以下、飲料案内管付き交換部品、飲料案内管付き交換部品とディスペンスヘッドとの組み合わせ、飲料案内管付き交換部品と注出コック部との組み合わせ、および、交換部品の取付方法に関して、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材、部位については、同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材、部位について、繰り返しの説明は省略される。
(方向および用語の定義)
本明細書において、飲料案内管10の基端部11から先端部12に向かう方向を「第1方向」と定義する。換言すれば、第1方向は、飲料案内管10における飲料の流れ方向と一致する。また、本明細書において、飲料案内管10の先端部12から基端部11に向かう方向を「第2方向」と定義する。
本明細書において、「プランジャ部材の下端部」とは、プランジャ部材の端部のうち、第1弁体72に近い側の端部(あるいは、第1弁体72に近い側に配置されることとなる端部)を意味する。また、「プランジャ部材の上端部」とは、プランジャ部材の端部のうち、第1弁体72から遠い側の端部(あるいは、第1弁体72から遠い側に配置されることとなる端部)を意味する。
本明細書では、「プランジャ部材の下端部」から「プランジャ部材の上端部」に向かう方向を「上方向」または「上方」と定義し、「プランジャ部材の上端部」から「プランジャ部材の下端部」に向かう方向を「下方向」または「下方」と定義する。よって、本明細書では、プランジャ部材21の実際の姿勢等に関係なく、「プランジャ部材の下端部」から「プランジャ部材の上端部」に向かう方向が「上方向」または「上方」である。
(第1の実施形態:飲料案内管付き交換部品)
図1乃至図3を参照して、第1の実施形態における飲料案内管付き交換部品1について説明する。図1は、第1の実施形態における飲料案内管付き交換部品1Aを模式的に示す概略断面図である。図2は、第1の実施形態における飲料案内管付き交換部品1Aを、ディスペンスヘッド2および注出コック部4に装着した状態を模式的に示す概略断面図である。図3は、図1におけるA−A矢視断面図である。
第1の実施形態における飲料案内管付き交換部品1は、飲料容器に装着されるディスペンスヘッドと、飲料を注出する注出コック部との間に配置される交換部品である。交換部品1は、飲料案内管10を含む。
飲料案内管10は、ディスペンスヘッド2に挿入される基端部11と、注出コック部4に取り付けられる先端部12と、湾曲可能な可撓部13とを備える。
図2から把握されるように、基端部11は、ディスペンスヘッド2のプランジャ部材21内に配置される第1部分11dと、プランジャ部材21の下端部210から露出する第2部分11eとを備える。なお、図1および図2に記載の例では、基端部11のうちの肩部11gよりも第1方向側の部分が第1部分11dであり、基端部11のうちの肩部11gよりも第2方向側の部分が第2部分11eである。
第1の実施形態における飲料案内管付き交換部品1は、構造がシンプルである。また、第1の実施形態における飲料案内管付き交換部品1をディスペンスヘッド2および注出コック部4に取り付ける作業、および、飲料案内管付き交換部品1をディスペンスヘッド2および注出コック部4から取り外す作業は、容易に実行可能である。
交換部品1をディスペンスヘッド2に取り付けるには、例えば、交換部品1の基端部11をディスペンスヘッド2のプランジャ部材21に挿入すればよい。また、交換部品1を注出コック部4に取り付けるには、交換部品1の先端部12を注出コック部4に挿入すればよい。
また、交換部品1をディスペンスヘッド2から取り外すには、例えば、交換部品1の基端部11をディスペンスヘッド2のプランジャ部材21から引き抜けばよい。また、交換部品1を注出コック部4から取り外すには、交換部品1の先端部12を注出コック部4から引き抜けばよい。
第1の実施形態において、第2部分11eは、プランジャ部材21の下端部210に接触可能な肩部11gを備えていてもよい。図1に記載の例では、第2部分11eの外径が第1部分11dの外径よりも大きく、第2部分11eと第1部分11dとの間の境界が、肩部11gを構成している。
第2部分11eが肩部11gを備える場合、飲料案内管10の基端部11を、プランジャ部材21の下端部210から上端部211に向けて挿入するとき、肩部11gと下端部210との接触により、第2部分11eがプランジャ部材21内に引き込まれない。よって、プランジャ部材21の下端部210からの第2部分11eの露出状態が確実に維持される。
(基端部11、先端部12、可撓部13)
図1乃至図3を参照して、基端部11、先端部12、可撓部13についてより詳細に説明する。
図1および図2に記載の例では、基端部11は、飲料流路11aと、第1開口端11bとを備えた管状体である。基端部11は、プランジャ部材21内に配置される第1部分11dと、プランジャ部材21の下端部210から露出する第2部分11eとを備える。基端部11は、プランジャ部材21の上端部211から露出する第3部分11fを備えていてもよい。
第1部分11dは、プランジャ部材21の長手方向に沿って延在する管状体である。第1部分11dは、例えば、硬質樹脂等の硬質材料によって構成される。この場合、第1部分11dの硬度は、可撓部13の硬度よりも高い。第1部分11dの材質は、例えば、硬質ポリプロピレン、ポリアセタール(別名:ポリオキシメチレン(POM))等である。
第1部分11dが硬質材料によって構成される場合、プランジャ部材21の上端部211からの飲料案内管10の突出方向が安定する。そして、飲料案内管10が、後述のプランジャ操作部22と干渉するリスクが低減される。なお、飲料案内管10の突出方向の安定化の観点から、第3部分11fも第1部分11dと同様に、硬質樹脂等の硬質材料によって構成されてもよい。
第1部分11dの剛性は、第1部分11dの形状(直線状形状)が維持できるように設定されていることが好ましい。換言すれば、第1部分11dは、実質的に非可撓部であることが好ましい。図1および図3に記載の例では、第1部分11dの外側面には、第1部分11dの剛性を強化するリブ111が設けられている。
なお、第1の実施形態は、第1部分11dを硬質材料によって構成する例に限定されない。換言すれば、第1部分11dは、可撓部13と同様に可撓性を有していてもよい。あるいは、第1部分11dの第1方向側部分が非硬質材料によって構成され、第1部分11dの第2方向側部分が硬質材料によって構成されていてもよい。
第1部分11dの最大外径は、プランジャ部材21の内径と略同一であることが好ましい。この場合、飲料案内管10の自重によって、第1部分11dが、プランジャ部材21から脱落することがない。ただし、第1の実施形態は、そのような例(飲料案内管10の自重によって、第1部分11dが、プランジャ部材21から脱落しない例)に限定されない。
図1に記載の例では、第1部分11dの下端部の外側面は、下方に向かうにつれて径が拡大するテーパ形状を有する。当該テーパ形状により、第1部分11dをプランジャ部材21内に挿入する作業が容易となる。また、当該テーパ形状によって、プランジャ部材21の中心軸に対する第1部分11dの中心軸の位置決めが自動的に行われる。
