JP2018084684A - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、硬化物、半導体装置及びレジストパターンの形成方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性エレメント、硬化物、半導体装置及びレジストパターンの形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】HAST耐性に優れた硬化物を得ることが可能であると共に、20μmを超える厚さであっても解像性に優れる感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)成分:フェノール性水酸基を有する樹脂と、(B)成分:メチロール基及びアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する化合物と、(C)成分:アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基及び水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を2つ以上有する脂肪族化合物と、(D)成分:光感応性酸発生剤と、(E)成分:酸化防止剤と、を含有する、感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、感光性エレメント、硬化物、半導体装置及びレジストパターンの形成方法に関する。
半導体素子又はプリント配線板等の半導体装置の製造においては、微細なパターンを形成するために、例えば、ネガ型感光性樹脂組成物が使用されている。この方法では、感光性樹脂組成物の塗布等によって、基材(半導体素子の場合はチップ、プリント配線板の場合は基板)上に感光層を形成し、所定のパターンを通して活性光線を照射することで露光部を硬化させる。さらに、現像液を用いて未露光部を選択的に除去することで、感光性樹脂組成物の硬化膜であるレジストパターン(樹脂パターン)を基材上に形成する。そのため、感光性樹脂組成物には、現像時間が短く(現像性)、活性光線に対する感度、微細なパターンを形成できること(解像性)等に優れることが求められる。そこで、アルカリ水溶液に可溶なノボラック樹脂、エポキシ樹脂、及び、光酸発生剤(光感応性酸発生剤)を含有する感光性樹脂組成物、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性エポキシ化合物、及び、光カチオン重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物等が提案されている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。
また、半導体素子に用いられる表面保護膜及び層間絶縁膜としては、耐熱性、電気特性、機械特性等の絶縁信頼性が求められる。そこで、上記感光性樹脂組成物の構成成分に加えて架橋性モノマーを更に含有する感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、下記特許文献4参照)。
特開平06−059444号公報 特開平09−087366号公報 国際公開第2008/010521号 特開2003−215802号公報
ところで、層間絶縁膜を厚く形成することで、層の厚さ方向の配線間の絶縁性が向上して配線の短絡(ショート)を防止できるため、配線間の絶縁に関する信頼性が向上する。また、チップを実装する場合、半導体素子が厚い層間絶縁膜を有することで、半田バンプのパッドにかかる応力を緩和できるため、実装時に接続不良が発生しにくい。そのため、絶縁信頼性及びチップを実装する場合の生産性の観点で、20μmを超える厚い感光性樹脂組成物の膜を形成できることも求められる。また、配線の狭ピッチ化に伴い、HAST(高度加速ストレス試験、Highly Accelerated temperature and humidity Stress Test)耐性の向上も強く求められている。
しかしながら、上記先行技術文献に記載される感光性樹脂組成物では、HAST耐性には改善の余地があった。特に、微細配線間での絶縁信頼性の重要性が増しており、従来まで行われてきた85℃、60%RH、又は、85℃、85%RHで電圧を印加する試験に比べて試験温度が高く条件が厳しいHAST試験(例えば、130℃、85%RH)での耐性(HAST耐性)が求められている。
また、従来の感光性樹脂組成物では、厚膜化した際の解像性について改善の余地がある。例えば、上記特許文献2に記載の感光性樹脂組成物は、塗膜の厚さが50μmであるときにスペース幅が40μm程度の解像性を有するに留まり、高集積化した半導体素子には不充分である。
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決し、HAST耐性に優れた硬化物を得ることが可能であると共に、20μmを超える厚さであっても解像性に優れる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、前記感光性樹脂組成物を用いて得られる感光性エレメント、硬化物及び半導体装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記感光性樹脂組成物又は前記感光性エレメントを用いたレジストパターンの形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、優れた特性を有する感光性樹脂組成物を見出すに至った。
すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)成分:フェノール性水酸基を有する樹脂と、(B)成分:メチロール基及びアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する化合物と、(C)成分:アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基及び水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を2つ以上有する脂肪族化合物と、(D)成分:光感応性酸発生剤と、(E)成分:酸化防止剤と、を含有する。
本発明の感光性樹脂組成物によれば、HAST耐性に優れた硬化物を得ることが可能であり、特に、20μmを超える厚さであってもHAST耐性に優れた硬化物を得ることができる。また、本発明の感光性樹脂組成物は、20μmを超える厚さであっても、解像性に優れる。このような感光性樹脂組成物によれば、解像度に優れるレジストパターンを形成することができる。
ところで、感光性樹脂組成物に対しては、硬化物の耐熱性が優れることが求められる場合がある。しかしながら、例えば、上記特許文献3に記載の感光性樹脂組成物では、充分な耐熱性を発現できない場合がある。これに対し、本発明の感光性樹脂組成物によれば、耐熱性に優れた硬化物を得ることができる。
(E)成分は、ヒンダードフェノール構造を有することが好ましい。
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して1〜70質量部であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、無機フィラーを更に含有してもよい。
本発明に係る感光性エレメントは、支持体と、当該支持体上に設けられた感光層と、を備え、前記感光層が前記感光性樹脂組成物を含む。
本発明に係る硬化物は、前記感光性樹脂組成物の硬化物である。本発明の硬化物は、絶縁膜(表面保護膜、ソルダーレジスト、層間絶縁膜等)として好適に用いることができる。
本発明に係る半導体装置は、前記硬化物を備える。
本発明のレジストパターンの形成方法の第1実施形態は、前記感光性樹脂組成物を含む感光層を基材上に形成する工程と、前記感光層を所定のパターンに露光する露光工程と、前記露光工程の後に前記感光層を現像して樹脂パターンを得る現像工程と、前記樹脂パターンを加熱処理する熱処理工程と、を備える。
本発明のレジストパターンの形成方法の第2実施形態は、前記感光性エレメントの前記感光層を基材上に配置する工程と、前記感光層を所定のパターンに露光する露光工程と、前記露光工程の後に前記感光層を現像して樹脂パターンを得る現像工程と、前記樹脂パターンを加熱処理する熱処理工程と、を備える。
本発明のレジストパターンの形成方法は、前記露光工程と前記現像工程との間に、前記感光層を加熱処理(露光後加熱処理。以下、この加熱処理を「露光後ベーク」ともいう。)する工程を更に備えていてもよい。
本発明によれば、HAST耐性に優れた硬化物を得ることが可能であると共に、20μmを超える厚さであっても解像性に優れる感光性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、前記感光性樹脂組成物を用いて得られる感光性エレメント、硬化物及び半導体装置を提供することができる。さらに、本発明によれば、前記感光性樹脂組成物又は前記感光性エレメントを用いたレジストパターンの形成方法を提供することができる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法の一実施形態を示す模式図である。
以下、本発明の一実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、本明細書において、「層」及び「膜」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば本用語に含まれる。「EO変性」とは、(ポリ)オキシエチレン基を有する化合物であることを意味し、「PO変性」とは、(ポリ)オキシプロピレン基を有する化合物であることを意味する。ここで、「(ポリ)オキシエチレン基」とは、オキシエチレン基、及び、2以上のエチレン基がエーテル結合で連結したポリオキシエチレン基の少なくとも1種を意味する。「(ポリ)オキシプロピレン基」とは、オキシプロピレン基、及び、2以上のプロピレン基がエーテル結合で連結したポリオキシプロピレン基の少なくとも1種を意味する。「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
