及び耐候性の良好なゴム組成物を製造するのに用いられることが開示されている。
また、本発明者が更に検討したところ、上記特許文献1に開示の共重合体を用いて組成物を製造する際、混練における作業性にも改善の余地があることが分かった。
また、本発明は、かかる共重合体を含み、耐破壊特性と耐摩耗性と作業性とに優れたゴム組成物及び樹脂組成物、並びに、耐破壊特性と耐摩耗性とに優れたタイヤ及び樹脂製品を提供することを更なる課題とする。
前記エチレン単位の含有量が、80〜96mol%であり、
前記非共役オレフィン単位の含有量が、3〜19mol%であり、
前記共役ジエン単位の含有量が、1〜17mol%であることを特徴とする。
かかる本発明の共重合体は、耐破壊特性と耐摩耗性とに優れ、また、該共重合体を用いた組成物の混練における作業性にも優れる。
また、本発明によれば、耐破壊特性と耐摩耗性と作業性とに優れたゴム組成物及び樹脂組成物、更には、耐破壊特性と耐摩耗性とに優れたタイヤ及び樹脂製品を提供することができる。
本発明の共重合体は、エチレン単位と、炭素数が4〜10の非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位と、を少なくとも含有する共重合体であって、前記エチレン単位の含有量が、80〜96mol%であり、前記非共役オレフィン単位の含有量が、3〜19mol%であり、前記共役ジエン単位の含有量が、1〜17mol%であることを特徴とする。
また、本発明の共重合体は、非共役オレフィン単位の含有量が3mol%以上であり、エチレンの連鎖長が短くなるため、ガラス転移温度(Tg)が低下し、耐摩耗性が向上する。
また、本発明の共重合体は、共役ジエン単位の含有量が1mol%以上であり、不飽和結合を十分に有するため、架橋性が良好である。
なお、エチレン単位の含有量が多くなると、共重合体を用いた組成物の混練における作業性が低下する傾向があるが、本発明の共重合体は、共役ジエン単位の含有量が1mol%以上であることで、混練における作業性を良好にできる。また、共役ジエン単位の含有量が多くなると、耐オゾン特性が低下する傾向があるが、該共重合体は、非共役オレフィン単位の含有量が3mol%以上であることで、耐オゾン特性の低下を抑制できる。
そのため、本発明の共重合体は、耐破壊特性及び耐摩耗性に優れ、また、該共重合体を用いた組成物の混練における作業性にも優れ、更には、架橋性及び耐オゾン特性が良好である。
なお、共役ジエン単位中の3,4又は1,2−ビニル結合量の上限値は、特に限定はなく、共役ジエン単位中の3,4又は1,2−ビニル結合量は、100mol%以下である。
また、「主鎖が非環状構造のみからなる」とは、主鎖が、脂肪族環構造、芳香環構造及び複素環構造のいずれをも含まないことを意味する。例えば、エチレンと、炭素数4〜10の非共役オレフィン化合物と、共役ジエン化合物とが、共重合に際して、環化反応することなく付加重合して、主鎖を形成することで、主鎖が非環状構造のみからなる多元共重合体を製造することができる。なお、共重合体の主鎖が非環状構造のみからなるか否かの確認には、NMRが主要な測定手段として用いられる。具体的には、主鎖に存在する環状構造に由来するピーク(例えば、三〜五員脂環式構造については、10〜24ppmに現れるピーク)が観測されない場合、その共重合体の主鎖は、非環状構造のみからなることを示す。
更に、本発明の多元共重合体は、主鎖が直鎖のみからなるものであってもよく、側鎖を有していてもよい。
また、本発明の共重合体は、DSCで測定される融点が、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることが更に好ましい。共重合体の融点が50℃以上であれば、耐破壊特性が更に向上するという利点がある。
なお、共重合体において、融点の高い/低いと、結晶化度の高い/低いとは、必ずしも相関するものではなく、結晶成分が共重合体中における結晶成分の存在状態(例えば、エチレン単位の連鎖長)等、様々な要因によって決まる。
上述した本発明の共重合体は、例えば、下記一般式(I):
また、置換シクロペンタジエニルは、フェナントレンを有してもよく、シクロペンタジエニル基の誘導体として、(1−ベンジルジメチルシリル)シクロペンタ[l]フェナントレン等が挙げられる。
ZR1 eR2 fR3 g ・・・ (II)
[式中、Zは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属元素であり、R1及びR2は、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R1、R2及びR3はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、また、Zが周期律表第1族から選択される金属元素である場合には、eは1で且つf及びgは0であり、Zが周期律表第2族及び第12族から選択される金属元素である場合には、e及びfは1で且つgは0であり、Zが周期律表第13族から選択される金属元素である場合には、e、f及びgは1である]で表わされる有機金属化合物(B)を含むことが好ましい。
AlR1R2R3 ・・・ (IIa)
[式中、R1及びR2は、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R1、R2及びR3はそれぞれ互いに同一又は異なっていてもよい]で表される有機アルミニウム化合物が好ましい。該有機アルミニウム化合物は、上記一般式(II)において、ZがAlで、e、f及びgが1である化合物に相当する。
