JP2019085125A - 包装体 - Google Patents

包装体 Download PDF

Info

Publication number
JP2019085125A
JP2019085125A JP2017212512A JP2017212512A JP2019085125A JP 2019085125 A JP2019085125 A JP 2019085125A JP 2017212512 A JP2017212512 A JP 2017212512A JP 2017212512 A JP2017212512 A JP 2017212512A JP 2019085125 A JP2019085125 A JP 2019085125A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
package
cylindrical container
sheet
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017212512A
Other languages
English (en)
Inventor
大樹 柴田
Daiki Shibata
大樹 柴田
晃輔 鎌田
Kosuke Kamata
晃輔 鎌田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichiyu Giken Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nichiyu Giken Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichiyu Giken Kogyo Co Ltd filed Critical Nichiyu Giken Kogyo Co Ltd
Priority to JP2017212512A priority Critical patent/JP2019085125A/ja
Publication of JP2019085125A publication Critical patent/JP2019085125A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Packages (AREA)

Abstract

【課題】運搬時や敷設時に種子及び肥料のような植生材、並びに硬化性組成物のような内容物の流動や移動を生じず、変形しないことにより取扱性や敷設性に優れるとともに、内容物に所期の一定量の液体を簡便に吸収させることができ、安価に製造可能な包装体を提供する。【解決手段】包装体1は、液体を透過する空隙及び/又は多孔を備え矩形をなした透液性シート10aからなりその一辺に沿って透液性シート10a同士での接合部位14で重なって接合された筒状胴部11とその両端で窄まって接合された両端閉塞部12a,13aとを有している筒状容器10が透液性シート10aの坪量又は目付を10〜40g/m2とし、液体と接触させるべき粒状、粉状、固形状、ゲル状、含液流動状、及び/又は含液固形状の内容物20を詰込んだまま封入して緊張しているものである。【選択図】図1

