JP2019098577A - 木質化粧単板及びこれを備えた化粧板 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、下記特許文献1には、水溶性樹脂と水に可溶な紫外線吸収剤を含む水溶液を木材に含浸させて改質する方法が開示されている。
図1は、本実施形態に係る木質化粧単板の一例及びこれを備えた化粧板の一例を模式的に示す図である。
面取り部4は、図1(b)に示すように、木質化粧単板3の厚さ方向(単板厚さ方向)に沿う深さ寸法が木質化粧単板3の厚さ寸法以下とされている。つまり、木質化粧単板3表面から面取り部4と木質化粧単板3側端面との境界部までの単板厚さ方向に沿う寸法が木質化粧単板3の厚さ寸法以下とされている。換言すれば、面取り部4は、木質化粧単板3の厚さ内に設けられている。また、本実施形態では、図1(a)に示すように、木質化粧単板3の四周の表面側縁部に、面取り部4を設けた構成としている。なお、図例では、面取り部4を、C面取り形状とした例を示しているが、多面取り形状としたり、R面取り形状としたりしてもよい。
また、本実施形態では、図1(b)に示すように、木質化粧単板3(化粧板1)の表面に浮造り加工を施した構成とされている。これにより、比較的に柔らかい部位(例えば、春材部)の表面部位が削り取られて凹部分6となり、比較的に硬い部位(例えば、秋材部)等、それ以外の部位が凸部分となって表面に凹凸形状が形成される。このような構成とすれば、化粧板1の表面に立体感を付与しながらも、上記同様、凹部分6においても変退色を効果的に抑制することができる。この浮造り加工は、表面粗さRz(最大高さ粗さ)が20μm〜60μmとなるように施されている。なお、浮造り加工は、例えば、ブラシ(ワイヤーブラシ)を設けた浮造り加工機によって表面を掻き取る(削り取る)ブラッシングによって施すようにしてもよく、サンドブラスト等によって施す態様としてもよい。
この木質化粧単板3を構成する広葉樹木材の樹種としては、ナラ、バーチ(カバ)、ブナ、タモ、メープル、ウォールナットが挙げられるが、その他、種々の樹種でもよい。木質化粧単板3を構成する広葉樹木材の比重は、小さすぎれば、含浸剤の含浸性は良好となるが、硬度や耐久性が低くなる傾向があるため、上記のように0.5以上であればよい。
実施例1では、比重0.65のメープル材に含浸剤として分子量150のPEGMAが質量比で20%含浸された木材を厚さ2.0mmにスライスして木質化粧単板を作製した。この木質化粧単板を、厚さ10mmのラワン合板に積層一体化し、表面側縁部に深さ1.5mmの面取り部を設け、実施例1に係る化粧板を得た。また、実施例1では、表面仕上げを未塗装仕上げとした。
実施例2では、ベンゾトリアゾール系のエマルジョン型紫外線吸収剤が質量比で5%含浸され、表面に紫外線吸収剤無添加のウレタンアクリレート塗料を塗装したこと以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。
実施例4では、広葉樹木材を比重0.60のバーチ材とし、PEGMAの分子量を200とし、これを質量比で35%含浸させ、表面に紫外線吸収剤無添加のウレタンアクリレート塗料を塗装したこと以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。
実施例5では、PEGMAを質量比で20%含浸させたこと以外は実施例4と同様にして化粧板を得た。
実施例6では、PEGMAの分子量を50とし、木質化粧単板の厚さを1.0mmとしたこと以外は実施例5と同様にして化粧板を得た。
実施例8では、ベンゾトリアゾール系のエマルジョン型紫外線吸収剤が質量比で10%含浸され、木質化粧単板の厚さを2.0mmとしたこと以外は実施例7と同様にして化粧板を得た。
実施例9では、酸化亜鉛が質量比で10%含浸され、木質化粧単板の厚さを2.0mmとしたこと以外は実施例7と同様にして化粧板を得た。
実施例10では、PEGMAを質量比で40%含浸させたこと以外は実施例4と同様にして化粧板を得た。
実施例12では、ベンゾトリアゾール系のエマルジョン型紫外線吸収剤を質量比で3%含浸させたこと以外は実施例8と同様にして化粧板を得た。
実施例13では、酸化亜鉛を質量比で15%含浸させたこと以外は実施例9と同様にして化粧板を得た。
実施例14では、酸化亜鉛を質量比で3%含浸させたこと以外は実施例9と同様にして化粧板を得た。
比較例2では、PEGMAの分子量を300とし、これを質量比で20%含浸させたこと以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。
比較例3では、表面に、ウレタンアクリレート塗料100部に対して紫外線吸収剤が5部添加された塗料を塗装したこと以外は比較例1と同様にして化粧板を得た。
比較例4では、木質化粧単板の厚さを0.5mmとしたこと以外は実施例7と同様にして化粧板を得た。
<変退色評価試験>
上記各実施例1〜14及び各比較例1〜4に係る化粧板の表面に、フェードメーター(キセノンウェザーメーターNX25 スガ試験機)を用いて48時間照射し、照射前後での表面部及び面取り部における変退色を、分光測色計(L*a*b*表色系)で測定した。また、表面部及び面取り部における色差ΔEが、3未満を〇(良)、3以上5未満を△(可)、5以上を×(不良)と判断した。
また、表面に紫外線吸収剤が添加された塗料が塗装された比較例3の化粧板では、表面部の変退色については認められなかったものの、面取り部においては顕著な変退色が認められる結果となった。
また、分子量が200以下で適正な含浸率でPEGMAが含浸された厚さ0.5mmの木質化粧単板が積層された比較例4の化粧板は、表面部の変退色については僅かであったものの、面取り部においては顕著な変退色が認められる結果となった。
2 基材
3 木質化粧単板
4 面取り部
Claims (5)
- 比重0.5以上の広葉樹木材に、分子量200以下のPEGMAが質量比で20%以上40%以下含浸され、かつ厚さが1.0mm以上3.0mm以下であることを特徴とする木質化粧単板。
- 請求項1において、
前記広葉樹木材に、分子量700以下のエマルジョン型紫外線吸収剤が質量比で3%以上15%以下含浸されていることを特徴とする木質化粧単板。 - 請求項1または2において、
前記広葉樹木材に、酸化亜鉛が質量比で3%以上15%以下含浸されていることを特徴とする木質化粧単板。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の木質化粧単板が基材に積層され、かつ表面側縁部に、前記木質化粧単板の厚さ以下の深さの面取り部が設けられていることを特徴とする化粧板。
- 請求項4において、
表面に表面粗さRzが20μm〜60μmの浮造り加工が施されていることを特徴とする化粧板。
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