JP2019089218A - 液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置 - Google Patents

液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置 Download PDF

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直弘 冨田
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祐樹 山村
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Shunsuke Yamazaki
俊輔 山▲崎▼
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Abstract

【課題】動作信頼性を向上させることが可能な液体噴射ヘッドを提供する。【解決手段】液体噴射ヘッドは、液体が収容される複数のチャネルを有する導電性のアクチュエータプレートと、そのアクチュエータプレートから電気的に絶縁されると共に、複数のチャネルに収容された液体が噴射される複数のノズル孔を有する導電性のノズルプレートと、アクチュエータプレートおよびノズルプレートのそれぞれを支持する導電性のベースと、液体が噴射される側において複数のノズル孔が設けられていない領域におけるノズルプレートの表面のうちの少なくとも一部を被覆すると共に、ノズルプレートおよびベースのそれぞれに電気的に接続された導電性の保護部材とを備える。【選択図】図4

Description

本開示は、液体を噴射する液体噴射ヘッドおよびその液体噴射ヘッドを用いた液体噴射記録装置に関する。
被記録媒体に画像などを記録する記録装置として、液体噴射ヘッドを備えた液体噴射記録装置が知られている。この液体噴射記録装置では、液体噴射ヘッドから被記録媒体に液体が噴射されることにより、その被記録媒体に画像などが記録される。
液体噴射記録装置の構成に関しては、様々な検討がなされている。具体的には、噴射ヘッドを備えた液体噴射装置の外部にノイズが輻射されることを抑制するために、その噴射ヘッドにおいて、液体吐出面の周囲を被覆する導電性のヘッドカバーと、そのヘッドカバーをメインフレームに電気的に導通させる導電部とが用いられている(例えば、特許文献1参照)。この場合には、導電部の電気抵抗がヘッドカバーの電気抵抗よりも大きくなっている。
特開2005−111933号公報
液体噴射ヘッドを備えた液体噴射記録装置の構成に関して様々な検討がなされているが、その液体噴射記録装置の動作信頼性は未だ十分でないため、改善の余地がある。
そこで、動作信頼性を向上させることが可能な液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置を提供することが望まれている。
本開示の一実施形態の液体噴射ヘッドは、液体が収容される複数のチャネルを有する導電性のアクチュエータプレートと、そのアクチュエータプレートから電気的に絶縁されると共に、複数のチャネルに収容された液体が噴射される複数のノズル孔を有する導電性のノズルプレートと、アクチュエータプレートおよびノズルプレートのそれぞれを支持する導電性のベースと、液体が噴射される側において複数のノズル孔が設けられていない領域におけるノズルプレートの表面のうちの少なくとも一部を被覆すると共に、ノズルプレートおよびベースのそれぞれに電気的に接続された導電性の保護部材とを備えたものである。
本開示の一実施形態の液体噴射記録装置は、被記録媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、その液体を貯蔵する液体貯蔵部とを備え、その液体噴射ヘッドが上記した本開示の一実施形態の液体噴射ヘッドと同様の構成を有するものである。
本開示の一実施形態の液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置のそれぞれによれば、導電性のノズルプレートが導電性のアクチュエータプレートから電気的に絶縁されていると共に、導電性の保護部材が導電性のノズルプレートおよび導電性のベースのそれぞれに電気的に接続されているので、動作信頼性を向上させることができる。
本開示の一実施形態の液体噴射記録装置(液体噴射ヘッド)の構成を表す斜視図である。 図1に示した循環機構の構成を模式的に表す図である。 図1に示した液体噴射ヘッドのうちの主要部の構成(保護フレームがノズルプレートから取り外された状態)を表す斜視図である。 図1に示した液体噴射ヘッドのうちの主要部の構成(保護フレームがノズルプレートに取り付けられた状態)を表す斜視図である。 図4に示したA−A線に沿った液体噴射ヘッドの構成を表す断面図である。 図4に示したB−B線に沿った液体噴射ヘッドの構成を表す断面図である。 図3に示したノズルプレート、アクチュエータプレートおよびカバープレートのそれぞれの構成を表す斜視図である。 図7に示したアクチュエータプレートの構成を表す平面図である。 図8に示したC−C線に沿ったノズルプレート、絶縁層、アクチュエータプレートおよびカバープレートのそれぞれの構成を表す断面図である。 液体噴射ヘッドの構成に関する変形例を表す斜視図である。
以下、本開示の一実施形態に関して、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。

1.液体噴射記録装置(液体噴射ヘッド)
1−1.液体噴射記録装置の構成
1−2.液体噴射ヘッドの構成
1−3.保護フレームの詳細な構成
1−4.ノズルプレート、絶縁層、アクチュエータプレートおよびカバープレートのそれぞれの詳細な構成
1−5.動作
1−6.作用および効果
2.変形例
<1.液体噴射記録装置(液体噴射ヘッド)>
本開示の一実施形態の液体噴射記録装置に関して説明する。
なお、本開示の一実施形態の液体噴射ヘッドは、ここで説明する液体噴射記録装置のうちの一部であるため、その液体噴射ヘッドに関しては、以下で併せて説明する。
<1−1.液体噴射記録装置の構成>
最初に、液体噴射記録装置の構成に関して説明する。
図1は、液体噴射記録装置の一具体例であるプリンタ1の斜視構成を表している。図2は、図1に示した循環機構5の構成を模式的に表している。ただし、図1では、筐体10の外縁(輪郭)を破線で示すことにより、その筐体10の内部を示している。
このプリンタ1は、主に、被記録媒体である記録紙Pに対して、後述する記録用の液体であるインク9を用いて画像などを記録(印刷)するインクジェット方式のプリンタであり、いわゆるインクジェットプリンタである。
特に、ここで説明するプリンタ1は、例えば、循環機構5において循環されているインク9を用いるインク循環方式のインクジェットプリンタである。
具体的には、プリンタ1は、例えば、図1および図2に示したように、筐体10の内部に、一対の搬送機構2a,2bと、インクタンク3と、液体噴射ヘッドの一具体例であるインクジェットヘッド4と、循環機構5と、走査機構6とを備えている。
なお、図1および図2、ならびに後述する各図面では、プリンタ1に関する一連の構成要素の大きさを認識可能な大きさとするために、各構成要素の縮尺を適宜変更している。
[搬送機構]
一対の搬送機構2a,2bは、主に、プリンタ1に投入された記録紙Pを搬送方向D(X軸方向)に搬送させる機構である。
搬送機構2a,2bのそれぞれは、例えば、図1に示したように、グリッドローラ21およびピンチローラ22を含んでいる。グリッドローラ21およびピンチローラ22のそれぞれは、例えば、搬送方向Dと交差する方向(Y軸方向)に延在しており、その方向に延在する回転軸を中心として回転可能である。また、搬送機構2a,2bのそれぞれは、例えば、図示しないモータなどの駆動機構に接続されており、その駆動機構の動力を利用して回転する。
ここでは、記録紙Pの平面形状は、例えば、互いに対向する一対の長辺と互いに対向する一対の短辺とにより規定される矩形である。これに伴い、搬送方向Dは、例えば、記録紙Pの長手方向に沿った方向(X軸方向)であると共に、搬送方向Dに交差する方向は、例えば、記録紙Pの短手方向に沿った方向(Y軸方向)である。
[インクタンク]
インクタンク3は、主に、インク9を貯蔵する液体貯蔵部である。
インクタンク3の数は、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。ここでは、プリンタ1は、例えば、図1に示したように、互いに異なる色のインク9を収容する4個のインクタンク3(3Y,3M,3C,3B)を備えている。インクタンク3Y,3M,3C,3Bは、例えば、搬送方向D(X軸方向)において、上流側から下流側に向かってこの順に配列されている。
