JP2019084862A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定領域で駆動源を動作させることができなくなっても自車両を特定領域から脱出させることができる車両制御装置を提供する。【解決手段】車両制御装置38は、自車両10を駆動させることが可能な第1駆動源52および第2駆動源54と、第1駆動源52が駆動不能であるか否かを判定する駆動不能判定部66と、自車両10の位置を認識する自車位置認識部82と、第1駆動源52を用いて自車両10を駆動させているときに第1駆動源52が駆動不能になり、かつ、自車両10の位置が特定領域である場合に、第2駆動源54を用いて自車両10を駆動させる車両制御部86と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、踏切等の特定領域で自車両の駆動が困難になったときに自車両の制御を行う車両制御装置に関する。
特許文献1には、踏切や交差点等のように通行可能状態と通行不可状態とが切り替わる領域(以下、特定領域という。)に自車両が停車することを防止する運転支援装置が開示される。この運転支援装置は、特定領域に進入する前に特定領域の外側に進入可能なスペースがあるか否かを判定し、スペースがない場合に停車または乗員に対する警告を行う。
特開2005−165643号公報
特許文献1の運転支援装置は、駆動源を動作させることができなくなることにより自車両が不意に特定領域に停車することは防止できない。駆動源を動作させることができなくなり自車両が特定領域に停車すると、自車両が特定領域から脱出すること自体が困難であり、列車の運行や他車両の交通等、周囲に多大な影響が及ぶ。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、特定領域で駆動源を動作させることができなくなっても自車両を特定領域から脱出させることができる車両制御装置を提供することを目的とする。
第1発明に係る車両制御装置は、
自車両を駆動させることが可能な第1駆動源および第2駆動源と、
前記第1駆動源が駆動不能であるか否かを判定する駆動不能判定部と、
前記自車両の位置を認識する自車位置認識部と、
前記第1駆動源を用いて前記自車両を駆動させているときに前記第1駆動源が駆動不能になり、かつ、前記位置が特定領域である場合に、前記第2駆動源を用いて前記自車両を駆動させる車両制御部と、を備える。
上記構成によれば、自車両が特定領域を通過している最中に第1駆動源が駆動不能になっても、自車両を特定領域から脱出させることができる。
第1発明に係る車両制御装置において、
前記車両制御部は、前記第1駆動源を用いて前記自車両を駆動させているときに前記第1駆動源が駆動不能になり、かつ、前記位置が踏切である場合に、前記第2駆動源を用いて前記自車両を駆動させるようにしてもよい。
上記構成によれば、自車両が踏切を通過している最中に第1駆動源が駆動不能になっても、自車両を踏切から脱出させることができる。
第1発明に係る車両制御装置において、
前記駆動不能判定部は、前記特定領域の種別に応じて、前記第1駆動源が駆動不能であるか否かの判定条件を変えるようにしてもよい。
第2駆動源は、自車両を駆動させることが可能であるものの、本来は自車両を駆動させることを目的としない場合がある。このような第2駆動源の使用はできるだけ避けることが好ましい。また、特定領域は、その種類に応じて脱出の緊急度が異なる。上記構成によれば、自車両が迅速に脱出しなければならない特定領域と、比較的余裕をもって脱出すればよい特定領域と、で第2駆動源を駆動させる条件を変えることができる。特に、駆動源として使用されると不具合が生じる第2駆動源の場合、必要なとき以外、例えば迅速に脱出しなければならない特定領域でない場合は第2駆動源を使用しないようにすることにより、第2駆動源を保護することができる。
第2発明に係る車両制御装置は、
自車両を駆動させるモータと、
前記モータに電力を供給するバッテリと、
前記バッテリの充電状態を管理する充電状態管理部と、
前記自車両の位置を認識する自車位置認識部と、
前記モータを制御して前記自車両を駆動させる車両制御部と、を備え、
前記充電状態管理部は、前記バッテリを前記充電状態の使用許容範囲内で使用させ、前記位置が特定領域であり、かつ、前記充電状態が前記使用許容範囲の下限値を下回った場合には、前記下限値を下げて前記使用許容範囲を広げる
ことを特徴とする。
上記構成によれば、自車両が特定領域を通過している最中にバッテリの充電状態が使用許容範囲の下限値を下回ったとしてもバッテリを使用することができるため、自車両を特定領域から脱出させることができる。
