JP2019076029A - 被毛回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペットにストレスを与えることなく、ペットから抜けた被毛を効率的に回収することを可能とした被毛回収装置を提供する。【解決手段】被毛回収装置100は、吸入口15が形成され、該吸入口15を介して被毛を吸引する吸引風路部10と、吸入口15から突出するように設けられた複数のコーン部50と、吸引風路部10の下流側に設置され、被毛を回収する被毛回収部20と、被毛回収部20の下流側に設置され、被毛を吸引する空気の流れを生成するファン部30と、ファン部30に電源を供給する電源部40と、を備えたものである。【選択図】図4

Description

本発明は、ペットにストレスを与えることなく、ペットの被毛を回収する被毛回収装置に関するものである。
人間と長く共生してきた身近な動物を伴侶動物という。以下、伴侶動物をペットと称するものとする。
近年では、ペットは、家族の一員として認識されるようになっており、ペットの重要性が増している。ペットの代表としては、例えばネコ、イヌ、ウサギ、リス、ハムスター、モルモット、及び、フェレット等の哺乳類が挙げられる。
ペット業界では、人間とペットとの共生に対応する取り組み、及び、人間及びペット双方の超高齢化社会に対応する取り組みが各方面で行われている。
例えば、ペットフードに関して言えば、ペットの年齢層に対応した添加物を考慮したペットフードの提供などが進んでおり、これがペットの高齢化につながっている。
また、国の方針によれば、人間の高齢者の健康維持年齢、いわゆる健康寿命を、今よりも+1歳を目標としている。このためには、人間とペットとの共生が欠かせなくなっていることが、医学会でのデータからも検証されている。また、人間とペットとの共生は、人間の寿命にも影響していることが確認されている。
ところで、ペットから抜けた被毛の取り扱いが問題となっている。つまり、空気中に飛散したり、床面に落ちたりしたペットの被毛の回収が煩わしく、大変だった。一般的には、ペットの体表面に付着している剥がれそうな被毛及び既に剥がれた被毛は、家庭内で一般的に使用している掃除機あるいは粘着紙による掃除道具を用いて回収していた。また、ペットのブラッシング時に、ペットの体表面に付着している剥がれそうな被毛及び既に剥がれた被毛が飛散してしまう場合も多い。そこで、掃除機のノズルの先端にペット用のブラシを取り付けるようにしたものが既に存在している。
特許文献1には、ホースと、ノズルの先端に装着されたブラシと、を備え、ペットの被毛を回収するようにした技術が開示されている。
特許文献1に開示されている技術は、シロッコファンを用いて、一般的な掃除機で使用されているファンモーターよりも騒音を下げている。
また、特許文献2には、掃除機に装着され、簡単かつスムーズにペットのブラッシング作業を行うことを可能とした技術が開示されている。
特許文献2に開示されている技術は、ペットの被毛を回収するブラシに特徴を有するものであり、突起部に付着した被毛を剥がすための機構を取り入れるようにしたことで、被毛の回収を簡単にできるようにしている。
特開2011−055761号公報 特開2006−326243号公報
特許文献1に記載の技術では、ファンモーター側にゴミが入り込まないようにテッシュ等の紙ペーパーを用いたり、長いホースを用いたりするために、結局は多くの風量が必要となる。多くの風量を得るためには、シロッコファンを複数使用しなければならないことになる。すなわち、特許文献1に記載の技術においては、複数のシロッコファンを使わなければ、被毛を回収できる風量が得られない。そのため、流体の流れに伴う音が大きくなり、ケースとの振動音も発生して、それらが騒音となって外部に伝達されてしまうことになる。
ペットの中でも、特にネコは、音に敏感な聴覚特性を有しているため、そのような音に驚いて、逃げてしまう。また、一般的な家庭で使用されている掃除機では、大きさによってネコにストレスを与える場合もある。したがって、特許文献1に記載の技術では、ペットの被毛が回収できるような状態にならず、且つ、ペットにストレスを与えるものとなっていた。
特許文献2に記載の技術では、突起部に付着した被毛を剥がすための機構を取り入れるようにしたものであるが、結局は突起部に絡まった被毛を常に人間の手で回収しなければならなかった。また、特許文献2に記載においては、被毛が突起部に絡むため、ペットに対してストレス与えていることにもなっていた。これは、ブラシの構造が、抜けた被毛だけをスムーズに回収する構造及び材料でなかったために、抜けていない被毛までが突起部に絡め取られてしまうからである。したがって、特許文献2に記載の技術では、被毛回収時の煩わしさが解消しておらず、またペットが嫌がるなどの問題を抱えているものとなっていた。
本発明は、上述の課題を背景になされたもので、ペットにストレスを与えることなく、ペットの被毛を効率的に回収することを可能とした被毛回収装置を提供することを目的としている。
本発明に係る被毛回収装置は、ペットの被毛を回収する被毛回収装置であって、吸入口が形成され、該吸入口を介して被毛を吸引する吸引風路部と、前記吸入口から突出するように設けられた複数のコーン部と、前記吸引風路部の下流側に設置され、被毛を回収する被毛回収部と、前記被毛回収部の下流側に設置され、被毛を吸引する空気の流れを生成するファン部と、前記ファン部に電源を供給する電源部と、を備えたものである。
本発明に係る被毛回収装置によれば、ペットにストレスを与えることなく、ブラッシングを実行することができ、同時にペットの体表面に付着している剥がれそうな被毛及び既に剥がれた被毛を効率的に吸引回収することができる。
