JP2019090946A - ネガ型感光性樹脂組成物及び半導体装置部材の製造方法 - Google Patents

ネガ型感光性樹脂組成物及び半導体装置部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】解像性及び耐熱性に優れるレジストパターンを形成することができ、半導体装置部材に適用した場合においても、絶縁信頼性に優れるネガ型感光性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】ポリイミド又はポリイミド前駆体と、活性光線の照射によって酸を発生する化合物と、酸によって作用する架橋剤と、を含有し、架橋剤が、メチロール基及びアルコキシアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を2以上有する第1の化合物、又は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、及びグリシジルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を2以上有する第2の化合物の少なくとも一方を含む、ネガ型感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ネガ型感光性樹脂組成物及び半導体装置部材の製造方法に関する。
半導体素子又はプリント配線板の製造においては、微細なパターンを形成するために、例えば、ネガ型感光性樹脂組成物が使用されている。この方法では、感光性樹脂組成物の塗布等によって、基材(半導体素子の場合はチップ、プリント配線板の場合は基板)上に感光層を形成し、所定のパターンを通して活性光線を照射することで露光部を硬化させる。さらに、現像液を用いて未露光部を選択的に除去することで、基材上に感光性樹脂組成物の硬化膜であるレジストパターンを形成する。そのため、感光性樹脂組成物には、現像時間が短く(現像性)、活性光線に対する感度、微細なパターンを形成できること(解像性)等に優れることが求められる。そこで、アルカリ水溶液に可溶なノボラック樹脂、エポキシ樹脂及び光酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性エポキシ化合物及び光カチオン重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物等が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
さらに、半導体素子に用いられる表面保護膜及び層間絶縁膜としては、耐熱性、電気特性、機械特性等の絶縁信頼性が求められる。そこで、上記感光性樹脂組成物に架橋性モノマーをさらに含有する感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、半導体パッケージの高密度化及び高性能化を目的に、異なる性能のチップを一つのパッケージに混載する実装形態が提案されており、コスト面に優れたチップ間の高密度インターコネクト技術が重要になっている(例えば、特許文献5参照)。
パッケージ上に異なるパッケージをフリップチップ実装によって積層することで接続するパッケージ・オン・パッケージがスマートフォン及びタブレット端末に広く採用されている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。さらに、高密度で実装するための形態として、高密度配線を有する有機基板を用いたパッケージ技術(有機インターポーザ)、スルーモールドビア(TMV)を有するファンアウト型のパッケージ技術(FO−WLP)、シリコン又はガラスインターポーザを用いたパッケージ技術、シリコン貫通電極(TSV)を用いたパッケージ技術、基板に埋め込まれたチップをチップ間伝送に用いるパッケージ技術等が提案されている。
特に有機インターポーザ及びFO−WLPでは、半導体チップ同士を並列して搭載する場合には、高密度で導通させるために微細配線層が必要であり(例えば、特許文献6参照)、微細配線層に用いられる表面保護膜及び層間絶縁膜にはさらなる電気絶縁性が求められている。
特開平06−059444号公報 特開平09−087366号公報 国際公開第2008/010521号 特開2003−215802号公報 特表2012−529770号公報 米国特許出願公開第2001/0221071号明細書
Jinseong Kim et al.,「Application of Through Mold Via (TMV) as PoP Base Package」,Electronic Components and Technology Conference(ECTC),p.1089−1092(2008) S.W. Yoon et al.,「Advanced Low Profile PoP Solution with Embedded Wafer Level PoP (eWLB−PoP) Technology」,ECTC,p.1250−1254(2012)
しかしながら、従来の感光性樹脂組成物では、絶縁信頼性等に優れる反面、高解像度化と絶縁性を含む高い信頼性との両立が困難であった。例えば、特許文献2に記載の感光性樹脂組成物では、塗膜の厚みが50μmであるときに、スペース幅が40μm程度の解像性であり、高集積化した半導体素子には不充分である。また、特許文献3に記載の感光性樹脂組成物では、充分な耐熱性を発現できない場合がある。
ところで、ビルドアップ基板、ウェハレベルパッケージ(WLP)、ファンアウト型のPoPのボトムパッケージ等には、複数の有機絶縁層が積層されてなる積層体(有機絶縁積層体)を有する有機インターポーザが用いられることがある。例えば、この有機絶縁積層体内に5μm以下のライン幅とスペース幅とを有する複数の微細な配線が配置される場合、当該配線は、トレンチ法を用いて形成される。トレンチ法とは、有機絶縁層の表面に形成したトレンチ(溝)に配線となる金属層をめっき法等によって形成する方法である。このため、有機絶縁層上に形成される配線の形状は、溝の形状に沿ったものとなる。
トレンチ法によって有機絶縁積層体内に微細な配線を形成する際には、低コスト化かつ配線抵抗の上昇抑制の観点から、例えば、銅等の高い導電性を有する金属材料を用いることがある。このような金属材料を用いて配線を形成すると、当該金属材料が有機絶縁積層体内に拡散することがある。この場合、拡散した金属材料を介して配線同士が短絡するおそれがあり、有機インターポーザの絶縁信頼性は充分といえない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、解像性及び耐熱性に優れるレジストパターンを形成することができ、半導体装置部材に適用した場合においても、絶縁信頼性に優れるネガ型感光性樹脂組成物を提供することを主な目的とする。
本発明の一側面は、ポリイミド又はポリイミド前駆体と、活性光線の照射によって酸を発生する化合物と、酸によって作用する架橋剤と、を含有するネガ型感光性樹脂組成物を提供する。架橋剤は、メチロール基及びアルコキシアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を2以上有する第1の化合物、又は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、及びグリシジルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を2以上有する第2の化合物の少なくとも一方を含む。
第1の化合物は、下記一般式(1)で表される化合物又は下記一般式(2)で表される化合物であってもよい。
Figure 2019090946

[一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示す。pは1〜4を示し、nは2〜4を示し、Xは単結合又はn価の有機基を示す。]
Figure 2019090946

[一般式(2)中、R、R、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示す。]
第2の化合物の官能基の数は、3以上であってもよい。
架橋剤は、第1の化合物及び第2の化合物の両方を含んでいてもよい。
別の側面において、本発明は、支持体上に上記のネガ型感光性樹脂組成物を用いて絶縁材料層を形成する工程(I)と、絶縁材料層の表面に凹部を形成する工程(II)と、絶縁材料層の凹部を含む表面に、スパッタリング又は無電解めっきによってシード層を形成する工程(III)と、シード層上に電解銅めっき又は無電解銅めっきによって銅層を形成する工程(IV)と、絶縁材料層の表面における凹部以外の領域に形成されている銅層及びシード層を除去することによって、凹部内に形成された銅層を含む配線層を形成する工程(V)と、配線層の露出面上に無電解ニッケルめっきによって、ニッケルバリア層を形成する工程(VI)と、を備える、半導体装置部材の製造方法を提供する。
工程(II)における凹部は、露光及び有機溶剤による現像によって形成されていてもよい。
工程(II)で形成される凹部は、0.5〜20μmの開口幅を有していてもよい。
半導体装置部材の製造方法は、工程(VI)後、絶縁材料層及びニッケルバリア層を覆うように絶縁材料層を形成し、工程(II)から工程(VI)までの一連の工程を1回以上繰り返すことによって、多層化された配線層を形成するものであってもよい。
