JP2019097366A - 電力変換装置の漏電電流抑制制御方法 - Google Patents

電力変換装置の漏電電流抑制制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】直流電源電圧を直流コンデンサで2分圧した中性点と交流側のフィルタコンデンサのY結線の中点とを接続した電力変換装置の漏電電流を抑制する。【解決手段】前記電力変換装置の3相電圧指令値に基づいて、該3相電圧指令値に重畳する3次成分の零相電圧指令値を演算する3アーム変調部14と、前記直流部の2分圧された一方の電圧の検出値と他方の電圧の検出値の差分を求め、該差分と3アーム変調部14で演算された零相電圧指令値との偏差を演算する減算器19と、3アーム変調部14の零相電圧指令値に対して、前記減算器19の偏差がゼロとなるように制御を行って、最終の3相電圧指令値を生成する直流電圧バランス制御部20と、前記最終の3相電圧指令値と搬送波を比較してゲート指令信号を生成するPWM部21と、を有し、前記電力変換装置のスイッチング素子を制御するように構成した。【選択図】 図2

Description

本発明は、直流部に中性点をもつマルチレベル電力変換装置における、漏電電流を抑制する技術に関する。
中性点クランプ(NPC:Neutral Point Clamped)3レベル変換器(以下、3レベルNPC変換器と略称する)は、3相交流−直流変換、直流−3相交流変換を行う電力変換装置に応用されている。3レベルNPC変換器では、直流電圧源として2分圧されたコンデンサ電圧を利用する。
従来、例えば特許文献1では、一般的な2レベル変換器の仮想中性点電位と、変換器の3相交流側のLCLまたはLCフィルタにおけるY結線されたフィルタコンデンサのY結線の中点とを接続している。
これは、スイッチングデバイスのON・OFF動作のスイッチングに起因する対地電圧変動によって生じるコモンモード電流(漏電電流)を装置内に循環させることにより、電力変換装置のコモンモード電流を抑制し、対地電圧を安定化させる方法のひとつである。
特開平9−294381号公報
3レベルNPC変換器においては、直流側の2分圧されたコンデンサの中性点と3相交流側のフィルタコンデンサのY結線の中点とを接続することで、前記2レベル変換器の場合と同様にコモンモード電流を抑制できるという効果が得られる。
一般的に、直流−3相交流変換器(インバータ)では、電圧利用率向上のため3相の出力電圧指令値に出力周波数の3倍の周波数成分の零相電圧指令値を重畳する変調方式が用いられる。
3レベルNPC変換器においては、2分圧されたコンデンサの中性点の電圧を制御するために、上下の直流電圧の偏差を利用して零相電圧成分を制御する。また、電圧利用率を改善するためには重畳した零相成分の3次成分の電圧を用いるため、交流側のフィルタコンデンサの中性点の電位が変動する。
したがって、Y結線されたフィルタコンデンサの中点と2分圧された制御される直流コンデンサの中性点には、干渉が生じるため、これらに電圧差が生じることになり、循環電流(漏電電流)が流れるという課題がある。
例えば図6は、従来の3レベルNPC変換器における、3相の電圧指令、零相変調信号、PWM変調信号、直流電圧源の上側コンデンサの直流電圧PM、下側コンデンサの直流電圧MN、Y結線されたフィルタコンデンサのフィルタ中性点電位および2分圧された直流コンデンサの直流中性点電位の一例を示している。
この図6からわかるように、直流コンデンサの中性点電位がゼロ付近に制御されている(PMとMNが同値)ため、Y結線されたフィルタコンデンサのフィルタ中性点電位と直流中性点電位に電位差が生じており、これによって循環電流(漏電電流)が流れるという課題がある。
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は、直流部の正、負極端間電圧を直流コンデンサで2分圧した中性点と接続された交流側のフィルタコンデンサのY結線の中点との電圧差を制御によって低減し、電力変換装置からの漏電電流を抑制することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の電力変換装置の漏電電流抑制制御方法は、
交流電力から直流電力への変換か、又は直流電力から交流電力への変換の少なくともいずれか一方を行う電力変換装置であって、直流部の正、負極端間電圧を直流コンデンサで2分圧した中性点と、交流側のフィルタコンデンサのY結線の中点とを接続した電力変換装置において、
