JP2019090098A - 焼結体および摩擦攪拌接合ツール - Google Patents

焼結体および摩擦攪拌接合ツール Download PDF

Info

Publication number
JP2019090098A
JP2019090098A JP2018072495A JP2018072495A JP2019090098A JP 2019090098 A JP2019090098 A JP 2019090098A JP 2018072495 A JP2018072495 A JP 2018072495A JP 2018072495 A JP2018072495 A JP 2018072495A JP 2019090098 A JP2019090098 A JP 2019090098A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintered body
less
phase
hard phase
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018072495A
Other languages
English (en)
Inventor
博香 青山
Hiroka Aoyama
博香 青山
慶春 内海
Yoshiharu Uchiumi
慶春 内海
津田 圭一
Keiichi Tsuda
圭一 津田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Publication of JP2019090098A publication Critical patent/JP2019090098A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Abstract

【課題】高温での耐摩耗性が向上した焼結体、および、それを用いた摩擦攪拌接合ツールを提供する。【解決手段】焼結体は、第1硬質相、結合相およびAl2O3を含む焼結体である。第1硬質相はWCからなる。結合相は、主成分としてCoおよびNiから選択される少なくとも1種からなる第1金属を含み、さらに、AlおよびWから選択される少なくとも1種からなる第2金属と、Cと、を含む。Al2O3は、焼結体中に分散している。【選択図】図1

Description

本開示は、焼結体および摩擦攪拌接合ツールに関する。
高い硬度が要求される製品として、たとえば摩擦攪拌接合用ツールがある。このような製品に用いられる硬質材料(焼結体)としては、超硬合金、サーメットなどが知られている。
ここで、摩擦攪拌接合用ツール等は高温に曝される場合が多く、高温では焼結体の摩耗が促進され、製品として所望される長さの寿命を達成できなくなる場合がある。このため、摩擦攪拌接合用ツール等に用いられる焼結体には、高温での耐摩耗性が求められる。
超硬合金に高温での耐摩耗性を付与するために、たとえば、特許文献1(特開平9−125229号公報)には、超硬合金に高温での耐摩耗性に優れた被膜を形成する技術が開示されている。
特開平9−125229号公報
しかし、近年ニーズが高まっている引張強度の高い高張力鋼等を摩耗攪拌接合ツールを用いて接合する場合、より高温での耐摩耗性が求められる。特許文献1の技術では、被膜が剥がれてしまうと、たとえば焼結体中の結合相(金属コバルト等)の軟化等により急激に耐摩耗性が低下して、すぐに超硬合金が寿命に達してしまうため、特許文献1の技術はこのようなニーズに対して十分ではない。このため、焼結体の母材自体の高温での耐摩耗性を更に向上させることが望まれる。
したがって、本開示の目的は、高温での耐摩耗性が向上した焼結体、および、それを用いた摩擦攪拌接合ツールを提供することである。
本開示の一態様に係る焼結体は、第1硬質相、結合相およびAlを含む焼結体である。第1硬質相はWCからなる。結合相は、主成分としてCoおよびNiから選択される少なくとも1種からなる第1金属を含み、さらに、AlおよびWから選択される少なくとも1種からなる第2金属と、Cと、を含む。Alは、焼結体中に分散している。
本開示の一態様に係る摩擦攪拌接合用ツールは、上記焼結体を含む。
上記によれば、高温での耐摩耗性が向上した焼結体、および、それを用いた摩擦攪拌接合ツールを提供することができる。
図1は、一実施形態に係る摩擦攪拌接合用ツールの一例を示す断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様が列記して説明される。
なお、本明細書において「A〜B」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちA以上B以下)を意味し、Aにおいて単位の記載がなく、Bにおいてのみ単位が記載されている場合、Aの単位とBの単位とは同じである。
〔1〕本開示の一態様に係る焼結体は、第1硬質相、結合相およびAlを含む焼結体である。第1硬質相はWCからなる。結合相は、主成分としてCoおよびNiから選択される少なくとも1種からなる第1金属を含み、さらに、AlおよびWから選択される少なくとも1種からなる第2金属と、Cと、を含む。Alは、焼結体中に分散している。上記焼結体は、高温での耐摩耗性が向上している。
〔2〕結合相は、下記式で表される化合物相を含んでいることが好ましい。
(Co,Ni)(Al,W)
〔式中、(Co,Ni)はCoおよびNiから選択される少なくとも1種であり、(Al,W)はAlおよびWから選択される少なくとも1種であり、x、yおよびzは原子量比率である。〕これにより、焼結体は、特に高温で高硬度を維持することが可能となる。
〔3〕xは0.73以上0.95以下であり、yは0.04以上0.25以下であり、zは0.003以上0.15以下であることが好ましい。焼結体の高温での耐摩耗性の向上が期待されるためである。
〔4〕xは0.75以上0.93以下であり、yは0.05以上0.2以下であり、zは0.005以上0.1以下であることが好ましい。焼結体の高温での耐摩耗性の向上が期待されるためである。
