JP2019086491A - 導通検査用治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】端子台に干渉物が設けられているか否かにかかわらず、端子台に対する導通検査を容易に行うことができる導通検査用治具を得る。【解決手段】導通検査用治具3は、一列に並んでいる複数の短絡用電極に個別に電気的に接続可能な複数のプローブ4を有している。各プローブ4のプローブピン42は、前進位置と後退位置との間でケース41の内部を変位可能になっている。プローブピン42が前進位置にあるときには、プローブピン42の一部がケース41の第1の開口部411から突出部として突出している。突出部の長さは、プローブピン42が前進位置から後退位置に向かって変位されることによって短くなる。【選択図】図6
Description
この発明は、端子台に接続された複数の電線間の導通検査を行うための導通検査用治具に関するものである。
制御盤、配電盤等の電気機器では、複数の電極端子を一列に並べて構成した端子台を筐体の内部に設置し、複数の電極端子に複数の電線を選択的に接続することにより電線の分岐、中継等を行っている。このような電気機器では、複数の電線を端子台に接続した後、電線の分岐、中継等が正しく行われているかどうかを導通検査によって確認する必要がある。
従来、電極端子に電線をねじによって接続するねじ式端子台が知られている。また、従来、ねじの紛失を防止するために、電極端子からねじを取り外しても、ねじを持ち上げた状態を保持する保持機構を備えたねじアップ式端子台も知られている。
従来、ねじアップ式端子台の導通検査を行うために、保持機構によって持ち上げられたねじと電極端子との間に導電性接触子を挿入し、導電性接触子の弾性変形によって電極端子に導線性接触子を接触させるようにした端子台の導通検査用治具が提案されている。このような従来の導通検査用治具を用いると、一列に並んだ複数の電極端子のそれぞれに対して、複数の導電性接触子をワンタッチで同時に接触させることができ、ねじアップ式端子台に対する導通検査を容易に行うことができる(例えば特許文献1参照)。
端子台に対する導通検査は、例えば、互いに隣り合う2つの電極端子同士をジャンパピンによって短絡した状態で行ったり、電極端子に電線をねじで接続した状態で行ったりすることがある。この場合、特許文献1に示された従来の導通検査用治具を用いると、ジャンパピン、ねじ等が導電性接触子の干渉物となってしまい、電極端子に導電性接触子を確実に接触させることができなくなってしまう。従って、干渉物と導電性接触子との干渉を回避する場合には、干渉物の位置に合わせて導電性接触子を取り除く必要がある。また、導通検査を行うたびごとに干渉物の位置及び数が変わる場合には、導電性接触子の組み替えを頻繁に行う必要があり、導通検査を行うときの手間が増加してしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、端子台に干渉物が設けられているか否かにかかわらず、端子台に対する導通検査を容易に行うことができる導通検査用治具を得ることを目的とする。
この発明による導通検査用治具は、複数の検査電極が一列に並んでいる端子台の各検査電極に個別に電気的に接続可能な複数のプローブを備え、各プローブは、ケースと、前進位置と後退位置との間でケースの内部を変位可能なプローブピンとを有し、プローブピンは、検査電極に電気的に接続可能になっており、ケースには、第1の開口部が設けられており、プローブピンが前進位置にあるときには、プローブピンの一部が第1の開口部から突出部として突出しており、突出部の長さは、プローブピンが前進位置から後退位置に向かって変位されることによって短くなる。
この発明による導通検査用治具によれば、第1の開口部から突出するプローブピンの突出部の長さは、プローブピンが前進位置から後退位置に向かって変位されることによって短くなる。このため、一列に並んだ複数の検査電極の一部に干渉物が存在している場合でも、干渉物が存在する位置でプローブピンを後退させることができる。これにより、干渉物が存在しない位置では、プローブピンを検査電極に電気的に接続させることができる。このようなことから、端子台に干渉物が設けられているか否かにかかわらず、端子台に対する導通検査を容易に行うことができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による導通検査用治具が端子台に取り付けられている状態を示す斜視図である。制御盤、配電盤等の電気機器では、導通検査の対象である端子台1がボックスに取り付けられている。端子台1は、一列に並んだ複数の端子台部品2を有している。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による導通検査用治具が端子台に取り付けられている状態を示す斜視図である。制御盤、配電盤等の電気機器では、導通検査の対象である端子台1がボックスに取り付けられている。端子台1は、一列に並んだ複数の端子台部品2を有している。
端子台1の導通検査をするときには、導通検査用治具3が端子台1に配置される。導通検査用治具3は、複数のプローブ4を有している。複数のプローブ4は、複数の端子台部品2の位置に合わせて一列に並んでいる。この例では、複数のプローブ4が一列に連続して連結されている。
図2は、図1の端子台1を示す斜視図である。また、図3は、図1の端子台1及び導通検査用治具3を示す断面図である。各端子台部品2は、図3に示すように、絶縁体である支持部材21と、支持部材21に設けられた金属製の導電性部材22と、導電性部材22に組み合わされている弾性体である複数の接続用ばね23とを有している。