<感光性樹脂組成物>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)成分:フェノール性水酸基を有する樹脂と、(B)成分:メチロール基及びアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する化合物と、(C)成分:アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基及び水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を2つ以上有する脂肪族化合物と、(D)成分:光感応性酸発生剤と、(E)成分:酸化防止剤と、を含有する。また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、(F)成分:無機フィラー、(G)成分:シランカップリング剤、(H)成分:増感剤、溶剤等を含有することもできる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、20μmを超える厚さであっても解像性に優れる。また、本実施形態の感光性樹脂組成物によれば、HAST耐性及び耐熱性に優れた硬化物を得ることができる。本実施形態の感光性樹脂組成物では、後述するように、感光性樹脂組成物が(E)成分を含有することにより、HAST耐性に優れた硬化物を得ることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物が解像性及び耐熱性に優れる理由について、本発明者らは以下のとおりと考えている。まず、未露光部では、(A)成分の現像液に対する溶解性が(B)成分及び(C)成分添加により大幅に向上する。次に、露光部では、(D)成分から露光で発生した酸の触媒作用により、(B)成分同士が反応することに加え、(B)成分におけるメチロール基又はアルコキシアルキル基が、(C)成分と反応するだけではなく、(A)成分のフェノール性水酸基とも反応し、現像液に対する感光性樹脂組成物の溶解性が大幅に低下する。これによって、現像液に対する未露光部及び露光部の溶解性の差が顕著になり、現像したときに充分な解像性が得られると、本発明者らは推察する。また、露光後の加熱処理により、(B)成分同士の反応、及び、(B)成分と(C)成分又は(A)成分との反応が更に進行し、充分な耐熱性が得られると、本発明者らは推察する。
((A)成分)
(A)成分(フェノール性水酸基を有する樹脂)としては、特に限定されないが、アルカリ水溶液に可溶な樹脂であることが好ましく、解像性を更に向上させる観点から、ノボラック樹脂がより好ましい。ノボラック樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを触媒の存在下で縮合させることにより得られる。
上記フェノール類としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。フェノール類は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
上記アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。アルデヒド類は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
ノボラック樹脂の具体例としては、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂(クレゾールノボラック樹脂)、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂等が挙げられる。
ノボラック樹脂以外の(A)成分としては、ヒドロキシスチレンの単独重合体又は共重合体(ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体、ヒドロキシスチレン−メチル(メタ)アクリル酸共重合体等)、フェノール−キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール−キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン縮合樹脂などが挙げられる。
(A)成分は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(A)成分の重量平均分子量は、得られる樹脂パターン(硬化膜)の解像性、現像性、熱衝撃性、耐熱性等に更に優れる観点から、100000以下であることが好ましく、1000〜80000であることがより好ましく、2000を超え50000以下であることが更に好ましく、2000〜50000であることが特に好ましく、2000〜20000であることが極めて好ましく、5000〜15000であることが非常に好ましい。
「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法に従って標準ポリスチレンによる検量線を用いて測定した値を指し、より具体的には、GPC測定装置としてポンプ(株式会社日立製作所製、L−6200型)、カラム(TSKgel−G5000HXL及びTSKgel−G2000HXL、いずれも東ソー株式会社製、商品名)及び検出器(株式会社日立製作所製、L−3300RI型)を使用し、溶離液としてテトラヒドロフランを使用し、温度30℃、流量1.0mL/minの条件で測定される。
本実施形態の感光性樹脂組成物において、(A)成分の含有量は、感光性樹脂組成物(ただし、溶剤を用いる場合は溶剤を除く)100質量部に対して、30〜90質量部であることが好ましく、40〜80質量部であることがより好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲であると、得られる感光性樹脂組成物を用いて形成された感光層のアルカリ水溶液に対する優れた現像性が得られやすい。
((B)成分)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(B)成分として、メチロール基及びアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する化合物を含有する。(B)成分は、芳香環、複素環及び脂環からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に有することが好ましい。ここで、「芳香環」とは、芳香族性を有する環状炭化水素基(例えば、環状炭素原子数が6〜10の炭化水素基)又は複素芳香環を意味し、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環及びトリアジン環が挙げられる。「複素環」とは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を少なくとも1つ有する環状基(例えば、炭素原子数が3〜10の環状基)を意味し、例えば、ピリジン環、イミダゾール環、ピロリジノン環、オキサゾリジノン環、イミダゾリジノン環及びピリミジノン環が挙げられる。「脂環」とは、芳香族性を有しない環状炭化水素基(例えば、炭素原子数が3〜10の環状炭化水素基)を意味し、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環及びシクロヘキサン環が挙げられる。「アルコキシアルキル基」とは、アルキル基が酸素原子を介してアルキレン基に結合した基を意味する。また、「アルコキシアルキル基」中のアルキル基及びアルキレン基の炭素原子数は、例えば1〜10であり、互いに異なっていてもよい。
感光性樹脂組成物が(D)成分を含有することで、活性光線等の照射によって酸が発生する。発生した酸の触媒作用によって、(B)成分中のメチロール基同士、又は、(B)成分中のメチロール基と(A)成分とが脱アルコールを伴って反応することによって架橋構造体を形成し、ネガ型のパターンを形成することができる。あるいは、上記発生した酸の触媒作用によって、(B)成分中のアルコキシアルキル基同士、又は、(B)成分中のアルコキシアルキル基と(A)成分とが脱アルコールを伴って反応することによって架橋構造体を形成し、ネガ型のパターンを形成することができる。
感光性樹脂組成物が(B)成分を含有することにより、感光層を加熱して硬化する際に、(B)成分同士が反応、又は、(B)成分と(C)成分又は(A)成分とが反応して橋架け構造を形成し、硬化物の脆弱化及び変形を防ぐことができ、耐熱性を向上することができる。
(B)成分は、フェノール性水酸基、ヒドロキシメチルアミノ基及びアルコキシメチルアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に有することが好ましい。(B)成分としては、(A)成分又は(C)成分に該当する化合物を除く。
(B)成分がフェノール性水酸基を有する化合物である場合、(B)成分がメチロール基又はアルコキシアルキル基を有することで、(C)成分又は(A)成分と反応するだけでなく、アルカリ水溶液で現像する際の未露光部の溶解速度を増加させて感度を更に向上させることができる。フェノール性水酸基を有する化合物の重量平均分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性、感光性、機械特性等をバランスよく向上させることを考慮して、94〜2000であることが好ましく、108〜2000であることがより好ましく、108〜1500であることが更に好ましい。なお、分子量の低い化合物について、上述の重量平均分子量の測定方法で測定困難な場合には、他の方法で分子量を測定し、その平均を算出することもできる。
上記フェノール性水酸基を有する化合物としては、従来公知の化合物を用いることができるが、未露光部の溶解促進効果と、感光層の硬化時の溶融を防止する効果とのバランスに優れる観点から、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2018084684
