図1は、本発明の一実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成図である。図1に示すPOSシステム1は、5台のPOS端末20R−1、POS端末20R2、POS端末20−1、POS端末20−2、POS端末20−3と、ストアコントローラ(ストアコンピュータ、管理装置)10と、監視装置40を備え、夫々はLAN11を介して通信可能に接続されている。以下、POS端末20R−1、20R−2、20−1、20−2、20−3について特に区別しない場合には、POS端末20と総称する。
ストアコントローラ(ストアコンピュータ、管理装置)10は、売上データや商品データなどを店舗運営に必要なデータを管理している。また、POS端末20とは商品販売データに関連する情報を送受信している。さらにPOS端末20のステータス状況なども常に監視されており、会計操作中の支払い中、待機中などや、レシートニアエンド、レシート切れ、さらに、釣銭釣札機の金種及び枚数の残値情報なども把握している。監視装置40は、設置型と可搬型(モバイル端末)があり、ストアコントローラと同様の機能を有している。
図2は、POS端末の設置例を示す図である。図2(A)は、POS端末20等を客側から見た斜視図である。図2(B)は、POS端末20等を店員側から見た斜視図である。図2(A)に示すように客側から見てPOS端末20の右側にカウンタが置かれている。
図3は、POS端末の外観例を示す図である。図3(A)は、POS端末20を客側から見た斜視図である。図3(B)は、POS端末20を店員側から見た斜視図である。図4は、POS端末20の構成例を示す図である。図3及び図4において、同一部分には同一符号を付している。
以下、図3を参照しつつ、図4に示したPOS端末20の構成例を説明する。POS端末20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、客側印刷部207と、カード決済部208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、キー操作部211と、店員側スキャナ部212と、店員側印刷部213と、音声出力部214と、通信部215と、人感センサ221と、サインポール222とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、POS端末20の動作を制御する。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
RAM203は、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、ストアコントローラ10から取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報(例えば、登録処理において生成した登録情報、精算処理において生成した精算情報等)を記憶する。なお、以下の説明において、登録情報と精算情報の何れか一方又は両方を取引情報と称する場合がある。
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
客側表示部205は、客用のタッチディスプレイであり、客に種々の情報を表示するとともに、客から種々の入力を受け付ける。
客側スキャナ部206は、客用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)等を光学的に読み取る。
なお、客側スキャナ部206は、客が商品を登録する際に用いられるが、客は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、客側表示部205に、商品の注文ボタン等が表示されている場合、客は、注文ボタンを操作(押下)し、商品を登録することができる。
客側印刷部207は、客側に媒体を排出する印刷部であり、例えば、レシート等の種々の媒体を印刷、発行する。
カード決済部208は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等)による決済機構である。本実施形態のカード決済部208は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備えるが、少なくとも、カード認識部を備えるものであればよい。
釣銭機209(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有し、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。
店員側表示部210は、店員用のタッチディスプレイであり、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。
キー操作部211は、各種のキー(ボタン)から構成され、店員から種々の入力を受け付ける。
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)や店員の名札に付された店員コード等を光学的に読み取る。
なお、店員側スキャナ部212は、店員が商品を登録する際に用いられるが、店員は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、キー操作部211に、商品に対応するキー(例えば、スポーツ新聞に対応するキー等)が配置されている場合、店員は、当該キーを操作(押下)し、当該商品を登録することができる。また、店員側表示部210に、商品に対応するプリセットキーが表示されている場合、店員は、当該プリセットキーを操作し、当該商品を登録することができる。
店員側印刷部213は、店員側に媒体を排出する印刷部であり、例えば、レシート等の種々の媒体を印刷、発行する。
音声出力部214は、音声を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンス等を出力する。
通信部215は、他の装置(他のPOS端末20、ストアコントローラ10)との間において情報を送受信する。
人感センサ221は、人の接近を検知する。例えば、人感センサ221は、POS端末20から半径1メートル以内に人が存在するか否かを検知することで、人の接近を検知する。
サインポール222は、複数色の表示灯を有し、それらの表示灯を点灯や点滅させるなど、発光によって客に報知する。サインポール222による報知内容については後述する。
(各動作モードの概要)
続いて、POS端末20の動作モードについて説明する。POS端末20は、複数の動作モードを有する。具体的には、POS端末20は、4種類の動作モード(通常モード、フルセルフモード、ダブルスキャンモード、セミセルフモード)を有する。なお、以下の説明する動作モードは、通常業務中の動作モード(商品登録処理や会計処理に係る動作モード)であり、売上や在高等を集計、照会等する集計モード、店員や保守員等が設定作業や保守作業を行う際のメンテナンスモード、新人がトレーニングを行う際のトレーニングモード等は含まない。
図5〜図8は、POS端末の動作モードの概略を説明する図である。図5は、通常モードの概略を説明する図である。図5(A)は通常モードにおける処理(商品登録処理、会計処理)の流れや人(店員、客)の動作を表した模式図であり、図5(B)は通常モードにおけるPOS端末20の動作の基本的な流れを示したフローチャートである。図6は、フルセルフモードの概略を説明する図である。図6(A)はフルセルフモードにおける処理(商品登録処理、会計処理)の流れや人(客)の動作を表した模式図であり、図6(B)はフルセルフモードにおけるPOS端末20の動作の基本的な流れを示したフローチャートである。図7は、ダブルスキャンモードの概略を説明する図である。図7(A)はダブルスキャンモードにおける処理(商品登録処理、会計処理)の流れや人(客)の動作を表した模式図であり、図7(B)はダブルスキャンモードにおけるPOS端末20の動作の基本的な流れを示したフローチャートである。図8は、セミセルフモードの概略を説明する図である。図8(A)はセミセルフモードにおける処理(商品登録処理、会計処理)の流れや人(客)の動作を表した模式図であり、図8(B)及び図8(C)はセミセルフモードにおけるPOS端末20の動作の基本的な流れを示したフローチャートである。
なお、以下の説明において、上述の4つの動作モードの分類とは別の切り口として、POS端末20が、商品登録処理を実行するモードを登録モード、精算処理を実行するモードを会計モードと称する場合がある。
(通常モード)
通常モードは、図5(A)に示すように、店員側にて登録処理を実行し、客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、図5(B)に示すように、通常モードの場合、店員側が登録モードになり、客側が会計モードになる。つまり、POS端末20は、登録処理〜精算処理の全体を通して見た場合、登録会計モードとして動作する。
通常モードの場合、店員は、客の買上商品を店員側(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211)にて登録する。つまり、POS端末20は、店員の操作(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211等の操作)により、買上商品の登録処理を実行する(図5(A)の上段)。
店員による登録処理が完了した場合、客は、店員側表示部210において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(図5(A)の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(図5(A)の下段)。
つまり、通常モードでは、図5(B)に示すように、初めは店員側において、例えば店員側スキャナ部212により商品がスキャン等され(ステップS10:YES)、商品を登録する(ステップS11)。小計キー(例えば、店員側表示部210に表示された小計キー、又は、キー操作部211に配置された小計キー等)の押下後は(ステップS30:YES)、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、処理が完了する。
なお、客は、店員による登録処理が完了する迄(合計金額が確定する迄)、待機していてもよいが、登録処理が完了する前に釣銭機209に貨幣を投入してもよい。つまり、POS端末20は、登録処理中において入金を受付可能である(図5(A)の上段)。
また、店員は、客による精算が完了する迄(客がお釣りやレシートが取る迄)、待機していてもよいが、次の客の買上商品を登録してもよい。つまり、POS端末20は、精算処理中において次客の買上商品を登録可能である(図5(A)の下段)。また、店員は、客による精算中に不在であってもよい(図5(A)の下段)。つまり、当該客の精算中には、当該客の応対を終えてもよい。
また、POS端末20は、お釣りがある場合には、お釣りの取り忘れを防止するため、釣銭機209による釣銭・釣札の払出しを制御し、客が釣銭・釣札を取り除いたことをセンサ等で認識した上で、客側印刷部207によるレシートの発行を制御する。他の動作モードにおいても同様である。なお、上述したように、通常モード(ダブルスキャンモードも同様)では、お釣りを受け取る客の前に店員がいる場合といない場合とがあるが、店員がいる場合は、必ずしも上述した制御を行わなくてもよい(即ち、釣銭・釣札の払出とレシートの発行とを同時に行ってもよいし、先にレシートを発行してもよい)。また、現在の動作モードや店員の存在/不在(例えば、店員の存在/不在はセンサにより認識)に応じて、釣銭・釣札の払出しとレシートの発行のタイミング等を制御してもよい。
(フルセルフモード)
フルセルフモードは、図6(A)に示すように、客側にて登録処理を実行し、客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、図6(B)に示すように、フルセルフモードの場合、客側が登録モードにも会計モードにもなる。つまり、POS端末20は、登録処理〜精算処理の全体を通して見た場合、登録会計モードとして動作する。