第2部分11eは、プランジャ部材21の下端部210から露出する部分である。図1および図2に記載の例では、第2部分11eの上端面は、プランジャ部材21の下端面210cと接触する肩部11gを構成している。なお、第2部分11eの下端面は、後述の第1弁体72を押圧する押圧面として機能する。
図1および図2に記載の例では、第2部分11eの外周面に、環状の第1シール部材S1(例えば、Oリング)が配置されている。当該第1シール部材S1は、後述されるように、第2部分11eと飲料容器の口金部との間をシールする。
第2部分11eは、例えば、硬質樹脂等の硬質材料によって構成される。この場合、第2部分11eの硬度は、可撓部13の硬度よりも高い。第2部分11eの材質は、例えば、硬質ポリプロピレン、ポリアセタール(別名:ポリオキシメチレン(POM))等である。
第2部分11eが硬質材料によって構成される場合、飲料容器の口金部への第2部分11eの挿入が容易となる。また、第2部分11eが硬質材料によって構成される場合には、第2部分11eが変形しないか、あるいは、第2部分11eの変形が最小限に留まる。よって、第2部分11eから第1シール部材S1が脱落しにくい。
第2部分11eの側面には、飲料の通過を許容する開口または切欠112が設けられていてもよい。
第2部分11eと第1部分11dとは、一体成形により形成されてもよいし、第2部分11eと第1部分11dと第3部分11fとは、一体成形により形成されてもよい。
次に、先端部12について説明する。
図1に記載の例では、先端部12は、飲料流路12aと、第2開口端12bとを備えた管状体である。先端部12は、例えば、硬質樹脂等の硬質材料によって構成される。この場合、先端部12の硬度は、可撓部13の硬度よりも高い。先端部12の材質は、例えば、硬質ポリプロピレン、ポリアセタール(別名:ポリオキシメチレン(POM))等である。先端部12の剛性は、先端部12の形状(直線状形状)が維持できるように設定されていることが好ましい。
図2に記載の例では、先端部12は、注出コック部4に設けられた第1係合部41と係合する第2係合部122を備える。第1係合部41と第2係合部122との係合により、先端部12の長手方向に沿う方向における位置決めが行われる。また、第1係合部41と第2係合部122との係合により、飲料案内管10と注出コック部4との間のガタ付きが抑制される。
図2に記載の例では、先端部12の基端に第2係合部122が設けられている。また、第2係合部122は、鍔状の係合部である。しかし、第2係合部122の形状および配置は、図2に記載の例に限定されない。また、第2係合部122の個数も任意である。
続いて、可撓部13について説明する。
図1に記載の例では、可撓部13は、飲料流路13aを備えた管状体である。可撓部13は、基端部11と先端部12との間に配置されている。可撓部13は、軟質材料、例えば、可撓性を有する樹脂等によって構成される。可撓部13の材質は、例えば、ポリエチレン、軟質ポリプロピレン等である。なお、可撓部13と基端部11との間の接合は、例えば、溶着による接合、または、基端部11を可撓部13に圧入することによる圧入接合等である。同様に、可撓部13と先端部12との間の接合は、例えば、溶着による接合、または、先端部12を可撓部13に圧入することによる圧入接合等である。
飲料案内管10が可撓部13を備える場合、ディスペンスヘッド2および注出コック部4の配置の自由度が向上する。また、飲料案内管10が可撓部13を備える場合、交換部品1の交換中に、可撓部13を変形させることができるため、交換部品1の交換作業を行い易い。
なお、図1に記載の例では、基端部11と先端部12との間に配置される中間部分の全体が可撓部13である。代替的に、基端部11と先端部12との間に配置される中間部分の一部が可撓性を有する可撓部13であってもよい。
(任意付加的な構成例)
図1乃至図4を参照して、第1の実施形態において採用可能な任意付加的な構成例について説明する。図4は、第1の実施形態の変形例における飲料案内管付き交換部品1Bを示す概略断面図である。
(構成例1)
構成例1は、飲料案内管10の硬質部Bに関する構成例である。
図2に示されるように、硬質部Bは、泡立て用の超音波振動子42に接触配置される部分である。硬質部Bは、硬質樹脂等の硬質材料によって構成される。このため、硬質部Bの硬度は、可撓部13の硬度よりも高い。硬質部Bの材質は、例えば、硬質ポリプロピレン、ポリアセタール(別名:ポリオキシメチレン(POM))等である。
飲料案内管10内を流れる飲料が、炭酸飲料(例えば、ビール等の発泡酒)である場合を想定する。この場合、炭酸飲料が飲料案内管10内を流れているときに、硬質部Bには、超音波振動子42の振動が伝達される。硬質部Bが振動すると、硬質部Bに隣接した飲料流路Ba内の炭酸飲料から炭酸が放出され飲料が泡立つ。こうして、先端部12の第2開口端12bから泡を注出することが可能となる。
なお、図2に記載の例では、硬質材料によって構成された先端部12の一部が超音波振動子42に接触配置される硬質部Bとして機能している。先端部12と、超音波振動子42に接触配置される硬質部Bとは一体成形により形成されることが好ましい。
なお、超音波振動子42に接触配置される硬質部Bは、先端部12の他の部分よりも肉厚であってもよい。
図2に記載の例では、超音波振動子42に隣接する飲料流路Baを囲む環状壁の全体(すなわち、飲料流路Baの長手方向に垂直な断面における環状壁の全体)が硬質である。このため、硬質部Bにおける振動が、当該環状壁の全体に伝達される。よって、飲料流路Baにおける泡の発生効率が高い。
硬質部Bと超音波振動子42との間の接触は面接触であることが好ましい。よって、超音波振動子42の振動付与面が湾曲面である場合には、硬質部Bの外表面(超音波振動子42と接触する面)は、超音波振動子42の振動付与面の形状と相補的な湾曲面であることが好ましい。他方、超音波振動子42の振動付与面が平面である場合には、硬質部Bの外表面(超音波振動子42と接触する面)は、超音波振動子42の振動付与面の形状と相補的な形状(すなわち、平面)であることが好ましい。
図2に記載の例では、硬質部Bが注出コック部4に配置されている。代替的に、硬質部Bは、飲料案内管10の中間部分(基端部11と先端部12との間の部分)に配置されてもよい。
(構成例2)
構成例2は、飲料案内管10の可撓部13に関する構成例である。図2に記載の例において、飲料案内管10の可撓部13は、注出コック部4に配置される押圧部材44により押し潰し可能である。換言すれば、可撓部13の飲料流路13aは、押圧部材44により閉鎖可能である。可撓部13は、押圧部材44による押圧が解除されると、弾性により元の形状に戻る。換言すれば、可撓部13の飲料流路13aは、押圧部材44による押圧が解除されると、閉鎖状態が解除される。