〔5〕xは0.8以上0.9以下、yは0.06以上0.15以下、zは0.01以上0.05以下であることが好ましい。焼結体の高温での耐摩耗性の向上が期待されるためである。
〔6〕焼結体は、さらに第2硬質相を含んでいることが好ましい。第2硬質相は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、MoおよびWからなる群より選ばれる1種以上の金属と、窒素、炭素、硼素および酸素からなる群より選ばれる1種以上の元素と、からなる化合物、または、該化合物の固溶体(ただし、WCを除く)からなる。ここで、第1硬質相は、第2硬質相より体積比率が大きい。焼結体の高温での耐摩耗性の向上が期待されるためである。
〔7〕Alは、焼結体中に1体積%以上15体積%以下含まれることが好ましい。この場合、高温での耐摩耗性の向上効果がより確実に得られ、焼結体の強度の低下を抑制する効果が期待される。
〔8〕Alは、円相当径の平均値が0.1μm以上2μm以下であり、かつその標準偏差が0.05μm以上0.25μm以下であることが好ましい。この場合、焼結体の硬度が向上する効果が期待される。また、焼結体の靭性の低下が抑制される効果が期待される。
〔9〕Alは、円相当径の平均値が0.2μm以上1μm以下であり、かつ、その標準偏差が0.05μm以上0.15μm以下であることが好ましい。この場合、更に焼結体の硬度が向上する効果が期待される。また、焼結体の靭性の低下が抑制される効果が期待される。
〔10〕Alは円相当径の平均値が0.3μm以上0.5μm以下であり、かつ、その標準偏差が0.05μm以上0.1μm以下であることが好ましい。この場合、更に焼結体の硬度が向上する効果が期待される。また、焼結体の靭性の低下が抑制される効果が期待される。
〔11〕Alは、粒子間距離の平均値が1μm以上3μm以下であり、かつ、その標準偏差が0.5μm以上1.5μm以下であることが好ましい。この場合、硬度靱性バランスが保たれる効果が期待される。
〔12〕焼結体中に含まれるCの質量に対するOの質量の比(O/C比)が0.015以上0.061以下であることが好ましい。ここの場合、〔8〕と〔11〕を満たすことが期待される。
〔13〕焼結体中の酸素の含有量が0.1質量%以上0.4質量%以下であることが好ましい。この場合、焼結体の硬度の向上効果と欠損の抑制効果が期待される。
〔14〕結合相は、格子定数が3.65Å以上4.0Å以下であることが好ましい。この場合、より高温で焼結体の高い硬度を維持する効果と、焼結体の欠損を抑制する効果と、が期待される。
〔15〕WCは、平均粒子径が0.1μm以上3μm以下であることが好ましい。この場合、焼結体の欠損を抑制する効果が期待される。
〔16〕焼結体中の結合相の含有率が2質量%以上10質量%未満であることが好ましい。この場合、焼結体の欠損を抑制する効果と、焼結体の高温硬度の低下を抑制する効果が期待される。
〔17〕本開示の一態様に係る摩擦攪拌接合用ツールは、上記焼結体を含む。焼結体の高温での耐摩耗性の向上により、摩擦攪拌接合用ツールの長寿命化が可能となる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と記される)が説明される。ただし、以下の説明は、本開示を限定するものではない。また、本明細書において化合物などを化学式で表す場合、原子比を特に限定しないときは従来公知のあらゆる原子比を含むものとし、必ずしも化学量論的範囲のものに限定されるものではない。
<焼結体>
本実施形態に係る焼結体は、第1硬質相、結合相およびAlを含む。焼結体は、これらを含む限り、これら以外の成分を含んでいてもよい。第1硬質相はWCからなる。Alは、焼結体中に分散している。
結合相は、主成分としてCoおよびNiから選択される少なくとも1種からなる第1金属を含み、さらに、AlおよびWから選択される少なくとも1種からなる第2金属と、Cと、を含む。なお、「主成分」とは、結合相を構成する成分のうち、最も配合割合(質量%)の大きな成分を意味する。このように、上記焼結体は、結合相中にCを含有する。このため、固溶強化によって結合相の高温硬度が向上することで、焼結体の高温での耐摩耗性が向上する。
また、硬質相と結合相から成る超硬合金において、結合相が金属Coではなく耐熱合金(Co基超合金、Ni基超合金など)から構成される。耐熱合金はジェットエンジン、ガスタービン等、高温で使用される部品に用いられている材料であり高温での耐熱性に優れている。さらに、上記焼結体は、WCよりも硬度の高いAlを含んでいる。これらによって、焼結体そのものの硬度が向上している。
第1硬質相と結合相とは、焼結体中に分散された状態で含まれることが好ましい。これにより焼結体の高温での耐摩耗性が向上する。ここで、分散された状態とは、第1硬質相と結合相とが接しており、同種の相同士の接触が比較的少ない状態で、焼結体中に存在することを言う。
結合相は、下記式で表される化合物相を含んでいることが好ましい。
(Co,Ni)(Al,W)
〔式中、(Co,Ni)はCoおよびNiから選択される少なくとも1種であり、(Al,W)はAlおよびWから選択される少なくとも1種であり、x、yおよびzは原子量比率である。〕
なお、結合相中には、酸素が含まれて(固溶して)いてもよい。
このような焼結体は、結合相中〔第1金属(Co,Ni)および第2金属(Al,W)からなるマトリックス相(γ相)中〕に、(Co,Ni)(Al,W)で表される化合物相を含むことで、焼結体は、特に高温で高硬度を維持することが可能となる。
xは0.73以上0.95以下であり、yは0.04以上0.25以下であり、zは0.003以上0.15以下であることが好ましい。焼結体の高温での耐摩耗性の向上が期待されるためである。
xは0.75以上0.93以下であり、yは0.05以上0.2以下であり、zは0.005以上0.1以下であることが好ましい。焼結体の高温での耐摩耗性の向上が期待されるためである。
