JP2019077405A - シートベルト用バックル及びフレキシブルトング - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルト当接部位を見直すこと、及び見直した当接部位にベルトが確実に来るシートベルトの構造を提供する。【解決手段】ベルト102及びトングプレート103、バックル104をシート着座者の腸骨にかかるように戴置させる。腸骨は肋骨と異なり硬い骨なので、ここでベルト102等を保持すると内臓を痛めることなくシート着座者の身体を保護することができる。併せて、衝突時に起動するELRPTやインナーテンショナーでバックルを支持することで正面衝突時にラップベルトがシート着座者の腹部に食い込んだり、ラップベルトの下にシート着座者の身体がもぐりこむことを防止する。【選択図】図5

Description

本発明はより安全なシートベルト、特にシート着座者の内臓器官の保護を目的とするものに関する。
シートベルトとは、シート着座者の身体を座席(シート)に拘束することで、座席外へ投げ出され負傷することを防ぐためのベルト状の安全装置のことをいう。主な利用用途としては航空機や4輪以上の自動車で使用されることが多い。
この中で自動車用のシートベルトの分野では、3点式シートベルトが使用されることが多い。図1は従来の3点式シートベルトの構成を表す斜視図である。
一本の長いリボン状のベルト902を巻き込んだリトラクタ901が用意されている。このリトラクタ901は、シートの背もたれ部分951や自動車の車体のBピラー近傍に設置される。そして背もたれ部分951あるいはBピラーの開口部からベルト902が引き出される。
このベルト902は座席後部のシート着座者の肩口後方から引き出され、座席のシート座面部952側方に固定される。この際、固定部の位置はベルト902の引き出しがシート着座者の左肩口からなされる場合にはシートの座面部952左手側に、右肩口からなされる場合にはシートの座面部952右手側に固定される。なお、固定を回動可能なように金具で可動するようにしても問題は無い。
ベルト902にはトングプレート903が設けられている。図2は従来のトングプレートの903の構造を表す図である。
トングプレート903の一端には切れ込み(スロット)903Aが設けられており、この切れ込み903Aにベルト902が挿入されている。
トングプレート903の他端には矩形開口部903Bが設けられている。この矩形開口部903Bはバックル904に挿入され固定される。
バックル904はトングプレート903を固定するための器具である。JISの規定では着脱が容易でかつ確実であることが求められる。特に指定された以外の結合が不可能であり、シート着座者に対して安全で、シート着座者が片手で取り外しができること、緊急時に第三者が容易に外せるようにボタンを赤色にし、かつ文字を表示しなければならない、とされている。
バックル904はバックル本体904aとバックルベルト904bを含んで構成される。
バックル本体904aは、トングプレート903を把持する為のバックルの本体部分である。
バックルベルト904bは、バックル本体904aとシートの座面部952側面をつなぐベルトである。
シート着座者が着座しトングプレート903をバックル904にセットした際に、トングプレート903からリトラクタ901側のベルト902をショルダーベルト(ダイアゴナルベルト)と称する。またトングプレート903からベルト902の固定部側のベルトをラップベルトと言う。
ラップベルトとは、腰から下胴部を拘束するためのベルトである。一方、ショルダーベルトとは、シート着座者の胸部を肩から腰にかけて斜めに拘束するベルトのことをいう。トングプレート903の切れ込み903Aにベルト902を挿入することで、これら二本のベルトの機能をベルト902一本で済ませることができるのが自動車用3点式シートベルトの大きな特徴と言える。
しかし逆を言えば、ラップベルト及びショルダーベルトの双方で同じテンションがかかることは自明であり、これを改善する発明も散見される。
特開2017‐170997(特許文献1)には、車両姿勢センサを用いて車両の状況を感知し、車両の状況によってはベルトの巻き取りを一時的に止める技術、及びこれによりベルトに当接する部位に発生する力を削減する旨が開示されている。
特開2017‐170997公開公報
しかし、あくまでも当接部位に対する力を削減するのみであり、その当接部位にベルトが当たること自体の検討はなされていない。また特許文献1記載の発明では電気的センサを用いる制御を要するがシートベルトがその真価を発揮する非常時にはそのような制御を頼るのはあまり好ましくない。