支持部材21には、複数の電線挿入穴211と、各電線挿入穴211に個別に対応する複数の解除具挿入穴212と、短絡具挿入溝213とが設けられている。各解除具挿入穴212は、対応する電線挿入穴211に隣接している。この例では、4つの電線挿入穴211と、4つの解除具挿入穴212と、1つの短絡具挿入溝213とが支持部材21に設けられている。また、この例では、短絡具挿入溝213の両側に電線挿入穴211及び解除具挿入穴212が2つずつ設けられている。互いに隣接する電線挿入穴211及び解除具挿入穴212は、支持部材21の内部で互いに連通している。端子台1では、図2に示すように、複数の端子台部品2が並ぶ方向へ複数の短絡具挿入溝213が連続している。
導電性部材22は、図3に示すように、複数の電線挿入穴211に個別に配置された複数の結線用電極221と、短絡具挿入溝213に配置された短絡用電極222とを有している。各結線用電極221及び短絡用電極222は、互いに電気的に接続されている。端子台1では、複数の端子台部品2が並ぶ方向へ複数の結線用電極221が一列に並んでいる。また、端子台1では、複数の端子台部品2が並ぶ方向へ複数の短絡用電極222が一列に並んでいる。
各接続用ばね23は、解除具挿入穴212に個別に配置されている。また、互いに連通する電線挿入穴211及び解除具挿入穴212では、接続用ばね23の弾性復元力によって接続用ばね23が結線用電極221に押し付けられている。電線挿入穴211に挿入された電線は、接続用ばね23と結線用電極221との間に挟まることにより結線用電極221に電気的に接続される。また、ドライバ等の解除具が解除具挿入穴212に挿入されて解除具によって接続用ばね23が弾性的に変形すると、接続用ばね23と結線用電極221との間から電線が外れる。これにより、結線用電極221に対する電線の電気的な接続が解除される。
各端子台部品2の短絡用電極222には、短絡部材であるジャンパピン24が接続可能になっている。ジャンパピン24は、図2に示すように、一対の接続端部24aを持つU字状の導体である。また、各端子台部品2では、2つのジャンパピン24を並べて配置可能な第1列及び第2列のスペースが短絡具挿入溝213に確保されている。これにより、短絡用電極222には、短絡具挿入溝213の第1列に配置されたジャンパピン24の接続端部24aと、短絡具挿入溝213の第2列に配置されたジャンパピン24の接続端部24aとが同時に接続可能になっている。
互いに隣り合う2つの端子台部品2のそれぞれの短絡用電極222は、ジャンパピン24を介して互いに短絡可能になっている。2つの短絡用電極222が互いに短絡されている状態では、ジャンパピン24の一方の接続端部24aが一方の短絡用電極222に接続され、ジャンパピン24の他方の接続端部24aが他方の短絡用電極222に接続されている。
この例では、連続する4つの端子台部品2の短絡具挿入溝213に3つのジャンパピン24が挿入されている。また、3つのジャンパピン24は、複数の端子台部品2が並ぶ方向について位置をずらしながら、短絡具挿入溝213の第1列と第2列とに交互に挿入されている。この例では、3つのジャンパピン24のうち、1つのジャンパピン24が短絡具挿入溝213の第1列に挿入され、2つのジャンパピン24が短絡具挿入溝213の第2列に挿入されている。これにより、この例では、連続する4つの端子台部品2のそれぞれの短絡用電極222が3つのジャンパピン24によって互いに電気的に短絡されている。
図4は、図1のプローブ4を示す正面図である。また、図5は、図4のプローブ4を示す側面図である。さらに、図6は、図4のプローブ4を示す断面図である。各プローブ4は、筒状のケース41と、プローブピン42と、可動ブロック43と、保持機構部44と、付勢ばね45と、復帰部材46とを有している。
ケース41の一端部には、第1の開口部411が設けられている。ケース41の他端部には、第2の開口部412が設けられている。ケース41の側面には、ケース41の長手方向に沿った長穴である信号取出用穴413が設けられている。ケース41は、電気絶縁性を持つ材料で構成されている。
プローブピン42は、本体部421と、本体部421を貫通する導電ピン422とを有している。本体部421は、ケース41の内部に配置されたピンブロック421aと、ピンブロック421aから延びる棒状部421bとを有している。
ピンブロック421aは、ケース41の内面に案内されながらケース41の長手方向へ変位される。棒状部421bは、第1の開口部411に通されている。棒状部421bの幅は、ピンブロック421aの幅よりも小さくなっている。また、棒状部421bの幅は、短絡具挿入溝213の第1列及び第2列のそれぞれの幅よりも小さくなっている。これにより、短絡具挿入溝213の第1列及び第2列の一方にジャンパピン24が配置されている場合でも、第1列及び第2列の他方にプローブピン42が挿入可能になっている。
導電ピン422の一端部は、ピン先端部422aとして棒状部421bの端部から露出している。導電ピン422の他端部は、ピンブロック421aの側面から信号取出部422bとして出ている。信号取出部422bは、ピンブロック421aの側面から信号取出用穴413を通ってケース41の外部に達している。
プローブピン42は、ケース41の長手方向について互いに離れた前進位置と後退位置との間でケース41に対して変位可能になっている。また、プローブピン42は、棒状部421bを第1の開口部411に通した状態でケース41に対して変位される。これにより、プローブピン42が前進位置にあるときには、プローブピン42の一部が第1の開口部411からケース41の外部へ突出部として突出している。導電ピン422のピン先端部422aは、プローブピン42の突出部の端部になっている。
プローブピン42は、前進位置から後退位置に向かって変位されることにより第2の開口部412に近づく。従って、ケース41の外部に突出するプローブピン42の突出部の長さは、プローブピン42が前進位置から後退位置に向かって変位されることによって短くなる。信号取出部422bは、前進位置と後退位置との間でのプローブピン42の変位に応じて信号取出用穴413に沿って変位される。図4〜図6では、プローブピン42が前進位置にあるときのプローブ4が示されている。