Description

本発明は、種子及び肥料のような植生材料やセメントのような硬化性組成物を収容してこれらに水のような液体を吸収させた後、土中や地盤に埋めて緑化や地盤補強に用いられる包装体に関する。
豪雨による過剰の含水や、地震による揺れによって法面や軟弱地盤の土砂が流出したり崩落したりするのを防止するのに、法面に草木を繁殖させて緑化することが行われている。草木が法面や軟弱地盤に根を張ることにより、これらを補強することができる。
法面の緑化の一例として、筒状袋内に土や保水材のような植生基盤材を充填して植生基盤体を形成し、この植生基盤体の側面の一部でそれの長手方向に沿って種子及び肥料からなる植生材を植生促進シートの内側に付着させつつ、植生基盤体を包んで柱状植生体を形成し、この柱状植生体の複数本を植物性のマット本体内に並べた植生マットが、特許文献1に開示されている。
この植生マットによれば、種子を含む植生材が植生促進シート及びマット本体に被覆されているので、降雨や雪解け水によって植生材が流出せず、かつ植生基盤材内の保水材によって水が植生材に供給されるので、種子の発芽率を向上させることができる。
しかし、植生基盤材や植生材をシートやマットで包んだだけであるので、柱状植生体を運搬したり法面に並べたりする際、作業者は柱状植生体から植生基盤台や植生体が脱落しないように取り扱わなければならない。しかも作業者が柱状植生体を手に持つと、これが変形して植生材が柱状植生体内で移動することにより偏って、種子が植生マットから均一に発芽しない。また植生基盤材内の保水材も偏る上、保水材は植生材と筒状袋によって隔離されているので、種子の発芽及びその後の生育に不可欠な水を、均一にかつ満遍なく植生材に供給することができない。そのため作業者は、柱状植生体を傾けることなくマット本体に並べなければならない。
一方、法面の緑化の別な例として、ウェブとこのウェブに所定間隔で取り付けられた複数の種子収納容器とからなり、この種子収納容器に種子と保水材とが装填されているマルチング材が、特許文献2に開示されている。このマルチング材をロール状に巻き、法面でこれを展開して敷設する際、種子収納容器内で種子と保水材とが不規則に掻き回されることにより、種子と保水材とが両者の比重差に起因して分離して、種子が種子収納容器内で偏在する。このような種子は発芽や生育が阻害されてしまう。また保水材に予め含水させておかなければならないので、含水から敷設までに水分が蒸発してしまう。このような場合、マルチング材の敷設直前に種子収容容器に注水したり、敷設直後に法面へ散水したりすることを要する。このことは、敷設工程を煩雑化させている。
また、繊維布で形成された袋体に、水との接触によって硬化するセメントのような硬化性組成物を収容した包装体が知られている。図7に、このような包装体の一例を示す。従来の包装体50は、水に浸漬された後、法面や軟弱地盤に埋設されることにより、これらを補強する工事に用いられる。
矩形をなしている繊維布51は、図7(a)に示すように、それの向い合う縁部で、それの内面51a同士が重ねられていることにより、筒状部51b及び重合せ部51cを有している。さらに、同図(b)に示すように、筒状部51bと重合せ部51cとの境を一直線に縫い合わせている糸52と、繊維布51の上下端部で複数回巻かれた重畳部51dと、重畳部51dを巻き戻し不能に留めているステープラ53とによって、袋体54が形成されている。この袋体54に硬化性組成物55が収容されている。内面51a同士を重ね合わせて重合せ部51cを形成する手法は、合掌貼りと呼ばれ、筒状部51bから重合せ部51cが突き出るように形成するものである。
このような従来の包装体50によれば、袋体54が繊維布51、糸52、及びステープラ53という3種もの部材によって形成されていることの所為で、原材料コストの低減が困難である上、製造工程の複雑化を招来し、このことが製造コストを高止まりさせている。
特開2014−73105号公報 特開平9−121621号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、運搬時や敷設時に種子及び肥料のような植生材、並びに硬化性組成物のような内容物の流動や移動を生じず、変形しないことにより取扱性や敷設性に優れるとともに、内容物に所期の一定量の液体を簡便に吸収させることができ、安価に製造可能な包装体を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた本発明の包装体は、液体を透過する空隙及び/又は多孔を備え矩形をなした透液性のシート及び/又はメッシュ、又は前記液体に溶解する溶解性のシート及び/又はメッシュからなりその一辺に沿って前記シート及び/又は前記メッシュ同士での接合部位で重なって接合された筒状胴部とその両端で窄まって接合された両端閉塞部とを有している筒状容器が前記シート及び/又はメッシュの坪量又は目付を10〜40g/mとし、前記液体と接触させるべき粒状、粉状、固形状、ゲル状、含液流動状、及び/又は含液固形状の内容物を詰込んだまま封入して緊張しているものである。
包装体は、例えば、前記シート及び/又はメッシュが、長辺と短辺とを有する矩形をなしており、前記筒状胴部が前記長辺に沿い相互に内側外側各片面での前記接合部位で重なって接合されて形成されているものが挙げられる。
包装体は、前記接合部位が、前記内側外側各片面で重なり、貼り付けられており又は融着されており、それによって接合されていてもよい。
包装体は、例えば、複数の前記シート及び/又はメッシュが、相互に前記内側外側各片面での前記接合部位で重なって接合されていることにより、前記筒状容器が複数の前記接合部位を有しているものが挙げられる。
包装体は、前記シート及び/又はメッシュが、長辺と短辺とを有する矩形をなしており、前記筒状胴部が前記長辺に沿い相互に内側面同士での前記接合部位で重なって接合されて形成されていてもよい。
包装体は、例えば、前記接合部位が、前記内側面同士で重なり、貼り付けられており又は融着されており、それによって接合されているものが挙げられる。
包装体は、前記両端閉塞部が、少なくとも一方で折り返されていて、融着接合していてもよい。
包装体は、前記筒状容器が緊張して50〜700mmの長さと8〜50mmの径とを有していてもよい。
包装体は、例えば、前記液体が水を含んでおり、前記内容物が植生材、土砂、セメント含有組成物、及び硬化性樹脂から選ばれる少なくとも一種であるものが挙げられる。
本発明の包装体は、内容物を筒状容器に密に詰め込んでいることにより、それを筒状容器内で流動させないので、内容物が筒状容器内で偏ったり異なる比重を有する成分同士の分離を生じたりせず、内容物の均質な混合状態を保つことができる。しかも、筒状容器が緊張しているので、包装体を傾けたり振ったりしてもそれの外形が変化せず、保管時、運搬時、及び使用時の取扱性に優れている。
包装体は、筒状容器がシート及び/又はメッシュからなっており、糸やステープラを不要としているという簡素な構成であるので、速やかにかつ安価に製造することができる。
包装体は、液体を透過する透液性シート及び/又はメッシュ製の筒状容器を有している場合、内容物と水のような液体とを接触させるのに必要な操作は、包装体ごと液体に浸漬するだけである。また液体に溶解する溶解性シート及び/又はメッシュ製の筒状容器を有している場合、内容物と水とを接触させるのに必要な操作は、例えば包装体を土中に埋設した後、水をその上から注ぐだけである。このように本発明の包装体によれば、極めて簡素な操作で内容物と液体とを接触させることができる。しかも内容物が筒状容器に密に詰め込まれているから、筒状容器内に余分の空間をほとんど有していないことに起因して内容物に液体の一定量だけを吸収させることができ、過剰の吸収を防止できる。