本発明の目的はベルト当接部位を見直すこと、及び見直した当接部位にベルトが確実に来るシートベルトの構造を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本発明に関わる代表的なシートベルト用バックルは、バックルベルトとバックル本体を含み、ELR PTで該シートベルト用バックルを支持することを特徴とする
このシートベルト用バックルにおいて、ELR PTがシート座面部に固定されていることを特徴としても良い。
これらのシートベルト用バックルにおいて、ELR PTが前面衝突時に起動することを特徴としても良い。
本発明に関わる別の代表的なシートベルト用バックルは、バックルベルトとバックル本体を含み、インナーテンショナーで該シートベルト用バックルを支持することを特徴とする。
このシートベルト用バックルにおいて、インナーテンショナーがシート座面部に固定されていることを特徴としても良い。
このシートベルト用バックルにおいて、インナーテンショナーが該シートベルト用バックルに直接固定されていることを特徴としても良い。
このシートベルト用バックルにおいて、インナーテンショナーが車両の床に固定されていることを特徴としても良い。
このシートベルト用バックルにおいて、インナーテンショナーが略水平方向に配置されることを特徴としても良い。
このシートベルト用バックルにおいて、インナーテンショナーの支持材がクッション部材を介して該シートベルト用バックルに固定されることを特徴としても良い。
これらのシートベルト用バックルにおいて、インナーテンショナーが前面衝突時に起動することを特徴としても良い。
本発明に関わる代表的なフレキシブルトングは、バックル受け側と、ベルトバックル側と、を含み、バックル受け側に軸が、ベルトバックル側に軸受けが設けられていることを特徴とする。
このフレキシブルトングは、軸受けに切り欠け部が、バックル受け側に軸からバックル受け部が設けられ、バックル受け部が切り欠け部にはまり込むことを特徴としても良い。
本発明に関わる別の代表的なフレキシブルトングは、バックル受け側と、ベルトバックル側と、を含み、バックル受け側に軸受けが、ベルトバックル側に軸が設けられていることを特徴とする。
本発明に関するシートベルトを用いることで、シート着座者が事故時の傷害を被る可能性を低減することが可能になる。
従来の3点式シートベルトの構成を表す斜視図である。 従来のトングプレートの903の構造を表す図である。 従来手法によるショルダーベルト当接位置の問題点を表す概念図である。 本発明によるショルダーベルトの当接位置を表す概念図である。 本発明に関わる三点式シートベルトの構造を表す側面図である。 本発明に関わる三点式シートベルトの構造を表す正面図である。 本発明の第2の実施の形態に関わる三点式シートベルトの構造を表す側面図である。 本発明の第2の実施の形態に関わる三点式シートベルトの構造を表す正面図である。 インナーテンショナーの内部構造を表す断面構造図である。 本発明の第2の実施の形態に関わる別の三点式シートベルトの構造を表す側面図である。 図10の三点式シートベルトで衝突事故が発生した際のインナーテンショナーの動作を表す模式図である。 インナーテンショナーの代わりに小型のELR PTを使用した変形例を表す図である。 本発明の第3の実施の形態に関わる別の三点式シートベルトの構造を表す側面図である。 本発明の第3の実施の形態に関わるトングプレートの正面図である。 図14のA−A‘断面におけるトングプレートの断面図である。 本発明の第3の実施の形態に関わる別のトングプレートの正面図である。 第4の実施の形態に関して正面から見た図である。 第4の実施の形態で考慮せねばならない点を表した概念図である。 第4の形態に関わるフレキシブルトングのフレーム部分の斜視図である。 第4の形態に関わるフレキシブルトングのフレーム部分の側面図である。 本発明の第1の実施の形態の変形例である。
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
(これまでの実施の形態)
図1に示す様に、従来はバックル904にトングプレート903を挿入することでシート着座者着座時のベルトを固定していた。
図3は、従来手法によるショルダーベルト当接位置の問題点を表す概念図である。
従来、UN R16(以下「従来仕様」)の求めにより、バックル904の高さに制限を受けていた。すなわち、座面と背もたれ面の交点から高さ160mm以上突出させてバックル904を配置することができないためである(インナー長さ制限)。これはチャイルドシートを配置する際にシートベルト及びバックルを用いてそれを固定する要請からこのように規定されており、その視点では妥当性がある。
