JP2018087835A - ドライフィルム、硬化物、積層体及びレジストパターンの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
めっき銅との接着性に優れ、かつ、解像性に優れるレジストパターンを形成できるドライフィルムを提供すること。
【解決手段】
樹脂層と感光層とを備え、樹脂層が、(A)成分:エポキシ樹脂、(B)成分:エポキシ樹脂硬化促進剤、及び(C)成分:エステル基含有化合物を含む、ドライフィルム。
【選択図】図1
めっき銅との接着性に優れ、かつ、解像性に優れるレジストパターンを形成できるドライフィルムを提供すること。
【解決手段】
樹脂層と感光層とを備え、樹脂層が、(A)成分:エポキシ樹脂、(B)成分:エポキシ樹脂硬化促進剤、及び(C)成分:エステル基含有化合物を含む、ドライフィルム。
【選択図】図1
Description
本開示は、ドライフィルム、その硬化物、積層体及びレジストパターンの形成方法に関する。
近年、電子機器の高性能化(小型化、軽量化及び多機能化)に伴い、LSI、チップ等の半導体部品の高集積化が進み、半導体部品の形態が多ピン化及び小型化へと急速に変化している。また、半導体装置の上に半導体装置を積むパッケージ・オン・パッケージといった実装形態も盛んに行われており、今後、半導体装置の実装密度は一段と高くなると予想される。
プリント配線板は、例えば、コア基板上に複数の配線層が形成されたものであり、コア基板と、各配線層(導体パターン層ともいえる)間に設けられる層間絶縁膜と、最表面に設けられるソルダーレジスト(表面保護膜)とを備えている。
プリント配線板の層間絶縁膜には、上下の配線層を電気的に接続するためのビア(開口)を設ける必要がある。プリント配線板上に実装されるフリップチップのピン数が増加すれば、そのピン数に対応する数のビアを設ける必要があるが、従来のプリント配線基板は実装密度が低く、また、実装する半導体素子のピン数も数千ピンから一万ピン前後の設計となっているため、小径で狭ピッチなビアを設ける必要がなかった。しかしながら、半導体素子の微細化が進展し、ピン数が数万ピンから数十万ピンに増加するに従って、プリント配線基板の層間絶縁膜に形成するビアも半導体素子のピン数に合わせて狭小化する必要性が高まっている。
層間絶縁膜に、ビア及び配線層を形成する方法としては、例えば、内層回路板(第一の導体パターンを有する基材)上に熱硬化性樹脂材料を用いて絶縁層を形成した後、レーザー加工によってビアを形成し、次いで、絶縁層に対して無電解銅めっき処理をすることで、第二の導体パターンを形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述した従来の方法、すなわち、レーザーを用いてビアを設ける方法では、それぞれのビアを一つずつ形成しなくてはならず、多数のビアを設ける場合に時間がかかること、ビアの直径に合わせて使用するレーザーを使い分ける必要があること、微細なビアを設けることが困難であること、等の問題がある。
また、絶縁層上に、無電解銅めっきによって導体パターンを形成する場合、絶縁層と、めっき銅との接着力が充分とはいえず、導体パターンが剥離する場合がある。
本開示の目的は、上記のような問題点を解決し、めっき銅との接着性に優れ、かつ、解像性に優れるレジストパターンを形成できるドライフィルムを提供することにある。また、本開示の別の目的は、該ドライフィルムの硬化物、積層体及び該ドライフィルムを用いたレジストパターンの形成方法を提供することにある。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、優れた特性を有するドライフィルムを見出すに至った。すなわち、本開示は、樹脂層と感光層とを備え、樹脂層が、(A)成分:エポキシ樹脂、(B)成分:エポキシ樹脂硬化促進剤、及び(C)成分:エステル基含有化合物を含む、ドライフィルムを提供する。
ここで、上記樹脂層は、例えば、多層配線板を製造する際に、絶縁層として用いられるものであり、その表面にめっきすることにより導体パターン(配線層)を形成することができる。また、本開示のドライフィルムにおける樹脂層は、樹脂層から形成される絶縁層と、該絶縁層上にめっきを施すことにより形成された導体パターンとの接着性を高め、形成された回路の電気的信頼性を向上させることができる。なお、樹脂層は接着補助層ということもできる。本開示の樹脂層は、紫外線照射処理後の、表面粗さが小さく、かつめっき銅との良好な接着性を確保することができるものとなる。また、本開示の樹脂層は、粗化処理後のめっき銅との良好な接着性を確保することができる。
更に、本開示のドライフィルムを用いることで、レーザーを用いずにビアを形成できるだけでなく、レーザーを用いた場合と比較して、更に微細な、ビアパターンを形成することができるものとなる。すなわち、上述したドライフィルムを用いることで、樹脂層と、感光層とを組み合わせて微細なビアが形成できることを見出した。更に、本開示のドライフィルムを用いて、絶縁層を形成することにより、ビアの残渣発生を抑制でき、また、層間の絶縁信頼性も向上することができるものとなる。
上記感光層の厚みが1〜50μmであると好ましい。
上記樹脂層が、(D)成分:無機フィラーを更に含有すると好ましい。
上記感光層が(E)成分:フェノール性水酸基を有する樹脂、(F)成分:芳香環、複素環及び脂環からなる群から選ばれる少なくとも1種を有し、かつ、メチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物、(G)成分:アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基及び水酸基から選択される1種以上の官能基を、2つ以上有する脂肪族化合物、及び(H)成分:光感応性酸発生剤を含有すると好ましい。
上記感光層に含まれる(E)成分100質量部に対して、前記(G)成分を20〜70質量部含有すると好ましい。
上記感光層が(D’)成分:無機フィラーを更に含有すると好ましい。
上記(D’)成分の一次粒子の平均が100nm以下であると好ましい。
上記(D’)成分が、シリカであると好ましい。
上記ドライフィルムは、層間絶縁層の形成に使用できる。
本開示は、上記ドライフィルムを用いて得られる硬化物を提供する。
本開示はまた、上記ドライフィルムを用いて、基材上に感光層と、樹脂層とをこの順で形成する工程と、感光層を所定のパターンに露光する工程と、露光された感光層を現像し、加熱処理する工程を含む、レジストパターンの形成方法を提供する。
上記レジストパターンの形成方法が、露光された感光層を現像する前に加熱処理する工程を更に含むと好ましい。
本開示は、感光性組成物を基材上に塗布して感光層を形成する工程と、樹脂組成物を感光層上に塗布して樹脂層を形成する工程と、感光層を所定のパターンに露光する工程と、露光された感光層を現像し、加熱処理する工程を含み、樹脂層が、(A)成分:エポキシ樹脂、(B)成分:エポキシ樹脂硬化促進剤、及び(C)成分:エステル基含有化合物を含む、レジストパターンの形成方法を提供する。
本開示は、基材と、感光層と、樹脂層とがこの順に積層され、樹脂層が、(A)成分:エポキシ樹脂、(B)成分:エポキシ樹脂硬化促進剤、及び(C)成分:エステル基含有化合物を含む、積層体を提供する。
本開示によれば、めっき銅との接着性に優れ、かつ、解像性に優れるレジストパターンを形成できるドライフィルムを提供することができる。また、本開示によれば、該ドライフィルムの硬化物、積層体及び該ドライフィルムを用いたレジストパターンの形成方法を提供することができる。
以下、本開示の一実施形態について具体的に説明するが、本開示はこれに限定されるものでない。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートの少なくとも一方を意味する。また、(メタ)アクリル化合物等の他の類似表現についても同様である。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。本明細書において、「層」との用語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。更に、本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載された数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
[ドライフィルム]
本実施形態のドライフィルムを、図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るドライフィルム10の模式断面図である。
本実施形態のドライフィルムを、図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るドライフィルム10の模式断面図である。
本実施形態に係るドライフィルム10は、樹脂層3と感光層5とを備えるものである。樹脂層3は、後述する樹脂組成物を用いて形成される層であり、感光層5は、後述する感光性組成物を用いて形成される層である。また、上記ドライフィルム10は、樹脂層3と支持体1とが接するように支持体1上に形成されていてもよい。すなわち、本実施形態に係るドライフィルム10は、支持体1と、樹脂層3と、感光層5と、をこの順に備えてもよい。なお、感光層5上には、感光層5を被覆する保護層7を更に備えていてもよい。
上記支持体1としては、例えば、耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。上記支持体1(重合体フィルム)としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルなどが挙げられる。上記支持体1(重合体フィルム)の厚みは、5〜25μmとすることが好ましい。なお、上記重合体フィルムは、一つを支持体1として、他の一つを保護層7として使用してもよい。また、支持体1として、遮光性を示すもの(銅箔等)を用いてもよい。
上記保護層7としては、例えば、耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。上記保護層(重合体フィルム)としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルなどが挙げられる。また、保護層7として、遮光性を示すもの(銅箔等)を用いてもよい。
上記樹脂層3と感光層5は、それぞれ樹脂組成物及び感光性組成物を支持体又は保護層上に塗布することにより形成することができる。塗布方法としては、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法等が挙げられる。具体的には例えば、以下に示す方法により本実施形態のドライフィルムを得ることができる。
まず、樹脂組成物を用いて、支持体となる重合体フィルム又は銅箔上に塗工及び乾燥して樹脂層3を形成する。次に、樹脂層3上に感光性組成物を塗工及び乾燥して感光層5を形成することにより、本実施形態のドライフィルムが得られる。なお、支持体1上に樹脂層3を形成したものと、保護層7上に感光層5を形成したものとを貼り合わせて、本実施形態のドライフィルムを得てもよい。
まず、樹脂組成物を用いて、支持体となる重合体フィルム又は銅箔上に塗工及び乾燥して樹脂層3を形成する。次に、樹脂層3上に感光性組成物を塗工及び乾燥して感光層5を形成することにより、本実施形態のドライフィルムが得られる。なお、支持体1上に樹脂層3を形成したものと、保護層7上に感光層5を形成したものとを貼り合わせて、本実施形態のドライフィルムを得てもよい。
樹脂層3の厚みは、0.1〜10μmであってもよく、0.1〜5μmであってもよく、0.2〜1.5μmであってもよく、0.3〜1μmであってもよい。樹脂層3の厚みを10μm以下とすることで、アルカリ水溶液に対する現像性が向上する。また、樹脂層3が活性光線の吸収を抑制することによる、感光層5の感度低下を抑制できるため、更に解像性が向上する。樹脂層3の厚みを0.1μm以上であることで、作業性が向上する。
樹脂層3の透過率は、80%以上であってもよく、85%以上であってもよく、90%以上であってもよい。樹脂層3の透過率が80%以上であることで、感光層5の感度低下を充分に抑制できるため、解像性が向上する。上限値に特に制限はないが、100%未満であってもよい。透過率は、公知の方法を用いて測定することができる。
感光層5の厚みは用途によって、好ましい範囲は変動するが、感光層5の厚みが1〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましく、10〜30μmであることが更に好ましい。感光層5の厚みを、上述した範囲とすることで、解像性に更に優れる傾向がある。
[樹脂層を形成するために用いる樹脂組成物]