xは0.8以上0.9以下、yは0.06以上0.15以下、zは0.01以上0.05以下であることが好ましい。焼結体の高温での耐摩耗性の向上が期待されるためである。
焼結体は、さらに第2硬質相を含んでいることが好ましい。第2硬質相は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、MoおよびWからなる群より選ばれる1種以上の金属と、窒素、炭素、硼素および酸素からなる群より選ばれる1種以上の元素と、からなる化合物、または、該化合物の固溶体(ただし、WCを除く)からなる。ここで、第1硬質相は、第2硬質相より体積比率が大きい。第2硬質相が含まれている方が焼結体の耐摩耗性の向上が期待される。
結合相は、第2硬質相よりも第1硬質相との方が親和性が高いため、第1硬質相の体積比率が第2硬質相より大きいことで、焼結体の耐摩耗性等が向上し、焼結体の高温での耐摩耗性の向上が期待される。
Alは、焼結体中に1体積%以上15体積%以下含まれることが好ましい。Alの量が少なすぎると、高温での耐摩耗性の向上効果が得られない可能性がある。一方、Alの量が多すぎると、焼結体の強度が低下し欠損が生じやすくなる。このため、Alの含有率が上記の範囲である場合に、高温での耐摩耗性の向上効果がより確実に得られ、焼結体の強度の低下を抑制する効果が期待される。
Alは、円相当径の平均値が0.1μm以上2μm以下であり、かつその標準偏差が0.05μm以上0.25μm以下であることが好ましい。Alが微細であることにより、更に焼結体の硬度が向上する効果が期待される。一方、Alが微細すぎると、焼結体の靱性が低下して、欠損が生じやすくなるため、上記の範囲において焼結体の靭性の低下が抑制される効果が期待される。
Alは、円相当径の平均値が0.2μm以上1μm以下であり、かつ、その標準偏差が0.05μm以上0.15μm以下であることが好ましい。Alが微細であることにより、更に焼結体の硬度が向上する効果が期待される。一方、Alが微細すぎると、焼結体の靱性が低下して、欠損が生じやすくなるため、上記の範囲において焼結体の靭性の低下が抑制される効果が期待される。
Alは円相当径の平均値が0.3μm以上0.5μm以下であり、かつ、その標準偏差が0.05μm以上0.1μm以下であることが好ましい。Alが微細であることにより、更に焼結体の硬度が向上する効果が期待される。一方、Alが微細すぎると、焼結体の靱性が低下して、欠損が生じやすくなるため、上記の範囲において焼結体の靭性の低下が抑制される効果が期待される。
Alは、粒子間距離の平均値が1μm以上3μm以下であり、かつ、その標準偏差が0.5μm以上1.5μm以下であることが好ましい。結合相が均一に分散されていることで、硬度靱性バランスが保たれる効果が期待される。粒子間距離が1〜3μmから外れると、結合相の分散度合が偏り、欠損が生じやすくなる。なお、粒子間距離とは、Al粒子のそれぞれに対して1つずつ設定されるものである。任意の一のAl粒子における「粒子間距離」は、該Al粒子の重心点と、該重心点から最も近い位置に重心点を有する他のAl粒子との距離である。そして「粒子間距離の平均値」とは、全ての「粒子間距離」の平均値である。
焼結体中に含まれるCの質量に対するOの質量の比(O/C比)が0.015以上0.061以下であることが好ましい。この範囲においてAlが均一に分散析出し、〔8〕と〔11〕を満たすことが期待される。
焼結体中の酸素の含有量が0.1質量%以上0.4質量%以下であることが好ましい。酸素の含有量が0.1質量%以下だとAlが析出せず硬度が向上しない可能性がある。酸素の含有量が0.4質量%以上だと、Alが凝集して、欠損が生じやすくなる可能性がある。このため、酸素の含有量が上記の範囲である場合に、焼結体の硬度の向上効果と欠損の抑制効果が期待される。
結合相は、格子定数が3.65Å以上4.0Å以下であることが好ましい。結合相の格子定数が3.65Å以上である場合、Cが固溶し、歪が生じることで、より高温において高い硬度の維持が可能となる。結合相の格子定数が4.0Åより大きい場合、歪が大きくなり、結合相内に亀裂が生じて欠損が生じる可能性がある。このため、結合相の格子定数が上記の範囲である場合、より高温で焼結体の高い硬度を維持する効果と、焼結体の欠損を抑制する効果と、が期待される。
WCは、平均粒子径が0.1μm以上3μm以下であることが好ましい。平均粒子径が0.1μm以下である場合、焼結体の靱性が低下して、欠損が生じる可能性がある。一方、平均粒子径が5μm以上である場合、焼結体の強度が低下して、欠損が生じやすくなる可能性がある。このため、WCの平均粒子径が上記の範囲である場合に、焼結体の欠損を抑制する効果が期待される。
焼結体中の結合相の含有率が2質量%以上10質量%未満であることが好ましい。結合相の含有率が2質量%より少ない場合、焼結体の靱性が低下して、欠損が生じやすくなる可能性がある。結合相の含有率が10質量%より多い場合、焼結体の高温硬度が低下しやすくなる可能性がある。このため、結合相の含有率が上記の範囲にある場合、焼結体の欠損を抑制する効果と、焼結体の高温硬度の低下を抑制する効果が期待される。
なお、焼結体が、硬質相(第1硬質相および第2硬質相)、結合相(合金粉末)およびAlを含むこと、並びに、硬質相(第1硬質相および第2硬質相)、結合相またはAlの体積含有率、WC(第1硬質相)の平均粒子径、Alの円相当径または粒子間距離、および、結合相の組成等は、次のようにして確認することができる。
まず、焼結体の任意の断面を含む試料を作製する。断面の作製には、集束イオンビーム装置、クロスセクションポリッシャ装置等を用いることができる。次に、加工された断面をSEM(Scanning Electron Microscope)にて10000倍で撮像して、10視野分の電子画像を得る。次に、付属のEPMA(Electron Probe Micro−Analysis)またはEDX(Energy Dispersive X−ray spectrometry)を用いて、各電子画像中の所定領域(12μm×9μm)について、元素マッピングを行う。
