JP2019093970A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転がり軸受の内部隙間のばらつきを抑制できるステアリング装置を提供する。【解決手段】転がり軸受71は、第1分割レース81及びボール螺子ナット61と一体形成された第2分割レース部82により構成される内輪72と、外輪73と、外輪73と内輪72との間に軸方向に並んでそれぞれ配置された複数の第1及び第2転動体74,75とを備えている。第1分割レース81は、第1内周軌道面86を有する軌道面形成部87と、軌道面形成部87の軸方向他端側に形成された雌ネジ部88とを有する。第2分割レース部82の外周には、第2内周軌道面83が形成される。ボール螺子ナット61の外周には、第2分割レース部82の軸方向他端側に嵌合部84雄及び雄ネジ部85が形成される。そして、転がり軸受71は、第1分割レース81がボール螺子ナット61に螺着されることにより、ボール螺子ナット61の外周に固定される。【選択図】図2
Description
本発明は、ステアリング装置に関する。
従来、車両用のステアリング装置として、ラック軸が挿通されるとともにモータ駆動により回転する回転部材を有し、該回転部材の回転をボール螺子機構によりラック軸の往復動に変換することで操舵機構にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置(EPS)がある。例えば特許文献1には、ボール螺子機構を構成するボール螺子ナットを回転部材とし、転がり軸受を介して該ボール螺子ナットをハウジング内に回転可能に支持したEPSが開示されている。
特許文献1のEPSでは、転がり軸受として複列アンギュラ玉軸受を採用しており、その内輪は、軸方向中央位置で二分割されている。そして、転がり軸受の内輪をボール螺子ナットの外周に設けられた鍔部材に隣接させて嵌合し、内輪を構成する分割レースのいずれか一方をボール螺子ナットの外周に螺着されるロックナットによって押し付けて固定している。これにより、転がり軸受の内部隙間(クリアランス)が予め設定された所定の隙間となるように予圧を付与している。
ところで、ロックナットをボール螺子ナットの外周に締結する際のトルク(締付けトルク)が一定であっても、例えばロックナットと一方の分割レースとの間の摩擦力の影響によってロックナットの締結位置が異なることがあり、転がり軸受に作用する軸方向の圧縮荷重が製造される個体(製品)毎にばらつくことがある。その結果、ロックナットから一方の分割レース、転動体、外輪及び他の分割レースの間に作用する荷重がばらつくことで内部隙間がばらつくおそれがあり、この点においてなお改善の余地があった。
なお、このような問題は、転がり軸受によりボール螺子ナットを支持する場合に限らず、例えばボール螺子ナットの外周に一体回転可能に嵌合されるとともにボール螺子ナットにモータの回転を伝達するプーリ等の他の回転部材を支持する場合にも同様に生じ得る。
本発明の目的は、転がり軸受の内部隙間のばらつきを抑制できるステアリング装置を提供することにある。
上記課題を解決するステアリング装置は、ハウジング内に往復動可能に収容された転舵軸と、モータの駆動により回転する回転部材を有し、該回転部材の回転を前記転舵軸の往復動に変換して該転舵軸に伝達する動力伝達機構と、前記ハウジング内において前記回転部材を回転可能に支持する転がり軸受とを備えたものにおいて、前記転がり軸受は、内輪、外輪、前記内輪と前記外輪との間に軸方向に並んでそれぞれ配置された複数の第1及び第2転動体を備え、前記内輪は、前記第1転動体が転動する第1内周軌道面を有する第1分割レースと、前記第2転動体が転動する第2内周軌道面を有する第2分割レースとを有し、前記第1分割レースには雌ネジ部が設けられるとともに、前記回転部材の外周には前記雌ネジ部が螺合する雄ネジ部が設けられ、前記転がり軸受は、前記第1分割レースが前記回転部材に螺着されることにより、前記第1分割レースから前記第1転動体、前記外輪、前記第2転動体及び前記第2分割レースの間に荷重を作用させた状態で前記回転部材の外周に固定された。
上記構成によれば、第1分割レースに雌ネジ部が形成されることで、転がり軸受を固定するための部位が該転がり軸受に一体化されているため、例えばロックナットによって転がり軸受を固定して摩擦力が影響する場合と異なり、一定の締付けトルクで締付けることで、第1分割レースの締結位置がずれることを抑制できる。これにより、第1分割レースから第1転動体、外輪、第2転動体及び第2分割レースの間に作用する荷重がばらつくことを抑制でき、転がり軸受の内部隙間がばらつくことを抑制できる。
