JP2019081585A - 容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】開封することなく内容物を加熱することが可能な容器において、容器の破裂を防止するとともに加熱効率を向上させる。【解決手段】本発明のある観点によれば、凹部111および凹部の周縁に沿って形成され周縁から外方に延出するフランジ部112を含む容器本体110と、フランジ部に形成される接合領域140で容器本体に接合されることによって凹部との間に内部空間SPを形成する蓋体130とを備える容器100であって、容器本体および蓋体を形成する積層体のいずれかの層が凝集破壊層であり、凝集破壊層の凝集強度は蓋体と容器本体との間の接合強度、凝集破壊層以外の各層の凝集強度、ならびに各層の間の層間接合強度よりも弱く、接合領域の凹部側の端縁部に樹脂溜まり部が形成され、蓋体または容器本体の少なくともいずれかに、内部空間を外部空間に連通させることが可能な少なくとも1つの開孔132が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、容器に関する。
容器本体および蓋体からなる食品などの容器において、容器の密封性と、開封性、すなわち開封時に蓋体を容器本体から容易に剥離できるようにすることとを両立することは容易ではない。容器本体と蓋体との間の接合強度を強くすれば密封性は向上するが開封性は低下し、逆に接合強度を弱くすれば開封性が向上する代わりに密封性が低下するためである。このような課題を解決するための技術は、これまでに種々提案されている。
例えば、特許文献1には、容器本体と容器本体のフランジ部に接合される蓋体とからなる容器において、容器本体および蓋体を形成する積層体のいずれかの層の凝集強度を容器本体と蓋体との間の接合強度よりも小さくなるように構成するとともに、容器本体と蓋体との間の接合部の内周縁部近傍に樹脂溜まり部を形成する技術が提案されている。容器本体と蓋体との接合領域では容器本体および蓋体を形成する積層体のいずれかの層を凝集破壊させることで、容器本体と蓋体との間の接合強度を弱めることなく開封性を高めることが可能になる。
特許第5001962号公報
その一方で、開封することなく電子レンジに入れて食品などの内容物を加熱することが可能な容器も知られている。このような容器では、加熱された内容物から発生した水蒸気によって内圧が上昇したときに容器が破裂しないように、蓋体に蒸気抜きのための開孔を設けることが一般的である。開孔を設けることによって容器の密封性は失われるため、このような容器において上記の特許文献1のような技術は採用されない。
本来、上記のような容器では、開孔の大きさおよび数を必要最小限とし、水蒸気を容器内に充満させることで、加熱効率を向上させることができる。しかしながら、電子レンジでの加熱は、機種や個体によるばらつきが大きく、加熱時に発生する内圧を正確に予測することは難しい。それゆえ、実際には、容器の破裂を確実に防止するために、大きめの、または多めの開孔が設けられ、加熱効率が低いままであることが多かった。
そこで、本発明は、開封することなく内容物を加熱することが可能な容器において、容器の破裂を防止するとともに加熱効率を向上させることを可能にする、新規かつ改良された容器を提供することを目的の一つとする。
本発明のある観点によれば、凹部および凹部の周縁に沿って形成され周縁から外方に延出するフランジ部を含む容器本体と、フランジ部に形成される接合領域で容器本体に接合されることによって凹部との間に内部空間を形成する蓋体とを備える容器であって、容器本体は、第1層と、第1層に接合され接合領域に面する第2層とを少なくとも含む積層体からなり、蓋体は、接合領域に面する第3層と、第3層に接合される第4層とを少なくとも含む積層体からなり、第2層または第3層のいずれかが凝集破壊層であり、凝集破壊層の凝集強度は蓋体と容器本体との間の接合強度、第1層から第4層までのうち凝集破壊層以外の各層の凝集強度、ならびに第1層と第2層との間および第3層と第4層との間の層間接合強度よりも弱く、接合領域の凹部側の端縁部に、第1層および第2層を形成する樹脂からなり凹部側に傾いた瘤状断面の第1樹脂溜まり部と、第3層の樹脂からなり第1樹脂溜まり部よりも凹部側に位置する瘤状断面の第2樹脂溜まり部とが形成され、蓋体または容器本体の少なくともいずれかに、内部空間を外部空間に連通させることが可能な少なくとも1つの開孔が形成される容器が提供される。
上記の構成によれば、容器本体または蓋体のいずれかを構成する積層体の層を凝集破壊させることによって容器が開封されるため、開封性を損なうことなく容器本体と蓋体との間の接合強度を強くすることができる。このような容器に開孔を形成することによって、内容物の加熱時には水蒸気を外部に排出して容器の破裂を防止しつつ、開孔から放出される水蒸気の量を制限することで内部空間に水蒸気を充満させるとともに内圧をある程度まで上昇させ、内容物の加熱効率を向上させることができる。
上記の容器において、開孔は、蓋体が内部空間を封止する封止領域の端縁部に沿って配置されてもよい。
上記の容器において、開孔は、封止領域の全周で端縁部に沿って配置されてもよい。
上記の容器において、開孔は、蓋体が内部空間を封止する封止領域の隅角部を含まない部分に配置されてもよい。
上記の容器において、内部空間には、第1の内容物と、加熱されることによって第1の内容物よりも多くの水蒸気を発生させる第2の内容物とが収納され、開孔は、第2の内容物よりも第1の内容物に近い位置に形成されてもよい。
上記の容器において、開孔は、容器本体の面に形成されてもよい。この場合において、開孔は、接合領域よりも凹部側でフランジ部に形成されてもよい。
