JP2019095052A - 密封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール寿命を考慮しつつ、締め代の大きさに関わらず、ディフレクターに対するサイドリップ部の先端部の接触面圧を維持できる密封装置の提供。【解決手段】この密封装置は、環状のシール本体40及び環状のディフレクター42を備える。シール本体は、軸38に摺接する主リップ部58と、主リップ部側から軸方向外方に向けて径方向外方に傾斜しつつ延在し、先端部96においてディフレクターと接触するサイドリップ部62とを有する。このサイドリップ部は、その根元側に薄肉の狭窄部98を有し、狭窄部及び先端部から両者の軸方向中央部に向かって径方向外方に漸次膨出する膨出部100を有する。膨出部の肉厚tmが、狭窄部の肉厚tvよりも厚く、先端部の肉厚tsよりも厚い【選択図】図2

Description

本発明は、密封装置に関する。詳細には、本発明は、例えば、自動車のデフサイド、トランスファ、及び、足回りに用いられる密封装置に関する。
例えば、自動車のディファレンシャル装置は、デフピニオンギヤ及びデフサイドギヤを収容するデフケースと、デフケースを回転自在に支持するハウジングと、デフサイドギヤに連結されるとともに、ハウジングに挿通される軸とを備えている。ハウジングと軸との間の環状空間には、潤滑油の漏洩を防止し、ハウジングの軸方向外方からの異物の混入を防止するために、デフサイド用の密封装置が設けられる。
図7に示すように、デフサイド用の密封装置2は、通常、ハウジング4と軸6との間に装着されるシール本体8と、シール本体8の軸方向外方において軸6に装着されるディフレクター10とを備えている。
シール本体8は、リップ部12として、軸6に摺接する主リップ部14と、この主リップ部14よりも軸方向外方において軸6に摺接する補助リップ部16と、この補助リップ部16よりも径方向外方に設けられ且つ軸方向外方に向けて径方向外方に傾斜しつつ延在するサイドリップ部18とを有している。ディフレクター10は、径方向に沿って配置された円環状の環状板部20を有している。この密封装置2では、サイドリップ部18がディフレクター10の環状板部20に接触することで、軸方向外方からの異物の侵入が防止される。
密封装置2のサイドリップ部18には、ディフレクター10に対して締め代が設定される。この締め代は、ハウジング4に対するシール本体8の組み付け位置や、軸6に対するディフレクター10の組み付け位置等によって変化する。自動車の走行中に軸6がスラスト移動することによっても、締め代は変化する。
締め代が小さい場合、サイドリップ部18はその先端22の部分においてディフレクター10に接触する。締め代が大きい場合には、図8に示されているように、ディフレクター10との接触部分は、サイドリップ部18の径方向内方部分に拡がる傾向にある。この場合、接触面圧のピークがサイドリップ部18の根元側に移動し、密封性が低下する恐れがある。このため、密封性確保の観点から、締め代が変化しても、サイドリップ部18が適正な位置でしかも適正な接触面圧でディフレクター10と接触するよう、密封装置2について様々な検討が行われている(例えば、特許文献1)。
この特許文献1に開示された密封装置(図示されず)では、サイドリップ部は概ね一様な厚さを有している。このサイドリップ部は、基端部と、この基端部から軸方向外方でかつ径方向外方へ延びる中間部と、この中間部から軸方向外方でかつ径方向外方へ延び、内周面がディフレクターに摺接する先端部とを備えている。
特開2017−089803公報
密封装置2では、主リップ部14とサイドリップ部18との間の空間の容積が軸6のスラスト移動により変化する。軸6が軸方向外方へ移動すると、この空間の容積が増加する。これにより負圧が生じ、例えば、サイドリップ部18の接触面圧が増加する。これに対して、軸6が軸方向内方へ移動すると、この空間の容積が減少する。これにより、空間内の圧力が高まり、例えば、主リップ部14の接触面圧が減少する。接触面圧の増加及び減少は、シール寿命に影響する。
前述の特許文献1に開示された密封装置では、締め代が大きい場合にも、サイドリップ部がその先端部においてディフレクターに接触する。しかし略一様な厚さで構成されたサイドリップ部は負圧により変形しやすく、接触面圧の増加によるシール寿命の低下が懸念される。
以上の状況から、シール寿命を考慮しつつ、締め代の大きさに関わらず、ディフレクターに対するサイドリップ部の先端部の接触面圧を維持することができる技術の確立が求められている。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、シール寿命を考慮しつつ、締め代の大きさに関わらず、ディフレクターに対するサイドリップ部の先端部の接触面圧を維持することができる、密封装置を提供することを目的としている。
本発明に係る密封装置は、互いに相対回転する軸とハウジングとの間に構成される環状の空間に装着され、当該軸と当該ハウジングとの間を封止する密封装置であって、前記軸と前記ハウジングとの間に装着される環状のシール本体と、前記シール本体の軸方向外方において前記軸に装着される環状のディフレクターとを備えており、前記シール本体が、前記軸に摺接する主リップ部と、前記主リップ部側から軸方向外方に向けて径方向外方に傾斜しつつ延在し、先端部において前記ディフレクターと接触するサイドリップ部とを有しており、前記サイドリップ部が、その根元側に薄肉の狭窄部を有し、当該狭窄部及び前記先端部から両者の軸方向中央部に向かって径方向外方に漸次膨出する膨出部を有しており、前記膨出部の肉厚が、前記狭窄部の肉厚よりも厚く、前記先端部の肉厚よりも厚いことを特徴としている。
