JP2019077804A - 一液型樹脂組成物、その硬化物およびそれを用いた接着剤 - Google Patents

一液型樹脂組成物、その硬化物およびそれを用いた接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】高強度、高耐熱性を保持しながら、金属やプラスチック等との接着性が良好な硬化物を与える一液型樹脂組成物、その硬化物およびそれを用いた接着剤を提供する。【解決手段】(A1)ジグリシジルオルトトルイジン、N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルアニリンのうち少なくとも一方のエポキシ樹脂と、(B)一般式(1)、(ここで、一般式(1)において、X1、X2、X3、X4は、それぞれ独立して、単結合、O、S、C(CH3)2、CO、CO2、またはSO2を表し、Y1、Y2は、それぞれ独立して、H、Cl、またはOHを表し、aは、1〜10000の整数を表す。)で表される化合物と、(C)シアン酸エステルと、(D)アミン系潜在性硬化剤と、を含み、(A1)成分の合計100質量部に対して、(B)一般式(1)で表される化合物が、1〜60質量部の一液型樹脂組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、一液型樹脂組成物、その硬化物およびそれを用いた接着剤に関し、詳しくは、高強度、高耐熱性を保持しながら、金属やプラスチック等との接着性が良好な硬化物を与える一液型樹脂組成物、その硬化物およびそれを用いた接着剤に関する。
エポキシ樹脂は、工業的に幅広い用途で使用されており、エポキシ樹脂に要求される性能は、産業の発展と共に近年ますます高度化している。既存のエポキシ樹脂を単独、若しくは複数の種類を混合して用いても十分な耐熱性を得ることができない場合には、エポキシ樹脂とシアン酸エステル樹脂とを混合してなる、高耐熱性のシアン酸エステル−エポキシ複合樹脂組成物が、半導体の封止材料、プリント配線基板用途等、主に電子部品材料用途で多用されている。
パソコンやスマートフォン等に使用されるディスプレイ周りの材料には、ガラス、液晶材料、偏光フィルター等の様々な材料が使用されており、ディスプレイの外側にはポリカーボネート樹脂等のプラスチックが使用されている。それらの材料の接着剤としては、耐熱性等の機能を保持しながら、高い接着性が要求されている。
例えば、特許文献1では、エポキシ樹脂、シアン酸エステルに、アミン化合物とエポキシ化合物を反応させてなる変性アミン化合物とフェノール樹脂とを組み合わせた複合樹脂組成物が提案されている。また、特許文献2では、エポキシ樹脂中にポリエーテルスルホンを含有させた繊維強化複合材料が提案されている。
特開2010−006991号公報 特開2011−016985号公報
しかしながら、特許文献1で提案されている複合樹脂組成物は、貯蔵安定性および速硬化性に優れ、かつ、耐熱性に優れた硬化物を得ることができるが、特にポリエステルやポリカーボネート等の有機材料に対する接着性については、満足のいくものではなかった。また、特許文献2で提案されているエポキシ樹脂組成物の硬化物は、高弾性率、高耐熱性、高靱性を示すが、金属やプラスチック等に対する接着性については、満足のいくものではなかった。また、接着性を付与させるために、ポリエーテルスルホンをさらに添加しようとすると、エポキシ樹脂との相溶性が悪いため、作業性が悪化してしまうという問題が生じてしまった。
そこで、本発明の目的は、高強度、高耐熱性を保持しながら、金属やプラスチック等との接着性が良好な硬化物を与える一液型樹脂組成物、その硬化物およびそれを用いた接着剤を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、所定のエポキシ樹脂、所定のエンジニアリングプラスチック、シアン酸エステルおよびアミン系潜在性硬化剤を含み、かつ、所定の構造のエポキシ樹脂に対する所定のエンジニアリングプラスチックの量を調節することで、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一液型樹脂組成物は、(A1)ジグリシジルオルトトルイジン、N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルアニリンのうち少なくとも一方のエポキシ樹脂と、(B)下記一般式(1)、
Figure 2019077804
(ここで、上記一般式(1)において、X、X、X、Xは、それぞれ独立して、単結合、O、S、C(CH、CO、CO、またはSOを表し、Y、Yは、それぞれ独立して、H、Cl、またはOHを表し、aは、1〜10000の整数を表す。)で表される化合物と、(C)シアン酸エステルと、(D)アミン系潜在性硬化剤と、を含む一液型樹脂組成物であって、
(A1)成分の合計100質量部に対して、(B)一般式(1)で表される化合物が、1〜60質量部であることを特徴とするものである。
本発明の一液型樹脂組成物においては、(A1)成分と(B)成分とが混合して、均一に溶解していることが好ましい。また、本発明の一液型樹脂組成物においては、(B)成分はポリエーテルスルホンであることが好ましい。さらに、本発明の一液型樹脂組成物においては、(C)成分であるシアン酸エステルは、下記一般式(2−1)、