ネコの被毛の生え方を模式的に示した模式図である。 家庭内で一般的に使用されている掃除機の音圧レベルと被毛回収速度との関係を示すグラフである。 家庭内で一般的に使用されている掃除機の音圧レベルと風量との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る被毛回収装置を側面視した状態を概略的に示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る被毛回収装置を正面視した状態を概略的に示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る被毛回収装置を背面視した状態を概略的に示す背面図である。 本発明の実施の形態に係る被毛回収装置を底面視した状態を概略的に示す底面図である。 本発明の実施の形態に係る被毛回収装置のファン部の内部構成を拡大して概略的に示す拡大構成図である。 本発明の実施の形態に係る被毛回収装置のコーン部の構成例を拡大して概略的に示す構成図である。 本発明の実施の形態に係る被毛回収装置のコーン部の他の構成例を拡大して概略的に示す構成図である。 本発明の実施の形態に係る被毛回収装置のコーン部の配置例の一例を概略的に示す構成図である。 本発明の実施の形態に係る被毛回収装置のコーン部の配置例の他の一例を概略的に示す構成図である。 本発明の実施の形態に係る被毛回収装置の使用状態例を模式的に示す使用説明図である。 本発明の実施の形態に係る被毛回収装置を側面視した状態を概略的に示す側面図である。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、図1を含め、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。さらに、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
本実施の形態では、ペットの中でも、特にネコを対象として説明する。まず、ネコの身体的及び生態的な特徴について説明する。図1は、ネコの被毛の生え方を模式的に示した模式図である。図2は、家庭内で一般的に使用されている掃除機の音圧レベルと被毛回収速度との関係を示すグラフである。図3は、家庭内で一般的に使用されている掃除機の音圧レベルと風量との関係を示すグラフである。
ネコの体表には、1cm四方につき平均すると、600本ほどの被毛が生えている。図1に示すように、ネコの被毛には、ガードヘアと、オーンヘアと、ダウンヘアと、がある。ネコの平均的な体長は、首から尻尾の付け根までが約40±αcmである。また、ネコの平均的な胴回りは、30±αcmである。よって、ネコの胴体の表面積は、40×30=1200cmとなる。したがって、1cm四方に600本だから、1200×600=720000本となる。ただし、ネコの体の部位によって被毛の濃密部分があるため、結果的には80万本〜100万本前後の被毛が体表面に存在すると考えられる。なお、比較として、人間の髪の毛は約10万本である。
人間の毛は、一つの毛穴から一本生えるが、ネコの被毛は、図1に示すように、一つの毛穴から6本前後生える。そして、ネコの被毛は、おおよそ3ヶ月で全て生え変わる。ネコを多頭飼いしている場合は、飼っている頭数分の被毛が日常的に飛散していることになる。なお、比較として、イヌも同様な被毛の生え方をしている。
イヌとネコの被毛の太さを比較すると、いずれも平均的ではあるが、ネコの被毛の直径は0.02〜0.03mmであるのに対して、イヌの被毛の直径は0.05〜0.1mmである。イヌの被毛の直径の最小値と最大値との幅が広いのは、イヌの種類によって被毛の太さが異なるからである。
また、ネコの被毛の一本当たりの平均長は、短被毛種で3cm〜4cmであり、長被毛種で5cm〜8cmである。
被毛は、主として「ケラチン」と呼ばれるタンパク質によって構成されている。毛包の根元には、皮脂腺と呼ばれる皮脂を分泌する器官がある。毛包とは、毛根を包む袋状の上皮組織である。
しかしながら、ネコの被毛は柔らかく、皮脂腺から分泌された皮脂が被毛に十分に行き渡らないために、ネコの被毛は常に柔らかい毛質状態である。対してイヌは、その逆でネコより太い被毛のため、被毛に皮脂分が行き渡りやすい。
ネコは、単独行動するために、自身の体臭を防ぐための念入りなセルフグルーミングを行う。対してイヌは、複数行動するために、動物行動学的には体臭が必要であり、体臭があることを問題としないことから、セルフグルーミングをあまり行わない。
すなわち、ネコは、自身の体表面をなめることで臭い及び汚れを除去して清潔性を保つグルーミング行動を行う時間が多くなり、必然的に自身の被毛を飲み込んでしまう。また、セルフグルーミングにより、被毛の飛散も同時に発生している。
ネコが自分の被毛を飲み込み、毛玉が体内に溜まり過ぎると「毛球症」になる。ネコは、飲み込んで体内で処理しきれない被毛を嘔吐するが、「毛球症」になると吐き気、食欲不振、便秘、あるいは、下痢などの症状が起こり、酷くなると開腹手術が必要になる。
ネコの飼育者は、ネコの性質を保つために、ネコ自身の体の清潔さと被毛の飲み込み防止行為と併せて、ネコとのコミュニケーションの一環として、ネコの体のブラッシングを行うことが多い。このブラッシングによって、無駄な被毛の回収ができ、加えてネコが飼育者に体をなでられることでネコ自身の快適性を向上できる。つまり、ブラッシングをすることによって、被毛回収とストレス対策とを同時に実現できる。
また、ブラッシングをすることにより、ネコのストレス軽減と同時に、飼育者自身の脳内ホルモンの「オキシトシン」分泌によるストレス軽減効果を生んでいることが近年の研究で明らかになっている。