本実施形態の樹脂層を形成するために用いられる樹脂組成物は(A)成分:エポキシ樹脂、(B)成分:エポキシ樹脂硬化剤、及び(C)成分:エステル基含有化合物を含有する。なお、本明細書において、これらの成分は、単に(A)成分、(B)成分、(C)成分等と称することがある。なお、本実施形態の樹脂層は、めっき工程を備える形成方法において、好適に用いることができる。
本実施形態の樹脂層を形成するために用いられる樹脂組成物は(A)成分:エポキシ樹脂、(B)成分:エポキシ樹脂硬化剤、及び(C)成分:エステル基含有化合物を含有する。なお、本明細書において、これらの成分は、単に(A)成分、(B)成分、(C)成分等と称することがある。なお、本実施形態の樹脂層は、めっき工程を備える形成方法において、好適に用いることができる。
<(A)成分>
エポキシ樹脂としては、好ましい化合物は用途によって変動するが、多官能エポキシ樹脂であることが好ましい。好ましいエポキシ樹脂の具体例としては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールT型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニル型エポキシ樹脂、テトラフェニル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレンジオールアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、ブタンジオール由来の骨格を有するエポキシ樹脂、ペンタジオール由来の骨格を有するエポキシ樹脂、ヘキサンジオール由来の骨格を有するエポキシ樹脂、ヘプタンジオール由来の骨格を有するエポキシ樹脂、オクタンジオール由来の骨格を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、又はヘキサンジオール由来の骨格を有するエポキシ樹脂であることがより好ましい。商業的に入手可能なものとしては、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名:NC−3000)等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、絶縁信頼性及び耐熱性をより向上させる観点から、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂としては、好ましい化合物は用途によって変動するが、多官能エポキシ樹脂であることが好ましい。好ましいエポキシ樹脂の具体例としては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールT型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニル型エポキシ樹脂、テトラフェニル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレンジオールアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、ブタンジオール由来の骨格を有するエポキシ樹脂、ペンタジオール由来の骨格を有するエポキシ樹脂、ヘキサンジオール由来の骨格を有するエポキシ樹脂、ヘプタンジオール由来の骨格を有するエポキシ樹脂、オクタンジオール由来の骨格を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、又はヘキサンジオール由来の骨格を有するエポキシ樹脂であることがより好ましい。商業的に入手可能なものとしては、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名:NC−3000)等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、絶縁信頼性及び耐熱性をより向上させる観点から、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分の含有量は、樹脂組成物の固形分全量100質量部に対して、20〜90質量部であることが好ましく、30〜80質量部であることがより好ましい。なお、本明細書において、固形分とは、水分、及び後述する溶剤等の揮発性物質以外の組成物中の成分を指す。すなわち、固形分は、25℃付近の室温で液状、水飴状及びワックス状のものも含み、必ずしも固体であることを意味するものではない。
<(B)成分>
本実施形態の樹脂組成物に用いることができる(B)成分:エポキシ樹脂硬化促進剤として、好ましい化合物は用途によって変動するが、(A)成分の硬化に用いられる一般的な硬化促進剤を使用することができる。エポキシ樹脂硬化促進剤の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等のイミダゾール系化合物;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン系化合物;トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト等の有機ホスファイト系化合物;エチルトリフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスホニウム塩化合物;トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン;4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−ウンデセン−7(以下、「DBU」と略称する)等のアミン系化合物、及びDBUとテレフタル酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸等との塩;テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等の第4級アンモニウム塩化合物などを挙げることができる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の樹脂組成物に用いることができる(B)成分:エポキシ樹脂硬化促進剤として、好ましい化合物は用途によって変動するが、(A)成分の硬化に用いられる一般的な硬化促進剤を使用することができる。エポキシ樹脂硬化促進剤の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等のイミダゾール系化合物;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン系化合物;トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト等の有機ホスファイト系化合物;エチルトリフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスホニウム塩化合物;トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン;4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−ウンデセン−7(以下、「DBU」と略称する)等のアミン系化合物、及びDBUとテレフタル酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸等との塩;テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等の第4級アンモニウム塩化合物などを挙げることができる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.02〜1.5質量部であることが好ましく、0.8〜1.3質量部であることがより好ましい。0.02質量部以上であると(A)成分の硬化が充分となって、耐熱性を維持できる傾向があり、一方、1.5質量部以下であると樹脂組成物の保存安定性、Bステージ化した樹脂組成物の取り扱い性が良好となる。
<(C)成分>
本実施形態の樹脂組成物に用いることができる(C)成分:エステル基含有化合物としては、紫外線の照射により、活性化されるエステル基を含有する化合物(すなわち、紫外線活性型エステル基含有化合物)であり、前記(A)成分の硬化剤としても用いることのできる成分である。より具体的には、1分子中に1個以上のエステル基を含み、水酸基を含まずエポキシ樹脂を硬化させることができるものであり、例えば、脂肪族又は芳香族カルボン酸と脂肪族又は芳香族ヒドロキシ化合物との縮合反応により得られるエステル化合物等が挙げられる。これらのうち、脂肪族カルボン酸、脂肪族ヒドロキシ化合物等で構成されるエステル化合物は、脂肪族鎖を含むことにより有機溶媒への可溶性及び(A)成分との相溶性を高くすることができる。一方、芳香族カルボン酸、芳香族ヒドロキシ化合物等で構成されるエステル化合物は、芳香族環を有することにより、樹脂組成物の耐熱性を向上させることができる。
本実施形態の樹脂組成物に用いることができる(C)成分:エステル基含有化合物としては、紫外線の照射により、活性化されるエステル基を含有する化合物(すなわち、紫外線活性型エステル基含有化合物)であり、前記(A)成分の硬化剤としても用いることのできる成分である。より具体的には、1分子中に1個以上のエステル基を含み、水酸基を含まずエポキシ樹脂を硬化させることができるものであり、例えば、脂肪族又は芳香族カルボン酸と脂肪族又は芳香族ヒドロキシ化合物との縮合反応により得られるエステル化合物等が挙げられる。これらのうち、脂肪族カルボン酸、脂肪族ヒドロキシ化合物等で構成されるエステル化合物は、脂肪族鎖を含むことにより有機溶媒への可溶性及び(A)成分との相溶性を高くすることができる。一方、芳香族カルボン酸、芳香族ヒドロキシ化合物等で構成されるエステル化合物は、芳香族環を有することにより、樹脂組成物の耐熱性を向上させることができる。
(C)成分の好適なものとしては、例えば、芳香族カルボン酸、1価フェノール系化合物及び多価フェノール系化合物の混合物を原材料として、当該芳香族カルボン酸と、当該1価フェノール系化合物及び多価フェノール系化合物のフェノール性水酸基との縮合反応にて得られる芳香族エステルが挙げられる。
上記芳香族カルボン酸としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルプロパン、ジフェニルメタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン、ベンゾフェノン等の芳香環の水素原子の2〜4個をカルボキシ基で置換したものが挙げられる。上記1価フェノール系化合物としては、上記した芳香環の水素原子の1個を水酸基で置換したものが挙げられる。上記多価フェノール系化合物としては、上記した芳香環の水素原子の2〜4個を水酸基で置換したものが挙げられる。
上記芳香族カルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ベンゼントリカルボン酸等が挙げられる。1価フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、各種クレゾール、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。多価フェノール系化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、4,4’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールZ、臭素化ビスフェノールA、臭素化ビスフェノールF、臭素化ビスフェノールS、メチル化ビスフェノールS、各種ジヒドロキシナフタレン、各種ジヒドロキシベンゾフェノン、各種トリヒドロキシベンゾフェノン、各種テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログリシン等が挙げられる。
(C)成分としては、1分子中にエステル基1個以上を有する樹脂であってもよく、市販品としても入手可能である。例えば、DIC株式会社製の「EXB−9460」、「EXB−9460S」、「EXB−9470」、「EXB−9480」、「EXB−9420」、三井化学株式会社製の「BPN80」等が挙げられる。これらの紫外線活性型エステル基含有化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分の含有量は、(A)成分のエポキシ基1当量に対して0.85〜1.25当量になるように含有されることが好ましい。0.85当量以上であると、支持体と樹脂層との粘着性及び硬化性が充分に得られやすく、1.25当量以下であると、充分な硬化性、耐熱性及び耐薬品性が得られやすくなる。
<(D)成分>
