JP2019083670A - 安定化電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】整流回路部の前段の整流前置回路部に設けられたノイズフィルタのコンデンサ故障に対し簡単な回路構成により確実な過熱保護を可能とする。【解決手段】2相の交流を、所定の整流前置回路部14を介して全波整流回路部12に入力し、コンバータ16のスイッチング制御により直流電力に変換して出力する。電圧検出回路部46は、整流前置回路部14における交流の相毎に、整流前の半波整流電圧波形をダイオード48,50を介して検出し、半波整流電圧波形の検出信号ラインの一方に温度検知素子52が設けられる。過熱保護部64は、フィルムコンデンサ36,40の故障により過熱されるコモンモードチョークコイル42に温度検知素子52が熱結合されて抵抗値が上がると、半波整流電圧が減少することから、各相の半波整流電圧波形のピーク値の差分が所定の閾値以上の場合に、過熱を検出してコンバータ16のスイッチング制御を停止させる保護動作を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、整流回路部の前段に設けられたノイズフィルタの故障による過熱を保護する安定化電源装置に関する。
従来、力率改善回路に設けられた安定化電源装置にあっては、例えば、全波整流回路部(ブリッジ整流回路)の後段にノーマルモードチョークコイル(ノーマルモードリアクトル)とフィルムコンデンサで構成される逆L型のノーマルモードノイズフィルタを設け、コンバータのスイッチング制御で発生する高周波ノイズを除去して商用交流電源に流出させないようにしている。
また、経年劣化によりノーマルモードノイズフィルタのフィルムコンデンサが寿命により劣化又は断線すると、高周波ノイズが除去されずにノーマルモードチョークコイルに流れて過熱し、発煙や発火を起こす恐れがある。
この問題を解決するため特許文献1の力率改善コンバータにあっては、過熱保護部によりノーマルモードチョークコイルとフィルムコンデンサとの接続点の電圧を監視し、フィルムコンデンサが断線した場合にノーマルモードチョークコイルに流れる高周波ノイズによる電圧の上昇を検出してコンバータのスイッチング動作を停止させる過熱保護を行うようにしている。
特開2010−0−29039号公報
ところで、このような従来の安定化電源装置にあっては、整流回路部の前段の交流入力ラインにコモンモードノイズフィルタを設け、コンバータのスイッチング制御で発生するコモンモードノイズを除去して商用交流電源に流出させないようにしている。
このように整流回路部の前段に設けられたコモンモードノイズフィルタにあっても、整流回路部後段のノーマルモードノイズフィルタと同様に、コンデンサとしてフィルムコンデンサを使用しており、フィルムコンデンサが寿命により劣化又は断線すると、高周波ノイズが除去されずにコモンモードチョークコイルに流れて過熱し、発煙や発火を起こす恐れがある。
そこで、整流回路部の前段に設けられたコモンモードノイズフィルタについても、整流回路部の後段に設けられた特許文献1による従来の過熱保護部を利用し、コモンモードチョークコイルとフィルムコンデンサの接続点の電圧を監視し、フィルムコンデンサが劣化又は断線した場合にコモンモードチョークコイルに流れる高周波ノイズによる電圧の上昇を検知してコンバータのスイッチング動作を停止させる過熱保護を行うことが考えられる。
しかしながら、整流回路部の前段に配置されたコモンモードノイズフィルタを整流回路部の後段に配置された過熱保護部で監視するようにした場合には、整流回路部の前後に設けられた回路部品については、安全規格により定められた所定の絶縁距離(沿面距離及び空間距離)を確保する必要があり、回路の大型化が問題となる。