本発明の密封装置では、サイドリップ部の根元側に薄肉の狭窄部が設けられている。この密封装置では、サイドリップ部の変形の起点は根元にあり、狭窄部から先端部までの長さが十分に確保されている。この密封装置では、締め代の変化に追従してサイドリップ部はディフレクターとの接触を保ちながら変形することができる。さらに先端部の肉厚は膨出部の肉厚よりも薄いので、締め代が変化しても、サイドリップ部の先端部とディフレクターとの接触状態が適切に維持される。そして、厚肉の膨出部が剛性に寄与するので、サイドリップ部の先端部における接触面圧も適正に確保される。この密封装置では、締め代の大きさに関わらず、ディフレクターに対するサイドリップ部の先端部の接触面圧を維持することができる。しかも膨出部が狭窄部及び先端部から両者の軸方向中央部に向かって径方向外方に漸次膨出するように構成されているので、軸がスラスト移動し負圧が生じてもサイドリップ部は変形しにくい。このため、この密封装置では、接触面圧の増加によるシール寿命の低下が効果的に抑えられる。この密封装置では、シール寿命が考慮されつつ、ディフレクターに対する先端部の接触面圧が、締め代の大きさに関わらず維持される。
好ましくは、この密封装置では、前記狭窄部の肉厚に対する前記膨出部の肉厚の比は1.5以上3.5以下である。かかる構成により、厚肉の膨出部が剛性に寄与するので、サイドリップ部の先端部における接触面圧が適正に確保される。軸がスラスト移動し負圧が生じてもサイドリップ部は変形しにくいため、接触面圧の増加によるシール寿命の低下が効果的に抑えられる。
好ましくは、この密封装置では、前記狭窄部の肉厚に対する前記先端部の肉厚の比は0.5以上2.0以下である。かかる構成により、締め代が変化しても、サイドリップ部の先端部とディフレクターとの接触状態が適切に維持される。この密封装置では、シール寿命が考慮されつつ、ディフレクターに対する先端部の接触面圧が、締め代の大きさに関わらず維持される。
好ましくは、この密封装置では、前記狭窄部から前記膨出部までの長さL1に対する当該膨出部から前記先端部までの長さL2の比(L2/L1)は0.6以上0.8以下である。かかる構成により、接触面圧を適正に維持しながら、締め代の変化に追従してサイドリップ部が効果的に変形できる。
好ましくは、この密封装置では、前記主リップ部は、当該主リップ部の最小径部である先端から軸方向外方に向けて拡径状となる傾斜面と、前記傾斜面の全面が前記軸に接触するのを規制する規制部とを備えている。かかる構成により、軸に対する主リップ部の接触部位が分散し、主リップ部の傾斜面の全面が軸に接触するのを抑制することができる。このため、主リップ部の傾斜面の摩耗や発熱を抑制することができる。この密封装置では、接触面圧の増加によるシール寿命の低下がより効果的に抑えられる。
好ましくは、この密封装置では、前記サイドリップ部はその根元側から先端に向かって拡径状となる面で構成された内周面を備えており、前記内周面が径方向に対してなす角度は70°〜80°の範囲で設定される。かかる構成により、内周面がサイドリップ部の剛性向上に寄与する。サイドリップ部が適度な剛性を有するので、このサイドリップ部の先端部における接触面圧が適正に確保される。さらにシール本体を他のシール本体に積み重ねる際の、サイドリップ部の自重による変形が防止される。そしてサイドリップ部の内周面にグリースを塗布したシール本体を他のシール本体と積み重ねて運搬しても、この運搬中の揺れにより、他のシール本体の主リップ部にこのグリースが付着することも防止される。
好ましくは、この密封装置では、前記サイドリップ部は前記内周面の先端から軸方向内方に向けて拡径状となる面で構成された先端面を備えており、前記内周面と前記先端面とで構成される角は丸められており、前記丸められた角の前記内周面側の端から前記先端面側の端までの径方向距離が0.1mm以上1.0mm以下であり、前記丸められた角の軸方向外端から前記内周面側の端までの軸方向距離が0.03mm以上1.0mm以下である。かかる構成により、サイドリップ部の先端部における接触面圧を適正に確保しつつ、締め代の変化に追従してこのサイドリップ部が効果的に変形できる。
好ましくは、この密封装置では、前記シール本体は前記主リップ部及び前記サイドリップ部を有する環状のシール部材を備えており、前記シール部材は弾性部材からなる。かかる構成により、サイドリップ部の先端部における接触面圧を適正に確保しつつ、締め代の変化に追従してこのサイドリップ部が効果的に変形できる。
好ましくは、この密封装置では、前記シール部材のTR−10値は−40℃以下である。かかる構成により、低温時においても、シール部材は弾性体としての機能が維持される。サイドリップ部の先端部における接触面圧を適正に確保しつつ、締め代の変化に追従してこのサイドリップ部が効果的に変形できる。しかもこのシール部材を用いることにより、低温時における偏心が防止される。
好ましくは、この密封装置では、前記シール部材の損失正接は0.15以上0.30以下である。かかる構成により、スティックスリップによる鳴き音の発生が防止される。