本発明によれば、開封することなく内容物を加熱することが可能な容器において、容器の破裂を防止するとともに加熱効率を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る容器の斜視図である。 図1に示す容器の開封動作を示す部分断面図である。 図1に示す容器に形成される開孔の形状の他の例を示す図である。 図1に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。 図1に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。 図1に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。 図1に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。 図1に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。 図1に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。 図1に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。 図1に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。 図1に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る容器の製造方法について説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る容器の斜視図である。 図14に示す容器の開封動作を示す部分断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る容器の斜視図である。 図16に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。 図16に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。 図16に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。 図16に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。 図16に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。 本発明の第4の実施形態を示す図である。 本発明の第5の実施形態を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る容器の斜視図である。図2は、図1に示す容器の開封動作を示す部分断面図である。
本実施形態に係る容器100は、容器本体110と、蓋体130とを含む。容器本体110は、略矩形の平面形状を有し、凹部111と、凹部111の周縁に沿って形成されるフランジ部112とを含む。フランジ部112は、凹部111の周縁から外方に延出する。蓋体130は、凹部111の開口を覆うフィルム状の部材であり、フランジ部112に形成される接合領域140でヒートシールまたは超音波シールなどを用いて容器本体110に接合されることによって凹部111との間に内部空間SPを形成する。
容器本体110は、図2に示されるように、基材層114A、表面下層114Bおよび表面層114Cを含む積層体114を、真空成形または圧空成形などによって凹部111およびフランジ部112を含む形状に成形したものである。基材層114Aは、容器本体110の外側に位置し、容器本体110の形状の保持に必要とされる剛性を発揮する。表面下層114Bは、基材層114Aと表面層114Cとの間にあり、それぞれの層に接合されている。表面層114Cは、容器本体110の内側、すなわち内部空間SPに面する側に位置し、フランジ部112に形成される接合領域140に面する。
ここで、積層体114の基材層114Aおよび表面下層114Bは、例えばオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、およびポリエステル系樹脂からなる群の少なくともいずれかを含む樹脂で形成される。オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、およびポリエチレンが例示される。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が例示される。基材層114Aおよび表面下層114Bとの間では、例えば剛性が異なる。基材層114Aには、剛性を向上させるためにタルクなどの無機フィラーが添加されてもよい。
一方、積層体114の表面層114Cは、例えばエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体またはスチレングラフトプロピレン樹脂の少なくともいずれかを、ポリプロピレン系樹脂にブレンドして得られた樹脂組成物で形成される。この場合、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体またはスチレングラフトプロピレン樹脂は、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、好ましくは10質量部から50質量部、特に好ましくは15質量部から40質量部程度、添加すればよい。
なお、図示された例において積層体114は基材層114A、表面下層114Bおよび表面層114Cの3つの層を含むが、他の例において積層体114は追加の層を含んでもよい。例えば、積層体114は、高い剛性が必要とされる場合に、複数の基材層と、基材層同士を接着する接着層とを含んでもよい。接着層は、例えばウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、またはエチレン酢酸ビニル(EVA)などで形成される。また、積層体114は、酸素などを遮断するガスバリア層を含んでもよい。ガスバリア層は、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、またはポリアクリロニトリル(PAN)などで形成される。
