JP5103490B2 - 通電用クリップを用いた給放電試験装置 - Google Patents
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Description
このうち、図9に示すような接触ピン24による方法では、絶縁ボード25に複数個植設した接触ピン24を+電極22及び−電極23に押圧することにより信号検出を行っており、電子部品20の給放電量や電子部品21から検出される電流量等の使用目的に応じて、使用する接触ピン24の数量やピン径の大きさを選択していた。
又、図10に示すような、わに口クリップ26で前記電子部品20の+電極22及び−電極23を挟むことにより給放電を行う方法又は信号を検出する方法では、前記わに口クリップ26の鋸歯状をなすクリップ部28で、+電極22及び−電極23を挟んでいた。
一方、図10に示すように、わに口クリップ26で前記電極21を挟んで接続する場合には、給放電用のわに口クリップ26と信号検出用のわに口クリップ26を少なくとも2個必要とした。又、わに口クリップ26のクリップ部28は鋸歯状をなしているので、電極21の表面には、接触ピン24を用いたときよりも多くの傷や凹凸などが生じてしまう。このため、前記わに口クリップ26による試験後においても、電子部品20の加工が困難になるという問題があった。
従って、通電用クリップ1個では対応できない大容量の電流量を有する電子部品や、複数個の電子部品の試験を、自動的に行うことができる試験装置を提供することができる。
更に、本発明における自動装置においては、接触端子と電極を当接させるために、ストロークの異なる2個のシリンダを用い、ストロークの差分だけ接触端子が電極上を摺動するように形成した。従って、接触端子と電極との接触面がより多くなり、より大容量の電流に対応可能となる試験装置を提供することができる。
従って、操作の省略が可能となり、試験に要する手間や時間を大幅に削減することができ、試験回数を増加することも可能とする。
通電用クリップ1は、2個のクリップ体2,2と、このクリップ体2,2の成型時にクリップ体2と一体に埋設した2個の電極材5,5と、シャフト7と、トーションばね13からなり、トーションばね13の組み込み方向の違いにより、図3に示す常閉タイプの通電用クリップ1aと、図4に示す常開タイプの通電用クリップ1bとがある。以下、それぞれのタイプごとに説明する。
図1、図2及び図3において、電極材5は、細板長方形状の導電体からなり、長手側を前記クリップ材2長さとほぼ同じ長さとし、短手側をクリップ体2の幅より狭くする。そして、長手側の一端部をリード線接続端子17とし、他方端部は半円状に折曲して接触端子18とする。尚、図示例では前記電極材5のリード線接続端子17を板状とし、かつ、小さな孔をあけて半田付けタイプとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、リード線接続端子17は、U字溝状に折曲した圧着タイプであってもよい。
クリップ体2の成型加工時に、前記電極材5をクリップ体2の中央部に埋設し、電極材5の両端のリード線接触端子17と接触端子18を電極材5から突出させるように一体成型する。
更に詳しくは、前記クリップ材2の上部には、電極材5のリード線接触端子17を保護したり、短絡を防いだりするために、2個の突出部3,3を形成し、この突出部3,3の間に凹部4を形成する。
この凹部4の中央部には、前記電極材5の一端部を、クリップ体2の一端から突出させてリード線接続端子17とする。又、電極材5の多端部から半円状の端部を突出させ、クリップ体2の内側の半円部11に巻付けるようにして接触端子18とする。
又、クリップ体2,2間を指6でつまんで、接触端子18と反対側、すなわちリード線接続端子17側を内側に押圧すると、リード線接続端子17,17が、組込んだトーションばね13の力に抗して、反対側の接触端子18,18が開いた状態となる。