構成例2では、可撓部13を押圧することにより飲料流路13aを閉鎖可能であり、可撓部13の押圧を解除することにより飲料流路13aを開放可能である。この場合、飲料流路13aの閉鎖と開放の切り換えを行うために、交換部品1に、別途バルブ部材を設ける必要がない。第1の実施形態において、交換部品1に、バルブ部材を設けることは排除されないが、この場合、交換部品1の製造コストの増加が避けられない。
図2に記載の例では、押圧部材44によって押圧される可撓部13の位置Pは、硬質部Bが設けられる位置よりも、第2方向側である。また、超音波振動子42に接触する硬質部Bと、押圧部材44によって押圧される可撓部13の位置Pとの間の距離Lは、例えば、0.5cm以上10cm以下、あるいは、1cm以上5cm以下である。
(構成例3)
図4を参照して構成例3について説明する。構成例3は、飲料案内管10の構造に関する構成例である。
構成例3(図4に記載の例)では、飲料案内管10は、第1案内管101と、第2案内管102とを備える。また、(A)第1案内管101と第2案内管102とは互いに連結可能であるか、(B)第1案内管101と前記第2案内管102とは互いに分離可能であるか、または、(C)第1案内管101と第2案内管102とは互いに連結可能、かつ、互いに分離可能である。
構成例3では、飲料案内管10が複数の案内管に分離されているため(あるいは、飲料案内管10が複数の案内管に分離可能であるため)、飲料案内管付き交換部品1Bをディスペンスヘッド2および注出コック部4に取り付ける作業、および/または、飲料案内管付き交換部品1Bをディスペンスヘッド2および注出コック部4から取り外す作業が容易である。
構成例3についてより具体的に説明する。
図4に記載の例では、第1案内管101の第1端部(第1方向側の端部)には、第1係合部101bが設けられ、第2案内管102の第2端部(第2方向側の端部)には、第2係合部102bが設けられている。
図4に記載の例では、第1係合部101bと第2係合部102bとが互いに分離された状態で、第1案内管101の基端部11がディスペンスヘッド2のプランジャ部材21に挿入される。第1案内管101の長さは、飲料案内管10全体の長さよりも短いため、第1案内管101をプランジャ部材21の下端部210から上端部211に向けて挿入する作業が容易である。
同様に、図4に記載の例では、第1係合部101bと第2係合部102bとが互いに分離された状態で、第2案内管102の先端部12が注出コック部4に取り付けられる。第2案内管102の長さは、飲料案内管10全体の長さよりも短いため、第2案内管102を注出コック部4に取り付ける作業は容易である。
第1係合部101bと第2係合部102bとは、第1案内管101がディスペンスヘッド2に挿入され、かつ、第2案内管102が注出コック部4に取り付けられた後、互いに連結される。
代替的に、あるいは、付加的に、係合状態の第1係合部101bと第2係合部102bとは、互いに分離可能であってもよい。この場合、飲料案内管10をディスペンスヘッド2および注出コック部4から取り外す作業が容易である。
飲料案内管10の取り外しに際しては、第1に、第1係合部101bと第2係合部102bとが互いに分離される。第1係合部101bと第2係合部102bとを分離するに際しては、第2係合部102bに設けられた操作部103(例えば、摘み部)を操作して、第2係合部102bの係合片104(例えば、弾性脚部)を第1係合部101bから離脱させればよい。なお、図4に記載の例では、第1係合部101bと第2係合部102bとの間の係合を解除する操作部103が、第2係合部102bに設けられているが、当該操作部103は、第1係合部101bに設けられていてもよい。第1係合部101bと第2係合部102bとが互いに分離された後、第1案内管101が、ディスペンスヘッド2から取り外される。より具体的には、第1案内管101の基端部11を引っ張ることにより、第1案内管101がディスペンスヘッド2のプランジャ部材21から引き出される。同様に、第1係合部101bと第2係合部102bとが互いに分離された後、第2案内管102が、注出コック部4から取り外される。
なお、第1係合部101bと第2係合部102bとの間の係合は、嵌合による係合であってもよいし、ねじ結合による係合であってもよいし、その他の形式による係合であってもよい。なお、第1係合部101bと第2係合部102bとの間の係合がスナップフィット形式(すなわち、材料の弾性を利用してはめ込むことにより固定する方式)の係合である場合、第1係合部101bと第2係合部102bとの間の係合を迅速に行うことができる。例えば、図4に記載の例では、第2係合部102bを第1係合部101bに向けて押し込む動作だけで、第2係合部102bと第1係合部101bとを係合させることができる。
第1の実施形態において、上述の構成例1乃至3のうちのいずれか1個の構成例が採用されてもよい。代替的に、実施形態において、上述の構成例1乃至構成例3が、組み合わせられて採用されてもよい。例えば、実施形態において、(1)構成例1、2、(2)構成例1、3、(3)構成例2、3、または、(4)構成例1乃至3が採用されてもよい。
(第2の実施形態:飲料案内管付き交換部品とディスペンスヘッドとの組み合わせ)
図5乃至図7を参照して、第2の実施形態における交換部品1とディスペンスヘッド2との組み合わせについて説明する。図5は、飲料容器7の口金部71の一例を模式的に示す概略断面図である。図6および図7は、第2の実施形態における飲料案内管付き交換部品1とディスペンスヘッド2との組み合わせを模式的に示す概略断面図である。なお、図6は、プランジャ部材21が上方位置にある状態を示し、図7は、プランジャ部材21が下方位置にある状態を示す。
第2の実施形態における飲料案内管付き交換部品1とディスペンスヘッド2との組み合わせは、飲料案内管付き交換部品1とディスペンスヘッド2とを備える。飲料案内管付き交換部品1は、第1の実施形態における飲料案内管付き交換部品1であってもよいし、その他の飲料案内管付き交換部品であってもよい。第2の実施形態では、ディスペンスヘッド2、および、ディスペンスヘッド2と交換部品1との間の配置関係を中心に説明し、第1の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。
(飲料容器7の口金部71)
まず、ディスペンスヘッド2が取り付けられることとなる飲料容器7の口金部71の一例について説明する。
図5に記載の例では、口金部71は、飲料容器本体に固定されている。飲料容器本体への口金部71の固定は、例えば、雄ねじと雌ねじとの間の係合による固定である。
口金部71は、少なくとも、第1弁体72と、第1弁座部材73とを備える。図5に記載の例では、第1弁体72は、第1付勢部材74(例えば、コイルばね)によって、第1弁座部材73に向かう方向に付勢されている。第1弁体72と第1弁座部材73とが接触しているとき、飲料を飲料容器7から取り出すことが不能であり、第1弁体72と第1弁座部材73とが離間しているとき、飲料を飲料容器7から取り出すことが可能である。換言すれば、第1弁体72と第1弁座部材73とは、飲料取出弁を構成していると言える。なお、第1弁体72と第1弁座部材73との間の接触部において、第1弁体72が第1弁座部材73よりも硬質であってもよく、あるいは、第1弁座部材73が第1弁体72よりも硬質であってもよい。