また、従来の過熱保護部は、コンデンサが寿命により劣化又は断線した際の電圧の上昇を検知して過熱保護を行う構成としているため、過負荷時や放熱不良による回路部品の発熱を検知して過熱保護動作を行うことができない問題がある。
また、ダイオードブリッジ回路で構成された整流回路部の前段に配置されたコモンモードノイズフィルタのコンデンサが断線した場合には、ダイオードブリッジ回路の耐圧を超えた電圧が発生することがあるため、過熱保護部により保護動作を行う前に、回路部品の破壊に至る可能性があり、安全性が確保されない条件が残っている。
また、監視電圧から過熱を検知するための閾値が、接続している回路部品により一意に決められるため、交流入力電圧の広い範囲に対応することが難しく、誤動作を起こしたり、異常時に動作不良となる可能性がある。
更に、コモンモードノイズフィルタの過熱を検知して保護するために、整流回路部の前後に多数の回路部品を追加する必要があり、回路が大型化する問題がある。
本発明は、整流回路部の前段の整流前置回路部に設けられたノイズフィルタのコンデンサ故障に対し簡単な回路構成により確実な過熱保護を可能とする安定化電源装置を提供することを目的とする。
(安定化電源装置)
本発明は、2相の交流電力を、所定の整流前置回路部を介して整流回路部に入力し、整流回路部の整流電力をスイッチング制御により直流電力に変換して出力する安定化電源装置に於いて、
整流前置回路部における交流の相毎に、整流回路部による整流前の半波整流電圧波形を検出する電圧検出回路部と、
電圧検出回路部の交流各相からの半波整流電圧波形を検出する検出信号ラインの何れか一方に設けられた温度検知素子と、
電圧検出回路部により検出された各相の半波整流電圧波形のピーク値を検出すると共に各相のピーク値の差分を検出し、差分が所定の閾値以上又は閾値を超えた場合に過熱を検出して保護動作を行なわせる過熱保護部と、
が設けられたことを特徴とする。
(電圧検出回路部の回路構成)
電圧検出回路部は、各相の信号ラインに検出信号ラインを分岐接続し、検出信号ラインの各々に半波整流用のダイオードを介して共通接続して過熱保護部に入力接続させる。
(温度検知素子の正の温度特性)
温度検知素子は、温度の増加に対し温度が所定温度を超えると抵抗値が急激に増加させる正の温度特性を備える。
(温度検知素子の熱結合)
温度検知素子は、整流前置回路部の回路部品に熱結合され、過熱保護部は、回路部品の異常による過熱を検出して保護動作を行わせる。
(整流前置回路部の回路部品)
整流前回路部には少なくともコモンモードノイズフィルタを構成するコモンモードチョークコイルとフィルムコンデンサが設けられ、
温度検出素子はフィルムコンデンサの断線により異常電流が流れて過熱される回路部品に熱結合される。
(温度検知素子の正の温度特性)
フィルムコンデンサの断線により異常電流が流れて過熱される回路部品は、コモンモードチョークコイル、突入電流防止用のパワーサーミスタ、又はヒューズであり、温度検知素子は、コモンモードチョークコイル、突入電流防止用のパワーサーミスタ、又はヒューズの何れかに熱結合される。
(入力電圧に応じた閾値の可変)
過熱保護部は、温度検知素子が設けられていない検出信号ラインから得られた半波整流電圧波形の電圧レベルに応じて閾値を可変させる。
(基本的な効果)
本発明は、2相の交流電力を、ノイズフィルタが設けられた整流前置回路部を介して整流回路部に入力し、整流回路部の整流電力をスイッチング制御により直流電力に変換して出力する安定化電源装置に於いて、整流前置回路部における交流の相毎に、整流回路部による整流前の半波整流電圧波形を検出する電圧検出回路部と、電圧検出回路部の交流各相からの半波整流電圧波形を検出する検出信号ラインの何れか一方に設けられた温度検知素子と、電圧検出回路部により検出された各相の半波整流電圧波形のピーク値を検出すると共に各相のピーク値の差分を検出し、差分が所定の閾値以上又は閾値を超えた場合に過熱を検出して保護動作を行なわせる過熱保護部とが設けられたため、整流回路前の回路部品に熱結合した温度検知素子により温度の上昇を検知することができ、整流前置回路部のノイズフィルタに設けたコンデンサの劣化による容量低下や断線による異常発熱を検知して保護動作を行うことができ、これに限らず安定化電源装置の過負荷状態や放熱不良による回路部品の過熱を検知して保護することもできる。
