JP2019081024A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電気によって帯電した遊技球からの放電による不具合を防止する遊技機を提供する。【解決手段】遊技機は、第二部材520に設けられた位置決めピン521及び位置決めピン522が挿入されている位置決め部LH1を有する電チュー基板540と、を備える。電チュー基板540は、コネクタ部CNと、電チュー基板540の一面にと他面に設けられた配線パターンを接続するスルーホールH1〜H7と、を有しており、コネクタ部CNに比べて位置決め部LH1に近接する位置に設けられているスルーホールが、位置決め部LH1に比べてコネクタ部CNに近接する位置に設けられているスルーホールより少ない。【選択図】図15

Description

本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機に関する。
パチンコ遊技機に代表される遊技機は、遊技球を遊技盤上の遊技領域に発射し、発射した遊技球が入賞口に入球することによって図柄変動ゲームが開始されたり賞球を得たりする遊技を行う。
この種の遊技機では、鋼製の遊技球を用いて遊技を行うため、発射された遊技球が摩擦したり衝突したりすることによって静電気を帯びることがある。さらに、帯電した遊技球が遊技盤上に設けられた各部材に接触すると、接触した部材を介して遊技盤の裏面に配置されている基板に放電されて基板に実装された電子部品を破損する、またはノイズとして伝送されて制御上のエラー要因になる虞がある。
このような静電気による不具合を防止するための構成を備えた遊技機が、従来から存在している。この種の遊技機として下記の特許文献1を例示する。
特許文献1には、メッキが施された装飾部材に隣接して配置される基板のコネクタ端子とメッキ部分との沿面距離をとるためのコネクタカバーが備えられているため、コネクタ端子に静電気が直接放電されることが防止し得る遊技機が記載されている。
特開2015−51131号公報
特許文献1に記載されているようなコネクタカバーは当然ながら一定の大きさを有しており、コネクタ端子とメッキ部分を有する装飾部材との構成によってはその間にコネクタカバーを設けることができない場合がある。このような場合には、特許文献1に記載されている発明は、必ずしも有効な静電気対策にはなりえない。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、静電気によって帯電した遊技球からの放電による不具合を防止する遊技機を提供するものである。
本発明によれば、遊技球を発射する発射装置と、前記発射装置によって発射された遊技球が転動する遊技領域を表面とする遊技盤と、前記遊技領域に露出している露出部分と、前記遊技盤の内部または裏面側に設けられた突起部と、を有し、前記露出部分および前記突起部が樹脂によって形成されている装飾部材と、前記突起部が挿入されている位置決め部を有するプリント基板と、を備え、前記プリント基板は、配線ケーブルを介して他の基板に接続されており、かつ前記プリント基板にパターニングされた配線パターンに接続されている端子を含むコネクタ部と、前記プリント基板の一面に設けられた配線パターンと、前記プリント基板の他面に設けられた配線パターンと、を接続する複数のスルーホールと、を有しており、前記複数のスルーホールを、或る前記位置決め部を基準として、当該位置決め部との距離が前記コネクタ部との距離に比べて近接している第一のスルーホール群と、当該位置決め部との距離が前記コネクタ部との距離に比べて離間している第二のスルーホール群と、に分けて比べると、前記第一のスルーホール群の数が前記第二のスルーホール群の数より少なくなっており、前記装飾部材は、前記露出部分の少なくとも一部に対して導電体を含む塗料が塗装されており、且つ、当該位置決め部に挿入されている前記突起部に対して前記塗料が塗装されていない遊技機が提供される。
本発明によれば、静電気によって帯電した遊技球からの放電による不具合を防止する遊技機が提供される。
遊技機の正面図である。 図1に示す領域IIに配設されるLED群を示す図である。 図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す瞰図である。 遊技機内に設置される遊技盤を示す図である。 図4に示す領域Vの拡大図であって、ゲートと第二領域とが閉鎖されている状態を示す図である。 図4に示す領域を遊技機の右手前方向から視た図である。 ゲートと第二領域とが開放されている状態を示す図である。 図7に示す領域を遊技機の右手前方向から視た図である。 電チューユニットの正面図である。 電チューユニットの背面図である。 電チューユニットの分解図である。 電チューユニットの分解図である。 電チューユニットの分解図である。 電チュー基板の一面を示す模式図である。 電チュー基板の他面を示す模式図である。 遊技機の主要な電気的構成を示すブロック図である。 遊技機の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。 始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。 図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。 静電気対策を考慮せずに設計された電チュー基板の一面を示す模式図である。 静電気対策を考慮せずに設計された電チュー基板の他面を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
<遊技機10の概要について>
まず、本実施形態の遊技機10の概要について、図1と図4と図13から図15を用いて説明する。図1は、遊技機10の正面図である。図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。図13は、電チューユニット500の分解図である。図14は、電チュー基板540の一面を示す模式図である。図15は、電チュー基板540の他面を示す模式図である。
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であり、発射装置と、遊技盤と、装飾部材と、プリント基板と、を備える。
発射装置は、遊技球を発射する装置である。より詳細には、発射装置は遊技球を1個ずつ発射可能な装置であり、単位時間あたりに発射することができる遊技球の数が所定の上限数以内に制限されている。
本実施形態に係る発射装置は、遊技者による発射ハンドル31の操作に応じて遊技球を遊技領域50aに発射させる構成であり、発射ハンドル31を除く部分については遊技盤50に内包され遊技者から視認不能になっている。
遊技盤は、発射装置によって発射された遊技球が転動する遊技領域を表面とする構造であり、当該遊技領域には入賞口及び遊技球の落下の方向に変化を与えるための各種部材(例えば、遊技釘等)が配設されている。
本実施形態に係る遊技盤は遊技盤50によって実現され、本実施形態に係る遊技領域は遊技領域50aである。
装飾部材は、遊技領域に露出している露出部分と、遊技盤の内部または裏面側に設けられた突起部と、を有する。ここで「遊技領域に露出している露出部分」とは、遊技者によって視認可能な部分をいう。例えば、装飾部材が装飾可動体の一部または全部である場合、可動時において視認可能であれば、非可動時において視認不能であっても露出部分に該当しうる。また、ここで「遊技盤の内部または裏面側」とは、遊技領域の後方側と同義である。
本実施形態に係る装飾部材は第二部材520によって実現され、本実施形態に係る露出部分は前面部525の一部であり、本実施形態に係る突起部は位置決めピン521及び位置決めピン522である。
プリント基板は、装飾部材に設けられた突起部が挿入されている位置決め部を有する。
ここでプリント基板とは、銅箔等の導電体によって配線パターンが印刷された基板である。プリント基板には、集積回路や抵抗器等の電子素子が実装されてもよく、実装された電子素子に係る配線の一部が配線パターンによって実現されてもよい。また、ここで位置決め部とは、装飾部材に設けられた突起部が挿入されることによって、周辺の構成要素に対するプリント基板の位置を固定する構成をいう。
本実施形態に係るプリント基板は電チュー基板540によって実現され、本実施形態に係る位置決め部は電チュー基板540に設けられた位置決め部LH1及び位置決め部LH2である。
プリント基板は、配線ケーブルを介して他の基板に接続されており、かつプリント基板にパターニングされた配線パターンに接続されている端子を含むコネクタ部と、プリント基板の一面に設けられた配線パターンと、プリント基板の他面に設けられた配線パターンと、を接続する複数のスルーホールと、を有する。
また、プリント基板は、コネクタ部に比べて位置決め部に近接する位置に設けられているスルーホールは、位置決め部に比べてコネクタ部に近接する位置に設けられているスルーホールより少なくなっていることを特徴とする。
本実施形態に係るコネクタ部はコネクタ部CNによって実現され、本実施形態に係るスルーホールは7つのスルーホールH1〜H7によって実現される。なお、本実施形態において、スルーホールに係る距離に関してコネクタ部CNと比較される位置決め部は、位置決め部LH1である。
上記のように、プリント基板に設けられたスルーホールが全体として位置決め部よりコネクタ部に近接しがちに構成されているため、スルーホールが帯電しがたい。従って、プリント基板の配線パターンを伝って他の基板に放電されることが抑制され、放電による不具合を防止することができる。
以下、本実施形態に係る遊技機10についてより詳しく説明する。
<遊技領域50aの構成について>
まず、図1から図8を用いて遊技領域50aの構成について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。図2は、図1に示す領域IIに配設されるLED群を示す図である。図3は、図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す俯瞰図である。図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。図5は、図4に示す領域Vの拡大図であって、ゲート63と第二領域77とが閉鎖されている状態を示す図である。図6は、図4に示す領域Vを遊技機の右手前方向から視た図である。図7は、ゲート63と第二領域77とが開放されている状態を示す図である。図8は、図7に示す領域を遊技機10の右手前方向から視た図である。