なお、図5に記載の例では、第1弁体72は、飲料容器7内に配置された飲料取出管78の内部に配置されている。
図5に記載の例では、口金部71は、第2弁体75と第2弁座部材76とを備える。また、第2弁体75は、第2付勢部材77(例えば、コイルばね)によって、第2弁座部材76に向かう方向に付勢されている。第2弁体75と第2弁座部材76とが接触しているとき、ガスを飲料容器7に注入することが不能であり、第2弁体75と第2弁座部材76とが離間しているとき、ガスを飲料容器7に注入することが可能である。換言すれば、第2弁体75と第2弁座部材76とは、ガス注入弁を構成していると言える。なお、第2弁体75と第2弁座部材76との間の接触部において、第2弁体75が第2弁座部材76よりも硬質であってもよく、あるいは、第2弁座部材76が第2弁体75よりも硬質であってもよい。なお、図5に記載の例では、第2弁体75は、第1弁座部材73と同一の部材である。
なお、図5に示された口金部71の形状および構造は一例であって、口金部71の形状および構造として、図5に記載の例とは異なる形状および構造を採用するも可能である。
(ディスペンスヘッド2)
次に、図6および図7を参照して、ディスペンスヘッド2の一例について説明する。ディスペンスヘッド2は、ディスペンスヘッド本体20と、プランジャ部材21と、プランジャ操作部22とを備える。
(ディスペンスヘッド本体20)
ディスペンスヘッド本体20は、口金部71への取付部200と、ガス供給部202と、プランジャ部材21を受容する受容部204と、プランジャ操作部22が取り付けられる操作部取付部206とを備える。
取付部200は、口金部71に取り付けられる部分である。図6に記載の例では、ディスペンスヘッド2の取付部200が第1係合部201を備え、飲料容器7の口金部71が第2係合部712を備え、両係合部間の係合により、取付部200が、口金部71に取り付けられる。また、両合部間の係合が解除されることにより、取付部200が、口金部71から取り外される。第1係合部201と第2係合部712との間の係合は、例えば、バヨネット形式の係合である。なお、取付部200と口金部71との間には、シール部材Sが配置されることが好ましい。
ガス供給部202は、外部のガス供給管に接続される接続部202bと、ガス供給路202aと、出口開口202cとを含む。ガス供給路202aは、出口開口202cを介して、ディスペンスヘッド本体20の内面とプランジャ部材21の外面との間のガス流路Gに連通する。
受容部204は、プランジャ部材21を受容する部分である。図6に記載の例では、受容部204は、プランジャ部材21を受容する細長い空間(より具体的には、上下方向に細長い空間)を規定する。
操作部取付部206は、プランジャ操作部22が取り付けられる部分である。図6に記載の例では、プランジャ操作部22が、揺動軸AXまわりに揺動自在となるように、操作部取付部206に取り付けられている。
(プランジャ部材21)
プランジャ部材21は、第1弁体72の位置を制御するための制御部材として機能する。より具体的には、プランジャ部材21が、下方向(換言すれば、第1弁体72に近づく方向)に移動すると、第1弁体72が開位置に移動する。他方、プランジャ部材21が、上方向(換言すれば、第1弁体72から離れる方向)に移動すると、第1弁体72が閉位置に移動する。
プランジャ部材21は、プランジャ部材21の長手方向に沿って延在する貫通孔Hと、交換部品1の第2部分11eの肩部に接触する下端面210cとを備える。
プランジャ部材21に飲料案内管10が挿入された状態では、飲料案内管10は、貫通孔Hを貫通するように延在し、かつ、飲料案内管10の第2部分11eは、プランジャ部材21の下端部210から露出する。
このため、プランジャ部材21が下方向に移動すると、飲料案内管10はプランジャ部材21とともに下方向に移動し、飲料案内管10の第2部分11eが、第1弁体72を押圧する。こうして、第1弁体72が開位置に移動する。他方、プランジャ部材21が上方向に移動すると、第1弁体72は、第1付勢部材74による付勢力によって、閉位置に復帰する。
図6に記載の例では、プランジャ部材21は、第1弁体72と直接的に接触しない。このため、プランジャ部材21に飲料が付着することが抑制される。実施形態では、第1弁体72から飲料注出口に至るまでの飲料流路が、飲料案内管付き交換部品1によって構成されている。よって、実質的に、ディスペンスヘッド2および注出コック部4に飲料が付着することがない。このため、ディスペンスヘッド2および注出コック部4の洗浄頻度が少なくて済む。
プランジャ部材21は、第1弁体72の位置を制御する制御部材として機能するのに加えて、第2弁体75の位置を制御するための制御部材として機能してもよい。図6に記載の例では、プランジャ部材21が下方向に移動すると、第2弁体75が開位置に移動する。他方、プランジャ部材21が上方向に移動すると、第2弁体75が閉位置に移動する。
より具体的には、プランジャ部材21が下方向に移動すると、プランジャ部材21の下端部210(より具体的には、下端部210に配置された第2シール部材S2)が、第2弁体75と接触し、第2弁体75が押し下げられる。こうして、第2弁体75が開位置に移動する。他方、プランジャ部材21が上方向に移動すると、第2弁体75は、第2付勢部材77による付勢力によって、閉位置に復帰する。
なお、図6に記載の例では、プランジャ部材21が下方向に移動すると、プランジャ部材21が第2弁体75を押圧する前に、飲料案内管10が第1弁体72を押圧するように構成されている。また、プランジャ部材21が上方向に移動すると、プランジャ部材21が第2弁体75から離れた後に、飲料案内管10が第1弁体72から離れるように構成されている。
図7に示されるように、プランジャ部材21の下端部210には、プランジャ部材21の外面と口金部71(より具体的には、第1弁座部材73)との間をシールする第2シール部材S2が配置されることが好ましい。なお、第2シール部材S2は、例えば、環状のシール部材である。
図7に記載の例では、第1弁座部材73と飲料案内管10との間に、第1シール部材S1が配置され、第1弁座部材73とプランジャ部材21との間に、第2シール部材S2が配置されている。このため、第1弁座部材73とプランジャ部材21との間の隙間から飲料が漏れることがより確実に防止される。万が一、第1弁座部材73と飲料案内管10との間の隙間から飲料が漏れた場合であっても、当該漏れにより汚染される領域は、第1シール部材S1と第2シール部材S2との間の領域に留まる。よって、第1弁座部材73と飲料案内管10との間の隙間から飲料が漏れた場合であっても、飲料注出システム全体の使用を継続することができ、かつ、ディスペンスヘッド2への飲料の付着も最小限に留まる。
図6および図7に記載の例では、プランジャ部材21は、飲料容器7内へのガスの供給が可能な状態と、飲料容器7内へのガスの供給が不能な状態とを切り替える切替部材としても機能する。
