JP2019093594A - 光造形装置による造形物からの形状支持材除去用洗浄液及びそれを用いた光造形物の製造方法 - Google Patents

光造形装置による造形物からの形状支持材除去用洗浄液及びそれを用いた光造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光造形装置による造形物から、簡便かつ確実に形状支持材のみを除去することができる形状支持材除去用洗浄液及びそれを用いた光造形物の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】アニオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種類の界面活性剤を含有する水溶液からなることを特徴とする光造形装置による造形物からの形状支持材除去用洗浄液及びこの洗浄液を用いた、光造形装置で造形した造形物から形状支持材を除去することを含む光造形物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、光造形装置による造形物からの形状支持材除去用洗浄液及びそれを用いた光造形物の製造方法に関する。
3次元の立体造形物を作製する手法として、光硬化性液状樹脂組成物に、可視光線、紫外線、放射線、赤外線等の活性エネルギー線を照射して硬化物層を一層作製し、さらにその硬化物層の上面又は下面に光硬化性液状樹脂組成物からなる新たな硬化物層を形成し、同様の作業を繰り返して硬化物層を積層する3Dプリンター技術が広く普及している。3Dプリンター技術の中でも、インクジェットプリント法による立体造形は、作製したい造形物の3Dデータに基づいて光硬化性液状樹脂組成物をインクジェットヘッドから微小な液滴として吐出し、それを活性エネルギー線の照射により硬化させることにより造形を進めていくものであり、解像度の高い造形物を得ることができる。この方式においては、光硬化性液状樹脂組成物として、造形物の本体となるモデル材と、造形途中にこれを支えるための形状支持材との性質の異なる2種類のインクが通常用いられる。
形状支持材は、造形作業が完了した後、物理的に剥離等の手段により、又は適当な溶媒で溶解させる等の手段により除去される。この形状支持材の除去が速やかに行われることは、作業性及び生産性の観点から非常に重要である。ブラシ、金属ヘラ等を用いて物理的に形状支持材を除去することは可能であるが、除去作業にはかなりの時間と労力を要する上に、微細な部位、軟質な造形物に対しては、除去時の強い外力で造形物が破損してしまう等が想定される。また、内部に空洞を有する袋状造形物の中から形状支持材を除去することは非常に困難である。このことから、除去方法としては形状支持材を水又は溶媒等で溶解させる等して化学的に除去することが望ましい。
従来から、形状支持材を化学的に除去するために、無機塩又は有機塩を水に溶解させたアルカリ水溶液が洗浄液として利用することが提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
特開2011−5658 特開2011−20412
しかし、これらの方法では、洗浄液のpHが11〜13であり、耐環境性及び取り扱い時の安全性に懸念がある。また、微細な部位、軟質の造形物に適応した場合には、造形物自体の劣化を促す可能性が高い。特に、光造形法では、光硬化性樹脂組成物として(メタ)アクリル酸エステル誘導体が広く使用されているが、このような強アルカリ系洗浄液は、エステル結合の加水分解を促進することによって、造形物を変色、損傷させることがあるため、形状支持材を除去するための薬液として好適ではない。
このような状況下において、光造形装置により立体造形物を作製した後に、モデル材に物理的及び化学的ダメージを与えることなく、簡便かつ確実に形状支持材のみを除去することが求められている。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、光造形装置による造形物から、簡便かつ確実に形状支持材のみを除去することができる形状支持材除去用洗浄液及びそれを用いた光造形物の製造方法を提供することを目的とする。
本願は以下の発明を含む。
〔1〕アニオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種類の界面活性剤を含有する水溶液からなることを特徴とする光造形装置による造形物からの形状支持材除去用洗浄液。
〔2〕前記洗浄液のpHが5〜8である上記の形状支持材除去用洗浄液。
〔3〕前記非イオン界面活性剤のHLB値が5以上である上記の形状支持材除去用洗浄液。
〔4〕前記洗浄液が、前記界面活性剤0.1〜10重量%と、水90〜99.9重量%とを含む上記の形状支持材除去用洗浄液。
〔5〕上記の洗浄液を用いて、光造形装置で造形した造形物から形状支持材を除去することを含む造形物の製造方法。
本発明によれば、簡便かつ確実に形状支持材のみを除去することができる形状支持材除去用洗浄液を提供することができる。
また、本発明の光造形物の製造方法によれば、簡便かつ確実に光造形物を製造することができる。
A及びBは、本発明の活性線硬化性樹脂組成物の硬化物の除去性を評価するための方法及び装置を示す模式図である。