フルセルフモードの場合、客は、買上商品を客側(客側スキャナ部206、客側表示部205)にて登録する。つまり、POS端末20は、客の操作等(客側スキャナ部206によるスキャン、客側表示部205へのタッチ)により、買上商品の登録処理を実行する(図6(A)の上段)。
登録処理が完了した場合、客は、客側表示部205において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(図6(A)の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(図6(A)の下段)。
つまり、フルセルフモードでは、図6(B)に示すように、客側において、例えば客側スキャナ部206により商品がスキャン等され(ステップS20:YES)、商品を登録する(ステップS21)。登録完了キー(例えば、客側表示部205に表示された登録完了キー等)の押下後は(ステップS40:YES)、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、処理が完了する。
なお、フルセルフモードは、上述したように、客側にて登録処理も精算処理も実行するが、店員側は何もできないという訳ではない。つまり、POS端末20は、フルセルフモードで動作しているときであっても、店員側スキャナ部212にて店員コードのスキャンが可能である。また、POS端末20は、フルセルフモードで動作しているときであっても、店員側表示部210における種々の情報(例えば、図15において説明する一覧)の表示が可能である。
(ダブルスキャンモード)
ダブルスキャンモードは、図7(A)に示すように、店員側及び客側の両側にて登録処理を実行し、客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、図7(B)に示すように、ダブルスキャンモードの場合、店員側及び客側の両側が登録モードになり、客側が会計モードになる。つまり、POS端末20は、登録処理〜精算処理の全体を通して見た場合、登録会計モードとして動作する。
ダブルスキャンモードの場合、店員は、買上商品を店員側(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211)にて登録し、客は、買上商品を客側(客側スキャナ部206、客側表示部205)にて登録する。つまり、POS端末20は、店員の操作等(店員側スキャナ部212によるスキャン、店員側表示部210へのタッチ、キー操作部211等の押下)、及び、客の操作等(客側スキャナ部206によるスキャン、客側表示部205へのタッチ)により、買上商品の登録処理を実行する(図7(A)の上段)。
登録処理が完了した場合、客は、客側表示部205において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(図7(A)の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(図7(A)の下段)。
つまり、ダブルスキャンモードでは、はじめは店員側及び客側において商品を登録する。例えば、図7(B)に示すように、店員側スキャナ部212のスキャン等により(ステップS10:YES)、商品を登録し(ステップS11)、客側スキャナ部206のスキャン等により(ステップS20:YES)、商品を登録する(ステップS21)。小計キー(例えば、店員側表示部210に表示された小計キー、又は、キー操作部211に配置された小計キー等)、又は、登録完了キー(例えば、客側表示部205に表示された登録完了キー等)の押下後は(ステップS41:YES)、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、処理が完了する。
なお、店員は、客による精算が完了する迄(客がお釣りやレシートが取る迄)、待機していてもよいが、次の客の買上商品を登録してもよい。つまり、POS端末20は、精算処理中において次客の買上商品を登録可能である(図7(A)の下段)。また、店員は、客による精算中に不在であってもよい(図7(A)の下段)。つまり、当該客の精算中には、当該客の応対を終えてもよい。
(セミセルフモード)
セミセルフモードは、2台以上のPOS端末20による動作モードであって、図8(A)に示すように、少なくとも1台のPOS端末20(図8の例ではPOS端末20−1)の店員側にて登録処理を実行し、他の1台のPOS端末20(図8の例ではPOS端末20−2、POS端末20−3のうちの1台)の客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、セミセルフモードの場合、1台以上(図8の例では図8(B)に示すようにPOS端末20−1の1台)が登録専用モードになり、他の1台以上(図8の例では図8(C)に示すようにPOS端末20−2、20−2の2台)が会計専用モードになる。
セミセルフモードの場合、店員は、登録専用モードのPOS端末20において、客の買上商品を店員側(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211)にて登録する。つまり、POS端末20は、店員の操作(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211等の操作)により、買上商品の登録処理を実行する(図8(A)の上段)。
店員による登録処理が完了した場合、客は、会計専用モードのPOS端末20に移動し、店員側表示部210において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(図8(A)の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(図8(A)の下段)。
登録専用モードのPOS端末20(図8の例ではPOS端末20−1)において登録処理が完了した場合、客は、登録専用モードのPOS端末20から会計専用モードのPOS端末20(図8の例ではPOS端末20−2)に移動するが、移動先のPOS端末20には、精算処理に必要な情報(登録専用モードのPOS端末20において生成された登録情報等)が供給される。
なお、移動先のPOS端末20(会計専用モードのPOS端末20のうち精算処理を実行させるPOS端末20)は、登録専用モードのPOS端末20において指定してもよい。あるいは、登録専用モードのPOS端末20において媒体(精算処理に必要な情報を取得するためのバーコード等が印刷された媒体)を発行し、当該媒体を読み取らせた会計専用モードのPOS端末20を移動先のPOS端末20としてもよい。
つまり、セミセルフモードでは、はじめは、登録専用モードのPOS端末20(POS端末20−1)の店員側において商品を登録する。例えば、図8(B)に示すように、店員側スキャナ部212のスキャン等により(ステップS10:YES)、商品を登録する(ステップS11)。小計キー(例えば、店員側表示部210に表示された小計キー、又は、キー操作部211に配置された小計キー等)の押下後に(ステップS30:YES)、例えば会計専用モードのPOS端末20(POS端末20−2のPOS端末20−3の何れか一方)が指定されると(ステップS31:YES)、指定されたPOS端末20に登録情報が送信され(ステップS32)、登録専用モードのPOS端末20における、処理が完了する。
続いて、図8(C)に示すように、登録情報の受信後(ステップS49:YES)、会計専用モードのPOS端末20(即ち、登録専用モードのPOS端末20によって指定されたPOS端末20)は、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、会計専用モードのPOS端末20における、処理が完了する。
なお、店員は、登録情報を送信した後は、次の客の買上商品を登録可能である(図8(A)の下段)。また、店員は、登録情報を送信した後は、不在であってもよい(図8(A)の下段)。
(動作モードの報知)
POS端末20は、現在の動作モードを報知する。例えば、店員側表示部210において現在の動作モードを表示してもよい。具体的には、店員側表示部210に動作モード表示欄を有する画面を表示し、該画面上の動作モード表示欄に現在の動作モードを表示してもよい。また、各動作モードに対応する画像(例えば、ボタン風の画像)を配置した画面を店員側表示部210に表示し、該画面上において現在の動作モードを対応する画像を、現在の動作モードを対応しない画像と異なる表示態様(例えば、他の画像の表示態様よりも目立つ表示態様)にて表示してもよい。なお、客側表示部205においても同様に動作モードを表示してもよい。
また、POS端末20は、現在の動作モードに応じた情報を報知してもよい。例えば、客側表示部205において現在の動作モードに応じたメッセージを表示してもよい。具体的には、現在の動作モードがフルセルフモードである場合、例えば待機中であるときに、客自身が商品を登録する旨(「お客様にスキャンをお願いしております」等のメッセージ)を客側表示部205に表示(例えば、大きな文字でスクロール表示等)してもよい。
(動作モードの移行)
続いて、POS端末20の動作モードの移行(切替)について説明する。POS端末20は、店員による明示的なモード移行操作(動作モードの設定画面上の入力や動作モードの設定ボタンの操作等)に従って動作モードが移行する。また、POS端末20は、店員による明示的なモード移行操作以外の他の操作(例えば、店員コードの読取等)に従って動作モードが移行する。また、POS端末20は、店員の操作等に拠らない所定の条件(経過時間や所定時刻(スケジュール)等の時間に関する条件、他の端末等との間における命令等の情報の送受信に関する条件等)に基づいて動作モードが移行する。
図9及び図10は、動作モードの移行の一例を説明する図である。図9(A)は、通常モードからフルセルフモードへの移行の流れを示したフローチャートである。図9(B)は、フルセルフモードからダブルスキャンモードへの移行の流れを示したフローチャートである。図10(A)は、通常モードからセミセルフモード(登録専用モード)への移行の流れを示したフローチャートである。図10(B)は、通常モードからセミセルフモード(会計専用モード)への移行の流れを示したフローチャートである。
(通常モードからフルセルフモードへの移行)
図9(A)のフローチャートは、POS端末20(通常モード)が不使用中の状態になったときに開始する(つまり店員及び客の何れも使用しなくなったときに開始する)。
ステップS100:不使用時間の計時を開始する。
ステップS101:店員又は客により使用が開始されたか否か判断する。使用が開始されていない場合にはステップS102に進む。使用が開始された場合にはステップS104に進む。
ステップS102:不使用時間が所定時間(例えば、予め設定した10分)を経過したか否かを判断する。所定時間を経過した場合にはステップS103に進む。所定時間を経過していない場合にはステップS101に戻る。
ステップS103:動作モードを通常モードからフルセルフモードに移行する。
ステップS104:不使用時間の計時を終了する。そして図9(A)のフローチャートは終了する。
なお、フルセルフモードに移行したときには、店員に対し、フルセルフモードに移行した旨を報知(例えば、店員が携帯する端末に対し、未引渡商品がある旨の情報を送信等)してもよい。また、フルセルフモードに移行したときには、客側表示部205にセルフでの登録を客に指示又は依頼するメッセージを表示してもよい。
なお、図9(A)は、通常モードからフルセルフモードへの移行に関する流れを示したものであるが、ダブルスキャンモードからフルセルフモードへの移行に関しても、図9(A)の流れと同様であってもよい。
(フルセルフモードからダブルスキャンモードへの移行)
図9(B)のフローチャートは、POS端末20(フルセルフモード)において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)、開始する。