本実施形態の樹脂層は、(D)成分:無機フィラーを含有していてもよい。(D)成分を含有する場合、パターン形成後に、加熱して得られた硬化膜の熱膨張係数を(D)成分の含有量に応じて低減できる。(D)成分は1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
本実施形態の樹脂層は、(D)成分:無機フィラーを含有していてもよい。(D)成分を含有する場合、パターン形成後に、加熱して得られた硬化膜の熱膨張係数を(D)成分の含有量に応じて低減できる。(D)成分は1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(D)成分としては、例えば、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、シリカ、又はタルク、マイカ等の鉱産物由来の無機フィラーなどが挙げられる。また、シリカとしては、例えば、溶融球状シリカ、溶融粉砕シリカ、煙霧状シリカ、ゾルゲルシリカ等が挙げられる。
無機フィラーの種類は特に限定されないが、熱膨張係数が5.0×10−6/℃以下であることが好ましく、粒径の観点から、溶融球状シリカ、煙霧状シリカ、ゾルゲルシリカ等のシリカが好ましい。その中では、煙霧状シリカ又はゾルゲルシリカがより好ましい。凝集することなく樹脂中に分散させるために、シランカップリング剤を用いてもよい。
それぞれの無機フィラーの粒径を測定する際には、公知の粒度分布計を用いることができる。
樹脂組成物が(D)成分を含む場合、樹脂組成物の固形分全量100質量部に対して、1〜40質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
また、樹脂層(又は、後述する感光層)中に含まれる(D)成分としては、一次粒径の平均が100nm以下であることが好ましく、感光性に更に優れる点から、特に50nm以下であることが好ましい。一次粒径の平均が100nm以下であると、解像性がより向上する傾向がある。なお、「一次粒径」は、BET法により実際に測定される粒子の比表面積から換算して得られる値とする。BET法では、吸着質(例えば、窒素等の不活性気体)を低温で固体粒子表面に物理吸着させ、吸着質の分子断面積及び吸着量から比表面積を見積もることができる。樹脂組成物の露光波長領域(例えば、300〜450nm)での光散乱を抑える、つまり該露光波長領域での透過率の低下を抑制するという観点で、樹脂組成物中に分散した(D)成分の平均粒子径は80nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることが更に好ましい。樹脂組成物中の(D)成分の平均粒子径の下限は特に限定されないが、例えば、5nm以上とすることができる。透過率の低下を抑制するという観点から、(D)成分は、樹脂組成物中に分散させた際に最大粒子径が1μm以下で分散されていることが好ましく、0.5μm以下に分散されていることがより好ましく、0.1μm以下に分散されていることが更に好ましい。なお、(D)成分の、「平均粒子径」とは、樹脂組成物中に分散した状態での無機フィラーの平均粒子径であり、以下のように測定して得られる値とする。まず、樹脂組成物をメチルエチルケトンで1000倍に希釈(又は溶解)させた後、サブミクロン粒子アナライザ(ベックマン・コールター株式会社製、商品名:N5)を用いて、国際標準規格ISO13321に準拠して、屈折率1.38で、溶剤中に分散した粒子を測定し、粒度分布における積算値50%(体積基準)での粒子径を平均粒子径とする。また、上記粒度分布における積算値99.9%(体積基準)での粒子径を最大粒子径とする。また、支持体上に設けられる樹脂層又は樹脂組成物の硬化膜であっても、ドライフィルムを全面露光して感光層の溶出を防いだ上で、上述のように溶剤を用いて1000倍(体積比)に希釈(又は溶解)をした後、上記サブミクロン粒子アナライザを用いて測定できる。
本実施形態の樹脂組成物は、(A)〜(D)の成分に、必要に応じ、他の成分を加え、これらを充分に撹拌、混合した後、泡がなくなるまで静置して得られる。なお、樹脂組成物に含有する無機フィラーを均一に分散させることを目的に、ニーダー、ボールミル、ビーズミル、3本ロール、ナノマイザー等の既知の混練・分散方法を用いてもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、溶剤中で混合して希釈又は分散させてワニスの形態とするのが、作業性の点で好ましい。この溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、キシレン、トルエン、アセトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチルエトキシプロピオネート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。これらの溶剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。この溶剤の樹脂組成物に対する割合は、従来使用している割合としてもよく、樹脂層を形成する設備に合わせて、その使用量を調整することができる。一方、分散調製した後、上記の溶剤により、樹脂組成物を更に希釈又は分散し、ワニスを調製することもできる。
[感光層を形成するために用いる感光性組成物]
本実施形態の感光層を形成するために用いられる感光性組成物は、光照射されることによって性質が変わる(例えば、硬化する)ものであれば、所望の目的に合わせて用いることができ、ネガ型であってもポジ型であってもよい。なお、「感光性」とは、感光層を露光し、次いで、必要に応じて、露光後の加熱処理をし、次いで、感光性組成物を除去するための現像液を用いて、現像(除去)する場合、樹脂パターンが形成できることをいう。上記感光性組成物は、(E)成分:フェノール性水酸基を有する樹脂、(F’)成分:架橋剤、及び(H)成分:光感応性酸発生剤を含有してもよい。(F’)成分:架橋剤は、熱、酸等の作用により、樹脂との結合あるいは架橋剤同士の結合を形成する化合物である。(F’)成分は、(F)成分:芳香環、複素環及び脂環からなる群から選ばれる少なくとも1種を有し、かつ、メチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物を含んでいてもよく、(G)成分:アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基及び水酸基から選択される1種以上の官能基を、2つ以上有する脂肪族化合物を含んでいてもよく、(F)成分及び(G)成分の両方を含んでいてもよい。また、本実施形態の感光性組成物は、必要に応じて、(D’)成分:無機フィラー、(I)成分:アミン、(J)成分:有機過酸化物、(K)成分:シランカップリング剤、(L)成分:レベリング剤、(M)成分:増感剤等を含有することもできる。また、(E)成分に加えて、フェノール性低分子化合物を含有することもできる。
本実施形態の感光層を形成するために用いられる感光性組成物は、光照射されることによって性質が変わる(例えば、硬化する)ものであれば、所望の目的に合わせて用いることができ、ネガ型であってもポジ型であってもよい。なお、「感光性」とは、感光層を露光し、次いで、必要に応じて、露光後の加熱処理をし、次いで、感光性組成物を除去するための現像液を用いて、現像(除去)する場合、樹脂パターンが形成できることをいう。上記感光性組成物は、(E)成分:フェノール性水酸基を有する樹脂、(F’)成分:架橋剤、及び(H)成分:光感応性酸発生剤を含有してもよい。(F’)成分:架橋剤は、熱、酸等の作用により、樹脂との結合あるいは架橋剤同士の結合を形成する化合物である。(F’)成分は、(F)成分:芳香環、複素環及び脂環からなる群から選ばれる少なくとも1種を有し、かつ、メチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物を含んでいてもよく、(G)成分:アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基及び水酸基から選択される1種以上の官能基を、2つ以上有する脂肪族化合物を含んでいてもよく、(F)成分及び(G)成分の両方を含んでいてもよい。また、本実施形態の感光性組成物は、必要に応じて、(D’)成分:無機フィラー、(I)成分:アミン、(J)成分:有機過酸化物、(K)成分:シランカップリング剤、(L)成分:レベリング剤、(M)成分:増感剤等を含有することもできる。また、(E)成分に加えて、フェノール性低分子化合物を含有することもできる。
なお、(D’)成分:無機フィラーとしては、上述の(D)成分と同様のものを用いることができる。感光性組成物が(D’)成分を含有する場合、感光性組成物の固形分全量100質量部に対して、1〜70質量部であることが好ましく、3〜65質量部であることがより好ましい。
本実施形態の感光性組成物に含まれる(D’)成分としては、一次粒径の平均が100nm以下であることが好ましい。また、(D’)の平均粒子径が100nm以下であることが好ましい。これによって、(D’)成分の含有量に応じて、硬化膜の熱膨張係数を低減できる。感光性組成物の露光波長領域(例えば、300〜450nm)での光散乱を抑える、つまり該露光波長領域での透過率の低下を抑制するという観点で、感光性組成物中に分散した(D’)成分の平均粒子径は80nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることが更に好ましい。(D’)成分における平均粒子径の下限は特に限定されないが、例えば、5nm以上とすることができる。透過率の低下を抑制するという観点から、(D’)成分は感光性組成物中に分散させた際に最大粒子径が1μm以下で分散されていることが好ましく、0.5μm以下に分散されていることがより好ましく、0.1μm以下に分散されていることが更に好ましい。なお、(D’)成分の、「平均粒子径」及び「最大粒子径」とは、それぞれ感光性組成物中に分散した状態での無機フィラーの、粒度分布における積算値50%(体積基準)での粒子径及び積算値99.9%(体積基準)での粒子径である。また、支持体上に設けられる感光層又は感光性組成物の硬化膜であっても、上述のように溶剤を用いて1000倍(体積比)に希釈(又は溶解)をした後、上記サブミクロン粒子アナライザを用いて測定できる。
<(E)成分>
本実施形態の感光性組成物に用いられる、(E)成分であるフェノール性水酸基を有する樹脂としては、特に限定されないが、アルカリ水溶液に可溶な樹脂であることが好ましく、ノボラック樹脂が特に好ましい。このようなノボラック樹脂はフェノール類とアルデヒド類とを触媒の存在下で、縮合させることにより得られる。
本実施形態の感光性組成物に用いられる、(E)成分であるフェノール性水酸基を有する樹脂としては、特に限定されないが、アルカリ水溶液に可溶な樹脂であることが好ましく、ノボラック樹脂が特に好ましい。このようなノボラック樹脂はフェノール類とアルデヒド類とを触媒の存在下で、縮合させることにより得られる。
上記フェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。
また、上記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
このようなノボラック樹脂の具体例としては、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂等が挙げられる。
また、ノボラック樹脂以外の(E)成分としては、例えばポリヒドロキシスチレン及びその共重合体、フェノール−キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール−キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン縮合樹脂等が挙げられる。(E)成分は1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(E)成分としては、得られる絶縁膜の解像性、現像性、熱衝撃性、耐熱性等に更に優れる観点から、重量平均分子量が100000以下であることが好ましく、1000〜80000であることがより好ましく、2000〜50000であることが更に好ましく、2000〜20000であることが特に好ましく、4000〜15000であることが極めて好ましい。
(E)成分の含有量は、感光性組成物の固形分全量(ただし、(D’)成分を用いる場合は(D’)成分を除く)100質量部に対して30〜90質量部であることが好ましく、40〜80質量部であることがより好ましい。(E)成分の含有量がこの範囲であると、得られる感光性組成物を用いて形成された膜はアルカリ水溶液による現像性に更に優れる傾向にある。
<(F)成分>