本発明によれば、解像性及び耐熱性に優れるレジストパターンを形成することができ、半導体装置部材に適用した場合においても、絶縁信頼性に優れるネガ型感光性樹脂組成物が提供される。また、このようなネガ型感光性樹脂組成物を用いることによって、絶縁信頼性が充分に高い微細配線層を有する半導体装置部材の製造方法が提供される。
図1(a)は支持体上に絶縁材料層を形成した状態を模式的に示す断面図であり、図1(b)は絶縁材料層に凹部を形成した状態を模式的に示す断面図であり、図1(c)は絶縁材料層の表面にシード層を形成した状態を模式的に示す断面図である。 図2(a)はシード層上に電解銅めっきした状態を模式的に示す断面図であり、図2(b)は表面研磨により配線層が露出した状態を模式的に示す断面図であり、図2(c)は露出した配線層の上にニッケルバリア層が形成された状態を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において「左」、「右」、「正面」、「裏面」、「上」、「下」、「上方」、「下方」等の用語が利用されている場合、これらは、説明を意図したものであり、必ずしも永久にこの相対位置である、という意味ではない。また、「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。
[ネガ型感光性樹脂組成物]
一実施形態に係るネガ型感光性樹脂組成物は、(A)ポリイミド又はポリイミド前駆体と、(B)活性光線の照射によって酸を発生する化合物と、(C)酸によって作用する架橋剤と、を含有する。
<(A)成分:ポリイミド又はポリイミド前駆体>
(A)成分は、特に制限されずに、従来公知のものを用いることができる。ポリイミド前駆体は、例えば、下記一般式(A1)で表される構成単位を有するポリアミド酸(R3A及びR4Aが水素原子)又はポリアミド酸におけるカルボキシル基の全部若しくは一部がエステル化されたポリアミド酸エステルであってもよい。ポリアミド酸又はポリアミド酸エステルは、下記一般式(A1)で表される構成単位の中から、1種の構成単位のみから構成されるものであっても、2種以上の構成単位から構成されるものであってもよい。このようなポリアミド酸又はポリアミド酸エステルを用いることによって、感光性樹脂組成物を用いて形成されるレジストパターン(絶縁材料層)とシード層との密着性をより高めることができる。また、ポリイミド前駆体は、後述の(C)成分における第2の化合物と組み合わせる場合、感光性樹脂組成物の安定性及びレジストパターンの形成性の観点から、ポリアミド酸エステルであることが好ましい。
Figure 2019090946
一般式(A1)中、R1Aは4価の有機基、R2Aは2価の有機基、R3A及びR4Aは互いに独立に水素原子又は1価の有機基を示す。
1Aで表される4価の有機基は、原料であるテトラカルボン酸(二無水物)に由来する基である。4価の有機基は、炭素原子数4〜30の有機基であってもよい。4価の有機基としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、ペリレン、ビフェニル等の芳香族炭化水素(アリール)、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン、ジフェニルプロパン、ジフェニルヘキサフルオロプロパン、ベンゾフェノン等の芳香族炭化水素基を有する化合物、ブタン、シクロブタン等の脂肪族炭化水素(アルカン)などの化合物から4個の水素原子を取り除いた基が挙げられる。芳香族炭化水素基を有する化合物においては、芳香族炭化水素基から4個の水素原子を取り除いた基であることが好ましい。これらのうち、現像液への溶解性及びそれに伴うパターン性の観点から、好ましくはベンゼン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、又はジフェニルヘキサフルオロプロパンから4個の水素原子を取り除いた基である。
2Aで表される2価の有機基は、原料であるジアミンに由来する基である。2価の有機基は、炭素原子数6〜30の有機基であってもよい。2価の有機基としては、例えば、ベンゼン、ビフェニル等の芳香族炭化水素(アリール)、ジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル、ジフェニルスルホン、ジフェニルスルホキシド、ジフェニルプロパン、ジフェニルヘキサフルオロプロパン、ベンゾフェノン等の芳香族炭化水素基を有する化合物などの化合物から2個の水素原子を取り除いた基が挙げられる。芳香族炭化水素基を有する化合物においては、芳香族炭化水素基から2個の水素原子を取り除いた基であることが好ましい。これらのうち、現像液への溶解性及びそれに伴うパターン性の観点から、好ましくはベンゼン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、又はジフェニルヘキサフルオロプロパンから2個の水素原子を取り除いた基である。
3A及びR4Aで表される1価の有機基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等の炭素原子数1〜10の脂肪族炭化水素基(アルキル基);フェニル基等の芳香族炭化水素基(アリール基);脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基;メトキシエチル基などの炭素原子数が2〜10のアルコキシアルキル基などが挙げられる。これらは炭素原子上の水素原子の一部又は全部がフッ素原子等で置換されていてもよい。これらのうち、ポリイミド前駆体の安定性及び合成の容易さの観点から、好ましくはエチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、又はベンジル基である。
ポリイミド前駆体の製造方法は、特に制限されず、従来公知の方法で製造することができる。ポリイミド前駆体は、例えば、R1Aを有するテトラカルボン酸(二無水物)とR2Aを有するジアミンとを付加重合させることによって得ることができる。また、ポリイミド前駆体は、R1Aを有するテトラカルボン酸(二無水物)をジエステル誘導体に誘導した後、酸塩化物に変換し、ピリジン等の塩基性化合物存在下、得られた酸塩化物とR2Aを有するジアミンとを縮合させることによっても得ることができる。
ポリイミドは、例えば、上記ポリイミド前駆体を、触媒を用いて脱水させることによって得ることができる。
(A)成分は、感光性樹脂組成物の硬化温度の低温化の観点から、有機溶剤(現像液)に対して可溶なものであることが好ましく、有機溶剤(現像液)に対して可溶なもので、かつアルカリ性水溶液(現像液)に対して不溶なものがより好ましい。ここで、有機溶剤及びアルカリ性水溶液とは、後述の現像に用いられる有機溶剤及びアルカリ性水溶液を意味する。(A)成分が有機溶剤に可溶であることの基準としては、例えば、現像に用いられる有機溶剤の1つに、質量比で(A)成分:有機溶剤=50:50〜20:80の割合で仕込み、20〜25℃において、ミックスローター等で撹拌して混合した際に、完溶することが挙げられる。
(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは3000〜200000、より好ましくは100000である。重量平均分子量が3000以上であると、塗膜形成時により良好な膜となり、硬化後の膜強度及び耐熱性が得られる傾向にあり、重量平均分子量が200000以下であると、現像液への溶解性がより良好となり、それに伴うパターン性が向上する傾向にある。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定することができ、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することによって求めることができる。
<(B)成分:活性光線の照射によって酸を発生する化合物>
(B)成分は、活性光線の照射によって酸を発生する化合物であれば特に制限されないが、例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、入手の容易さという観点から、(B)成分は、オニウム塩化合物又はスルホンイミド化合物であることが好ましく、溶剤(有機溶剤)に対する溶解性の観点から、オニウム塩化合物であることが好ましい。
オニウム塩化合物としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。より具体例には、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート等のジアリールヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のトリアリールスルホニウム塩;4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート;4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート;4,7−ジ−n−ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートなどが挙げられる。
スルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)−1,8−ナフタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)−1,8−ナフタルイミド等が挙げられる。