なお、図1から図8に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に発射ハンドル31を備え、発射ハンドル31の操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。本明細書においては、発射ハンドル31の操作によって遊技球を遊技領域50aに発射させる構成を発射装置と称する。
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができるプッシュボタン37の他、それぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38a、38b、38c、38d、玉貸操作を受け付ける玉貸ボタン38e、及び、プリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン38fなどが含まれる。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構39が設けられている。この球抜き機構39を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34、36は光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。
メイン液晶装置81は、遊技盤50の略中央に配設されている。メイン液晶装置81は、演出図柄の変動を含む各種の演出を表示することができる。ここで「演出図柄」とは、遊技機10における遊技の興趣をより高めるために、メイン液晶装置81に表示される図柄であり、具体的には数字や絵柄又はそれらの組み合わせから構成されている。
一般的に、遊技機10の遊技者はメイン液晶装置81に表示される演出図柄の変動演出により当該遊技の興趣を喚起されており、メイン液晶装置81は遊技者にとって視認しやすい位置に配置されている。
メイン液晶装置81は、その表示領域の略中央に演出図柄が表示され、さらに当該演出図柄の左側及び右側にもそれぞれ演出図柄が表示される。すなわち、メイン液晶装置81には、演出図柄が複数の列をなしており、これらの演出図柄がスクロールすることにより、演出図柄がメイン液晶装置81の表示領域に変動表示される。
メイン液晶装置81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下LEDと称す)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されている。図柄表示装置90はメイン液晶装置81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域はメイン液晶装置81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は図2に示すとおりであるが、これは一具体例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
図柄表示装置90は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、及び普通図柄表示装置93を含んでいる。
第1特別図柄表示装置91は8個のLEDから構成され、第2特別図柄表示装置92の左側に位置する。また、第2特別図柄表示装置92は8個のLEDから構成され、第1特別図柄表示装置91の右側に位置する。第1特別図柄表示装置91及び第2特別図柄表示装置92はLEDの発光パターンにより特別図柄を表示する。
普通図柄表示装置93は、第1特別図柄表示装置91及び第2特別図柄表示装置92より少ない数(例えば、2個)のLEDの発光パターンにより普通図柄を表示する。
なお、図2に示すように、図柄表示装置90は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、及び普通図柄表示装置93の表示に用いられないLEDも含んでおり、特別図柄及び普通図柄の他にも、保留されている乱数の数や大当り遊技のラウンド回数等の情報も表示しうる。
ここで特別図柄とは、特別電動役物(例えば、特別電動役物65や特別電動役物66)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
第1特別図柄は、「特図1」と略称される場合があり、第2特別図柄は、「特図2」と略称される場合がある。また、特別図柄は、「特図」と略称される場合がある。
ここで普通図柄とは、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、以下、普通図柄のことを「普図」と略して表記する場合がある。
以下の説明において、第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92を変動表示させた後に特別図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
また、以下の説明において、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普通図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
或いは、以下の説明において、上述のメイン液晶装置81に表示される演出図柄の変動表示は、「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」や「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と区別して「演出図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
なお、以下の説明において、単に「図柄変動ゲーム」と称した場合には、特段の説明がない限り「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」を意味する。
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側及び上側には、発射ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央から視て内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構で、釘状のものをいう。
遊技機10は発射ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっている。また、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
遊技領域50aには、各種の入賞口が配設され、各入賞口には入球した遊技球を検知する各種スイッチが付設されている。図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、普通入賞口67(67a、67b、67c)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
第1始動口57と第2始動口59とは、遊技領域50aの中央下部に配置される。第1始動口57と第2始動口59は近接して配置されており、第1始動口57は第2始動口59の上方に位置する。
第1始動口57にはカウントスイッチSW1が付設されている。カウントスイッチSW1の検知に応じて第1始動口57に係る入賞が判定されて、第1始動口57に対応付けられた賞球が付与される。
第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第1特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、図4には図示しないが、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
第2始動口59にはカウントスイッチSW2が付設されており、カウントスイッチSW2の検知を契機として第2始動口59に係る入賞が判定されて、第2始動口59に対応付けられた賞球が付与される。
第2始動口59に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第2特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、図4には図示しないが、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
第2始動口59には左右を囲うように普通電動役物61が配設されている。より詳細には、第2始動口59の左側には普通電動役物61aが配設されており、第2始動口59の右側には普通電動役物61bが配設されており、普通電動役物61aと普通電動役物61bとによって普通電動役物61が構成されている。
普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ソレノイドコイルSOL4の作動により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
普通電動役物61は、開放状態にある場合にチューリップのように見えることから一般的に「電動チューリップ」と称され、省略して「電チュー」と称される場合もある。
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55にはカウントスイッチSW7が付設されており、カウントスイッチSW7の検知を契機として大入賞口55に係る入賞が判定されて、大入賞口55に対応付けられた賞球が付与される。
