JP2019096860A - 放熱板及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】Cu−Mo複合材とCu材のクラッド構造を有する低熱膨張率、高熱伝導率の放熱板を提供する。【解決手段】板厚方向において、Cu層とCu−Mo複合体層が交互に積層することで3層以上のCu層と2層以上のCu−Mo複合体層で構成されるとともに、両面の最外層がCu層からなる放熱板であって、Cu−Mo複合体層は、Cuマトリクス中に扁平なMo相が分散した板厚断面組織を有する。板厚と密度が同じである3層クラッド構造の放熱板と較べて、低熱膨張率であり、且つ最外層のCu層の厚さが薄くなるため板厚方向の熱伝導率が高くなる。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子などの発熱体から発生する熱を効率的に放散させるために用いる放熱板とその製造方法に関する。
半導体素子から発生する熱を半導体機器から効率的に放散させるために、放熱板(ヒートシンク)が用いられている。この放熱板は、その機能上高い熱伝導率が求められるとともに、半導体やセラミック回路基板、金属パッケージ部材などにはんだ付けやろう付けで接合されるため、接合される部材に近い熱膨張率(低熱膨張率)であることが求められる。
従来、高熱伝導率、低熱膨張率の放熱板として、Mo−Cu複合材が用いられている(例えば、特許文献1)。一般に、放熱板に用いるMo−Cu複合材は、Mo粉末又はMo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とし、この圧粉体に必要に応じて還元焼結を施した後、Cu溶浸或いは緻密化処理を施すことによりMo−Cu複合材とし、このMo−Cu複合材を圧延することで製造される。MoはCuとはほとんど固溶しないことから、このMo−Cu複合材はMoとCuの2相組織となり、低熱膨張率であるMoと高熱伝導率であるCuの特性を活かした放熱板とすることができる。
特許文献2には、上記のようなMo−Cu複合材をベースとした放熱板として、特定の圧延工程を経て得られたMo−Cu複合材の両面にCu板を圧着したものが示されており、この放熱板は、[Cu/Mo/Cu]クラッド材よりも高い熱伝導率を有し、プレス打ち抜き性にも優れているとしている。
また、Mo−Cu複合材は、圧延することにより熱膨張率が低下することが定性的に知られており、このため上記のように圧延工程を経て製造される。従来、Mo粒子は硬くて1次粒子が小さいことから、圧延で変形されにくいと考えられており、このためMo−Cu複合材の圧延は、200〜400℃程度の温間圧延で実施されている(特許文献1)。また、特許文献2には、一次圧延で温間圧延を実施し、二次圧延で冷間圧延を実施する製造方法が示されているが、この製造方法においても、Mo粒子は変形されにくいという前提で、温間圧延(一次圧延)を必須の工程としている。
近年、半導体の高出力化により放熱板の放熱性がより重要になっている。一方、半導体モジュールの小型化へのニーズも高く、放熱板もより小さな面積からの放熱が求められている。そのため、板面方向での放熱よりも、厚さ方向での放熱性がより重要となってきている。
特開平11−307701号公報 特開2001−358266号公報
しかし、本発明者が検討したところによれば、特許文献2に記載された放熱板は、確かに、特許文献1に記載のMo−Cu複合材単体などに較べて優れた熱特性(低熱膨張性)を有しているが、Mo−Cu複合材とCu材を積層させたクラッド構造において、特許文献2に記載されたCu/(Cu−Mo)/Cu構造よりも優れた熱特性(特に板厚方向での熱伝導率)が得られる最適なクラッド構造があることが判った。
したがって本発明の目的は、Mo−Cu複合材とCu材のクラッド構造を有する低熱膨張率、高熱伝導率の放熱板を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、そのような優れた熱特性を有する放熱板を安定して且つ低コストに製造することができる製造方法を提供することにある。
特許文献2に記載されたCu/(Cu−Mo)/Cu構造を有するクラッド材に対して、本発明者らは、Mo−Cu複合材とCu材の積層数を多層化することにより、Mo−Cu複合体層によるCu層の拘束性を高め、熱膨張率を低減させるという着想の下に5層以上のクラッド材について検討を行うこととしたが、熱伝導性については特に改善されるとは考えていなかった。しかし、検討を進めた結果、そのような当初の予想に反して、Mo−Cu複合材とCu材の積層数を5層以上とすること、すなわち、Cu/(Cu−Mo)/Cu/(Cu−Mo)/Cu構造(5層クラッド構造)やCu/(Cu−Mo)/Cu/(Cu−Mo)/Cu/(Cu−Mo)/Cu構造(7層クラッド構造)とすることにより、同じ板厚と密度を有するCu/(Cu−Mo)/Cu構造(3層クラッド構造)に較べて、板面内熱膨張率が低くなるだけでなく、板厚方向の熱伝導率が相当程度高くなることを見出した。また、特に最外層のCu層の厚さを中間層のCu層の厚さよりも小さくすることにより、熱伝導率が特に顕著に改善されることが判った。また、以上のようなクラッド材を製造する際に、材料を高圧下率(総圧下率)で冷間圧延若しくは表面が顕著に酸化しない250℃程度以下の温度で温間圧延することにより、熱膨張率がより効果的に低下することが判った。
本発明は、以上のような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]板厚方向において、Cu層とCu−Mo複合体層が交互に積層することで3層以上のCu層と2層以上のCu−Mo複合体層で構成されるとともに、両面の最外層がCu層からなる放熱板であって、
Cu−Mo複合体層は、Cuマトリクス中に扁平なMo相が分散した板厚断面組織を有することを特徴とする放熱板。
[2]上記[1]の放熱板において、両面の最外層のCu層(1a)の厚さtと中間層のCu層(1b)の厚さtがt≦tを満足することを特徴とする放熱板。
[3]上記[2]の放熱板において、両面の最外層のCu層(1a)の厚さtと板厚Tがt/T≦0.2を満足することを特徴とする放熱板。
[4]上記[2]又は[3]の放熱板において、両面の最外層のCu層(1a)の厚さtと中間層のCu層(1b)の厚さtがt<tを満足することを特徴とする放熱板。
[5]上記[4]の放熱板において、Cu層とCu−Mo複合体層の全層数が9層以上の放熱板であって、中間層の複数のCu層(1b)は、板厚中心に近いCu層(1b)ほど厚さtが厚いことを特徴とする放熱板。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの放熱板において、Cu−Mo複合体層は、複数の単位Cu−Mo複合体層が厚さ75μm以下の接合用のCu層を介して積層した構造を有することを特徴とする放熱板。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかの放熱板において、Cu−Mo複合体層はCu含有量が10〜50質量%であることを特徴とする放熱板。
[8]上記[1]〜[6]のいずれかの放熱板において、Cu−Mo複合体層はCu含有量が20〜30質量%であることを特徴とする放熱板。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかの放熱板において、板厚方向の熱伝導率が200W/m・K以上、50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率が8.0ppm/K以下であることを特徴とする放熱板。
[10]上記[1]〜[9]のいずれかの放熱板において、積層したCu層とCu−Mo複合体層とからなる放熱板本体の片面又は両面にめっき皮膜が形成されたことを特徴とする放熱板。
[11]上記[1]〜[10]のいずれかの放熱板の製造方法であって、Cuマトリクス中にMo相が分散した板厚断面組織を有するCu−Mo複合材(a)とCu材(b)を積層させ、該積層体を拡散接合した後、冷間圧延(x)を施すことにより、Cu−Mo複合材(a)によるCu−Mo複合体層とCu材(b)によるCu層が積層した放熱板を得ることを特徴とする放熱板の製造方法。