上記ステアリング装置において、前記動力伝達機構は、前記モータの回転が伝達されるボール螺子ナットを有し、該ボール螺子ナットの回転を前記転舵軸の往復動に変換するボール螺子機構を備え、前記回転部材は、前記ボール螺子ナットである構成を採用できる。
また、上記ステアリング装置において、前記動力伝達機構は、前記モータに連結される駆動プーリ、及び前記駆動プーリの回転がベルトを介して伝達される従動プーリを有するベルト機構と、前記従動プーリと一体回転可能に連結されるボール螺子ナットを有し、該ボール螺子ナットの回転を前記転舵軸の往復動に変換するボール螺子機構とを備え、前記回転部材は、前記従動プーリである構成を採用できる。
上記ステアリング装置において、前記第2分割レースは、前記回転部材と一体形成されることが好ましい。
上記構成によれば、第2分割レースが回転部材と一体化されるため、部品点数を削減できる。
上記構成によれば、第2分割レースが回転部材と一体化されるため、部品点数を削減できる。
上記ステアリング装置において、前記第1分割レースは、前記第1内周軌道面が存在する軸方向範囲と、前記雌ネジ部が存在する軸方向範囲とが重ならないように形成されることが好ましい。
上記構成によれば、第1分割レースを回転部材の外周に締結する際に生じる歪みが第1内周軌道面に及び難くなり、内部隙間がばらつくことをより一層抑制できる。
本発明によれば、転がり軸受の内部隙間のばらつきを抑制できる。
以下、ステアリング装置を電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、EPS1は、運転者によるステアリングホイール2の操作に基づいて転舵輪3を転舵させる操舵機構4と、操舵機構4にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するアクチュエータ5とを備えている。
図1に示すように、EPS1は、運転者によるステアリングホイール2の操作に基づいて転舵輪3を転舵させる操舵機構4と、操舵機構4にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するアクチュエータ5とを備えている。
操舵機構4は、ステアリングホイール2が固定されるステアリングシャフト11と、ステアリングシャフト11の回転に応じて軸方向に往復動する転舵軸としてのラック軸12と、ラック軸12が往復動可能に挿通されるハウジングとしてのラックハウジング13とを備えている。なお、ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール2側から順にコラム軸11a、中間軸11b、及びピニオン軸11cを連結することにより構成されている。
ラックハウジング13は、それぞれ円筒状に形成された第1ハウジング14と第2ハウジング15とを連結してなる。ラック軸12とピニオン軸11cとは、第1ハウジング14内に所定の交差角をもって配置されており、ラック軸12に形成されたラック歯16とピニオン軸11cに形成されたピニオン歯17とが噛合されることでラックアンドピニオン機構18が構成されている。また、ラック軸12の両端には、タイロッド19が連結されており、タイロッド19の先端は、転舵輪3が組み付けられた図示しないナックルに連結されている。したがって、EPS1では、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト11の回転がラックアンドピニオン機構18によりラック軸12の軸方向移動に変換され、この軸方向移動がタイロッド19を介してナックルに伝達されることにより、転舵輪3の転舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
アクチュエータ5は、駆動源であるモータ21と、モータ21の回転を伝達するベルト機構22と、ベルト機構22を介して伝達された回転をラック軸12の往復動に変換するボール螺子機構23とを備えており、第1ハウジング14と第2ハウジング15との連結部分に設けられている。そして、アクチュエータ5は、モータ21の回転をベルト機構22を介してボール螺子機構23に伝達し、ボール螺子機構23にてラック軸12の往復動に変換することで操舵機構4にアシスト力を付与する。つまり、本実施形態では、ベルト機構22及びボール螺子機構23により動力伝達機構が構成されている。