インクタンク3Yは、例えば、イエロー(Y)のインク9を貯蔵している。インクタンク3Mは、例えば、マゼンタ(M)のインク9を貯蔵している。インクタンク3Cは、例えば、シアン(C)のインク9を貯蔵している。インクタンク3Kは、例えば、ブラック(B)のインク9を収容している。
インクタンク3Y,3M,3C,3Bのそれぞれは、例えば、インク9の種類(色)が互いに異なることを除いて、互いに同様の構成を有している。以下では、必要に応じて、インクタンク3Y,3M,3C,3Kをまとめて「インクタンク3」と総称する。
[インクジェットヘッド]
インクジェットヘッド4は、主に、記録紙Pに画像などを記録するために、その記録紙Pにインク9を噴射するデバイス(ヘッド)である。このインクジェットヘッド4では、特に、記録紙Pに液滴状のインク9が噴射される。
インクジェットヘッド4の数は、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。ここでは、プリンタ1は、例えば、図1に示したように、上記した4個のインクタンク3(3Y,3M,3C,3B)に対応して、互いに異なる色のインク9を噴射する4個のインクジェットヘッド4(4Y,4M,4C,4B)を備えている。インクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Bは、例えば、搬送方向Dと交差する方向(Y軸方向)においてこの順に配列されている。
インクジェットヘッド4Yは、例えば、イエローのインク9を噴射する。インクジェットヘッド4Mは、例えば、マゼンタのインク9を噴射する。インクジェットヘッド4Cは、例えば、シアンのインク9を噴射する。インクジェットヘッド4Bは、例えば、ブラックのインク9を噴射する。
インクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Bのそれぞれは、例えば、インク9の種類(色)が互いに異なることを除いて、互いに同様の構成を有している。以下では、必要に応じて、インクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Kをまとめて「インクジェットヘッド4」と総称する。
なお、インクジェットヘッド4の詳細な構成に関しては、後述する(図3〜図9参照)。
[循環機構]
循環機構5は、主に、インクタンク3とインクジェットヘッド4との間においてインク9を循環させる機構である。
この循環機構5は、例えば、図2に示したように、インク9の循環流路50と、加圧ポンプ51aと、吸引ポンプ51bとを含んでいる。
循環流路50は、例えば、インクタンク3からインクジェットヘッド4に向かってインク9が流れる第1流路50aと、インクジェットヘッド4からインクタンク3に向かってインク9が流れる第2流路50bとを含んでいる。
第1流路50aおよび第2流路50bのそれぞれでは、例えば、チューブの内部にインク9が流れており、そのチューブは、例えば、可撓性を有するフレキシブルチューブなどである。
加圧ポンプ51aは、例えば、第1流路50aに設けられている。この加圧ポンプ51aは、第1流路50aの内部を加圧することにより、インクジェットヘッド4にインク9を供給する。
吸引ポンプ51bは、例えば、第2流路50bに設けられている。この吸引ポンプ51bは、第2流路50bの内部を減圧することにより、インクジェットヘッド4からインク9を吸引する。
これにより、循環機構5では、例えば、循環方向Fに向かってインク9が流れる。すなわち、インクタンク3から供給されたインク9は、例えば、第1流路50a、インクジェットヘッド4および第2流路50bをこの順に経由することにより、そのインクタンク3に戻る。
[走査機構]
走査機構6は、主に、搬送方向Dと交差する方向(Y軸方向)にインクジェットヘッド4を走査させる機構である。
この走査機構6は、例えば、図1に示したように、一対のガイドレール61a,61bと、キャリッジ62と、駆動機構63とを含んでいる。
ガイドレール61a,61bのそれぞれは、例えば、搬送方向Dと交差する方向(Y軸方向)に延在している。キャリッジ62は、例えば、ガイドレール61a,61bにより支持されており、そのガイドレール61a,61bに沿って搬送方向Dと交差する方向(Y軸方向)に移動可能である。駆動機構63は、例えば、一対のプーリ631a,631bと、無端状のベルト632と、駆動モータ633とを含んでいる。
一対のプーリ631a,631bは、例えば、ガイドレール61a,61bの間に配置されている。プーリ631a,631bのそれぞれは、例えば、ガイドレール61a,61bの両端近傍に対応する位置に、Y軸方向に延在するように設けられている。ベルト632は、例えば、プーリ631a,631bの間において巻回されている。このベルト632は、例えば、キャリッジ62に連結されており、そのキャリッジ62の上には、例えば、インクジェットヘッド4が載置されている。
搬送機構2a,2bおよび走査機構6を移動機構として利用することにより、記録紙Pおよびインクジェットヘッド4のそれぞれは、相対的に移動可能である。
<1−2.液体噴射ヘッドの構成>
次に、インクジェットヘッド4の構成に関して説明する。
図3および図4のそれぞれは、図1に示したインクジェットヘッド4のうちの主要部(ベース41、ノズルプレート42、アクチュエータプレート44、カバープレート45および保護フレーム46)の斜視構成を表している。ただし、図3では、保護フレーム46がノズルプレート42から取り外された状態を示していると共に、図4では、保護フレーム46がノズルプレート42に取り付けられた状態を示している。
図5は、図4に示したA−A線に沿ったインクジェットヘッド4の断面構成(XZ面に沿った断面の構成)を表していると共に、図6は、図4に示したB−B線に沿ったインクジェットヘッド4の断面構成(YZ面に沿った断面の構成)を表している。ただし、図5では、絶縁層43を図示しているが、図3および図4のそれぞれでは、絶縁層43の図示を省略している。
インクジェットヘッド4は、例えば、図3〜図6に示したように、ベース41と、ノズルプレート(噴射孔プレート)42と、絶縁層43と、アクチュエータプレート44と、カバープレート45と、保護フレーム46とを備えている。
ベース41、ノズルプレート42、絶縁層43、アクチュエータプレート44、カバープレート45および保護フレーム46のそれぞれは、例えば、所定の延在方向(X軸方向)に延在している。ノズルプレート42、絶縁層43、アクチュエータプレート44およびカバープレート45は、例えば、ベース41の上に載置されていると共に、Z軸方向においてベース41よりも遠い側からこの順に積層されている。保護フレーム46は、例えば、ノズルプレート42に取り付けられている。
[ベース]
ベース41は、主に、ノズルプレート42およびアクチュエータプレート44などを支持する支持体である。ノズルプレート42およびアクチュエータプレート44などは、例えば、ベース41の延在方向(X軸方向)における略中央領域に設けられた支持領域41Sに配置されることにより、そのベース41に対して位置合わせされている。
このベース41は、導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいるため、導電性を有している。導電性材料の種類は、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼(SUS)などの金属材料である。ステンレス鋼の種類は、特に限定されないが、例えば、SUS316LおよびSUS304などである。ただし、ベース41は、アクチュエータプレート44から電気的に絶縁されている。
なお、キャリッジ62は、例えば、ベース41と同様に導電性を有していると共に、インクジェットヘッド4は、上記したように、キャリッジ62の上に載置されている。これにより、ベース41は、キャリッジ62に隣接されているため、そのキャリッジ62に対して電気的に接続(接地)されている。
ベース41の側面には、例えば、挿入口41Kが設けられている。この挿入口41Kには、例えば、後述する保護フレーム46(連結部462)のうちのツメ部462Tが挿入される。挿入口41Kの数および位置などは、特に限定されない。