包装体は、筒状容器が坪量又は目付10〜40g/mのシート等からなり、それの長辺に沿い相互に内側外側各片面での接合部位で重なって接合されているという所謂封筒貼り又は内側面同士での接合部位で重なって接合されているという所謂合掌貼りで形成されていると、筒状容器が緊張するほど内容物を詰め込むことができる十分な強度を有している。それによって、包装体は、液体への浸漬後に取り出された包装体に手で取り扱い可能な程度の保形性を有している。
包装体は、内容物として種子、腐葉土及び肥料のような植生材を有していると法面や砂漠の緑化に用いることができ、セメント含有組成物や硬化性樹脂を有していると地盤補強に用いることができる。このように包装体は、多様な用途に適用することができる。
本発明を適用する包装体の一形態を示す斜視図である。 本発明を適用する包装体の製造途中を示す斜視図である。 本発明を適用する包装体の使用方法の一形態を示す模式部分断面図である。 本発明を適用する別な包装体の製造途中を示す斜視図である。 本発明を適用する別な包装体の製造途中を示す斜視図である。 本発明を適用する別な包装体の製造途中を示す斜視図である。 本発明を適用外である従来の包装体、及びそれの製造途中を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の包装体の一形態の斜視図を図1に示す。包装体1は、筒状容器10とこれに封入された内容物である植生材20とを有している。包装体1は、所定の時間、液体に浸漬されて植生材20に吸水させた後、土中に埋設されるものである。この液体は、例えば水である(図3参照)。包装体1は、長尺の筒形をなしている筒状胴部11と、それの両端で窄まった上端部12及び下端部13とを有している。
植生材20は、例えば種子、土、肥料、及び保水材から選ばれる少なくとも一種の粒状物、ゲル状物、含液流動状物、及び/又は含液固形状物である。具体的にこれらのすべてを含んでいる均質な混合物であることが好ましい。これらの粒状物は互いに異なる比重を有している。
筒状容器10は、不織繊維である紙と熱可塑性樹脂繊維との混紡シートである長辺と短辺とを有する矩形の不織シートである透液性シート10aで形成されている。この透液性シート10aの表面である外側面10aと裏面である内側面10aとの縁部で、透液性シート10aの長辺に沿いつつ互いに表裏各片面(図2(a)参照)が熱融着で貼り合わされて接合されている。それにより、筒状容器10は接合部位14を有している。このような貼り合わせの手法は、封筒貼りと呼ばれる。封筒貼りが施されることにより、接合部位14はその両縁で接合縁14aを有している。
筒状容器10を形成している透液性シート10aは、互いに複雑に重なり合った無数の繊維の集合体であり、繊維と繊維との間は水のような液体を透過させる多孔である。透液性シート10aの坪量又は目付は、10〜40g/mであることが好ましく、15〜40g/mであることがより好ましく、18〜30g/mであることがより一層好ましく、18g/mであるとなお一層好ましい。透液性シート10aの坪量又は目付がこの範囲であることにより、手で取扱うのに十分で適度な強度と、発芽した種子から伸びた胚軸が突き破ることが可能な裂開性とを包装体1に付与することができる。水は、透液性シート10aに吸収されたり、浸透したり、透過したりする。
透液性シート10aの密度は、0.15〜0.45g/cmであることが好ましく、0.20〜0.40g/cmであることがより好ましく、0.25〜0.35g/cmであることがより一層好ましい。透液性シート10aの密度が上記の下限値未満であると、筒状容器10の強度が不足し、植生材20を充填する際や(図2(d)参照)、包装体1の運搬時・取扱時に筒状容器10が破損してしまう。一方、密度が上記の上限値を超えると、筒状容器10の透液性が不足して、植生材20の吸水完了までに長時間を要したり、これに吸水させることができなかったりする。
その結果、包装体1の保管時、運搬時、及び埋設時の作業性が向上するとともに、胚軸の生育を妨げない。また水の透過性に富むことから、水を植生材20へ短時間で浸透させることができるので、包装体1の水への浸漬時間を短縮できる。
包装体1の上端部12と下端部13とで、上端閉塞部12aと下端閉塞部13aとが、夫々筒状胴部11の中心軸の延長方向へ突き出ている。両端閉塞部12a,13aは、透液性シート10aの短辺側である両端部12,13での折込みと幾重の折返しとそれに引き続く熱融着とによって接合されているものである。この折返しによって、両端閉塞部12a,13は、夫々略矩形をなしており、植生材20を筒状容器10から遺漏させない。
上端部12は、上端閉塞部12aに連続しておりこれに向かって緩やかな曲面をなしつつドーム形に窄まった上端湾曲部12bを有している。上端湾曲部12bはそれの全周にわたって湾曲している。これと同様に下端部13も、下端閉塞部13aに連続しておりこれに向かって窄まったドーム形の下端湾曲部13bを有している。
両端閉塞部12a,13aが夫々筒状胴部11に向かって巻かれるように幾重にも折り返されていることによって植生材20は緊縮し、筒状容器10内に密に詰め込まれている。それにより植生材20による圧力が、筒状容器10に均等にかかっており、筒状胴部11及び両端湾曲部12b,13bはこの圧力に起因する応力によって緩みなく緊張している。筒状胴部11及び両端湾曲部12b,13bの内側面10bは植生材20に密着している。その結果包装体1は、上端部12と下端部13との間で、円断面を有する円柱形をなしている。さらに、密に詰め込まれた植生材20の種子、腐葉土、及び保水材は互いに緊密に接していることによって筒状容器10内で流動しないので、包装体1を傾けたり、鉛直方向に立たせたり、水平方向に載置したりしても、包装体1の外形が変化しない。このように包装体1は、向きにかかわらず、窄まった両端部12,13を有した円柱形を維持できるという保形性に富むので、植生材20に含まれる種子と腐葉土及び保水材とが流動して分離することなく、植生材20の均質な混合状態が保たれる。
透液性筒状容器10における植生材20の充填率の下限値は、90%であることが好ましく、95%であることがより好ましく、99%であることがより一層好ましい。充填率の上限値は、100%であることが好ましい。充填率がこの範囲であることにより、植生材20の筒状容器10内での流動を抑制できる。なお充填率とは、植生材20を筒状容器10に詰め込んだ際に、筒状容器10の内空に対する植生材20の嵩比である。
透液性シート10aは、それの長辺に略平行な接合部位14に沿った縦目15と、これに交わる横目16とを有している。透液性シート10aの縦目15方向の引張強さは、横目16方向よりも高いことが好ましい。具体的に、縦目15方向の引張強さは、6〜30N/15mmであることが好ましく、8〜15N/15mmであることがより好ましい。横目16方向の引張強さは、2〜15N/15mmであることが好ましく、4〜10N/15mmであることがより好ましい。
このように、不織シート10aの縦目15が横目16よりも高い引張強さを有しているので、植生材20の重量集中を特に生じ易い上下端湾曲部12b,13bに充分な強度を付与できる。その結果、取扱時に不意に包装体1が床面や地面に落下したとしても、透水性筒状容器10は破損せず、植生材20を遺漏させない。さらに筒状容器10は、縦目15に沿って裂開し易い。その結果、筒状容器10は生育する胚軸によって縦目15に沿って突き破られるので、植物の生育を阻害せず、確実に法面や軟弱地盤を緑化させて補強することができる。なお引張強さは、JIS P8813(2006)に準拠して求められる。