前記重合触媒組成物中の、前記希土類元素化合物(A)の含有量に対する、前記有機金属化合物(B)の含有量の割合(重合系における希土類元素化合物(A)の量に対する有機金属化合物(B)の量の割合)(モル比)は、反応活性の観点から、3以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましく、また、50以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましく、30以下であることが更に好ましい。
ここで、非配位性アニオンとしては、4価のホウ素アニオン、例えば、テトラフェニルボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル、ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル)、フェニル]ボレート、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート等が挙げられ、これらの中でも、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましい。
一方、カチオンとしては、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオン、トリチルカチオン等を挙げることができる。カルボニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(置換フェニル)カルボニウムカチオン等の三置換カルボニウムカチオン等が挙げられ、トリ(置換フェニル)カルボニウムカチオンとして、より具体的には、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオン等が挙げられる。アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン(例えば、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン)等のトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオン等が挙げられる。ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリールホスホニウムカチオン等が挙げられる。
従って、イオン性化合物(C)としては、上述の非配位性アニオン及びカチオンからそれぞれ選択し組み合わせた化合物が好ましく、具体的には、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が好ましい。
前記重合触媒組成物中の、前記希土類元素化合物(A)の含有量に対する、前記イオン性化合物(C)の含有量の割合(重合系における希土類元素化合物(A)の量に対するイオン性化合物(C)の量の割合)(モル比)は、反応活性の観点から、0.1以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.7以上であることが更に好ましく、また、2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることが更に好ましい。
上記ルイス酸として、具体的には、四塩化チタン、六塩化タングステン、トリ(ペンタフルオロフェニル)ポレート、メチルアルミニウムジブロマイド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジクロライド、ブチルアルミニウムジブロマイド、ブチルアルミニウムジクロライド、ジメチルアルミニウムブロマイド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムブロマイド、ジブチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムセスキブロマイド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムセスキクロライド、アルミニウムトリブロマイド、トリ(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、ジブチル錫ジクロライド、四塩化錫、三塩化リン、五塩化リン、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン等が挙げられ、これらの中でも、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイドが特に好ましい。
前記重合触媒組成物におけるハロゲン化合物(D)の含有量は、触媒活性を向上させる観点から、上述の希土類元素化合物(A)に対して0倍モル以上であることが好ましく、0.5倍モル以上であることが更に好ましく、1.0倍モル以上であることが特に好ましく、また、20倍モル以下であることが好ましく、10倍モル以下であることが更に好ましい。
なお、重合触媒組成物におけるアルミノキサン(E)の含有量は、上述の希土類元素化合物(A)を構成する元素Mと、アルミノキサンを構成するアルミニウム元素Alとの元素比率Al/Mが、10〜1000程度となるようにすることが好ましい。