また、ノイズフィルタに設けたコンデンサについては、断線に至る前のコンデンサの劣化による容量低下で増加する高周波電流により上昇する整流前置回路部の部品の温度を検知して過熱保護を行うため、コンデンサが完全に断線するような故障に至ることを未然に防止できる。
また、電圧検出回路部及び温度検知素子は、整流回路部の前段の整流前置回路部に配置されたため、安全規格上、整流回路部の前後に要求される絶縁距離(沿面距離と空間距離)を考慮する必要がなくなり、整流回路部と同じ基板上の近傍に電圧検出回路部の回路部品及び温度検知素子配置することができ、回路が大型化することがない。
また、電圧検出回路部により検出する片相の半波整流電圧を温度検知素子により変化させているため、温度検知素子を設けていない反対側の相で正常な入力電圧の監視が同時にでき、電圧検出回路部の本来の機能を損なうことはない。
(電圧検出回路部の回路構成による効果)
また、電圧検出回路部は、各相の信号ラインに検出信号ラインを分岐接続し、検出信号ラインの各々に半波整流用のダイオードを介して共通接続して過熱保護部に入力接続させるようにしたため、半波整流電圧検出回路は2本の検出信号ラインと2個のダイオードという極めて簡単な回路構成で済み、回路の小型化と低コスト化が実現できる。
(温度検知素子の正の温度特性による効果)
また、温度検知素子は、温度の増加に対し温度が所定温度を超えると抵抗値が急激に増加させる正の温度特性を備えたため、部品の加熱により温度が上昇すると抵抗値が増加し、過熱に応じて低くなる半波整流電圧を生成させることができる。また、R54が正常時の温度検知素子52の抵抗値に対し、100倍以上に設定することで、正常動作時のR55での検出電圧は、温度検知素子を追加しない場合とほぼ変わらない検出電圧にすることができる。
(温度検知素子の熱結合による効果)
また、温度検知素子は、整流前置回路部の回路部品に熱結合され、過熱保護部は、回路部品の異常による過熱を検出して保護動作を行わせ、例えば整流前置路部には少なくともコモンモードノイズフィルタを構成するコモンモードチョークコイルとコンデンサが設けられ、温度検出素子はフィルムコンデンサの断線により異常電流が流れて過熱される回路部品に熱結合され、コンデンサの断線により異常電流が流れて過熱される回路部品は、コモンモードチョークコイル、突入電流防止用のパワーサーミスタ、又はヒューズであり、温度検知素子は、コモンモードチョークコイル、突入電流防止用のパワーサーミスタ、又はヒューズの何れかに熱結合されるようにしたため、フィルムコンデンサの断線により異常電流が流れて過熱される回路部品の直下に温度検知素子を配置するか、回路部品の基板に対するリード近傍等に配置することにより熱結合し、周囲からの熱干渉を受けることなく、熱結合した回路部品の過熱異常を検知して保護動作を行わせることができる。
(入力電圧に応じた閾値の可変による効果)
また、過熱保護部は、温度検知素子が設けられていない検出信号ラインから得られた半波整流電圧に応じて閾値を可変させるようにしたため、電圧検出回路部により検出する温度検出素子を設けていない検出信号ラインにより正常な交流入力電圧が検知できることから、交流入力電圧に比例した過熱保護の閾値の可変設定が可能となり、交流入力電圧が変化しても発熱異常を検知するための温度を一定とすることができ、広範な交流入力電圧の範囲に対応した過熱保護が可能となる。
