JP2019085939A - スタータモータの電源回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】過電流対策上の安全性を確保しつつヒューズの接続によるコストの上昇を抑制することができるスタータモータの電源回路を提供する。【解決手段】バッテリBの+端子とスタータモータ11との間で第1の電源用配線5にショートが発生すると、バッテリBの+端子に接続された第1のヒューズ3が作動して、バッテリBから電源分配ボックス7やスタータモータ11への電力供給を遮断する。また、バッテリBの+端子と電源分配ボックス7との間で第1の電源用配線5にショートが発生すると、第1のヒューズ3と第2のヒューズ9とのうちショートした箇所に近い方のヒューズが作動して、バッテリBから電源分配ボックス7を介して各車載システムへの電力供給を遮断する。【選択図】図1

Description

本発明は、バッテリと共に車両に搭載されるスタータモータの電源回路に関する。
車両のスタータモータにバッテリの電力を供給する際には、バッテリからスタータモータに電力を供給する電源用配線に過電流対策用のヒューズが接続される。そして、同じバッテリに負荷への電源分配器をスタータモータと並列に接続する場合や、スタータモータ用のサブバッテリをバッテリ経由でスタータモータに接続する場合は、バッテリと電源分配器やサブバッテリとを接続する電源用配線にもヒューズが接続される。
ところで、バッテリとスタータモータとを接続する電源用配線には、車両の始動時を除いて電流が流れることはない。これに対し、バッテリと電源分配器とを接続する電源用配線には、車両の使用中に電流が常時流れる。このため、バッテリと電源分配器とを接続する電源用配線における過電流対策は特に重要となる。
そして、特に商用車の場合は、バッテリが一般にラゲッジルームに配置されるので、エンジンルームに配置される電源分配器に対する電力ケーブルの線長が長くなる。そのため、バッテリと電源分配器とを接続する電源用配線上のヒューズから離れた箇所でショートが発生すると、過電流によりヒューズが作動してバッテリの電力供給が遮断されるまでに時間がかかる可能性がある。
そこで、バッテリと電源分配器とを接続する電源用配線には、バッテリからの電流が車両の使用中に常時流れることを考慮して、バッテリ側の端部と電源分配器側の端部とにそれぞれヒューズが接続される。なお、電源分配器側のヒューズは、電源分配器に内蔵されている場合もある。
同様のことは、バッテリを介してスタータモータに電力を供給するスタータモータ用のサブバッテリとバッテリとを接続する電源用配線にも当てはまる。即ち、両バッテリが離れて配置される場合、両バッテリを接続する電力ケーブルの線長はやはり長くなる。しかも、両バッテリを接続する電力ケーブルには、両バッテリの電力を合わせた大電流が流れる。
このため、両バッテリを接続する電力ケーブルにも、バッテリ側の端部とサブバッテリ側の端部とに、それぞれヒューズが接続される(以上、例えば特許文献1)。
特開2005−228710号公報
このように、バッテリと電源分配器やサブバッテリとを接続する電源用配線の両端に過電流対策用のヒューズをそれぞれ接続すると、ヒューズに要求されるスペックが高いことから部品コストの上昇を招くし、ヒューズの配置に必要なスペースも増える。特に、バッテリとサブバッテリとを接続する電源用配線には車両の始動時にしか電流が流れないことから、電源用配線の両端にそれぞれヒューズを接続すると、コストと配置スペースの両面で無駄が増える。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、スタータモータに電力を供給するバッテリに、バッテリとスタータモータとを接続する電力ケーブルと並列の電源用配線を介してスタータモータ以外の要素を接続する際に、過電流対策上の安全性を確保しつつヒューズの接続によるコストや配置スペースの増加を抑制することができるスタータモータの電源回路を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様によるスタータモータの電源回路は、
スタータモータに第1のヒューズを介してバッテリの電力を供給する第1の電源用配線と、
前記第1の電源用配線における前記第1のヒューズよりも前記スタータモータ側の箇所から分岐接続され、第2のヒューズを介して接続相手と前記バッテリとの間の電力供給を行う第2の電源用配線と、
を備える。
本発明の第1の態様によるスタータモータの電源回路によれば、第1の電源用配線のうち第2の電源用配線の分岐接続箇所からバッテリに接続された第1のヒューズに接続される端部までの部分と、第2の電源用配線とが、バッテリと接続相手との間における電力供給に使用される。そして、第2の電源用配線が第2のヒューズを介して接続相手に接続される。