得られた元素マッピングに基づいて、WCを含む領域を第1硬質相とし、WCを含まない領域であり、かつ第1金属(Ni,Co)および第2金属(Al,W)およびCを含む領域を結合相とし、AlおよびOを含む領域をAlとする。これにより、焼結体が硬質相(第1硬質相および第2硬質相)、結合相およびAlを含むことが確認される。また元素マッピングから、結合相の組成および焼結体における結合相の割合(体積%)が決定される。なお、焼結条件によっては、硬質相および結合相以外に、空孔が存在する場合がある。
さらに画像解析ソフト(「Mac−View I」、株式会社マウンテック製)により、焼結体中に点在するAlの円相当径(粒子の面積と同一の面積を持つ仮想円の直径)の平均値とその標準偏差、または、WCの平均粒子径が算出される。なお各値は、10視野にて分析された結果の平均値である。
また硬質相(第1硬質相および第2硬質相)を構成する化合物の組成、および、WC(第1硬質相)および化合物の各割合(質量%)は、焼結体を粉砕し、ICP発光分光分析法により、粉砕物における各元素の含有割合を求め、これに基づいて各成分の組成比を試算することにより確認することができる。
なお、焼結体におけるWCの含有割合は比較的高く、このため、WC同士が隣接する領域が多く存在する。隣接するWC同士は、元素マッピングの結果とSEM画像から得られる反射電子像によって、区別することができる。反射電子像において、各WCの結晶方位の違いに起因した色の相違(濃淡)が観察されるためである。
<焼結体の製造>
本開示の一実施形態においては、まず、第1金属(Co,Ni)および第2金属(Al,W)を原料として使用し、アトマイズ、アーク溶解、プラズマ処理などにより、結合相を作製する。
なお、結合相粉末を作製する際には、第1金属(Co,Ni)および第2金属(Al,W)以外に、V、Ti、Nb、Ta、B、Cなどを添加しても良い。
得られた結合相は、例えばビーズミルやボールミル、ジェットミルなどによって粉砕されて、結合相粉末となる。結合相粉末の平均粒子径は、0.3〜3μmであることが好ましい。ビーズミル/ボールミルに用いるビーズ/ボールとしては、例えば粒径0.1〜3mmのアルミナ製、窒化ケイ素製、超硬合金製ビーズ/ボールが挙げられ、分散媒としては、例えばエタノールやアセトン、液体窒素が挙げられる。ビーズミル/ボールミルによる処理時間は、例えば30分〜200時間である。ビーズミル/ボールミルにより得られたスラリーは、例えば大気中で乾燥させる。時間をかけて粉砕し、かつ大気中で乾燥させることにより空気中の酸素が吸着し焼結時、吸着酸素と結合相中のAlが反応し、Alを析出させることができる。また、他の方法として、ジェットミルで粉砕する場合、粉砕ガス源として空気を用い、粉砕時間を長くとることによっても酸素が吸着した結合相粉末を得ることができる。後述するように、Al粉末を直接添加することによってもAlが分散した焼結体を得ることができるが、本手法のようにAlを析出させる方が、よりAlの粒径を微細にすることができ好ましい。
次に、得られた結合相粉末を、別途準備したWC粉末、および、必要に応じて第2硬質相粉末と、アトライター、ボールミル、乳鉢等によって混合する。この時、結合相中に含まれるC量を考慮して、適切なCを添加する。
混合は、大気に開放した状態で行われる。これにより、混合物中に酸素が取り込まれる。焼結体(硬質材料)中にアルミナ(Al)を均一に分散させる目的で、酸素が十分かつ均一に混合物中に取り込まれるように、混合時間は、好ましくは6〜20時間である。
ボールミルに用いるボールとしては、例えばアルミナ製、窒化ケイ素製もしくは超硬合金製の直径3mmのボールが挙げられ、分散媒としては例えばエタノールやアセトン、液体窒素が挙げられる。処理時間は、例えば3〜20時間である。混合により得られたスラリーを、例えば大気中で乾燥させることにより混合粉末が得られる。混合の際、焼結体中に分散したAlとしてAl微粉末(0.01〜0.5μm)を添加しても良い。
得られた混合粉末を、例えば、超硬合金製の金型(Taカプセルなど)に入れ、プレスすることにより加圧成形体を得る。プレスの圧力は好ましくは10MPa〜16GPaであり、例えば、100MPaである。次に、加圧成形体を真空中で焼結する。焼結の温度は好ましくは1000〜1800℃である。焼結時間は、例えば、1時間程度である。ここで、例えば、焼結時400℃でのキープ時間を30分〜5時間にすることで、成形体に含まれるCを脱離させ、最終的に焼結体中に含まれるCの質量に対するOの質量の比(C/O比)が所望の値になるように制御する。これにより、第1硬質相(WC)と結合相とが緻密に焼結され、且つ微細Alが焼結体中に析出することで、高温での耐摩耗性が向上した焼結体を形成することができる。
更に、焼結後の冷却速度を、例えば、2〜20℃/分にする。それにより、下式で表される化合物相が析出する。
(Co,Ni)(Al,W)
〔式中、(Co,Ni)は第1金属であり、(Al,W)は第2金属であり、x、yおよびzは原子量比率である。〕
その後、例えば、1400℃で1000atmの条件で1時間の熱間静水圧成形(HIP:Hot Isostatic Pressing)処理を行なうことにより、焼結体(合金)を得ることができる。
なお、WCの平均粒子径は0.1〜10μmであることが好ましく、焼結体(硬質材料)中のWCの含有率は50〜99体積%であることが好ましい。このような粒径範囲と組成範囲である場合、得られる焼結体の硬度がより高くなることが期待されるからである。なお、WCの平均粒子径は、上述の元素マッピングおよび画像解析ソフトを用いた方法により測定することができる。
また、本実施形態の焼結体は、不可避不純物(B、N、O等)を本開示の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。また、本実施形態の焼結体は、その組織中に遊離炭素やη相と呼ばれる異常層を含んでいてもよい。
<摩擦攪拌接合用ツール>