なお、希土類元素化合物(F)及びシクロペンタジエン骨格含有化合物(G)は、それぞれ、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記一般式(III)中のX”は、前記一般式(I)中ののX、X’と同様に定義され、好ましい例も同様である。
ここで、置換シクロペンタジエン化合物、置換インデン化合物、置換フルオレン化合物の置換基としては、ヒドロカルビル基、メタロイド基が挙げられ、ヒドロカルビル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることがより一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。
前記カップリング反応に用いるカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビス(マレイン酸−1−オクタデシル)ジオクチルスズ等のスズ含有化合物;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;グリシジルプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ビス(マレイン酸−1−オクタデシル)ジオクチルスズが、反応効率と低ゲル生成の点で、好ましい。
本発明のゴム組成物は、上述の共重合体を含むことを特徴とする。かかる本発明のゴム組成物は、耐破壊特性と耐摩耗性と作業性とに優れる。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、上述の共重合体を含み、更に必要に応じて、その他のゴム成分、充填剤、架橋剤、その他の成分を含むことができる。
なお、本発明においては、ゴム組成物が上記の共重合体を含む場合は、該共重合体は、ゴム成分として扱い、ゴム成分中の上記共重合体の含有率は10質量%以上が好ましい。
前記充填剤の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対し、10〜100質量部が好ましく、20〜80質量部がより好ましく、30〜60質量部が特に好ましい。前記充填剤の配合量が10質量部以上であることにより、充填剤を配合したことによる補強性向上の効果が得られ、また、100質量以下であることにより、良好な作業性を保持することができる。
前記架橋剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜20質量部が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上述の共重合体を含むことを特徴とする。かかる本発明の樹脂組成物は、耐破壊特性と耐摩耗性と作業性とに優れる。
本発明の樹脂組成物は、樹脂成分として、上述の共重合体を含み、更に必要に応じて、その他の樹脂成分、及び各種添加剤を含むことができる。
なお、本発明においては、樹脂組成物が上記の共重合体を含む場合は、該共重合体は、樹脂成分として扱い、樹脂成分中の上記共重合体の含有率は10質量%以上が好ましい。
また、添加剤としては、帯電防止剤、滑剤、結晶核剤、粘着性付与剤、防曇剤、離型剤、可塑剤、充填剤、顔料、染料、香料、難燃剤等が挙げられる。
本発明のタイヤは、上述のゴム組成物を用いたことを特徴とする。かかる本発明のタイヤは、耐破壊特性と耐摩耗性とに優れる。
タイヤにおける本発明のゴム組成物の適用部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トレッド、ベーストレッド、サイドウォール、サイド補強ゴム及びビードフィラー等が挙げられる。
本発明の樹脂製品は、上述の樹脂組成物を用いたことを特徴とする。かかる本発明の樹脂製品は、耐破壊特性と耐摩耗性とに優れる。
なお、本発明の樹脂製品の用途は、特に限定されず、少なくとも一部に樹脂部分を有する種々の物品に適用できる。
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、Sc(CH2SiMe3)3(THF)(0.260g、0.577mmol)のトルエン溶液(10ml)に、1,3−(tBuMe2Si)2C9H6(0.152g、0.441mmol)のトルエン溶液(10ml)を室温にて10分かけて滴下し、2時間攪拌した。次いで、溶液を減圧下で乾燥させた。残渣にトルエン(20ml)を加え、混合物を攪拌しながら、減圧下で軽沸点物質(THF、トルエン、Me4Si)を除去した。1H−NMR測定による、1,3−(tBuMe2Si)2C9H6及びSc(CH2SiMe3)3(THF)の完全な変換が観察されるまで手順を繰り返した。得られた粗生成物にトルエンを加え、不溶物を濾別した。濾液を濃縮し、濃縮物を−30℃に冷却し、無色結晶として、下記式:
1H−NMR(C6D6,δ/ppm):7.79 (d, 2H, aromatic), 7.47 (s, 1H, aromatic), 6.90 (d, 2H, aromatic), 3.36 (br, 4H, THF), 1.13 (br, 4H, THF), 0.87 (s, 18H, tBuSi×2), 0.60 (d, 12H, Me2Si×2), 0.25 (d, 12H, Me3Si×3), -0.091 (dd, 4H, CH2×2).