次に、アクチュエータ5の構成について詳細に説明する。なお、以下では、説明の便宜上、図2の右側を軸方向一端側とし、図2の左側を軸方向他端側とする。
図2(a)に示すように、第1ハウジング14は、軸方向一端側に設けられた円筒状の第1筒状部31と、第1筒状部31の軸方向他端側に形成された第1収容部32とを有している。第1収容部32は、第1筒状部31よりも大径の筒状に形成されるとともに、第1収容部32には、その周壁の一部をモータ21が配置された側(図2中、下側)に膨出した形状の膨出部33が形成されている。膨出部33の底部には、ラック軸12の軸方向に貫通した挿入孔34が形成されている。
図2(a)に示すように、第1ハウジング14は、軸方向一端側に設けられた円筒状の第1筒状部31と、第1筒状部31の軸方向他端側に形成された第1収容部32とを有している。第1収容部32は、第1筒状部31よりも大径の筒状に形成されるとともに、第1収容部32には、その周壁の一部をモータ21が配置された側(図2中、下側)に膨出した形状の膨出部33が形成されている。膨出部33の底部には、ラック軸12の軸方向に貫通した挿入孔34が形成されている。
第2ハウジング15は、円筒状の第2筒状部36と、第2筒状部36の軸方向一端側に形成された第2収容部37とを有している。第2収容部37は、第2筒状部36よりも大径の円筒状に形成されるとともに、第2収容部37には、第1ハウジング14の膨出部33を覆うカバー部38が形成されている。
モータ21の回転軸41は、挿入孔34を介して膨出部33内に挿入されている。そして、モータ21は、回転軸41がラック軸12と平行になる姿勢で、ボルト42を介して第1ハウジング14(ラックハウジング13)に締結されて取り付けられている。
ベルト機構22は、駆動プーリ51及び従動プーリ52と、駆動プーリ51及び従動プーリ52間に巻き掛けられたベルト53とを備えている。駆動プーリ51は、円筒状に形成されており、モータ21の回転軸41に対して同軸上で一体回転可能に連結されている。従動プーリ52は、円筒状に形成されており、駆動プーリ51と同じ軸方向位置でラック軸12の外周に回転可能に配置されている。ベルト53は、ゴム等の弾性材料からなり、駆動プーリ51と従動プーリ52との間で所定の張力(テンション)が発生するように巻き掛けられている。
ボール螺子機構23は、ラック軸12の外周に同軸配置された円筒状のボール螺子ナット61を備えている。ボール螺子ナット61は、その軸方向一端側が従動プーリ52の内周に嵌合されて該従動プーリ52と一体回転可能に連結されるとともに、軸方向他端側に設けられた後述する転がり軸受71を介して第2収容部37内で回転可能に支持されている。つまり、本実施形態では、ボール螺子ナット61が回転部材に相当する。
ボール螺子ナット61の内周には、螺子溝64が形成されている。一方、ラック軸12の外周には、螺子溝64に対応する螺子溝65が形成されている。そして、螺子溝64,65が互いに対向することによって螺旋状のボール軌道R1が形成されている。ボール軌道R1内には、各ボール66がボール螺子ナット61の螺子溝64とラック軸12の螺子溝65とに挟まれた状態で配設されている。つまり、ボール螺子ナット61は、ラック軸12の外周に各ボール66を介して螺合されている。
これにより、各ボール66は、ラック軸12とボール螺子ナット61(従動プーリ52)との間の相対回転に伴い、その負荷(摩擦力)を受けつつ、ボール軌道R1内を転動する。そして、各ボール66の転動によってラック軸12とボール螺子ナット61との軸方向の相対位置が変位することにより、モータ21のトルクがアシスト力として操舵機構4に付与される。なお、ボール軌道R1内を転動するボール66は、ボール螺子ナット61に設けられたボール軌道R1の二点間を短絡する循環路R2を通過することで無限循環する。
次に、転がり軸受71によるボール螺子ナット61の支持構造について説明する。
図2(a)及び図2(b)に示すように、転がり軸受71には、複列アンギュラ玉軸受が採用されており、内輪72と、外輪73と、内輪72と外輪73との間に軸方向に並んでそれぞれ配置された複数の第1及び第2転動体74,75とを備えている。そして、転がり軸受71は、その内部隙間(クリアランス)が予め設定された所定の隙間となるように予圧が付与された状態で、ボール螺子ナット61の外周に固定されている。
