JP2829343B2 - 天然繊維マット - Google Patents

天然繊維マット

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JP2829343B2
JP2829343B2 JP6136540A JP13654094A JP2829343B2 JP 2829343 B2 JP2829343 B2 JP 2829343B2 JP 6136540 A JP6136540 A JP 6136540A JP 13654094 A JP13654094 A JP 13654094A JP 2829343 B2 JP2829343 B2 JP 2829343B2
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HIGASHINIPPON RYOKAKU TETSUDO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地面に敷設されて使用
される天然繊維マットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばスキー場のような山岳地帯や丘陵
地帯の斜面等には、土壌の安定化、や植物の生育の基盤
を作ること等を目的に、透水性を有するマットが敷設さ
れる。
【0003】このマットには、強風や多量の雨、雪、日
射、温度変化等の自然環境に対するに対する物理的およ
び化学的な耐久性が要求される。そのため、従来のマッ
トは、その全部または一部が、例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド(ナイロ
ン)等の合成樹脂で構成されていた。
【0004】しかしながら、このような従来のマットで
は、合成樹脂素材中から有機物質(例えば可塑剤等の添
加剤成分)が継続的に溶出して自然環境に害を及ぼした
り、腐食して土壌に対し融合することがないため、定期
的に除去または交換する必要があるという欠点がある。
【0005】また、天然素材を主とするマットも開発さ
れているが、それ自体強度が弱くかつ自己形状保持性を
有さないため、強風等により、ほぐれ、崩れ、めくれ
(剥れ)、破断等を生じ易く、従って、例えば合成樹脂
の繊維や線状体よりなるネットで包むなどの方法により
ガイド(圧縮)または補強しなければ使用できず、結
局、前述した欠点を解消するには至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、土壌
の侵食を有効に防止するとともに、環境に無害であり、
高強度でかつ植生の安定が図れ、緑化の促進に寄与する
天然繊維マットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(13)の本発明により達成される。
【0008】(1) 地面に敷設される天然繊維マット
であって、少なくとも1層の天然繊維の集合体よりなる
多孔質性の基材層を有し、該基材層は、それ自体で自己
形状保持性を有するものであり、前記基材層における前
記天然繊維の充填密度が、基材層を介しての種子の発芽
を妨げず、かつ屋外環境下での過酷な条件に耐え得るの
に十分な強度を有する程度に調整されていることを特徴
とする天然繊維マット。
【0009】(2) 前記天然繊維は、高張力天然繊維
である上記(1)に記載の天然繊維マット。
【0010】(3) 前記基材層は、天然繊維の不織布
または織編物よりなる上記(1)または(2)に記載の
天然繊維マット。
【0011】(4) 前記基材層中に、前記天然繊維同
士を結合する結合剤を有する上記(1)ないし(3)の
いずれか記載の天然繊維マット。
【0012】(5) 前記基材層の内部および/または
前記地面側の面に、少なくとも面方向に分散配置された
種子を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載
の天然繊維マット。
【0013】(6) 前記基材層の内部および/または
前記地面側の面に、種子の発育を助成する養分を有する
上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の天然繊維マ
ット。
【0014】(7) 前記基材層の前記地面側の面に、
少なくとも1層の保水性を有する保水層が接合されてい
る上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の天然繊維
マット。
【0015】(8) 前記保水層は、天然素材で構成さ
れている上記(7)に記載の天然繊維マット。
【0016】(9) 前記保水層は、前記基材層を構成
する天然繊維と材質および/または充填密度が異なる繊