力率改善用のコンバータを例にとって安定化電源装置の実施形態を示した回路ブロック図 図1の電圧検出回路部による検出波形を示したタイムチャート 図1の過熱保護部による制御動作を示したフローチャート
[安定化電源装置]
図1は力率改善用のコンバータを例にとって安定化電源装置の実施形態を示した回路ブロック図である。図1に示すように、本実施形態の安定化電源装置10は、ダイオードブリッジを備えた全波整流回路部12の前段に設けられた整流前置回路部14と後段に設けられた力率改善用のコンバータ16で構成される。
(整流前置回路部)
整流前置回路部14は、ヒューズ20、パワーサーミスタ22、コモンモードノイズフィルタ24で構成される。パワーサーミスタ22は装置を起動したときの突入電流防止用に設けている。パワーサーミスタ22は、起動直後は抵抗値が高いことから突入電流が制限され、時間の経過に伴う発熱により抵抗値が無視できる程度まで低下する。
コモンモードノイズフィルタ24は、一対のコイルを結合したコモンモードチョークコイル38,42とフィルムコンデンサ36,40で構成され、インバータ16のスイッチング動作に伴うコモンモードノイズとなる高周波成分を除去し、商用交流電源18にノイズが流出するのを防止する。
(コンバータ)
コンバータ16は、入力コンデンサ26、インダクタ28、MOS−FETを用いたスイッチング素子30、ダイオード32、出力コンデンサ34及びスイッチング制御部56で構成される。
コンバータ16のスイッチング素子30はスイッチング制御部56によりオンオフ制御され、全波整流回路部12から出力された全波整流電圧波形に追従したスイッチング電流波形(三角波電流波形)を生成し、その平均電流を交流電圧と同相とすることにより力率を改善する。
インバータ16は、スイッチング素子30がオンすると入力側からインダクタ28に電流が流れて励磁エネルギーが蓄積され、続いて、スイッチング素子30をオフすると、インダクタ28に蓄積された励磁エネルギーが放出され、インダクタ28からダイオード32を介して出力コンデンサ34に電流が流れ、出力端子35a,35bを介して負荷側に供給される。
スイッチング制御部56は市販の制御ICを用いることができ、A/Dコンバータ58、MPU(マイクロプロセッサユニット)60及びPWMパルス発生部62が設けられている。
PWMパルス発生部62は、抵抗66,68で分圧した出力電圧検出信号を入力し、所定の基準値との誤差を求め、誤差に応じてパルス幅が制御されたPWM信号をスイッチング制御信号としてスイッチング素子30に出力する。PWMパルス発生部62による出力されるスイッチング制御信号は、誤差が大きいとパルス幅が広くなり、誤差が小さいとパルス幅が狭くなるように制御される。
(電圧検出回路部と温度検知素子)
全波整流回路部12の前段に設けられた整流前置回路部14には電圧検出回路部46が設けられる。電圧検出回路部46は、コモンモードノイズフィルタ24に設けられたコモンモードチョークコイル38,42の間の2相交流ラインの各々から検出信号ラインが分岐接続により引き出され、それぞれダイオード48,50を介して共通接続し、抵抗54,55により分圧された後に共通接続側をスイッチング制御部56に設けられたA/Dコンバータ58の入力に接続されている。
これにより電圧検出回路部46は、整流前置回路部14における交流の相毎に、全波整流回路12による整流前の正弦波電圧波形をダイオード48、50の各々により半波整流電圧波形として検出する。
ダイオード48が接続された交流相からの検出信号ラインには温度検知素子52が接続されている。温度検出素子52は、温度が上がると抵抗値が上がる正の温度特性をもっており、例えば正特性サーミスタ(PTCサーミスタ)が使用される。
また、R54が正常時の温度検知素子52の抵抗値に対し、100倍以上に設定することで、正常動作時のR55での検出電圧は、温度検知素子を追加しない場合とほぼ変わらない検出電圧にすることができる。