前記電力変換装置の3相電圧指令値に基づいて、該3相電圧指令値に重畳する3次成分の零相電圧指令値を演算する零相電圧指令値演算ステップと、
前記直流部の2分圧された一方の電圧の検出値と他方の電圧の検出値の差分を求め、該差分と前記零相電圧指令値演算ステップで演算された零相電圧指令値との偏差を演算する零相成分演算ステップと、
前記零相電圧指令値に対して、前記零相成分演算ステップで演算された偏差がゼロとなるように制御を行って、最終の3相電圧指令値を生成する直流電圧バランス制御ステップとを備え、
前記直流電圧バランス制御ステップで生成された最終の3相電圧指令値と搬送波を比較して生成したゲート指令信号によって前記電力変換装置のスイッチング素子を制御することを特徴としている。
また、請求項2に記載の電力変換装置の漏電電流抑制制御方法は、請求項1において、
前記零相電圧指令値演算ステップで演算された零相電圧指令値を、前記直流部の2分圧された一方の電圧の検出値と他方の電圧の検出値の各逆数に係数を乗じた値によって振幅補正し、電圧指令値を生成する直流電圧補正ステップを備え、
前記直流電圧バランス制御ステップは、前記直流電圧補正ステップで生成された電圧指令値に対して前記制御を行って最終の3相電圧指令値を生成することを特徴としている。
また、請求項3に記載の電力変換装置の漏電電流抑制制御方法は、請求項2において、
前記直流部の正、負極端間電圧が、設定した電圧より低い領域であるときに、前記零相成分演算ステップで用いる零相電圧指令値を小さくする制限ステップを備えていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の電力変換装置の漏電電流抑制制御方法は、請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記電力変換装置は、
交流電力を直流電力に変換する電力変換器であって、第1の交流側のフィルタコンデンサのY結線の中点と、第1の直流部の正、負極端間電圧を直流コンデンサで2分圧した中性点とを接続した順変換器と、
直流電力を交流電力に変換する電力変換器であって、正極、負極が前記第1の直流部の正極、負極に各々接続された第2の直流部の、正、負極端間電圧を直流コンデンサで2分圧した中性点と、第2の交流側のフィルタコンデンサのY結線の中点とを接続した逆変換器とを備えて構成され、
前記順変換器のスイッチング素子および前記逆変換器のスイッチング素子を、前記請求項1ないし3のいずれか1項に記載の漏電電流抑制制御方法を用いて各々制御することを特徴としている。
(1)請求項1〜4に記載の発明によれば、直流部の正、負極端間電圧を直流コンデンサで2分圧した中性点電圧と交流側のフィルタコンデンサのY結線の中点電圧との電位差が低減することにより、コモンモード電流(電力変換装置の漏電電流)が抑制される。これによって、コモンモード電流により発生する損失やコモンモード電圧の変動を低減することができる。
(2)請求項2に記載の発明によれば、3相電圧指令値の基本波成分に対して、直流電圧変動による交流電圧への影響を補正することができる。
(3)請求項3に記載の発明によれば、直流部の直流電圧が低い領域においても所望の交流電圧を出力することができる。
(4)請求項4に記載の発明によれば、順変換器と逆変換器を接続した交流−直流−交流の変換装置においても、前記(1)〜(3)と同様の効果が得られる。
本発明の実施例1、2が適用される電力変換装置の構成を示す回路図。 本発明の実施例1の構成を示すブロック図。 本発明の実施例2の構成を示すブロック図。 本発明の実施例3が適用される電力変換装置の構成を示す回路図。 本発明の効果を表す、電力変換装置の各部の信号波形図。 従来技術の課題を表す、電力変換装置の各部の信号波形図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
図1は本発明が適用される電力変換装置の一例を表し、電力変換器は一般的な3レベルNPCインバータとし、直流側の中性点と、Y結線されたフィルタコンデンサの中点とを接続した構成となっている。
図1において、1P,1Nは、図示省略の直流電源の正極端Pと負極端Nの間に直列に接続された直流コンデンサである。また、直流電源の正極端Pと負極端Nの間には、インバータを構成する半導体スイッチング素子(例えばIGBTなど)2Ua,2Ub,2Va,2Vb,2Wa,2Wbが3相ブリッジ接続されている。