ステップS110:店員側スキャナ部212において店員コードが読み取られたか否かを判断する。店員コードが読み取られた場合にはステップS111に進む。店員コードが読み取られていない場合には図9(B)のフローチャートは終了する。
ステップS111:動作モードをフルセルフモードからダブルスキャンモードに移行する。そして図9(B)のフローチャートは終了する。
(通常モードからセミセルフモード(登録専用モード)への移行)
図10(A)のフローチャートは、POS端末20(通常モード)において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)、開始する。
ステップS120:セミセルフモード(登録専用モード)への移行を宣言する操作があったか否かを判断する。例えば、店員側表示部210にセミセルフモード(登録専用モード)への移行を宣言するためのボタンを表示しておき、当該ボタンが押下(タッチ)されたか否かを判断してもよい。操作があった場合にはステップS121に進む。操作がなかった場合には図10(A)のフローチャートは終了する。
ステップS121:POSシステム1においてセミセルフモードにて動作している他のPOS端末20があるか否かを判断する。上述したように、セミセルフモードの場合、登録専用モードのPOS端末20と会計専用モードのPOS端末20が夫々1台以上必要であるため、例えば、当該POS端末20がPOS端末20−1である場合、POS端末20−2、20−3のうちの一方がセミセルフモード(登録専用モード)として動作し、他方がセミセルフモード(会計専用モード)として動作しているか否かを判断する。セミセルフモードにて動作している他のPOS端末20がない場合にはステップS122に進む。セミセルフモードにて動作している他のPOS端末20がある場合にはステップS124に進む。
ステップS122:セミセルフモード(会計専用モード)へ移行させる他のPOS端末20の指定があったか否かを判断する。指定があった場合にはステップS123に進む。指定がなかった場合にはステップS122の処理を繰り返す。
ステップS123:指定された他のPOS端末2に対し、セミセルフモード(会計専用モード)への移行指示を送信する。
ステップS124:処理中であるか否かを判断する。処理中でなければステップS125に進む。処理中であればステップS124の処理を繰り返す。
ステップS125:動作モードを通常モードからセミセルフモード(登録専用モード)に移行する。そして図10(A)のフローチャートは終了する。
なお、ステップS120の操作は、既にセミセルフモードにて動作している他のPOS端末20が存在しておらず、かつ、セミセルフモードにて移行可能な他のPOS端末20が存在していない場合には、行うことができないようにするとよい。
(通常モードからセミセルフモード(会計専用モード)への移行)
図10(B)のフローチャートは、POS端末20(通常モード)において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)、開始する。
ステップS130:セミセルフモード(会計専用モード)への移行指示を受信したか否かを判断する。移行指示を受信した場合にはステップS131に進む。移行指示を受信していなかった場合には図10(B)のフローチャートは終了する。
ステップS131:処理中であるか否かを判断する。処理中でなければステップS132に進む。処理中であればステップS131の処理を繰り返す。
ステップS132:動作モードを通常モードからセミセルフモード(会計専用モード)に移行する。そして図10(B)のフローチャートは終了する。
なお、図10(B)は、通常モードからセミセルフモード(会計専用モード)への移行に関する流れを示したものであるが、フルセルフモードからセミセルフモード(会計専用モード)への移行に関しても、図10(B)の流れと同様であってもよい。
本実施形態では、上述した各モードで動作可能なPOS端末20を用いてPOSシステム1を構成している。また、本実施形態では、図1で示した構成のうち、POS端末20R−1、20R−2が登録専用モードで動作する。従って、POS端末20R−1、20R−2は、一の会計装置で会計処理を行うために登録データを出力する。POS端末20−1、20−2、20−3が会計専用モードで動作する。以下の説明では、説明をわかりやすくするために、POS端末20−1を会計装置Aと表現し、POS端末20−2を会計装置Bと表現し、POS端末20−3を会計装置Cと表現することがある。また、以下の説明では、POS端末20R−1、20R−2のうち、登録専用モードの装置として、POS端末20R−1の1台のみを用いた形態について説明し、POS端末20R−1を単に登録装置と表現することがある。
本実施形態におけるPOSシステム1は、セミセルフモードで動作するため、店員により客が会計を行う会計装置が指定されるが、客は指定された会計装置とは異なる会計装置で会計を行うことができる。このようにすることで、客にとって好適な会計装置で会計を行うことが可能となる。
なお、上記構成例では、複数の動作モードで動作可能なPOS端末でセミセルフ方式を実現しているが、商品の登録機能を持つが、会計機能を持たない登録専用装置と、商品の登録機能を持たないが、会計機能を持つ会計専用装置で構成するようにしてもよい。こうした登録専用装置と会計専用装置で構成する場合でも、上述したセミセルフモードで動作するPOS端末の場合でも、登録を行う装置から、会計を行う装置を指定する必要がある。この指定方法について説明する。
複数の会計装置のうちから会計処理を実行させる会計装置を指定する態様としては、会計処理を実行させる会計装置を、店員が登録装置にて指定する態様(第1の指定態様)と、客に手渡しされるお会計券を登録装置から発行させ、店員から手渡しされたお会計券を、客が1つの会計装置に読み取らせる態様(第2の指定態様)とがある。会計装置を指定する態様としては、上記の態様に限定されない。例えば、以下のように会計装置を指定する態様であってもよい。
1つの態様として、商品登録の完了に応じて表示された送信ボタンに対して行われた操作に応じて(あるいは商品登録の完了を宣言するような操作であってもよい)、登録装置が、例えば会計装置に状態の問合せを行って会計処理が可能な(例えば、障害が発生しておらず、使用中でもない)会計装置を認識し、使用中でない会計装置のうちから所定の規則(例えば会計装置番号順)に従って、1つの会計装置を決定する。そして、登録装置は、決定した会計装置に会計情報を送信して会計処理の実行を指示する。
もう1つの態様として、予め会計装置について会計処理の優先順位を設定しておくようにする。そのうえで、商品登録の完了に応じて、会計装置への会計情報の送信を指示する送信ボタンの操作が有効となるように表示する。送信ボタンが操作されたことに応じて、登録装置は、設定された優先順位に従った順で会計装置の会計処理が可能であるか否かを確認し、会計処理が可能であることが確認されなければ、優先順位が次の会計装置について確認するようにする。そのうえで、登録装置は、最初に会計処理が可能であることが確認された会計装置に会計情報を送信して会計処理の実行を指示する。
もう1つの態様として、登録装置は、全ての会計装置に会計情報を送信する。会計情報を受信した会計装置は、自己が受信した会計情報に含まれる会計情報を利用して会計処理を実行可能な状態となると、自己が会計処理を実行することを通知する会計処理実行通知を会計情報の送信元の登録装置に送信する。
登録装置は、会計処理実行通知の受信に応じて、会計処理実行通知の送信先の会計装置を示す表示(会計処理実行表示)を行う。店員は、会計処理実行表示を見て、会計処理を実行する会計装置がいずれであるのかを客に伝えればよい。
この際、会計処理実行表示とともに、会計処理実行通知を送信した会計装置のサインポールを所定のパターンで点灯させたり、会計装置から所定の報知音を出力させたりすることで、自己が会計処理を実行することを報知するようにしてよい。
もう1つの態様として、登録装置は、会計情報と、複数の会計装置間での転送順を設定した転送順情報とを含む会計指示情報を、或る1つの会計装置に送信する。転送順情報は、会計装置間で循環的に転送順を指定するものであってよい。
会計指示情報を受信した会計装置は、自己が会計処理を実行可能であれば、会計指示情報の送信元の登録装置に対して、会計処理実行通知を送信し、受信された会計指示情報に含まれる会計情報を利用して会計処理を実行する。
一方、会計指示情報を受信した会計装置は、自己が会計処理を実行不可である場合、受信された会計指示情報に含まれる転送順情報に従って、転送順が次の会計装置に対して、受信された会計指示情報を転送する。このようにして、会計装置間で会計指示情報が順次転送されるようにすることによっても、会計処理を実行させるべき会計装置の指定に相当する手順が実現される。
本実施形態では、上記第1の態様を例に説明する。図11における登録装置、会計装置A、B、Cの設置レイアウトについて説明する。図11は、登録装置、会計装置A、B、Cの設置位置を示す図である。本実施形態において、店員によって商品が登録された客は、まず動線F1に沿って会計装置A、B、Cに移動する。そして、客は、会計を行うために動線F2に沿って移動する。客は、動線F2において会計装置A、B、Cの表示画面を見ることができる。このように、本実施形態における設置レイアウトは、登録を終えた客が移動する動線と、会計を行うために客が移動する動線が略直角になるように会計装置A、B、Cが配置されるレイアウトである。
また、図11に示されるように、登録装置から最も近い会計装置は、会計装置Aである。登録装置から最も遠い会計装置は、会計装置Cであるが、出口には最も近い会計装置とする。従って会計装置Aは、足腰の弱い高齢者等に好適な会計装置である。また、会計装置Cは、サッカー台に立ち寄る必要がない客にとって好適な会計装置である。
以下、会計装置を変更する処理についての説明に先立ち、会計装置の変更に関する背景について説明する。
図11に示されるように、登録装置と各会計装置は、会計装置A、会計装置B、会計装置Cの順に登録装置からの距離が長くなる。通常、店員は一番近い会計装置Aを指定するが、会計装置Aが会計中であれば、会計装置Bを指定し、会計装置Bも会計中であれば、会計装置Cを指定する。
こうして会計装置を指定したあとに、他の会計装置で会計を行う方法として、「呼び戻し」を行う方法もある。「呼び戻し」とは、登録装置から会計装置が一旦受信して保持していた登録データを、登録装置にて行われる登録データの訂正(例えば、登録データへの登録商品の追加、登録データからの登録商品の削除等)のために、会計装置から登録装置に戻すための処理である。
この「呼び戻し」を行い、他の会計装置を指定する方法も可能であるが、店員は、登録装置において、次客の商品登録を行っているので、呼び戻し自体困難である。従って、呼び戻しを行って会計装置を変更する方法は、他の客を連続して対応しなければならない状況では現実的な対応ではない。
このように、従来は会計装置を容易には変更できなかったため、以下のようなケースが発生していた。
まず、セミセルフ式のPOSシステム1では、店員が会計装置を指定し、客が会計を行うため、店員が指定した時点では、他の客が会計中であったり、メンテナンス中であったりして待機中ではなかった会計装置が、客が会計を行うことが可能となった時点で待機中となり、会計が可能となることがある。
例えば、会計装置A、Bで会計中の場合、店員は次客が会計する会計装置として、会計装置Cを指定する。その後、直ちに会計装置A及び会計装置Bの客の会計が終了すると、会計装置A、Bが待機中となる。その場合、従来では、会計装置の変更を容易にできないので、客は会計装置Cまで移動して会計を行っていた。
一方、客がマイバッグを使用しているため、サッカー台に立ち寄る必要がない場合、当該客にとって好適な会計装置は、登録装置から最も遠い会計装置Cである。このような場合も同様に、店員が登録装置から最も近い会計装置Aを指定した場合には、会計装置Aで会計を行わざるを得ない。
こうした背景から、客にとって好適な会計装置で会計を行うことを可能とする技術は非常に有効である。以下、この技術について説明する。まず登録装置において、商品が登録され、小計操作が行われたときに表示される小計画面から説明する。
