以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。また、以下の説明において、特に明示しない限り、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」は、各図において矢印で示した方向を基準として用いる。但し、以下の各実施の形態での各構成の向きは、一例にすぎず、任意の向きに変更することができる。
図1は、実施の形態に係る搬送装置の概略平面図、図2は、実施の形態に係る搬送装置の概略側面図である。図1及び図2に示すように、搬送装置1は、第1の容器としての製品番重T1に収容されたおにぎり(物品)Wを第2の容器としての出荷番重T2に搬送するよう構成される。搬送装置1は、製品番重T1が載置される載置領域2aを備えた基台2と、基台2の前方に配設されて出荷番重T2が載置される送り装置3とを有している。
送り装置3は、出荷番重T2を左右方向に移送するための複数のローラ3aと、複数のローラ3aを所定高さ位置で支持する支持フレーム3bとを備えている。送り装置3は、製品番重T1の前方にて、製品番重T1に対し左右位置が揃うように出荷番重T2を一時的にあらかじめ位置決めする位置決め手段(不図示)を備えている。また、送り装置3は、ローラ3a上にて出荷番重T2を製品番重T1と概ね同じ高さ位置に支持している。なお、送り装置3は、複数の出荷番重T2を順次搬送し、上述した位置に位置決めできる限りにおいてベルトコンベア等の構成に代替してもよい。
ここで、本実施の形態の搬送対象となるおにぎりWは、左右方向から見て三角形状のおにぎりを包装したものであり、上部の頂点からシート部Wa(図4参照)が突出するよう形成される。製品番重T1にて、おにぎりWは、前後及び左右の直交する二方向に沿ってマトリクス状に整列した状態で収容され、本実施の形態では左右に8個、前後に5個並んで配置されている。言い換えると、製品番重T1には、n(nは自然数)個(本実施の形態では8個)のおにぎりWがその厚み方向に列をなして複数列(本実施の形態では5列)収容されている。このように複数列収容された各おにぎりWの厚さ方向は左右方向に向くようになり、以下の説明において、これら厚さ方向及び左右方向を「列方向」と称して説明する。各おにぎりWは、三角形の頂点を上向きとした起立状態とされる。また、前後及び列方向に並ぶおにぎりWは、その並び方向に隣り合うおにぎりW或いは製品番重T1の内壁に対し、接触或いは若干の隙間をあけた状態とされる。従って、製品番重T1に収容された各おにぎりWは、三角形の側面が鉛直方向に向けられており、かかる側面が水平になるような倒れが生じることを防止している。
本実施の形態の搬送装置1にあっては、列方向に並んだ複数のおにぎりWを保持する第1の保持装置4A及び第2の保持装置4Bと、基台2上でおける載置領域2aの前方に設けられた仮載置部5と、第1の保持装置4Aを移動可能な第1の移動部6と、第2の保持装置4Bを移動可能な第2の移動部7と、仮載置部5を移動可能な第3の移動部8とを備えている。
続いて、第1の保持装置4A及び第2の保持装置4Bの具体的な構成について、図3ないし図7を参照して説明する。ここで、第1の保持装置4A及び第2の保持装置4Bは同一構造を採用でき、図3ないし図7による以下の説明においては、第2の保持装置4Bについて説明し、第1の保持装置4Aの説明は、省略する。また、第2の保持装置4Bの説明においては、各図において矢印で示したX方向、Y方向、Z方向を基準に説明し、上述した前後方向がX方向、列方向(左右方向)がY方向、上下方向がZ方向となる。
図3は、実施の形態に係る第2の保持装置の概略斜視図である。図4は、実施の形態に係る第2の保持装置の一部をZX面で切断した断面図である。図3及び図4に示すように、第2の保持装置4Bは、8体の保持機構9と、Z方向(上下方向)に所定間隔を隔てて配置された上部固定板4a、中間固定板4b及び下部固定板4cとを備えている。8体の保持機構9は、概略同一の構成を備えてY方向に等間隔で並んで設けられている。8体の保持機構9は、第1の把持部10と、第2の把持部20と、これら把持部10、20を支持するための支持体30と、駆動機構(駆動部)40とを備えている。支持体30は、本実施の形態では、上下方向(Z方向)に軸線が向けられた四角柱状に形成されている。また、8体の保持機構9は、Z方向に延びる昇降シリンダ60と、中間固定板4b及び下部固定板4cに支持される振れ止め機構70とを有している。
各保持機構9の昇降シリンダ60は、上端側で上部固定板4aを介して相互に連結され、下端側で中間固定板4bを介して相互に連結されている。従って、上部固定板4a及び中間固定板4bを介してY方向に並ぶ8体の保持機構9が一体化されている。昇降シリンダ60は、Z方向に進退動作する出力軸を備え、この出力軸が支持体30に連結されて支持体30とこれに支持される把持部10、20がZ方向に進退移動可能に設けられる。中間固定板4b及び下部固定板4cは、平面視長方形状に形成され、それぞれの四隅においてZ方向に延びる連結棒4dを介して連結されている。
第1の把持部10は、X方向に並ぶ一対の第1の把持体11a、11bを備えている。一対の第1の把持体11a、11bは、支持体30の下端側に揺動可能に支持されている。これにより、第1の把持体11a、11bの下端部が相互に接近及び離反する方向(概略X方向)に変位して開閉可能となり、おにぎりW(図3では不図示)の把持及びその解除を行えるようになっている。図3及び図4では、第1の把持体11a、11bが開いた状態を図示しており、図6は、第1の把持体11a、11bが閉じた状態を図示している。
第2の把持部20は、Y方向に並ぶ一対の第2の把持体21a、21b(図4では一方の第2の把持体21bを不図示)を備えている。第2の把持体21a、21bにおいても、支持体30の下端側に揺動可能に支持され、第2の把持体21a、21bの下端部が相互に接近及び離反する方向(概略Y方向)に変位して開閉可能となる。第1の把持部10の把持位置と、第2の把持部20の把持位置とはZ方向の位置(高さ位置)が異なっている。なお、第2の把持部20は、搬送対象物をY方向から挟んで把持できるものであるが、本実施の形態では、第1の把持部10で把持、搬送する場合について説明し、第2の把持部20にて搬送対象物を把持、搬送する場合についての説明を簡略化又は省略する。
