JP2019094232A - 石英ガラスルツボ及び石英ガラスルツボの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内層と外層の粘性差を特定の範囲とすることにより、直胴部の下部から湾曲部の領域における内表面に発生するしわ(凹凸)を抑制し、また内表面の発生する亀裂幅(クラックの幅)がより縮小する、石英ガラスルツボ及び石英ガラスルツボの製造方法の提供。【解決手段】高純度の石英ガラスからなる内層2と、天然石英ガラスからなる外層3を有するシリコン単結晶引上石英ガラスルツボ1であって、内層2と外層3の1400℃における粘性差が0.8×10-10(poise)以下である石英ガラスルツボ1。内層2のAl濃度が10ppm以上であり、外層3のAl濃度が7〜20ppmである石英ガラスルツボ1。内層2を形成する為の石英原料粉中にAl成分を添加せずに外層3を形成する為の石英原料粉中にAlを添加してAl濃度を調する、石英ガラスルツボの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は石英ガラスルツボ及び石英ガラスルツボの製造方法に関し、シリコン単結晶を引上げる際に用いられる、原料シリコン融液を収容するための石英ガラスルツボ及び石英ガラスルツボの製造方法に関する。
シリコン単結晶の製造においては、CZ法が広く用いられている。この方法は、ルツボ内に収容された原料シリコン融液の表面に種結晶を接触させ、ルツボを回転させるとともに、前記種結晶を反対方向に回転させながら上方へ引上げることにより、種結晶の下端に単結晶インゴットを育成していくものである。
上記方法において、シリコン融液を収容するためのルツボには、一般に、内層が高純度の石英ガラスからなり、外層が内層よりも純度が低く、安価な、天然石英ガラスからなる石英ガラスルツボが用いられている。
近年、シリコン単結晶製造の効率化のため、引上げるシリコン単結晶の大口径化が進み、これに伴い、シリコン単結晶の製造に要する時間も長くなり、ルツボの使用時間、すなわち、加熱時間も長くなり、ルツボは長時間にわたって高温下に曝される。そのため、ルツボを構成する石英ガラスの粘性が低下し、ルツボが変形を生じやすくなることが懸念される。
これに対しては、高温下でのルツボの変形抑制するために、石英原料粉にアルミニウム(Al)を添加することにより、石英ガラスの粘性を高めることが知られている。
例えば、特許文献1には、少なくともルツボの外周部分にアルミニウム濃度5〜45ppmおよびリチウム濃度がアルミニウム濃度の2%以上の石英粉を用いて製造されたルツボであって、1500℃での粘度が9.6×109ポイズ以上であるルツボが示されている。
特開2006−16240号公報
ところで、石英原料粉にアルミニウム(Al)を添加することにより、石英ガラスの粘性を高めたルツボにおいて、石英ガラスルツボの内表面に多数のしわが発生するという現象が見られた。
このしわの発生について、図1に基づいて具体的に説明する。
図1に示すように、石英ガラスルツボ1は、高純度の石英ガラスからなる内層2と、石英原料粉にアルミニウム(Al)を添加し、粘性を高めた天然石英ガラスからなる外層3を備え、開口端部から直胴部4、湾曲部5、底部6が形成され、全体形状として有底円筒状に形成されている。
そして、この石英ガラスルツボ1が長時間にわたって高温下に曝されると、図1に示すように、直胴部4の下部から湾曲部5の領域における石英ガラスルツボ1の内表面に、多数のしわ(凹凸)が発生する。
本発明者は、石英ガラスルツボの直胴部の下部から湾曲部の領域における石英ガラスルツボの内表面に発生するしわの抑制について鋭意研究した。
その結果、石英ガラスルツボの外層の石英原料粉にアルミニウム(Al)を添加し石英ガラスの粘性を高めたとしても、内層と外層の粘性の差が大きい場合には、粘性の小さい内層の沈み込み(図1における矢方向への移動)が大きくなり、直胴部の下部から湾曲部の領域において多数のしわ(凹凸)が発生することを知見した。
また、このしわの発生により結晶化した内表面では亀裂幅(クラックの幅:クラックの長さ方向(長手方向)ではなく、幅方向(短手方向)の幅)が大きくなりやすく、シリコン融液と石英ガラス内表面との反応により発生したガスが溜りやすくなる。溜まったガスが離脱し、シリコン融液内に移動して固液界面に到達し、シリコン単結晶内に取り込まれ、エアポケットとなることを知見した。