包装体1の上端湾曲部12bの上端から下端湾曲部13bの下端までの長さLが、50〜700mmであると好ましく、80〜600mmであるとより好ましい。また包装体1の径Dが、8〜50mmであると好ましく、10〜45mmであるとより好ましい。長さLが上記の上限値を超えると、包装体1が運搬時や埋設時に折れて植生材20を遺漏させてしまう。長さLが上記の下限値未満であると、包装体1を手で把持し難くなり、良好な取扱性を損なってしまう。径Dが上記の上限値を超えると、包装体1を水に長時間浸漬しても、それの中心部まで水が行き渡らない。径Dが上記の下限値未満であると、包装体1の強度が不足してそれの運搬時や埋設時に、包装体1が折れてしまう。
両端閉塞部12a,13aの幅Wは、包装体1の径Dよりも小さく、両端閉塞部12a,13aは、径D方向に突き出ていない。それにより、包装体1の取扱性が向上している。幅Wは、径Dよりも小さければ特に限定されない。
透液性シート10aは、エンボス加工されていてもよい。それによれば、透液性シート10aの比表面積が増大し、エンボス加工された箇所同士が熱融着によって強固に張り付くので、熱融着により形成される接合部位14や両端閉塞部12a,13aの強度を向上させることができる。
透液性シート10aは、不織繊維と熱可塑性樹脂とを含んでいることが好ましい。不織繊維は、液体の透過性と伸縮性に乏しく水濡れによる易裂開性の観点から、紙であることが好ましい。このような不織繊維は、繊維の重なり合いによって空隙を有しているので、液体透過性に富んでいる。また熱可塑性樹脂は、不織繊維である紙の表面を被覆していたり、繊維状をなして紙に混入や混紡されていたり、紙に含浸されていたりすることが好ましい。
透液性シート10aに代えて又はこれとともに、紙及び/又は熱可塑性樹脂で形成された透液性メッシュを用いてもよい。この場合、透液性メッシュの網目によって形成された空隙を、水のような液体が透過する。
透液性シート10aや透水性メッシュの材料である紙は、セルロース繊維を主成分として含有している不織繊維であることが好ましく、具体的に、上質紙、中質紙、クラフト紙、ケント紙、模造紙、クレープ紙、ヒートロン紙、コーン抄紙、和紙、及びティーバッグ用紙並びにろ紙(JIS P0001(1998)に準拠)を挙げることができる。これらの原材料は、針葉樹を原材料とするパルプ・広葉樹を原材料とするパルプ等の木材パルプ、ミツマタ・ワラ・バガス・ヨシ・ケナフ・クワ等の非木材パルプ及び古紙パルプの何れか一つを用いてもよいし、複数を混合して形成してもよい。また紙は、レーヨン紙やアセテート紙のような化繊紙であってもよい。
透液性シート10aの材料である熱可塑性樹脂として、ポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びポリトリブチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66及びアラミドのようなポリアミド樹脂;アクリロニトリルを主成分とするポリアクリル樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂が、透液性シート10aに10〜60質量%含まれていることが好ましく、20〜50質量%含まれていることが好ましい。熱可塑性樹脂の含有率がこの範囲よりも低いと、透液性シート10aを十分に熱融着できず、筒状容器10に植生材20を詰め込む際や、包装体1を輸送したり取り扱ったりする際に、両端閉塞部12a,13aや接合部位14が剥がれてしまう。一方、含有率がこの範囲よりも高いと、筒状容器10の裂開性が低下し、種子から生じた胚軸の成長が妨げられる。
包装体1は、それの製造途中を示す図2を参照しつつ説明すると、次のようにして製造される。
まず透液性シート10aの原反を所定の大きさに裁断して矩形の透液性シート10aを切り出す。図2(a)に示すように、これを例えば円筒形の治具(不図示)に巻き付けて丸めて、筒状容器10の外側面10aとなる表面と、内側面10aとなる裏面とを、透液性シート10aの長辺に沿った縁部同士で重ねる。
この重ね部にヒートシーラーで熱と圧力とを加えて熱融着するという所謂封筒貼りを施すことにより、図2(b)に示すような接合部位14を形成する。それにより1枚の透液性シート10aで、上端部12及び下端部13で開口した円筒を作製する。この際、接合部位14の幅を2〜5mmとすることが好ましく、3〜4mmとすることがより好ましい。この範囲よりも狭いと接合部位14の強度が不足し、後の工程で植生材20を筒状容器10に充填する際に、接合部位14が剥がれてしまう。この範囲よりも広いと透液性シート10aを必要以上に使用するので、不経済である。なお、接合部位14を形成した後、透液性シート10aを原反から裁断してもよい。
図2(b)に示すように、下端部13の下端縁13cの向い合う部位同士を、円筒をなしている透液性シート10aの中心軸に向かって折り入れて下端折込み部13dを形成する。次いで同図(c)に示すように、下端縁13cの別な向い合う部位同士を重ね合わせて、上端部12に向って巻くように幾重にも折り返して下端部13の開口を閉じ、下端閉塞部13aを形成する。さらにヒートシーラーで熱と圧力とを加えて下端閉塞部13aを熱融着して、筒状容器10を作製する。
続いて図2(d)に示すように、上端部12の開口から、所定量の植生材20を筒状容器10に充填する。下端折込み部13dは植生材20の荷重によって引き伸ばされて膨らみ、緩やかな曲面をなすので、下端湾曲部13bはそれの全周にわたって湾曲したドーム形となる。最後に、上端部12に同図(b)及び(c)の工程を下端部13と同様に施して、植生材20を筒状容器10に封入する。ここで同図(c)の工程を上端部12に施す際、上端部12の折り返しを、筒状容器10内に充填された植生材20に突き当たり、かつ筒状胴部11及び両端湾曲部12b,13bが緊張するまで繰り返す。それによって、植生材20が、筒状容器10内で流動不能に緊密に詰め込まれたまま封入される。これらの工程を経て、包装体1が完成する。
筒状容器10において、透液性シート10aが液体を透過させる空隙を有していることにより、ヒートシーラーによって熱溶融した透液性シート10a中の樹脂がこの空隙に入り込んだ後に冷却されて硬化する。空隙に入り込んだ樹脂は、両端閉塞部12a,13a及び接合部位14で、透液性シート10a同士の接合面積を増大させていることに加え、アンカー効果を発現するので、両端閉塞部12a,13a及び接合部位14は強固に接合されている。それにより、筒状容器10に詰め込まれた植生材20の圧力によって両端湾曲部12b,13bや接合縁14aへこれらを剥離させる応力が生じていても、両端閉塞部12a,13a及び接合部位14は剥離しない。その結果筒状容器10は、緊張状態を維持できる。
植生材20の詰め込みによる高い圧力が、包装体1の径Dを増加させる方向に係っている。そのため、接合部位14の接合面に対して平行にせん断する方向へ高い応力がかかっている。筒状容器10は、封筒貼りによって形成されているので、高い応力は接合部位14の面全体に均一に生じ、接合部位14は剥離しない。
包装体1の使用方法を、法面の緑化工事の一例を示す斜視図である図3を参照しつつ説明する。
まず図3(a)に示すように、法面31の施工現場で、包装体1をトレイ42に入れられた水41に投入する。包装体1から気泡が出なくなるまで、これを浸漬し、筒状容器10を透過して浸入した水41を、植生材20に吸収させる。浸漬時間は、1〜10分間、好ましくは2〜8分間、より好ましくは3〜5分間である。それにより、植生材20中の腐葉土や保水材に水41を含ませる。植生材20が、筒状容器10に隙間なく密に詰め込まれていることにより、筒状容器10内に余分の空間がほとんどない。そのため、包装体1は植生材20に対する所要量を吸水完了後、水41へ浸漬され続けても、最早吸水しない。その結果、包装体1の過剰な吸水が防止され、これの埋設後に肥料や養分が流出したり、冬季の寒冷地で埋設した際に凍結した過剰の水分が種子の発芽を妨げたりするということが防止される。