ここでは、ベース41は、例えば、4個の挿入口41K(41KA,41KB,41KC,41KD)を有している。挿入口41KA,41KBは、例えば、X軸方向の一端側におけるベース41の両側面に設けられていると共に、挿入口41KC,41KDは、例えば、X軸方向の他端側におけるベース41の両側面に設けられている。
[ノズルプレート]
ノズルプレート42は、主に、後述するインク9の噴射口である複数のノズル孔H(図7〜図9参照)が設けられたプレートである。
図3および図4のそれぞれにおいて破線で示したノズル領域Rは、インク9が噴射される側におけるノズルプレート42の表面(噴射面42M)のうち、複数のノズル孔Hが設けられている領域を表している。すなわち、ノズル領域Rの内側には、複数のノズル孔Hが設けられているのに対して、そのノズル領域Rの外側には、複数のノズル孔Hが設けられていない。ここでは、ノズル領域Rは、例えば、噴射面42Mのうちの略中央領域である。
なお、ノズルプレート42は、例えば、ノズル領域Rに開口部42Kを有している。この開口部42Kは、例えば、X軸方向に延在しており、後述するフレキシブルプリント基板(FPC)47を圧着させる用途などの各種用途に用いられる。
このノズルプレート42は、導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいるため、導電性を有している。導電性材料の種類は、特に限定されないが、例えば、ベース41の形成材料と同様の金属材料である。ノズルプレート42が金属材料を含んでいると、その金属材料が高い擦過性を有するため、ノズルプレート42(噴射面42M)の物理的強度が向上するからである。
ただし、導電性のノズルプレート42は、後述する導電性のアクチュエータプレート44から絶縁層43を介して離間されている。このため、ノズルプレート42は、絶縁層43を介してアクチュエータプレート44から電気的に絶縁されている。
なお、ノズルプレート42の詳細な構成に関しては、後述する(図7〜図9参照)。
[絶縁層]
絶縁層43は、主に、ノズルプレート42とアクチュエータプレート44との間に介在することにより、そのノズルプレート42とアクチュエータプレート44とを互いに電気的に分離(絶縁)させる層である。
この絶縁層43には、例えば、ノズルプレート42に設けられている複数のノズル孔Hに対応する位置に、後述するインク9を通過させるための複数のスリット43S(図9参照)が設けられている。
また、絶縁層43は、絶縁性を担保するために、絶縁性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。絶縁性材料の種類は、特に限定されないが、例えば、ポリイミドなどの絶縁性高分子材料である。この絶縁層43は、例えば、複数のスリット43Sが設けられた絶縁性高分子シートである。
[アクチュエータプレート]
アクチュエータプレート44は、主に、複数のノズル孔Hからインク9を噴射させるために電気的に動作するプレートである。
このアクチュエータプレート44は、後述するインク9が収容される複数のチャネルCを有している(図7〜図9参照)。複数のチャネルCに収容されたインク9は、上記した複数のノズル孔Hから噴射される。
このアクチュエータプレート44は、圧電材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。圧電材料の種類は、特に限定されないが、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などである。このアクチュエータプレート44は、例えば、Z軸方向における分極方向が互いに異なる方向となるように設定されている2枚の圧電基板が積層された積層体である(いわゆるシェブロンタイプ)。
ただし、アクチュエータプレート44の構成は、上記したシェブロンタイプに限られない。具体的には、アクチュエータプレート44は、例えば、Z軸方向における分極方向が一方向となるように設定されている1枚の圧電基板でもよい(いわゆるカンチレバータイプ)。
なお、アクチュエータプレート44の詳細な構成に関しては、後述する(図7〜図9参照)。
[カバープレート]
カバープレート45は、主に、アクチュエータプレート44(複数のチャネルC)にインク9を導入すると共に、そのアクチュエータプレート44からインク9を排出させるプレートである。
このカバープレート45は、例えば、アクチュエータプレート44の形成材料と同様の材料を含んでいる。
なお、カバープレート45の詳細な構成に関しては、後述する(図7〜図9参照)。
[保護フレーム]
保護フレーム46は、主に、ノズルプレート42の表面を保護する保護部材(ノズルガード)である。ここで説明するノズルプレート42の「表面」とは、上記したように、インク9が噴射される側におけるノズルプレート42の表面(噴射面42M)である。
この保護フレーム46は、噴射面42Mのうち、ノズル領域R以外の領域(ノズル領域Rを囲む周囲領域)のうちの一部または全部を被覆することにより、その噴射面42Mを保護している。保護フレーム46が周囲領域のうちの一部または全部を被覆しており、すなわち保護フレーム46がノズル領域Rを被覆していないのは、複数のノズル孔Hが保護フレーム46により遮蔽されないようにするためである。
特に、保護フレーム46は、上記した保護部材としての機能と共に、ベース41とノズルプレート42とを互いに電気的に接続させる接続部材としての機能も有している。この接続部材としての機能を担保するために、保護フレーム46は、ベース41およびノズルプレート42のそれぞれに電気的に接続されている。
この保護フレーム46は、噴射面42Mに付勢されることにより、ノズルプレート42に電気的に接続されていることが好ましい。保護フレーム46が噴射面42Mに付勢されていると、その保護フレーム46がノズルプレート42から離間されにくくなるため、保護フレーム46とノズルプレート42との電気的接続が維持されやすくなるからである。
この場合において、保護フレーム46は、噴射面42Mに点接触されていてもよいし、その噴射面42Mに面接触されていてもよい。中でも、保護フレーム46は、噴射面42Mに面接触されていることが好ましい。保護フレーム46が噴射面42Mに面接触されていると、保護フレーム46が噴射面42Mに点接触されている場合と比較して、ノズルプレート42に対する保護フレーム46の接触面積が増加するからである。これにより、保護フレーム46とノズルプレート42の電気的接続がより維持されやすくなると共に、保護フレーム46とベース41との電気的導通状態が向上する。
なお、保護フレーム46が噴射面42Mに付勢されている位置は、特に限定されない。中でも、後述するように、複数のチャネルCおよび複数のノズル孔HのそれぞれがX軸方向に配列されている場合(図7〜図9参照)には、保護フレーム46は、X軸方向における一端側において噴射面42Mに付勢されることにより、その一端側においてノズルプレート42に電気的に接続されていると共に、X軸方向における他端側において噴射面42Mに付勢されることにより、その他端側においてノズルプレート42に電気的に接続されていることが好ましい。保護フレーム46がX軸方向における一端側および他端側のそれぞれにおいて噴射面42Mに付勢されていると、複数のノズル孔HがX軸方向に配列されていても、そのX軸方向において保護フレーム46とノズルプレート42との電気的導通状態が均一になりやすいため、その電気的導通状態がばらつきにくくなるからである。これにより、複数のノズル孔Hから噴射されるインク9の噴射量などがばらつきにくくなる。
また、保護フレーム46は、上記した接続部材としての機能を担保するために、導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいるため、導電性を有している。導電性材料の種類は、特に限定されないが、例えば、金属材料および導電性高分子材料などである。金属材料の種類は、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼(SUS)などである。なお、ステンレス鋼の種類に関する詳細は、例えば、ベース41の形成材料(ステンレス鋼)に関して説明した場合と同様である。
<1−3.保護フレームの詳細な構成>
次に、保護フレーム46の詳細な構成に関して説明する。
この保護フレーム46は、例えば、図3および図4に示したように、被覆部461と、連結部462とを含んでいる。保護フレーム46が被覆部461および連結部462を含んでいると、被覆部461により噴射面42Mが十分に被覆(保護)されながら、連結部462により保護フレーム46とベース41との電気的接続が担保されるからである。
[被覆部]