本明細書においては、「(メタ)アクリル」は「メタクリル」及び/又は「アクリル」、「(メタ)アクリレート」は「メタクリレート」及び/又は「アクリレート」を表す。
〔形状支持材除去用洗浄液〕
本発明の形状支持材除去用の洗浄液は、アニオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤のうち少なくとも1種類を含む水溶液からなる。
このような構成とすることにより、水分子が形状支持材に侵入することを促進し、形状支持材の崩壊を早めることができる。その結果、形状支持材の水中への分散が容易になり、造形物から形状支持材を除去する時間を大幅に短縮することができる。また、洗浄液が弱酸性から中性の水溶液とすることができるために、安全に容易に取り扱うことができる。さらに、洗浄液中に含まれる薬剤の影響等による造形物の変質を防止することができる。その結果、光造形装置による造形物から、モデル材に物理的及び化学的ダメージを与えることなく、簡便かつ確実に形状支持材のみを除去することができる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、炭素数8〜16のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、炭素数12〜18のアルキル硫酸エステル塩又はアルケニル硫酸エステル塩、炭素数12〜18のオレフィンスルフォン酸塩、炭素数12〜18のアルカンスルフォン酸塩、炭素数12〜18のアルキル基もしくはアルケニル基を有し平均0.5〜8モルのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイドあるいはブチレンオキサイドあるいはエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドを付加したポリオキシルアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩、炭素数8〜20の飽和あるいは不飽和α−スルフォ脂肪酸塩又はそのメチル、エチル又はプロピルエステル、炭素数8〜18のアルキル又はアルケニル酸性燐酸エステル塩又は燐酸エステル塩が挙げられる。これらのアニオン界面活性剤の塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩が挙げられる。
なかでも、炭素数12〜18のオレフィンスルフォン酸塩、炭素数12〜18のアルカンスルフォン酸塩等のスルフォン酸塩類が好ましく、その塩としては、アルカリ金属塩が好ましい。
非イオン界面活性剤としては、例えば、炭素数8〜18の1級又は2級アルコールにエチレンオキサイド(EO)及び/又はプロピレンオキサイド(PO)を平均4〜18モル付加したポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、平均炭素数6〜12のアルキル基を有しエチレンオキサイドを平均4〜12モル付加したポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、炭素数10〜18のモノ又はジアルカノールアミド、エチレンオキサイド付加物、炭素数6〜22の脂肪酸にエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを平均4〜18モル付加したポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニル脂肪酸エステル、炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル(アルケニル)アミンオキサイド、プロピレンオキサイドとプロピレングリコールとの縮合物にエチレンオキサイドを付加したプルロニック型界面活性剤が挙げられる。
なかでも、炭素数8〜18の1級アルコールにエチレンオキサイド(EO)及び/又はプロピレンオキサイド(PO)を平均4〜18モル付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル、炭素数8〜18のアルコールにエチレンオキサイド(EO)及び/又はプロピレンオキサイド(PO)を平均4〜18モル付加したポリオキシアルキレンアルケニルエーテルが好ましく、炭素数8〜18の1級アルコールにエチレンオキサイド(EO)及び/又はプロピレンオキサイド(PO)を平均6〜18モル付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテルがより好ましい。
非イオン界面活性剤は、HLB値が5以上であるものが好ましく、10以上であるものがより好ましい。
このような観点から、特に、炭素数8〜18の1級アルコールにエチレンオキサイド(EO)及び/又はプロピレンオキサイド(PO)を平均8〜18モル付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましく、エチレンオキサイド(EO)及び/又はプロピレンオキサイド(PO)が平均10〜18モル付加したものがより好ましい。
これら界面活性剤は、水100重量部に対して、0.1〜10重量部程度含有させることが好ましく、0.1〜5重量部がより好ましい。
