[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態に係るパネル取付構造及びパネル取付構造を用いたパネル付什器について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るパネル付什器を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係るパネル付什器のパネルの取付構造を示す分解斜視図である。図3は、本実施形態に係るパネル付什器の一部を示す平面図である。本実施形態では、パネル付什器1がパネル付デスク装置である例を示す。
図1に示すように、パネル付什器1は、天板20を有するデスク装置(天板付什器)2と、一対の支持体3と、パネル4と、を備えている。以下の説明において、デスク装置2を利用する執務者が天板20と向き合ったときの横方向(幅方向)を左右方向と称する。デスク装置2が設置される床面Fに直交する方向を上下方向と適宜称する。また、上記左右方向及び上下方向と直交する方向を前後方向と称し、執務者側を前側、反対側を後側と称する。
パネル付什器1では、一対の支持体3,3がデスク装置2の天板20の後側の端部に離間して立設され、一対の支持体3,3の間にパネル4が挟まれて支持されている。
デスク装置2は、左右方向に間隔を空けてそれぞれ床面F(載置面)上に設置された第1支持脚130および第2支持脚131を備え、第1支持脚130および第2支持脚131に天板20が支持されている。第2支持脚131には、前面側に開口する空間部(不図示)が形成されており、空間部内に抽斗132が収容されている。抽斗132は、前方に引き出し可能に設けられている。なお、抽斗132は必須の構成ではない。
天板20は、平面視長方形を有する板状体であり、天板20の上面21が作業面となる。天板20の上面21の後側の角部に支持体3,3を取り付ける支持体固定部52,52が設けられている。支持体固定部52,52よりも左右方向内側に、左右方向に細長い形状を有する配線挿通用開口部24(図7参照)が形成されている。配線挿通用開口部24の上部は配線カバー23で覆われている。
配線カバー23は、左右の側面と、支持体固定部52,52の左右方向内側の側面との間に回動軸6(図7参照)と回動軸支持部とが設けられ、配線カバー23の後端側の両端部が支持体固定部52,52に回動可能に支持されている。このため、配線カバー23は、後端側が軸支されて、前端側が回動して、配線挿通用開口部を開閉可能に構成されている。なお、回動軸6が配線カバー23に設けられ、回動軸支持部が支持体固定部52,52に設けられる構成であっても、回動軸支持部が配線カバー23に設けられ、回動軸6が支持体固定部52,52に設けられる構成であってもよい。
配線挿通用開口部の下方には不図示の配線受けトレー等が設けられている。
図5は、支持体3を示す斜視図である。図6は、支持体3を図5に示す矢印VI方向から見た側面図である。
支持体3は、支持体固定部52と、支柱部53とを有し、支持体固定部52の下面側に取り付けられた、固定部51を介して配線挿通用開口部内でデスク装置2に固定されている。
支持体固定部52は、外形が略直方体形状の部材である。支柱部53は、支持体固定部52の上面52aに立設されている。支柱部53は、支持体固定部52と一体に形成されている。
支柱部53は、下部において、支持体固定部52側から上方に向かうにつれて前後方向の寸法が小さくなる傾斜部531を有する。傾斜部531の上端よりも上側の上支柱部532は上方向に延びる直方体形状に形成されている。
上支柱部532の左右方向内側の側面、すなわち、一対の支持体3,3が対向する対向面533には、上下方向に沿って係止溝54が形成されている。本実施形態では、上支柱部532は、水平断面がU字型を有する。係止溝54は、上支柱部532の上端部534(支持部の上端部)において開口している。
図2に示すように、係止溝54には、上支柱部532と傾斜部531との境界部近傍に、水平面からなる溝下端面541が形成されている。したがって、溝下端面541が係止溝54の下端となる。
固定部51は、支持体固定部52の下面にねじ90等の固定手段により固定されている。固定部51は、一体に形成された部材であり、互いに平行に配置される支持体固定面部511及び什器固定面部513と、支持体固定面部511と什器固定面部513とを接続する中間部512とを備える。中間部512は、支持体固定面部511及び什器固定面部513に対して直交して上下方向に延びて形成され、左右方向に貫通する横ねじ孔514が形成されている。支持体固定面部511と什器固定面部513とは対向しておらず、中間部512が支持体固定面部511の内側端部から曲折して下方に延設され、中間部512の下端部が内側方向に曲折して什器固定面部513が左右方向内側に延びて形成されている。