一般式(1)中、Zは、単結合又は2価の有機基を示し、R11及びR12は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、R13及びR14は、それぞれ独立に1価の有機基を示し、a及びbは、それぞれ独立に1〜3の整数を示し、c及びdは、それぞれ独立に0〜3の整数を示す。ここで、1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の、炭素原子数が1〜10であるアルキル基;ビニル基等の、炭素原子数が2〜10であるアルケニル基;フェニル基等の、炭素原子数が6〜30であるアリール基;これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基が挙げられる。R11〜R14が複数ある場合には、互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2018084684
一般式(2)中、Xは単結合又は2価の有機基を示し、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)を示す。複数のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
また、上記フェノール性水酸基を有する化合物として、下記一般式(3)で表される化合物を使用してもよい。
Figure 2018084684
一般式(3)中、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)を示す。複数のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)において、Zが単結合である化合物は、ビフェノール(ジヒドロキシビフェニル)誘導体である。また、Zで示される2価の有機基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の、炭素原子数が1〜10であるアルキレン基;エチリデン基等の、炭素原子数が2〜10であるアルキリデン基;フェニレン基等の、炭素原子数が6〜30であるアリーレン基;これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基;スルホニル基;カルボニル基;エーテル結合;スルフィド結合;アミド結合などが挙げられる。これらの中で、Zは、下記一般式(4)で表される2価の有機基であることが好ましい。
Figure 2018084684
一般式(4)中、Xは、単結合、アルキレン基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキレン基)、アルキリデン基(例えば、炭素原子数が2〜10のアルキリデン基)、それらの水素原子の一部若しくは全部をハロゲン原子で置換した基、スルホニル基、カルボニル基、エーテル結合、スルフィド結合又はアミド結合を示す。Rは、水素原子、水酸基、アルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)又はハロアルキル基を示し、eは、1〜10の整数を示す。複数のR及びXは、互いに同一でも異なっていてもよい。ここで、「ハロアルキル基」とは、ハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。
上記ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物としては、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)メラミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)グリコールウリル、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)ベンゾグアナミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)尿素等が挙げられる。また、ヒドロキシメチルアミノ基の全部又は一部をアルキルエーテル化した含窒素化合物(アルコキシメチルアミノ基を有する化合物等)などを用いてもよい。ここで、アルキルエーテルのアルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基又はこれらを混合したものが挙げられ、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含有していてもよい。アルコキシメチルアミノ基を有する化合物としては、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、ヘキサキス(ブトキシメチル)メラミン、テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(メトキシメチル)尿素等が挙げられる。
上記アルコキシメチルアミノ基を有する化合物としては、具体的には、下記一般式(5)で表される化合物、及び、下記一般式(6)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
Figure 2018084684
一般式(5)中、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)を示す。複数のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2018084684
一般式(6)中、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)を示す。複数のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
(B)成分は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物において、(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、5〜60質量部であることが好ましく、10〜45質量部であることがより好ましく、10〜35質量部であることが更に好ましい。(B)成分の含有量が5質量部以上であると、露光部の反応が充分となるため解像性が低下しにくく、また、耐薬品性及び耐熱性が良好になる傾向があり、60質量部以下であると、感光性樹脂組成物を所望の支持体上に成膜しやすくなり、解像性が更に良好になる傾向がある。なお、本明細書において、(A)成分100質量部とは、(A)成分の固形分100質量部であることを意味する。
((C)成分)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(C)成分として、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基及び水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を2つ以上有する脂肪族化合物((A)成分に該当する化合物を除く)を含有する。なお、(C)成分は、異なる2種以上の官能基を少なくとも1つずつ有してもよく、1種の官能基を2つ以上有してもよい。当該化合物は、前記官能基を3つ以上有する脂肪族化合物であることが好ましい。前記官能基数の上限は、特に制限はないが、例えば12個である。なお、「脂肪族化合物」とは、主骨格が脂肪族骨格であり、芳香環又は芳香族複素環を含まないものをいう。
基材上に感光性樹脂組成物層(感光層)を形成する場合の作業性に優れる観点から、感光性樹脂組成物には、基材に対する張り付き性(タック性)に優れることも求められる場合がある。充分なタック性を有していない感光性樹脂組成物を用いる場合、現像処理によって露光部の感光性樹脂組成物が除去されやすく、基材と樹脂パターン(レジストパターン)との密着性が悪化する傾向がある。本実施形態では、感光性樹脂組成物が(C)成分を含有することで、感光性樹脂組成物と基材との粘着性(すなわちタック性)が向上する傾向がある。さらに、感光性樹脂組成物が(C)成分を含有することにより、感光層(塗膜)に柔軟性を付与でき、また、アルカリ水溶液で現像する際の未露光部の溶解速度が増加することにより樹脂パターンの解像性が更に向上する傾向がある。
タック性、及び、アルカリ水溶液に対する溶解性に更に優れる観点から、(C)成分の重量平均分子量は、バランスを考慮して、92〜2000であることが好ましく、106〜1500であることがより好ましく、134〜1300であることが更に好ましい。なお、分子量の低い化合物について、上述の重量平均分子量の測定方法で測定困難な場合には、他の方法で分子量を測定し、その平均を算出することもできる。
(C)成分の官能基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基及びグリシジルオキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、アクリロイル基及びグリシジルオキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、アクリロイルオキシ基が更に好ましい。
(C)成分の具体例としては、例えば、下記一般式(c1)〜(c4)で表される化合物が挙げられる。下記一般式(c1)〜(c7)において、オキセタニルアルキルエーテル基中のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられるが、メチル基が好ましい。
Figure 2018084684
一般式(c1)中、RC11は、水素原子、メチル基、エチル基、水酸基、又は、下記一般式(c5)で表される基を示し、RC12、RC13及びRC14は、それぞれ独立にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基、水酸基、下記一般式(c6)で表される基、又は、下記一般式(c7)で表される基を示す。
Figure 2018084684
