JP2002229378A - 画像形成装置及び画像形成方法とそれに用いる電子写真用トナー - Google Patents

画像形成装置及び画像形成方法とそれに用いる電子写真用トナー

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JP2002229378A
JP2002229378A JP2001023265A JP2001023265A JP2002229378A JP 2002229378 A JP2002229378 A JP 2002229378A JP 2001023265 A JP2001023265 A JP 2001023265A JP 2001023265 A JP2001023265 A JP 2001023265A JP 2002229378 A JP2002229378 A JP 2002229378A
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toner
image
fixing
image forming
particles
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JP2001023265A
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English (en)
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Satoru Haneda
哲 羽根田
Hiroshi Yamazaki
弘 山崎
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一のトナーを用いて、低濃度部でも粒状性
がよく、低濃度部から高濃度部まで広いダイナミックレ
ンジを有する画像形成と、最高画像濃度が高い画像の形
成に適した画像形成が、定着条件を変更することで達成
できる電子写真方式の画像形成装置及び画像形成方法と
それに用いる電子写真用トナーを提供する。 【解決手段】 濃色部を淡色部で包み込んだ構造を有す
る電子写真用トナーを用いて形成したトナー像を、転写
材に溶融固着する定着手段を有する画像形成装置におい
て、定着条件の変更により、画像濃度を制御することを
特徴とする画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
等に用いられる電子写真方式の画像形成装置及び画像形
成方法とそれに用いる電子写真用トナーに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】現在、高速で高画質を要求される画像形
成装置には、殆ど電子写真方式の画像形成方法が用いら
れている。電子写真方式は多色カラー画像の形成にも対
応することができ、今後も引き続きこの分野で大きな地
歩を占めていくと考えられるが、それだけに性能の更な
る向上を望まれている項目も幾つかある。
【0003】即ち、近来市場から、電子写真による画像
形成方法により原稿同等の画質を再現し、画像汚れのな
い、印刷ライクの高画質画像を形成し得る技術の完成へ
の期待が高まっている。
【0004】現在まで、上記要求に応えるため、トナー
の粒径を細かくして、熱ローラ定着でのトナーの広がり
を少なく且つトナー消費量を少なくして、原稿の階調
性、濃度及び解像度を忠実に再現し、画像表面の凹凸を
少なくする試みがなされて来た。しかし、トナーの小粒
径化に伴いトナーのカバーリングパワーが減少し、充分
な画像濃度が得られず、且つ現像、転写、感光体のクリ
ーニング等の画像形成プロセスも難しくなり、期待する
ほどの高画質画像が得られていない。又、トナー粒径を
2〜3μmに小粒径化すると、トナー粒子を吸い込んだ
場合、塵肺等の疾病を患うおそれがあり、安全衛生上も
好ましくない。
【0005】塵肺等の心配の無い5μm程度の粒径の均
一濃度のトナーを用いて、電子写真法によりトナーを重
ね合わて画像を形成すると、定着時にトナー粒子が溶融
し広がるため原稿の階調性、濃度及び解像度を忠実に再
現することが出来ていない。
【0006】又、画質の向上のため、特にカラー階調画
像においては、低濃度部での粒状性が良く最高濃度は高
く、しかも低濃度部から高濃度まで長い階調性を持たせ
る必要があり、そのためには画像を光沢画像にするのが
よい。しかし、文字を中心とする最高濃度を重視した画
像においては、非光沢画像にするのがよく、必要により
適宜光沢画像、無光沢画像を作り得る方式が望まれてい
る。
【0007】又、別の課題として、熱ローラ定着時に、
トナーが熱ローラに少しずつ付着堆積し、付着したトナ
ーが転写材に再転写する、いわゆる定着オフセットが発
生し、これによる画像汚れで高画質の画像が得られなく
なるが、この課題も完全には解決されていないのが現状
である。
【0008】一方、熱定着器の省エネルギーやウオーミ
ングアップ時間の短縮の要望が強いが、この要望に応え
ようとすると、定着の堅牢度や安定性を充分確保した上
での低温定着可能なトナーを開発する必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の状況
に鑑み成されたものである。
【0010】その対応策の一つとして、コアシェル構造
を有するトナーを用いることが考えられているが、単に
トナーをコアシェル構造にしただけでは、必ずしも性能
向上が図れず、従ってコアシェル構造を有するトナーが
急速に実用化がなされるという状況には至っていない。
【0011】本発明の目的は、大別して下記2点を解決
することにある。 1.同一のトナーを用いて、低濃度部でも粒状性がよ
く、低濃度部から高濃度部まで広いダイナミックレンジ
を有する画像形成と、最高画像濃度が高い画像の形成に
適した画像形成が、定着条件を変更することで達成でき
る電子写真方式の画像形成装置及び画像形成方法とそれ
に用いる電子写真用トナーを提供することにある。
【0012】2.同一のトナーを用いて、定着条件を変
更することにより、適宜光沢画像と非光沢画像を作るこ
との出来る電子写真方式の画像形成装置及び画像形成方
法とそれに用いる電子写真用トナーを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、下記構成とすることにより上記問題を解決
し、本発明の目的を達成できることがわかった。
【0014】即ち、本発明の目的は、下記構成の何れか
を採用することにより達成される。 〔1〕 濃色部を淡色部で包み込んだ構造を有する電子
写真用トナーを用いて形成したトナー像を、転写材に溶
融固着する定着手段を有する画像形成装置において、定
着条件の変更により、画像濃度を制御することを特徴と
する画像形成装置。
【0015】〔2〕 電子写真用トナーの濃色部の溶融
温度が淡色部より高いことを特徴とする〔1〕記載の画
像形成装置。
【0016】〔3〕 電子写真用トナーの濃色部の溶融
粘度が淡色部に比して低いことを特徴とする〔1〕又は
〔2〕記載の画像形成装置。
【0017】〔4〕 濃色部を淡色部で包み込んだ構造
を有する電子写真用トナーを用いて形成したトナー像
を、転写材に溶融固着する定着手段を用いる画像形成方
法において、定着条件の変更により、画像濃度を制御す
ることを特徴とする画像形成方法。
【0018】〔5〕 濃色部を淡色部で包み込んだ構造
を有する電子写真用トナーにおいて、トナー像を、転写
材に溶融固着する定着手段の条件を変化させることによ
り、画像濃度が変化するように作製したことを特徴とす