支持体固定面部511は、支持体固定部52の下面に固定される部分である。支持体固定面部511は、左右方向における外側の部分が内側の部分より前後方向の寸法が小さくなるように、段部515が形成されている。図5に示すように、支持体固定部52の下面には、支持体固定面部511の形状に沿った係合溝521と当接段部522とが形成されている。支持体固定面部511は、外側の部分が支持体固定部52の係合溝521に挿入され、段部515が当接段部522に当接して係合し、この状態でねじ90,90により支持体固定部52に固定されている。什器固定面部513には、上下方向に貫通する2つのねじ孔516,516が形成されている。
図4は、パネルの水平方向の断面図である。パネル4は、一対のクッション層10A,10Bと接着剤層11(機能層)とを含む積層体によって構成されている。
一対のクッション層10A,10Bは、パネル4の前後方向(厚さ方向)の両側の表面を構成する。一対のクッション層10A,10Bの間に機能層11が設けられている。各クッション層10A,10Bのうち機能層11に接する面と反対側の表面13A,13Bは、パネル4の表面を構成する。
各クッション層10A,10Bは多孔質状の繊維状部材からなる柔軟な板状であれば材質は特に限定されない。例えば、各クッション層10A,10Bの材質は、パネル4の表面13A,13Bのデザインや質感等を考慮して選択されてよい。例えば、各クッション層10A,10Bは、ポリエステル繊維が互いに絡み合った状態で多孔質状の形状とされた不織布によって形成されている。この他、クッション層10A,10Bはスポンジ等の多孔質体で形成されていてもよい。
機能層11は、一対のクッション層10A,10Bの間に配置され、所定の機能を有する。機能層11が有する所定の機能は、執務空間等の空間を区画するために使用されるパネル4に求められる機能であれば特に限定されない。機能層11の所定の機能の一例としては、遮音機能や防水機能、吸湿機能、帯磁性機能、抗菌機能、消臭機能、防炎機能、難燃機能、帯電防止機能、衝撃吸収機能等が挙げられる。機能層11の厚みは、所定の機能が良好に得られるように、機能層11の材料の種類等を勘案して適切に設定されている。
機能層11と各クッション層10A,10Bとの間は、熱可塑性樹脂を含む不織布からなる薄い接着剤シート(不図示)により接着されている。
パネル4を構成する積層体は、機能層11の両面に接着層を介して一対のクッション層10A,10Bが積層された状態で、熱処理やプレス加工が施されて、各層が溶着されている。
図2及び図4に示すように、パネル4の周縁部には、補強部40が設けられている。補強部40は、例えば、熱間プレス等により、圧縮硬化されてパネル4の他の部位よりも厚さが薄く、且つ硬度が高くなるように構成されている。
図2に示すように、本実施形態では、パネル4の上下及び左右の周縁部にそれぞれ補強部40が設けられている。具体的には、パネル4の左右端部に上下方向に沿って設けられた第1補強部41,41と、下端部に水平方向に沿って設けられた第2補強部42(上下補強部)と、上端部に水平方向に沿って設けられた第3補強部43(上下補強部)とが設けられている。
第1補強部41,41には、パネル4の上下方向の略中間部に段部44,47が設けられている。段部44,47は、第1段部44と第2段部47とを有する。第1段部44と第2段部47とは、上下方向の高さが等しい位置に形成されている。
第1段部44は、第1補強部41,41の前後面に水平方向に延びて形成されている。第1補強部41,41は、第1段部44よりも上方が下方よりも厚さが厚くなるように形成されている。第1補強部41,41のうち、各段部44,47よりも下方を下側第1補強部45,45と称し、各段部44,47よりも上方側を上側第1補強部46,46と称する。パネル4の上端部側の第3補強部43と上側第1補強部46,46とは厚さが等しい。パネル4の下端部側の第2補強部42と下側第1補強部45,45とは厚さが等しい。
第2段部47,47は、左右方向の側面が外側に突出するように形成されている。具体的には、第2段部47,47は、下側第1補強部45,45の左右方向の側面より上側第1補強部46,46の方が外側に張り出すように突出して段部が形成されている。
パネル4の下端から第1段部44及び第2段部47までの上下方向の長さは、支持体3,3の係止溝の溝下端面541(下端)から支持体3,3の上端までの長さに略等しい。
この他、パネル4の中央部に位置し、補強部40で囲まれた肉厚部14には、肉厚部14の強度を保持するためのリブ15が設けられている。リブ15は、前後方向(厚さ方向)に突出し、水平方向に延びるリブ15が設けられている。リブ15の形成位置は適宜設定可能である。また、本発明において、リブ15は必須の構成ではない。