[12]上記[11]の製造方法において、Cu−Mo複合材(a)は、Mo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程と、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程を経て得られたものであることを特徴とする放熱板の製造方法。
[13]上記[11]の製造方法において、Cu−Mo複合材(a)は、Mo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程と、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体を緻密化処理する工程を経て得られたものであることを特徴とする放熱板の製造方法。
[14]上記[11]の製造方法において、Cu−Mo複合材(a)は、Mo粉末又はMo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程と、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸させる工程を経て得られたものであることを特徴とする放熱板の製造方法。
[15]上記[11]〜[14]のいずれかの製造方法において、冷間圧延(x)の圧下率が70〜99%であることを特徴とする放熱板の製造方法。
[16]上記[15]の製造方法において、冷間圧延(x)の圧下率が90〜96%であることを特徴とする放熱板の製造方法。
[17]上記[11]〜[16]のいずれかの製造方法において、冷間圧延(x)をクロス圧延で行うことを特徴とする放熱板の製造方法。
[18]上記[11]の製造方法において、Cu−Mo複合材(a)は、Mo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程と、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体を緻密化処理する工程と、前記緻密化処理されたCu−Mo複合材に圧延(y)を施す工程を経て得られたものであることを特徴とする放熱板の製造方法。
[19]上記[11]の製造方法において、Cu−Mo複合材(a)は、Mo粉末又はMo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程と、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸させる工程と、前記Cuを含浸させたCu−Mo複合材に圧延(y)を施す工程を経て得られたものであることを特徴とする放熱板の製造方法。
[20]上記[18]又は[19]の製造方法において、冷間圧延(x)と圧延(y)を合わせたCu−Mo複合材(a)の総圧下率が70〜99%であることを特徴とする放熱板の製造方法。
[21]上記[20]の製造方法において、冷間圧延(x)と圧延(y)を合わせたCu−Mo複合材(a)の総圧下率が90〜96%であることを特徴とする放熱板の製造方法。
[22]上記[18]〜[21]のいずれかの製造方法において、圧延(y)をクロス圧延で行うことを特徴とする放熱板の製造方法。
[23]上記[18]〜[22]のいずれかの製造方法において、圧延(y)でCu−Mo複合材(a)を一方向圧延した場合に、冷間圧延(x)では、Cu−Mo複合材を圧延(y)の圧延方向と直交する方向に圧延することを特徴とする放熱板の製造方法。
[24]上記[11]〜[23]のいずれかの製造方法において、Cu−Mo複合材(a)は、複数の単位Cu−Mo複合材(a)が積層したものであることを特徴とする放熱板の製造方法。
[25]上記[11]〜[23]のいずれかの製造方法において、Cu−Mo複合材(a)は、複数の単位Cu−Mo複合材(a)が接合用のCu薄板を介して積層したものであることを特徴とする放熱板の製造方法。
[26]上記[11]〜[25]のいずれかの製造方法において、Cu材(b)は、複数の単位Cu材(b)が積層したものであることを特徴とする放熱板の製造方法。
[27]上記[11]〜[26]のいずれかの製造方法において、Cu−Mo複合材(a)はCu含有量が10〜50質量%であることを特徴とする放熱板の製造方法。
[28]上記[11]〜[26]のいずれかの製造方法において、Cu−Mo複合材(a)はCu含有量が20〜30質量%であることを特徴とする放熱板の製造方法。
[29]上記[27]の製造方法において、Cu−Mo複合材(a)のCu含有量が20mass%未満であり、冷間圧延(x)と圧延(y)を合わせたCu−Mo複合材(a)の総圧下率が70%以上である製造方法(但し、Cu−Mo複合材(a)の圧延(y)を行わない製造方法を含む。)であって、
下記(1)又は/及び(2)の温間圧延を行うことを特徴とする放熱板の製造方法。
(1)冷間圧延(x)に代えて温間圧延を行う。
(2)圧延(y)を温間圧延で行う。
[30]上記[28]の製造方法において、冷間圧延(x)と圧延(y)を合わせたCu−Mo複合材(a)の総圧下率が96%以上である製造方法(但し、Cu−Mo複合材(a)の圧延(y)を行わない製造方法を含む。)であって、
下記(1)又は/及び(2)の温間圧延を行うことを特徴とする放熱板の製造方法。
(1)冷間圧延(x)に代えて温間圧延を行う。
(2)圧延(y)を温間圧延で行う。
[31]上記[11]〜[30]のいずれかの製造方法において、積層したCu−Mo複合体層とCu層とからなる放熱板本体の片面又は両面にめっき皮膜を形成することを特徴とする放熱板の製造方法。
[32]上記[1]〜[10]のいずれかの放熱板を備えたことを特徴とする半導体パッケージ。
[33]上記[32]の半導体パッケージを備えたことを特徴とする半導体モジュール。
本発明の放熱板は、低熱膨張率、高熱伝導率の優れた熱特性を有する。また、本発明の製造方法によれば、そのような優れた熱特性を有する放熱板を安定して且つ低コストに製造することができる。
5層クラッド構造(図1(A))及び7層クラッド構造(図1(B))を有する本発明の放熱板の板厚断面を模式的に示す説明図 実施例の放熱板の熱特性(板厚方向の熱伝導率、50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率)を示すグラフ 実施例の放熱板の熱特性(板厚方向の熱伝導率、50℃から400℃までの板面内平均熱膨張率)を示すグラフ 実施例の放熱板の熱特性(板厚方向の熱伝導率、50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率)を示すグラフ 実施例の放熱板の熱特性(板厚方向の熱伝導率、50℃から400℃までの板面内平均熱膨張率)を示すグラフ 実施例の放熱板の熱特性(板厚方向の熱伝導率、50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率)を示すグラフ 実施例の放熱板の熱特性(板厚方向の熱伝導率、50℃から400℃までの板面内平均熱膨張率)を示すグラフ 実施例の放熱板について、最外層のCu層の厚さtと板厚Tの比率t/Tと板厚方向の熱伝導率との関係を示すグラフ
本発明の放熱板は、板厚方向において、Cu層とCu−Mo複合体層が交互に積層することで3層以上のCu層と2層以上のCu−Mo複合体層で構成されるとともに、両面の最外層がCu層からなる放熱板であって、Cu−Mo複合体層は、Cuマトリクス中に扁平なMo相が分散した板厚断面組織を有する。図1は、5層クラッド構造(図1(A))及び7層クラッド構造(図1(B))を有する本発明の放熱板の板厚断面を模式的に示している。図において、1aが両面の最外層のCu層、1bが中間層のCu層である。
本発明の放熱板のCu−Mo複合体層とCu層は、積層させたCu−Mo複合材とCu材を拡散接合させることにより構成されるものであり、両層間には拡散接合部を有するが、両部材のCuどうし(Cu−Mo複合材のCuとCu材)が拡散接合したものであるため、健全な拡散接合部が得られる。例えば、Mo(Mo材)とCu(Cu材)をクラッドする場合を考えると、MoとCuは合金化しないため、両部材の接合は拡散接合ではなく機械的接合になるが、このような接合では、接合界面に酸化膜や微細な空隙が残存しやすく、これらを起点として割れなどを生じやすい。これに対して本発明のように両部材のCuどうし(Cu−Mo複合材のCuとCu材)が拡散接合することにより、接合界面に酸化膜や微細な空隙が残存するようなことがなく、健全な接合部が得られる。