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ソレノイドコイルSOL1の作動により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
特別電動役物65は、特別図柄に係る図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への遊技球の入球が許容される。なお、本実施形態における特別電動役物65は、第1始動口57への入球及び第2始動口59への入球のいずれに起因する大当り遊技においても開放状態になりうるように構成されている。
特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への遊技球の入球が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
普通入賞口67(67a、67b、67c)は、遊技領域50aの左下部に配置されている。普通入賞口67aには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW51が付設されており、カウントスイッチSW51の検知を契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。普通入賞口67bには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW52が付設されており、カウントスイッチSW52の検知を契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。普通入賞口67cには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW53が付設されており、カウントスイッチSW53の検知を契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が普通入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されている。
遊技領域50aの一部である領域Vには、遊技球の流路を複数に区分する仕切り部材70が配置されている。仕切り部材70は、第一流路71、第二流路72、第三流路73および第四流路74を構成する。
第一流路71は、仕切り部材70によって構成される流路の中で最も上側に位置するものである。
第二流路72は、上流側にゲート63が設けられている流路である。ゲート63にはカウントスイッチSW4が付設されており、カウントスイッチSW4が遊技球の入球を検知した場合の少なくとも一部において、普通図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。なお、本実施形態においては、ゲート63への遊技球の入球(カウントスイッチSW4の検知)は賞球の払出条件に含まれていない。すなわち、本実施形態のゲート63に遊技球が入球しても賞球は零である。
第三流路73は、第一流路71および第二流路72の下流側に位置する遊技球の流路であって、第一流路71を通過した遊技球と第二流路72を通過した遊技球のいずれもが流下する。
第四流路74は、上流側に大入賞口56が設けられている流路である。大入賞口56にはカウントスイッチSW8が付設されており、カウントスイッチSW8の検知を契機として大入賞口56に係る入賞が判定されて、大入賞口56に対応付けられた賞球が付与される。大入賞口55の上方には特別電動役物66が配設されている。特別電動役物66は、大入賞口56に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ソレノイドコイルSOL2の作動により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
なお、図6に示すように特別電動役物66が閉じていることによって大入賞口56が閉鎖されている状態が、本実施形態における特別電動役物66の閉鎖状態である。また、図8に示すように特別電動役物66が開いていることによって大入賞口56が開放されている状態が、本実施形態における特別電動役物66の開放状態である。
特別電動役物66は、特別図柄に係る図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口56への遊技球の入球が許容される。なお、本実施形態における特別電動役物66は、第1始動口57への入球及び第2始動口59への入球のいずれに起因する大当り遊技においても開放状態になりうるように構成されている。
特別電動役物66が開放状態である場合には、大入賞口56への遊技球の入球が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口56に向けて転動するように各障害物が配置されている。
第四流路74の下流側には振分部材75と第一領域76と第二領域77とが設けられており、第四流路74に流下した遊技球は振分部材75によって振り分けられて第一領域76または第二領域77のいずれか一方に入球する。
図5は、振分部材75が第二領域77を閉鎖している状態を示しており、当該状態において第四流路74に流下した遊技球は第一領域76に振り分けられて入球する。
図7は、振分部材75が第二領域77を開放している状態を示しており、当該状態において第四流路74に流下した遊技球は第二領域77に振り分けられて入球する。
振分部材75が第二領域77を閉鎖するか開放するかについては、例えば実行中の大当り遊技の契機となった図柄変動ゲームにおいて停止表示された特別図柄に基づいて決定してもよく、他の方式で決定してもよい。
第二領域77にはカウントスイッチSW9が付設されており、カウントスイッチSW9の検知を契機として所定の特典が付与される。カウントスイッチSW9の検知を契機として付与される所定の特典は、本実施形態においては後述する確変状態の付与である。
なお、カウントスイッチSW9の検知を契機として付与される所定の特典は、上記の例に限られず、例えば大当り遊技の付与であってもよい。
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
<電チューユニット500の構成について>
次に、電チューユニット500の構成について、図9から図15を用いて説明する。
図9は、電チューユニット500の正面図である。図10は、電チューユニット500の背面図である。図11から図13は、電チューユニット500の分解図である。図14は、電チュー基板540の一面を示す模式図である。図15は、電チュー基板540の他面を示す模式図である。
図11から図13に示す分解図は、本発明の説明のために図示するものであって、単一の構成要素として図示されたものが更に複数に分離可能であってもよく、複数の構成要素として図示されたものが実際には一体的に形成されて分離不能であってもよい。
なお、図11は、電チューユニット500を7種の構成要素に分割したものである。また、図12と図13とは、図11に図示した構成要素のうち、第一部材510と、普通電動役物61a及び普通電動役物61bと、第二部材520と、透過カバー530と、を一つに組み合わせて図示しており、第三部材550と、カウントスイッチSW1及びカウントスイッチSW2と、第四部材560と、を一つに組み合わせて図示している。
図14及び図15に図示する電チュー基板540に設けられた電子部品の数・種別・配置、または配線パターンによる接続関係は一具体例であって、本発明の効果を損なわない範囲で適宜変更しても構わない。
電チューユニット500は、第1始動口57及び第2始動口59が形成されていると共に、普通電動役物61(61a、61b)や普通電動役物61を開閉させるソレノイドコイルSOL4等が包含されている構成要素である。
電チューユニット500は、図9に示す正面部分については遊技盤50の表面(遊技領域50a)から露出し、図10に示す背面部分については遊技盤50の内部に包摂されるように、遊技盤50に組み込まれる。
電チューユニット500は、図11に示すように、第一部材510と、普通電動役物61a及び普通電動役物61bと、第二部材520と、透過カバー530と、電チュー基板540と、第三部材550と、カウントスイッチSW1及びカウントスイッチSW2と、第四部材560と、を有する。
第一部材510は、樹脂によって形成される部材であって、電チューユニット500の最前面に設けられる。
第一部材510には、転動してきた遊技球の受け皿になる構成や、受け止めた遊技球を第1始動口57や第2始動口59に誘導する構成が形成されている。
第二部材520は、上記の装飾部材に相当する部材であって、始動口(第1始動口57及び第2始動口59)である開口が設けられている。始動口への入球は特別図柄に係る図柄変動ゲームの始動条件になるため、始動口を構成する開口が設けられている第二部材520は、遊技中に多数の遊技球が接触しやすい。即ち、第二部材520の露出部分は、他の部分に比べて、帯電した遊技球が接触する機会が多い。
第二部材520は、電チューユニット500の一部を構成する部材であって、樹脂によって形成されている。従って、第二部材520は全体としては概ね絶縁性を有するが、遊技領域50aに露出する前面部525が導電体を含む塗料によって塗装されているため、前面部525の表面において導電性を有する。
ただし、第二部材520を同塗料で塗装する場合には、上記の突起部に相当する位置決めピン521及び位置決めピン522に対してマスキングして塗装するため、少なくとも位置決めピン521及び位置決めピン522については絶縁性が保たれるように工夫されている。
なお、第二部材520を介して静電気が導電する不具合をより確実に防止する観点から、第二部材520は、露出部分を除く部分については導電体を含む塗料が塗装されていないことが好ましい。
位置決めピン521は、位置決め部LH1と、第三部材550に設けられた第一挿通口551と、に挿通される。位置決めピン522は、位置決め部LH2と、第三部材550に設けられた第二挿通口552と、に挿通される。
これにより、電チュー基板540は、第二部材520と第三部材550とに挟持されて、その位置が固定される。
台座部523は、図13に示すように、第二部材520のフランジ部524(露出部分の裏面)に起立して設けられている。