パネル4は、上記構成を備えることにより、有機的で温かみのある印象を与えつつ、所定の機能を発揮し、且つ、軽量なパネルとなる。
次に、パネル取付構造について説明する。デスク装置2の天板20の後側の左右方向の各角部に支持体3,3を固定する。固定部51は、デスク装置2に設けられた不図示の固定部に当接されて不図示のねじが什器固定面部513のねじ孔516,516及び中間部512の横ねじ孔514に挿通されて、配線挿通用開口部24の下方位置においてデスク装置2に固定される。
一対の支持体3,3は、互いの係止溝54,54が対向するように配置されている。パネル4を支持体3,3の上端部534より上方に配置して下側に移動させ、パネル4の左右端部の第1補強部41,41を各係止溝54,54に挿入する。第1補強部41,41の下端が溝下端面541に当接するまで挿入されると、パネル4は支持体3,3に安定的に支持され、パネル4の設置作業が終了する。
上述の通り、パネル4が軽量であるため、第1補強部41,41が係止溝54,54に挿通されて溝下端面541,541に当接することにより、パネル4が一対の支持体3,3で支持可能である。これに対し、重量が重い従来のパネルの場合、本実施形態のパネルの支持構造のように、パネルの端部を係止溝に挿入するだけでは、パネルが前後方向に移動することがあり安定支持できない。そのため、従来のパネルをデスク装置に設ける場合、パネルの周縁部を支持する枠体を設け、デスク装置に固定する等の支持構造を採用していた。しかし、本実施形態に係るパネルの支持構造では、簡易な構成によりパネルを一対の支持体3,3で固定できる。
さらに、第1段部44及び第2段部47が支持体3,3の上端部534,534に当接する。係止溝54,54に第1補強部41,41を円滑に挿入するため、第1補強部41,41の前後方向の厚さは、係止溝54,54の前後方向の寸法よりもやや小さい。そのため、第1補強部41,41が係止溝54,54に挿入された状態で、段部44,47が上端部534,534に当接すると、摩擦力によりパネル4の前後方向の僅かな移動を防ぐことができる。この結果、パネル4は一対の支持体3,3に、より安定して支持される。
また、図1に示すように、パネル4が支持体3,3に支持された状態で、パネル4の下端部と天板20の上面21との間は離間して隙間が形成されている。この隙間に配線等を挿通することが可能である。また、図7に、本実施形態のパネルの下端と天板の上面との間の領域の断面図を示す。図7に示すように、配線挿通用開口部24を開けるために配線カバー23が水平位置から90度以上回動されたとき、配線カバー23の前側端部の上面231がパネル4の第2補強部42の前面421に当接する。この結果、配線カバー23はパネル4の第2補強部42に支持され、執務者等が配線カバー23から手を離しても、配線カバー23が自重により配線挿通用開口部24を塞ぐ方向へ回動することがなく、配線挿通用開口部24が開放された状態を保持することができる。この結果、配線カバー23を手で押さえることなく、電源コード等のケーブルを、配線挿通用開口部24を介して天板20の上側と下側とに配線することができる。
図7に示すように、パネル4の肉厚部14の下端と天板20の上面21との距離L1は、配線カバー23が水平位置から90度以上回動されて配線挿通用開口部24が開放されたときの配線カバー23の上端と天板の上面21との距離L2よりも大きくなるように、支持体3,3の高さが設定されている。例えば、距離L1は100mmであり、距離L2は80mmである。
本実施形態に係るパネル取付構造によれば、基材に起因する有機的で温かみのある印象と充分な強度を有するパネル4を用いて天板20上の空間を区画することができる。したがって、執務空間において、執務者に威圧感や不快感を与えずに、天板20上の作業スペースと外部空間とを区画し、執務者の視線を遮ることができる。また、パネル4の軽量化が実現できるため、このようなパネル4を一対の支持体3,3の係止溝54,54に挿入する簡易な構成でパネル4をデスク装置2に取り付けることができる。
本実施形態に係るパネル取付構造によれば、パネル4は、クッション層10A,10Bと機能層11との積層体からなるため、機能層11が備える所定の機能によりパネル4の機能が補強される。また、機能層11は一対のクッション層10A,10Bの間に配置されているため、外観上は有機的で温かみのある印象を与えつつ、高機能なパネル4を設けることができる。
本実施形態に係るパネル取付構造によれば、積層体のクッション層10A,10Bの上下端部に第2補強部42及び第3補強部43を有することにより、パネル4における一対の支持体3,3間の領域の強度が補強され、パネル4全体の強度をより高めることができる。