図7は、図6のピン先端部422aが短絡用電極222の表面222aに接触している状態を示す拡大図である。この例では、ピン先端部422aの形状が半球状になっている。短絡用電極222の表面222aは、平面になっている。これにより、この例では、ピン先端部422aが短絡用電極222の表面222aに点接触状態で接触する。
可動ブロック43は、図6に示すように、ケース41の内部に変位可能に設けられた可動部である。また、可動ブロック43は、ケース41の長手方向へケース41に対して変位可能になっている。さらに、可動ブロック43は、プローブピン42と第2の開口部412との間に配置されている。
保持機構部44は、ケース41の内部の保持位置に可動ブロック43を保持する。ケース41の内面には、ケース側凹部414が設けられている。この例では、ケース側凹部414の断面形状がV字状になっている。可動ブロック43の側面には、可動部側凹部431が設けられている。可動ブロック43が保持位置にあるときには、可動部側凹部431がケース側凹部414に対向している。
保持機構部44は、可動部側凹部431に挿入可能なボール441と、ケース側凹部414にボール441を押圧する押圧体である押圧ばね442とを有している。押圧ばね442は、可動部側凹部431の底面とボール441との間で縮められている。ボール441は、押圧ばね442の弾性復元力によってケース側凹部414に押圧されている。保持機構部44は、ボール441がケース側凹部414に嵌った状態を押圧ばね442の押圧力によって保つことにより、可動ブロック43を保持位置に保持する。
付勢ばね45は、可動ブロック43とプローブピン42との間に設けられている。また、付勢ばね45は、可動ブロック43とプローブピン42との間で縮められている。これにより、付勢ばね45は、可動ブロック43とプローブピン42とが互いに離れる方向へ弾性復元力を発生している。
付勢ばね45の弾性復元力の大きさは、プローブピン42と可動ブロック43との間の距離が小さくなるほど大きくなる。これにより、可動ブロック43が付勢ばね45から受ける力の大きさは、プローブピン42が可動ブロック43に近づくほど大きくなる。保持機構部44は、プローブピン42が可動ブロック43に近づきながら後退位置に向かって変位されるとき、付勢ばね45から可動ブロック43が受ける力の大きさが設定値を超えると、保持位置での可動ブロック43の保持を解除する。即ち、保持位置での可動ブロック43の保持は、ボール441が押圧ばね442の押圧力に逆らってケース側凹部414から外れることにより解除される。可動ブロック43は、保持位置での保持が解除されると、付勢ばね45の付勢力によって第2の開口部412に向けて変位される。
復帰部材46は、可動ブロック43に設けられている。これにより、復帰部材46は、ケース41の内部で可動ブロック43と一体に変位される。また、復帰部材46は、可動ブロック43から第2の開口部412に向けて延びる軸部461と、軸部461の端部に設けられた板状の押さえ部462とを有している。
軸部461は、第2の開口部412に通されている。押さえ部462は、ケース41の外部に位置している。復帰部材46の一部は、第2の開口部412に近づく方向への可動ブロック43の変位によって、第2の開口部412から操作部として突出する。操作部の長さは、可動ブロック43が第2の開口部412に近づくほど長くなる。
導通検査用治具3では、各プローブピン42の突出部が第1の開口部411から突出する方向がすべて同じになっている。プローブピン42のピン先端部422aは、短絡具挿入溝213に挿入されることにより短絡用電極222に接触可能になっている。ピン先端部422aは、短絡用電極222に接触することにより短絡用電極222と電気的に接続される。これにより、複数のプローブ4は、各短絡用電極222に個別に電気的に接続可能になっている。この例では、導通検査時にプローブ4を電気的に接続させる検査電極として短絡用電極222が用いられている。
各プローブ4のそれぞれの信号取出部422bには、図示しない共通の導通検査装置が電気的に接続されている。導通検査装置は、例えば結線用電極221に接触可能なリード棒を有している。また、導通検査装置は、各信号取出部422bのそれぞれとリード棒との間での導通の有無を検査する。導通検査は、導通検査装置のリード棒を結線用電極221に接触させることにより行われる。
次に、端子台1に対する導通検査を行うときの手順について説明する。この例では、図2に示すように、3つのジャンパピン24が取り付けられた端子台1に対して導通検査を行う場合について説明する。端子台1に対する導通検査を行うときには、まず導通検査用治具3を端子台1に配置する。
導通検査用治具3を端子台1に配置するときには、図1に示すように、各プローブ4の位置を各端子台部品2の位置に合わせて、各プローブピン42が各端子台部品2の短絡具挿入溝213に挿入される方向へ導通検査用治具3を押す。このとき、ジャンパピン24が存在する位置では、プローブピン42がジャンパピン24に干渉する。即ち、ジャンパピン24がプローブピン42の干渉物となり、短絡具挿入溝213へのプローブピン42の挿入がジャンパピン24によって阻止される。
この後、プローブ4が短絡具挿入溝213に挿入される方向へ導通検査用治具3をさらに押すと、ジャンパピン24によってプローブ4がケース41の内部に押し込まれながら、ケース41が端子台1に近づく。これにより、プローブピン42が可動ブロック43に近づきながら後退位置に向かって変位される。プローブピン42が可動ブロック43に近づくと、付勢ばね45が縮む。付勢ばね45が縮むと、付勢ばね45の弾性復元力の大きさが大きくなる。
この後、付勢ばね45の弾性復元力の大きさが設定値を超えると、保持機構部44による可動ブロック43の保持が解除される。これにより、可動ブロック43が付勢ばね45の弾性復元力によって第2の開口部412に向かって変位される。このとき、復帰部材46が可動ブロック43と一体に変位される。これにより、復帰部材46の一部が第2の開口部412から操作部として大きく突出する。