このため、シート着座者のショルダーベルトが当接する個所が、図3に表す様に鎖骨から肋骨に掛けての箇所になる。
鎖骨は「固い骨」なので力が加わっても問題は無い。しかし高齢者の肋骨に力がかかると簡単に折れてしまい、内蔵の諸器官に直接影響がかかることも懸念される。
事故発生時には、シート着座者が車外に放り出されるなどの問題をクリアすることは当然である。そもそも事故が発生している時点で生命の保全が最優先されるべきであり、シート着座者に若干の怪我が残るのも止むを得ない場合も考えられる。
また、子供を育てているユーザーの視点では、チャイルドシートの装着の容易性の利点も無視できないことは当然のことである。
一方で、我が国は高齢化社会になって久しく、高齢者がドライバーになることも多い。そしてかかる高齢者は若年のころに比べ骨がもろくなることも多く、そのような高齢者に傷害が発生する可能性は極力避けるべきであるし、またそれを低減する選択肢もユーザーに提供すべきであろう。
(第1の実施の形態)
本発明はかかる視点より成立したものである。上記の通り、完全に既存の仕様の上位互換を目指すものでなく、新たな視点で可能性を提示していることに留意されたい。
図4は、本発明によるショルダーベルト(ベルト902の一部)の当接位置を表す概念図である。
本発明においては、ショルダーベルトはシート着座者の鎖骨から腸骨にかけて当接するように配置することを考える。これは、腸骨は鎖骨同様十分な強度が期待され強い力が加わっても損傷が生じることが少ないためである。当然、シート着座者に傷害が発生する可能性が低くなることは言うまでもない。
図5は、本発明に関わる三点式シートベルトの構造を表す側面図であり、図6はその正面図である。
本実施の形態では、シートの背もたれ部151、座面部152、リトラクタ101、ベルト102、トングプレート103、バックル104を含んで構成されるのは、従来例と同様である。
しかし本実施の形態では、サポートベルト105を追加すること、及びバックルベルト105bの長さを伸ばすことに特徴がある。
本実施の形態におけるバックルベルト104bは従来例で記載したバックルベルト905bと異なりその長さが長い。すなわち「従来仕様」で定義された「座面と背もたれ面の交点から高さ160mm」を超えるほどに長い。これはバックル本体104aを腸骨付近まで持ち上げる必要があるためである。このため、本発明は「従来仕様」に反することになる。
しかしバックルベルト104bを長くすることで、バックル本体104a及びトングプレート103が、シート着座者の腸骨付近にまで届くことになり、硬い腸骨でベルト102を保持することが可能になる。結果ベルト102が鎖骨、腸骨間の線よりも肋骨に力が掛かりづらくなるために内臓の加傷を低減することが可能になる。
またサポートベルト105により腸骨からトングプレート103、バックル104がずれることを防止し、内臓の加傷防止を図ることが可能になる。
この実施の形態の変形例としては以下のモノがあげられる。図21は本発明の第1の実施の形態の変形例である。
この変形例では、シート着座者の腸骨にベルト102、トングプレート103、バックル104が掛かっていない。しかし、これらが腸骨に近付くほど、すなわちバックルベルト104bが長くなればなるほど、図5と同様の効果を得られる。
これは現状のバックルの様にシート側面にバックルがシートに隠れるような形で存在する場合には、ベルトの張力が垂直方向にかかる。これに対し、腸骨近傍までバックルベルト104bが長くなると、垂直方向だけでなく水平方向にもベルトの張力が効いてくる。
従って、前面衝突時の慣性力による身体が前方に移動する際に、「従来仕様」に対応するモノよりベルト102、トングプレート103、バックル104がずれにくくなり、図5同様に内臓の加傷防止を図ることが可能になる。
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、腸骨からトングプレート103等がずれることを防止することで内臓器官を保護すること、を説明した。
しかし、乗車している車が前面衝突を起こした場合にはショルダーベルトの張力によってトングプレート103等が上方にずれる力が発生する。これにより、ベルトのもう一方の部位であるラップベルトが腸骨(骨盤)からずれ上がり、下腹部に食い込む虞がある。本実施の形態では、この改善を図ったものである。
第1の実施の形態ではバックル104を保持していたサポートベルト105を、本実施の形態ではインナーテンショナー205で保持することとなる。
図7は、本発明の第2の実施の形態に関わる三点式シートベルトの構造を表す側面図であり、図8はその正面図である。