本発明によれば、自車両が特定領域を通過している最中に第1駆動源が駆動不能になっても、自車両を特定領域から脱出させることができる。
図1は第1実施形態に係る車両制御装置を備える自車両のブロック図である。 図2は第1実施形態で使用される駆動力出力装置の機能ブロック図である。 図3は第2駆動源から第1駆動源への動力伝達経路を説明するための図である。 図4は第1駆動源から車輪への動力伝達経路を説明するための図である。 図5は第2駆動源から車輪への動力伝達経路を説明するための図である。 図6は第1実施形態に係る車両制御装置で行われる処理のフローチャートである。 図7は変形例の車両制御装置で行われる処理のフローチャートである。 図8は第2実施形態に係る車両制御装置を備える車両のブロック図である。 図9は第2実施形態で使用される駆動力出力装置の機能ブロック図である。 図10は第2実施形態に係る車両制御装置で行われる処理のフローチャートである。
以下、本発明に係る車両制御装置について、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
[1.第1実施形態]
[1.1.自車両10の構成]
図1に示されるように、自車両10は、車両制御ユニット12と、車両制御ユニット12が入力する各種情報を取得または記憶する入力系装置群14と、車両制御ユニット12が出力する各種指示に応じて動作する出力系装置群16と、を備える。本実施形態に係る車両制御装置38は、車両制御ユニット12と後述する駆動力出力装置40を含んで構成される。自車両10は、車両制御ユニット12により運転操作が行われる自動運転車両(完全自動運転車両を含む。)、または、一部の運転操作を支援する運転支援車両である。また、自車両10はエンジンを用いて走行する車両である。
[1.1.1.入力系装置群14]
入力系装置群14には、自車両10の周囲(外界)の状態を検出する外界センサ18と、自車両10の外部にある各種通信機器と情報の送受信を行う通信装置20と、位置精度がセンチメートル単位以下であるMPU(高精度地図)22と、目的地までの走行経路を生成すると共に自車両10の位置を計測するナビゲーション装置24と、自車両10の走行状態を検出する車両センサ26と、が含まれる。
外界センサ18には、外界を撮像する1以上のカメラ28と、自車両10と周囲の物体との距離および自車両10と周囲の物体との相対速度を検出する1以上のレーダ30および1以上のLIDAR32と、が含まれる。通信装置20には、他車両200に設けられる通信装置202との間で車車間通信を行う第1通信装置34と、走行路220や踏切240等のインフラに設けられる通信装置222との間で路車間通信を行う第2通信装置36と、が含まれる。第1通信装置34は他車情報を取得し、第2通信装置36は踏切情報や道路情報を取得する。ナビゲーション装置24には、衛星航法システムおよび自立航法システムが含まれる。車両センサ26には、図示しない車速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、傾斜センサ等が含まれる。
[1.1.2.車両制御ユニット12]
車両制御ユニット12はECUにより構成され、プロセッサ等の演算装置70と、ROMやRAM等の記憶装置72と、を備える。車両制御ユニット12は、演算装置70が記憶装置72に記憶されるプログラムを実行することにより各種機能を実現する。演算装置70は外界認識部80と自車位置認識部82と行動計画部84と車両制御部86として機能する。
外界認識部80は、外界センサ18から出力される情報、MPU22の地図情報、第2通信装置36で取得される踏切情報および道路情報に基づいて、自車両10の周囲の状況および物体を認識する。自車位置認識部82は、MPU22およびナビゲーション装置24から出力される情報に基づいて、自車両10の位置およびその位置周辺の地図情報を認識する。行動計画部84は、外界認識部80および自車位置認識部82の認識結果と、車両センサ26の検出結果と、に基づいて、自車両10の走行状況を判断し、自車両10の各種行動を策定する。車両制御部86は、行動計画部84の決定結果に基づいて出力系装置群16に対する制御指令値を算出する。
[1.1.3.出力系装置群16]