一般式(c2)中、RC21は、水素原子、メチル基、エチル基、水酸基、又は、下記一般式(c5)で表される基を示し、RC22、RC23及びRC24は、それぞれ独立にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基、水酸基、下記一般式(c6)で表される基、又は、下記一般式(c7)で表される基を示す。
Figure 2018084684
一般式(c3)中、RC31、RC32、RC33、RC34、RC35及びRC36は、それぞれ独立にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基、水酸基、下記一般式(c6)で表される基、又は、下記一般式(c7)で表される基を示す。
Figure 2018084684
一般式(c4)中、RC41、RC43、RC44及びRC46は、それぞれ独立にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基、水酸基、下記一般式(c6)で表される基、又は、下記一般式(c7)で表される基を示し、RC42及びRC45は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基、水酸基、又は、下記一般式(c5)で表される基を示す。
Figure 2018084684
一般式(c5)中、RC5は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基又は水酸基を示す。
Figure 2018084684
一般式(c6)中、RC6は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基又は水酸基を示し、nは1〜10の整数である。
Figure 2018084684
一般式(c7)中、RC7は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基又は水酸基を示し、mは1〜10の整数である。
アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、EO変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、PO変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパンアクリレート、PO変性トリメチロールプロパンアクリレート、トリメチロールプロパンアクリレート、EO変性グリセリントリアクリレート、PO変性グリセリントリアクリレート、グリセリントリアクリレート等が挙げられる。アクリロイルオキシ基を有する化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
メタクリロイルオキシ基を有する化合物としては、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、EO変性ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、PO変性ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリメタクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、EO変性トリメチロールプロパンメタクリレート、PO変性トリメチロールプロパンメタクリレート、トリメチロールプロパンメタクリレート、EO変性グリセリントリメタクリレート、PO変性グリセリントリメタクリレート、グリセリントリメタクリレート等が挙げられる。メタクリロイルオキシ基を有する化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
グリシジルオキシ基を有する化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、グリセロールプロポキシレートトリグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ジグリシジル1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート等が挙げられる。グリシジルオキシ基を有する化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
グリシジルオキシ基を有する化合物の中でも、感度及び解像性に更に優れる観点から、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、及び、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
グリシジルオキシ基を有する化合物は、例えば、エポライト40E、エポライト100E、エポライト70P、エポライト200P、エポライト1500NP、エポライト1600、エポライト80MF及びエポライト100MF(以上、共栄社化学株式会社製、商品名)、ZX−1542、PG−207GS及びZX−1658GS(アルキル型エポキシ樹脂、新日鉄住金化学株式会社製、商品名)、デナコールEX−212L、デナコールEX−214L、デナコールEX−216L、デナコールEX−321L及びデナコールEX−850L(以上、ナガセケムテック株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。
(C)成分における塩素含有量は、少ないことが好ましい。これに対し、グリシジルオキシ基を有する化合物は、エピクロルヒドリンを反応原料として合成できるが、その反応の際に不純物として塩素が発生する。グリシジルオキシ基を有する化合物における塩素含有量を少なくする方法としては、例えば、塩素を分子蒸留等により除去する方法が挙げられる。グリシジルオキシ基を有する低塩素の化合物は、例えば、ZX−1542、PG−207GS及びZX−1658GS(以上、アルキル型エポキシ樹脂、新日鉄住金化学株式会社製、商品名)、デナコールEX−212L、デナコールEX−214L、デナコールEX−216L、デナコールEX−321L及びデナコールEX−850L(以上、ナガセケムテック株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。
オキセタニルアルキルエーテル基を有する化合物としては、例えば、3−アルキル−3−オキセタニルアルキルエーテル基を有する化合物が挙げられ、3−エチル−3−オキセタニルアルキルエーテル基を有する化合物が好ましい。このようなオキセタン化合物としては、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールエタントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、グリセロールポリ(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、グリセリントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。オキセタニルアルキルエーテルを有する化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
水酸基を有する化合物としては、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、グリセリン等の多価アルコールなどが挙げられる。水酸基を有する化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(C)成分は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(C)成分の塩素含有量は、(C)成分の全量に対して、0.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることが更に好ましい。(C)成分の塩素含有量が0.5質量%以下である場合、感光性樹脂組成物の硬化物のHAST耐性が更に良好になる傾向がある。また、(C)成分に含まれる塩素は、合成時に生成する塩酸由来のものがあり、樹脂パターンを形成するために、アルカリ現像液を用いて現像する場合、アルカリ現像液中で塩酸塩を形成するため、現像残渣が生じることがある。これに対し、(C)成分の塩素含有量が0.5質量%以下であると、感光性樹脂組成物のアルカリ現像液への現像性が低下することを抑制し、現像時間が短くなり、現像残渣が発生しにくくなる傾向がある。
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、1〜70質量部であることが好ましく、20〜70質量部であることがより好ましく、25〜65質量部であることが更に好ましく、25〜58質量部であることが特に好ましい。(C)成分の含有量が1質量部以上であれば、露光部における架橋が充分となり、タック性が充分となる傾向があり、70質量部以下であると、感光性樹脂組成物を所望の支持体上に成膜しやすくなり、解像性が低下しにくい。
((D)成分)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、光感応性酸発生剤を含有する。光感応性酸発生剤は、活性光線等の照射によって酸を発生する化合物である。当該光感応性酸発生剤から発生する酸の触媒効果により、(B)成分同士が反応するだけでなく、(B)成分が(A)成分又は(C)成分とも反応し、現像液に対する感光性樹脂組成物の溶解性を低下させることで、ネガ型のパターンを形成することができる。なお、(C)成分がアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する化合物である場合は、活性光線等の照射によってアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のラジカル重合も進行する。