また、位置決めピン521及び位置決めピン522は、図13に示すように、フランジ部524から離間した台座部523の一面から突出している。
電チュー基板540は、当該一面に当接するように、第二部材520と第三部材550とによって挟持される。
このように、台座部523が設けられている分、位置決めピン521及び位置決めピン522が、塗装された露出部分(前面部525)から離間しているので、前面部525から位置決めピン521及び位置決めピン522まで静電気が伝わりにくくなる。
透過カバー530は、前面部525に設けられた開口の一部(始動口に該当しない開口)を覆うように設けられる部材であって、電チュー基板540に実装されている発光素子(発光素子D1〜D6)を保護する。
透過カバー530は、透過性を有する樹脂によって形成されている。これにより、電チュー基板540に実装された発光素子の発光が、遊技機10の正面側から視認可能になっている。
電チュー基板540の一面には、図14に示すように、不図示の集積回路から伝送された制御信号に基づいて発光する6つの発光素子D1〜D6が実装されている。6つの発光素子D1〜D6には、それぞれ6つのLEDが含まれているので、電チュー基板540の表面には計36個のLEDが実装されていることになる。なお、図14に示す電チュー基板540の一面は、電チューユニット500が遊技盤50に組み込まれた場合において、遊技盤50の前方に向く面である。
電チュー基板540の他面には、図15に示すように、6つの抵抗素子R1〜R6が実装されている。なお、図15に示す電チュー基板540の他面は、電チューユニット500が遊技盤50に組み込まれた場合において、遊技盤50の後方に向く面である。
電チュー基板540は、電チュー基板540の一面に設けられた配線パターンと、電チュー基板540の他面に設けられた配線パターンと、を接続する複数のスルーホールH1〜H7を有している。
より具体的には、不図示の他の基板から直流電源(例えば18V)が供給され、他面に設けられたコネクタ部CNの第1端子P1は、スルーホールH4を介して、一面に実装された発光素子D1〜D6に接続されている。
不図示の他の基板に実装されている集積回路から制御信号が伝送され、他面に設けられたコネクタ部CNの第2端子P2は、抵抗素子R3とスルーホールH2とを介して、発光素子D1〜D3に接続されており、抵抗素子R4とスルーホールH5とを介して、発光素子D4〜D6に接続されている。
不図示の他の基板に実装されている集積回路から制御信号が伝送され、他面に設けられたコネクタ部CNの第3端子P3は、抵抗素子R1とスルーホールH1とを介して、発光素子D1〜D3に接続されており、抵抗素子R6とスルーホールH7とを介して、発光素子D4〜D6に接続されている。
不図示の他の基板に実装されている集積回路から制御信号が伝送され、他面に設けられたコネクタ部CNの第4端子P4は、抵抗素子R2とスルーホールH3とを介して、発光素子D1〜D3に接続されており、抵抗素子R5とスルーホールH6とを介して、発光素子D4〜D6に接続されている。
なお、本実施形態ではプリント基板に設けられたスルーホールが複数である実施態様を示したが、プリント基板に設けられたスルーホールが一つである実施態様によって本発明を実施してもよい。
電チュー基板540は、配線ケーブルを介して他の基板(不図示)に接続されている。さらに、電チュー基板540は、電チュー基板540にパターニングされた配線パターンに接続されている端子(例えば、第1端子P1、第2端子P2、第3端子P3、第4端子P4)を含むコネクタ部CNを有している。
電チュー基板540に設けられたスルーホールH1〜H7の中で、コネクタ部CNに比べて位置決め部LH1に近接する位置に設けられているスルーホールは、スルーホールH1である。一方で、位置決め部LH1に比べてコネクタ部CNに近接する位置に設けられているスルーホールは、スルーホールH2〜H7である。即ち、前者のスルーホールは後者のスルーホールより少ない。
このように、電チュー基板540に設けられたスルーホールH1〜H7は、全体として位置決め部LH1よりコネクタ部CNに近接しがちに構成されている。従って、位置決め部LH1に挿入される位置決めピン521が仮に帯電したとしても、スルーホールH1〜H7が全体として受ける帯電の影響は低いものになる。
ここで、図14に示すように、位置決め部LH1に比べてコネクタ部CNに近接する位置に設けられているスルーホールH2に接続している配線パターンの一部が、スルーホールH2と位置決め部LH1の間にパターニングされている。
即ち、スルーホールH2に係る配線パターンの一部が、スルーホールH2を位置決め部LH1から遠ざかるような構成(位置決め部LH1を迂回した構成)になっている。
ここで、電チュー基板540に設けられたスルーホールの中で、コネクタ部CNを基準として最も近接しているスルーホールH3からコネクタ部CNの端子までの距離が、位置決め部LH1を挿通する位置決めピン521(突起部)を基準として最も近接しているスルーホールH1から位置決めピン521の表面までの距離より短くなっている。
即ち、導電体の塗料が塗装された第二部材520を介して位置決めピン521に静電気が帯電することが懸念されるため、位置決めピン521に最近接しているスルーホールH1から位置決めピン521までの距離は、コネクタ部CNからスルーホールH3までの距離より長くしている。
或いは、電チューユニット500を組み立てた場合、位置決め部LH1に挿通される位置決めピン521(突起部)を基準として最も近接しているスルーホールH1から位置決めピン521の表面までの距離が、位置決めピン521の全長より短くなっている。
このように位置決めピン521とスルーホールH1とが近接しているため、仮に位置決めピン521まで静電気が伝導して位置決めピン521が帯電した場合には、位置決めピン521とスルーホールH1とは非接触の関係にあるにも関わらず、スルーホールH1も帯電して、スルーホールH1に接続されている集積回路を破損させる場合がある。
しかしながら、上述のように、位置決めピン521まで静電気が伝導しないように種々の工夫が施されているため、当該集積回路の破損を防止することができる。
第三部材550は、位置決めピン521が挿入される第一挿通口551と、位置決めピン522が挿入される第二挿通口552と、を有している。
第三部材550と第四部材560とは組み合わされることによって、カウントスイッチSW1を保持する空間と、カウントスイッチSW2を保持する空間と、を形成する。
また、第三部材550と第四部材560とは組み合わされることによって、第一誘導部553と第三誘導部561とを含む誘導路が形成され、当該誘導路は第1始動口57から入球した遊技球をカウントスイッチSW1の検知口に誘導することができる。
また、第三部材550と第四部材560とは組み合わされることによって、第二誘導部554を含む誘導路が形成され、当該誘導路は第2始動口59から入球した遊技球をカウントスイッチSW2の検知口に誘導することができる。
第四部材560は、ソレノイドコイルSOL4の作動や停止によって生じる動力を普通電動役物61a及び普通電動役物61bに伝達する動力伝達部562を含む。
動力伝達部562は、普通電動役物61aの後方に設けられた突起部611と、普通電動役物61bの後方に設けられた突起部612と、に連結している。動力伝達部562は、ソレノイドコイルSOL4の作動に応じて突起部611と突起部612とを下方から上方に移動させることができ、この移動に伴って普通電動役物61a及び普通電動役物61bは開放される。或いは、動力伝達部562は、ソレノイドコイルSOL4の停止に応じて突起部611と突起部612とを上方から下方に移動させることができ、この移動に伴って普通電動役物61a及び普通電動役物61bは閉鎖される。
<電チュー基板に関する配線パターンの比較について>
次に、電チュー基板に係る配線パターンの比較について、図14と図15と図20と図21を用いて説明する。
図14は、電チュー基板540の一面を示す模式図である。図15は、電チュー基板540の他面を示す模式図である。図20は、静電気対策を考慮せずに設計された電チュー基板の一面を示す模式図である。図21は、静電気対策を考慮せずに設計された電チュー基板の他面を示す模式図である。
図20に示す電チュー基板の一面には、電チュー基板540と同じ数(6つ)の発光素子D11〜D16が実装されている。
また、図21に示す電チュー基板の他面には、電チュー基板540と同じ数(6つ)の抵抗素子R11〜R16が実装されている。
図20及び図21に示す電チュー基板は、当該電チュー基板の一面に設けられた配線パターンと、当該電チュー基板の他面に設けられた配線パターンと、を接続する複数のスルーホールH11〜H19を有している。当該電チュー基板が有するスルーホールの数(9つ)は、電チュー基板540が有するスルーホールの数(7つ)より多い。
上述したように、スルーホールは、近接している部材(例えば、位置決めピン)が帯電した場合に、非接触であっても帯電することがあり、当該スルーホールに接続している電子部品の破損要因になりうる。このようなリスクを低減するため、本実施形態に係る電チュー基板540は、より少ない数のスルーホールによって、同じ数の発光素子を制御可能な配線パターンを実現している。
また、図20及び図21に示す電チュー基板を電チュー基板540の代わりに用いて電チューユニット500を組み立てた場合、位置決め部LH1に挿通される位置決めピン521を基準として最も近接しているスルーホールH13から位置決めピン521の表面までの距離が、更に短くなる。即ち、スルーホールH13から位置決めピン521の表面までの距離は、電チュー基板540を用いて電チューユニット500を組み立てた場合におけるスルーホールH1から位置決めピン521の表面までの距離より短い。
換言すれば、電チュー基板540の配線パターンは、スルーホールH1から位置決めピン521の表面までの距離が長くなるように配慮した設計になっており、スルーホールH1が帯電しがたい構成を実現している。
<遊技機10の制御構成について>
次に、遊技機10の制御構成について説明する。
図16は、遊技機10の主要な電気的構成を示すブロック図である。