維の集合体で構成されている上記(7)または(8)に
記載の天然繊維マット。
【0017】(10) 地面に敷設される天然繊維マッ
トであって、少なくとも1層の天然繊維の集合体よりな
る多孔質性の基材層と、該基材層の前記地面側の面に接
合された保水性を有する少なくとも1層の保水層とを有
し、前記基材層は、それ自体で自己形状保持性を有する
ものであり、前記保水層は、前記基材層を構成する天然
繊維と材質および/または充填密度が異なる繊維の集合
体で構成されていることを特徴とする天然繊維マット。
【0018】(11) 前記保水層は、天然繊維よりな
る不織布で構成された第1の層と、天然繊維よりなる網
状体で構成された第2の層とを接合してなるものである
上記(7)ないし(10)のいずれかに記載の天然繊維
マット。
【0019】(12) 前記保水層の内部および/また
は前記基材層側の面に、少なくとも面方向に分散配置さ
れた種子を有する上記(7)ないし(11)のいずれか
に記載の天然繊維マット。
【0020】(13) 前記保水層の内部および/また
は前記地面側の面に、種子の発育を助成する養分を有す
る上記(7)ないし(12)のいずれかに記載の天然繊
維マット。
【0021】
【実施例】以下、本発明の天然繊維マットを添付図面に
示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明の天然繊維マットの実施例
を模式的に示す断面図である。同図に示すように、本発
明の天然繊維マット1Aは、天然繊維の集合体よりなる
多孔質性の基材層2を有する。この基材層2は、以下に
述べるような天然繊維の不織布、織編物や、各種紙類、
短繊維の集合体またはこれらを任意に組み合わせたもの
等が挙げられるが、繊維の充填密度を比較的低くしても
十分な強度および自己形状保持性を得易いという理由か
ら、不織布または織編物が好ましく、不織布がさらに好
ましい。
【0023】なお、織編物とは、織物、編物またはこれ
に類するもの(例えばメッシュ)を含む。織物組織とし
ては、実用に供されている全ての種類のもの、例えば、
平織、斜文織、朱子織が使用可能である。また、編物組
織についても特に限定はなく、例えば、よこ編み(平編
み)、たて編み(トリコット編み)、丸編み、平打ち、
メリヤス編み等が挙げられる。
【0024】このような天然繊維の充填密度(嵩密度)
は特に限定されないが、基材層を介しての種子の発芽を
妨げず、かつ強風、豪雨等の屋外環境下での過酷な条件
に耐え得る十分な強度(曲げ剛性、引張強度等)を有す
る程度とされる。具体的には、繊維の種類や集合形態に
もよるが、不織布または織編物の場合、天然繊維の充填
密度(嵩密度)は、0.02〜0.6g/cm3 程度が好ま
しく、0.03〜0.4g/cm3 程度がより好ましく、
0.05〜0.25g/cm3 程度がさらに好ましい。この
充填密度が低過ぎると、天然繊維の種類や基材層2の厚
さによっては、強度および自己形状保持性が不十分とな
り、また、充填密度が高すぎると、繊維間の空孔の開孔
率が十分に確保されず、後述する種子4や地面Gの土壌
内に存在する種子等の発芽に際し、その抵抗が増大し、
発芽率が低下する。
【0025】天然繊維としては、各種タンパク繊維、セ
ルロース繊維または鉱物繊維が挙げられ、例えば、ヤシ
繊維、樹木繊維(パルプ)、亜麻、大麻、綿、絹、羊
毛、カボック、ラミー、リンター、アスベスト等のうち
の1種または2種以上を組み合わせて(混合、混紡、ま
たは多層積層体等)用いることができるが、この中でも
特に、ヤシ繊維、亜麻、大麻のような高張力天然繊維
(高弾性力天然繊維)またはこれを主とするものが好ま
しく、さらには、ヤシ繊維を主とするものが好ましい。
【0026】このような高張力天然繊維は、繊維の充填
密度を比較的低くしても十分な強度および自己形状保持
性を有するからである。すなわち、繊維の充填密度を高
くすれば強度はより増大し自己形状保持性も高まるが、
その反面、繊維間の空孔(隙間)がより小さくなり、後
述する種子の発芽、育成を阻害することとなり、よっ
て、高張力天然繊維を用いれば、強風等の過酷な環境条
件に耐え得る十分な強度および自己形状保持性と、種子
の発芽に有利な開孔率との双方得ることができる幅(許
容範囲)が広がる。なお、前記自己形状保持性とは、他
の補強部材や包材等を装着しなくても、それ自体で、繊
維のほぐれ、崩れ、切断等を生じて変形することがない
性質を言う。
【0027】なお、天然繊維の太さは、その種類にもよ
るが、通常、0.2〜10.0デニール程度のものが好
ましい。
【0028】また、基材層2は、天然繊維同士を結合す
る結合剤を担持しているのが好ましい。これにより、繊
維同士の結合力が増し、強度および自己形状保持性がよ
り増大する。