可動ブロック43の保持が解除された後も、プローブ4が短絡具挿入溝213に挿入される方向へ導通検査用治具3をさらに変位させると、ジャンパピン24が存在する位置では、図8に示すように、プローブピン42がジャンパピン24に押されて後退位置に達する。ジャンパピン24が存在する位置では、プローブピン42と短絡用電極222との間に干渉物としてのジャンパピン24が介在することから、短絡用電極222にプローブピン42が接触することはない。
一方、ジャンパピン24が存在しない位置では、干渉物がないので、プローブピン42がケース41から突出したまま短絡具挿入溝213に挿入される。このとき、第2の開口部412から突出する復帰部材46の部分の長さは変化しない。プローブピン42が短絡具挿入溝213に挿入されると、図9に示すように、検査電極としての短絡用電極222の表面222aにピン先端部422aが接触する。これにより、プローブ4が短絡用電極222に電気的に接続される。
即ち、各プローブ4が各短絡具挿入溝213に挿入される方向へ導通検査用治具3を押すと、干渉物であるジャンパピン24が存在する位置でプローブピン42がケース41の内部に押し込まれる。これにより、ジャンパピン24が存在しない位置では、短絡具挿入溝213へのプローブピン42の挿入が可能になる。
この例では、図2の右から2番目及び3番目のそれぞれの端子台部品2の短絡具挿入溝213の第1列にジャンパピン24が配置されている。従って、この例では、図1の右から2番目及び3番目のそれぞれのプローブピン42がケース41の内部に押し込まれ、他のプローブピン42がそのまま短絡具挿入溝213に挿入される。
ピン先端部422aを短絡用電極222の表面222aに接触させた後、端子台1にケース41をさらに近づける。これにより、プローブ4が短絡用電極222に付勢ばね45の弾性復元力で押圧される。このようにして、短絡用電極222に対するピン先端部422aの接触状態を安定させる。
この後、各プローブ4のそれぞれの信号取出部422bからの信号を導通検査装置で読み取ることにより、複数の端子台部品2の結線用電極221に接続された電線の間の導通の有無を検査する。
ここで、図2に示す端子台1では、図2の右から1番目から4番目までの各端子台部品2の短絡用電極222同士が3つのジャンパピン24によって短絡されている。また、図2の右から2番目及び3番目の各端子台部品2では、プローブピン42がジャンパピン24と干渉することにより、導通検査用治具3が短絡用電極222に電気的に接続されていない。従って、例えば、図2の右から2番目及び3番目の端子台部品2に接続された電線の導通検査を行うときには、図2の右から1番目又は4番目の端子台部品2の短絡用電極222に電気的に接続されたプローブ4から取り出された信号を使用する。
導通検査の後、保持位置での可動ブロック43の保持が解除されたプローブ4については、ケース41から大きく突出した復帰部材46をケース41の内部に押し込むことにより、プローブ4の状態を復帰させる。即ち、復帰部材46をケース41の内部に押し込んで可動ブロック43をケース41の内部の保持位置に変位させる。可動ブロック43がケース41の内部の保持位置に達すると、押圧ばね442の弾性復元力でボール441がケース側凹部414に嵌る。これにより、可動ブロック43が保持位置に自動的に保持され、プローブ4の状態が復帰する。
このような導通検査用治具3では、プローブピン42が前進位置と後退位置との間でケース41の内部を変位可能になっている。また、プローブピン42が前進位置にあるときには、プローブピン42の一部が突出部として第1の開口部411から突出している。さらに、プローブピン42の突出部の長さは、プローブピン42が前進位置から後退位置に向かって変位されることによって短くなる。このため、干渉物が一部の短絡用電極222に接続されていても、干渉物が存在する位置では、干渉物によってプローブピン42をケース41の内部へ後退させることができる。これにより、ジャンパピン24が存在しない位置における他のプローブ4を短絡用電極222に電気的に接続させることができる。このようなことから、端子台1に干渉物が設けられているか否かにかかわらず、導通検査用治具3を端子台1にワンタッチで配置することができ、端子台1に対する導通検査を容易に行うことができる。
また、保持機構部44は、ケース41の内部の保持位置に可動ブロック43を保持する。さらに、保持機構部44は、付勢ばね45から可動ブロック43が受ける力の大きさが設定値を超えると可動ブロック43の保持を解除する。このため、プローブピン42が干渉物に押し付けられるときの力が過大になることを防止することができる。これにより、プローブピン42及び干渉物が破損することを抑制することができる。
また、保持機構部44では、ボール441が押圧ばね442の押圧力によってケース側凹部414に押圧されている。これにより、可動ブロック43を簡単な構成で保持位置に保持することができる。
また、復帰部材46の一部は、第2の開口部412に近づく方向への可動ブロック43の変位によって、第2の開口部412から操作部として突出する。このため、保持機構部44による可動ブロック43の保持が解除されたときに、第2の開口部412からケース41の外部へ復帰部材46を突出させることができる。これにより、第2の開口部412から突出した復帰部材46の操作部をケース41の内部に押し込むだけで、可動ブロック43をケース41の内部の保持位置に変位させることができ、プローブ4の状態を容易に復帰させることができる。また、干渉物が存在する位置で復帰部材46が第2の開口部412から突出することから、干渉物が存在する位置を容易に確認することができる。このため、端子台1に対する導通検査をさらに容易に行うことができる。