好ましくは、この密封装置では、前記シール部材の引張強さは8MPa以上である。かかる構成により、シール部材は適度な強度を有する。この密封装置では、スラスト移動によるサイドリップ部の破損が防止される。
以上の説明から明らかなように、本発明の密封装置では、シール寿命を考慮しつつ、締め代の大きさに関わらず、ディフレクターに対するサイドリップ部の先端部の接触面圧を維持することができる。この密封装置では、シール寿命を確保しながら、良好な密封性が得られる。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る密封装置の一部が示された断面図である。 図2は、図1の密封装置におけるシール本体が示された断面図である。 図3は、図1の密封装置において、締め代が最大のときのサイドリップ部が示された断面図である。 図4は、サイドリップ部の拡大した断面図である。 図5は、密封装置に用いられるシール本体の保管状態を説明する図である。 図6は、本発明の第二の実施形態に係る密封装置の一部が示された断面図である。 図7は、従来の密封装置が示された断面図である。 図8は、図7の密封装置において、締め代が最大のときのサイドリップ部が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
[密封装置32]
図1には、本発明の第一の実施形態に係る密封装置32の一例が示されている。この密封装置32は、自動車のディファレンシャル装置において、デフピニオンギヤ及びデフサイドギヤを収容するデフケースを回転自在に支持するハウジング34と、デフサイドギヤに連結され、このハウジング34の軸孔36に挿通された軸38(ドライブシャフトともいう。)との間に用いられる。この密封装置32は、デフサイド用である。
密封装置32は、互いに相対回転する軸38とハウジング34との間に構成される環状の空間に装着され、軸38とハウジング34との間を封止する。この密封装置32は、ハウジング34内部の密封空間A内に密封された潤滑油等の流体がハウジング34の外部へ漏洩するのを防止する。なお、この図1には、軸38とハウジング34との間に装着される前、すなわち、変形前の自然状態にある密封装置32が示されている。
この密封装置32は、環状のシール本体40と、環状のディフレクター42とを備えている。シール本体40は、軸38とハウジング34との間に装着される。ディフレクター42は、シール本体40の軸方向外方において軸38に装着される。このディフレクター42は、径方向に沿って配置される円環状の環状板部44を有している。
[シール本体40]
図2には、密封装置32のシール本体40の要部が示されている。この図2には、変形前の自然状態にあるシール本体40が示されている。この図2において、右側が密封空間A側に相当する。
シール本体40は、断面略L字形の環状の芯金46と、芯金46に固定されているシール部材48と、環状のバネリング50とを備えている。このシール本体40は、芯金46、シール部材48及びバネリング50で構成されている。
芯金46は、金属(例えば、SPCC)製の環状部材である。この芯金46は、円筒形状の円筒部52と、円環状の環状板部54とで構成されている。円筒部52は、その軸心が軸38の軸心と一致するように配置されている。環状板部54は、円筒部52の軸方向外方の一端から径方向内方へ延在している。
シール部材48は、合成ゴム(例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)等)を基材ゴムとする弾性部材(すなわち加硫ゴム)からなる。シール部材48は、加硫による接着処理(焼き付けともいう。)により芯金46に固定されている。シール部材48は、環状に形成されており、本体部56と、主リップ部58と、補助リップ部60と、サイドリップ部62とを有している。
本体部56は、外周部64と、側面部66と、内周部68とを備えている。外周部64は、芯金46の円筒部52の外周面に積層されており、ハウジング34の軸孔36に固定される。側面部66は、環状板部54の軸方向外方の側面に積層されている。内周部68は、環状板部54の内周部を覆っている。このシール部材48では、外周部64、側面部66及び内周部68は、一体的に形成されている。外周部64は軸方向に延在し、側面部66は径方向に延在している。
[主リップ部58]
主リップ部58は、本体部56の内周部68の径方向内側において密封空間A側へ延びている。主リップ部58の外周面70には、周溝72が形成されている。そして、この周溝72には、ガータスプリングと呼ばれるバネリング50が装着されている。このバネリング50により、主リップ部58が径方向内方へ締め付けられている。
この密封装置32では、主リップ部58は軸38と摺接する。この主リップ部58は、軸38の外周面74に締め代を持って接触して密封空間内Aの密封流体が軸方向外方へ漏れるのを防止している。主リップ部58の断面形状は、径方向内方に向けて先細りである。この主リップ部58の先端76は最小径部であり、この主リップ部58の内周面78は、この先端76から密封空間A側に向けて拡径状となる第一傾斜面80と、この先端76から軸方向外方に向けて拡径状となる第二傾斜面82とを備えている。
[補助リップ部60]