出力系装置群16には、駆動力出力装置40と操舵装置42と制動装置44と報知装置46が含まれる。操舵装置42には、電動パワーステアリングシステム(EPS)ECUと、EPSアクチュエータと、が含まれる。操舵装置42は、乗員が行うステアリングホイールの操作または車両制御ユニット12から出力される操舵の制御指示に応じて操舵力を発生させる。制動装置44には、ブレーキECUと、ブレーキアクチュエータと、が含まれる。制動装置44は、乗員が行うブレーキペダルの操作または車両制御ユニット12から出力される制動の制御指示に応じて制動力を発生させる。報知装置46には、報知ECUと、情報伝達装置(表示装置、音響装置、触覚装置等)と、が含まれる。報知装置46は、車両制御ユニット12または他のECUから出力される報知指示に応じて乗員に対する報知を行う。
図2に示されるように、駆動力出力装置40には、駆動力出力ECU50と、第1駆動源52と、第2駆動源54と、第1動力伝達部56と、第2動力伝達部58と、車輪60と、が含まれる。
駆動力出力ECU50は、プロセッサ等の演算装置と、ROMやRAM等の記憶装置と、を備える。駆動力出力ECU50は、演算装置が記憶装置に記憶されるプログラムを実行することにより各種機能を実現する。駆動力出力ECU50は、第1駆動源52または第2駆動源54を用いて自車両10を駆動させる。また、駆動力出力ECU50は、車両制御ユニット12(車両制御部86)から出力される制御指示に応じて、スイッチ64、第1動力伝達部56、第2動力伝達部58等の動作を制御する。本実施形態では、駆動力出力ECU50は駆動不能判定部66として機能する。駆動不能判定部66は、第1駆動源52および第2駆動源54の動作状態を監視するセンサの検出値を入力し、第1駆動源52および第2駆動源54が駆動不能であるか否かを判定する。各駆動源が駆動不能か駆動可能かの判定条件等は記憶装置に記憶される。
第1駆動源52と第2駆動源54は、共に自車両10を駆動させることが可能である。本実施形態の第1駆動源52はエンジンであり、第2駆動源54はスタータモータである。第1駆動源52の出力軸は、第2動力伝達部58の入力軸に連結されると共に、第1動力伝達部56を介して第2駆動源54の出力軸に連結可能である。第2駆動源54は始動用バッテリ62から給電されて動作する。第2駆動源54と始動用バッテリ62との間にはスイッチ64が設けられる。スイッチ64は、図示しない車室内のスタータスイッチの操作または駆動力出力ECU50から出力される駆動信号に応じて動作する。
第1動力伝達部56は、第1駆動源52の出力軸に対して第2駆動源54の出力軸を連結または切断する。本実施形態の第1動力伝達部56はスタータクラッチを有する。第1動力伝達部56は、図示しない車室内のスタータスイッチの操作または駆動力出力ECU50から出力される駆動信号に応じて動作する。第2動力伝達部58は、第1駆動源52の出力軸と車輪60とを連結または切断する。本実施形態の第2動力伝達部58はクラッチを有する。
[1.2.駆動力出力装置40の動力伝達経路]
図3〜図5を用いて駆動力出力装置40の動力伝達経路に関する説明をする。通常、第2駆動源54は、第1駆動源52の始動のために使用される。自車両10の乗員が車室内のスタータスイッチを操作すると、スイッチ64が接続されて始動用バッテリ62から第2駆動源54に給電される。すると、第2駆動源54が始動する。更に、車室内のスタータスイッチの操作に応じて、第1動力伝達部56は第2駆動源54の出力軸を第1駆動源52の出力軸に連結する。このとき、図3の太線で示されるように、第2駆動源54の動力は第1駆動源52に伝達されて、第1駆動源52が始動する。第1駆動源52が始動すると、第1動力伝達部56は第2駆動源54の出力軸と第1駆動源52の出力軸とを切断する。この状態で、駆動力出力ECU50が第2動力伝達部58に対して接続信号を出力すると、第2動力伝達部58は第1駆動源52の出力軸と車輪60とを連結する。このとき、図4の太線で示されるように、第1駆動源52の動力が車輪60に伝達される。
第1駆動源52が駆動不能に陥った場合、駆動力出力ECU50はスイッチ64に対して接続信号を出力する。このとき、スイッチ64が接続されて始動用バッテリ62から第2駆動源54に給電される。すると、第2駆動源54が始動する。更に、駆動力出力ECU50は第1動力伝達部56および第2動力伝達部58に対して接続信号を出力する。第1動力伝達部56は第2駆動源54の出力軸を第1駆動源52の出力軸に連結する。また、第2動力伝達部58は第1駆動源52の出力軸を介して第2駆動源54の出力軸と車輪60とを連結する。このとき、図5の太線で示されるように、第2駆動源54の動力が車輪60に伝達される。
[1.3.車両制御装置38の動作]
図6を用いて第1実施形態に係る車両制御装置38が行う処理の一例を説明する。以下で説明する処理は、自車両10の電源が投入されている間に繰り返し実行される。