このため、バッテリと接続相手との間の電力供給に使用される電源用配線(第1の電源用配線の一部及び第2の電源用配線)のバッテリ側には第1のヒューズが接続され、接続相手側には第2のヒューズが接続される回路構成となる。
したがって、バッテリと接続相手との間が離れていても、バッテリと接続相手との間の電力供給に使用される電源用配線(第1の電源用配線の一部及び第2の電源用配線)上でショートが発生した場合に、第1のヒューズ及び第2のヒューズのうちショートの発生箇所に近い方のヒューズが迅速に作動し、バッテリから接続相手に対する電力供給を遮断する。
よって、仮に、バッテリと接続相手との間の電力供給に使用される電源用配線を第1の電源用配線と並列にバッテリに接続し、その電源用配線の両端にヒューズをそれぞれ接続する回路構成とする場合と比較しても、その場合と同様に、ショートの発生時におけるヒューズ作動の迅速性を確保して過電流対策上の安全性を確保することができる。
その上で、バッテリと接続相手との間の電力供給に使用される第2の電源用配線に接続するヒューズの数を減らして、コストや配置スペースの増加を抑制することができる
また、本発明の第2の態様によるスタータモータの電源回路は、
前記接続相手は、前記第2のヒューズを介して前記バッテリの電力を前記スタータモータを除く複数の負荷に分配供給する電源分配器である。
本発明の第2の態様によるスタータモータの電源回路によれば、バッテリの電力をスタータモータ以外の複数の負荷に分配供給する電源分配器をスタータモータと並列にバッテリに接続する場合に、バッテリの電力を電源分配器に供給するのに使用する第2の電源用配線に接続するヒューズの数を減らして、コストや配置スペースの増加を抑制することができる。
さらに、本発明の第3の態様によるスタータモータの電源回路は、
前記接続相手は、前記第2のヒューズ及び前記バッテリを介して前記スタータモータに補助電力を供給するサブバッテリである。
本発明の第3の態様によるスタータモータの電源回路によれば、バッテリを介してスタータモータに補助電力を供給するサブバッテリをスタータモータと並列にバッテリに接続する場合に、バッテリとサブバッテリとの間の電力供給に使用する第2の電源用配線に接続するヒューズの数を減らして、コストや配置スペースの増加を抑制することができる。
本発明によれば、スタータモータに電力を供給するバッテリに、バッテリとスタータモータとを接続する電力ケーブルと並列の電源用配線を介してスタータモータ以外の要素を接続する際に、過電流対策上の安全性を確保しつつヒューズの接続によるコストや配置スペースの増加を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係るスタータモータの電源回路の説明図である。 図1に示すスタータモータの電源回路の比較例に係るスタータモータの電源回路の説明図である。 本発明の第2実施形態に係るスタータモータの電源回路の説明図である。 図3に示すスタータモータの電源回路の比較例に係るスタータモータの電源回路の説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るスタータモータの電源回路の説明図である。
図1に示す第1実施形態のスタータモータの電源回路(以下、「電源回路」と略記する。)1は、車両(図示せず)に搭載したバッテリBに接続して使用される。
そして、電源回路1は、バッテリBの+端子に接続された第1のヒューズ3と、第1のヒューズ3を介してバッテリBの+端子に一端を接続した第1の電源用配線5とを有している。第1の電源用配線5の途中には、電源分配ボックス7(請求項中の接続相手、電源分配器に相当)に内蔵された第2のヒューズ9が接続されている。第1の電源用配線5の他端はスタータモータ11に接続されている。
第1実施形態のバッテリBは、商用車タイプの車両のラゲッジルームに配置されており、第1の電源用配線5は、車両のエンジンルームに配置された電源分配ボックス7の第2のヒューズ9やスタータモータ11に接続するために、相応の線長を有している。
電源分配ボックス7においては、バッテリBから見て第2のヒューズ9よりも下流側の箇所で、バッテリBからの電力が車両の各車載システム(電力を必要とする負荷)に分配して供給される。
なお、第1のヒューズ3や第2のヒューズ9は、過電流が流れると溶断するヒュージブルリンク等のメカヒューズであってもよく、半導体リレー等を用いた過電流保護回路であってもよい。
また、電源分配ボックス7の第2のヒューズ9は、第2の電源用配線(図示せず)を介して第1の電源用配線5の途中に分岐接続してもよい。本実施形態の場合は、第2のヒューズ9自身が、第1の電源用配線5の分岐接続箇所と第2のヒューズ9とを接続する第2の電源用配線を兼ねている。