この洗浄液は、当該分野で公知の添加剤を、上述した作用/効果に影響を与えない範囲で含有することができる。例えば、香料、消泡剤、防腐剤、色素等が挙げられる。
なかでも、界面活性剤及び水のみを用いるものが好ましい。
洗浄液のpHは、5〜8であることが好ましく、5.5〜8であることがより好ましい。
〔造形物の製造方法〕
本発明の造形物の製造方法は、上述した洗浄液を用いて、光造形装置で造形した造形物から形状支持材を除去することを含む。
光造形法は、光硬化性樹脂の液槽の樹脂の表面に部品の断面のパターンのレーザー光を照射して硬化することによってできた層を幾重にも積層して、立体の造形物を作る技術である。この方法以外に、インクジェット方式によりノズルから光硬化樹脂の液滴を供給して周囲から硬化用の紫外光を照射する方法等もある。本発明の造形物の製造方法は、このような方法を実現し得る光造形装置を利用して造形した造形物の全てに適用することができる。
造形物は、主として、形状支持材と、モデル材とにより造形される。モデル材及び形状支持材は、当該分野で公知の成分を任意に含んだものを利用することができる。
モデル材とは、最終的に製造される所望の立体形状モデルを形成するための材料であって、例えば、硬化性樹脂組成物と光重合開始剤とを含む。
硬化性樹脂組成物としては、アクリル系モノマー、アクリル系オリゴマー等が挙げられる。アクリル系モノマーとしては、例えば、多官能性のアクリル系モノマーであるトリプロピレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。単官能性のアクリル系モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ステアリルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸等が挙げられる。また、アクリル系オリゴマーとしては、例えば、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート等が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、等のアセトフェノンケタール系;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等のベンゾフェノン系;ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系;2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系;アシルフォスフィンオキサイド;カンファーキノン等;オリゴ〔2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{4−(1−メチルビニル)フェニル}プロパノン〕、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン;トリエタールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレート等のアミン系促進剤;4,4’−ジメトキシペンゾイン、2,4−ジエトキシチオキサントン、2−エチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,8−ジヒドロキシアントラキノン、2−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエトキシ−2−メチルプロピオフェノン、過酸化ジベンゾイル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、ベンズアルデヒド、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ケトン、ベンゾイルアセトン、2−イソプロピルチオキサントン、1−クロル−4−プロポキシチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン及びこれらの混合物等が挙げられる。
形状支持材としては、例えば、エチレン性不飽和単量体、(メタ)アクリル系単量体及び光重合開始剤を含むものが好ましい。
エチレン性不飽和単量体としては、エチレン性不飽和基を1つのみ有する化合物であればよい。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、アクリロイルチオ基、メタクリロイルチオ基等が挙げられる。
エチレン性不飽和単量体としては、例えば、式(I)で表される化合物が挙げられる。
(式中、R1は水素原子又はメチル基、Yは(ポリ)オキシアルキレン骨格を有する基を表し、該アルキレンの炭素数は1〜10である。)
(ポリ)オキシアルキレン骨格を有する基は、(ポリ)オキシアルキレン骨格を有する限り、さらに、水素原子、フッ素原子、フッ化アルキル基、アルキル基等を有していてもよい。