図2(a)及び図2(b)に示すように、転がり軸受71には、複列アンギュラ玉軸受が採用されており、内輪72と、外輪73と、内輪72と外輪73との間に軸方向に並んでそれぞれ配置された複数の第1及び第2転動体74,75とを備えている。そして、転がり軸受71は、その内部隙間(クリアランス)が予め設定された所定の隙間となるように予圧が付与された状態で、ボール螺子ナット61の外周に固定されている。
詳しくは、本実施形態の内輪72は、第1分割レース81と、ボール螺子ナット61に一体形成された第2分割レースとしての第2分割レース部82とを備えている。具体的には、第2分割レース部82は、ボール螺子ナット61における軸方向中央よりも軸方向他端寄りの部位に形成されている。第2分割レース部82の外周には、第2転動体75が転動する第2内周軌道面83がボール螺子ナット61の全周に亘って形成されている。第2内周軌道面83は、軸方向他端側に向かうにつれてその外径が円弧状に小さくなる溝形状に形成されている。なお、第2分割レース部82における第2内周軌道面83の軸方向他端側は、第2内周軌道面83における最も小さな外径と略等しい外径を有する円筒状に形成されている。また、ボール螺子ナット61には、第2分割レース部82に連続して軸方向他端側に延びる嵌合部84が形成されている。嵌合部84は、一定の外径を有する円筒状に形成されており、その外径は第2内周軌道面83における最も小さな外径よりも小さく設定されている。さらに、ボール螺子ナット61には、嵌合部84に連続して軸方向他端側に延びる雄ネジ部85が形成されている。雄ネジ部85は、円筒状に形成されており、その外周面にはネジ山が形成されている。
第1分割レース81は、第1転動体74が転動する第1内周軌道面86を有する軌道面形成部87と、軌道面形成部87の軸方向他端側に連続して形成された雌ネジ部88とを有する略円筒状に形成されている。第1内周軌道面86は、第2内周軌道面83に対して軸方向と直交する直線に関して対称に形成されており、軸方向他端側に向かうにつれて円弧状に大きくなる溝形状に形成されている。なお、第1分割レース81における第1内周軌道面86の軸方向一端側は、第1内周軌道面86における最も小さな外径と略等しい外径を有する円筒状に形成されている。軌道面形成部87の内径は、嵌合部84の外径と略等しく設定されている。雌ネジ部88の外周面は、工具等が周方向に係合可能な多角形状に形成されている。雌ネジ部88の内周面には、雄ネジ部85のネジ山が螺合するネジ溝が形成されている。
図2(b)に示すように、第1分割レース81は、第1内周軌道面86が存在する軸方向範囲L1と内周面にネジ溝が形成された雌ネジ部88が存在する軸方向範囲L2とが重ならないように形成されている。なお、軌道面形成部87の軸方向に沿った長さ(軸方向長さ)は嵌合部84の軸方向長さと略等しく設定され、雌ネジ部88の軸方向長さは雄ネジ部85の軸方向長さと略等しく設定されている。
外輪73は、円筒状に形成されており、軸方向他端側に第1転動体74が転動する第1外周軌道面91が形成され、軸方向一端側に第2転動体75が転動する第2外周軌道面92が形成されている。第1外周軌道面91と第2外周軌道面92とは、外輪73の軸方向中央部を挟んで互いに対称な形状に形成されている。具体的には、第1外周軌道面91は、その外径が外輪73の軸方向中央部から軸方向一端側に向かうにつれて円弧状に大きくなる溝形状に形成されている。第2外周軌道面92は、第2軌道面の外径が外輪73の軸方向中央部から軸方向他端側に向かうにつれて円弧状に大きくなる溝形状に形成されている。なお、外輪73の軸方向両端部は、第1及び第2外周軌道面91,92における最も小さな外径と略等しい外径を有する円筒状に形成されている。
外輪73の両側には、断面L字状の保持器93が隣接して配置されるとともに、保持器93には、皿ばねやゴム等の弾性体94がそれぞれ圧縮された状態で配置されている。これにより、本実施形態の外輪73は、軸方向に変位可能な状態で弾性的に支持されているが、保持器93及び弾性体94を設けず、外輪73を剛的に支持してもよい。