ステップS1において、外界認識部80は、入力系装置群14から出力される最新の情報を入力して外界を認識する。
ステップS2において、自車位置認識部82は、自車両10の位置を認識する。位置が特定領域(踏切240、交差点、可動橋等)である場合、処理はステップS3に移行する。一方、位置が特定領域でない場合、処理は一旦終了して次の処理に備える。
ステップS2からステップS3に移行すると、駆動不能判定部66は各センサの検出値に基づいて第1駆動源52が駆動不能か否かを判定する。第1駆動源52が駆動不能か駆動可能かの判定条件は、駆動力出力ECU50の記憶装置に予め記憶されている。例えば、燃料不足や故障等の判定条件が記憶される。第1駆動源52が駆動不能状態である場合(ステップS3:YES)、処理はステップS5に移行する。一方、第1駆動源52が駆動可能状態である場合(ステップS3:NO)、処理はステップS4に移行する。
ステップS3からステップS4に移行すると、車両制御部86は、図4に示されるように、第1駆動源52を用いて自車両10を駆動させる。つまり、通常状態を維持する。
ステップS3からステップS5に移行すると、駆動不能判定部66は各センサの検出値に基づいて第2駆動源54が駆動不能か否かを判定する。第2駆動源54が駆動不能か駆動可能かの判定条件は、駆動力出力ECU50の記憶装置に予め記憶されている。例えば、始動用バッテリ62の充電不足や短絡、断線等の故障の判定条件が記憶される。第2駆動源54が駆動不能状態である場合(ステップS5:YES)、処理はステップS7に移行する。一方、第2駆動源54が駆動可能状態である場合(ステップS5:NO)、処理はステップS6に移行する。
ステップS5からステップS6に移行すると、車両制御部86は、駆動力出力ECU50に対して駆動源の切り替えを指示する。つまり、図5に示されるように、車両制御部86は、第2駆動源54を用いて自車両10を駆動させる。
ステップS5からステップS7に移行すると、車両制御部86は、緊急処理を行う。例えば、車両制御部86は報知装置46に対して報知指示を出力する。報知装置46は乗員に対して自車両10の走行が困難であることを報知する。また、自車両10の位置が踏切240である場合は、緊急停止ボタンの操作を指示する。
上述した処理は、第1駆動源52、第2駆動源54という2つの駆動源を備える自車両10を想定している。N個の駆動源を備える自車両10の場合は、使用の優先順位が高い駆動源から順に、駆動源が駆動不能か駆動可能かの判定(ステップS3、ステップS5)と、駆動源を用いた自車両10の駆動(ステップS4、ステップS6)と、が行われる。
[1.4.変形例]
[1.4.1.第1変形例]
図6に示される処理では、駆動不能か駆動可能かの判定条件として特定領域の種別に関わらず一定の条件が設定される。これに代わり、特定領域毎に異なる判定条件が設定されていてもよい。この場合、図7に示されるような処理が行われる。図7に示されるステップS11、ステップS12の処理は、図6に示されるステップS1、ステップS2の処理に相当する。また、図7に示されるステップS14〜ステップS18の処理は、図6に示されるステップS3〜ステップS7の処理に相当する。ステップS13は変形例独自の処理であり、以下でその説明をする。
ステップS12からステップS13に移行すると、駆動不能判定部66は、特定領域の種別に応じて、駆動不能か駆動可能かの判定条件を設定する。判定条件は、特定領域からの脱出の緊急度に応じて設定される。例えば、踏切240で停車した場合の緊急度は交差点で停車した場合等の緊急度と比べて大きい。このため、踏切240で使用される判定条件は、他の特定領域で使用される判定条件よりも駆動不能か否かの判定の閾値が低く設定されている。ここで設定される判定条件に基づいて、ステップS14およびステップS16の判定が行われる。
[1.4.2.その他変形例]
上述した実施形態およびその変形例では、駆動源として、エンジンとスタータモータを備える車両を想定している。これに代わり、駆動源としてエンジンと走行用モータを備えるハイブリッド車両にも本発明を適用することは可能である。この場合、駆動力出力ECU50は、エンジンと走行用モータの一方を第1駆動源52とし、他方を第2駆動源54とする。そして、第1駆動源52が駆動不能に陥った場合に、第2駆動源54を使用して自車両10を駆動させる。
また、駆動源として2以上のモータ、例えばフロントモータおよびリアモータ、ホイールインモータ(インホイールモータ)を備える電動車両にも本発明を適用することは可能である。本発明は、各モータの使用形態が定められている電動車両、例えば、速度範囲毎に使用するモータが定められている電動車両に特に有効である。
