JP2019095493A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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【課題】本発明の課題は、記録紙へのトナーの定着性が高く、かつエネルギー効率に優れた画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。【解決手段】電子写真画像を記録媒体に形成する画像形成方法であって、紫外線吸収剤を含有するトナーを用いて形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する工程と、前記記録媒体上に転写された前記トナー像に対し、紫外光を照射することにより前記記録媒体へトナーを定着する工程と、を有し、前記転写された前記トナー像の紫外光受光量に対する発熱量の比率が、35〜80%の範囲内であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成方法及び画像形成装置に関する。本発明は、記録紙へのトナーの定着性が高く、かつエネルギー効率に優れた画像形成方法及び画像形成装置に関する。
電子写真方式は、記録紙上に形成されたトナー像を、何らかの方法で熱溶融させて記録紙へ固着する定着工程を有する。当該定着工程では、一般的には、熱ローラーにより熱と圧力をトナー像に付与し、トナーを記録紙へ溶融固着させる方法が用いられている。しかし、この方法では、熱ローラーから外部への伝熱ロスや、熱ローラーから紙への熱ロスにより、トナーの溶融に必要な熱量を大きく上回る発熱量が熱ローラーには必要となる。そのため、エネルギー効率の改善が課題となっている。また、熱ローラーを用いた定着方式では、その熱ローラーが十分に予熱されるまでのウォーミングアップタイム、多種な記録紙種への対応性、及びトナーに熱ローラーが接触することに伴うオフセットを回避するための付加手段等が必要であるという、熱ローラー定着方式特有の様々な不利要因を内在している。
これに対し、トナーへ光応答性を付与したうえで、定着部にて当該トナーが応答し得る波長及び強度の外部光を照射し、当該トナーを自己発熱させて溶融する方法が知られている。この方法では、プリント時にのみトナーを直接的に加熱することが可能であり、エネルギー効率が高い。このようなトナーを直接的に加熱して定着する方式としては、電磁誘導や赤外線の照射等、熱ローラー以外のエネルギー入力により、トナーを自己発熱させる方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ただし、これらの方式においては、トナー全体を溶融させて記録紙への必要な定着強度を確保するために、電磁誘導や赤外線で発熱する成分をトナー中に多量に含有させて、トナーの自己発熱効率を高める必要がある。そのため、特にトナーの色味や発色に対して悪影響があるという問題がある。
また、別方式として、光源としてレーザー光等の局所的に高照度な光源を用いる方法も報告されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、トナーの色毎に、異なる波長のレーザー光の光源が必要であるため、定着装置の構成が複雑となるという問題がある。また、色を重ねる場合には、下層側トナーへのレーザー光照射効率が低下するため、特に定着に重要な記録紙との界面部のトナーが十分に溶融されないという問題がある。
特開2010−230847号公報 特開2010−128157号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、記録紙へのトナーの定着性が高く、かつエネルギー効率に優れた画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、記録媒体上に転写されたトナー像に対して紫外光を照射することにより、当該記録媒体へトナーを定着する工程を有する画像形成方法であって、転写されたトナー像の紫外光受光量に対する発熱量の比を35〜80%の範囲内とすることで、記録紙へのトナーの定着性が高く、かつエネルギー効率に優れた画像形成方法を提供できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
1.電子写真画像を記録媒体に形成する画像形成方法であって、
紫外線吸収剤を含有するトナーを用いて形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する工程と、
前記記録媒体上に転写された前記トナー像に対し、紫外光を照射することにより前記記録媒体へトナーを定着する工程と、を有し、
前記転写された前記トナー像の紫外光受光量に対する発熱量の比率が、35〜80%の範囲内であることを特徴とする画像形成方法。
2.前記定着する工程において、前記転写された前記トナー像の表面における紫外光強度L(J/cm・sec)と、受光時間T(sec)との関係が、以下の条件1及び条件2を満たすことを特徴とする第1項に記載の画像形成方法。
条件1: T ≦ 0.25sec
条件2: L×T ≧ 1.20J/cm
3.前記紫外光の光源の最大発光波長が、345〜395nmの範囲内にあることを特徴とする第1項又は第2項に記載の画像形成方法。
4.前記紫外線吸収剤の最大吸収波長が、345〜395nmの範囲内にあることを特徴とする第3項に記載の画像形成方法。
5.前記紫外光の分光スペクトルにおいて、前記最大発光波長のピークの半値幅が12nm以下であることを特徴とする第3項又は第4項に記載の画像形成方法。
6.前記トナーが、着色剤を含有することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
7.前記紫外光の光源として、紫外線発光ダイオードを用いることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
8.電子写真画像を記録媒体に形成する画像形成装置であって、
紫外線吸収剤を含有するトナーを用いて形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する手段と、
前記記録媒体上に転写された前記トナー像に対し、紫外光を照射することにより前記記録媒体へトナーを定着する手段と、を備え、
前記転写された前記トナー像の紫外光受光量に対する発熱量の比率が、35〜80%の範囲内であることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、記録紙へのトナーの定着性が高く、かつエネルギー効率に優れた画像形成方法及び画像形成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構は明確になっていないが、以下のように推察している。
本発明で実施する光定着方法は、トナー中に紫外線吸収成分を含有させることで紫外光への感応性を付与した上で、外部エネルギーとして紫外光を照射することにより、トナー自体をその自己発熱で溶融させて記録紙上へ定着する方式である。従来の汎用的な定着方法である熱ローラー方式では、トナーを定着させる際に、対向ローラーや記録紙の加熱も必要となる点で、エネルギー効率が低い。これに対し、本発明に係る光定着方法は、トナー自体のみを直接的に加熱することで定着できるので、エネルギー効率に優れている。
ただし、本発明の光定着方式において、トナーは紫外線感応性を有し、紫外光が照射されることで発熱するものの、記録紙は加熱されない。そのため、トナーと記録紙との間には一定の温度勾配が存在しており、紫外光が照射されて発熱したトナーの熱量が、記録紙へ伝熱ロスが生じることは避けられない。したがって、トナーにこの伝熱ロスを上回る発熱量を発生させることが、トナーを記録紙へ定着させるための要件となる。
本発明者らは、トナーにこの伝熱ロスを上回る発熱量を発生させる要件として、転写されたトナー像の紫外光受光量に対する発熱量の比率を、35〜80%の範囲内とすることで、本発明の効果が得られることを見いだした。
この比率が35%未満の場合には、トナーは発熱するものの十分に溶融されないので、十分な定着強度を得られないものと推定される。
一方、この比率が80%を超える場合には、トナーの発熱及び溶融が急激となるため、画像エッジ部のトナーが滲んだ状態となり、画像の鮮明性が低下する。また、ベタ画像部では、記録紙中の水分が急加熱されることで、ベタ画像部内に気泡状のいわゆるボイドと言われる画像欠損が発生する。
したがって、転写されたトナー像の紫外光受光量に対する発熱量の比率を35〜80%の範囲内とすることで、記録紙へのトナーの定着性が高いという本発明の効果を有効に得ることができたと推定される。
また、紫外線吸収成分を含有するトナーへ紫外光を照射し、トナー自体を発熱させることにより、従来の熱ローラー定着方式に比較して、定着用のエネルギーを大きく低減することができる。具体的には、従来の熱ローラー定着で見られた対向ローラーや、紙への伝熱といったエネルギーロスを防ぐことができる。また、プリント時にのみ紫外光を照射すればトナーを定着し得るため、ウォーミングアップや待機時での消費電力を必要としない等のメリットがある。したがって、従来の熱ローラー定着方式と比べて、エネルギー効率に優れた画像形成方法であるといえる。
さらに、紫外線吸収剤は、トナーの色味や発色に対してほとんど悪影響がないので、本発明の画像形成方法は、着色剤を含有するトナーを記録媒体へ定着させる方法としても有用である。
本発明の画像形成装置の一例としての概略構成を示す模式図