補助リップ部60は、本体部56の内周部68から径方向内方で且つ軸方向外方へ延在している。この密封装置32では、補助リップ部60は軸38と摺接する。この補助リップ部60は、軸38の外周面74に締め代をもって接触して軸方向外方から密封空間A内への異物の侵入を防止している。補助リップ部60の内周面84は、密封空間A側から軸方向外方に向かって縮径状となる第三傾斜面86と、この第三傾斜面86の最小径部から軸方向外方に向かって拡径状となる第四傾斜面88とを備えている。この補助リップ部60においても、その最小径部が先端90である。図示されていないが、第三傾斜面86には、周方向に間隔をあけて負圧防止突起が配置されている。
この密封装置32では、主リップ部58と補助リップ部60との間には、凹溝92が設けられている。このため、この密封装置32では、主リップ部58と、補助リップ部60と、これらが接触する軸38の外周面74とで囲まれた、環状の第一空間部S1が構成される。
[サイドリップ部62]
サイドリップ部62は、主リップ部58側から軸方向外方に向けて径方向外方に傾斜しつつ延在している。この密封装置32では、サイドリップ部62は、本体部56と一体的に形成されている。このサイドリップ部62は、この本体部56の側面部66から軸方向外方に向けて延在している。このサイドリップ部62は、その先端94の部分(以下、先端部96)において、ディフレクター42の環状板部44と接触する。
このサイドリップ部62は、その根元側に薄肉の狭窄部98を有している。このサイドリップ部62はさらに、この狭窄部98及び先端部96から両者の軸方向中央部に向かって径方向外方に漸次膨出する膨出部100を有している。本発明においては、狭窄部98において最も肉厚の薄い個所が底と称され、膨出部100において最も肉厚の厚い個所が頂と称される。図1において、符号Pv及び符号Pmはサイドリップ部62の外周面上の特定の位置を表している。この密封装置32では、位置Pvが狭窄部98における底であり、位置Pmが膨出部100における頂である。
この密封装置32では、サイドリップ部62の外周面102は、根元側から底Pvに向かって縮径状となる第一外周面104と、この底Pvから頂Pmに向かって拡径状となる第二外周面106と、この頂Pmからこの外周面102の先端108に向かって略同径状となる第三外周面110とを有している。この外周面102は、第一外周面104と第二外周面106との間で屈曲し、第二外周面106と第三外周面110との間で屈曲している。この外周面102は、ジグザグ状を呈している。
図2において、角度θ1は第二外周面106が径方向に対してなす角度である。この密封装置32では、角度θ1は鋭角であり、50°〜70°の範囲で設定される。この図2において、角度θ2は第三外周面110が径方向に対してなす角度である。この密封装置32では、角度θ2は鋭角又は鈍角であり、80°〜100°の範囲で設定される。
この密封装置32では、サイドリップ部62の内周面112は、根元側からこの内周面112の先端114に向かって拡径状となる面で構成されている。この内周面112には、外周面102のような屈曲部分は設けられていない。この内周面112は、単一の平面で構成されている。詳細には、この内周面112は錐面である。なお、この内周面112が内向きに凸な湾曲面とされてもよく、この内周面112が外向きに凸な湾曲面とされてもよい。
図2において、角度θ3は内周面112が径方向に対してなす角度である。この密封装置32では、角度θ3は鋭角であり、70°〜80°の範囲で設定される。
この密封装置32では、内周面112の先端114が外周面102の先端108よりも軸方向外方に位置している。この密封装置32においては、内周面112の先端114がサイドリップ部62の先端94である。なお、外周面102の先端108が内周面112の先端114よりも軸方向外方に位置している場合には、この外周面102の先端108において、サイドリップ部62の先端94が特定される。
この密封装置32では、外周面102の先端108と内周面112の先端114とを繋ぐ面は先端面116である。この密封装置32では、先端面116は外周面102の先端108から軸方向外方に向けて縮径状となる面で構成されている。言い換えれば、この先端面116は、内周面112の先端114から軸方向内方に向けて拡径状となる面で構成されている。
図2において、角度θ4は先端面116が内周面112に対してなす角度である。この角度θ4は、70°〜150°の範囲で設定される。なお、先端面116と内周面112とで構成される角が丸めとされている場合は、図2に示された断面において、先端面116の延長線が内周面112の延長線に対してなす角度が角度θ4として表わされる。
図2において、両矢印tvはサイドリップ部62の狭窄部98の肉厚(厚さともいう。)である。肉厚tvは、狭窄部98の底Pvにおける厚さで表される。両矢印tmは、サイドリップ部62の膨出部100の肉厚である。肉厚tmは、膨出部100の頂Pmにおける厚さで表される。両矢印tsは、サイドリップ部62の先端部96の肉厚である。肉厚tsは、外周面102の先端108における厚さで表される。なお、前述したように、先端面116と内周面112とで構成される角が丸めとされている場合は、図2に示された断面において、内周面112の延長線に基づいて前述の肉厚tsは特定される。さらに、外周面102の先端108が、変形前の自由状態において本体部56の側面部66から軸方向に最も離れた位置にある場合は、内周面112の先端114における厚さで、この肉厚tsは表わされる。この場合において、先端面116と内周面112とで構成される角が丸めとされている場合は、図2に示された断面において、先端面116の延長線と内周面112の延長線との交点を求め、この交点における厚さで、前述の肉厚tsは表わされる。