(B)成分は、感度及び解像性により優れる点で、アニオンとして、トリフルオロメタンスルホネート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロホスフェート又はテトラフルオロボレートを有する化合物であることが好ましい。
(B)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の感度、解像性、及びパターン形成性の観点から、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.3〜10質量部である。
<(C)成分:酸によって作用する架橋剤>
架橋剤は、メチロール基及びアルコキシアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を2以上有する第1の化合物、又は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、及びグリシジルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を2以上有する第2の化合物の少なくとも一方を含む。架橋剤は、パターン形成性及び耐熱性の観点から、第1の化合物及び第2の化合物の両方を含むことが好ましい。
(第1の化合物)
第1の化合物は、メチロール基及びアルコキシアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を2以上有するものであれば特に制限されないが、ベンゼン環にこれらの官能基が結合している化合物、又は窒素原子上にこれらの官能基が結合しているメラミン樹脂若しくは尿素樹脂であることが好ましい。中でも、第1の化合物は、感度、露光部の硬化時における溶融防止、及び硬化膜特性のバランスの観点から、下記一般式(1)で表される化合物又は下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。特に、下記一般式(1)で表される化合物を用いることによって、硬化膜の機械特性がより向上する傾向にあり、下記一般式(2)で表される化合物を用いることによって、感度がより向上する傾向にある。第1の化合物の官能基は、互いに同一であっても異なっていてもよいが、互いに同一であることが好ましい。
Figure 2019090946
一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示す。pは1〜4を示し、nは2〜4を示し、Xは単結合又はn価の有機基を示す。
及びRで表される1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等の炭素原子数1〜10の脂肪族炭化水素基(アルキル基)などが挙げられる。pは1又は2であることが好ましく、2であることがより好ましい。nは2又は3であることが好ましく、2であることがより好ましい。複数あるRは、互いに同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
一般式(1)におけるnが2のとき、Xは単結合又は2価の有機基である。Xで表される2価の有機基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素原子数が1〜10のアルキレン基、エチリデン基等の炭素原子数が2〜10のアルキリデン基、フェニレン基等の炭素原子数が6〜30のアリーレン基、これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子等のハロゲン原子で置換された基、スルホン基、カルボニル基、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合などが挙げられる。また、Xで表される2価の有機基は、下記一般式(X1)で表される基であってもよい。
Figure 2019090946
一般式(X1)中、Xはそれぞれ独立に単結合、炭素原子数1〜10のアルキレン基、炭素原子数2〜10のアルキリデン基、これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子等のハロゲン原子で置換された基、スルホン基、カルボニル基、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合を示す。Rはヒドロキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示す。p1は0〜4を示し、n1は1〜10を示す。
一般式(1)で表される化合物は、感度及び解像度により優れる観点から、一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2019090946
一般式(3)中、R、R、及びpは上記と同義である。Y及びYはそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を示す。アルキル基の水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよく、アルキル基の炭素原子は酸素原子で置換されていてもよい。
一般式(1)で表される化合物は、例えば、下記式(1a)〜(1c)で表される化合物であってもよい。
Figure 2019090946
Figure 2019090946
一般式(2)中、R、R、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示す。R、R、R、及びRで表される1価の有機基は、R及びRで例示したものを用いることができる。また、R及びRは、下記一般式(2−1)で表される基又は下記一般式(2−2)で表される基を形成していてもよい。
Figure 2019090946
一般式(2−1)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1〜10のアルキル基を示す。一般式(2−2)中、R及びRは上記と同義である。
一般式(2)で表される化合物は、感度により優れる観点から、下記式(2a)〜(2f)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2019090946
(C)成分として第1の化合物を用いる場合、その含有量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは5〜60質量部、より好ましくは10〜45質量部、さらに好ましくは10〜35質量部である。第1の化合物の含有量が5質量部以上であると、露光部の反応がより充分となるため解像性が低下し難く、耐薬品性及び耐熱性がより良好になる傾向にあり、60質量部を以下であると、感光性樹脂組成物を所望の支持体上により成膜し易くなり、解像性がより良好になる傾向にある。
(第2の化合物)
第2の化合物は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、及びグリシジルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を2以上有するものであれば、特に制限されずに用いることができる。官能基は、好ましくはアクリロイルオキシ基又はグリシジルオキシ基、より好ましくはグリシジルオキシ基である。第2の化合物の官能基の数は、3以上であることが好ましい。第2の化合物の官能基の数の上限は、例えば、12以下であってもよい。第2の化合物の官能基は、互いに同一であっても異なっていてもよいが、互いに同一であることが好ましい。
第2の化合物としては、例えば、一般式(10)〜(13)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019090946
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Figure 2019090946
Figure 2019090946
Figure 2019090946
一般式(10)〜(13)中、R11、R15、R26及びR29は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基、水酸基又は一般式(14)で表される基を示し、一般式(14)におけるR21はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、又はグリシジルオキシ基を示し、R12、R13、R14、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R27、R28及びR30は、それぞれ独立にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、一般式(15)で表される基又は一般式(16)で表される基を示し、一般式(15)におけるR32及び一般式(16)におけるR33はそれぞれ独立にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、又はグリシジルオキシ基を示し、n10及びm10はそれぞれ独立に1〜10の整数である。