る電子写真用トナー。
【0019】〔6〕 光沢部を非光沢部で包み込んだ構
造を有する電子写真用トナーを用いてトナー像を形成
し、転写材に溶融固着する定着手段を有する画像形成装
置において、定着条件の変更により、画像の光沢度を制
御することを特徴とする画像形成装置。
【0020】〔7〕 電子写真用トナーの光沢部の溶融
温度が非光沢部より高いことを特徴とする〔6〕記載の
画像形成装置。
【0021】〔8〕 着時における光沢部の溶融粘度が
非光沢部に比して低いことを特徴とする〔6〕又は
〔7〕記載の画像形成装置。
【0022】
〔9〕 光沢部を非光沢部で包み込んだ構
造を有する電子写真用トナーを用いてトナー像を形成
し、転写材に溶融固着して定着する画像形成方法におい
て、定着条件の変更により、画像の光沢度を制御するこ
とを特徴とする画像形成方法。
【0023】〔10〕 光沢部を非光沢部で包み込んだ
構造を有する電子写真用トナーにおいて、トナー像を転
写材に溶融固着する定着条件を変化させることにより、
画像の光沢度が変化するように作製したことを特徴とす
る電子写真用トナー。
【0024】〔11〕 トナー粒子がコアシェル構造を
有していることを特徴とする〔5〕又は〔10〕記載の
電子写真用トナー。
【0025】〔12〕 トナー粒子が扁平形状を有する
ことを特徴とする〔11〕記載の電子写真用トナー。
【0026】本発明において、濃色部を淡色部で包み込
んだ構造を有する電子写真用トナーとは、例えばトナー
粒子の濃色部がコア部で淡色部がシェル部を形成するコ
アシェル構造を有する電子写真用トナーが代表的なもの
といえる。又、トナー粒子が淡色部に濃色部が粒滴状に
分散された構造(いわゆる海島構造)を有するものも、
本発明でいうところの濃色部を淡色部で包み込んだ構造
を有する電子写真用トナーである。
【0027】光沢部を非光沢部で包み込んだ構造を有す
る電子写真用トナーも、上記と同様であり、コアシェル
構造のものをはじめ、海島構造のものも含まれる。
【0028】これらトナー粒子構造を図示すると、図1
のトナー粒子の断面形状を示す模式図の如くなる。
【0029】図1において、1が淡色部或いは非光沢
部、2が濃色部或いは光沢部である。又、転写材に溶融
固着する定着手段とは、代表的には熱ロール等を用いる
圧接熱定着方式の定着手段であり、転写材としては通常
よく用いられる普通紙、OHP用フィルムベース等、平
板状でトナー像を転写・定着可能なものであればよい。
【0030】図2に示すのは、本発明に好ましく用いる
ことの出来る熱ロールを用いる加圧熱定着方式の概要断
面図である。図2において3は熱ローラ、4は加圧ロー
ラであり、各々矢印の方向に回転し、転写材Pを狭持し
加熱しつつ矢印方向に搬送する。5は熱源(ハロゲンラ
ンプ)、6は熱ローラの支持体である鉄製のパイプで7
は耐熱性樹脂層である。また、8は加圧ローラの支持体
である鉄製パイプ、9は耐熱性弾性体で通常は7より更
に弾性があり、かつ層厚も厚いものが用いられる。
【0031】定着条件とは、具体的には定着の温度、圧
力、線速、ニップ幅等定着の程度を左右する諸条件をい
う。定着温度としては通常130〜190℃、圧力とし
ては通常5〜30N/m、線速は通常100〜240c
m/min、ニップ幅2〜12mmの範囲で適正値を設
定する。
【0032】従来のトナーを用いて画像形成した場合
は、低濃度画像部においては、転写材表面の白地に高濃
度のトナーが極めて少量間隔を置いて付着しているか
ら、ザラついた感じを与え粒状性は良くない。この改善
策として従来はトナーの小粒径化を図ってきたが、十分
な効果が上がらないことはすでに述べた。
【0033】また、写真画像等の再現には低濃度部から
高濃度部まで直線で長い階調表現力を有したものが適し
ている。一方、文字画像やグラフ等の再現には、画像自
体が階調表現力よりも、画像汚れ、カブリがなく高い最
高画像濃度が要求される。
【0034】しかし、現在用いられているトナーにおい
ては、本発明における濃色部のみによって形成されたト
ナーの如く、定着条件を変更しても、画像の最高濃度や
階調性は殆ど変化しない。
【0035】そこで第1の本発明においては、濃色部を
淡色部で包み込んだ構造を有するトナーを用いてトナー
像を形成し、目的や対象画像により定着条件を変更して
定着することにした。
【0036】図3は、この状況を模式図と反射画像濃度
曲線で示したものである。図3の(1)に示すのは、濃
色部を淡色部で包み込んだコアシェル構造を有するトナ
ーにて画像形成した場合(未定着)を示している。
【0037】図3の(2)の如く、通常の定着条件で定
着した場合は、コアシェル構造が基本的に壊れないから
低濃度部においては、中央部に濃色部がありその周りに
淡色部を有するトナーにより画像形成がなされている。
また、中濃度においてはトナー粒子が重なることなく転
写紙上に並ぶことにより、画像が形成されているが、い
ずれもトナー粒子の周辺部は淡色部であるから、淡色部
の中央にある濃色部と白地部との濃度差(コントラス
ト)を和らげ、特に低濃度部における画像のザラつきは
緩和され、粒状性が良くなる。また、中濃度部において
はトナー粒子周辺が淡色部で低濃度であるから、濃色部
が重なり合うまでは最高濃度まで達せず、階調性ある画
像を再現できる。図3の(4)に、(2)として示した
のが、この反射画像濃度である。
【0038】しかし、定着温度をやや高くし、図3の
(3)の如くすると、濃度の高いコア部が溶融する。こ
のコア部の構成成分が流れ出して画像部では転写材全面
を覆うから、図3の(2)では最大画像濃度が高くな
り、中間濃度部であった領域も画像濃度が最高濃度に上
がり、画像全体としては、ガンマ(γ)の高い画像とな
る。これを図3の(4)に、(3)として示した。この
様にすれば、原稿が階調を有する画像ではなく、文字等
の画像の再現には適した性能となる。
【0039】尚、図3の(3)の如く定着する場合に
は、コア部は溶融温度は高いが、溶融後の粘度は低く流
動性が高いものが良く、さらに熱ロール等に直接触れる
可能性が多くなるので離型性が高いものがよい。
【0040】又、実用化の際には、デジタル画像方式で
あれば、そのデータ読み込み、像露光の段階で、階調画
像であるのか文字画像であるのかは判別できるので、そ
れに適合するように定着条件を変更することができる装
置構成とすると好都合である。
【0041】次に、第2の本発明である光沢部を非光沢
部で包み込んだ構造を有する電子写真用トナーを用いて
トナー像を形成し、転写材に溶融固着する定着手段の条
件変更により、非光沢画像或いは光沢画像かで区別して
行われる画像形成について説明する。
【0042】この場合も、各トナー粒子構造を基本的に
変化させず定着させたい場合には通常の定着を行う。こ
れにより定着画像にはシェル部の特性が顕著に影響する
ため、非光沢性の画像が得られる。しかし、温度を上げ
る等により強い条件で定着すれば、コア部が溶融し外に
流れ出しシェル部表面を覆うことになり、光沢性の画像
が得られる。
【0043】この場合にも、コア部は溶融温度は高い
が、溶融すれば粘度は低く流動性が高いものが良く、さ
らに熱ロール等に直接触れる可能性が多くなるので離型
性が高いものがよい。
【0044】本発明の何れにおいても、扁平なトナー粒
子を用いることにより、トナーが持つ優れた特性を充分
発揮することが出来る。扁平形状を有するとは、通常広
く用いられる意味で本発明でも用いている。即ち、図4
は、扁平形状を有するトナー粒子の平面図と側面図であ
るが、平面図に示す粒子の長軸r1及び短軸r2より、
側面図に示す厚さdが小さい形状を有するトナーを扁平