被覆部461は、噴射面42Mを被覆すると共に、ノズルプレート42に電気的に接続された部分である。この被覆部461は、例えば、ノズル領域Rに対応する位置に開口部461Kを有している。これにより、被覆部461は、上記したように、噴射面42Mのうちの周囲領域においてノズルプレート42を被覆している。
ここでは、開口部461Kの開口面積は、例えば、ノズル領域Rの面積よりも大きくなっている。このため、被覆部461は、例えば、上記した周囲領域のうちの一部を被覆している。
なお、被覆部461は、例えば、ノズルプレート42のうちの噴射面42Mと共に、そのノズルプレート42のうちの側面42Dも併せて被覆している。このため、被覆部461は、例えば、ベース41に近い側が開放されると共にベース41から遠い側に開口部461Kを有する略箱状の立体的形状を有している。
この被覆部461は、ノズルプレート42(噴射面42M)と電気的に接続するために、接続部461Nを含んでいる。この接続部461Nが噴射面42Mに接触することにより、被覆部461がノズルプレート42に電気的に接続されている。
接続部461Nは、上記したように、噴射面42Mに付勢されることにより、ノズルプレート42に電気的に接続されていることが好ましい。ここでは、例えば、被覆部461に2個の切り込み部461Zが設けられており、その2個の切り込み部461Zの間に位置する被覆部461のうちの一部(接続部461N)が噴射面42Mに押し付けられている。これにより、接続部461Nは、例えば、噴射面42Mに面接触されている。
具体的には、接続部461Nは、例えば、図5に示したように、支持部461N1と、折り曲げ部461N2とを含んでいる。支持部461N1は、例えば、被覆部461の本体(接続部461N以外の部分)および折り曲げ部461N2のそれぞれに連結されており、その折り曲げ部461N2を支持する部分である。折り曲げ部461N2は、例えば、支持部461N1よりも噴射面42Mに近づくように折り曲げられた部分である。折り曲げ部461N2を含む接続部461Nは、いわゆる板バネとして機能するため、その板バネの弾性変形力(復元力)を利用して噴射面42Mに付勢されている。この折り曲げ部461N2は、例えば、上記したように、噴射面42Mに面接触されている。
なお、上記した板バネの弾性変形力を利用して折り曲げ部461N2が噴射面42Mに付勢されていれば、その折り曲げ部461N2の折り曲げられ方は、特に限定されない。すなわち、折り曲げ部461N2は、例えば、湾曲していてもよいし、途中で1回または2回以上屈曲していてもよい。ここでは、折り曲げ部461N2は、例えば、支持部461N1から離れる方向において、噴射面42Mに近づくように屈曲したのち、その噴射面42Mに沿うように再び屈曲している。
接続部461Nの数は、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。ただし、接続部461Nの数は、2個以上であることが好ましい。接続部461Nの数が2個以上であると、保護フレーム46とベース41との電気的導通状態がより向上するからである。ここでは、被覆部461は、例えば、4個の接続部461N(461NA,461NB,461NC,461ND)を含んでいる。
また、接続部461Nの位置は、特に限定されない。ここでは、例えば、上記したように、保護フレーム46がX軸方向における一端側および他端側のそれぞれにおいて噴射面42Mに付勢されていることが好ましい。このため、例えば、X軸方向における一端側に2個の接続部461N(461NA,461NB)が配置されていると共に、そのX軸方向における他端側に2個の接続部461N(461NC,461ND)が配置されている。
ただし、接続部461NA,461NB,461NC,461NDのそれぞれは、開口部42Kからずれた位置に配置されていることが好ましい。接続部461NA,461NB,461NC,461NDのそれぞれが開口部42Kからずれた位置に配置されていると、その開口部42Kが接続部461NA,461NB,461NC,461NDのそれぞれにより遮蔽されにくくなるからである。ここでは、例えば、X軸方向における一端側において、接続部461NA,461Bの間に開口部42Kが配置されていると共に、そのX軸方向における他端側において、接続部461NC,461NDの間に開口部42Kが配置されている。このため、接続部461NA,461NCは、例えば、互いに対向配置されていると共に、接続部461NB,461NDは、例えば、互いに対向配置されている。もちろん、接続部461NA,461NB,461NC,461NDのそれぞれは、複数のノズル孔Hを遮蔽しないようにするために、ノズル領域Rと重ならないように配置されていることが好ましい。
[連結部]
連結部462は、被覆部461およびベース41のそれぞれに連結されることにより、その被覆部461をベース41に電気的に接続させる部分である。この連結部462は、例えば、Z軸方向に延在しており、ベース41に設けられた挿入口41Kまで延在している。
具体的には、連結部462は、例えば、図6に示したように、内側に向かって折れ曲がった先端部(ツメ部)462Tを有している。このツメ部462Tは、例えば、先鋭な立体的形状を有しており、挿入口41Kに挿入可能である。すなわち、保護フレーム46は、例えば、上記した連結部462(ツメ部462T)を利用して、ベース41に着脱可能である。
図3では、ツメ部462Tが挿入口41Kから脱離されることにより、保護フレーム46がノズルプレート42から取り外されている。これに対して、図4では、ツメ部462Tが挿入口41Kに挿入されることにより、保護フレーム46がノズルプレート42に取り付けられている。
連結部462の数は、特に限定されない。ここでは、例えば、上記したように、ベース41が4個の挿入口41K(41KA,41KB,41KC、41D)を有しているため、保護フレーム46は4個の連結部462(462A,462B,462C,462D)を含んでいる。
また、連結部462の位置は、特に限定されない。ここでは、連結部462A,462B,462C,462Dのそれぞれは、例えば、挿入口41KA,41KB,41KC、41Dのそれぞれに対応する位置に配置されている。
<1−4.ノズルプレート、絶縁層、アクチュエータプレートおよびカバープレートのそれぞれの詳細な構成>
次に、ノズルプレート42、絶縁層43、アクチュエータプレート44およびカバープレート45のそれぞれの詳細な構成に関して説明する。
図7は、図3に示したノズルプレート42、アクチュエータプレート44およびカバープレート45のそれぞれの斜視構成を表している。図8は、図7に示したアクチュエータプレート44の平面構成を表している。図9は、図8に示したC−C線に沿ったノズルプレート42、絶縁層43、アクチュエータプレート44およびカバープレート45のそれぞれの断面構成を表している。
ただし、図7では、ノズルプレート42、アクチュエータプレート44およびカバープレート45が互いに離間された状態を示していると共に、図8では、ノズル列421,422(複数のノズル孔H1,H2)を破線で示している。
ここで説明するインクジェットヘッド4は、例えば、いわゆるサイドシュートタイプのインクジェットヘッド4である。このサイドシュートタイプのインクジェットヘッド4では、後述するように、アクチュエータプレート44に設けられた各チャネルCがY軸方向に延在しており、ノズルプレート42に設けられた各ノズル孔HからY軸方向と交差するZ軸方向にインク9が噴射される。この場合には、Y軸方向に延在する各チャネルCのうちの略中央領域からインク9が噴射される。
また、インクジェットヘッド4は、例えば、いわゆる循環式のインクジェットヘッド4であり、上記した循環機構5を利用してインクタンク3とインクジェットヘッド4との間において循環されるインク9を用いる。
[ノズルプレート]
ノズルプレート42は、例えば、図7〜図9に示したように、Y軸方向において所定の間隔を隔てながら配列された複数のノズル列420を有している。各ノズル列420は、例えば、X軸方向に延在しており、複数のノズル孔Hを含んでいる。ノズル孔Hの開口形状(Z軸方向から見たノズル孔Hの形状)は、例えば、円形である。
ここでは、ノズルプレート42は、例えば、2列のノズル列420(421,422)を有している。このため、インクジェットヘッド4は、例えば、いわゆる2列タイプのインクジェットヘッド4である。