シートの背もたれ部251、座面部252、リトラクタ201、ベルト202、トングプレート203、バックル204を含んで構成されるのは、従来例と同様である。但しサポートベルト105は、インナーテンショナー205に置き換えられる。
インナーテンショナー205は、衝突時にショルダーベルトの張力により発生するラップベルトを引き上げる力に対抗する力を発生する。インナーテンショナー205あるいはインナーテンショナー205を搭載した自動車(いずれで起動するかは設計事項)に強い衝撃が加えられると、インナーテンショナー205はバックル204をシート側に引き付ける力を生じる特徴がある。
これにより衝突時にバックル204及びトングプレート203が、シート側に引き付けられ、結果ラップベルトがシート着座者の下腹部に食い込むことを防止する。また、座面部252に身体が潜り込みラップベルトの下を身体がすり抜けることを防止する。
図9は、インナーテンショナー205の内部構造を表す断面構造図である。
インナーテンショナー205はガスジェネレータ205aとラッチメカ筒205b、プレート205c、支持材205dを含んで構成される。
ガスジェネレータ205aは、図示しないコントローラから起動信号を受け取ると、内部に設けられた火薬が破裂し、気体を一気に膨張させる膨張器である。ガスジェネレータ205aは火薬の作用時に火薬の衝撃で壊れないこと、発生した気体をラッチメカ筒205bに送り込めること、が求められる。
ラッチメカ筒205bはシリンダー状の筒体である。ガスジェネレータ205aによって発生された気体により内部のプレート205cが押圧され、バックル204を同図の矢印方向に引き付ける力を発生させる。
ラッチメカ筒205b内部はラッチ用の溝(ラッチ溝)が切られており、一度ラッチ溝を超えるとプレート205cは戻らない構成になっている。これはインナーテンショナー205が再使用するようなものではないので問題になるようなことは無い。
当然ラッチメカ筒205bが不測のガス漏れを起こす構成だとガスジェネレータ205aは火薬の作用時にプレート205cが動作しなくなる。一方で、完全に気密とするとプレート205cの動作に支障が出るので、ラッチメカ筒205bには適切な設計が求められるのは言うまでもない。
プレート205cは気体の膨張でラッチ溝を越えて動作する板状の部材である。この板状の部材には支持材205dが設けられており、ラッチメカ筒205b外に突出されている。この支持材205dにバックル204が固定されることで、ガスジェネレータ205aは火薬の作用時にバックル204が座面部252側に引き付けられる。
支持材205dは、布状のベルトである。バックル204bを支持する為の部材であり、ある程度柔軟性を持つものを想定する。支持材205dは、シート着座者との接触が想定されるためである。なお、接触に対する考慮がなされているなら金属などでも良い。
このような構成をとることで、インナーテンショナー205は以下のような動作をする。ガスジェネレータ205aは、図示しないコントローラから起動信号を受け取ると、その火薬を用いて気体を瞬時に膨張させる。この技術はエアバッグなどで一般的に用いられるものであり、特に珍しいものではない。そして、その膨張した気体によってプレート205cは図9の矢印方向に押圧される。その結果支持材205d及びそれに結合されたバックル204も図9の矢印方向に引き付けられる。
以上のようにインナーテンショナー205が事故等の有事の際に動作することで、ラップベルトがシート着座者の腹部に食い込むことを防止する。
この変形例として以下のようなものがあげられる。
図10は、本発明の第2の実施の形態に関わる別の三点式シートベルトの構造を表す側面図である。
図7及び図8の実施の形態では、インナーテンショナー205が座面部252側にラップベルト及びバックル204を引き付けていた。これに対し図10の例では、図示しない自動車のダッシュボード側にラップベルト及びバックル204を引き付ける。
本図においては、インナーテンショナー205を略水平方向に前後するように固定する。そしてプレート205cの支持材205dを直接バックルベルト204bに接続せず、クッション部材205eを垂直に固定する。インナーテンショナー205が起動すると、支持材205d及びクッション部材205eがダッシュボード方向に水平に移動する。結果として、衝突時のシート着座者の腰(および腸骨)の移動に応じて、水平方向にラップベルト及びバックル204がひきつけられるため、ラップベルトが腹部にめり込むことを防止する。
図11は、図10の三点式シートベルトで衝突事故が発生した際のインナーテンショナー205の動作を表す模式図である。
衝突事故発生時にはシート着座者の身体は背もたれ部251から離れ、慣性力により前方に強く放り出される。この際の移動量をLaとする。