形状を有するトナーと呼んでいる。
【0045】本発明における扁平トナー粒子の長軸r1
及び短軸r2と厚さdの比(r1/d、r2/d)は、
2〜8がよく、3〜5であればさらによい。また、コア
部の形状は、上記シェル部に対応させた長軸r1′、短
軸r2′及び厚さd′として、r1、r2、dとの比
(r1′/r1、r2′/r2、d′/d)は、それぞ
れ0.6〜0.9であるのがよい。
【0046】さらにコア部とシェル部の扁平な方向が同
一であるトナー粒子とは、形状が扁平なだけでなく、各
トナー粒子を個々に見たとき扁平な方向(上記図4でd
の長さ方向)もコア部とシェル部が同じものをいう。
【0047】本発明の如く、本発明のトナーの特徴がト
ナー粒子を扁平にすることにより発揮される理由は、ト
ナーが扁平であることにより、その最も大きな面で感光
体或いは転写材(画像支持体、転写紙ともいう)との付
着がなされるためである。この様にシェル構造でトナー
の付着状態が規定されるので、コア部は同様に扁平面を
感光体或いは転写材へと向けることになる。それによ
り、積層された形で付着される場合にも、より上の層の
トナーにも感光体或いは転写材と及ぼし合う力が有効に
働くと考えられる。また、転写時等でもトナーの積層状
態が崩れることなく一緒に転写されるため、その工程で
の画像劣化が少ないのであろうと考えられる。
【0048】シェル部に比してコア部の溶融粘度が低
く、離型剤含有量が多い扁平トナーは定着時のオフセッ
ト防止性能がよいので、本発明の好ましい実施態様の一
つである。トナーが扁平であると確実に転写材に付着し
ているため、熱ローラ対で狭持したとき、確実に熱と圧
力がトナー像に作用し、コア内部の溶融粘度が低い樹脂
が外部に流れ出して確実に定着される。しかし、この部
分には離型剤も多量に含まれているのでオフセットは防
止できるためである。
【0049】又、扁平トナーを用いると、シェル部に比
してコア部の溶融温度が高いコアシェルトナーの特性、
即ち、通常の定着においては低濃度部の粒状性が良く、
且つ高濃度部の濃度はより高い画像が得られるという特
性も確実に発揮され好ましい。
【0050】本発明の扁平形状を有するトナーを作製す
るには、乳化重合、或いは懸濁重合で製造した球形状の
粒子を熱と外圧で扁平化処理することにより製造するこ
とが出来る。
【0051】具体的には、上記重合反応が終了した時点
或いはそれより少し前の時点、例えば80%程度まで進
行した時点で、加圧された隘路を循環させた後、重合触
媒を追加し重合反応を完了させることにより製造するこ
とが出来る。
【0052】加圧された隘路を循環させる装置として
は、アニュラー型連続湿式撹拌ミルを用いることが出来
る。
【0053】図5にアニュラー型連続湿式撹拌ミルの一
例の要部断面図を示す。アニュラー型連続湿式撹拌ミル
は、既に知られているミルの1種で、断面三角形のアニ
ュラー型(環状)のステータ21内にほぼ同じ形状を有
するロータ22が回転し、このステータ21とロータ2
2との間の幅の狭い間隙、即ち、破砕帯23にメディア
24が充填されていて、ミルに供給される100〜80
%程度まで重合が進んだ2次粒子を含む溶液に機械的な
衝撃力を与え、2次粒子の形状を扁平化する。前記溶液
は、ミルの供給口25からポンプにてW型断面の前記破
砕帯23を一巡し、上部のギャップセパレータ26でメ
ディア24と分離されて、出口17から排出される。
又、扁平化処理中の溶液の温度制御は、温水28をステ
ータとロータに循環させることにより行われる。メディ
ア24は、遠心力によって、W型の粉砕帯を順次に移動
し、再度、入り口まで戻って循環する。メディアとして
は、通常、0.5〜3mm径のジルコン、ガラス及びス
チール等が用いられる。
【0054】
【発明の実施の形態】先ず本発明の電子写真用トナー粒
子についてさらに説明を行う。
【0055】本発明の実施形態の一例のトナー粒子は、
中央部に濃色部とその周辺部に淡色部とを有した着色粒
子から成るコアシェル型のトナー粒子であって、濃色部
と淡色部とは同一色相を有している。なお、コアシェル
型であるトナーは本発明の代表例であり、本発明の他の
例もこれと同様に、又はこれから容易に推測出来ること
は言うまでもない。
【0056】本発明のトナー粒子の個数平均粒径D0は
4〜10μmであって、中央部近くに位置した濃色部に
ついての個数平均粒径D1は2〜7μmである。トナー
粒子中で濃色部の占める割合は中央部での断面積で25
〜70%となっている。そして、トナー付着量が0.5
mg/cm2の状態において、淡色部のみから成るトナ
ー粒子のトナー濃度は、濃色部のみから成るトナー粒子
のトナー濃度の15〜35%となっている。
【0057】次に本発明トナーの製造方法について説明
する。粒子中の中央部に溶融粘度の低い濃色部(核又は
コア部)と、その周辺部に溶融粘度の高い淡色部(シェ
ル部)とを有した着色トナー粒子は、及び粒子中の中央
部に光沢の高い濃色部(核)と、その周辺部に非光沢の
淡色部とを有した着色トナー粒子は高濃度着色核使用
懸濁重合法、ミニエマコアシェル化法、高濃度着色
核粒子表面改質法の何れかによって製造することができ
る。
【0058】高濃度着色核使用懸濁重合法 ・樹脂と着色剤とを混合し、着色樹脂粒子を作製する。
ついで、水中にこの粒子を懸濁させる。さらに、その状
態でシェルとなるモノマーを添加し、いわゆるシード重
合法を行い、コアシェル構造とする。この方法を使用す
ることにより、コア中の着色剤の濃度を高くすることが
でき、シェル部の濃度を低くすることができる。この濃
度勾配はモノマーが浸透していくに従って内部の着色剤
が表面に拡散することとなり、結果として濃度勾配がで
きるものと推定される。なお、コアを形成する樹脂に比
較してシェルを形成する樹脂の軟化点を高くすることが
好ましい。この制御には樹脂の分子量をコアを低くし、
シェル部の分子量を高くするかあるいは架橋樹脂構造と
することが好ましい。
【0059】また、内部の樹脂の代わりにワックスを使
用してもよい。この場合には、まずワックス(低分子量
ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンやエステル系ワ
ックスで、いずれも樹脂に不溶のワックスが使用され
る)と着色剤とを混合、ついで混練して着色剤含有のワ
ックスを調製する。この着色されたワックスを着色剤
(前述のワックス中に存在する着色剤の10〜80質量
%の量とする)を分散あるいは溶解したスチレンやアク
リル系モノマー中に分散する。その際、加熱(最大で8
0℃程度で、これ以上高温にするとモノマーの熱重合が
開始されてしまう)して分散することが好ましい。加熱
分散した後に冷却することでモノマー中にある大きさの
核として着色されたワックスが分散された状態となる。
このものを分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキ
サーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望
の大きさの油滴に分散させる。その後、攪拌機構が後述
の攪拌翼である反応装置へ移し、加熱することで重合反
応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾
過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明のトナーを調
製する。
【0060】ミニエマコアシェル化法 ・着色剤と樹脂粒子を塩析/融着させ、高濃度の着色剤
粒子を調製し、その周囲にミニエマ重合で着色剤を少量