グリシジルオキシ基を2以上有する化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、グリセロールプロポキシレートトリグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ジグリシジル1,2−シクロヘキサンジカルボキシレートなどが挙げられる。これらのグリシジルオキシ基を2以上有する化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、感度及び解像性により優れることから、グリシジルオキシ基を2以上有する化合物は、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル又はトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルであることが好ましい。
グリシジルオキシ基を2以上有する化合物の市販品としては、例えば、エポライト40E、エポライト100E、エポライト70P、エポライト200P、エポライト1500NP、エポライト1600、エポライト80MF、エポライト100MF(以上、共栄社化学株式会社製、商品名)、アルキル型エポキシ樹脂ZX−1542(新日鉄住金化学株式会社製、商品名)、デナコールEX−212L、デナコールEX−214L、デナコールEX−216L、デナコールEX−321L、デナコールEX−850L(以上、ナガセケムテック株式会社製、商品名)が挙げられる。
アクリロイルオキシ基を2以上有する化合物としては、例えば、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、EO変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、PO変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパンアクリレート、PO変性トリメチロールプロパンアクリレート、トリメチロールプロパンアクリレート、EO変性グリセリントリアクリレート、PO変性グリセリントリアクリレート、グリセリントリアクリレート等が挙げられる。これらのアクリロイルオキシ基を2以上有する化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表す。
メタクリロイルオキシ基を2以上有する化合物としては、例えば、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、EO変性ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、PO変性ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリメタクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、EO変性トリメチロールプロパンメタクリレート、PO変性トリメチロールプロパンメタクリレート、トリメチロールプロパンメタクリレート、EO変性グリセリントリメタクリレート、PO変性グリセリントリメタクリレート、グリセリントリメタクリレート等が挙げられる。これらのメタクリロイルオキシ基を2以上有する化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表す。
第2の化合物の分子量は、感光性樹脂組成物の他の成分との相溶性及び溶剤への溶解性の観点から、好ましくは92〜2000、より好ましくは106〜1500、さらに好ましくは134〜1300である。
(C)成分として第2の化合物を用いる場合、その含有量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは20〜70質量部、より好ましくは25〜65質量部、さらに好ましくは35〜55質量部である。第2の化合物の含有量が20質量部以上であると、露光部における架橋がより充分となるため、密着性がより向上する傾向にあり、60質量部以下であると、感光性樹脂組成物を所望の支持体上により成膜し易くなり、解像性がより良好になる傾向にある。
<(D)成分:溶剤>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物の取り扱い性、並びに粘度及び保存安定性の調節の観点から、溶剤をさらに含有していてもよい。(D)成分は、有機溶剤であることが好ましい。有機溶剤は、上述の性能を発揮できるものであれば特に制限されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド;γ−ブチロラクトン等のラクトンなどが挙げられる。これらの有機溶剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分の含有量は、(D)成分を除く感光性樹脂組成物の全量100質量部に対して、好ましくは30〜200質量部、より好ましくは60〜120質量部である。
<(E)成分:無機フィラー>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(E)成分として無機フィラーを含有していてもよい。(E)成分は、その含有量に応じて、パターン形成後の絶縁材料層を加熱して得られた硬化膜の熱膨張係数を低減することができる。
(E)成分としては、例えば、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物;アルカリ金属化合物;炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物;タルク、マイカ等の鉱山物由来の無機化合物;溶融球状シリカ、溶融粉砕シリカ、煙霧状シリカ、ゾルゲルシリカ等のシリカなどが挙げられる。これら無機フィラーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機フィラーは、粉砕機で粉砕され、場合によっては分級を行い、最大粒子径を2μm以下に調整することが好ましい。
これらのうち、無機フィラーはシリカであることが好ましい。シリカを用いる場合、その熱膨張係数が5.0×10−6/℃以下であることが好ましい。シリカは、粒子径の観点から、溶融球状シリカ、煙霧状シリカ、又はゾルゲルシリカであることが好ましく、煙霧状シリカ又はゾルゲルシリカがより好ましい。シリカは、平均一次粒子径が5〜100nmであるシリカ(ナノシリカ)であることが好ましい。
(E)成分の平均一次粒子径は、好ましくは100nm以下、より好ましくは80nm以下、さらに50nm以下である。平均一次粒子径が100nm以下であると、感光性樹脂組成物が白濁し難くなるため、露光光が感光性樹脂組成物を透過し易くなる傾向にある。そのため、未露光部を除去し易くなり、解像性の低下を抑えることができる傾向にある。平均一次粒子径は、BET比表面積から換算することによって求めることができる。
(E)成分は、最大粒子径が2μm以下であることが好ましい。最大粒子径は、公知の粒度分布計を用いて測定することができる。粒度分布計は、例えば、粒子群にレーザー光を照射し、発せられる回折光/散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布を求めるレーザー回折散乱式粒度分布計、動的光散乱法による周波数解析を用いて粒度分布を求めるナノ粒子の粒度分布計等が挙げられる。
(E)成分の含有量は、(D)成分を除く感光性樹脂組成物の全量100質量部に対して、好ましくは1〜70質量部、より好ましくは3〜65質量部である。
<(F)成分:シランカップリング剤>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(F)成分としてシランカップリング剤を含有していてもよい。(F)成分剤を含有することによって、パターン形成後の絶縁材料層と支持体との密着強度を向上させることができる。
(F)成分としては、例えば、アルキルシラン、アルコキシシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、アクリロイルシラン、メタクリロイルシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、イソシアネートシラン、サルファーシラン、スチリルシラン、アルキルクロロシラン等が挙げられる。これらシランカップリング剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(F)成分の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ドデシルメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリフェニルシラノール、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、n−オクチルジメチルクロロシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノシラン等が挙げられる。
(F)成分は、グリシジルオキシ基を1以上有するエポキシシランが好ましく、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基をさらに有するエポキシシランがより好ましい。また、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有するエポキシシランであってもよい。