前記直流コンデンサ1Pには直流電圧VdcPMが印加され、直流コンデンサ1Nには直流電圧VdcMNが印加される。
直流コンデンサの中性点M(1Pと1Nの共通接続点)と半導体スイッチング素子2Ua,2Ubの共通接続点との間には、半導体スイッチング素子3Ua,3Ubが直列に接続され、中性点Mと半導体スイッチング素子2Va,2Vbの共通接続点との間には、半導体スイッチング素子3Va,3Vbが直列に接続され、中性点Mと半導体スイッチング素子2Wa,2Wbの共通接続点との間には、半導体スイッチング素子3Wa,3Wbが直列に接続されている。
インバータの交流出力側は、リアクトル4U,4V,4Wおよびフィルタコンデンサ5U,5V,5Wから成るフィルタ回路を介して図示省略の負荷に接続される。
フィルタコンデンサ5U,5V,5Wは、Y結線され、その中点は直流コンデンサの中性点Mに接続されている。
前記各半導体スイッチング素子2Ua〜2Wb、3Ua〜3Wbをオン、オフ制御することにより、直流電源側の直流電力が交流電力に変換されて交流負荷に供給される。
図2は、本実施例1による、図1の電力変換装置の制御回路を示している。
図2において、11は図1のインバータのインバータ電流指令値Iinv_refとインバータ電流検出値Iinv_detの偏差を取る減算器である。
12は、減算器11の偏差電流出力に対してACR(Automatic Current Regulator :自動電流調整)制御を施すACR部である。
ACR部12の出力は加算器13において基準電圧Vac_detと加算され、3相電圧指令値が生成される。
14は電圧利用率改善のための3アーム変調部であり、加算器13から出力される3相電圧指令値に基づいて、該3相電圧指令値に重畳する3次成分の零相電圧指令値を演算する(零相電圧指令値演算ステップ)。
15は、3アーム変調部14で演算された3次成分の零相電圧指令値を、図1の上側の直流コンデンサ1Pの直流電圧検出値VdcPM_detと下側の直流コンデンサ1Nの直流電圧検出値VdcMN_detの各逆数の係数を乗じた値によって振幅補正し、補正した電圧指令値を生成する直流電圧補正部である。この直流電圧補正部15によって電圧指令値の振幅が補正される(直流電圧補正ステップ)ため、直流電圧変動による交流電圧への影響が補正される。
16は、図1の上側の直流コンデンサ1Pの直流電圧検出値VdcPM_detと下側の直流コンデンサ1Nの直流電圧検出値VdcMN_detの偏差を求める減算器である。
17は、一次遅れ要素の伝達関数をK/(1+ST)とし、前記減算器16の偏差出力の高周波成分を除去するローパスフィルタである。このローパスフィルタ17の出力は、図1の直流側の中性点Mの電圧に相当するものである。
前記3アーム変調部14で演算された3次成分の零相電圧指令値はゲイン乗算器18においてゲインGが乗算された後、減算器19の正側入力端に入力される。このゲイン乗算器18の出力は零相成分、すなわち図1のフィルタコンデンサ5U,5V,5WのY結線の中点の電圧に相当するものである。
減算器19はゲイン乗算器18の出力(零相成分)とローパスフィルタ17の出力(直流側の中性点電圧成分)の偏差を求める(零相成分演算ステップ)。
20は、直流電圧補正部15で補正された電圧指令値に対して、減算器19の偏差出力がゼロとなるように制御を行って最終の3相電圧指令値を生成する直流電圧バランス制御部である。
21は、直流電圧バランス制御部20から出力される最終の3相電圧指令値と、搬送波、例えば三角波キャリアをコンパレータによって比較し、論理値として図1の各半導体スイッチング素子に対するゲート指令信号Gateを生成して出力するPWM(パルス幅変調)部である。
図2の構成において、直流電圧バランス制御部20が、直流電圧補正部15で補正された電圧指令値に対して、減算器19の偏差出力がゼロとなるように制御を行っているので、3相電圧指令値に重畳する零相電圧に合わせて直流電圧の上下間電圧差(図1の直流電圧PMとMNの差)が生じるように動作し、これにより直流側の中性点Mを変動させて交流側のフィルタコンデンサの中点との電圧差を小さくして、循環電流(漏電電流:図1のコモンモード電流Icom)を抑制することができる。