錯体Aの合成方法において、1,3−(tBuMe2Si)2C9H6の代わりに、(1−C6H5CH2Me2Si−3−C5H9)C9H6(0.147g、0.442mmol)を用いること以外は同様にして、下記式:
錯体Aの合成方法において、1,3−(tBuMe2Si)2C9H6の代わりに、[(1−C6H5CH2−3−tBuMe2Si)C9H6](0.142g、0.443mmol)を用いること以外は同様にして、下記式:
錯体Aの合成方法において、1,3−(tBuMe2Si)2C9H6の代わりに、[1−(C6H5CH2Me2Si)C17H11](0.162g、0.443mmol)を用いること以外は同様にして、下記式:
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、錯体D(19.7mg、0.03mmol)、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4](27.6mg、0.03mmol)、及びトリイソブチルアルミニウム0.50mmolを仕込み、トルエン20mLを加えて、触媒溶液とした。
十分に乾燥した2,000mL耐圧ステンレス反応器に、1−ヘキセン50.0g(0.59mol)とトルエン250gを加えた。
上記で調製した触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、40℃に加温した。次いで、イソプレン20g(0.29mol)を含む単量体溶液80gを導入し、エチレン圧下(0.22MPa)で、110分間、重合を行った。
次いで、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLをその耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、三元共重合体を得た。得られた三元共重合体の収量は、70gであった。
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、錯体B(18.7mg、0.03mmol)、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4](27.6mg、0.03mmol)、及びトリイソブチルアルミニウム0.35mmolを仕込み、トルエン20mLを加えて触媒溶液とした。
十分に乾燥した2,000mL耐圧ステンレス反応器に、1−ヘキセン50.0g(0.59mol)とトルエン250gを加えた。
上記で調製した触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、40℃に加温した。次いで、イソプレン17g(0.249mol)を含む単量体溶液69gを導入し、エチレン圧下(0.22MPa)で、155分間、重合を行った。
次いで、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLをその耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、三元共重合体を得た。得られた三元共重合体の収量は、63gであった。
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、錯体C(18.3mg、0.03mmol)、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4](27.6mg、0.03mmol)、及びトリイソブチルアルミニウム0.50mmolを仕込み、トルエン20mLを加えて触媒溶液とした。
十分に乾燥した2,000mL耐圧ステンレス反応器に、1−ヘキセン50g(0.59mol)とトルエン250gを加えた。
上記で調製した触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、40℃に加温した。次いで、イソプレン28g(0.41mol)を含む単量体溶液110gを導入し、エチレン圧下(0.15MPa)で、110分間、重合を行った。
次いで、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLをその耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、三元共重合体を得た。得られた三元共重合体の収量は、48gであった。
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、錯体C(18.3mg、0.03mmol)、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4](27.6mg、0.03mmol)、及びトリイソブチルアルミニウム0.50mmolを仕込み、トルエン20mLを加えて触媒溶液とした。
十分に乾燥した2,000mL耐圧ステンレス反応器に、1−ヘキセン33g(0.39mol)とトルエン270gを加えた。
上記で調製した触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、40℃に加温した。次いで、イソプレン15g(0.22mol)を含む単量体溶液60gを導入し、エチレン圧下(0.15MPa)で、60分間、重合を行った。
次いで、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLをその耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、三元共重合体を得た。得られた三元共重合体の収量は、40gであった。
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、錯体C(18.3mg、0.03mmol)、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4](27.6mg、0.03mmol)、及びトリイソブチルアルミニウム0.50mmolを仕込み、トルエン20mLを加えて触媒溶液とした。
十分に乾燥した2,000mL耐圧ステンレス反応器に、1−オクテン40g(0.36mol)とトルエン340gを加えた。
上記で調製した触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、40℃に加温した。次いで、イソプレン19.5g(0.29mol)を含む単量体溶液78gを導入し、エチレン圧下(0.15MPa)で、120分間、重合を行った。