図6に記載の例では、プランジャ部材21の外面と、ディスペンスヘッド本体20の内面との間には、ガス流路Gが形成されている。プランジャ部材21が上方位置にあるとき(図6を参照)、当該ガス流路Gが遮断され、プランジャ部材21が下方位置にあるとき(図7を参照)、当該ガス流路Gが開放される。
ガス流路Gを遮断または開放する構成の一例について説明する。図6に記載の例では、プランジャ部材21は、出口開口202cの下方において、環状のシール部を備える。環状のシール部は、例えば、プランジャ部材21の外周面に配置される環状の第3シール部材S3によって構成される。図6に示されるように、プランジャ部材21が上方位置にある時、第3シール部材S3の全周が、ディスペンスヘッド本体20の内周面と接触する。こうして、ガス流路Gが遮断される。他方、図7に示されるように、プランジャ部材21が下方位置にある時、第3シール部材S3の少なくとも一部が、ディスペンスヘッド本体20の内周面から離間する。こうしてガス流路Gが開放される。
なお、ガス供給部202の出口開口202cの上方において、プランジャ部材21とディスペンスヘッド本体20との間には、第4シール部材S4が配置されてもよい。この場合、プランジャ部材21とディスペンスヘッド本体20との間の隙間を通って、上方にガスが漏れることはない。
(プランジャ操作部22)
プランジャ操作部22は、プランジャ部材21に直接的または間接的に接続され、プランジャ部材21を下方または上方に移動させるための操作部である。
図6に示される状態から、プランジャ操作部22を第3方向に向けて移動させることを想定する。プランジャ操作部22が第3方向に移動すると、プランジャ部材21が下方に移動する。プランジャ部材21が下方に移動すると、ガス流路Gが開放され、かつ、第2弁体75がプランジャ部材21によって押圧されて開位置に移動する。その結果、ガス供給路202aと、ガス流路Gと、飲料容器7の内部空間とが連通状態となる。
また、プランジャ部材21が下方に移動すると、第1弁体72が飲料案内管10によって押圧されて開位置に移動する。その結果、飲料取出管78の内部と、飲料案内管10の内部とが連通状態となる。この状態で、ガス供給路202aにガスを供給すれば、飲料容器7内の飲料が、当該ガスによって押圧される。そして、飲料取出管78から飲料案内管10に向けて飲料が供給される。
他方、図7に示される状態から、プランジャ操作部22を第4方向に向けて移動させることを想定する。プランジャ操作部22が第4方向に移動すると、プランジャ部材21が上方に移動する。プランジャ部材21が上方に移動すると、ガス流路Gが遮断され、第2弁体75が第2付勢部材77の付勢力によって閉位置に移動し、第1弁体72が第1付勢部材74の付勢力によって閉位置に移動する。
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を奏する。また、第2の実施形態では、飲料案内管10の第2部分11eが、プランジャ部材21の下端部210から露出している。このため、飲料案内管10の第2部分11eによって、飲料容器7の第1弁体72を操作することが可能である。飲料容器7の第1弁体72と直接接触する部材を、プランジャ部材21ではなく、交換部品1(より具体的には、飲料案内管10の第2部分11e)にすることにより、プランジャ部材21が、飲料と直接接触しない。よって、プランジャ部材21の洗浄が不要となるか、あるいは、プランジャ部材21の洗浄の頻度が低減される。
(第3の実施形態:飲料案内管付き交換部品と注出コック部との組み合わせ)
図8乃至図11を参照して、第3の実施形態における飲料案内管付き交換部品1と注出コック部4との組み合わせについて説明する。図8乃至図11は、第3の実施形態における飲料案内管付き交換部品1と注出コック部4との組み合わせを模式的に示す概略断面図である。なお、図8は、開閉部材402が閉状態であるときの注出コック部4を示し、図9は、開閉部材402が開状態であるときの注出コック部4を示す。また、図10は、注出操作部48が第1位置にある状態を示し、図11は、注出操作部48が第2位置にある状態を示す。
第3の実施形態における飲料案内管付き交換部品1と注出コック部4との組み合わせは、飲料案内管付き交換部品1と注出コック部4とを備える。飲料案内管付き交換部品1は、第1の実施形態における飲料案内管付き交換部品1であってもよいし、その他の飲料案内管付き交換部品であってもよい。第3の実施形態では、注出コック部4、および、注出コック部4と交換部品1との間の配置関係を中心に説明し、第1の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。
図8に示されるように、注出コック部4は、外殻体40と、注出操作部48とを備える。注出コック部4は、泡立て用の超音波振動子42、飲料案内管10の可撓部13を押圧する押圧部材44のうちの少なくとも1つを備えていてもよい。
(外殻体40)
外殻体40は、飲料案内管10の少なくとも一部を収容する第1区画SP1を規定する。図8に記載の例では、飲料案内管10が第1区画SP1に配置されたとき、飲料案内管10の先端(第2開口端12b)が、注出コック部4の先端4bよりも下側に突出するように構成されている。この場合、注出コック部4の先端に飲料が付着する可能性が低減される。
外殻体40は、第1区画SP1に加え、超音波振動子42が配置される第2区画SP2、超音波振動子42を駆動する基板43が配置される第3区画SP3、操作力伝達部材46および/または押圧部材44が配置される第4区画SP4のうちの少なくとも1つを規定してもよい。
図8に記載の例では、外殻体40は、注出部本体8に取り付けられる基部401と開閉部材402とを備える。なお、注出部本体8は、飲料容器7を収容する冷蔵庫の壁部であってもよいし、その他の任意の構造部材であってもよい。
基部401は、注出部本体8に取り付けられる取付部を備える。注出部本体8への基部401の取り付けは、嵌合による取り付けであってもよいし、接着による取り付けであってよいし、ねじまたはボルト等の締結部材による取り付けであってもよい。
開閉部材402は、交換部品1を注出コック部4に取り付ける時、あるいは、交換部品1を注出コック部4から取り外す時に使用される。開閉部材402は、基部401に対して着脱自在であってもよいし、基部401に対して相対移動自在(例えば、揺動自在またはスライド移動自在)であってもよい。
図8に記載の例では、開閉部材402は、揺動軸AX2まわりに、基部401に対して揺動自在である。
図9から把握されるように、開閉部材402を開けることにより交換用開口OPが形成される。よって、図9に記載の例では、開閉部材402の開状態において、作業者は、交換用開口OPを介して、交換部品1を注出コック部4に容易に取り付けることができ、また、交換用開口OPを介して、交換部品1を注出コック部4から容易に取り外すことができる。
なお、開閉部材402が基部401に対して着脱自在である場合には、開閉部材402を基部401から取り外すことが、開閉部材402を開けることに対応する。