温度検知素子52は、コモンモードノイズフィルタ24に設けられたフィルムコンデンサ36,40が劣化により容量低下や断線を起こした場合にコンバータ16のスイッチング動作で発生した高周波電流が流れて温度上昇する回路部品に熱結合されており、本実施形態にあっては、コンバータ16に近い例えばコモンモードチョークコイル42に温度検知素子52が熱結合されている。
温度検知素子52の熱結合は、温度検知素子52がチップ部品であることから、コモンモードチョークコイル42を配置している基板の部品直下やリード近傍に配置され、これにより周囲からの熱干渉を受けることなく温度検知対象とするコモンモードチョークコイル42と熱結合することができる。
電圧検出回路部46の検出電圧は抵抗54,55の分圧回路により分圧されてスイッチング制御部56のA/Dコンバータ58に入力されている。ここで、抵抗54の抵抗値を正常時の温度検知素子52の抵抗値に対し、100倍以上に設定することで、正常動作時の抵抗55に生ずる検出電圧は、温度検知素子52を追加しない場合とほぼ変わらない検出電圧にすることができる。
図2は図1の電圧検出回路部による検出波形を示したタイムチャートであり、図2(A)は検出前の交流正弦波形を示し、図2(B)は検出された半波整流電圧波形を示す。
図2(A)の交流制限波形の正の半サイクルの期間では、電圧検出回路部46のダイオード48が導通され、図2(B)に示す半波整流電圧波形Vac1が検出される。また、図2(A)の交流制限波形の負の半サイクルの期間では、電圧検出回路部46のダイオード50が導通され、図2(B)に示す半波整流電圧波形Vac2が検出される。
ここで温度検知素子52の温度が上がって抵抗値が上がると電圧降下が増加し、ダイオード48を介して検出されている半波整流電圧波形Vac1は点線で示す半波整流電圧波形Vac11に示すように減少する。
なお、温度検知素子52としては、温度が上昇すると抵抗値が低下する負の温度特性を持った負特性サーミスタ(NTCサーミスタ)を使用してもよい。負の温度特性の温度検知素子52を使用した場合には、ダイオード50が接続された交流相からの検出信号ラインにバランス用の抵抗が接続され、抵抗の抵抗値は温度検知素子52の正常動作温度での抵抗値に一致した値とした上で、温度検知素子52の温度が上がって抵抗値が下がると電圧降下が低下し、ダイオード48を介して検出されている半波整流電圧波形Vac1は減少することになる。
(過熱保護部)
スイッチング制御部56に設けられたMPU60は、CPU、メモリ、A/Dコンバータ58を含む各種の入出力ポートを備えたコンピュータ回路で構成され、CPUによるプログラムの実行により過熱保護部64としての機能が実現される。
過熱保護部64は、A/Dコンバータ58により商用交流周波数のおよそ50〜100倍の周波数で電圧検出回路部46で検出された半波整流電圧波形をサンプリングして読み込み、半サイクル毎のピーク値を検出している。
例えば図2(B)の半波整流電圧波形を例にとると、過熱保護部64は半サイクル毎の半波整流電圧波形Vac1,Vac2のピーク値Vp1,Vp2を検出してメモリに保持している。
続いて、過熱保護部64は、ピーク値Vpiを検出する毎に、前回検出したピーク値Vpi−1との差分ΔVを検出し、検出した差分ΔVを予め定めた過熱検知のための閾値ΔVthと比較し、差分ΔVが閾値ΔVth以上または超えた場合に過熱異常を検知し、PWMパルス発生部62によるスイッチング制御信号の出力を停止し、スイッチング素子30をオフに固定することでコンバータ16の動作を停止させる保護動作を行わせる。
図2(B)に示すように、温度検知素子52の温度が定常動作温度の場合は、抵抗値が抵抗54に対して1/100以下のため、正の半サイクルに対応した半波整流電圧波形Vac1と負の半サイクルに対応した半波整流電圧波形Vac2はほぼ同じになり、それぞれのピーク値Vp1,Vp2もほぼ同じとなり、ピーク値の差分ΔVは零付近で閾値ΔTHより十分に小さい値となっている。