ノズル列421は、例えば、X軸方向において所定の間隔を隔てながら配列された複数のノズル孔H1を含んでいる。各ノズル孔H1は、ノズルプレート42を貫通するようにZ軸方向に延在しており、後述するアクチュエータプレート44のうちの噴射チャネルC1eに連通されている。また、各ノズル孔H1は、Y軸方向に延在する噴射チャネルC1eのうちの略中央領域に対応する位置に配置されている。X軸方向における複数のノズル孔H1のピッチ(互いに隣り合う2個のノズル孔H1の間の距離)は、例えば、X軸方向における複数の噴射チャネルC1eのピッチ(互いに隣り合う2個の噴射チャネルC1eの間の距離)と同様である。これにより、各噴射チャネルC1eから供給されるインク9は、各ノズル孔H1から噴射される。
ノズル列422は、例えば、上記したノズル列421と同様の構成を有している。すなわち、ノズル列422は、例えば、X軸方向において所定の間隔を隔てながら配列された複数のノズル孔H2を含んでいる。各ノズル孔H2は、ノズルプレート42を貫通しており、後述するアクチュエータプレート44のうちの噴射チャネルC2eに連通されている。また、各ノズル孔H2は、Y軸方向に延在する噴射チャネルC2eのうちの略中央領域に対応する位置に配置されている。X軸方向における複数のノズル孔H2のピッチ(互いに隣り合う2個のノズル孔Hの間の距離)は、例えば、X軸方向における複数の噴射チャネルC2eのピッチ(互いに隣り合う2個の噴射チャネルC2eの間の距離)と同様である。これにより、各噴射チャネルC2eから供給されるインク9は、各ノズル孔H2から噴射される。
ノズル孔H1,H2のそれぞれからインク9が噴射される方向は、アクチュエータプレート44からノズルプレート42に向かう方向(図7中の下方向)である。ノズル孔H1,H2のそれぞれの内径は、例えば、噴射方向に向かって次第に小さくなっている。すなわち、ノズル孔H1,H2のそれぞれは、例えば、テーパ状の貫通口である。
[絶縁層]
絶縁層43は、例えば、図9に示したように、複数のノズル孔Hに対応する位置に複数のスリット43Sを有している。スリット43Sの開口形状(Z軸方向から見たスリット43Sの形状)は、例えば、チャネルC(噴射チャネルC1e)の形状と同様である。すなわち、スリット43Sの形状は、例えば、Y軸方向に延在する矩形である。
[アクチュエータプレート]
アクチュエータプレート44は、例えば、図7〜図9に示したように、Y軸方向において所定の間隔を隔てながら配列された複数のチャネル列440を有している。各チャネル列440は、例えば、X軸方向に延在しており、複数のチャネルCを含んでいる。チャネルCの開口形状(Z軸方向から見たチャネルCの形状)は、例えば、Y軸方向に延在する矩形である。ここでは、アクチュエータプレート44は、例えば、2列のチャネル列440(441,442)を有している。
このアクチュエータプレート44では、例えば、X軸方向における略中央領域(チャネル列441,442が形成されている領域)にインク9の噴射領域A1が設けられていると共に、そのX軸方向における両端領域(チャネル列441,442が形成されていない成領域)にインク9の非噴射領域A2が設けられている。すなわち、非噴射領域A2は、X軸方向において噴射領域A1よりも外側に配置されている。なお、Y軸方向におけるアクチュエータプレート44のうちの両端部は、いわゆる尾部44Zである。
チャネル列441は、例えば、Y軸方向に延在する複数のチャネルC1を含んでいる。複数のチャネルC1は、例えば、X軸方向において所定の間隔を隔てながら配列されている。各チャネルC1は、例えば、圧電体を含む駆動壁Wdにより画定されている。
チャネル列442は、例えば、上記したチャネル列441と同様の構成を有している。すなわち、チャネル列442は、例えば、Y軸方向に延在する複数のチャネルC2を含んでいる。複数のチャネルC2は、例えば、X軸方向において所定の間隔を隔てながら配列されている。各チャネルC2は、例えば、圧電体を含む駆動壁Wdにより画定されている。
複数のチャネルC1は、例えば、インク9を噴射させる噴射チャネルC1eと、インク9を噴射させないダミーチャネルC1dとを含んでいる。チャネル列441において、噴射チャネルC1eおよびダミーチャネルC1dは、例えば、X軸方向において交互に配置されている。各噴射チャネルC1eは、ノズルプレート42に設けられた各ノズル孔H1に連通されている。これに対して、各ダミーチャネルC1dは、各ノズル孔H1に連通されておらずに、ノズルプレート42により遮蔽されている。
複数のチャネルC2は、例えば、上記した複数のチャネルC1と同様の構成を有している。すなわち、複数のチャネルC2は、例えば、インク9を噴射させる噴射チャネルC2eと、インク9を噴射させないダミーチャネルC2dとを含んでいる。チャネル列442において、噴射チャネルC2eおよびダミーチャネルC2dは、例えば、X軸方向において交互に配置されている。各噴射チャネルC2eは、ノズルプレート42に設けられた各ノズル孔H2に連通されている。これに対して、各ダミーチャネルC2dは、各ノズル孔H2に連通されておらずに、ノズルプレート42により遮蔽されている。
噴射チャネルC1eおよびダミーチャネルC1dと、噴射チャネルC2eおよびダミーチャネルC2dとは、例えば、互い違いとなるように配列されている。すなわち、噴射チャネルC1e,C2eは、例えば、千鳥配列されている。なお、アクチュエータプレート44のうち、ダミーチャネルC1d,C2dのそれぞれに対応する領域には、例えば、浅溝部Ddが設けられている。この浅溝部Ddは、例えば、Y軸方向に延在するダミーチャネルC1d,C2dのそれぞれのうちの外側端部に連通されている。
このアクチュエータプレート44では、例えば、駆動壁Wdに対向する内側面に、Y軸方向に延在する駆動電極Edが設けられている。この駆動電極Edは、例えば、噴射チャネルC1e,C2eのそれぞれの内側面に設けられたコモン電極Edcと、ダミーチャネルC1d,C2dのそれぞれの内側面に設けられたアクティブ電極Edaとを含んでいる。なお、駆動電極Ed(コモン電極Edcおよびアクティブ電極Eda)は、例えば、Z軸方向においてアクチュエータプレート44(駆動壁Wd)の一端部から他端部まで延在している。このため、Z軸方向における駆動電極Edの寸法(高さ)は、例えば、Z軸方向における駆動壁Wdの寸法(高さ)とほぼ等しくなっている。
1個の噴射チャネルC1e(または噴射チャネルC2e)の内部において互いに対向する一対のコモン電極Edcは、例えば、コモン端子を介して互いに電気的に接続されている。1個のダミーチャネルC1d(またはダミーチャネルC2d)の内部において互いに対向する一対のアクティブ電極Edaは、例えば、互いに電気的に分離されている。噴射チャネルC1e(または噴射チャネルC2e)を介して互いに対向する一対のアクティブ電極Edaは、例えば、アクティブ端子を介して互いに電気的に接続されている。
尾部44Zには、例えば、駆動電極Edとインクジェットヘッド4とを互いに電気的に接続させるためのフレキシブルプリント基板47が実装されている。ただし、図7では、フレキシブルプリント基板47の一部の外縁(輪郭)を破線で示している。このフレキシブルプリント基板47に形成されている配線は、例えば、上記したコモン端子およびアクティブ端子のそれぞれに電気的に接続されている。これにより、フレキシブルプリント基板47を介してインクジェットヘッド4から各駆動電極Edに駆動電圧が印加される。
[カバープレート]
カバープレート45は、例えば、図7〜図9に示したように、アクチュエータプレート44(複数のチャネルC)にインク9を導入すると共に、そのアクチュエータプレート44からインク9を排出させるプレートである。
このカバープレート45は、例えば、一対の入口側共通インク室451a,452aと、一対の出口側共通インク室451b,452bとを有している。入口側共通インク室451aおよび出口側共通インク室451bのそれぞれは、例えば、アクチュエータプレート44に設けられたチャネル列441(複数のチャネルC1)に対応する領域に配置されている。入口側共通インク室452aおよび出口側共通インク室452bのそれぞれは、例えば、アクチュエータプレート44に設けられたチャネル列442(複数のチャネルC2)に対応する領域に配置されている。
入口側共通インク室451aは、Y軸方向に延在する各チャネルC1のうちの内側の端部近傍に形成された貫通溝である。入口側共通インク室451aのうち、各噴射チャネルC1eに対応する領域には、例えば、供給スリットSaが形成されている。また、入口側共通インク室452aは、Y軸方向に延在する各チャネルC2のうちの内側の端部近傍に形成された貫通溝である。入口側共通インク室452aのうち、各噴射チャネルC2eに対応する領域には、例えば、上記した入口共通インク室431aと同様に、供給スリットSaが形成されている。