第1分割レース81は、雌ネジ部88がボール螺子ナット61の雄ネジ部85に螺着されることで、第2分割レース部82の軸方向他端側に並んで固定されている。外輪73は、第1分割レース81及び第2分割レース部82と径方向において対向するように配置されている。各第1転動体74は、球状のボールからなり、第1内周軌道面86と第1外周軌道面91とを対向させてなる転動路内を周方向に転動可能な状態で挟まれている。各第2転動体75は、球状のボールからなり、第2内周軌道面83と第2外周軌道面92とを対向させてなる転動路内を周方向に転動可能な状態で挟まれている。そして、転がり軸受71は、第1分割レース81が予め決められた一定の締付けトルクでボール螺子ナット61の外周に螺着され、軸方向に荷重が付与されることで、その内部隙間が所定の隙間となるように第1分割レース81から第1転動体74、外輪73、第2転動体75及び第2分割レース部82の間に荷重を作用させた状態でボール螺子ナット61の外周に固定されている。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)第1分割レース81に雌ネジ部88を形成することで、転がり軸受71(内輪72)を固定するための部位が該転がり軸受71に一体化されているため、例えばロックナットによって転がり軸受71を固定して摩擦力が影響する場合と異なり、一定の締付けトルクで締付けることで、第1分割レース81の締結位置がずれることを抑制できる。これにより、第1分割レース81から第1転動体74、外輪73、第2転動体75及び第2分割レース部82の間に作用する荷重がばらつくことを抑制でき、転がり軸受71の内部隙間がばらつくことを抑制できる。また、例えば別部材からなるロックナットにより第1分割レース81を固定する場合に比べ、部品点数を削減できる。
(1)第1分割レース81に雌ネジ部88を形成することで、転がり軸受71(内輪72)を固定するための部位が該転がり軸受71に一体化されているため、例えばロックナットによって転がり軸受71を固定して摩擦力が影響する場合と異なり、一定の締付けトルクで締付けることで、第1分割レース81の締結位置がずれることを抑制できる。これにより、第1分割レース81から第1転動体74、外輪73、第2転動体75及び第2分割レース部82の間に作用する荷重がばらつくことを抑制でき、転がり軸受71の内部隙間がばらつくことを抑制できる。また、例えば別部材からなるロックナットにより第1分割レース81を固定する場合に比べ、部品点数を削減できる。
(2)ボール螺子ナット61に、第2内周軌道面83を有する第2分割レース部82を一体的に設け、第1分割レース81及び第2分割レース部82により転がり軸受71の内輪72を構成したため、第2分割レースをボール螺子ナット61と別体とする場合に比べ、部品点数を削減できる。また、第2分割レース部82がボール螺子ナット61と一体的に設けられるため、第2分割レース部82の軸心をボール螺子ナット61の軸心に対して精度良く一致させることができ、該第2分割レース部82の偏心による回転変動を抑制できる。
(3)第1分割レース81を第1内周軌道面86が存在する軸方向範囲L1と、雌ネジ部88が存在する軸方向範囲L2とが重ならないように形成したため、第1分割レース81をボール螺子ナット61の外周に締結する際に生じる歪みが第1内周軌道面86に及び難くなり、内部隙間がばらつくことをより一層抑制できる。
(第2実施形態)
次に、ステアリング装置の第2実施形態を図面に従って説明する。なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、ステアリング装置の第2実施形態を図面に従って説明する。なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態の従動プーリ101は、ベルト53が巻き掛けられる巻掛部102、巻掛部102から軸方向他端側に延出された延出部103、及び延出部103から軸方向他端側に延出された雄ネジ部104を有する円筒状に形成されている。延出部103は、その途中から軸方向他端側に向かって外径が小さくなる段付き形状に形成されている。また、雄ネジ部104の外周には、ネジ山が形成されている。また、従動プーリ101の内周には、円筒状の内周面を有する嵌合孔部105、及び嵌合孔部105における軸方向一端側に設けられた拡径孔部106を有している。拡径孔部106は、嵌合孔部105よりも大きな内径を有しており、その内周にはネジ溝が形成されている。そして、従動プーリ101は、後述するように延出部103及び雄ネジ部104の外周に跨って固定された転がり軸受121を介して第2収容部37内で回転可能に支持されている。つまり、本実施形態では、従動プーリ101が回転部材に相当する。
本実施形態のボール螺子ナット111の軸方向一端側には、径方向外側に延出される環状のフランジ部112が形成されている。そして、ボール螺子ナット111は、従動プーリ101の内周に嵌合されるとともに、拡径孔部106に螺着されたロックナット113によってフランジ部112が嵌合孔部105及び拡径孔部106間の段差部分に押さえ付けられることにより、従動プーリ101と一体回転可能に固定されている。