図17は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
なお、図16及び図17で図示される各構成及び各機能は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成及び機能の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
遊技機10は、メイン制御基板100、サブ制御基板200などの制御基板を自機の内部に備えており、図17に図示している機能を含む種々の機能を各基板と当該各基板に電気的に接続されている部品とによって実現している。
より具体的には、メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201、RAM102又はRAM202、ROM103又はROM203などを有している。メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201がROM103又はROM203から読み出した制御プログラムを実行し、RAM102又はRAM202に種々のデータを書き込み又は読み出しを行うことにより種々の機能を実現する。
図16では、一つのサブ制御基板200が図示されているが、サブ制御基板200は、複数の基板で形成されていてもよい。サブ制御基板200が複数の基板で形成される場合、メイン制御基板100に複数のサブ制御基板200が並列に接続されていてもよいし、メイン制御基板100に対して複数のサブ制御基板200が階層的に接続されていてもよい。
また、各機能構成を実現する基板は、図17に示される基板に限定されるものではなく、メイン制御基板100若しくはサブ制御基板200又は他の基板上で実現されてもよい。
メイン制御基板100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について、サブ制御基板200にコマンドを伝送する。メイン制御基板100は、遊技の結果に影響を及ぼす又は及ぼす虞がある機能を実現する基板であり、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から送られるコマンドに従って、各種制御を行う基板である。
図17には、メイン制御基板100で実現される主要な機能構成として、始動口入球時処理部110、特図遊技制御部120、普図遊技制御部130、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、情報伝送部190が例示されている。また、同図には、サブ制御基板200で実現される主要な機能構成として、演出制御部210が例示されている。
始動口入球時処理部110は、第1始動口57または第2始動口59に遊技球が入球した時に大当り遊技の当否判定に用いる乱数を取得すると共に所定の処理を実行する。
特図遊技制御部120は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
普図遊技制御部130は、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
遊技状態制御部140は、大当り遊技を制御する機能、確変状態や変短状態を管理し、これらの付与や解除(通常遊技状態への移行)を制御する機能を有する。
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、又は、普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる。
情報伝送部190は、メイン制御基板100で実現される各機能構成にて生成された制御情報(コマンド)をサブ制御基板200上で実現される機能構成(例えば、演出制御部210等)に伝送する。情報伝送部190によって伝送されるコマンドには、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態の有無、変短状態の有無、保留されている乱数に関する情報、大当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。
演出制御部210は、情報伝送部190を介してメイン制御基板100で実現される各種機能構成にて生成された制御情報(コマンド)を受け、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を、メイン液晶装置81に表示させる。例えば、演出制御部210は、図柄変動ゲームの実行中に演出図柄をメイン液晶装置81に変動表示又は停止表示させる。
演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、またはスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
<始動口の入球時処理について>
以下、始動口の入球時処理を制御する始動口入球時処理部110について詳述する。
始動口入球時処理部110は、特図保留制御部111と、事前判定部112と、を有する。
特図保留制御部111は、第1始動口57に遊技球が入球した時、すなわち第1始動口57に入賞した時に、保留されている乱数M1の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M1を取得して保留させる。
また、特図保留制御部111は、第2始動口59に遊技球が入球した時、すなわち第2始動口59に入賞した時に、保留されている乱数M2の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M2を取得して保留させる。
特図保留制御部111は、第1始動口57の入賞を契機として取得される乱数M1と、第2始動口59の入賞を契機として取得される乱数M2と、を区別して保留する。
特図保留制御部111は、保留されている乱数の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部150を制御してもよいし、メイン液晶装置81またはサブ液晶装置82に表示させるように情報伝送部190を介して演出制御部210にコマンドを出してもよい。
このとき、図柄表示制御部150は、特図保留制御部111の制御に応じて、保留されている乱数の数をLEDの発光パターンによって図柄表示装置90に表示させてもよい。
また、演出制御部210は、情報伝送部190を介して入力したコマンドに応じて、保留されている乱数の個数に等しい数の演出画像(以下、保留玉と称す)を、メイン液晶装置81またはサブ液晶装置82に表示させてもよい。
事前判定部112は、特図保留制御部111が乱数M1または乱数M2を保留させた場合の少なくとも一部において、保留させた乱数M1または乱数M2が当否判定部121によって当選と判定されるか否かを、当否判定部121による判定の事前に判定する事前判定を実行する。
また、事前判定部112は、事前判定の他に、事前判定の結果に基づく演出に関する処理を実行してもよい。ここで「事前判定の結果に基づく演出」とは、例えば、事前判定の対象となった乱数を表す保留玉の色彩や形態等を変化させる演出や、事前判定の対象となった乱数を表す保留玉が表示されている期間(いわゆる先読みゾーン)にわたって実行される演出等が挙げられる。
<特別図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する特図遊技制御部120について詳述する。
特図遊技制御部120は、当否判定部121と、特図選択部122と、リーチ抽選部123と、変動パターン決定部124と、を有する。
当否判定部121は、乱数M1と乱数M2とが共に保留されている場合、乱数M2を先に用いて当否判定するように構成されている。より具体的には、当否判定部121は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御又は大当り遊技に係る制御が行われていないとき、保留されている乱数M1又は乱数M2を所定の周期で読み出す。このとき、当否判定部121は、乱数M2の読み出しを優先的に実行し、乱数M2が読み出せなかった場合(保留されている乱数M2が零個である場合)に乱数M1を読み出す。このような制御によって、乱数M2が乱数M1より優先的に読み出される。その結果、当否判定部121は、乱数M1よりも乱数M2を優先的に判定することになる。
このような処理を、以下の説明において優先処理と称する場合がある。
特図選択部122は、当否判定部121による当否判定の結果に基づいて特別図柄を選択する。
より具体的には、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122は乱数抽選を行うことによって当選を示す特別図柄(当選図柄)を選択する。すなわち、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122は、予め複数とおりに用意されている当選図柄のうちいずれか一つを選択する。
或いは、当否判定部121によって落選が判定された場合、特図選択部122はハズレを示す特別図柄(ハズレ図柄)を一意に決定する。
当否判定部121によって乱数M1が判定された場合、特図選択部122によって選択された特別図柄は、後述する第1特別図柄表示制御部151によって第1特別図柄表示装置91に表示される。
当否判定部121によって乱数M2が判定された場合、特図選択部122によって選択された特別図柄は、後述する第2特別図柄表示制御部152によって第2特別図柄表示装置92に表示される。
リーチ抽選部123は、当否判定部121によって落選が判定された場合、その判定結果を示す特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に、リーチ演出をするか否かを乱数抽選で選択する。ここでリーチ演出とは、メイン液晶装置81における演出図柄の変動表示において、最後に仮停止する列を除く複数の列に演出図柄が仮停止しており、仮停止している各々の演出図柄が同種である場合に行われる演出をいう。