本発明の電子写真感光体は、電子写真画像を記録媒体に形成する画像形成方法であって、紫外線吸収剤を含有するトナーを用いて形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する工程と、前記記録媒体上に転写された前記トナー像に対し、紫外光を照射することにより前記記録媒体へトナーを定着する工程と、を有し、前記転写された前記トナー像の紫外光受光量に対する発熱量の比率が、35〜80%の範囲内であることを特徴とする。この特徴は、下記実施態様に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果を有効に得る観点から、前記定着する工程において、前記転写された前記トナー像の表面における紫外光強度L(J/cm・sec)と、受光時間T(s)との関係が、上記条件1及び条件2を満たすことが好ましい。トナー像の総受光量を増やすことで、トナーの発熱量を増加させ、トナーを溶融させることができる。ここで、条件1及び条件2を満たすように、短時間でかつ高強度の紫外光を照射することで、記録紙等への伝熱ロスを最小限に抑えることができるため、光源の消費エネルギーの効率を高めることができる。
本発明の実施態様としては、前記紫外光の光源の最大発光波長が、345〜395nmの範囲内にあることが好ましい。トナーを溶融するための十分なエネルギーが得やすくなるという観点から、当該最大発光波長は、395nm以下であることが好ましい。また、当該最大発光波長を345nm未満とすると、トナーを構成する化合物の化学結合の一部が切断される等により当該化合物の劣化を引き起こしやすくなる。そのため、当該化合物の劣化を引き起こしにくくする観点から、345nm以上が好ましい。
本発明の実施態様としては、前記紫外線吸収剤の最大吸収波長が、345〜395nmの範囲内にあることが好ましい。これにより、定着工程で照射する紫外光を効率的に吸収し、本発明の効果を有効に得ることができる。
本発明の実施態様としては、光源の消費エネルギーの効率を高めることができるという観点から、前記紫外光の分光スペクトルにおいて、前記最大発光波長のピークの半値幅が12nm以下であることが好ましい。
本発明の実施態様としては、本発明の効果を有効に得る観点から、前記トナーが、着色剤を含有することが好ましい。着色剤は、紫外光を吸収することで発熱するという作用を有するため、その作用を紫外線吸収剤の発熱分に付加することができる。
本発明の実施態様としては、本発明の効果を有効に得る観点、すなわち、光源の消費エネルギーに対しより高い紫外光強度が得られるという観点から、前記紫外光の光源として、紫外線発光ダイオードを用いることが好ましい。
以下、本発明の構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《画像形成方法》
本発明の画像形成方法は、電子写真画像を記録媒体に形成する画像形成方法であって、紫外線吸収剤を含有するトナーを用いて形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する工程と、前記記録媒体上に転写された前記トナー像に対し、紫外光を照射することにより前記記録媒体へトナーを定着する工程と、を有し、前記転写された前記トナー像の紫外光受光量に対する発熱量の比率が、35〜80%の範囲内であるものである。
本発明に係る記録媒体へトナーを定着する工程(以下、定着工程ともいう。)は、例えば、公知の電子写真画像形成方法の工程である帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程を経て、記録媒体上に転写されたトナー像に対して紫外光を照射することにより行う。
以下、これらの各工程及びこれらの工程の後に行われるクリーニング工程について説明する。
(帯電工程)
本工程では、電子写真感光体を帯電させる。帯電させる方法は、特に限定されず、例えば、接触又は非接触のローラー帯電方式を利用することができる。
(露光工程)
本工程では、電子写真感光体(静電潜像担持体)上に静電潜像を形成する。
電子写真感光体としては、特に限定されるものではないが、例えば、公知の有機感光体よりなるドラム状のものが挙げられる。
静電潜像の形成は、後述するように、電子写真感光体の表面を帯電手段により一様に帯電させ、露光手段により電子写真感光体の表面を像様に露光することにより行われる。
露光手段としては、特に限定されず、例えば、感光体の軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの又はレーザー光学系などが用いられる。
(現像工程)
現像工程は、静電潜像をトナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する工程である。
トナー像の形成は、トナーを含む乾式現像剤を用いて、例えば、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ及び当該現像スリーブと感光体との間に直流及び/又は交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置を用いて行うことができる。より具体的には、トナーとキャリアとが混合撹拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラーの表面に保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラーは、電子写真感光体近傍に配置されているため、マグネットローラーの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって電子写真感光体の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて電子写真感光体の表面にトナー像が形成される。
(転写工程)
本工程では、トナー像を記録媒体上に転写する。
トナー像の記録媒体上への転写は、トナー像を記録媒体に剥離帯電することにより行われる。
転写手段としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラーなどを用いることができる。
また、転写工程は、例えば、中間転写体(中間転写体)を用い、中間転写体上にトナー像を1次転写した後、このトナー像を記録媒体上に2次転写する態様の他、電子写真感光体上に形成されたトナー像を直接記録媒体上に転写する態様などによって行うこともできる。
記録媒体としては、特に限定されず、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙又はコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができる。
(定着工程)
本発明に係る定着工程では、記録媒体上に転写されたトナー像に対して、紫外光を照射することにより当該記録媒体へトナー像を溶融定着する。
また、本発明に係る定着工程では、転写されたトナー像の紫外光受光量に対する発熱量の比率が、35〜80%の範囲内である。この比率が35%未満の場合には、トナーは発熱するものの十分に溶融されないので、十分な定着強度を得られないものと推定される。
一方、この比率が80%を超える場合には、トナーの発熱及び溶融が急激となるため、画像エッジ部のトナーが滲んだ状態となり、画像の鮮明性が低下する。また、ベタ画像部では、記録紙中の水分が急加熱されることで、ベタ画像部内に気泡状のいわゆるボイドと言われる画像欠損が発生する。
したがって、転写されたトナー像の紫外光受光量に対する発熱量の比率を35〜80%の範囲内とすることで、記録紙へのトナーの定着性が高いという本発明の効果を有効に得ることができたと推定される。
本発明における転写されたトナー像についての「紫外光受光量E1」及び「発熱量E2」は、それぞれ、被測定部であるトナーサンプルへ紫外光を照射可能な構造を具備した示差走査熱量計により測定することができる。具体的には、紫外線光源より特定の紫外光波長をパスフィルターにて抽出が可能であり、かつ光プローブによりトナーサンプルへの光路を構成した示差走査熱量計を用いて、紫外光受光量E1を紫外光プローブ出口にて光量計により実測することができる。また、この紫外光を照射後の熱量変化を示差走査熱量計での熱天秤として経時的に計測し、発熱量E2を測定することができる。当該発熱量E2は、発熱ピークの総面積より求めることができる。
本発明では、具体的に、紫外線光源「光照射装置 PDC−7(日立ハイテクサイエンス製)」を具備した示差走査熱量計「DSC−7000(日立ハイテクサイエンス製)」を用いて測定している。
紫外線光源からはパスフィルターにより特定の波長域の紫外光を取り出すことができ、それを光プローブにて上記示差走査熱量計のサンプル部に照射することができる。また、照射プローブ出口部はサンプル部より上方に15mmの照射距離を介して照射され、そのサンプル位置にてあらかじめ紫外線積算光量計「C12144(及び各波長のセンサー)、浜松ホトニクス製」にて実測し、単位時間当たりのサンプルへの受光量(Ea=J/cm)を計測する。サンプルはサンプルパンとして直径6.5mmのアルミ製を用い、約2.0mgを詰めて計測し、以下の数式より紫外光受光量E1へ換算する。
E1=[Ea(J/cm)/100(mm/cm)]×[(π×(6.5/2)(mm)]/サンプル質量(g)
一方、この経時モードで測定し、紫外光照射開始後の積算発熱量より単位時間当たりの発熱量Eb(J)を計測し、これをサンプルの質量で割って発熱量E2(J/g)を求める。
なお、転写後のトナー像についての「紫外光受光量E1に対する発熱量E2の比率」は、転写前のトナーについて測定した「紫外光受光量E1に対する発熱量E2の比率」と実質的に相違がない。そこで、転写前のトナーについて測定した「紫外光受光量E1に対する発熱量E2の比率」を測定し、その比率を「転写後のトナー像についての紫外光受光量E1に対する発熱量E2の比率」としてもよい。
また、定着工程において、転写されたトナー像の表面における紫外光強度L(J/cm・sec)と、受光時間T(sec)との関係が、以下の条件1及び条件2を満たすことが好ましい。条件1及び条件2を満たすように、短時間でかつ高強度の紫外光を照射することで、記録紙等への伝熱ロスを最小限に抑えることができるため、光源の消費エネルギーの効率を高めることができる。
条件1: T ≦ 0.25sec
条件2: L×T ≧ 1.20J/cm