(F)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは3〜10質量部である。
<(G)成分:増感剤>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(G)成分として増感剤を含有していてもよい。(G)成分としては、例えば、9,10−ジブトキシアントラセン等が挙げられる。(G)成分は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。(G)成分を含有することにより、感光性樹脂組成物の光感度を向上させることができる。
(G)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜1.5質量部、より好ましくは0.05〜0.5質量部である。
<(H)成分:フェノール性低分子化合物>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(H)成分として分子量が1000未満であるフェノール性低分子化合物を含有していてもよい。(H)成分としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。これらの(H)成分は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0〜40質量部、より好ましくは0〜30質量部である。
[半導体装置部材の製造方法]
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る半導体装置部材を製造する方法について説明する。本実施形態に係る半導体装置部材の製造方法は、微細化及び多ピン化が必要とされる形態において特に好適であり、特に、異種チップを混載するためのインターポーザが必要なパッケージ形態において好適である。より具体的には、本実施形態に係る製造方法は、ライン幅が20μm以下(より微細な場合には例えば0.5〜10μm)であり且つスペース幅が20μm以下(より微細な場合には例えば0.5〜10μm)のトレンチ構造を有するパッケージ形態において好適である。
一実施形態に係る、支持体上に上記のネガ型感光性樹脂組成物を用いて絶縁材料層を形成する工程(I)と、絶縁材料層の表面に凹部を形成する工程(II)と、絶縁材料層の凹部を含む表面に、スパッタリング又は無電解めっきによってシード層を形成する工程(III)と、シード層上に電解銅めっき又は無電解銅めっきによって銅層を形成する工程(IV)と、絶縁材料層の表面における凹部以外の領域に形成されている銅層及びシード層を除去することによって、凹部内に形成された銅層を含む配線層を形成する工程(V)と、配線層の露出面上に無電解ニッケルめっきによって、ニッケルバリア層を形成する工程(VI)と、を備える。
上記製造方法によれば、絶縁信頼性が充分に高い微細配線層を有する半導体装置部材を製造することができる。以下、各工程について説明する。
<支持体上に絶縁材料層を形成する工程(I)>
まず、半導体装置部材の支持体S上に絶縁材料層1を形成する工程(I)を行う(図1(a))。支持体Sは、特に限定されないが、シリコン板、ガラス板、SUS板、ガラスクロス入り基板、半導体素子入り封止樹脂等であり、高剛性からなる基板が好適である。
支持体Sの厚みは0.2mmから2.0mmの範囲であることが好ましい。0.2mm以上であると、ハンドリングが容易になり、2.0mm以下であると、材料費を抑えることができる傾向にある。支持体Sは、ウェハ状であってもパネル状であってもよい。サイズは特に限定されないが、好ましくは直径200mm、直径300mm又は直径450mmのウェハ、あるいは、一辺が300〜700mmの矩形パネルが用いられる。
絶縁材料層1を構成する材料として、上述のネガ型感光性樹脂組成物を用いることができる。絶縁材料層1は、上述のネガ型感光性樹脂組成物を、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法等の塗布方法によって形成することができる。
絶縁材料層1の厚みは、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下である。絶縁材料層1の厚みは、塗布手段、感光性樹脂組成物の固形分濃度及び粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
<絶縁材料層に凹部を形成する工程(II)>
次に、絶縁材料層1の表面に凹部1aを形成する工程(II)を行う(図1(b))。本実施形態において、凹部1aとは、絶縁材料層1の表面に対して、絶縁材料層1の厚み方向に凹んだ部位をいい、この凹んだ部位の内壁(側面、底面等)を含む。凹部1aは、図1(b)に示すように、支持体Sの表面にまで至るように形成されていること、すなわち、絶縁材料層1からなる側面と、支持体Sの表面からなる底面とによって構成されていることが好ましい。凹部1aはトレンチ構造であることが好ましく、この場合、開口幅(ライン幅)は、例えば、0.5〜20μmであり、より微細な場合には0.5〜5μmであってもよい。凹部1aの開口幅を上記範囲とすることで、高密度化を実現する半導体装置を提供し易い傾向にある。すなわち、微細配線層を有する半導体装置を良好な歩留まり、かつ低コストで製造し易い。なお、凹部1aの開口形状は、例えば、円形又は楕円形であってもよく、この場合の開口サイズの直径は5〜50μm(より微細な場合には5〜10μm)の円の面積に相当する程度であってもよい。
凹部1aの形成方法は、レーザアブレーション、フォトリソグラフィー、インプリント等が挙げられるが、微細化とコストの観点から、工程(I)において感光性樹脂材料からなる絶縁材料層1を形成し、フォトリソグラフィープロセス(露光及び現像)によって凹部1aを形成することが好ましい。
次に、所定のマスクパターンを介して、上記絶縁材料層1を所定のパターンに露光する。露光に用いられる活性光線としては、例えば、g線ステッパーの光線;低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、i線ステッパー等の紫外線;電子線;レーザー光線などが挙げられる。露光量は使用する光源、絶縁材料層1の厚み等によって適宜選定されるが、例えば、高圧水銀灯からの紫外線照射の場合、絶縁材料層1の厚みが10〜50μmでのとき、100〜5000mJ/cm程度である。
さらに、露光後に加熱処理(露光後ベーク)を行う。露光後ベークを行うことにより、(B)成分から発生した酸による(A)成分と(C)成分との硬化反応を促進させることができる。露光後ベークの条件は感光性樹脂組成物の含有量、絶縁材料層1の厚み等によって異なるが、通常、70〜150℃で1〜60分間加熱することが好ましく、80〜120℃で1〜60分間加熱することがより好ましい。
次いで、露光及び/又は露光後ベークを行った絶縁材料層1を現像液により現像して、硬化部以外(未露光部)の領域を溶解及び除去することにより所望のレジストパターンを得る。この場合の現像方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法等が挙げられる。現像条件としては、通常、20〜40℃で1〜10分間である。
上記現像液としては、特に制限はないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等のアルカリ性化合物を濃度が1〜10質量%程度になるように水に溶解した水溶液、アンモニア水等のアルカリ性水溶液などが挙げられる。また、一般に広く用いられる有機溶剤を用いることもできる。
アルカリ性水溶液で現像するためには、感光性樹脂組成物に含有される成分(特に、(A)成分)に充分なアルカリ性水溶液への溶解性を付与する必要がある。しかし、これによって、硬化後の樹脂層の極性が高くなり、絶縁性を含む信頼性に影響を与えることが懸念される。その観点で、有機溶剤による現像がより好ましい態様である。
現像液として用いることができる有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、2−メトキシエタノール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコールアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。有機溶剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、絶縁特性を発現させるために加熱処理を行うことにより、感光性樹脂組成物の硬化膜(レジストパターン)を得る。上記感光性樹脂組成物の硬化条件は特に制限されるものではないが、硬化物の用途に応じて、50〜350℃で30分〜10時間加熱し、感光性樹脂組成物を硬化させることができる。
また、硬化を充分に進行させ、得られた樹脂パターン形状の変形を防止するために二段階で加熱することもできる。例えば、第一段階で、50〜120℃で5分〜2時間加熱し、さらに第二段階で、80〜350℃で10分〜10時間加熱して硬化させることもできる。
上述の硬化条件の加熱設備は、特に制限されず、一般的なオーブン、赤外線炉等を使用することができる。
<シード層を形成する工程(III)>