この際、本図では図示しないリトラクタ201がベルトを保持し、シート着座者の身体を背もたれ部251に抑え込もうとする。このように、衝突時のシート着座者に働く慣性力とベルト203の張力が同時に発生することからベルト202、トングプレート203、バックル204に大きな力が加えられる。
結果、トングプレート203やバックル204の位置が腸骨からずれ、ベルト202の一部であるラップベルトがシート着座者の腹部に食い込むことになる可能性がある。
なお、図10ではインナーテンショナー205を床に固定しているが、図7同様座面部252に固定しても良いことは言うまでもない。
そこで、インナーテンショナー205が作動することで、トングプレート203、バックル204を移動量Lbだけダッシュボード側に移動させる。これにより、トングプレート203、バックル204及びベルト202が腸骨からずれることを防止、あるいは腸骨ずれた場合であってもシート着座者の腹部へ強い力が働くことを防止することができる。
なお、図7及び図10のいずれの形態においても、ラップベルトの自然な位置(ルーティング)を保ち続けることが重要であり、ルーティングをかえてしまうのは好ましくない。ガスジェネレータ205aの火薬の装薬量などは目的に応じて決定することが重要である。
また変形例として、図12のようにインナーテンショナー205の代わりに小型のELR PT(Emergency Locking Retractor Pre Tensioner)206を用いることも考慮すべきである。図12は、インナーテンショナー205の代わりに小型のELR PT206を使用した変形例を表す図である。
衝突等によりショックが加えられると図示しない制御部から巻き取の指示がなされ、ELR PT206がベルト206fを巻き取ることに特徴がある。これにより、インナーテンショナー205と同様の効果が期待できる。
なお、このELR PT206は普段は自由に巻き取り可能であるが、テンショナー機能が作動するときにはラチェット機構が作動するようにして巻取りできなくすることが望ましい。しかし、これに拘るものではない。
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態では腸骨付近にベルト202を通すために、バックル204及びそのバックルベルト204bの位置を「従来仕様」に反する長さにすることを提案した。
これに対し、本実施の形態では「従来仕様」に反することなく、腸骨付近にトングプレート203を位置させることを可能にする手段を提案する。
図13は、本発明の第3の実施の形態に関わる別の三点式シートベルトの構造を表す側面図である。また図14は、本発明の第3の実施の形態に関わるトングプレート303の正面図である。図15は、図14のA−A‘断面におけるトングプレート303の断面図である。
第1及び第2の実施の形態では、バックル104,204を「従来仕様」を逸脱する程度まで伸ばすことで、腸骨にベルトが掛かるようにしていた。
これに対し第3の実施の形態では、図13で表す様にトングプレートの長さを長くすることで解決する。
本実施の形態に関わるトングプレート303は、ベルトバックル303a、トング303b、連結ベルト303cを含んで構成される。
ベルトバックル303aは、ベルト302を折り返すスロットを含む。このスロットで折り返すことでベルト302に対しショルダーベルトとラップベルトの機能を与えることが可能になる。
トング303bは、バックル304にベルト302及びトングプレート303を固定するための金具である。トング303bにも、ベルトバックル303aと連結ベルト303cで固定するためのスロットが開けられている。
連結ベルト303cは、ベルトバックル303aとトング303bを連結する為のベルトである。通常のインナー長さ制限下においては、ベルトバックル303aのスロットからトング303bとバックル304との接触面の間は20mm程度になる。しかし、本実施の形態ではこれを50mmから150mm伸ばすことで、腸骨付近にベルト302が掛かるようにする。
この第3の実施の形態のトングプレート303を適用したものを表すのが図13である。本実施の形態では、第1の実施の形態におけるサポートベルト105や第2の実施の形態におけるインナーテンショナー205の様にバックル104、204を支える支持材はないものの、シート着座者の腸骨付近にベルト302が掛けられるほどバックル304の高さが高くなることが見て取れる。
なおベルトバックル303aのスロットからトング303bとバックル304との接触面の間を延長できれば、連結ベルト303cによる接続に拘る必要はない。また、あえて別体にせず、一体で構成しても良いことは言うまでもない。図16は、本発明の第3の実施の形態に関わる別のトングプレート313の正面図である。