含有する樹脂粒子を塩析/融着させ、コアシェル化す
る。
【0061】それには、まず乳化重合法で樹脂粒子を調
製する。ついで、この乳化重合法で調製された樹脂粒子
と着色剤粒子とを塩析/融着することで着色樹脂粒子を
作製する。この際、モノマー中に着色剤を分散あるいは
溶解させたものを使用し、50〜1000nmの液滴に
機械的に分散させた後に重合させて着色樹脂粒子を調製
する方法を使用してもよい。この着色樹脂粒子を核樹脂
粒子とする。なお、核樹脂粒子の大きさは個数平均粒径
で0.5〜6.0μmである。
【0062】別途、モノマー中に着色剤を分散あるいは
溶解させたものを使用し、50〜1000nmの液滴に
機械的に分散させた後に重合させて着色樹脂粒子を調製
する。この際、核となる部分の着色剤に対して着色剤の
量は10〜80質量%とする。この着色樹脂粒子を表層
樹脂粒子とする。なお、この表層樹脂粒子の大きさは体
積平均粒子径で50〜1000nmである。この粒子径
は大塚電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800
等で測定することができる。
【0063】前述の核樹脂粒子を核としてこの表層樹脂
粒子を塩析/融着させることで本発明の濃淡トナーを調
製することができる。
【0064】*塩析/融着型トナーを製造するための例 樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは
樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数以上会
合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分
散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させ
ると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度
以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径
を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加
えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子
表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態の
まま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明のトナ
ーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤
と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよ
い。
【0065】なお、この核樹脂粒子を塩析/融着型では
なく、モノマー中に高濃度に着色剤を分散あるいは溶解
させ、ついで懸濁重合することで高濃度着色された核樹
脂粒子を調製してもよい。
【0066】高濃度着色核粒子表面改質法 ・高濃度の着色粒子を混練粉砕法あるいは懸濁重合法等
の重合法で製造し、その表面に着色剤濃度の少なく且つ
粒径の小さい着色粒子を機械的攪拌で付着させ、ついで
機械的衝撃力を付与することで表面に固着する。乾式コ
ーティング方法と呼ばれる製法である。
【0067】まず、樹脂と着色剤とを溶融、混練、粉砕
して個数平均粒径が0.5〜6.0μmの着色剤含有樹
脂粒子を調製する。この着色樹脂粒子を核樹脂粒子とす
る。
【0068】別途、モノマー中に着色剤を分散あるいは
溶解させたものを使用し、50〜1000nmの液滴に
機械的に分散させた後に重合させて着色樹脂粒子を調製
する。この際、核となる部分の着色剤に対して着色剤の
量は10〜80質量%とする。この着色樹脂粒子を表層
樹脂粒子とする。なお、この表層樹脂粒子の大きさは体
積平均粒子径で50〜1000nmである。この粒子径
は大塚電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800
等で測定することができる。この表層樹脂粒子は前述の
溶融混練粉砕法で、着色剤の量は10〜80質量%とし
て調製してもよい。この場合、体積平均粒子径で1.0
〜2.0μmの粒子とする。
【0069】ついで、前述の核樹脂粒子と表層樹脂粒子
とを乾式で混合し、静電的に核樹脂粒子表面に表層樹脂
粒子を付着させ、ついで機械的衝撃力を付与することで
機械的に核樹脂粒子表面に表層樹脂粒子を融着させ、本
発明の濃淡トナーを製造することができる。
【0070】この乾式で混合する装置としては、ヘンシ
ェルミキサー、V型混合機、OMダイザー、LAM等を
あげることができ、機械系衝撃力を付与するための装置
としてはヘンシェルミキサー、LAM、ハイブリダイザ
ーなどをあげることができる。
【0071】で説明した製造方法をはじめとし、
本発明におけるトナーに使用する着色剤として次のもの
が用いられる。
【0072】(着色剤)本発明のトナーに使用する着色
剤としてはカーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を
任意に使用することができ、カーボンブラックとしては
チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレン
ブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用
される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強
磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグ
ネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まな
いが熱処理する事により強磁性を示す合金、例えばマン
ガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイス
ラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用い
る事ができる。
【0073】染料としてはC.I.ソルベントレッド
1、同49、同52、同58、同63、同111、同1
22、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同7
7、同79、同81、同82、同93、同98、同10
3、同104、同112、同162、C.I.ソルベン
トブルー25、同36、同60、同70、同93、同9
5等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事
ができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、
同48:1、同53:1、同57:1、同122、同1
39、同144、同149、同166、同177、同1
78、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同
43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同9
3、同94、同138、同156、同158、同18
0、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.