(ポリ)オキシアルキレン骨格を構成するアルキレンの炭素数は、例えば、1〜5が好ましく、1〜4がより好ましい。具体的には、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とがブロック又はランダム結合したポリオキシアルキレン基、前記ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、オキシオキシブチレン基がブロック又はランダム結合で含まれている基などが挙げられる。なかでも、ポリオキシエチレン基が好ましい。
オキシアルキレン基の付加モル数は、1〜80が挙げられ、1〜50が好ましく、1〜30がより好ましい。
フッ化アルキル基としては、炭素数が1〜5のものが好ましく、1〜3がより好ましく、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、ペルフルオロエチル、フルオロプロピル、ペルフルオロプロピル等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数が1〜5のものが好ましく、1〜3がより好ましく、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル等が挙げられる。
(ポリ)オキシアルキレン骨格を有する基は、その末端が水素原子、フッ素原子、アルキル基等であるものが好ましい。末端が水素原子である場合、例えば、ポリオキシアルキレン基の末端が水酸基であるものとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコール誘導体及びこれらのブロックポリマー等が挙げられる。末端がメチル基であるものとしては、メトキシポリエチレングリコール等が挙げられる。
なかでも、(ポリ)オキシアルキレン骨格を有する基としては、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリブチレングリコールが好ましく、メトキシポリエチレングリコール及びポリエチレングリコールがより好ましい。
エチレン性不飽和単量体は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による質量平均分子量(ポリエチレングリコール換算)が、50〜4000である。
式(I)で表される化合物としては、以下の式(Ia)で表される化合物が好ましい。
(式中、R1は水素原子又はメチル基、nは1〜100を表す。)
1は、水素原子が好ましい。
nは、1〜80が好ましく、1〜50がより好ましく、1〜30がさらに好ましく、2〜20がより一層好ましく、5〜15が特に好ましい。
エチレン性不飽和単量体は、上述した式(I)で表される化合物又は式(Ia)で表される化合物を1種のみ有していてもよいし、複数種有していてもよい。
エチレン性不飽和単量体は、形状支持材の全質量に対して、1〜40質量%が挙げられる。
エチレン性不飽和単量体は、水溶性であることが好ましい。「水溶性」とは、例えば、20±5℃で5分ごとに強く30秒間振り混ぜた場合、30分以内に、単量体1g又は1mLを溶かすに要する水の量が30mL未満である性質を意味する。
(メタ)アクリル系単量体としては、単官能(メタ)アクリルレート、多官能(メタ)アクリレートのいずれであってもよいが、単官能(メタ)アクリレートであることが特に好ましい。また、(メタ)アクリル系単量体は、水溶性であるものが好ましい。
単官能(メタ)アクリル系単量体としては、式(II)で表される化合物が挙げられる。
(式中、R2は水素原子又はメチル基を表し、Zは、水酸基、水酸基含有炭素数1〜15の炭化水素基を有する基、(ポリ)オキシアルキレン骨格を有する基又はアミンを有する基を表し、前記アルキレンの炭素数は1〜10である。)
水酸基含有C115の炭化水素基を有する基としては、例えば、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
(ポリ)オキシエチレン骨格を有する基としては、式(I)における例示と同様のものが挙げられる。例えば、ポリエチレングリコール、モノアルコキシ(C14)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、モノC14アルコキシポリプロピレングリコール、PEG−PPGブロック重合基等が挙げられる。
アミンを有する基としては、アルキルアミノ基(N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N−プロピルアミノ、N−ブチルアミノ、N,N’−ジメチルアミノ、N,N’−ジエチルアミノ等)、ヒドロキシアルキルアミノ基(N−ヒドロキシエチルアミノ、N−ヒドロキシプロピルアミノ、N−ヒドロキシブチルアミノ等)、モルホリノ基等が挙げられる。