また、転写されたトナー像の表面における「紫外光強度L(J/cm・sec)」及び「受光時間T(sec)」は、トナー像の位置と同一に受光センサーを配置して、その受光センサーでの測定値を用いることができる。
トナーの定着強度を高めるための発想として、トナーの受光時間、すなわち紫外線照射下でのトナー通過時間を長くすることで、トナーの総受光量を増やし、トナー粒子を溶融させる定着条件も想定しうる。しかし、トナーの受光時間が長くなるにともない、発熱したトナーの熱量は記録紙へと伝熱してしまう。したがって、肝心なトナー粒子自体の実温上昇が鈍化することで、トナーの溶融に対するエネルギー効率が大きく低下する。一方、トナーの発熱効率がより低い場合には、長時間の紫外光露光を行ったとしても、トナーの発熱速度と記録紙への伝熱速度が平衡してしまい、一定の溶融状態以上に進まなくなる。したがって、十分なトナーの定着強度を得にくくなる。
またこれに加え、トナーが受光する、すなわち照射する紫外光の条件として、記録紙への伝熱ロスよりも速やかにトナーが発熱及び溶融して、良好な定着状態を得られるような、特定の紫外光の照射条件を見いだした。
本発明における好ましい紫外光照射条件は、条件1及び条件2を満たすような、短時間でかつ高強度の紫外光を照射するものである。この条件を満たすとき、トナーの発熱熱量が記録紙への伝熱ロス分を大きく上回り、より効率的なトナー溶融を発生させられることにより、良好な定着強度を得つつ、光源の消費エネルギー効率を高めることができる。
また、本発明の効果を有効に得る観点から、紫外光強度Lは、4.5J/cm・sec以上であることが好ましく、6.0J/cm・sec以上であることが特に好ましい。また、紫外光強度Lの上限は特に限られないが、10.0J/cm・sec以下とすることが、紫外線照射による急激なトナーの溶融を防ぎ、画像エッジ部の滲み等の画質悪化を生じにくくする観点から好ましい。
また、本発明の効果を有効に得る観点から、受光時間Tは、0.25sec以下であることが好ましく、0.22sec以下であることが特に好ましい。また、受光時間Tの下限は0secより大きければ特に限られないが、0.10sec以上とすることが、トナーの発熱・溶融の時間と、トナーの記録媒体への浸透時間を確保し、トナーの記録媒体へ定着しやすくする観点から好ましい。
また、紫外光の光源の最大発光波長は、345〜395nmの範囲内にあることが好ましい。トナーを溶融するための十分なエネルギーが得やすくなるという観点から、当該最大発光波長は、395nm以下であることが好ましい。当該最大発光波長を345nm未満とすると、トナーを構成する化合物の化学結合の一部が切断される等により当該化合物の劣化を引き起こしやすくなる。そのため、当該化合物の劣化を引き起こしにくくする観点から、345nm以上が好ましい。
また、紫外光の分光スペクトルにおいて、前記最大発光波長のピークの半値幅が12nm以下であることが好ましい。これにより、光源の消費エネルギーの効率を高めることができる。
紫外光の光源としては、本発明の効果が得られるものであれば特に制限なく用いることができる。また、本発明に係る紫外光の光源としては、紫外線発光ダイオードを用いることが好ましい。
本発明に係る定着工程は、上述したとおり、紫外光を照射することによって行うことができるが、さらに他の工程を追加することもできる。
例えば、紫外光の照射後に、加圧する工程を追加することで、記録媒体へのトナーの定着強度を向上させることができる。具体的には、例えば、定着ローラーと、当該定着ローラーに定着ニップ部が形成されるよう圧接された状態で設けられた加圧ローラーとにより構成されてなるローラー定着方式によって、加圧する工程を行うことができる。また、この際に用いる定着ローラーを加熱手段として用いてもよい。これにより、加熱を行ってトナーを再度溶融し、記録媒体へ定着させることができるので、トナーの記録媒体への定着性をより向上させることができる。この場合の定着ローラーの温度としては、30〜100℃の範囲内であることが好ましく、40〜100℃の範囲内であることが好ましい。
(クリーニング工程)
本工程では、現像ローラー、感光体、中間転写体などの現像剤担持体上に、画像形成に使用されなかった又は転写されずに残った液体現像剤を現像剤担持体上から除去する。
クリーニングの方法は、特に限定されないが、先端が感光体に当接して設けられた、感光体表面を擦過するブレードが用いられる方法であることが好ましく、例えば、クリーニングブレードと、このクリーニングブレードより上流側に設けられたブラシローラーとにより構成されるものを用いることができる。
《画像形成装置》
本発明の画像形成装置は、上記した画像形成方法を用いる画像形成装置であって、紫外線吸収剤を含有するトナーを用いて形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する手段と、前記記録媒体上に転写された前記トナー像に対し、紫外光を照射することにより前記記録媒体へトナーを定着する手段と、を備え、前記転写された前記トナー像の紫外光受光量に対する発熱量の比率が、35〜80%の範囲内であることを特徴とする。
以下、図面を用いて、本発明に適用可能な画像形成装置について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるものであり、4組の画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状の中間転写体ユニット7と、給紙搬送部21と、定着する手段としての定着部91とを備えて構成されている。装置本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
なお、図1では、4組の画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)10Y、10M、10C、10Bkを備えた画像形成装置を示しているが、画像形成ユニット10Bkのみであってもよいし、4組の画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)10Y、10M、10C、10Bkのうち、少なくとも2組の画像形成ユニットを備えたものであってもよい。
画像形成ユニット10Yは、イエロー色の画像を形成するものである。画像形成ユニット10Yは、ドラム状の電子写真感光体1Yの周囲に帯電部2Yと露光部3Yと現像部4Yとクリーニング部6Yとが配置されて構成され、転写手段としての1次転写ローラー5Yを更に有する。
画像形成ユニット10Mは、マゼンタ色の画像を形成するものである。画像形成ユニット10Mは、ドラム状の電子写真感光体1Mの周囲に帯電部2Mと露光部3Mと現像部4Mとクリーニング部6Mとが配置されて構成され、転写手段としての1次転写ローラー5Mを更に有する。
画像形成ユニット10Cは、シアン色の画像を形成するものである。画像形成ユニット10Cは、ドラム状の電子写真感光体1Cの周囲に帯電部2Cと露光部3Cと現像部4Cとクリーニング部6Cとが配置されて構成され、転写手段としての1次転写ローラー5Cを更に有する。
画像形成ユニット10Bkは、黒色画像を形成するものである。画像形成ユニット10Bkは、ドラム状の電子写真感光体1Bkの周囲に帯電部2Bkと露光部3Bkと現像部4Bkとクリーニング部6Bkとが配置されて構成され、転写手段としての1次転写ローラー5Bkを更に有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、電子写真感光体1Y、1M、1C、1Bkに形成されるトナー像の色が異なることを除いては同様に構成されている。そのため、以下では、画像形成ユニット10Yを例に挙げて説明する。
本実施形態では、画像形成ユニット10Yにおいて、少なくとも、電子写真感光体1Yと帯電部2Yと現像部4Yとクリーニング部6Yとが一体化されている。
帯電部2Yは、電子写真感光体1Yに対して一様な電位を与えて電子写真感光体1Yの表面(例えば、電子写真感光体の保護層の表面)を帯電(例えば、負に帯電)させる。帯電部2Yは、非接触帯電方式によって電子写真感光体1Yの表面を帯電させてもよいが、後述するように接触帯電方式によって電子写真感光体1Yの表面を帯電させることが好ましい。
露光部3Yは、帯電部2Yにより一様な電位が与えられた電子写真感光体1Yの表面(例えば、電子写真感光体の保護層の表面)に対して、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、これにより、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する。露光部3Yとしては、電子写真感光体1Yの軸方向に発光素子がアレイ状に配列されて構成されたLEDと結像素子(商品名:セルフォック(登録商標)レンズ)とを備えたもの、又は、レーザー光学系などを用いることができる。
現像部4Yは、露光部3Yにより形成された静電潜像を静電潜像現像剤により現像してトナー像を形成する。用いる静電潜像現像剤は特に限定されないが、乾式現像剤であることが好ましい。
本実施形態の画像形成装置では、電子写真感光体1Yと帯電部2Yと露光部3Yと現像部4Yとクリーニング部6Yなどがプロセスカートリッジとして一体化されて構成され、このプロセスカートリッジが装置本体Aに対して着脱可能に装着されてもよい。また、帯電部2Y、露光部3Y、現像部4Y、転写又は分離器、及び、クリーニング部6Yのうちの少なくとも一つが電子写真感光体1Yとともに一体に支持されてプロセスカートリッジが構成され、そのプロセスカートリッジが装置本体Aに対して着脱可能な単一画像形成ユニットに構成され、その単一画像形成ユニットが装置本体Aのレールなどの案内手段を用いて装置本体Aに対して着脱可能に装着されてもよい。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkと無端ベルト状の中間転写体ユニット7とを有する筐体8は、支持レール82L、82Rにより、装置本体Aから引き出し可能に構成されている。筐体8では、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。無端ベルト状の中間転写体ユニット7は、図1において電子写真感光体1Y、1M、1C、1Bkの左側方に配置されており、ローラー71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状の中間転写体70と、1次転写ローラー5Y、5M、5C、5Bkと、クリーニング部6bとを有する。