Figure 2019077804
(ここで、上記一般式(2−1)において、Rは2価の炭化水素基を表し、R、Rはそれぞれ独立して、非置換、または1〜4個のアルキル基で置換されているフェニレン基を表す。)で表される化合物、下記一般式(2−2)、
Figure 2019077804
(ここで、上記一般式(2−2)において、nは1〜100の整数を表し、Rは水素原子、または炭素原子数が1〜4のアルキル基を表す。)で表される化合物、およびこれらのプレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種からなることが好ましく、下記一般式(2−3)、
Figure 2019077804
(ここで、Rは、単結合、メチレン基、−CH(CH)−、−C(CH−、または下記一般式(3−1)〜(3−8)、
Figure 2019077804
(ここで、上記一般式(3−3)において、mは4〜12の整数を表す。)で表される何れかの官能基を表し、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、または炭素原子数が1〜4のアルキル基を表す。)で表される化合物、およびこれらのプレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。さらにまた、本発明の一液型樹脂組成物においては、(D)アミン系潜在性硬化剤は、(d−1)ポリアミン化合物と(d−2)エポキシ化合物とを反応させてなる、分子内に活性水素を持つアミノ基を少なくとも1個有する変性アミン、および(d−3)フェノール系樹脂を含有してなることが好ましい。
本発明の硬化物は、本発明の一液型樹脂組成物が加熱硬化されてなることを特徴とするものである。
本発明の接着剤は、本発明の一液型樹脂組成物が用いられてなることを特徴とすることを特徴とするものである。
本発明によれば、高強度、高耐熱性を保持しながら、金属やプラスチック等との接着性が良好な硬化物を与える一液型樹脂組成物、その硬化物およびそれを用いた接着剤を提供することができる。本発明の一液型樹脂組成物は、特定のエンジニアリングプラスチックを、特定のグリシジルアミン化合物に均一に溶解させることができるため、樹脂材料の混和性が良好であり、強度、耐熱性、接着性も優れていることから、パソコンやスマートフォン等のディスプレイ周りの接着剤をはじめとして、半導体用封止剤、ポッティング剤等、電子材料分野で好適に使用することができる。
以下、本発明の一液型樹脂組成物について詳細に説明する。本発明の一液型樹脂組成物は、(A1)ジグリシジルオルトトルイジン、N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルアニリンのうち少なくとも一方のエポキシ樹脂、(B)下記一般式(1)で表される化合物、(C)シアン酸エステル、(D)硬化剤を含有する(以下、それぞれ単に、「(A1)成分」、「(B)成分」、「(C)成分」および「(D)成分」とも称す)。
Figure 2019077804
ここで、上記一般式(1)において、X、X、X、Xは、それぞれ独立して、単結合、O、S、C(CH、CO、CO、またはSOを表し、Y、Yは、それぞれ独立して、H、Cl、またはOHを表し、aは、1〜10000の整数を表す。
本発明の一液型樹脂組成物においては、(B)成分を均一に溶解するエポキシ樹脂として、(A1)ジグリシジルオルトトルイジン、またはN,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルアニリンのいずれか、若しくは両方のエポキシ樹脂を用いている。本発明の一液型樹脂組成物においては、(A1)成分100質量部に対し、(B)成分は1〜60質量部であり、好ましくは10〜50質量部である。さらには、(A1)成分は、硬化剤と混合、および加熱等により硬化させることのできる材料であり、硬化物の耐熱性、接着性に寄与するものでもある。
本発明の一液型樹脂組成物においては、(A2)成分として、(A1)成分以外のエポキシ樹脂を使用してもよい。そのようなエポキシ樹脂としては、分子内に少なくともエポキシ基を1つ有する化合物であれば、特に制限なく使用することができる。具体的には、n−ブチルグリシジルエーテル、C12〜C14のアルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、および3級カルボン酸グリシジルエステル等の、エポキシ基を1つ有する反応性希釈剤;エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、およびネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等の、エポキシ基を2つ有する反応性希釈剤;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、およびグリセリントリグリシジルエーテル等の、エポキシ基を3つ有する反応性希釈剤;