蓋体130は、外層131Aおよびシール層131Bを含むフィルム状の積層体131からなる。外層131Aは、蓋体130の表側、すなわち容器本体110に面しない側に位置し、蓋体130に必要とされる柔軟性や引張強度を発揮する。外層131Aは、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、または二軸延伸ナイロンフィルム(O−Ny)などで形成される。一方、シール層131Bは、蓋体130の裏側、すなわち容器本体110に向けられる側に位置し、フランジ部112に形成される接合領域140に面する。シール層131Bは、例えばランダムポリプロピレン(RPP)、ブロックポリプロピレン(BPP)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、またはポリエチレンなどの樹脂組成物で形成される。本実施形態において、外層131Aとシール層131Bとは互いに接合されている。なお、他の実施形態では、積層体131にも追加の層が含まれてもよい。
ここで、本実施形態において、積層体114の表面層114Cの凝集強度は、接合領域140における蓋体130と容器本体110との間の接合強度よりも弱く、積層体114および積層体131を構成する表面層114C以外の各層の凝集強度よりも弱く、また積層体114および積層体131の各層の間の層間接合強度よりも弱い。つまり、表面下層114Bを第1層、表面層114Cを第2層、シール層131Bを第3層、外層131Aを第4層とした場合に、第2層の凝集強度は、蓋体130と容器本体110との間の接合強度、第1層、第3層および第4層の凝集強度、ならびに第1層と第2層との間および第3層と第4層との間の層間接合強度よりも弱い。これによって、後述するように、本実施形態では表面層114Cを凝集破壊層とすることによって容器100を容易に開封することができる。なお、本明細書において、凝集強度は、積層体の各層を構成する樹脂を結合させている分子間力(凝集力)によって発揮される強度を意味する。
さらに、本実施形態では、図2に示されるように、接合領域140の凹部111側の端縁部に、第1樹脂溜まり部121および第2樹脂溜まり部122が形成される。第1樹脂溜まり部121は、積層体114の表面下層114Bおよび表面層114Cを形成する樹脂からなり、凹部111側に傾いた瘤状断面を有する。第2樹脂溜まり部122は、蓋体130のシール層131Bを形成する樹脂からなり、第1樹脂溜まり部121よりも凹部111側に位置する瘤状断面を有する。図示されているように、表面層114Cは、第1樹脂溜まり部121の表面に沿って、かつ第1樹脂溜まり部121と第2樹脂溜まり部122との隙間を通るように形成される。以下の本実施形態の説明では、第1樹脂溜まり部121および第2樹脂溜まり部122を総称して樹脂溜まり部120ともいう。
(容器の開封動作)
次に、容器100の開封動作について説明する。容器100では、例えば略矩形の平面形状の角部において、蓋体130がフランジ部112の周縁から大きく延出している。ユーザは延出した蓋体130の端部を容易に摘持し、ここから図2(A)に示すように蓋体130を引き剥がすことによって容器100の開封を開始することができる。
ここで、上述のように、表面層114Cの凝集強度は、接合領域140における蓋体130と表面層114Cとの間の接合強度、積層体114および積層体131の表面層114C以外の各層の凝集強度、ならびに積層体114および積層体131の各層の間の層間接合強度よりも弱い。従って、ユーザが蓋体130を引き剥がすと、接合領域140に対応する位置で蓋体130に引っ張られた表面層114Cが凝集破壊される。これによって、表面層114Cの一部が蓋体130とともに引き剥がされ、表面層114Cの残りの部分は表面下層114B側に残る。
さらにユーザが蓋体130を引き剥がすと、図2(B)に示すように、樹脂溜まり部120で表面層114Cの凝集破壊が途切れ、そこから先は蓋体130だけが引き剥がされる。これは、樹脂溜まり部120において、表面層114Cの凝集破壊が、第1樹脂溜まり部121の形状に沿って進行するためである。第1樹脂溜まり部121の表面と第2樹脂溜まり部122の表面とが互いに離反する接合領域140の端縁140E付近で表面層114Cは両側から引っ張られて破断し、蓋体130側から離れる。
本実施形態に係る容器100は、上記のような手順によって開封される。積層体114の表面層114Cの凝集強度を弱めれば、開封時にユーザが蓋体130を引き剥がす力が小さくて済み、開封が容易になる。その一方で、開封前、容器本体110と蓋体130とが互いに接合された状態では、内部空間SPの内圧は接合領域140に作用する。接合領域140における蓋体130と容器本体110との間の接合強度は、表面層114Cの凝集強度よりも強くすることが可能であるため、上記のように表面層114Cの凝集強度を弱めることによって開封を容易にした場合であっても、蓋体130と容器本体110との間の接合強度は強いままにして高い内圧に対抗することができる。加えて、接合領域140では第1樹脂溜まり部121の凹部111側の根元付近に応力が集中するため、接合領域140はより樹脂溜まり部が形成されない場合よりも高い内圧に対抗することが可能である。このようにして、本実施形態に係る容器100では、開封性と耐内圧性とを両立させることができる。
(開孔の構成)