この密封装置32では、膨出部100の肉厚tmは、狭窄部98の肉厚tvよりも厚く、先端部96の肉厚tsよりも厚い。つまり、このサイドリップ部62は、膨出部100の肉厚tmが狭窄部98の肉厚tvよりも厚く、先端部96の肉厚tsよりも厚くなるように構成されている。
以上説明したように、本発明に係る密封装置32は、互いに相対回転する軸38とハウジング34との間に構成される環状の空間に装着され、軸38とハウジング34との間を封止する密封装置32であって、以下の特徴を有している。つまり、この密封装置32は、軸38とハウジング34との間に装着される環状のシール本体40と、シール本体40の軸方向外方において軸38に装着される環状のディフレクター42とを備えている。シール本体40は、軸38に摺接する主リップ部58と、主リップ部58側から軸方向外方に向けて径方向外方に傾斜しつつ延在し、先端部96においてディフレクター42と接触するサイドリップ部62とを有している。このサイドリップ部62は、その根元側に薄肉の狭窄部98と、狭窄部98及び先端部96から両者の軸方向中央部に向かって径方向外方に漸次膨出する膨出部100とを有している。このサイドリップ部62においては、膨出部100の肉厚tmは、狭窄部98の肉厚tvよりも厚く、先端部96の肉厚tsよりも厚い。
密封装置32において、サイドリップ部62の締め代は、ハウジング34、軸38、シール本体40、ディフレクター42の組み付けの際の相対位置や、自動車の走行中における軸38のスライド量等によって大きく異なる。
図1において、二点鎖線D1で表されたディフレクター42は、サイドリップ部62の締め代が最小となる位置にある。この図1において、二点鎖線D2で表されたディフレクター42は、このサイドリップ部62の締め代が最大となる位置にある。なお、締め代が最大のときのサイドリップ部62の状態が図3に示されている。
例えば、自動車の走行中における軸38のスライド量は約3mmであり、このスライド量も加味したサイドリップ部62の締め代の範囲Eは、1〜7mm程度になる。
この密封装置32では、サイドリップ部62が、締め代の大きさに関わらず、適切にディフレクター42に接触することができるように、その形状が設計されている。具体的には、この密封装置32では、サイドリップ部62の根元側に薄肉の狭窄部98が設けられている。この密封装置32では、サイドリップ部62の変形の起点は根元にあり、狭窄部98から先端部96までの長さが十分に確保されている。この密封装置32では、締め代の変化に追従してサイドリップ部62はディフレクター42との接触を保ちながら変形することができる。さらに先端部96の肉厚tsは膨出部100の肉厚tmよりも薄いので、締め代が変化しても、サイドリップ部62の先端部96とディフレクター42との接触状態が適切に維持される。そして、狭窄部98及び先端部96よりも厚肉の膨出部100が剛性に寄与するので、サイドリップ部62の先端部96における接触面圧も適正に確保される。この密封装置32では、締め代の大きさに関わらず、ディフレクター42に対するサイドリップ部62の先端部96の接触面圧を維持することができる。この密封装置32では、軸方向外方からの異物の侵入を確実に防止できる。
この密封装置32では、シール本体40のサイドリップ部62は、その内周面112が締め代を有してディフレクター42と接触する。そして、サイドリップ部62の内周面112と、ディフレクター42の環状板部44と、軸38の外周面74と、補助リップ部60の外周面118との間には、第二空間部S2が構成される。
前述したように、この密封装置32では、主リップ部58と、補助リップ部60と、これらが接触する軸38の外周面74とで囲まれた、環状の第一空間部S1が構成される。そして、補助リップ部60の第三傾斜面86には、負圧防止突起が設けられている。
この密封装置32では、自動車の走行中に軸38が軸方向外方へスラスト移動すると、第二空間部S2の容積が増加する。これにより、第二空間部S2には負圧が生じる。補助リップ部60の第三傾斜面86には負圧防止突起が設けられているので、第一空間部S1にも負圧が生じる。この負圧は、接触面圧の増加に寄与するので、その程度によっては、シール寿命が低下することが懸念される。
この密封装置32では、膨出部100が狭窄部98及び先端部96から両者の軸方向中央部に向かって径方向外方に漸次膨出するように構成されている。このため、軸38がスラスト移動し負圧が生じてもサイドリップ部62は変形しにくい。この密封装置32では、接触面圧の増加によるシール寿命の低下が効果的に抑えられる。前述したように、この密封装置32では、締め代の大きさに関わらず、ディフレクター42に対するサイドリップ部62の先端部96の接触面圧を維持することができる。つまり、この密封装置32では、シール寿命が考慮されつつ、ディフレクター42に対する先端部96の接触面圧が、締め代の大きさに関わらず維持される。