透液性シート10aが上記の坪量又は目付を有しかつ樹脂を含む紙であることによって、水41への浸漬時間が短く済む上、容易に破れたり、繊維が水中に分散したりしない。また、包装体1が水41から取り出されても、筒状容器10は手で取り扱うことができる程度の強度を保持できる。なお、水41は容易にかつ安価に入手できることから、水道水であってもよく、これに肥料を溶解させた水溶液であってもよい。
図3(b)に示すように、必要に応じて包装体1を埋設するための穴32を、法面31に形成しておく。穴32は、包装体1の長さL及び径Dよりも幾分長い横と縦とを有し法面31に対して横長に形成することが好ましい。包装体1を水41から取り出し、包装体1を穴32に入れ、さらに土でその上を覆って包装体1を埋設する。それにより植生材20中の種子が法面31に播種される。これを繰り返して法面31に所定数の包装体1を埋設する。
図3(c)に示すように、法面31に埋設された包装体1中の種子がやがて発芽し、胚軸を生じて筒状容器10突き破り、地表に現れる。苗木33が法面31に根付いている。
このように包装体1によれば、これの埋設前に容器に注水したり、埋設後に散水したりすることを要さず、埋設直前に水41に所定時間浸漬するという簡素な手順で種子を播種できるので、法面緑化の施工管理を簡易にでき、施工コストを抑制することができる。
筒状容器10の材料として、紙と熱可塑性樹脂とを含む透液性シート10aを挙げたが、透液性シート10aは紙、又は熱可塑性樹脂のみからなるものであってもよい。また、透液性シート10a又は透液性メッシュは、生分解性樹脂製であってもよい。この場合、包装体1が土中に埋設された後、土中の微生物によって筒状容器10が分解されてそれの破片が残存しないので、環境負荷を減じることができる。この生分解性樹脂として、例えば、ポリ乳酸、エステル化デンプン、酢酸セルロース、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンテレフタレートサクシネート(PETS)、ポリブチレンサクシネートカーボネート(PEC)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリヒドロキシブチレートヒドロキシヘキサノエート(PHBH)、及びポリテトラメチレンアジペートテレフタレート(PTMAT)が挙げられる。
透液性シート10a及び透液性メッシュとともに、又はこれに代えて、水のような液体に溶解する溶解性シート及び/又は溶解性メッシュを用いてもよい。溶解性のシート及びメッシュを形成する溶解性樹脂として、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、マンナン、ローカストビーンガム、カラギーナン、ペクチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、大豆蛋白、小麦蛋白、グルテリン、グルカゴン、及びゼラチンが挙げられる。
包装体1の使用方法として法面31への埋設を挙げたが、包装体1は吸水後に、砂地や砂漠に埋設されることによって、これらの緑化を図ることができる。それによれば、砂漠や砂地において根を張りがたい植物であっても、発芽後に透液性シート10aに根を絡ませて成長させることができる。なおこの場合、地面に対して垂直方向に包装体1を埋設することが好ましい。それにより根が地中深く張り易くなって、砂地等であっても確りと植物を根付かせることができるとともに、根が地下水脈に到達することによって乾燥した砂漠等であっても植物を成長させることができる。
包装体1の内容物として、種子を含む植生材20を例示したが、植生材20は種子に代えて又はこれとともに苗、菌類、球根及び/又は種根のような種苗を含んでいてもよい。さらに、植生材20は、泥炭、亜炭、カニがら、貝化石、ゼオライト、パーライト、及び消石灰のような土壌改良資材、石炭窒素、なたね油かす、汚泥肥料、魚粕、化成肥料、及び有機肥料のような肥料や、培養土、腐葉土、家畜糞、及びバーク堆肥のような堆肥を含んでいていてもよい。なおバーク堆肥とは、樹皮、おがくず、剪定枝、及び/又は廃木材を粉砕して堆積発酵処理したものである。また内容物として、植生材20の他、土や砂のような土砂、セメント含有組成物、及び硬化性樹脂が挙げられる。これらは単独であっても複数種が組み合わされていてもよい。これらの内容物は、粒状、粉状、固形状、ゲル状、含液流動状、及び/又は含液固形状の形態であってもよい。例えば、ゲル状内容物として含水した吸水性ポリマー製保水材を、含液流動状内容物として汚泥肥料を、含液固形状内容物として腐葉土を、夫々挙げることができる。
例えば、内容物がセメント含有組成物である場合、包装体1を水に浸漬してセメント組成物を凝結させた後、法面や軟弱地盤の表面に対して垂直方向に埋設することが好ましい。その後に硬化したセメント含有組成物が、あたかも鉄筋のようなアンカーとなって、法面の崩落や、軟弱地盤の液状化を防止するという地盤改良を行うことができる。
セメント含有組成物として、ドライモルタル、無収縮グラウト、セメント、ポリマーセメントモルタル、ポリマーモルタル、及びポリマー含浸モルタルが挙げられる。硬化性樹脂として、有機過酸化物との接触により硬化する不飽和ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂が挙げられ、水との接触により効果する水硬性ポリウレタンが挙げられる。
また、内容物は水との接触によって硬化する樹脂や液状硬化剤との接触によって硬化する硬化性樹脂であってもよい。硬化性樹脂の硬化に液状硬化剤を要する場合、図3(a)に示した水41に代えて液状硬化剤を用いる。硬化性樹脂は、流動性を示す樹脂ペーストを経て硬化する。硬化性樹脂を内容物とする包装体1は上記同様に、地盤改良に用いることができる。
包装体1が地盤改良に用いられる場合、これの埋設直後、又は穴32に入れた直後に鋭利な先端を有する金属棒や削岩機を用いて液体透過性容器を破壊して、セメント含有組成物や硬化性樹脂を土中で流出させてもよい。それによって、吸水して流動性を示すセメント含有組成物等が土の粒子間に入り込んで土中に浸透するので、より高い地盤改良効果を得ることができる。
図4に包装体1の別な形態の製造途中の斜視図を示す。包装体1の筒状容器10は、複数枚の透液性シート10a,10bが封筒貼りされることにより、複数の接合部位14を有していてもよい。この場合、例えば、同図(a)に示すように、透液性シート10a,10bの長辺側の縁部同士が向き合うように夫々アーチ形に曲げる。第1の透液性シート10aの内側面10aと第2の透液性シート10bの内側面10bとを対向させつつ、第1の透液性シート10aの外側面10aと、第2の透液性シート10bの内側面10bとの長辺側の縁部同士を重ね、かつ第1の透液性シート10aの内側面10aと第2の透液性シート10bの外側面10bとを重ねて、それらの重ね部に封筒貼りを施す。それにより、同図(b)に示すように、複数の接合部位14を形成することができる。
また、複数の接合部位14を図5に示すように形成してもよい。アーチ形に曲げた第1の透液性シート10aの内側面10aと、これよりも大きい径のアーチ形に曲げた第2の透液性シート10bの内側面10bとを対向させつつ、第1の透液性シート10aの外側面10aと、第2の透液性シート10bの内側面10bとの一部同士を重ねて封筒貼りする。
図4及び5に示すように、複数の接合部位14を有する包装体1によれば、金属棒や削岩機によって突かれた際に裂ける接合縁14a数が増加するので、セメント含有組成物や硬化性樹脂が複数箇所から流出してより広範囲の土中に浸透するので、一層高い地盤改良効果を得ることができる。なお図4及び5で、筒状容器10が接合部位14を2箇所で有する例を示したが、筒状容器10が有する接合部位14の数はこれに限られず、3箇所であっても、それ以上であってもよい。さらに透液性シート10aは、二重、三重、又はそれ以上に重ねられて筒状容器10を形成していてもよい。