本実施形態では、図1に示されるように、蓋体130に開孔132が形成される。図示された例において、開孔132は、接合領域140よりも内側の領域Rに形成される。この領域Rにおいて、蓋体130は、容器本体110の凹部111との間に形成される内部空間SPを封止している。従って、領域Rに形成される開孔132は、内部空間SPを外部空間に連通させることが可能である。以下の説明では、このような領域Rを、蓋体130の封止領域ともいう。図示された例において、開孔132は、略矩形状の封止領域Rの長辺R1側の端縁部に沿って配置される。具体的には、個々の開孔132は、封止領域Rの両方の長辺R1に沿って延びる細長矩形状を有し、かつそれぞれの長辺R1に沿って3つの開孔132が配置される。
このような開孔132が形成されることによって、例えば、容器100を開封することなく電子レンジに入れて食品などの内容物を加熱したときに、加熱された内容物から発生した水蒸気の一部が開孔132を介して放出される。ここで、蒸気抜きの機能そのものに関していえば、開孔132は従来の容器に設けられる蒸気抜きのための開孔と同様の機能を有するといえる。しかしながら、本実施形態に係る容器100では、上記のような構成によって、開封性を損なうことなく、容器本体110と蓋体130との間の接合強度を強くし、高い内圧に対抗することができる。従って、本実施形態では、開孔132の大きさおよび数を、例えば従来の容器に同条件の加熱を実施する場合に比べて、より小さく、またはより少なくすることができる。
より具体的には、既に述べたように、電子レンジでの加熱は、機種や個体によるばらつきが大きいが、容器100は従来よりも高い内圧に対抗することができるために、必要最小限の大きさおよび数の開孔132を形成すれば、例えば平均よりも多くの水蒸気が発生して内圧が上昇した場合にも、容器100の破裂を確実に防止することができる。このように、開孔132の大きさおよび数を必要最小限にできることによって、加熱時には容器内により多くの水蒸気を充満させ、加熱効率を向上させることができる。また、容器100の内圧を高くできることによって、圧力鍋と同様に内容物の加圧調理を行うこともできる。
図3は、図1に示す容器に形成される開孔の形状の他の例を示す図である。図3(A)から(C)には、図1に示された例と同様に蓋体130の封止領域Rの長辺R1側の端縁部に沿って、他の形状の開孔132A,132B,132Cを形成した例が示されている。図3(A)に示された例において、開孔132Aは、ミシン目状である。図1に示された開孔132が蓋体130を細長矩形状に切り抜くことによって形成されるのに対して、開孔132Aは、蓋体130を所定の長さだけ直線状に切ることによって形成される。図示していないが、開孔132Aは、蓋体130を曲線上に切ることによって形成されてもよい。開孔132Aは、加熱時の内圧によって蓋体130に作用する張力によって開放され、蒸気抜きの機能を発揮する。
図3(B)に示された例において、開孔132Bは、略円形である。開孔132Bは、図1に示された開孔132と同様に、蓋体130を所定の形状に切り抜くことによって形成される。図3(C)に示された例において、開孔132Cは、ピンホール状である。図3(A)に示された例の開孔132Aと同様に、ピンホール状の開孔132Cは、加熱時の内圧によって蓋体130に作用する張力によって開放され、蒸気抜きの機能を発揮する。このように、本実施形態において蓋体130に形成される開孔132の形状は、加熱時に内部空間SPを外部空間に連通させ、蒸気抜きの機能を発揮することが可能なものであれば特に限定されない。
図4から図12は、図1に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。なお、これらの例において、開孔132は図1に示された例と同様に蓋体130を所定の形状、具体的には細長矩形状に切り抜くことによって形成されているが、上記で図3を参照して説明したように、開孔132は蓋体130を所定の長さだけ直線状または曲線状に切ることによって形成されてもよいし、略円形などの他の形状に蓋体を切り抜くことによって形成されてもよいし、ピンホール状であってもよい。
図4に示された例において、開孔132は、略矩形状の封止領域Rの中央部を、封止領域Rの短辺R2と平行に横切るように配置される。なお、開孔132が封止領域Rの辺または対角線に沿って配置されるそれぞれの例において、開孔132は、1列、2列、またはそれ以上の数の列で配置することが可能である。図5に示された例において、開孔132は、封止領域Rの短辺R2側の端縁部に沿って配置される。図示された例では短辺R2の略全長にわたって開孔132が配置されているが、図1に示された例と同様に短辺R2の一部に開孔132が配置されてもよい。
図6に示された例において、開孔132は、封止領域Rの中央部を、長辺R1と平行に横切るように配置される。図7に示された例において、開孔132は、封止領域Rの長辺R1側の端縁部に沿って配置される。図1に示された例では長辺R1の一部に開孔132が配置されたのに対して、図7の例では開孔132が長辺R1の略全長にわたって配置される。図8に示された例において、開孔132は、封止領域Rの中央部に配置される。なお、開孔132の数および配置は、図示された例(8個、2列×4列)には限られず、他の数、または他の配置も可能である。
図9に示された例において、開孔132は、略矩形状の封止領域Rの隅角部に配置される。図示された例では4つの隅角にそれぞれ1つの開孔132が形成されているが、それぞれの隅角に複数の開孔132が形成されてもよい。図10に示された例において、開孔132は、封止領域Rの一部の隅角部にだけ配置される。具体的には、開孔132は、略矩形の封止領域Rの一方の対角を構成する2つの隅角部にだけ配置される。図9の例と同様に、これらの隅角部では、単一の開孔132が形成されてもよいし、複数の開孔132が形成されてもよい。加熱時の内圧によって蓋体130に作用する張力を考慮する場合、2つの隅角部は、開孔132の配置が封止領域Rの形状に対して対称になる位置に形成されるように選択されることが好ましい。