【0029】結合剤としては、例えば、ニカワ、ゼイ
ン、アラビアゴム、天然ゴム、澱粉糊等の天然接着剤を
用いるのが好ましい。また、少量であれば、例えば、フ
ェノール樹脂、レゾルシン樹脂、フラン樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリ酢酸
ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ
ビニルブチラール、ポリアクリル酸エステル、ニトロセ
ルロース等の熱可塑性樹脂、ブタジエン−アクリロニト
リルゴム、ネオプレンゴム等の各種ゴム等を主成分とす
る合成接着剤を用いてもよい。
【0030】結合剤の担持方法としては、例えば、上記
結合剤を含む溶液または分散液を基材層2に対し、ディ
ッピング、スプレー、塗布等により含浸させ、その後乾
燥することにより行うことができる。
【0031】このような基材層2の内部および/または
地面Gとの接触面(接地面)25には、図1に示すよう
に、少なくともマットの面方向に沿って、例えば芝や各
種草花の種子4が分散配置されているのが好ましい。天
然繊維マット1が地面Gに敷設され、降雨等により基材
層2が湿潤すると、種子4が発芽する。種子4から出た
根は、基材層2の空孔(繊維の隙間)を通って下方(地
面G側)へ伸び、種子4から出た芽は、基材層2の空孔
(繊維の隙間)を通って上方へ伸び、基材層2の表面か
ら突出する。このように、種子4が各所で地面Gに根を
張ることにより、天然繊維マット1が地面Gに対し、強
固に固定される。この場合、前述したように、基材層2
の空孔の開孔率が十分に確保されているため、種子4の
発芽率が極めて高い(例えば70%以上)。
【0032】なお、種子4は、面方向には均一に分散配
置されているのが好ましいが、基材層2の厚さ方向に
は、所定の分布をもって配置されていてもよい。
【0033】このような基材層2の内部および/または
地面Gとの接触面25には、種子4の発育を助成する養
分(肥料)5を有するのが好ましい。
【0034】養分5としては、例えば、窒素、カリウ
ム、リン、石灰、マグネシウム、ケイ酸、マンガン、亜
鉛、銅等のうちの少なくとも一種を含む有機質または無
機質の肥料が挙げられ、その形態は、例えば、粒状、粉
状、鱗片状、針状等の固体のものが用いられるが、液体
として含浸されていてもよい。この養分5は、降雨等に
より溶出して基材層2内の各所へ拡散し、種子4の発芽
または発芽後の発育を助成する。
【0035】天然繊維マット1の厚さ(積層体の場合総
厚)は、特に限定されないが、1〜35mm程度が好まし
く、1.5〜15mm程度がより好ましく、2.0〜10
mm程度がさらに好ましい。厚さが薄過ぎると、天然繊維
の種類や結合の度合いによっては、強度が不足すること
があり、また、厚さが厚過ぎると、種子4の厚さ方向の
位置によっては、発芽に際しての抵抗が増大し、発芽率
が低下する。
【0036】以上のような天然繊維マット1は、図1に
示すように、例えば敷設初期において、固定部材6によ
り地面Gに対し固定される。本実施例における固定部材
6としては、例えば金属材料で構成されたU字状の杭
(スパイク)が用いられる。固定部材6が天然繊維マッ
ト1を貫通して地面G内に埋入され、これにより天然繊
維マット1が地面Gに確実に固定される。なお、この固
定部材6は、種子4が発芽してマットを固定するまでの
予備的、補助的な固定手段として用いてもよい。また、
固定部材6は、天然繊維マット1を急斜面に固定する場
合や、強風、豪雨等の環境条件が特に過酷である地帯で
使用する場合に限り用いてもよい。また、このような固
定部材6の形状、構造は、図示のものに限定されない。
【0037】図2は、本発明の天然繊維マットの他の実
施例を模式的に示す断面図である。同図に示す天然繊維
マット1Bは、基材層2が、第1基材層21と第2基材
層22とを積層した積層体で構成されたものである。こ
の場合、第1基材層21および第2基材層22は、それ
ぞれ、前記と同様の天然繊維の集合体で構成されてお
り、結合剤の担持等についても同様である。
【0038】なお、第1基材層21と第2基材層22と
で、天然繊維の種類、集合形態、充填密度、層の厚さ、
結合剤担持の有無または結合剤の組成等は、それぞれ、
同一でも異なっていてもよい。本実施例では、後述する
ように、第1基材層21と第2基材層22との間に種子
4が配置されているので、発芽率の向上のためには、第
2基材層22の厚さおよび/または充填密度が、第1基
材層21に比べて小さいのが好ましい。
【0039】このような第1基材層21と第2基材層2
2との接合面23には、前記と同様の種子4が好ましく
は該面方向に均一に分散配置されている。