本発明は上記技術的課題を解決するためになされたものであり、内層と外層の粘性差を特定の範囲とすることにより、直胴部の下部から湾曲部の領域における内表面に発生するしわ(凹凸)を抑制し、また内表面の発生する亀裂幅(クラックの幅)がより縮小する、石英ガラスルツボ及び石英ガラスルツボの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明に係る石英ガラスルツボは、高純度の石英ガラスからなる内層と、石英原料粉にアルミニウム(Al)を添加し、粘性を高めた天然石英ガラスからなる外層を有するシリコン単結晶引上石英ガラスルツボであって、前記内層と前記外層の1400℃における粘性差が0.8×10-10(poise)以下であることを特徴としている。
このように、前記内層と前記外層の1400℃における粘性差が0.8×10-10(poise)以下であるため、シリコン単結晶引上げの際に、内層の沈み込み(内層の下方への移動)が抑制され、ルツボの直胴部下部の内表面から湾曲部の内表面に発生するしわ(凹凸)を抑制することができる。
また、前記しわ(凹凸)の発生によって生じる亀裂(クラック)も抑制でき、またその幅をより小さくできる。
このように、シリコン融液と石英ガラス内表面との反応により発生したガスの溜りとなる亀裂(クラック)が抑制され、その結果、シリコン単結晶内のエアポケットも抑制される。
ここで、前記内層のAl濃度が10ppm以下であり、かつ、前記外層のAl濃度が7ppm以上20ppm以下であることが望ましい。
前記内層は、シリコン融液中への不純物の拡散を抑制するため、高純度の石英ガラスで形成される。そのため、Al濃度は10ppm以下である必要がある。
また、前記内層と前記外層の1400℃における粘性差が0.8×10-10(poise)以下になすためには、前記外層のAl濃度が7ppm以上20ppm以下である必要がある。
外層のAl濃度が7ppm未満の場合には、高温下でのルツボの変形抑制できないため、好ましくない。一方、外層のAl濃度が20ppmを超える場合には、前記内層と前記外層の1400℃における粘性差を0.8×10-10(poise)以下にできず、直胴部の下部から湾曲部の内表面領域において多数のしわ(凹凸)が発生するため、好ましくない。
上記目的を達成するためになされた本発明に係る石英ガラスルツボの製造方法は、高純度の石英ガラスからなる内層と、天然石英ガラスからなる外層を有するシリコン単結晶引上用石英ガラスルツボの製造方法であって、前記内層を形成するための石英原料粉中にAl成分を添加することなく、かつ前記外層を形成するための石英原料粉中にAl成分を添加し、前記内層のAl濃度が10ppm以下であり、かつ、前記外層のAl濃度が7ppm以上20ppm以下に調整されることを特徴としている。
このように、前記外層を形成する石英原料粉中にAl成分を所定量添加することにより、直胴部の下部から湾曲部の内表面領域におけるしわの発生を抑制できる石英ガラスを容易に製造することができる。
本発明によれば、内層と外層の粘性差を特定の範囲とすることにより、直胴部の下部から湾曲部の領域における内表面に発生するしわ(凹凸)を抑制し、また内表面の発生する亀裂幅(クラックの幅)がより縮小する、石英ガラスルツボ及び石英ガラスルツボの製造方法を得ることができる。
図1は、石英ガラスルツボの直胴部下部から湾曲部の領域の内表面に発生するしわを説明するための概略図である。 図2は、使用した石英ルツボに生じたクラックを示す図である。
以下、本発明にかかる石英ガラスルツボ及び石英ガラスルツボの製造方法の一実施形態を説明する。
本発明にかかる石英ガラスルツボは、高純度の石英ガラスからなる内層と、天然石英ガラスからなる外層を有するシリコン単結晶引上用の石英ガラスルツボであって、前記内層と前記外層の1400℃における粘性差が0.8×10-10(poise)以下であることを特徴としている。
この石英ガラスルツボは、図1に示した石英ガラスルツボと同様の形状に形成されている。即ち、高純度石英原料粉で形成される高純度の石英ガラスからなる内層と、アルミニウム(Al)を添加した石英原料粉で形成された、粘性を高めた天然石英ガラスからなる外層とを備え、全体形状として有底円筒状に形成され、開口端部から直胴部、湾曲部、底部が形成されている。