図12は小計画面の一例である。図12(A)に例示した小計画面は、当該客(一取引)について商品の登録を完了しようとするときに表示される画面である。例えば、小計画面は、登録画面の表示中に小計ボタン220が押下された場合に表示される。図12(A)の場合、既に小計ボタン220が押下されているため、小計ボタン220は無効化される。
画面左側は、当該客(一取引)について登録した商品について一欄表示する領域である。図12(A)に例示した小計画面においては、缶ビール、アスパラ、卵(M)が夫々の販売価格とともに表示されている。画面右側は、当該客の合計を表示する領域である。図12(A)に例示した小計画面においては、合計の買上点数として「3」、合計の買上金額として「¥563」が表示されている。
小計画面には、会計装置指定ボタンA、B、Cが配置されている。会計装置指定ボタンA、B、Cに示される「Aレジ」「Bレジ」「Cレジ」は、夫々が、会計装置A、会計装置B、会計装置Cに対応している。それぞれの送信ボタンに各会計装置のステータス状態を表記、または、態様を変えて表示しても良い。画面下部の符号Dは、お会計券発行ボタンである。お会計券(登録商標)とは、客に手渡しされる精算処理用の媒体であり、お会計券を読み取った会計装置で精算処理を行う場合に用いられる。本実施形態では、精算処理を行う会計装置は指定されるため、お会計券を発行しなくてもよい。お会計券を発行するのはいずれかの会計装置との通信不要により「オフライン状態」と判定した上で、有効にしても良い(例えば、ボタンを表示しても良い)。
符号Eは、登録画面ボタンである。店員は、当該取引として商品を登録するときは登録画面ボタンを押下する。図12(A)に示されるように、客に対する小計画面を表示しているときに客が購入する商品として新たな商品を登録するときには、店員は、一旦、小計画面から抜けて登録画面に戻すために登録画面ボタンを押下する。即ち、登録画面ボタンが押下された場合には登録画面が表示される。
図12(B)は、店員により、会計装置として会計装置Aが指定された場合の小計画面を示す図である。会計装置Aが指定されたため、会計装置Aに対応する会計装置指定ボタンAは無効化される。
こうして会計装置Aが指定されると、店員は客に会計装置Aで会計するように伝える。客は、店員より伝えられた会計装置Aで会計を行うために、図11で示した動線F1、F2に沿って移動し、会計装置Aに到達する。
図13(A)は、会計装置Aの客側表示部205に表示される画面の一例を示す図である。すなわち、図13(A)は、会計装置Aに到達した客に表示される画面を示す図である。画面501には、開始ボタン502、会計装置Bボタン503、会計装置Cボタン504が表示される。開始ボタン502は、当該会計装置Aで会計を行う場合に押下されるボタンである。開始ボタン502が押下されると、会計画面が表示される。会計装置Bボタン503、会計装置Cボタン504は、会計装置Aではなく、会計装置Bまたは会計装置Cで会計を行う場合に押下されるボタンである。図13(A)に示される画面501の場合、会計装置Bは会計中であり、登録データを転送できないため、会計を行うことができないことから、会計装置Bボタン503は無効化されている。このように、登録データを転送可能な会計装置Aは、他の会計装置を識別するための識別情報(例えば「会計装置C」など)を、他の会計装置を選択可能(例えば、ボタンなどにより選択可能)なように表示する。これにより、客は容易に他の会計装置を選択することができる。
客は、会計装置Aで会計を行う場合には、開始ボタン502を押下することにより会計装置Aで会計を行うことができる。一方、客が会計装置Cで会計を行う場合には会計装置Cボタン504を押下することにより会計装置Cで会計を行うこともできる。
次に、店員により、会計装置として会計装置Aが指定された場合の会計装置A以外の待機中の会計装置に表示される2種類の画面(図13(B)の画面506、図13(C)の画面511)について説明する。
図13(B)は、店員により、会計装置として会計装置Aが指定された場合の会計装置A以外の待機中の会計装置に表示される画面506を示す図である。上述したように、会計装置Bは会計中ため、この画面506は、会計装置Cの客側表示部205に表示される。
画面506には、指定された会計装置Aに対応するボタンである会計装置Aボタン508、及び待機中であることを示す「−待機中−」が表示される。なお、待機中とアイドル状態の関係については後述する。客が会計装置Cで会計を行う場合には会計装置Aボタン508を押下することにより会計装置Cで会計を行うことができる。このように、会計装置A以外の待機中の会計装置は、他の会計装置を識別するための識別情報(例えば、会計装置Aなど)を、他の会計装置を選択可能(例えば、ボタンなどにより選択可能)なように表示する。これにより、客は容易に他の会計装置を選択することができる。
図13(C)は、店員により、会計装置として会計装置Aが指定された場合の会計装置A以外の待機中の会計装置に表示される画面510を示す図である。上述したように、会計装置Bは会計中ため、この画面510は、会計装置Cの客側表示部205に表示される。
画面511には、指定された会計装置A以外の会計装置に対応するボタンである会計装置Bボタン512、会計装置Cボタン513、及び待機中であることを示す「−待機中−」が表示される。画面511の場合、会計装置Bは会計中ため、会計を行うことができないことから、会計装置Bボタン512は無効化されている。客が会計装置Cで会計を行う場合には会計装置Cボタン513を押下することにより会計装置Cで会計を行うことができる。
なお、上記図13(A)に示した画面501は、開始ボタン502をタッチすることにより会計画面が表示されるが、その会計画面に会計装置Bボタンや会計装置Cボタンを表示してもよい。図13(D)は、会計画面515を示す図である。この会計画面515には、会計装置Bボタン516、会計装置Cボタン517が表示される。この会計画面515のように表示することで、会計装置を変更しない客は直ちに会計を行うことができる。
図14は、監視装置40の画面を一例である。監視装置40は、サービスカウンタなどに設置されている他の通常レジやモニター、または店員が操作するタブレット端末である。そして、監視装置40は、登録データを取得した会計装置に対し、登録データを転送させることが可能である。すなわち、店員は、監視装置40によって登録データを転送させたり、受信させたりすることが可能である。
図14(A)は、監視装置40に表示される画面521を示す図である。画面521には、各会計装置、または会計装置ごとの状態等を示す状態情報が表示される。本実施形態の場合、会計装置A〜Cが設けられているため、3つの状態情報522、523、524が表示される。状態情報522は会計装置Aに対応している。状態情報523は会計装置Bに対応している。状態情報524は会計装置Cに対応している。状態情報522、523、524には、対応する会計装置を識別するための情報、状態、及び登録データを転送させるか、受信させるためのボタンが設けられている。
状態情報522に示されるように、会計装置Aのみ登録データを取得しており、客による会計待ち状態である。会計装置B、Cは、引継可能状態である。そして、会計装置Aは、登録データを取得し、会計待ち状態のため、登録データを転送可能である。従って、状態情報522には、転送させるためのボタン「転送させる」が表示される。なお、登録データを取得して、会計が開始された場合には、転送することはできない。会計装置B、Cは、アイドル状態のため、他の会計装置が登録データを取得して、会計待ち状態となっている場合には、登録データを受信することができる。従って、状態情報523、524には、登録データを受信させるためのボタン「受信させる」が表示される。
図14(B)は、状態情報522のボタン「転送させる」が押下された場合に監視装置40に表示される画面531を示す図である。画面531には、転送先を指定するための指定ボタン532、533が表示される。この図14(B)に示される画面531では、指定ボタン533が押下されたことにより、会計装置Bが選択されていることを示している。なお、指定ボタンに対応する会計装置が登録データを取得したか、会計中の場合には、指定ボタンは無効化される。店員は、指定ボタンによって転送する会計装置を指定し、OKボタンを押下することで、登録データを転送することができる。こうした転送方法の他に、会計装置が指定されると、確認のためのポップアップ画面を表示し、「OK」が押下されると登録データを転送する方法もある。登録データを転送しない場合には、戻るボタンを押下することで、図14(A)の画面521が表示される。
図14(C)は、状態情報524のボタン「受信させる」が押下された場合に監視装置40に表示される画面541を示す図である。画面541には、転送元を指定するための指定ボタン542、543が表示される。この図14(C)に示される画面541では、指定ボタン543が押下されたことにより、会計装置Aが選択されていることを示している。なお、指定ボタンに対応する会計装置が会計中か、登録データを取得していない場合には、指定ボタン542に示されるように指定ボタンは無効化される。店員は、指定ボタンによって受信元の会計装置を指定し、OKボタンを押下することで、登録データを会計装置に受信させることができる。登録データを転送しない場合には、戻るボタンを押下することで、図14(A)の画面521が表示される。なお、画面541において、転送元を指定するための指定ボタン542、543が表示されているが、転送可能な会計装置のみを表示するようにしてもよい。
次に、POSシステム1における実際の処理内容について説明する。図15は、POS端末20の処理で用いられるメッセージ、イベント、及び状態を示す図である。図15(A)は、POS端末20間で送受信されるメッセージを示す図である。図15(A)に示される表には、「メッセージ名」、「送信側」、「受信側」、及び「内容」が示されている。「メッセージ名」は、メッセージの名称を示す。「送信側」は、「メッセージ名」に示されるメッセージを送信する装置を示す。「受信側」は、「メッセージ名」に示されるメッセージを受信する装置を示す。「内容」は、「メッセージ名」に示されるメッセージの内容を示す。なお、全てのメッセージは、ストアコントローラ10にも送信される。従って、ストアコントローラ10は図15(A)における「受信側」となるが、省略している。また、後述するシーケンス図、およびフローチャートにおいても、ストアコントローラ10へのメッセージの送信は省略している。
まず登録データ通知は、登録装置と会計装置とが送信し、会計装置が受信するメッセージである。この登録データ通知は、送信側から受信側へ登録データを送信するためのメッセージである。登録データ要求は、会計装置が送信し、会計装置が受信するメッセージである。この登録データ要求は、送信側が受信側へ登録データを要求するためのメッセージである。
転送要求は、上位装置が送信し、会計装置が受信するメッセージである。この転送要求は、上位装置が受信側の会計装置に他の会計装置へ登録データを転送することを要求するためのメッセージである。受信要求は、上位装置が送信し、会計装置が受信するメッセージである。この受信要求は、上位装置が受信側の会計装置に他の会計装置から登録データを受信することを要求するためのメッセージである。
会計待ち通知は、会計装置が送信し、登録装置、上位装置、及び会計装置が受信するメッセージである。この会計待ち通知は、送信側の会計装置が会計待ち状態に遷移したことを通知するためのメッセージである。会計開始通知は、会計装置が送信し、登録装置、上位装置、及び会計装置が受信するメッセージである。この会計開始通知は、送信側の会計装置が会計状態に遷移したことを通知するためのメッセージである。アイドル通知は、会計装置が送信し、登録装置、上位装置、及び会計装置が受信するメッセージである。このアイドル通知は、送信側の会計装置がアイドル状態に遷移したことを通知するためのメッセージである。