(D)成分は、活性光線等の照射によって酸を発生する化合物であれば特に限定されないが、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物、オキシム化合物等が挙げられる。中でも、入手の容易さに優れる観点から、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物及びオキシム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。特に、溶剤を用いる場合、溶剤に対する溶解性に優れる観点から、オニウム塩化合物が好ましい。
オニウム塩化合物としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。好ましいオニウム塩化合物の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムトリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニド等のジアリールヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のトリアリールスルホニウム塩;4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート;4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート;4,7−ジ−n−ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートなどが挙げられる。中でも、感度及び熱的安定性を更に向上させる観点から、スルホニウム塩が好ましく、熱的安定性を更に向上させる観点から、トリアリールスルホニウム塩がより好ましい。オニウム塩化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
オニウム塩化合物は、感度及び解像性に更に優れる観点から、カチオンとして、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウム、(2−メチル)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]4−ビフェニリルスルホニウム、[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−メチルフェニル]4−ビフェニリルフェニルスルホニウム、(2−エトキシ)フェニル[4−(4−ビフェニリルチオ)−3−エトキシフェニル]4−ビフェニリルスルホニウム、及び、トリス[4−(4−アセチルフェニルスルファニル)フェニル]スルホニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を有することが好ましい。
オニウム塩化合物は、感度及び解像性に更に優れる観点から、アニオンとして、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、及び、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートからなる群より選ばれる少なくとも1種を有することが好ましい。
スルホンイミド化合物の具体例としては、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)−1,8−ナフタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)−1,8−ナフタルイミド等が挙げられる。スルホンイミド化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(D)成分としては、感度、解像性、及びHAST耐性に更に優れる観点から、トリフルオロメタンスルホネート基及びテトラフルオロボレート基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する化合物が好ましい。テトラフルオロボレート基を有する化合物としては、トリアリールスルホニウム塩(サンアプロ株式会社製、商品名:CPI−310B)等が挙げられる。
(D)成分は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。(D)成分と他の増感剤とを組み合わせて使用することができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物において、(D)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の感度、解像性、パターン形状等を更に向上させる観点から、(A)成分100質量部に対して、0.1〜15質量部であることが好ましく、0.3〜10質量部であることがより好ましい。
((E)成分)
酸化防止剤は、露光若しくは加熱により発生したラジカルの捕捉、又は、酸化によって生成した過酸化物の分解により、重合体分子の結合の解裂を抑制する成分である。本実施形態の感光性樹脂組成物は、酸化防止剤を含有することで、当該感光性樹脂組成物から形成される硬化物中における重合体分子の解裂劣化が抑制され、耐光性や耐HAST性等を向上させることができる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール構造を有する化合物、ヒンダードアミン構造を有する化合物、アルキルホスファイト構造を有する化合物、チオエーテル構造を有する化合物等が挙げられる。
ヒンダードフェノール構造を有する化合物としては、3−(3,5-ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)メシチレン、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)、3,3’,3’,5’,5’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミン)フェノール等が挙げられる。
ヒンダードフェノール構造を有する化合物の市販品としては、「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」(以上、株式会社ADEKA製)、「sumilizerGM」、「sumilizerGS」、「sumilizerMDP−S」、「sumilizerBBM−S」、「sumilizerWX−R」、「sumilizerGA−80」(以上、住友化学株式会社製);「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1726」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX565」、「IRGAMOD295」(以上、チバジャパン社);「ヨシノックスBHT」、「ヨシノックスBB」、「ヨシノックス2246G」、「ヨシノックス425」、「ヨシノックス250」、「ヨシノックス930」、「ヨシノックスSS」、「ヨシノックスTT」、「ヨシノックス917」、「ヨシノックス314」(以上、エーピーアイコーポレーション株式会社製)等が挙げられる。
これらの中で、酸化防止剤は、ヒンダードフェノール構造を有することが好ましい。酸化防止剤がヒンダードフェノール構造を有することで、当該感光性樹脂組成物から形成される硬化物中における重合体分子の解裂劣化を更に抑制することができる。
酸化防止剤は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(E)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の感度、解像性、パターン形状等を更に良好なものとする観点から(A)成分100質量部に対して、0.1〜15質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましく、0.2〜5質量部であることが更に好ましく、0.5〜4質量部であることが特に好ましい。
((F)成分)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(F)成分として無機フィラーを含有することにより、(F)成分の含有量に応じて、得られた硬化物の熱膨張係数を低減できる。(F)成分は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。いずれの無機フィラーも、樹脂組成物中に分散させた際に最大粒子径が2μm以下となるように分散されていることが好ましい。
無機フィラーとしては、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物;アルカリ金属化合物;炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物;タルク、マイカ等の鉱山物由来の無機化合物;溶融球状シリカ、溶融粉砕シリカ、煙霧状シリカ、ゾルゲルシリカ等のシリカなどが挙げられる。これらは、粉砕機で粉砕され、場合によっては分級を行い、最大粒子径2μm以下で分散させることができる。
無機フィラーの種類としては、いずれでも使用できるが、シリカが好ましい。シリカの熱膨張係数は、5.0×10−6/℃以下であることが好ましく、粒子径の観点から、溶融球状シリカ、煙霧状シリカ、ゾルゲルシリカ等のシリカが好ましく、煙霧状シリカ又はゾルゲルシリカがより好ましい。平均一次粒子径が5〜100nmのシリカ(ナノシリカ)を用いることが好ましい。これらは、感光性樹脂組成物中に最大粒子径が2μm以下で分散させることが好ましい。その際、凝集することなく樹脂中に分散させるために、シランカップリング剤((G)成分)を用いることができる。