前記内層は高純度石英原料粉によって形成され、前記内層のAl濃度が10ppm以下、また他の不純物、例えば、Na,K,Liの濃度が1ppm未満となる高純度石英原料が用いられる。
Alは石英原料に比較的多く含まれている元素である、一方、Na、Kは粘性が低下し、ルツボが変形を生じやすくなるため、濃度が低いことが好ましい。また、前記高純度石英原料粉に含まれる不純物のうち、特に、Al,Na,K又はLiが石英ガラス中で拡散しやすく、ブラウンモールドの生成、さらに、ルツボ内表面の荒れや剥離に大きな影響を及ぼす。このため、これらの不純物をほとんど含まないことが好ましい。
即ち、内層のAl濃度が10ppm以下、また他の不純物、例えば、Na,K,Liの濃度が1ppm未満であることが好ましい。
また、前記内層は、前記高純度石英原料粉を溶融することによって形成され、気泡を含まない透明石英ガラスとして形成される。
前記高純度石英原料粉は、合成石英粉末でも、天然石英粉末を合成石英粉末と同等レベルまで高純度化したものであってもよい。合成石英粉末としては、例えば、シリコンアルコキシドの加水分解等により合成されたものを用いることができ、また、天然石英粉末としては、例えば、水晶等の天然石英原料を用いることができる。
前記外層は、アルミニウム(Al)が添加された天然石英原料粉末によって形成される。前記外層を、合成石英粉末によって形成しても良いが、コストの面から天然石英原料粉末を用いるのが好ましい。
前記アルミニウム(Al)は、外層のAl濃度が7ppm以上20ppm以下となるように天然石英原料粉末に添加される。
また、前記外層は天然石英原料粉を溶融することによって形成され、多数の閉気孔(気泡)を含む石英ガラスとして形成される。また、天然石英粉末としては、例えば、水晶等の天然石英原料を用いることができる。
前記天然石英原料粉への前記アルミニウム(Al)の添加量が少なく、外層のAl濃度が7ppm未満の場合には、高温下でのルツボの変形抑制できないため、好ましくない。
一方、前記天然石英原料粉への前記アルミニウム(Al)の添加量が多く、外層のAl濃度が20ppmを超える場合には、前記内層と前記外層の1400℃における粘性差を0.8×10-10(poise)以下にできず、直胴部の下部から湾曲部の内面領域において多数のしわ(凹凸)が発生するため、好ましくない。
ところで、内層と前記外層の1400℃における粘性差を0.8×10-10(poise)を超える場合には、既に述べたように、石英ガラスルツボが長時間にわたって高温下に曝されると、石英ガラスルツボの内表面における、直胴部の下部から湾曲部の内表面の領域において多数のしわ(凹凸)が発生する。
その理由は、内層と外層の粘性差が大きい場合には、図1の矢印Xに示すように、外層に対して内層が僅かに下方へ移動する(沈み込み)。一方、外層は粘性が高いために(結晶化するために)、下方へ移動はない(沈み込みはない)。その結果、内層と外層の移動量(沈み込み量)に差が生じ、更に湾曲部、底面部のおける内層の沈み込み量が直胴部に比べて小さいために、直胴部の下部から湾曲部の内表面の領域において多数のしわ(凹凸)が発生するものと推察される。特に、ルツボ内表面(内層表面)に結晶化促進剤が添加されている場合は、よりしわが生じやすくなる。
また、 内層及び外層を含む石英ガラスルツボ全体の厚さは、ルツボの強度や重量等を考慮して、5〜30mm程度であることが好ましい。通常は15mm程度とする。
また、外層の厚さは、特に限定されるものではないが、同様の観点から、3〜28mm程度であることが好ましい。
また、内層の厚さは、特に限定されるものではないが、同様の観点から、2mm程度であることが好ましい。
本発明に係る石英ガラスルツボは、従来の製造方法を用いて製造することができる。一般的には、回転モールド法及びアーク溶融法により製造される。
以下に、具体的な製造方法の一例を説明するが、本発明に係る石英ガラスルツボの製造方法は、これに限定されるものではない。
まず、内層を形成する高純度石英原料粉の不純物濃度を測定し、Al,Na,K,Liの濃度が10ppm未満となる高純度石英原料を選択する。尚、前記したように、内層のAl濃度が10ppm以下、また他の不純物、例えば、Na,K,Liの濃度が1ppm未満であることが好ましい。