[1.5.第1実施形態のまとめ]
第1実施形態に係る車両制御装置38は、自車両10を駆動させることが可能な第1駆動源52および第2駆動源54と、第1駆動源52が駆動不能であるか否かを判定する駆動不能判定部66と、自車両10の位置を認識する自車位置認識部82と、第1駆動源52を用いて自車両10を駆動させているときに第1駆動源52が駆動不能になり、かつ、自車両10の位置が特定領域である場合に、第2駆動源54を用いて自車両10を駆動させる車両制御部86と、を備える。
上記構成によれば、自車両10が特定領域を通過している最中に第1駆動源52が駆動不能になっても、自車両10を特定領域から脱出させることができる。
車両制御部86は、第1駆動源52を用いて自車両10を駆動させているときに第1駆動源52が駆動不能になり、かつ、自車両10の位置が踏切240である場合に、第2駆動源54を用いて自車両10を駆動させる。
上記構成によれば、自車両10が踏切240を通過している最中に第1駆動源52が駆動不能になっても、自車両10を踏切240から脱出させることができる。
駆動不能判定部66は、特定領域の種別に応じて、第1駆動源52が駆動不能であるか否かの判定条件を変える。
第2駆動源54は、自車両10を駆動させることが可能であるものの、本来は自車両10を駆動させることを目的としない場合がある。このような第2駆動源54の使用はできるだけ避けることが好ましい。また、特定領域は、その種類に応じて脱出の緊急度が異なる。上記構成によれば、自車両10が迅速に脱出しなければならない特定領域と、比較的余裕をもって脱出すればよい特定領域と、で第2駆動源54を駆動させる条件を変えることができる。特に、駆動源として使用されると不具合が生じる第2駆動源54の場合、必要なとき以外、例えば迅速に脱出しなければならない特定領域でない場合は第2駆動源54を使用しないようにすることにより、第2駆動源54を保護することができる。
[2.第2実施形態]
[2.1.自車両10の構成]
第2実施形態に係る車両制御装置38の説明をする。なお、図8、図9に示される各構成のうち、図1、図2に示される構成と同一のものには同一の符号を付してその説明を省略する。第2実施形態は第1実施形態と異なる駆動力出力装置40aを有する。
図9に示されるように、駆動力出力装置40aには、駆動力出力ECU50と、走行用のモータ100と、車輪60と、高電圧バッテリ102と、バッテリECU104と、が含まれる。駆動力出力ECU50はモータ100の動作を制御する。モータ100は高電圧バッテリ102から給電されて動作する。車輪60はモータ100の動力を受けて駆動する。高電圧バッテリ102は、モータ100に対して給電することにより放電し、自車両10の外部または自車両10が搭載するジェネレータ(モータ100を含む)から受電することにより充電する。
バッテリECU104は、プロセッサ等の演算装置と、ROMやRAM等の記憶装置と、を備える。バッテリECU104は、演算装置が記憶装置に記憶されるプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、バッテリECU104は充電状態管理部106として機能する。充電状態管理部106は高電圧バッテリ102の充電状態(State Of Charge:SOCともいう。)を監視する。SOCは、例えば特開2010−271171号公報で示されるように、高電圧バッテリ102の電圧、電流、温度等により推定可能である。充電状態管理部106は、SOCが使用許容範囲を超えると、駆動力出力ECU50に対してSOCが使用許容範囲を超えたことを報知して、高電圧バッテリ102の使用を禁止する。高電圧バッテリ102の使用許容範囲は記憶装置に予め記憶される。
[2.2.車両制御装置38の動作]
図10を用いて第2実施形態に係る車両制御装置38が行う処理の一例を説明する。以下で説明する処理は、自車両10の電源が投入されている間に繰り返し実行される。
ステップS21において、外界認識部80は、入力系装置群14から出力される最新の情報を入力して外界を認識する。
ステップS22において、自車位置認識部82は、自車両10の位置を認識する。位置が特定領域(踏切240、交差点、可動橋等)である場合、処理はステップS23に移行する。一方、位置が特定領域でない場合、処理は一旦終了して次の処理に備える。