以上のような5層以上のクラッド構造で且つ両面の最外層がCu層からなる本発明の放熱板(例えばCu/(Cu−Mo)/Cu/(Cu−Mo)/Cu構造の放熱板)は、特許文献2に示されるCu/(Cu−Mo)/Cu構造の放熱板に較べて高い熱伝導率を有するが、これは、以下のような理由によるものと考えられる。すなわち、Cu層とCu−Mo複合体層を交互に積層させ且つ両面の最外層がCu層からなるクラッド構造の場合、熱伝導率が外層(Cu層)>内層(Cu−Mo複合体層)であるため、外層(Cu層)に入った熱が外層・内層間の界面で反射・散乱して熱流が乱れるため、熱が内層(Cu−Mo複合体層)側にうまく伝わらず、外層・内層間の界面による高い伝熱抵抗が発生し、その分、板厚方向の熱伝導率は低くなると考えられる。このような原因による板厚方向の熱伝導性の低下は、最外層のCu層の厚さに依存し、最外層のCu層が薄くなるほど内層との界面で反射・散乱する熱の量が少なくなるため、熱伝導性が低下する度合いは小さくなる。したがって、5層以上のクラッド構造を有する本発明の放熱板と、特許文献2に記載された3層クラッド構造の放熱板を較べた場合、板厚と密度が同じであれば、本発明の放熱板の方が最外層のCu層の厚さが薄くなるため、3層クラッド構造の放熱板に較べて板厚方向の熱伝導率が高くなるものと考えられる。また、5層以上のクラッド構造の場合、中間層のCu層の厚さを大きくすることで最外層のCu層をより薄くすることができるので、最外層のCu層の厚さを中間層のCu層の厚さよりも小さくすることにより、板厚方向の熱伝導率をより高くすることができる。
また、本発明の放熱板は、Mo−Cu複合材とCu材の積層数を多層化することにより、Mo−Cu複合体層によるCu層の拘束性が高められるため、板厚と密度が同じであれば、3層クラッド構造の放熱板よりも熱膨張率が低くなる。
クラッド構造における積層数(Cu層とCu−Mo複合体層の全層数)は特に制限はなく、積層数が多い方が熱膨張率が低くなり、また、硬度が高く延性が低いCu−Mo複合体層の厚さが薄いほどプレス加工性も良くなるのでプレス加工には有利になる。放熱板に熱が入る際に、最外層がCu層の場合にはCuの高い熱伝導により熱が入るが、上述したように、次の熱伝導率の低いCu−Mo複合体層との界面で熱の反射、散乱が生じるため、Cu−Mo複合体層に入る熱量は制限される。また、それより下層側でも、Cu層からCu−Mo複合体層に熱が伝わる際には、同様に界面で熱の反射、散乱が生じるが、すでに熱量は制限されており、その制限された熱量が伝わるので、その界面での熱伝導率の低下は少ない。したがって、積層数が7層以上でも、最外層のCu層の厚さの比率が小さければ(一般に7層以上では最外層のCu層の厚さの比率は小さいと言える)、積層数が増えると厚さ方向の熱伝導率は若干低下傾向になるものの熱膨張率の低下やプレス加工性に寄与できること、Cu−Mo複合体層の各層の厚さ比率が小さくなりその層の伝熱抵抗も低下すること、などを勘案すれば、特段問題はないと言える。したがって、積層数に特別な制限はなく、用途や製品厚さに応じて積層数を決定すればよい。例えば、後述する実施例の発明例1(5層)と発明例11(7層)、発明例2(5層)と発明例12(7層)をそれぞれ較べた場合、7層の方が熱伝導率が高くなっているのは、図8に示すように、発明例1よりも発明例11の方が、また発明例2よりも発明例12の方が、それぞれ最外層のCu層の厚さ比率が小さいためであると考えられる。
Cu−Mo複合体層のCu含有量は特に制限はないが、一般には10〜50質量%程度が適当である。Cu含有量が高い方が高圧下率で冷間圧延する場合に冷間圧延性が向上し、高圧下率で冷間圧延することによる熱膨張率の低下効果が得られやすい。一方、中間層のCu層の熱膨張を拘束する効果(中間層のCu層を両側から挟んで物理的に拘束する効果)を高める点では、圧延の圧下率だけでなく、Mo含有量が多いほうが好ましいが、熱伝導率がトレードオフの関係にあり、また、Mo含有量が多すぎると冷間圧延が難しくなる。このためCu−Mo複合体層のCu含有量は10〜50質量%程度が好ましい。また、放熱板の熱特性の観点からは、Cu−Mo複合体層のCu含有量は30質量%以下が好ましく、一方、Cu−Mo複合体層(Cu−Mo複合材)のCu含有量が20質量%未満では冷間圧延性に問題を生じる可能性もあるので、放熱板の熱特性と冷間圧延性の観点からは、Cu−Mo複合体層のCu含有量は20〜30質量%程度とすることがより好ましい。
Cu−Mo複合体層は、全体が一体のCu−Mo複合体で構成される構造としてもよいが、複数の単位Cu−Mo複合体層がごく薄い接合用のCu層を介して積層した構造としてもよい。この接合用のCu層は厚さが75μm以下程度であれば放熱板の熱特性に殆ど影響を与えないので、その厚さは75μm以下とすることが好ましく、さらに25μm以下とすることがより好ましい。なお、この接合用のCu層はCu−Mo複合体層の一部を構成するものであり、したがって、本発明の放熱板においてCu−Mo複合体層と交互に積層されるCu層とは異なり、このCu層には含まれない。
後述するように、本発明の放熱板は、Cu−Mo複合材(a)とCu材(b)を交互に積層させ、この積層体を拡散接合した後、圧延することにより製造されるが、この製造において用いるCu−Mo複合材(a)としては、単体の板材ではなく、積層した複数枚の薄いCu−Mo複合材(単位Cu−Mo複合材)からなるものでもよい。これは、Cu−Mo複合材は圧延の圧下率を大きくした場合に薄くなる可能性があるためである。Cu−Mo複合材(a)を積層した複数枚の薄い単位Cu−Mo複合材で構成する場合、特にCu−Mo複合材のCu含有量が比較的少ない場合には、単位Cu−Mo複合材どうしの接合性を高めるために、複数枚の単位Cu−Mo複合材をCu薄板(Cu箔の場合を含む)を介して積層させ(すなわち、各単位Cu−Mo複合材間に薄いCu板を介装する)、このCu薄板を介して拡散接合することが好ましい。上述した放熱板のCu−Mo複合体層中の接合用のCu層は、そのCu薄板が圧延によりさらに薄く延伸されたものである。Cu−Mo複合体層を構成するこの接合用のCu層は、ごく薄い中間層のCu層であるため、伝熱抵抗が無視できるほど小さく、放熱板の熱特性に殆ど影響を与えない。すなわち、Cu−Mo複合体層中に接合用のCu層を有する放熱板と接合用のCu層を有しない放熱板は、熱特性はほとんど変わらない。
図2及び図3は、後述する実施例の放熱板の一部について、それらの熱特性を整理して示したものであり、図2は板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)と50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率を、図3は板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)と50℃から400℃までの板面内平均熱膨張率を、それぞれ示している。ここで、板面内熱膨張率は押棒式変位検出法で測定されたものであり、例えば、「50℃から400℃までの板面内平均熱膨張率」は、50℃と400℃での伸び量の差を求め、その値を温度差350℃(=400℃−50℃)で割り算して求めた。同様にして、50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率を求めた。また、板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)はフラッシュ法で測定した。この熱特性の測定・算出方法は、後述する図4〜図8の熱特性についても同様である。
図2及び図3には、Cu−Mo複合材単体からなる放熱板(比較例7〜10、13)、特許文献2のCu/(Cu−Mo)/Cu構造の3層クラッド材からなる放熱板(比較例1、2)、本発明の5層及び7層クラッド材からなる放熱板(発明例1、2、11、12)について、それらの熱特性を示している。図中、丸で囲い、矢印でつないだものが、ほぼ同等の密度を有する放熱板である。これによれば、ほぼ同等の密度を有する放熱板の熱特性を較べた場合、特許文献2のCu/(Cu−Mo)/Cu構造の放熱板は、Cu−Mo複合材単体の放熱板に較べて板厚方向の熱伝導率が若干低いが、板面内熱膨張率が大きく低下している。そして、このCu/(Cu−Mo)/Cu構造の放熱板の熱特性に対して、本発明の放熱板は、板面内熱膨張率がさらに低く、しかも、板厚方向の熱伝導率が高くなっている。