このトングプレート313は、一体の構成となっている。但し図2の従来のトングプレートではベルトバックル303aのスロットからトング303bとバックル304との接触側のバックル304端部との間は20mm程度であったのに対し、本実施の形態のトングプレート313ではその長さが50mmから150mm伸ばすことになる。
工業製品である以上、部品点数が少ない方が製品原価は安くなるのは言うまでもない。従って、図14よりも図16の方が好ましいのはいうまでもない。但し、図16の方が重量は確実に重くなるので、シート着座者にとって必ずしも良いというわけではない。
また、第4の実施の形態とも関連するが、図16の場合は強度を常に考慮しなければならない。すなわち必要以上に頑丈であれば、シート着座者にその力が直接伝達され、事故発生時に脚部に傷害が発生することも考えられる。また、単純に強度が不足すればトングプレート313が破損し、シート着座者が車外に放り出されることも考えられる。これらの考慮も設計者は不可避であろう。
(第4の実施の形態)
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態でも述べた通り、部品の管理コストなども考えればトングプレートは一体で構成される方が望ましい。しかし、単に長いトングプレートを作るだけでは、重さやシート着座者の保護などを個別に考えねばならなくなる。
図17は第3の実施の形態に関して正面から見た図であり、図18は本実施の形態で考慮せねばならない点を表した概念図である。
衝突実験はダミー人形を使って行う。そして、第3の実施の形態についても図14及び図16のトングプレートを用いてそれぞれ評価を行った。図16のトングプレート評価の際、バックル304やトングプレート313がダミー人形の腰や脚で曲げモーメントを受けて破断する虞があることが発覚した。
そこで本実施の形態では、曲げモーメントが発生しても折れないフレキシブルトングを提案する。
図19は、本実施の形態に関わるフレキシブルトングのフレーム部分の斜視図である。また、図20は、本実施の形態に関わるフレキシブルトングのフレーム部分の側面図である。
本実施の形態におけるフレキシブルトング403は、バックル受け側431とベルトバックル側432の二つの部品により構成される。
バックル受け側431はバックル302と嵌合することでベルト302を固定する部品である。このバックル受け側431には軸が形成されており、この軸からバックル受け部431aが突出する形で形成されている。
ベルトバックル側432は、ベルト302を通すスリットが形成されている部品である。ベルトバックル側432にはバックル受け側431の軸を回動可能にするための軸受けが形成されている。なお、この軸受はすべり軸受けを考えており、とくに難しい機能を有しない。
またベルトバックル側432には切欠き部432aが設けられている。切欠き部432aは、バックル受け側431の可動範囲を規定する部位であり、この切欠き部432aにバックル受け部431aがはまり込む形でセットされる。図19及び図20の例では90度の可動範囲が設けられているが、必ずしもこれに拘るものではない。180度あるいはそれ以上の可動範囲を定義できるように切りかけ量を増やしても問題は無い。
実際の組み立ては以下のように行う。バックル受け部431の軸を側方からベルトバックル側432の軸受に嵌めこむ。その際バックル受け部431aが切欠き部432aにはまり込むようにする(図19参照)。そして、図19の領域Cを樹脂で外包する。
領域Cの樹脂の硬化後、フレキシブルトング403は一体となり従来のトングプレートと同様に使うことが可能になる。
このようにすることでフレキシブルトング403に一定以上の荷重がかかると、外被した樹脂が破断し、フレキシブルトング403が曲がるようになる。結果、バックルの破壊による傷害の発生を防止することが可能になる。
なお、上記ではバックル受け部431に軸を、ベルトバックル側432に軸受けを設けたが、逆の場合、すなわちベルトバックル側432側に軸を、バックル受け側431に受けを設けることも本発明の射程に含まれることはいうまでもない。
また軸受ではなく、図16のような形状で一部の「厚み」を意図的に薄くし金属の延性を利用し曲げるような構成を取ることも考えられる。非常時に一度曲がって、シート着座者が怪我をすることを防げば良く、再利用を考えなければ有効であろう。もし、強度的に問題があるようであれば、「幅」(図16「BW」)を太くすればよい。