図11に示された例において、開孔132は、略矩形の封止領域Rの一方の対角線に沿って配置される。一方、図12に示された例において、開孔132は、封止領域Rの両方の対角線に沿って配置される。例えば、図12の例において、開孔132が交差する封止領域Rの中央部での強度を確保する場合、封止領域Rの中央部を除いた両方の対角線に沿って開孔132を配置してもよい。
以上で説明したようなさまざまな開孔132の配置は、例えば、加熱時に必要とされる開孔132の面積(すなわち水蒸気の排出速度)、加熱時以外に必要とされる容器100の封止性能(例えば、封止領域Rの端縁部から水分が漏出するのを防止する必要がある、など)、および後述する内容物との関係に応じて決定される。また、例えば、電子レンジなどを用いた加熱の特性に応じて開孔132の配置を決定してもよい。具体的には、電子レンジの内部に放射されたマイクロ波が容器本体110で反射および屈折する結果、内部空間SPの隅角部で他の部分よりも加熱が進行する場合がある。このような場合には、図4、図6および図8に示された例のように、封止領域Rの隅角部を含まない部分に開孔132を配置することで、加熱が進行した内部空間SPの隅角部で内容物から発生した水蒸気を他の部分に誘導し、他の部分における内容物の加熱効率を向上させることができる。
(内容物と開孔との関係)
上記で説明した図4から図10には、容器100の内部空間SPに収納された第1の内容物Cおよび第2の内容物Cが図示されている。ここで、第2の内容物Cは、加熱されることによって第1の内容物Cよりも多くの水蒸気を発生させる内容物である。第1の内容物Cは、加熱されることによって第2の内容物Cよりも少ない水蒸気を発生させる内容物であるか、または加熱されても水蒸気をほとんど発生させない内容物である。
例えば、図4から図10に示された例では、開孔132が、第2の内容物Cの上には形成されず、第1の内容物Cの上に形成される。この場合、開孔132は、第2の内容物Cよりも第1の内容物Cに近い位置に形成される。これによって、第2の内容物Cから発生したより多くの水蒸気が、開孔132から排出される前に第1の内容物Cの近傍を通過し、これによって第1の内容物Cの加熱効率を向上させることができる。
もちろん、容器内に十分に水蒸気を充満させることが可能であれば、開孔132を第1の内容物Cおよび第2の内容物Cとは無関係に配置することも可能である。また、第1の内容物Cと第2の内容物Cとが平面的に分離して配置されていない場合(第2の内容物Cが第1の内容物Cのほぼ全面に載せられているような場合を含む)にも、開孔132は第1の内容物Cおよび第2の内容物Cとは無関係に配置される。
具体的には、例えば、第1の内容物Cが米飯または麺である場合、第2の内容物Cは米飯または麺の一部分に載せられたソース(米飯または麺よりも塩分濃度が高い)でありうる。あるいは、第1の内容物Cが乾物、またはそれに近い食品である場合、第2の内容物Cは米飯または麺でありうる。このように、第1の内容物Cと第2の内容物Cとは相対的に決定されるため、同じ種類の内容物であっても第1の内容物Cになる場合と第2の内容物Cになる場合とがありうる。
(容器の製造方法)
図13は、本発明の第1の実施形態に係る容器の製造方法について説明するための図である。図13に示されるように、本実施形態に係る容器100の製造工程は、環状シール盤601を用いてヒートシールで蓋体130と容器本体110との間を接合する工程を含む。ここで、環状シール盤601は、容器本体110のフランジ部112に形成される接合領域140の内周側、すなわち凹部111側の端縁部に面する膨出部602と、膨出部602から外側に向かって広がる傾斜面603とを含む。なお、膨出部602および傾斜面603を含む環状シール盤601とは別に、接合領域140の外周側を接合するために、フランジ部112に対してほぼ平行な平坦面604を含む追加の環状シール盤605が配置されてもよい。
上記の製造工程では、図中の上側から環状シール盤601が下降してきたときに、膨出部602が他の部分よりも先に蓋体130に当接される。その後、傾斜面603が順次、蓋体130に当接される。膨出部602および傾斜面603が当接された部分では蓋体130および容器本体110を形成する樹脂に環状シール盤601から熱が加えられ、ヒートシールによって蓋体130と容器本体110との間が接合される。このとき、接合領域140の内周側の端縁部では、加えられた熱によって溶融した容器本体110の表面下層114Bおよび表面層114C、ならびに蓋体130のシール層131Bを形成する樹脂が、膨出部602によって凹部111側に押し出されて第1樹脂溜まり部121および第2樹脂溜まり部122を形成する。
(第1の実施形態まとめ)
上記で説明したような本発明の第1の実施形態に係る容器100では、容器本体110を構成する積層体114の表面層114Cの凝集強度を、蓋体130と容器本体110との間の接合強度、積層体114および積層体131の表面層114C以外の各層の凝集強度、ならびに積層体114および積層体131の各層の間の層間接合強度よりも弱くすることによって、開封性を損なうことなく容器本体110と蓋体130との間の接合強度を強くし、従来の容器よりも高い内圧に対抗することができる。また、接合領域140の凹部111側の端縁部に第1樹脂溜まり部121および第2樹脂溜まり部122を形成することで、容器100の開封動作を安定させ、また耐内圧性を向上させることができる。このような容器100に開孔132を形成することによって、内容物の加熱時には水蒸気を外部に排出して容器100の破裂を防止しつつ、開孔132から放出される水蒸気の量を制限することで内部空間SPに水蒸気を充満させるとともに内圧をある程度まで上昇させ、内容物の加熱効率を向上させることができる。
(第2の実施形態)
図14は、本発明の第2の実施形態に係る容器の斜視図である。図15は、図14に示す容器の開封動作を示す部分断面図である。