例えば、図5は、図1の電力変換装置を図2の制御回路で制御した場合の、3相の電圧指令、零相変調信号、PWM変調信号、直流電圧源の上側コンデンサの直流電圧PM、下側コンデンサの直流電圧MN、Y結線されたフィルタコンデンサのフィルタ中性点電位および2分圧された直流コンデンサの直流中性点電位の一例を示している。
この図5からわかるように、直流電圧PMとMNに偏差を持たせているため直流中性点(M)が変動して交流側のフィルタコンデンサの中点との電圧差が極めて小さくなっている。
本発明は、図1の電力変換装置に適用するに限らず、交流電力を直流電力に変換するコンバータにも適用でき、直流側に中性点を持ち、直流中性点を制御可能であれば、どのような構成でも適用できる。交流側のフィルタはL−C、L−C−L、L−C−Trなどがあるが、Y結線されたフィルタコンデンサを用いる構成であれば良い。
また図2において、3相の電圧指令値を利用しているため、太陽光PCS(Power Conditioning System)などの系統連系インバータのように電流制御系(ACR部12)としているが、UPS(無停電電源装置)や瞬低補償装置のように、負荷電圧を制御する電圧制御系(AVR)においても本発明の制御構成を適用可能である。
以上のように本実施例1によれば、3相交流側のY結線されたフィルタコンデンサの中点と2分圧されたコンデンサの中性点を接続した3相交流−直流、直流−3相交流変換器において、電圧利用率改善のための零相電圧補正と直流コンデンサ電圧の偏差とを利用した中性点電位制御の干渉を低減する零相成分の制御ループを設けたので、コモンモード電流(電力変換装置の漏電電流)が抑制され、これによってコモンモード電流により発生する損失やコモンモード電圧の変動を低減することができる。
図2の回路では、直流電圧が低い時に所望の交流電圧を出力できなくなることを防ぐため、直流電圧補正部15が電圧指令値の振幅を大きくしていた。しかしこれでは、直流コンデンサの中性点電圧が変動したときに電圧指令値が飽和して所望の交流電圧を出力できなくなる。
そこで本実施例2では、図3の回路のように零相電圧指令値を直流電圧検出値に応じて可変とした。図3において図2と同一部分は同一符号をもって示している。図3において図2と異なる点は、例えば図1の直流電源の正極端Pと負極端Nの間の直流電圧検出値VdcPN_detが、設定した電圧より低い領域において、ゲイン乗算器18に入力される零相電圧指令値(3アーム変調部の出力)を小さくするための係数を出力するリミッタ30(制限部)を設け、このリミッタ30の出力を、乗算器31において、ゲイン乗算器18に入力される零相電圧指令値に乗算する(制限ステップ)ことにあり、その他の部分は図2と同一に構成されている。
リミッタ30は、入力電圧(VdcPN_det)が、設定した電圧未満の領域では例えば0から1.0まで徐々に値が大となり、設定した電圧以上の領域では1.0の値となる係数を出力する。
このように直流電圧検出値VdcPN_detが低い領域において減算器19の偏差出力を小さくすることで、直流電圧が低い領域においても所望の交流電圧を出力できるようになる。なお、直流電圧が低い領域では高い領域に比べて循環電流(漏電電流)が小さくなるので、直流中性点の変動を小さくしても問題とはならない。
この実施例3は、図4に示すように、無停電電源装置のような交流を直流に変換する順変換器100と、直流を交流に変換する逆変換器200から構成される電力変換装置に本発明を適用した実施例である。
図4において図1と同一部分は同一符号をもって示している。図4の順変換器100は、正、負極端P、N間に3相ブリッジ接続された半導体スイッチング素子42Ua,42Ub,42Va,42Vb,42Wa,42Wbを備え、さらに正、負極端P、N間に直列接続された直流コンデンサ41P、41Nの中性点M1と半導体スイッチング素子42Ua,42Ubの共通接続点との間には、半導体スイッチング素子43Ua,43Ubが直列に接続され、中性点M1と半導体スイッチング素子42Va,42Vbの共通接続点との間には、半導体スイッチング素子43Va,43Vbが直列に接続され、中性点M1と半導体スイッチング素子42Wa,42Wbの共通接続点との間には、半導体スイッチング素子43Wa,43Wbが直列に接続されている。
これら半導体スイッチング素子と、図示省略の交流電源との間にはリアクトル44U,44V,44Wおよびフィルタコンデンサ45U,45V,45Wから成る交流フィルタが接続されている。
直流コンデンサ41Pおよび41Nの共通接続点である中性点M1とフィルタコンデンサ45U,45V,45WのY結線の中点は接続されている。