出口側共通インク室451bは、Y軸方向に延在する各チャネルC1のうちの外側の端部近傍に形成された貫通溝である。出口側共通インク室451bのうち、各噴射チャネルC1eに対応する領域には、例えば、排出スリットSbが形成されている。また、出口側共通インク室452bは、Y軸方向に延在する各チャネルC2のうちの外側の端部近傍に形成された貫通溝である。出口側共通インク室452bのうち、各噴射チャネルC2eに対応する領域には、例えば、上記した出口側共通インク室451bと同様に、排出スリットSbが形成されている。
入口側共通インク室451aおよび出口側共通インク室451bのそれぞれは、供給スリットSaおよび排出スリットSbを介して各噴射チャネルC1eに連通されているのに対して、各ダミーチャネルC1dに連通されていない。すなわち、各ダミーチャネルC1dは、入口側共通インク室451aおよび出口側共通インク室451bにより遮蔽されている。
入口側共通インク室452aおよび出口側共通インク室452bのそれぞれは、供給スリットSaおよび排出スリットSbを介して各噴射チャネルC2eに連通されているのに対して、各ダミーチャネルC2dに連通されていない。すなわち、各ダミーチャネルC2dは、入口側共通インク室452aおよび出口側共通インク室452bにより遮蔽されている。
<1−5.動作>
次に、プリンタ1の動作に関して説明する。
[プリンタの動作]
まず、プリンタ1全体の動作を説明する。このプリンタ1では、以下の手順により、記録紙Pに画像などが記録される。
初期状態では、4個のインクタンク3(3Y,3M,3C,3B)に、互いに異なる4色(イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック)のインク9が収容されている。このインク9は、循環機構5において循環されることにより、インクジェットヘッド4に供給されている。
プリンタ1が稼働すると、搬送機構2a,2bのそれぞれのグリッドローラ21が回転するため、グリッドローラ21およびピンチローラ22により記録紙Pが搬送方向Dに搬送される。この場合には、駆動機構63(駆動モータ633)が駆動するため、プーリ631a,631bのそれぞれが回転することにより、ベルト632が作動する。また、キャリッジ62がガイドレール61a,61bを利用してY軸方向に往復移動する。これにより、4個のインクジェットヘッド4(4Y,4M,4C,4B)から記録紙Pに4色のインク9が噴射されるため、その記録紙Pに画像などが記録される。
[インクジェットヘッドの動作]
次に、プリンタ1の稼働時におけるインクジェットヘッド4の動作に関して説明する。このインクジェットヘッド4では、以下の手順により、せん断(シェア)モードを用いて記録紙Pにインク9が噴射される。
最初に、キャリッジ62が往復移動すると、フレキシブルプリント基板47を介して、インクジェットヘッド4のうちの駆動電極Ed(コモン電極Edcおよびアクティブ電極Eda)に駆動電圧が印加される。具体的には、噴射チャネルC1e,C2eを画定する一対の駆動壁Wdに設けられた各駆動電極Edに駆動電圧が印加される。これにより、一対の駆動壁Wdのそれぞれは、噴射チャネルC1e,C2eに隣接されたダミーチャネルC1d,C2dに向かって突出するように変形する。
ここで、上記したように、アクチュエータプレート44では、Z軸方向における分極方向が互いに異なる方向となるように設定された2枚の圧電基板が積層されていると共に、そのZ軸方向において駆動電極Edが駆動壁Wdの一端部から他端部まで延在している。この場合には、駆動電極Edに駆動電圧が印加されることにより、圧電厚み滑り効果によって、Z軸方向における駆動壁Wdの略中間位置を起点として、その駆動壁Wdが屈曲変形する。これにより、噴射チャネルC1e,C2eのそれぞれは、上記した駆動壁Wdの屈曲変形を利用して、あたかも膨らむように変形する。
この圧電厚み滑り効果に基づく一対の駆動壁Wdの屈曲変形を利用して、噴射チャネルC1e,C2eのそれぞれの容積が増大する。これにより、入口側共通インク室451a,452aのそれぞれに貯留されたインク9は、噴射チャネルC1e,C2eのそれぞれの内部に誘導される。
続いて、噴射チャネルC1e,C2eのそれぞれの内部に誘導されたインク9は、圧力波として噴射チャネルC1e,C2eのそれぞれの内部に伝播する。この場合には、ノズルプレート42に設けられたノズル孔H1,H2に圧力波が到達したタイミングにおいて、駆動電極Edに印加される駆動電圧がゼロ(0V)になる。これにより、屈曲変形した駆動壁Wdが元の状態に戻るため、噴射チャネルC1e,C2eのそれぞれの容積が元に戻る。
最後に、噴射チャネルC1e,C2eのそれぞれの容積が元に戻ると、噴射チャネルC1e,C2eのそれぞれの内部において圧力が増加するため、噴射チャネルC1e,C2eのそれぞれの内部に誘導されたインク9が加圧される。これにより、ノズル孔H1,H2から外部(記録紙P)に液滴状のインク9が噴射される。
この場合には、例えば、上記したように、ノズル孔H1,H2のそれぞれの内径が噴射方向に向かって次第に小さくなっているため、インク9の噴射速度が増加すると共に、そのインク9の直進性が向上する。これにより、記録紙Pに記録される画像などの品質が向上する。
<1−6.作用および効果>
最後に、インクジェットヘッド4を備えたプリンタ1の作用および効果に関して説明する。
[主要な作用および効果]
このプリンタ1では、導電性のノズルプレート42が導電性のアクチュエータプレート44から電気的に絶縁されていると共に、導電性の保護フレーム46が導電性のノズルプレート42および導電性のベース41のそれぞれに電気的に接続されている。よって、以下で説明する理由により、プリンタ1の動作信頼性を向上させることができる。
ここでは、比較例のプリンタとして、インクジェットヘッド4が保護フレーム46を備えていないことを除いて本実施形態のプリンタ1と同様の構成を有するプリンタを考える。
保護フレーム46を備えていない比較例のプリンタでは、ノズルプレート42とアクチュエータプレート44とが絶縁層43を介して互いに電気的に絶縁されていると、そのノズルプレート42とアクチュエータプレート44との間に不要な静電容量が発生しやすくなる。不要な静電容量が発生すると、その不要な静電容量がプリンタ1、特にインクジェットヘッド4の電気的な動作に悪影響を与えやすくなるため、そのインクジェットヘッド4が誤作動しやすくなる。
これに対して、保護フレーム46を備えた本実施形態のプリンタ1では、上記したように、その保護フレーム46がノズルプレート42およびベース41のそれぞれに電気的に接続されることにより、ノズルプレート42とベース41とが互いに電気的に接続されている。この場合には、ノズルプレート42とアクチュエータプレート44とが絶縁層43を介して互いに電気的に絶縁されていても、そのノズルプレート42とアクチュエータプレート44との間に不要な静電容量が発生しにくくなる。これにより、不要な静電容量がインクジェットヘッド4の電気的な動作に悪影響を与えにくくなるため、そのインクジェットヘッド4が誤作動しにくくなる。
しかも、保護フレーム46によりノズルプレート42の表面(噴射面42M)が物理的に保護されるため、擦過などに起因してノズルプレート42が破損しにくくなる。これにより、ノズル孔Hが変形(拡大または縮小)および破損(目詰まり)しにくくなるため、そのノズル孔Hから所望の量のインク9が安定に噴射される。
これらのことから、ノズル孔Hを有するノズルプレート42が物理的に保護されながら、そのノズルプレート42とアクチュエータプレート44との間に不要な静電容量が発生しにくくなる。これにより、ノズルプレート42の破損が抑制されながら、不要な静電容量に起因するインクジェットヘッド4の誤作動も抑制される。よって、プリンタ1の動作信頼性を向上させることができる。
[他の作用および効果]
特に、プリンタ1では、保護フレーム46が噴射面42Mに付勢されていれば、振動などが発生しても保護フレーム46がノズルプレート42から離間されにくくなるため、その保護フレーム46とノズルプレート42との電気的接続が維持されやすくなる。よって、より高い効果を得ることができる。
この場合には、保護フレーム46が噴射面42Mに面接触されていれば、その保護フレーム46が噴射面42Mに点接触されている場合と比較して、そのノズルプレート42に対する保護フレーム46の接触面積が増加する。よって、保護フレーム46とノズルプレート42との電気的接続がより維持されやすくなると共に、その保護フレーム46とベース41との電気的導通状態が向上するため、さらに高い効果を得ることができる。