次に、転がり軸受121による従動プーリ101の支持構造について説明する。
図3(a)及び図3(b)に示すように、転がり軸受121には、複列アンギュラ玉軸受が採用されており、内輪122と、外輪123と、内輪122と外輪123との間に軸方向に並んでそれぞれ配置された複数の第1及び第2転動体124,125とを備えている。そして、転がり軸受121は、その内部隙間が予め設定された所定の隙間となるように予圧が付与された状態で、従動プーリ101の外周に固定されている。
図3(a)及び図3(b)に示すように、転がり軸受121には、複列アンギュラ玉軸受が採用されており、内輪122と、外輪123と、内輪122と外輪123との間に軸方向に並んでそれぞれ配置された複数の第1及び第2転動体124,125とを備えている。そして、転がり軸受121は、その内部隙間が予め設定された所定の隙間となるように予圧が付与された状態で、従動プーリ101の外周に固定されている。
詳しくは、内輪122は、軸方向他端側に配置された第1分割レース131と、軸方向一端側に配置された第2分割レース132とを備えている。第1分割レース131は軌道面形成部133、第1内周軌道面134及び雌ネジ部135を有しており、上記第1実施形態の第1分割レース81と同様に形成されている。第2分割レース132は、円筒状に形成されている。第2分割レース132の外周には、第2内周軌道面136が形成されている。第2内周軌道面136は、第1内周軌道面134に対して軸方向と直交する直線に関して対称な形状に形成されており、軸方向他端側に向かうにつれてその外径が円弧状に小さくなる溝形状に形成されている。なお、第2分割レース132における第2内周軌道面136の軸方向他端側は、第2内周軌道面136における最も小さな外径と略等しい外径を有する円筒状に形成されている。
外輪123は第1及び第2外周軌道面141,142を有しており、上記第1実施形態の外輪73と同様に形成されている。また、各第1及び第2転動体124,125は、上記第1実施形態と同様に、球状のボールにより構成されている。
第2分割レース132は、延出部103の段差に当接するように、軸方向他端側から従動プーリ101の外周に嵌合され、第1分割レース131は、雌ネジ部135が従動プーリ101の雄ネジ部104に螺着されることで、第2分割レース132の軸方向他端側に並んで固定されている。外輪123は、第1及び第2分割レース131,132と径方向において対向するように配置されている。各第1転動体124は、第1内周軌道面134と第1外周軌道面141とを対向させてなる転動路内において周方向に転動可能な状態で挟まれており、各第2転動体125は、第2内周軌道面136と第2外周軌道面142とを対向させてなる転動路内において周方向に転動可能な状態で挟まれている。そして、転がり軸受121は、第1分割レース131が予め決められた一定の締付けトルクでボール螺子ナット111の外周に螺着され、軸方向に荷重が付与されることで、その内部隙間が所定の隙間となるように第1分割レース131から第1転動体124、外輪123、第2転動体125及び第2分割レース132の間に荷重を作用させた状態で従動プーリ101の外周に固定されている。
なお、本実施形態では、上記第1実施形態の(1),(3)の作用効果と同様の作用効果を奏する。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記各実施形態において、第1内周軌道面86,134が存在する軸方向範囲L1と雌ネジ部88,135が存在する軸方向範囲L2とが重なるように第1分割レース81,131を形成してもよい。
・上記第1実施形態では、転がり軸受71の内輪72を第1分割レース81及びボール螺子ナット61の第2分割レース部82により構成したが、これに限らず、第2内周軌道面83を有する第2分割レースをボール螺子ナット61とは別に設け、これら第1分割レース81及び第2分割レースにより内輪を構成してもよい。
・上記第2実施形態では、内輪122が第1及び第2分割レース131,132を有したが、これに限らず、第2内周軌道面136を有する第2分割レース部を従動プーリ101の外周に一体形成し、内輪を第1分割レース131及び第2分割レース部により構成してもよい。