具体的には、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム、アクリロイルモルホリン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水溶性の多官能(メタ)アクリル系単量体としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、PEG−PPGブロックポリマーのジ(メタ)アクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(ネオペンチルグリコールエチレンオキサイド2モル付加物をジアクリレート化した化合物)、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(ネオペンチルグリコールプロピレンオキサイド2モル付加物をジアクリレート化した化合物)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド(PO)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド(EO)付加物ジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
特に、(メタ)アクリル系単量体としては、式(IIa)で表される化合物であるアクリロイルモルホリンを含むものが好ましく、アクリロイルモルホリン及び式(IIb)で表される化合物の双方を含むものがより好ましい。
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表す。)、
(式中、mは1〜100を表す。)
1は、水素原子が好ましい。
mは、1〜80が好ましく、1〜50がより好ましく、1〜30がさらに好ましく、2〜20がより一層好ましい。
(メタ)アクリル系単量体は、例えば、ゲルパーミーエーションクロマトグラフィー(GPC)による質量平均分子量(ポリエチレングリコール換算)が、50〜4000である。
(メタ)アクリル系単量体は、形状支持材の全質量に対して、50質量%より多く、97質量%以下が挙げられる。
光重合開始剤としては、上述したものと同様のものを用いることができるが、例えば、α−ヒドロキシアセトフェノン系、これらのカルボン酸塩又はスルフォン酸塩などのイオン性置換基を導入したもの、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルフォ基の塩を有するチオキサントン系、α−ヒドロキシケトン系、α−アミノケトン系及びアシルフォスフィンオキシド系等の種々の光重合開始剤等が挙げられる。
具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキセルフェニルケトン1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン又はそのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、等のベンゾフェノン類;チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン等のアントラキノン類;アセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリハロメチルトリアジン類;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体;、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;ビスアシルフォスフィンオキサイド及びこれらの混合物等が挙げられる。
光重合開始剤は、形状支持材の全質量に対して、0.1〜10質量%が挙げられる。
エチレン性不飽和単量体、(メタ)アクリル系単量体及び光重合開始剤の質量比は、1〜40:60〜95:0.1〜10が挙げられ、5〜35:65〜95:1〜10が好ましい。
モデル材及び形状支持材は、上述した各構成要素に加えて、必要に応じて、吐出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、除去性、形状保持性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、重合禁止剤、酸化防止剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防ばい剤、防錆剤、固体湿潤剤、シリカ微粒子等のフィラー、着色剤、光安定剤、レベリング剤、保存安定剤、可塑剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を物性に影響を与えない範囲で適宜用いてもよい。これらの成分は、当該分野で公知の化合物を用いることができる。
なお、モデル材及び形状支持材は、後述するようなインクジェットノズルを装備した光造形装置を利用する観点から、その吐出性を考慮すると、60℃において、20mPa・s以下であるものが好ましい。
上述したモデル材及び形状支持材を用いて、当該分野で公知の光造形装置にて、造形物を形成し、得られた造形物に、洗浄液を適用して、造形物を製造することができる。
光造形装置としては、代表的には、立体造形法、インクジェット法が挙げられ、なかでも、インクジェット法の3Dプリンターが好適に用いられる。
このような光造形装置において、モデル材及び形状支持材は、遠赤外線、赤外線、可視光線、近紫外線、紫外線等の活性線を照射することによって硬化するものであり、特に近紫外線又は紫外線で硬化するものが好ましい。
本願発明の洗浄液は、光造形装置で造形した形状支持材及びモデル材からなる造形物を、この洗浄剤へ浸漬させることで形状支持材のみを除去することができる。洗浄の際は造形物自体に大きな外力を加えることなく、造形物を洗浄剤中に静置するだけで、形状支持材を液中へ分散又は溶解させ、除去することができる。また、除去時に加温することで、この効果をさらに促進させることができる。