本実施形態に係るパネル取付構造によれば、パネル4の下端と天板20の上面21との間に隙間が形成された状態で天板20上にパネル4が取り付けられる。その結果、デスク装置2の天板20上やその周囲で使用される電子機器、電化製品のケーブル等を通す空間を確保できる。また、パネル4の下端と天板20の上面21との間に隙間が形成されているので、パネル4が間仕切りとして機能しながら、執務者に閉塞感を与えることがない。
本実施形態に係るパネル取付構造によれば、段部44,47が一対の支持体3,3の上端部534,534に当接することにより、パネル4が一対の支持体3,3に支持されるので、パネル4の左右方向両端部の第1補強部41,41を一対の支持体3,3の係止溝54,54に挿入するという簡単な作業によりパネル4を一対の支持体3,3に支持させることができる。また、第1補強部41,41が係止溝54,54に容易に挿入されるように、第1補強部41,41と係止溝54,54との間に隙間がある場合でも、段部44,47が支持体3,3の上端部534,534に当接することにより、パネル4が係止溝54,54内に配置された後に、パネル4が支持体3,3に対して動くことを防ぎ、パネル4を安定支持することができる。
本実施形態に係るパネル取付構造によれば、一対の支持体3,3が配線挿通用開口部24の両端部に設けられているので、簡易且つ省スペースを図ることができるパネル4が、配線挿通用開口部24の上方に配設される。この結果、パネル4が配線カバー23の開閉動作を妨げることを防ぎ、配線カバー23の開閉操作や、天板20周辺における配線作業を容易に行うことができる。
本実施形態に係るパネル付什器1によれば、基材に起因する有機的で温かみのある印象と充分な強度を有するパネル4を用いて天板20上の空間を区画することができる。したがって、執務空間において、執務者に威圧感や不快感を与えずに、天板20上の作業スペースと外部空間とを区画し、執務者の視線を遮ることができる。また、パネル4の軽量化が実現できるため、このようなパネル4を一対の支持体3,3の係止溝54,54に挿入する簡易な構成でパネル4がデスク装置2に取り付けられる。
上記実施形態では、パネル4の第1補強部41に第1段部44及び第2段部47を備える例を示したが、段部44,47のいずれか一方を備えれば、支持体3,3によるパネル4の支持を補強できる。また、段部44,47は必須の構成ではなく、段部44,47を備えなくてもよい。
上記実施形態では、支持体3,3に水平面からなる溝下端面を備える例を示したが、係止溝54の下端の構成はこれに限定されない。例えば、係止溝54の下端部の内周面の少なくとも一部が係止溝54の内側に突出して溝の開口寸法を小さくする構成であってもよい。また、溝下端面541を設けず、支持体3,3の上端部534,534と段部44,47とが当接することにより、パネル4が一対の支持体3,3に支持される構成であってもよい。
上記実施形態では、パネル4の下端と天板20の上面21との間に隙間が形成された状態で天板20上にパネル4が取り付けられる例を示したが、このような隙間を設けずに、パネル4の下端が天板20の上面21の上方に近接配置される構成であってもよい。
[第二実施形態]
次に、図8から図10を参照して第二実施形態に係るパネル付什器1Aを説明する。図8は、本実施形態に係るパネル付什器1Aの一部を示す斜視図である。図9は、本実施形態のパネル4A及び補強部材7の一部を示す斜視図である。図10は、本実施形態に係るパネル付什器のパネル取付構造の一部を示す斜視図であり、パネル4Aの記載を省略している。上記実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
本実施形態のパネル付什器1Aは、パネル4A及び一対の支持体3A,3Aが第一実施形態と異なる。また、本実施形態では、2台のデスク装置2,2の後側の端部同士を隣接配置して、その間にパネル4Aを配置する例を示す。
支持体3A,3Aは、第一実施形態の傾斜部531を有さず、支柱部53Aが略直方体形状の長尺な部材である。支柱部53Aは、上下方向に延びるように立設され、支持体固定部52Aに固定されている。支持体固定部52Aは、2つのデスク装置2,2の後側端部間に跨って配置されて固定されている。支柱部53A,53Aは、支持体固定部52Aの前後方向の中間部に設けられており、2つのデスク装置2,2の後側端部上に位置する。
支持体3A,3A同士の対向面には係止溝54A,54Aが長手方向に沿って全長にわたって形成されている。つまり、支柱部53A,53Aは水平断面がU字型の長尺部材である。図8及び図10に示すように、支柱部53A,53Aの左右方向に延びる2面の下部に下支持部35が形成されている。下支持部35は、支柱部53Aの前後方向に押し込まれるハーフパンチ加工が施されて形成されている。下支持部35は、支柱部53Aの左右方向に平行に延びる2面の下部側の係止溝54A,54Aの内周面に、互いに対向する位置で突出している。