定着部91は、少なくとも紫外光を照射する光源を備えて構成される。紫外光を照射する光源としては、紫外線発光ダイオードを用いることが好ましい。また、光源は1個のみ備えることとしてもよく、複数個備えることとしてもよい。
以下では、図1に示す画像形成装置を用いた画像形成方法について示す。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkにより形成された各色の画像は、1次転写ローラー5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状の中間転写体70上に逐次転写される。これにより、合成されたカラー画像が形成される。
給紙カセット20に収容された記録媒体Pは、給紙搬送部21により給紙され、複数の中間ローラー22A、22B、22C、22Dとレジストローラー23とを経て、2次転写ローラー5bに搬送される。2次転写ローラー5bでは、合成されたカラー画像が記録媒体Pに2次転写され、よって、カラー画像が記録媒体Pに一括に転写される。合成されたカラー画像が記録媒体Pに2次転写されると、無端ベルト状の中間転写体70はその記録媒体Pを曲率分離する。
また、定着部91において、記録媒体P上に転写された前記トナー像に対し、紫外光が照射され、記録媒体Pにトナーが定着される。
定着処理された記録媒体Pは、排紙ローラー25に挟持されて機外の排紙トレイ26に載置される。一方、中間転写体70に付着した静電潜像現像剤(残留トナー)はクリーニング部6bにより除去される。
なお、画像形成中、1次転写ローラー5Bkは、常時、電子写真感光体1Bkの表面に当接している。一方、1次転写ローラー5Y、5M、5Cは、カラー画像形成時にのみ、対応する電子写真感光体1Y、1M、1Cの表面に当接する。また、2次転写ローラー5bは、2次転写ローラー5bを記録媒体Pが通過して2次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状の中間転写体70の表面に当接する。
《静電荷像現像用トナー》
本発明に係る静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう。)は、トナー母体粒子又はトナー粒子の集合体であることが好ましい。
ここで、トナー粒子とは、トナー母体粒子に外添剤を添加したものであり、トナー母体粒子をそのままトナー粒子として用いることもできる。
また、本発明において、トナー粒子は紫外線吸収剤を含有する。また、本発明に係るトナー粒子としては、例えば、当該紫外線吸収剤の他に、後述する結着樹脂、着色剤、離型剤、荷電制御剤、及び外添剤等を含有するものを用いることができる。
〈紫外線吸収剤〉
本発明に係るトナー粒子は、紫外線吸収剤を含有する。トナー粒子には、内添剤として紫外線吸収剤を含有してもよく、外添剤として紫外線吸収剤を含有してもよい。
本発明に係る紫外線吸収剤とは180〜400nmの波長領域に吸収波長を持ち、少なくとも0℃以上の環境下では励起状態から異性化や結合開裂等の構造変化を伴わずに、無輻射失活により失活する添加剤のことを指す。また、紫外線吸収剤は、当該条件を満たせば有機化合物と無機化合物のいずれでもよい。また、一般的な有機系紫外線吸収剤以外にも光安定剤や酸化防止剤等の添加剤も本発明における紫外線吸収剤に含まれる。
また、有機系紫外線吸収剤の骨格を有する官能基が高分子鎖に取り込まれた紫外線吸収ポリマーも使用可能である。
紫外線吸収剤の最大吸収波長は、345〜395nmの範囲内にあることが好ましい。これにより、定着工程で照射する紫外光を効率的に吸収し、本発明の効果を有効に得ることができる。また、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤では有機系紫外線吸収剤の方が好ましい。
本発明で使用可能な有機系紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ジフェニルアクリレート系紫外線吸収剤、安息香酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、ジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、β,β−ジフェニルアクリラート系紫外線吸収剤、ベンジリデンショウノウ系紫外線吸収剤、フェニルベンゾイミダゾール系紫外線吸収剤、アントラニル系紫外線吸収剤、イミダゾリン系紫外線吸収剤、ベンザルマロナート系紫外線吸収剤、4,4−ジアリールブタジエン系紫外線吸収剤等の公知のものが挙げられる。その中でも、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物よりなる紫外線吸収剤)としては、例えば、オクタベンゾン、2,4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系化合物よりなる紫外線吸収剤)としては、例えば、2−(2p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、メチル−3−〔3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート/ポリエチレングリコール(分子量約300)の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルプチル)フェノールなどが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤(トリアジン系化合物よりなる紫外線吸収剤)としては、例えば、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニル、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕フェノール、2−〔4−〔(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ〕−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−〔(2−ヒドロキシ−3−(2′−エチル)ヘキシル)オキシ〕−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−〔1−オクチルオキシカルボニルオトキシ〕フェニル)−4,6−ビス(4−フェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤(シアノアクリレート系化合物よりなる紫外線吸収剤)としては、例えば、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2′−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
ジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤(ジベンゾイルメタン系化合物よりなる紫外線吸収剤)としては、4−tert−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタン(例えば、「パルソール1789」、DSM社製)などが挙げられる。
無機系紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム等が挙げられる。無機系紫外線吸収剤の粒径は、1nm〜1μmの範囲内であることが好ましい。
紫外線吸収剤の含有率は、トナー粒子の全質量(100質量%)に対して、0.1〜50質量%の範囲内である。含有率が0.1質量%より小さいと、十分な発熱量(エネルギー)を得ることができず、50質量%より大きいと、定着画像が脆くなってしまう。
紫外線吸収剤の含有率は、0.5〜35質量%の範囲内であることが好ましい。含有率が0.5質量%以上であれば、得られる熱エネルギーがより大きくなるため定着性がより向上し、35質量%以下であれば、樹脂比率が大きくなるため定着画像が強靭になり定着性がより向上する。
〈結着樹脂〉
本発明のトナー粒子は、結着樹脂を含有することが好ましい。結着樹脂を含むことで、トナーが適切な粘度となり、紙に塗布した際のにじみが抑制されるため、細線再現性やドット再現性が向上する。
結着樹脂としては、一般にトナー粒子を構成する結着樹脂として用いられている樹脂を制限なく用いることができる。具体的には、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これら結着樹脂は、単独でも、又は2種以上組み合わせても用いることができる。
これらの中でも、溶融すると低粘度になり、かつ高いシャープメルト性を有するという観点から、結着樹脂は、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、スチレン・アクリル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、定着性や耐熱保管性などの観点から、35〜70℃の範囲内が好ましく、35〜60℃の範囲内がより好ましい。ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC)により測定することができる。
なお、結着樹脂を含むトナー粒子は、単層構造であってもよいし、コア・シェル構造であってもよい。コア・シェル構造のコア粒子及びシェル層に用いられる結着樹脂の種類は、特に制限されない。
〈着色剤〉