それぞれの無機フィラーの粒子径を測定する際には、公知の粒度分布計を用いることが好ましい。例えば、粒子群にレーザ光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから計算によって粒度分布を求めるレーザ回折散乱式粒度分布計、動的光散乱法による周波数解析を用いて粒度分布を求めるナノ粒子の粒度分布計等が挙げられる。なお、最大粒子径は、感光性樹脂組成物中に分散した状態での無機フィラーの最大粒子径であり、以下のように測定して得られる値とする。まず、感光性樹脂組成物をメチルエチルケトンで1000倍に希釈(又は溶解)させた後、サブミクロン粒子アナライザ(ベックマン・コールター株式会社製、商品名:N5)を用いて、国際標準規格ISO13321に準拠して、屈折率1.38で、溶剤中に分散した粒子を測定し、粒度分布における積算値99.9%(体積基準)での粒子径を最大粒子径とする。また、支持体上に設けられる感光層又は感光性樹脂組成物の硬化膜であっても、上述のように溶剤を用いて1000倍(体積比)に希釈(又は溶解)をした後、上記サブミクロン粒子アナライザを用いて測定できる。
無機フィラーの平均一次粒子径は、100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましく、感光層の感光性に更に優れる観点から、50nm以下であることが更に好ましい。平均一次粒子径が100nm以下であると、感光性樹脂組成物が白濁しにくくなり、露光のための光が感光層を透過しやすくなる。その結果、未露光部を除去しやすくなり、解像性が低下しにくい傾向がある。平均一次粒子径は、BET比表面積から換算して得られる値とする。
(F)成分の含有量は、感光性樹脂組成物(ただし、溶剤を用いる場合は溶剤を除く)の全量に対して、1〜70質量%であることが好ましく、3〜65質量%であることがより好ましい。
((G)成分)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(G)成分としてシランカップリング剤を含有していてもよい。感光性樹脂組成物が(G)成分を含有することにより、樹脂パターン形成後の感光層と基材との密着強度を向上させることができる。
(G)成分としては、一般的に入手可能なものを用いることができ、例えば、アルキルシラン、アルコキシシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、アクリロイルシラン、メタクリロイルシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、イソシアネートシラン、サルファーシラン、スチリルシラン、アルキルクロロシラン等が使用可能である。
(G)成分の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ドデシルメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリフェニルシラノール、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、n−オクチルジメチルクロロシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノシラン等が挙げられる。
(G)成分としては、グリシジルオキシ基を有するエポキシシランが好ましく、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基を有するエポキシシランがより好ましい。また、アクリロイルシラン又はメタクリロイルシランを用いてもよい。
(G)成分は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(G)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましく、3〜10質量部であることがより好ましい。
((H)成分)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(H)成分として増感剤を含有してもよい。感光性樹脂組成物が(H)成分を含有することにより、感光性樹脂組成物の光感度を向上させることができる。増感剤としては、9,10−ジブトキシアントラセン等が挙げられる。(H)成分は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(H)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.01〜1.5質量部であることが好ましく、0.05〜0.5質量部であることがより好ましい。
(溶剤)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物の取り扱い性を向上させたり、粘度及び保存安定性を調節したりするために、溶剤(希釈溶剤)を更に含有することができる。溶剤は、有機溶剤であることが好ましい。このような有機溶剤の種類は、上記性能を発揮できるものであれば特に制限されるものではないが、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ;ブチルカルビトール等のカルビトール;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド;γ−ブチロラクトン等のラクトンなどが挙げられる。有機溶剤は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
溶剤の含有量は、溶剤を除く感光性樹脂組成物の全量100質量部に対して、30〜200質量部であることが好ましく、50〜120質量部であることがより好ましい。
(その他の成分)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)成分に加えて、分子量が1000未満であるフェノール性低分子化合物(以下、「フェノール化合物(a)」という。)を含有していてもよい。フェノール化合物(a)としては、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。フェノール化合物(a)の含有量は、(A)成分100質量部に対して、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上述の成分以外のその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、活性光線の照射に伴う反応の抑制剤、密着助剤、アミン、有機過酸化物、レベリング剤等が挙げられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物における塩素含有量は、感光性樹脂組成物の硬化物のHAST耐性が更に良好になる観点、及び、感光性樹脂組成物のアルカリ現像液への現像性が低下することを抑制し、現像時間が短くなり、現像残渣が発生しにくくなる観点から、感光性樹脂組成物の全量に対して、0.1質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以下であることがより好ましく、0.02質量%以下であることが更に好ましく、0.01質量%以下であることが特に好ましい。
<感光性エレメント>
本実施形態の感光性エレメントについて説明する。
本実施形態の感光性エレメントは、支持体と、当該支持体上に設けられた感光層とを備え、当該感光層は、本実施形態の感光性樹脂組成物を含む。感光層は、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて形成される。本実施形態の感光性エレメントは、感光層上に、感光層を被覆する保護フィルムを更に備えていてもよい。
上記支持体としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの、耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。上記支持体(重合体フィルム等)の厚さは、5〜25μmであることが好ましい。なお、上記重合体フィルムは、一つを支持体として、他の一つを保護フィルムとして、感光層を挟むように感光層の両面に積層して使用してもよい。
上記保護フィルムとしては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの、耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。
上記感光層は、上記感光性樹脂組成物を支持体又は保護フィルム上に塗布することにより形成することができる。塗布方法としては、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法等が挙げられる。感光層の厚さは、用途により異なるが、感光層を乾燥した後に20μmを超え100μm以下であることが好ましく、20μmを超え60μm以下であることがより好ましく、25〜50μmであることが更に好ましい。感光層の厚さは、20μm以下であってもよい。
<レジストパターンの形成方法>
本実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)のレジストパターンの形成方法を説明する。第1実施形態のレジストパターンの形成方法は、前記感光性樹脂組成物を含む感光層を基材(例えば基板)上に形成する感光層準備工程と、前記感光層を所定のパターンに露光する露光工程と、前記露光工程の後に前記感光層を現像して樹脂パターンを得る現像工程と、前記樹脂パターンを加熱処理する熱処理工程と、を備える。第2実施形態のレジストパターンの形成方法は、前記感光性エレメントの前記感光層を基材上に配置する感光層準備工程と、前記感光層を所定のパターンに露光する露光工程と、前記露光工程の後に前記感光層を現像して樹脂パターンを得る現像工程と、前記樹脂パターンを加熱処理する熱処理工程と、を備える。本実施形態のレジストパターンは、本実施形態のレジストパターンの形成方法により得られるレジストパターン(例えば、永久マスクレジスト)である。
第1実施形態のレジストパターンの形成方法における感光層準備工程は、例えば、前記感光性樹脂組成物を基材(例えば基板)上に塗布し、前記感光性樹脂組成物を乾燥して感光層を形成する工程である。第2実施形態のレジストパターンの形成方法における感光層準備工程は、例えば、前記感光性エレメントを用いて、前記感光層を基材(例えば基板)上に配置する工程である。本実施形態のレジストパターンの形成方法は、前記露光工程と前記現像工程との間に、前記感光層を加熱処理(露光後ベーク)する工程を更に備えていてもよい。この場合、本実施形態のレジストパターンの形成方法は、前記感光層を所定のパターンに露光し、露光後加熱処理(露光後ベーク)を行う工程と、前記加熱処理(露光後ベーク)後の前記感光層を現像し、得られた樹脂パターンを加熱処理する工程と、を備える。以下、各工程について更に説明する。