包装体1において、接合部位14は合掌貼りによって形成されていてもよい。図6に、包装体1の別な形態の製造工程の斜視図を示す。同図(d)に示す包装体1の筒状容器10は、矩形をなしたポリビニルアルコール製シートの溶解性シート10cによって形成されている。同図(a)に示すように、溶解性シート10cの向かい合う二辺と、この二辺を繋いでいる下端の一辺とに沿った部位で重ね合わせ、さらに同図(b)に示すように、この重合せ部位に沿ってヒートシールを施す。それにより、筒状容器10の内側面10c同士がそれらの部位で熱融着する。ヒートシールされた部位は、合掌貼りによって熱融着している。筒状容器10の側部でそれの上端と下端とを一直線につないでいる接合部位14と、筒状容器10の下端部13でそれの下端を閉塞している下端閉塞部13aとは、夫々の端部で直角をなしてつながったL字形をなしている。筒状容器10の上端部12は開いており、筒状容器10の内空は外界と連通している。
図6(c)に示すように、上端部12の開口から、所定量の植生材20を筒状容器10に入れる。下端部13で、植生材20の重さによって膨らんだ下端湾曲部13bが形成される。上端部12の開口縁を、それの全周にわたって植生材20の上端面20aに沿うように、かつこの開口縁から下端部13に向かって扱くようにヒートシールによって熱融着する。その結果、上端部12の開口が閉じられて上端閉塞部位12aが形成される。同図(d)に示すように、上端閉塞部位12a、接合部位14、及び下端閉塞部位13aは、上端部12と筒状容器10の側部と下端部13との三方でつながり、植生材20が筒状容器10内で流動不能に緊密に詰め込まれたまま封入される。それにより上端部12で下端部13と同様の形状をなした上端湾曲部12bが形成され、筒状容器10は、上端部12、筒状胴部11、及び下端部13にわたって緊張している。
筒状容器10が、水に可溶な溶解性シートであるポリビニルアルコール製であることにより、例えば、包装体1が図3に示すような法面緑化工事に用いられる際、同図(a)に示すような浸漬工程を省略することができる。この場合、包装体1を穴32に入れて埋設した後、水を法面31に散布することにより、法面31の土中に水をしみ込ませる。それにより筒状容器10が溶解するので、植生材20中の種子を法面31に播種することができる。
本発明の包装体を適用した実施例、及び本発明を適用外の比較例を以下に示す。
(実施例1)
パルプの60質量%と、ポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル繊維(融点220℃)の40質量%とが混紡され、18g/mの坪量を有する透液性シート10aを用意した。この透液性シート10aの縦目15方向及び横目16方向の引張強さを測定したところ、縦目15方向が10.8N/15mmであり、横目16方向が4.9N/15mmであった。透液性シート10aを、それの縦目15方向に沿って丸めて両端に開口を有する筒を形成し、外側面10aの一端と内側面10aの一端とを重ねてヒートシールにより熱融着して、縦目15に沿った幅3mmの接合部位14を形成した(封筒貼り)。筒の下端部13を潰して開口を閉じ、それにより形成された下端縁13cの両端同士が向い合うように下端部13を折り曲げた。さらに下端縁13cを上端部12に向かって複数回巻きながら折り返し、それにより重なった下端部13の一部をヒートシールによって熱融着して下端閉塞部13aを形成し、筒状容器10を得た。
筒状容器10の上端部12の開口から、内容物として粉状セメント含有組成物粉体であるドライモルタルの50gを、筒状容器10に充填した。最後に下端部13を形成するのと同様に操作して、上端閉塞部12aを形成し、ドライモルタルを詰め込んだ実施例の包装体1を得た。この包装体1の径Dは14mmであり、長さLは190mmであった。筒状容器10内はドライモルタルで満たされ、包装体1を傾けたり振ったりしてもドライモルタルは流動せず、包装体1の外形は変化しなかった。
(比較例1)
パルプの70質量%と、ポリプロピレン繊維(融点160℃)の30質量%とが混紡され、50g/mの坪量を有する繊維布を用意した。この繊維布の縦目方向及び横目方向の引張強さを測定したところ、縦目方向が24.5N/15mmであり、横目方向が9.7N/15mmであった。繊維布を、それの縦目方向に沿って丸めて両端に開口を有する筒を形成し、繊維布の一端で内面同士を重ね合わせ、そこを縦目方向に沿いつつ糸で縫製し、幅5mmの重合せ部を形成した(合掌貼り)。一方の開口部を折り畳んで塞ぎ、ステープラで留め、袋体を得た。未閉塞の開口から実施例と同種で同質量のドライモルタルを袋体に充填し、この開口部を折り畳んで塞いでからステープラで留めて、比較例1の包装体を得た。比較例1の包装体の筒状胴部の長さは190mm、長径は19mm、及び短径は11mmであった。比較例1の包装体を傾けたり振ったりしたところ、ドライモルタルが筒状胴部内で流動し、その都度比較例1の包装体の外形が変化した。
(吸水性試験)
実施例の包装体1と比較例の包装体とを夫々9本ずつ用意して、すべてについて重量を測定した。次いでそれらすべてを温度20℃の水に浸漬して吸水させ、浸漬開始から0.5分後に取り出し質量を計測した。吸水後質量に対する吸水前質量の比から吸水率を求めた。吸水時間を、1、2、3、5、8、10、12、及び14分間とした包装体についても、これと同様にして吸水率を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2019085125
表1に示すように、実施例の包装体1は吸水時間1〜14分間で吸水率が一定であるのに対し、比較例の包装体は吸水時間が長くなるにつれて吸水が進行し、吸水率が上昇した。実施例の包装体1は、水に浸漬するだけで所望の水量を内容物に吸収させることができるものであった。
(実施例2)
実施例1のドライモルタルに代えて、市販されている芝生の目土・目砂と、野芝の種子との混合物である植生材を用いたこと以外は、実施例1と同様に操作して実施例2の包装体1を得た。この包装体1の径D及び長さLは実施例1の包装体1と同一であった。筒状容器10内は植生材で満たされ、実施例2の包装体1を傾けたり振ったりしても植生材は流動せず、実施例1と同様に、包装体1の外形は変化しなかった。
(比較例2)
比較例1のドライモルタルに代えて、実施例2で用いた植生材を用いたこと以外は、比較例1と同様に操作して比較例2の包装体を得た。この包装体の径D及び長さLは比較例1の包装体と同一であった。比較例2の包装体を傾けたり振ったりしたところ、植生材が筒状胴部内で流動し、その都度比較例2の包装体の外形が変化した。
本発明の包装体は、法面、砂地、及び砂漠を緑化したり、法面及び軟弱地盤を補強したりするのに用いられる。
1は包装体、10は筒状容器、10aは透液性シート、10aは外側面、10aは内側面、10bは透液性シート、10bは外側面、10bは内側面、10cは溶解性シート、10cは内側面、11は筒状胴部、12は上端部、12aは上端閉塞部、12bは上端湾曲部、13は下端部、13aは下端閉塞部、13bは下端湾曲部、13cは下端縁、13dは下端折込み部、14は接合部位、14aは接合縁、15は縦目、16は横目、20は植生材、20aは上端面、31は法面、32は穴、33は苗木、41は水、42はトレイ、50は従来の包装体、51は繊維布、51aは内面、51bは筒状部、51cは重合せ部、51dは重畳部、52は糸、53はステープラ、54は袋体、55は硬化性組成物、Lは長さ、Dは径、Wは幅である。