図4及び図5は、図2及び図3のグラフにCu含有量が異なるCu−Mo複合材単体の比較例を加えたものであり、図4は板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)と50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率を、図5は板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)と50℃から400℃までの板面内平均熱膨張率を、それぞれ示している。図中の破線は、Cu−Mo複合材単体はCu含有量が低いほど(Mo含有量が高いほど)板厚方向の熱伝導率が低く、且つ板面内熱膨張率は低くなる傾向を示している。そして、図中の矢印に示すように、このようなCu−Mo複合材単体の熱特性の傾向に対して、特許文献2のCu/(Cu−Mo)/Cu構造の放熱板(比較例1、2)の熱特性は、高熱伝導率(板厚方向の熱伝導率)・低熱膨張率(板面内熱膨張率)側にシフトしているが、本発明の放熱板の熱特性は、さらに高熱伝導率(板厚方向の熱伝導率)・低熱膨張率(板面内熱膨張率)側にシフトしている。
また、図6及び図7は、図4及び図5のグラフにさらに、最外層のCu層の厚さやCu−Mo複合体層のCu含有量などが異なる他の発明例等を加えたものであり、図6は板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)と50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率を、図7は板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)と50℃から400℃までの板面内平均熱膨張率を、それぞれ示している。これによれば、本発明の放熱板は、最外層のCu層の厚さやCu−Mo複合体層のCu含有量などの違いに関わりなく、板厚及び密度が同等のCu−Mo複合材単体や特許文献2のCu/(Cu−Mo)/Cu構造の放熱板(比較例1、2)の熱特性に較べて、高熱伝導率(板厚方向の熱伝導率)・低熱膨張率(板面内熱膨張率)であることが判る。
本発明の放熱板は、さきに説明した原理からして、最外層のCu層の厚さが小さいほど板厚方向の熱伝導率が高くなる。この観点から、両面の最外層のCu層1aの厚さtと板厚Tがt/T≦0.2を満足することが好ましい。
図8は、実施例の放熱板について、最外層のCu層1aの厚さtと板厚T(図1参照)の比率t/Tと板厚方向の熱伝導率との関係を整理したものであり、図中、実線でつないだものが、密度がほぼ同等の放熱板である。これによれば、最外層のCu層の厚さtの比率が小さいほど板厚方向の熱伝導率が高くなっており、t/T≦0.2が好ましいことが判る。
また、上記と同様の観点から、両面の最外層のCu層1aの厚さtと中間層のCu層1bの厚さtがt≦tを満足することが好ましい。上述したように、両面の最外層のCu層1aの厚さtは、なるべく薄い方が熱伝導率を高くできるので好ましい。t>tでは3層クラッド構造の最外層のCu層の厚さに近づくことになり、本発明における熱伝導率の改善効果が低下してしまう。
また、さらに好ましい条件としては、両面の最外層のCu層1aの厚さtと中間層のCu層1bの厚さtがt<tを満足することが好ましい。また、Cu層とCu−Mo複合体層の全層数(積層数)が9層以上の放熱板(中間層のCu層1bを3層以上有する放熱板)の場合には、板厚中心に近いCu層1bほど厚さtが厚いことが好ましい。これらの理由は以下のように考えられる。
厚さLの材料において、厚さ方向に熱が流れる際の熱流は次の式で表される。
熱流q(W)=CA(θ−θ)[θ;温度、C;点1から点2までの熱コンダクタンス、A:熱流の流れる材料の断面積]
C=λ/L[λ:熱伝導率(W/m・K)、L:材料の厚さ(m)]
熱コンダクタンスとは、材料両面の温度差が1℃の時、一定面積、一定時間当たり流れる熱量のことで、熱の伝わりやすさを表す。ここで、伝熱抵抗RはCの逆数となる。
5層クラッド材全体の伝熱抵抗RCLADは次の式で与えられる。
RCLAD=(L1Cu)+(L2Cu-Mo)+(L3Cu)+(L4Cu-Mo)+(L5Cu)+R12+R23+R34+R45
=R1+R2+R3+R4+R5+R12+R23+R34+R45
ここで、L1〜L5は1層目〜5層目までの各層の厚さ、λCuはCu層の熱伝導率、λCu-MoはCu−Mo複合体層の熱伝導率、R1,R2,R3,R4,R5は各層の伝熱抵抗、R12,R23,R34,R45は各層界面の伝熱抵抗、12、23、23、45はそれぞれ上からの各層間を示す。
ここでR12,R23,R34,R45は、材料ではなく界面での熱反射、熱散乱による熱流の乱れの度合い、すなわち負荷(抵抗)である。
ここで、5層クラッド材の1層目から5層目までの熱流を考えると、1層目(最外層)の低いR1のCu層から、2層目の高いR2のCu−Mo複合体層に入る際に熱流は絞られることになり、その1層目のCu層では、本来の伝熱抵抗R1だけでなく、界面のR12分の伝熱抵抗が付加される。1層目(最外層)のCu層の厚さL1が小さいとR1も小さくなり、熱反射や熱散乱によりCu層内に付加される量も少なくなり、それに応じてR12も小さくなる。厚さがゼロに近づけばR1とR12もゼロに近づく。2層目のCu−Mo複合体層から3層目のCu層の界面は、伝熱抵抗の高い層から低い層に熱が入ることから、また、Cu−Mo複合体層中のCu相とCu層とは完全に拡散接合して一体となっており、そのCuの連続性があることから、R23はほぼゼロと考えてよい。R45も同様にゼロと考えてよい。3層目のCu層の伝熱抵抗R3には、4層目のCu−Mo複合体層との界面のR34分の伝熱抵抗が付加される。ただ、2層目のCu−Mo複合体層を通過して絞られた後の熱流が3層目のCu層に流れるので、1層目のCu層の厚さL1が3層目のCu層の厚さLと同じであるとしても、R34はR12より小さくなる。より具体的に説明すると(但し、説明中の熱流量は仮の値)、5層クラッド材のCu−Mo複合体層とCu層がそれぞれ同じ厚さであるとした場合、最初に100の熱流が1層目のCu層に入ると、この1層目のCu層で(L1Cu)+R12の伝熱抵抗があり、熱流が80に絞られるとする。その後、2層目のCu−Mo複合体層では(L2Cu-Mo)+R23(R23≒0)の伝熱抵抗があり、熱流が60に絞られて3層目のCu層の入口に入る。この3層目のCu層から4層目のCu−Mo複合体層に入る際のR34は、熱流100からの伝熱抵抗ではなく、熱流60からの伝熱抵抗であるためR12>R34となる。以上のことから、最外層のCu層を内部(中間層)のCu層より薄くすることにより、クラッド材全体の伝熱抵抗RCLADは小さくなる。
また、以上述べたような理由から、全層数が9層以上の放熱板(中間層のCu層1bを3層以上有する放熱板)の場合には、Cu層の厚さは板内部(板厚中心)にいくに従い厚くすることが好ましい。さらに、Cu層とCu−Mo複合体層の組み合わせは、外層側(熱の入口側)の薄いCu層と薄いCu−Mo複合体層の組み合わせから、板内部(板厚中心)にいくに従って厚い組み合わせにすることにより、熱流の界面での反射、散乱が少なくなると考えられるので、Cu層の厚さだけでなく、Cu−Mo複合体層の厚さについても、板内部(板厚中心)にいくに従い厚くすることが好ましい。
なお、後述する実施例の5層クラッド材(発明例)は、いずれも両面の最外層のCu層1aの厚さtと中間層のCu層1bの厚さtがt<tであるが、そのt<tの程度は、発明例3〜10、13〜21がt/t≦0.4、発明例3〜8、13〜17、19〜21がt/t≦0.1、発明例3〜6、13〜16、19〜21がt/t≦0.06となっている。
Cu−Mo複合体層とCu層の各厚さ、Cu−Mo複合体層とCu層の層厚比、放熱板の板厚なども特に制限はないが、熱特性を確保するとともに、圧延時や実用時に反りやゆがみ等が発生しないように、厚さ方向中央のCu層を中心として厚さ方向で対称形の構造(Cu層とCu−Mo複合体層の厚さが対称形の構造)が好ましい。また、放熱板の板厚は1mm前後の場合が多いが、特に制限はない。
なお、最外層のCu層1aの厚さtの下限は特にないが、厚さtが極端に小さいとクラッド材としての製造が難しくなり、また、中間層のCu層の厚さが大きくなって熱膨張率が高くなるので、0.01mm程度が事実上の下限となる。
