JP2019095275A - 電流センサ - Google Patents
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Abstract
Description
また、このように表面が絶縁され巻線が巻かれたトロイダルコア(トロイダルコイルと呼ぶ)は、さらにアウタケースに収容され、アウタケース内の空いたスペースに樹脂材がモールドされることにより封止され、アウタケース内に固定される。
また、樹脂を注入し固化させる作業に時間をかかる上、モールド樹脂の材料にかかるコストが嵩張るという課題があった。
このような構成によれば、前記ケースに前記トロイダルコアを収容した際に前記くぼみと前記突起とを嵌合させることで、前記ケース内に前記トロイダルコアを固定することができる。
また、特許文献2に記載の発明にあっては、本発明のように、トロイダルコアに多数回の巻線をしたトロイダルコイルをケース内に固定することを目的としていない。即ち、トロイダルコイルをケース内に固定する手段は開示されていない。
しかしながら、環状コアの略全周にわたって線材が巻回されたトロイダルコイルを固定する場合には、巻線の巻き始めと巻き終わりの間の僅かなスペースしか固定に利用できないため、容易ではないという課題があった。
例えば、コイルをケースに固定する方法として、モールド樹脂以外に接着剤により固定する方法も考えられるが、トロイダルコイルでは、前記のように巻線のないスペースが僅かであるため、接着剤による固定では接着強度が不十分であった。
尚、前記アウタケースは、前記トロイダルコイルの軸方向に分割可能に形成され、前記第一及び第二の係合部とそれらに嵌合する前記嵌合部の内周面部及び外周面部とは、軸方向に延びる溝部とそれに嵌合するリブのいずれかであることが望ましい。
また、前記アウタケース内において、前記板部材と該アウタケース内壁との間に間隙が設けられ、前記間隙に、前記トロイダルコイルから引き出された巻線と電気的に接続され、外部端子を搭載した回路基板が嵌合していることが望ましい。
また、前記回路基板には、くびれ部が設けられ、前記トロイダルコイルから引き出された巻線は、前記くびれ部に巻回されて前記回路基板に接合されていることが望ましい。
これにより従来のようなモールド樹脂によるトロイダルコイルの固定が不要となり、コストだけでなく生産性を向上し、また、軽量化することができる。
また、固定のためにコア自体を加工する必要がないため、手間を要することがなく、またコアの変形による性能低下を防止することができる。
尚、本発明にあっては、環状の磁性体コア(トロイダルコア)に対し絶縁体(樹脂製のインナケース)を介して導電線材を巻線したものをトロイダルコイルと呼ぶ。
また、本発明に係る電流センサは、前記トロイダルコイルをアウタケース内に固定する構成に適用される。
前記蓋部3を取り外すと、図5に示すようにアウタケース本体2には、前記端子部4と、端子部4が搭載された回路基板5と、回路基板5に接続されたリング状のトロイダルコイル10とが装着された状態となる。
また、図7(b)に示すように嵌合部12の内周面部12cには、厚さ方向(軸方向)に沿って直線状の溝部12c1が形成されている。
更に図7(c)に示すように、嵌合部12の後面部12bには、2つの円形の窪み12b1が形成されている。
前記溝部12c1、12d1、窪み12a1、12b1は、後述するアウタケース本体2及び蓋部3に対しインナケース11を嵌合させるために設けられている。
図8に示すように、アウタケース本体2には、トロイダルコイル10の収容空間において、トロイダルコイル10(インナケース11)の中央の円孔部13に挿入可能な円筒部2bが立設され、この円筒部2bの外周面には、軸方向に沿って直線状の嵌合リブ2b1(第三の係合部)が形成されている。この嵌合リブ2b1は、嵌合部12の内周面部12cに形成された溝部12c1に嵌合可能となされている。
前記3面側壁部2dは、端子部4の左右側面及び背面を保護するものであり、前面側、及び上方側、下方側は開口した状態である。また、図8(b)に示すように、前記3面壁側部2dは、アウタケース本体2の天壁2eの中央に設けられる。前記天壁2eと前記嵌合板部材2cとの間には空隙2gが形成されている。
尚、回路基板5は、矩形状に形成され、左右の角部にくびれ部5aが形成されている。これは、図6のようにコイル巻線を回路基板5に接続する際に、前記くびれ部5aにコイル巻線端部を一旦巻き付けることで、断線の発生を抑えるために設けられている。
即ち、蓋部3を閉めることにより、トロイダルコイル10は、軸方向(厚さ方向)がケースに対し固定されるようになっている。
また、トロイダルコイル10の収容時に、奥まで押し込むことにより、嵌合部12の後面部12bに形成された2つの円形の窪み12b1をアウタケース本体2の後壁2fに形成された2つの突起部2f2に嵌合させる。
これによりトロイダルコイル10は、軸方向(厚さ方向)がケースに対し固定され、電流センサ1が完成する。
これにより従来のようなモールド樹脂によるトロイダルコイルの固定が不要となり、コストだけでなく生産性を向上し、また、軽量化することができる。
また、固定のためにコア自体を加工する必要がないため、手間を要することがなく、またコアの変形による性能低下を防止することができる。
2 アウタケース本体
2b1 嵌合リブ(第三の係合部)
2c2 嵌合リブ(第四の係合部)
2f2 突起部(第二の係合部)
3 蓋部
3b 突起部(第一の係合部)
4 端子部
5 回路基板
5a くびれ部
9 トロイダルコア
10 トロイダルコイル
11 インナケース
12 嵌合部
12a 前面部
12b 後面部
12c 内周面部
12d 外周面部
13 円孔部
20 アウタケース
Claims (4)
- 環状のトロイダルコイルがアウタケース内に固定される電流センサであって、
環状のトロイダルコアを収容する環状かつ絶縁性のインナケースと、前記インナケースに巻回され、前記トロイダルコイルを形成する導電性の巻線と、前記インナケースにおいて前記巻線の巻き始めと巻き終わりとの間のスペースに形成された嵌合部と、前記トロイダルコイルを収容する前記アウタケースとを備え、
前記トロイダルコイルの軸方向に直交する前記アウタケースの前後壁には、それぞれ第一及び第二の係合部が形成され、前記アウタケースにおいて前記トロイダルコイルの円孔部に挿入可能に形成された円筒部には第三の係合部が形成され、前記アウタケース内において該アウタケースに収容される前記トロイダルコイルの外周接線に沿って設けられた板部材には第四の係合部が形成され、
前記嵌合部は、前記第一及び第二の係合部にそれぞれ嵌合する前面部及び後面部と、前記第三及び第四の係合部にそれぞれ嵌合する内周面部及び外周面部とを有することを特徴とする電流センサ。 - 前記アウタケースは、前記トロイダルコイルの軸方向に分割可能に形成され、前記第一及び第二の係合部とそれらに嵌合する前記嵌合部の内周面部及び外周面部とは、軸方向に延びる溝部とそれに嵌合するリブのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載された電流センサ。
- 前記アウタケース内において、前記板部材と該アウタケース内壁との間に間隙が設けられ、
前記間隙に、前記トロイダルコイルから引き出された巻線と電気的に接続され、外部端子を搭載した回路基板が嵌合していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された電流センサ。 - 前記回路基板には、くびれ部が設けられ、前記トロイダルコイルから引き出された巻線は、前記くびれ部に巻回されて前記回路基板に接合されていることを特徴とする請求項3に記載された電流センサ。
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