図1を参照して、本実施形態に係る摩擦攪拌接合用ツールについて説明する。本実施形態に係る摩擦攪拌接合用ツール1(以下「ツール1」ともいう)は、小径(たとえば直径2〜8mm)のプローブ部2と、大径(たとえば直径4〜30mm)の円柱部3とを備える。これを接合に用いる場合、プローブ部2が被接合材の接合部分に挿入または押圧された状態で回転されることにより、被接合材が接合されることとなる。なお、プローブ部2から拡がる部分(接合加工時に被接合材と接する部分)のことをショルダー部4という。
このような構成を有するツール1は、摩擦攪拌接合に極めて有用に用いることができる。摩擦攪拌接合とは、1991年の英国において確立された、アルミニウム合金などの金属材料(被接合材)同士を接合する技術である。具体的には、接合を目的とする金属材料同士の接合面において、先端にプローブ部が形成された円柱状の摩擦攪拌接合用ツールを押圧しながら回転させる。これにより、摩擦熱を発生させて、当該摩擦熱により接合部分の金属材料を軟化させて塑性流動させることにより、金属材料同士を接合する技術である。
「接合部分」とは、金属材料を突き合わせたり、金属材料を重ねて設置させたりすることにより、それらの金属材料の接合が所望される接合界面部分をいう。この接合界面付近において金属材料が軟化されて塑性流動が起こり、その金属材料が攪拌されることでその接合界面が消滅し、接合が行なわれる。さらに、同時にその金属材料に動的再結晶が起こるので、この動的再結晶により接合界面付近の金属材料が微粒化することとなり、金属材料同士を高強度に接合することができる。
摩擦攪拌接合としては、たとえば点接合(FSJ:Friction Spot Joining)、および線接合(FSW:Friction Stir Welding)がある。FSJにおいては、上下に積層、もしくは突き合わされた2つの被接合材において、接合対象部分にプローブ部2を押圧もしくは挿入させ、その状態でツール1を回転させる。そして、回転するプローブ部2を押圧しながら、その場所でプローブ部2を引き続き回転させることにより、被接合材同士を接合する。
一方、FSWにおいては、上下に積層、もしくは突き合わされた2つの被接合材のうち、接合対象部分にプローブ部2を押圧もしくは挿入させ、その状態でツール1を回転させる。そして、回転するプローブ部2を当該積層もしくは突き合わされた部分に対して直線状に移動させることにより、被接合材同士を接合する。
ツール1は、上述の焼結体を含む。焼結体の高温での耐摩耗性の向上により、ツール1の長寿命化が可能となる。少なくともツール1の接触部分が上述の焼結体により構成されていればよいが、ツール1のすべてが上述の焼結体により構成されていることが好ましい。
また上述の焼結体は、過酷な高温環境下においても、十分に高い耐摩耗性、耐塑性変形性および抗折力を有することから、ツール1は、たとえば融点が1000℃以上の被接合材の接合も可能となる。このような高融点を有する被接合材は、従来、摩擦攪拌接合用ツールによる接合が困難な傾向にあったものである。とりわけツール1は、従来、抵抗溶接法が主として用いられていた高張力鋼の接合にも好適に用いることができ、特に、炭素を多く含む高比強度(たとえば1200MPa以上)の超高張力鋼の接合に極めて有効に使用し得るものである。
また、焼結体の表面には被膜を備えてもよい。これにより、摩擦攪拌接合用ツールにおいて被膜の特性を付与させることができる。
被膜としては、7×10-6/K以上9×10-6/K以下の熱膨張係数を有する被膜を用いることが好ましく、Ti、Al、Cr、Si、Hf、Zr、Mo、Nb、Ta、VおよびWからなる群より選ばれた一種以上の金属の窒化物または炭窒化物からなることがより好ましい。
さらに被膜は、1000℃以上の耐酸化性を有することが好ましい。ここで、「1000℃以上の耐酸化性を有する」とは、被覆層を熱分析−示差熱・熱重量同時測定(TG/DTA:Thermogravimetry/Differential Thermal Analysis)装置により、大気中で評価を行ない、重量増加が生じた温度が1000℃以上であることを意味する。このような耐酸化性を有する被覆層を構成する組成の好適な例としては、AlTiSiN、AlCrN、TiZrSiN、CrTaN、HfWSiN、CrAlN等を挙げることができる。
上記のような被膜は、PVD法およびCVD法のいずれによっても形成することができるが、PVD法により形成されることが好ましい。この場合、より緻密で、亀裂が生じ難い被膜を形成することができる。特に、被膜と焼結体との密着性が格段に向上する点で、カソードアークイオンプレーティング法を用いることが好ましい。
<その他の用途>
上述の焼結体は、摩擦攪拌接合用ツール以外の他の製品に用いることもできる。他の製品としては、金型、切削工具等が挙げられる。これらは、摩擦攪拌接合用ツールと同様に、優れた硬度が求められるものであり、かつ過酷な高温環境下に曝される傾向が高いためである。したがって、上述の焼結体を含む金型および切削工具においては、上述の焼結体の効果が有効に発揮されることとなる。
以下、実施例を挙げて本開示をより詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜50>
42.5Co−40Ni−10W−7.5Al(原子%)の組成で金属粉を混合し、アトマイズ法により、結合相を作製した。(実施例1〜50で使用した金属粉は全て同じである。)
得られた結合相を、粒径1μmの超硬ボールを用いてビーズミルにより粉砕した。得られたスラリーを大気中で乾燥させ、結合相粉末を得た。
得られた結合相粉末と、表1および表2に記載された組成の硬質粒子(第1硬質相および第2硬質相)およびカーボン粉末とを、直径3.5mmの超硬合金製のボールとエタノールと共に、大気開放型のアトライターに投入し混合した。アトライターの混合時間は、表1および表2に記載のとおりである。得られたスラリーを大気中で乾燥させ、混合粉末を得た。
混合粉末を超硬合金製の金型に充填して、100MPaの圧力でプレスすることにより、加圧成形体を得た。