駆動機構40は、支持体30が挿入される筒状の移動体41と、移動体41に装着された駆動源42とを備えている。駆動機構40は、駆動源42の作動によって移動体41をZ方向に移動させることで、第1の把持部10及び第2の把持部20を開閉動作(把持駆動)させる。
振れ止め機構70は、図4に示すように、第1の把持部10を挟むX方向両側でX方向に並ぶ一対の押さえ部材71を備え、各押さえ部材71をZ方向(上下方向)に相対移動可能に支持するガイド部材76も備えている。ここで、図4にて右側に位置する押さえ部材71及びガイド部材76と、左側に位置する押さえ部材71及びガイド部材76とは、同一となる構造が採用される。
押さえ部材71は、Z方向(上下方向)に延びる円柱(丸棒)状に形成された軸状部72と、軸状部72の下端に取り付けられておにぎりWに接触する部分を形成する接触体74とを備えている。接触体74においては、おにぎりWにおける上部頂点から山状に傾斜する傾斜上面に接触するときに、先端の半球状となる部分が概略点状に接触するようになる。
図5A及び図5Bは、振れ止め機構のYZ面を切断面とした断面図であり、動作要領の説明図である。図5Aに示すように、軸状部72の上端には、ねじ75が設けられている。ねじ75の頭部は、軸状部72の外径より大きい直径寸法に形成されている。従って、ねじ75の頭部は、軸状部72からフランジ状に突出しており、ガイド部材76での抜け止めとして機能する。なお、軸状部72は、下部固定板4cに形成された孔を貫通している。
ガイド部材76は、内部に軸状部72が挿通され、且つ、下部固定板4cに固定されている。ガイド部材76では、軸状部72との上下方向の直線的な相対移動が案内され、これにより、押さえ部材71の上下方向の相対移動がガイドされる。ガイド部材76の上面には、軸状部72が挿通される孔が形成されており、この孔の内径は、ねじ75の頭部の外径より小さく設定される。従って、押さえ部材71に外力が加わらずに自重で下降することで、ねじ75の頭部がガイド部材76の上面に載置され、ねじ75を含む押さえ部材71の下方移動が規制される。
次いで、保持機構9がおにぎりWを把持及び把持を解除する際の動作について説明する。ここでは、先ず、第2の保持装置4Bにおける1体の保持機構9における動作について説明する。
おにぎりWを把持する前は、図4に示すように、押さえ部材71が下降限となる位置に配置され、接触体74が各把持部10、20より下方に配置される。この状態にて、仮載置部5(図1参照)からおにぎりWを搬出する場合、上述した第2の移動部7(図2参照)を介して第2の保持装置4Bにおける保持機構9をおにぎりWより上方に所定距離隔てた位置に移動する。
次いで、昇降シリンダ60の出力軸を進出し、第1の把持体11a、11bの間におにぎりWのシート部Waが位置するところまで第1の把持部10が下降する。そして、図6に示すように、シート部Waを第1の把持部10で挟み込んで把持してから、昇降シリンダ60の出力軸を退行し、第1の把持部10で把持されたおにぎりWを上昇動作する。すると、上昇の中途段階で押さえ部材71の接触体74がおにぎりWの上面に当接して載置される。この接触後に更に上昇を進行することで、おにぎりWを介して押さえ部材71が上昇し、押さえ部材71の自重がおにぎりWに作用しておにぎりWを下方に押さえ付ける。
図6に示す状態から保持機構9によるおにぎりWの把持を解除する場合、昇降シリンダ60の出力軸を進出し、第1の把持部10で把持したおにぎりWを下降して出荷番重T2や仮載置部5(図1参照)に載置する。その後、第1の把持体11a、11bを開いた状態に揺動してシート部Waの挟み込みを解除することで把持が解除される。
図7は、保持装置が物品を把持した状態の一例を示す説明用側面図である。第2の保持装置4Bにおいては、複数(本実施の形態では8体)の保持機構9がおにぎりWを1個(1体)ずつ独立して保持し得る。例えば、図7に示すように、Y方向にて一方の側の4体の保持機構9でおにぎりWを上述した要領にて把持することができる。かかる4体の保持機構9で把持を行う際、それ以外の4体の保持機構9では、昇降シリンダ60が駆動されず、その第1の把持部10が上下に移動せずに待機した状態となる。このようにして第2の保持装置4Bでは、8体の保持機構9のうち、任意の位置及び数の保持機構9にておにぎりWを保持でき、また、おにぎりWを非保持状態にすることができる。
図1に戻り、同図にて模式的に表した第1の保持装置4A及び第2の保持装置4Bは、左右に並ぶおにぎりWを8個同時に把持できる向きに設けられている。従って、前後左右に整列されて製品番重T1に収容されたおにぎりWのうち、列方向(左右方向)に並ぶ同一列8個のおにぎりW全てを保持できるようになっている。また、第2の保持装置4Bは、上述のように任意の位置及び数の保持機構9にておにぎりWを保持できるので、同一列8個のおにぎりWの個々に対応して独立に保持することが可能となる。ここで、第1の保持装置4Aにおいては、第2の保持装置4Bにおける昇降シリンダ60(図2参照)を省略した構成としてもよい。第1の保持装置4Aでは、後述するように8体全ての保持機構9で同時におにぎりWを把持及び把持の解除を行うので、昇降シリンダ60を省略し1体の昇降機構によって全ての保持機構9を昇降させる構成としてもよい。
図2にも示すように、仮載置部5は、載置領域2aに載置された製品番重T1と、送り装置3にて位置決めされる出荷番重T2とを結ぶ軌道上に設けられている。また、仮載置部5は、列方向に並ぶおにぎりWを載置可能な大きさに形成されている。具体的には、仮載置部5は、第1の保持装置4Aにて同一列上で保持するおにぎりWの最多個数n個(本実施の形態では8個)に対し、同一列上に少なくともn個(本実施の形態では8個)のおにぎりWを載置可能とされる。仮載置部5における底壁5aの高さは、載置領域2aに載置された製品番重T1及び送り装置3上の出荷番重T2の各底部の高さ位置と概略同一となるように設定されている。