この密封装置32では、狭窄部98の肉厚tvに対する膨出部100の肉厚tmの比(tm/tv)は、1.5以上が好ましく、3.5以下が好ましい。かかる構成により、厚肉の膨出部100が剛性に寄与するので、サイドリップ部62の先端部96における接触面圧が適正に確保される。軸38がスラスト移動し負圧が生じてもサイドリップ部62は変形しにくいため、接触面圧の増加によるシール寿命の低下が効果的に抑えられる。この密封装置32では、接触面圧を適正に維持しながら、締め代の変化に追従してサイドリップ部62が効果的に変形できる。
この密封装置32では、狭窄部98の肉厚tvに対する先端部96の肉厚tsの比(ts/tv)は、0.5以上が好ましく、2.0以下が好ましい。かかる構成により、締め代が変化しても、サイドリップ部62の先端部96とディフレクター42との接触状態が適切に維持される。この密封装置32では、接触面圧を適正に維持しながら、締め代の変化に追従してサイドリップ部62が効果的に変形できる。
図2において、両矢印L1は、肉厚tvを特定する内周面112上の位置から肉厚tmを特定する内周面112上の位置までの距離を表している。本発明においては、この距離L1は狭窄部98から膨出部100までの長さである。両矢印L2は、肉厚tmを特定する内周面112上の位置から内周面112の先端114、すなわち、サイドリップ部62の先端94までの距離を表している。本発明においては、この距離L2は膨出部100から先端部96までの長さである。
この密封装置32では、狭窄部98から膨出部100までの長さL1に対する膨出部100から先端部96までの長さL2の比(L2/L1)は0.6以上が好ましく、0.8以下が好ましい。これにより、接触面圧を適正に維持しながら、締め代の変化に追従してサイドリップ部62が効果的に変形できる。この密封装置32では、シール寿命が考慮されつつ、ディフレクター42に対する先端部96の接触面圧が、締め代の大きさに関わらず維持される。
前述したように、シール部材48は、合成ゴムを基材ゴムとする弾性部材からなる。この密封装置では、サイドリップ部の先端部における接触面圧を適正に確保しつつ、締め代の変化に追従して、このサイドリップ部が効果的に変形できる。
この密封装置32では、シール部材48のTR−10値は−40℃以下が好ましい。これにより、この密封装置32では、低温時においても、シール部材48は弾性体としての機能が維持される。サイドリップ部62の先端部96における接触面圧を適正に確保しつつ、締め代の変化に追従してこのサイドリップ部62は効果的に変形できる。しかもこのシール部材42を用いることにより、低温時における偏心が防止される。なお、このシール部材48のTR−10値は、JIS K6261−4に規定の低温弾性回復試験(TR試験)により得られる。
この密封装置32では、シール部材48の損失正接は0.15以上0.30以下が好ましい。これにより、スティックスリップによる鳴き音の発生が防止される。なお、このシール部材48の損失正接は、市販の粘弾性スペクトロメーター:(株式会社ユービーエム社製の商品名「RHEOGEL−E4000」)を用いて、JIS K6394の規定に準拠して測定される。この測定のための条件は、以下の通りである。
初期歪み:2%
歪み振幅:±0.1%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:30℃
この密封装置32では、シール部材48の引張強さは8MPa以上が好ましい。これにより、シール部材48は適度な強度を有する。この密封装置32では、スラスト移動によるサイドリップ部62の破損が防止される。なお、このシール部材48の引張強さは、市販の引張試験機:(株式会社島津製作所社製の商品名「AGS−1kNX」)を用いて、JIS K6251の規定に準拠して測定される。
図4には、サイドリップ部62の拡大した断面図が示される。この拡大した断面図の先端部96においては、サイドリップ部62の先端面116と内周面112とで構成される角Cは丸められている。この密封装置32では、丸められた角Cの形状は、円弧で表される。
この密封装置32では、先端部96の角Cが丸められることにより、この先端部96がディフレクター42の環状板部44をスムーズに移動できる。先端部96の環状板部44に対する滑りが促され、サイドリップ部62が環状板部44に対して突っ張ることが抑制されるので、サイドリップ部62が適正に変形する。この密封装置32では、サイドリップ部62の先端部96における接触面圧を適正に確保しつつ、締め代の変化に追従してこのサイドリップ部62が効果的に変形できる。
図4において、符号PTは丸められた角Cの先端面116側の端である。符号PUは、この丸められた角Cの内周面112側の端である。この内周面112側の端PUは、軸方向において、先端面116側の端PTよりも内側に位置する。符号PEは、この丸められた角Cの軸方向外端である。この外端PEは、サイドリップ部62の先端面116と内周面112とで構成される角Cが丸められた場合の、サイドリップ部62の先端94である。両矢印TUは、先端面116側の端PTから内周面112側の端PUまでの径方向距離である。両矢印EUは、軸方向外端PEから内周面112側の端PUまでの軸方向距離である。
この密封装置32では、サイドリップ部62の先端部96における接触面圧を適正に確保しつつ、締め代の変化に追従してこのサイドリップ部62が効果的に変形できる観点から、丸められた角Cの内周面112側の端PUから先端面116側の端PTまでの径方向距離TUは0.1mm以上1.0mm以下が好ましい。この丸められた角の軸方向外端PEから内周面112側の端PUまでの軸方向距離EUは、0.03mm以上1.0mm以下が好ましい。