Cu−Mo複合体層とCu層の層厚比については、Cu−Mo複合体層に対してCu層の層厚比が大きいと、熱伝導率は高くなるが、Cu−Mo複合体層による中間のCu層の拘束が弱くなるので熱膨張率が高くなり、一方、Cu層の層厚比が小さいと、熱膨張率は低くなるが、熱伝導率が低くなる。したがって、得ようとする熱特性(熱伝導率、熱膨張率)に応じて、Cu−Mo複合体層とCu層の層厚比を適宜選択すればよいが、低温(例えば200℃、400℃)での熱膨張率を低くするという観点からは、Cu−Mo複合体層に対してCu層をあまり厚くしない方がよい。
また、Cu−Mo複合体層のCu含有量やCu−Mo複合体層とCu層の層厚比は放熱板の密度にリンクするので、この密度は9.25〜9.55g/cm程度であることが好ましく、9.30〜9.45g/cm程度であることが特に好ましい。
本発明の放熱板は、事前に製作されたCu−Mo複合材とCu材を拡散接合した後、圧延することにより製造され、また、Cu−Mo複合材の製造工程でも圧延が行われることがあるので、全体が圧延組織であり、また、Cu−Mo複合体層のCuマトリクス中に分散するMo相は扁平に延伸された形態を有し、通常、板厚断面組織中でのMo相のアスペクト比(圧延方向でのアスペクト比)は2超となる。ここで、アスペクト比とは、圧延方向における板厚断面組織中でのMo相の長軸/短軸(長さ比)であり、例えば、圧延方向での板厚断面組織(イオンミリング仕上げした板厚断面組織)をSEMなどで観察し、任意の1視野に含まれる各Mo相の長軸/短軸を求め、それらの平均値をもって規定することができる。
なお、Cu−Mo複合体層のCuマトリクス中に分散するMo相は、Cu−Mo複合体層のMo含有量や圧延の形態(一方向圧延、クロス圧延)などにより、扁平に延伸された形態が異なり、例えば、Cu−Mo複合体層のMo含有量が比較的少ない場合には、扁平に延伸されたMo相は、個々が独立した島状に近い形態を有するが、Mo含有量が多くなると、扁平に延伸されたMo相どうしが繋がり、このようなMo相とCuマトリクスが混在した縞状なしはマーブル状のような形態(圧延組織)となる。したがって、後者の場合には、アスペクト比は明らかに2超となるが、具体的に定量化することができない場合がある。
本発明の放熱板が主に適用される半導体パッケージは、半導体が作動と休止を繰り返すことから、常温(寒冷地の場合には−50℃程度の場合もある)から半導体作動時の200℃程度までの昇温を繰り返す。このため放熱板は、熱疲労対応のために熱膨張率が低いことが必要である。また、ロウ付け接合を行う用途では800℃程度、はんだ付け接合を行う用途では400℃程度までの熱膨張率が低いことが重要である。一方、放熱板は、高い放熱性を得るために高い熱伝導率、特に板厚方向での高い熱伝導率を有することが必要である。
本発明の放熱板は、高熱伝導率と低熱膨張率を兼ね備えた優れた熱特性を有するものであるが、具体的には、板厚方向での熱伝導率(室温での熱伝導率)が200W/m・K以上であることが好ましく、250W/m・K以上であることがより好ましい。また、50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率が10.0ppm/K以下であることが好ましく、8.0ppm/K以下であることがより好ましい。
本発明の放熱板は、防食目的や他の部材との接合(ロウ付け接合やはんだ付け接合)のために、その表面にNiめっきなどのめっきを施してもよい。この場合、めっき皮膜は放熱板の熱特性に大きく影響しない程度の膜厚で形成される。めっきの種類に特別な制限はなく、例えば、Niめっき、Auめっき、Agめっきなどが適用でき、これらの中から選ばれるめっきを単独で或いは2層以上を組み合わせて施すことができる。めっき皮膜は、放熱板の片面(最外層である両Cu層のうちの一方の表面)のみに設けてもよいし、放熱板の両面に設けてもよい。
なお、放熱板の材質によっては、放熱板表面にNiめっきなどのめっきを施す際のめっき性の改善のために、その下地としてCuめっきを施す場合があるが、本発明の放熱板は、最外層がCu層であるため、そのような下地めっきを施す必要はない。
次に、以上述べた本発明の放熱板の製造方法について説明する。
本発明の放熱板の製造方法の一実施形態では、Cuマトリクス中にMo相が分散した板厚断面組織を有するCu−Mo複合材(a)とCu材(b)を積層させ、この積層体を拡散接合した後、冷間圧延(x)を施すことにより、Cu−Mo複合材(a)によるCu−Mo複合体層とCu材(b)によるCu層が積層した放熱板を得る。ここで、Cu−Mo複合材(a)は予め製作されたものであるが、このCu−Mo複合材(a)は圧延を行わない方法(例えば、後述する(i)〜(iii)の方法)で製作したものでもよいし、圧延(y)を行う方法(例えば、後述する(iv)、(v)の方法)で製作したものでもよい。
また、本発明の放熱板の製造方法の他の実施形態では、Cu−Mo複合材(a)のCu含有量が比較的低い場合に、冷間圧延による耳ワレなどを防止するために下記(1)又は/及び(2)の温間圧延を行う。なお、この製造方法については、後に詳述する。
(1)冷間圧延(x)に代えて温間圧延を行う。
(2)圧延(y)を温間圧延で行う。
Cu−Mo複合材(a)とCu材(b)の厚さは、製造しようとする放熱板のCu−Mo複合体層とCu層の厚さに応じて適宜選択される。
なお、Cu−Mo複合材(a)とCu材(b)は、それぞれ単体の板材で構成してもよいが、Cu−Mo複合材(a)を積層した複数枚の薄いCu−Mo複合材(単位Cu−Mo複合材(a))で構成してもよいし、Cu材(b)を積層した複数枚の薄いCu材(単位Cu材(b))で構成してもよい。これは、Cu−Mo複合材やCu材は圧延の圧下率を大きくした場合に薄くなる可能性があるためである。したがって、その場合には、(1)複数枚の単位Cu−Mo複合材(a)からなるCu−Mo複合材(a)と単体のCu材(b)を積層させる、(2)単体のCu−Mo複合材(a)と複数枚の単位Cu材(b)からなるCu材(b)を積層させる、(3)複数枚の単位Cu−Mo複合材(a)からなるCu−Mo複合材(a)と複数枚の単位Cu材(b)からなるCu材(b)を積層させる、のいずれかによる積層体とし、この積層体を拡散接合する。
ここで、上記のようにCu−Mo複合材(a)を積層した複数枚の単位Cu−Mo複合材(a)で構成する場合、単位Cu−Mo複合材(a)どうしの接合性を高めるために、複数枚の単位Cu−Mo複合材(a)をCu薄板(Cu箔の場合を含む)を介して積層させ(すなわち、各単位Cu−Mo複合材(a)間に薄いCu板を介装する)、このCu薄板を介して拡散接合することが好ましい。上述した放熱板のCu−Mo複合体層中の接合用のCu層は、そのCu薄板が圧延によりさらに薄く延伸されたものである。したがって、このCu薄板は、放熱板のCu−Mo複合体層中の接合用のCu層の厚さが75μm以下(より好ましくは25μm以下)となるような厚さのものが好ましい。
積層体の拡散接合を行う方法に特に制限はないが、放電プラズマ焼結(SPS)、ホットプレスによる拡散接合が好ましい。
Cu−Mo複合材(a)は、下記のようなものを用いることができる。また、Cu材(b)としては、通常、純Cu板(純Cu箔を含む)を用いる。
さきに述べたように、Cu−Mo複合材は、圧延することにより熱膨張率が低下することが定性的に知られており、従来技術でもCu−Mo複合材の圧延が行われているが、Mo粒子は硬くて1次粒子が小さいことから、圧延で変形されにくいと考えられており、このためCu−Mo複合材の圧延は、専ら200〜400℃程度の温間圧延で実施されている。また、65mass%Mo−35mass%Cu複合材について二次圧延で冷間圧延を実施する方法も提案されているが、一次圧延では温間圧延を行っている。
しかし、以上のような従来の認識とこれに基づく製造方法に対して、Cu−Mo複合材(特にCu含有量がそれほど低くないCu−Mo複合材)の圧延を温間圧延で行うと、Mo粒子の変形が適切に進まないため熱膨張率を低下させる効果が乏しいこと、これに対して圧延を冷間圧延で行うと、Mo粒子の変形が適切に進行して熱膨張率が効果的に低下することが判った。また、Cu−Mo複合材のCu含有量が比較的低い(例えば20質量%未満)場合は、冷間圧延を行うと圧下率によっては耳ワレなどを生じるおそれがあるため、一部又は全部の圧延を温間圧延とした方がよい場合があるが、Cu含有量が20質量%以上で且つ圧下率が極端に高くない場合は、Cu−Mo複合材の圧延を冷間圧延だけで行っても、大きな耳ワレが生じることもなく良好な圧延板が得られることが判った。このように温間圧延と冷間圧延でMo粒子の塑性変形形態が大きく異なるのは、次のような理由によるものと考えられる。