次いで、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLをその耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、三元共重合体を得た。得られた三元共重合体の収量は、65gであった。
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、錯体C(18.3mg、0.03mmol)、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4](27.6mg、0.03mmol)、及びトリイソブチルアルミニウム0.50mmolを仕込み、トルエン20mLを加えて触媒溶液とした。
十分に乾燥した2,000mL耐圧ステンレス反応器に、1−オクテン40g(0.36mol)とトルエン340gを加えた。
上記で調製した触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、40℃に加温した。次いで、イソプレン56g(0.82mol)を含む単量体溶液224gを導入し、エチレン圧下(0.30MPa)で、120分間、重合を行った。
次いで、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLをその耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、三元共重合体を得た。得られた三元共重合体の収量は、70gであった。
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、錯体D(33.0mg、0.05mmol)、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4](51.0mg、0.055mmol)、及びトリイソブチルアルミニウムハイドライド1.0mmolを仕込み、トルエン20mLを加えて触媒溶液とした。
十分に乾燥した2,000mL耐圧ステンレス反応器に、トルエン300gを加えて、プロピレン60g(1.43mol)を溶かした。
上記で調製した触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、40℃に加温した。次いで、イソプレン5.3g(0.08mol)を含む単量体溶液21gを導入し、エチレン圧下(0.22MPa)で、40分間、重合を行った。
次いで、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLをその耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、三元共重合体を得た。得られた三元共重合体の収量は、38gであった。
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、錯体A(18.7mg、0.03mmol)、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Ph3CB(C6F5)4](27.6mg、0.03mmol)、及びトリイソブチルアルミニウム0.50mmolを仕込み、トルエン20mLを加えて触媒溶液とした。
十分に乾燥した2,000mL耐圧ステンレス反応器に、1−ヘキセン80g(0.95mol)とトルエン250gを加えた。
上記で調製した触媒溶液を前記耐圧ステンレス反応器に加え、40℃に加温した。次いで、イソプレン15g(0.22mol)を含む単量体溶液60gを導入し、エチレン圧下(0.12MPa)で、90分間、重合を行った。
次いで、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLをその耐圧ステンレス反応器に加えて反応を停止させた。
次いで、大量のメタノールを用いて共重合体を分離し、50℃で真空乾燥し、三元共重合体を得た。得られた三元共重合体の収量は、53gであった。
共重合体中のイソプレン単位、エチレン単位、及びプロピレン単位、1−ヘキセン単位又は1−オクテン単位の含有量(mol%)、並びに、イソプレン単位における1,4−結合しているイソプレン単位の含有量(mol%)及び3,4−結合しているイソプレン単位の含有量(mol%、3,4−ビニル結合量)は、1H−NMR(373K、C2D4Cl2溶媒)スペクトルにおける、各ピークの積分比より、下記の式に従って算出した。
また、「mol%」を「wt%」に換算して、イソプレン単位、エチレン単位、及びプロピレン単位、1−ヘキセン単位又は1−オクテン単位の含有量(wt%)を求めた。
参考として、実施例5の共重合体の1H−NMRスペクトルを図2に示す。
4.90〜5.20ppmのピークの積分値をI1(1,4−結合に由来)、
4.50〜4.90ppmのピークの積分値をI2(3,4−ビニル結合に由来)、
0.80〜2.40ppmのピークの積分値をI3、
0.80〜1.1ppmのピークの積分値をI4(オレフィンメチルに由来)とした。
また、1H−NMRスペクトルから、いずれの共重合体も、イソプレン単位中の1,2−ビニル結合量が0mol%であることを確認した。
共重合体中のイソプレン単位の含有量(mol%)=(12×I1+6×I2)/(3×I3−9×I1−3×I2−2×I4)×100
イソプレン単位における1,4結合しているイソプレン単位の含有量(mol%)=2×I1/(2×I1+I2)
イソプレン単位における3,4結合しているイソプレン単位の含有量(mol%)=100−イソプレン単位における1,4結合しているイソプレン単位の含有量(mol%)
プロピレン単位の含有量(mol%)=4×I4/(3×I3−9×I1−3×I2−2×I4)×100
エチレン単位の含有量(mol%)=100−イソプレン単位の含有量(mol%)−プロピレン単位の含有量(mol%)
共重合体中のイソプレン単位の含有量(mol%)=(12×I1+6×I2)/(3×I3−9×I1−3×I2−8×I4)×100
イソプレン単位における1,4結合しているイソプレン単位の含有量(mol%)=2×I1/(2×I1+I2)
イソプレン単位における3,4結合しているイソプレン単位の含有量(mol%)=100−イソプレン単位における1,4結合しているイソプレン単位の含有量(mol%)
1−ヘキセン単位の含有量(mol%)=4×I4/(3×I3−9×I1−3×I2−8×I4)×100