従来、飛散してしまった被毛の回収は、家庭内で一般的に使用されている掃除機又は粘着紙による掃除道具を用いて行っていた。また、動物種、特にネコに特化したブラシは少なかった。一般的に市販されているペット用のブラシは、基本的に「イヌ」と兼用したものがほとんどである。つまり、ネコの体質及び性格に対応させたネコ専用のブラシと謳うものは非常に少なかった。「イヌ」と兼用したブラシを使用したときの極端な場合は、ブラッシングを行うことでネコがストレス状態になってしまう。結果的に、ネコがブラッシング行為そのものを嫌がるという結果を招くことになっていた。
また、ネコの性質を無視して、粘着紙をネコの体表に押し付けて、被毛を回収しようとする飼育者もいる。この行為は、被毛を強制的に抜く行為と一緒であり、痛みなどを招き、ネコに対する虐待行為として捉えられる場合もある。
また、一般的に使用されている掃除機は、ゴミを集めることを基本的な仕事としており、ゴミを吸い込むのに必要な流体を生み出すために高速で回転するモータを備えている。このような、高速で回転し、強力な吸込力を生み出す掃除機は、図2及び図3に示すように、回転に伴う大きな音を発生する。掃除機から発生する音は、騒音として、社会問題にもなっている。加えて、回転に伴って、電磁成分、モータの回転成分、及び、羽根を通過するときの変動音など、様々なピーク周波数も同時に発生している。且つ、発生する音は、20kHz以上の超音波帯域でもある、高い周波数帯域まで及んでいることは周知の事実である。
ここで、ネコの聴覚及び視界に対するストレス反応を実験検証で調べた結果を説明する。ネコは、短毛種と長毛種の2種類であり、肥満傾向などの特別な理由がない限り、飼いネコの外観寸法及び重量は平均的に略同じようなサイズとなっている。
ただし、「耳の聞こえ」及び「視力」には年齢層なども加味された個体差はある。
なお、ネコに対する身体能力面については様々な見解があるが、イヌほどの研究が多く行われていないために、確実なことは少ない。イヌは人間に対する服従心が強いため、様々な試験及び研究に対しての反応が確実に取得でき、研究対象として使われることが多いことから、結果も様々発表されている。対してネコは、人間に対する服従心が少ないために、イヌと同様の試験を行っても反応を示さないばかりか、試験による外的要因によるストレス反応として回避行動をする。そのため、ネコでは、試験結果が得にくく、研究題材としては困難なことから、以前から言われている研究報告内容と今現在の研究結果とは異なる結果になっていることが多い。
そこで、音、物及び色などに対するネコのストレス状態を、身体的な反応から確認した実験を行った。なお、ネコの場合、ストレスを受けている状態を身体的外観動作で容易に確認することができる。例えば、尻尾を大きく振る、被毛を逆立てる、耳が横向きになる、物を見た途端に逃げるなどの身体的外観動作によりストレス状態を確認することができる。物を見た途端に逃げる場合、物に対する学習能力が高いと判断することもできる。
この実験のネコのサンプル数は30匹であり、ネコの性別、ネコの年齢及びネコの被毛の種類等に依存性はないが、室内での飼育ネコを中心とした点は共通事項である。
いずれの手段による被毛回収も、上記のようなストレス反応を発しており、全てのネコがストレスを感じることなく、ブラッシングを行うことはできていなかった。いずれの手段とは、掃除機、粘着紙、及び、「イヌ」と兼用したブラシのことである。
また、音が大きいということが大きなストレス要因になっていたこともわかった。
以上のことから、いずれの手段においても、ネコ目線での構成にはなっておらず、ネコ専用の被毛の回収手段は、存在しなかった。
ネコの音に対する聴感特性の実験結果は以下となった。
音圧レベルは、実空間において、ネコに近接している場所で音の出る機器、ここでは掃除機を使う場合は30dB未満が必須であることがわかった。特にネコの体に接触させて掃除機を使用する場合は20dB±3dB以下が必須であることもわかった。
周波数帯域は、1kHz以下、特に800Hz以下の低い周波数帯域に対しては、音圧レベルが30dB以下であればストレス反応が少ない傾向であることがわかった。800Hz以上の場合では音圧レベルが25dB前後から、聴感に対する身体的反応が目視で確認できた。場合によっては、音が聞こえないような距離又は場所を求めて回避行動を開始することも確認できた。
また、特異的な周波数帯域、例えば1/3オクターブの音をネコに近接した場所で出した場合、10kHz以上の帯域では20dB前後から聞こえるような動作を示し、最大で80kHz前後までは聞こえていると思われるような行動を示すことがわかった。
さらに、ピーク突出量は、1kHz以下でベースレベルから10dB以下が必須であることがわかった。
このことから、電源に対する運転周波数も考慮する必要があるということがわかった。
ネコの物に対する視覚特性の実験結果は以下となった。
物の大きさに対しては、ネコは敏感に反応することがわかった。飼育者が、例えば500mlのペットボトルを持ってネコに近づいた場合、比較的、回避行動を行わないことがわかった。これは、ネコが、自身に危害が加えられないと判断したからであると考えられる。
ただし、5cm単位でサイズが大きくなると、物から回避する行動が見られるようになった。つまり、ネコは自身の体よりも大きな物、その中でも特に動く物に強い警戒心を抱くことがわかった。このため、一般的な家庭で使用されている掃除機では、音だけでなく、大きさによってもネコにストレスを与えていることになる。なお、一般的な家庭で使用されている掃除機には、コードレスのハンディクリーナーも含まれる。
ネコの色に対する視覚特性の実験結果は以下となった。
なお、色についても、500mlのペットボトルを利用して反応を確認した。
ネコは、色弱と一般に言われているが、虹に代表される7色を用いた場合、暖色系よりも寒色系の色に対しては移動行動を伴わない傾向があるということがわかった。白い物に対しては、反応が最も鈍い傾向でもあった。