図9に記載の例では、開閉部材402に操作力伝達部材46および/または押圧部材44が取り付けられている。このため、開閉部材402を開状態にすると、操作力伝達部材46および/または押圧部材44が飲料案内管10から離間する。このため、交換部品1の交換に際して、操作力伝達部材46および/または押圧部材44が邪魔にならない。
(超音波振動子42)
泡立て用の超音波振動子42は、飲料案内管10が第1区画SP1に配置されると、飲料案内管10の硬質部Bに接触するように構成される。
図8に記載の例では、注出コック部4は、超音波振動子42と硬質部Bとの接触状態を維持するための付勢部材50を備える。付勢部材50は、飲料案内管10に対して、超音波振動子42と対向する側に配置される。付勢部材50は、例えば、板ばね部材である。図8に記載の例では、付勢部材50の取付部が、開閉部材402に直接的または間接的に取り付けられている。また、付勢部材50の作用部が、超音波振動子42に向けて飲料案内管10を押圧している。図8に記載の例では、開閉部材402を開けると、付勢部材50が飲料案内管10から離間し、開閉部材402を閉じると、付勢部材50が飲料案内管10に接触する。
なお、図8に記載の例では、付勢部材50が注出コック部4に取り付けられているが、付勢部材50は、飲料案内管10に取り付けられていてもよい。ただし、交換部品1の製造コストの低減の観点からは、付勢部材50は、注出コック部4に取り付けられていることが好ましい。
(注出操作部48)
注出操作部48は、飲料案内管10の第2開口端12bからの飲料または泡の注出状態を制御する操作部である。図8に記載の例では、注出操作部48は、レバー形式の操作部である。
図8に記載の例では、注出操作部48と押圧部材44とが、カム部材等の操作力伝達部材46を介して荷重伝達可能に接続されている(換言すれば、機械的に接続されている)。より具体的には、注出操作部48が操作力伝達部材46に取り付けられ、操作力伝達部材46と押圧部材44とが、揺動軸AX3を介して、揺動自在に連結されている。
図8に記載の例では、注出操作部48が中立位置にあるとき(換言すれば、注出操作部48に操作力が付与されていないとき)、押圧部材44は、飲料案内管10の可撓部13を圧潰状態に維持する。こうして、飲料流路13aが閉鎖状態に維持される。
図8に示された状態から、注出操作部48を第1位置(例えば、中立位置よりも前方の第1位置)に移動させると、操作力伝達部材46の第1カム部46aが、カム受け部47aに接触する。そして、押圧部材44が、押圧解除方向に引き上げられる。その結果、飲料案内管10の可撓部13が元の形状に復帰し、飲料流路13aが開放される(図10を参照)。よって、図8に記載の例では、注出操作部48を第1位置に移動させることにより、飲料を注出することが可能である。
他方、図8に示された状態から、注出操作部48を第2位置(例えば、中立位置よりも後方の第2位置)に移動させると、操作力伝達部材46の第2カム部46bが、カム受け部47bに接触する。そして、押圧部材44が、押圧解除方向に引き上げられる。その結果、飲料案内管10の可撓部13が元の形状に復帰し、飲料流路13aが開放される(図11を参照)。また、注出操作部48を第2位置に移動させると、注出操作部48に機械的に接続されたスイッチ押圧部49が、超音波振動子駆動スイッチ45を押圧する。その結果、超音波振動子42が振動する。よって、図8に記載の例では、注出操作部48を第2位置に移動させることにより、泡を注出することが可能である。
なお、注出操作部48の操作は、飲料容器7内の飲料が、ガス供給路から供給されるガスによって押圧されている状態で実行される。このため、飲料案内管10の飲料流路が開放されれば(より具体的には、可撓部13の圧潰状態が解除されれば)、飲料案内管10の第2開口端12bから飲料または泡が注出される。
第3の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を奏する。また、第3の実施形態において、注出コック部4が開閉部材402を備える場合には、開閉部材402を開けることにより、交換部品1を交換するための交換用開口OPが形成される。よって、交換部品1の交換が容易である。また、第3の実施形態において、注出コック部4が押圧部材44を備える場合には、シンプルな構成で、飲料案内管10の飲料流路の開閉を行うことができる。この場合、飲料案内管10に専用の弁部材を配置する必要がないため、交換部品1の製造コストが低減される。また、第3の実施形態において、注出コック部4が超音波振動子42を備える場合には、シンプルな構成で、飲料案内管10内の飲料を泡立てることが可能である。さらに、飲料案内管10が、第1カム部46aおよび第2カム部46bを備えた操作力伝達部材46を備える場合には、シンプルな構成で、飲料の注出と泡の注出とを切り替えることが可能である。
(飲料注出システム)
続いて、図12および図13を参照して、交換部品1、ディスペンスヘッド2、注出コック部4を備えた飲料注出システム9について説明する。図12は、第1例における飲料注出システム9Aを示す模式図であり、図13は、第2例における飲料注出システム9Bを示す模式図である。
図12に示される第1例における飲料注出システム9Aは、交換部品1、ディスペンスヘッド2、および、注出コック部4に加え、ディスペンスヘッド2が取り付けられる飲料容器7と、注出コック部4が取り付けられる注出部本体8と、ガス供給源37とを備える。
交換部品1としては、例えば、第1の実施形態における交換部品1を採用可能であり、ディスペンスヘッド2としては、第2の実施形態におけるディスペンスヘッド2を採用可能であり、注出コック部4としては、第3の実施形態における注出コック部4を採用可能である。
図12に記載の例では、注出部本体8は、飲料案内管10の少なくとも一部が収容される筐体30である。図12に記載の例では、筐体30は、飲料容器7を収容する冷蔵庫35上に設置されている。代替的に、注出コック部4が取り付けられる筐体30が、冷蔵庫35自体であってもよい。この場合、注出コック部4は、例えば、冷蔵庫35の壁部、あるいは、冷蔵庫35の開閉扉35aに設置される。なお、図12に記載の例では、冷蔵庫35内に冷風を循環させるファン36が配置されている。
ガス供給源37は、例えば、炭酸ガス等のガスを貯蔵したガスボンベである。図12に記載の例では、ガス供給源37と、ディスペンスヘッド2(より具体的には、ディスペンスヘッドの接続部202b)とが、ガス供給管39を介して接続されている。なお、ガス供給源37がガスボンベである場合には、当該ガスボンベは、冷蔵庫35内に配置されてもよいし、冷蔵庫35外に配置されてもよい。
図13に示される第2例における飲料注出システム9Bは、交換部品1、ディスペンスヘッド2、および、注出コック部4に加え、ディスペンスヘッド2が取り付けられる飲料容器7と、注出コック部4が取り付けられる注出部本体8とを備える。
交換部品1としては、例えば、第1の実施形態における交換部品1を採用可能であり、ディスペンスヘッド2としては、第2の実施形態におけるディスペンスヘッド2を採用可能であり、注出コック部4としては、第3の実施形態における注出コック部4を採用可能である。