トナーの基本的な用途は、記録媒体上に可視像を形成することである。そのため、本発明に係るトナー粒子は、一般的に着色剤を含有して使用される。この場合、着色剤も一般的に紫外線を吸収し発熱する特性を有するため、本発明で規定する発熱に対しては付加的に作用し、本特許の効果を阻害するものではない。なお、本発明に係るトナーは、透明トナー等の着色剤を含有しない特殊用途にも用いることができる。
着色剤としては、一般に知られている染料及び顔料を用いることができる。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラックなどが挙げられる。
カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられる。また、磁性体としてはフェライト、マグネタイトなどが挙げられる。
イエローのトナーを得るための着色剤としては、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162などの染料、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185などの顔料が挙げられる。
マゼンタのトナーを得るための着色剤としては、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122などの染料、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222などの顔料が挙げられる。
シアンのトナーを得るための着色剤としては、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95などの染料、C.I.ピグメントブルー1、同7、同15、同15:3、同60、同62、同66、同76などの顔料が挙げられる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有率は、トナー粒子の総質量(100質量%)に対し、1〜30質量%の範囲内であることが好ましく、2〜20質量%の範囲内であることがより好ましい。含有率が1質量%以上であれば、十分な着色力を得ることができ、30質量%以下であれば、着色剤がトナーから遊離してキャリアに付着することがなく、帯電性が安定するため、高画質な画像が得られる。
〈離型剤〉
本発明に係るトナー粒子は、離型剤を含有してもよい。使用される離型剤は、特に限定されるものではなく、公知の種々のワックスを用いることができる。
ワックスとしては、低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、酸化型の低分子量ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、パラフィン、合成エステルワックスなどが挙げられる。
特に、低融点及び低粘度であることから、合成エステルワックスを用いることが好ましく、ベヘン酸ベヘニル、グリセリントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネートなどを用いることが特に好ましい。
離型剤の含有率は、トナー粒子の総質量(100質量%)に対し、1〜30質量%の範囲内であることが好ましく、3〜15質量%の範囲内であることがより好ましい。
〈荷電制御剤〉
本発明に係るトナー粒子は、荷電制御剤を含有してもよい。使用される荷電制御剤は、摩擦帯電により正又は負の帯電を与えることのできる物質であり、かつ無色のものであれば特に限定されず、公知の種々の正帯電性の荷電制御剤及び負帯電性の荷電制御剤を用いることができる。
荷電制御剤の含有率は、トナー粒子の総質量(100質量%)に対し、0.01〜30質量%の範囲内であることが好ましく、0.1〜10質量%の範囲内であることがより好ましい。
〈外添剤〉
本発明に係るトナー粒子には、トナー母体粒子表面に公知の外添剤を添加することができる。例えば、トナーの流動性、帯電性、クリーニング性等を改良するために、トナー母体粒子表面に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤等の外添剤を添加してもよい。
外添剤としては、例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子などの無機酸化物粒子、ステアリン酸アルミニウム粒子、ステアリン酸亜鉛粒子などの無機ステアリン酸化合物粒子、チタン酸ストロンチウム粒子、チタン酸亜鉛粒子などの無機チタン酸化合物粒子などの無機粒子が挙げられる。
これらは、単独でも、又は2種以上を組み合わせても用いることができる。
これら無機粒子は、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性や環境安定性の向上のために、表面処理が行われていてもよい。
これら外添剤の添加量は、トナー粒子の総質量(100質量%)に対し、0.05〜5質量%の範囲内であることが好ましく、0.1〜3質量%の範囲内であることがより好ましい。
〈トナー粒子の平均粒径〉
トナー粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径(D50)で4〜10μmの範囲内であることが好ましく、4〜7μmの範囲内であることがより好ましい。体積基準のメジアン径(D50)が上記範囲内にあることにより、転写効率が高くなり、ハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
トナー粒子の体積基準のメジアン径(D50)は、「コールターカウンター3」(ベックマン・コールター株式会社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステム(ベックマン・コールター株式会社製)を接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。
具体的には、測定試料(トナー)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば、界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー粒子分散液を調製し、このトナー粒子分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター株式会社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。
ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャー径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径(D50)とされる。
〈トナーの製造方法〉
本発明に係るトナーの製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用できるが、乳化重合凝集法や乳化凝集法を好適に採用できる。
乳化重合凝集法は、乳化重合法によって製造された結着樹脂の粒子(以下、結着樹脂粒子ともいう。)の分散液を、紫外線吸収剤の粒子(以下、紫外線吸収剤粒子ともいう。)の分散液、着色剤の粒子(以下、着色剤粒子ともいう。)の分散液及びワックスなどの離型剤の分散液と混合し、トナー粒子が所望の粒径となるまで凝集させ、更に結着樹脂粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。
また、乳化凝集法は、溶媒に溶解した結着樹脂溶液を貧溶媒に滴下して樹脂粒子分散液とし、この樹脂粒子分散液と紫外線吸収剤粒子分散液、着色剤粒子分散液及びワックスなどの離型剤分散液とを混合し、所望のトナー粒子の径となるまで凝集させ、更に結着樹脂粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。
本発明のトナーにおいては、どちらの製造方法も適用可能である。
以下に、本発明に係るトナーの製造方法として、乳化重合凝集法を用いる場合の一例を示す。
(1)水系媒体中に着色剤粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(2)紫外線吸収剤粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(3)水系媒体中に、必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(4)乳化重合により、結着樹脂微粒子の分散液を調製する工程
(5)着色剤粒子の分散液と、紫外線吸収剤粒子の分散液と、結着樹脂粒子の分散液とを混合して、着色剤粒子と紫外線吸収剤粒子と結着樹脂粒子とを凝集、会合、融着させてトナー母体粒子を形成する工程
(6)トナー母体粒子の分散系(水系媒体)からトナー母体粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する工程
(7)トナー母体粒子を乾燥する工程
(8)トナー母体粒子に外添剤を添加する工程
乳化重合凝集法によってトナーを製造する場合においては、乳化重合法によって得られる結着樹脂粒子は、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであってもよく、このような構成の結着樹脂粒子は、例えば2層構造を有するものは、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)によって樹脂粒子の分散液を調製し、この分散液に重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する手法によって得ることができる。
また、乳化重合凝集法によってはコア・シェル構造を有するトナー粒子を得ることもでき、具体的にコア・シェル構造を有するトナー粒子は、まず、コア粒子用の結着樹脂粒子と紫外線吸収剤粒子と着色剤粒子とを凝集、会合、融着させてコア粒子を作製し、次いで、コア粒子の分散液中にシェル層用の結着樹脂粒子を添加してコア粒子表面にシェル層用の結着樹脂粒子を凝集、融着させてコア粒子表面を被覆するシェル層を形成することにより得ることができる。