また、複数のチャネルCおよび複数のノズル孔HのそれぞれがX軸方向に配列されており、保護フレーム46がX軸方向の一端側においてノズルプレート42に電気的に接続されていると共に同方向の他端側においてノズルプレート42に電気的に接続されていれば、そのX軸方向において保護フレーム46とノズルプレート42との電気的導通状態が均一になりやすいため、その電気的導通状態がばらつきにくくなる。よって、複数のノズル孔Hから噴射されるインク9の量などがばらつきにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、保護フレーム46が被覆部461および連結部462を含んでいれば、その被覆部461により噴射面42Mが十分に保護されながら、その連結部462により保護フレーム46とベース41との電気的接続が担保される。よって、ノズルプレート42の破損などが十分かつ安定に抑制されながら、インクジェットヘッド4の誤作動が抑制されるため、より高い効果を得ることができる。
この場合には、被覆部461が噴射面42Mに付勢された接続部461Nを含んでいれば、その接続部461Nがノズルプレート42から離間されにくくなる。よって、保護フレーム46とノズルプレート42との電気的接続が維持されやすくなるため、さらに高い効果を得ることができる。しかも、接続部461Nが噴射面42Mに面接触されていれば、そのノズルプレート42に対する接続部461Nの接触面積が増加する。よって、保護フレーム46とノズルプレート42との電気的接続がより維持されやすくなると共に、その保護フレームとベース41との電気的導通状態が向上するため、著しく高い効果を得ることができる。
また、連結部462がベース41に着脱可能であれば、必要に応じてベース41に保護フレーム46が装着されるため、ノズルプレート42の破損の抑制と不要な静電容量の発生に起因するインクジェットヘッド4の誤作動の抑制とが容易に両立される。よって、より高い効果を得ることができる。
また、保護フレーム46が金属材料などを含んでいれば、その保護フレーム46の導電性が担保されるため、より高い効果を得ることができる。
なお、上記したプリンタ1に関する作用および効果は、インクジェットヘッド4に関しても同様に得られる。
<2.変形例>
上記したプリンタ1およびインクジェットヘッド4のそれぞれの構成に関しては、適宜、変更可能である。なお、以下で説明する一連の変形例に関しては、任意の2種類以上が互いに組み合わされてもよい。
[変形例1]
具体的には、図4に示したように、ノズルプレート42が開口部42Kを有している場合には、例えば、図4に対応する図10に示したように、保護フレーム46(被覆部461)が遮蔽部461Gを有していてもよい。この遮蔽部461Gは、例えば、X軸方向に延在していると共に、開口部42Kを遮蔽している。これにより、遮蔽部461Gを有する被覆部461は、例えば、噴射面42Mのうちの周囲領域を被覆すると共に、開口部42Kを被覆する。なお、Y軸方向における遮蔽部461Gの寸法は、特に限定されないが、中でも、開口部42Kを遮蔽可能な範囲内において、できるだけ小さいことが好ましい。Y軸方向における遮蔽部461Gの寸法をできるだけ小さくすることにより、複数のノズル孔Hが遮蔽部461Gにより遮蔽されることを防止するためである。
この場合には、ノズルプレート42に開口部42Kが設けられていても、その開口部42Kが保護フレーム46により遮蔽されるため、その開口部42Kに対するインク9の侵入などが抑制される。よって、不要なインク9の侵入に起因するインクジェットヘッド4の誤作動が抑制されるため、プリンタ1の動作信頼性をより向上させることができる。
[変形例2]
また、図3および図4に示したように、連結部462がベース41に着脱可能としたが、その連結部462をベース41に固定することにより、保護フレーム46をベース41から着脱不能にしてもよい。この場合においても、ノズルプレート42とベース41とが保護フレーム46を介して互いに電気的に接続されることにより、同様の効果を得ることができる。
ただし、保護フレーム46(連結部462)は、ベース41に着脱可能であることが好ましい。保護フレーム46がベース41に着脱可能であると、必要に応じてノズルプレート42から保護フレーム46が取り外し可能であるため、そのノズルプレート42のメンテナンスなどを容易に行うことができるからである。
また、保護フレーム46がベース41に着脱可能であると、以下の利点も得られる。ツメ部462Tが挿入される開口部41Kの寸法に遊び(寸法的余裕)を設けることにより、その開口部41Kの内部においてツメ部462Tが変位可能とする。この場合には、発熱などに起因するノズルプレート42などの熱膨張時において、その熱膨張に追随するように保護フレーム46が変位する。よって、保護フレーム46がノズルプレート42から脱落しにくくなると共に、その保護フレーム46が破損しにくくなる。
[変形例3]
また、図9に示したように、絶縁層43として、複数のスリット43Sが設けられた絶縁性高分子シートを用いたが、その絶縁層43の構成は、特に限定されない。
具体的には、絶縁層43は、例えば、複数のチャネルCを有するアクチュエータプレート44が形成されたのち、そのアクチュエータプレート44の表面(ノズルプレート42に対向する側の面)に形成された絶縁性の蒸着膜でもよい。この蒸着膜からなる絶縁層43は、例えば、ポリパラキシリレン(いわゆるパリレン)などの絶縁性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
絶縁層43が形成される場合には、例えば、駆動壁Wdの表面が絶縁層43により被覆されるだけでなく、その駆動壁Wdの側面(駆動電力Ed)も絶縁層43により被覆されるようにしてもよい。また、絶縁層43が形成される場合には、噴射チャネルC1eに対応する領域に絶縁層43が形成されないだけでなく、ダミーチャネルC1dに対応する領域にも絶縁層43が形成されないようにしてもよい。
この場合においても、複数のスリット43Sを有する絶縁層43が形成される。これにより、ノズルプレート42とアクチュエータプレート44とが絶縁層43を介して電気的に絶縁されると共に、そのノズルプレート42とベース41とが保護フレーム46を介して互いに電気的に接続されるため、同様の効果を得ることができる。
[変形例4]
この他、プリンタ1およびインクジェットヘッド4のそれぞれのタイプなどは、任意に変更可能である。また、プリンタ1およびインクジェットヘッド4のそれぞれの一連の構成要素に関する形状、配置および個数などは、任意に変更可能である。
具体的には、例えば、2列のノズル列420(421,422)を有する2列タイプのインクジェットヘッド4に関して説明したが、これに限られず、1列のノズル列を有する1列タイプのインクジェットヘッド4でもよいし、3列以上のノズル列を有する複数列タイプのインクジェットヘッド4でもよい。
また、例えば、ノズル列421,422のそれぞれがX軸方向に延在する場合に関して説明したが、これに限られず、ノズル列421,422のそれぞれがX軸方向に対して傾いた方向に延在してもよいし、それ以外の方向に延在してもよい。なお、例えば、ノズル孔H1,H2のそれぞれの開口形状が円形である場合に関して説明したが、これに限られず、ノズル孔H1,H2のそれぞれの開口形状は、楕円形などの略円形でもよいし、三角形などの多角形でもよいし、それ以外の形状でもよい。
また、例えば、上記した2列のノズル列420(421,422)に対応して、2列のチャネル列440(441,442)に関して説明したが、これに限られない。チャネル列440の列数は、ノズル列420の列数に応じて、1列でもよいし、3列以上でもよい。
[変形例5]
また、例えば、プリンタ1に各種機構を追加してもよい。具体的には、例えば、図示しないワイピング機構などをプリンタ1に搭載させてもよい。このワイピング機構は、例えば、噴射面42Mに付着された不要なインク9を取り除く機構である。
以上、一実施形態を挙げながら本開示に関して説明したが、本開示の態様は上記した一実施形態において説明された態様に限定されず、種々の変形が可能である。
具体的には、例えば、1個のインクジェットヘッドが1色のインクを噴射せずに、その1個のインクジェットヘッドが互いに異なる複数色(例えば、2色など)のインクを噴射してもよい。