本実施形態の感光性組成物は、(F)成分:芳香環、複素環及び脂環からなる群から選ばれる少なくとも1種を有し、かつ、メチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物を含有していてもよい。ここで、芳香環とは、芳香族性を有する炭化水素基(例えば、炭素原子数が6〜10の炭化水素基)を意味し、例えば、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。複素環とは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を少なくとも1つ有する環状基(例えば、炭素原子数が3〜10の環状基)を意味し、例えば、ピリジン環、イミダゾール環、ピロリジノン環、オキサゾリジノン環、イミダゾリジノン環及びピリミジノン環が挙げられる。また、脂環とは、芳香族性を有しない環状炭化水素基(例えば、炭素原子数が3〜10の環状炭化水素基)を意味し、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環及びシクロヘキサン環が挙げられる。アルコキシアルキル基とは、アルキル基が酸素原子を介してアルキル基に結合した基を意味する。また、2つのアルキル基は互いに異なってもよく、例えば、炭素原子数が1〜10であるアルキル基である。
本実施形態の感光性組成物は、(F)成分:芳香環、複素環及び脂環からなる群から選ばれる少なくとも1種を有し、かつ、メチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物を含有していてもよい。ここで、芳香環とは、芳香族性を有する炭化水素基(例えば、炭素原子数が6〜10の炭化水素基)を意味し、例えば、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。複素環とは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を少なくとも1つ有する環状基(例えば、炭素原子数が3〜10の環状基)を意味し、例えば、ピリジン環、イミダゾール環、ピロリジノン環、オキサゾリジノン環、イミダゾリジノン環及びピリミジノン環が挙げられる。また、脂環とは、芳香族性を有しない環状炭化水素基(例えば、炭素原子数が3〜10の環状炭化水素基)を意味し、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環及びシクロヘキサン環が挙げられる。アルコキシアルキル基とは、アルキル基が酸素原子を介してアルキル基に結合した基を意味する。また、2つのアルキル基は互いに異なってもよく、例えば、炭素原子数が1〜10であるアルキル基である。
(F)成分を含有することで、樹脂パターン形成後の感光層を加熱して硬化する際に、(F)成分が(E)成分と反応して橋架け構造を形成し、樹脂パターンの脆弱化及び溶融を防ぐことができる。また、具体的には、フェノール性水酸基を有する化合物(ただし、(E)成分は包含されない)又はヒドロキシメチルアミノ基若しくはアルコキシメチルアミノ基を有する化合物を好ましいものとして用いることができる。
(F)成分として用いる「フェノール性水酸基を有する化合物」は、メチロール基又はアルコキシメチル基を有することで、架橋剤としてだけでなく、アルカリ水溶液で現像する際の未露光部の溶解速度を増加させ、感度を向上させることができる。該フェノール性水酸基を有する化合物の分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性、感光性、機械特性等のバランスを考慮して、重量平均分子量で94〜2000であることが好ましく、108〜2000であることがより好ましく、108〜1500であることが更に好ましい。なお、分子量の低い化合物について、上述の重量平均分子量の測定方法で測定困難な場合には、他の方法で分子量を測定し、その平均を算出することもできる。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、従来公知のものを用いることができるが、下記一般式(1)で表される化合物が、未露光部の溶解促進効果と感光性組成物膜の硬化時の溶融を防止する効果のバランスに優れることから好ましい。
[一般式(1)中、Zは単結合又は2価の基を示し、R1、及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に1価の有機基を示し、a及びbはそれぞれ独立に1〜3の整数を示し、c及びdはそれぞれ独立に0〜3の整数を示す。ここで、1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素原子数が1〜10であるアルキル基;ビニル基等の炭素原子数が2〜10であるアルケニル基;フェニル基等の炭素原子数が6〜30であるアリール基;これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基が挙げられる。R1〜R4が複数ある場合には、互いに同一でも異なっていてもよい。]
[一般式(1)中、Zは単結合又は2価の基を示し、R1、及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に1価の有機基を示し、a及びbはそれぞれ独立に1〜3の整数を示し、c及びdはそれぞれ独立に0〜3の整数を示す。ここで、1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素原子数が1〜10であるアルキル基;ビニル基等の炭素原子数が2〜10であるアルケニル基;フェニル基等の炭素原子数が6〜30であるアリール基;これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基が挙げられる。R1〜R4が複数ある場合には、互いに同一でも異なっていてもよい。]
一般式(1)で表される化合物は、一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(2)中、X1は単結合又は2価の基を示し、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)を示す。
また、上記フェノール性水酸基を有する化合物として、一般式(3)で表される化合物を使用してもよい。
一般式(3)中、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)を示す。
一般式(3)中、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)を示す。
一般式(1)において、Zが単結合である化合物は、ビフェノール(ジヒドロキシビフェニル)誘導体である。また、Zで示される2価の基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素原子数が1〜10であるアルキレン基、エチリデン基等の炭素数が2〜10であるアルキリデン基、フェニレン基等の炭素原子数が6〜30であるアリーレン基、これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基、スルホニル基、カルボニル基、エーテル結合、スルフィド結合、アミド結合等が挙げられる。これらの中で、Zは下記一般式(4)で表される2価の基であることが好ましい。
[一般式(4)中、X2は、単結合、アルキレン基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキレン基)、アルキリデン基(例えば、炭素原子数が2〜10のアルキリデン基)、それらの水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基、スルホニル基、カルボニル基、エーテル結合、スルフィド結合又はアミド結合を示す。R28は、水素原子、水酸基、アルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)又はハロアルキル基を示し、eは1〜10の整数を示す。複数のR28及びX2は互いに同一でも異なっていてもよい。ここで、ハロアルキル基とは、ハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。]
上記ヒドロキシメチルアミノ基又はアルコキシメチルアミノ基を有する化合物としては、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)メラミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)グリコールウリル、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)ベンゾグアナミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)尿素等が挙げられる。また、これら化合物のヒドロキシメチルアミノ基の全部又は一部をアルキルエーテル化した含窒素化合物等を用いてもよい。ここで、アルキルエーテルのアルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基又はこれらを混合したものが挙げられ、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含有していてもよい。具体的には、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、ヘキサキス(ブトキシメチル)メラミン、テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(メトキシメチル)尿素等が挙げられる。
上記アルコキシメチルアミノ基を有する化合物としては、具体的には、一般式(5)で表される化合物又は一般式(6)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(5)中、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)を示す。
一般式(6)中、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)を示す。
一般式(6)中、複数のRは、それぞれ独立にアルキル基(例えば、炭素原子数が1〜10のアルキル基)を示す。
(F)成分の含有量は、(E)成分100質量部に対して、5〜60質量部であることが好ましく、10〜45質量部であることがより好ましく、10〜35質量部であることが更に好ましい。(F)成分の含有量が5質量部以上であると、露光部の架橋が十分となるため解像度がより向上し、60質量部以下であると感光性組成物を所望の支持体上に成膜しやすくなり、解像度がより向上する。
<(G)成分>
本実施形態の感光性組成物は、(G)成分:アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基及び水酸基から選択される1種以上の官能基を2つ以上有する脂肪族化合物を含有していてもよい。なお、(G)成分は、異なる2種以上の官能基を1つずつ有してもよく、1種の官能基を2つ以上有してもよい。当該化合物は、上記官能基を3つ以上有する脂肪族化合物であることが好ましい。上記官能基数の上限は、特に制限はないが、例えば、12個である。
本実施形態の感光性組成物は、(G)成分:アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基及び水酸基から選択される1種以上の官能基を2つ以上有する脂肪族化合物を含有していてもよい。なお、(G)成分は、異なる2種以上の官能基を1つずつ有してもよく、1種の官能基を2つ以上有してもよい。当該化合物は、上記官能基を3つ以上有する脂肪族化合物であることが好ましい。上記官能基数の上限は、特に制限はないが、例えば、12個である。
基材上に感光層を形成する場合の作業性の観点で、感光性組成物には基材に対する張り付き性(タック性)に優れることも求められる場合がある。充分なタック性を有していない感光性組成物を用いる場合、現像処理によって露光部の感光層が除去されやすく、基材とレジストパターンとの密着性が悪化する傾向がある。感光層が、(H)成分を含有することで、感光性組成物と基材との粘着性、すなわちタック性が向上する傾向がある。更に、アルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、解像度を向上させることができる。タック性、アルカリ水溶液に対する溶解性の観点から分子量はバランスを考慮して、重量平均分子量で92〜2000が好ましく、106〜1500がより好ましく、134〜1300が更に好ましい。なお、分子量の低い化合物について、上述の重量平均分子量の測定方法で測定困難な場合には、他の方法で分子量を測定し、その平均を算出することもできる。
(H)成分の具体例としては、一般式(7)〜(10)で表される化合物が挙げられる。なお、「脂肪族化合物」とは、主骨格が脂肪族骨格であり、芳香環又は芳香族複素環を含まないものをいう。