なお、上記の例では、ピン先端部422aの形状が半球状になっている。しかし、ピン先端部422aの形状は、これに限定されない。例えば、図10に示すように、ピン先端部422aの形状を円錐状にしてもよい。このようにすれば、例えば、短絡用電極222に設けられた穴にピン先端部422aを嵌めやすくすることができ、短絡用電極222に対するピン先端部422aの接触状態を安定させることができる。また、図11に示すように、ピン先端部422aの形状を平面状にしてもよい。このようにすれば、短絡用電極222の表面222aに対するピン先端部422aの接触面積を大きくすることができ、短絡用電極222に対するピン先端部422aの電気的な接続をより確実にすることができる。即ち、プローブピン42の突出部の端部であるピン先端部422aの形状は、ピン先端部422aに対向する短絡用電極222の形状に合わせた形状にされていてもよい。このようにすれば、短絡用電極222に対するピン先端部422aの電気的な接続を安定させることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、ケース41の内部の保持位置に可動ブロック43が保持機構部44によって保持されているが、可動ブロック43及び保持機構部44はなくてもよい。
実施の形態1では、ケース41の内部の保持位置に可動ブロック43が保持機構部44によって保持されているが、可動ブロック43及び保持機構部44はなくてもよい。
即ち、図12は、この発明の実施の形態2による導通検査用治具のプローブ4を示す断面図である。付勢ばね45は、ケース41の内面とプローブピン42との間に設けられている。また、付勢ばね45は、プローブピン42を第2の開口部412から遠ざける方向へ弾性復元力を発生している。これにより、付勢ばね45は、前進位置に向けてプローブピン42を付勢している。
復帰部材46は、プローブピン42のピンブロック421aに固定されている。これにより、復帰部材46は、ケース41の内部でプローブピン42と一体に変位される。また、復帰部材46は、プローブピン42に固定された軸部461と、軸部461の端部に設けられた板状の押さえ部462とを有している。軸部461は、付勢ばね45の内側及び第2の開口部412を通っている。押さえ部462は、ケース41の外部に位置している。復帰部材46の一部は、プローブピン42の後退位置への変位によって、第2の開口部412からケース41の外部へ操作部として突出する。他の構成は実施の形態1と同様である。
次に、端子台1に対する導通検査を行うときの手順について説明する。まず実施の形態1と同様にして、各プローブ4の位置を各端子台部品2の位置に合わせて、各プローブピン42が各端子台部品2の短絡具挿入溝213に挿入される方向へ導通検査用治具3を押す。
プローブ4が短絡具挿入溝213に挿入される方向へ導通検査用治具3を押すと、ジャンパピン24が干渉物として存在する位置では、プローブ4がジャンパピン24に干渉した後、プローブピン42がケース41の内部に押し込まれながらケース41が端子台1に近づく。これにより、プローブピン42は、付勢ばね45の弾性復元力に逆らって、第2の開口部412に近づきながら後退位置に向かって変位される。このとき、復帰部材46の一部が第2の開口部412から操作部として突出する。
この後、プローブ4が短絡具挿入溝213に挿入される方向へ導通検査用治具3をさらに変位させると、ジャンパピン24が存在する位置では、プローブピン42がケース41の内部に押し込まれて後退位置に達する。一方、ジャンパピン24が存在しない位置では、短絡用電極222の表面222aにピン先端部422aが接触し、プローブ4が短絡用電極222に電気的に接続される。このようにして、導通検査用治具3が端子台1に配置される。この後、実施の形態1と同様にして導通検査装置による導通検査を行う。
導通検査の後、導通検査用治具3を端子台1から外すと、プローブピン42がケース41の内部に押し込まれていたプローブ4が付勢ばね45の弾性復元力によって前進位置へ自動的に変位される。これにより、プローブ4の状態が自動的に復帰する。
このような導通検査用治具3では、プローブピン42を前進位置に向けて付勢する付勢ばね45がケース41の内面とプローブピン42との間に配置されている。このため、可動ブロック43及び保持機構部44が不要になり、プローブ4の構成を簡単にすることができる。これにより、導通検査用治具3の小型化及び低コスト化を図ることができる。また、ケース41の内部にプローブピン42が干渉物で押し込まれた状態を解除すると、付勢ばね45の付勢力によってプローブピン42を自動的に前進位置へ変位させることができる。これにより、プローブ4の状態を容易に復帰させることができる。
また、復帰部材46は、プローブピン42と一体に変位される。このため、復帰部材46に加わった力をプローブピン42に直接伝達することができる。これにより、例えば、経年劣化によってプローブピン42がケース41の内部で変位しづらくなった状態でも、第2の開口部412から突出した復帰部材46の操作部をケース41の内部に押し込むことにより、前進位置へプローブピン42をより確実に変位させることができる。即ち、プローブ4の状態をより確実に復帰させることができる。
実施の形態3.
実施の形態2では、復帰部材46がプローブピン42に固定されている。しかし、実施の形態2の復帰部材46はなくてもよい。
実施の形態2では、復帰部材46がプローブピン42に固定されている。しかし、実施の形態2の復帰部材46はなくてもよい。
即ち、図13は、この発明の実施の形態3による導通検査用治具のプローブ4を示す断面図である。実施の形態3では、復帰部材46がプローブピン42に設けられていない。また、ケース41には、第2の開口部412が設けられていない。これにより、ケース41における第1の開口部411とは反対側の端部は、塞がっている。他の構成及び手順は実施の形態2と同様である。
このようにすれば、復帰部材46をなくすことができる。このため、プローブ4の構成をさらに簡単にすることができる。これにより、導通検査用治具3の小型化及び低コスト化をさらに図ることができる。
実施の形態4.