なお、当否判定部121によって落選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果はハズレであるため、当該図柄変動ゲームでリーチ演出を実行したとしても最後に仮停止する列の演出図柄は他の列の演出図柄と異なる種別になる。
また、当否判定部121によって当選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果は当選であるため、リーチ抽選部123による抽選が行われずとも、当該図柄変動ゲームの実行中には原則としてメイン液晶装置81においてリーチ演出が行われ、さらに最後に仮停止する列の演出図柄が他の列の演出図柄と同種になる。
変動パターン決定部124は、特別図柄に係る図柄変動ゲームにおいて変動表示を開始してから停止表示を行うまでの時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを決定する。
変動パターン決定部124によって決定された変動パターンは、第1特別図柄表示制御部151または第2特別図柄表示制御部152に対する制御情報として出力され、当該制御情報を入力した第1特別図柄表示制御部151または第2特別図柄表示制御部152は当該制御情報が示す時間にわたって特別図柄に係る図柄変動ゲームを実行する。
また、変動パターン決定部124によって決定された変動パターンは、情報伝送部190を介して伝送されるコマンドとして演出制御部210に出力され、当該コマンドを入力した演出制御部210は当該コマンドに含まれる変動パターンを用いて演出(リーチ演出等)を制御する。より具体的には、演出制御部210は、入力した変動パターン(変動時間情報)が示す時間内に、当該変動パターンに基づく演出図柄に係る図柄変動ゲームを終了させるように演出図柄の変動態様およびそれに付随する演出態様を決定して実行する。
これにより、演出制御部210は、特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行時間内に、当該図柄変動ゲームに対する演出の実行を収めることができる。
なお、リーチ演出を実行する場合は、リーチ演出が非実行である場合に比べて長い時間を要するので、変動パターン決定部124は、リーチ抽選部123によってリーチ演出の実行が選択された場合には、リーチ演出の非実行が選択された場合に比べて、長い時間を示す変動パターン(変動時間情報)を決定する確率が高くなるように構成されている。
<普通図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する普図遊技制御部130について詳述する。
普図遊技制御部130は、普図保留制御部131と、普図抽選部132と、普通電役制御部133と、を有する。
普図保留制御部131は、ゲート63に遊技球が入球した時に、保留されている乱数M3の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M3を取得して保留させる。
普図抽選部132は、普通図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないとき、保留されている乱数M3を所定の周期で読み出し、読み出された乱数M3を用いて普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの抽選を行う。なお、普図抽選部132によって行われる抽選の当選確率は、後述する変短状態であるときは通常遊技状態であるときより高くなっている。
普図抽選部132による抽選結果は、後述する普通図柄表示制御部153に伝送される。普通図柄表示装置93に対応している二つのLEDは一方が当選、他方が落選に対応しており、普通図柄表示制御部153は伝送された抽選結果に応じていずれかのLEDを発光させる。
普通電役制御部133は、普図抽選部132による抽選に当選したとき、ソレノイドコイルSOL4を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。ここで所定の開放条件には、普図抽選部132による一回の当選に応じて普通電動役物61が開放される時間(以下、開放時間と称する)や開放される回数(以下、開放回数と称する)等が含まれる。
普通電役制御部133は、変短制御部144によって変短状態が付与されているとき、開放状態をとる時間が単位時間あたりで増加するように普通電動役物61を制御する。すなわち、普通電役制御部133の制御は、後述する変短制御部144による変短状態の付与に起因して変動する。
<遊技状態制御について>
以下、大当り遊技、確変状態、及び変短状態を制御する遊技状態制御部140について詳述する。
遊技状態制御部140は、大当り制御部141と、確変制御部143と、変短制御部144と、を有している。
ここで大当り遊技とは、特別電動役物65または特別電動役物66を連続して作動させることができる特別の遊技状態をいう。ここで「特別電動役物を連続して作動」とは、後述のラウンド遊技の回数(ラウンド回数)が複数回であることをいう。
ここで確変状態とは、当否判定部121による当否判定の当選確率が通常遊技状態より高確率になる遊技状態をいう。
ここで変短状態とは、以下の少なくとも一つが行われる遊技状態をいう。
(i)普図抽選部132による抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になる。
(ii)普通電動役物61の開放時間が通常遊技状態より延長される。
(iii)普通電動役物61の開放回数が通常遊技状態より増加される。
(iv)普通図柄表示装置93における一回あたりの変動表示時間が通常遊技状態より短縮される。
確変制御部143は、第二領域77に遊技球が入球した場合、すなわちカウントスイッチSW9の検知を契機として確変状態を付与する。より具体的には、第二領域77は特別電動役物66が開放されている場合に遊技球が流下しうる第四流路74に設けられており、特別電動役物66が開放される大当り遊技中に第二領域77に遊技球が入球した場合、確変制御部143は当該大当り遊技の終了後に確変状態を付与する。
なお、本実施形態に係る確変状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、特定の特別図柄(当選図柄)が図柄表示装置90に停止表示されたことに起因する大当り遊技の終了を契機として、確変制御部143は確変状態を付与してもよい。
確変制御部143は、確変状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、または所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、確変状態を解除する。
なお、本実施形態に係る確変状態の解除条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の解除条件はこの例に限られない。例えば、特別図柄に係る図柄変動ゲームの回数に関わらず大当り遊技に当選することのみを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。或いは、確変状態を解除するか否かを決定する抽選(転落抽選)に当選することを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。
変短制御部144は、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合のすべてを契機として、変短状態を付与する。
なお、本実施形態に係る変短状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合の一部を契機として、変短制御部144は変短状態を付与してもよい。
変短制御部144は、変短状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、または所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、変短状態を解除する。
なお、変短制御部144による変短状態の解除条件は、確変状態の解除条件と同一の条件であってもよいし、異なる条件であってもよい。本実施形態に即していえば、変短状態の解除に係る所定回数は、確変状態の解除に係る所定回数と同一の回数であってもよいし、異なる回数であってもよい。
大当り制御部141は、当否判定部121によって当選が判定された場合に、大当り遊技を実行する。本実施形態における大当り遊技は、具体的には以下のように実行される。
まず、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122によって特別図柄が選択され、選択された特別図柄が第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92に停止表示された後に、大当り制御部141は大当り遊技を開始させる。
大当り遊技が開始されると、大当り制御部141は演出制御部210に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は当該コマンドに従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。なお、本実施形態に係るオープニング演出では、遊技者に右打ちを推奨する等して、大入賞口55および大入賞口56に向かう第2流路Yへの遊技球の打ち出しを促すことが好ましい。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55または大入賞口56が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(ラウンド回数)を上限として複数回行われる。ラウンド遊技では、大入賞口55が所定回数(例えば1回)開放される。また、開放された大入賞口55または大入賞口56に規定個数の遊技球が入球した後、または規定時間(ラウンド遊技時間)が経過後に、大入賞口55または大入賞口56が閉鎖されてそのラウンド遊技が終了する。
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55または大入賞口56が所定時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55または大入賞口56が開放される。