この加圧成形体を表1および表2に記載の焼結条件で、1450℃で1時間焼結した。この時、水素雰囲気で400℃のキープ時間を表1および表2のように設定することで、成形体に含まれるCを脱離させ、最終的に焼結体に含まれるC/O比を表4および表5になるようにコントロールした。更に、冷却速度を表1および表2に記載のように調整した。それにより、(Co、Ni)(Al、W)で表される化合物相が析出した。
その後、1400℃で1000atmの条件で1時間の熱間静水圧成形(HIP:Hot Isostatic Pressing)処理を行なうことにより、焼結体(硬質材料)を得た。
<比較例1>
アトライターによる混合時に、密閉式のアトライターを用いることで、混合物の酸化を抑制させた。また、その混合後に得られたスラリーは、窒素雰囲気中で乾燥させた。また、焼結条件は、真空で、1450℃、1時間とした。また、結合相の配合比および作成の条件は、表2に示すとおりとした。それ以外の点は実施例と同様にして、焼結体を得た。
<比較例2〜3>
焼結条件は真空で1450℃1時間焼結した。また、結合相の配合比および作成の条件は、表2に示すとおりとした。それ以外の点は実施例と同様にして、焼結体を得た。
<比較例4>
42.5Co−40Ni−10W−7.5Al(原子%)の金属粉の代わりに、粒子径が1.2μmの金属Co粉を用いた。また、結合相の配合比および作成の条件は、表2に示すとおりとした。それ以外の点は、比較例1と同様にして、焼結体を得た。
(摩耗攪拌接合ツールの作製)
上記の各実施例および各比較例で得られた焼結体(硬質材料)を、研削加工し、摩擦攪拌接合ツールを作製した。摩耗攪拌接合ツールの形状は、プローブ部の直径が4mm、高さが2.5mm、円柱部の直径が10mm、高さが25mmとした。
Figure 2019090098
Figure 2019090098
<摩擦攪拌接合用ツールの評価>
上記で作製した各実施例および各比較例の摩擦攪拌接合用ツールのそれぞれについて、下記の表3に示す条件による点接合(FSJ)を2000スポット行なった。ただし、2000スポットの接合を行なう前に、摩擦攪拌接合用ツールの表面に亀裂が入ったときや、摩擦攪拌接合用ツールに欠損が生じたときは、その時点で試験を中止した。
Figure 2019090098
上記において、2000スポットの線接合を行なった後、摩擦攪拌接合用ツールを塩酸に浸して10分間加熱しながら、その表面に付着した凝着物を除去し、ノギスを用いて摩擦攪拌接合用ツールのプローブ部の直径R(図1参照)を測定した。このようにして線接合を行なう前後のプローブ部の直径Rの差を摩耗量として評価し、表4〜表6の「摩耗量(mm)」の欄に示した。摩耗量が少ないものほど、耐摩耗性が優れることを示している。
<焼結体の物性評価>
焼結体が、硬質相(第1硬質相および第2硬質相)、結合相(合金粉末)およびAlを含むこと、並びに、硬質相(第1硬質相および第2硬質相)、結合相またはAlの体積含有率、および、結合相の組成等は、上述の実施形態で説明した方法と同様にして測定された。
焼結体中の酸素量およびC量は、焼結体を粉砕し、ICP発光分光分析法により測定された。
結合相の格子定数は、TEM観察の制限視野におけるEDS分析および電子線回折像により特定した。なお、TEMとして、JEM−2100F/Cs(日本電子(株)製)を用いた。Csコレクタとして、CESCOR(CEOS社製)を用いた。EDS機として、JED2300 Series ドライSD60GV検出器(日本電子(株)製)を用いた。TEM観察条件は、加速電圧:200kV、プローブサイズ:0.13nmとした。
Figure 2019090098
Figure 2019090098
Figure 2019090098
※3 2000スポット実施する前に850スポットでプローブ径の摩耗がひどく、接合できなくなったため中止した。
※4 2000スポット実施する前に880スポットでプローブ径の摩耗がひどく、接合できなくなったため中止した。
※5 2000スポット実施する前に790スポットでプローブ径の摩耗がひどく、接合できなくなったため中止した。
※6 2000スポット実施する前に650スポットでプローブ径の摩耗がひどく、接合できなくなったため中止した。
表4〜表6に示される結果から、本開示の焼結体である実施例1〜50は、高温での耐摩耗性が向上していることが分かる。
実施例1〜10の結果から、結合相が、式:
(Co,Ni)(Al,W)
〔式中、(Co,Ni)は第1金属であり、(Al,W)は第2金属であり、x、yおよびzは原子量比率である。〕
で表される化合物相を含んでいる場合において、xは73原子%以上95原子%以下であり、yは4原子%以上25原子%以下であり、zは0.3原子%以上15原子%以下であるときに、高温での耐摩耗性がより向上していることが分かる。また、xは75原子%以上93原子%以下であり、yは5原子%以上20原子%以下であり、zは0.5原子%以上10原子%以下であるときに、高温での耐摩耗性がさらに向上していることが分かる。また、xは80原子%以上90原子%以下、yは6原子%以上15原子%以下、zは1原子%以上5原子%以下であるときに、高温での耐摩耗性が最も向上していることが分かる。
実施例11および12の結果から、焼結体が、第2硬質相を含んでいる場合でも、第1硬質相が第2硬質相より体積比率が大きい場合は、高温での耐摩耗性が向上することが分かる。実施例50の結果から、第2硬質相を含んでいる方が第2硬質相を含んでいない場合より高温での耐摩耗性が向上することが分かる。
実施例13および14の結果から、焼結体中のAlの含有率が少なすぎると、高温での耐摩耗性の向上効果が得られない可能性があると考えられる。一方、実施例48および49の結果から、焼結体中のAlの含有率が多すぎると、焼結体の強度が低下して、欠損が生じやすくなると考えられる。
実施例15〜17の結果から、Alが微細であることにより、更に焼結体の硬度が向上する効果が期待されるが、一方で、Alが微細すぎると、焼結体の靱性が低下して、欠損が生じやすくなると考えられる。一方、実施例43〜47の結果から、Alの径が大きすぎると、焼結体の強度が低下して欠損が生じやすくなると考えられる。