パネル4Aは、第2補強部42に補強部材7が取付けられている。図9に示すように、補強部材7は、垂直断面が略U字型の長尺な部材であり、上側に向かって開口する溝71が長手方向に全長にわたって形成されている。補強部材7は、肉厚部14の左右方向の長さに略等しい部材である。補強部材7は、第2補強部42よりも剛性が高い部材からなる。本実施形態では、補強部材7は、スチール等の剛性を有する金属製の部材が採用されている。補強部材7は、第2補強部42の前後面を挟むように溝71に第2補強部42が圧入され、溝71と第2補強部42との摩擦力により固定されている。第2補強部42と補強部材7の溝71との間は接着剤により固定される構成であってもよい。
補強部材7の左右端部には、一対の係合部8,8が設けられている。係合部8,8は、補強部材7の左右端部の溝71内に一部が溶接により固定され、補強部材7の左右端部から左右方向の外側に突出するように設けられている。係合部8の補強部材7から露出している部分の下部に、下面が上方に向かって湾曲するように円弧状に切り欠いて形成され、前後方向に貫通する係止部81が形成されている。係合部8の上面82は水平面となっている。
パネル4Aは、下側第1補強部45に、パネル4Aの左右方向(幅方向)に窪む凹部9が形成されている。凹部9は、パネル4Aの左右方向の外側面49から左右方向に円弧状に切り欠いて形成されている。
パネル4Aの第2補強部42の左右方向の両側の下端部には、係合部8,8に当接する切欠部48が形成されている。切欠部48は、第2補強部42の左右方向の両側の下端部が矩形に切り欠いて形成されている。
図8に示すように、補強部材7がパネル4Aに取り付けられた状態で、各係合部8の左右方向の外側側面83は、パネル4Aの左右方向の外側面49と面一となる。また、パネル4Aの切欠部48には、係合部8の上面82及び左右方向の内側の側面84(図9参照)が当接している。
パネル4Aが一対の支持体3A,3Aの上方から係止溝54A,54A内に挿入され、下方に押し込まれると、係合部8の係止部81が、係止溝54A,54A内で下支持部35,35に当接し、パネル4Aの自重により係止部81が下支持部35,35に係止される。そのため、本実施形態では、下支持部35,35が係止溝54Aの下端部となる。
さらに、図8に示すように、本実施形態では、支持体3Aの外側面55の下部にねじ孔56が形成されている。ねじ孔56は、パネル4Aが係止溝54A,54A内に挿入されて下支持部35,35に支持されている状態で、パネル4Aの凹部9,9に対応する位置に形成されている。パネル4Aが係止溝54A,54A内に挿入された後、支持体3Aの外側面55のねじ孔56に止めねじ91(凸状部材)が螺合され、止めねじ91が支持体3Aの外方から凹部9内に進入する。この結果、パネル4Aは止めねじ91によって支持体3Aの上方向への移動が規制される。したがって、パネル付什器1Aの使用時に、パネル4Aに下方からの力が作用しても、パネル4Aが支持体3A,3Aの上方に移動することがなく、パネル4Aが支持体3A,3Aに安定支持される。
このようなパネル取付構造であっても第一実施形態と同様にパネル4Aを一対の支持体3A,3Aの係止溝54A,54Aに挿入する簡易な構成でパネル4Aをデスク装置2に取り付けることができる。
本実施形態のパネル取付構造によれば、補強部材7がパネル4Aの下端部に設けられることにより、パネル4の強度を高めることができる。
本実施形態に係るパネル取付構造によれば、パネル4Aの下端部に、パネル4Aの左右方向(幅方向)に沿って取り付けられる長尺な補強部材7を備えることにより、パネル4Aの強度をより高めることができる。この結果、軽量なパネル4Aが前後方向に撓むことを防ぐことができる。この結果、安定した使用感が得られる軽量なパネル4Aを、天板20上に容易に取り付け可能なパネル取付構造が提供できる。
本実施形態に係るパネル取付構造によれば、補強部材7の長手方向の両端部に係止部81を備え、係止部81が一対の支持体3A,3Aの下支持部35に係合することにより、一対の支持体3A,3Aに支持される。つまり、パネル4Aは、補強部材7を介して一対の支持体3A,3Aに支持される。したがって、簡易な構成ながら、パネル4Aが一対の支持体3A,3Aに安定支持される。また、パネル4Aの左右方向の中央部の強度が補強される。その結果、使用時のパネル4Aの湾曲等を防ぐことができる。
本実施形態に係るパネル取付構造によれば、一対の支持体3A,3Aの上方からパネル4Aを係止溝54A,54Aに挿入してパネル4Aが支持体3A,3Aで支持された後に、凹部9に止めねじ91が配置されることにより、パネル4Aの上方向への移動が規制される。したがって、パネル付什器の使用時にパネル4Aに下方から外力が掛かった場合でも、パネル4Aが上方に移動することが防止され、パネル4Aが安定的に支持される。