給放電と信号検出を同時に行うときは、2個の常閉タイプの通電用クリップ1a,1aを同一の電子部品20に接続し、それぞれの常閉タイプの通電用クリップ1a,1aの一方の電極材5が給放電用として作用し、他方の電極材5が信号検出用として作用する。
前記クリップ材2、前記電極材5、前記トーションばね13及び前記シャフト7の材質及び形状は、前記常閉タイプの通電用クリップ1aと同様である。
しかし、常開タイプの通電用クリップ1bにおいては、前記コイル収納部19に前記コイル部14を組込むときに、前記トーションばね13の先端部を、前記常閉タイプの場合と逆方向、すなわち、前記リード線接続端子17側に向ける。
第1実施例の試験装置は、手動操作により電子部品の試験を行うためのもので、図5ないし図7に示すように、下方部に通電用クリップ支持ケース31をセットし、その上部に試験用の電子部品20を収納した電子部品トレイ30をセットする。前記通電用クリップ支持ケース31は、下部の固定ケース32に進退自在に設けられている。
前記試験用の電子部品20は、例えば図9又は図10に示すように、薄型の長方形で、一辺部にごく薄い1対の板状の電極21(+電極22及び−電極23)が突出している。
前記電子部品トレイ30は、直方体の内側に浅めの凹部27を有する。この電子部品トレイ30の凹部27には複数個の電子部品挿入口36を等間隔でかつ複数列に形成する。この電子部品挿入口36は、電子部品20の電極21を下向きにして収納できる形状をなし、電子部品挿入口36の下部にある電極挿入口37は、前記電極21を挿入でき、挿入した電極21の先端が前記電子部品トレイ30の下底から少なくとも10mm程度突出する形状とする。
固定ケース本体部45は直方箱体とし、上面を開口する。そして、内部に前記通電用クリップ支持ケース本体部31を遊嵌するために、通電用クリップ支持ケース本体部31より一回り大きくする。又、底面には、前記クサビ体ガイド棒38のクサビガイド孔41とコネクタ取付け孔61を設け、底面の両端部に前記クサビ体ガイド棒38を植立する。そして、このクサビ体取付けガイド棒38が遊嵌するように、固定ケース本体部45の底面と前記通電用クリップ支持ケース31の押下げ鍔部43の底面下側との間に、コイル状の押上げばね35を介在する。
前記コネクタ接続部46の上面には、複数個のコネクタ62を取付けるためのコネクタ接続口47を等間隔に数列形成する。
前記クサビ体34は絶縁性物質からなり、先端部から基端部にかけて両側で順次広くなるような傾斜を有する台形状とする。又、1個のクサビ体34で、2個を1対とする通電用クリップ1bの突出部3,3間に圧入可能とする。又、クサビ体34の底面中央部にはクサビ体ガイド棒38を一体に形成する。このクサビ体支持ガイド棒38は円柱形で、前記クサビ体取付け枠33の丸孔64と通電用クリップ支持ケース本体部42の長孔44を貫通し、更に固定ケース本体部45のクサビガイド孔41を貫通し、下端部の抜け止め突起39により係止している。前記固定ケース本体部45の底板の上面と押下げ鍔部43の下面との間には、コイルばね40を介在する。
試験に先立ち、電子部品トレイ30を通電用支持クリップ31の上に載せ、電子部品20を前記電子部品トレイ30の電子部品挿入口36に1個ずつ配置し、電極21の先端を電子部品トレイ30の電極挿入口37の下端部から表出させる。
すると、電極21は、図6の左半部に示すように、抜け止め突起16の接触端子18,18間に挿入される。
尚、前記常開タイプの通電用クリップ1bは、突出部3,3間にクサビ体34が食込み、接触端子18,18間が密着すると、クサビ体34もクサビ体取付け枠33とともに下降する。クサビ体34が突出部3,3間に食込んだ分だけ、ばね35で吸収される。
ここで、電子部品トレイ30による下方への押圧を除くと、再び図6の左半部のような元の状態に戻る。