《現像剤》
本発明に係るトナーは、例えば、磁性体を含有させて1成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して2成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合などが考えられ、いずれも好適に使用することができる。
磁性体としては、例えば、マグネタイト、γ−ヘマタイト、各種フェライトなどを使用することができる。
2成分現像剤を構成するキャリアとしては、鉄、鋼、ニッケル、コバルト、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができる。
キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂等の被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体粉末を分散してなるいわゆる樹脂分散型キャリアを用いることが好ましい。被覆用の樹脂としては、特に限定はないが、例えば、オレフィン樹脂、スチレン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
キャリアの体積基準のメジアン径は、20〜100μmの範囲内であることが好ましく、25〜80μmの範囲内であることがより好ましい。キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパテック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
トナーのキャリアに対する混合量は、トナーとキャリアとの合計質量を100質量%として、2〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、本実施例において使用した化合物を以下に示す。
Figure 2019095493
[トナーA1の作製]
1−1.結着樹脂微粒子分散液の調製工程
1−1−1.樹脂微粒子分散液の第1段重合
撹拌装置、温度センサー、温度制御装置、冷却管、及び窒素導入装置を取り付けた反応容器(容量5L、直径180mm)に、あらかじめアニオン性界面活性剤「ドデシル硫酸ナトリウム」2.0gをイオン交換水2900gに溶解させたアニオン性界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下で230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
このアニオン性界面活性剤溶液に、重合開始剤「過硫酸カリウム(以後、KPSと略す)」9.0gを添加し、内温を78℃とした後、
スチレン 540g
n−ブチルアクリレート 270g
メタクリル酸 65g
n−オクチルメルカプタン 17g
からなる単量体混合液(A)を3時間かけて滴下した。滴下終了後、78℃において1時間にわたって加熱・撹拌を継続することによって、重合(第1段重合)を行うことにより、「樹脂微粒子の分散液(D1)」を調製した。
1−1−2.樹脂粒子分散液の第2段重合:中間層の形成
撹拌装置を取り付けた容量5Lの反応容器内に、
スチレン 94g
n−ブチルアクリレート 60g
メタクリル酸 11g
n−オクチルメルカプタン 5.0g
からなる単量体混合液に、オフセット防止剤としてフィッシャートロプシュワックス(融点:73℃)を51g添加し、85℃に加温して溶解させてワックス含有単量体混合液(B)を調製した。
一方、アニオン性界面活性剤「ドデシル硫酸ナトリウム」2gをイオン交換水1100gに溶解させた界面活性剤溶液を90℃に加温し、この界面活性剤溶液に前記の「樹脂微粒子の分散液(D1)」を、その樹脂微粒子の固形分換算で28g相当分を添加した。次に、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、さらに、前記ワックス含有単量体混合液(B)を加えて、0.35時間にわたって混合・分散させ、分散粒子径350nmの乳化粒子を含有する分散液を調製した。この分散液に、重合開始剤(KPS)2.5gをイオン交換水110gに溶解させた開始剤水溶液を添加し、この系を90℃において2.0時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第2段重合)を行うことにより、「樹脂微粒子の分散液(D2)」を調製した。
1−1−3.樹脂粒子分散液の第3段重合:外層の形成
上記の「樹脂微粒子の分散液(D2)」に、重合開始剤(KPS)2.5gをイオン交換水110gに溶解させた開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、
スチレン 230g
n−ブチルアクリレート 100g
n−オクチルメルカプタン 5.2g
からなる単量体混合液(C)を1.0時間かけて滴下した。滴下終了後、3.0時間にわたって加熱・撹拌することによって、重合(第3段重合)を行った。その後、28℃まで冷却し、アニオン性界面活性剤溶液中に結着樹脂微粒子が分散された「結着樹脂微粒子の分散液(1−1)」を作製した。
1−2.着色剤微粒子分散液の調製工程
ドデシル硫酸ナトリウム90gをイオン交換水1600gに撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、着色剤としてシアン顔料「C.I.Pigment Blue 15:3」(クラリアント社製)420gを徐々に添加した。次いで、ローターステーター型分散装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて高速回転分散処理することにより、シアン着色剤微粒子が分散されてなる「着色剤微粒子の分散液(1−2)」を調製した。この分散液における着色剤微粒子の粒子径を、マイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150EX」(日機装社製)を用いて測定したところ、体積平均径Dvが144nmであった。
1−3.紫外線吸収剤分散液の調製工程
ドデシル硫酸ナトリウム75gをイオン交換水3200gに撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン系化合物である上記化合物A725gを徐々に添加した。次いで、ローターステーター型分散装置「ULTRA−TURRAX」(IKA社製)を用いて粗分散したのちに、ビーズミル式分散機「ダイノーミル;ECM−AP2型」(シンマルエンタープライゼス製)にて直径0.3mmのジルコニアビーズを用いて微分散を行い、紫外線吸収剤である化合物Aが分散されてなる「紫外線吸収剤微粒子の分散液(1−3)」を調製した。この分散液における紫外線吸収剤微粒子の粒子径を、マイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150EX」(日機装社製)を用いて測定したところ、体積平均径Dvが385nmであった。
1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程
撹拌装置、温度センサー及び冷却管を取り付けた容量5Lの反応容器(直径180mm)に、「結着樹脂微粒子の分散液(1−1)」をその固形分換算で332.0g相当分と、イオン交換水2000gを投入し、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH(30℃)を10.0に調整した。
その後、上記反応容器に、「着色剤微粒子の分散液(1−2)」を固形分換算で24g相当分及び「紫外線吸収剤微粒子の分散液(1−3)」を固形分相当44.0g分(トナー中の比率が11.0質量%)を投入し、次いで、塩化マグネシウム60gをイオン交換水60gに溶解した水溶液を、撹拌下で液温30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にてコア粒子の粒径を経時的に測定し、体積基準のメジアン径(D50)が6.3μmになった時点で、塩化ナトリウム190gをイオン交換水760gに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、昇温を行い、85℃の状態で加熱撹拌を継続することにより、粒子の融着を進行させ、トナー粒子の平均円形度として測定装置「FPIA−3000」(Sysmex社製)を用い、HPF検出数を4000個の測定条件にて平均円形度が0.955になった時点で30℃に冷却し、「トナー粒子の分散液(1−4)」を得た。
この「トナー粒子の分散液(1−4)」を遠心分離機で固液分離し、トナー粒子のウェットケーキを形成したのちに、これを遠心分離機を用いて濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で掛け洗い洗浄し、その後、35℃の乾燥棚に静置して水分量が0.7質量%未満となるまで乾燥し、トナー母体粒子1を得た。
乾燥させたトナー母体粒子1に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径12nm)1.0質量%及び疎水性チタニア(数平均一次粒子径31nm)0.35質量%となるようにそれぞれ添加し、ヘンシェルミキサーにより混合することにより、トナーA1を作製した。
[トナーA2の作製]
トナーA1の「1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」において、「結着樹脂微粒子の分散液(1−1)」をその固形分換算で324.0g相当分、「着色剤微粒子の分散液(1−2)」を固形分換算で24.0g相当分、「紫外線吸収剤微粒子の分散液(1−3)」を固形分換算で52.0g相当分(トナー中の比率が13.0質量%)とした以外は同様にして各工程を行い、トナーA2を作製した。
[トナーB1の作製]