本実施形態では、下支持部35が支持体3Aの左右方向に延びる2面に設けられる例を示したが、下支持部35は係止溝の内周面から突出して設けられる構成であればよく、下支持部が前後方向に延びる面に設けられてもよい。また、下支持部35をハーフパンチ加工により形成する例を示したが、下支持部35の構成はこれに限定されず、係止溝の内周面に突起が形成されればよい。また、第一実施形態の下支持面25のように、係止溝54Aに下支持面が形成され、下支持面上に係止部81を載置して係止させる構成であってもよい。
本実施形態では、止めねじ91用のねじ孔56を支持体3A,3Aの外側面55に形成する例を示したが、パネル4Aの上下方向の移動を規制する目的においては、ねじ孔56が支持体3Aの左右方向に延びる面に設けられてもよい。但し、止めねじ91用のねじ孔56を支持体3A,3Aの外側面55に形成した方が止めねじ91が執務者の目につき難く、外観上は支持体3A,3Aの外側面55に形成することが好ましい。
本実施形態では、補強部材7に係止部81を設ける例を示したが、補強部材7のみをパネルに取り付ける構成であってもよい。例えば、第一実施形態のパネル4の第3補強部43に補強部材7のみを取り付ける構成とすると、パネル4の強度が補強される。
[第三実施形態]
次に、図11から図14を参照して第三実施形態に係るパネル付什器1Bを説明する。図11は、本実施形態に係るパネル付什器1Bを示す正面図である。図12は、本実施形態のパネル付什器1Bのパネルの取付構造を示す分解斜視図である。図13は、本実施形態に係るパネル付什器1Bのパネル取付構造を示す正面図である。図14は、本実施形態の規制部材の上面図である。上記実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。本実施形態のパネル付什器1Bは、一対の支持体3B,3B及びパネル4Bが上記実施形態と異なる。
支持体3Bは、スチール等の剛性を有する金属製の部材である。図11及び図12に示すように、一対の支持体3B,3Bは、什器固定面部513B(図12参照)と、傾斜部531Bと、支柱部53Bと、支持凹部35Bと、規制部材30と、を備える。
図12に示すように、什器固定面部513Bは、平板形状を有し、支持体3Bの下端部に設けられている。什器固定面部513には、上下方向に貫通する2つのねじ孔516B,516Bが形成されている。什器固定面部513Bは支持体固定部52(図1参照)に固定される。
傾斜部531Bは、什器固定面部513Bの一端部から上方に延びる平板状部材であり、上部が前後方向に傾斜している。
支柱部53Bは、略直方体形状の長尺な部材であり、パネル4Bを支持する部材である。支柱部53Bは、上下方向に延びるように立設され、傾斜部531Bの上端に固定されている。支持体3B,3B同士の対向面には係止溝54B,54Bが長手方向に沿って全長にわたって形成されている。支柱部53B,53Bは水平断面がU字型の長尺部材である。支柱部53B,53BのU字型の凹部が係止溝54B,54Bであり、長手方向に沿って全長にわたって形成されている。支柱部53B,53Bは、天板20の縁端部に離間配置された支柱部53B,53B同士の対向面に係止溝54B,54Bが設けられるように配設されている。
一対の延出部57,57は、支柱部53Bの下端部から左右方向の内側に向かって延出して形成されている。延出部57は、水平断面が略U字型の支柱部53Bの前後に並んで平行に延びる2面がそれぞれ同じ形状を有する。一対の延出部57,57には、支持凹部35B,35Bが形成されている。支持凹部35B,35Bは、上方に向かって開口し、前後方向から見たときの形状が略矩形の切欠きである。支持凹部35Bと支柱部53Bとの間には、前後方向に貫通する係合孔573,573が形成されている。各延出部57の上端部572及び下端部571は、傾斜部531Bとの接続部に向かってそれぞれ湾曲形状を有する。
図12に示すように、支持体3Bには、規制部材30を備える。規制部材30は樹脂製の一体成型部材である。規制部材30は、一対の延出部57,57の間に挿入可能な大きさを有し、支持体3Bに係合される部材である。規制部材30は、規制部本体303と、縦壁部304と、第一規制部301と、第二規制部302と、下係止部306と、リブ305と、係合突起307とを備える。
規制部本体303は、略直方体形状であり、左右方向の内側の端部に第二規制部302が設けられている。第二規制部302は、規制部本体303の左右方向の内側の上端部から下垂する爪である。第二規制部302は、外力が掛かると左右方向に撓むように構成されている。