続いて、絶縁材料層1の凹部1aを含む表面に、スパッタリング又は無電解めっきによってシード層5を形成する工程を行う(図1(c))。この後の工程で銅層7を形成するために行う電解銅めっきのシード層(電解銅めっきのための給電層)に相当する。シード層5を形成する方法としては、例えば、スパッタリングによってチタン、クロム等の金属薄層を形成する方法、無電解めっきによってニッケル等の金属薄層を形成する方法などが挙げられる。
シード層5をスパッタリングによって金属薄層を形成する場合には、スパッタリングターゲットとしてチタン、クロム等の金属を用い、反応ガスとして酸素、窒素等を導入することによって、絶縁材料層1の凹部1aを含む表面上にシード層5を成膜することができる。
スパッタリングにより形成されるシード層5の厚みは、好ましくは20〜200nm、より好ましくは40〜200nm、さらに好ましくは60〜200nmである。
無電解めっきによってニッケル等の金属薄層を形成する場合には、まず、絶縁材料層1の凹部1aを含む表面に対して、表面改質を行うことが好ましい。ここで、「改質」とは、無電解めっきに先立ち、絶縁材料層1の表面に対して、触媒として用いられるパラジウムをより吸着し易い状態に処理することを意味する。無電解めっき前に実施される処理であることから、この改質処理を以下「前処理」ということがある。
改質の方法は、以下の湿式法による前処理及び乾式法による前処理のいずれであってもよい。湿式法による前処理で用いる前処理液(改質液)としては、例えば、分子内にポリエーテル、グリコールエーテル、アミン、アミド、ウレイド、トリアジン、メラミン、イミダゾール、トリアゾール、及びベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基(骨格)を有するシランカップリング剤を含む溶液等が挙げられる。これらの前処理液で用いられる溶媒は特に制限されず、一般に用いられる有機溶媒、水等が挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、絶縁材料層1の表面の濡れ性を向上させる目的で、前処理液(改質液)は、界面活性剤を含んでいてもよい。また、改質効果を高めるために、前処理液(改質液)は、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム等を含んでいてもよい。
これら以外の湿式法での前処理による改質の方法として、酸、アルカリによる粗化処理が挙げられる。他方、乾式法での前処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線処理等による表面改質が挙げられる。
上記の改質の方法の中でも、シランカップリング剤を含む前処理液(改質液)を用いて前処理を行なうことが好ましい。湿式法の具体的な実施方法としては、絶縁材料層1の表面に、スプレー法、ディップ法、スピンコート法、印刷法等によって、前処理液を接触させる方法が挙げられるが、効率よく処理できることから、ディップ法によって行うことが好ましい。
前処理液の成分と絶縁材料層1との反応性を上げるために、これらの改質のための前処理を行なう前に、絶縁材料層1の表面を活性化してもよい。活性化の方法としては、紫外線照射、電子線照射、オゾン水処理、コロナ放電処理、プラズマ処理等の方法が挙げられるが、真空設備を必要とせず、廃液等が発生しないことから、活性化の方法は、紫外線照射が好ましい。活性化は、大気中で行うことが好ましく、酸素雰囲気中で行うことがより好ましい。
活性化に用いる紫外線照射のランプとして、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、真空紫外エキシマランプ等が挙げられるが、活性化効果の大きい、低圧水銀ランプあるいはエキシマランプが好ましい。
活性化は、25〜100℃で行うことが好ましい。より反応性を早めるために、より好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
活性化後の絶縁材料層1表面における純水との接触角は、40度以下であることが好ましく、20度以下であることがより好ましく、10度以下であることがさらに好ましい。また、活性化処理は複数回繰り返してもよい。
前処理は、25〜80℃で行うことが好ましい。より反応性を早めるために40〜80℃がより好ましく、60〜80℃がさらに好ましい。前処理は、5〜30分で行うことが好ましい。より反応性を早めるために10〜30分がより好ましく、15〜30分がさらに好ましい。前処理で用いる前処理液を接触させた後、余分な前処理液を除去するために、水又は有機溶剤で洗浄してもよい。
前処理を行なった後、絶縁材料層1と前処理液の成分であるシランカップリング剤との結合力を高めるために、熱処理を行ってもよい。熱処理温度は、80〜200℃で加熱することが好ましい。より反応性を早めるために120〜200℃がより好ましく、120〜180℃で加熱することが更に好ましい。熱処理時間は5〜60分が好ましく、10〜60分がより好ましく、20〜60分がさらに好ましい。また、前処理と熱処理を複数回繰り返してもよい。
次に、改質された絶縁材料層1の凹部1aを含む表面に、パラジウム吸着層の形成を行う。本実施形態において、パラジウム吸着層とは、パラジウムを絶縁材料層1の凹部1aを含む表面に吸着させた後、パラジウムを触媒として作用させるための活性化を行い、この後の工程で行う無電解ニッケルめっきの無電解めっき反応の触媒となるものである。このパラジウム吸着層の形成方法について、以下に説明する。
まず、前処理がなされた後の絶縁材料層1の表面にパラジウムを付着させる。パラジウムは、市販の無電解めっき用パラジウム水溶液でよく、水中にパラジウム−スズコロイドが分散された溶液(パラジウム−スズコロイド溶液)、パラジウムイオン水溶液、パラジウムナノ粒子分散溶液などを用いればよい。パラジウムを付着させるために浸漬する水溶液の温度は、25〜80℃、付着させるための浸漬時間は1〜60分の間で実施される。パラジウムを付着させた後、余分なパラジウムを除去するため、水又は有機溶剤で洗浄してもよい。
パラジウム付着後、パラジウムを触媒として作用させるための活性化を行う。パラジウムを活性化させる試薬は市販の活性化剤(活性化処理液)でよい。パラジウムを活性化させるために浸漬する活性化剤の温度は、25〜80℃、活性化させるために浸漬する時間は1〜60分の間で実施される。パラジウムの活性化後、余分な活性化剤を除去するため、水又は有機溶剤で洗浄してもよい。
無電解ニッケルめっきとしては、例えば、無電解純ニッケルめっき(純度99質量%以上)、無電解ニッケル−リンめっき(リン含有量:1〜13質量%)、無電解ニッケル−ホウ素めっき(ホウ素含有量:0.3〜1質量%)等が挙げられるが、コストの観点から、無電解ニッケル−リンめっきが好ましい。無電解ニッケルめっき液は市販のめっき液でよく、例えば、中リンタイプ(リン含有量:7〜9質量%)の無電解ニッケルめっき液(株式会社三明製、商品名「ICPニコロンGM−SB−M」、「ICPニコロンGMSD」)を用いることができる。無電解ニッケルめっきは、60〜90℃の無電解ニッケルめっき液中で実施される。
無電解ニッケルめっきにより形成されるニッケル層の厚みは、20〜200nmが好ましく、40〜200nmがより好ましく、60〜200nmがさらに好ましい。
無電解ニッケルめっき後、余分なめっき液を除去するため、水又は有機溶剤で洗浄してもよい。また、無電解ニッケルめっき後、ニッケル層と絶縁材料層1の密着力を高めるため、熱硬化(アニーリング:加熱による時効硬化処理)を行ってもよい。熱硬化温度は、80〜200℃で加熱することが好ましい。より反応性を早めるために120〜200℃がより好ましく、120〜180℃で加熱することがさらに好ましい。熱硬化時間は5〜60分が好ましく、10〜60分がより好ましく、20〜60分がさらに好ましい。
<銅層を形成する工程(IV)>
次に、シード層5上に電解銅めっきによって銅層7を形成する工程(IV)を行う(図2(a))。具体的には、スパッタリング又は無電解めっきで形成したシード層5に電解銅めっきにより、シード層5上に銅層7が形成されるとともに、内壁がシード層5で覆われている凹部1a内に銅層7が充填される。なお、本実施形態では、銅層7を形成する方法として、電解銅めっきを用いたが、これ以外に、例えば、無電解銅めっきを選択できる。
銅層7の厚み(凹部1aが形成されている領域を除く)は、1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましく、1〜3μmがさらに好ましい。
上述のとおり、凹部1aが銅層7で充填された状態とすることで、次の工程(V)において、絶縁材料層1の表面における凹部1a以外の領域に形成されている銅層7、シード層、及び無電解めっきによるシード層5形成時においては、残存しているパラジウム(パラジウム吸着層)を除去するだけで、絶縁材料層1の表面と、凹部1a内に形成される配線層8(銅層7とニッケル層とパラジウム吸着層とによって構成)とを面一にすることができる。電解銅めっきによって、凹部1aが銅層7で充填された状態とするには、絶縁材料層1の表面に比べて、凹部1a内への電解銅めっきの析出量(めっき厚)が大きい、いわゆるフィルドめっきを用いるのが好ましい。
なお、必ずしも凹部1aは銅層7で充填されていなくてもよく、凹部1aの内壁(側面及び底面)に沿って銅層7が形成されてもよい。この場合、次の工程(VI)において、絶縁材料層1の表面における凹部1a以外の領域に形成されている銅層7、シード層5、及び無電解めっきによるシード層5形成時においては、残存しているパラジウム(パラジウム吸着層)を除去した後、さらに、絶縁材料層1の表面を削り、凹部1aの底面に形成された銅層7を露出させることで、絶縁材料層1の表面と、凹部1a内に形成される配線層8とを面一にすることができる。