第1の移動部6は、第1の保持装置4Aを側方から支持して前後方向に移動させる。具体的には、第1の移動部6は、上面視で基台2の載置領域2a後方から基台2上の仮載置部5まで第1の保持装置4Aを移動させる。従って、第1の移動部6は、製品番重T1及び仮載置部5を結ぶ軌道を移動方向として前後に第1の保持装置4Aを移動させ、製品番重T1及び仮載置部5の上方位置に第1の保持装置4Aを移動させる。
第2の移動部7は、第2の保持装置4Bを側方から支持して前後方向に移動させる。具体的には、第2の移動部7は、上面視で基台2上の仮載置部5から送り装置3の前方まで第2の保持装置4Bを移動させる。従って、第2の移動部7は、仮載置部5及び出荷番重T2を結ぶ軌道を移動方向として前後に第2の保持装置4Bを移動させ、仮載置部5及び出荷番重T2の上方位置に第2の保持装置4Bを移動させる。
第3の移動部8は、仮載置部5を下方から支持するように設けられ、且つ、上面視で各保持装置4A、4Bが移動する軌道の延在方向となる前後方向に交差する方向、本実施の形態ではおにぎりWの列方向(左右方向)に仮載置部5を移動させる。第3の移動部8による仮載置部5の左方向の移動限界位置は、仮載置部5にて最も右側に載置し得るおにぎりWが、各番重T1、T2にて最も左側に収容し得るおにぎりWの位置より左側とされる。また、右方向の移動限界位置は、上記左方向の移動限界位置を左右反転した位置とされる。
ここで、各移動部6〜8としては、リニアモータや送りねじ構造等の直線的な移動を行うための送り機構を採用することが例示できる。第1の移動部6及び第2の移動部7は、前後方向に延出するレール部材6a、7aを備え、レール部材6a、7aは不図示のフレーム等を介して支持される。
第1の移動部6のレール部材6aは、前端が仮載置部5の前端より所定量前方にはみ出した位置とされ、後端が載置領域2aに載置された製品番重T1の後端より所定量後方にはみ出した位置とされる。第2の移動部7のレール部材7aは、前端が送り装置3に載置された出荷番重T2の前端より所定量前方にはみ出した位置とされ、後端が仮載置部5の後端より所定量後方にはみ出した位置とされる。また、第1の移動部6のレール部材6a及び第2の移動部7のレール部材7aは、各容器T1、T2を結ぶ軌道の延在方向となる前後方向に延在して、相互に平行に配置されている。更に、第1の移動部6のレール部材6a及び第2の移動部7のレール部材7aは、左右方向に離れて異なる軸上に配置されている。これにより、例えば、第1の移動部6及び第2の移動部7を一本のレール部材を共用する場合に比べ、各レール部材6a、7aの短縮化を図ることができ、メンテナンス等にて基台2と送り装置3とを離間させる作業の負担軽減を図ることができる。ここで、第2の移動部7のレール部材7aは、図示省略するレイアウト変更機構を介し、その前後方向の配置を変更可能に設けられる。レイアウト変更機構としては、レール部材7a自体を前後方向に移動するレール及びスライダを備えたスライド機構等の移動機構が例示でき、図示省略するフレーム等で支持される。レイアウト変更機構は、第2の移動部7のレール部材7aを上述の図示した位置から、前後方向にて出荷番重T2における製品番重T1側の端部より製品番重T1側に配置、つまり、出荷番重T2の後端より後方に配置変更できればよい。より好ましくは、レール部材7aの前端が第1の移動部6のレール部材6aの前端と揃う位置まで後方に配置変更可能に設けられる。レイアウト変更機構によって各レール部材6a、7aの前後位置を揃えるように配置することによっても、メンテナンス等にて基台2と送り装置3とを離間させる作業の負担軽減を図ることができる。
図8は、仮載置部の概略斜視図である。図8に示すように、仮載置部5は、底壁5aと、底壁5aの外周側から立ち上がって形成される前壁5b、後壁5c及び左右一対の側壁5d、5eと、前壁5b及び後壁5cの間に延在し、一対の側壁5d、5e間に複数形成される仕切壁5fとを備えている。仮載置部5は、底壁5a、前壁5b及び後壁5cと、左右に隣り合う側壁5d、5e及び仕切壁5f、或いは、一対の仕切壁5fとで囲まれる位置に上部を開放する複数の収容スペース5gが形成される。
各収容スペース5gは、起立状態のおにぎりWの前後方向及び列方向(左右方向)の大きさに応じて形成され、上方からおにぎりWを収容して底壁5aに載置できるように形成される。また、各収容スペース5gは、収容したおにぎりWの列方向の側面に対し、隣り合う側壁5d、5eや仕切壁5fが接触或いは若干の隙間が生じるように形成される。これにより、側壁5d、5e及び仕切壁5fが収容スペース5gの底部に載置されたおにぎりWの起立状態を維持する倒れ規制部を構成するようになる。
なお、本実施の形態では、仮載置部5に8つの収容スペース5gが形成され、おにぎりWを8個載置可能とされる。
図9は、実施の形態に係る搬送装置の構成を示すブロック図である。図9に示すように、搬送装置1は、制御部101、記憶部102及び入力部103を備えている。
制御部101は、中央処理装置(CPU)等からなり、搬送装置1全体を制御する。制御部101は、記憶部102に記憶されているプログラムに従い、記憶部102や入力部103から入力される情報に対する各種の演算処理や、各保持装置4A、4B、各移動部6〜8の駆動制御等を行う。
記憶部102は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等を備えている。RAMは、制御部101の作業領域として用いられたり、入力部103から出力された情報等が制御部101を介して記憶される。ROMでは、制御部101が各種の演算、制御を行うためのプログラムや、アプリケーションとして機能するためのプログラム、データ等が記憶される。