このことから、ネコは、物の色に対しても認識していると考えることができる。
以上のような実験結果から、ネコに近接させる機器には、以下のような仕様が必要であると想定することができる。
機器から発生する音に対する仕様としては、周波数帯域が800Hz以下までの動作音であって、音圧レベルが25dB以下とする。
機器の大きさに対する仕様としては、一般的な500mlのペットボトルの大きさを最大とする。
機器の色に対する仕様としては、白若しくはグレー系統とする。
このような仕様を満足する機器構成であれば、ネコに与えるストレスは少ないものと想定できる。この結果を踏まえ、空中飛散してしまう前に被毛を効率的に回収でき、ペット及び飼育者のストレスを軽減できる機器の開発が有効な手段となる。つまり、ブラッシングによってペットをリラックスさせると同時にペットの被毛回収が効果的に進められ、同時にペットとふれあえることで飼育者自身もストレス軽減効果を得られる機器の開発が望ましい。
また、ネコの体にはツボが複数あることが知られている。このツボをブラッシングと同時に刺激することで、ネコのリラックス向上及びネコの健康向上に寄与するということが学術的に明らかにされている。例えば、http://cat-guide.net/wp/wp-content/uploads/2015/05/猫 体ツボ.jpgを参照。
なお、周波数帯域が800Hzの場合は、電源周波数が関係してくるために、動作させる電源の周波数、高調波成分、及び、その際の音圧レベルにも十分に注意する必要がある。この点を考慮すると、電源としては電池などによるDC電源駆動が有効と考える。
図4は、本発明の実施の形態に係る被毛回収装置100を側面視した状態を概略的に示す側面図である。図5は、被毛回収装置100を正面視した状態を概略的に示す正面図である。図6は、被毛回収装置100を背面視した状態を概略的に示す背面図である。図7は、被毛回収装置100を底面視した状態を概略的に示す底面図である。図4〜図7に基づいて、被毛回収装置100について説明する。
被毛回収装置100は、上記ネコの身体的及び生態的な特徴を加味して構成されたものである。そのため、ここでは、対象となるペットの一例としてネコを挙げて説明する。
被毛回収装置100は、ネコがリラックスでき、飼育者とコミュニケーションをとることでネコだけでなく飼育者のストレスも軽減し、かつ、被毛飛散の拡散を低減できるようにしたものである。具体的には、被毛回収装置100は、飼育者が片手で持てる大きさに構成され、ブラッシングを実行すると同時に、ペットの体表面に付着している剥がれそうな被毛及び既に剥がれた被毛を吸引回収するものである。
まず、被毛回収装置100を構成する上での前提について説明する。
被毛回収装置100は、全体の重量を250g以下の軽量物とする。また、被毛回収装置100は、全長を30cm以下の長さとする。なお、全長とは図4における紙面左側端部から紙面右側端部までの長さのことを意味している。
被毛回収装置100は、直径を15cm以下の長さとする。なお、直径とは、図5に示す状態において、一番長い部分の長さのことを意味している。
被毛回収装置100は、自身から発生する音圧レベルを30dB以下とし、ピーク突出量を5dB以内とする。
また、被毛回収装置100は、白若しくはグレー系統の色とする。ただし、一色だけで構成しなくてもよい。また、模様及び文字などの少なくとも1つを装飾として用いてもよい。また、マーク、文字及びロゴなどの少なくとも1つを刻印などで装飾してもよい。
これらを前提として、被毛回収装置100の具体的な構成について説明する。
図4に示すように、被毛回収装置100は、吸引風路部10と、被毛回収部20と、ファン部30と、電源部40と、を有している。被毛回収装置100は、吸引風路部10と、被毛回収部20と、ファン部30と、電源部40と、が一体となって構成されている。
吸引風路部10は、下面部11及び上面部12を有し、内部に風路となる空間部が形成され、側面視した状態において三角形状に構成されている。具体的には、側面視した状態においては、図4に示すように紙面左側端部が鋭角の二等辺三角形に構成されている。また、正面視した状態においては、図5に示すように、上面部12は、楕円の一部を構成するような形状に構成され、下面部11は、ネコの体の形状に合わせた湾曲形状、例えば上面部12に向けて凸となる円弧状に構成されている。さらに、底面視した状態においては、図7に示すように、長方形状に構成されている。
ただし、吸引風路部10の具体的な形状を、図示した形状に限定するものではなく、例えば紙面左側端部に丸みを持たせてもよく、側面視した状態において円錐台形状となるよう構成してもよい。
下面部11の円弧状部分の半径は300mm〜400mmの範囲としている。下面部11をこのような形状とすることで、ネコの体に接する部分をネコの体、例えば背中又は腹部などに沿わせることが可能になる。
吸引風路部10の下面部11には、吸引風路部10の吸い込み空気の入口となる吸入口15が形成されている。吸入口15は、下面部11の吸引風路部10の先端側、つまり図1における紙面左側の端部側に開口形成されている。また、吸入口15は、ファン部30の吸入路の流路断面略中央部に位置する軸上に形成するのが望ましい。これは、ファン部30で発生する空気の流れにおいて、吸引風路部10の流路断面略中央部における風速が最も早くなるからである。つまり、ファン部30の吸入路及び吸引風路部10の流路断面略中央部に位置する軸上に吸入口15を形成するによって、吸入口15から被毛を吸入しやすくなる。