Cu−Mo複合材を圧延した場合、MoとCuの降伏応力の違いから、圧延初期には、Mo粒子は変形するよりも、Cuマトリックス内での相対位置を変化させ、圧延が進んで板厚方向でMo粒子どうしが接触していくと変形を生じる傾向にある。冷間圧延では、Cuの加工硬化が生じることから、圧延の進行に伴ってMo粒子をCu相により変形させることができるようになっていき、このためMo粒子の変形が適切に進行するものと考えられる。これに対して、温間圧延ではMo粒子のCuマトリックス内での相対位置変化がより容易となり、Cuの加工硬化も生じにくいため、冷間圧延に較べてMo粒子をCu相によって変形させる作用が十分に得られず、このためMo粒子の変形が適切に進行しないものと考えられる。
このようなCu−Mo複合材におけるMo粒子の塑性変形形態の違いは、Cu−Mo複合材のCu含有量が多くなるほど顕著になる。これは、温間圧延ではCuの加工硬化を利用できないことに加えて、Cuが多い分、Mo粒子がCuマトリックス内で相対位置を変化させやすくなるのに対して、冷間圧延では、Cuが多い分、Cuの加工硬化の影響をより多く受けるためであると考えられる。Cuは熱伝導率が高いが熱膨張率も高いため、Cu−Mo複合材のCu含有量が多くなると熱膨張率の面で問題を生じやすいが、所定の高圧下率で冷間圧延を行うことにより、Cu−Mo複合材の熱膨張率を効果的に低下させることができることが判った。また、後述するように、圧延の一部に温間圧延を取り入れ、冷間圧延と温間圧延を併用する場合でも、その冷間圧延により熱膨張率の低下効果が期待できる。
また、Cu−Mo複合材のCu含有量が比較的少ない場合(例えば、Cu含有量30%質量以下)でも、その程度は相対的に小さくなるものの、上記と同様の効果が得られる。一方、Cu−Mo複合材のCu含有量が比較的少ない場合には、上述したようにMoによる拘束が強化されるので、この面からの熱膨張率の低下効果が期待できる。
Cu−Mo複合材(a)は事前に製作されるものであるが、Cu−Mo複合材(a)としては、例えば、下記(i)〜(iii)のいずれかの方法で得られたものを用いることができる。
(i)Mo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程と、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程を経て得られたCu−Mo複合材(a)
(ii)Mo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程と、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体を緻密化処理する工程を経て得られたCu−Mo複合材(a)
(iii)Mo粉末又はMo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程と、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸させる工程を経て得られたCu−Mo複合材(a)
以上の(i)〜(iii)のいずれかの方法で得られたCu−Mo複合材(a)は、冷間圧延が施されていないため、クラッド材の冷間圧延(x)では、圧下率70〜99%、より好ましくは80〜99%、特に好ましくは90〜96%で圧延することが望ましい。この圧下率はCu−Mo複合材(a)の圧下率でもある。このように高圧下率で冷間圧延することにより熱膨張率を低下させる効果が得られ、また、圧下率が過剰に高いと熱伝導率が低下する傾向があるため、圧下率の上限を99%、好ましくは96%とすることにより、熱伝導率の低下を抑制しつつ熱膨張率を効果的に低下させることができる。冷間圧延(x)は複数パスで実施される。
冷間圧延(x)は、一方向圧延としてもよいが、板面内で直交する2方向(X軸方向、Y軸方向)間の熱膨張率の差を小さくして面内異方性を減ずるために、直交する2方向で圧延を行うクロス圧延を行ってもよい。ここで、直交する2方向での圧延は、異なる圧下率で行ってもよいが、X軸方向とY軸方向で熱膨張率差のない均一な熱特性を有する圧延板を得たい場合には、同じ圧下率で圧延するのが好ましい。
また、Cu−Mo複合材(a)としては、下記(iv)又は(v)の方法で得られたものを用いてもよい。
(iv)Mo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程と、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体を緻密化処理する工程と、前記緻密化処理されたCu−Mo複合材に圧延(y)を施す工程を経て得られたCu−Mo複合材(a)
(v)Mo粉末又はMo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程と、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸させる工程と、前記Cuを含浸させたCu−Mo複合材に圧延(y)を施す工程を経て得られたCu−Mo複合材(a)
圧延(y)は冷間圧延で行うことできる。Cu−Mo複合材(a)のCu含有量が30質量%以下の場合も圧延(y)を冷間圧延で行うことができるが、場合によっては温間圧延で行ってもよい。また、圧延(y)は、一方向圧延としてもよいが、板面内で直交する2方向(X軸方向、Y軸方向)間の熱膨張率の差を小さくして面内異方性を減ずるために、直交する2方向で圧延を行うクロス圧延を行ってもよい。ここで、直交する2方向での圧延は、異なる圧下率で行ってもよいが、X軸方向とY軸方向で熱膨張率差のない均一な熱特性を有するCu−Mo複合材(a)を得たい場合には、同じ圧下率で圧延するのが好ましい。
以上の(iv)又は(v)の方法で得られたCu−Mo複合材(a)は、圧延(y)が施されているため、クラッド材の冷間圧延(x)では、冷間圧延(x)と圧延(y)を合わせたCu−Mo複合材(a)の総圧下率が70〜99%、より好ましくは80〜99%、特に好ましくは90〜96%となるような圧下率で圧延することが望ましい。その理由は上記と同様である。また、上述したクロス圧延と同様に理由から、圧延(y)でCu−Mo複合材(a)を一方向圧延した場合には、冷間圧延(x)では、Cu−Mo複合材を圧延(y)の圧延方向と直交する方向に圧延してもよい。
また、本発明の放熱板の製造において、Cu−Mo複合材(a)のCu含有量が比較的低い場合には、材料の総圧下率にもよるが、冷間圧延による耳ワレなどを防止するために、温間圧延を取り入れた製造方法(但し、Cu−Mo複合材(a)の圧延(y)を行わない製造方法を含む。)とすることが好ましく、この製造方法では、例えば、次のような条件で温間圧延を行うことが好ましい。
すなわち、材料の総圧下率(Cu−Mo複合材単体での圧下率とクラッド材圧延時のCu−Mo複合材の圧下率を合わせた総圧下率)が70%以上であって、Cu−Mo複合材(a)のCu含有量が20mass%未満の場合には、下記(1)又は/及び(2)の温間圧延を行うことが好ましく、特にCu含有量が15mass%以下の場合には、下記(1)及び(2)の温間圧延を行うことが好ましい。また、Cu−Mo複合材(a)のCu含有量が20〜30mass%であって、材料の総圧下率が特に高い場合(例えば総圧下率96%以上)にも、下記(1)又は/及び(2)の温間圧延を行うことが好ましい。
(1)上記冷間圧延(x)に代えて温間圧延を行う。
(2)上記圧延(y)を温間圧延で行う。
さきに述べたように、温間圧延ではMo粒子のCuマトリックス内での相対位置変化がより容易となり、Cuの加工硬化も生じにくいため、冷間圧延に較べてMo粒子をCu相によって変形させる作用が十分に得られず、圧延による熱膨張率の低下の割合が冷間圧延に較べて低くなる傾向にあるが、低Cu含有量のCu−Mo複合材の場合には、Mo粒子間距離が短くなることからCu相とMo粒子の相対位置変化が生じにくいため、Mo粒子が変形されやすく、このため上記のような条件で温間圧延を行っても、冷間圧延した場合と大差ない熱特性を有する放熱板が得られる。