実施例18および19の結果から、焼結体中に含まれるAlの粒子間距離が小さすぎると、結合相の分散度合が偏り、欠損が生じやすくなると考えられる。一方、実施例41および42の結果から、焼結体中に含まれるAlの粒子間距離が大きすぎると、焼結体の強度が低下し、欠損が生じやすくなると考えられる。
実施例20および21の結果、並びに、実施例22および23の結果から、焼結体中に含まれるCの質量に対するOの質量の比(O/C比)が小さ過ぎる場合、焼結体中の酸素の含有量(合金酸素量)が少な過ぎる場合は、Alが少ないため、高温での耐摩耗性が低下すると考えられる。一方、実施例37および38の結果、並びに、実施例39および40の結果から、焼結体中の酸素の含有量(合金酸素量)が多すぎる場合、および、焼結体中に含まれるCの質量に対するOの質量の比(O/C比)が大きすぎる場合は、Alが凝集し、欠損が生じやすくなると考えられる。
実施例24および25の結果から、結合相の格子定数が小さいと高温での耐摩耗性が低下すると考えられる。一方、実施例35および36の結果から、結合相の格子定数が大きすぎると、Cの固溶による歪が大きくなり、結合相内に亀裂が生じて欠損が生じやすくなると考えられる。
実施例26および27の結果から、WCの平均粒子径が小さいと、焼結体の靱性が低下して、欠損が生じやすくなると考えられる。一方、実施例33および34の結果から、WCの平均粒子径が大きすぎると、焼結体の強度が低下して、欠損が生じやすくなると考えられる。
実施例28〜32の結果から、結合相の含有率が少なすぎると、焼結体の靱性が低下して、欠損が生じやすくなり、一方で、結合相の含有率が多すぎると、焼結体の高温硬度が低下しやすくなると考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 摩擦攪拌接合用ツール、
2 プローブ部、
3 円柱部、
4 ショルダー部。

Claims (17)

  1. 第1硬質相、結合相およびAlを含む焼結体であって、
    前記第1硬質相はWCからなり、
    前記結合相は、主成分としてCoおよびNiから選択される少なくとも1種からなる第1金属を含み、さらに、AlおよびWから選択される少なくとも1種からなる第2金属と、Cと、を含み、
    前記Alは、前記焼結体中に分散している、焼結体。
  2. 前記結合相は、下記式で表される化合物相を含む、請求項1に記載の焼結体。
    (Co,Ni)(Al,W)
    〔式中、(Co,Ni)はCoおよびNiから選択される少なくとも1種であり、(Al,W)はAlおよびWから選択される少なくとも1種であり、x、yおよびzは原子量比率である。〕
  3. 前記xは0.73以上0.95以下であり、前記yは0.04以上0.25以下であり、前記zは0.003以上0.15以下である、請求項2に記載の焼結体。
  4. 前記xは0.75以上0.93以下であり、前記yは0.05以上0.2以下であり、前記zは0.005以上0.1以下である、請求項3に記載の焼結体。
  5. 前記xは0.8以上0.9以下、前記yは0.06以上0.15以下、前記zは0.01以上0.05以下である、請求項4に記載の焼結体。
  6. 前記焼結体は、さらに第2硬質相を含み、
    前記第2硬質相は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、MoおよびWからなる群より選ばれる1種以上の金属と、窒素、炭素、硼素および酸素からなる群より選ばれる1種以上の元素と、からなる化合物、または、該化合物の固溶体(ただし、WCを除く)からなり、
    前記第1硬質相は、前記第2硬質相より体積比率が大きい、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の焼結体。
  7. 前記Alは、前記焼結体中に1体積%以上15体積%以下含まれる、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の焼結体。
  8. 前記Alは、円相当径の平均値が0.1μm以上2μm以下であり、かつその標準偏差が0.05μm以上0.25μm以下である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の焼結体。
  9. 前記Alは、円相当径の平均値が0.2μm以上1μm以下であり、かつ、その標準偏差が0.05μm以上0.15μm以下である、請求項8に記載の焼結体。
  10. 前記Alは、円相当径の平均値が0.3μm以上0.5μm以下であり、かつ、その標準偏差が0.05μm以上0.1μm以下である、請求項9に記載の焼結体。
  11. 前記Alは、粒子間距離の平均値が1μm以上3μm以下であり、かつ、その標準偏差が0.5μm以上1.5μm以下である、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の焼結体。
  12. 前記焼結体中に含まれるCの質量に対するOの質量の比が0.015以上0.061以下である、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の焼結体。
  13. 前記焼結体中の酸素の含有量が0.1質量%以上0.4質量%以下である、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の焼結体。
  14. 前記結合相は、格子定数が3.65Å以上4.0Å以下である、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の焼結体。
  15. 前記WCは、平均粒子径が0.1μm以上3μm以下である、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の焼結体。