トナーA1において、「1−3.紫外線吸収剤分散液の調製工程」と、「1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」を以下のように変更した以外は同様にして、トナーB1を作製した。
2−1.紫外線吸収剤分散液の調製工程
ドデシル硫酸ナトリウム40gとイオン交換水3600g、及び、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物である化合物B800gを用いた以外は、トナーA1の「1−3.紫外線吸収剤分散液の調製工程」の方法と同様にして、紫外線吸収剤である化合物Bが分散されてなる「紫外線吸収剤微粒子の分散液(2−1)」を調製した。この分散液における粒子径を同様に測定した結果、体積平均径Dvが264nmであった。
2−2.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程
トナーA1の「1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」において、「結着樹脂微粒子の分散液(1−1)」をその固形分換算で332.0g相当分、「着色剤微粒子の分散液(1−2)」を固形分換算で24.0g相当分、「紫外線吸収剤微粒子の分散液(2−1)」を固形分換算で44.0g相当分(トナー中の比率が11質量%)とした以外は同様にして各工程を行った。
[トナーB2の作製]
トナーB1において、「2−2.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」を以下のように変更した以外は同様にして、トナーB2を作製した。
2−3.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程
トナーA1の「1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」において、「結着樹脂微粒子の分散液(1−1)」をその固形分換算で355.2g相当分、「着色剤微粒子の分散液(1−2)」を固形分換算で24.0g相当分、「紫外線吸収剤微粒子の分散液(2−1)」を固形分換算で20.8g相当分(トナー中の比率が5.2質量%)とした以外は同様にして各工程を行った。
[トナーC1の作製]
トナーA1において、「1−3.紫外線吸収剤分散液の調製工程」と、「1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」を以下のように変更した以外は同様にして、トナーC1を作製した。
3−1.紫外線吸収剤分散液の調製工程
ドデシル硫酸ナトリウム78gとイオン交換水4000g、及び、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物である化合物C680gを用いた以外は、トナーA1の「1−3.紫外線吸収剤分散液の調製工程」の方法と同様にして、紫外線吸収剤である化合物Cが分散されてなる「紫外線吸収剤微粒子の分散液(3−1)」を調製した。この分散液における粒子径を同様に測定した結果、体積平均径Dvが312nmであった。
3−2.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程
トナーA1の「1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」において、「結着樹脂微粒子の分散液(1−1)」をその固形分換算で340.4g相当分、「着色剤微粒子の分散液(1−2)」を固形分換算で24.0g相当分、「紫外線吸収剤微粒子の分散液(3−1)」を固形分換算で35.6g相当分(トナー中の比率が8.9質量%)とした以外は同様にして各工程を行った。
[トナーC2の作製]
トナーC1の「1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」を以下のように変更した以外は同様にして、トナーC2を作製した。
3−3.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程
トナーA1の「1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」において、「結着樹脂微粒子の分散液(1−1)」をその固形分換算で346.0g相当分、「着色剤微粒子の分散液(1−2)」を固形分換算で24.0g相当分、「紫外線吸収剤微粒子の分散液(3−1)」を固形分換算で30.0g相当分(トナー中の比率が7.5質量%)とした以外は同様にして各工程を行った。
[トナーD1の作製]
トナーA1において、「1−3.紫外線吸収剤分散液の調製工程」と、「1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」を以下のように変更した以外は同様にして、トナーD1を作製した。
4−1.紫外線吸収剤分散液の調製工程
ドデシル硫酸ナトリウム48gとイオン交換水2400g、及び、紫外線吸収剤としてBMDBM(t−ブチルメトキシベンソイルメタン)系化合物である化合物D320gを用いた以外は、トナーA1の「1−3.紫外線吸収剤分散液の調製工程」の方法と同様にして、紫外線吸収剤である化合物Dが分散されてなる「紫外線吸収剤微粒子の分散液(4−1)」を調製した。この分散液における粒子径を同様に測定した結果、体積平均径Dvが247nmであった。
4−2.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程
トナーA1の「1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」において、「結着樹脂微粒子の分散液(1−1)」をその固形分換算で364.8g相当分、「着色剤微粒子の分散液(1−2)」を固形分換算で24.0g相当分、「紫外線吸収剤微粒子の分散液(4−1)」を固形分換算で11.2g相当分(トナー中の比率が2.8質量%)とした以外は同様にして各工程を行った。
[トナーD2の作製]
トナーD1において、「4−2.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」を以下のように変更した以外は同様にして、トナーD2を作製した。
4−3.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程
トナーA1の「1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」において、「結着樹脂微粒子の分散液(1−1)」をその固形分換算で356.0g相当分、「着色剤微粒子の分散液(1−2)」を固形分換算で24.0g相当分、「紫外線吸収剤微粒子の分散液(4−1)」を固形分換算で20.0g相当分(トナー中の比率が5.0質量%)とした以外は同様にして各工程を行った。
[トナーD3の作製]
トナーD1において、「4−2.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」を以下のように変更した以外は同様にして、トナーD3を作製した。
4−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程
トナーA1の「1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」において、「結着樹脂微粒子の分散液(1−1)」をその固形分換算で363.6g相当分、「着色剤微粒子の分散液(1−2)」を固形分換算で24.0g相当分、「紫外線吸収剤微粒子の分散液(4−1)」を固形分換算で12.4g相当分(トナー中の比率が3.1質量%)とした以外は同様にして各工程を行った。
[トナーD4の作製]
トナーD1において、「4−2.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」を以下のように変更した以外は同様にして、トナーD4を作製した。
4−5.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程
トナーA1の「1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」において、「結着樹脂微粒子の分散液(1−1)」をその固形分換算で348.8g相当分、「着色剤微粒子の分散液(1−2)」を固形分換算で24.0g相当分、「紫外線吸収剤微粒子の分散液(4−1)」を固形分換算で27.2g相当分(トナー中の比率が6.8質量%)とした以外は同様にして各工程を行った。
[トナーE1の作製]
トナーA1において、「1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」を以下のように変更した以外は同様にして、トナーE1を作製した。
5−1.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程
トナーA1の「1−4.凝集、融着−熟成、洗浄、乾燥、外添剤添加工程」において、「結着樹脂微粒子の分散液(1−1)」をその固形分換算で376g相当分、「着色剤微粒子の分散液(1−2)」を固形分換算で24g相当分、「紫外線吸収剤微粒子の分散液」は添加しないとした以外は同様にして各工程を行った。
[2成分現像剤の作製]
上記各トナーを、平均粒径が38μmのフェライトコア粒子表面にスチレン−アクリル樹脂を3質量%でコーティングした樹脂コートキャリアと、トナー濃度が6.5質量%となるように混合し、それぞれ2成分現像剤とした。
[トナー像の紫外光受光量に対する発熱量の比率の測定]
転写されたトナー像についての「紫外光受光量E1」及び「発熱量E2」は、それぞれ、被測定部であるトナー像へ紫外光を照射可能な構造を具備した示差走査熱量計により測定した。具体的には、紫外線光源より特定の紫外光波長をパスフィルターにて抽出が可能であり、かつ光プローブによりトナーサンプルへの光路を構成した示差走査熱量計を用いて、紫外光受光量E1を紫外光プローブ出口にて光量計により実測した。また、この紫外光を照射後の熱量変化を示差走査熱量計での熱天秤として経時的に計測し、発熱量E2を測定した。当該発熱量E2は、発熱ピークの総面積より求めた。