逆変換器200は、図1のインバータ回路と同様に構成され、正、負極端は順変換器100の正、負極端P、Nに各々接続され、直流コンデンサ1Pおよび1Nの共通接続点である中性点M2とフィルタコンデンサ5U,5V,5WのY結線の中点は接続されている。
上記のように構成された順変換器100、逆変換器200は、図2の制御回路か又は図3の制御回路によって各々制御されるものである。
このため順変換器100および逆変換器200を備えた図4の電力変換装置は、実施例1、実施例2と同様の作用、効果が得られる。
1P,1N,41P,41N…直流コンデンサ
2Ua,2Ub,2Va,2Vb,2Wa,2Wb,3Ua,3Ub,3Va,3Vb,3Wa,3Wb,42Ua,42Ub,42Va,42Vb,42Wa,42Wb,43Ua,43Ub,43Va,43Vb,43Wa,43Wb…半導体スイッチング素子
4U,4V,4W,44U,44V,44W…リアクトル
5U,5V,5W,45U,45V,45W…フィルタコンデンサ
11,16,19…減算器
12…ACR部
13…加算器
14…3アーム変調部
15…直流電圧補正部
17…ローパスフィルタ
18…ゲイン乗算器
20…直流電圧バランス制御部
21…PWM部
30…リミッタ
31…乗算器
100…順変換器
200…逆変換器

Claims (4)

  1. 交流電力から直流電力への変換か、又は直流電力から交流電力への変換の少なくともいずれか一方を行う電力変換装置であって、直流部の正、負極端間電圧を直流コンデンサで2分圧した中性点と、交流側のフィルタコンデンサのY結線の中点とを接続した電力変換装置において、
    前記電力変換装置の3相電圧指令値に基づいて、該3相電圧指令値に重畳する3次成分の零相電圧指令値を演算する零相電圧指令値演算ステップと、
    前記直流部の2分圧された一方の電圧の検出値と他方の電圧の検出値の差分を求め、該差分と前記零相電圧指令値演算ステップで演算された零相電圧指令値との偏差を演算する零相成分演算ステップと、
    前記零相電圧指令値に対して、前記零相成分演算ステップで演算された偏差がゼロとなるように制御を行って、最終の3相電圧指令値を生成する直流電圧バランス制御ステップとを備え、
    前記直流電圧バランス制御ステップで生成された最終の3相電圧指令値と搬送波を比較して生成したゲート指令信号によって前記電力変換装置のスイッチング素子を制御することを特徴とする電力変換装置の漏電電流抑制制御方法。
  2. 前記零相電圧指令値演算ステップで演算された零相電圧指令値を、前記直流部の2分圧された一方の電圧の検出値と他方の電圧の検出値の各逆数に係数を乗じた値によって振幅補正し、電圧指令値を生成する直流電圧補正ステップを備え、
    前記直流電圧バランス制御ステップは、前記直流電圧補正ステップで生成された電圧指令値に対して前記制御を行って最終の3相電圧指令値を生成することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置の漏電電流抑制制御方法。
  3. 前記直流部の正、負極端間電圧が、設定した電圧より低い領域であるときに、前記零相成分演算ステップで用いる零相電圧指令値を小さくする制限ステップを備えていることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置の漏電電流抑制制御方法。
  4. 前記電力変換装置は、
    交流電力を直流電力に変換する電力変換器であって、第1の交流側のフィルタコンデンサのY結線の中点と、第1の直流部の正、負極端間電圧を直流コンデンサで2分圧した中性点とを接続した順変換器と、
    直流電力を交流電力に変換する電力変換器であって、正極、負極が前記第1の直流部の正極、負極に各々接続された第2の直流部の、正、負極端間電圧を直流コンデンサで2分圧した中性点と、第2の交流側のフィルタコンデンサのY結線の中点とを接続した逆変換器とを備えて構成され、
    前記順変換器のスイッチング素子および前記逆変換器のスイッチング素子を、前記請求項1ないし3のいずれか1項に記載の漏電電流抑制制御方法を用いて各々制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電力変換装置の漏電電流抑制制御方法。
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