入力部103は、不図示の撮像手段やセンサ等を含み、製品番重T1や出荷番重T2に収容されたおにぎりWの個数(列数)や、仮載置部5でのおにぎりWの載置数の検出データを取得して制御部101に出力する。また、入力部103は、通信インターフェースとしてパソコン等の外部装置から有線又は無線通信によってデータを取得するようにしたり、データを内蔵するメモリーカード等の記憶媒体を接続可能なスロット等のインターフェースとしたりてもよい。この場合、上記センサ等を省略して、上記検出データの代わりとなるデータを入力して制御部101に出力することができる。
図10は、実施の形態に係る制御部の機能ブロック図である。図10に示すように、本実施の形態に係る制御部101は、把握部101a、比較部101b、搬送制御部101c、仮載置制御部101d、位置調整部101e、更新部101f、取出調整部101gとして機能する。これらの機能ブロックは、記憶部102に記憶されたプログラムが制御部101によって実行されることによって実現される。なお、図10に示す制御部101の機能ブロックは、本発明に関連する構成のみを示しており、それ以外の構成については省略している。
把握部101aは、入力部103から出力されたデータに基づき、仮載置部5に載置されているおにぎりWの載置数(k個)を把握する。また、把握部101aは、入力部103や更新部101fから出力されたデータに基づき、製品番重T1から出荷番重T2に搬送するおにぎりWの搬送数(m個)を把握する。この搬送数m個は、仮載置部5での載置数k個に対し、多くなったり少なくなったり同数となったりする。
比較部101bは、把握部101aで把握した仮載置部5での載置数k個と、出荷番重T2に搬送するおにぎりWの搬送数m個とを比較し、比較の結果、搬送数m個が載置数k個以上(m≧k)であるか否かを判定する。
搬送制御部101cは、比較部101bでの比較の結果、搬送数m個が載置数k個以上である場合(m≧k)、仮載置部5に載置されているk個全てのおにぎりWを出荷番重T2に搬送すべく、第2の保持装置4B、第2の移動部7を制御する。また、比較部101bでの比較の結果、搬送数m個が載置数k個以上でない場合(m<k)、仮載置部5に載置されているk個のおにぎりWの一部となるm個を出荷番重T2に搬送すべく、第2の保持装置4B、第2の移動部7を制御する。この場合、一部となるおにぎりWを保持し、それ以外のおにぎりWを保持しないように第2の保持装置4Bを制御する。
仮載置制御部101dは、製品番重T1で同一列全てのおにぎりWがn個である場合、同一列n個全てのおにぎりWを第1の保持装置4Aで同時に保持するよう制御する。そして、仮載置部5と上下方向に重ならないよう、仮載置部5より後方位置、例えば製品番重T1の上方にて待機するよう第1の移動部6を制御する。
また、仮載置制御部101dは、把握部101aでの把握の結果が、仮載置部5に載置されているおにぎりWの載置数k個が0となった場合、第1の保持装置4Aで保持したおにぎりWを仮載置部5に載置するよう第1の保持装置4A、第1の移動部6を制御する。載置数k個が0以外の場合は、上記のように待機を継続するよう制御する。
位置調整部101eは、仮載置部5から出荷番重T2におにぎりWを搬入するときに、仮載置部5における列方向の位置を調整するよう第3の移動部8を制御する。この調整としては、仮載置部5から出荷番重T2へのおにぎりWの搬送で、出荷番重T2にて列方向(左右方向)何れか一端側におにぎりWを寄せ、一端側から他端側に向かっておにぎりWを連続して載置するよう第3の移動部8を制御する。このとき、仮載置部5に載置されたおにぎりWのうち列方向で最も一端側に位置するおにぎりWと、出荷番重T2に載置されるおにぎりWの予定位置のうち列方向で最も一端側に位置する予定位置とが列方向で同じ位置に揃うよう制御する。例えば、出荷番重T2におにぎりWが未収容の場合、仮載置部5に載置されたおにぎりWのうち最も左側に載置されたおにぎりWと、第2の保持装置4Bの最も左側の保持機構9との列方向の位置が同じになるよう仮載置部5を第3の移動部8で移動する。
また、他の例としては、出荷番重T2におにぎりWが少なくとも1個収容済みで更に追加して収容する場合、収容済みのおにぎりWの最も右側のおにぎりWの右隣に第2の保持装置4Bが保持したおにぎりWのうち最も左側のおにぎりWが位置するよう制御する。このとき、上述した予定位置を揃える制御で、第2の保持装置4Bが保持するおにぎりWのうち最も右側のおにぎりWが、最も右側の予定位置と列方向で同じ位置になるように制御する。この制御について、出荷番重T2に収容済みのおにぎりWが5個であって更に2個追加して収容する場合を具体例として、図14A及び図14Bを用いて後述する。なお、出荷番重T2におにぎりWを追加収容する場合、既に収容済みの物品としてはおにぎりW以外の弁当にする等、種々の変更が可能である。この場合も、例えば、入力部103からの出力データや記憶部102の記憶データに応じて、収容済みの物品と隣り合うようにおにぎりWが収容できるよう仮載置部5の位置を第3の移動部8で制御する。
ここで、位置調整部101eによる調整として、仮載置部5に載置されたおにぎりWを列方向一端側に寄せた状態に維持するよう第3の移動部8を制御することもできる。例えば、出荷番重T2におにぎりWが未収容であって、仮載置部5に左端側から載置数k個のおにぎりWが収容され、搬送数m個が載置数k個より少なく、仮載置部5の左端側におにぎりWを寄せた状態を維持する場合を条件とする。この条件では、出荷番重T2の収容位置と仮載置部5の収容スペース5gとの列方向の位置が揃った位置からおにぎりWの厚さ(k−m)個分、左方向に仮載置部5を移動して位置決めする。この状態で、仮載置部5から第2の保持装置4Bでm個のおにぎりWを保持して搬出した場合、仮載置部5では左端側に寄せた状態で(k−m)個のおにぎりWが載置されるよう維持される。
上記の位置調整部101eの制御に関し、列方向における向きは、上記説明に対して位置関係を左右反転させるよう変更しても、同様の要領で制御することができる。
また、位置調整部101eは、仮載置部5におにぎりWを搬入(載置)するときに、仮載置部5における列方向の位置を調整するよう第3の移動部8を制御する。具体的には、第1の保持装置4Aが保持するn個全てのおにぎりWを下降して載置可能な位置に、仮載置部5を第3の移動部8で移動する。