また、低騒音を実現するためには、吸引風路部10の流路断面略中央部以外で発生する空気の流れによる乱流等が発生しにくくすることが重要である。それには、吸入口15の流路断面略中央部とファン部30の吸入路流路断面略の中央部とを同一軸上に位置させる必要がある。この点からも、吸入口15は、ファン部30の吸入路の流路断面略中央部に位置する軸上に形成するのが望ましいことがわかる。
なお、吸入口15の大きさ及び形状については、特に限定するものではない。
また、吸引風路部10の上面部12の裏面には、複数のコーン部50が吸入口15から突出するように設けられている。複数のコーン部50は、例えば図7に示すように紙面上側から紙面下側に向かって千鳥状に2列に並ぶように配置されている。なお、コーン部50については、後段で詳細に説明するものとする。
被毛回収部20は、吸引風路部10の下流側に、吸引風路部10と連通するように設けられ、吸引風路部10を通ってきた被毛を回収する。被毛回収部20にはフィルター部25が設けられており、被毛はフィルター部25によって回収されることになる。フィルター部25は、被毛を回収するが、被毛を運んできた空気を流通させるものである。つまり、フィルター部25は、ファン部30に被毛が入り込まないようにする役目を果たすものである。フィルター部25を着脱自在としておけば、取り外し洗うことができる。
フィルター部25は、メッシュフィルターで構成されている。メッシュフィルターの寸法は、5mm角〜7mm角とした四角形又は半径2mm〜3mmの円形とし、開口面積は50%以上とする。フィルター部25は、上記具体的な寸法に限定するものではなく、被毛がフィルター部25に絡まることなく、フィルター部25から取りやすいものであればよい。ネコの被毛の長さは上記の通りであるので、メッシュフィルターの寸法及び開口面積であれば、被毛を確実に回収でき、かつ下流側のファン部30の回転に圧力損失を与えることなく、ファン部30を一定回転で運転させることができる。
なお、フィルター部25を構成しているメッシュフィルターの構成素材についても特に限定するものではなく、金属、樹脂、又は、紙などを構成素材として構成されたいずれのものであってもよい。
ファン部30は、被毛を吸引する空気の流れを生成するものであり、風速を5m/s下とするシロッコファン又は軸流ファンの1つで構成されている。このようなシロッコファン又は軸流ファンをファン部30とすることで、回転成分の突出したピーク成分を殆ど発生させないことができる。ファン部30には排気口35が開口形成されている。これにより、吸入口15から排気口35までを空気が流れることになる。また、排気口35には、ガード部31が設けられており、人間の指などが入り込まないようになっている。ファン部30については、後段で詳細に説明するものとする。
電源部40は、ファン部30の後方、つまりファン部30の被毛回収部20とは反対側に設けられ、ファン部30に駆動電力を供給する。電源部40には、例えばスイッチ61及びファン回転数用ボリューム62が接続されている。スイッチ61は、操作されることで、ファン部30への電源供給を開始又は停止するON/OFFスイッチとして機能するものである。風速を5m/s以下とするファン部30の駆動には、最大24VのDC電源が必要である。そのため、電源部40は、スイッチ61が操作されると、最大24VのDC電源をファン部30に供給する。
ファン回転数用ボリューム62は、ファン部30の回転数を調整する際に飼育者によって操作されるものである。ファン回転数用ボリューム62を設けておけば、ファン回転数用ボリューム62が操作されたとき、電源部40からファン部30に対して9V程度の電源供給を開始して、ファン部30の回転の強弱を段階的に調整することが可能になる。ネコの体表面の状態によっては、風速を速くしたり、遅くしたりすることが考えられるので、ファン部30の回転数の増減を実行可能とするために、回転数制御を可能にしておくとよい。ファン回転数用ボリューム62の具体例としては、強弱スイッチ又は大小スイッチなどが挙げられる。ただし、ファン部30の回転を一定速とする場合には、ファン回転数用ボリューム62を設ける必要はない。
ファン部30を動作させる電源はDC電源である。そのため、電源部40は、一度の使用時間が5分程度で、且つ、被毛回収装置100のサイズ及び重量を考慮して、DC24Vを最大として、300mA程度の電池容量とするとよい。また、図4及び図6に示すように、電源部40の背面に接点部45を設けて、電源部40に内蔵されている充電池に充電する充電式とするとよい。接点部45は、図6に示すように、プラス接点部45a及びマイナス接点部45bで構成される。被毛回収装置100を充電式とすることで、被毛回収装置100への電源供給に結線が必要なくなり、結線がないため結線がブラッシング動作の妨げにもならない。ただし、乾電池により電源を供給してもよく、ブラッシング動作の妨げにはなるが結線によって電源を供給してもよい。
充電式とした場合には、図示省略の充電ボックスに被毛回収装置100又は電源部40のみを装着保管し、保管中に充電を行うようにするとよい。また、被毛回収装置100によれば、運転時間を短くすることができ、かつ、ファン部30の回転容量を小さくできるため、充電池の大きさも小さくできる。充電池を小さくすることによって、重量も軽くなる。
なお、スイッチ61及びファン回転数用ボリューム62の設置位置を特に限定するものではない。例えば、電源部40の背面に設けてもよいし、図4に示すようにファン部30の排気口35と並ぶように設けてもよい。また、スイッチ61とファン回転数用ボリューム62とを離れた位置に設けてもよい。さらに、スイッチ61及びファン回転数用ボリューム62の大きさ及び形状についても、特に限定するものではない。
図8は、被毛回収装置100のファン部30の内部構成を拡大して概略的に示す拡大構成図である。図8に基づいて、ファン部30について詳しく説明する。
ファン部30は、外郭を構成する外装ケース30Aを有している。