<銅層を含む配線層を形成する工程(V)>
次に、絶縁材料層1の表面における凹部1a以外の領域に形成されている銅層7、シード層5及び無電解めっきによるシード層5形成時においては、パラジウム吸着層を除去することによって、凹部1a内に形成された銅層7を含む配線層8を形成する工程(V)を行う(図2(b))。すなわち、絶縁材料層1上に形成されている銅層7及びシード層5を除去することで、銅層7及びシード層5の一部が凹部1a内に残存される。これにより、銅層7と、シード層5とによって構成される配線層8が凹部1a内に形成される。
絶縁材料層1上に形成されている銅層7及びシード層5を除去する際、絶縁材料層1の表面と、凹部1a内の配線層8とを面一となるように処理することが好ましい。換言すれば、工程(V)後において、絶縁材料層1の表面と凹部1a内の配線層8が平坦面をなすように、工程(V)を行うことが好ましい。工程(V)における除去処理は、絶縁材料層1上に形成されている銅層7、シード層5及び無電解めっきによるシード層形成時においては、残存しているパラジウムのみを対象としてもよいし、これに加え、絶縁材料層1の上面側の一部も対象としてもよい。
工程(V)における除去処理としては、バックグラインド法、フライカット法、化学的機械研磨(CMP)等によるものが挙げられ、これらのうち、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、フライカット法では、ダイヤモンドバイトによる研削装置を使用すればよい。具体例として、300mmウェハ対応のオートマチックサーフェースプレーナ(株式会社ディスコ製、商品名「DAS8930」)を用いることができる。なお、フライカット法による除去処理は、銅層7の上面側から面全体を均一に研磨するものであって研磨面が平坦となるため、平坦化処理であるともいえる。
<ニッケルバリア層を形成する工程(VI)>
次に、上記工程(V)における除去処理によって形成された配線層8の露出面8a上に無電解ニッケルめっきによって、ニッケルバリア層9を形成する工程(VI)を行う(図2(c))。これにより、配線基板10(半導体装置部材)が製造される。例えば、配線層8の露出面8aの脱脂、水洗、硫酸洗浄、パラジウムキャタライズ及びニッケルめっきをこの順序で実施することで、露出面8a上にのみニッケルバリア層9を形成することができる。無電解ニッケルめっきのめっき液としては、例えば、市販の置換無電解めっき液を適用することができる。
配線層8の露出面8aをニッケルバリア層9で覆うことで、配線層8に含まれる銅の拡散を十分に抑制できる。このため、配線基板10は絶縁信頼性が十分に高い微細配線層を有する半導体装置を製造するのに有用である。ニッケルバリア層9の厚みは、50〜500nmが好ましく、100〜400nmがより好ましく、150〜300nmが更に好ましい。ニッケルバリア層9の厚みが50nm以上であることで銅の拡散抑制効果が十分に得られ易く、他方、500nm以下であることで配線層を多層化して半導体装置を製造したときに全体の厚みを薄くし易い。
以上、半導体装置部材(配線基板)について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。
例えば、上記実施形態においては、一層の配線層を有する配線基板10の製造方法について例示したが、配線基板10の代わりに、多層化された配線層を有する配線基板を製造し、これを用いて半導体装置を製造してもよい。多層化された配線層は、上記工程(VI)後における絶縁材料層1及びニッケルバリア層9を覆うように絶縁材料層を形成し、上記工程(II)から上記工程(VI)の一連の工程を1回以上繰り返すことによって形成することができる。絶縁材料層1及びニッケルバリア層9を覆う絶縁材料層の形成には、絶縁材料層1の形成と同様に、上述のネガ型感光性樹脂組成物を用いることができる。絶縁材料層の厚みは、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下である。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ポリイミド(A−1)の合成>
撹拌機及び温度計を備えた0.5Lのフラスコ中に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)60gを仕込み、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン10.25g(28mmol)を添加して、撹拌溶解した。この溶液に室温下(25℃)で、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)14.21g(32mmol)を30分間かけて加え、12時間撹拌した。この溶液に対して、m−キシレンを20g加え、150℃で2時間加熱還流を行った。加熱還流は、イミド環の環化によって生じた水を共沸により系外へ除去しながら行った。その後、室温まで冷却し、この反応溶液を蒸留水に滴下したところ、沈殿物が析出した。沈殿物をろ別し、減圧乾燥することによってポリイミド(A−1)を得た。ポリイミド(A−1)の重量平均分子量(Mw)は19100であった。得られたポリイミドのHNMRを測定したところ、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンと2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物との一分子あたりの平均の割合は、仕込み比(モル比)どおり、8:7であった。得られたポリイミドは、合成に用いた有機溶媒(有機溶剤)であるN−メチル−2−ピロリドンに析出することなく溶解しており、有機溶媒に充分に可溶であった。
<ポリアミド酸エステル(ポリイミド前駆体)(A−2)の合成>
撹拌機及び温度計を備えた0.2Lのフラスコ中に、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)10g(32mmol)とイソプロピルアルコール3.87g(65mmol)とをN−メチル−2−ピロリドン45gに溶解し、1,8−ジアザビシクロウンデセンを触媒量添加の後に、60℃にて2時間加熱し、続いて室温下(25℃)で15時間撹拌することによって、ODPAのエステル化を行った。その後、氷冷下で塩化チオニルを7.61g(64mmol)加え、室温で2時間撹拌し、酸クロリド溶液を得た。次いで、撹拌機及び温度計を備えた0.5Lのフラスコ中にN−メチル−2−ピロリドン40gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン10.25g(28mmol)及びm−アミノフェノール0.87g(8mmol)を添加し、撹拌溶解した。次いで、ピリジン7.62g(64mmol)を添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、先に調製した酸クロリドの溶液を30分間で滴下した後、30分間撹拌を続けた。この反応溶液を蒸留水に滴下したところ、沈殿物が析出した。この沈殿物をろ別し、減圧乾燥することによってポリアミド酸エステル(A−2)を得た。ポリアミド酸エステル(A−2)の重量平均分子量(Mw)は19400であった。NMRスペクトルより求めたポリアミド酸エステル(A−2)のエステル化率は100%であった。得られたポリアミド酸エステルは、合成に用いた有機溶媒(有機溶剤)であるN−メチル−2−ピロリドンに析出することなく溶解しており、有機溶媒に充分に可溶であった。
(実施例1〜6及び比較例1、2)
<ネガ型感光性樹脂組成物の調製>
以下に示す成分を表1に示す配合量(質量部)で混合し、実施例1〜6及び比較例1、2のネガ型感光性樹脂組成物を得た。
(A)成分:ポリイミド又はポリイミド前駆体
A−1:上述のとおり合成したポリイミド(A−1)
A−2:上述のとおり合成したポリアミド酸エステル(A−2)
(a)成分:ポリイミド及びポリイミド前駆体以外の樹脂
a−1:クレゾールノボラック樹脂(旭有機材株式会社製、商品名:TR4020G)
(B)成分:活性光線の照射によって酸を発生する化合物
B−1:トリアリールスルホニウム塩(サンアプロ株式会社製、商品名:CPI−310B)
(b)成分:活性光線の照射によってラジカルを発生する化合物
b−1:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)
(C)成分:酸によって作用する架橋剤
C−1:1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(下記式(C−1)の化合物、株式会社三和ケミカル製、商品名:MX−270)
Figure 2019090946

C−2:4,4’−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス[2,6−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール](下記式(C−2)の化合物、本州化学工業株式会社製、商品名:TML−BPAF)
Figure 2019090946