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のビフェニル型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;シクロヘキサンジメタノールや水添ビスフェノールA等から得られる脂環式エポキシ樹脂;N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)アニリン、および、N,N,N’,N’−テトラ(2,3−エポキシプロピル)−4,4’−ジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂(ジグリシジルオルトトルイジン、N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルアニリンを除く);フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物であるエポキシ化物、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェニルメタン型エポキシ樹脂;テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂;およびフェノールアラルキル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(A2)成分として挙げたエポキシ樹脂の中では、耐熱性が良好であるという点で、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(ジグリシジルオルトトルイジン、およびN,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルアニリンを除く)を使用することが好ましい。
本発明の一液型樹脂組成物において、(A2)成分の使用量としては、後述する(B)成分の溶解性と樹脂組成物の接着性の観点から、(A1)成分と(A2)成分の合計質量に対して、0〜95質量%であることが好ましく、10〜90質量%がより好ましく、35〜65質量%が特に好ましい。
本発明の一液型樹脂組成物における(B)成分を表す一般式(1)において、X、X、X、Xは、それぞれ独立して、単結合、O、S、C(CH、CO、CO、またはSOを表し、aは、1〜10000の整数を表す。例えば、X、X、X、Xがともに酸素原子の場合はポリフェニレンエーテルとなり、X、Xがともに酸素原子であり、X、XがともにCOの場合は、ポリカーボネートとなる。このように、上記一般式(1)で表される化合物としては、具体的には、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー等が挙げられる。これらのポリマーは、いわゆる耐熱性の高いプラスチックであり、エンジニアリングプラスチックと呼称されるポリマーの一部である。本発明の一液型樹脂組成物においては、ジグリシジルオルトトルイジン、またはN,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルアニリンに対する溶解性が良好な点で、ポリエーテルスルホン(X、Xが酸素であり、X、XがSOである)、ポリスルホン(XがSO、X、Xが酸素、XがC(CHである)、ポリフェニレンスルホン(XがSO、X、Xが酸素、Xが単結合)、ポリフェニレンサルファイド(X、X、X、Xが全て硫黄)であることが好ましく、ポリエーテルスルホンが特に好ましい。
本発明の一液型樹脂組成物における(B)成分を表す一般式(1)において、Y、YはH、Cl、またはOHであるが、これらの基は(B)成分の製造方法に由来するものである。すなわち、例えば、本発明に好適に使用されるポリエーテルスルホンの製造方法としては、ジクロロジフェニルスルホンとビスフェノールSを、ジフェニルエーテルやジフェニルスルホン等の高沸点溶剤に溶解させた後、炭酸カリウムのようなアルカリ金属塩を用いて、140〜340℃で、1〜20時間反応させて得ることができる。この際、ジクロロジフェニルスルホンをビスフェノールSよりも過剰に使用した場合は、得られた化合物の末端(すなわち、一般式(1)におけるY、Y)が塩素となり、ビスフェノールSがジクロロジフェニルスルホンよりも過剰に使用された場合は、得られた化合物の末端は水酸基となる。
市販されているポリエーテルスルホンとしては、スミカエクセルPESシリーズ(住友化学(株)製)、PESシリーズ(三井化学(株)製)、ウルトラゾーンEシリーズ(BASFジャパン(株)製)、レーデルAシリーズ(ソルベイアドバンスとポリマーズ(株)製)等が挙げられる。
本発明の一液型樹脂組成物における(B)成分の使用量としては、樹脂組成物の接着性と作業性のバランスの観点から、(A1)成分と任意で使用される(A2)成分の合計質量100質量部に対して、1〜60質量部であり、3〜40質量部であることが好ましく、6〜20質量部であることがより好ましい。