【0040】また、第1基材層21の内部および接触面
25には、前記と同様の養分5を有している。
【0041】天然繊維マット1Bの製造方法の一例とし
ては、養分を含む第1基材層21と、第1基材層21と
を製造し、それらの一方の片面に種子4を分散配置した
後、該種子4を介して両層21、22を接合、一体化す
る方法が挙げられる。この場合、第1基材層21と第2
基材層22との接合面23は、例えば、前述したような
結合剤や繊維同士の絡み合い、あるいは糸等による縫
合、結紮により結合力を有しているのが好ましいが、単
に接合されて結合力を有さない状態であってもよい。
【0042】このような天然繊維マット1Bでは、第1
基材層21と第2基材層22とで種子4が挟持固定され
るため、種子の離脱(降雨による流出等)が防止される
とともに、基材層2内における種子4の層厚さ方向の位
置が一定となるため、均一な発芽が得られ、発芽率がさ
らに向上するという利点がある。
【0043】なお、天然繊維マット1Bについても、前
記と同様の固定部材6により地面Gに対し固定すること
ができる。
【0044】図3は、本発明の天然繊維マットの他の実
施例を模式的に示す断面図である。同図に示す天然繊維
マット1Cは、基材層2の地面G側の面に、保水性を有
する保水層3が接合されている。ここで、保水性とは、
水分を含浸し、湿潤状態を維持し得る性質をいう。
【0045】基材層2がそれ自体保水性を有さないかま
たは保水性に乏しい場合、このような保水層3を設ける
ことにより、種子4への水分の供給が十分に確保され、
発芽率がさらに向上する。
【0046】保水層3としては、前述した天然繊維のよ
うな天然素材で構成されているのが好ましい。保水層3
を天然繊維の集合体、特に前述したような不織布または
織編物で構成した場合、その天然繊維の材質(種類)お
よび/または充填密度(嵩密度)は、基材層2のそれら
と異なるのが好ましい。
【0047】すなわち、保水層3には、基材層2のよう
な強度は要求されず、保水性を優先するため、それに用
いられる天然繊維は、パルプ(紙材原料)、綿、絹、羊
毛、セルロース短繊維、リンターのうちの1種または2
種以上を組み合わせて(混合、混紡、または多層積層体
等)用いるのが好ましい。そして、比較的細い繊維をよ
り高密度(空孔サイズを小さく)で配設するのが好まし
い。また、保水層3は、例えば、皮革のような天然繊維
以外の天然素材で構成されていてもよい。保水層3は、
天然繊維マット全体に比べその体積(厚さ)が少ない場
合や安定性の高い材料(不溶出性)を用いる場合には、
合成繊維等が含まれていてもよい。
【0048】なお、保水層3は、その保水性を向上する
ために、親水化処理が施されていてもよい。親水化処理
としては、例えば、各種界面活性剤を付与する方法、紫
外線、放射線等を照射する方法が挙げられる。
【0049】基材層2と保水層3との接合面33は、例
えば、前述したような結合剤や繊維同士の絡み合い、あ
るいは糸等による縫合、結紮により結合力を有している
のが好ましいが、単に接合されて結合力を有さない状態
であってもよい。
【0050】このような保水層3の内部には、前記と同
様の種子4が好ましくはマット面方向に均一に分散配置
されている
【0051】また、保水層3の内部および地面Gとの接
触面(接地面)35には、前記と同様の養分5を有して
いる。
【0052】なお、天然繊維マット1Cについても、前
記と同様の固定部材6により地面Gに対し固定すること
ができる。
【0053】図4は、本発明の天然繊維マットの他の実
施例を模式的に示す断面図である。同図に示す天然繊維
マット1Dは、前記天然マット1Cと同様の保水層3を
有するものであり、保水層3の内部に前記と同様の養分
5を有し、保水層3と基材層2との接合面33には、前
記と同様の種子4が好ましくはマット面方向に均一に分
散配置されている。
【0054】このような天然繊維マット1Dでは、保水
層3を有することによる上記利点に加え、基材層2と保
水層3とで種子4が挟持固定されるため、種子の離脱
(降雨による流出等)が防止されるとともに、天然繊維
マット1D内における種子4の層厚さ方向の位置が一定
となるため、均一な発芽が得られ、発芽率がさらに向上
するという利点がある。
【0055】なお、天然繊維マット1Dについても、前
記と同様の固定部材6により地面Gに対し固定すること
ができる。
【0056】図5は、本発明の天然繊維マットの他の実
施例を模式的に示す断面図である。同図に示す天然繊維
マット1Eは、保水層3が、第の1層31と第2の層3
2とを接合した積層体で構成されたものである。
【0057】第1の層31は、天然繊維よりなる不織布
で構成され、第2の層32は、天然繊維よりなる網状体
(メッシュ、ネット等)で構成されている。この場合、