外装ケース30Aの内部には、ファン30a、ベルマウス部30b、ガード部31が設置されている。
ファン30aは、シロッコファン又は軸流ファンで構成されている。
ファン30aが2000回転/分程度で回るシロッコファンである場合、回転に伴う音のピーク成分は33Hz前後に発生する。ファン30aの回転に伴うNZ成分は、羽根が30枚前後であれば、990Hzとなり、その音圧のピーク突出量は5dB以下となる。
また、ファン30aが軸流ファンである場合、同じ回転成分であり、NZ成分は6枚羽根として約200Hz程度となる。なお、Nは回転周期、Zは羽根枚数(Z)であり、NZ成分は、N×Zで求まる。
そして、吸入口15での風速を5m以下で保つためには、吸入口15の開口面積を2cm程度とする。こうすることで、吸入口15のサイズと本体のサイズが必然と決まってくる。つまり、ファン30aの仕様及び吸入口15の開口面積が決まれば、必然的に被毛回収装置100のサイズを「手のひらサイズ」とすることが可能になる。
ベルマウス部30bは、ファン部30の最上流側に開口形成されている吸入路34に設置され、ファン部30への空気の吸い込みを促す役目を果たす。ベルマウス部30bは、端部30cを介して外装ケース30Aに取り付けられている。端部30cよりも外側に外装ケース30Aの内壁を設けることは特に問題とならないが、端部30cから中心側に外装ケース30Aの内壁を設けることはベルマウス部30bよりも下流側に配置されているファン30aに圧力損失を与えることになる。そのため、外装ケース30Aは、ベルマウス部30bの端部30cの外側に内壁が位置するように構成されている。
外装ケース30Aの吸入路34と対向する面、つまり電源部40側の面は閉塞されている。そして、外装ケース30Aの図8の紙面上側には排気口35が形成されている。したがって、ファン部30が駆動することによって吸入口15から吸入された空気は、外装ケース30Aによって直角方向に曲げられてから排気口35から被毛回収装置100の外部と排出される。排気口35は、被毛回収装置100を使用している際に、ネコに向かない位置に形成されている。例えば、図6に示すように、紙面上面に排気口35を形成すればよい。また、電源部40の邪魔にならなければ、排気口35を外装ケース30Aの電源部40側の面に形成してもよい。
ガード部31は、排気口35に挿入された人間の指が、ファン30aにぶつからないようにするものである。ただし、排気口35を塞いでは空気が流れないため、メッシュ状のガードをガード部31として設置すればよい。特にガード部31の構成を限定するものではないが、人間の指が入り込まない程度のメッシュ状のガードであればよい。
図9は、被毛回収装置100のコーン部50の構成例を拡大して概略的に示す構成図である。図10は、被毛回収装置100のコーン部50の他の構成例を拡大して概略的に示す構成図である。図9及び図10に基づいて、コーン部50の構成例について詳しく説明する。
コーン部50は、ネコの体表面をブラッシングする役目を果たすものである。コーン部50は、吸入口15から突出するように吸引風路部10の上面部12の裏面に設けられている。上面部12の裏面とは、上面部12のうち吸引風路部10の内壁を構成する面である。なお、コーン部50を、上面部12の裏面ではなく、吸入口15の周囲に設けるようにしてもよい。
コーン部50の高さHは、3cm以下としている。これは、ネコの被毛下の皮膚表面にコーン部50の先端が強く当たらないことを考慮したものである。更に言えば、コーン部50の高さHは、ネコの被毛の深さ、つまり被毛先端から体表面までの長さに関係するが、コーン部50だけが体表面に接触するとネコの体に刺激を与えすぎることになってしまう。そのため、コーン部50の高さHを3cm以下とした。
また、コーン部50の先端部51は、曲面で構成され、丸みを帯びるようにしている。これは、ネコの体表面にコーン部50が当たったとしても、コーン部50によってネコの体表面への傷つきを防止するためである。なお、先端部51は、R3mm〜R5mmの曲面形状とするとよい。また、隣接するコーン部50の間隔Lは、5mm〜10mmの範囲とする。これは、被毛がコーン部50の間を通りやすくするためである。
また、図10に示すように、コーン部50の外周の一部を外側に向けて突出させた突出部52を設けてもよい。突出部52を設けることで、ブラッシングがよりスムーズに行うことができるようになる。つまり、コーン部50の間を被毛が通りやすくなる。
突出部52を設ける場合、図10に示すように、外径の異なる複数の突出部52をコーン部50に設けるとよい。外径の大きい順に上から突出部52a、突出部52b、突出部52cとして図示している。突出部52a、突出部52b、及び、突出部52cの高さhは、5mm以下としている。また、突出部52a、突出部52b、及び、突出部52cのそれぞれの間隔Gは、10mm〜15mmの範囲とする。なお、突出部52は、コーン部50と一体的に形成してもよく、コーン部50と別体としてコーン部50に取り付けるようにしてもよい。
コーン部50は、ネコの体表面をブラッシングするものであると同時に、体表面に付着している剥がれそうな被毛及び既に剥がれた被毛を掻き出す役目も果たしている。ただし、コーン部50に被毛が絡まってしまうことなく、吸引風路部10の下流側に位置する被毛回収部20にスムーズに導かれることが望ましい。そのため、コーン部50の構成材料を特に限定するものではないが、帯電防止剤が含まれた材料、例えば帯電防止剤が含まれた樹脂材料でコーン部50を形成するとよい。