[一般式(7)〜(10)中、R1、R5、R16及びR19は、それぞれ水素原子、メチル基、エチル基、水酸基又は一般式(11)で表される基を示し、R21は水酸基、グリシジルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を示し、R2、R3、R4、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R17、R18及びR20は、それぞれ水酸基、グリシジルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、一般式(12)で表される基又は一般式(13)で表される基を示し、R22及びR23はそれぞれ水酸基、グリシジルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を示し、n及びmはそれぞれ1〜10の整数である。]
[一般式(7)〜(10)中、R1、R5、R16及びR19は、それぞれ水素原子、メチル基、エチル基、水酸基又は一般式(11)で表される基を示し、R21は水酸基、グリシジルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を示し、R2、R3、R4、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R17、R18及びR20は、それぞれ水酸基、グリシジルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、一般式(12)で表される基又は一般式(13)で表される基を示し、R22及びR23はそれぞれ水酸基、グリシジルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を示し、n及びmはそれぞれ1〜10の整数である。]
グリシジルオキシ基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールプロポキシレートトリグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ジグリシジル−1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート等が挙げられる。
グリシジルオキシ基を有する化合物の中でも、感度及び解像性に優れる点で、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル又はトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルが好ましい。
グリシジルオキシ基を有する化合物は、例えば、エポライト40E、エポライト100E、エポライト70P、エポライト200P、エポライト1500NP、エポライト1600、エポライト80MF、エポライト100MF(以上、共栄社化学株式会社製、商品名)、アルキル型エポキシ樹脂ZX−1542(新日鉄住金化学株式会社製、商品名)、デナコールEX−212L、デナコールEX−214L、デナコールEX−216L、デナコールEX−321L及びデナコールEX−850L(以上、ナガセケムテック株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。これらのグリシジルオキシ基を有する化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、例えば、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、EO変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、PO変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパンアクリレート、PO変性トリメチロールプロパンアクリレート、トリメチロールプロパンアクリレート、EO変性グリセリントリアクリレート、PO変性グリセリントリアクリレート、グリセリントリアクリレート等が挙げられる。これらのアクリロイルオキシ基を有する化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表す。
メタクリロイルオキシ基を有する化合物としては、例えば、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、EO変性ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、PO変性ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリメタクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、EO変性トリメチロールプロパンメタクリレート、PO変性トリメチロールプロパンメタクリレート、トリメチロールプロパンメタクリレート、EO変性グリセリントリメタクリレート、PO変性グリセリントリメタクリレート、グリセリントリメタクリレート等が挙げられる。これらのメタクリロイルオキシ基を有する化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表す。
水酸基を有する化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、グリセリン等の多価アルコールが挙げられる。これらの水酸基を有する化合物は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(G)成分の官能基としては、グリシジルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、グリシジルオキシ基又はアクリロイル基がより好ましく、アクリロイルオキシ基が更に好ましい。また、現像性の観点から、(G)成分は、2つ以上のグリシジルオキシ基を有する脂肪族化合物であることが好ましく、3つ以上のグリシジルオキシ基を有する脂肪族化合物であることがより好ましく、重量平均分子量が1000以下のグリシジルオキシ基を有する脂肪族化合物であることがより好ましい。
(G)成分を含有する場合、(G)成分の含有量は、(E)成分100質量部に対して、20〜70質量部であることが好ましく、25〜65質量部であることがより好ましく、35〜55質量部であることが更に好ましい。(G)成分の含有量が20質量部以上であることで、充分なタック性を得ることができ、70質量部以下であることで、感光性組成物を所望の支持体上に成膜しやすくなり、解像度の低下を抑制することができる。
<(H)成分>
本実施形態の感光性組成物は、(H)成分である光感応性酸発生剤を含有していてもよい。(H)成分は、活性光線等の照射によって酸を発生する化合物であり、発生した酸により(F)成分同士が架橋するだけではなく、(E)成分のフェノール性水酸基とも反応し、現像液に対する組成物の溶解性が大幅に低下する。また、発生した酸の触媒作用により(F)成分中のメチロール基同士若しくはアルコキシアルキル基同士、又は(E)成分中のメチロール基若しくはアルコキシアルキル基と(E)成分とが脱アルコールを伴って反応することによってネガ型のパターンを形成することができる。
本実施形態の感光性組成物は、(H)成分である光感応性酸発生剤を含有していてもよい。(H)成分は、活性光線等の照射によって酸を発生する化合物であり、発生した酸により(F)成分同士が架橋するだけではなく、(E)成分のフェノール性水酸基とも反応し、現像液に対する組成物の溶解性が大幅に低下する。また、発生した酸の触媒作用により(F)成分中のメチロール基同士若しくはアルコキシアルキル基同士、又は(E)成分中のメチロール基若しくはアルコキシアルキル基と(E)成分とが脱アルコールを伴って反応することによってネガ型のパターンを形成することができる。
(H)成分は、活性光線等の照射によって酸を発生する化合物であれば特に限定されないが、例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。以下、その具体例を示す。
オニウム塩化合物:
オニウム塩化合物としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩及びピリジニウム塩が挙げられる。オニウム塩化合物の好ましい具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート等のジアリールヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のトリアリールスルホニウム塩;4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート;4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート;4,7−ジ−n−ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートなどが挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩及びピリジニウム塩が挙げられる。オニウム塩化合物の好ましい具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート等のジアリールヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のトリアリールスルホニウム塩;4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート;4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート;4,7−ジ−n−ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートなどが挙げられる。
スルホンイミド化合物:
スルホンイミド化合物の具体例としては、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)−1,8−ナフタルイミド及びN−(10−カンファースルホニルオキシ)−1,8−ナフタルイミドが挙げられる。
スルホンイミド化合物の具体例としては、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)−1,8−ナフタルイミド及びN−(10−カンファースルホニルオキシ)−1,8−ナフタルイミドが挙げられる。
本実施形態においては、感度及び解像性に優れる点で(H)成分はトリフルオロメタンスルホネート基、ヘキサフルオロアンチモネート基、ヘキサフルオロホスフェート基、又はテトラフルオロボレート基を有する化合物が好ましい。また、(H)成分は1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(H)成分を含有する場合、(H)成分の含有量は、本実施形態の感光性組成物の感度、解像度、パターン形状等をより向上させる観点から(H)成分100質量部に対して、0.1〜15質量部であることが好ましく、0.3〜10質量部であることがより好ましい。
<溶剤>
感光性組成物の取り扱い性を向上させたり、粘度及び保存安定性を調節したりするために、本実施形態の感光性組成物に溶剤を添加してもよい。溶剤は、有機溶剤であることが好ましい。このような有機溶剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、ブチルカルビトール等のカルビトール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
感光性組成物の取り扱い性を向上させたり、粘度及び保存安定性を調節したりするために、本実施形態の感光性組成物に溶剤を添加してもよい。溶剤は、有機溶剤であることが好ましい。このような有機溶剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、ブチルカルビトール等のカルビトール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
溶剤の含有量は、溶剤を除く感光性組成物の全量100質量部に対して、30〜200質量部であることが好ましく、60〜120質量部であることがより好ましい。
[レジストパターンの形成方法]
次に、本実施形態のレジストパターンの形成方法を説明する。
次に、本実施形態のレジストパターンの形成方法を説明する。