ステップS22からステップS23に移行すると、充電状態管理部106は、SOCが使用許容範囲の下限値を下回るか否かを判定する。SOCが使用許容範囲の下限値を下回る場合(ステップS23:YES)、処理はステップS24に移行する。一方、SOCが使用許容範囲の下限値以上である場合(ステップS23:NO)、処理はステップS26に移行する。
ステップS23からステップS24に移行すると、充電状態管理部106は、SOCの使用許容範囲の下限値を下げる。このとき、下限値を所定量だけ下げてもよいし、最低値まで下げてもよいし、現状のSOCより一定量低い値まで下げてもよい。
ステップS25において、充電状態管理部106は、SOCが使用許容範囲の補正後の下限値を下回るか否かを判定する。SOCが使用許容範囲の補正後の下限値を下回る場合(ステップS25:YES)、処理はステップS27に移行する。一方、SOCが使用許容範囲の補正後の下限値以上である場合(ステップS25:NO)、処理はステップS26に移行する。
ステップS23、ステップS25からステップS26に移行すると、車両制御部86は、モータ100を用いて自車両10を駆動させる。
ステップS25からステップS27に移行すると、車両制御部86は、緊急処理を行う。例えば、車両制御部86は報知装置46に対して報知指示を出力する。報知装置46は乗員に対して自車両10の走行が困難であることを報知する。また、自車両10の位置が踏切240である場合は、緊急停止ボタンの操作を指示する。
[2.3.第2実施形態のまとめ]
第2実施形態に係る車両制御装置38は、自車両10を駆動させるモータ100と、モータ100に電力を供給する高電圧バッテリ102と、高電圧バッテリ102の充電状態を管理する充電状態管理部106と、自車両10の位置を認識する自車位置認識部82と、モータ100を制御して自車両10を駆動させる車両制御部86と、を備える。充電状態管理部106は、高電圧バッテリ102を充電状態の使用許容範囲内で使用させ、自車両10の位置が特定領域でありかつ充電状態が使用許容範囲の下限値を下回った場合には、下限値を下げて使用許容範囲を広げる。
上記構成によれば、自車両10が特定領域を通過している最中に高電圧バッテリ102の充電状態が使用許容範囲の下限値を下回ったとしても高電圧バッテリ102を使用することができるため、自車両10を特定領域から脱出させることができる。
なお、本発明に係る車両制御装置は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…自車両 38…車両制御装置
52…第1駆動源 54…第2駆動源
66…駆動不能判定部 82…自車位置認識部
86…車両制御部 100…モータ
102…高電圧バッテリ 106…充電状態管理部

Claims (4)

  1. 自車両を駆動させることが可能な第1駆動源および第2駆動源と、
    前記第1駆動源が駆動不能であるか否かを判定する駆動不能判定部と、
    前記自車両の位置を認識する自車位置認識部と、
    前記第1駆動源を用いて前記自車両を駆動させているときに前記第1駆動源が駆動不能になり、かつ、前記位置が特定領域である場合に、前記第2駆動源を用いて前記自車両を駆動させる車両制御部と、を備える
    ことを特徴とする車両制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記車両制御部は、前記第1駆動源を用いて前記自車両を駆動させているときに前記第1駆動源が駆動不能になり、かつ、前記位置が踏切である場合に、前記第2駆動源を用いて前記自車両を駆動させる
    ことを特徴とする車両制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両制御装置において、
    前記駆動不能判定部は、前記特定領域の種別に応じて、前記第1駆動源が駆動不能であるか否かの判定条件を変える
    ことを特徴とする車両制御装置。
  4. 自車両を駆動させるモータと、
    前記モータに電力を供給するバッテリと、
    前記バッテリの充電状態を管理する充電状態管理部と、
    前記自車両の位置を認識する自車位置認識部と、
    前記モータを制御して前記自車両を駆動させる車両制御部と、を備え、
    前記充電状態管理部は、前記バッテリを前記充電状態の使用許容範囲内で使用させ、前記位置が特定領域であり、かつ、前記充電状態が前記使用許容範囲の下限値を下回った場合には、前記下限値を下げて前記使用許容範囲を広げる
    ことを特徴とする車両制御装置。
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