これに対し温度検知素子52の温度が例えばコモンモードノイズフィルタ24に設けられたフィルムコンデンサ36,40の劣化による容量低下や断線によって高周波電流が流れて上がると、抵抗値の増加により正の半サイクルに対応した半波整流電圧波形Vac1が点線で示す半波整流電圧波形Vac11のように減少し、次の負の半サイクルに対応した半波整流電圧Vacは変化しないことから、ピーク値Vp11,Vp2の差分ΔVが増加し、閾値ΔVth以上又は閾値ΔVthを超えた場合に異常過熱を検知し、過熱保護動作が行われる。
なお、図2(B)では、半波整流電圧Vac1,Vac2のピーク値Vp1,Vp2の差分ΔVを求めているが、半サイクルのピーク値を検出する毎に、前回の半サイクルのピーク値との差分を求め、この場合、差分は正負の値をもつことから、差分の絶対値を求めて閾値と比較することで異常過熱を検知すれば良い。
また、過熱保護部64は、温度検知素子52が設けられていない交流相のダイオード50による検出信号ラインの半波整流電圧波形から正常な交流入力電圧が検知できることから、正常な交流入力電圧に比例して過熱保護の閾値ΔVthを可変設定する制御を行う。このような正常な交流入力電圧に追従した閾値ΔVthの可変設定により、過熱保護動作を開始させる温度を交流入力電圧が変わっても一定の温度とすることができ、広範な交流入力電圧の範囲に対応した過熱保護が可能となる。
[過熱保護制御]
図3は図1の過熱保護部による制御動作を示したフローチャートであり、スイッチング制御部56のMPU60に設けた過熱制御部64よる制御動作となる。
過熱制御部64はステップS1で電圧検出回路部46から出力される半波整流電圧波形をA/Dコンバータ58によるサンプリングで読み込み、ステップS2で半サイクル毎にピーク値を検出して記憶する。
続いて過熱保護部64は、ステップS3で前回のピーク値と現在のピーク値との差分を検出し、ステップS4で所定の閾値と比較し、閾値以上となることを判別した場合はステップS5に進み、コンバータ16のスイッチング制御を停止させることで、異常過熱から回路部品を保護する。
このような過熱保護制御により、整流前置回路部14のコモンモードチョークコイル42に熱結合した温度検知素子52により、コモンモードノイズフィルタ24に設けたフィルムコンデンサ36,40の劣化や断線により流れる高周波電流による異常発熱を検知して保護動作を行うことができ、これに加えて安定化電源装置10の過負荷状態や放熱不良による回路部品の過熱も検知して保護動作を行うことができる。
また、コモンモードノイズフィルタ24に設けたフィルムコンデンサ36,40の断線については、断線に至る前の劣化による容量低下で増加する高周波電流による温度上昇を検知して過熱保護を行うため、フィルムコンデンサ36,40が完全に断線するような故障に至る前に安定化電源装置の動作を停止して保護することができる。
また、温度検知素子52は整流前置回路部14に配置されることで、安全規格上、全波整流回路部12の前後に要求される絶縁距離(沿面距離と空間距離)を考慮する必要がなくなり、温度検知素子52を全波整流回路部12と同じ基板上の整流前置回路部14の回路部品の近傍に配置することができ、回路が大型化することがない。
[本発明の変形例]
上記の実施形態は、温度検出素子52を、整流前置回路部14のコモンモードノイズフィルタ24に設けられたコモンモードチョークコイル42に熱結合させているが、これ限定されない。例えば、コモンモードチョークコイル38に熱結合させてもよいし、或いはパワーサーミスタ22やヒューズ20等の回路部品に熱結合させるようにしても良い。