  16. 前記焼結体中の前記結合相の含有率が2質量%以上10質量%未満である、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の焼結体。
  17. 請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の焼結体を含む、摩擦攪拌接合用ツール。
JP2018072495A 2017-04-26 2018-04-04 焼結体および摩擦攪拌接合ツール Pending JP2019090098A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017086856 2017-04-26
JP2017086856 2017-04-26
JP2017238556 2017-12-13
JP2017238556 2017-12-13

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019090098A true JP2019090098A (ja) 2019-06-13

Family

ID=66835953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018072495A Pending JP2019090098A (ja) 2017-04-26 2018-04-04 焼結体および摩擦攪拌接合ツール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019090098A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20200031724A1 (en) * 2017-05-12 2020-01-30 Baker Hughes, A Ge Company, Llc Methods of forming supporting substrates for cutting elements, and related methods of forming cutting elements
WO2021106276A1 (ja) * 2019-11-26 2021-06-03 住友電気工業株式会社 超硬合金及びそれを基材として含む切削工具

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20200031724A1 (en) * 2017-05-12 2020-01-30 Baker Hughes, A Ge Company, Llc Methods of forming supporting substrates for cutting elements, and related methods of forming cutting elements
WO2021106276A1 (ja) * 2019-11-26 2021-06-03 住友電気工業株式会社 超硬合金及びそれを基材として含む切削工具
JPWO2021106276A1 (ja) * 2019-11-26 2021-06-03
CN113179647A (zh) * 2019-11-26 2021-07-27 住友电气工业株式会社 硬质合金以及包括其作为基材的切削工具
US11717978B2 (en) 2019-11-26 2023-08-08 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Cemented carbide and cutting tool including same as substrate
JP7388431B2 (ja) 2019-11-26 2023-11-29 住友電気工業株式会社 超硬合金及びそれを基材として含む切削工具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5905903B2 (ja) 耐熱合金およびその製造方法
JP6717037B2 (ja) 合金粉末、焼結体、合金粉末の製造方法および焼結体の製造方法
JP2012505971A (ja) 金属粉末
CN107459353B (zh) 一种VC、TiC增强无粘结相WC基硬质合金性能的方法
JP6740862B2 (ja) 硬質材料および摩擦撹拌接合用ツール
JPWO2011118576A1 (ja) ガラス板製造用治具の溶射皮膜およびガラス板製造用治具
JP2019090098A (ja) 焼結体および摩擦攪拌接合ツール
JP5872590B2 (ja) 耐熱合金およびその製造方法
CN110392743B (zh) 硬质烧结体
JP2019183201A (ja) 焼結体および回転ツール
JP4282298B2 (ja) 超微粒超硬合金
JP6178689B2 (ja) タングステン耐熱合金、摩擦攪拌接合工具、および製造方法
JP4680684B2 (ja) 超硬合金
JP2019151875A (ja) 基材および切削工具
JP7035820B2 (ja) 基材および切削工具
JP6208863B2 (ja) タングステン耐熱合金、摩擦攪拌接合工具、および製造方法
JPWO2018003877A1 (ja) 超硬質焼結体
JP2017148895A (ja) 耐折損性にすぐれたwc基超硬合金製ドリル
JP7143844B2 (ja) 切削工具
JP7087596B2 (ja) 切削工具
JP2019123903A (ja) 高熱伝導性を有する耐熱性wc基複合材料およびその製造方法
JP7508155B1 (ja) 軽量硬質合金の製造方法
TW202204646A (zh) 複合陶瓷強化材料
Nakonechnyi et al. The Nanostructured NiFeCrWMo High-Entropy Alloy Binder versus Traditional Co Binder for WC-based Hard Alloys
JP2017101291A (ja) 被覆層を有する耐熱合金製工具および加工装置