第1の層31および第2の層32を構成する天然繊維の
好適例は、それぞれ、前記天然繊維マット1Cで述べた
ものと同様である。
【0058】第1の層31と第2の層32との接合面3
4には、前記と同様の種子4が好ましくは該面方向に均
一に分散配置されている。
【0059】また、第1の層31および第2の層32の
少なくとも一方は、前述した養分(肥料)を担持してい
る。この場合、養分は、層中に液体として含浸されてい
るかまたはそれを乾燥した状態とされている。なお、第
1の層31と第2の層32と接合面34や層31、32
中に前述した固体の養分を配置してもよいことは、言う
までもない。
【0060】第1の層31と第2の層32とは、少なく
とも一方が保水性を有していればよく、少なくとも第1
の層31が保水性を有しているのが好ましい。
【0061】第1の層31と第2の層32とで、天然繊
維の種類、集合形態、充填密度、層の厚さ等は、それぞ
れ、同一でも異なっていてもよい。本実施例では、第1
の層31により優れた保水性を持たせるために、基材層
2側の第2の層32の厚さおよび/または充填密度が、
第1の層31に比べて小さいのが好ましい。
【0062】第1の層31と第2の層32との接合面3
4は、例えば、前述したような結合剤や繊維同士の絡み
合い、あるいは糸等による縫合、結紮により結合力を有
しているのが好ましいが、単に接合されて結合力を有さ
ない状態であってもよい。
【0063】このような天然繊維マット1Eでは、第1
の層31と第2の層32とで種子4が挟持固定されるた
め、種子の離脱(降雨による流出等)が防止されるとと
もに、基材層2内における種子4の層厚さ方向の位置が
一定となるため、均一な発芽が得られ、発芽率がさらに
向上するという利点がある。さらに、天然繊維マット1
Eの製造は、第1の層31と第2の層32とを種子4を
介し接合して保水層3を製造し、これを基材層2と接合
すればよく、製造が容易である。
【0064】なお、天然繊維マット1Eについても、前
記と同様の固定部材6により地面Gに対し固定すること
ができる。
【0065】以上、本発明の天然繊維マットを図示の各
実施例について説明したが、本発明は、これらに限定さ
れるものではなく、例えば、接触面25、35、接合面
23、33、34、基材層2の上面(地面Gと反対側の
面)等に、例えば、保護層、中間層、結合剤層(接着
層)、種子担持層、養分担持層、種子や養分の固定層ま
たはガイド層等の任意の目的の層が1層以上設けられて
いてもよい。
【0066】なお、種子を有さない本発明の天然マット
の場合、地面に種子をまいてから天然マットを敷設する
ことができるが、この場合でも、前記と同様の理由か
ら、高い発芽率が得られる。
【0067】本発明の天然繊維マットは、例えばスキー
場のゲレンデ、ゴルフ場、サッカー状、フィールドアス
レチック場、またはその他のグラウンドのような各種ス
ポーツ施設や、山の斜面、川岸、土手、海浜地域、造成
地、農場、牧場、田畑の周辺、家庭の庭等のあらゆる箇
所に用いることができる。
【0068】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の天然繊維マ
ットによれば、雨水の集中流下を防ぎ、土壌の表面の侵
食および移動を防止するとともに、地面の保温、保湿作
用により、植生の生育基盤を安定化させ、草木類の種肥
の移動を抑制して、マット内またはその他の種子の発芽
率を向上させることができ、よって、緑化促進に寄与す
る。
【0069】特に、本発明の天然繊維マットは、十分な
強度と自己形状保持性とを有するため、強風や豪雨等の
過酷な環境条件におかれても、天然繊維のほぐれ、崩れ
や、マットのめくれ(剥離)、破損、破断等が生じな
い。しかも、上記十分な強度と自己形状保持性とを保持
しつつ、基材層が十分な開孔率を有するので、発芽した
種子の芽や根が伸びるのを阻害せず、高い発芽率が得ら
れる。
【0070】また、天然繊維で構成されているため、土
壌への適合性に優れ、合成樹脂を用いた場合のように有
害物質が継続的に溶出することがなく、無害安全である
とともに、植生が安定し、緑化が達成される頃には、腐
食して土に、埋入、融合するため、回収、交換の必要が
なく、環境保護にとって好ましい。
【0071】また、種子を有する本発明の天然繊維マッ
トの場合には、種まきが不要であり、施工が容易であ
る。また、種子が地面に根付くことにより、天然繊維マ
ットが強固に固定され、上記効果が高まる。特に、層間
に種子を介在させた場合には、降雨による流水等により
種子が流されて離脱することが防止され、しかも均一な
発芽が得られる。
【0072】天然繊維マットが養分を有する場合には、
該養分により種子の発芽、育成が助成され、別途肥料を