本実施形態のレジストパターンの形成方法では、例えば、まず、レジストパターンを形成すべき基材上に、上述の感光性樹脂組成物を含む感光層を形成する。当該感光層の形成方法としては、前記感光性樹脂組成物を基材に塗布(例えば塗工)し、乾燥して溶剤等を揮発させて感光層(塗膜)を形成する方法、上述の感光性エレメントにおける感光層を基材上に転写(ラミネート)する方法等が挙げられる。
基材としては、基板等が挙げられる。基材としては、例えば、樹脂付き銅箔、銅張積層板、金属スパッタ膜を付けたシリコンウエハ、銅めっき膜を付けたシリコンウエハ、アルミナ基板等を用いることができる。基材における感光層が形成される面が、感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化樹脂層であってもよい。その場合、基材との密着性が向上する傾向がある。
上記感光性樹脂組成物を基材に塗布する方法としては、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法等の塗布方法を用いることができる。塗膜の厚さは、塗布手段、感光性樹脂組成物の固形分濃度及び粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
次に、所定のマスクパターンを介して、上記感光層を所定のパターンに露光する。露光に用いられる活性光線としては、g線ステッパーを光源とする光線;低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、i線ステッパー等を光源とする紫外線;電子線;レーザ光線などが挙げられる。露光量は、使用する光源、感光層の厚さ等によって適宜選定されるが、例えば、高圧水銀灯からの紫外線照射の場合、感光層の厚さ10〜50μmでは、100〜5000mJ/cm程度である。
さらに、露光後現像前に加熱処理(露光後ベーク)を行ってもよい。露光後ベークを行うことにより、光感応性酸発生剤から発生した酸による(A)成分と(B)成分との硬化反応を促進させることができる。露光後ベークの条件は、感光性樹脂組成物の組成、各成分の含有量、感光層の厚さ等によって異なるが、例えば、70〜150℃で1〜60分程度加熱することが好ましく、80〜120℃で1〜60分程度加熱することがより好ましい。
次いで、露光及び/又は露光後ベークを行った感光層をアルカリ性現像液により現像して、未露光部の領域(硬化部以外の領域)を溶解及び除去することにより所望の樹脂パターンを得る。この場合の現像方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法等が挙げられる。現像条件としては、例えば、20〜40℃で1〜10分程度である。
上記アルカリ性現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等のアルカリ性化合物を濃度が1〜10質量%程度になるように水に溶解したアルカリ性水溶液;アンモニア水などが挙げられる。上記アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性の有機溶剤、界面活性剤などを適量添加することもできる。なお、アルカリ性現像液で現像した後は、水で洗浄し、乾燥することができる。アルカリ性現像液は、解像性に更に優れる観点から、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液が好ましい。
さらに、絶縁膜特性を発現させるために加熱処理を行うことにより、感光性樹脂組成物の硬化膜(レジストパターン)を得る。上記感光性樹脂組成物の硬化条件は、特に制限されるものではないが、硬化物の用途に応じて調整することができる。例えば、50〜250℃で30分〜10時間程度加熱し、感光性樹脂組成物を硬化させることができる。
また、硬化を充分に進行させるため、及び/又は、得られた樹脂パターンの変形を防止するために二段階で加熱することもできる。例えば、第一段階で、50〜120℃で5分〜2時間程度加熱し、さらに第二段階で、80〜200℃で10分〜10時間程度加熱して硬化させることもできる。
上述の硬化条件で加熱処理を行う場合、加熱設備としては、特に制限はなく、一般的なオーブン、赤外線炉等を使用することができる。
<硬化物及び半導体装置>
本実施形態の硬化物は、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物である。本実施形態の半導体装置は、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物を備えており、例えば、多層プリント配線板である。本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物は、例えば、半導体素子の表面保護膜及び/又は層間絶縁膜、あるいは、多層プリント配線板におけるソルダーレジスト及び/又は層間絶縁膜として好適に用いることができる。
図1は、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物をソルダーレジスト及び/又は層間絶縁膜として含む多層プリント配線板の製造方法を示す図である。図1(f)に示す多層プリント配線板100は、表面及び内部に配線パターンを有する。多層プリント配線板100は、銅張積層体、層間絶縁膜、金属箔等を積層すると共にエッチング法又はセミアディティブ法によって配線パターンを適宜形成することによって得られる。以下、多層プリント配線板100の製造方法を図1に基づいて簡単に説明する。
まず、表面に配線パターン102を有する基材(銅張積層体等)101の両面に層間絶縁膜103を形成する(図1(a)参照)。層間絶縁膜103は、スクリーン印刷機又はロールコータを用いて感光性樹脂組成物を印刷することにより形成してもよく、上述の感光性エレメントを予め準備し、ラミネータを用いて、当該感光性エレメントにおける感光層をプリント配線板の表面に貼り付けて形成することもできる。
次いで、外部と電気的に接続することが必要な箇所に、YAGレーザ又は炭酸ガスレーザを用いて開口部104を形成する(図1(b)参照)。開口部104周辺のスミア(残渣)はデスミア処理により除去する。
次いで、無電解めっき法によりシード層105を形成する(図1(c)参照)。上記シード層105上に、上述の感光性樹脂組成物を含む感光層を形成し、所定の箇所を露光及び現像処理して樹脂パターン106を形成する(図1(d)参照)。
次いで、上記シード層105に密着層(例えば、厚さが30nm程度のチタン層)を形成した後、厚さが100nm程度のCu層を形成する。密着層は、スパッタ法により形成することができる。
次いで、電解めっき法により、シード層105の樹脂パターン106が形成されていない部分に配線パターン107を形成し、剥離液により樹脂パターン106を除去した後、上記シード層105の配線パターン107が形成されていない部分をエッチングにより除去する(図1(e)参照)。
以上の操作を繰り返し行い、上述の感光性樹脂組成物の硬化物を含むソルダーレジスト108を最表面に形成することで多層プリント配線板100を作製することができる(図1(f)参照)。
このようにして得られた多層プリント配線板100は、対応する箇所に半導体素子が実装され、電気的な接続を確保することが可能である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例の各成分としては、下記化合物を用いた。
((A)成分)
A−1:クレゾールノボラック樹脂(旭有機材工業株式会社製、商品名:TR−4020G、重量平均分子量:15000)
A−2:クレゾールノボラック樹脂(旭有機材工業株式会社製、商品名:TR−4080G、重量平均分子量:4800)
((B)成分)
B−1:1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(株式会社三和ケミカル製、商品名:ニカラックMX−270)
((C)成分)
C−1:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(新日鉄住金化学株式会社製、商品名:ZX−1542、下記式(7)参照)
Figure 2018084684

C−2:ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬株式会社製、商品名:PET−30)
C−3:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(共栄社化学株式会社製、商品名:エポライト100MF)
C−4:EO変性トリメチロールプロパントリメタクリレート(新中村化学株式会社製、商品名:TMPT−21)
((D)成分)
D−1:トリアリールスルホニウム塩(サンアプロ株式会社製、商品名:CPI−310B、アニオン:テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)
((E)成分)
E−1:3−(3,5-ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル(株式会社ADEKA製、商品名:AO−50)
E−2:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](株式会社ADEKA製、商品名:AO−60)
E−3:2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)メシチレン(株式会社ADEKA製、商品名:AO−330)
E−4:4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)(エーピーアイコーポレーション株式会社製、商品名:ヨシノックスBB)