I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いる事が
でき、これらの混合物も用いる事ができる。数平均一次
粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200n
m程度が好ましい。
【0074】製造に当たって、樹脂を構成するためのモ
ノマーとしては、下記のものが用いられる。
【0075】(樹脂を構成するためのモノマーの例)樹
脂を構成するモノマー(重合性単量体)として使用され
るものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、
p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−
フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメ
チルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n
−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−
n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n
−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘
導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタ
クリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタク
リル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、
メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエ
チル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリ
ル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチ
レン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピ
オン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニ
ルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビ
ニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケ
トン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニ
ルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。こ
れらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用す
ることができる。
【0076】また、樹脂を構成する重合性単量体として
イオン性解離基を有するものを組み合わせて用いてもよ
い。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸
基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具
体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イ
タコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアル
キルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチ
レンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッ
ドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2
−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙
げられる。
【0077】さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビ
ニル類を使用して架橋構造の樹脂とし、溶融粘度を高く
したり非光沢化することもできる。
【0078】(重合時に用いられる素材)これら重合性
単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することがで
きる。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用
いることができる。この油溶性重合開始剤としては、
2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,
1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオ
キサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソ
プロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオ
キサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−
ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,
4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペ
ルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペ
ルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブ
チルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始
剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げる
ことができる。
【0079】また、乳化重合法を用いる場合には水溶性
ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重
合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、ア
ゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げ
ることができる。
【0080】分散安定剤としては、リン酸三カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メ
タケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができ
る。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチル
セルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナ
トリウム等の界面活性剤として一般的に使用されている
ものを分散安定剤として使用することができる。
【0081】先に説明した塩析/融着型トナーを製造す
るに当たっての素材としては、下記のものが用いられ
る。
【0082】(塩析/融着の場合の素材使用例)塩析/
融着の場合に使用される凝集剤としては特に限定される
ものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使
用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリ
ウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価
の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアル
カリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、
鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具
体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩
化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸
マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。
これらは組み合わせて使用してもよい。
【0083】これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加す
ることが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物
の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が
発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、
乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化す
るものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学1
7、601(1960)日本高分子学会編」等に記述さ
れており、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。
また、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の
塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電
位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度と
して求めることもできる。
【0084】本発明の凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度
以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2
倍以上、さらに好ましくは、1.5倍以上添加すること
がよい。
【0085】以上、製造法の説明を行った本発明のトナ
ーは少なくとも樹脂と着色剤を含有するものであるが、
必要に応じて定着性改良剤である離型剤や荷電制御剤等