・上記各実施形態では、第1及び第2転動体74,75,124,125としてボールを採用したが、これに限らず、例えば円錐コロ等を採用してもよく、その形状は適宜変更可能である。
・上記各実施形態では、ベルト機構22及びボール螺子機構23により動力伝達機構を構成したが、これに限らず、例えば複数の歯車によりボール螺子ナット61,111に回転を伝達する歯車機構及びボール螺子機構23により動力伝達機構を構成してもよい。
・上記各実施形態の支持構造を適用するステアリング装置を、例えばステアバイワイヤ方式のステアリング装置等、EPS以外のステアリング装置に適用してもよい。
L1,L2…軸方向範囲、1…電動パワーステアリング装置(EPS)、3…転舵輪、4…操舵機構、5…アクチュエータ、11…ステアリングシャフト、12…ラック軸、13…ラックハウジング、21…モータ、22…ベルト機構(動力伝達機構)、23…ボール螺子機構(動力伝達機構)、51…駆動プーリ、52,101…従動プーリ、53…ベルト、61,111…ボール螺子ナット、71,121…転がり軸受、72,122…内輪、73,123…外輪、74,124…第1転動体、75,125…第2転動体、81,131…第1分割レース、82…第2分割レース部、83,136…第2内周軌道面、84…嵌合部、85,104…雄ネジ部、86,134…第1内周軌道面、87,133…軌道面形成部、88,135…雌ネジ部、91,141…第1外周軌道面、92,142…第2外周軌道面、132…第2分割レース。
Claims (5)
- ハウジング内に往復動可能に収容された転舵軸と、
モータの駆動により回転する回転部材を有し、該回転部材の回転を前記転舵軸の往復動に変換して該転舵軸に伝達する動力伝達機構と、
前記ハウジング内において前記回転部材を回転可能に支持する転がり軸受とを備えたステアリング装置において、
前記転がり軸受は、内輪、外輪、前記内輪と前記外輪との間に軸方向に並んでそれぞれ配置された複数の第1及び第2転動体を備え、
前記内輪は、前記第1転動体が転動する第1内周軌道面を有する第1分割レースと、前記第2転動体が転動する第2内周軌道面を有する第2分割レースとを有し、
前記第1分割レースには雌ネジ部が設けられるとともに、前記回転部材の外周には前記雌ネジ部が螺合する雄ネジ部が設けられ、
前記転がり軸受は、前記第1分割レースが前記回転部材に螺着されることにより、前記第1分割レースから前記第1転動体、前記外輪、前記第2転動体及び前記第2分割レースの間に荷重を作用させた状態で前記回転部材の外周に固定されたステアリング装置。 - 請求項1に記載のステアリング装置において、
前記動力伝達機構は、前記モータの回転が伝達されるボール螺子ナットを有し、該ボール螺子ナットの回転を前記転舵軸の往復動に変換するボール螺子機構を備え、
前記回転部材は、前記ボール螺子ナットであるステアリング装置。 - 請求項1に記載のステアリング装置において、
前記動力伝達機構は、
前記モータに連結される駆動プーリ、及び前記駆動プーリの回転がベルトを介して伝達される従動プーリを有するベルト機構と、
前記従動プーリと一体回転可能に連結されるボール螺子ナットを有し、該ボール螺子ナットの回転を前記転舵軸の往復動に変換するボール螺子機構とを備え、
前記回転部材は、前記従動プーリであるステアリング装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング装置において、
前記第2分割レースは、前記回転部材と一体形成されたステアリング装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のステアリング装置において、
前記第1分割レースは、前記第1内周軌道面が存在する軸方向範囲と、前記雌ネジ部が存在する軸方向範囲とが重ならないように形成されたステアリング装置。
Priority Applications (4)
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Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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2017
- 2017-11-24 JP JP2017226174A patent/JP2019093970A/ja active Pending
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