C−3:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(下記式(C−3)の化合物、分子量:302.4、新日鉄住金化学株式会社製、商品名:ZX−1542)
Figure 2019090946

C−4:トリメチロールエタントリグリシジルエーテル(下記式(C−4)の化合物、分子量:288.4、アルドリッチ社製)
Figure 2019090946
(D)成分
D−1:γ−ブチロラクトン(GBL)
<絶縁材料層の作製>
実施例1〜6及び比較例1、2のネガ型感光性樹脂組成物をそれぞれスピンコートによって、6インチのシリコンウエハー上に塗膜を形成した。ホットプレート上で90℃、3分間のプリベークを行い、シリコンウエハー上に厚みが5μmの均一な絶縁材料層をそれぞれ作製した。
<耐熱性>
得られた露光された絶縁材料層をホットプレート上にて65℃で2分間、次いで95℃で8分間加熱し、熱風対流式乾燥機にて320℃で60分間加熱処理をして、実施例1〜6の硬化膜を得た。また、熱風対流式乾燥機における加熱処理条件を320℃、60分間から180℃、60分間に変更した以外は、実施例1〜6と同様にして、比較例1、2の硬化膜を得た。熱機械的分析装置(セイコーインスツル株式会社製、商品名:TMA/SS6000)を用いて、昇温速度5℃/分で温度を上昇させたときの該硬化膜の熱膨張率を測定し、その曲線から得られる変曲点をガラス転移温度Tgとして求めた。ガラス転移温度Tgが高いほど、耐熱性に優れることを意味する。結果を表1に示す。
<解像性>
作製した絶縁材料層に、i線ステッパー(キヤノン株式会社製、商品名:FPA−3000iW)を用いてi線(365nm)で、マスクを介して、縮小投影露光を行った。マスクは、露光部及び未露光部の幅が1:1であり、露光部:未露光部が2μm:2μm〜30μm:30μmの範囲で1μm刻みに調整できるパターンを用いた。また、露光量は、100〜3000mJ/cmの範囲で、100mJ/cmずつ変化させながら縮小投影露光を行った。
露光された絶縁材料層をホットプレート上にて65℃で1分間、次いで95℃で4分間加熱し(露光後ベーク)、γ−ブチロラクトン(GBL)とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)との混合溶剤(質量比80:20)を用いて、最短現像時間(未露光部が除去される最短時間)の2倍に相当する時間で浸漬することで現像し、未露光部を除去して現像処理を行い、レジストパターンを形成した。現像処理後、金属顕微鏡を用いて形成されたレジストパターンを観察した。スペース部分(未露光部)がきれいに除去され、かつライン部分(露光部)が蛇行又は欠けを生じることなく形成されたパターンにおいて、露光量が100〜3000mJ/cmの範囲で最も小さいスペース幅の値を最小解像度として評価した。最小解像度が小さいほど、解像性に優れることを意味する。結果を表1に示す。なお、比較例2の絶縁材料層では、レジストパターンが形成できなかった。そのため、比較例2に関しては、以下の絶縁信頼性試験を行わなかった。
<半導体装置部材の作製>
上記解像性の評価におけるレジストパターンの形成方法に準じて、露光された絶縁材料層にそれぞれライン及びスペースが5μm/5μmの櫛歯状の凹部を形成した。絶縁材料層の厚みは5μmであり、絶縁材料層の硬化は窒素オーブンにて320℃で60分間の条件で行った。そこに、本実施形態における半導体装置部材の製造方法に従い、シード層、銅層、及び配線層を形成し、配線層の露出面上にニッケルバリア層を形成した。シード層は、厚みが100nmとなるように、チタンのスパッタリングによって形成した。銅層は、パターンのない部分の厚みが2μmとなるように、電解銅めっきによって形成した。絶縁材料層の表面における凹部以外の領域に形成されている銅層及びシード層の除去は、化学的機械研磨(CMP)によって行った。ニッケルバリア層は、厚みが100nmとなるように、無電解ニッケルめっきによって形成した。次いで、形成したニッケルバリア層上に再度実施例1〜6及び比較例1のネガ型感光性樹脂組成物をそれぞれスピンコートによって成膜し、硬化することによって、実施例1〜6及び比較例1の半導体装置部材を作製した。櫛歯状の凹部上の成膜の厚みは5μmであり、成膜の硬化は窒素オーブンにて320℃で60分間の条件で行った。
<絶縁信頼性>
作製した実施例1〜6及び比較例1の半導体装置部材の配線部に電圧を印加し、HAST条件(印加電圧3.3V、130℃、85%RH)下で絶縁破壊試験を200時間行った。絶縁破壊試験では、長時間継続して絶縁破壊が起こらないこと、及び試験後の櫛歯部分の段面観察において、樹脂成分と各層との界面等で剥離が発生していないことを絶縁信頼性の評価項目とした。継続時間の項目では、200時間継続して絶縁破壊が起こらなかったものを「A」、絶縁破壊が起こったものを「B」とした。段面観察の項目では、剥離が観察されなかったものを「A」、剥離が観察されたものを「B」とした。なお、絶縁破壊は試験初期の抵抗値から10Ωに低下した時点とした。結果を表1に示す。
Figure 2019090946
実施例1〜6のネガ型感光性樹脂組成物を用いて作製したレジストパターンは、ポリイミド又はポリイミド前駆体を含有しない比較例1のネガ型感光性樹脂組成物を用いて作製したレジストパターンに比べて、解像性及び耐熱性に優れ、半導体装置部材に適用した場合においても、絶縁信頼性に優れていた。また、活性光線の照射によって酸を発生する化合物を含有しない比較例2のネガ型感光性樹脂組成物を用いた場合、レジストパターンを形成することができなかった。これらの結果から、本発明のネガ型感光性樹脂組成物が、解像性及び耐熱性に優れるレジストパターンを形成することができ、半導体装置部材に適用した場合においても、絶縁信頼性に優れることが確認された。
S…支持体、1…絶縁材料層、1a…凹部、5…シード層、7…銅層、8…配線層、8a…露出面、9…ニッケルバリア層、10…配線基板(半導体装置部材)。

Claims (8)

  1. ポリイミド又はポリイミド前駆体と、
    活性光線の照射によって酸を発生する化合物と、
    酸によって作用する架橋剤と、
    を含有し、
    前記架橋剤が、メチロール基及びアルコキシアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を2以上有する第1の化合物、又は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、及びグリシジルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を2以上有する第2の化合物の少なくとも一方を含む、ネガ型感光性樹脂組成物。
  2. 前記第1の化合物が、下記一般式(1)で表される化合物又は下記一般式(2)で表される化合物である、請求項1に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2019090946

    [一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示す。pは1〜4を示し、nは2〜4を示し、Xは単結合又はn価の有機基を示す。]
    Figure 2019090946

    [一般式(2)中、R、R、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示す。]
  3. 前記第2の化合物の前記官能基の数が、3以上である、請求項1又は2に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  4. 前記架橋剤が、第1の化合物及び第2の化合物の両方を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  5. 支持体上に請求項1〜4のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物を用いて絶縁材料層を形成する工程(I)と、
    前記絶縁材料層の表面に凹部を形成する工程(II)と、
    前記絶縁材料層の凹部を含む表面に、スパッタリング又は無電解めっきによってシード層を形成する工程(III)と、
    前記シード層上に電解銅めっき又は無電解銅めっきによって銅層を形成する工程(IV)と、
    前記絶縁材料層の表面における前記凹部以外の領域に形成されている前記銅層及び前記シード層を除去することによって、前記凹部内に形成された前記銅層を含む配線層を形成する工程(V)と、
    前記配線層の露出面上に無電解ニッケルめっきによって、ニッケルバリア層を形成する工程(VI)と、
    を備える、半導体装置部材の製造方法。
  6. 前記工程(II)における前記凹部が、露光及び有機溶剤による現像によって形成される、請求項5に記載の半導体装置部材の製造方法。
  7. 前記工程(II)で形成される前記凹部が、0.5〜20μmの開口幅を有する、請求項5又は6に記載の半導体装置部材の製造方法。
  8. 前記工程(VI)後、前記絶縁材料層及び前記ニッケルバリア層を覆うように絶縁材料層を形成し、前記工程(II)から前記工程(VI)までの一連の工程を1回以上繰り返すことによって、多層化された配線層を形成する、請求項5〜7のいずれか一項に記載の半導体装置部材の製造方法。
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