を含有することもできる。さらに、上記樹脂と着色剤を
主成分とするトナー粒子に対して無機微粒子や有機微粒
子等で構成される外添剤を添加したものであってもよ
い。
【0086】さらに、定着性改良剤としての低分子量ポ
リプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や
低分子量ポリエチレン等を添加することが好ましい。
【0087】荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、
且つ水中に分散することができるものを使用することが
できる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸ま
たは高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4
級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸
金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0088】なお、これら荷電制御剤や定着性改良剤の
粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜50
0nm程度とすることが好ましい。
【0089】また、本発明のトナーでは、外添剤として
無機微粒子や有機微粒子などの微粒子を添加して使用す
ることでより効果を発揮することができる。この理由と
しては、外添剤の埋没や脱離を効果的に抑制することが
できるため、その効果が顕著にでるものと推定される。
【0090】この無機微粒子としては、シリカ、チタニ
ア、アルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さ
らに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタ
ンカップリング剤等によって疎水化処理されていること
が好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定される
ものでは無いが、メタノールウェッタビリティーとして
40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリ
ティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するもの
である。この方法は、内容量200mlのビーカー中に
入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.
2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸せ
きされているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で
無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この
無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量
をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算
出される。
【0091】 疎水化度={a/(a+50)}×100 この外添剤の添加量としては、トナー中に0.1〜5.
0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。ま
た、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用して
もよい。
【0092】本発明のトナーは、例えば磁性体を含有さ
せて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキ
ャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非
磁性トナーを単独で使用する場合等が考えられる。いず
れも好適に使用することができるが、本発明ではキャリ
アと混合して使用する二成分現像剤として使用すること
が好ましい。
【0093】このようにして形成されたトナー粒子の核
部分に相当する濃色部の断面積は、トナー全体の断面積
の25〜65%である。断面積の測定は、透過型電子顕
微鏡で観察する。5000倍に拡大した断面写真を使用
し、画像解析装置を使用し、トナー自体の断面積と核部
分の断面積を観察する。実際の値はトナー200個を観
察し、その算術平均値とする。
【0094】また、トナー粒子の個数平均粒径は4〜1
0μmで、濃色部の個数平均粒径は2〜7μmであっ
て、測定はコールターカウンターTA−IIあるいはコー
ルターカウンターマルチサイザー(いずれもコールター
社製)により想定された個数平均粒径を求める。なお、
濃色部の個数平均粒径とは前述のトナー断面写真を使用
し、各トナーの水平方向での径を求め、その算術平均を
示している。
【0095】本発明のトナー粒子は、同一色相を有する
着色トナーであって、濃、淡色部の着色剤は少なくとも
一部は共通の顔料を使用し、使用着色剤の量(質量%)
を変化させることによって濃淡が生じるようにするのが
よい。濃、淡色部に用いられる着色剤量(質量%)は、
濃色部に対し淡色部は10〜80%となっている。濃、
淡色部について同一色相とすることによって、トナーの
付着量の違いによっても色味の変化をなくすようにして
いる。着色剤に共通の顔料を用いれば、濃、淡色部につ
いて色相は略同一に保たれるが、更に他の着色剤を一部
付加することが必要な場合もある。例えば黒色トナーに
ついては、カーボンブラックが着色剤として用いられる
が、淡色部に対しての少量のカーボンブラックの添加で
は、カーボンブラックの種類によっては灰色から赤、
茶、青系のものに色味が少しずれてしまうことがある。
このような場合には少量の他の着色剤を添加しブレンド
して、淡色部でも灰色になるような着色剤の添加が行わ
れる。
【0096】以上説明した本発明のトナーは、前述した
ごとく好ましくは二成分現像を行う際のトナーとして用
いられる。二成分現像を行う際のキャリアとしては下記
のものが用いられる。
【0097】(二成分現像剤のキャリアの例)二成分現
像剤を構成するキャリアとしては、磁性粒子としては、
鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属
とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知
の材料を用いることができる。特にフェライト粒子が好
ましい。上記磁性粒子は、その個数平均粒径としては1
5〜100μm、より好ましくは25〜60μmのもの
が良い。キャリアの個数平均粒径の測定は、代表的には
湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘ
ロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPAT
EC)社製)により測定することができる。
【0098】キャリアは、さらに樹脂により被覆されて
いるもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわ
ゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の
樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフ
ィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹
脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂あるいはフッ素
含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キ
ャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず
公知のものを使用することができ、例えば、スチレン/
アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フ
ェノール樹脂等を使用することができる。
【0099】本発明によるトナーは電子写真方式によっ
て画像形成を行う画像形成装置に広く用いることができ
る。モノクロ画像を形成する画像形成装置にも勿論用い
られるが、多色のトナーを用いてのカラー画像形成装置
に用いるときは、階調性と色調において優れ、しかも解
像性の高い画像を形成することができる。次に本発明の
多色のトナーを内蔵した現像装置を複数組搭載した画像
形成装置の一例であるカラープリンタの画像形成プロセ
ス及び各機構について、図6を用いて説明する。図6
は、本発明の画像形成装置の一例であるカラープリンタ
の断面構成図である。
【0100】図6によれば、像形成体である感光体ドラ
ム10は、例えばガラスや透光性アクリル樹脂等の透光
性部材によって形成される円筒状の基体の外周に、透光
性の導電層及び有機感光層(OPC)の光導電体層を形
成したものである。
【0101】感光体ドラム10は、図示しない駆動源か
らの動力により、透光性の導電層を接地された状態で図
6の矢印で示す時計方向に回転される。
【0102】本実施例では、画像露光用の露光ビーム
は、その結像点である感光体ドラム10の光導電体層に
おいて、光導電体層の光減衰特性(光キャリア生成)に
対して適正なコントラストを付与できる波長の露光光量
を有していればよい。従って、本実施形態における感光
体ドラムの透光性の基体の光透過率は、100%である
必要はなく、露光ビームの透過時にある程度の光を吸収
するような特性を有していてもよく、要は、適切なコン
トラストを付与できればよい。
【0103】透光性の基体の素材としては、アクリル樹
脂、特にメタクリル酸メチルエステルモノマーを重合し
たものが、透光性、強度、精度、表面性等において優れ
ており好ましく用いられる。その他一般光学部材などに
使用されるアクリル、フッ素、ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの各種透光
性樹脂が使用可能である。
【0104】透光性の導電層としては、インジウム錫酸
化物(ITO)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨ
ウ化銅や、Au、Ag、Ni、Alなどからなる透光性
を維持した金属薄膜が用いられ、成膜法としては、真空
蒸着法、活性反応蒸着法、各種スパッタリング法、各種
CVD法、浸漬塗工法、スプレー塗布法などが利用でき
る。また、光導電体層としては各種有機感光層(OP
C)が使用できる。