また、例えば、インクジェットヘッドは、サイドシュートタイプのインクジェットヘッドに限られず、エッジシュートタイプのインクジェットプリンタでもよい。このエッジシュートタイプのインクジェットヘッドでは、アクチュエータプレートに設けられた各チャネルがY軸方向に延在しており、ノズルプレートに設けられた各ノズル孔からY軸方向にインクが噴射される。
また、例えば、インクジェットヘッドは、循環機構を用いたインク循環方式のインクジェットヘッドに限られず、その循環機構を用いないインク非循環方式のインクジェットヘッドでもよい。
また、例えば、本開示の液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置のそれぞれが適用される用途は、インクジェットプリンタに限定されず、他の用途でよい。他の用途は、例えば、ファクシミリおよびオンデマンド印刷機などの他の装置でもよい。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
また、本開示は、以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
液体が収容される複数のチャネルを有する導電性のアクチュエータプレートと、
前記アクチュエータプレートから電気的に絶縁されると共に、前記複数のチャネルに収容された前記液体が噴射される複数のノズル孔を有する導電性のノズルプレートと、
前記アクチュエータプレートおよび前記ノズルプレートのそれぞれを支持する導電性のベースと、
前記液体が噴射される側において前記複数のノズル孔が設けられていない領域における前記ノズルプレートの表面のうちの少なくとも一部を被覆すると共に、前記ノズルプレートおよび前記ベースのそれぞれに電気的に接続された導電性の保護部材と
を備えた、液体噴射ヘッド。
(2)
前記保護部材は、前記ノズルプレートの表面に付勢されることにより、前記ノズルプレートに電気的に接続されている、
上記した(1)に記載の液体噴射ヘッド。
(3)
前記保護部材は、前記ノズルプレートの表面に面接触されている、
上記した(2)に記載の液体噴射ヘッド。
(4)
前記アクチュエータプレート、前記ノズルプレートおよび前記保護部材のそれぞれは、所定の延在方向に延在し、
前記複数のチャネルおよび前記複数のノズル孔のそれぞれは、前記延在方向に配列されており、
前記保護部材は、前記延在方向における一端側において前記ノズルプレートに電気的に接続されていると共に、前記延在方向における他端側において前記ノズルプレートに電気的に接続されている、
上記した(1)ないし(3)のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
(5)
前記複数のノズル孔は、前記ノズルプレートの表面のうちの中央領域に設けられており、
前記保護部材は、
前記中央領域の周囲の周囲領域において前記ノズルプレートの表面を被覆すると共に、前記ノズルプレートに電気的に接続された被覆部と、
前記被覆部および前記ベースのそれぞれに連結されると共に、前記ベースに電気的に接続された連結部と
を含む、上記した(1)ないし(4)のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
(6)
前記被覆部は、前記ノズルプレートの表面に付勢されると共に前記ノズルプレートに電気的に接続された接続部を含む、
上記した(5)に記載の液体噴射ヘッド。
(7)
前記接続部は、前記ノズルプレートの表面に面接触されている、
上記した(6)に記載の液体噴射ヘッド。
(8)
前記連結部は、前記ベースに着脱可能である、
上記した(5)ないし(7)のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
(9)
前記ノズルプレートは、前記中央領域に開口部を有し、
前記被覆部は、前記周囲領域における前記ノズルプレートの表面と共に前記開口部を被覆する、
上記した(5)ないし(8)のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
(10)
前記保護部材は、金属材料および導電性高分子材料のうちの少なくとも一方を含む、
上記した(1)ないし(9)のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
(11)
上記した(1)ないし(10)のいずれかに記載されると共に、被記録媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
その液体を貯蔵する液体貯蔵部と
を備えた、液体噴射記録装置。
1…プリンタ、4…インクジェットヘッド、9…インク、41…ベース、42…ノズルプレート、42K…開口部、42M…噴射面、43…絶縁層、44…アクチュエータプレート、45…カバープレート、46…保護フレーム、461…被覆部、461G…遮蔽部、461N…接続部、462…連結部、C…チャネル、H…ノズル孔、P…記録紙。

Claims (11)

  1. 液体が収容される複数のチャネルを有する導電性のアクチュエータプレートと、
    前記アクチュエータプレートから電気的に絶縁されると共に、前記複数のチャネルに収容された前記液体が噴射される複数のノズル孔を有する導電性のノズルプレートと、
    前記アクチュエータプレートおよび前記ノズルプレートのそれぞれを支持する導電性のベースと、
    前記液体が噴射される側において前記複数のノズル孔が設けられていない領域における前記ノズルプレートの表面のうちの少なくとも一部を被覆すると共に、前記ノズルプレートおよび前記ベースのそれぞれに電気的に接続された導電性の保護部材と
    を備えた、液体噴射ヘッド。
  2. 前記保護部材は、前記ノズルプレートの表面に付勢されることにより、前記ノズルプレートに電気的に接続されている、
    請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記保護部材は、前記ノズルプレートの表面に面接触されている、
    請求項2記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記アクチュエータプレート、前記ノズルプレートおよび前記保護部材のそれぞれは、所定の延在方向に延在し、
    前記複数のチャネルおよび前記複数のノズル孔のそれぞれは、前記延在方向に配列されており、
    前記保護部材は、前記延在方向における一端側において前記ノズルプレートに電気的に接続されていると共に、前記延在方向における他端側において前記ノズルプレートに電気的に接続されている、
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記複数のノズル孔は、前記ノズルプレートの表面のうちの中央領域に設けられており、
    前記保護部材は、
    前記中央領域の周囲の周囲領域において前記ノズルプレートの表面を被覆すると共に、前記ノズルプレートに電気的に接続された被覆部と、
    前記被覆部および前記ベースのそれぞれに連結されると共に、前記ベースに電気的に接続された連結部と
    を含む、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記被覆部は、前記ノズルプレートの表面に付勢されると共に前記ノズルプレートに電気的に接続された接続部を含む、
    請求項5記載の液体噴射ヘッド。
  7. 前記接続部は、前記ノズルプレートの表面に面接触されている、
    請求項6記載の液体噴射ヘッド。
  8. 前記連結部は、前記ベースに着脱可能である、
    請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  9. 前記ノズルプレートは、前記中央領域に開口部を有し、
    前記被覆部は、前記周囲領域における前記ノズルプレートの表面と共に前記開口部を被覆する、
    請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  10. 前記保護部材は、金属材料および導電性高分子材料のうちの少なくとも一方を含む、
    請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載されると共に、被記録媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記液体を貯蔵する液体貯蔵部と
    を備えた、液体噴射記録装置。
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