大当り制御部141は、上記のラウンド回数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を含む制御情報を特別電役制御部142に伝送する。
特別電役制御部142は、大当り制御部141から受けた制御情報に従って、特別電動役物65または特別電動役物66を開放させる。
特別電役制御部142は、特別電動役物65を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW7の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部142は、監視している入賞した遊技球が上限数に達したとき、ソレノイドコイルSOL1を作動させて特別電動役物65を閉鎖させる。
或いは、特別電役制御部142は、特別電動役物66を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口56に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW8の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部142は、監視している入賞した遊技球が上限数に達したとき、ソレノイドコイルSOL2を作動させて特別電動役物66を閉鎖させる。
大当り制御部141は、ラウンド遊技中に係る演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は入力したコマンドに従ってラウンド演出を実行する。
規定のラウンド回数が終了すると、大当り制御部141は情報伝送部190を介して演出制御部210に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関するコマンドを出力する。演出制御部210は入力したコマンドに従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り制御部141は大当り遊技を終了させる。
<各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について>
以下、各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について詳述する。
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果である特別図柄、または普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果である普通図柄を図柄表示装置90に表示させる。
図柄表示制御部150は、第1特別図柄表示制御部151と、第2特別図柄表示制御部152と、普通図柄表示制御部153と、を有する。
第1特別図柄表示制御部151は、第1特別図柄表示装置91における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
第2特別図柄表示制御部152は、第2特別図柄表示装置92における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
普通図柄表示制御部153は、普通図柄表示装置93における普通図柄の変動表示と停止表示を制御する。
演出制御部210は、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を、メイン液晶装置81に表示させる。特に特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に関していえば、演出制御部210は、図柄表示装置90による特別図柄の変動時間に合わせて、メイン液晶装置81またはサブ液晶装置82による演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)を実行させている。換言すれば、演出制御部210は、図柄表示装置90における一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームと、メイン液晶装置81またはサブ液晶装置82における一回の演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)とを、原則として対応付けて実行する。
ただし、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有している演出表示が実行される場合や、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームに対して複数回の演出図柄の変動表示が実行される場合もある。前者の代表例はいわゆる連続演出と称される演出表示であり、後者の代表例はいわゆる擬似連演出と称される演出表示である。
<各種処理の処理手順について>
次に、上記で説明した各種処理の処理手順について、図18又は図19を用いて説明する。なお、上述した図1から図19に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
図18は、始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。図19は、図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
また、図18又は図19に図示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
まず、始動口入球時処理について説明する。ここで「始動口入球時処理」とは、第1始動口57又は第2始動口59に対して遊技球が入球した後に実行される一連の処理である。
第1始動口57又は第2始動口59への入球がカウントスイッチSW1又はカウントスイッチSW2で検知されるまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されたとしても(ステップS102のYES)、特図保留制御部111による保留数が上限に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されて(ステップS102のYES)、かつ特図保留制御部111による保留数が上限に達していないとき(ステップS104のNO)、特図保留制御部111による保留数が加算される(ステップS106)。また、特図保留制御部111によって乱数M1又は乱数M2が取得されて、専用の記憶領域に保留記憶される(ステップS108)。
事前判定部112が事前判定を行う場合(ステップS110のYES)、事前判定部112は、ステップS108において保留記憶された乱数M1または乱数M2が当否判定部121によって当選と判定されるか否かを判定する(ステップS112)。
また、事前判定部112が事前判定を行わない場合(ステップS110のNO)、ステップS112の処理は行われないままステップS114の処理に移行する。
ステップS102からステップS112までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部190からサブ制御基板200へ出力されて(ステップS114)、その始動口入球時処理は終了となる。
続いて、図柄変動開始処理の処理手順について説明する。ここで「図柄変動開始処理」とは、特別図柄に係る図柄変動ゲームを開始させる際に行われる一連の処理である。
まず、特図遊技制御部120は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで「変動開始条件」とは、(i)ステップS202の判定時において特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないこと、(ii)ステップS202の判定時において大当り遊技が実行されていないこと、(iii)ステップS202の判定時において保留記憶が1個以上存在すること等が挙げられる。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、その図柄変動開始処理は終了となる。
ステップS202の判定が肯定されるとき(ステップS202のYES)、当否判定部121は、特図保留制御部111に保留されている乱数M1又は乱数M2を読み出す(ステップS204)。
ステップS204において、当否判定部121は、特図保留制御部111に保留記憶されている順番で乱数M1又は乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
ステップS204で乱数が読み出されることを契機として各判定処理が実行される(ステップS206)。
ここでステップS206に含まれる処理としては、具体的には、上述した当否判定部121による当否判定や特図選択部122による特別図柄の選択が少なくとも含まれる。また、(i)変短状態が付与されているか否か、(ii)演出図柄をリーチ目で停止させるか否か、(iii)特定の演出を行うか否か等の判定処理が、ステップS206の処理に含まれてもよい。
そして、特図保留制御部111は、そのとき保留されている乱数M1又は乱数M2の数を特定する(ステップS208)。これにより、本処理手順で実行される図柄変動ゲームで読み出された乱数を除いた残りの乱数の数が保留数として特定される。
変動パターン決定部124は、ステップS206の処理結果及びステップS208で特定された保留数を用いて変動パターンを決定する(ステップS210)。
ステップS202からステップS210までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部190からサブ制御基板200に対して出力されて(ステップS212)、その図柄変動開始処理は終了となる。当該コマンドには、図柄変動ゲームの実行の有無や遊技状態などをサブ制御基板200で判断可能とするための各種情報、例えば、変動パターンを示す情報、保留数、確変状態の有無、変短状態の有無などが含まれる。
<本発明の変形例について>