このような高純度石英原料粉を用いることにより、内層におけるAl濃度を10ppm以下になすことができる。また他の不純物、例えば、Na,K,Liの濃度を1ppm未満となすことができる。
次に、外層を形成する天然石英原料粉のAl濃度を測定し、外層のAl濃度が7ppm以上20ppm以下となるように天然石英原料粉末にアルミニウム(Al)を所定量添加する。
前記Al成分は、硝酸アルミニウム九水和物(Al(NO3)3・9H2O)の水溶液として、天然石英原料粉にそれぞれ添加されることが好ましい。
各水溶液は天然石英原料粉の量に応じて、できるだけ均一に添加することができるように適宜濃度調整し、天然石英原料粉に均一に添加した後、これを乾燥して、再度粉末化して使用することが好ましい。
このような硝酸塩の水溶液の添加によれば、Alの濃度調整を均一かつ容易に行うことができる。また、過剰の水分及び硝酸分は、乾燥、加熱により容易に除去することができ、取扱い容易である。
そして、ルツボの中心軸周りに回転するルツボ成形用型内に、外層を形成するためのアルミニウム(Al)が所定量添加された天然石英原料粉を供給し、遠心力及び機械的押圧によって、外層を成形する。
次いで、前記ルツボ成形用型内の外層の成形体の内表面全体に高純度石英原料粉を供給し、遠心力及び機械的押圧によって、前記外層の成形体の内側に内層を成形する。
そして、上記のようにして得られた2層構造のルツボ成形体を、アーク溶融法により全体をガラス化することにより、外層が気泡を含む天然石英ガラスであり、内層が気泡を含まない高純度の石英ガラスにより構成された石英ガラスルツボを製造する。
(実施例1)
内層を形成する高純度石英原料粉として、Al,Na,K,Liの濃度が1ppm未満の合成石英原料粉ものを用い、また外層を形成する石英原料粉として、Al濃度が12ppm(Al添加量6ppm)の天然石英原料粉末を用いた。
そして、これら高純度石英原料粉、石英原料粉を用いて、一般的な回転モールド法によりシリコン単結晶引上用の石英ガラスルツボを製造した。
得られたルツボを用いて、石英ルツボ内にドーパント剤やシリコン原料を充填して、減圧・不活性雰囲気の状態で原料を溶融し、その後、融液温度を制御しながら、所望のシリコン単結晶を引き上げる。そして、得られたシリコンインゴットを約1mm厚にスライスした際に確認できたエアポケット個数から、単位体積当たりのエアポケット発生個数を算出した。
尚、エアポケットは、シリコンインゴットを約1mm厚にスライスし、ウェーハを作成し、次にウェーハの裏面から赤外光を照射し,透過光を表面側のカメラで撮像、画像処理(2値化および形状判定)することによって、エアポケットを測定した。
内層、外層の粘性差を、ビームベンディング法にて測定した。
まず、未使用の石英ガラスルツボを4×4×40mmに切断、加工し、鏡面研磨し、内層サンプル及び外層サンプルを製作する。そして、測定は、各サンプルに1400℃で10分間、荷重をかけ変位量を測定して粘性値を算出した。そして、内層サンプル及び外層サンプルの粘性値から粘性差を求めた。
また、しわ発生部の表面粗さを測定した。
このしわ発生部の表面粗さは、使用した石英ルツボからしわ発生部分を切り出し、サンプルとした。このしわ発生部の表面粗さについては、表面粗さ計にて基準長さと評価長さを設定し、サンプルの表面をなぞり、触針の上下運動を電気的に検出する方法で測定した。
更に、使用した石英ルツボに生じたクラックの幅を測定した。
クラックの表面幅は、マイクロスコープにてサンプル表面部分を拡大してクラック部分の幅を計測する方法で測定した。その結果を表1に示す。
尚、図2に示すように、クラックXの幅は、図2に示すように、クラックの長さ方向(長手方向)ではなく、幅方向(短手方向)の幅tを測定した。
尚、表1における表面粗さ比はしわの凹凸比、表面幅比はクラックの隙間(幅)の比率、AP(エアポケット)発生比はエアポケット密度の比率を示し、比較例1を1とした場合の比で示している。
(実施例2)
内層を形成する高純度石英原料粉として、Al,Na,K,Liの濃度が10ppm未満の天然石英原料粉末を用い、また外層を形成する石英原料粉として、Al濃度が8.5ppm(Al添加量2.5ppm)の天然石英原料粉末を用いた。そして、これら高純度石英原料粉、石英原料粉を用いて、一般的な回転モールド法によりシリコン単結晶引上用の石英ガラスルツボを製造した。