Claims (9)

  1. 液体を透過する空隙及び/又は多孔を備え矩形をなした透液性のシート及び/又はメッシュ、又は前記液体に溶解する溶解性のシート及び/又はメッシュからなりその一辺に沿って前記シート及び/又は前記メッシュ同士での接合部位で重なって接合された筒状胴部とその両端で窄まって接合された両端閉塞部とを有している筒状容器が前記シート及び/又はメッシュの坪量又は目付を10〜40g/mとし、前記液体と接触させるべき粒状、粉状、固形状、ゲル状、含液流動状、及び/又は含液固形状の内容物を詰込んだまま封入して緊張していることを特徴とする包装体。
  2. 前記シート及び/又はメッシュが、長辺と短辺とを有する矩形をなしており、前記筒状胴部が前記長辺に沿い相互に内側外側各片面での前記接合部位で重なって接合されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
  3. 前記接合部位が、前記内側外側各片面で重なり、貼り付けられており又は融着されており、それによって接合されていることを特徴とする請求項2に記載の包装体。
  4. 複数の前記シート及び/又はメッシュが、相互に前記内側外側各片面での前記接合部位で重なって接合されていることにより、前記筒状容器が複数の前記接合部位を有していることを特徴とする請求項2又は3に記載の包装体。
  5. 前記シート及び/又はメッシュが、長辺と短辺とを有する矩形をなしており、前記筒状胴部が前記長辺に沿い相互に内側面同士での前記接合部位で重なって接合されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
  6. 前記接合部位が、前記内側面同士で重なり、貼り付けられており又は融着されており、それによって接合されていることを特徴とする請求項5に記載の包装体。
  7. 前記両端閉塞部が、少なくとも一方で折り返されていて、融着接合していることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の包装体。
  8. 前記筒状容器が緊張して50〜700mmの長さと8〜50mmの径とを有していることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の包装体。
  9. 前記液体が水を含んでおり、前記内容物が植生材、土砂、セメント含有組成物、及び硬化性樹脂から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の包装体。
JP2017212512A 2017-11-02 2017-11-02 包装体 Pending JP2019085125A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017212512A JP2019085125A (ja) 2017-11-02 2017-11-02 包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017212512A JP2019085125A (ja) 2017-11-02 2017-11-02 包装体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019085125A true JP2019085125A (ja) 2019-06-06