図12及び図14に示すように、規制部本体303の前後方向の側面には、それぞれ係合突起307,307が形成されている。図14に示すように、各係合突起307は、左右方向の外側(図14における右側)より内側(図14における左側)の方が前後方向への突出量が多くなるように傾斜している。
規制部本体303の下端部には、前後方向に突出するリブ305が形成されている。下係止部306は、リブ305の左右方向の外側端部から斜め下方に延出して設けられている。下係止部306は、支柱部53Bの下端部571の湾曲形状に沿った形状を有し、下端部が、左右方向の外側に向かって略水平方向に延出している。
縦壁部304は、規制部本体303の左右方向の外側の端部から上方に曲折して略鉛直方向に延設されている。縦壁部304の上端部には、第一規制部301が設けられている。第一規制部301は、縦壁部304の上端部から左右方向の内側に向かって曲折して下垂する爪である。第一規制部301は、外力が掛かると左右方向に撓むように構成されている。
補強部材7Bは、垂直断面が略U字型の長尺な部材であり、上側に向かって開口する溝71が長手方向に全長にわたって形成されている。補強部材7Bの左右端部には、一対の係合部8B,8Bが設けられている。係合部8B,8Bは、補強部材7Bの長手方向の端部の上部が左右方向に延出し、端部から下方に突出する略L字形状を有する。係合部8B,8Bには、下方に向かって開口する被支持凹部81Bが形成されている。被支持凹部81Bは、下方に向かって開口し、前後方向から見たときの形状が略矩形の切欠きである。係合部8B,8Bは、支柱部53Bの支持凹部35Bに進入して係合可能な大きさを有する。
補強部材7Bは、パネル4Bよりも剛性が高い部材からなる。本実施形態では、補強部材7Bは、スチール等の剛性を有する金属製の部材が採用されている。
パネル4Bは、アクリル樹脂製の不透明平板である。パネル4Bは、図12に示すように、切削加工等により中央の肉厚部14Bよりも周縁部の厚さが薄くなるように形成されている。具体的には、パネル4Bの左右端部に上下方向に沿って設けられた第1縁部41B,41Bと、下端部に水平方向に沿って設けられた第2縁部42Bと、上端部に水平方向に沿って設けられた第3縁部43Bとが設けられている。なお、パネル4Bは、均一な厚みのアクリル樹脂で形成されていてもよい。
図12に示すように、パネル4Bの第1縁部41B,41Bに、パネル4Bの左右方向(幅方向)に窪む凹部9Bが形成されている。凹部9Bは、パネル4Bの左右方向の外側面49Bを切り欠いて形成されている。
図12に示すように、パネル4Bの第2縁部42Bの左右方向の両側の下端部には、後述する係合部8B,8Bに当接する切欠部48Bが形成されている。切欠部48Bは、第2縁部42Bの左右方向の両側の下端部が矩形に切り欠いて形成されている。
パネル4Bの第2縁部42Bは、補強部材7Bの溝71に挿入され、第2縁部42Bと補強部材7の溝71との間は接着剤により固定されている。
次に、パネル取付構造について説明する。デスク装置2の天板20の後側の左右方向の各角部に支持体3B,3Bを固定する。デスク装置2に設けられた不図示の固定部に什器固定面部513Bが当接され、不図示のねじが什器固定面部513Bのねじ孔516B,516Bに挿通されて、配線挿通用開口部24の下方位置においてデスク装置2に固定される。一対の支持体3B,3Bは、互いの係止溝54B,54Bが対向するように配置されている。
支柱部53Bに規制部材30を取り付ける。図12に示すように、規制部材30の縦壁部304を、支柱部53Bの係止溝54Bに対向配置させ、規制部材30を一対の延出部57,57間に進入させる。このとき、図14に示すように、規制部本体303の前後方向の両側面に形成されている一対の係合突起307,307は、左右方向の外側(図14における右側)より内側(図14における左側)の方が前後方向への突出量が多くなるように傾斜しているため、それぞれ係合孔573,573内に円滑に進入可能である。一対の係合突起307,307が係合孔573,573と係合すると、図13に示すように、リブ305及び下係止部306が延出部57の下端部571に当接する。係合突起307の係合孔573への係合と、リブ305及び下係止部306の下端部571への当接とにより規制部材30が係止溝54B内に係合される。また、縦壁部304が係止溝54Bの底部543に近接配置される。第二規制部302は、延出部57の左右方向の内側端部よりも内側に露出している。
なお、規制部材30は、什器の設置現場において、支柱部53Bに取り付ける例の他、工場で予め支柱部53Bに取り付けておいてもよい。