ここまで図1から図19を用いて説明される実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
上述の実施形態において、装飾部材である第二部材520は、導電体を含む塗料によって露出部分が塗装されている実施形態を述べたが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、装飾部材は、導電体を含まない塗料によって塗装されている部材であってもよいし、全く塗装されていない部材であってもよい。
上述の実施形態において、突起部である位置決めピン521及び位置決めピン522はいずれも、電チューユニット500の一部であって遊技盤50に内部に配置される実施形態を述べたが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、遊技盤50の裏面側に突起部が設けられ、当該突起部が挿通されることによってプリント基板の位置が固定されてもよい。
上記の実施形態において、装飾部材(第二部材520)の裏面に設けられた台座部の一面(台座部523が有する面のうちフランジ部524から離間している面)から突起部が突出する実施形態を述べたが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、装飾部材の裏面は平面であって、当該平面上のいずれかの位置に突起部が設けられてもよい。
上記の実施形態において、装飾部材は、第1始動口57や第2始動口59として設けられた開口を有するものであったが、本発明の実施はこれに限られない。
装飾部材は、例えば、いわゆる演出用役物(装飾可動体)として設けられた部材であってもよいし、遊技領域50aに障害物として設けられた部材であってもよい。
上記の実施形態の説明においては各図に図示する構成を前提として説明したが、本発明の各構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよい。従って、本発明の遊技機の各構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
上記の実施形態の説明において複数のフローチャートを用いた。これらのフローチャートは、順番に記載された複数のステップを含むものであるが、その記載の順番は複数のステップを実行する順番やタイミングを、図示した一つの態様に限定するものではない。このため、本発明を実施するときには、その複数のステップの順番は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数のステップの実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)遊技球を発射する発射装置と、前記発射装置によって発射された遊技球が転動する遊技領域を表面とする遊技盤と、前記遊技領域に露出している露出部分と、前記遊技盤の内部または裏面側に設けられた突起部と、を有する装飾部材と、前記突起部が挿入されている位置決め部を有するプリント基板と、を備え、前記プリント基板は、配線ケーブルを介して他の基板に接続されており、かつ前記プリント基板にパターニングされた配線パターンに接続されている端子を含むコネクタ部と、前記プリント基板の一面に設けられた配線パターンと、前記プリント基板の他面に設けられた配線パターンと、を接続する複数のスルーホールと、を有しており、前記コネクタ部に比べて前記位置決め部に近接する位置に設けられているスルーホールは、前記位置決め部に比べて前記コネクタ部に近接する位置に設けられているスルーホールより少ない遊技機。
(2)前記位置決め部に比べて前記コネクタ部に近接する位置に設けられているスルーホールに接続している配線パターンの一部が、当該スルーホールと前記位置決め部の間にパターニングされている(1)に記載の遊技機。
(3)前記コネクタ部を基準として最も近接しているスルーホールから前記コネクタ部の端子までの距離が、前記突起部を基準として最も近接しているスルーホールから前記突起部の表面までの距離より短い(1)または(2)に記載の遊技機。
(4)前記突起部を基準として最も近接しているスルーホールから前記突起部の表面までの距離が、前記突起部の全長より短い(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。
(5)前記装飾部材には、始動口である開口が設けられている(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
10 遊技機
15 外枠
20 前枠
21 ヒンジ機構
22 可動装飾体
23 シリンダ錠
25 透明部材
27 上球受け皿
29 下球受け皿
31 発射ハンドル
32 上枠部
33(33a、33b) スピーカ
34、36 左右側枠部
35(35a、35b、35c) 照明装置
37 プッシュボタン
38a、38b、38c、38d カーソルボタン
38e 玉貸ボタン
38f 返却ボタン
39 球抜き機構
50 遊技盤
50a 遊技領域
51 外レール
52 風車
53 内レール
55、56 大入賞口
57 第1始動口
59 第2始動口
61(61a、61b) 普通電動役物
611、612 突起部
63 ゲート
65、66 特別電動役物
67(67a、67b、67c) 普通入賞口
69 アウト口
70 仕切り部材
71 第一流路
72 第二流路
73 第三流路
74 第四流路
75 振分部材
76 第一領域
77 第二領域
81 メイン液晶装置
82 サブ液晶装置
90 図柄表示装置
91 第1特別図柄表示装置
92 第2特別図柄表示装置
93 普通図柄表示装置
100 メイン制御基板
101 CPU
102 RAM
103 ROM
110 始動口入球時処理部
111 特図保留制御部
112 事前判定部
120 特図遊技制御部
121 当否判定部
122 特図選択部
123 リーチ抽選部
124 変動パターン決定部
130 普図遊技制御部
131 普図保留制御部
132 普図抽選部
133 普通電役制御部
140 遊技状態制御部
141 大当り制御部
142 特別電役制御部
143 確変制御部
144 変短制御部
150 図柄表示制御部
151 第1特別図柄表示制御部
152 第2特別図柄表示制御部
153 普通図柄表示制御部
190 情報伝送部
200 サブ制御基板
201 CPU
202 RAM
203 ROM
210 演出制御部
500 電チューユニット
510 第一部材
520 第二部材
521 位置決めピン
522 位置決めピン
523 台座部
524 フランジ部
525 前面部
530 透過カバー
540 電チュー基板
550 第三部材
551 第一挿通口
552 第二挿通口
553 第一誘導部
554 第二誘導部
560 第四部材
561 第三誘導部
562 動力伝達部
LH1、LH2 位置決め部
SOL1、SOL2、SOL4 ソレノイドコイル
SW1、SW2、SW4、SW51、SW52、SW53、SW7、SW8、SW9 カウントスイッチ
X 第1流路
Y 第2流路
本発明によれば、遊技球を発射する発射装置と、前記発射装置によって発射された遊技球が転動する遊技盤と、樹脂によって形成され、前記遊技盤の前面側に露出している露出部分の少なくとも一部が、導電体を含む塗料によって塗装されている第一の部材と、集積回路に電気的に接続されている配線部が設けられており、且つ、前記第一の部材と当接する部分を有する第二の部材と、を備え、前記第一の部材は、前記第二の部材に当接する部分が前記塗料によって塗装されておらず、前記第二の部材は、前記配線部が前記第一の部材に当接しない位置に設けられていることを特徴とする遊技機が提供される。

Claims (5)

  1. 遊技球を発射する発射装置と、
    前記発射装置によって発射された遊技球が転動する遊技領域を表面とする遊技盤と、
    前記遊技領域に露出している露出部分と、前記遊技盤の内部または裏面側に設けられた突起部と、を有し、前記露出部分および前記突起部が樹脂によって形成されている装飾部材と、
    前記突起部が挿入されている位置決め部を有するプリント基板と、を備え、
    前記プリント基板は、
    配線ケーブルを介して他の基板に接続されており、かつ前記プリント基板にパターニングされた配線パターンに接続されている端子を含むコネクタ部と、
    前記プリント基板の一面に設けられた配線パターンと、前記プリント基板の他面に設けられた配線パターンと、を接続する複数のスルーホールと、を有しており、
    前記複数のスルーホールを、或る前記位置決め部を基準として、当該位置決め部との距離が前記コネクタ部との距離に比べて近接している第一のスルーホール群と、当該位置決め部との距離が前記コネクタ部との距離に比べて離間している第二のスルーホール群と、に分けて比べると、前記第一のスルーホール群の数が前記第二のスルーホール群の数より少なくなっており、
    前記装飾部材は、前記露出部分の少なくとも一部に対して導電体を含む塗料が塗装されており、且つ、当該位置決め部に挿入されている前記突起部に対して前記塗料が塗装されていない遊技機。
  2. 前記装飾部材は、前記露出部分を除く部分については前記塗料が塗装されていない請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記装飾部材は、前記露出部分の裏面に起立して設けられた台座部を有しており、
    前記突起部は、前記露出部分の裏面から離間した前記台座部の一面から突出しており、
    前記プリント基板は、前記一面に当接している請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 前記突起部を基準として最も近接しているスルーホールから前記突起部の表面までの距離が、前記突起部の全長より短い請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技機。
  5. 前記装飾部材には、始動口である開口が設けられている請求項1から4のいずれか一項に記載の遊技機。
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