図15(B)は、POS端末20内で発生するイベントを示す図である。図15(B)に示される表には、「イベント名」、及び「内容」が示されている。「イベント名」は、イベントの名称を示す。「内容」は、「イベント名」に示されるイベントの内容を示す。
まず会計開始イベントは、客により会計開始ボタンがタッチされたことを示すイベントである。会計終了イベントは、会計が終了したことを示すイベントである。受信イベントは、客によりこの会計装置で会計をすることが選択されたことを示すイベントである。転送イベントは、客により他の会計装置で会計をすることが選択されたことを示すイベントである。人感イベントは、人感センサ221によって客が近くに来たことが検知されたことを示すイベントである。
図15(C)は、POS端末20の状態を示す図である。図15(A)に示される表には、「状態名」、及び「内容」が示されている。「状態名」は、状態の名称を示す。「内容」は、「状態名」に示されるイベントの内容を示す。
引継可能状態は、他装置の登録データで会計処理が可能な状態を示す。会計待ち状態は、登録データを取得したが会計処理が開始されていない状態を示す。会計状態は、会計処理が行われている状態を示す。アイドル状態は、上述した引継可能状態、会計待ち状態、及び会計状態のいずれの状態でもなく、登録データを受信可能な状態を示す。従って、アイドル状態は、電源が投入され、メンテナンス等が行われていない何もしていない状態である。また、本実施形態における「待機中」は、アイドル状態、引継可能状態、または会計待ち状態である。
次にシーケンス図を用いて、本実施形態に係る処理について説明する。図16から図20は、監視装置40、登録装置、会計装置A、Bにより行われる各処理を示すシーケンス図である。なお、図16から図20に示される登録装置は、POS端末20R−1であるが、POS端末20R−2で同じ処理となる。また、図16から図20における「開始画面」とは、図13(A)の画面501である。図16から図20における「引継可能画面」とは、図13(B)の画面511である。
まず、基本シーケンスについて説明する。基本シーケンスは、登録装置で指定された会計装置Aから他の会計装置に登録データを転送することなく、そのまま会計装置Aで会計を行う場合の処理を示している。
図16は、基本シーケンスの一例である。登録装置は、会計を行う装置として会計装置Aが指定されたことから、登録データ通知を会計装置Aに送信する(ステップS201)。登録データ通知を受信した会計装置Aは、開始画面を表示し、会計装置B、登録装置、監視装置の各々に会計待ち通知を送信する(ステップS202、203、204)。会計待ち通知を受信した登録装置は、会計装置Aに対応する会計装置指定ボタンA(Aレジ)を無効化する。また、会計待ち通知を受信した監視装置は、会計装置Aが会計待ち状態であることを記憶する。これにより、監視装置は、図14(A)の画面521を表示することができる。会計待ち通知を受信した会計装置Bは、会計を引き継ぐことができるため、引継可能画面を表示する。
会計装置Aにおいて、客が会計を開始することにより、会計開始イベントが発生すると、会計装置Aは、会計装置B、監視装置に会計開始通知を送信する(ステップS205、206)。会計開始通知を受信した会計装置Bは、会計を引き継ぐことができなくなったため、引継可能画面を消去する。また、会計開始通知を受信した監視装置は、会計装置Aが会計状態であることを記憶する。
会計装置Aにおいて、会計が終了することにより、会計終了イベントが発生すると、会計装置Aは、会計装置B、登録装置、監視装置の各々にアイドル通知を送信する(ステップS207、208、209)。アイドル通知を受信した登録装置は、会計装置Aに対応する会計装置指定ボタンA(Aレジ)の無効化を解除する。また、アイドル通知を受信した監視装置及び会計装置Bは、会計装置Aがアイドル状態であることを記憶する。
図17は、会計装置Aでの操作により会計装置Bで会計を行う場合のシーケンスの一例である。図17に示されるシーケンスは、登録装置で指定された会計装置Aに表示された開始画面において、会計装置Bが選択され、会計装置Bで会計を行う場合の処理を示している。
登録装置は、会計を行う装置として会計装置Aが指定されたことから、登録データ通知を会計装置Aに送信する(ステップS301)。登録データ通知を受信した会計装置Aは、開始画面を表示し、会計装置B、登録装置、監視装置の各々に会計待ち通知を送信する(ステップS302、303、304)。会計待ち通知を受信した登録装置は、会計装置Aに対応する会計装置指定ボタンA(Aレジ)を無効化する。また、会計待ち通知を受信した監視装置は、会計装置Aが会計待ち状態であることを記憶する。会計待ち通知を受信した会計装置Bは、会計を引き継ぐことができるため、引継可能画面を表示する。
会計装置Aに表示された開始画面において、会計装置Bが選択されると、会計装置Aは、会計装置Bに登録データ通知を送信する(ステップS305)。さらに、会計装置Aは、会計装置B、登録装置、監視装置の各々にアイドル通知を送信する(ステップS306、307、308)。アイドル通知を受信した登録装置は、会計装置Aに対応する会計装置指定ボタンA(Aレジ)の無効化を解除する。また、アイドル通知を受信した監視装置及び会計装置Bは、会計装置Aがアイドル状態であることを記憶する。登録データ通知を受信した会計装置Bは、引継可能画面に代えて、開始画面を表示し、登録装置、監視装置の各々に会計待ち通知を送信する(ステップS309、310)。
以下、基本シーケンスで示した会計装置Aにおける会計の処理と同じ処理が会計装置Bで行われる。なお、図17に示されるシーケンスに示されるように、会計装置Aから会計装置Bに転送された場合には、いずれの会計装置にも転送できない。すなわち、本実施形態における転送回数は、1回のみとなっている。このように、他の会計装置に転送して、さらに異なる会計装置に転送することはできないが、これに限るものではなく、転送回数を2回以上または無制限としてもよい。
図17に示したように、会計装置は、他の会計装置を指定し、自装置で会計処理を行うために取得された登録データを、指定された他の会計装置で会計処理を行うために転送可能となっている。この処理により、客は、会計装置Aでの操作により、客にとって好適な会計装置Bで会計を行うことができる。
図18は、会計装置Bでの操作により会計装置Bで会計を行う場合のシーケンスの一例である。図18に示されるシーケンスは、会計装置Aが登録装置で指定され、会計装置Bに表示された引継可能画面において、会計装置Bが選択され、会計装置Bで会計を行う場合の処理を示している。
登録装置は、会計を行う装置として会計装置Aが指定されたことから、登録データ通知を会計装置Aに送信する(ステップS401)。登録データ通知を受信した会計装置Aは、開始画面を表示し、会計装置B、登録装置、監視装置の各々に会計待ち通知を送信する(ステップS402、403、404)。会計待ち通知を受信した登録装置は、会計装置Aに対応する会計装置指定ボタンA(Aレジ)を無効化する。また、会計待ち通知を受信した監視装置は、会計装置Aが会計待ち状態であることを記憶する。会計待ち通知を受信した会計装置Bは、会計を引き継ぐことができるため、引継可能画面を表示する。
会計装置Bに表示された引継可能画面において、会計装置Bが選択されると、会計装置Bは、会計装置Aに登録データ要求を送信する(ステップS405)。登録データ要求を受信した会計装置Aは、登録データ通知を会計装置Bに送信する(ステップS406)。さらに、会計装置Aは、会計装置B、登録装置、監視装置の各々にアイドル通知を送信する(ステップS407、408、409)。アイドル通知を受信した登録装置は、会計装置Aに対応する会計装置指定ボタンA(Aレジ)の無効化を解除する。また、アイドル通知を受信した監視装置及び会計装置Bは、会計装置Aがアイドル状態であることを記憶する。登録データ通知を受信した会計装置Bは、引継可能画面に代えて、開始画面を表示し、登録装置、監視装置の各々に会計待ち通知を送信する(ステップS410、411)。以下、基本シーケンスで示した会計装置Aにおける会計の処理と同じ処理が会計装置Bで行われる。
図18に示したように、会計装置は、会計装置は、他の会計装置を指定し、指定された他の会計装置が会計処理を行うために取得した登録データを、自装置で会計処理を行うために受信可能となっている。この処理により、客は、会計装置Bでの操作により、客にとって好適な会計装置Bで会計を行うことができる。
図19は、監視装置での操作(転送要求)により会計装置Bで会計を行う場合のシーケンスの一例である。図19に示されるシーケンスは、会計装置Aが登録装置で指定され、監視装置に表示された画面(画面521、画面531)において、転送先に会計装置Bが選択され、会計装置Bで会計を行う場合の処理を示している。
登録装置は、会計を行う装置として会計装置Aが指定されたことから、登録データ通知を会計装置Aに送信する(ステップS501)。登録データ通知を受信した会計装置Aは、開始画面を表示し、会計装置B、登録装置、監視装置の各々に会計待ち通知を送信する(ステップS502、503、504)。会計待ち通知を受信した登録装置は、会計装置Aに対応する会計装置指定ボタンA(Aレジ)を無効化する。また、会計待ち通知を受信した監視装置は、会計装置Aが会計待ち状態であることを記憶する。会計待ち通知を受信した会計装置Bは、会計を引き継ぐことができるため、引継可能画面を表示する。
監視装置に表示された画面(画面521、画面531)において、会計装置Bが転送先に選択されると、監視装置は、会計装置Aに転送要求を送信する(ステップS505)。転送要求を受信した会計装置Aは、登録データ通知を会計装置Bに送信する(ステップS506)。さらに、会計装置Aは、会計装置B、登録装置、監視装置の各々にアイドル通知を送信する(ステップS507、508、509)。アイドル通知を受信した登録装置は、会計装置Aに対応する会計装置指定ボタンA(Aレジ)の無効化を解除する。また、アイドル通知を受信した監視装置及び会計装置Bは、会計装置Aがアイドル状態であることを記憶する。登録データ通知を受信した会計装置Bは、引継可能画面に代えて、開始画面を表示し、登録装置、監視装置の各々に会計待ち通知を送信する(ステップS510、511)。以下、基本シーケンスで示した会計装置Aにおける会計の処理と同じ処理が会計装置Bで行われる。
このように、POSシステム1は、登録データを取得した会計装置に対し、登録データを転送させる上位装置としての監視装置を有していてもよい。この処理により、会計装置以外の上位装置によっても転送させることができるので、店員は、監視装置での操作により、客にとって好適な会計装置Bで会計を行わせることができる。
図20は、監視装置での操作(受信要求)により会計装置Bで会計を行う場合のシーケンスの一例である。図20に示されるシーケンスは、会計装置Aが登録装置で指定され、監視装置に表示された画面(画面521、画面531)において、受信先に会計装置Bが選択され、会計装置Bで会計を行う場合の処理を示している。
登録装置は、会計を行う装置として会計装置Aが指定されたことから、登録データ通知を会計装置Aに送信する(ステップS601)。登録データ通知を受信した会計装置Aは、開始画面を表示し、会計装置B、登録装置、監視装置の各々に会計待ち通知を送信する(ステップS602、603、604)。会計待ち通知を受信した登録装置は、会計装置Aに対応する会計装置指定ボタンA(Aレジ)を無効化する。また、会計待ち通知を受信した監視装置は、会計装置Aが会計待ち状態であることを記憶する。会計待ち通知を受信した会計装置Bは、会計を引き継ぐことができるため、引継可能画面を表示する。