本実施形態に係る容器200は、第1の実施形態に係る容器100と同様の形状の容器本体210と、蓋体230とを含む。具体的には、容器本体210は、凹部111と、凹部111の周縁に沿って形成されるフランジ部112とを含む。フランジ部112は、凹部111の周縁から外方に延出する。蓋体230は、フランジ部112に形成される接合領域140で容器本体210に接合されることによって凹部111との間に内部空間SPを形成する。容器200でも、蓋体230に開孔132が形成される。なお、開孔132の構成については、上記の第1の実施形態と同様であるため重複した説明は省略する。
容器本体210は、図15に示すように、基材層114A、表面下層114Bおよび表面層214Cを含む積層体214からなる。第1の実施形態の積層体114との相違として、表面層214Cは、基材層114Aおよび表面下層114Bと同様に、例えばオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、およびポリエステル系樹脂からなる群の少なくともいずれかを含む樹脂で形成される。一方、蓋体230は、外層131Aおよびシール層231Bを積層体231からなる。第1の実施形態の積層体131との相違として、シール層231Bは、例えばスチレングラフトプロピレン樹脂、または接着性ポリオレフィン樹脂などで形成される。
このような積層体214および積層体231の構成によって、本実施形態では、シール層231Bの凝集強度が、接合領域140における蓋体230と容器本体210との間の接合強度よりも弱く、積層体214および積層体231のシール層231B以外の各層の凝集強度よりも弱く、また積層体214および積層体231の各層の間の層間接合強度よりも弱くなる。つまり、表面下層114Bを第1層、表面層214Cを第2層、シール層231Bを第3層、外層131Aを第4層とした場合に、第3層の凝集強度は、蓋体230と容器本体210との間の接合強度、第1層、第2層および第4層の凝集強度、ならびに第1層と第2層との間および第3層と第4層との間の層間接合強度よりも弱い。
さらに、本実施形態でも、図15に示されるように、接合領域140の凹部111側の端縁部に、第1樹脂溜まり部221および第2樹脂溜まり部222が形成される。第1樹脂溜まり部221は、容器本体210の表面下層114Bおよび表面層214Cを形成する樹脂からなり、凹部111側に傾いた瘤状断面を有する。第2樹脂溜まり部222は、蓋体230のシール層231Bを形成する樹脂からなり、第1樹脂溜まり部221よりも凹部111側に位置する瘤状断面を有する。以下の本実施形態の説明では、第1樹脂溜まり部221および第2樹脂溜まり部222を総称して樹脂溜まり部220ともいう。
(容器の開封動作)
次に、上記のような容器200の開封動作について説明する。容器200でも、フランジ部112の周縁から大きく延出した蓋体230の端部をユーザが摘持し、ここから図15(A)に示すように蓋体230を引き剥がすことによって容器200の開封が開始される点は第1の実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、上述のように、シール層231Bの凝集強度が、蓋体230と容器本体210との間の接合強度、シール層231B以外の各層の凝集強度、ならびに積層体214および積層体231の各層の間の層間接合強度よりも弱くなっている。従って、ユーザが蓋体230を引き剥がすと、接合領域140に対応する位置で容器本体210に接合されたシール層231Bが凝集破壊される。これによって、蓋体230はシール層231Bの一部を容器本体110の表面層214C側に残したまま引き剥がされる。
さらにユーザが蓋体230を引き剥がすと、図15(B)に示すように、樹脂溜まり部220でシール層231Bの凝集破壊が途切れ、そこから先はシール層231Bの全体が蓋体230とともに引き剥がされる。これは、樹脂溜まり部220において、シール層231Bの凝集破壊が進行する向きと交差するように第2樹脂溜まり部222が形成されているためである。第1樹脂溜まり部221の表面と第2樹脂溜まり部222の表面とが互いに離反する接合領域140の端縁140E付近でシール層231Bは両側から引っ張られて破断し、容器本体210側から離れる。
本実施形態に係る容器100は、上記のような手順によって開封される。積層体231のシール層231Bの凝集強度を弱めれば、開封時にユーザが蓋体230を引き剥がす力が小さくて済み、開封が容易になる。その一方で、開封前、容器本体210と蓋体230とが互いに接合された状態では、内部空間SPの内圧は接合領域140に作用する。接合領域140における蓋体230と容器本体210との間の接合強度は、シール層231Bの凝集強度よりも強くすることが可能であるため、上記のようにシール層231Bの凝集強度を弱めることによって開封を容易にした場合であっても、蓋体230と容器本体210との間の接合強度は強いままにして高い内圧に対抗することができる。加えて、接合領域140では第1樹脂溜まり部121の凹部111側の根元付近に応力が集中するため、接合領域140はより樹脂溜まり部が形成されない場合よりも高い内圧に対抗することが可能である。このようにして、本実施形態に係る容器200では、開封性と耐内圧性とを両立させることができる。
(第2の実施形態まとめ)
上記で説明したような本発明の第2の実施形態に係る容器200では、蓋体230を構成する積層体231のシール層231Bの凝集強度を、蓋体230と容器本体210との間の接合強度、積層体214および積層体231のシール層231B以外の各層の凝集強度、ならびに積層体114および積層体231の各層の間の層間接合強度よりも弱くすることによって、開封性を損なうことなく容器本体210と蓋体230との間の接合強度を強くし、従来の容器よりも高い内圧に対抗することができる。また、第1の実施形態と同様に第1樹脂溜まり部121および第2樹脂溜まり部222を形成することで、容器200の開封動作を安定させ、また耐内圧性を向上させることができる。このような容器200に開孔132を形成することによって、内容物の加熱時には水蒸気を外部に排出して容器200の破裂を防止しつつ、開孔132から放出される水蒸気の量を制限することで内部空間SPに水蒸気を充満させるとともに内圧をある程度まで上昇させ、内容物の加熱効率を向上させることができる。