これによって、迅速、簡便かつ確実に、モデル材による造形物を製造することができる。得られたモデル材による造形物は、モデル材の劣化が生じることなく、形状支持材を確実に除去することができる。また、安全に取り扱うことができる。
以下に、本発明の形状支持材の除去用洗浄液の実施例を詳細に説明する。
実施例1〜7
表1に示すアニオン界面活性剤又は非イオン界面活性剤と、水とを混合して100重量部の洗浄剤を得た。各実施例の洗浄剤のpHは表1に示すとおりである。
表1において、各成分の名称は、以下の化合物を示す。
エアロゾルOT−70PG:ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 日本サイテックインダストリーズ株式会社製
ノイゲンXL−40:ポリオキシアルキレン分枝デシルエーテル(HLB=10.5)第一工業製薬株式会社製
ノイゲンXL−80:ポリオキシアルキレン分枝デシルエーテル(HLB=13.8)第一工業製薬株式会社製
ノイゲンXL−140:ポリオキシアルキレン分枝デシルエーテル(HLB=15.9)第一工業製薬株式会社製
ノイゲンXL−160:ポリオキシアルキレン分枝デシルエーテル(HLB=16.3)第一工業製薬株式会社製
アセチレノールE100:アセチレングリコール 川研ファインケミカル株式会社製
S−49−H:ソルビタンモノオレート(HLB=4.3)第一工業製薬株式会社
コータミン86Pコンク:塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 花王株式会社
リポガードT−30:塩化牛脂アルキルトリメチルアンモニウム ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社
(除去性の評価)
まず、メトキシポリエチレングリコールモノアリルエーテル(PEG平均分子量400)、アクリロイルモルホリン、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(PEG平均分子量400)、光重合開始剤、粘度調整剤からなる樹脂組成物を、形状支持材として調製した。
この樹脂組成物を、以下の評価用の樹脂組成物として利用した。
図1Aに示すように、端部を耐熱テープで封止した直径2mmのガラスチューブ10に、上記の樹脂組成物を充填した。次いで、UV−LEDにて露光して、硬化物11を作製した。その後、図1Bに示すように、60℃の水浴に入れておいた各実施例の水溶液100mlを入れたガラス製の瓶へ、耐熱テープを剥がしたガラスチューブ10の封止側端部から水面12に約40mm浸し、4時間後まで1時間ごとの浸水距離Lを実測した。
なお、UV−LED露光条件を以下の通り設定した。
波長:365nm
露光量:表面4100mJ/cm+裏面1900mJ/cm
表1の結果から、実施例1〜7で得られた光造形装置による造形物からの活性線硬化性の形状支持材の除去用洗浄液は、比較例1〜4の場合と比較して時間当たりの浸水距離Lが長いことから、水分子の形状支持材への侵入を促進することができ、形状支持材の崩壊を早めることができる。その結果、形状支持材の水中への分散が容易になり、造形物から形状支持材を除去する時間を大幅に短縮することができ、形状支持材の除去性に優れていることが確認された。
また、洗浄剤が弱酸性から中性の水溶液とすることにより、作業上安全に取り扱うことができるとともに、モデル材の劣化を回避することができると考えられる。そのため、この除去用洗浄剤は、光造形装置により立体造形物を作製する際に用いる光硬化性の形状支持材の洗浄液として好適であることが確認された。
一方、比較例1〜4で得られた洗浄液では、浸水距離Lが短く、形状保持材の除去速度が遅いため、洗浄液としては不充分であった。
本発明の形状支持材の除去用洗浄液は、複雑な形状をしている造形物等からも、極めて速やかに形状支持材を除去することができる洗浄液として有用である。

Claims (5)

  1. アニオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種類の界面活性剤を含有する水溶液からなることを特徴とする光造形装置による造形物からの形状支持材除去用洗浄液。
  2. 前記洗浄液のpHが5〜8である請求項1に記載の形状支持材除去用洗浄液。
  3. 前記非イオン界面活性剤のHLB値が5以上である請求項1又は2に記載の形状支持材除去用洗浄液。
  4. 前記洗浄液が、前記界面活性剤0.1〜10重量%と、水90〜99.9重量%とを含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の形状支持材除去用洗浄液。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つの洗浄液を用いて、光造形装置で造形した造形物から形状支持材を除去することを含む造形物の製造方法。
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