監視装置に表示された画面(画面521、画面531)において、会計装置Bが受信先に選択されると、監視装置は、会計装置Bに受信要求を送信する(ステップS605)。受信要求を受信した会計装置Bは、登録データ要求を会計装置Aに送信する(ステップS606)。登録データ要求を受信した会計装置Aは、登録データ通知を会計装置Bに送信する(ステップS607)。さらに、会計装置Aは、会計装置B、登録装置、監視装置の各々にアイドル通知を送信する(ステップS608、609、610)。アイドル通知を受信した登録装置は、会計装置Aに対応する会計装置指定ボタンA(Aレジ)の無効化を解除する。また、アイドル通知を受信した監視装置及び会計装置Bは、会計装置Aがアイドル状態であることを記憶する。登録データ通知を受信した会計装置Bは、引継可能画面に代えて、開始画面を表示し、登録装置、監視装置の各々に会計待ち通知を送信する(ステップS611、612)。以下、基本シーケンスで示した会計装置Aにおける会計の処理と同じ処理が会計装置Bで行われる。
このように、POSシステム1は、会計装置に対し、登録データを受信させる上位装置としての監視装置を有していてもよい。この処理により、会計装置以外の上位装置によっても受信させることができるので、店員は、監視装置での操作により、客にとって好適な会計装置Bで会計を行わせることができる。
図20に示した処理により、店員は、監視装置での操作により、客にとって好適な会計装置Bで会計を行わせることができる。図19、図20で説明した監視装置で登録データを転送させる機能は、例えば店員が客から会計装置Bでの会計を依頼されたときなどに用いられる。
次に、会計装置における処理を、会計装置の状態ごとにフローチャートを用いて説明する。図21は、会計装置がアイドル状態で行う処理を示すフローチャートである。
ステップS701:会計装置は、登録データ通知を受信したか否かを判断する。
ステップS702:会計装置は、登録データ通知を受信した場合には、登録データをRAM203に記憶する。
ステップS703:会計装置は、会計待ち通知を登録装置、監視装置、他の会計装置に送信する。このとき、転送が禁止された登録データを受信した場合には、会計待ち通知において、転送が禁止されていることも通知される。このように、POSシステム1は、商品を登録する登録装置を有し、登録装置は、一の会計装置で会計処理を行うために登録データを出力し、登録データを取得した会計装置に対し、転送を禁止させることが可能である。これにより、登録装置によって登録データの転送を禁止させることができる。この登録データの転送を禁止する例として、例えば、客が高齢者であり、さらに小計前に予め会計装置を指定可能な場合に、最も登録装置に近い会計装置を指定しておく例が挙げられる。なお、転送の禁止は、登録データを送信した後に行えるようにしてもよい。例えば、会計装置が登録データを送信した後に、転送を禁止するためのボタンを会計装置に表示し、当該ボタンが押下された場合に、登録データの送信先の会計装置に転送が禁止されたことを通知するようにしてもよい。
ステップS704:会計装置は、会計待ち状態に遷移して、処理を終了する。
ステップS705:会計装置は、登録データ通知を受信していない場合には、会計待ち通知を受信したか否かを判断する。
ステップS706:会計装置は、会計待ち通知を受信した場合には、送信元の会計装置の状態を会計待ち状態とする。具体的に、会計装置は、他の会計装置の状態をRAM203に記憶された他装置情報として管理しており、当該他装置情報に含まれる送信元の会計装置の状態を会計待ち状態とする。
ステップS707:会計装置は、会計待ち通知において、転送が禁止されているか否かを判断する。
ステップS707:会計装置は、会計待ち通知において、転送が禁止されている場合には、処理を終了する。
ステップS708:会計装置は、会計待ち通知において、転送が禁止されていない場合には、引継可能画面を表示し、引継可能状態に遷移する。
ステップS709:会計装置は、他の会計装置から登録データを受信して、会計を行うことが可能であることを報知するために、サインポールを発光して、処理を終了する。このように、会計装置は、転送が可能であることを発光によって報知するので、客が転送可能な会計装置か否かをより分かりやすくすることができる。
ステップS710:会計装置は、会計待ち通知を受信していない場合には、受信要求を受信したか否かを判断する。
ステップS711:会計装置は、受信要求を受信した場合には、受信要求で指示された会計装置に登録データ要求を送信し、処理を終了する。
ステップS712:会計装置は、受信要求を受信していない場合には、アイドル通知を受信したか否かを判断する。
ステップS713:会計装置は、アイドル通知を受信した場合には、他装置情報における送信元の会計装置の状態をアイドル状態とし、処理を終了する。
ステップS714:会計装置は、アイドル通知を受信していない場合には、会計開始通知を受信したか否かを判断する。
ステップS714:会計装置は、会計開始通知を受信していない場合には、処理を終了する。
ステップS715:会計装置は、会計開始通知を受信した場合には、他装置情報における送信元の会計装置の状態を会計状態とし、処理を終了する。会計開始通知には、会計が開始された登録データが、転送が禁止されたものか否かを示す情報も含まれる。
図22は、会計装置が会計待ち状態で行う処理を示すフローチャートである。
ステップS801:会計装置は、登録データ要求、転送要求、または転送イベントを受信したか否かを判断する。
ステップS802:会計装置は、登録データ要求、転送要求、または転送イベントを受信した場合には、登録データ通知を転送先へ送信する。ここで、転送先とは、登録データ要求の場合には、要求元の会計装置であり、転送要求の場合には、転送要求に示される会計装置であり、転送イベントの場合には、客が指定した会計装置である。
ステップS803:会計装置は、アイドル通知を、登録装置、監視装置、及び他の会計装置に送信する。
ステップS804:会計装置は、アイドル状態に遷移して、処理を終了する。
ステップS805:会計装置は、登録データ要求、転送要求、及び転送イベントを受信していない場合には、会計待ち通知を受信したか否かを判断する。
ステップS806:会計装置は、会計待ち通知を受信した場合には、送信元の会計装置の状態を会計待ち状態とする。
ステップS807:会計装置は、他の会計装置への転送を禁止し、処理を終了する。会計待ち状態において、さらに他の装置が会計待ち状態になったということは、会計処理前の登録データが複数存在することを意味する。従って、会計装置は、他の会計装置への転送を禁止する。これにより、開始画面が消去される。このように、会計処理が行われていない登録データが複数存在する場合には、登録データの転送を行わないようにしてもよい。会計処理が行われていない登録データが複数存在すると、例えば異なる客が同じ会計装置に転送しようとして操作した場合には、両方転送されて、どちらの客の会計かが不明となり、混乱が生じる。よって、会計処理が行われていない登録データを受信した会計装置が複数存在する場合には、登録データの転送を行わないようにすることで、客の混乱を抑制することができる。
ステップS808:会計装置は、会計待ち通知を受信していない場合には、アイドル通知を受信したか否かを判断する。
ステップS809:会計装置は、アイドル通知を受信した場合には、他装置情報における送信元の会計装置の状態をアイドル状態とし、処理を終了する。
ステップS810:会計装置は、アイドル通知を受信していない場合には、会計開始通知を受信したか否かを判断する。
ステップS811:会計装置は、会計開始通知を受信した場合には、他装置情報における送信元の会計装置の状態を会計状態とする。
ステップS812:会計装置は、他の会計装置への転送を禁止中、かつ自装置のみが会計待ち状態か否かを判断する。
ステップS812:会計装置は、他の会計装置への転送を禁止中でないか、または自装置のみが会計待ち状態ではない場合には、処理を終了する。
ステップS813:会計装置は、他の会計装置への転送を禁止中、かつ自装置のみが会計待ち状態の場合には、転送禁止を解除して、処理を終了する。これにより、開始画面が表示される。
ステップS814:会計装置は、会計開始通知を受信していない場合には、会計開始イベントを受信したか否かを判断する。すなわち、自装置において、客により会計が開始されたか否かを判断する。
ステップS814:会計装置は、会計開始イベントを受信していない場合には、処理を終了する。
ステップS815:会計装置は、会計開始イベントを受信した場合には、会計開始通知を、登録装置、監視装置、及び他の会計装置に送信する。
ステップS816:会計装置は、会計状態に遷移して、処理を終了する。
図23は、会計装置が会計状態で行う処理を示すフローチャートである。
ステップS901:会計装置は、会計終了イベントを受信したか否かを判断する。すなわち、自装置で会計が終了したか否かを判断する。
ステップS902:会計装置は、会計終了イベントを受信した場合には、アイドル通知を、登録装置、監視装置、及び他の会計装置に送信する。
ステップS903:会計装置は、転送可能な登録データを持つ会計待ち状態の他の会計装置があるか否かを判断する。
ステップS904:会計装置は、転送可能な登録データを持つ会計待ち状態の他の会計装置がない場合には、アイドル状態に遷移して、処理を終了する。
ステップS905:会計装置は、転送可能な登録データを持つ会計待ち状態の他の会計装置がある場合には、引継可能状態に遷移する。
ステップS906:会計装置は、サインポールを発光して、処理を終了する。
ステップS907:会計装置は、会計終了イベントを受信していない場合には、会計待ち通知を受信したか否かを判断する。
ステップS908:会計装置は、会計待ち通知を受信した場合には、送信元の会計装置の状態を会計待ち状態として、処理を終了する。
ステップS909:会計装置は、会計待ち通知を受信していない場合には、アイドル通知を受信したか否かを判断する。
ステップS910:会計装置は、アイドル通知を受信した場合には、他装置情報における送信元の会計装置の状態をアイドル状態とし、処理を終了する。
ステップS911:会計装置は、アイドル通知を受信していない場合には、会計開始通知を受信したか否かを判断する。
ステップS911:会計装置は、会計開始通知を受信していない場合には、処理を終了する。
ステップS912:会計装置は、会計開始通知を受信した場合には、他装置情報における送信元の会計装置の状態を会計状態とし、処理を終了する。
図24、図25は、会計装置が引継可能状態で行う処理を示すフローチャートである。
ステップS1001:会計装置は、登録データ通知を受信したか否かを判断する。
ステップS1002:会計装置は、登録データ通知を受信した場合には、登録データをRAM203に記憶する。
ステップS1003:会計装置は、会計待ち通知を登録装置、監視装置、他の会計装置に送信する。
ステップS1004:会計装置は、会計待ち状態に遷移する。
ステップS1005:会計装置は、サインポールを消灯して、処理を終了する。この引継可能状態処理では、上述したように他の会計装置から登録データを受信して、会計を行うことが可能であることを報知するためにサインポールは既に発光しているため、ここでサインポールが消灯される。
ステップS1006:会計装置は、登録データ通知を受信していない場合には、会計待ち通知を受信したか否かを判断する。
ステップS1007:会計装置は、会計待ち通知を受信した場合には、送信元の会計装置の状態を会計待ち状態とする。
ステップS1008:会計装置は、アイドル状態に遷移する。引継可能状態において、さらに他の装置が会計待ち状態になったということは、会計処理前の登録データが複数存在することを意味する。従って、会計装置は、登録データの受信を行わないために、アイドル状態に遷移する。
ステップS1009:会計装置は、サインポールを消灯して、処理を終了する。
ステップS1010:会計装置は、会計待ち通知を受信していない場合には、受信要求または受信イベントを受信したか否かを判断する。受信イベントは、上述したように客によりこの会計装置で会計をすることが選択されたことを示すイベントである。
ステップS1011:会計装置は、受信要求または受信イベントを受信した場合には、他の会計装置に登録データ要求を送信する。ここでの他の会計装置とは、受信要求の場合には、受信要求に示される会計装置であり、受信イベントの場合には、客により選択された会計装置である。
ステップS1012:会計装置は、サインポールを消灯して、処理を終了する。
ステップS1013:会計装置は、受信要求及び受信イベントを受信していない場合には、アイドル通知を受信したか否かを判断する。