(第3の実施形態)
図16は本発明の第3の実施形態に係る容器の斜視図である。上記の第1および第2の実施形態において容器本体110,210が略矩形の平面形状を有していたのに対して、本実施形態に係る容器300の容器本体310は略円形の平面形状を有する。容器本体310は、凹部311と、凹部311の周縁に沿って形成され、凹部311の周縁から外方に延出するフランジ部312とを含む。蓋体330は、凹部311の開口を覆うフィルム状の部材であり、フランジ部312に形成される接合領域340で容器本体310に接合されることによって凹部311との間に内部空間SPを形成する。
本実施形態でも、図16に示されるように、蓋体330に開孔332が形成される、図示された例において、開孔332は、接合領域340よりも内側の領域Rに形成される。この領域Rも、上記の第1の実施形態の場合と同様に、蓋体330が内部空間SPを封止する領域である。従って、以下の説明では、領域Rを蓋体330の封止領域ともいう。図示された例において、開孔332は、略円形の封止領域Rの端縁に沿って延びる細長矩形状または細長弧状を有し、封止領域Rの端縁の対向する部分にそれぞれ3つの開孔332が配置される。開孔332は、上記の第1の実施形態と同様に蒸気抜きの機能を有する。
図示していないが、容器本体310と蓋体330とは、第1の実施形態と同様の積層体114および積層体131の組み合わせ、または第2の実施形態と同様の積層体214および積層体231の組み合わせによって形成される。これによって、本実施形態でも、第1および第2の実施形態と同様に、開封性を損なうことなく容器本体310と蓋体330との間の接合強度を強くし、従来の容器よりも高い内圧に対抗することができる。樹脂溜まり部を形成することによって容器300の開封動作を安定させ、また耐内圧性を向上させることができる点も第1および第2の実施形態と同様である。従って、本実施形態では、開孔332の大きさおよび数を、例えば従来の容器に同条件の加熱を実施する場合に比べて、より小さく、またはより少なくすることができる。
なお、開孔332の形状が、加熱時に内部空間SPを外部空間に連通させ、蒸気抜きの機能を発揮することが可能なものであれば特に限定されない点は、上記の第1の実施形態と同様である。具体的には、例えば、開孔332は、蓋体330を所定の形状に切り抜くことによって形成されてもよいし、蓋体330を所定の長さだけ直線状または曲線状に切ることによって形成されてもよいし、ピンホール状であってもよい。
図17から図21は、図16に示す容器に形成される開孔の配置の他の例を示す図である。なお、これらの例において、開孔332は蓋体330を細長矩形状または細長弧状に切り抜くことによって形成されているが、開孔332の形状がこれらの例に限定されないのは上述の通りである。
図17に示された例において、開孔332は、略円形の封止領域Rの全周で封止領域Rの端縁部に沿って配置される。図18および図19に示された例において、開孔332は、略円形の封止領域Rの中央部を横切る直線、すなわち直径に沿って配置される。図18の例において開孔332は1本の直線に沿って配置され、図19の例において開孔332は封止領域Rの中央部で互いに交差する2本の直線に沿って配置される。
図20および図21に示された例において、開孔332は、略円形の封止領域Rの中央部に配置される。図20の例では2つの開孔332が配置され、図21の例では4つの開孔332が配置される。開孔332の数および配置はこれらの例には限られず、他の数、または他の配置も可能である。例えば、開孔332は、図8に示された例(8個、2列×4列)と同様に配置されてもよい。
上記の第1の実施形態と同様に、本実施形態における開孔332の配置も、例えば、加熱時に必要とされる開孔332の面積、加熱時以外に必要とされる容器200の封止性能、内容物との関係(図16、図17、図19および図20にも、第1の実施形態で説明したのと同様の内容物C,Cが図示されている)、または電子レンジなどを用いた加熱の特性に応じて決定される。
本実施形態でも、上記の第1および第2の実施形態と同様に、容器300の耐内圧性が高いために開孔332から放出される水蒸気の量を制限し、内部空間SPに水蒸気を充満させるとともに内圧をある程度まで上昇させることができる。従って、本実施形態でも、容器の破裂を防止しつつ、加熱された内容物から発生する水蒸気を利用して加熱効率を向上させることができる。
図22は、本発明の第4の実施形態を示す図である。図22に示された例では、第1の実施形態に係る容器100において、凹部111の側面を形成する容器本体110の面に開孔115が形成されている。容器100の内部空間SPは、凹部111と蓋体130との間に形成されるため、凹部111の側面に形成される開孔115も、内部空間SPを外部空間に連通させることが可能である。なお、開孔115の形状は、例えば上記の第1の実施形態で図3に示した例と同様に、加熱時に内部空間SPを外部空間に連通させ、蒸気抜きの機能を発揮することが可能なものであれば特に限定されない。また、容器本体110の開孔115は、蓋体130の開孔132とともに形成されてもよいし、蓋体130には開孔が形成されない代わりに容器本体110に開孔115が形成されてもよい。