第2実施例の試験装置は、電子部品トレイ30を固定にしておき、常開タイプの通電用クリップ1bの上下と、この常開タイプの通電用クリップ1bの接触端子18,18の開閉を自動的に行い、電子部品20の試験を行うためのもので、自動的に可動する機構以外の主な構成は前記第1実施例とほぼ同一である。すなわち、図8に示すように、固定ケース32の上部に電子部品トレイ30をセットする。又、固定ケース32の内部には通電用クリップ支持ケース31を上下動自在に設け、この通電用クリップ支持ケース31には、更に、クサビ体取付け枠33を上下動自在に設ける。
又、前記第1実施例と同様に、前記電子部品トレイ30の内側に複数個の電子部品20を収納する。
特に、この第2実施例では、クサビ体34及び常開タイプの通電用クリップ1bを移動するための手段として、通電用クリップ支持ケース31と固定ケース32の間に、上下の2個のシリンダ51、52からなる上下動用の通電用クリップ用シリンダ49を設ける。又、常開タイプの通電用クリップ1bを開閉するためにクサビ体用シリンダ48を設置する。
電子部品20を収納する電子部品トレイ30、クサビ体34、クサビ体取付け枠33,常開タイプの通電用クリップ1b、通電用クリップ支持ケース31及び固定ケース32の形状は、第1実施例とほぼ同様である。
前記通電用クリップ用シリンダ49は、2個のシリンダ(上シリンダ51と下シリンダ52)を縦方向に直結させてなる。
すなわち、下シリンダ52の上板と上シリンダ51の底板との間を貫通孔で連通し、この貫通孔に、下シリンダ52のピストン55に連結されたロッド56を挿通させ、上シリンダ51のピストン55の下面に臨ませられている。又、上シリンダ51のストロークS1が下シリンダ52のストロークS2よりやや長く(例えば1mm)設定されている。
上シリンダ51のピストン55に連結されたロッド56は、上板を貫通して上方に伸び、上端が、通電用クリップ支持ケース31に固着された取付け部材57を貫通し、ロッド56の頭部58が係止している。
又、取付け部材57とロッド56の途中のばね支持部59との間には、前記ばね35と同一な目的を有するばね60が介在されている。
電子部品20を電子部品トレイ30の内側に配置する。
尚、この第2実施例では、電子部品トレイ30の底板の下面から、常開タイプの通電用クリップ1bの接触端子18の上端部までの間隔が、通電用クリップ用シリンダ49における上シリンダのストロークS1よりも、やや大きめ(例えば1mm)の空間をもって配置されている。
このとき、上シリンダ51のピストン55の下面と下シリンダ52のロッド56の上端間に、S1−S2=1mmの隙間が生じる。
この上昇により、クサビ体34の上部が常開タイプの通電用クリップ1bの突出部3,3間に圧入され、反対側の線接触端子18,18が閉じ、その間に位置する電極21と挟着して、電気的に接続する。
すると、上シリンダ51は、下シリンダ52とのストロークの差、すなわち1mmだけ下降し、それに伴って常開タイプの通電用クリップ1bの接触端子18,18及びクサビ体34も、挟着状態を保ったまま1mm下降する。このため、接触端子18,18は、電極21の表面を1mm圧接摺動することとなる。
その後、通電用クリップ用シリンダ49の上シリンダ51及び下シリンダ52にも点線方向に圧を加えて下降させ、通電用クリップ支持ケース31を元に戻す。
Claims (3)
- 固定ケースと、
この固定ケースの上部にセットされ、被試験体としての電子部品の電極を下向きに突出させてセットするための電子部品トレイと、
前記固定ケースに上下動自在に設けられた通電用クリップ支持ケースと、
この通電用クリップ支持ケースに上下動自在に設けられたクサビ体取付け枠と、
1対の接触端子が前記電極に臨ませられるように前記通電用クリップ支持ケースに設けられた常開タイプの通電用クリップと、
前記通電用クリップ支持ケースと前記クサビ体取付け枠の間に設けられ、前記通電用クリップの1対の接触端子間が開閉するようにこの通電用クリップの1対のクリップ体間に進退するためのクサビ体を可動するクサビ体用シリンダと、