なお、突出部52の形状を特に限定するものではないが、コーン部50の外周を一周するような円盤形状又はリング形状として、外側に向けて突出させるとよい。ただし、突出部52を複数の突起部で構成し、コーン部50の外周全体ではなく、コーン部50の外周の一部を外側に向けて突出させてもよい。また、各コーン部50で、同じ構成の突出部52を用いてもよいし、異なる構成の突出部52を用いてもよい。また、1つのコーン部50に設ける突出部52の個数を、全部同じ個数とする必要もない。
図11は、被毛回収装置100のコーン部50の配置例の一例を概略的に示す構成図である。図12は、被毛回収装置100のコーン部50の配置例の他の一例を概略的に示す構成図である。図7、図11及び図12に基づいて、コーン部50の配置について説明する。
図7では、紙面上側から紙面下側に向かって複数のコーン部50が千鳥状に2列に配置されている場合を例に示した。図11では、紙面上側から下側に向かってコーン部50が1列に並んで配置されている場合を例に示している。また、図12では、紙面上側から下側に向かってコーン部50が3列に配置されている場合を例に示している。なお、コーン部50の個数を図示した個数に限定するものではなく、また、コーン部50の列数を図示した列数に限定するものではない。
図7及び図12に示したように、コーン部50を複数列とする場合には、前後のコーン部50の間隔Rを5mm〜10mmの範囲とする。このような間隔とすることで、コーン部50に被毛の絡まりをなくすことができる。また、図7及び図12に示したように、コーン部50を複数列とする場合には、正面視した状態において、前後のコーン部50が重ならないように各コーン部50を配置するとよい。
なお、上述したように、隣接するコーン部50の間隔Lは、間隔Rと同様に5mm〜10mmの範囲とする。
図13は、被毛回収装置100の使用状態例を模式的に示す使用説明図である。図13に基づいて、被毛回収装置100の使用状態例について説明する。図13では、被毛回収装置100の動きを矢印A1で示し、空気の流れを矢印A2で示し、被毛の流れを矢印A3で示している。
被毛回収装置100を使用する飼育者は、被毛回収装置100のスイッチ61を操作して、被毛回収装置100に電源をいれる。飼育者は、被毛回収装置100を自身の手で持ち、吸入口15をネコCaの体表面に接触させる。そして、飼育者は、被毛回収装置100をネコCaの毛並みに沿って動かす(矢印A1)。こうすることで、被毛回収装置100の吸入口15から被毛Cが吸引風路部10に吸入される(矢印A3)。このとき、コーン部50によって、ネコCaの体表面に付着している剥がれそうな被毛C及び既に剥がれた被毛Cが掻き出されている。
吸引風路部10に吸入された、被毛Cは、被毛回収部20のフィルター部25で回収される。このとき、被毛Cと一緒に吸入された空気は、被毛回収部20を通過し、ファン部30を経由した後、ファン部30の排気口35から被毛回収装置100の外部へと排気される(矢印A2)。排気口35は、ネコCaの方を向いていないので、排気がネコに当たることもなく、ネコにストレスを与えることがない。
また、飼育者が被毛回収装置100を動かすことで、ネコCaのブラッシングが同時に行われている。つまり、被毛回収装置100は、ネコCaのブラッシングを行うと同時に、ネコCaの被毛Cを飛散させることなく、回収することを可能にしている。また、ネコCaのブラッシングを行うと同時に、ネコの体にあるツボを刺激することにもなり、ネコCaのリラックス向上及び健康向上を図ることができる。
ブラッシング時間はネコの性格にもよるが、一回当たり10分以下が一般的である。また、生え換わる被毛が多い換毛期を含め、一度に回収する被毛の重量は平均2g以下である。このことから、コーン部50の高さは3cm以下、被毛回収装置100の直径は15cm以下、被毛回収装置100の全長は30cm以下の長さ、容積が170cm以下、すなわち飼育者が片手で持てる程度の大きさ及び重量で被毛回収装置100を構成できる。
また、以上のような装置構成にも関わらず、被毛回収装置100によれば、被毛回収時に発生する音も小さく、音によるストレスをネコに与えることがない。そのため、被毛回収装置100の使用時においても、ネコ自身が安心して、飼育者との交流時間を持つことができる。
さらに、下面部11を円弧状としているので、ネコにとって気持ちの良いマッサージ効果も得られる。つまり、被毛回収装置100によりブラッシングを行う際、マッサージ効果とともに、コーン部50がネコの体表面に点接触することによるツボ刺激により、ネコに快適性を与えることができる。
図14は、本発明の実施の形態に係る被毛回収装置100Aを側面視した状態を概略的に示す側面図である。図14に基づいて、被毛回収装置100Aについて説明する。被毛回収装置100Aは、被毛回収装置100の変形例である。
図4に示したように、被毛回収装置100では、吸引風路部10の下面部11に吸入口15を形成した。つまり、被毛回収装置100では、吸入口15が被毛回収部20のフィルターと平行とならない面に形成するようにした。
それに対し、被毛回収装置100Aでは、吸引風路部10の先端に吸入口15を形成するようにした。つまり、被毛回収装置100Aでは、吸入口15が被毛回収部20のフィルターと平行になる面に形成するようにした。吸入口15を、吸引風路部10の先端に形成しても、被毛を吸い込むという点においては同等の効果が得られる。
吸入口15の位置を取り替え可能に構成しておいてもよい。具体的には、吸引風路部10を着脱自在に構成しておき、図4に示した吸引風路部10と、図14に示した吸引風路部10と、を選択的に取り付けるようにする。このようにしておけば、例えばペットの体を沿わせるように使用する場合などには図4に示した吸引風路部10を用い、ペットの手足のような細く接触面積が少ない部分で使用する場合には図14で示した吸引風路部10を用いることができる。また、体の小さなペットなどのように、図14で示した吸引風路部10を用いた方が望ましいという場合もある。