図23は、本発明の第5の実施形態を示す図である。図23に示された例では、第1の実施形態に係る容器100において、接合領域140よりも凹部111側のフランジ部112に開孔115が形成されている。容器100の内部空間SPは、接合領域140よりも凹部111側で容器本体110と蓋体130との間に形成されるため、接合領域140よりも凹部111側のフランジ部112に形成される開孔115も、内部空間SPを外部空間に連通させることが可能である。なお、開孔115の形状は、例えば上記の第1の実施形態で図3に示した例と同様に、加熱時に内部空間SPを外部空間に連通させ、蒸気抜きの機能を発揮することが可能なものであれば特に限定されない。図示された例では容器本体110に開孔115が形成される一方で蓋体130には開孔が形成されないが、容器本体110の開孔115とともに蓋体130にも開孔が形成されてもよい。
上記で図22および図23を参照して説明した本実施形態の第4および第5の実施形態では、容器本体110に開孔115が形成される。既に述べたように、容器本体110の開孔115は蓋体130の開孔とともに形成されてもよいが、蓋体130には開孔を形成せずに容器本体110の開孔115のみを形成することも可能である。内部空間SPの内圧が上昇すると、蓋体130の盛り上がりや、容器本体110と蓋体130との間の接合領域140の内周縁に応力がかかることによるフランジ部112の持ち上がりが発生する。ここで、蓋体130に開孔を形成した場合、開孔を通過する水蒸気が受ける抵抗力の反力が蓋体130にかかり、それが蓋体130を盛り上がらせ、またフランジ部112を持ち上がらせるように作用する。一方、容器本体110に開孔115を形成した場合、開孔115を通過する水蒸気が受ける抵抗力の反力は容器本体110にかかるため、上記のように蓋体130を盛り上がらせたり、フランジ部112を持ち上がらせたりする応力の作用は低減される。この観点からは、容器本体110に開孔115を形成する方が、蓋体130に開孔を形成するよりも有利である。ただし、容器本体110に開孔115を形成することによって凹部111およびフランジ部112の剛性は低下するため、容器本体110に必要とされる剛性と、上記のような作用とを考慮して、容器本体110または蓋体130のいずれか、または容器本体110および蓋体130の両方に、適切な数および大きさの開孔を配置することが望ましい。なお、第2の実施形態に係る容器200、および第3の実施形態に係る容器300でも、上記の第4および第5の実施形態と同様に容器本体の面に開孔を形成することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの例に限定されない。本発明の属する技術の分野の当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100…容器、110…容器本体、111…凹部、112…フランジ部、114…積層体、114A…基材層、114B…表面下層、114C…表面層、120…樹脂溜まり部、121…第1樹脂溜まり部、122…第2樹脂溜まり部、130…蓋体、131…積層体、131A…外層、131B…シール層、132…開孔、140…接合領域、200…容器、210…容器本体、214…積層体、214C…表面層、220…樹脂溜まり部、221…第1樹脂溜まり部、222…第2樹脂溜まり部、230…蓋体、231…積層体、231B…シール層、240…接合領域、300…容器、310…容器本体、311…凹部、312…フランジ部、330…蓋体、332…開孔、340…接合領域、R…封止領域、SP…内部空間。

Claims (7)

  1. 凹部および前記凹部の周縁に沿って形成され前記周縁から外方に延出するフランジ部を含む容器本体と、
    前記フランジ部に形成される接合領域で前記容器本体に接合されることによって前記凹部との間に内部空間を形成する蓋体と
    を備える容器であって、
    前記容器本体は、第1層と、前記第1層に接合され前記接合領域に面する第2層とを少なくとも含む積層体からなり、
    前記蓋体は、前記接合領域に面する第3層と、前記第3層に接合される第4層とを少なくとも含む積層体からなり、
    前記第2層または前記第3層のいずれかが凝集破壊層であり、前記凝集破壊層の凝集強度は前記蓋体と前記容器本体との間の接合強度、前記第1層から前記第4層までのうち前記凝集破壊層以外の各層の凝集強度、ならびに前記第1層と前記第2層との間および前記第3層と前記第4層との間の層間接合強度よりも弱く、
    前記接合領域の前記凹部側の端縁部に、前記第1層および前記第2層を形成する樹脂からなり前記凹部側に傾いた瘤状断面の第1樹脂溜まり部と、前記第3層の樹脂からなり前記第1樹脂溜まり部よりも前記凹部側に位置する瘤状断面の第2樹脂溜まり部とが形成され、
    前記蓋体または前記容器本体の少なくともいずれかに、前記内部空間を外部空間に連通させることが可能な少なくとも1つの開孔が形成される容器。
  2. 前記開孔は、前記蓋体が前記内部空間を封止する封止領域の端縁部に沿って配置される、請求項1に記載の容器。
  3. 前記開孔は、前記封止領域の全周で前記端縁部に沿って配置される、請求項2に記載の容器。
  4. 前記開孔は、前記蓋体が前記内部空間を封止する封止領域の隅角部を含まない部分に配置される、請求項1に記載の容器。
  5. 前記内部空間には、第1の内容物と、加熱されることによって前記第1の内容物よりも多くの水蒸気を発生させる第2の内容物とが収納され、
    前記開孔は、前記第2の内容物よりも前記第1の内容物に近い位置に形成される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の容器。
  6. 前記開孔は、前記容器本体の面に形成される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の容器。
  7. 前記開孔は、前記接合領域よりも前記凹部側で前記フランジ部に形成される、請求項6に記載の容器。
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