更新部101fでは、仮載置部5から出荷番重T2に搬送した後、搬送数m個から載置数k個を減算した値を新たな搬送数m個として更新する。そして、更新部101fは、搬送数m個が0以外となった場合には、同一の出荷番重T2に対する搬送を継続し、搬送数m個が0となった場合には、次の出荷番重T2へ搬送を行うよう制御する。
取出調整部101gは、第1の保持装置4Aにより製品番重T1にておにぎりWを保持する際、製品番重T1の最前列のおにぎりWを保持するように第1の移動部6を制御する。具体的には、取出調整部101gは、搬送開始前に、記憶部102で記憶された製品番重T1の列数を残り列数として認識する。第1の保持装置4Aによって製品番重T1から同一列n個のおにぎりW全てが搬送された場合、残り列数から「1」を減算する。そして、次に製品番重T1からおにぎりWを搬送するときに、減算した残り列数に応じて予め設定した前後位置に第1の保持装置4Aが位置するように第1の移動部6を制御する。このようにして製品番重T1からおにぎりWの搬送を繰り返し、残り列数が「0」となった場合、不図示の搬入出装置を制御し、空となった製品番重T1を搬出し、おにぎりWが収容された新たな製品番重T1を搬入する。なお、残り列数が「0」となった場合、交換アラートを出す等、製品番重T1の搬入出における一部の作業を人が行うようにしてもよい。
続いて、上記搬送装置1による製品番重T1から出荷番重T2へのおにぎりWの搬送方法について図10の機能ブロック図に加え、図11及び図12のフロー図を用いて説明する。ここでは、図1に示すように、製品番重T1が載置領域2aに載置されると共に、送り装置3にて製品番重T1と列方向(左右方向)の位置が揃うように出荷番重T2が位置決めされているものとする。製品番重T1には、おにぎりWが起立した状態で列方向にn個、前後に複数列並んで収容され、出荷番重T2にはおにぎりW等の収容物が全くない状態とする。また、仮載置部5にはk個のおにぎりWが列方向に連続して載置され、製品番重T1で同一列n個全てのおにぎりWが第1の保持装置4Aで保持されて製品番重T1の上方で待機した状態とする。
先ず、製品番重T1から出荷番重T2に搬送するおにぎりWの搬送数m個を把握部101aにて把握するステップ(ステップ(以下、「ST」という)01)を実施する。また、仮載置部5に載置されているおにぎりWの載置数k個を把握部101aにて把握するステップST02を実施する。
ステップST01、ST02の実施後、おにぎりWの搬送数m個と、仮載置部5に載置されているおにぎりWの載置数k個とを比較部101bにて比較するステップST03を実施する。具体的には、ステップST03では、搬送数m個が載置数k個以上(m≧k)であるか否かを判定する。搬送数m個が載置数k個以上になる場合(ST03:YES)、仮載置部5に載置されているk個全てのおにぎりWを第2の保持装置4Bで保持可能な位置に仮載置部5が移動するよう、第3の移動部8を位置調整部101eにて制御するステップST04を実施する。
ステップST04の実施後、搬送制御部101cによる制御によって仮載置部5から出荷番重T2におにぎりWを搬送するステップST05を実施する。ステップST05では、第2の保持装置4Bで仮載置部5に載置されたk個全てのおにぎりWを保持する。その後、第2の移動部7によって第2の保持装置4Bを出荷番重T2まで移動し、保持したおにぎりWを出荷番重T2に収容する。
ここで、ステップST04での仮載置部5の移動制御にて、第2の保持装置4Bの列方向何れか一端側の保持機構9から順にk個のおにぎりWを保持し得る位置に仮載置部5を移動するとよい。この場合、ステップST05を実施すると、出荷番重T2にて列方向何れか一端側におにぎりWを寄せて載置することができる。
ステップST05の実施後、仮載置部5に載置されているおにぎりWがない状態、つまり載置数k=0であることを把握部101aにて把握するステップST06を実施する。そして、ステップST06の実施後、第1の保持装置4Aで保持したn個のおにぎりWと、仮載置部5の各収容スペース5gとの列方向の位置が一致するように第3の移動部8を位置調整部101eにて移動制御するステップST07を実施する。
ステップST07の実施後、仮載置制御部101dによる制御によって仮載置部5におにぎりWを搬入するステップST08を実施する。ステップST08では、第1の保持装置4Aが仮載置部5の真上に位置するように第1の移動部6によって移動する。この状態で、第1の保持装置4Aにて各保持機構9を下降して、各収容スペース5gにおにぎりWを収容し、各保持機構9の保持を同時に解除して仮載置部5におにぎりWを搬入する。これにより、第1の保持装置4Aで保持した同一列n個のおにぎりWが仮載置部5に載置される。
ステップST08の実施後、製品番重T1で同一列n個全てのおにぎりWを第1の保持装置4Aで保持し、製品番重T1の上方で待機するよう仮載置制御部101dにて制御するステップST09を実施する。そして、ステップST09の実施後、搬送数m個から載置数k個を減算した値を新たな搬送数m個として更新部101fで更新するステップST10を実施する。
ステップST10の実施後、更新された搬送数m個が0となっているか否かを更新部101fにて判定するステップST11を実施する。更新された搬送数m個が0となった場合(ST11:YES)、現時点の出荷番重T2に対する搬送を終了する。更新された搬送数m個が0以外となった場合(ST11:NO)、同一の出荷番重T2に対する搬送を継続すべく、ST01に戻る。
ここで、ステップST03にあっては、搬送数m個が載置数k個以上でない場合(ST03:NO、m<k)、第3の移動部8を位置調整部101eにて制御するステップST12を実施する。ステップST12では、仮載置部5に載置されているk個のおにぎりWの一部となるm個を第2の保持装置4Bの保持機構9で保持可能な位置に仮載置部5を移動させる。
ステップST12の実施後、搬送制御部101cによる制御によって仮載置部5から出荷番重T2におにぎりWを搬送するステップST13を実施する。ステップST13では、第2の保持装置4Bで仮載置部5に載置されたm個のおにぎりWを保持する。その後、第2の移動部7によって第2の保持装置4Bを出荷番重T2まで移動し、保持したm個のおにぎりWを出荷番重T2に収容する。