さらには、上記説明では図19の領域Cを樹脂で固めるとしたが、硬めないモノについても本発明の射程に含めるのは言うまでもない。その際は、通常時においてもフレキシブルトング403は自由に回動することが可能になる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記では三点式シートベルトについて説明した。しかし、インナーテンショナー205やELR PT206をバックル204の支持に用いることを四点式以上のシートベルトに応用することも本発明の射程に含まれる。
本発明は自動車のシート着座者の安全を保護するシートベルトの構成に関する。しかし必ずしも自動車には限られず、航空機用シート等多用途に流用しても構わない。
101、201、301:リトラクタ、
102、202、302:ベルト、
103、203、303:トングプレート、
104、204、304、404:バックル、
104a:バックル本体、
104b:バックルベルト、
105:サポートベルト、
151、251、351:背もたれ部、
152、252、352:座面部、
205:インナーテンショナー、
205a:ガスジェネレータ、
205b:ラッチメカ筒、
205c:プレート、
205d:支持材、
205e:クッション部材、
206:ELR PT、
303、313:トングプレート、
303a:ベルトバックル、
303b:トング、
303c:連結ベルト、
403:フレキシブルトング、
431:バックル受け側、
431a:バックル受け部、
432:ベルトバックル側、
432a:切欠き部。

Claims (13)

  1. バックルベルトとバックル本体を含むシートベルト用バックルであって、
    ELR PTで該シートベルト用バックルを支持することを特徴とするシートベルト用バックル。
  2. 請求項1記載のシートベルト用バックルにおいて、
    前記ELR PTがシート座面部に固定されていることを特徴とするシートベルト用バックル。
  3. 請求項1または2記載のシートベルト用バックルにおいて、
    前記ELR PTが前面衝突時に起動することを特徴とするシートベルト用バックル。
  4. バックルベルトとバックル本体を含むシートベルト用バックルであって、
    インナーテンショナーで該シートベルト用バックルを支持することを特徴とするシートベルト用バックル。
  5. 請求項4記載のシートベルト用バックルにおいて、
    前記インナーテンショナーがシート座面部に固定されていることを特徴とするシートベルト用バックル。
  6. 請求項5記載のシートベルト用バックルにおいて、前記インナーテンショナーが該シートベルト用バックルに直接固定されていることを特徴とするシートベルト用バックル。
  7. 請求項4記載のシートベルト用バックルにおいて、
    前記インナーテンショナーが車両の床に固定されていることを特徴とするシートベルト用バックル。
  8. 請求項4記載のシートベルト用バックルにおいて、前記インナーテンショナーが略水平方向に配置されることを特徴とするシートベルト用バックル。
  9. 請求項6記載のシートベルト用バックルにおいて、前記インナーテンショナーの支持材がクッション部材を介して該シートベルト用バックルに固定されることを特徴とするシートベルト用バックル。
  10. 請求項4乃至9のいずれか1に記載のシートベルト用バックルにおいて、
    前記インナーテンショナーが前面衝突時に起動することを特徴とするシートベルト用バックル。
  11. バックル受け側と、ベルトバックル側と、を含むフレキシブルトングであって、
    前記バックル受け側に軸が、ベルトバックル側に軸受けが設けられていることを特徴とするフレキシブルトング。
  12. 請求項11記載のフレキシブルトングにおいて、
    前記軸受けに切り欠け部が、前記バックル受け側に軸からバックル受け部が設けられ、
    前記バックル受け部が前記切り欠け部にはまり込むことを特徴とするフレキシブルトング。
  13. バックル受け側と、ベルトバックル側と、を含むフレキシブルトングであって、
    前記バックル受け側に軸受けが、ベルトバックル側に軸が設けられていることを特徴とするフレキシブルトング。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019172050A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 オートリブ ディベロップメント エービー シートベルト装置
CN113479161A (zh) * 2021-08-13 2021-10-08 戴姆勒股份公司 能够确定胸部受伤等级的安全带系统及车辆

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