実施の形態2では、付勢ばね45がケース41の内面とプローブピン42との間に設けられている。しかし、実施の形態2の付勢ばね45はなくてもよい。
実施の形態2では、付勢ばね45がケース41の内面とプローブピン42との間に設けられている。しかし、実施の形態2の付勢ばね45はなくてもよい。
即ち、図14は、この発明の実施の形態4による導通検査用治具のプローブ4を示す断面図である。また、図15は、図14のプローブピン42のピン先端部422aを示す拡大図である。実施の形態4では、付勢ばね45がプローブ4に含まれていない。これにより、プローブピン42は、自重によって前進位置へ変位される。
導通検査用治具3は、図示しない保持具で保持された状態で端子台1に配置される。また、導通検査用治具3は、図15に示すように、短絡用電極222の表面222aに対して一定の隙間だけ離してプローブピン42のピン先端部422aを対向させた状態で端子台1に配置される。ピン先端部422aは、短絡用電極222の表面222aに接触しない程度に可能な限り近づける。これにより、短絡用電極222の表面222aとプローブピン42のピン先端部422aとがコンデンサカップリングする。即ち、短絡用電極222の表面222aとプローブピン42のピン先端部422aとの間では、交流信号によって電気的な接続が可能になる。プローブピン42は、短絡用電極222の表面222aとピン先端部422aとのコンデンサカップリングによって短絡用電極222に電気的に接続される。従って、導通検査装置による端子台1の導通検査は、交流信号を用いて行う。
ジャンパピン24等の干渉物が存在する位置では、ケース41が端子台1に向かって変位されることにより、プローブピン42の自重に逆らってプローブピン42が干渉物に押されながら前進位置から後退位置に向かって変位される。これにより、プローブピン42が干渉物によってケース41の内部に押し込まれる。
プローブピン42のピン先端部422aの形状は、ピン先端部422aに対向する短絡用電極222の形状に合わせた形状である。この例では、短絡用電極222の表面222aの形状が平面状である。また、この例では、プローブピン42のピン先端部422aの形状が平面状である。他の構成は実施の形態2と同様である。
このような導通検査用治具3では、ピン先端部422aが短絡用電極222の表面222aに対して一定の隙間だけ離れて対向する。このため、短絡用電極222にプローブピン42のピン先端部422aを交流信号によって電気的に接続することができる。これにより、短絡用電極222にピン先端部422aを押し付ける必要がなくなる。従って、各プローブ4から付勢ばね45をなくすことができ、導通検査用治具3の部品点数の低減化を図ることができる。
また、プローブピン42のピン先端部422aの形状は、短絡用電極222の形状に合わせた平面状になっている。このため、短絡用電極222に対向するピン先端部422aの面積を大きくすることができ、短絡用電極222に対するピン先端部422aの電気的な接続を安定させることができる。
実施の形態5.
実施の形態4では、復帰部材46がプローブピン42に固定されている。しかし、実施の形態5の復帰部材46はなくてもよい。
実施の形態4では、復帰部材46がプローブピン42に固定されている。しかし、実施の形態5の復帰部材46はなくてもよい。
即ち、図16は、この発明の実施の形態5による導通検査用治具のプローブ4を示す断面図である。実施の形態5では、復帰部材46がプローブピン42に設けられていない。また、ケース41には、第2の開口部412が設けられていない。これにより、ケース41における第1の開口部411とは反対側の端部は、塞がっている。他の構成及び手順は実施の形態4と同様である。
このようにすれば、付勢ばね45及び復帰部材46をなくすことができる。このため、プローブ4の構成をさらに簡単にすることができる。これにより、導通検査用治具3の小型化及び低コスト化をさらに図ることができる。
なお、実施の形態4及び5では、プローブピン42のピン先端部422aが短絡用電極222にコンデンサカップリングによって電気的に接続されるようになっている。しかし、ピン先端部422aが短絡用電極222に接触することによってピン先端部422aが短絡用電極222に電気的に接続されるようにしてもよい。
実施の形態6.
図17は、この発明の実施の形態6による導通検査用治具のプローブ4を示す断面図である。プローブ4は、ケース41と、プローブピン42と、可動ブロック51と、復帰部材52と、付勢ばね53と、電磁コイル54と、図示しない制御部とを有している。
図17は、この発明の実施の形態6による導通検査用治具のプローブ4を示す断面図である。プローブ4は、ケース41と、プローブピン42と、可動ブロック51と、復帰部材52と、付勢ばね53と、電磁コイル54と、図示しない制御部とを有している。
ケース41には、信号取出用穴413が設けられていない。ケース41の他の構成は、実施の形態1と同様である。
プローブピン42は、棒状の導電ピンである。プローブピン42の端部は、ピン先端部422aになっている。プローブピン42は、前進位置と後退位置との間でケース41の内部を変位可能になっている。また、プローブピン42は、第1の開口部411を通っている。これにより、プローブピン42が前進位置にあるときには、プローブピン42の一部が第1の開口部411から突出部としてケース41の外部へ突出している。プローブピン42の突出部の長さは、プローブピン42が前進位置から後退位置に向かって変位されることによって短くなる。
可動ブロック51は、ケース41の内部でプローブピン42と一体に変位される可動部である。また、可動ブロック51は、磁性材料で構成されている。可動ブロック51の幅は、プローブピン42の幅よりも大きくなっている。可動ブロック51は、プローブピン42が前進位置に向かって変位されることによって第1の開口部411に近づく。また、可動ブロック51は、プローブピン42が後退位置に向かって変位されることによって第2の開口部412に近づく。
復帰部材52は、可動ブロック51と一体に変位される。また、復帰部材52は、可動ブロック51の第2の開口部412側の部分に設けられている。復帰部材52の一部は、第2の開口部412からケース41の外部へ操作部として突出している。復帰部材52の操作部の長さは、プローブピン42が前進位置に向かって変位されることによって短くなる。また、復帰部材52の操作部の長さは、プローブピン42が後退位置に向かって変位されることによって長くなる。