ここで、ステップST12での仮載置部5の移動制御においても、第2の保持装置4Bの列方向何れか一端側の保持機構9から順にm個のおにぎりWを保持し得る位置に仮載置部5を移動する。この場合、ステップST12を実施すると、出荷番重T2にて列方向何れか一端側におにぎりWを寄せて載置することができる。更に、ステップST12での仮載置部5の移動制御において、第2の保持装置4BによるおにぎりWの搬出後、おにぎりWが仮載置部5の列方向何れか一端側に寄せた状態で載置されるようにする。以上により、現時点の出荷番重T2に対し搬送数m個全ての搬送を終了する。
なお、ステップST13の実施後、仮載置部5に載置されているおにぎりWが少なくとも1個ある状態、つまり載置数k≠0であることを把握部101aにて把握することで、仮載置部5へのおにぎりWの搬送は不要となる。従って、n個のおにぎりWを保持した第1の保持装置4Aは、製品番重T1の上方で待機した状態が維持される。
ステップST11を経てステップ01に戻った後、出荷番重T2におにぎりWを更に搬送する場合、先の搬送にて出荷番重T2におにぎりWが存在している。この場合、ステップST04、12における位置調整部101eの制御によって、搬送済みのおにぎりWに対して列方向で隣り合って収容できるように仮載置部5を移動制御しておにぎりWの列方向の位置を調整してもよい。また、ステップST08、13における搬送制御部101cの制御によって、搬送済みのおにぎりWに対して前後で異なる列に、おにぎりWが収容されるように搬送してもよい。
上記のように出荷番重T2への搬送数m個の搬送を終了した後、おにぎりWが載置された出荷番重T2を搬出し、製品番重T1の前方に空の出荷番重T2を搬入する。そして、上記の要領で次回の動作の搬送を実施することで、搬送を繰り返し実施することができる。なお、各回の動作の前には、取出調整部101gにて上述したように製品番重T1の最前列のおにぎりWを第1の保持装置4Aが保持するように第1の移動部6を制御する。
次に、出荷番重T2へのおにぎりWの搬送方法について、図13及び図14を参照して具体例を挙げて説明する。図13及び図14は、出荷番重への搬送の流れの一例を示す説明図である。ここでは、図13Aに示すように、製品番重T1には、おにぎりWが起立した状態で列方向(左右方向)に8個(n=8)、前後方向に3個並んで収容される。また、出荷番重T2にはおにぎりW等の収容物が全くなく、製品番重T1から仮載置部5におにぎりWが左側に寄せて5個載置されている状態(載置数k=5)とする。更に、製品番重T1で同一列8個全てのおにぎりWが第1の保持装置4Aで保持されて製品番重T1の上方で待機した状態とする。
先ず、この状態にて、搬送数を7個(m=7)のおにぎりWを出荷番重T2内の左端側に寄せた位置に搬送する場合について図13及び図14を用いて説明する。なお、以下の具体例の説明にて、上記各ステップに対応する動作や処理等については、括弧書きにてステップの符号を併記する。
初めに、予め記憶したデータ等に基づき、出荷番重T2へのおにぎりWの搬送数m個として7個を把握し(ST01)、仮載置部5のおにぎりWの載置数k個として5個を把握する(ST02)。また、仮載置部5のおにぎりWの載置数(5個)とおにぎりWの搬送数(7個)とを比較し、搬送数の方が多いことを把握する(ST03:YES)。おにぎりWの搬送数が多いとの比較結果から、先ず、仮載置部5の5個全てのおにぎりWを搬送するようにする。この搬送では、第2の保持装置4Bで仮載置部5の5個全てのおにぎりWを保持し得る位置に仮載置部5を移動して位置決めする(ST04)。また、この位置決めでは、図13Aに示すように、仮載置部5の最も左側のおにぎりWにおける列方向の位置が、出荷番重T2の左端側近傍となるように制御する(ST04)。
次いで、図13Aの二点鎖線で示すように、仮載置部5の上方に第2の保持装置4Bを移動する。その後、第2の保持装置4Bの左から5体の保持機構9にて、その下方で列方向に並ぶ5個のおにぎりWを保持する。おにぎりWの保持後、第2の保持装置4Bを前方に移動し、図13Bに示すように、出荷番重T2の前側における上方にて位置決めする。そして、保持した5個全てのおにぎりWを下降することで、出荷番重T2内にて左端側に寄せた状態となって載置、搬送される(ST05)。
ここで、仮載置部5のおにぎりWの載置数とおにぎりWの搬送数との比較によって、仮載置部5の載置数が0になることを把握する(ST06)。この把握後、図示例では、第1の保持装置4Aの各保持機構9と仮載置部5の収容スペース5gとの列方向の位置が一致しているので、仮載置部5を停止したままとする(ST07)。また、かかる把握によって、8個のおにぎりWを保持して待機中の第1の保持装置4Aを前方に移動し、仮載置部5の上方にて位置決めする。そして、おにぎりWを下降してから第1の保持装置4Aの保持を同時に解除し、保持した8個全てのおにぎりWを仮載置部5に載置して搬送する(ST08)。
なお、第1の保持装置4Aによる搬送は、第2の保持装置4Bによる出荷番重T2への搬送の後、或いは同じタイミングで実施することができる。
次に、図14Aに示すように、第1の保持装置4Aを後方に移動し、その時点で製品番重T1の最前位置にて並ぶおにぎりWの上方にて位置決めする。そして、第1の保持装置4Aの8体全ての保持機構9にて、その下方にて並ぶ同一列n個全てのおにぎりWを同時に保持し、この保持を維持したまま製品番重T1の上方にて待機する(ST09)。
また、出荷番重T2に5個のおにぎりWを搬送しており、合計で7個のおにぎりWを搬送するため、7個から5個を除算することで、おにぎりWの新たな搬送数を2個として更新する(ST10)。この搬送数m個が0でないと判定してから(ST11)、搬送数が2個であることを改めて把握し(ST01)、仮載置部5のおにぎりWの載置数k個が8個であると改めて把握する(ST02)。