本発明の一液型樹脂組成物における(C)シアン酸エステルの分子構造および分子量等は、特に制限されることはなく、公知のシアン酸エステルの中から適宜選択することができる。本発明の一液型樹脂組成物においては、特に分子中にシアネート基(OCN)を少なくとも2個有するものが好ましく、例えば、下記一般式(2−1)、(2−2)で表される化合物、並びに、これらのプレポリマーが挙げられる。
Figure 2019077804
ここで、上記式(2−1)におけるRは2価の炭化水素基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に、非置換、または1〜4個のアルキル基で置換されたフェニレン基を表す。
Figure 2019077804
ここで、上記式(2−2)におけるnは1〜100の整数を表し、Rは水素原子、または炭素原子数が1〜4のアルキル基である。樹脂組成物の粘度と硬化物の物性のバランスの観点から、nは10〜30であることが好ましい。
これらの化合物の中では、作業性の観点から、一般式(2−1)に示される化合物を使用することがより好ましく、下記一般式(2−3)に示される化合物であることが更に好ましい。
Figure 2019077804
ここで、Rは、単結合、メチレン基、−CH(CH)−、−C(CH−、または下記一般式(3−1)〜(3−8)で表される何れかの官能基を表し、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、または炭素原子数が1〜4のアルキル基を表す。
Figure 2019077804
ここで、上記式(3−3)におけるmは4〜12の整数を表す。
本発明の一液型樹脂組成物における(C)シアン酸エステルの使用量は、(A1)成分と任意で使用される(A2)成分の合計質量100質量部に対し、10〜1000質量部であることが好ましく、30〜200質量部であることがより好ましく、50〜120質量部であることが最も好ましい。10質量部よりも少ない場合には、樹脂組成物の強度が向上しない場合があり、1000質量部よりも多い場合は、樹脂組成物の基材に対する密着性が低下する傾向が顕著となる。
本発明の一液型樹脂組成物における(D)アミン系潜在性硬化剤としては、活性水素含有アミン系潜在性硬化剤であることが、反応性に優れるので好ましい。このような活性水素含有アミン系潜在性硬化剤としては、具体的には、(d−1)ポリアミン化合物と(d−2)エポキシ化合物とを反応させてなる分子内に活性水素を持つアミノ基を少なくとも1個有する変性アミン、および(d−3)フェノール系樹脂、を含有してなる潜在性硬化剤、グアニジン化合物等が挙げられる。
上記(d−1)成分であるポリアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;イソホロンジアミン、メンセンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン等の脂環式ポリアミン;m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、トリレン−2,4−ジアミン、トリレン−2,6−ジアミン、メシチレン−2,4−ジアミン、メシチレン−2,6−ジアミン、3,5−ジエチルトリレン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトリレン−2,6−ジアミン等の単核ポリアミン;ビフェニレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニルメタン、2,5−ナフチレンジアミン、2,6−ナフチレンジアミン等の芳香族ポリアミン;2−アミノプロピルイミダゾール等のイミダゾール等が挙げられる。
上記に挙げたポリアミン化合物の中では、組成物の硬化性と貯蔵安定性のバランスの観点から、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミンであることが好ましく、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、イソホロンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジンであることがより好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記(d−2)成分であるエポキシ化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、第二ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル等のモノグリシジルエーテル化合物;バーサティック酸グリシジルエステル等のモノグリシジルエステル化合物;ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノール等の単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジシクロペンタジエンジメタノール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物等の多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族または脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類、および、グリシジルメタクリレートの単独重合体または共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物が挙げられる。