このように構成された第1実施形態の電源回路1では、バッテリBの+端子とスタータモータ11との間で第1の電源用配線5にショートが発生すると、バッテリBの+端子に接続された第1のヒューズ3が作動して、バッテリBから電源分配ボックス7やスタータモータ11への電力供給を遮断する。
また、バッテリBの+端子と電源分配ボックス7との間で第1の電源用配線5にショートが発生すると、第1のヒューズ3と第2のヒューズ9とのうちショートした箇所に近い方のヒューズが作動して、バッテリBから電源分配ボックス7を介して各車載システムへの電力供給を遮断する。
このため、ラゲッジルームのバッテリBとエンジンルームの電源分配ボックス7とのどちらに近い箇所で第1の電源用配線5がショートしても、第1のヒューズ3と第2のヒューズ9とのうちショートした箇所に近い方のヒューズを迅速に作動させて、バッテリBの漏電状態を早急に解消させることができる。
図2は、第1実施形態の電源回路1と比較するための電源回路の例を示す説明図である。図2に示す比較例の電源回路21は、バッテリBの+端子とスタータモータ11とを、バッテリBの+端子に接続した第3のヒューズ23とスタータモータ11に接続した第3の電源用配線25との直列回路で接続している。なお、バッテリBの+端子と電源分配ボックス7の第2のヒューズ9との間は、第1実施形態の電源回路1と同じく、第1のヒューズ3と第1の電源用配線5との直列回路で接続している。
この比較例に係る電源回路21では、バッテリBの+端子とスタータモータ11との間で第3の電源用配線25にショートが発生すると、バッテリBの+端子に接続された第3のヒューズ23が作動して、バッテリBからスタータモータ11への電力供給を遮断する。
また、バッテリBの+端子と電源分配ボックス7との間で第1の電源用配線5にショートが発生すると、第1のヒューズ3と第2のヒューズ9のうちショートした箇所に近い方のヒューズが作動して、バッテリBから電源分配ボックス7を介して各車載システムへの電力供給を遮断する。
即ち、比較例に係る電源回路21でも、第1実施形態の電源回路1と同じく、バッテリBの+端子と電源分配ボックス7やスタータモータ11との間で発生するショートに対してヒューズを迅速に作動させて、バッテリBの漏電状態を早急に解消させることができる。
但し、比較例に係る電源回路21では、第1実施形態の電源回路1と比較して、第3のヒューズ23を新たに設ける必要がある。このため、ヒューズの数が増えることによるコストと配置スペースの増加が生じてしまう。
一方、本実施形態の電源回路1では、バッテリBの+端子に接続した第1のヒューズ3と電源分配ボックス7の第2のヒューズ9との2つのヒューズで、第1乃至第3の3つのヒューズ3,9,23を用いる比較例の電源回路21と同じ過電流保護機能を発揮させることができる。
このため、スタータモータ11に電力を供給するバッテリBの電力を、スタータモータ11以外の車載システムに分配供給する電源分配ボックス7の第2のヒューズ9を、スタータモータ11と並列にバッテリBに接続するのに当たり、過電流保護のために用いるヒューズの数を減らして、ヒューズに関するコストや配置スペースの増加を抑制することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図3は本発明の第2実施形態に係るスタータモータの電源回路の説明図である。
図3に示す第2実施形態の電源回路31は、不図示の車両に搭載したバッテリB及びサブバッテリSB(請求項中の接続相手に相当)に接続して使用される。
そして、電源回路31は、バッテリBの+端子に接続された第1のヒューズ33と、第1のヒューズ33を介してバッテリBの+端子に一端を接続した第1の電源用配線35とを有している。第1のヒューズ33及び第1の電源用配線35の接続点とサブバッテリSBの+端子とは、第1のヒューズ33及び第1の電源用配線35の接続点に接続された第2の電源用配線37とサブバッテリSBの+端子に接続された第2のヒューズ39との直列回路によって接続されている。第1の電源用配線35の他端は、スタータモータ11に接続されている。
第2実施形態のバッテリB及びサブバッテリSBは、商用車タイプの車両のラゲッジルームの互いに離れた箇所にそれぞれ配置されており、第1の電源用配線35は、車両のエンジンルームに配置されたスタータモータ11に接続するために、相応の線長を有している。
スタータモータ11の電力は、バッテリBを介してスタータモータ11に補助電源として供給される。
なお、第1のヒューズ33や第2のヒューズ39は、過電流が流れると溶断するヒュージブルリンク等のメカヒューズであってもよく、半導体リレー等を用いた過電流保護回路であってもよい。