続いて、仮載置部5のおにぎりWの載置数(8個)とおにぎりWの搬送数(2個)とを比較し、搬送数の方が少ないことを把握する(ST03:NO)。おにぎりWの搬送数が少ないとの比較結果から、仮載置部5の8個のおにぎりWのうち2個を、搬送済みの5個のおにぎりWの右側にスペースを空けないように搬送する。この搬送では、第2の保持装置4Bで仮載置部5の8個のおにぎりWのうち2個を保持し得る位置に仮載置部5を移動して位置決めする(ST12)。また、この位置決めでは、図14Aに示すように、第2の保持装置4Bの各保持機構9と仮載置部5の収容スペース5gとの列方向の位置が揃った位置からおにぎりWの厚さ1個(n−m個)分、仮載置部5を左方向に移動して位置決めする(ST12)。この位置決めにて、仮載置部5の8個のおにぎりWのうち右端側に位置するおにぎりWと、出荷番重T2に載置されるおにぎりWの予定位置(図14Aにて点線で図示)のうち最も右側の予定位置が同じ位置になるよう調整する。なお、図示例とは異なるが、仮載置部5の8個のおにぎりWのうち左端側に位置するおにぎりWと、出荷番重T2に載置されるおにぎりWの予定位置のうち最も左側の予定位置とが同じ位置になるよう仮載置部5を移動してもよい。さらに、これらの制御を条件によって使い分けてもよい。例えば、右端側を同じ位置になるよう調整した場合の仮載置部5の移動量と、左端側を同じ位置になるように調整した場合との仮載置部5の移動量とを比較し、移動量の少ない方を選択して制御してもよい。または、通常は一端側のみで揃える制御とし、移動量があらかじめ設定した一定値を超過した場合のみ、他端側を基準とするような制御にしてもよい。
次いで、図14Aの二点鎖線で示すように、仮載置部5の上方に第2の保持装置4Bを移動する。その後、第2の保持装置4Bの右から2番目及び3番目の2体の保持機構9にて、その下方に位置する2個のおにぎりWを保持する。おにぎりWの保持後、第2の保持装置4Bを前方に移動し、図14Bに示すように、出荷番重T2の前側における上方にて位置決めする。そして、搬送済みの5個のおにぎりWの右隣りであって、保持した2個のおにぎりWを出荷番重T2内に載置して搬送する(ST13)。これにより、出荷番重T2へ7個のおにぎりWが列方向に連続して載置されて搬送が完了する。
なお、2個のおにぎりWを出荷番重T2に追加する搬送後、仮載置部5におにぎりWが載置数6個として少なくとも1個以上載置されるので、第1の保持装置4AではおにぎりWを保持したまま待機状態を維持する。
上記説明では、おにぎりWの搬送数を7個(m=7)としたが、搬送数を仮載置部5のおにぎりWの載置数5個と同数とした場合、図13A及び図13Bで示した動作によって搬送が完了する。
ここで、おにぎりWの搬送数を仮載置部5のおにぎりWの載置数より少なくした場合について、図13A及び図15を参照して説明する。図15は、出荷番重への搬送の流れの他の例を示す説明図である。ここでは、上記説明の搬送数7個に対して搬送数を3個に変更し、その他の条件は、上記と同一とした場合について説明する。
図13Aの状態から3個のおにぎりを出荷番重T2へ搬送する場合、図15に示すように、仮載置部5を左方向に移動して位置決めする。具体的には、第2の保持装置4Bの各保持機構9と仮載置部5の収容スペース5gとの列方向の位置が揃った位置からおにぎりWの厚さ2個(k−m個)分、仮載置部5を左方向に移動して位置決めする(ST12)。これにより、第2の保持装置4Bの左から1〜3番目の3体の保持機構9にて、3個のおにぎりWを保持でき、出荷番重T2内にて左端側に寄せるよう3個のおにぎりWを収容することができる(ST13)。また、3個のおにぎりWの搬送後、仮載置部5では2個(k−m個)のおにぎりWが仮載置部5の左端側に寄せた状態で載置されるよう維持される。なお、この搬送では、第1の保持装置4Aによる搬送を行わずに待機させておくことで搬送が完了する。
更に、おにぎりWの搬送数を9個以上、例えば10個とした場合、仮載置部5の5個のおにぎりWを出荷番重T2に搬送後、その右隣に3個のおにぎりWを搬送して列方向に8個のおにぎりWを並べて収容する。そして、不足分の2個については、仮載置部5から一列で8個並んだおにぎりWの後方位置に搬送するよう搬送制御部101c及び位置調整部101e等による制御して10個のおにぎりWを搬送してもよい。また、仮載置部5の5個のおにぎりWを出荷番重T2に搬送後、その5個のおにぎりWの後方位置に仮載置部5から更に5個のおにぎりWを搬送するよう制御を行ってもよい。
ところで、上記実施の形態の搬送装置における効果を考察するため、比較例として、仮載置部5を省略した構成を考える。かかる構成では、例えば、図16Aに示すように、製品番重T1から5個のおにぎりWを搬出する場合、最前列で列方向に並ぶ8個のおにぎりWのうち、右側の5個のおにぎりWを保持装置4Aにて保持して製品番重T1から取り出す。これにより、製品番重T1では最前列にて3個のおにぎりWが搬送待ちとして残ったままとなり、そのうち、最も右側のおにぎりW1の右隣りに空きスペースSが生じる。このため、図16Bに示すように、製品番重T1の振動等の外力によって、最も右側のおにぎりW1が自立できなくなると、かかるおにぎりW1が右側に倒れてしまう。このように倒れたおにぎりW1は、図16Cの二点鎖線で示すように、次回の搬送にて、例えば3個のおにぎりWを搬出しようとしても、保持装置4Aで保持できなくなる。この結果、搬送個数の不足が発生する上、製品番重T1に意図しないおにぎりW1が倒れて残ったままになりおにぎりW1が無駄になってしまう。
この点、本実施の形態では、製品番重T1で列方向に並ぶ一列全てのおにぎりWを第1の保持装置4Aが保持し、その全部を仮載置部5に載置する。そして、仮載置部5から第2の保持装置4Bで出荷番重T2に搬送し、仮載置部5のおにぎりWがなくなると、仮載置部5におにぎりWを補充するよう上述のように製品番重T1から搬送し、仮載置部5から出荷番重T2への搬送を継続することができる。