図13に記載の例では、注出部本体8は、飲料案内管10の少なくとも一部が収容される筐体30Bである。図13に記載の例では、筐体30Bは、飲料容器7の上方に配置されている。筐体30Bは、飲料容器7に直接取り付けられていてもよいし、飲料容器7に間接的に取り付けられていてもよい。
図13に記載の例において、飲料容器7内へのガスの供給は、専用のガス供給源を用いて実行されてもよいし、飲料注出システム9Bの周囲の空気を、ポンプ等を用いて、飲料容器7内に取り込むことにより実行されてもよい。
(交換部品の取付方法)
図14乃至図17を参照して、実施形態における交換部品の取付方法について説明する。図14は、実施形態における交換部品の取付方法の一例を示すフローチャートである。図15乃至図17は、交換部品の取付方法における一工程を模式的に示す図である。
実施形態における交換部品の取付方法は、ディスペンスヘッド2と、注出コック部4とを備えた飲料注出システムにおける交換部品1の取付方法である。
交換部品1としては、例えば、第1の実施形態における交換部品1が採用される。交換部品1は、飲料案内管10を含み、飲料案内管10は、基端部11と、先端部12と、基端部11と先端部12との間に配置される湾曲可能な可撓部13とを含む。
飲料注出システムとしては、図12に例示された飲料注出システム9Aが採用されてもよいし、図13に例示された飲料注出システム9Bが採用されてもよいし、その他の飲料注出システムが採用されてもよい。
第1ステップST1において、飲料案内管10の基端部11が、ディスペンスヘッド2に挿入される。
図15に記載の例では、プランジャ部材21の下端部210から上端部211に向かう方向に、飲料案内管10をプランジャ部材21内に挿入することにより、上述の第1ステップST1が実行される。なお、飲料案内管10が、第1案内管101と第2案内管102とに分割されている場合には、プランジャ部材21の下端部210から上端部211に向かう方向に、飲料案内管10(より具体的には、第1案内管101)をプランジャ部材21内に挿入する作業が容易となる。
第1ステップST1の実行により、飲料案内管10の基端部11の第1部分11dがディスペンスヘッド2のプランジャ部材21内に配置され、かつ、基端部11の第2部分11eがプランジャ部材21の下端部210から露出する(必要であれば、図2等を参照)。
第2ステップST2において、飲料案内管10の基端部11が挿入されたディスペンスヘッド2が、飲料容器7に装着される。第2ステップST2の実行後の状態は、例えば、図6に示されている。
第3ステップST3において、飲料案内管10の先端部12が、注出コック部4に取り付けられる。
図16に記載の例では、第3ステップST3において、まず、注出コック部4の交換用開口OPから注出部本体8に向かう方向に、飲料案内管10が注出コック部4に挿入される。なお、飲料案内管10が、第1案内管101と第2案内管102とに分割されている場合には、飲料案内管10(より具体的には、第2案内管102)を注出コック部4に挿入する作業が容易となる。
これに対し、飲料案内管10が、第1案内管101と第2案内管102とに分割されていない場合を想定する。この場合、ディスペンスヘッド2に飲料案内管10が接続された状態では、注出コック部4に飲料案内管10を挿入するには、注出部本体8から交換用開口OPに向かう方向に飲料案内管10を挿入せざるを得ない(図17を参照)。実施形態において、このような構成も採用可能であるが、図16に記載の例と比較して、作業者の作業負担が大きくなる。
続いて、飲料案内管10が注出コック部4に固定される。当該固定は、飲料案内管10の第2係合部122を、注出コック部4の第1係合部41に固定することにより実行されてもよい。
次に、注出コック部4が開閉部材402を備える場合には、交換用開口OPが開閉部材402によって閉じられる。なお、注出操作部48が注出コック部4から取り外されている場合には、開閉部材402を閉じた後に、注出操作部48が注出コック部4に取り付けられる。
第3ステップST3の実行後の状態は、例えば、図8に示されている。なお、第3ステップST3は、第1ステップST1および第2ステップST2よりも前に実行されてもよい。
第4ステップST4において、第1案内管101の第1係合部101bと第2案内管102の第2係合部102bとが係合されて、第1案内管101と第2案内管102とが連結される。なお、飲料案内管10が、分割されていない案内管である場合には、当該第4ステップST4は省略される。
実施形態における交換部品の取付方法では、作業者は、容易に交換部品の取り付け作業を実行可能である。例えば、実施形態における交換部品の取付方法では、単に、飲料案内管10をプランジャ部材21に挿入するだけで、飲料案内管10をディスペンスヘッド2に取り付けることができる。また、注出コック部4が開閉部材402を備える場合には、飲料案内管10の先端部12が非可撓性の硬質部を含む場合であっても、当該先端部12を注出コック部4に挿入して取り付ける作業を容易に実行可能である。
飲料案内管10が、第1案内管101および第2案内管102を含む場合には、交換部品の取り付け作業が更に容易となる。例えば、図12に示される飲料注出システム9Aでは、ディスペンスヘッド2と注出コック部4との間の距離が長く、かつ、飲料案内管10のほぼ全体が筐体30および冷蔵庫35内に配置されることとなるため、交換部品1の取り付ける際の作業負担が大きい。これに対し、飲料案内管10が、第1案内管101および第2案内管102を含む場合には、第1案内管101をディスペンスヘッド2に取り付け、第2案内管102を注出コック部4に取り付けた後に、第1案内管101と第2案内管102とを連結すればよい。第1案内管101の第1係合部101bと、第2案内管102の第2係合部102bとが、冷蔵庫35の開閉扉35aから手の届く位置にあれば、第1案内管101と第2案内管102とを連結する際の作業負担は比較的小さい。
(交換部品の取り外し方法)
図18を参照して、実施形態における交換部品の取り外し方法について説明する。図18は、実施形態における交換部品の取り外し方法の一例を示すフローチャートである。
実施形態における交換部品の取り外し方法は、ディスペンスヘッド2と、注出コック部4とを備えた飲料注出システムにおける交換部品1の取り外し方法である。
交換部品1としては、例えば、第1の実施形態における交換部品1が採用される。交換部品1は、飲料案内管10を含み、飲料案内管10は、基端部11と、先端部12と、基端部11と先端部12との間に配置される湾曲可能な可撓部13とを含む。
飲料注出システムとしては、図12に例示された飲料注出システム9Aが採用されてもよいし、図13に例示された飲料注出システム9Bが採用されてもよいし、その他の飲料注出システムが採用されてもよい。
第1ステップST101において、第1案内管101の第1係合部101bと第2案内管102の第2係合部102bとの係合が解除されて、第1案内管101と第2案内管102とが分離される。なお、飲料案内管10が、分離不能な案内管である場合には、当該第1ステップST101は省略される。