上記に挙げたエポキシ化合物の中では、入手が容易で安価であるという点で、多核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物が好ましく、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルであることが特に好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(d−1)ポリアミン化合物と(d−2)エポキシ化合物を反応させて、変性アミンを得る場合の各成分の使用量としては、(d−1)成分中の活性水素当量を1当量とした場合、(d−2)エポキシ化合物のエポキシ当量が、0.25〜0.9当量であることが好ましく、0.3〜0.8当量であることがより好ましく、0.4〜0.6当量であることが特に好ましい。0.25当量よりも少ない場合は、未反応のポリアミン化合物が残存して組成物の貯蔵安定性が悪化する傾向にあり、0.9当量よりも多い場合は、組成物の硬化性が著しく低下する傾向にある。
上記(d−3)成分であるフェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類から合成されるフェノール樹脂である。上記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、n−プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、第三ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、シクロヘキシルフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−チオジフェノール、ジヒドロキシジフェニルメタン、ナフトール、テルペンフェノール、フェノール化ジシクロペンタジエン等が挙げられ、前記アルデヒド類としてはホルムアルデヒドが挙げられる。
上記フェノール類とアルデヒド類との反応モル比は、フェノール類1.0モルに対して、好ましくはアルデヒド類0.1〜3.0モル、より好ましくは0.3〜2.0モル、さらに好ましくは0.5〜1.0モルである。得られたフェノール樹脂の数平均分子量については、300〜5000であることが好ましく、750〜1200であることがより好ましい。
上記(d−3)フェノール樹脂の使用量としては、貯蔵安定性と硬化性とのバランスの観点から、上記変性アミン100質量部に対して、10〜150質量部であることが好ましく、20〜80質量部がより好ましく、30〜70質量部が更に好ましい。
また、本発明における(D)成分として、(d−1)ポリアミン化合物と(d−2)エポキシ化合物を反応させてなるアミンと、(d−3)フェノール樹脂と、を含んでなる潜在性硬化剤を用いた場合の使用量としては、(A1)成分、任意で使用される(A2)成分、および(C)成分の合計質量100質量部に対して、10〜100質量部であることが好ましく、20〜80質量部であることがより好ましい。
本発明の一液型樹脂組成物における(D)アミン系潜在性硬化剤として使用可能なグアニジン化合物としては、具体的には、下記の一般式(4−1)〜(4−4)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2019077804
ここで、Rはアミノ基、または非置換若しくはフッ素置換の炭素原子数1〜15の1価の炭化水素基、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基である。
本発明の一液型樹脂組成物においては、これらのグアニジン化合物の中でも、安定性と反応性のバランスに優れる、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ジシアンジアミドを使用することが好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一液型樹脂組成物における(D)成分として、グアニジン化合物を用いた場合の使用量としては、(A1)成分、任意で使用される(A2)成分、および(C)成分の合計質量100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましい。
本発明の一液型樹脂組成物には、必要に応じて、粘度調整剤として有機溶剤を用いることができる。この場合の有機溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。本発明の一液型樹脂組成物においては、これらの溶剤の内の一つまたは複数種を混合して、本発明の一液型樹脂組成物の総質量に対して、1〜50質量%の範囲となるように配合することができる。