まず、レジストを形成すべき基材(樹脂付き銅箔、銅張積層板、金属スパッタ膜を付けたシリコンウエハー、アルミナ基板等)上に、上述の樹脂層と感光層とを備えるドライフィルムを、感光層が基材と接するようにラミネートする。このようにして、基材と、感光層と、樹脂層とがこの順に積層された積層体を形成することができる。また、上記積層体は、基材に上記感光性組成物を塗布して感光層を形成し、次いで、該感光層上に上記樹脂組成物を塗布して樹脂層を形成してもよい。なお、感光性組成物が溶剤を含む場合は、塗布した感光性組成物を乾燥して感光層を形成してもよい。また、樹脂組成物が溶剤を含む場合は、塗布した樹脂組成物を乾燥して樹脂層を形成してもよい。
次に、所定のマスクパターンを介して、感光層を所定のパターンに露光する。露光に用いられる放射線としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、g線ステッパー、i線ステッパー等の紫外線又は電子線、レーザー光線などが挙げられ、露光量としては使用する光源、感光層の厚さ、樹脂層の厚さ、樹脂層の透過率等によって適宜選定されるが、例えば、高圧水銀灯からの紫外線照射の場合、感光層の厚さ10〜50μmでは、100〜5000mJ/cm2程度である。なお、本実施形態のドライフィルムを用いた場合には、樹脂層に放射線を照射することにより、感光層が露光される。なお、支持体が活性光線に対して遮光性を示す場合には、支持体を除去した後に活性光線を照射する。
更に、必要に応じて、露光後に加熱処理(露光後ベーク)を行う。露光後ベークを行うことにより、発生した酸による(E)成分と(F)成分の硬化反応を促進させることができる。その条件は感光性組成物の組成、感光層の厚さ等によって好ましい範囲は変動するが、通常、60〜150℃で1〜60分間程度加熱することが好ましく、70〜100℃で1〜60分間程度加熱することがより好ましい。
次いで、露光後ベークを行った感光層をアルカリ性現像液により現像して、感光層の、光硬化部以外(未露光部)の領域を溶解、除去する。この場合の現像方法としては、シャワー法、高圧スプレー法、浸漬法、パドル法等が挙げられ、高圧スプレー法が好ましい。これにより、感光層には樹脂パターンが形成される。一方、樹脂層は、感光層と比べて現像液に対する溶解性が低く、露光部における溶解性の変化にも乏しい。そのため、感光層のような明りょうな、樹脂層の樹脂パターンが形成されない、又は全く樹脂パターンが形成されない。現像条件としては通常、20〜40℃で1〜10分間程度である。本実施形態の積層体は、現像することにより、図3に示されるように感光層の未露光部が溶出して未露光部上の樹脂層が破れ、感光層及び樹脂層を貫通する穴が形成される。
上記アルカリ性現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等のアルカリ性化合物を濃度が1〜10質量%程度になるように水に溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。上記アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性の有機溶剤又は界面活性剤などを適量添加することもできる。なお、アルカリ性現像液で現像した後は、水で洗浄し、乾燥する。アルカリ性現像液は、解像性に優れる点で、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
更に、絶縁膜特性を発現させるため、また、解像性を向上させるために加熱処理を行うことにより、硬化膜(レジストパターン)を得る。この際の硬化条件は特に制限されるものではないが、硬化物の用途に応じて、50〜250℃で30分〜10時間程度加熱し、感光性組成物を硬化させることができる。
また、硬化を十分に進行させるため、又は得られたパターン形状の変形を防止するために二段階で加熱することもできる。例えば、第一段階で、50〜120℃で5分〜2時間程度加熱し、更に第二段階で、80〜200℃で10分〜10時間程度加熱して硬化させることもできる。
このような硬化条件であれば、加熱設備として一般的なオーブン、赤外線炉等を使用することができる。本実施形態の積層体は、現像後に加熱処理することにより、図4に示されるように破れた樹脂層が穴の壁面に融着してビアが形成される。なお、穴の形状と同じような形状で樹脂層が破れた場合、必ずしも、樹脂層が穴の壁面に融着していなくてもよい。
回路を形成するための方法については特に制限はなく、内層回路の上に樹脂層及び感光層を形成し、この樹脂層の上に、めっき法により外層回路を形成する。外層回路の形成では、まず樹脂層を粗化処理すること、又は紫外線の照射を行うことが好ましい。
粗化液としては、クロム/硫酸粗化液、アルカリ過マンガン酸粗化液、フッ化ナトリウム/クロム/硫酸粗化液、ホウフッ酸粗化液等の酸化性粗化液を用いることができる。粗化処理としては、例えば、まず、膨潤液として、ジエチレングリコールモノブチルエーテルとNaOHとの水溶液を80℃に加温して積層板又は多層配線板を5分間浸漬処理する。次に、粗化液として、KMnO4とNaOHとの水溶液を80℃に加温して10分間浸漬処理する。引き続き、中和液、例えば、塩化第一錫(SnCl2)の塩酸水溶液に室温で5分間浸漬処理し、KMnO4を還元する。
紫外線の照射の場合、紫外線としては、最大波長が300〜450nmの範囲を有する紫外線ランプを用いることができ、大気圧雰囲気下に、紫外線の露光量が1000〜5000mJ/cm2の範囲になるように照射することが好ましい。樹脂層に大気圧雰囲気下で紫外線を照射する方法は、紫外線装置により異なるため特に限定はしないが、生産性を考慮すればコンベア式の紫外線照射方式が好ましい。紫外線ランプとしては、例えば、水銀ショートアークランプ、高圧水銀ランプ、毛細管型超高圧ランプ、高圧ランプ、メタルハライドランプ等を用いることができる。これらのランプにおいて、紫外線の波長が全域で広いため、メタルハライドランプが好ましい。
紫外線照射処理は、従来用いられる粗化液を用いて凹凸形状を形成しなくても、配線導体に対して高い接着力を発現し得ることから、配線形成の歩留まりの低下を抑えることができる。また、粗化液使用による水洗処理や廃液処理をなくすことができるため、大幅な経済的恩恵を得ることもできる。
粗化処理後、又は紫外線の照射後、パラジウムを付着させるめっき触媒付与処理を行う。めっき触媒処理は、塩化パラジウム系のめっき触媒液に浸漬して行われる。次に、無電解めっき液に浸漬して樹脂層の表面全面に厚さが0.1〜1.5μmの無電解めっき層(導体層)を析出させる。必要により、更に電気めっきを行って必要な厚さとする。無電解めっきに使用する無電解めっき液は、公知の無電解めっき液を使用することができ、特に制限はない。また、電気めっきについても公知の方法によることができ特に制限はない。これらのめっきは銅めっきであることが好ましい。更に、不要な箇所をエッチング除去して、回路層を形成することができる。更に、同様の工程を繰り返して、層数の多い多層配線板を製造できる。
なお、粗化処理はビアのスミアを除去するためにも行うことができる。
[多層プリント配線板]
本実施形態の樹脂組成物及び感光性組成物から形成される硬化物は、例えば、半導体素子の表面保護膜(オーバーコート膜)及び/又は層間絶縁膜(パッシベーション膜)、あるいは、多層プリント配線板におけるソルダーレジスト及び/又は層間絶縁層として好適に用いることができるともいえる。中でも、銅めっきとの密着性に優れるため、層間絶縁層として、好適に用いることができる。図2は、本実施形態の樹脂組成物及び感光性組成物の硬化物を層間絶縁材料として含む多層プリント配線板の製造方法を示す図である。図2(f)に示す多層プリント配線板100Aは表面及び内部に配線パターンを有する。以下、本開示の一実施形態の、多層プリント配線板100Aの製造方法を図2に基づいて簡単に説明する。
本実施形態の樹脂組成物及び感光性組成物から形成される硬化物は、例えば、半導体素子の表面保護膜(オーバーコート膜)及び/又は層間絶縁膜(パッシベーション膜)、あるいは、多層プリント配線板におけるソルダーレジスト及び/又は層間絶縁層として好適に用いることができるともいえる。中でも、銅めっきとの密着性に優れるため、層間絶縁層として、好適に用いることができる。図2は、本実施形態の樹脂組成物及び感光性組成物の硬化物を層間絶縁材料として含む多層プリント配線板の製造方法を示す図である。図2(f)に示す多層プリント配線板100Aは表面及び内部に配線パターンを有する。以下、本開示の一実施形態の、多層プリント配線板100Aの製造方法を図2に基づいて簡単に説明する。
まず、表面に配線パターン102を形成した基材101の両面に層間絶縁層103を形成する(図2(a)参照)。層間絶縁層103は、上述のドライフィルムを予め準備し、ラミネータを用いて、該ドライフィルムにおける感光層及び樹脂層を、感光層がプリント配線板の表面に接するように貼り付けて形成することができる。あるいは、ドライフィルムを用いずに、上記基材に上記感光性組成物を塗布して感光層を形成し、次いで、該感光層上に上記樹脂組成物を塗布して樹脂層を形成することにより、層間絶縁層103を形成してもよい。また、感光性組成物又は樹脂組成物が溶剤を含む場合、これらの塗膜を乾燥して感光層又は樹脂層を形成してもよい。なお、図2においては、簡略化のため、層間絶縁層103を単一の層として表現したが、実際には感光層及び樹脂層の2層に分かれている。
次いで、外部と電気的に接続することが必要な箇所以外の領域を露光し、現像処理し、次いで、加熱処理することで、開口部104を形成する(図2(b)参照)。開口部104周辺のスミア(残渣)はデスミア処理により除去する。次いで、無電解めっき法によりシード層105を形成する(図2(c)参照)。上記シード層105上にセミアディティブ用感光性エレメントにおける感光層を形成し、所定の箇所を露光、現像処理して樹脂パターン106を形成する(図2(d)参照)。次いで、電解めっき法によりシード層105の樹脂パターン106が形成されていない部分に配線パターン107を形成し、剥離液により樹脂パターン106を除去した後、上記シード層105の配線パターン107が形成されていない部分をエッチングにより除去する(図2(e)参照)。以上の操作を繰り返し行い、最表面にソルダーレジスト108を形成することで多層プリント配線板100Aを作製することができる(図2(f)参照)。
このようにして得られた多層プリント配線板100Aは、対応する箇所に半導体素子が実装され、電気的な接続を確保することが可能である。
以下、実施例により本開示を詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における部は特に断らない限り質量部の意味で用いる。
(合成例1)エポキシ樹脂の合成
温度計及び撹拌機を取り付けたフラスコに、ビスフェノールA228g(1.00モル)と1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル92g(0.85モル)とを仕込み、120℃まで1時間かけて昇温した後、更に120℃で6時間反応させて透明半固形の変性多価フェノール類400gを得た。次に、温度計、滴下ロート、冷却管、及び撹拌機を取り付けたフラスコに、上記変性多価フェノール類400gとエピクロルヒドリン925g(10モル)とを、n−ブタノール185gに溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、65℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49質量%水酸化ナトリウム水溶液122g(1.5モル)を5時間かけて滴下した。次いで、同じ条件(65℃、共沸する圧力)下で0.5時間撹拌した。この間、共沸により留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離して、水層を除去し、有機層を反応系内に戻しながら反応させた。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して留去させ、粗エポキシ樹脂を得た。得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン1000gとn−ブタノール100gとを加え溶解させた。得られた溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液20gを添加して80℃で2時間反応させた後に、300gの水で水洗を3回繰り返した。3回水洗した後、洗浄液のpHが中性であることを確認した。次いで、共沸によって系内を脱水し、精密ろ過を経た後に溶媒を減圧下で留去して、透明液体のエポキシ樹脂A−1:457gを得た。エポキシ当量は403であった。