【0105】光導電体層の感光層としての有機感光層
は、電荷発生物質(CGM)を主成分とする電荷発生層
(CGL)と電荷輸送物質(CTM)を主成分とする電
荷輸送層(CTL)とに機能分離された二層構成の感光
層がよい。二層構成の有機感光層は、CTLが厚いため
に有機感光層としての耐久性が高く本発明に適する。な
お有機感光層は、電荷発生物質(CGM)と電荷輸送物
質(CTM)を1つの層中に含有する単層構成とされて
もよく、該単層構成又は前記二層構成の感光層には、通
常バインダ樹脂が含有される。
【0106】以下に説明する帯電手段としてのスコロト
ロン帯電器11、画像書込手段としての露光光学系1
2、現像手段としての現像器14は、それぞれ、イエロ
ー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色
(K)の各色毎の画像形成プロセス用として準備されて
おり、本実施形態においては、図6の矢印にて示す感光
体ドラム10の回転方向に対して、Y、M、C、Kの順
に配置される。
【0107】帯電手段としてのスコロトロン帯電器11
は像形成体である感光体ドラム10の移動方向に対して
直交する方向(図6において紙面垂直方向)に感光体ド
ラム10と対峙し近接して取り付けられ、感光体ドラム
10の前述した有機感光体層に対し所定の電位に保持さ
れた制御グリッド(符号なし)と、コロナ放電電極11
aとして、例えば鋸歯状電極を用い、トナーと同極性の
コロナ放電とによって帯電作用(本実施形態においては
マイナス帯電)を行い、感光体ドラム10に対し一様な
電位を与える。コロナ放電電極11aとしては、その他
ワイヤ電極や針状電極を用いることも可能である。
【0108】各色毎の露光光学系12は、それぞれ、像
露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を
感光体ドラム10の軸と平行に複数個アレイ状に並べた
線状の露光素子(不図示)と等倍結像素子としてのセル
フォックレンズ(不図示)とがホルダに取り付けられた
露光用ユニットとして構成される。円柱状の保持部材2
0に、各色毎の露光光学系12が取付けられて感光体ド
ラム10の基体内部に収容される。露光素子としてはそ
の他、FL(蛍光体発光)、EL(エレクトロルミネッ
センス)、PL(プラズマ放電)等の複数の発光素子を
アレイ状に並べた線状のものが用いられる。
【0109】各色毎の画像書込手段としての露光光学系
12は、感光体ドラム10上での露光位置を、スコロト
ロン帯電器11と現像器14との間で、現像器14に対
して感光体ドラム10の回転方向上流側に設けた状態
で、感光体ドラム10の内部に配置される。
【0110】露光光学系12は、別体のコンピュータ
(不図示)から送られ、或いは原稿画像が読み取られて
メモリに記憶された各色の画像データに基づいて後に詳
しく説明する画像処理を施した後、一様に帯電した感光
体ドラム10に像露光を行い、感光体ドラム10上に潜
像を形成する。この実施形態で使用される発光素子の発
光波長は、通常Y、M、Cのトナーの透光性の高い68
0〜900nmの範囲のものが良好であるが、裏面から
像露光を行うことからカラートナーに透光性を十分に有
しないこれより短い波長でもよい。
【0111】各色毎の現像手段としての現像器14は、
トナーホッパ200(T)からトナー補給され内部に後
に実施例で説明するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、
シアン(C)若しくは黒色(K)の二成分の現像剤を収
容し、それぞれ、例えば厚み0.5〜1mm、外径15
〜25mmの円筒状の非磁性のステンレスあるいはアル
ミ材で形成された現像剤担持体である現像スリーブ14
1を備えている。
【0112】現像領域では、現像スリーブ141は、突
き当てコロ(不図示)により感光体ドラム10と所定の
間隙、例えば100〜1000μmをあけて非接触に保
たれ、感光体ドラム10の回転方向と最近接位置におい
て順方向に回転するようになっており、現像時、現像ス
リーブ141に対してトナーと同極性(本実施形態にお
いてはマイナス極性)の直流電圧或いは直流電圧に交流
電圧ACを重畳する現像バイアス電圧を印加することに
より、感光体ドラム10の露光部に対して非接触の反転
現像が行われる。この時の現像間隔精度は画像ムラを防
ぐために20μm程度以下が必要である。
【0113】画像形成のスタートにより不図示の像形成
体駆動モータの始動により、結合部を介して感光体ドラ
ム10に伝達され、感光体ドラム10が図6の矢印で示
す時計方向へ回転され、同時にYのスコロトロン帯電器
11の帯電作用により感光体ドラム10に電位の付与が
開始される。感光体ドラム10は電位を付与されたあ
と、Yの露光光学系12において第1の色信号すなわち
Yの画像データに対応する電気信号による露光が開始さ
れ感光体ドラム10の回転走査によってその表面の感光
層に原稿画像のイエロー(Y)の画像に対応する静電潜
像が形成される。この潜像はYの現像器14により非接
触の状態で反転現像され、感光体ドラム10上にイエロ
ー(Y)のトナー像が形成される。
【0114】次いで、感光体ドラム10は前記イエロー
(Y)のトナー像の上に、Mのスコロトロン帯電器11
の帯電作用により電位が付与され、Mの露光光学系12
の第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像データに
対応する電気信号による露光が行われ、Mの現像器14
による非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)
のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わ
せて形成される。
【0115】同様のプロセスにより、Cのスコロトロン
帯電器11、露光光学系12及び現像器14によってさ
らに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像
が、また、Kのスコロトロン帯電器11、露光光学系1
2及び現像器14によって第4の色信号に対応する黒色
(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体
ドラム10の一回転以内にその周面上にカラーのトナー
像が形成される。
【0116】このように、本実施の形態では、Y、M、
C及びKの露光光学系12による感光体ドラム10の有
機感光層に対する露光は、感光体ドラム10の内部より
透光性の基体を通して行われる。従って、第2、第3及
び第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成
されたトナー像により遮光されることなく静電潜像を形
成することが可能となり、好ましいが、感光体ドラム1
0の外部から露光してもよい。
【0117】一方、転写材としての記録紙Pは、転写材
収納手段としての給紙カセット15より、送り出しロー
ラ(符号なし)により送り出され、給送ローラ(符号な
し)により給送されてタイミングローラ16へ搬送され
る。
【0118】記録紙Pは、タイミングローラ16の駆動
によって、感光体ドラム10上に担持されたカラートナ
ー像との同期がとられ、紙帯電手段としての紙帯電器1
50の帯電により搬送ベルト14aに吸着されて転写域
へ給送される。搬送ベルト14aにより密着搬送された
記録紙Pは、転写域でトナーと反対極性(本実施形態に
おいてはプラス極性)の電圧が印加される転写手段とし
ての転写器14cにより、感光体ドラム10の周面上の
カラートナー像が一括して記録紙Pに転写される。
【0119】カラートナー像が転写された記録紙Pは、
転写材分離手段としての紙分離AC除電器14hにより
除電されて、搬送ベルト14aから分離され、定着装置
17へと搬送される。
【0120】定着装置17はカラートナー像を定着する
ための上側のロール状の熱線定着用回転部材(上側の定
着部材)としての熱線定着ローラ17aと、下側の定着
部材としての加圧ゴムローラ47aとにより構成され、
熱線定着ローラ17aの内部には、光源によっては可視
光を含んだ赤外線或いは遠赤外線等の熱線を発光するハ
ロゲンランプ171gが熱線照射手段として配設され
る。
【0121】熱定着ローラ17aと加圧ゴムローラ47
aとの間で形成されるニップ部Nで記録紙Pが挟持さ
れ、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のカラー
トナー像が定着され、記録紙Pが排紙ローラ18により
送られて、装置上部のトレイへ排出される。
【0122】実際の画像形成装置においては、印字され
る画像が光沢画像としたい場合、或いは高いガンマをも
った硬調画像にしたい場合には、これをユーザーが指定
した時は定着条件を強くするため、定着温度を上げる
(例えば通常180℃を200℃)、定着圧力を高くす
る(例えば通常20N/cmを50N/cm)、定着時
間を長くする(例えば通常3mmのニップ幅を7m
m)、定着線速を下げる(例えば、150cm/sec
を100cm/sec)等に変更できるようなモード指
定ボタンを設置する。原稿画像或いは印字データから自
動判別により階調画像を印字する場合は光沢画像面、文
字画像の場合は無光沢の通常画像となる印字条件と出来
るようにしたモードを設けても良い。
【0123】本発明においては、Y,M,C,K各色の
画像濃度データは、それぞれ画像処理がなされた後、露
光光学系12により感光体ドラム10上への像露光が行
われる。
【0124】尚、画像形成装置としては、感光体とカラ
ー現像器からなる像形成ユニットを複数並列設置したタ
ンデム構成、或いは中間転写体を用いたタンデム構成を
用いたカラー画像形成装置とすることが出来る。
【0125】この場合でも、シェル構造でトナー付着状
態が規定されることから、コアは同様に扁平面を感光体
あるいは転写体に向けて積層した形で転写、定着され
る。
【0126】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明するが、
本発明の態様はこれに限定されるものではない。尚、本
文中「部」とは「質量部」を表す。
【0127】実施例1 〈トナー製造の材料作製〉 黒トナー製造例 スチレン:ブチルアクリレート=75:25の組成比の
スチレン/アクリル樹脂100部に対してカーボンブラ
ック20部を添加し、溶融混練する。ついで、粉砕・分
級し、体積平均粒径が3.0μmの粒子とした。ついで
スチレン30部、ブチルアクリレート8部、エチレング
リコールジメタクリレート2部、ラウロイルパーオキサ
イド1部とを溶解した溶液を調製し、前述の粒子を燐酸
三カルシウムを分散剤とし、ドデシルベンゼンスルフォ
ン酸ナトリウムを含んだ水中に分散した分散液に、上記
溶液を滴下し、75℃の条件で6時間反応させ、重合率