図5には、密封装置32に用いられるシール本体40の保管状態が示される。このシール本体40の保管状態では、図5に示されるように複数のシール本体40が積重ねられる。サイドリップ部62の剛性が不足すると、このサイドリップ部62が自重により変形し、複数のシール本体40を積重ねて保管できない恐れがある。運搬中の揺れにより、サイドリップ部62の内周面112に付着させたグリースGが、別のシール本体40の主リップ部58の外周面70に付着する恐れもある。
前述したように、この密封装置32では、内周面112が径方向に対してなす角度θ3は鋭角Cであり、70°〜80°の範囲で設定される。この密封装置32では、角度θ3を70°以上に設定することにより、内周面112がサイドリップ部62の剛性向上に寄与する。サイドリップ部62が適度な剛性を有するので、このサイドリップ部62の先端部96における接触面圧が適正に確保される。さらにシール本体40を他のシール本体40に積み重ねる際の、サイドリップ部62の自重による変形が防止される。この角度θ3が80°以下に設定されることにより、内周面112の傾斜が適切に維持される。このため、サイドリップ部62の内周面112にグリースGを塗布したシール本体40を他のシール本体40と積み重ねて運搬しても、この運搬中の揺れにより、他のシール本体40の主リップ部58にこのグリースGが付着することが防止される。
以上の説明から明らかなように、本発明の密封装置32では、シール寿命を考慮しつつ、締め代の大きさに関わらず、ディフレクター42に対するサイドリップ部62の先端部96の接触面圧を維持することができる。この密封装置32では、シール寿命を確保しながら、良好な密封性が得られる。
図6には、本発明の第二の実施形態にかかる密封装置132の一部が示されている。この図6には、この密封装置132を構成するシール本体134の主リップ部136が示されている。この密封装置132では、主リップ部136以外は図1に示された密封装置32のシール本体40の構成と同等の構成を有している。このため、この図6において、図1の密封装置32の構成部材と同一の部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
主リップ部136は、本体部56の内周部68の径方向内側において密封空間A側へ延びている。主リップ部136の外周面138には、周溝140が形成されている。そして、この周溝140にはバネリング50が装着されている。
この密封装置132では、主リップ部136は軸38と摺接する。この主リップ部136は、軸38の外周面74に締め代を持って接触して密封空間内Aの密封流体が軸方向外方へ漏れるのを防止している。主リップ部136の断面形状は、径方向内方に向けて先細りである。この主リップ部136の先端142は最小径部であり、この主リップ部136の内周面144は、この先端142から密封空間A側に向けて拡径状となる第一傾斜面146と、この先端142から軸方向外方に向けて拡径状となる第二傾斜面148とを備えている。この第二傾斜面148は、軸38の外周面74に接触するシール面として機能する。
第一傾斜面146と第二傾斜面148とがなす角度(図6中の角度θ5)は、鈍角Cである。この角度θ5は、例えば、95°〜140°の範囲で設定することができる。
この密封装置132では、第二傾斜面148の軸方向外方側には、略軸方向に沿った円筒形状の円筒面150が設けられている。第二傾斜面148と円筒面150とがなす角度(図6中の角度θ6)は、鈍角Cである。この角度θ6は、例えば、130°〜170°の範囲で設定することができる。
この密封装置132では、円筒面150の軸方向外方には、凹溝152が設けられている。円筒面150に隣接する凹溝152の内側面154と円筒面150とがなす角度(図6中の角度θ7)は、鈍角Cである。この角度θ7は、例えば、100°〜170°の範囲で設定することができる。
図6(b)に拡大して示すように、この密封装置132では、円筒面150と凹溝152の内側面154とは、第二傾斜面148に垂直な方向に関してこの第二傾斜面148よりも径方向内側に突出する突部156を形成している。そして、この突部156は、第二傾斜面148の全面が軸38の外周面74に接触するのを規制する規制部を構成する。
図示されていないが、規制部が設けられていない主リップ部を有するシール本体では、第二傾斜面の全面が軸38に接触する恐れがある。このため、第二傾斜面全体の摩耗や発熱が大きくなる。これに対して、この密封装置132のシール本体134では、規制部により、軸38に対する主リップ部136の接触部位が分散し、主リップ部136の第二傾斜面148の全面が軸38に接触するのを抑制することができる。このため、主リップ部136の第二傾斜面148の摩耗や発熱を抑制することができる。