温度計及び撹拌機を取り付けたフラスコに、ビスフェノールA228g(1.00モル)と1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル92g(0.85モル)とを仕込み、120℃まで1時間かけて昇温した後、更に120℃で6時間反応させて透明半固形の変性多価フェノール類400gを得た。次に、温度計、滴下ロート、冷却管、及び撹拌機を取り付けたフラスコに、上記変性多価フェノール類400gとエピクロルヒドリン925g(10モル)とを、n−ブタノール185gに溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、65℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49質量%水酸化ナトリウム水溶液122g(1.5モル)を5時間かけて滴下した。次いで、同じ条件(65℃、共沸する圧力)下で0.5時間撹拌した。この間、共沸により留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離して、水層を除去し、有機層を反応系内に戻しながら反応させた。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して留去させ、粗エポキシ樹脂を得た。得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン1000gとn−ブタノール100gとを加え溶解させた。得られた溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液20gを添加して80℃で2時間反応させた後に、300gの水で水洗を3回繰り返した。3回水洗した後、洗浄液のpHが中性であることを確認した。次いで、共沸によって系内を脱水し、精密ろ過を経た後に溶媒を減圧下で留去して、透明液体のエポキシ樹脂A−1:457gを得た。エポキシ当量は403であった。
<樹脂組成物の溶液(ワニス)の調製>
(調製例1)
(A)成分であるエポキシ樹脂A−1:24.2g、(A)成分であるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、エポキシ当量:290)17.4g、(B)成分である1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート(四国化成工業株式会社製、商品名「2PZ−CNS」)0.3g及び(C)成分であるエステル基含有樹脂(DIC株式会社、商品名「EXB−9460S」、エステル当量:223)27gを溶媒であるメチルエチルケトン40gに溶解してワニスa−Iを得た。
(調製例1)
(A)成分であるエポキシ樹脂A−1:24.2g、(A)成分であるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、エポキシ当量:290)17.4g、(B)成分である1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート(四国化成工業株式会社製、商品名「2PZ−CNS」)0.3g及び(C)成分であるエステル基含有樹脂(DIC株式会社、商品名「EXB−9460S」、エステル当量:223)27gを溶媒であるメチルエチルケトン40gに溶解してワニスa−Iを得た。
(調製例2)
(A)成分であるエポキシ樹脂A−1:49g、(B)成分である1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート(四国化成工業株式会社製、商品名「2PZ−CNS」)0.15g及び(C)成分であるエステル基含有樹脂(DIC株式会社、商品名「EXB−9460S」、エステル当量:223)27gを溶媒であるメチルエチルケトン40gに溶解してワニスa−IIを得た。
(A)成分であるエポキシ樹脂A−1:49g、(B)成分である1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート(四国化成工業株式会社製、商品名「2PZ−CNS」)0.15g及び(C)成分であるエステル基含有樹脂(DIC株式会社、商品名「EXB−9460S」、エステル当量:223)27gを溶媒であるメチルエチルケトン40gに溶解してワニスa−IIを得た。
(調製例3)
(D)成分であるシリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名「AEROSIL R202」、一次粒径の平均:約14nm)0.25gを更に加え、分散機(吉田機械興業株式会社製、商品名「ナノマイザー」)を用いて分散させた以外は調製例1と同様の操作を行い、ワニスa−IIIを得た。
(D)成分であるシリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名「AEROSIL R202」、一次粒径の平均:約14nm)0.25gを更に加え、分散機(吉田機械興業株式会社製、商品名「ナノマイザー」)を用いて分散させた以外は調製例1と同様の操作を行い、ワニスa−IIIを得た。
<感光性組成物の溶液(ワニス)の調製>
ノボラック樹脂(E−1〜E−2)100質量部に対し、アルコキシアルキル化合物(F−1)、グリシジルオキシ基又はアクリロイルオキシ基を有する化合物(G−1〜G−2)、光感応性酸発生剤(H−1)、溶剤、及び無機フィラー(D’−1)を表1に示した所定量(単位:質量部)にて配合し、ワニスb−I〜b−IIIを得た。
ノボラック樹脂(E−1〜E−2)100質量部に対し、アルコキシアルキル化合物(F−1)、グリシジルオキシ基又はアクリロイルオキシ基を有する化合物(G−1〜G−2)、光感応性酸発生剤(H−1)、溶剤、及び無機フィラー(D’−1)を表1に示した所定量(単位:質量部)にて配合し、ワニスb−I〜b−IIIを得た。
E−1:クレゾールノボラック樹脂(旭有機材工業株式会社製、商品名;TR4020G)
E−2:クレゾールノボラック樹脂(旭有機材工業株式会社製、商品名;TR4080G)
F−1:1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(株式会社三和ケミカル製、商品名「MX−270」)
G−1:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(新日鉄住金化学株式会社製、商品名:ZX−1542、下記式(3)参照)
E−2:クレゾールノボラック樹脂(旭有機材工業株式会社製、商品名;TR4080G)
F−1:1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(株式会社三和ケミカル製、商品名「MX−270」)
G−1:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(新日鉄住金化学株式会社製、商品名:ZX−1542、下記式(3)参照)
G−2:ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬株式会社製、商品名:PET−30)
H−1:トリアリールスルホニウム塩(サンアプロ株式会社製、商品名:CPI−310B)
溶剤:メチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製)
D’−1:3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランでカップリング処理した、一次粒径の平均が15nmであるゾルゲルシリカ
<ドライフィルムの作製1:実施例1〜8及び比較例1〜6>
上記で得られた樹脂組成物の溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ株式会社製)製品名「TR−1」)(支持体)上に厚みが均一になるように塗布し、100〜140℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して、乾燥後の膜厚が0.5μm、1μm、1.5μmとなるように樹脂層を形成した。次に、樹脂層上に上記で得られた感光性組成物の溶液を厚みが均一になるように塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して、樹脂層上に、乾燥後の膜厚が10μmである感光層を形成した。感光層上にポリプロピレンフィルム(タマポリ株式会社製、製品名「NF−15」)(保護層)を貼り合わせ、ドライフィルムをそれぞれ得た。作製したドライフィルムの構成を表2に示す。なお、表2において、例えば実施例1では、支持体上に、ワニスa−Iを用いて形成した樹脂層(厚み:1μm)と、ワニスb−Iを用いて形成した感光層(厚み:10μm)と、保護層とをこの順で備えるドライフィルムを作製したことを意味する。その他の実施例及び比較例も、それぞれ対応する樹脂組成物の溶液及び/又は感光性組成物の溶液を用いて、ドライフィルムを作製した。
上記で得られた樹脂組成物の溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ株式会社製)製品名「TR−1」)(支持体)上に厚みが均一になるように塗布し、100〜140℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して、乾燥後の膜厚が0.5μm、1μm、1.5μmとなるように樹脂層を形成した。次に、樹脂層上に上記で得られた感光性組成物の溶液を厚みが均一になるように塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して、樹脂層上に、乾燥後の膜厚が10μmである感光層を形成した。感光層上にポリプロピレンフィルム(タマポリ株式会社製、製品名「NF−15」)(保護層)を貼り合わせ、ドライフィルムをそれぞれ得た。作製したドライフィルムの構成を表2に示す。なお、表2において、例えば実施例1では、支持体上に、ワニスa−Iを用いて形成した樹脂層(厚み:1μm)と、ワニスb−Iを用いて形成した感光層(厚み:10μm)と、保護層とをこの順で備えるドライフィルムを作製したことを意味する。その他の実施例及び比較例も、それぞれ対応する樹脂組成物の溶液及び/又は感光性組成物の溶液を用いて、ドライフィルムを作製した。
<評価用積層体の作製>
上記ドライフィルムの保護層を剥離しながら、感光層が6インチのシリコンウエハーのシリコン表面に接するようにラミネートした。ラミネートは、連プレス式真空ラミネータ(株式会社名機製作所製、商品名「MVLP−500」)を用いて、圧着圧力0.4MPa、プレス熱板温度90℃、真空引き時間30秒間、ラミネートプレス時間40秒間、気圧4kPa以下で行った。次いで、支持体を剥離して、評価用積層体を得た。
上記ドライフィルムの保護層を剥離しながら、感光層が6インチのシリコンウエハーのシリコン表面に接するようにラミネートした。ラミネートは、連プレス式真空ラミネータ(株式会社名機製作所製、商品名「MVLP−500」)を用いて、圧着圧力0.4MPa、プレス熱板温度90℃、真空引き時間30秒間、ラミネートプレス時間40秒間、気圧4kPa以下で行った。次いで、支持体を剥離して、評価用積層体を得た。
<解像性の評価>
上述の方法で作製した評価用積層体を露光した。露光は、i線ステッパー(キヤノン株式会社製、商品名「FPA−3000iW」)を用いてi線(365nm)で、マスクを介して、縮小投影露光を行った。マスクとしては、ビアパターンサイズzμmφ(z=20、30、80)を有するものを用いた。また、露光量は、100〜3000mJ/cm2の範囲で、100mJ/cm2ずつ変化させながら、縮小投影露光を行った。
上述の方法で作製した評価用積層体を露光した。露光は、i線ステッパー(キヤノン株式会社製、商品名「FPA−3000iW」)を用いてi線(365nm)で、マスクを介して、縮小投影露光を行った。マスクとしては、ビアパターンサイズzμmφ(z=20、30、80)を有するものを用いた。また、露光量は、100〜3000mJ/cm2の範囲で、100mJ/cm2ずつ変化させながら、縮小投影露光を行った。
次いで、露光された感光層を75℃で8分間加熱し(露光後ベーク)、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて最短現像時間(感光層の未露光部が除去される最短時間)の4倍に相当する時間でスプレーすることで、感光層の未露光部を除去した(現像処理)。現像処理後、熱風対流式乾燥機にて180℃で60分間加熱処理した。加熱処理後、金属顕微鏡を用いて形成されたビアパターンを観察した。樹脂層を含めて、20μmφのビアパターンが開口されているものを「A」、30μmφのビアパターンが開口されているものを「B」、80μmφのビアパターンが開口されているものを「C」、開口されていないものを「D」として評価した。評価結果を表2に示す。また、実施例7の、現像処理後及び加熱処理後のビアの、走査型電子顕微鏡(SEM)写真を、それぞれ図3及び図4に示す。図3に示されるように、現像により感光層の未露光部が除去された際に、未露光部上の樹脂層が破れて、現像後の感光層及び樹脂層を貫通する穴が形成されていた。また、図4に示されるように、現像後に加熱処理を行うと、図3に示される樹脂層の破れた部分が穴の壁面に融着してビアが形成された。なお、現像は、現像機のノズルはフルコーンタイプを使用し、0.15MPaの圧力でスプレーした。上記試験片とノズル先端の距離は6cmであり、試験片の中心とノズルの中心が一致するように配置した。