本発明の一液型樹脂組成物には、必要に応じて、無機充填剤を添加してもよい。このような無機充填剤としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、炭酸カルシウム、窒化珪素、炭化珪素、窒化ホウ素、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミ、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、またはこれらを球形化したビーズ、およびガラス繊維等が挙げられる。これらの中では、これらの無機充填剤は、単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
上記無機充填剤の配合量は、一液型樹脂組成物の全固形分(有機溶剤等の揮発成分を除いた全成分の合計質量)に対して、5〜90質量%となるようにすることが好ましく、10〜50質量%となるようにすることがより好ましい。無機充填剤の配合量が5質量%未満では、硬化物の熱膨張係数の低減効果が低くなる傾向があり、90質量%を超えるとエポキシ樹脂組成物の粘度が上昇し、作業性が著しく低下する傾向となる。
本発明の一液型樹脂組成物には、必要に応じて、粉末状ゴムを用いてもよい。このような粉末状ゴムとしては、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、カルボン酸変性NBR、水素添加NBR、コアシェル型ゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリルゴム等が挙げられる。これらの粉末状ゴムは、単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
上記コアシェル型ゴムとは、粒子がコア層とシェル層を有するゴムのことであり、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマー、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造、または外層のシェル層がガラス状ポリマー、中間層がゴム状ポリマー、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のもの等が挙げられる。ガラス状ポリマーは例えば、メタクリル酸メチルの重合物、アクリル酸メチルの重合物、スチレンの重合物等で構成され、ゴム状ポリマー層は例えば、ブチルアクリレート重合物(ブチルゴム)、シリコーンゴム、ポリブタジエン等で構成される。
上記粉末状ゴムを使用する場合の粉末状ゴムの使用量としては、一液型樹脂組成物の全固形分(有機溶剤等の揮発成分を除いた全成分の合計質量)に対して、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
本発明の一液型樹脂組成物には、必要に応じて、上記無機充填剤、粉末状ゴム以外の添加剤を併用してもよい。上記添加剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ベンジルアルコール、コールタール等の非反応性の希釈剤(可塑剤);ガラス繊維、パルプ繊維、合成繊維、セラミック繊維等の繊維質充填材;ガラスクロス・アラミドクロス、カーボンファイバー等の補強材;顔料;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N’−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ろう、イボタロウ、みつろう、ラノリン、鯨ろう、モンタンワックス、石油ワックス、脂肪族ワックス、脂肪族エステル、脂肪族エーテル、芳香族エステル、芳香族エーテル等の潤滑剤;増粘剤;チキソトロピック剤;酸化防止剤;光安定剤;紫外線吸収剤;難燃剤;消泡剤;防錆剤;カーボンブラック、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の常用の添加物を挙げる事ができる。本発明においては、更に、キシレン樹脂、石油樹脂等の粘着性の樹脂類を併用することもできる。
本発明の一液型樹脂組成物においては、上記の無機充填剤、粉末状ゴム以外の添加剤の使用する場合の使用量は、一液型樹脂組成物の全固形分(有機溶剤等の揮発成分を除いた全成分の合計質量)に対して、0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