前記固定ケースと前記通電用クリップ支持ケースの間に設けられ、前記通電用クリップ支持ケースを前記電極側に進退する通電用クリップ用シリンダとを具備し、
前記通電用クリップ用シリンダは、前記通電用クリップ支持ケースを進退する上シリンダと、この上シリンダと縦方向に直結して設けられ、この上シリンダよりストロークが短い下シリンダとからなり、下シリンダの上板と上シリンダの底板との間を貫通孔で連通させ、この貫通孔に、下シリンダのピストンに連結されたロッドを挿通させ、この下シリンダのロッドの上端が上シリンダのピストンの下面に臨ませられたものであって、前記上シリンダのピストンと下シリンダのピストンとをそれぞれのストローク分だけ上昇させて常開タイプの通電用クリップの接触端子を電子部品の電極を挟み込む位置まで上昇させ、且つ、前記クサビ体用シリンダにより前記1対の接触端子が前記電極に圧接したまま、前記上シリンダのピストンの下面が前記下シリンダのピストンに連結されたロッドの上端に当接するまで、前記上シリンダのピストンのみを下降させることにより、前記電極面を摺動せしめるようにしたことを特徴とする通電用クリップを用いた給放電試験装置。 - 固定ケースと、
この固定ケースの上部にセットされ、被試験体としての複数個の電子部品の電極を所定間隔で下向きに突出させてセットするための電子部品トレイと、
前記固定ケースの内部に上下動自在に設けられた通電用クリップ支持ケースと、
この通電用クリップ支持ケースに上下動自在に設けられたクサビ体取付け枠と、
1対の接続端子が前記複数個の電子部品の電極毎に臨ませて前記通電用クリップ支持ケースに設けた複数個の通電用クリップと、
前記通電用クリップ支持ケースと前記クサビ体取付け枠の間に設けられ、前記通電用クリップの1対の接触端子間が開閉するようにこの通電用クリップの1対のクリップ体間に進退するためのクサビ体を可動するクサビ体用シリンダと、
前記固定ケースと通電用クリップ支持ケースの間に設けられ、前記通電用クリップとクサビ体とを一体に電子部品の電極側に進退する通電用クリップ用シリンダとを具備し、
前記通電用クリップ用シリンダは、前記通電用クリップ支持ケースを進退する上シリンダと、この上シリンダと縦方向に直結して設けられ、この上シリンダよりストロークが短い下シリンダとからなり、下シリンダの上板と上シリンダの底板との間を貫通孔で連通させ、この貫通孔に、下シリンダのピストンに連結されたロッドを挿通させ、この下シリンダのロッドの上端が上シリンダのピストンの下面に臨ませられたものであって、前記上シリンダのピストンと下シリンダのピストンとをそれぞれのストローク分だけに上昇させて常開タイプの通電用クリップの接触端子を電子部品の電極を挟み込む位置まで上昇させ、且つ、前記クサビ体用シリンダにより前記1対の接触端子が前記電極に圧接したまま、前記上シリンダのピストンの下面が前記下シリンダのピストンに連結されたロッドの上端に当接するまで、前記上シリンダのピストンのみを下降させることにより、前記電極面を摺動せしめるようにしたことを特徴とする通電用クリップを用いた給放電試験装置。 - 通電用クリップは、
2個の絶縁性部材からなるクリップ体にそれぞれ電極材を一体成型し、
この電極材の一端部をクリップ体の一端から露出してリード線接続端子となし、
この電極材の他端部を、クリップ体の他端で互いに向い合わせて露出して接触端子となし、
前記2個のクリップ体のほぼ中央のそれぞれのシャフト受突起を互いに噛合し、
かつ、シャフトを挿通するとともに、このシャフトにトーションばねを介装し、
このトーションばねは、互いに向い合う接触端子が常時開く方向に付勢して設けて、リード線接触端子側に設けたクリップ体の突出部間にクサビ体を進退自在に介在し、
常開タイプとしたことを特徴とする請求項1又は2記載の通電用クリップを用いた給放電試験装置。
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