第2ステップST102において、飲料案内管10(例えば、第2案内管102)が、注出コック部4から取り外される。第2ステップST102は、例えば、交換用開口OPから飲料案内管10(例えば、第2案内管102)を引き出すことにより実行される。
第3ステップST103において、ディスペンスヘッド2が、飲料容器7から取り外される。なお、第3ステップST3は、第2ステップST102の前に実行されてもよい。
第4ステップST104において、飲料案内管10(例えば、第1案内管101)が、ディスペンスヘッド2から取り外される。第4ステップST104は、例えば、プランジャ部材21の上端部211から下端部210に向けて、飲料案内管10(例えば、第1案内管101)をプランジャ部材21から引き出すことにより実行される。
飲料注出システムから取り外された交換部品1は廃棄される。
実施形態における交換部品の取り外し方法では、作業者は、容易に交換部品の取り外し作業を実行可能である。例えば、実施形態における交換部品の取り外し方法では、単に、飲料案内管10をプランジャ部材21から引き抜くだけで、飲料案内管10をディスペンスヘッド2から取り外すことができる。また、注出コック部4が開閉部材402を備える場合には、飲料案内管10の先端部12が非可撓性の硬質部を含む場合であっても、当該先端部12を注出コック部4から取り外して引き出す作業を容易に実行可能である。
実施形態における飲料案内管付き交換部品、飲料案内管付き交換部品とディスペンスヘッドとの組み合わせ、飲料案内管付き交換部品と注出コック部との組み合わせ、交換部品の取付方法、または、交換部品の取り外し方法を採用した場合、ディスペンスヘッド2および/または注出コック部4の洗浄に代えて、接液部である交換部品1を交換すればよい。このため洗浄の頻度が低減される。ディスペンスヘッド2および/または注出コック部4の洗浄は、通常、飲食店の閉店後などに行われる。このため、作業者の作業負担が大きい。洗浄の頻度が低減されることは、作業者の作業負担の軽減に直結する。
また、洗浄には一定のスキルが必要である。スキル不足の作業者が洗浄を行うと洗浄不良が発生するおそれがある。これに対し、使用済みの交換部品1を廃棄して新たな交換部品1を取り付ける場合には、接液部が常に清潔に保たれる。その結果、注出される飲料の品質が高品質に維持される。
更に、ディスペンスヘッドおよび/または注出コック部に洗浄液の供給する際には、炭酸ガス等のガスが消費される。これに対し、使用済みの交換部品1を廃棄して新たな交換部品1を取り付ける作業には、炭酸ガス等のガスの消費が不要である。よって、ガスボンベが長持ちする。
また、交換部品1が新品である場合には、交換部品1を洗浄する必要がない。換言すれば、飲料容器7内の飲料が無くなるまで交換部品を使用し、飲料容器7内の飲料がなくなったら、交換部品を廃棄すればよい。この場合、飲料容器7内の飲料を無駄なく使用することができる。また、交換部品1が、新品の状態で、ディスペンスヘッド2および注出コック部4に装着され、飲料容器7内の飲料が無くなるまで、当該交換部品1がディスペンスヘッド2および注出コック部4に装着されている場合、交換部品1の内部に雑菌が入り込む余地がないか、あるいは、雑菌が入り込むリスクが小さい。これに対し、ディスペンスヘッド2と注出コック部4との間の飲料案内管を洗浄する従来の方式では、洗浄の度に、飲料案内管内の飲料が、洗浄液によって外部に排出される。このため、排出される当該飲料が無駄となる。また、飲料案内管を洗浄する従来の方式では、ディスペンスヘッド2を飲料容器から外して、当該ディスペンスヘッドに洗浄液容器を装着する必要がある。また、洗浄後に、ディスペンスヘッド2を洗浄液容器から外して、当該ディスペンスヘッドに飲料容器を装着する必要がある。よって、各着脱作業時に、飲料案内管内に雑菌が混入し易い。また、同一の飲料案内管が長期間使用されるため、飲料案内管内に汚れが堆積し易く、高頻度での洗浄作業(例えば、1日一回の洗浄作業)が要求される。
本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態、構成例または変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態、構成例または変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態、構成例または変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
例えば、上述の実施形態では、ビール等の炭酸飲料である例が説明されたが、実施形態における飲料は炭酸飲料以外の飲料であってもよい。
また、上述の実施形態では、押圧部材44が飲料案内管10の可撓部13を押し潰すことにより、飲料流路13aが閉鎖され、可撓部13の圧潰が解除されることにより、飲料流路13aが開放される例について説明された。代替的に、飲料案内管10に、飲料流路13aを開閉する弁体が内蔵されていてもよい。この場合、当該弁体が、任意の荷重伝達機構を介して、注出操作部48と接続される。飲料流路13aに供給される流体の圧力が高い場合、飲料流路13aの閉鎖特性の観点からみて、弁体が内蔵された飲料案内管の方が、可撓部13を圧潰するタイプの飲料案内管よりも適している。
また、上述の実施形態では、飲料が注出される流路と泡が注出される流路とが同一の流路である場合について説明された。代替的に、図19に例示されるように、飲料案内管付き交換部品1は、飲料が注出される流路を規定する飲料注出管15aと、泡が注出される流路を規定する泡注出管15bとを備えていてもよい。より具体的には、飲料案内管付き交換部品1は、1つの基端部11と、第1先端部である飲料注出管15aと、第2先端部である泡注出管15bと、基端部11から供給される飲料を飲料注出管15aまたは泡注出管15bに供給する分岐部16(例えば、分岐管)とを備える。なお、泡注出管15bには、泡立て用の超音波振動子に接触配置される硬質部Bが設けられていてもよい。代替的に、泡注出管15bには、飲料の噴出により泡を生成する泡発生室等の任意の泡生成手段が設けられてもよい。また、基端部11と分岐部16との間には、図4において例示された第1係合部101bおよび第2係合部102bが設けられていてもよい。この場合、飲料案内管10は、互いに分離可能な第1案内管101および第2案内管102を備えることとなる。
飲料案内管付き交換部品1が、1本の注出管のみを備える場合には、飲料を注出したいときに、注出管に残留した泡が飲料に混入する場合がある。これに対し、飲料案内管付き交換部品1が、飲料注出管15aと泡注出管15bとを備える場合には、飲料注出管15aから注出される飲料に、泡が混入することがない。
なお、飲料案内管付き交換部品1が、飲料注出管15aと泡注出管15bとを備える場合には、注出操作部48は、(A)飲料注出管15aの流路および泡注出管15bの流路の両方が閉鎖された状態と、(B)飲料注出管15aの流路のみが開放された状態と、(C)泡注出管15bの流路のみが開放された状態と、を切り換え可能に構成されることが好ましい。