<化学粗化後の接着強度(ピール強度)の評価>
上記の方法で作製した評価用積層体に対して、化学粗化するために、膨潤液として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル:200ml/L、水酸化ナトリウム:5g/Lの水溶液を調製し、70℃に加温して10分間浸漬処理した。次に、粗化液として、過マンガン酸カリウム:60g/L、水酸化ナトリウム:40g/Lの水溶液を調製し、70℃に加温して5分間浸漬処理した。引き続き、中和液(塩化スズ(SnCl2):30g/L、塩化水素:300ml/L)の水溶液を調製し、40℃に加温して5分間浸漬処理し、過マンガン酸カリウムを還元した。
上記の方法で作製した評価用積層体に対して、化学粗化するために、膨潤液として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル:200ml/L、水酸化ナトリウム:5g/Lの水溶液を調製し、70℃に加温して10分間浸漬処理した。次に、粗化液として、過マンガン酸カリウム:60g/L、水酸化ナトリウム:40g/Lの水溶液を調製し、70℃に加温して5分間浸漬処理した。引き続き、中和液(塩化スズ(SnCl2):30g/L、塩化水素:300ml/L)の水溶液を調製し、40℃に加温して5分間浸漬処理し、過マンガン酸カリウムを還元した。
無電解めっきの前処理として、コンディショナー液「CLC−601」(日立化成株式会社製、商品名)に60℃で5分間浸漬し、その後水洗し、プリディップ液「PD−201」(日立化成株式会社製、商品名)に室温にて2分間浸漬した。次に、塩化鉛(PdCl2)を含む無電解めっき用触媒である「HS−202B」(日立化成株式会社製、商品名)に、室温で10分間浸漬処理したのち、水洗し、無電解銅めっき液である「CUST−201めっき液」(日立化成株式会社製、商品名)に室温にて15分間浸漬し、更に硫酸銅電解めっきを行った。
その後、アニールを180℃で60分間行い、厚さ20μmの導体層を形成した。導体層にエッチング処理によって、幅10mm、長さ50mmの領域を形成し、この領域の一端を導体層(銅層)と硬化した絶縁樹脂との界面で10mm剥がした。次いで、剥がした導体層をつかみ具でつまみ、シリコンウエハーの厚み方向(垂直方向)に引張り速度50mm/分、室温で引き剥がした時の荷重(ピール強度)を測定した。評価結果を表2に示す。なお、本明細書において、室温とは25℃を示す。
その後、アニールを180℃で60分間行い、厚さ20μmの導体層を形成した。導体層にエッチング処理によって、幅10mm、長さ50mmの領域を形成し、この領域の一端を導体層(銅層)と硬化した絶縁樹脂との界面で10mm剥がした。次いで、剥がした導体層をつかみ具でつまみ、シリコンウエハーの厚み方向(垂直方向)に引張り速度50mm/分、室温で引き剥がした時の荷重(ピール強度)を測定した。評価結果を表2に示す。なお、本明細書において、室温とは25℃を示す。
<紫外線照射後の接着強度(ピール強度)の評価>
実施例1〜8及び比較例1〜7の接着強度の評価において、化学粗化の代わりに紫外線照射を行い、また、無電解めっきの前処理の条件を一部変更して同様の評価を行った。接着強度の評価について、以下に説明する。
実施例1〜8及び比較例1〜7の接着強度の評価において、化学粗化の代わりに紫外線照射を行い、また、無電解めっきの前処理の条件を一部変更して同様の評価を行った。接着強度の評価について、以下に説明する。
上述の方法で作製した硬化膜に対して紫外線照射を行った。紫外線照射は、コンベア式紫外線照射装置を用いて、メタルハライドランプ(最大波長350〜380nm)にて、3000mJ/cm2の露光量で行った。
次いで、ジエチレングリコールモノブチルエーテル:200ml/L、水酸化ナトリウム:5g/Lの水溶液を調製し、70℃に加温して10分間浸漬処理した。その後、水洗し、無電解めっきの前処理として、コンディショナー液「CLC−601」(日立化成株式会社製、商品名)に60℃で5分間浸漬し、その後、水洗し、プリディップ液「PD−201」(日立化成株式会社製、商品名)に室温にて2分間浸漬した。次に、塩化鉛(PdCl2)を含む無電解めっき用触媒である「HS−202B」(日立化成株式会社製、商品名)に、室温で10分間浸漬処理したのち、水洗し、無電解銅めっき液である「CUST−201めっき液」(日立化成株式会社製、商品名)に室温にて15分間浸漬し、更に硫酸銅電解めっきを行った。その後、アニールを180℃で60分間行い、厚さ20μmの導体層を形成した。導体層にエッチング処理によって、幅10mm、長さ50mmの領域を形成し、この領域の一端を導体層(銅層)と硬化した樹脂膜との界面で10mm剥がした。次いで、剥がした導体層をつかみ具でつまみ、シリコンウエハーの厚み方向(垂直方向)に引張り速度50mm/分、室温で引き剥がした時の荷重(ピール強度)を測定した。評価結果を表2に示す。なお、本明細において、室温とは25℃を示す。
<導体層エッチング後の絶縁樹脂層の表面粗さ(Ra)の評価>
上述の方法で作製した導体層に対して、エッチング処理を行うことで、導体層を除去した試験片を作製した。キーエンス株式会社製超深度形状測定顕微鏡「VK−8500型」を用いて、試験片中の異なる箇所3点について、測定長さ149μm、倍率2000倍、分解能0.05μmの条件で測定し、絶縁樹脂の表面粗さ(Ra)を測定した。評価結果を表2に示す。
上述の方法で作製した導体層に対して、エッチング処理を行うことで、導体層を除去した試験片を作製した。キーエンス株式会社製超深度形状測定顕微鏡「VK−8500型」を用いて、試験片中の異なる箇所3点について、測定長さ149μm、倍率2000倍、分解能0.05μmの条件で測定し、絶縁樹脂の表面粗さ(Ra)を測定した。評価結果を表2に示す。
<ドライフィルムの作製2:実施例9及び比較例7>
上記で得られた樹脂組成物の溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ株式会社製)製品名「TR−1」)(支持体)上に厚みが均一になるように塗布し、100〜140℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して、乾燥後の膜厚が1μm、となるように樹脂層を形成した。次に、樹脂層上に感光性組成物(日立化成株式会社製、商品名:レイテック(登録商標)FZ−2700GA)(b−IV)を100℃、0.5Mpaの条件でラミネートすることで張り合わせ、ドライフィルムを得た。作製したドライフィルムの構成を表3に示す。なお、表3において、実施例9では、支持体上に、ワニスa−Iを用いて形成した樹脂層(厚み:1μm)と、感光性組成物(b−IV)を用いて形成した感光層(厚み:10μm)と、保護層とをこの順で備えるドライフィルムを作製したことを意味する。比較例7は、感光性組成物(日立化成株式会社製、商品名:レイテック(登録商標)FZ−2700GA)(b−IV)をそのまま用いた。解像性、表面粗さ及びピール強度については、上述の方法により評価した。評価結果を表3に示す。
上記で得られた樹脂組成物の溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ株式会社製)製品名「TR−1」)(支持体)上に厚みが均一になるように塗布し、100〜140℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して、乾燥後の膜厚が1μm、となるように樹脂層を形成した。次に、樹脂層上に感光性組成物(日立化成株式会社製、商品名:レイテック(登録商標)FZ−2700GA)(b−IV)を100℃、0.5Mpaの条件でラミネートすることで張り合わせ、ドライフィルムを得た。作製したドライフィルムの構成を表3に示す。なお、表3において、実施例9では、支持体上に、ワニスa−Iを用いて形成した樹脂層(厚み:1μm)と、感光性組成物(b−IV)を用いて形成した感光層(厚み:10μm)と、保護層とをこの順で備えるドライフィルムを作製したことを意味する。比較例7は、感光性組成物(日立化成株式会社製、商品名:レイテック(登録商標)FZ−2700GA)(b−IV)をそのまま用いた。解像性、表面粗さ及びピール強度については、上述の方法により評価した。評価結果を表3に示す。
表2、表3から明らかなように、実施例1〜9は解像性が良好であり、化学粗化及び紫外線照射後のいずれにおいても、ピール強度が0.4kN/m以上と高い接着強度を示した。基材の樹脂の表面粗さ(Ra)は、紫外線照射プロセスでは0.1μmと平滑であった。実施例と比較して、比較例1〜3は解像性に劣り、ビアを開口することはできなかった。また、比較例4〜7はピール強度が劣る結果となった。
本開示のドライフィルムは、配線板材料のソルダーレジスト若しくは層間絶縁膜、又は半導体素子等の表面保護膜(オーバーコート膜)若しくは層間絶縁膜(パッシベーション膜)に用いられる部材として適用される。特に、上記ドライフィルムは、めっき銅との接着性及び解像性がいずれも良好であるため、細線化及び高密度化された高密度パッケージ基板等に好適に用いられる。
1…支持体、3…樹脂層、5…感光層、7…保護層、10…ドライフィルム、100A…多層プリント配線板、101…基材、102、107…配線パターン、103…層間絶縁層、104…開口部、105…シード層、106…樹脂パターン、108…ソルダーレジスト。
Claims (14)
- 樹脂層と感光層とを備え、
前記樹脂層が、
(A)成分:エポキシ樹脂、
(B)成分:エポキシ樹脂硬化促進剤、及び
(C)成分:エステル基含有化合物を含む、ドライフィルム。 - 前記感光層の厚みが1〜50μmである、請求項1に記載のドライフィルム。
- 前記樹脂層が、
(D)成分:無機フィラー
を更に含有する、請求項1又は2に記載のドライフィルム。 - 前記感光層が
(E)成分:フェノール性水酸基を有する樹脂、
(F)成分:芳香環、複素環及び脂環からなる群から選ばれる少なくとも1種を有し、かつ、メチロール基又はアルコキシアルキル基を有する化合物
(G)成分:アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基及び水酸基から選択される1種以上の官能基を、2つ以上有する脂肪族化合物、及び
(H)成分:光感応性酸発生剤
を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のドライフィルム。 - 前記(E)成分100質量部に対して、前記(G)成分を20〜70質量部含有する、請求項4に記載のドライフィルム。
- 前記感光層が
(D’)成分:無機フィラーを更に含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のドライフィルム。 - 前記(D’)成分の一次粒子の平均が100nm以下である、請求項6に記載のドライフィルム。
- 前記(D’)成分が、シリカである、請求項6又は7に記載のドライフィルム。
- 層間絶縁層形成用である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のドライフィルム。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のドライフィルムを用いて得られる硬化物。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のドライフィルムを用いて、基材上に感光層と、樹脂層とをこの順で形成する工程と、
前記感光層を所定のパターンに露光する工程と、
露光された感光層を現像し、加熱処理する工程を含む、レジストパターンの形成方法。 - 露光された前記感光層を現像する前に加熱処理する工程を更に含む、請求項11に記載のレジストパターンの形成方法。
- 感光性組成物を基材上に塗布して感光層を形成する工程と、
樹脂組成物を前記感光層上に塗布して樹脂層を形成する工程と、
前記感光層を所定のパターンに露光する工程と、
露光された感光層を現像し、加熱処理する工程を含み、
前記樹脂層が、
(A)成分:エポキシ樹脂、
(B)成分:エポキシ樹脂硬化促進剤、及び
(C)成分:エステル基含有化合物を含む、レジストパターンの形成方法。 - 基材と、感光層と、樹脂層とがこの順に積層され、
前記樹脂層が、
(A)成分:エポキシ樹脂、
(B)成分:エポキシ樹脂硬化促進剤、及び
(C)成分:エステル基含有化合物を含む、積層体。
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