本発明の一液型樹脂組成物は、(A1)成分、任意で使用される(A2)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、および必要に応じて加える任意の成分を、必要により加熱処理しながら、撹拌、溶融、混合、分散させることにより製造することができる。この場合の、撹拌、溶融、混合、分散に使用する装置は特に限定されるものではない。本発明の一液型樹脂組成物においては、撹拌器、加熱装置を備えたライカイ機、3本ロールミル、ボールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミル、遊星式撹拌機等を使用することができる。また、これらの装置を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明の一液型樹脂組成物は、コンクリート、セメント、モルタル、各種金属、皮革、ガラス、ゴム、プラスチック、木、布、紙等に対する塗料;プリント配線基板用積層板、ビルドアップ基板用層間絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム、ダイアタッチ剤、フリップチップ実装用アンダーフィル材、グラブトップ材、TCP用液状封止材、導電性接着剤、液晶シール材、フレキシブル基板用カバーレイ、レジストインキ等の電子回路基板用樹脂材料;半導体封止材料;光導波路や光学フィルム等の光学用材料;樹脂注型材料;接着剤;LED、フォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトカプラー、CCD、EPROM、フォトセンサー等の様々な光半導体装置;CFRP等の繊維強化樹脂成形品等の各種の用途に適用することができる。これらの用途の中では、特に、パソコンやスマートフォン等の液晶ディスプレイに使用される金属、ガラス、ポリカーボネート等の材料に対する接着剤、半導体用封止剤、ポッティング剤等、電子材料分野で好適に使用することができる。
[製造例1]アミン系潜在性硬化剤(EH−1)の製造
ジムロート、撹拌羽根、窒素ラインを装着した1Lの5つ口セパラブル丸底フラスコに、ジェファーミンD−230(ポリエーテルポリアミン、ハンツマン社製)230gを仕込んで60℃に加温し、これにアデカレジンEP−4901E(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量:170g/eq.、(株)ADEKA製)190gを、系内温度が100〜110℃に保たれるように少しずつ加えた。アデカレジンEP−4901Eの添加終了後140℃に昇温し、1.5時間反応させて変性ポリアミンを得た。
得られた変性ポリアミン100gに対してMP−800K(フェノールノボラック型樹脂、軟化点:100℃、旭有機材(株)製)50gを仕込み、30分間混合させた後、180〜190℃、30〜40mmHgで1時間かけて系内の低揮発分を除去し、アミン系潜在性硬化剤(EH−1)を得た。
[製造例2]アミン系潜在性硬化剤(EH−2)の製造
ジムロート、撹拌羽根、窒素ラインを装着した1Lの5つ口セパラブル丸底フラスコに、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン130gを仕込んで80℃に加温した。この系内の温度を100〜110℃に保ちながら、アデカレジンEP−4100E(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:170g/eq.、(株)ADEKA製)を213g、30分間かけて加えた。その後、反応系を140℃に昇温し、1.5時間反応させて変性ポリアミンを得た。
得られた変性ポリアミン100gに対してMP−800Kを30g仕込み、30分間混合させた後、180〜190℃、30〜40mmHgで1時間かけて系内の低揮発分を除去し、アミン系潜在性硬化剤(EH−2)を得た。
[実施例1]
500mLビーカーにアデカレジンEP−3980S(ジグリシジルオルトトルイジン、(株)ADEKA製)を30g、ポリエーテルスルホン(スミカエクセル PES5003PS、住友化学(株)、以下「PES」という)を15g加え、80℃にて48時間加熱した。その後、スパチュラで撹拌を行い、目視にて、PESが均一に溶解していることを確認した後、アデカレジンEP−3950S(N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)アニリン、(株)ADEKA製)を70g、LECy(ビスフェノールE型シアン酸エステル、ロンザ社製)を100g、EH−1を70g、EH−2を70g加え、25℃にて5分間、スパチュラで撹拌を行った。内容物を500mLディスポカップに移した後、遊星式攪拌機を使用して、撹拌を行い、実施例1の一液型樹脂組成物を得た。得られた実施例1の一液型樹脂組成物について、下記の方法に従い、外観、接着性、作業性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[概観]
目視にて確認を行い、PESと思われる成分が均一に組成物中に溶解しているものを合格、溶解していないものを不合格とした。
[接着性]
ガラス板に、実施例1の一液型樹脂組成物を厚み100μmで塗布した後、幅5mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの半分を配合物に付着させ、150℃、1時間で配合物を硬化させた。その後、万能型ボンドテスター4000plus(ノードソン・アドバンスト・テクノロジー(株)製)を用いて、剥離速度0.2mm/sの条件で、90度ピール試験を行った。接着強度の値について、以下の指標に従い評価を行った。
A:接着強度が5N/cm以上
B:接着強度が1N/cm以上5N/cm未満
C:接着強度が1N/cm未満
本発明においては、実用レベルを考慮し、AまたはBを良好とし、Cを不良と判断した。