Family

ID=66762200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017212512A Pending JP2019085125A (ja) 2017-11-02 2017-11-02 包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019085125A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220138748A (ko) * 2021-04-06 2022-10-13 정해진 길이조절이 가능한 기능성 모션 포장지

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH063866U (ja) * 1992-06-25 1994-01-18 冨士シール工業株式会社 スリーブ体
JPH09296449A (ja) * 1996-04-30 1997-11-18 Tenryu Ind Co Ltd 生分解性樹脂からなる緑化資材
JP2003237826A (ja) * 2002-02-19 2003-08-27 Asahi Kasei Corp 練り製品用包装材および製造方法
JP2004100327A (ja) * 2002-09-11 2004-04-02 Shin Nippon Ryokka:Kk 植生袋
JP2004216701A (ja) * 2003-01-14 2004-08-05 Nippon Petrochemicals Co Ltd 通気性包装材料および包装体
JP2004278229A (ja) * 2003-03-18 2004-10-07 Nisshoku Corp 表土を利用した法面緑化方法及び植生袋
JP2004306310A (ja) * 2003-04-03 2004-11-04 Toppan Printing Co Ltd 透湿性、通気性包装材料及びそれを用いた袋
JP2006336193A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Adoban:Kk 緑化基盤造成方法および法面緑化構造体
JP2007023589A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Nisshoku Corp 法面緑化工法および法面緑化構造
JP2015010333A (ja) * 2013-06-26 2015-01-19 株式会社ケー・エフ・シー 鉄筋定着材、鉄筋定着製品、コンクリート躯体の増設構造及びコンクリート躯体の増設工法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH063866U (ja) * 1992-06-25 1994-01-18 冨士シール工業株式会社 スリーブ体
JPH09296449A (ja) * 1996-04-30 1997-11-18 Tenryu Ind Co Ltd 生分解性樹脂からなる緑化資材
JP2003237826A (ja) * 2002-02-19 2003-08-27 Asahi Kasei Corp 練り製品用包装材および製造方法
JP2004100327A (ja) * 2002-09-11 2004-04-02 Shin Nippon Ryokka:Kk 植生袋
JP2004216701A (ja) * 2003-01-14 2004-08-05 Nippon Petrochemicals Co Ltd 通気性包装材料および包装体
JP2004278229A (ja) * 2003-03-18 2004-10-07 Nisshoku Corp 表土を利用した法面緑化方法及び植生袋
JP2004306310A (ja) * 2003-04-03 2004-11-04 Toppan Printing Co Ltd 透湿性、通気性包装材料及びそれを用いた袋
JP2006336193A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Adoban:Kk 緑化基盤造成方法および法面緑化構造体
JP2007023589A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Nisshoku Corp 法面緑化工法および法面緑化構造
JP2015010333A (ja) * 2013-06-26 2015-01-19 株式会社ケー・エフ・シー 鉄筋定着材、鉄筋定着製品、コンクリート躯体の増設構造及びコンクリート躯体の増設工法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220138748A (ko) * 2021-04-06 2022-10-13 정해진 길이조절이 가능한 기능성 모션 포장지
KR102511770B1 (ko) * 2021-04-06 2023-03-17 정해진 길이조절이 가능한 기능성 모션 포장지

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3375607A (en) Briquette for growing of plants
JP6671707B2 (ja) 無土壌法面の緑化方法
JPS5937926B2 (ja) 栽培用土袋およびその製造方法
CN101480150B (zh) 一种压紧秸秆缓释肥种植器的苗木种植方法
JP2019085125A (ja) 包装体
CN101480155B (zh) 一种护坡苗木的栽种方法
JPH10136775A (ja) 緑化用袋体および緑化方法
JP2736011B2 (ja) 緑化用土嚢袋及び緑化用土嚢
KR100519984B1 (ko) 식생대 및 그 제조방법.
JP5470539B1 (ja) 岩盤緑化用筒状容器
JP2003176537A (ja) 緑化工法及び緑化構造
JP2002332639A (ja) 環境にやさしい緑化ネットおよび緑化工法
JPS6344817A (ja) 植栽用保水材
JP6717525B2 (ja) 斜面保護用具及びその防湿方法並びに斜面保護方法
JP3490591B2 (ja) 植生マット
JP2649030B2 (ja) 植生マット
JP2003278162A (ja) 植生用土のうおよびこれを用いる植生方法
JP3502167B2 (ja) 植物の植込みマット及びその使用方法
JP3933818B2 (ja) 植生用土嚢袋及びその製造方法
JPS636260Y2 (ja)
US20220228368A1 (en) Vegetated retaining wall block apparatus and method
KR102569995B1 (ko) 형상 가변형 식생 골막이낭 및 이를 이용한 골막이 시공방법
JP2829343B2 (ja) 天然繊維マット
JPH06146290A (ja) 植生マット
JPS636259Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200902

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211001

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220222