プローブピン42、可動ブロック51及び復帰部材52は、導電性部材である。この例では、プローブピン42、可動ブロック51及び復帰部材52が、同一の金属部材から形成された金属製の単一材になっている。また、この例では、復帰部材52の操作部が信号取出部になっている。これにより、この例では、導通検査装置が復帰部材52の操作部に電気的に接続されている。複数の端子台部品2の結線用電極221に接続された電線の間の導通の有無は、各プローブ4のそれぞれの信号取出部からの信号に基づいて導通検査装置によって検査される。
付勢ばね53は、プローブピン42が後退位置に変位される方向へ復帰部材52の操作部を付勢する付勢体である。復帰部材52の操作部には、ストッパとしてばね受けリング55が設けられている。付勢ばね53は、ケース41の外面とばね受けリング55との間に配置されている。また、付勢ばね53は、ケース41とばね受けリング55との間で縮められている。これにより、付勢ばね53は、ケース41とばね受けリング55とが互いに離れる方向へ弾性復元力を発生している。付勢ばね53の弾性復元力は、プローブピン42を後退位置へ付勢する付勢力として復帰部材52の操作部に与えられている。
電磁コイル54は、ケース41の内部に設けられている。また、電磁コイル54は、可動ブロック51の周囲に設けられている。可動ブロック51と第1の開口部411との間には、磁性材料で構成された受け部材56が設けられている。プローブピン42は、受け部材56を貫通している。
電磁コイル54への通電が行われると、受け部材56に向けて可動ブロック51を吸引させる電磁力が発生する。これにより、プローブピン42は、前進位置に変位される。即ち、電磁コイル54は、プローブピン42が前進位置に変位される方向へ可動ブロック51を変位させる電磁力を通電によって発生する。可動ブロック51は、電磁コイル54の電磁力によって付勢ばね53の付勢力に逆らって変位される。
制御部は、電磁コイル54への通電を制御する給電制御装置である。また、制御部は、各プローブ4のそれぞれの電磁コイル54への通電を個別に制御可能になっている。電磁コイル54への通電が停止された状態では、付勢ばね53の付勢力によってプローブピン42が後退位置に達している。電磁コイル54への通電が行われると、電磁コイル54の電磁力によって、プローブピン42が付勢ばね53の付勢力に逆らって前進位置に変位される。他の構成は実施の形態1と同様である。
導通検査を行うために端子台1に導通検査用治具3を配置するとき、ジャンパピン24が干渉物として存在する位置に配置されるプローブ4については、電磁コイル54への通電を制御部の制御によって予め停止させておく。電磁コイル54への通電が停止されたプローブ4では、プローブピン42が付勢ばね53の付勢力によって後退位置に変位される。これにより、干渉物に対するプローブピン42の干渉が回避される。
一方、干渉物が存在しない位置に配置されるプローブ4については、電磁コイル54への通電を制御部の制御によって行う。電磁コイル54への通電が行われたプローブ4では、付勢ばね53の付勢力に逆らってプローブピン42が前進位置に変位される。プローブピン42が前進位置に達している状態では、検査電極としての短絡用電極222の表面222aにプローブピン42のピン先端部422aが接触可能になる。ピン先端部422aが短絡用電極222の表面222aに接触することにより、プローブピン42が短絡用電極222に電気的に接続される。導通検査の他の手順は実施の形態1と同様である。
このような導通検査用治具3では、プローブピン42が後退位置に変位される方向へ可動ブロック51が付勢ばね53の付勢力によって付勢され、プローブピン42が前進位置に変位される方向へ可動ブロック51が電磁コイル54の電磁力によって変位される。このため、実施の形態1のような保持機構部44をケース41の内部に設ける必要がなくなる。これにより、プローブ4の構成を簡単にすることができる。また、各プローブ4のそれぞれのプローブピン42の位置を個別に制御することができる。これにより、各プローブ4のそれぞれにおいてプローブピン42が前進位置及び後退位置のいずれに変位されているかを制御部によって把握することができる。従って、各プローブ4のそれぞれの状態をより確実に把握することができ、導通検査用治具3を用いた導通検査をさらに正確に行うことができる。
実施の形態7.
図18は、この発明の実施の形態7による導通検査用治具のプローブ4を示す断面図である。各プローブ4は、検査電極としての短絡用電極222とプローブピン42の突出部との間に干渉物が存在しているかどうかを検出するセンサ61を有している。センサ61は、プローブピン42のピン先端部422aに設けられている。センサ61としては、例えばレーザ式距離センサ、超音波式距離センサ、タッチセンサ、圧力センサ、カメラ等が挙げられる。
図18は、この発明の実施の形態7による導通検査用治具のプローブ4を示す断面図である。各プローブ4は、検査電極としての短絡用電極222とプローブピン42の突出部との間に干渉物が存在しているかどうかを検出するセンサ61を有している。センサ61は、プローブピン42のピン先端部422aに設けられている。センサ61としては、例えばレーザ式距離センサ、超音波式距離センサ、タッチセンサ、圧力センサ、カメラ等が挙げられる。
レーザ式距離センサ又は超音波式距離センサがセンサ61として用いられた場合、センサ61と干渉物との間の距離が閾値よりも小さくなると、センサ61が干渉物の存在を検出する。また、タッチセンサ又は圧力センサがセンサ61として用いられた場合、センサ61が干渉物に接触すると、センサ61が干渉物の存在を検出する。さらに、カメラがセンサ61として用いられた場合、センサ61からの情報に基づく画像処理によって干渉物が存在しているかどうかが検出される。
プローブピン42、可動ブロック51及び復帰部材52には、センサ61に電気的に接続された信号線62が通されている。また、信号線62は、復帰部材52から引き出されている。さらに、各プローブ4のそれぞれの信号線62は、図示しない制御部に電気的に接続されている。制御部は、各プローブ4のそれぞれのセンサ61からの情報に基づいて、各プローブ4のそれぞれの電磁コイル54への通電を個別に制御する。即ち、制御部は、センサ61が干渉物を検出したプローブ4の電磁コイル54への通電を停止し、センサ61が干渉物を検出しないプローブ4の電磁コイル54への通電を行う。他の構成及び導通検査の手順は実施の形態1と同様である。