これにより、出荷番重T2への搬送数を任意に設定しても、製品番重T1からおにぎりWを取り出す際には、一列全てのおにぎりWの取り出しを維持することができ、図16Aのように空きスペースSが発生することを回避することができる。かかる空きスペースSの発生を回避することで、図16Bで示したおにぎりW1の倒れを防止することができ、次回以降の搬送での個数不足や、製品番重T1での意図しない残存によりおにぎりW1の回収等の手間が発生することを回避することができる。
また、仮載置部5において、左右の側壁5d、5eや仕切壁5fの間に各おにぎりWが載置、収容されるので、仮載置部5が列方向に加速や減速しておにぎりWに倒れる方向の力が作用しても、おにぎりWの起立状態を良好に維持でき、搬送不良の発生を防ぐことができる。
また、仮載置部5を第3の移動部8によって列方向に移動させ、仮載置部5の移動方向と、各保持装置4A、4Bで保持する複数のおにぎりWの並び方向とを両方とも左右方向として揃えている。これにより、第1の移動部6及び第2の移動部7による各保持装置4A、4Bの移動方向を、列方向を含めた二軸方向としなくてもよくなり、構成の簡略化を図ることができる。しかも、各保持装置4A、4Bを移動させる第1の移動部6及び第2の移動部7の移動方向を前後方向だけの一軸方向としても、各保持装置4A、4Bにて複数の保持機構9からおにぎりWを保持する保持機構9を選択して搬送可能となる。
また、各保持装置4A、4Bの移動方向が前後方向だけの一軸方向となるので、各保持装置4A、4Bの把持部10、20で吊り下げるようにおにぎりWを保持しても、搬送中におにぎりWが左右方向に揺動することを防止することができる。
また、上記実施の形態では、位置調整部101eにて、仮載置部5の列方向一端側におにぎりWを寄せて載置した状態を維持するよう制御するので、仮載置部5に載置されるおにぎりWの位置が把握し易くなる。これにより、次回以降の動作で、第3の移動部8にて仮載置部5を移動させる制御負担を軽減することができる。
また、上記実施の形態では、仮載置部5からの搬送で出荷番重T2の列方向一端側におにぎりWを寄せて載置する制御を位置調整部101eにて行っている。これにより、出荷番重T2でおにぎりWを整理した状態で収容でき、出荷番重T2内のスペースを有効利用することができる。
また、本発明の実施の形態は上記の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
上記各実施の形態では、把持する物品をおにぎりWとしたが、保持機構9によって保持できる物品であれば何ら限定されるものでない。例えば、三角形状以外の袋等で包装されたおにぎりとする他、サンドイッチやパン、弁当等の他の食品としたり、箱やトレイによって梱包されたものとしてもよい。
また、第1の容器及び第2の容器として番重T1、T2を用いた場合を説明したが、これに限られるものでなく、収容する物品等に応じて種々の容器を用いることができる。更に、直交二方向に整列する物品(おにぎり)の個数は、二方向それぞれに複数並んでいれば、任意とすることができ、各保持装置4A、4Bでは、何れか一方向での一列全ての物品(おにぎり)を保持し得るように保持機構9が設けられる。
また、保持機構9としては、上記のようにおにぎりWを挟持する構成の他、おにぎりWの外周面を吸着して保持する吸着パッドとしてもよい。吸着パッドは負圧発生装置に連通して負圧を生じさせ、おにぎりWの外面を真空吸着することで物品を保持可能となる。
また、搬送装置1においては、製品番重T1を列方向(左右方向)に複数並べて載置し、これに応じて、各保持装置4A、4B、仮載置部5、各移動部6〜8の設置数を増設してもよい。この場合、送り装置3に載置される出荷番重T2も製品番重T1に応じて複数となり、また、複数の製品番重T1それぞれに異なるおにぎりWを収容することで、出荷番重T2に複数種のおにぎりWを詰め込むことができる。
また、第1の移動部6及び第2の移動部7による各保持装置4A、4Bの移動方向は、前後方向となる直線方向に限定されるものでなく変更してもよい。例えば、各保持装置4A、4Bを移動させる軌道が上面視で円弧に沿う方向としてもよく、この場合、該円弧と第3の移動部8による仮載置部5の移動軌跡との交点にて、該移動軌跡が該円弧の接線に直交する位置関係とすることが好ましい。
また、第1の移動部6及び第2の移動部7は、各保持装置4A、4Bを上面視で前後方向に移動させ、且つ、列方向(左右方向)にも移動させるようにしてもよい。つまり、第1の移動部6及び第2の移動部7によって、各保持装置4A、4Bを上面視で平面上を自由に二軸移動可能としてもよい。この場合、上記実施の形態にて、第3の移動部8にて仮載置部5を列方向に移動するよう制御していたが、これに代えて、第1の移動部6及び第2の移動部7にて各保持装置4A、4Bを列方向に移動制御して列方向の位置を調整、制御するようにしてもよい。
また、仮載置部5は、図示構成例に限られずに種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態の仮載置部5に対し、上面が平らな底壁5aだけの構成としたり、前壁5b及び後壁5cを省略したりしてもよい。更に、底壁5a上にて仕切壁5fを省略し、倒れ規制部として機能する構成を側壁5d、5eだけとしてもよい。また、倒れ規制部にあっては、収容スペース5g単位で仕切壁5fを形成したり、容器状の壁体が立設するよう形成したりしてもよい。
また、上記実施の形態では、ガイド部材76を介して押さえ部材71の自重による押さえ力をおにぎりWに作用させたが、自重に替え或いは自重に加えて付勢手段によって押さえ力を作用させてもよい。付勢手段としては、コイルばね等の弾性部材によって押さえ部材71を下方に付勢し、シリンダやリニアモータによって押さえ部材71を上方に退避させる構成を例示できる。かかる構成は、中間固定板4bの上面側に設置するとよい。
また、位置調整部101eでは、仮載置部5に載置される複数個のおにぎりWが列方向に連続して載置されている限りにおいて、仮載置部5の列方向の何れか一端側に寄せずに載置するようにしてもよい。言い換えると、仮載置部5にて、列方向で隣り合う複数個のおにぎりWの間に空の収容スペース5gがなく、並んで載置されたおにぎりWの列方向両側に空の収容スペース5gが存在するようにしてもよい。