温間圧延は200〜300℃程度の温度で行うことが好ましい。温間圧延の温度が300℃超では、Moが酸化して表面酸化物が生成しやすくなり、それが圧延中に剥離して製品の品質に悪影響を及ぼすなどの問題を生じやすい。
なお、上記(1)、(2)のいずれか一方の温間圧延を行う場合、Cu−Mo複合材(a)のCu含有量や厚さなどに応じて圧延性を考慮し、いずれか一方が選択される。
次に、Cu−Mo複合材(a)を得るための上記(i)〜(v)の方法の工程について説明する。
以下の説明において、Mo粉末又はMo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程を工程(A)、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程を工程(B)、前記焼結体に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸させる工程を工程(C1)、前記焼結体を緻密化処理する工程を工程(C2)、Cu溶浸又は緻密化処理したCu−Mo複合材に圧延(y)を施す工程を工程(D)という。
工程(A)では、常法に従いMo粉末又はMo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする。上述したCu−Mo複合材(a)の製造方法では、圧粉体の焼結後にCuの溶浸を行う場合(工程(C1))と、圧粉体の焼結後にCuの溶浸を行うことなく、緻密化処理を行う場合(工程(C1))とがあるが、後者の場合には、Cu−Mo複合材(a)のCu含有量に見合う量のCu粉末を配合する。
Mo粉末やCu粉末の純度や粒径は特に限定しないが、通常、Mo粉末としては、純度が99.95質量%以上、FSSS平均粒径が1〜8μm程度のものが用いられる。また、Cu粉末としては、通常、電解銅粉やアトマイズ銅粉末などの純Cuであって、平均粒径D50が5〜50μm程度のものが用いられる。
工程(A)では、Mo粉末又はMo粉末とCu粉末の混合粉末を型に充填し、使用する混合粉末の充填性や圧粉体の成形密度の目標値に応じて圧力を調整しながら加圧成形し、圧粉体を得る。
工程(B)では、工程(A)で得られた圧粉体を還元性雰囲気(水素雰囲気など)中又は真空中で焼結して焼結体とする。この焼結も通常の条件で行えばよく、Mo粉末とCu粉末の混合粉末の圧粉体の場合には、900〜1050℃(好ましくは950〜1000℃)程度の温度で30〜1000分程度保持する条件で行うことが好ましい。また、Mo粉末の圧粉体の場合には、1100〜1400℃(好ましくは1200〜1300℃)程度の温度で30〜1000分程度保持する条件で行うことが好ましい。
工程(C1)では、工程(B)で得られた焼結体(多孔質体)に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸(Cuの溶浸)させてCu−Mo複合材(a)を得る。この工程(C1)を行う場合には、Cu溶浸によって所望のCu含有量となる。
Cuの溶浸も通常の条件で行えばよい。例えば、焼結体の上面及び/又は下面にCu板やCu粉末を配置し、1083〜1300℃(好ましくは1150〜1250℃)程度の温度で20〜600分保持する。非酸化性雰囲気は特に限定しないが、水素雰囲気が好ましい。また、溶浸した後の加工性向上の観点からは、真空中で溶浸するのが好ましい。
ここで、工程(B)と工程(C1)を順次行う場合に、工程(A)で得られた圧粉体にCu溶浸用のCu板やCu粉末を配置した状態で、まず焼結温度に加熱して工程(B)を実施し、しかる後、温度をCu溶浸温度まで上昇させて工程(C1)を実施するようにしてもよい。
なお、この工程(C1)で得られたCu−Mo複合材(溶浸体)は、次工程での冷間圧延に先立ち、表面に残留した余剰の純Cuを除去するために表面研削(例えば、フライス盤や砥石などによる表面研削加工)を施すことが好ましい。
また、工程(C1)に代えて行う工程(C2)では、工程(B)で得られた焼結体を緻密化処理してCu−Mo複合材(a)を得る。この場合、工程(B)の焼結後に、さらに温度を上げてCuを溶解する処理(1200〜1300℃程度で20〜120分程度保持する処理)を行った後、工程(C2)の緻密化処理を行ってもよい。
この緻密化処理には高い温度と圧力が必要であり、ホットプレス、放電プラズマ焼結(SPS)、加熱圧延などの方法で行うことができる。この緻密化処理により、焼結体中の空隙を減らし緻密化させ、相対密度を高める。
工程(D)では、Cu−Mo複合材(a)の熱膨張率を低下させることを目的として、工程(C1)又は(C2)で得られたCu−Mo複合材に所定の圧下率で圧延(y)を施す。
なお、工程(C1)又は(C2)で得られたCu−Mo複合材を圧延する前に、必要に応じて800〜1000℃程度の温度で均質化時効熱処理を施してもよい。
本発明の放熱板は、冷間圧延又は温間圧延のままで、或いはさらに軟質化時効熱処理を施すことにより製品とすることができる。また、必要に応じて、半導体の台座としての使用を想定した耐食性及び電食に対する性能を向上させる目的で、表面にさらにNiめっきなどのめっきを施してもよい。この場合、めっき皮膜は放熱板の熱特性に大きく影響しない程度の膜厚で形成される。めっきの種類に特別な制限はなく、例えば、Niめっき、Auめっき、Agめっきなどが適用でき、これらの中から選ばれるめっきを単独で或いは2層以上を組み合わせて施すことができる。めっきは、放熱板の片面(最外層である両Cu層のうちの一方の表面)のみに施してもよいし、放熱板の両面に施してもよい。
本発明の放熱板は、各種の半導体モジュールが備えるセラミックパッケージやメタルパッケージなどの半導体パッケージに好適に利用でき、高い放熱性と耐用性が得られる。特に、高熱伝導率でありながら、低い熱膨張率が800℃を超える高温に曝された後も保持されるので、接合温度が750℃以上と高くなるロウ付け接合を行なう用途などについても問題なく適用できる。
(1)Cu−Mo複合材の製造条件
Mo粉末(FSSS平均粒径:6μm)と純Cu粉末(平均粒径D50:5μm)を所定の割合で混合した混合粉末を型(50mm×50mm)に入れて加圧成形し、後工程の冷間圧延での圧下率に応じた厚さの圧粉体とした。この圧粉体を水素雰囲気中で焼結(1000℃、600分)して焼結体を得た。次いで、この焼結体の上面に純Cu板を置き、水素雰囲気中で1200℃に加熱(保持時間180分)して純Cu板を溶解させ、この溶解したCuを焼結体に含浸させることで、所定のCu含有量のCu−Mo複合材を得た。このCu−Mo複合材を、表面に残留するCuをフライス盤を用いて除去した後、所定の圧下率で一方向の圧延(y)(冷間圧延)を施し、Cu−Mo複合材を製作した。
(2)各供試体の製造条件
(2.1)本発明例
上記のようにして得られた所定の板厚のCu−Mo複合材と純Cu板を、Cu/(Cu−Mo)/Cu/(Cu−Mo)/Cuの5層構造又はCu/(Cu−Mo)/Cu/(Cu−Mo)/Cu/(Cu−Mo)/Cuの7層構造に積層させ、この積層体を放電プラズマ焼結(SPS)装置(住友石炭鉱業(株)社製「DR.SINTER SPS-1050」)を用いて、950℃、18分保持、加圧力20MPaの条件で拡散接合させた。次いで、上記Cu−Mo複合材の圧延(y)(冷間圧延)と同じ圧下率で、圧延(y)の圧延方向と直交する方向に圧延(冷間圧延)し、本発明例の放熱板(板厚1mm)を製造した。
(2.2)比較例
Cu−Mo複合材と純Cu板をCu/(Cu−Mo)/Cuの3層構造とした以外は、本発明例と同一の条件で比較例の放熱板(板厚1mm)を製造した(比較例1、2、11)。
また、上記Cu−Mo複合材単体も比較例の放熱板(板厚1mm)とした(比較例3〜10、12〜14)。
(3)熱特性の測定
各供試体について、板面内熱膨張率を押棒式変位検出法で測定し、50℃−400℃と50℃−800℃における各伸び量の差を温度差で割り算して、50℃から400℃までの板面内平均熱膨張率と50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率を求めた。また、板厚方向の熱伝導率(室温での熱伝導率)をフラッシュ法で測定した。
(4)熱特性の評価
表1〜表6に、各供試体の熱特性を製造条件とともに示す。これによれば、比較例に較べて本発明例は板厚方向の熱伝導率が大幅に増加していることが判る。