パネル4Bを支持体3B,3Bの上端部534,534より上方に配置して下側に移動させ、パネル4Bの左右端部の第1縁部41B,41Bを係止溝54B,54Bに挿入する。パネル4Bに取り付けられている補強部材7Bの係合部8B,8Bを支柱部53B,53Bの支持凹部35B,35Bに挿入する。支持凹部35B,35Bは、補強部材7Bの係合部8B,8Bを下方から支持する。このとき、補強部材7Bの長手方向の下端部が第二規制部302に当接して押圧しながら下方に移動する。補強部材7Bが最も下側まで移動されて、係合部8B,8Bが支持凹部35B,35Bに係合したとき、第二規制部302は補強部材7Bの長手方向の下端部による押圧が解除されて、元の形状に戻る。この状態では、図13に示すように、第二規制部302の下端は、補強部材7Bの溝71の底面711に当接する。この結果、第二規制部302により、補強部材7Bの上方への移動が規制される。
これと同時に、パネル4Bの第1縁部41B,41Bが、規制部材30の第一規制部301に当接して押圧しながら下方に移動する。補強部材7Bが最も下側まで移動されて、係合部8B,8Bが支持凹部35B,35Bに係合したとき、第一規制部301は第1縁部41Bによる押圧が解除されて、元の形状に戻る。この状態では、図13に示すように、第一規制部301の下端は、凹部9Bの下部に当接する。この結果、第一規制部301により、パネル4Bの上方への移動が規制される。
この結果、パネル4Bは支持体3B,3Bに安定的に支持され、パネル4Bの設置作業が終了する。
本実施形態に係るパネル取付構造によれば、軽量なパネル4Bが一対の支持体3B,3Bの係止溝54B,54Bに挿入されて支持されるため、パネル4Bを支持体3Bに容易に取り付けられる。また、一対の支持体3B,3B間に架設された補強部材7Bにパネル4Bの下端部が係止されるため、軽量なパネル4Bが前後方向に撓むことを防ぐことができる。この結果、安定した使用感が得られる軽量なパネル4Bを、天板20上に容易に取り付け可能なパネル取付構造が提供できる。例えば、第二実施形態のように2台のデスク装置2,2間に一つのパネルを設ける場合、一方のデスク装置2側でパネルが押されても、パネルが他方のデスク装置2側に撓んで湾曲することがない。その結果、安定した使用感が得られるデスク装置2が提供できる。
本実施形態に係るパネル取付構造によれば、支持凹部35Bにより補強部材7Bの係合部8Bを下方から支持するとともに、第二規制部302により補強部材7Bの上方への移動が規制される。このため、簡易な構成により、支持体3Bの上方から補強部材7Bを配置可能であり、且つ、補強部材7Bの位置が保持される。
本実施形態に係るパネル取付構造によれば、補強部材7Bの長手方向の両端部に一対の係合部8B,8Bを備えるため、一対の係合部8B,8Bを一対の支持体3B,3Bと係合することにより補強部材7Bを一対の支持体3B,3Bに容易に架設できる。
本実施形態に係るパネル取付構造によれば、一対の支持体3B,3Bに第一規制部301を備え、パネル4Bに設けられた凹部9Bが第一規制部301に係止されることにより、係止溝54Bに挿入されたパネル4Bの上下方向の移動が規制される。したがって、什器使用時にパネル4Bに下方から外力が掛かった場合でも、パネル4Bが上方に移動することが防止され、パネル4Bが支持体3B,3Bにより安定的に支持される。
本実施形態では、アクリル樹脂製のパネル4Bの例を示したが、第一実施形態及び第二実施形態と同様に不織布からなるパネル4,4Aを用いてもよい。
本実施形態では、パネル4Bに補強部材7Bを固定したものを支持体3B,3Bに係合させる例を示したが、この構成に限定されない。例えば、パネル4Bと補強部材7Bとが分離した状態で用意し、先に補強部材7Bを支持体3B,3Bに架設した後に、パネル4Bを支持体3B,3B及び補強部材7Bに挿入して係止させてもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
本発明は、以下の技術思想を含む。
(付記項1)
天板付什器に設けられる天板の離間する端部に立設される一対の支持体と、
前記一対の支持体に支持され、前記天板の上方の空間を区画するパネルと、
を備え、
前記パネルは、
繊維状の基材を含むクッション層を備え、
前記パネルの少なくとも幅方向両端部の下部に前記クッション層が圧縮硬化された一対の補強部を備え、
前記一対の支持体は、
前記一対の支持体同士の対向面に上下方向に沿って形成され、前記支持体の上端部において開口する係止溝が形成されており、
前記パネルは、前記一対の補強部が前記一対の支持体の前記係止溝に挿入されて前記一対の支持体に係止されることを特徴とするパネル取付構造。
(付記項2)
前記パネルの下端部に、前記パネルの幅方向に沿って取り付けられる長尺な補強部材を備える
付記項1に記載のパネル取付構造。
(付記項3)
前記補強部材は、長手方向の両端部に前記一対の支持体の前記係止溝と係合する一対の係合部を備え、
前記一対の係合部が前記係止溝に係合されて前記パネルが前記一対の支持体に支持される付記項2に記載のパネル取付構造。