E−5:2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(エーピーアイコーポレーション株式会社製、商品名:ヨシノックス425)
((F)成分)
F−1:3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランでカップリング処理した平均一次粒子径が15nmであるシリカ
(その他の成分)
溶剤(希釈溶剤):メチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製、商品名:2−ブタノン)
<感光性樹脂組成物の調製>
ノボラック樹脂(A−1〜A−2)100質量部に対し、表1及び表2に示した所定量にて、アルコキシアルキル基を有する化合物(B−1)、グリシジルオキシ基を有する化合物(C−1及びC−3)、アクリロイルオキシ基を有する化合物(C−2)、メタクリロイルオキシ基を有する化合物(C−4)、光感応性酸発生剤(D−1)、酸化防止剤(E−1〜E−5)、無機フィラー(F−1)並びに溶剤を配合し、感光性樹脂組成物を得た。
<感光性エレメントの作製>
層の厚さが均一になるように上記感光性樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)上に塗布した後、90℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して、乾燥後の厚さが25μm又は40μmである感光層を形成した。この感光層上に、保護層としてポリエチレンフィルム(タマポリ株式会社製、商品名:NF−15)を貼り合わせ、支持体と感光層と保護層とが順に積層された感光性エレメントを得た。
<解像性の評価>
上記感光性エレメントの保護層を剥離しながら、感光層がシリコンウエハの表面に接するように感光性エレメントの感光層(厚さ:25μm)を直径6インチのシリコンウエハにラミネートした。次に、支持体を剥離して、厚さが25μmの均一な感光層をシリコンウエハ上にそれぞれ得た。なお、ラミネートは、120℃のヒートロールを用いて、0.4MPaの圧着圧力、1.0m/分のロール速度で行った。
作製した感光層に対し、i線ステッパー(キヤノン株式会社製、商品名:FPA−3000iW)を用いてi線(365nm)で、マスクを介して、縮小投影露光を行った。マスクとしては、露光部及び未露光部の幅が1:1となるようなパターンを、2μm:2μm〜30μm:30μmまで1μm刻みで有するものを用いた。また、露光量を100〜3000mJ/cmの範囲で100mJ/cmずつ変化させながら縮小投影露光を行った。
次いで、露光された感光層を65℃で1分間、次いで95℃で4分間加熱した(露光後ベーク)。次いで、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて、最短現像時間(未露光部が除去される最短時間)の2倍に相当する時間浸漬することで現像することにより未露光部を除去して現像処理を行って樹脂パターンを形成した。そして、樹脂パターンを75℃で8分間加熱した。金属顕微鏡を用いて、形成された樹脂パターンを観察した。スペース部分(未露光部)がきれいに除去され、且つ、蛇行又は欠けを生じることなくライン部分(露光部)が形成されたパターンのうち、露光量が100〜3000mJ/cmの範囲で最も小さいスペース幅の値を最小解像度として評価した。結果を表1及び表2に示す。なお、比較例3〜7では、現像残渣が発生した。
<耐熱性の評価>
上記感光層の厚さが40μmである感光性エレメントの保護層を剥離し、次いで、高圧水銀灯を有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名:EXM−1201)を用いて、照射エネルギー量が3000mJ/cmとなるように感光層を露光した。露光された感光層をホットプレート上にて65℃で2分間、次いで95℃で8分間加熱し、さらに、熱風対流式乾燥機にて180℃で60分間加熱処理した後、支持体を剥離して硬化膜を得た。熱機械的分析装置(セイコーインスツルメンツ社製、商品名:TMA/SS6000)を用いて、昇温速度5℃/分で温度を上昇させたときの硬化膜の熱膨張量を測定し、その曲線から得られる変曲点をガラス転移温度Tgとして求めた。結果を表1及び表2に示す。上記解像性の評価においてパターンを形成できなかった感光性樹脂組成物については測定を行わず、表中「X」と表示した。なお、熱膨張率の測定条件を以下に示す。
サンプル幅:2mm
サンプル長さ:20mm
チャック間距離:10mm
荷重:5g
引っぱり速度:5mm/min
測定温度範囲:18〜420℃
<残留塩素量の評価>
試料((C)成分、及び、感光性樹脂組成物(溶剤を含む場合には、溶剤を除く))を加湿燃焼させて得られた生成ガスを吸収液に吸収させた後、イオンクロマトグラフにより吸収液中のイオン量を定量することにより塩素量を算出した。結果を表1及び表2に示す。
測定装置:三菱化学アナリテック製 AQF−100(試料燃焼装置)
ダイオネクス製 ICS−1600(イオンクロマトグラフ)
検出器:電気伝導度検出器カラム:AS12A
溶離液:2.7mM NaCO+0.3mM NaHCO
流速:1.2ml/分
内標準物質:酒石酸イオン(5mg/kg)
<HAST耐性の評価>
12μm厚の銅箔をガラスエポキシ基材に積層したプリント配線板用基板(日立化成株式会社製、商品名:MCL−E−679)の銅表面に対しエッチングを施して、ライン/スペースが50μm/50μmのくし型電極を有する基板を評価基板として得た。くし型電極部分にレジストが残るように、基板におけるくし型電極上にレジストの硬化物(永久レジスト膜。厚さ:25μm)を形成した。レジストの硬化物は、表1及び表2に示す成分を含有する感光性樹脂組成物の感光層を硬化して形成した。その後、130℃、85%RH、3.3Vの条件下で300時間試験した。各時間の抵抗値を測定し、その抵抗値が1×10−6Ω以下となったときをショートが発生したと判定し、以下の基準でHAST耐性の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
「A」:300時間以内にショートが発生しなかった。
「B」:100時間以内にショートが発生しなかったが、300時間以内にショートが発生した。
「C」:10時間以内にショートが発生しなかったが、100時間以内にショートが発生した。
「D」:10時間以内にショートが発生した。
Figure 2018084684
Figure 2018084684
表1に示されるように、実施例では、最小解像度9μm以下の優れた解像性と、高い耐熱性(Tg)と、良好なHAST耐性とが得られた。一方、表2に示されるように、比較例では、解像性及びHAST耐性の少なくとも一方が劣っていた。
本発明の感光性樹脂組成物は、配線板材料のソルダーレジスト若しくは層間絶縁膜、又は半導体素子等の表面保護膜(オーバーコート膜)若しくは層間絶縁膜(パッシベーション膜)に用いられる材料として適用される。特に、上記感光性樹脂組成物は、解像性、耐熱性及びHAST耐性がいずれも良好であるため、細線化・高密度化された高密度パッケージ基板等に好適に用いられる。
100…多層プリント配線板、101…基材、102,107…配線パターン、103…層間絶縁膜、104…開口部、105…シード層、106…樹脂パターン、108…ソルダーレジスト。

Claims (10)

  1. (A)成分:フェノール性水酸基を有する樹脂と、
    (B)成分:メチロール基及びアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する化合物と、
    (C)成分:アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、オキセタニルアルキルエーテル基、ビニルエーテル基及び水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を2つ以上有する脂肪族化合物と、
    (D)成分:光感応性酸発生剤と、
    (E)成分:酸化防止剤と、を含有する、感光性樹脂組成物。
  2. 前記(E)成分がヒンダードフェノール構造を有する、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分100質量部に対して1〜70質量部である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 無機フィラーを更に含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 支持体と、当該支持体上に設けられた感光層と、を備え、
    前記感光層が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を含む、感光性エレメント。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
  7. 請求項6に記載の硬化物を備える、半導体装置。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を含む感光層を基材上に形成する工程と、
    前記感光層を所定のパターンに露光する露光工程と、
    前記露光工程の後に前記感光層を現像して樹脂パターンを得る現像工程と、
    前記樹脂パターンを加熱処理する熱処理工程と、を備える、レジストパターンの形成方法。
  9. 請求項5に記載の感光性エレメントの前記感光層を基材上に配置する工程と、
    前記感光層を所定のパターンに露光する露光工程と、
    前記露光工程の後に前記感光層を現像して樹脂パターンを得る現像工程と、
    前記樹脂パターンを加熱処理する熱処理工程と、を備える、レジストパターンの形成方法。
  10. 前記露光工程と前記現像工程との間に、前記感光層を加熱処理する工程を更に備える、請求項8又は9に記載のレジストパターンの形成方法。
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