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Claims (31)

  1. 板厚方向において、Cu層とCu−Mo複合体層が交互に積層することで3層以上のCu層と2層以上のCu−Mo複合体層で構成されるとともに、両面の最外層がCu層からなる放熱板であって、
    Cu−Mo複合体層は、Cuマトリクス中に扁平なMo相が分散した板厚断面組織を有し、
    両面の最外層のCu層(1a)の厚さtと中間層のCu層(1b)の厚さtがt≦tを満足し、且つ両面の最外層のCu層(1a)の厚さtと板厚Tがt/T≦0.20を満足することを特徴とする放熱板。
  2. 両面の最外層のCu層(1a)の厚さtと板厚Tがt/T≦0.17を満足することを特徴とする請求項1に記載の放熱板。
  3. 両面の最外層のCu層(1a)の厚さtと板厚Tがt/T≦0.15を満足することを特徴とする請求項1に記載の放熱板。
  4. Cu−Mo複合体層は、複数の単位Cu−Mo複合体層が厚さ75μm以下の接合用のCu層を介して積層した構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の放熱板。
  5. Cu−Mo複合体層はCu含有量が10〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の放熱板。
  6. Cu−Mo複合体層はCu含有量が20〜30質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の放熱板。
  7. 板厚方向の熱伝導率が200W/m・K以上、50℃から800℃までの板面内平均熱膨張率が10.0ppm/K以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の放熱板。
  8. 積層したCu層とCu−Mo複合体層とからなる放熱板本体の片面又は両面にめっき皮膜が形成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の放熱板。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の放熱板の製造方法であって、
    Cuマトリクス中にMo相が分散した板厚断面組織を有するCu−Mo複合材(a)とCu材(b)を積層させ、該積層体を拡散接合した後、冷間圧延(x)を施すことにより、Cu−Mo複合材(a)によるCu−Mo複合体層とCu材(b)によるCu層が積層した放熱板を得ることを特徴とする放熱板の製造方法。
  10. Cu−Mo複合材(a)は、Mo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程と、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程を経て得られたものであることを特徴とする請求項9に記載の放熱板の製造方法。
  11. Cu−Mo複合材(a)は、Mo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程と、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体を緻密化処理する工程を経て得られたものであることを特徴とする請求項9に記載の放熱板の製造方法。
  12. Cu−Mo複合材(a)は、Mo粉末又はMo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程と、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸させる工程を経て得られたものであることを特徴とする請求項9に記載の放熱板の製造方法。
  13. 冷間圧延(x)の圧下率が70〜99%であることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の放熱板の製造方法。
  14. 冷間圧延(x)の圧下率が90〜96%であることを特徴とする請求項13に記載の放熱板の製造方法。
  15. 冷間圧延(x)をクロス圧延で行うことを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の放熱板の製造方法。
  16. Cu−Mo複合材(a)は、Mo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程と、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体を緻密化処理する工程と、前記緻密化処理されたCu−Mo複合材に圧延(y)を施す工程を経て得られたものであることを特徴とする請求項9に記載の放熱板の製造方法。
  17. Cu−Mo複合材(a)は、Mo粉末又はMo粉末とCu粉末の混合粉末を加圧成形して圧粉体とする工程と、前記圧粉体を還元性雰囲気中又は真空中で焼結して焼結体とする工程と、前記焼結体に非酸化性雰囲気中又は真空中で溶融したCuを含浸させる工程と、前記Cuを含浸させたCu−Mo複合材に圧延(y)を施す工程を経て得られたものであることを特徴とする請求項9に記載の放熱板の製造方法。
  18. 冷間圧延(x)と圧延(y)を合わせたCu−Mo複合材(a)の総圧下率が70〜99%であることを特徴とする請求項16又は17に記載の放熱板の製造方法。
  19. 冷間圧延(x)と圧延(y)を合わせたCu−Mo複合材(a)の総圧下率が90〜96%であることを特徴とする請求項18に記載の放熱板の製造方法。
  20. 圧延(y)をクロス圧延で行うことを特徴とする請求項16〜19のいずれかに記載の放熱板の製造方法。
  21. 圧延(y)でCu−Mo複合材(a)を一方向圧延した場合に、冷間圧延(x)では、Cu−Mo複合材を圧延(y)の圧延方向と直交する方向に圧延することを特徴とする請求項16〜20のいずれかに記載の放熱板の製造方法。
  22. Cu−Mo複合材(a)は、複数の単位Cu−Mo複合材(a)が積層したものであることを特徴とする請求項9〜21のいずれかに記載の放熱板の製造方法。
  23. Cu−Mo複合材(a)は、複数の単位Cu−Mo複合材(a)が接合用のCu薄板を介して積層したものであることを特徴とする請求項9〜21のいずれかに記載の放熱板の製造方法。
  24. Cu材(b)は、複数の単位Cu材(b)が積層したものであることを特徴とする請求項9〜23のいずれかに記載の放熱板の製造方法。
  25. Cu−Mo複合材(a)はCu含有量が10〜50質量%であることを特徴とする請求項9〜24のいずれかに記載の放熱板の製造方法。
  26. Cu−Mo複合材(a)はCu含有量が20〜30質量%であることを特徴とする請求項9〜24のいずれかに記載の放熱板の製造方法。
  27. Cu−Mo複合材(a)のCu含有量が20mass%未満であり、冷間圧延(x)と圧延(y)を合わせたCu−Mo複合材(a)の総圧下率が70%以上である製造方法(但し、Cu−Mo複合材(a)の圧延(y)を行わない製造方法を含む。)であって、
    下記(1)又は/及び(2)の温間圧延を行うことを特徴とする請求項25に記載の放熱板の製造方法。
    (1)冷間圧延(x)に代えて温間圧延を行う。
    (2)圧延(y)を温間圧延で行う。
  28. 冷間圧延(x)と圧延(y)を合わせたCu−Mo複合材(a)の総圧下率が96%以上である製造方法(但し、Cu−Mo複合材(a)の圧延(y)を行わない製造方法を含む。)であって、
    下記(1)又は/及び(2)の温間圧延を行うことを特徴とする請求項26に記載の放熱板の製造方法。
    (1)冷間圧延(x)に代えて温間圧延を行う。
    (2)圧延(y)を温間圧延で行う。
  29. 積層したCu−Mo複合体層とCu層とからなる放熱板本体の片面又は両面にめっき皮膜を形成することを特徴とする請求項9〜28のいずれかに記載の放熱板の製造方法。
  30. 請求項1〜8のいずれかに記載の放熱板を備えたことを特徴とする半導体パッケージ。
  31. 請求項30に記載の半導体パッケージを備えたことを特徴とする半導体モジュール。
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