そして、実施例1と同様に、粘性値、単位体積当たりのエアポケット発生個数、内層、外層の粘性、しわ発生部の表面粗さ、クラックの表面幅を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例3)
内層を形成する高純度石英原料粉として、Al,Na,K,Liの濃度が1ppm未満の合成石英原料粉末を用い、また外層を形成する石英原料粉として、Al濃度が10ppm(Al添加量4ppm)、Na濃度が約0.6ppm、K濃度が約0.3ppm、Li濃度が約0.1ppmでアルカリ総量が1ppmの天然石英原料粉末を用いた。
そして、これら高純度石英原料粉、石英原料粉を用いて、一般的な回転モールド法によりシリコン単結晶引上用の石英ガラスルツボを製造した。
そして、実施例1と同様に、粘性値、単位体積当たりのエアポケット発生個数、内層、外層の粘性、しわ発生部の表面粗さ、クラックの表面幅を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
内層を形成する高純度石英原料粉として、Al,Na,K,Liの濃度が1ppm未満の合成石英原料粉末を用い、また外層を形成する石英原料粉として、Na濃度が約2ppm、K,Liの各濃度が約1ppmでアルカリ総量が4ppm、Alを添加しない天然石英原料粉末を用いた。この天然石英原料のAl濃度は、6ppmであった。
そして、これら高純度石英原料粉、石英原料粉を用いて、一般的な回転モールド法によりシリコン単結晶引上用の石英ガラスルツボを製造した。
そして、実施例1と同様に、粘性値、単位体積当たりのエアポケット発生個数、内層、外層の粘性、しわ発生部の表面粗さ、クラックの表面幅を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
内層を形成する高純度石英原料粉として、Al,Na,K,Liの濃度が1ppm未満の合成石英原料粉末を用い、また外層を形成する石英原料粉として、Al添加量が15ppmの天然石英原料粉末を用いた。このときの天然石英原料のAl濃度は、21ppmであった。
そして、これら高純度石英原料粉、石英原料粉を用いて、一般的な回転モールド法によりシリコン単結晶引上用の石英ガラスルツボを製造した。
そして、実施例1と同様に、粘性値、単位体積当たりのエアポケット発生個数、内層、外層の粘性、しわ発生部の表面粗さ、クラックの表面幅を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1乃至3に示すように、内層と外層との粘性差を小さくすることで、シリコン単結晶引上時の石英ガラスルツボの沈み込み量を小さくすることができ、内表面のしわが発生しにくくなり、エアポケットの発生を低減することができることを確認した。
1 石英ガラスルツボ
2 内層
3 外層
4 直胴部
5 湾曲部
6 底部
X 内層の移動方向(沈み込み方向)

Claims (3)

  1. 高純度の石英ガラスからなる内層と、石英原料粉にアルミニウム(Al)を添加し、粘性を高めた天然石英ガラスからなる外層を有するシリコン単結晶引上石英ガラスルツボであって、前記内層と前記外層の1400℃における粘性差が0.8×10-10(poise)以下であることを特徴とする石英ガラスルツボ。
  2. 前記内層のAl濃度が10ppm以下であり、かつ、前記外層のAl濃度が7ppm以上20ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の石英ガラスルツボ。
  3. 高純度の石英ガラスからなる内層と、天然石英ガラスからなる外層を有するシリコン単結晶引上用の石英ガラスルツボの製造方法であって、
    前記内層を形成するための石英原料粉中にAl成分を添加することなく、かつ前記外層を形成するための石英原料粉中にAl成分を添加し、
    前記内層のAl濃度が10ppm以下であり、かつ、前記外層のAl濃度が7ppm以上20ppm以下に調整されることを特徴とする石英ガラスルツボの製造方法。
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