このように構成された第2実施形態の電源回路31では、バッテリBの+端子とスタータモータ11との間で第1の電源用配線35にショートが発生すると、バッテリBの+端子に接続された第1のヒューズ33が作動して、バッテリBからスタータモータ11への電力供給を遮断する。
また、バッテリBの+端子とサブバッテリSBの+端子との間で第2の電源用配線37にショートが発生すると、第1のヒューズ33と第2のヒューズ39とのうちショートした箇所に近い方のヒューズが作動して、バッテリBとサブバッテリSBとの間の通電を遮断する。
このため、ラゲッジルームの互いに離れた箇所にそれぞれ配置されたバッテリBとサブバッテリSBとのどちらに近い箇所で第1の電源用配線35がショートしても、第1のヒューズ33と第2のヒューズ39とのうちショートした箇所に近い方のヒューズを迅速に作動させて、バッテリBやサブバッテリSBの漏電状態を早急に解消させることができる。
図4は、第2実施形態の電源回路31と比較するための電源回路の例を示す説明図である。図4に示す比較例の電源回路41は、バッテリBの+端子とサブバッテリSBの+端子とを、バッテリBの+端子に接続した第3のヒューズ43と、サブバッテリSBの+端子に接続した第2のヒューズ39及び第3のヒューズ43に接続した第2の電源用配線37との直列回路で接続している。なお、バッテリBの+端子とスタータモータ11との間は、第2実施形態の電源回路31と同じく、第1のヒューズ33と第1の電源用配線35との直列回路で接続している。
この比較例に係る電源回路41では、バッテリBの+端子とスタータモータ11との間で第1の電源用配線35にショートが発生すると、バッテリBの+端子に接続された第1のヒューズ33が作動して、バッテリBからスタータモータ11への電力供給を遮断する。
また、バッテリBの+端子とサブバッテリSBの+端子との間で第2の電源用配線37にショートが発生すると、第3のヒューズ43と第2のヒューズ39のうちショートした箇所に近い方のヒューズが作動して、バッテリBとサブバッテリSBとの間の通電を遮断する。
即ち、比較例に係る電源回路41でも、第2実施形態の電源回路31と同じく、バッテリBの+端子とサブバッテリSBの+端子やスタータモータ11との間で発生するショートに対してヒューズを迅速に作動させて、バッテリBやサブバッテリSBの漏電状態を早急に解消させることができる。
但し、比較例に係る電源回路41では、第2実施形態の電源回路31と比較して、第3のヒューズ43を新たに設ける必要がある。このため、ヒューズの数が増えることによるコストと配置スペースの増加が生じてしまう。
一方、本実施形態の電源回路31では、バッテリBの+端子に接続した第1のヒューズ3とサブバッテリSBの+端子に接続した第2のヒューズ39との2つのヒューズで、第1乃至第3の3つのヒューズ33,39,43を用いる比較例の電源回路41と同じ過電流保護機能を発揮させることができる。
このため、バッテリBを介してスタータモータ11に補助電力を供給するサブバッテリSBを、スタータモータ11と並列にバッテリBに接続するのに当たり、過電流保護のために用いるヒューズの数を減らして、ヒューズに関するコストや配置スペースの増加を抑制することができる。
本発明は、バッテリと共に車両に搭載されるスタータモータの電源回路に用いて、極めて有用である。
1,31 スタータモータの電源回路
3,33 第1のヒューズ
5,35 第1の電源用配線
7 電源分配ボックス(接続相手、電源分配器)
9,39 第2のヒューズ
11 スタータモータ
21,41 (比較例の)電源回路
23,43 第3のヒューズ
25 第3の電源用配線
37 第2の電源用配線
B バッテリ
SB サブバッテリ(接続相手)

Claims (3)

  1. スタータモータに第1のヒューズを介してバッテリの電力を供給する第1の電源用配線と、
    前記第1の電源用配線における前記第1のヒューズよりも前記スタータモータ側の箇所から分岐接続され、第2のヒューズを介して接続相手と前記バッテリとの間の電力供給を行う第2の電源用配線と、
    を備えるスタータモータの電源回路。
  2. 前記接続相手は、前記第2のヒューズを介して前記バッテリの電力を前記スタータモータを除く複数の負荷に分配供給する電源分配器である請求項1記載のスタータモータの電源回路。
  3. 前記接続相手は、前記第2のヒューズ及び前記バッテリを介して前記スタータモータに補助電力を供給するサブバッテリである請求項1記載のスタータモータの電源回路。
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