ステップS1014:会計装置は、アイドル通知を受信した場合には、他装置情報における送信元の会計装置の状態をアイドル状態とし、処理を終了する。
ステップS1015:会計装置は、アイドル通知を受信していない場合には、会計開始通知を受信したか否かを判断する。
ステップS1016:会計装置は、会計開始通知を受信した場合には、他装置情報における送信元の会計装置の状態を会計状態とする。
ステップS1017:会計装置は、受信した会計開始通知で通知された登録データが、転送可能な登録データか否かを判断する。
ステップS1017:会計開始通知で通知された登録データが、転送可能な登録データではない場合には、自装置が引継可能状態に遷移したトリガーとなった登録データではないので、そのまま処理を終了する。
ステップS1018:会計装置は、会計開始通知で通知された登録データが、転送可能な登録データの場合には、アイドル状態に遷移する。引継可能状態において、会計開始通知を受信したということは、引き継いで会計を行うことが可能な登録データが存在しなくなったことを意味する。従って、会計装置は、登録データの受信を行うことができないため、アイドル状態に遷移する。
ステップS1019:会計装置は、サインポールを消灯して、処理を終了する。
ステップS1020:会計装置は、会計開始通知を受信していない場合には、人感イベントを受信したか否かを判断する。上述したように、人感イベントは、人感センサ221によって客が近くに来たことが検知されたことを示すイベントである。すなわち、人が接近したか否かが判断される。
ステップS1020:会計装置は、人感イベントを受信していない場合には、処理を終了する。
ステップS1021:会計装置は、人感イベントを受信した場合には、音声を出力し、処理を終了する。ここで出力される音声は、「このレジでもお会計できます」など、当該会計装置で会計可能なことを人に知らせるための音声である。このように、会計装置は、受信が可能であることを音声によって報知するので、客が受信可能な会計装置か否かをより分かりやすくすることができる。
このように、人感センサ221によって、客の移動に応じて音声を出力することができる。具体的には、客が会計装置Aの前を移動している間は、会計装置Aの人感センサによって検知されるため、会計装置Aで報知され、会計装置Bの前を移動している間は、会計装置Bの人感センサによって検知されるため、会計装置Bで報知されるようになる。音声の出力だけではなく、図13(B)の画面511を表示したり、音声を出力せず、画面511を表示してもよい。この人感センサ221を用いた制御により、客に適切なタイミングで会計装置を変更可能なことを報知することができる。なお、登録装置から登録データが送信された後に、最初に待機中になった会計装置のみで報知するようにしてもよい。
次に、変形例として、登録装置で会計装置の変更を行う実施例について説明する。上述した実施形態では、客自らの操作によって、客にとって好適な会計装置を指定可能であることが利点ではあるが、客が高齢者であったり、福祉用具や歩行補助具等を利用している場合、会計装置まで到着するまでに時間を要したり、会計装置を変更するための操作を行うことが困難であることも考えられる。例えば、客が松葉杖などを使用している場合には、会計操作以外の操作のために立ち止まことはなるべく避けた方がよい。このような客が会計装置を変更したい場合には、監視装置を持った店員に会計装置の変更を依頼すればよいが、監視装置をもった店員が必ずしも近くにいるとは限らず、近くにいたとしても他の客の対応をしていることもあり得る。こうした事情から、登録装置で会計装置の変更を行うようにしてもよい。
登録装置で会計装置の変更を行う実施例について説明する。登録装置で会計装置の変更を行うための操作画面には2つの形態がある。いずれの形態の説明においても、店員が会計装置Aから会計装置Cに変更する例を用いる。図26は、登録装置で会計装置の変更を行うための操作画面(その1)を示す図である。図26(A)に示される画面は、会計装置A、Bに既に登録データを送信済みであるため、会計装置指定ボタンA、Bは、無効化されている。また、会計装置Cに対応する会計装置指定ボタンCの上には、会計装置Cのステータスとして「待機中」が表示されている。
さらに、画面右上に、登録データを送信した会計装置ごとにタブが設けられる。このタブは、対応する会計装置において、会計が開始されるまで表示される。すなわち、タブが表示されていることは、未会計であることを示している。図26(A)の場合、会計装置A、Bに登録データが送信されているため、会計装置Aに対応するタブ601と会計装置Bに対応するタブ602が表示されている。なお、タブは、対応する会計装置に登録データが送信された時刻が早い順に左から表示されるものとしているが、予め定められた順番で表示されてもよい。
店員は、会計装置Aから会計装置Cに変更するために、図26(A)に示される画面において、タブ601をタッチする。図26(B)は、タブ601がタッチされたあとに表示される画面を示す図である。図26(B)に示される画面には、会計装置Aに送信した登録データに対応する登録商品等が表示される。この図26(B)に示される画面において、店員は会計装置Cに変更するために、会計装置指定ボタンCをタッチする。これにより、会計装置Aから会計装置Cに登録データが転送される。
図26(C)は、会計装置Aから会計装置Cに登録データが転送されたあとに表示される画面を示す図である。図26(C)に示される画面には、会計装置Aから会計装置Cに登録データが転送されたことを示すポップアップ画面603が表示される。ポップアップ画面603には、OKボタン604が表示される。このOKボタン604は、ポップアップ画面603を消去させるためのボタンである。店員は、ポップアップ画面603を確認し、OKボタン604をタッチするとポップアップ画面603は消去される。なお、OKボタン604を設けずに、ポップアップ画面603の表示後、所定時間経過するとポップアップ画面603が消去されるようにしてもよい。
会計装置Aから会計装置Cに登録データが転送されたことにより、会計装置Aは待機中となったため、会計装置Aに対応する会計装置指定ボタンAの上には、会計装置Aのステータスとして「待機中」が表示され、会計装置Cは登録データが送信されたため、会計装置指定ボタンCは無効化される。さらに、タブ601には「Bレジ」が表示され、タブ602には「Cレジ」が表示される。
次に、2つめの形態について説明する。図27は、登録装置で会計装置の変更を行うための操作画面(その2)を示す図である。図27(A)に示される画面は、会計装置A、Bに既に登録データを送信済みであるため、会計装置指定ボタンA、Bは、無効化されている。また、会計装置Cに対応する会計装置指定ボタンCの上には、会計装置Cのステータスとして「待機中」が表示されている。さらに、転送ボタン610が表示されている。
店員は、会計装置Aから会計装置Cに変更するために、図27(A)に示される画面において、転送ボタン610をタッチする。図27(B)は、転送ボタン610がタッチされたあとに表示される画面を示す図である。図27(B)に示される画面には、ポップアップ画面611が表示されている。
ポップアップ画面611は、左側に各会計装置に対応するボタンが表示される。左側に表示されたボタンをタッチすると、タッチされたボタンに対応する会計装置から登録データを転送可能な会計装置が右側に表示される。図27(B)の場合、ボタン「Aレジ」がタッチされたため、会計装置Aから登録データを転送可能な会計装置Cが右側に表示されている。なお、会計装置Bは、登録データを持っているため、会計装置Aから登録データを転送できないため表示されていない。同様に、ボタン「Bレジ」がタッチされた場合も、会計装置Bから登録データを転送可能な会計装置Cが右側に表示される。
なお、左側に表示されるボタンのうち、転送する登録データを持っていない会計装置に対応するボタンは無効化される。図27(B)の場合、会計装置Cは、登録データを持っていないため、会計装置Cに対応するボタンは無効化されている。
図27(B)に示される画面において、店員は会計装置Cに変更するために、ボタン「Cレジ」をタッチする。これにより、会計装置Aから会計装置Cに登録データが転送される。
図27(C)は、会計装置Aから会計装置Cに登録データが転送されたあとに表示される画面を示す図である。図26(C)に示される画面には、会計装置Aから会計装置Cに登録データが転送されたことを示すポップアップ画面612が表示される。ポップアップ画面612には、OKボタン613が表示される。このOKボタン613は、ポップアップ画面612を消去させるためのボタンである。店員は、ポップアップ画面612を確認し、OKボタン613をタッチするとポップアップ画面603は消去される。なお、OKボタン613を設けずに、ポップアップ画面612の表示後、所定時間経過するとポップアップ画面613が消去されるようにしてもよい。
会計装置Aから会計装置Cに登録データが転送されたことにより、会計装置Aは待機中となったため、会計装置Aに対応する会計装置指定ボタンAの上には、会計装置Aのステータスとして「待機中」が表示され、会計装置Cは登録データが送信されたため、会計装置指定ボタンCは無効化される。
以上説明した登録装置で会計装置を変更させる処理例を、シーケンス図を用いて説明する。なお、以下で説明するシーケンス図における処理例では、説明を簡単にするために、会計装置Bを省略している。
図28は、登録装置での操作により会計装置Cで会計を行う場合のシーケンスの一例である。図28に示されるシーケンスは、会計装置Aが登録装置で指定され、図26または図27で示した登録装置に表示された画面において、転送先に会計装置Cが選択され、会計装置Cで会計を行う場合の処理を示している。
登録装置は、会計を行う装置として会計装置Aが指定されたことから、登録データ通知を会計装置Aに送信する(ステップS1101)。登録データ通知を受信した会計装置Aは、開始画面を表示し、会計装置C、登録装置、監視装置の各々に会計待ち通知を送信する(ステップS1102、1103、1104)。会計待ち通知を受信した登録装置は、会計装置Aに対応する会計装置指定ボタンA(Aレジ)を無効化する。また、会計待ち通知を受信した監視装置は、会計装置Aが会計待ち状態であることを記憶する。会計待ち通知を受信した会計装置Cは、会計を引き継ぐことができるため、引継可能画面を表示する。
登録装置に表示された画面(図26(B)、図27(B))において、会計装置Cが転送先に選択されると、登録装置は、会計装置Aに転送要求を送信する(ステップS1105)。転送要求を受信した会計装置Aは、登録データ通知を会計装置Cに送信する(ステップS1106)。さらに、会計装置Aは、会計装置C、登録装置、監視装置の各々にアイドル通知を送信する(ステップS1107、1108、1109)。アイドル通知を受信した登録装置は、会計装置Aに対応する会計装置指定ボタンA(Aレジ)の無効化を解除する。また、アイドル通知を受信した監視装置及び会計装置Cは、会計装置Aがアイドル状態であることを記憶する。登録データ通知を受信した会計装置Cは、引継可能画面に代えて、開始画面を表示し、登録装置、監視装置の各々に会計待ち通知を送信する(ステップS1110、1111)。以下、基本シーケンスで示した会計装置Aにおける会計の処理と同じ処理が会計装置Bで行われる。
このように、POSシステム1は、登録データを取得した会計装置に対し、登録装置から登録データを転送させる機能を有していてもよい。この処理により、会計装置以外の登録装置によっても転送させることができるので、店員は、登録装置での操作により、客にとって好適な会計装置で会計を行わせることができる。
図26、図27、図28に示したように、登録装置において転送先を指定するようにしてもよいが、例えば優先順位等の予め定められた基準(例えば、登録装置から近い順)に従って、自動的に転送先が指定されるようにしてもよい。
登録装置で会計装置を変更可能とすることによって、会計装置まで到着するまでの時間がかかったり、会計装置を変更するための操作を行うことが困難な客に対しても、会計装置を変更可能なサービスを提供可能となる。