まかなくても、緑化の促進が図れる。
【0073】また、保水層を設けた場合には、種子への
十分な水分供給が確保され、発芽率がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の天然繊維マットの実施例を模式的に示
す断面図である。
【図2】本発明の天然繊維マットの実施例を模式的に示
す断面図である。
【図3】本発明の天然繊維マットの実施例を模式的に示
す断面図である。
【図4】本発明の天然繊維マットの実施例を模式的に示
す断面図である。
【図5】本発明の天然繊維マットの実施例を模式的に示
す断面図である。
【符号の説明】
1A〜1E 天然繊維マット 2 基材層 21 第1基材層 22 第2基材層 23 接合面 25 接触面 3 保水層 31 第1の層 32 第2の層 33、34 接合面 35 接触面 4 種子 5 養分(肥料) 6 固定部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 牧夫 東京都墨田区太平4丁目6番14号 株式 会社シンク内 (56)参考文献 特開 平4−83006(JP,A) 実開 昭54−32902(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E01C 13/12

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地面に敷設される天然繊維マットであっ
    て、 少なくとも1層の天然繊維の集合体よりなる多孔質性の
    基材層を有し、 該基材層は、それ自体で自己形状保持性を有するもので
    あり、 前記基材層における前記天然繊維の充填密度が、基材層
    を介しての種子の発芽を妨げず、かつ屋外環境下での過
    酷な条件に耐え得るのに十分な強度を有する程度に調整
    されていることを特徴とする天然繊維マット。
  2. 【請求項2】 前記天然繊維は、高張力天然繊維である
    請求項1に記載の天然繊維マット。
  3. 【請求項3】 前記基材層は、天然繊維の不織布または
    織編物よりなる請求項1または2に記載の天然繊維マッ
    ト。
  4. 【請求項4】 前記基材層中に、前記天然繊維同士を結
    合する結合剤を有する請求項1ないし3のいずれか記載
    の天然繊維マット。
  5. 【請求項5】 前記基材層の内部および/または前記地
    面側の面に、少なくとも面方向に分散配置された種子を
    有する請求項1ないし4のいずれかに記載の天然繊維マ
    ット。
  6. 【請求項6】 前記基材層の内部および/または前記地
    面側の面に、種子の発育を助成する養分を有する請求項
    1ないし5のいずれかに記載の天然繊維マット。
  7. 【請求項7】 前記基材層の前記地面側の面に、少なく
    とも1層の保水性を有する保水層が接合されている請求
    項1ないし6のいずれかに記載の天然繊維マット。
  8. 【請求項8】 前記保水層は、天然素材で構成されてい
    る請求項7に記載の天然繊維マット。
  9. 【請求項9】 前記保水層は、前記基材層を構成する天
    然繊維と材質および/または充填密度が異なる繊維の集
    合体で構成されている請求項7または8に記載の天然繊
    維マット。
  10. 【請求項10】 地面に敷設される天然繊維マットであ
    って、 少なくとも1層の天然繊維の集合体よりなる多孔質性の
    基材層と、該基材層の前記地面側の面に接合された保水
    性を有する少なくとも1層の保水層とを有し、 前記基材層は、それ自体で自己形状保持性を有するもの
    であり、 前記保水層は、前記基材層を構成する天然繊維と材質お
    よび/または充填密度が異なる繊維の集合体で構成され
    ていることを特徴とする天然繊維マット。
  11. 【請求項11】 前記保水層は、天然繊維よりなる不織
    布で構成された第1の層と、天然繊維よりなる網状体で
    構成された第2の層とを接合してなるものである請求項
    7ないし10のいずれかに記載の天然繊維マット。
  12. 【請求項12】 前記保水層の内部および/または前記
    基材層側の面に、少なくとも面方向に分散配置された種
    子を有する請求項7ないし11のいずれかに記載の天然
    繊維マット。
  13. 【請求項13】 前記保水層の内部および/または前記
    地面側の面に、種子の発育を助成する養分を有する請求
    項7ないし12のいずれかに記載の天然繊維マット。
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