[作業性]
実施例1の一液型樹脂組成物を25℃にて、E型粘度計(コーン角度:3度、コーン半径:7.7mm、20rpm)により粘度を測定し、粘度の値から下記の基準で作業性を評価した。
A:粘度が1Pa・s以上50Pa・s未満
B:粘度が50Pa・s以上100Pa・s未満
C:粘度が100Pa・s以上
本発明においては、実用レベルを考慮し、AまたはBを良好とし、Cを不良と判断した。
[実施例2〜実施例6、比較例1〜比較例7]
表1のように配合を変えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例2〜6および比較例1〜7の一液型樹脂組成物を得た。得られた各配合物について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1、表2に示す。
Figure 2019077804
*1:N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルアニリン、(株)ADEKA製
*2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(株)ADEKA製
Figure 2019077804
表1の結果のとおり、本発明の樹脂組成物においては、PETとガラスの密着性が良好であり、配合物の粘度も低く抑えられ作業性も良好であることが分かった。本発明の樹脂組成物を用いない比較例1、比較例5〜7においては、接着性がいずれも悪く満足のいく結果が得られず、また、比較例2〜4においてはPESを均一に溶解させることができず、その後の評価を行うことができなかった。

Claims (8)

  1. (A1)ジグリシジルオルトトルイジン、N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルアニリンのうち少なくとも一方のエポキシ樹脂と、(B)下記一般式(1)、
    Figure 2019077804
    (ここで、上記一般式(1)において、X、X、X、Xは、それぞれ独立して、単結合、O、S、C(CH、CO、CO、またはSOを表し、Y、Yは、それぞれ独立して、H、Cl、またはOHを表し、aは、1〜10000の整数を表す。)で表される化合物と、(C)シアン酸エステルと、(D)アミン系潜在性硬化剤と、を含む一液型樹脂組成物であって、
    (A1)成分の合計100質量部に対して、(B)一般式(1)で表される化合物が、1〜60質量部であることを特徴とする一液型樹脂組成物。
  2. (A1)成分と(B)成分とを混合して、均一に溶解させた請求項1記載の一液型樹脂組成物。
  3. (B)成分がポリエーテルスルホンである請求項1または2記載の一液型樹脂組成物。
  4. (C)成分であるシアン酸エステルが、下記一般式(2−1)、
    Figure 2019077804
    (ここで、上記一般式(2−1)において、Rは2価の炭化水素基を表し、R、Rはそれぞれ独立して、非置換、または1〜4個のアルキル基で置換されているフェニレン基を表す。)で表される化合物、下記一般式(2−2)、
    Figure 2019077804
    (ここで、上記一般式(2−2)において、nは1〜100の整数を表し、Rは水素原子、または炭素原子数が1〜4のアルキル基を表す。)で表される化合物、およびこれらのプレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種からなる請求項1〜3のうちいずれか一項記載の一液型樹脂組成物。
  5. (C)成分であるシアン酸エステルが、下記一般式(2−3)、
    Figure 2019077804
    (ここで、Rは、単結合、メチレン基、−CH(CH)−、−C(CH−、または下記一般式(3−1)〜(3−8)、
    Figure 2019077804
    (ここで、上記一般式(3−3)において、mは4〜12の整数を表す。)で表される何れかの官能基を表し、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、または炭素原子数が1〜4のアルキル基を表す。)で表される化合物、およびこれらのプレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のうちいずれか一項記載の一液型樹脂組成物。
  6. (D)アミン系潜在性硬化剤が、(d−1)ポリアミン化合物と(d−2)エポキシ化合物とを反応させてなる、分子内に活性水素を持つアミノ基を少なくとも1個有する変性アミン、および(d−3)フェノール系樹脂を含有してなる請求項1〜5のうちいずれか一項記載の一液型樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか一項記載の一液型樹脂組成物が加熱硬化されてなることを特徴とする硬化物。
  8. 請求項1〜6のうちいずれか一項記載の一液型樹脂組成物が用いられてなることを特徴とする接着剤。
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