以上説明した各処理によって、客にとって好適な会計装置で会計を行うことを可能となる。
上述した実施形態の運用例について説明する。本実施形態によれば、登録装置から近い会計装置で行えるように会計装置を変更する以外にも、空いているサッカー台に近い会計装置に変更するなど、サッカー台の込み具合によっても会計装置を変更することが可能となる。また、マイバックの客は出口に近い会計装置を指定したり、買い物をたくさんした客は、エレベータや宅配サービスのあるサービスカウンタに近い会計装置を指定したりすることもできる。また、次客が高齢者の場合、気遣って遠くの会計装置を指定することも可能となる。具体的には、客が店員から会計装置Aでの会計を指定されたが、次客が高齢者のため、気遣って会計装置を会計装置Cに変更することが可能である。
次に、変形例について説明する。図1に示したような、登録装置と会計装置とが別の装置で構成されるセミセルフ式POS装置の場合は、客が購入した商品を、店員が登録装置で商品登録を行う。会計装置の決定は様々な方法があるので後述するが、基本的には店員が会計装置の状態などを考慮して、会計装置を決定する。
通常は、店員が商品の登録を終了して、図12(A)の小計ボタン220を押下した段階で、登録データを送信する会計装置を指定する。また、他の方法としては、事前に会計装置を予約指定する予約指定機能によって会計装置を指定する方法もある。いずれの方法においても、店員は会計装置の状態を確認した上で、会計装置を指定するが、接客を行いながら商品を登録しているため、会計装置側の様子が分からない(例えば、視認できない等)場合がある。
そこで、登録装置の画面には、図12(A)に示したように、各会計装置を指定する会計装置指定ボタンA、B、Cが表示されている。本実施形態の場合、使用できない会計装置に対応する会計装置指定ボタンは、無効化される態様であったが、状態を案内する態様であってもよい。状態とは、例えば「精算中」「待機中」「障害」などである。また、状態表示とボタンと機能は統一しても良い。
店員は、会計可能な会計装置のうち、通常は登録装置から最も近い会計装置を指定する。その一方で、例えば客の年齢や、現客や次客の買い物の量など確認するなどして、会計装置を指定することもできる。この場合は、当然一番近い会計装置を必ず選択する必要はなく、現客が青年で次客が老人の場合など、現客(青年)を離れた会計装置へ案内し、次客(高齢者)を近い方の会計装置へ案内することもできる。
また、上述した予約指定機能は、小計後に会計装置を指定する場合と比較して、以下のメリットがある。まず、小計後に会計装置を指定する場合は、その時点で会計装置の状態を確認するので多少タイムラグが発生することがあるが、予約指定機能を用いることで、こうしたタイムラグは発生しない。また、会計装置を選択せず優先順位など送信ボタンを押下するだけで会計装置を指定する場合は、会計装置が確定したことを店員が確認した後で、客に会計装置を伝えなければならないが、予約指定機能によれば、会計を行う会計装置が既に確定しているため、予め客に会計装置を伝えることができる。このように、予約指定機能によって予約指定することで、店員は客の会計装置への誘導をスムーズに行うことができ、全体の処理時間を短縮することができる。
なお、いずれの会計装置も会計中など、予約指定機能による予約指定ができない場合は、小計操作後に会計装置を指定する方法と併用できるようにしてもよい。
会計装置を指定する方法として、上述した会計装置指定ボタンを押下する方法だけとは限らない。図2(A)に示されるように、会計装置指定ボタンは、画面の限られた箇所に存在することから、店員は、ボタンの配置を確認して押下することとなるので、やや慎重にボタンを押下する。店員が誤って、会計装置を指定した場合は、呼び戻し操作など複雑な操作が発生する。繁忙時など店員へ心理的ストレスも心配される。
そこで、操作性を向上させるために、例えば、音声認識機能を備え、当該音声認識機能により会計装置を指定可能としてもよい。このとき、音声認識により指定された会計装置への送信ボタンが、画面の全面に大きく表示して送信ボタンを押下するなど操作性が向上する。もちろん、会計装置の予約指定などを行う場合は、「予約指定、会計装置1」など音声指示することで、商品を登録しながら容易に会計装置を指定する事ができる。小計キー押下後でもレジ袋を準備するなど他の作業ができ工数削減につながる。
また、画面を指でフリックすることにより、会計装置を指定できるようにしてもよい。図29は、フリックによる会計装置の指定を行うための画面を示す図である。図29には、レジA、レジB、レジC、レジDに対応する方向を示す領域621、622、623、624が示されている。すなわち、店員が上方向にフリックした場合、レジAが指定され、左方向にフリックした場合、レジBが指定され、下方向にフリックした場合、レジCが指定され、右方向にフリックした場合、レジDが指定される。
また、図29に示される画面には、フリック開始ポイント625が示されている。これは、登録装置がフリック方向をより正確に認識するために、店員にフリックを開始する位置を示すためのものである。
さらに、登録装置から見て、右側と左側に会計装置がある場合には、右方向にフリックした場合には右側の会計装置が指定され、左側にフリックした場合には左側の会計装置が指定されるようにするなど、登録装置と会計装置との位置関係に基づき直感的に操作可能なようにフリック方向により指定される会計装置を定めておくようにしてもよい。
また、会計装置の状態を容易に把握できるように、フリック方向に対応する画面の枠(例えば、領域621、622、623、624)に、状態を示す色(例えば待機中は緑、会計中は黄、使用不可は赤など)を表示するようにしてもよい。
なお、店員がフリックした方向が、いずれの会計装置を指定したか不明な方向の場合には、フリック方向を認識できなかったなどと報知し、会計装置指定ボタンを表示してもよい。また、フリックにより指定された会計装置が登録データを受信できない場合は、エラー報知してもよく、このエラーの発生によって、自動的に登録データを受信可能な待機中の他の会計装置を指定し、指定された会計装置を報知してもよい。自動的に会計装置を指定する装置は、登録装置であってもよいし、登録装置及び会計装置を管理するサーバであってもよい。
また、会計装置を指定するフリック方向の逆方向にフリックした場合には、「呼び戻し」を行えるようにしてもよい。
他の指定方法として、手の動きを撮像装置で撮像し、撮像された手の動きによって会計装置を指定する方法であってもよい。例えば、手話やジェスチャーなどの動きを予め登録しておき、登録しておいた動きと撮像された動きとを比較することで指定された会計装置を判定する。これにより、店員がジェスチャーで会計装置を指定し、そのジェスチャーにより客がどの会計装置を指定されたかを認識可能なサービスの提供も可能となる。例えば、客に対して右方向に手を差し伸べるジェスチャーが、そのまま会計装置を指定するジェスチャーであれば、店員は自然な操作で会計装置を指定できるとともに、同時に客への案内にもなるため、店員の手間を削減することができる。
上述したフリックによる指定や、手の動きによる指定の場合、上述したように指定された会計装置の判定が困難な場合があるが、この場合は、推定される会計装置に対応する会計装置指定ボタンを表示してもよい。具体的には、例えば、上方向に会計装置Aが対応し、右方向に会計装置Bが対応し、下方向に会計装置Cが対応している場合に、右斜め上方向にフリックされた場合には、会計装置A、Bに対応する会計装置指定ボタンを表示する。このように、会計装置A、B、Cに対応する3つの会計装置指定ボタンではなく、会計装置A、Bに対応する2つの会計装置指定ボタンが表示されるため、操作性を向上させることができる。
また、店員が会計装置を指定しなくてもよい方法として、商品の登録が終了した客をカメラで追跡し、客が会計装置の買い物かごの載置位置に買い物かごが載置され、会計装置で買い物かごの載置が重さ等により検知された場合に、当該会計装置に登録データを自動的に送信する方法が挙げられる。この方法によれば、店員が会計装置指定ボタンを押す手間を省くことができる。
なお、図3に示したように、本実施形態に係る会計装置には、客側表示部205が設けられているため、会計装置の指定を客側表示部205により客が行ってもよい。
上述した実施形態では、会計処理が行われていない登録データを受信した会計装置が複数存在する場合には、登録データの転送を行わないようにしていたが、登録データの転送を行うようにしてもよい。この場合、転送可能な登録データは、先に送信された登録データとし、会計装置には、当該登録データのみを転送するための画面を表示してもよい。このようにすることで、会計処理が行われていない登録データを受信した会計装置が複数存在する場合であっても客の混乱を抑制することができる。
また、会計処理が行われていない登録データを受信した会計装置が複数存在する場合には、監視装置40の画面を示した図14(C)において、転送元としての優先度が最も高い会計装置に表示するボタンのみを表示するようにしてもよい。上記優先度は、店員が設定可能であるので、適宜店員が優先度を設定することができる。また、それぞれの会計装置の明細(登録された商品名や合計金額など)を監視装置40の画面に表示可能としてもよい。この場合、会計装置の選択ミスを防止することができる。
以上説明した実施形態は、POS端末20がセミセルフモードで動作している形態であったが、上述したようにPOS端末20は、フルセルフモードでも動作可能である。また、フルセルフ専用のPOS端末も普及している。こうしたフルセルフPOSでは、店員が操作する店員用端末等で客の会計をサポートすることが多い。
こうしたフルセルフPOSにおいて、客が商品を登録している最中に何らかの不具合によって他の装置に変更したいと考えたり、他の装置で会計を行わざるを得なかったりすることがある。なお、ここでの不具合とは、例えば、バーコードを読み取るスキャナの調子が悪く何度もスキャンしなければならないことや、チェック用の秤台の調子が悪くエラーが頻繁に発生することや、タッチパネルの調子が悪く、何度も操作しなければならないことなどが挙げられる。
しかし、他のPOS端末に変更すると、再度商品を登録しなければならないという問題がある。そこで、例えば登録済みの商品を示す登録データを、変更後のPOS端末が取得可能ないくつかの構成例について説明する。
(構成例1)
構成例1は、保留レシートを発行する構成である。保留レシートは、商品の登録を中断するPOS端末または店員用端末が発行する。この保留レシートは、登録済みの商品の登録データそのものを示す2次元バーコードか、登録データを取得するための識別情報を示すバーコードである。2次元バーコードの場合は、変更後のPOS端末が読み取り、読み取られた登録データを用いて再開する。一方、識別情報を示すバーコードの場合は、変更前のPOS端末またはPOS端末を管理する管理装置に識別情報を問い合わせ、登録データを取得する。このようにすることで、フルセルフPOSにおいても装置の変更が可能となる。
(構成例2)
構成例2は、変更後のPOS端末がネットワークを介して登録データを取得する構成である。登録データを変更後のPOS端末に取得させるための操作を、変更前のPOS端末、店員用端末、または変更後のPOS端末で行うようにし、当該操作に応じてネットワークを介して登録データを変更後のPOS端末に取得させる。店員用端末、または変更後のPOS端末で操作可能な場合には、変更前のPOS端末の例えばタッチパネルの不具合等が生じていても登録データを変更後のPOS端末が取得することができる。
構成1、構成2によれば、POS端末の不具合によって操作時間が長引き、客にストレスを与えるなどの問題を解決することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、会計装置を容易に変更可能なため、客にとって好適な会計装置で会計を行うことが可能となる。
なお、以上に説明したPOSシステム1、POS端末20を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。