が80%になった時点で、アニュラー型連続湿式撹拌ミ
ル(神鋼パンテンツ社製)に連続して供給し、温度67
℃、ローター周速13m/分、平均滞留時間15分の条
件にて扁平化処理を行う。さらに、前記反応容器に扁平
化処理した液をもどし、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム0.03部を添加し、液温度85℃±2℃に
て、4時間加熱撹拌して重合を完了させる。その後、4
0℃以下に冷却し塩酸を加えて分散剤を除去し、次に遠
心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を行
い、次いで目開き45μmの篩いで濾過した。この濾液
をヌッチェを用いて、ウェットケーキ状の扁平な濃淡黒
粒子1を濾取し、その後、イオン交換水により洗浄す
る。
【0128】この「ウェエットケーキ状の濃淡黒粒子
1」をフラッシュジェットドライヤーを用いて吸気温度
60℃にて乾燥させ、次いで流動層乾燥機を用いて60
℃の温度で乾燥させ「濃淡黒粒子1」を得た。
【0129】尚、このものの粒子の長軸r1は7.9μ
m、短軸r2が7.0μm、dは3μmであった。ま
た、コア粒子の長軸r1′は6.0μm、短軸r2′が
5.5μm、d′は2μmであった。
【0130】さらに、この粒子に疎水性シリカを1.0
質量%添加し、黒トナー1を得た。なお、コアの部分に
比較してシェル部分は架橋構造を有する樹脂で構成され
ており、コア部分よりも軟化点が高く、それぞれの成分
自体を比較すると内部の方が光沢の高い成分である。
【0131】イエロートナー製造例 黒トナー製造例に於いて、着色剤をカーボンブラックの
代わりにC.I.ピグメントイエロー17を25部使用
した他は同様にして製造した。
【0132】尚、このものの粒子の長軸r1は7.7μ
m、短軸r2が6.9μm、dは3μmであった。ま
た、コア粒子の長軸r1′は6.1μm、短軸r2′が
5.3μm、d′は2μmであった。
【0133】さらに、この粒子に疎水性シリカを1.0
質量%添加し、イエロートナー1を得た。
【0134】マゼンタトナー製造例 黒トナー製造例に於いて、着色剤をカーボンブラックの
代わりにC.I.ピグメントレッド122を25部使用
した他は同様にして製造した。
【0135】尚、このものの粒子の長軸r1は7.8μ
m、短軸r2が7.0μm、dは3μmであった。ま
た、コア粒子の長軸r1′は6.0μm、短軸r2′が
5.3μm、d′は2μmであった。
【0136】さらに、この粒子に疎水性シリカを1.0
質量%添加し、マゼンタトナー1を得た。
【0137】シアントナー製造例 黒トナー製造例に於いて、着色剤をカーボンブラックの
代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を20部使
用した他は同様にして製造した。
【0138】尚、このものの粒子の長軸r1は7.8μ
m、短軸r2が7.0μm、dは3μmであった。ま
た、コア粒子の長軸r1′は6.0μm、短軸r2′が
5.3μm、d′は2μmであった。
【0139】さらに、この粒子に疎水性シリカを1.0
質量%添加し、シアントナー1を得た。
【0140】〈特性評価〉 (現像剤の調製)前述のそれぞれのトナーと、シリコー
ン樹脂で被覆した質量平均粒径65μmフェライトキャ
リアを、トナー/キャリア=50g/950gの割合で
混合して、評価用の黒現像剤1、イエロー現像剤1、マ
ゼンタ現像剤1及びシアン現像剤1を調製した。
【0141】(画像作製)図6に示すと同様な構成を持
つカラープリンタを使用した。A4版カラー原稿(印字
率25%)の単色とフルカラー混在画像をプリントして
評価した。
【0142】定着温度は、表面にシリコーンゴム層を有
する加熱ローラ表面で180℃に調整し、ゴム硬度を変
化させてニップ幅が3.0mmと7.5mmのものを用
いた。
【0143】(評価結果)得られた画像の評価は、原稿
再現性、画像汚れ及び印刷ライクの評価を目視にて行っ
た。
【0144】本発明のトナーは、濃色部のみから作製し
たトナー、及び淡色部のみから作製したトナーと比較し
て、定着ニップ幅が3.0mmの場合、最高濃度が高く
原稿再現性に優れ、低濃度部の粒状性のよい印刷ライク
な画像が得られ良好であった。そして、定着ニップ幅が
7.5mmのものは、光沢度が高く、トナーが一層付着
した画像領域でも比較的高い濃度が得られた。
【0145】実施例2 実施例1で用いた評価用の現像剤(黒現像剤1、イエロ
ー現像剤1、マゼンタ現像剤1及びシアン現像剤1)を
用い、下記の性能評価を行った。
【0146】図6に示すと同様な構成を持つカラープリ
ンタを改良し、一つの定着装置のままで、ユーザーが下
記の如く定着条件を変更できるモード切り換え機能ボタ
ンを付加した。
【0147】定着条件モード 1)現行定着温度180℃から200℃に変更可能と
し、その他は同一の条件 2)現行定着圧力75N/cmから150N/cmに変
更可能とし、その他は同一の条件 3)現行定着線速150mm/secから100mm/
secに変更可能とし、その他は同一の条件 A4版カラー原稿(印字率25%)の単色とフルカラー
混在画像をプリントして、現行条件で定着したものと比
較して評価した。
【0148】本発明のトナーは、濃色部のみから作製し
たトナー、及び淡色部のみから作製したトナーと比較し
て、現行条件(180℃、75N/cm、150mm/
sec)の場合、最高濃度が高く原稿再現性に優れ、低
濃度部の粒状性のよい印刷ライクな画像が得られ良好で
あった。
【0149】そして、180℃→200℃、75N/c
m→150N/cm、150mm/sec→100mm
/secの如く1)2)、3)の条件のものと、定着条
件を変更したものは、光沢度が高く、トナーが一層付着
した画像領域でも比較的高い濃度が得られた。
【0150】
【発明の効果】本発明により、 1.同一のトナーを用いて、低濃度部でも粒状性がよ
く、低濃度部から高濃度部まで広いダイナミックレンジ
を有する画像形成と、高い最高濃度を重視した画像の形
成に適した画像形成が、定着条件を変更することで達成
できる電子写真方式の画像形成装置及び画像形成方法と
それに用いる電子写真用トナーを提供することが出来
る。 2.同一のトナーを用いて、定着条件を変更することに
より、適宜光沢画像と非光沢画像を作ることの出来る電
子写真方式の画像形成装置及び画像形成方法とそれに用
いる電子写真用トナーを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナー粒子の断面形状を示す模式図。
【図2】熱ロールを用いる加圧熱定着方式の概要断面図
である。
【図3】目的や対象画像により定着条件を変更した状況
を示す模式図と反射画像濃度曲線。
【図4】扁平形状を有するトナー粒子の平面図と側面
図。
【図5】アニュラー型連続湿式撹拌ミルの一例の要部断
面図。
【図6】本実施形態のカラープリンタの断面構成図。
【符号の説明】
1 淡色部或いは非光沢部 2 濃色部或いは光沢部 10 感光体ドラム 11 スコロトロン帯電器 12 露光光学系 14 現像器 14a 搬送ベルト 14c 転写器 17 定着装置 20 保持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA15 FB01 2H027 DA12 DA20 DC05 EA12 EA20 ED16 ED25 EE03 2H033 AA01 AA10 AA49 BA24 BA30 BA58 BB01 BB33 BB34 CA18 CA27 CA39 CA40

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濃色部を淡色部で包み込んだ構造を有す
    る電子写真用トナーを用いて形成したトナー像を、転写
    材に溶融固着する定着手段を有する画像形成装置におい
    て、定着条件の変更により、画像濃度を制御することを
    特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 電子写真用トナーの濃色部の溶融温度が
    淡色部より高いことを特徴とする請求項1記載の画像形
    成装置。
  3. 【請求項3】 電子写真用トナーの濃色部の溶融粘度が
    淡色部に比して低いことを特徴とする請求項1又は2記
    載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 濃色部を淡色部で包み込んだ構造を有す
    る電子写真用トナーを用いて形成したトナー像を、転写
    材に溶融固着する定着手段を用いる画像形成方法におい
    て、定着条件の変更により、画像濃度を制御することを
    特徴とする画像形成方法。
  5. 【請求項5】 濃色部を淡色部で包み込んだ構造を有す
    る電子写真用トナーにおいて、トナー像を、転写材に溶
    融固着する定着手段の条件を変化させることにより、画
    像濃度が変化するように作製したことを特徴とする電子
    写真用トナー。
  6. 【請求項6】 光沢部を非光沢部で包み込んだ構造を有
    する電子写真用トナーを用いてトナー像を形成し、転写
    材に溶融固着する定着手段を有する画像形成装置におい
    て、定着条件の変更により、画像の光沢度を制御するこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 電子写真用トナーの光沢部の溶融温度が
    非光沢部より高いことを特徴とする請求項6記載の画像
    形成装置。
  8. 【請求項8】 定着時における光沢部の溶融粘度が非光
    沢部に比して低いことを特徴とする請求項6又は7記載
    の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 光沢部を非光沢部で包み込んだ構造を有
    する電子写真用トナーを用いてトナー像を形成し、転写
    材に溶融固着して定着する画像形成方法において、定着
    条件の変更により、画像の光沢度を制御することを特徴
    とする画像形成方法。
  10. 【請求項10】 光沢部を非光沢部で包み込んだ構造を
    有する電子写真用トナーにおいて、トナー像を転写材に
    溶融固着する定着条件を変化させることにより、画像の
    光沢度が変化するように作製したことを特徴とする電子
    写真用トナー。
  11. 【請求項11】 トナー粒子がコアシェル構造を有して
    いることを特徴とする請求項5又は10記載の電子写真
    用トナー。
  12. 【請求項12】 トナー粒子が扁平形状を有することを
    特徴とする請求項11記載の電子写真用トナー。
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