測定は、紫外線光源「光照射装置 PDC−7(日立ハイテクサイエンス製)」を具備した示差走査熱量計「DSC−7000(日立ハイテクサイエンス製)」を用いて行った。
紫外線光源からはパスフィルターにより特定の波長域の紫外光を取り出すことができ、それを光プローブにて上記示差走査熱量計のサンプル部に照射することができる。また、照射プローブ出口部はサンプル部より上方に15mmの照射距離を介して照射され、そのサンプル位置にてあらかじめ紫外線積算光量計「C12144(及び各波長のセンサー)、浜松ホトニクス製」にて実測し、単位時間当たりのサンプルへの受光量(Ea=J/cm)を計測することができる。サンプルはサンプルパンとして直径6.5mmのアルミ製を用い、約2.0mgを詰めて計測し、以下の数式より紫外光受光量E1へ換算した。
E1=[Ea(J/cm)/100(mm/cm)]×[(π×(6.5/2)(mm))/サンプル質量(g)]
一方、この経時モードで測定し、紫外光照射開始後の積算発熱量より単位時間当たりの発熱量Eb(J)を計測し、これをサンプルの質量で割って発熱量E2(J/g)を求めた。
上記の方法により測定した、上記各トナーからなるトナー像についての紫外光受光量E1に対する発熱量E2の比率は、表Iに示す。
[画像形成方法1〜19による画像形成]
下記に示す方法によって、各画像形成方法1〜19により、画像形成を行った。各画像形成方法による定着条件は表Iに示す。画像形成方法1〜19では、それぞれ表Iに記載するトナーを用いて、画像形成を行った。
上記各トナーから成る現像剤より、実写装置として「bizhub C368(コニカミノルタ社製)」より定着器を取り外した機体(図1参照)を用いて、記録紙に未定着状態の単色ベタ状の画像出力を行った。実写装置は、図1に示すように、記録紙上に転写されたトナー像に対し、紫外光を照射することにより記録紙へトナーを定着する定着部を備えるものである。また、各画像形成方法において、画像出力する際に用いた記録紙の種類は表Iに示す。また、ベタ画像としてのトナー付着量(単位面積当たりのトナー質量)は5.0g/mとした。
上記にて出力された未定着状態の画像(転写後のトナー像)に対し、紫外線照射装置として以下の構成の光源より紫外光を照射することで、トナーを記録紙上に定着した。
紫外線照射装置は、紫外線LEDとして「NVSU333A−U365(ピーク波長が365nm)」、及び「NVSU333A−U405(ピーク波長が405nm)」(共に日亜化学製)を、通紙方向に10mmピッチ×4列で配列し、その発光面にコリメータレンズを設置して並行光に調光した紫外線光源装置(通紙方向の発光面長さが60mm)を製作して、そのLEDへの電流を調整することで照射光強度を調整した。発光面と記録紙上トナー画像との距離を5mmとし、その距離での紫外線光量をあらかじめ紫外線積算光量計「C12144(及び各波長のセンサー)」(浜松ホトニクス製)にて実測し、トナー画像への紫外線光量を調整した。また、発光面に遮光マスクを設けることで、通紙方向の照射長さを調整した。
各画像形成方法では、紫外光の照射条件として、表Iに示すような、光源、紫外光の最大発光波長、紫外光の半値幅、紫外光の強度の条件で画像形成を行った。また、各画像形成方法において、通紙条件として、表Iに示すような、通紙方向照射部長さ、通紙線速、紫外光の照射の条件で画像形成を行った。
また、画像形成方法15では、紫外線光源として、170〜450nmまで広範囲にわたり紫外線スペクトルを放射可能なメタルハイドロランプを用いた。このメタルハイドロランプは、波長フィルターによって、355nm以下と375nm以上の波長の光をカットし、365nm付近の波長の光のみを用いた。また、このメタルハイドロランプから照射される紫外光の半値幅は22nmであった。
Figure 2019095493
[性能評価:定着性評価]
本発明のトナー及び紫外線定着方法により得られる効果の検証は、記録紙へのトナーの折り定着強度によって比較した。具体的には、定着後のベタ画像部を画像面を内側として通紙方向に180°折り曲げ、ベタ画像面同士が重なった状態とし、次いで押圧力として0.8kg/cmの加圧ローラー(直径40mm、表面に厚さ2mmの硬度60°ゴム層を有する)で往復5回擦った後に画像を広げた。そして、折り目が4mm×4mmの正方形の中心を通る垂線となる場合の当該正方形の範囲に関し、トナーの剥離状態を画像濃度(絶対反射濃度)にて測定した。本測定にて、折り曲げ試験後の絶対反射濃度が、試験前の絶対反射濃度に対し、80%以上である場合に好適な定着状態であると判定した。また、本発明ではこの絶対反射濃度の測定には、反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用した。
Figure 2019095493
〈評価結果〉
表IIから明らかなように、本発明の画像形成方法1〜15は、比較例の画像形成方法16〜18に比べて、記録紙へのトナーの定着性が高いことがわかった。また、比較例の画像形成方法19は、定着性が高かった。しかし、画像形成方法19では、上記ベタ画像とは別に、文字細線画像を出力すると、細線部や文字の滲み、ベタ部エッジの不鮮明が発生していたので、不合格とした。この原因としては、トナーの溶融が過剰であったためであると考えられる。
また、画像形成方法1〜14は、紫外線の光源としてメタルハライドランプを用いた画像形成方法15よりも、消費電力を抑えることができた。
〈まとめ〉
本発明の画像形成方法は、上述したように、記録媒体へのトナーの定着性が高いものである。また、本発明の画像形成方法は、紫外線吸収成分を含有するトナーへ紫外光を照射し、トナー自体を発熱させることにより記録媒体へトナーを定着させるので、従来の熱ローラー定着方式に比較して、定着用のエネルギーを大きく低減することができる。具体的には、従来の熱ローラー定着で見られた対向ローラーや、紙への伝熱といったエネルギーロスを防ぐことができる。また、必要に応じた光量の紫外光を照射すればトナーを定着し得るため、ウォーミングアップや待機時での消費電力を必要としない等のメリットがある。したがって、従来の熱ローラー定着方式と比べて、エネルギー効率に優れた画像形成方法であるといえる。
さらに、紫外線吸収剤は、トナーの色味や発色に対してほとんど悪影響がないので、本発明の画像形成方法は、着色剤を含有するトナーを記録媒体へ定着させる方法としても有用である。
1 画像形成装置
7 中間転写体ユニット
8 筐体
20 給紙カセット
21 給紙搬送部
22A、22B、22C、22D 中間ローラー
23 レジストローラー
25 排紙ローラー
26 排紙トレイ
70 中間転写体
71、72、73、74 ローラー
91 定着部
A 装置本体
5b 2次転写ローラー
6b クリーニング部
82L、82R 支持レール
P 記録媒体
SC 原稿画像読み取り装置
1Y、1M、1C、1Bk 電子写真感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電部
3Y、3M、3C、3Bk 露光部
4Y、4M、4C、4Bk 現像部
5Y、5M、5C、5Bk 1次転写ローラー
6Y、6M、6C、6Bk クリーニング部
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット

Claims (8)

  1. 電子写真画像を記録媒体に形成する画像形成方法であって、
    紫外線吸収剤を含有するトナーを用いて形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する工程と、
    前記記録媒体上に転写された前記トナー像に対し、紫外光を照射することにより前記記録媒体へトナーを定着する工程と、を有し、
    前記転写された前記トナー像の紫外光受光量に対する発熱量の比率が、35〜80%の範囲内であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記定着する工程において、前記転写された前記トナー像の表面における紫外光強度L(J/cm・sec)と、受光時間T(sec)との関係が、以下の条件1及び条件2を満たすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
    条件1: T ≦ 0.25sec
    条件2: L×T ≧ 1.20J/cm
  3. 前記紫外光の光源の最大発光波長が、345〜395nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記紫外線吸収剤の最大吸収波長が、345〜395nmの範囲内にあることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 前記紫外光の分光スペクトルにおいて、前記最大発光波長のピークの半値幅が12nm以下であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 前記トナーが、着色剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記紫外光の光源として、紫外線発光ダイオードを用いることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
  8. 電子写真画像を記録媒体に形成する画像形成装置であって、
    紫外線吸収剤を含有するトナーを用いて形成されたトナー像を、記録媒体上に転写する手段と、
    前記記録媒体上に転写された前記トナー像に対し、紫外光を照射することにより前記記録媒体へトナーを定着する手段と、を備え、
    前記転写された前記トナー像の紫外光受光量に対する発熱量の比率が、35〜80%の範囲内であることを特徴とする画像形成装置。
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