なお、上記実施の形態では、ペットのうちネコを代表例として説明したが、ネコ以外のペット、例えばイヌ、ウサギ、リス、ハムスター、モルモット、又は、フェレット等の被毛がある哺乳類についても、被毛回収装置100を使用することができる。
以上のように、被毛回収装置100は、吸引風路部10と、コーン部50と、被毛回収部20と、ファン部30と、電源部40と、を備えたものである。
そのため、被毛回収装置100によれば、ペットにストレスを与えることなく、ブラッシングを実行することができ、同時にネコの体表から抜けた被毛を効率的に吸引回収することができる。
被毛回収装置100は、ファン部30が、風速を5m/s以下とするシロッコファン又は軸流ファンの1つで構成されているので、発生する音の周波数帯域が1kHz以下、音圧レベルが30dB以下にでき、ペットにストレスを与えることがない。
被毛回収装置100は、ファン部30の外装ケース30Aが、ベルマウス部30bの端部30cの外側に内壁が位置するように構成されているので、外装ケース30Aがファン30aに圧力損失を与えることがない。
被毛回収装置100は、吸入口15が、ファン部30の吸入路34の流路断面略中央部に位置する軸上に形成されているので、吸入口15から被毛を吸入しやすくなる。
被毛回収装置100は、下面部11が、上面部12に向けて凸となる円弧状に構成されているので、ペットの体に沿わせることが可能になり、ペットにストレスを与えることがない。
被毛回収装置100は、コーン部50が、帯電防止剤が含まれた樹脂材料で形成されているので、コーン部50に被毛が絡まってしまうことがなく、被毛を円滑に回収できる。
被毛回収装置100は、コーン部50が突出部52を有しているので、コーン部50の間を被毛が通りやすくなり、ブラッシングをよりスムーズに行うことができる。
被毛回収装置100は、コーン部50の高さを3cm以内としているので、ペットの被毛下の皮膚表面にコーン部50の先端が強く当たることがなく、ペットにストレスを与えることがない。
被毛回収装置100は、電源部40に充電池を内蔵しているので、電源供給に結線が必要なくなり、結線がないため結線がブラッシング動作の妨げにもならない。
被毛回収装置100は、重量が250g以下、直径が15cm以下、全長が30cm以下に構成したので、使用者が片手で持てる大きさにできる。
10 吸引風路部、11 下面部、12 上面部、15 吸入口、20 被毛回収部、25 フィルター部、30 ファン部、30A 外装ケース、30a ファン、30b ベルマウス部、30c 端部、31 ガード部、34 吸入路、35 排気口、40 電源部、45 接点部、45a プラス接点部、45b マイナス接点部、50 コーン部、51 先端部、52 突出部、52a 突出部、52b 突出部、52c 突出部、61 スイッチ、62 ファン回転数用ボリューム、100 被毛回収装置、100A 被毛回収装置、C 被毛、Ca ネコ。

Claims (10)

  1. ペットの被毛を回収する被毛回収装置であって、
    吸入口が形成され、該吸入口を介して被毛を吸引する吸引風路部と、
    前記吸入口から突出するように設けられた複数のコーン部と、
    前記吸引風路部の下流側に設置され、被毛を回収する被毛回収部と、
    前記被毛回収部の下流側に設置され、被毛を吸引する空気の流れを生成するファン部と、
    前記ファン部に電源を供給する電源部と、を備えた
    被毛回収装置。
  2. 前記ファン部は、
    風速を5m/s以下とするシロッコファン又は軸流ファンの1つで構成されている
    請求項1に記載の被毛回収装置。
  3. 前記ファン部は、
    吸入路及び排気口が形成されている外装ケースと、
    前記外装ケースの吸入路に設置されているベルマウス部と、を有し、
    前記外装ケースは、
    前記ベルマウス部の端部の外側に内壁が位置するように構成されている
    請求項2に記載の被毛回収装置。
  4. 前記吸入口は、
    前記ファン部の吸入路の流路断面略中央部に位置する軸上に形成されている
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の被毛回収装置。
  5. 前記吸引風路部の下面部は、
    前記吸引風路部の上面部に向けて凸となる円弧状に構成されている
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の被毛回収装置。
  6. 前記コーン部は、
    帯電防止剤が含まれた樹脂材料で形成されている
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の被毛回収装置。
  7. 前記コーン部は、
    該コーン部の外周を外側に向けて突出させた突出部を有している
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の被毛回収装置。
  8. 前記コーン部の高さは3cm以内としている
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の被毛回収装置。
  9. 前記電源部に充電池を内蔵している
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の被毛回収装置。
  10. 重量が250g以下、直径が15cm以下、全長が30cm以下に構成した
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の被毛回収装置。
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