このような導通検査用治具3では、プローブピン42の突出部と短絡用電極222との間に干渉物が存在するかどうかがセンサ61によって検出される。また、各プローブ4のそれぞれの電磁コイル54への通電は、各プローブ4のそれぞれのセンサ61からの情報に基づいて制御部によって制御される。このため、各プローブ4のそれぞれについて、プローブピン42と短絡用電極222との間に干渉物が存在するかどうかを自動的に検出することができる。これにより、端子台1に導通検査用治具3を配置するときに端子台1に干渉物が存在していても、プローブピン42が干渉物を自動的に回避することができる。従って、端子台1に干渉物が設けられているか否かにかかわらず、端子台1に対する導通検査をさらに容易に行うことができる。
なお、実施の形態6及び7では、第2の開口部412からケース41の外部へ突出する復帰部材52が各プローブ4に含まれている。しかし、復帰部材52はなくてもよい。この場合、ケース41には、第2の開口部412が設けられずにケース41の端部が塞がれる。また、この場合、可動ブロック51と受け部材56との間に付勢ばね53が縮めて配置される。
また、実施の形態6及び7では、プローブピン42が後退位置に変位される方向へ付勢ばね53が可動ブロック51を付勢し、プローブピン42が前進位置に変位される方向へ可動ブロック51を変位させる電磁力を電磁コイル54への通電によって電磁コイル54が発生する。しかし、付勢ばね53の付勢力の方向と、電磁コイル54の電磁力の方向とを逆にしてもよい。即ち、プローブピン42が前進位置に変位される方向へ付勢ばね53が可動ブロック51を付勢し、プローブピン42が後退位置に変位される方向へ可動ブロック51を変位させる電磁力を電磁コイル54への通電によって電磁コイル54が発生するようにしてもよい。このようにしても、プローブ4の構成を簡単にすることができる。また、導通検査用治具3を用いた導通検査をさらに正確に行うこともできる。
1 端子台、3 導通検査用治具、4 プローブ、41 ケース、42 プローブピン、43 可動ブロック(可動部)、44 保持機構部、45 付勢ばね(付勢体)、46 復帰部材、51 可動ブロック(可動部)、53 付勢ばね(付勢体)、54 電磁コイル、61 センサ、222 短絡用電極(検査電極)、411 第1の開口部、412 第2の開口部、422a ピン先端部。
Claims (9)
- 複数の検査電極が一列に並んでいる端子台の各前記検査電極に個別に電気的に接続可能な複数のプローブ
を備え、
各前記プローブは、ケースと、前進位置と後退位置との間で前記ケースの内部を変位可能なプローブピンとを有し、
前記プローブピンは、前記検査電極に電気的に接続可能になっており、
前記ケースには、第1の開口部が設けられており、
前記プローブピンが前記前進位置にあるときには、前記プローブピンの一部が前記第1の開口部から突出部として突出しており、
前記突出部の長さは、前記プローブピンが前記前進位置から前記後退位置に向かって変位されることによって短くなる導通検査用治具。 - 各前記プローブは、前記プローブピンを前記前進位置に向けて付勢する付勢体を有している請求項1に記載の導通検査用治具。
- 各前記プローブは、前記ケースの内部で前記プローブピンと一体に変位される復帰部材を有し、
前記ケースには、第2の開口部が設けられており、
前記復帰部材の一部は、前記プローブピンの前記後退位置への変位によって、前記第2の開口部から突出する請求項1又は請求項2に記載の導通検査用治具。 - 各前記プローブは、前記ケースの内部に変位可能に設けられた可動部と、前記ケースの内部の保持位置に前記可動部を保持する保持機構部と、前記可動部と前記プローブピンとの間に設けられた付勢体とを有し、
前記付勢体は、前記可動部と前記プローブピンとが互いに離れる方向へ前記可動部及び前記プローブピンを付勢しており、
前記保持機構部は、前記付勢体から前記可動部が受ける力の大きさが設定値を超えると、前記保持位置での前記可動部の保持を解除する請求項1に記載の導通検査用治具。 - 前記ケースの内面には、ケース側凹部が設けられており、
前記可動部には、可動部側凹部が設けられており、
前記可動部が前記保持位置にあるときには、前記可動部側凹部が前記ケース側凹部に対向しており、
前記保持機構部は、前記可動部側凹部に挿入可能なボールと、前記ケース側凹部に前記ボールを押圧する押圧体とを有し、
前記保持機構部は、前記付勢体から前記可動部が受ける力の大きさが設定値を超えると、前記ボールが前記押圧体の押圧力に逆らって前記ケース側凹部から外れることにより、前記保持位置での前記可動部の保持を解除する請求項4に記載の導通検査用治具。 - 各前記プローブは、前記ケースの内部で前記プローブピンと一体に変位される可動部と、前記プローブピンが前記前進位置及び前記後退位置のいずれか一方に変位される方向へ前記可動部を付勢する付勢体と、前記プローブピンが前記前進位置及び前記後退位置のいずれか他方に変位される方向へ前記付勢体の付勢力に逆らって前記可動部を変位させる電磁力を通電によって発生する電磁コイルと、前記電磁コイルへの通電を制御する制御部とを有している請求項1に記載の導通検査用治具。
- 各前記プローブは、前記検査電極と前記突出部との間に干渉物が介在しているかどうかを検出するセンサを有し、
前記制御部は、前記センサからの情報に基づいて、前記電磁コイルへの通電を制御する請求項6に記載の導通検査用治具。 - 各前記プローブは、前記ケースの内部で前記可動部と一体に変位される復帰部材を有し、
前記ケースには、第2の開口部が設けられており、
前記復帰部材の一部は、前記第2の開口部に近づく方向への前記可動部の変位によって、前記第2の開口部から突出する請求項4〜請求項7のいずれか一項に記載の導通検査用治具。 - 前記突出部の端部の形状は、前記突出部の端部に対向する前記検査電極の形状に合わせた形状である請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の導通検査用治具。
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