図示されていないが、この密封装置132のサイドリップ部は、図1に示された密封装置32のサイドリップ部62の構成と同等の構成を有している。このため、軸38がスラスト移動し負圧が生じてもサイドリップ部は変形しにくい。しかも前述したように、この密封装置132では、主リップ部136の第二傾斜面148の摩耗や発熱が抑制される。この密封装置132では、接触面圧の増加によるシール寿命の低下がより効果的に抑えられる。さらにこの密封装置132では、図1に示された密封装置32と同様、締め代の大きさに関わらず、ディフレクターに対するサイドリップ部の先端部の接触面圧を維持することができる。つまり、この密封装置132では、シール寿命が考慮されつつ、ディフレクターに対する先端部の接触面圧が、締め代の大きさに関わらず維持される。
以上説明された密封装置におけるサイドリップ部に関する技術は、シール寿命及び密封性の両立に貢献できる。この技術は、自動車のトランスファ、足回り等の、ディフレクターとシール本体とを組み合わせて構成される密封装置に適用できる。
2、32、132・・・密封装置
4、34・・・ハウジング
6、38・・・軸
8、40、134・・・シール本体
10、42・・・ディフレクター
12・・・リップ部
14、58、136・・・主リップ部
16、60・・・補助リップ部
18、62・・・サイドリップ部
20、44・・・環状板部
22・・・サイドリップ部18の先端
36・・・軸孔
46・・・芯金
48・・・シール部材
50・・・バネリング
52・・・円筒部
54・・・環状板部
56・・・本体部
64・・・外周部
66・・・側面部
68・・・内周部
70、138・・・主リップ部58の外周面
72、140・・・周溝
74・・・軸38の外周面
76、142・・・主リップ部58の先端
78、144・・・主リップ部58の内周面
80、146・・・第一傾斜面
82、148・・・第二傾斜面
84・・・補助リップ部60の内周面
86・・・第三傾斜面
88・・・第四傾斜面
90・・・補助リップ部60の先端
92、152・・・凹溝
94・・・サイドリップ部62の先端
96・・・先端部
98・・・狭窄部
100・・・膨出部
102・・・サイドリップ部62の外周面
104・・・第一外周面
106・・・第二外周面
108・・・外周面102の先端
110・・・第三外周面
112・・・サイドリップ部62の内周面
114・・・内周面112の先端
116・・・先端面
118・・・補助リップ部60の外周面
150・・・円筒面
154・・・凹溝152の内側面
156・・・突部

Claims (11)

  1. 互いに相対回転する軸とハウジングとの間に構成される環状の空間に装着され、当該軸と当該ハウジングとの間を封止する、密封装置であって、
    前記軸と前記ハウジングとの間に装着される環状のシール本体と、前記シール本体の軸方向外方において前記軸に装着される環状のディフレクターとを備えており、
    前記シール本体が、前記軸に摺接する主リップ部と、前記主リップ部側から軸方向外方に向けて径方向外方に傾斜しつつ延在し、先端部において前記ディフレクターと接触するサイドリップ部とを有しており、
    前記サイドリップ部が、その根元側に薄肉の狭窄部を有し、当該狭窄部及び前記先端部から両者の軸方向中央部に向かって径方向外方に漸次膨出する膨出部を有しており、
    前記膨出部の肉厚が、前記狭窄部の肉厚よりも厚く、前記先端部の肉厚よりも厚いことを特徴とする、密封装置。
  2. 前記狭窄部の肉厚に対する前記膨出部の肉厚の比が1.5以上3.5以下である、請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記狭窄部の肉厚に対する前記先端部の肉厚の比が0.5以上2.0以下である、請求項1又は2に記載の密封装置。
  4. 前記狭窄部から前記膨出部までの長さL1に対する当該膨出部から前記先端部までの長さL2の比(L2/L1)が0.6以上0.8以下である、請求項1から3のいずれかに記載の密封装置。
  5. 前記主リップ部が、当該主リップ部の最小径部である先端から軸方向外方に向けて拡径状となる傾斜面と、前記傾斜面の全面が前記軸に接触するのを規制する規制部とを備えている、請求項1から4のいずれかに記載の密封装置。
  6. 前記サイドリップ部が、その根元側から先端に向かって拡径状となる面で構成された内周面を備えており、
    前記内周面が径方向に対してなす角度が70°〜80°の範囲で設定される、請求項1から5のいずれかに記載の密封装置。
  7. 前記サイドリップ部が、前記内周面の先端から軸方向内方に向けて拡径状となる面で構成された先端面を備えており、
    前記内周面と前記先端面とで構成される角が丸められており、
    前記丸められた角の前記内周面側の端から前記先端面側の端までの径方向距離が0.1mm以上1.0mm以下であり、
    前記丸められた角の軸方向外端から前記内周面側の端までの軸方向距離が0.03mm以上1.0mm以下である、請求項6に記載の密封装置。
  8. 前記シール本体が、前記主リップ部及び前記サイドリップ部を有する、環状のシール部材を備えており、
    前記シール部材が弾性部材からなる、請求項1から7のいずれかに記載の密封装置。
  9. 前記シール部材のTR−10値が−40℃以下である、請求項8に記載の密封装置。
  10. 前記シール部材の損失正接が0.15以上0.30以下である、請求項8又は9に記載の密封装置。
  11. 前記シール部材の引張強さが8MPa以上である、請求項8から10のいずれかに記載の密封装置。
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