また、上記の実施形態は、力率改善回路に用いられる安定化電源装置を例にとるものであったが、本発明はこれに限定されず、所定電圧に安定化された直流電圧を出力する昇圧コンバータ回路又はフライバックコンバータ回路等のスイッチング電源装置にも適用される。
また、上記の実施形態は、過熱保護部の機能をMPUにより実現しているが、ハードウェアの専用回路としても良いし、スイッチンン制御部に用いられる制御ICの機能として実現するようにしても良い。
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:安定化電源装置
12:全波整流回路部
14:整流前置回路部
16:コンバータ
18:商用交流電源
20:ヒューズ
22:パワーサーミスタ
24:コモンモードノイズフィルタ
26:入力コンデンサ
28:インダクタ
30:スイッチング素子
32:ダイオード
34:出力コンデンサ
36,40:フィルムコンデンサ
38,42:コモンモードチョークコイル
46:電圧検出回路部
48,50:半波整流ダイオード
56:スイッチング制御部
58:A/Dコンバータ
60:MPU
62:PMWパルス発生部
64:過熱保護部

Claims (7)

  1. 2相の交流電力を、所定の整流前置回路部を介して整流回路部に入力し、前記整流回路部の整流電力をスイッチング制御により直流電力に変換して出力する安定化電源装置に於いて、
    前記整流前置回路部における交流の相毎に、前記整流回路部による整流前の半波整流電圧波形を検出する電圧検出回路部と、
    前記電圧検出回路部の交流各相からの前記半波整流電圧波形を検出する検出信号ラインの何れか一方に設けられた温度検知素子と、
    電圧検出回路部により検出された前記各相の半波整流電圧波形のピーク値を検出すると共に前記各相のピーク値の差分を検出し、前記差分が所定の閾値以上又は前記閾値を超えた場合に過熱を検出して保護動作を行なわせる過熱保護部と、
    が設けられたことを特徴とする安定化電源装置。
  2. 請求項1記載の安定化電源装置に於いて、
    前記電圧検出回路部は、前記各相の信号ラインに検出信号ラインを分岐接続し、前記検出信号ラインの各々に半波整流用のダイオードを介して共通接続して前記過熱保護部に入力接続させたことを特徴とする安定化電源装置。
  3. 請求項1記載の安定化電源装置に於いて、前記温度検知素子は、温度の増加に対し抵抗値を増加させる正の温度特性を備えたことを特徴とする安定化電源装置。
  4. 請求項1記載の安定化電源装置に於いて、前記温度検知素子は、前記整流前置回路部の回路部品に熱結合され、前記過熱保護部は、前記回路部品の異常による過熱を検出して保護動作を行わせることを特徴とする安定化電源装置。
  5. 請求項1記載の安定化電源装置に於いて、
    前記整流前回路部には少なくともコモンモードノイズフィルタを構成するコモンモードチョークコイルとフィルムコンデンサが設けられ、
    前記温度検出素子は前記フィルムコンデンサの断線により異常電流が流れて過熱される回路部品に熱結合されたことを特徴とする安定化電源装置。
  6. 請求項5記載の安定化電源装置に於いて、
    前記フィルムコンデンサの断線により異常電流が流れて過熱される回路部品は、前記コモンモードチョークコイル、突入電流防止用のパワーサーミスタ、又はヒューズであり、前記温度検知素子は、前記コモンモードチョークコイル、突入電流防止用のパワーサーミスタ、又はヒューズの何れかに熱結合されたことを特徴とする安定化電源装置。
  7. 請求項1記載の安定化電源装置に於いて、
    前記過熱保護部は、前記温度検知素子が設けられていない検出信号ラインから得られた半波整流電圧波形の電圧レベルに応じて前記閾値を可変させることを特徴とする安定化電源装置。
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