エチレン単位の含有量(mol%)=100−イソプレン単位の含有量(mol%)−1−ヘキセン単位の含有量(mol%)
共重合体中のイソプレン単位の含有量(mol%)=(12×I1+6×I2)/(3×I3−9×I1−3×I2−12×I4)×100
イソプレン単位における1,4結合しているイソプレン単位の含有量(mol%)=2×I1/(2×I1+I2)
イソプレン単位における3,4結合しているイソプレン単位の含有量(mol%)=100−イソプレン単位における1,4結合しているイソプレン単位の含有量(mol%)
1−オクテン単位の含有量(mol%)=4×I4/(3×I3−9×I1−3×I2−12×I4)×100
エチレン単位の含有量(mol%)=100−イソプレン単位の含有量(mol%)−1−オクテン単位の含有量(mol%)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー製HLC−8220GPC/HT、カラム:東ソー製GMHHR−H(S)HT×2本、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、共重合体のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を求め、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。なお、測定温度は40℃である。
示差走査熱量計(DSC、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、「DSCQ2000」)を用い、JIS K 7121−1987に準拠して、共重合体の融点(Tm)を測定した。融点(Tm)が低い程、結晶性が低く、作業性が良好であることを示し、該融点(Tm)が120℃以下であれば、作業性が特に良好である。
参考として、実施例5の共重合体のDSCチャートを図3に示す。
100%結晶成分のポリエチレンの結晶融解エネルギーと、得られた共重合体の融解ピークエネルギーを測定し、ポリエチレンと共重合体とのエネルギー比率から、結晶化度を算出した。なお、融解ピークエネルギーは、DSCで測定した。
合成した各共重合体について、13C−NMRスペクトルを測定した。測定には、ヘキサクロロブタジエンを溶媒として用いた。いずれの共重合体についての13C−NMRスペクトルにおいても、三〜五員脂環式構造を形成する炭素に由来するピーク(10〜24ppm)が存在しなかった。このようにして、合成した共重合体の主鎖が非環状構造のみからなることを確認することができた。
上記のようにして得られた共重合体を用いて、表2に示す配合処方のゴム組成物を調製し、160℃で20分間加硫して得た加硫ゴムに対し、下記の方法に従って、(6)耐破壊特性、(7)耐摩耗性、(8)耐オゾン特性を評価した。結果を表1に示す。
得られた加硫ゴムのサンプルについて、JIS K6251に従って、引張試験により、室温での破断点強度を測定し、比較例1を100として指数表示した。指数値が大きい程、耐破壊特性が良好であることを示す。
ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%で摩耗量を測定し、比較例1の摩耗量の逆数を100とする指数で表示した。指数値が大きい程、耐摩耗性が良好であることを示す。
得られた加硫ゴムのサンプルについて、JIS K6259に従って、耐オゾン特性を測定した。短冊状試験片を30%の動的伸張を与えながら、40℃、オゾン濃度50pphm条件で暴露し、24時間後の試料の状況(亀裂の有無)を目視で判断した。評価基準を以下に示す。
○: 亀裂なし
△: 微細な亀裂あり
×: 全体に大きな亀裂あり
*2 加硫促進剤1: N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、ノクセラーCZ−G
*3 加硫促進剤2: ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、ノクセラーDM−P
なお、上記カーボンブラック(FEF級)のN2SAは、42m2/gである。
Claims (13)
- エチレン単位と、炭素数が4〜10の非共役オレフィン単位と、共役ジエン単位と、を少なくとも含有する共重合体であって、
前記エチレン単位の含有量が、80〜96mol%であり、
前記非共役オレフィン単位の含有量が、3〜19mol%であり、
前記共役ジエン単位の含有量が、1〜17mol%であることを特徴とする、共重合体。 - 重量平均分子量(Mw)が、50,000以上である、請求項1に記載の共重合体。
- 前記共役ジエン単位中の3,4又は1,2−ビニル結合量が、30mol%以上である、請求項1又は2に記載の共重合体。
- 示差走査熱量測定(DSC)で測定される融点が、120℃以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の共重合体。
- 結晶化度が、5.0〜50%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の共重合体。
- 主鎖が非環状構造のみからなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の共重合体。
- 前記非共役オレフィン単位が、α−オレフィン単位である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の共重合体。
- 前記非共役オレフィン単位が、1−ヘキセン単位及び1−オクテン単位の少なくとも1種から選択される、請求項7に記載の共重合体。
- 前記共役ジエン単位が、1,3−ブタジエン単位及び/又はイソプレン単位を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の共重合体。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の共重合体を含むことを特徴とする、ゴム組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の共重合体を含むことを特徴とする、樹脂組成物。
- 請求項10に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする、タイヤ。
- 請求項11に記載の樹脂組成物を用いたことを特徴とする、樹脂製品。
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